JP2527653Y2 - 筒内噴射式火花点火機関 - Google Patents

筒内噴射式火花点火機関

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JP2527653Y2 JP1988016266U JP1626688U JP2527653Y2 JP 2527653 Y2 JP2527653 Y2 JP 2527653Y2 JP 1988016266 U JP1988016266 U JP 1988016266U JP 1626688 U JP1626688 U JP 1626688U JP 2527653 Y2 JP2527653 Y2 JP 2527653Y2
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【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は筒内噴射式火花点火機関に関し、とくにその
燃焼室を郭定するピストン頂部近傍構造に関する。
[従来の技術] 筒内噴射式火花点火機関は、特開昭62−82222号公
報、実開昭61−173728号公報、実開昭55−97129号公報
により知られている。しかし特開昭62−82222号公報に
は、機関高負荷時と軽負荷時の燃焼性が両立しないこ
と、実開昭61−173728号公報、実開昭55−97129号公報
では点火栓位置が燃焼室中心からオフセットしているの
で火炎伝播距離が長くなるという問題があり、かつ点火
栓と燃料噴射弁とをシリンダヘッドの限られたスペース
に配設することが困難であるという問題があった。
これらの問題を解決するために、本出願人は先に、本
願のシリーズ出願として先願となる、昭和63年2月10日
付提出の特許出願、発明の名称:筒内噴射式火花点火機
関を提案した。すなわち、 深皿部と浅皿部を有するピストン、シリンダヘッド下
面、シリンダボアの壁面とによって形成される燃焼室
と; 前記燃焼室に開口する2つの吸気ポートと少なくとも
1つの排気ポートと; 気筒の横断面方向ほぼ中央に位置し、前記シリンダヘ
ッド下面から前記燃焼室内に突出する点火栓と; 前記気筒の横断面外周部位に設けられ、軽負荷時に比
べて高負荷時の噴射時期を早めることにより、少なくと
も1つの噴孔から高負荷時の噴射前半は主に前記浅皿部
に高負荷時の噴射後半および軽負荷時は主に前記深皿部
に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁と; から成ることを特徴とする筒内噴射式火花点火機関。
上記本出願人による先願の筒内噴射式火花点火機関で
は、軽負荷時の良好な着火性、高負荷時の点火栓まわり
の混合気の過濃防止を通して、軽負荷時、高負荷時とも
に良好な燃焼が得られるとともに、点火栓、燃料噴射弁
をうまくシリンダヘッドの限られたスペースに納めるこ
とができるという効果が得られた。
[考案が解決しようとする課題] しかしながら、上記本出願人に係る先願発明において
も、なお次の改良されるべき問題があった。すなわち、
点火栓がシリンダボア中心付近に配置され、燃料をピス
トン蒸発壁面に噴射してスワールにより蒸発壁面での燃
料の蒸発を促進させ、これに点火させる筒内噴射式火花
点火機関では、点火栓がスワールの弱いスワール中央に
あるために点火栓付近のスワール流速が小さく、多量に
燃料が噴射される高負荷時に点火栓付近がリッチになり
過ぎ、点火栓のくすぶり等による性能悪化の可能性があ
った。
本考案は、点火栓がシリンダボアのほぼ中央に位置す
る筒内噴射式火花点火機関における高負荷時の点火栓の
くすぶりを解消しかつエンジン性能を向上させることを
課題とする。
[課題を解決するための手段] 上記課題は、本考案に係る次の筒内噴射式火花点火機
関によって達成される。すなわち、 (1)点火栓を気筒の横断面方向ほぼ中央位置に配置
し、点火栓を中心にして吸気ポートと排気ポートを対向
させ、燃料噴射弁を燃焼室の外周位置でかつ点火栓より
吸気ポート側に配置し、ピストン頂面に凹部を吸気ポー
ト側に偏らせて設けるとともに、排気ポート側のピスト
ン頂面に、ピストン上死点位置でシリンダヘッド下面に
近接して燃焼室の一部を埋める凸部を設け、前記凹部の
側壁のうち前記凸部側の部分を点火栓に近接させたこと
を特徴とする筒内噴射式火花点火機関。
上記(1)記載の筒内噴射式火花点火機関は、次の具
体的構成をとることができる。
(2)深皿部と浅皿部を有するピストン、シリンダヘッ
ド下面、シリンダボアの壁面とによって形成される燃焼
室と; 前記燃焼室に開口する2つの吸気ポートと少なくとも
1つの排気ポートと; 気筒の横断面方向ほぼ中央に位置し、前記シリンダヘ
ッド下面から前記燃焼室内に突出する点火栓と; 前記気筒の横断面外周部位に設けられ、軽負荷時に比
べて高負荷時の噴射時期を早めることにより、少なくと
も1つの噴孔から高負荷時の噴射前半は主に前記浅皿部
に高負荷時の噴射後半および軽負荷時は主に前記深皿部
に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁と; から成る筒内噴射式火花点火機関であって、前記深皿部
と前記浅皿部とから成るピストン凹部は気筒軸心に対し
て前記燃料噴射弁側に偏在されておりかつ、前記ピスト
ンは、気筒軸心に対して前記燃料噴射弁と反対側の頂面
に、ピストン上死点位置でシリンダヘッドの凹状下面に
近接して燃焼室の一部を埋める凸部を有している(1)
記載の筒内噴射式火花点火機関。
(3)前記凸部の前記点火栓に対向する側のピストン頂
面の平坦面からの立上り面は、前記点火栓の中心と前記
燃料噴射弁の中心とを結ぶ線に対して直交方向に延びる
(2)記載の筒内噴射式火花点火機関。
(4)前記凸部の前記点火栓に対向する側のピストン頂
面の平坦面からの立上り面は、前記点火栓に向って凹状
に、湾曲して延びる(2)記載の筒内噴射式火花点火機
関。
[作用] 壁面の燃料蒸発をスワールによって促進させ混合気を
成層化して形成し、点火させるようにしたものでは、燃
料量の多い高負荷で点火栓近傍が濃混合気となり、点火
栓くすぶり等による出力低下の可能性があったが、上記
(1)記載の機関では、ピストンに凸部を設けて燃焼室
の一部を埋めるようにすることによってスワールの中心
をシリンダボア中心(点火栓中心に近い)から遠ざける
ようにすることが可能となり、スワールの外周部が点火
栓近傍に寄ることによって点火栓付近の気流速度が増加
し、これによって混合気の点火栓付近の過濃化を防止し
て点火栓くすぶりをなくし、かつ混合気の成層度を適正
化し、エンジン性能を改善することができる。また、ピ
ストンの凸部とシリンダヘッド凹部とのクリアランスを
狭くすることで強いスキッシュを発生することが可能と
なり、火炎伝播速度を高め、これによってもエンジン性
能を向上させることができる。また、凸部を排気ポート
側に配したので、排気弁から受熱する部分での混合気生
成を抑え、ノッキングが抑えられる。
[実施例] 以下に、本考案に係る筒内噴射式火花点火機関の望ま
しい実施例の構成、作用を、図面を参照して説明する。
第1図は本考案実施例機関を縦断面で、第2図は平面
視で示しており、第3図および第4図は本考案の第1の
実施例におけるピストン構成とスワール特性を示してお
り、第5図および第6図は本考案の第2の実施例におけ
るピストン構成とスワール特性を示している。図中、筒
内噴射式火花点火機関のシリンダブロック12に形成され
たシリンダボア14の壁面、シリンダヘッド13の下方に向
って凹状の下面、ピストン8とによって囲まれる空間か
ら燃焼室15は形成される。ピストン8は、上方に向って
浅く凹状に形成された浅皿部10と、上方に向って深く凹
状に形成され浅皿部10からさらに下方に凹まされた深皿
部9を有する。浅皿部10および深皿部9から成るピスト
ン凹部は気筒軸心から後述する燃料噴射弁6側に偏在さ
せて設けられている。浅皿部10、深皿部9によって郭定
される凹状空間は燃焼室15の一部を構成している。ピス
トン8は、気筒軸心に対して燃料噴射弁6と反対側の頂
面に、ピストン上死点位置でシリンダヘッドの凹状下面
に近接して燃焼室15の一部を埋める凸部11を有してい
る。燃焼室15には、2つの吸気ポート2a、2bから成る吸
気ポート2が開口し、かつ少くとも1つの排気ポート5
が開口している。図示例では排気ポート5が2個の場合
を示している。2個の吸気ポート2にはそれぞれ吸気弁
3がポートを開閉可能に装着され、排気ポート5には排
気弁4がポートを開閉可能に装着されている。気筒の横
断面方向(気筒の軸心と直角方向)のほぼ中央部には、
点火栓1が位置し、気筒軸心と平行に延びている。点火
栓1はシリンダヘッド13の下面から燃焼室15内に突出し
ている。気筒の横断面方向外周部位には燃料噴射弁6が
配設されている。燃料噴射弁6はピストン頂面に向け
て、機関の軽負荷時および高負荷時の噴射後半は主に深
皿部9に、高負荷時の噴射前半は主に浅皿部10に向けて
燃料を噴射するように、ピストンの上昇動と関連させて
その噴射時期、噴射方向が定められている。
点火栓1は、気筒横断面方向に、2つの吸気ポート2
a、2bと少なくとも1つの排気ポート5とで囲まれた位
置にあり、燃料噴射弁6は2つの吸気ポート2a、2bの間
に位置する。点火栓1は気筒軸心に平行に上方に延び、
燃料噴射弁6は燃焼室15の外周部位から吸気ポート2a、
2bの間を通って斜め上方、外方に延びる。点火栓1の位
置は、吸排気ポート2、5の存在しない位置であるから
吸排気ポート2、5に干渉せずに設けることができる。
燃料噴射弁6は吸気ポート2a、2bの間の従来デッドスペ
ースであった位置を利用して、吸気ポート2に干渉せず
に、かつ比較的低温の位置に設けることができる。点火
栓1の軸心と燃料噴射弁6の軸心とピストン軸心とは、
ピストン軸心を含む同一平面内にあり、燃料噴射弁6の
軸心はピストン軸心に対して点火栓1の軸心と反対側に
ある。
上記構成によって、多弁式機関と浅皿−深皿燃焼室を
組合せても点火栓1、燃料噴射弁6をスペース上無理な
く配置でき、かつ浅皿−深皿燃焼室と燃焼室内スワール
による良好な蒸発燃料燃焼特性を低下させずに済む。ま
た、点火栓1の気筒のほぼ中央位置配設は、火炎伝播距
離を最短とし、燃焼特性の向上、ノッキングの防止に寄
与する。
深皿部9の中心は気筒軸心に対して燃料噴射弁側6に
偏心しており、浅皿部10の中心は深皿部9と同じ方向に
少量偏心している。
上記の浅皿部10、深皿部9の偏位構成によって、ピス
トンが上昇していくときに、燃焼室15内のスワールを浅
皿部10の方向に、さらに深皿部9の方向へと移動させる
ことができ、外周部程流れの強いスワールの強い流れ部
分を浅皿部10へ、さらに深皿部9へと移動させて、スワ
ールによる燃料蒸発を促進させ、燃焼性、着火性を向上
できる。噴射時期の早い高負荷時噴射の燃料は噴射前半
に主に浅皿部10で燃焼されるので、中心が移動するスワ
ールの外周の強い流れにのって蒸発燃料の分散がはから
れ点火栓付近に過濃混合気が停滞することがなく、点火
栓1のくすぶりは防止され、噴射時期の遅い軽負荷時噴
射および高負荷時噴射後半の燃料は主に深皿部9で燃焼
され深皿部9に溜まる量が多くなって、過リーン化が防
止され、スワールの移動によって深皿部9内のスワール
も強められ、このスワールによって深皿部9の燃料蒸発
も促進され、またスワールにのって円滑に点火栓部位に
運ばれて、軽負荷時の着火性が向上される。
深皿部9は、凹状の外周形状が円形であり、浅皿部10
は凹状の外周形状が円形かまたは円形を大径の円弧か直
線で切り欠いた切欠き円形である。浅皿部10の円形部分
の円弧の径は深皿部9の円形の径よりも大径であり、浅
皿部10の円形部分と深皿部9の円形とは燃料噴射弁6側
で接するかほぼ接するように互いに偏位している。この
構成はピストン上昇に伴なうスワールの浅皿部10から深
皿部9への移動を確実にしている。
浅皿部10はピストン軸心と直角方向に延びる平坦な底
面10aと底面10aの外周部位から底面10aに対して立上る
側面10bを有している。深皿部9は、ピストン軸心と直
角方向に延びる平坦な底面9aと底面9aの外周部位から湾
曲してなめらかに立上る側面9bを有している。面10a、1
0b、9a、9bは燃料蒸発面であり、とくに浅皿部10の側面
10bはピストン頂面から段状に凹み、燃料がシリンダボ
ア壁面に飛散するのを防止する。深皿部9は深皿部中心
に対し燃料噴射弁6と反対側で燃料噴射弁6と対向する
位置にポケット部9cを有する。このポケット部9cに点火
栓1の下端が臨んでいる。
浅皿部10は、通常は第5図、第6図に示すように1つ
の凹みから成るが、第3図、第4図に示すように2個ま
たは2個以上の凹み10A、10Bから構成されてもよい。複
数段部とすることによってスワールの移動をよりなめら
かにできる。
前記ピストン8の凸部11は、さらに詳しくは、ピスト
ン頂面の平坦面から立上る立上り面11aと、シリンダヘ
ッド凹状下面とほぼ平行に延びるように傾けられたほぼ
部分コーン状の斜面11bを有している。斜面11bには吸気
弁4との干渉を避ける凹状の逃げ11cが形成されてい
る。
第3図、第4図は凸部11の立上り面11aが、点火栓1
の中心と燃料噴射弁6の中心とを結ぶ線に対して、平面
視で直交方向に延びる場合を示している。
第5図、第6図は凸部11の立上り面11aが、点火栓1
に向って平面視で凹状に、湾曲して延びる場合を示して
いる。
上記のような凸部11をピストン8に設けることによっ
て、燃焼室内スワールの、ピストン8の上昇に伴なう燃
料噴射弁6側への移動と、スワールの強化は、ピストン
に凹部だけを設ける場合に比べて、さらに確実にかつ円
滑に行なわれる。すなわち、ピストン8が上死点近傍に
あるとき、燃焼室15の一部は凸部11によって埋められ、
スワールは燃料噴射弁6側に押しやられるとともに、ス
ペース減少によって流れの強さが強められる。これによ
ってスワールによる燃料蒸発が益々促進され、高負荷時
の点火栓1まわりの過濃混合気停滞防止も益々促進さ
れ、軽負荷時の深皿部9内の燃料蒸発と点火栓1への蒸
発燃料の運びおよびそれによる着火性の向上が益々促進
される。凸部11はさらにシリンダヘッド凹状下面と協働
してスキッシュを発生させ、火炎伝播速度を高めて、燃
焼性を向上させる。また、第5図、第6図のような立上
り面11aの湾曲構成は、第3図、第4図のような立上り
面11aの直線状構成に比べて、スワールの、立上り面11a
へのあたり角度をゆるめ、スワールの減衰を防止でき
る。また、凸部11によって、燃焼室のうち排気弁からの
受熱の大きい部分での混合気形成抑えられ、ノッキング
の発生が抑えられる。
燃焼室15に開口する2つの吸気ポート2はスワールポ
ート2aを含んでいる。スワール生成によって燃料の蒸発
性および燃焼性がよくなる。スワールポート2aは燃焼室
15に接線方向に吸気を導入するポートから成り、望まし
くは、流量が大になったときに抵抗を増すヘリカルポー
トを用いない。スワールポート2aによって燃焼室15内に
吸気抵抗を増さずにスワールを生成できる。
燃焼室15に開口する2つの吸気ポート2は、気筒の中
心に向って吸気を導入するポート2bを含んでいる。ポー
ト2bから導入された吸気は、スワールポート2aから導入
された燃焼室15内でスワールするスワール流に直角にあ
たるので、スワールポート2aによって生成されたスワー
ルを弱めずにマイクロタービュランスを生じさせること
ができ、燃焼性が向上できる。
燃焼室15に開口する少なくとも1つの排気ポート5、
図示例では2つの排気ポート5、5は、その間に点火栓
1を位置させる必要がないので従来のように平面視で湾
曲させる必要がなく、平面視で真直に延びている。これ
によって排気抵抗が低減し、エンジンの出力増大がはか
られる。
燃料噴射弁6は多噴孔燃料噴射弁から成っている。第
3図から第6図は4噴孔の場合を示している。多噴孔の
うち、少なくとも1つの噴孔は点火栓位置よりスワール
流の流れ方向上流側に位置する深皿部底面または側面に
軽負荷時に燃料を噴射するように指向されている。第3
図から第6図において噴射7a、7b、7c、7dのうち7c、7d
が上流側噴射となる。これによって深皿部9壁面で蒸発
した蒸発燃料は軽負荷時に深皿部9内のスワールにのっ
てポケット部9cに位置する点火栓1へと運ばれ、効果的
に着火される。多噴孔とすることによって燃料の微粒化
が促進されている。
燃料噴射弁6は、第7図に示す如く弁ボデー61の先端
に多噴孔を有し、電歪式アクチュエータ等62によってニ
ードル63を開いて燃料タンク64からの燃料を噴射する。
噴射量はニードル63開時間によって制御される。噴射時
期は、エンジンスピード、エンジン負荷を検知してその
信号をエンジンコントロールコンピュータに導き、この
コンピュータによって高負荷の場合は、噴射量を増すと
ともに噴射時期を早め、軽負荷時の場合は噴射量を低減
するとともに噴射時期を遅くするように、電歪式アクチ
ュエータ62の通電を制御する。これらの燃料噴射弁6の
構造自体および制御自体は、実願昭62−58756号、特願
昭61−260621号に既に提案済みのものに準じるが、構造
自体、制御自体がこの考案の趣旨ではないので、詳述は
省略する。
つぎに主な作用について説明する。
まず、浅皿部10、深皿部9から成るピストン凹部が気
筒軸心に対して偏位しており、かつ凸部11がピストン頂
面に形成されているため、スワールポート2aによって燃
焼室15内に生成された大きなスワール(外周部程強い流
れとなっている)は、ピストン上昇に伴なって、燃焼室
中心からピストン凹部側へ移動する。かつ凸部11によっ
てスキッシュが発生する。
噴射量の多い高負荷時噴射前半は、噴射時期が早いた
め主に浅皿部10に噴射され、浅皿部10側に移動されるス
ワールによって蒸発されるとともにそのスワールにのっ
て分散し、かつスワールの流れの強いスワール外周部分
が点火栓1側に移動することによって点火栓1近傍に過
濃混合気を生成せず、点火栓1のくすぶりやスモークを
発生させない。
噴射量の少ない軽負荷時および高負荷時噴射後半は、
噴射時期が遅いため主に深皿部9に噴射され、深皿部9
側に移動するスワールによって深皿部内スワールが強め
られて蒸発を促進され、その蒸発燃料は深皿部9に大部
分滞まったまま深皿部9内の、スワールの移動によって
強くされるスワールにのって点火栓1に運ばれ、リーン
になりすぎることなく、良好に着火される。
すなわち、高負荷時も軽負荷時も良好な燃焼が得られ
る。また、凸部11によって発生されるスキッシュによっ
て火炎伝播速度が早められ燃焼が改善される。
[考案の効果] 本考案によれば、次の効果を得る。
前記課題を解決するための手段(1)のように構成し
たので、凸部11によるスワールの移動の促進によって、
高負荷時の点火栓1近傍の混合気の過濃防止、軽負荷時
の良好な着火性が得られ、かつ凸部11によるスキッシュ
によって火炎伝播速度が早められ燃焼が改善される。ま
た、凸部を排気ポート側に配したので、燃焼室のうち排
気弁からの受熱の大きい部分での混合気形成が抑えら
れ、ノッキングが抑制される。
また、点火栓1の気筒内のほぼ中央配設および燃料噴
射弁6の燃焼室外周部配設によってスペース上無理なく
点火栓1と燃料噴射弁6を筒内噴射式火花点火機関のシ
リンダヘッドに配設することができ、これらによって燃
焼性と配設構成を両立できる。また、点火栓1の気筒内
ほぼ中央配設によって火炎伝播距離を最短にでき、更な
る燃焼性の向上がはかられる。
なお、課題を解決するための手段で記載した(2)か
ら(4)の各構成をとった場合には、それぞれ次の付加
的効果を得る。
(2)、(3)の構成は、浅皿部10、深皿部9の形成
によってスワールの移動をさらに促進させる。
(4)の構成は、スワールの減衰を弱める。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係る筒内噴射式火花点火機関の縦断面
図、 第2図は第1図の平面図、 第3図は本考案の第1の実施例におけるピストンの平面
図、 第4図は第3図のピストンの断面図、 第5図は本考案の第2の実施例におけるピストンの平面
図、 第6図は第5図のピストンの断面図、 第7図は本考案で用いられる燃料噴射弁の一例の断面
図、 である。 1……点火栓 2……吸気ポート 2a……スワールポート 5……排気ポート 6……燃料噴射弁 8……ピストン 9……深皿部 10……浅皿部 11……凸部 11a……凸部の立上り面 15……燃焼室

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】点火栓を気筒の横断面方向ほぼ中央位置に
    配置し、点火栓を中心にして吸気ポートと排気ポートを
    対向させ、燃料噴射弁を燃焼室の外周位置でかつ点火栓
    より吸気ポート側に配置し、ピストン頂面に凹部を吸気
    ポート側に偏らせて設けるとともに、排気ポート側のピ
    ストン頂面に、ピストン上死点位置でシリンダヘッド下
    面に近接して燃焼室の一部を埋める凸部を設け、前記凹
    部の側壁のうち前記凸部側の部分を点火栓に近接させた
    ことを特徴とする筒内噴射式火花点火機関。
JP1988016266U 1988-02-10 1988-02-12 筒内噴射式火花点火機関 Expired - Lifetime JP2527653Y2 (ja)

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