JP2525577B2 - 無菌充填機における滅菌剤の噴霧量変更方法および装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、無菌包装システムにおいて、筒状容器内に
滅菌剤を均一に噴霧する方法および装置に関するもので
ある。

［従来技術］ 第３図は、従来より行われている無菌包装システムの
一例を示す説明図で、無菌包装機１は、その殆ど全体を
無菌室としており、製函部チャンバ３で成形された筒状
容器（ボトムシールカートン）４は成形不良検出部５で
検査された後、滅菌剤スプレー部６、UVランプ照射部７
を通過し、次いで、熱風エア乾燥部８でノズル９より噴
出する熱風エアにより乾燥された後、液体充填部10、ト
ップ加熱部11、トップ圧着シール部12を経て無菌状態に
おける充填、包装工程を終了する。このような無菌包装
機１は、汎用性を持たせるため、通常１台で周囲寸法が
同一で高さが異なる複数種類の筒状容器４を処理できる
ようにしているが、この場合には筒状容器４のサイズに
対応して滅菌剤の噴霧量を選定しなければならない。こ
のため、従来はスプレーノズル13からの滅菌剤の噴霧時
間を変更し、その噴霧量を変化させていた。

［従来技術の問題点］ しかしながら、スプレー時間を変更する方法は底が浅
い容器で容器を固定しておいてスプレーする場合は利用
できるが、筒状容器４が深底である場合には、スプレー
ノズル13を容器４の内部に挿入して噴霧するため、単に
噴霧時間を変更するだけでは、容器深さの変化により容
器４の内面での殺菌剤の付着分布に変動が生じ、均一に
ミストが付着しないという欠点があった。

［目的］ 本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであ
り、筒状容器のサイズに変更があっても、その内面に同
様に均一な滅菌剤ミストが付着させることができる滅菌
剤の噴霧方法および装置を提供するものである。

［発明の概要］ この目的を達成するため、本発明の方法は、混合エア
圧は一定とし、スプレーノズルに供給する殺菌剤の液圧
を並列に設けたレギュレータの開閉弁の開閉により制御
し、スプレー時間等は変更せずにスプレーミスト付着量
のみを変化させて、該当サイズの容器に最適な量のミス
トを容器内面に均一に付着させるようにしたものであ
り、また、本発明の装置は、滅菌剤貯蔵タンクに各容器
のサイズに適合するレギュレータおよび開閉弁をそれぞ
れ接続し、容器サイズの変更に対応してレギュレータの
開閉弁を切り換え、適合するレギュレータによりスプレ
ーノズルに供給する滅菌剤の液圧を制御するようにした
ものである。

［実施例］ 以下、図面に示す実施例に従って説明する。図面は本
発明による滅菌剤の噴霧装置を示すもので、第１図は一
部を記号で示した断面図である。

第１図において、21は前記無菌包装機１の滅菌剤スプ
レー部６において使用されているスプレーノズルであ
り、このスプレーノズル21はエア通路22および滅菌剤通
路23が形成さえたノズル本体24を有し、このノズル本体
24には内部に外側通路25および内側通路26が形成された
２重パイプ27が連結されている。そして、外側通路25は
前記エア通路22に、また、内側通路26は滅菌剤通路23に
それぞれ接続されている。内側通路26および滅菌剤通路
23には調整ステー28が挿入され、この調整ステー28を軸
方向に移動することにより滅菌剤の供給停止を行う。ノ
ズル本体24の先端にはノズルキャップ29が取り付けら
れ、このノズルキャップ29とノズル本体24との間にはエ
ア通路22から供給されたエアと滅菌剤通路23から供給さ
れた滅菌剤とを混合する混合室30が形成されている。ま
た、このノズルキャップ29の先端には十字状の噴霧スリ
ツト31が形成され、この噴霧スリット31を通じてエア混
合滅菌剤が前記筒状容器４に噴霧される。32はエア源で
あり、このエア源32には前記外側通路25が接続されてい
る。33は内部に滅菌剤Ｌが貯蔵された貯蔵タンクであ
り、この貯蔵タンク33には前記内側通路26が接続されて
いる。35は貯蔵タンク33とエア源34とを連結するエアパ
イプであり、このエアパイプ35を通じて貯蔵タンク33に
注入されたエアは殺菌剤Ｌを加圧して滅菌剤Ｌの液圧を
決定する。なお図中符号Ｐはプレッシャーゲージであ
る。エアパイプ35の途中には並列に配置された複数（こ
の実施例では３本）の分枝パイプ36、37、38が設けら
れ、これら分枝パイプ36、37、38には設定圧の異なるレ
ギュレータ39、40、41、例えば二次側圧力が異なった値
に設定されている減圧弁、がそれぞれ設けられている。
そして、これらレギュレータ39、40、41の二次側圧はサ
イズの異なる３種類の筒状容器４に対する滅菌剤Ｌの最
適噴霧圧にそれぞれ設定されている。レギュレータ39、
40、41より下流側の分枝パイプ36、37、38にはそれぞれ
前記レギュレータ39、40、41と対をなす開閉弁42、43、
44が設けられ、これらの開閉弁42、43、44は図示してい
ないコントローラにより滅菌される容器サイズに応じて
切り換えられるが、通常いずれか１個の弁が開となり、
残りの弁が閉となつている。

このような噴霧装置は以下のように作動する。即ち、
所定サイズの筒状容器４が成形された後、滅菌剤スプレ
ー部６まで到達すると、該容器４のサイズ信号に連動し
て開閉弁が切り換わり、当該サイズに対応した開閉弁、
例えば開閉弁42のみが開となり、残りの開閉弁43、44は
閉となる。このため、滅菌剤Ｌに作用するエアの圧力が
レギュレータ39の設定圧となり、この結果、混合室30に
は当該サイズの筒状容器４に最適の液圧となった殺菌剤
Ｌが供給される。そして、この混合室30において、殺菌
剤Ｌとエア源32からの定圧エアとが混合され、噴霧スリ
ット31から筒状容器４に噴霧される。この結果、筒状容
器４内面には最適量の殺菌剤Ｌのミストが均一に付着さ
れる。次に、筒状容器４のサイズに変更があると、開閉
弁42、43、44が切り換わて当該サイズに最適のレギュレ
ータのみが開となり、滅菌剤Ｌの液圧が制御される。

第２図は噴霧量と液圧との関係を示すグラフであり、
この第２図からわかるように、液圧を上下させればこれ
に追従して噴霧量も増減する。したがって、滅菌剤の液
圧を変化させることでサイズの異なる筒状容器に最適量
の滅菌剤をそれぞれ付着させることができるものであ
る。

なお、前述の実施例においては、筒状容器の種類が３
種類であったため、３種のレギュレータを並列に設けた
が、この発明においては筒状容器の種類数と同数のレギ
ュレータを並列に設ければよい。また、開閉弁の設置位
置はレギュレータの上流側でもよい。

［効果］ 以上説明したように、この発明によれば、無菌包装機
において、滅菌処理される筒状容器のサイズに変更があ
っても、これに対応したレギュレータを備えた開閉弁を
開放することにより滅菌剤の噴霧時間を変更することな
くその内面に滅菌剤ミストを均一に付着させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一部を記号で示した断面図、第２図は殺菌剤の
噴霧量と殺菌剤の液圧との関係を示すグラフ、第３図は
従来より行われている無菌包装システムの一例を示う説
明図、である。 １……無菌包装機、４……筒状容器、 21……スプレーノズル、33……貯蔵タンク、 34……エア源、39、40、41……レギュレータ、 42、43、44……開閉弁、Ｌ……滅菌剤。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一つのエア圧力源と滅菌剤貯蔵タンクとの
   間を、各サイズの滅菌処理される筒状容器に対する滅菌
   剤供給量が、それぞれ同一噴霧時間で最適値となるよう
   な圧力を給送する各レギュレータを備えた開閉弁の複数
   個によって並列に接続し、前記各サイズの筒状容器に対
   応してスプレーノズルに対する滅菌剤供給量が常に同一
   噴霧時間で最適値となるよう前記開閉弁の一つを選択・
   開放するとともに、前記スプレーノズルに対し、前記加
   圧滅菌剤にエアを混合・噴霧するための定圧エアを供給
   して、噴霧時間を変更することなく前記各筒状容器のサ
   イズに応じた必要とする滅菌剤量を、その内面へ噴霧す
   るようにしたことを特徴とする無菌充填機における滅菌
   剤の噴霧量変更方法。
2. 【請求項２】一つのエア源と、一個の滅菌剤貯蔵タンク
   と、前記両者の間をそれぞれ設定圧の異なる複数のレギ
   ュレータとこれに直列に連通した開閉弁とよりなる導管
   を用いて並列に接続した管路と、前記管路に接続された
   滅菌剤通路と前記滅菌剤通路より供給される滅菌剤を噴
   霧させるために設けた定圧エア源に接続されたエア通路
   とを備えたスプレーノズルと、より構成され、滅菌処理
   される筒状容器のサイズに応じて前記開閉弁の一つを開
   閉して所望設定圧のエアを滅菌剤貯蔵タンクに導いて滅
   菌剤液圧を変化させることにより、筒状容器のサイズに
   適した量の滅菌剤を噴霧時間を変更することなくスプレ
   ーノズルより容器内に噴霧できるようにしたことを特徴
   とする無菌充填機における滅菌剤の噴霧装置。