JP2524105B2 - 密度および速度変調を有するビ―ム管 - Google Patents

密度および速度変調を有するビ―ム管

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JP2524105B2
JP2524105B2 JP60246466A JP24646685A JP2524105B2 JP 2524105 B2 JP2524105 B2 JP 2524105B2 JP 60246466 A JP60246466 A JP 60246466A JP 24646685 A JP24646685 A JP 24646685A JP 2524105 B2 JP2524105 B2 JP 2524105B2
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cathode
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    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J25/00Transit-time tubes, e.g. klystrons, travelling-wave tubes, magnetrons
    • H01J25/02Tubes with electron stream modulated in velocity or density in a modulator zone and thereafter giving up energy in an inducing zone, the zones being associated with one or more resonators
    • H01J25/04Tubes having one or more resonators, without reflection of the electron stream, and in which the modulation produced in the modulator zone is mainly density modulation, e.g. Heaff tube
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    • H01J25/10Klystrons, i.e. tubes having two or more resonators, without reflection of the electron stream, and in which the stream is modulated mainly by velocity in the zone of the input resonator
    • H01J25/12Klystrons, i.e. tubes having two or more resonators, without reflection of the electron stream, and in which the stream is modulated mainly by velocity in the zone of the input resonator with pencil-like electron stream in the axis of the resonators

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,テレビジョン画像信号などの振幅変調高周
波信号のための電力増幅器に関する。UHFテレビジョン
送信器は通常,出力増幅器としてクライストロンを使用
する。クライストロン内の直流ビーム電流は,同期化パ
ルスなどの変調ピーク電力を発生させるのに十分強くな
ければならない。振幅変調のために,要求される時間平
均無線周波電力はこれよりもはるかに小さく,効率はク
ライストロンの飽和効率よりもはるかに小さい。
〔従来技術及び問題点〕
振幅変調信号のためのクライストロンの効率を改良す
る種々の試みがなされてきた。初期の1つの提案は,無
線周波信号の被変調振幅に比例したビデオ周波数で直流
ビーム電流を変調することであった。それによると,ク
ライストロンは常に,飽和駆動点付近で運転される。こ
の計画は,回路が複雑で,ビデオ変調電力が高くかつ位
相ひずみが生じるという理由で,成功を収めなかった。
より洗練された技術が,米国特許第4,480,210号に開
示されている。該出願には,最も関連ある従来技術が含
まれている。すなわち,この米国特許出願に係る発明
は,電子ビームをB級またはC級の方式でグリッド変調
して,電流が無線周波数でパルス化され,その振幅包絡
線がビデオ周波数信号に比例するというものである。ビ
ームはドリフト管を通過して,クライストロンにおける
ように共振出力空胴へと結合される。時間平均効率はク
ライストロンに比較して著しく改良され,回路はかなり
単純になっている。
しかしながら,前記米国特許の管には,いくつかの限
界がある。B級動作では線形変調特性が得られる。グリ
ッドを離れる電子集群が約1/2サイクル長であり,ビー
ム電流の無線周波成分が周知のように古典的三極管理論
に制限されている。さらに,ビーム下流に進むにつれ
て,電子集群はそれ自身の空間電荷反発力により拡大し
て,古典的クライストロン理論で周知のように無線周波
電流成分を減少させる。前記米国特許に記載されている
ように,電子銃と出力相互作用間隙との間のドリフト空
間は少なくとも所定の長さを有して,カソード・グリッ
ド領域への無線周波電磁波の漏れを最小にする必要があ
る。このことは,空間電荷をより拡大させる。
〔発明の概要〕
本発明の目的は,平均効率を改良した振幅変調高周波
信号のための増幅器を提供することである。
この目的は,熱陰極から線形電子ビームを発生させ,
近接配置電子透過グリッドにより離散的な集群へと変調
させる管により達成される。グリッドはB級変調のため
バイアスされる。ビームはドリフト管を通じて引出さ
れ,そこで2つのギャップ上の無線周波電圧と相互作用
する。一方のギャップ(第2のギャップ)は,動作周波
数以上のクライストロンタイプの空胴共振の一部をな
し,グリッドから生じる密度変調に伴う位相で速度変調
集群をもたらす。速度変調は電子集群を密にして,ビー
ム電流の無線周波成分をグリッドから原始的に生ずるも
の以上に増大させる。他方のギャップ(出力ギャップ)
は,外部負荷に結合したクライストロンタイプの空胴の
一部をなし,出力エネルギを発生する。
〔好適実施例の説明〕
第1図は,本発明を実施した外部空胴の略断面図であ
る。
第1図には,在来のクライストロンとよく似た構造の
縦軸を有する伸長電子管10を示す。しかしこの電子管10
は,従来の管とはきわめて異なった機能を果す。その主
要な組立部品として,以下のものを含む。一端における
ほぼ円筒形の電子銃および入力組立体12;真空エンベロ
プを画成する銅部分15,38およびセラミック30を含む分
割筒状壁;2つのギャップ18,35で遮断されているドリフ
ト管17へと連なって軸方向に開口しているアノード15;
並びに管10の他端におけるコレクタ20である。全ての部
品は軸対称に中心づけられ,好適には銅でつくられる。
銃組立体12は,タングステン−マトリクス=フィリッ
プスタイプの平坦ディスク状熱陰極22を含む。熱陰極22
の背後には,加熱コイル23が位置づけられている。銃組
立体12はさらに,熱抵抗性カーボン,好適にはプライロ
リティックグラファイト(pryrolitic graphite)で作
られた平坦な電子ビーム変調グリッド24;ならびに陰極2
2に近接して正確に定められた位置においてグリッドを
非常に正確にしかも弾力的保持するためのグリッド支持
組立体25;を含む。陰極およびグリッドは,比較的大径
であり,対応する寸法の円柱形電子ビームおよび高ビー
ム電流を生みだす。他の管において周知なように,集束
ビームとともにより大きな陰極を用いることもできる。
より大きい電力が得られ,或いは結果としてより長い寿
命を伴う減少した陰極電流密度が得られる。
くぼみ形同軸の共振無線周波出力空胴26が,両ドリフ
ト管部分17,19とほぼ同軸的に形成される。出力空胴26
は,真空エンベロプの外側の同調箱27によって,銃12と
コレクタ20との間に形成される。内部環状空間28がドリ
フト管とセラミック30との間に形成される。セラミック
30は,ドリフト管17の軸長より長く伸びる筒状エンベロ
プである。同調箱27には出力手段が装備される。該出力
手段は,単純な回転可能ループ32により空胴に結合した
同軸ライン31を含む。この配列が,UHF周波数の数10キロ
ワット程度の出力電力を扱う。大電力のためには,後述
のような一体出力空胴を要する。その場合,全共鳴空胴
が管の真空エンベロプ内部に収まる。導波管出力もまた
取って代わる。好適実施例はくぼみ形同軸空洞26を利用
するけれども,電子ビームの密度変調を無線周波エネル
ギへと変換する機能を果す他の共振無線周波出力手段を
ギャップ35に結合させても良い。
少なくとも100MHz程度の搬送周波数および電力数ワッ
トの入力変調信号が,陰極22とグリッド24との間に印加
される。一方,代表的には10〜30キロボルト程度の一定
直流電位が陰極22とアノード15との間に維持される。ア
ノード15は好適には,大地電位に設定される。変調用搬
送信号周波数は低くても高くても良く,ギガヘルツ領域
でも良い。このようにして,直流高エネルギの電子ビー
ムが形成され,高電位のアノード15の開口33に向けて加
速され,妨害が最小の状態でそこを通過する。電子銃領
域周囲の真空エンベロプの外側,およびテイルパイプ19
の下流端とコレクタ20の開始部分との周囲に,電磁コイ
ルまたは永久磁石(図示せず)を配置して,磁場を発生
させる。それにより,銃からコレクタへと進行するビー
ムを限定し集束して一定の径にする。そしてアノード開
口33およびドリフト管17を通っての妨害を最小にする。
しかしながら,磁場は望まれるけれども,絶対的に必要
というわけではない。ある種のクライストロンのよう
に,ビーム管を静電的に集束させても良い。
直流バイアスを陰極22とグリッド24との間に印加し
て,無線周波変調サイクルの正半分のときだけグリッド
24から電流が引出される。グリッドを持つ管の技術にお
いて,これはB級変調として良く知られている。大きな
増幅ファクターを有する目の細かいグリッドの場合に
は,バイアスは零でも良い。無線周波信号が,ビデオ周
波信号によって振幅変調される。これにより,電子流の
無線周波パルスが,ビデオ信号を表わす振幅包絡線を有
する。B級動作において,ビーム流のビデオ周波成分
は,ビデオ信号振幅の滑らかな単調関数である。このこ
とは,テレビジョン送信で要求されることである。絶対
的線形性からのずれは,非線形回路によって補償され
る。
負のグリッドバイアスを印加することも可能である。
その場合には,C級変調として知られるように,無線周波
サイクルの半分以下だけビーム電流が引出される。無線
周波電流パルスが短かくなり,ビーム電流のうちの無線
周波成分部分が大きくなって,結果として高効率とな
る。しかしながら,非常に複雑な変調回路を付加ない限
り,ビーム流はビデオ振幅の滑らかな関数とはならな
い。それゆえ,B級変調の方が一般的に好適である。アノ
ード15を通過した後の密度変調ビームが次に,ドリフト
管17の中空内部で画成された電磁場の無い領域を一定速
度で通過して,ドリフト管17とテイルパイプ19との間に
形成された出力ギャップをわたる。ドリフト管17とテイ
ルパイプ19とは,ギャップ35およびセラミック30によっ
て互いに絶縁されている。セラミック30は,この領域の
管の真空エンベロプを形成する。ギャップ35はまた,共
振出力空胴26内部で電気的である。集群した電子ビーム
がギャップ35を通過すると,入力信号に比して大きく増
幅された対応する電磁波無線周波信号が出力空胴中に生
ずる。電子ビームのエネルギの大部分がマイクロ波形態
へと変換されるからである。次にこの電磁波のエネルギ
が引出されて,出力同軸ライン31を介して負荷へと方向
づけられる。
ギャップ35の通過後に,電子ビームはテイルパイプド
リフト管19に進入する。このテイルパイプ19は,分離ギ
ャップ36および筒状セラミック37によってコレクタ20か
ら電気的に絶縁されている。セラミック37は,テイルパ
イプ19の端部を支持する銅フランジ38とコレクタ20の上
流部分を中央にかつ軸方向に支持する銅フランジ39との
間の軸方向距離にわたって架設されている。こうして,
ビームは最小の妨害でテイルパイプ領域を通過し,最後
に分離ギャップ36を渡ってコレクタへと達し,そこで残
るエネルギを散逸させる。コレクタ20は,在来の流体冷
却手段により冷却される。冷却手段はコレクタを包囲す
る水ジャケット40を含み,その中を水などの流体が循環
する。同様に,アノード15およびテイルパイプ19にも流
体冷却手段(図示せず)が設けられている。好適実施例
においては一体の部材として示したが,コレクタ20は複
数の分離ステージとして設置しても良い。
管の一端における電子銃組立体12の構造は,電子ビー
ムの広帯域で効率良い無線周波密度変調を達成するよう
に作られる。電子銃組立体12は,コントロールグリッド
24およびグリッド支持手段25,ならびに高絶縁低インピ
ーダンスの信号入力手段47を含む。入力手段47によっ
て,少なくとも数ワット電力で少なくともメガヘルツ周
波の無線周波変調信号がコントロールグリッドへと導び
かれる。さらに入力手段47によって,キロボルトレベル
の直流ビーム加速電位がカソードに印加される。
信号入力手段47の最外部品は,筒状または環状のセラ
ミック絶縁体48である。絶縁体48は,その径に比して浅
く,その一端49はアノード15に密封されている。また絶
縁体48は,軸方向に中心づけられ,アノード開口33の半
径方向外方に位置する。環状導電スリーブ50が後縁部51
を有し,後縁部51において無線周波コントロール信号が
受信される。後縁部51は,大体セラミック48に匹敵する
径を有し,絶縁体48の後方で軸方向に延在する。スリー
ブ50は,その後縁部51において同軸的に取付けられるこ
とにより,セラミック48上に支持される。スリーブ50
は,後縁部51からアノード15へ向けて軸方向かつ大体半
径方向内方へと延在し,前端部52で終了する。スリーブ
50の前縁部52は,絶縁体48またはアノード15の径より小
さな径へと半径方向内方へと向っている。軸方向に比較
的に浅い内方環状絶縁体54の手段により,前縁部52の内
部で環状金属製陰極引込部55が同心的に取付けられる。
引込部55は,外方導電スリーブ50の内方にあり,前縁部
52に向けてへこんでいる。
外方絶縁体48,スリーブ50および陰極引込部55内部の
体積が管の排気部分内にあるので,全ての接合部は真空
気密である。好適には比較的厚い銅である金属製スリー
ブ50が,グリッド24への無線周波信号引込路としてかつ
絶縁体48に沿った最適なグリッド支持部材として機能す
る。全ての同軸電流路の軸長は,径に比して小さい。一
方それらの半径方向間隔および軸方向間隔は,絶縁体の
幾何形状および相互位置により,比較的に大きい。それ
によって,直列インダクタンス効果および分路容量効果
を最小にしている。変調無線周波信号に対する非常に低
いリアクタンスが,帯域幅に貢献している。電極に接続
された陰極・グリッド入力回路は,代表的には同軸共振
器装置である。
比較的に大きな電力出力をもたらすのに要する比較的
大きなビーム電流を扱うために,グリッド,陰極および
ビームの断面積が比較的大きくて,グリッドおよび陰極
にわたる電流密度が正当なレベルに維持される。前述し
たように,この増大した面積は,他の線形ビーム管に見
られるように,球形または凹状カソード表面および対応
形状のグリッドを有する収束電子銃の手段によってもた
らされうる。同時に,高効率および広帯域を得るために
電子走行時間ローディングの最小化が望まれる。さらに
周波数の上限の高いことが望まれ,それらのために,グ
リッドは,径に比してできるだけ薄くかつできるだけ陰
極に近接して配置される。本発明によって達成されるグ
リッド・陰極間隔は,グリッド径の20分の1またはそれ
以下の程度であり,グリッドの厚さはこの距離の半分ま
たはそれ以下の程度である。そのような比較的薄くて近
接配置されたグリッドは従来,動作特性の変化によっ
て,または動作環境により生ずる拡張応力の差および加
熱により生ずる機械的破壊によって,欠損を生じ実施不
可能であると,考えられていた。そのようなグリッド・
陰極間隔は,前述の値を下回って減少され,グリッド径
の約100分の1にまで減少された。
付設の信号入力手段47において,陰極引込手段55は減
少端52より小径であり,外方絶縁体48の径の半分程度ま
たはそれ以下である。物理的分離度が高いことにより,
無線周波信号と陰極のための直流ビーム加速電位との分
離が増大される。陰極引込部55は,内方セラミック環状
絶縁体54の手段によってグリッド引込部50の前縁部52内
部に取付けられる。絶縁体54は,グリッド24およびグリ
ッド支持体25に存する無線周波信号から陰極引込部55を
分離するだけでなく,前述のように電子銃組立体の真空
エンベロプの一部を形成する。
陰極22のすぐ内側には,加熱素子23がある。これら素
子は,例えばらせん形状などの在来の何れの形状であっ
て良い。加熱素子23の支持体兼電気引込ワイヤーが,管
の中心軸に平行に伸びてピン71で終了する。ピン71は,
セラミックシールを介して陰極引込部材55に密封され
る。セラミックシールは,電子銃組立体を密閉して,電
子銃および管の真空エンベロプを完結する。
第1図のうち上記した部分は,米国特許第4,480,210
号の発明と基本的に同じである。その発明は,UHFテレビ
ジョン送信の効率を著しく改良するためになされた。そ
の効率は,在来のクライストロン送信器の数倍である約
70%に達した。しかしながら,前述したように,効率上
昇に対して2つの重要な制限が存在した。
B級グリッド変調においては,電流の無線周波パルス
は本来的に搬送信号の位相の180度続く。ビーム電流の
可能な最大基本周波成分を,単純化のためのある仮定の
下に計算しうる。B級三極管の場合には,最大効率はπ
/4の限界に達しうる。
電子集群がドリフト管を下降するにつれて,各集群は
その空間電荷の反発力によって拡散される。前記米国特
許出願の管の最初のドリフト管は,その径に比して最小
のある長さを有し,空胴からアノード・グリッド間領域
への無線周波電磁場の漏れを防止している。漏れがある
と,有害な再生(regeneration)が生じるからである。
この最小の長さは,管の利得に依存するが,実際上はド
リフト管の内径の少なくとも2倍となる。空間電荷の拡
散は,計算が複雑である。クライストロンおよび進行波
管の理論において,直流ビームの微少信号変調のための
方程式が得られる。前記米国特許のグリッドによるもの
と同様にオン・オフ変調の場合に,各特定デザインに対
して仮想モデルのコンピュータシミュレーションが実行
されるべきである。そのような計算の例が米国特許第3,
622,834号および第3,811,065号に開示されている。これ
らの計算例は,最初連続的であるビームが速度変調によ
って集群されるところのクライストロンについてのもの
である。
第2図の最初の2つの曲線は,前記米国特許の管のド
リフト管を下降するときの集群内の電子密度を示してい
る。水平軸は,特定の点を通過する電子の無線周波位相
(時間)である。しかしそれは,軸方向内の瞬間的分布
であるともみなされる。というのは,全ての電子はほぼ
同一の軸方向速度を有するからである。曲線80は,グリ
ッドを離れるときの集群内の分布である。曲線80は,電
子銃が高い増幅ファクターを有しかつグリッドがカット
オフでバイアスされて,周期の正確に半分だけ電流が流
れる場合の曲線である。曲線81は,空間電荷反発力で集
群が拡大した後のドリフト管ギャップにおける分布であ
る。曲線82は,本発明により生じる最終的集群である。
そこでは,アノードと出力ギャップとの間に第2の(相
互作用)ギャップが導入され,その第2のギャップに結
合した共振空胴は信号周波数よりも高周波で共振するよ
うに作られる。第2のギャップは,電子流の速度変調を
もたらす。クライストロン理論で周知のように,正弦速
度変調電圧は,その変調電圧が減速から加速へと変わる
ちょうど零電圧のときに出力ギャップを通過する電子の
中央に最大電子密度をもたらすような集群を行なう。速
度変調による集群の位相がもとからの密度変調集群と同
位相のときに,そのもとからの密度変調ビームの集群の
程度が最大となる。これをなすために,出力ギャップ間
の減速電圧は,到着するグリッド変調集群の位相よりπ
/2ラジアンだけ進んでいる,グリッド変調集群は,出力
ギャップに結合した共振回路内に循環電流を励起する。
上記位相関係は,回路が信号より高い周波数で共振性で
あるときに生ずる。
上記関係が満たされると,もとからの密度変調集群は
曲線82に示すようにもとの180度を越えたところで圧縮
され,無線周波ビーム電流が増大し,その結果出力効率
が増大する。事実,無線周波電流成分は,クライストロ
ンにおけるよりも高くなりうる。何故ならば,集群間に
残される残余電子が無いからである。
第1図にもどって,本発明を実施した装置を説明す
る。
ドリフト管17内の第2のギャップ18が,ドリフト管17
を包囲する第2の共振空胴84に結合される。空胴84は,
出力カップラ31などの外部無線周波結合を有しないとい
う点を除いては,出力空胴26と同様である。さらに空胴
84の共振周波数は,信号周波数に同調される出力空胴26
よりも高い。第2のギャップの速度変調電圧は出力ギャ
ップにおいて最大の集群をもたらすように正確な振幅で
なければならない。このことは,中間空胴84の共振周波
数が信号周波数を越える量を調節することにより都合良
く達成される。
第3図は,ある変形実施例の一部縦断面図である。大
部分の要素が第1図の例の要素の対応物であり,それを
符号にダッシュをつけて示している。第1図と異なる要
素は,100キロワットなどの大電力の発生のためのもので
ある。陰極22′は凹状球形放出表面を有して,電子の集
束ビームをもたらす。このため,ある特定の寸法の最終
ビームに対して,放出面積はビーム面積よりも大きい。
クライストロン技術においては,絶対値1〜2桁程度の
面積集束が通常である。グリッド24′も球形であって,
陰極22′からの一様な間隔を生じるような半径を有す
る。そのようなグリッドを熱分解グラファイト(pyroly
tic graphite)から製作することは,複雑であるが当該
技術レベルを越えるものではない。アノード15′が陰極
22′へ向けて延在するノーズ90を有して,集束電場を生
ずる。グリッド支持体25′の前方側は,当技術分野にお
いて周知であるピアス型(Pierce−type)の集束用電極
を形成するように形状づけられる。
2つの空胴26′,84′は一体的である。すなわち,空
胴壁43′および94は,真空エンベロプの一部を形成す
る。空胴の大きな無線周波場に晒される第1図の部材30
のような内部誘電体は存在しない。出力カップリング31
は,出力空胴26′の壁94内のアイリス98によって,長方
形導波管100へと結合される。導波管100は,誘電窓102
によって写真シールされる。
第3図の内方空胴管は,容量性プレートを用いるチュ
ーナー(図示せず)を有しても良い。そのチューナー
は,真空シール可撓性金属ベローズを介してギャップ1
8′,35′の付近で可動である。
相互作用する長さの中で電子ビームの集束を制御し,
陰極領域で急速に集束させかつコレクタ領域で発散させ
るために,第3図の管に1対の一体的強磁性ポールピー
ス92,93が設けられる。本実施例のポールピース92,93は
真空エンベロプの一部をなす。92,93は,ビーム通過の
ための中央開孔を有する。その開孔は小さいので,ポー
ルピース92,93間の高い軸方向場からの磁束の漏れがな
い。ポールピース92,93は,外方空胴は出力空胴壁94を
越えて半径方向へ伸び,管を包囲する鉄シールド・ソレ
ノイドコイルへの磁気結合をなす。
前記米国特許第4,480,210号において,中間空胴を付
加して管の帯域幅を増大させることの可能性が記載され
ている。そのために,所望のパスバンド内部でスタガ同
調される複数のカスケード空胴が要求される。これとは
異なり,本発明の効率増大中間空胴84は,本質的に帯域
幅には関係が無い。その機能を果すために,所望パスバ
ンドの外側で良く共振し,全ての信号周波数において誘
導リアクタンスを有する。上述の本発明の管の全帯域幅
は,予定の使用範囲(テレビジョン放送)に対しては適
合する。グリッド駆動回路(代表的には同軸共振器)
は,グリッド・陰極変調の入力相互コンダクタンスによ
り強く負荷をうける。出力回路は,出力電力カップリン
グにより強く負荷をうける。中間空胴は適当に狭い共振
を有し,そのパスバンドは広い誘導分路上にある。
本発明の多くの実施例が可能であることは,当業者に
は明白であろう。前述の例は,単に例示的なものであ
り,制限的ではない。本発明は,特許請求の範囲および
その法的均等物によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明を実施した電子管の一部縦断面図であ
る。 第2図は,第1図の管内の電子集群密度の概略図であ
る。 第3図は,他の実施例の一部縦断面図である。 〔主要符号の説明〕 10……電子管,12……入力組立体 15……アノード,17……ドリフト管 18……第2のギャップ,19……ドリフト管 20……コレクタ,22……熱陰極 23……加熱コイル,24……変調グリッド 25……グリッド支持組立体 26……出力空胴,27……同調箱 28……内部環状空間,30……セラミック 31……同軸ライン,32……ループ 33……開口,35……出力ギャップ 36……分離ギャップ,37……セラミック 47……信号入力手段,48……絶縁体 49……絶縁体の一端,50……スリーブ 51……後縁部,52……前縁部 54……内方絶縁体,55……カソード引込部 84……第2の共振空胴,90……ノーズ 94……空胴壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特公 昭55−46018(JP,B1) 特公 昭47−32386(JP,B1)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空エンベロプ; 電子の線形ビームを発生させるための銃であり、熱陰
    極、該陰極を加熱するための手段、および前記陰極から
    絶縁されかつ該陰極の放出表面に近接して配置された電
    子透過性グリッドを含む銃; 前記陰極と前記グリッドとの間の無線周波入力信号電圧
    を印加するための手段; 前記銃から電子のビームを引き出すためのアノード手段
    であり、伸長中空金属製ドリフト管を通って前記ビーム
    を通過させるための開口を有するアノード手段; 該アノード手段の反対側の前記ドリフト管の端部を越え
    て位置し、前記電子を集めてその残余エネルギを散逸さ
    せるためのコレクタ手段; 前記ビームから無線周波エネルギを引き出すための出力
    回路手段であり、前記ドリフト管内の横方向出力ギャッ
    プ、該ギャップにわたって共振出力回路を結合させるた
    めの手段および該共振出力回路からエネルギを引き出す
    ための手段を含む出力回路手段;ならびに 当該管の効率を増大させるための効率増大手段であり、
    前記出力ギャップのアノード手段側における前記ドリフ
    ト管内の第2のギャップ、および当該管の動作周波数帯
    域より上の周波数で共振する中間回路を前記第2のギャ
    ップにわたって結合するための手段を含む効率増大手
    段; から成る高周波増幅管。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の高周波増幅
    管であって: 前記出力回路手段が中空共振空胴である;ところの高周
    波増幅管。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項に記載の高周波増幅
    管であって: 前記中間回路が中空共振空胴である;ところの高周波増
    幅管。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第2項に記載の高周波増幅
    管であって: 前記出力ギャップにわたって共振出力回路を結合させる
    ための前記の手段が、 前記出力ギャップの両側にあり、各々が前記ドラフト管
    から外方に伸びている一対の導電性部材; 前記ドリフト管を包囲し前記導電性部材の間で真空密封
    された中空誘電窓;ならびに 前記導電性部材の外方部分を外部導電空胴の開口端へと
    電気的に結合するための手段 から成ることを特徴とする高周波増幅管。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第3項に記載の高周波増幅
    管であって: 前記出力ギャップにわたって共振出力回路を結合させる
    ための前記の手段が、 前記出力ギャップの両側にあり、各々が前記ドリフト管
    から外方に伸びている一対の導電性部材; 前記ドリフト管を包囲し前記導電性部材の間で真空密封
    された中空誘電窓;ならびに 前記導電性部材の外方部分を外部導電空胴の開口端へと
    電気的に結合するための手段 から成ることを特徴とする高周波増幅管。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第2項に記載の高周波増幅
    管であって: 前記出力共振回路が、前記出力ギャップを包囲し前記出
    力ギャップの両側で前記ドリフト管に密封された真空密
    封導電空胴である;ところの高周波増幅管。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第3項に記載の高周波増幅
    管であって: 前記中間共振回路が、前記第2のギャップを包囲し、前
    記第2のギャップの両側で前記ドリフト管に密封された
    真空密封導電空胴である;ところの高周波増幅管。
  8. 【請求項8】特許請求の範囲第1項に記載の高周波増幅
    管であって: 前記ドリフト管に沿って定磁場を支持する手段;から成
    るところの高周波増幅管。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲第8項に記載の高周波増幅
    管であって: 前記ビームの通過のための開口を有する一対の強磁性ポ
    ールピースであり、一方が前記アノード手段および陰極
    付近に配置され、他方が前記コレクタ手段への入口付近
    に配置されている、ところのポールピース;ならびに 当該管の外部の電磁石へと前記ポールピースを磁気的に
    結合するための手段; から成るところの高周波増幅管。
  10. 【請求項10】特許請求の範囲第1項に記載の高周波増
    幅管であって: 前記グリッドがカーボンの穿孔シートである;ところの
    高周波増幅管。
  11. 【請求項11】特許請求の範囲第10項に記載の高周波増
    幅管であって: 前記シートが熱分解グラファイトである;ところの高周
    波増幅管。
  12. 【請求項12】特許請求の範囲第11項に記載の高周波増
    幅管であって: 前記熱分解グラファイトが異方性であり、その高導電性
    の方向が前記シートの表面内にある;ところの高周波増
    幅管。
  13. 【請求項13】特許請求の範囲第1項に記載の高周波増
    幅管であって: 前記無線周波入力信号を印加するための手段が、前記陰
    極およびグリッドを同軸共振入力空胴に同軸的に結合す
    るための手段から成る;ところの高周波増幅管。
  14. 【請求項14】真空エンベロプ; 電子の線形ビームを発生させるための銃であり、熱陰
    極、該陰極を加熱するための手段、および前記陰極から
    絶縁されかつ該陰極の放出表面に近接して配置された電
    子透過性グリッドを含む銃; 前記陰極と前記グリッドとの間の無線周波入力信号電圧
    を印加するための手段; 前記銃から電子のビームを引き出すためのアノード手段
    であり、伸長中空金属製ドリフト管を通って前記ビーム
    を通過させるための開口を有するアノード手段; 該アノード手段の反対側の前記ドリフト管の端部を越え
    て位置し、前記電子を集めてその残余エネルギを散逸さ
    せるためのコレクタ手段; 前記ビームから無線周波エネルギを引き出すための出力
    回路手段であり、前記ドリフト管内の横方向出力ギャッ
    プ、該ギャップにわたって共振出力回路を結合させるた
    めの手段および該共振出力回路からエネルギを引き出す
    ための手段を含む出力回路手段; 前記出力ギャップのアノード手段側における前記ドリフ
    ト管内の第2のギャップ;ならびに 中間回路を前記第2のギャップにわたって結合するため
    の手段; から成り密度変調および誘導出力回路を用いてビーム管
    の、効率を増大させるための方法であって: 前記グリッドと前記陰極との間に振幅変調入力信号を印
    加する段階; 前記陰極と前記アノード手段との間に直流加速電圧を印
    加する段階; 各無線周波サイクルの約半分の間に放出電流が引き出さ
    れるように、前記グリッドと前記陰極との間に直流バイ
    アス電圧を印加する段階; 前記出力回路を同調して、その共振周波数が前記入力信
    号の周波数帯域のほぼ中心にくるようにする段階;なら
    びに 前記中間回路を同調して、その共振周波数が前記周波数
    帯域より上方になるようにする段階; から成る効率増大方法。
  15. 【請求項15】特許請求の範囲第14項に記載の方法であ
    って、前記直流バイアス電圧が零である、ところの方
    法。
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