JP2523366Y2 - バルーン付医療用チューブ - Google Patents

バルーン付医療用チューブ

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JP2523366Y2
JP2523366Y2 JP2210790U JP2210790U JP2523366Y2 JP 2523366 Y2 JP2523366 Y2 JP 2523366Y2 JP 2210790 U JP2210790 U JP 2210790U JP 2210790 U JP2210790 U JP 2210790U JP 2523366 Y2 JP2523366 Y2 JP 2523366Y2
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【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、医療処置を行うために体内に挿入、留置さ
れる医療用チューブであり、収縮状態で体内に挿入さ
れ、膨張状態で体内に留置されるバルーンを備えたバル
ーン付医療用チューブに関する。
(従来の技術) 従来、特公平1-16189号公報に開示されているバルー
ン型カテーテルのような医療用チューブが知られてい
る。
この種の医療用チューブは、軟質プラスチック製のチ
ューブ本体の外周面に膨縮自在の合成樹脂製のメインバ
ルーンが設けられている。該メインバルーンは、前記チ
ューブ本体に埋設された連通チューブに連通しており、
該連通チューブの露出する基端部には、栓によって閉塞
可能な流体注入口が設けられている。前記メインバルー
ンは、前記流体注入口から空気や液体等の流体を注入す
ることにより風船状に膨張させることができる。また、
前記連通チューブには、パイロットバルーンと称される
小型のバルーンが設けられている。該パイロットバルー
ンは、前記メインバルーンと同一材料で形成されてお
り、前記メインバルーンと連通チューブを介して連通状
態となっている。該パイロットバルーンは、その膨張状
態を確認することにより、前記メインバルーンの膨張状
態を推測することができる。更に、前記チューブ本体全
長に亘ってX線不透過ラインが設けられている。
この種の医療用チューブの使用方法は、例えば、前記
メインバルーンが収縮した状態で食道や気管、或いは膀
胱等の体腔内に挿入する。チューブ本体の挿入状態は前
記X線不透過ラインによってX線で観察される。そし
て、該メインバルーンが所定位置に到達したら、シリン
ジ等を前記流体注入口に接続して所定量の流体を注入す
る。これにより、体腔内の所定位置で前記メインバルー
ンが膨張する。ところが、該メインバルーンの膨張は、
体内での事象であるため施術者からは直接確認すること
ができない。そこで、前記パイロットバルーンを指で摘
むなどして膨張状態を確認することによって前記メイン
バルーンの膨張状態を確認する。このようにして圧迫治
療等の医療処置が行われる。
しかし、以上のような構造の医療用チューブは、前記
流体注入口から急激な流体の注入を行うと、その注入圧
が前記メインバルーンに達する前に前記パイロットバル
ーンで開放され、メインバルーンより先にパイロットバ
ルーンが大きく膨張してしまうことがある。それによ
り、前記メインバルーン内に注入される筈の流体が前記
パイロットバルーン内に停留して前記メインバルーンの
膨張が迅速に行われない不都合がある。特に、治療に緊
急を要する場合に、前記流体注入口に自動ポンプ装置等
を接続して所定量の流体を一気に注入したときに、迅速
なメインバルーンの膨張が望めないおそれがある。
(考案が解決すべき課題) かかる不都合を解消して、本考案は、メインバルーン
を迅速に膨張させることができてしかも必要に応じてメ
インバルーンの膨張状態を確認することができ、緊急時
の操作が容易なバルーン付医療用チューブを提供するこ
とを目的とする。
(課題を解決する手段) かかる目的を達成するために、本考案は、医療用チュ
ーブ本体と、該チューブ本体の一部外周面に設けられた
膨縮自在のメインバルーンと、前記チューブ本体に埋設
されて前記メインバルーン内に連通し且つ基端部が露出
して延設された連通チューブと、該連通チューブの基端
部に設けられ、前記メインバルーンに流体を注入する流
体注入手段が接続自在の流体注入口と、該流体注入口を
開放自在に閉塞する閉塞手段と、該閉塞手段を介して流
体注入口に接続自在の開放端部を一部に備えて他部が閉
塞されており、該流体注入口に前記流体注入手段と交換
して接続し、前記閉塞手段を開放したとき前記メインバ
ルーンの膨縮状態を確認するパイロットバルーンとから
なることを特徴とする。
また、前記閉塞手段は、前記パイロットバルーンを前
記流体注入口に接続したとき、該流体注入口を開放して
前記メインバルーンと該パイロットバルーンとを連通さ
せ、パイロットバルーンが接続されていないとき、該流
体注入口を閉塞してメインバルーン内の流体の流出を阻
止する逆止弁を備えることを特徴とする。
(作用) かかる構成による本考案の医療用チューブは、チュー
ブ本体の体腔内への挿入の際には、メインバルーンが収
縮した状態で挿入される。該メインバルーンが所定位置
に到達したところで流体注入口より所定量の流体が注入
される。メインバルーンは流体注入口に連通チューブを
介して接続されているので、注入された流体が連通チュ
ーブを通過してメインバルーンに至るまで、その注入時
の注入圧の損失が防止されている。これにより、流体注
入口から所定量の流体が一気に注入されてもメインバル
ーンは迅速に膨張する。更に、流体注入口には閉塞手段
が備えられているため、該閉塞手段によって流体注入口
を閉塞することによってメインバルーンの膨張を維持す
る。
続いて、メインバルーンの膨張状態を確認する場合に
は、前記流体注入口を開放して該流体注入口にパイロッ
トバルーンを接続する。これにより、メインバルーンと
パイロットバルーンとは、前記連通チューブを介して連
通状態となり、メインバルーンの膨張圧がパイロットバ
ルーンを膨張させる。該パイロットバルーンの膨張状態
により前記メインバルーンの膨張状態を確認する。
また、前記閉塞手段に逆止弁を設けることにより、前
記流体注入口は、メインバルーンの膨張を確実に維持し
た状態で、前記パイロットバルーンの着脱を行うことを
可能とする。
(実施例) 本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本実施例のバルーン付医療用チューブを示す
平面図、第2図は第1図のII-II線断面図、第3図は流
体注入口及びパイロットバルーンを示す拡大断面図であ
る。
第1図に示す本実施のバルーン付医療用チューブは、
食道等の治療に使用されるものである。
第1図中、1は軟質のポリ塩化ビニル又はシリコンゴ
ム等で形成されたチューブ本体、2は該チューブ本体1
の先端部側の外周面に設けられ軟質のポリ塩化ビニル又
はシリコンゴム等で形成された膨縮自在のメインバルー
ンである。前記チューブ本体1はその先端部に穴部3,4
が設けられており、該チューブ本体1の基端部には体内
の老廃物等を吸引する図示しない吸引装置等を接続する
接続口5,6が設けられている。また、該チューブ本体1
には、前記メインバルーン2に空気や液体等の流体を注
入するための流体注入口7が設けられている。
前記穴部3と前記接続口5とは、第2図に示したチュ
ーブ本体1内部に形成されたメインルーメン8と、該メ
インルーメン8に連通してその基端部から延設された接
続チューブ9とを介して連通しており、前記穴部4と前
記接続口6とは、第2図に示したチューブ本体1内部に
形成されたメインルーメン10と、該メインルーメン10に
連通してその基端部から延設された接続チューブ11とを
介して連通している。また、前記メインバルーン2の内
部と前記流体注入口7とは、第2図に示したチューブ本
体1内部に設けられたサブルーメン12と、該サブルーメ
ン12に一体に連通して前記チューブ本体1から露出して
延設された連通チューブ13とによって連通状態で接続さ
れている。
前記流体注入口7には、第1図に示すように、前記メ
インバルーン2と同様の材料で形成されたパイロットバ
ルーン14が着脱自在に接続されている。前記流体注入口
7は、閉塞手段を備えており、本実施例においては、第
3図に示すように、バネ15によって外方に付勢された逆
止弁16を備えている。該逆止弁16は、パイロットバルー
ン14や図示しない自動ポンプの接続部が流体注入口7に
挿着されたときに内方に挿入されて連通状態となり、流
体注入口7に何も挿着されていないときには閉塞状態と
なる。
前記パイロットバルーン14は、第3図に示すように、
その先端に開放端部14a、その後端に閉塞端部14bが形成
されており、中央部の肉薄部14cが風船状に膨張自在と
なっている。また、該開放端部14aには、前記流体注入
口7に挿着して連通させる端部17が設けられている。該
端子17は、その先端部が次第に縮径する傾斜面17aが形
成されており、第3図に示す前記流体注入口7からその
内部に挿着したとき、前記逆止弁16を押入した状態で該
流体注入口7に接続される。
更に、前記チューブ本体1の先端と、前記メインバル
ーン2の後端側にはX線不透過チップ18が設けられてい
る。
次に、以上のように構成された本実施例のバルーン付
医療用チューブの使用方法を説明する。
先ず、前記チューブ本体1を前記メインバルーン2が
収縮した状態で食道等の体腔内に挿入する。このとき、
チューブ本体1の挿入状態は前記X線不透過チップ18に
よってX線で観察する。
そして、該メインバルーン2が所定位置に到達した
ら、図示しない自動ポンプの接続部を前記流体注入口7
に接続する。これにより、前記流体注入口7は、逆止弁
16が押入されて開放状態となり、自動ポンプと連通す
る。続いて、自動ポンプによって所定量の流体を注入す
る。該流体注入口7から注入された流体は、連通チュー
ブ13及びサブルーメン12を介して前記メインバルーン2
内部に供給されるので、注入圧が開放されることがな
く、前記メインバルーン2は、体腔内の所定位置で迅速
かつ確実に膨張する。
該メインバルーン2に流体を供給した後には、前記流
体注入口7から自動ポンプを取り外す。このとき、前記
逆止弁16が前記バネ15によって外方に移動して流体注入
口7を閉塞する。
続いて、メインバルーン2の膨張状態を確認する場合
には、閉塞状態にある前記流体注入口7に前記パイロッ
トバルーン14の端子17を挿入する。これにより、前記流
体注入口7は、逆止弁16が押入されて開放状態となり、
前記パイロットバルーン14と連通する。そして、メイン
バルーン2とパイロットバルーン14とは、前記サブルー
メン12及び前記連通チューブ13を介して連通状態とな
り、メインバルーン2の膨張圧がパイロットバルーン14
を膨張させる。該パイロットバルーン14の膨張状態を確
認することにより前記メインバルーン2の膨張状態を確
認することができる。
そして、前記接続口5,6に図示しない吸引装置を接続
し、前記穴部3,4から体内の老廃物等を吸引する等の医
療処置が行われる。
また、本考案の他の実施例として、第4図に示すバル
ーン付医療用チューブ20について説明する。
該バルーン付医療用チューブ20は、複数のメインバル
ーンを備えるものであり、その用途は前述の実施例と同
様である。該バルーン付医療用チューブ20の構成で前述
の実施例と同様の部分は、図中同一の符号を示し、その
説明を省略する。
第4図で、21はチューブ本体であり、22は前記メイン
バルーン2に並設されたメインバルーンである。該メイ
ンバルーン22は、第5図に示したチューブ本体21内部に
設けられたサブルーチン23と、該サブルーメン23に一体
に連通して前記チューブ本体21から露出して延設された
連通チューブ24とに連通しており、該連通チューブ24の
基端部には前記流体注入口7と同一構成の流体注入口25
が設けられている。これにより、緊急時に所定量の流体
を一度に注入しても、その注入圧が開放されることがな
く、各メインバルーン2,22は、体腔内の所定位置で迅速
かつ確実に膨張する。
また、前記流体注入口25には前述したパイロットバル
ーン14と同様の構成のパイロットバルーン26が着脱自在
に接続される。これにより、メインバルーン22の膨張状
態を確認する場合には、流体注入口25に前記パイロット
バルーン26を接続する。これにより、メインバルーン22
とパイロットバルーン26とは、前記サブルーメン23及び
前記連通チューブ24を介して連通状態となり、メインバ
ルーン22の膨張圧がパイロットバルーン26を膨張させ
る。そして、前述した通り、パイロットバルーン14と共
にパイロットバルーン26の膨張状態を確認することによ
り、メインバルーン2及びメインバルーン22の膨張状態
を確認することができる。
以上により、バルーン付医療用チューブ20は、前述の
実施例と同様の使用方法によって、食道等の体腔内の医
療処置に使用することができる。
なお、前記両実施例の流体注入口7,25における閉塞手
段は、前記逆止弁16に限定されるものでなく、流体注入
口7を閉塞する栓であってもよいことはもちろんであ
る。
(考案の効果) 以上のことから明らかなように、前記メインバルーン
と前記流体注入口とは、パイロットバルーンを介すこと
なく前記連通チューブによって連通状態であるので、前
記流体注入口から急激な流体の注入を行ってもその注入
圧が開放されずに前記メインバルーンの膨張を迅速に行
うことができる。それにより、治療に緊急を要する場合
に、自動ポンプ装置等によって流体を急激に注入しても
支障なく迅速にメインバルーンを膨張させることができ
る。
そして、前記流体注入口に備えられた閉塞手段によっ
て、メインバルーンの膨張状態を維持することができ
る。
また、前記流体注入口に接続自在に設けたパイロット
バルーンによって、メインバルーンの膨張状態を確認す
る場合には、前記流体注入口にパイロットバルーンを接
続するだけでメインバルーンとパイロットバルーンとが
連通し、パイロットバルーンの膨張状態で前記メインバ
ルーンの膨張状態を確認することができる。
更に、前記流体注入口に逆止弁を設けることにより、
前記メインバルーンの膨張状態が確実に維持されるだけ
でなく該流体注入口に前記パイロットバルーンを接続す
るだけで該流体注入口を開放して前記メインバルーンと
前記パイロットバルーンとを容易に連通状態にすること
ができるので、緊急時に迅速な接続作業を行うことがで
きる。
従って、本考案によれば、メインバルーンを迅速に膨
張させることができてしかも必要に応じてメインバルー
ンの膨張状態を確認することができ、緊急時の操作が容
易なバルーン付医療用チューブを提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本実施例のバルーン付医療用チューブを示す平
面図、第2図は第1図のII-II線断面図、第3図は流体
注入口及びパイロットバルーンを示す拡大断面図、第4
図は他の実施例のバルーン付医療用チューブを示す平面
図、第5図は第4図のV−V線断面図である。 1,21……チューブ本体 2,22……メインバルーン 7,25……流体注入口 12,23……サブルーメン(連通チューブ) 13,24……連通チューブ 14,26……パイロットバルーン 16……逆止弁(閉塞手段)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】医療用チューブ本体と、該チューブ本体の
    一部外周面に設けられた膨縮自在のメインバルーンと、
    前記チューブ本体に埋設されて前記メインバルーン内に
    連通し且つ基端部が露出して延設された連通チューブ
    と、該連通チューブの基端部に設けられ、前記メインバ
    ルーンに流体を注入する流体注入手段が接続自在の流体
    注入口と、該流体注入口を開放自在に閉塞する閉塞手段
    と、該閉塞手段を介して流体注入口に接続自在の開放端
    部を一部に備えて他部が閉塞されており、該流体注入口
    に前記流体注入手段と交換して接続し、前記閉塞手段を
    開放したとき前記メインバルーンの膨縮状態を確認する
    パイロットバルーンとからなることを特徴とするバルー
    ン付医療用チューブ。
  2. 【請求項2】前記閉塞手段は、前記パイロットバルーン
    を前記流体注入口に接続したとき、該流体注入口を開放
    して前記メインバルーンと該パイロットバルーンとを連
    通させ、パイロットバルーンが接続されていないとき、
    該流体注入口を閉塞してメインバルーン内の流体の流出
    を阻止する逆止弁を備えることを特徴とする請求項1記
    載のバルーン付医療用チューブ。
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