JP2526996Y2 - 歯ブラシ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は概ね歯ブラシに関し、よ
り詳細にはブラシ頭部が柄に対して調節可能に回動され
得る様に形成された新規な構造の歯ブラシに関する。

【０００２】

【従来の技術】ブラシ頭部に複数本の荒毛の束を担持し
た単一頭部の歯ブラシ形態の先行技術が存在する。該歯
ブラシは歯に沿った揺動運動の形態で前後にロールさ
れ、また「歯を食い縛った」状態の上下運動の形態で使
用される。その主な制約は荒毛担持の単一頭部が通常は
細長い柄の平面内で柄の延長上に形成されるということ
である。柄を握った手は歯の頬側と舌側との各表面を効
果的にブラッシングする為にブラシ頭部を様々な方向に
動かさなければならないことになる。更に、このことは
右利きの人間にとって、歯の左半分の方が右半分よりも
効果的にブラッシングできるということを意味する。右
半分を従来よりも効果的にブラッシングする為には、歯
ブラシを左手に持ち換えれば良いことになる。ところ
が、右利きの人間は左手をそれほど上手には使用できな
い。従って、右手に持ったままでは右手を僅かに傾ける
ことになる。

【０００３】様々な柄の形状やブラシ頭部の荒毛の配置
の点で、歯ブラシに関する他の先行技術も存在する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】本考案の第一の目的は
改良された新しい歯ブラシを提供することである。

【０００５】本考案の第二の目的は歯の頬側と舌側との
各表面を効果的にブラッシングできる歯ブラシを提供す
ることである。

【０００６】本考案の第三の目的は複数個のブラシ担持
頭部又は荒毛束の複数種の配列を使用しない構成の歯ブ
ラシを提供することである。

【０００７】本考案の第四の目的は上下のクリーニング
動作によるブラッシングを促進することである。

【０００８】本考案の第五の目的は簡便で経済的に製造
でき、大量生産に向いている歯ブラシを提供することで
ある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】以上の目的およびその他
の目的は以下の要件から構成される歯ブラシを提供する
ことによって達成される：それぞれ基部側端部と末梢側
端部を持つ第１部材と第２部材からなる細長い柄を有
し、該第２部材が第１旋回支軸により定まる第１旋回軸
の回りで該第１部材に対し旋回可能なように、該第２部
材の基部側末端は該第１部材の末梢側末端に該第１旋回
支軸により旋回可能に連結され、第１末端とその反対側
の第２末端を持ちかつ長手方向軸が該第１末端と該第２
末端を通って伸びるブラシ頭部を有し、該ブラシ頭部は
垂直に立って該ブラシ頭部の長手方向軸に向かって広が
りかつ該第１末端から該第２末端へ長手方向軸に沿って
該ブラシ頭部の全領域に広がる複数本のクリーニング用
荒毛を有し該ブラシ頭部が該第２部材に対しその長手方
向軸の回りで旋回可能なように、該ブラシ頭部の第１末
端は該第２部材の末梢側端部に第２旋回支軸により旋回
可能に連結され、しかも、該ブラシ頭部の長手方向軸は
該第２旋回軸に平行に伸び、かつ該ブラシ頭部は該ブラ
シ頭部の長手方向軸と該第２部材の長手方向軸との間で
測定した角度が９０度を越える角度で載置されているこ
とを特徴とする歯ブラシ。

【００１０】好ましい態様を次に示す。

【００１１】前記クリーニング用荒毛の自由端部の輪郭
が波形である上記歯ブラシ。

【００１２】また、1)好ましくは非金属製であって、と
りわけプラスチックで形成されることが好ましい細長い
柄（この柄は単片構成あるいは屈曲可能だが確実に接合
された二片構成とすることができる）。

【００１３】2)前記柄の平面に対して約９０度から約１
４５度の角度で前記柄の末端部分に接合できるが、その
末端部分から脱着可能である荒毛担持頭部。

【００１４】3)好ましくはプラスチック製であって、前
記頭部上に形成される複数本のクリーニング用の荒毛。

【００１５】4)好ましくは非金属製であって、とりわけ
プラスチックで形成されることが好ましく、前記頭 部
の端部に嵌装されるブラシ頭部をその軸に対して回動さ
せるピンホール構成またはレバー構成などの適切な手
段。

【００１６】

【実施例】本考案の前述またはその他の目的および利点
は次に続く説明によって明らかになる。説明はその一部
分を形成する添付図面を参照して行なわれており、そこ
では本考案を具象化するための特定の実施例が説明のた
めに示されている。その他の実施例も利用可能であり、
また構造的な改良も考案の範囲から離れることなく行な
われ得ることが理解される。従って、次の詳細な説明を
制約的な意味に解するべきではない。

【００１７】図１を参照すると、改良された歯ブラシの
新規な構造は好ましくは、プラスチックから形成された
単片の細長い柄（２）、荒毛担持頭部（１）、多数本の
荒毛（３）及び荒毛担持頭部（１）をそれ自身の軸の廻
りで回動させる手段として使用されたレバー（４）から
構成される。

【００１８】荒毛担持頭部（１）はブラッシング用頭部
として働く。

【００１９】この目的物を得るために、好ましくはプラ
スチック製である真直な荒毛からなる多数の束（３）が
頭部（１）上に適切に装着される。この頭部は偏平な基
体部（１１）と丸味をつけた付属部分（１２）とを備え
た形に成型される。荒毛は偏平な基体部（１１）上に植
設され、丸味をつけた付属部分（１２）は柄（２）の末
端部分に配置された孔（５）に挿通され、その結果、柄
（２）の平面に対して垂直に装着されることになる。

【００２０】柄（２）の末端部分の孔（５）を貫通して
延びる丸味をつけた付属部分（１２）は先端部分近傍に
おいて付属部分の平面部に対して垂直な小孔（６）を備
える。この小孔（６）の中には、一旦嵌合されたなら
ば、荒毛担持頭部（１）の全体をその軸の廻りに回動さ
せるための手段として使用されるレバー構成（４）が嵌
装される。

【００２１】頭部（１）を廻すために（図４を参照）、
レバー構成（４）の腕（７）は旋回軸としての孔（５）
を中心として回動される。レバー構成の腕（７）は突出
位置から腕（７）を備えた柄（２）の平面に対して平行
に隣接する位置まで柄（２）の握り端部に向かって引き
倒すことができる。この構成の主要な目的は腕（７）が
ブラシ頭部（１）を越えて突出せず、そのブラッシング
動作を妨害しない様にすることにある。

【００２２】このレバー構成には、いくつかの改訂個所
がある。図４に示されるように、レバー構成（４）は特
にプラスチックで形成される丸味をつけた非金属製の腕
（７）から構成され、その両端は内側に９０度だけ曲げ
られ、それらの間に間隙を残して互いに向き合ってい
る。指で一寸押えることによって、その間隙をわずかに
拡げることができ、その結果、丸味をつけた付属部分
（１２）上の孔（６）内に短い屈曲部（８）が嵌装され
るように荒毛担持頭部（１）の丸味をつけた付属部分
（１２）を間隙の間に滑り込ませることが可能となる。
図５に示される様に、レバーは若干偏平な端部を備えた
Ｕ字型の腕（９）から構成され、腕（９）の平面に対し
て垂直な孔を各端部に備えている。

【００２３】非金属製のピン（１０）は腕（９）の一方
の偏平端部上の一方の孔を通過し、丸味をつけた付属部
分（１２）上の孔（６）を通り抜け、腕のもう一方の偏
平端部上のもう一方の孔をも通過することになる。この
構成は頭部を軸の廻りに回動させる手段として働きなが
ら、荒毛担持頭部（１）が柄から外れることを防ぐ為の
ものである。

【００２４】６ａ，６ｂ，６ｃの各図を参照すると、考
案のもう１つの実施態様が示されている。単片構成の柄
（２）の輪郭は特に手の握り動作を容易にする様に形成
されている。柄は真直ではない。荒毛担持頭部（２４）
は柄（２）の平面に対して約９０度から約１４５度の角
度で前記柄の末端部分に接続可能である。

【００２５】荒毛担持頭部（２４）はピンホール構成
［２１又は２５（図７）］によって自身の軸の廻りに回
動可能に形成される。このピンホール構成の細部は図７
に示されている。単片構成の柄（２）の末端部分（２
０）は丸味をつけられ、柄の偏平な面に対して平行な方
向に穿設された孔（２３）が設けられている。丸味をつ
けられた円形端部（２０）の一方の表面（２５）には刻
目が付けられ、もう一方の表面は平坦である。好ましく
はプラスチックで形成された真直な荒毛（３）からなる
多数の束を頭部（２４）上に相応に植付ける。荒毛の自
由端部の輪郭は様々な形状を付与され得るが、とりわけ
波形が好ましい。この頭部は柄の丸味をつけられた円形
端部（２０）が嵌合する切欠（２６）を備えるように成
型される。切欠の一方の内側表面（２８）には、柄の丸
味をつけられた円形端部（２０）の刻目付き表面に対応
して、同様に刻目が設けられる。また、この頭部には、
丸味をつけられた円形端部（２０）の孔（２３）と心合
わせされる孔（２７）が備えられる。ゴムなどの柔軟材
料で形成されたワッシャ（２２）が切欠（２６）の平坦
な内側表面と丸味をつけられた円形端部（２０）の平滑
な表面との間に配置される。このワッシャには、孔（２
７）及び孔（２３）とも心合せされる孔（２９）が穿設
される。そして非金属製のピン（２１）は総ての孔を貫
通してブラシ頭部（２４）を柄（２）に接続する。この
際に、該頭部が自身の軸の廻りに回動できることは許容
されている。

【００２６】図６に描かれた柄（２）は真直ではない
が、頭部（２４）と柄の長手方向の軸とで形成する角度
（Ａ）に関しては固定されている。しかし、この角度は
約９０度から約１４５度までの範囲で選び得る。この新
しく改良された歯ブラシの構成には、１段階の自由度、
即ち、ブラシ頭部が取り付け軸の廻りで回動できるとい
う自由度がある。

【００２７】二片構成の柄を備えることによって、更に
１段階の自由度が組み込まれることになるもう１つの好
適実施態様が図８に示されている。図６のそれほどには
真直でない柄（２）はここでは、二股ホルダー要素（５
０）と偏平な調節腕（４０）との２つの部分に置換えら
れている。

【００２８】二股の先は各股先部に孔（５１）をそれぞ
れ備え、各股先はホルダー要素（５０）の末端部分に配
置されている。偏平な調節腕（４０）の一方の端部は、
ホルダー要素（５０）の両股先（５２）の間に挟持され
る。また、この端部には、ホルダー要素（５０）の孔
（５１）と心合わせされる孔（４２）が備えられてい
る。非金属性のピン（４１）は各孔（５１）、（４２）
及び（５３）をそれぞれ貫通して嵌装され、屈曲可能で
はあるが確実な接合を形成する。

【００２９】偏平な調節腕（４０）のもう一方の端部は
丸味をつけられ、図６で既に説明された孔（２３）を備
えている。また、この端部はこの場合には孔（２３）に
該当する自軸の廻りで、ピンホール構成によって回動で
きるブラシ頭部（２４）を担持する。

【００３０】偏平な調節腕（４０）は全体が真直である
必要はないことに留意すべきである。実際のところ、偏
平要素を弯曲させることによって、（動作の）自由度が
一層向上するのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１ａは特定の位置にある実施態様の組立図を
示すものであり、図１ｂは異なった位置における同じ実
施態様を示し、図１ｃは図１ｂの位置において１１のみ
が反転した実施態様を示す。

【図２】軸の廻りで回動された後の種々の位置における
荒毛担持頭部（１）を示す図面である。

【図３】図１において示された実施態様における細長い
柄（２）が単片構成である場合を示す図面である。

【図４】ブラシ頭部をその軸の廻りで回動させるための
手段として使用される提案されたレバー構成（４）を示
す図面である。

【図５】図４において示されたレバー構成に対する代替
案としてのもう１つのレバー構成案（４）を示す図面で
ある。

【図６】図１において示された組立図に対して、本考案
の他の実施態様の組立図を示すものである。

【図７】図６において示された様にブラシ頭部をその軸
の廻りで回動させる手段としてのピンホール構成を示し
ている。

【図８】孔（５１）、（４２）、（５３）及びピン（４
１）によって形成され、屈曲可能でありながら確実に接
合された二片構成の柄（５０）を組み込んだ、もう１つ
の実施態様の組立図を示すものである。

【符号の説明】

１ 荒毛担持頭部 ２ 細長い柄 ３ 多数本の荒毛 ４ レバー ５ 柄の末端部に配置された孔 ６ 荒毛担持頭部の付属部分に設けられた小孔 ７ レバー構成の腕 ８ 腕の短い屈曲部 ９ Ｕ字型の腕 １０ ピン １１ 荒毛担持頭部の扁平な基底部 １２ 荒毛担持頭部の丸味を付けられた付属部分 ２０ 柄の末端部分 ２１ ピン ２２ ワッシャ ２３ ピンホール構成の柄に穿設された孔 ２４ ブラシ頭部 ２５ ピンホール構成の柄の頭部の刻目面 ２６ 切欠 ２７ 孔 ２８ 切欠の一方の内側表面 ２９ ワッシャの孔 ４０ 扁平な調節腕 ４１ ピン ４２ 二片構成の柄片接合ピンの孔 ５０ ホルダー要素 ５１ ホルダー要素の孔 ５２ ホルダー要素の両股先 ５３ ホルダー要素の孔

Claims (8)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 それぞれ基部側端部と末梢側端部と基部
   側端部から末梢側端部に伸びる長手方向軸を持つ第１部
   材と第２部材からなる細長い柄を有し、 該第２部材が第１旋回支軸により定まる第１旋回軸の回
   りで該第１部材に対し旋回可能なように、該第２部材の
   基部側末端は該第１部材の末梢側末端に該第１旋回支軸
   により旋回可能に連結され、 第１末端とその反対側の第２末端を持ちかつ長手方向軸
   が該第１末端と該第２末端を通って伸びるブラシ頭部を
   有し、該ブラシ頭部は垂直に立って該ブラシ頭部の長手
   方向軸に向かって広がりかつ該第１末端から該第２末端
   へ長手方向軸に沿って該ブラシ頭部の全領域に広がる複
   数本のクリーニング用荒毛を有し、 該ブラシ頭部が該第２部材に対しその長手方向軸の回り
   で旋回可能なように、該ブラシ頭部の第１末端は該第２
   部材の末梢側端部に第２旋回支軸により旋回可能に連結
   され、 しかも、該ブラシ頭部の長手方向軸は該第２旋回軸に平
   行に伸び、かつ該ブラシ頭部は該ブラシ頭部の長手方向
   軸と該第２部材の長手方向軸との間で測定した角度が９
   ０度を越える角度で載置されていることを特徴とする歯
   ブラシ。
2. 【請求項２】 前記クリーニング用荒毛の自由端部の輪
   郭が波形であることを特徴とする請求項１記載の歯ブラ
   シ。
3. 【請求項３】 前記細長い柄、ブラシ頭部及びクリーニ
   ング用荒毛がプラスチックで形成されていることを特徴
   とする請求項２記載の歯ブラシ。
4. 【請求項４】 前記ブラシ頭部の長手方向軸と第２部材
   の長手方向軸との間で測定した載置角度が１４５度より
   小さいことを特徴とする請求項１記載の歯ブラシ。
5. 【請求項５】 前記ブラシ頭部がその長手方向軸の回り
   で１４５度と２５０度の間の動作範囲で旋回可能である
   ことを特徴とする請求項１記載の歯ブラシ。
6. 【請求項６】 前記ブラシ頭部のその長手方向軸の回り
   での動作範囲が２００度であることを特徴とする請求項
   ５記載の歯ブラシ。
7. 【請求項７】 前記第１旋回支軸が第２部材の基部側末
   端と第１部材の 抹消側末端に一直線に開けられた穴にぴ
   ったりと受け止められたピンを含み、歯ブラシの通常使
   用時は旋回動作に抵抗するが、磨く人のトルクに応答し
   て容易に第１部材の回りに第２部材を旋回させる軸連結
   が形成されていることを特徴とする請求項１記載の歯ブ
   ラシ。
8. 【請求項８】 前記第２旋回支軸がブラシ頭部と第２部
   材の抹消側末端に一直線に開けられた穴ににぴったりと
   受け止められたピンを含み、歯ブラシの通常使用時は旋
   回動作に抵抗するが、磨く人のトルクに応答して容易に
   ブラシ頭部をその長手方向軸に回りに旋回させる軸連結
   が形成されていることを特徴とする請求項１記載の歯ブ
   ラシ。