JP2527421Y2 - 照明付き収納庫 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、照明付き収納庫に関
するものである。さらに詳しくは、この考案は、収納ス
ペースを損なうことなく、均一に照明することのでき
る、洋服ダンス等に有効な照明付き収納庫に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来より、衣服や履物をはじめ、その他
日用品等を保管するために、収納庫が用いられてきてお
り、近年では、照明器具を庫内に備えた収納庫が提供さ
れてもいる。たとえば、図３に示した洋服ダンス（ア）
には、天板部（イ）に照明器具（ウ）が設けられ、庫内
に光を照射して衣服（エ）の識別を容易にしている。

【０００３】また、図４に示した食器棚（オ）のよう
に、飾り棚（カ）に陳列した食器類（キ）に対する照明
効果を目的として、背後から間接光を照射するものも知
られている。このような間接照明タイプの収納庫では、
たとえば図５に示したように、飾り棚（カ）の奥部に照
明器具（ウ）が配設され、その照射光を背面板（ク）で
反射することにより庫内を照明するようにしている。た
とえばこれらの照明付き収納庫には、さらにリミットス
イッチが設けられ、たとえば扉の開閉に連動して照明器
具（ウ）のＯＮ／ＯＦＦを可能としたものが提供されて
もいる。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、図３に
例示した洋服ダンス（ア）の場合には、照明器具（ウ）
がスポット的な光を照射するため、庫内を広範囲に照明
することが不可能で、どうしても手暗がりになりやすい
という欠点がある。また、庫内に棚板（ケ）が中板とし
て設けられる洋服ダンス（ア）では、天板部（イ）に配
設した照明器具（ウ）から照射される光はその棚板
（ケ）に遮られ、十分な照明効果が得られない。一方、
間接照明タイプの収納庫は、図４に例示した食器棚
（オ）のように、空間部分の多い収納庫に適してはいる
が、図３に例示した衣服（エ）が比較的高密度に密集す
る洋服ダンス（ア）では、収納スペースが犠牲とされ、
向いていない。

【０００５】この考案は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、従来の照明付き収納庫の欠点を解消
し、収納スペースを十分な照度で均一に照明することが
でき、しかも収納スペースが損なわれることのない、新
しい照明付き収納庫を提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この考案は、上記の課題
を解決するものとして、収納庫内を上下の収納スペース
に仕切るとともに、上面を物品載置に利用可能とした棚
板が設けられる収納庫において、棚板は、開口部が底面
の略全面に及んで形成された中空板状のハウジングを躯
体として有し、このハウジングに、蛍光管と、集光板
と、透明樹脂反射板とが内蔵されて照明器具とされ、蛍
光管は、棚板ハウジングの端縁部に収納され、透明樹脂
反射板は、その蛍光管に向かって傾倒して対向する反射
面を有しており、蛍光管の照射光を集光板によって透明
樹脂反射板の反射面に集光した後に、この反射面で反射
し、棚板ハウジングの底面開口部より下方に光を面状に
照射して、棚板下方の収納スペースを照明することを特
徴とする照明付き収納庫を提供する。

【０００７】

【作用】この考案の照明付き収納庫においては、庫内を
上下の収納スペースに仕切るとともに、上面を物品載置
に利用可能とした棚板が、その下方の収納スペースを照
明する照明器具ともなっている。つまり、棚板は、開口
部が底面の略全面に及んで形成された中空板状のハウジ
ングを躯体として有し、このハウジングに、蛍光管と、
集光板と、透明樹脂反射板とが内蔵されている。蛍光管
は、ハウジングの端縁部に収納され、透明樹脂反射板
は、その蛍光管に向かって傾倒して対向する反射面を有
している。

【０００８】蛍光管から照射される光は、集光板によっ
て透明樹脂反射板の反射面に集光された後に、この反射
面で反射し、ハウジングの底面開口部から下方に面状に
照明する。このため、棚板下方の収納スペースを十分な
照度で均一に照明することができ、手暗がりの問題が解
消される。また、棚板上面は、従来通り、物品載置に利
用可能であり、庫内の収納スペースが損なわれることは
ない。

【０００９】

【実施例】以下、図面に沿って実施例を示し、この考案
の照明付き収納庫についてさらに詳しく説明する。

【００１０】図１は、この考案の照明付き収納庫におけ
る棚板の一例を示した斜視図である。棚板（１）は、そ
の躯体を構成する中空板状のハウジング（２）を備えて
いる。ハウジング（２）の上面は、棚板（１）の本来的
な機能の一つである物品載置に利用可能とされている。
一方、底面には、開口部（７）が略全面に及んで形成さ
れている。そして、このハウジング（２）に、細型の蛍
光管（３）、集光板（４）、及び透明樹脂反射板（５）
が内蔵されている。

【００１１】蛍光管（３）は、ハウジング（２）の端縁
部に収納されており、透明樹脂反射板（５）は、この蛍
光管（３）に向かって傾倒して対向する反射面（６）を
有している。反射面（６）は、金属蒸着によって形成さ
れている。一方、集光板（４）には、たとえば金属板又
は集光面に金属蒸着した成形品等を用いることができ
る。こうして、棚板（１）は、照明器具ともなってお
り、収納庫内を上下の収納スペースに仕切るとともに、
上面を物品載置に利用可能とするばかりでなく、これが
設けられる収納庫の収納スペースを照明することができ
る。

【００１２】この棚板（１）の照明機能は、以下の通り
に実現される。すなわち、蛍光管（３）から照射される
光は、集光板（４）によって透明樹脂反射板（５）の反
射面（６）に集光され、この後に、反射面（６）におい
て反射し、ハウジング（２）の底面開口部（７）から下
方に向かう。このときの照射光は面状であり、従って、
面発行型の照明器具と言える。この面状の照射光によ
り、棚板（１）の下方の収納スペースが、十分な照度
で、しかも均一に照明されることとなる。

【００１３】たとえば図２に示したように、収納庫が洋
服ダンス（８）である場合には、中板として設けられる
棚板（９）の使用により、棚板（９）の下方の収納スペ
ースが均一に照明される。衣服等の収納物（１０）が手
暗がりになることはない。また、収納スペースが、この
棚板（９）の設置によって削減されることもない。

【００１４】なお、棚板（１）（９）に設けられる蛍光
管（３）のＯＮ／ＯＦＦは、従来と同様に、たとえば天
板（１１）の前面部に設けることのできるリミットスイ
ッチ（１２）により行うことができ、扉（１３）の開閉
に蛍光管（３）のＯＮ／ＯＦＦを連動させることが可能
である。

【００１５】勿論、この考案は、以上の例によって限定
されることはない。棚板の形状、蛍光管の種類、大き
さ、照度等の細部については様々な態様が可能であるこ
とは言うまでもない。また、収納庫は洋服ダンスに限ら
れることはなく、住居等において比較的暗い部位に設置
される靴箱等であってもよい。

【００１６】

【考案の効果】以上詳しく説明した通り、この考案によ
って、収納スペースを確保したまま、棚板下方の収納ス
ペースを十分にかつ均一に照明することができる。手暗
がりの問題が解消される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の照明付き収納庫に用いることのでき
る棚板の一例を示した斜視図である。

【図２】この考案の照明付き収納庫の一実施例を示した
要部斜視図である。

【図３】従来の照明付き収納庫を例示した要部斜視図で
ある。

【図４】従来の照明付き収納庫を例示した要部斜視図で
ある。

【図５】図４に示した収納庫における照明方式を示した
側面図である。

【符号の説明】

１，９ 棚板 ２ ハウジング ３ 蛍光管 ４ 集光板 ５ 反射板 ６ 反射面 ７ 開口部 ８ 洋服ダンス １０ 収納物 １１ 天板 １２ リミットスイッチ １３ 扉

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 収納庫内を上下の収納スペースに仕切る
   とともに、上面を物品載置に利用可能とした棚板が設け
   られる収納庫において、棚板は、開口部が底面の略全面
   に及んで形成された中空板状のハウジングを躯体として
   有し、このハウジングに、蛍光管と、集光板と、透明樹
   脂反射板とが内蔵されて照明器具とされ、蛍光管は、棚
   板ハウジングの端縁部に収納され、透明樹脂反射板は、
   その蛍光管に向かって傾倒して対向する反射面を有して
   おり、蛍光管の照射光を集光板によって透明樹脂反射板
   の反射面に集光した後に、この反射面で反射し、棚板ハ
   ウジングの底面開口部より下方に光を面状に照射して、
   棚板下方の収納スペースを照明することを特徴とする照
   明付き収納庫。