JP2523195Y2 - 走行玩具及びその充電装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は走行玩具及びその充電装置に関する。更に詳
細には、電源電池により駆動モーターを作動させて自走
可能に構成されていると共に充電可能に構成された走行
玩具において、車体が着脱自在であると共に装着状態で
前記電源電池の通電により通電加熱変色可能に構成され
た走行玩具を提供するものであり、更に前記走行玩具に
過充電を起こさせず、軽便に充電可能に構成された充電
装置を提供しようとするものである。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 充電可能な自走玩具は、従来より幾つか知られている
が該玩具内に装備の電池により車体を通電加熱により変
色させる自走玩具は開示されていない。又、この種自走
玩具において、充電が過充電による危険もなく、軽便に
行われる充電装置も開示されていない。

本考案は、前記した如き従来の走行玩具にない、通電
加熱により変色する着脱自在の車体を備えた多様な走行
玩具を提供し、しかも前記通電加熱が過熱の危険もなく
行われ、充電の終了を色変わりで判断でき、充電が過充
電を起こさせることなく安心して行われる軽便な充電装
置を提供しようとするものである。

問題点を解決するための技術的手段 本考案を図面について説明する。

本考案走行玩具１は、車台２に搭載の電源電池21によ
り駆動モーター22を作動させ、減速機構を介して自走可
能に構成され、車台２の底部に露出させた受電端子25に
より、外部電源（充電用電源45）より充電可能に構成さ
れた走行玩具であって、前記車台２に着脱自在に装着さ
れる車体３には、外面に熱変色層31が設けられていると
共に該車体３の背面には前記熱変色層31を通電加熱によ
り変色させる正特性サーミスタ32が配設され、前記サー
ミスタ32にはリード線33を介して接点部材34が接続され
ており、前記接点部材34は車体３が車台２に装着状態で
前記電源電池21の電力供給端子23と接続されるよう構成
されていると共に、切り換えスイッチ26の操作により駆
動モーター22と正特性サーミスタ32への通電が切り換え
可能に構成されてなることを要件とする。

更に、本考案は前記走行玩具１の充電装置４として、
台座41に一端を軸支し、他端にバネ体43を配して弾発的
に上下動可能に取付けた載置台42と、充電用電源45を備
え、前記電源45には、リード線46が接続されて、台座41
に突設した電極44と接続されており、前記電極44が位置
する載置台42には、該電極44を内挿させる開口部421が
設けられており、前記載置台42に載せた被充電走行玩具
への充電が、該載置台42を押圧、下降状態で前記開口部
421に露出させた電極44と前記走行玩具１の受電端子25
が接続して充電可能に構成され、押圧解除により前記接
続状態が開放されて充電が解除されるよう構成された充
電装置４を提供するものである。

前記において、正特性サーミスタ32は、25℃〜65℃の
温度範囲において、電気抵抗の温度係数が正の値を示す
抵抗発熱体であり、25℃における体積抵抗率（ρ₂₅）が
9.8×10^-3Ω.cm〜2.97×10⁵Ω.cm、25℃における体積抵
抗率の比率（ρ₇₀／ρ₂₅）が、次式 ５≦（ρ₇₀／ρ₂₅）≦400の範囲内にあること、の各要
件を満たし、0.8〜40Vの電圧印加により発熱し、発熱飽
和温度が25〜65℃の温度範囲内の任意の温度に自己温度
制御されるサーミスタである。

体積抵抗率が各温度における前記許容値を越える系で
は、電圧を高くしなければ、所期の温度に短時間で昇温
させ難いし、逆に体積抵抗率が前記各温度における許容
値より低い系では、電圧を極めて小さくして大電流を流
さなければ、所期の発熱温度が得られず玩具発熱要素と
して実用性を有しない。

前記正特性サーミスタ32は、BaTiO₃系焼結体（稀土類
元素をドープして半導体化し、更に必要に応じ、Sr等の
元素で置換したもの、Si単結晶系、有機プラスチック系
（低融点の結晶性プラスチック中にグラファイト等の導
電性微粉末がブレンドされたもの）等を挙げることがで
き、低温度域（25〜65℃）での発熱飽和温度の調整、昇
温特性の面より前記BaTiO₃系焼結体が好適である。前記
焼結体には、通常、対向面にアルミニウム溶射やニッケ
ル等によるメッキを施して電極等の形成の便宜を図るこ
とができる。

前記正特性サーミスタ32の１個又はそれ以上の個数が
車体３の背面に接着等により固定され、リード線24によ
り結線され、受電端子25に接続される。

前記受電端子25は、車体３を車台２に装着時に、車台
３に搭載の電源電池21の接点部材34と当接して通電可能
に構成される。

前記電源電池21は、駆動モーター22と通電可能に結線
されており、前記正特性サーミスタ32への通電と駆動モ
ーター22への通電は、切り換えスイッチ26により外部よ
り切り換え可能に構成される。

車体３の外面に形成される熱変色層31は、従来より公
知の可逆熱変色性材料、例えば、電子供与性呈色性有機
化合物、電子受容性化合物及び前記二者の呈色反応の生
起温度を決める変色温度調節剤を必須成分とする均質相
溶体からなる材料が有効であり、本出願人によって提案
された、特公昭51−44706、同51−44708、特公平１−11
656、特開昭60−264285号公報等に開示された熱変色性
材料を利用でき、印刷インキや塗料等の色材として直接
的に車体３に印刷、塗布して形成、或いは熱変色シート
を貼着して形成、或いは前記熱変色性材料を熱可塑性プ
ラスチック中に溶融ブレンドした薄板により形成され
る。

前記充電装置４における載置台42は、常態（非充電状
態）ではバネ体43による弾発力により上方に開放状態で
あり、走行玩具１への充電は該玩具を前記載置台42の所
定位置に載せて指先等で押圧することによって下降さ
せ、開口部421位置に露出の電極44と受電端子23を当接
させ、前記押圧状態に保持された状態でのみ前記当接状
態が保持され充電が行われる。

尚、充電に供される走行玩具１は、充電に先立ち、切
り換えスイッチ26により、正特性サーミスタ32へ通電状
態にセットされている。

作用 本考案走行玩具１に着脱自在に装着される車体３は、
装着状態で接点部材34と電力供給端子23が当接して車体
３背部に配置の正特性サーミスタ32への通電が可能にな
り、前記サーミスタへの通電と駆動モーター22への通電
は、切り換えスイッチ26の操作により何れか一方への通
電状態が可能となる。

ここで、正特性サーミスタは、その特性により自己発
熱して昇温、それにつれて抵抗値が急激に増加し、温度
上昇率が低くなり、発熱量と放熱量が一致する温度で発
熱飽和温度に自己温度制御される。

尚、切り換えスイッチ26を切り換えなければ、サーミ
スタ32で電池が消耗されるため、走行させなくても、次
回の充電は完全放電状態で行われるので過充電を起こさ
せない。

熱変色層31は、前記サーミスタによる加熱飽和温度域
で熱変色する。

前記熱変色層31がヒステリシス幅（熱変色性材料は所
定の温度を境に可逆的に変色を生起させるものである
が、その色変化において、低温側から高温側へ変化させ
る場合と高温側から低温へ変化させる場合とで異なる、
所謂、ヒステリシス幅（ΔＨ）が、小さい熱変色材料に
よる系では、変色温度を境に異なる様相を視覚させる。
一方、ヒステリシス幅ΔＨが、極めて大きい熱変色性材
料（特開昭60−264285号）では、前記変色温度以下に降
温したとしても、前記変色状態が保持されて常温域で視
覚される。

充電装置４の載置台42に載置して充電に供される走行
玩具１は、載置台42バネ弾発により上方に開放されてい
る）を押圧、下降させて、受電端子25を電極44に当接状
態で充電される。

押圧解除により前記当接状態が開放され、充電が解除
される。

実施例１（第１図〜第６図参照） 亜鉛合金製ダイキャスト車体外面を黄色に着色し、さ
らに上層に40℃未満で茶色を呈し、40℃以上で無色に変
化する熱変色性材料を含む色材を塗布して熱変色層31を
形成した後、前記車体の背部に正特性サーミスタ32〔5m
mφ×厚み1mmのBaTiO₃系焼結体（2.0Ω、発熱飽和温
度：約40℃〕を図示（第３図）した位置に固着し、リー
ド線24により結線し、接点部材34を前部に固着して車体
３を構成した。

車台２には、Ni−Cd電池（1.2V）２個を駆動モーター
22収納ボックス上に取付け、該モーターへ通電可能に結
線すると共に、リード線24を介して車台２の前部に固定
の電気供給端子23へ接続される。前記駆動モーター22に
は、減速機構を介在させて自走可能に構成される。

車台２の底部には、電源電池（Ni−Cd電池）へ通電さ
せる受電端子25を露出させている。

前記車体３の接点部材34が、車台２の電力供給端子23
と当接するよう車体３を装着して走行玩具１が構成され
る。

充電装置４は、台座41に一端を軸支し、他端にバネ体
43を配して弾発的に上下動可能に取付けた載置台42と充
電用電源（1.5Vの乾電池を４個配備）を備え、前記電源
45には、リード線46が接続されて、台座41に突設した電
極44と接続され、前記電極44が位置する載置台42には、
該電極44を内挿させる開口部421が設けられてなる。

走行玩具１は、充電に先立ち切り換えスイッチ26によ
り正特性サーミスタ32への通電可能状態にセットされた
状態で、前記載置台42に載置し、該載置台42を押圧下降
させて、受電端子25と電極44を当接させ、前記押圧によ
り当接状態を維持して充電を続けたところ，約１分後、
車体３の熱変色層31は茶色から黄色に変化し充電終了を
視覚判別させた。

前記変色を確認した後、押圧状態を解除し、載置台42
の上方へのバネ圧による開放により、前記当接状態が開
放され、充電が解除される。

切り換えスイッチ26の駆動モーターへの切り換えによ
り走行させることができ、再度正特性サーミスタ32への
スイッチ切り換えにより車体３を色変化（茶色から黄
色）させることができた。

実施例２ 実施例１の黄色車体３外面の下半部に、ヒステリシス
幅ΔＨが極めて大きい熱変色性材料（特開昭60−264285
号公報を利用）を用いて熱変色層31〔茶色無色、T_A18
℃、T_B32℃〕を形成した以外は、実施例１と同様にして
走行玩具１及び充電装置４を構成した。

常温域で黄色と茶色のツートンカラーの車体３は、通
電加熱により黄色のモノカラーに変身させることがで
き、常温域（18℃以上）で記憶保持させて視覚させるこ
とができた。

前記車体３を冷やすと熱変色層31が茶色に着色して、
黄色と茶色のツートンカラーの様相に復した。前記様相
は32℃未満の常温域て保持された。

考案の効果 本考案走行玩具は、車体を車台に取り換え自在であ
り、且つ通電加熱により変色させることができ、外観を
多様に変身させることができる。

前記熱変色が低電圧の印加による通電発熱系のため、
漏電による危険のないことは勿論、発熱体が正特性サー
ミスタによるものであるから，所期の発熱温度に自己温
度制御されるので過熱による危険もない。

前記走行玩具への充電は、本考案充電装置によって過
充電もなく軽便に行うことができる。即ち、充電時にお
ける車体の色変化により充電の終了を視覚判別できる
し、手動で押圧している時のみ、充電回路への通電が行
なわれ、前記押圧を解除すると自動的に充電が解除され
るのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案走行玩具の斜視図、第２図は第１図の走
行玩具の車体を取り外した状態の斜視図、第３図は車体
への正特性サーミスタの取付け状態の説明図、第４図は
本考案走行玩具への充電操作状態の説明図、第５図は前
記充電操作の終了時の状態の説明図、第６図は要部結線
図である。 １……走行玩具 ２……車台 21……電源電池 22……駆動モーター 23……電力供給端子 24……リード線 25……受電端子 26……切り換えスイッチ ３……車体 31……熱変色層 32……正特性サーミスタ 33……リード線 34……接点部材 ４……充電装置 41……台座 42……載置台 421……開口部 43……バネ体 44……電極 45……充電用電源

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車台に搭載の電源電池により駆動モーター
   を作動させ、減速機構を介して自走可能に構成され、車
   台の底部に露出させた受電端子により、外部電源より充
   電可能に構成された走行玩具において、前記車台に着脱
   自在に装着される車体には、外面に熱変色層が設けられ
   ていると共に該車体の背面には前記熱変色層を通電加熱
   により変色させる正特性サーミスタが配設され、前記サ
   ーミスタにはリード線を介して接点部材が接続されてお
   り、前記接点部材は車体が車台に装着状態で前記電源電
   池の電力供給端子と接続されるよう構成されていると共
   に、切り換えスイッチの操作により、駆動モーターとサ
   ーミスタへの通電が切り換え可能に構成されてなる走行
   玩具。
2. 【請求項２】請求項１記載の走行玩具の充電装置であっ
   て、台座に一端を軸支し、他端にバネ体を配して弾発的
   に上下動可能に取付けた載置台と、充電用電源を備え、
   前記電源にはリード線が接続されて、台座に突設した電
   極と接続されており、前記電極が位置する載置台には、
   該電極を内挿させる開口部が設けられており、前記載置
   台に載せた被充電走行玩具への充電が、該載置台を押
   圧、下降状態で前記開口部に露出させた電極と前記走行
   玩具の受電端子が接続して充電可能に構成され、押圧解
   除により前記接続状態が開放されて充電が解除されるよ
   う構成された走行玩具の充電装置。