JP2520501Y2 - 液圧ポンプ又はモ−タの異常検出及び破損防止装置 - Google Patents

液圧ポンプ又はモ−タの異常検出及び破損防止装置

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JP2520501Y2
JP2520501Y2 JP1986108002U JP10800286U JP2520501Y2 JP 2520501 Y2 JP2520501 Y2 JP 2520501Y2 JP 1986108002 U JP1986108002 U JP 1986108002U JP 10800286 U JP10800286 U JP 10800286U JP 2520501 Y2 JP2520501 Y2 JP 2520501Y2
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pressure
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文彦 石瀬
淳 増沢
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新キャタピラー三菱 株式会社
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【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、原動機によって駆動され、低圧の流体を吸
入し、高圧の流体を吐出する液圧ポンプ、又は高圧の流
体を吸入し、低圧の流体を吐出することにより、その軸
に回転力を与える液圧モータにおいて、液圧ポンプ又は
モータの摩耗などによる油漏れ増加による異常を検出す
るとともに、圧力の異常上昇による破損を防止する装置
に関する。
従来の技術 液圧ポンプとモータは入力と出力との関係が逆になる
のみで基本構造は同様であるので、以下液圧ポンプの場
合について第4図を参照して説明する。
第4図は従来の斜板型液圧ポンプの構成を示し、符号
1は駆動軸、2はこの駆動軸1に設けられてシリンダ3
に結合するためのスプライン、4はケーシング、5はバ
ルブカバー、6はヘッドフランジ、7は前軸受、8は後
軸受、9はオイルシール、10はバルブプレートである。
また、11(11-1,11-2)はピストンで、シリンダ3に円
周上等間隔で複数個配列されている。12はシューで、ピ
ストン11の頭部に回転可能に結合されている。
一方、シュー12の底面はシュープレート15と接触して
いる。16は斜板で、上記シュープレート15をかかえ込
み、図において前後方向に突出した軸(図示せず)によ
り、ケーシング4に支持されている。17は球面ブッシュ
で、圧縮ばね13によりシリンダ3を押さえる反力でシュ
ーリテーナプレート14を押し、シューリテーナプレート
14がシュー12を押すので、結果として、ピストン11をシ
ュープレート15および斜板16に押し付けている。また、
18はバルブカバー5に設けられた低圧吸入口、19は同じ
くバルブカバー5に設けられた高圧吐出口、20はケーシ
ング4内の油をタンク21へ導くドレン口である。
液圧ポンプは、以上のように構成されているので、駆
動軸1を回転することにより、シリンダ3、ピストン1
1、シュー12が回転するが、ピストン11、シュー12はシ
ュープレート15に押し付けられているため、シリンダ3
内で往復運動をすることになり、ピストン11が図示11-2
の状態で流体を吸入し、11-1の状態で流体を吐出するポ
ンプ作用をすることになる。
しかして、このような作用を液圧ポンプでは長時間運
転することにより、結合部や摺動部の隙間の増加や摩耗
が進展し、ポンプの機能低下や損傷(以降劣化度と称す
る)を引き起こすことがある。それらは、例えばスプラ
イン2とシリンダ3やピストン11とシュー12の結合部の
隙間の増加による振動の発生、あるいはバルブプレート
10とシリンダ3、シュー12とシュープレート15、シリン
ダ3とピストン11等の摺動部の摩耗の進展によるケーシ
ング4内へ漏れ出るドレン量の増加など種々の現象が起
こるが、それらの進み具合を外観からだけでは判断でき
ず、ポンプが破局的な損傷を受け、ポンプ作用が著しく
損なわれるか、異常な音、振動を発生するまで発見は困
難である。
そのため、今までにも液圧ポンプ及びモータの故障診
断装置が開発されているが、それらは前述した隙間の増
加により発生する振動成分を検出、分析し、そのデータ
と過去の隙間と振動データとの相関関係から隙間の大き
さを推定し、ポンプ・モータの劣化度を判断するもの、
あるいはポンプ・モータの外壁、油、配管等の温度を検
出し、それらの温度差や温度勾配などを求め、そのデー
タと摺動部からの漏れ量、全効率などとの相関関係か
ら、摺動部の隙間の量、漏れ量、全効率を推定し、ポン
プ・モータの劣化度を判断するもの、又はポンプ・モー
タのドレン流量を検出してポンプ・モータの劣化度を判
断するものがある。
考案が解決しようとする課題 以上述べた従来の液圧ポンプ・モータの劣化度の判断
方法は、しかし、次に述べるような問題がある。
まず、従来の振動や温度による判定法は、振動や温度
を検出し、分析したデータと過去のデータからの相関関
係によりポンプ・モータの劣化度を判定するために、検
出装置、分析装置、判定装置等の特別な装置が必要であ
り、かつ、それらの装置は高価であるため、専用の人員
や計測車が巡回して診断を行うので必要なときにその場
で診断を行うことは困難である。
また、この振動や温度による判定法は、液圧ポンプ・
モータの劣化度を過去のデータとの相関関係により推定
する間接的な手法であるため、検出装置の取付方法の巧
拙、ポンプ・モータの固体差等により、ポンプ・モータ
の劣化度の判定の精度が悪くなる場合がある。
次に、従来のドレン流量による判定法は、液圧ポンプ
・モータの異常により生じたドレン量の増加を検出する
ため、ドレン配管の下流に異常が生じ、ドレン配管の背
圧が上昇して液圧ポンプ・モータのケーシング内圧が上
昇し、その結果破損に至るような異常な状態が発生して
も、これを検出することができず、したがって破損を防
止できない。
また、液圧ポンプ・モータのドレン流量は一般に油
温、ポンプ・モータの回転数、ポンプ・モータの負荷に
より大きく変動するため、ドレン流量が正常か否かを判
定するには、油温、ポンプ・モータの回転数を検出して
実測値を補正してから判断する必要があり、実測値その
もので判断できない点でポンプ・モータの故障判定する
精度が悪い。
更に、液圧ポンプ・モータのドレン流量の計測手段と
して差圧で検出する場合には、もともとドレン配管に発
生する圧が非常に小さくなるように設計してあるため、
その小さな差圧の変化を精度よく検出するためにはかな
り高価なセンサが必要となる。そして、液圧ポンプ・モ
ータの性能、耐久性を維持する立場からは、流量計のよ
うな抵抗の大きい検出装置をドレン配管に常時取付けて
おくにもいかず、常時ドレン流量を正確に検出する方法
は現実的とは言えない。
本考案は、以上述べた従来技術の課題を解決するため
になされたもので、液圧ポンプ・モータの摩耗などによ
る油漏れ増加による異常を検出するのに、振動や温度又
はドレン流量ではなくて、ポンプ・モータケーシング内
の圧力を弁の移動量を介して測定し、これにより、異常
を正確にかつ容易に検出できると同時に、圧力の異常上
昇による破損を未然に防止できる装置を提供することを
目的とする。
課題を解決するための手段 上記の課題を解決するために、本考案は、原動機によ
って駆動され、低圧の流体を吸入し、高圧の流体を吐出
する液圧ポンプ、又は高圧の流体を吸入し、低圧の流体
を吐出することにより、その軸に回転力を与える液圧モ
ータにおいて、液圧ポンプ又はモータのケーシングにそ
の内部を液圧ポンプの低圧吸入口又は液圧モータの給排
口に連通する連通孔を設けるとともに、この連通孔に弁
を設け、この弁のばねの力と前記ケーシングの内圧との
差による前記弁の移動量により液圧ポンプ又はモータの
油漏れ増加による異常を検出し、内部部品の油圧バラン
スに異常をきたす限界直前の内圧時には、前記弁が前記
連通孔を開いて、前記ケーシングの内圧を液圧ポンプの
低圧吸入口又は液圧モータの給排口に逃がして破損を防
止するようにしたものである。
作用 液圧ポンプ・モータでは、摩耗などによる劣化が進展
し、各摺動部からの油の漏れ量が増加すると、ケーシン
グの内圧が高くなるので、上記の手段によれば、ケーシ
ングの内圧とばねの力との差により移動する弁の量を計
測することにより、液圧ポンプ・モータの油漏れ増加に
よる異常を検出することができる。
また、同時に、液圧ポンプ・モータのケーシング内圧
が内部部品の液圧バランスに異常をきたす直前の値まで
上昇したときには、弁が連通孔を開いてケーシングの内
圧を外部に逃がすので、圧力の異常上昇による破損を防
止することができる。
実施例 以下図面を参照して、本考案の実施例について詳述す
る。
第1図は本考案の一実施例を示す液圧ポンプのケーシ
ング部分の断面図、第2図は第1図の一部を拡大して、
本考案によりケーシングに設けられた弁の一例を詳細に
示す断面図であり、第4図に示したものと同一の部分に
は同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
第1図及び第2図において、液圧ポンプのケーシング
4、本実施例ではケーシング4の一部を構成するバルブ
カバー5には、ケーシング4内に通じる連通孔31と、低
圧吸入口18に通じる連通孔30とがそれぞれ形成されてい
るとともに、これらの連通孔31と30との間を連通・しゃ
断する弁32が設けられている。この弁32は、例えば簡単
な構造で安価なポペット弁から成り、通常はばね34によ
り連通孔31に押し付けられて連通孔31を閉じている。そ
して、弁32にはこの弁と一体に動く指示棒33が設けられ
ており、指示棒33の端部はOリング35を介してキャップ
37により移動自在に支持されている。また、キャップ37
は、Oリング36を介してバルブカバー5に取付けられ、
このキャップ37と弁32との間に前述したばね34が介装さ
れている。
次に、その作用について説明する。
液圧ポンプ・モータにおいては、そのケーシング内圧
とドレン量の間には一定の比例関係があり、摩耗などに
よる劣化が進展すると、各摺動部からの油の漏れ量QD
増加するが、一方、外部へ油を導くドレン口の面積Aは
一定であるため、QDの増加と共にケーシング内圧Pは (ただし、C・・ドレン口の面積係数、P0・・ドレン孔
の外の配管内圧力、ρ・・油の密度)の関係で高くなる
ものである。したがって、このドレン量とケーシング内
圧との関係で、ケーシング内圧を検出することにより、
ポンプ・モータの油漏れ量を求めることができ、ポンプ
・モータの摩耗などによる劣化度を判定することができ
ることになる。
そこで、第1図及び第2図に示した構成において、液
圧ポンプの摩耗量が小さく、ケーシング4内への油漏れ
量が少ない場合には、ケーシング4の内圧は低く、弁32
はばね34の力により連通孔31に押し付けられている。そ
して、摩耗量が大きくなり、ケーシング4内への油漏れ
量が増加し、ケーシング4の内圧が高くなると、弁32は
ばね34の力とバランスする所まで図の左方に動く。そし
て、弁32は、ケーシング4の内圧がポンプの内部部品の
油圧バランスが保てなくなって異常をきたす危険な圧力
(限界圧力)になる寸前に連通孔30と31とを連通する地
点まで動く。
この場合、指示棒33は弁32と一体に動くために、キャ
ップ37の端面から指示棒33の端面までの距離lを計測す
ることにより、弁32の移動量が変わり、ばね34のばね定
数及び初期荷重からケーシング4の内圧が求められ、ケ
ーシング内への油漏れ量、ひいてはポンプの劣化度を求
めることができ、ポンプの故障診断が可能となる。
なお、予めポンプにとって危険なケーシング内圧に対
する指示棒33のキャップ端面からの距離lを求めておけ
ば、現場では複雑な計算をすることもなく距離lによ
り、すぐポンプの診断が可能である。
更に、ケーシング4の内圧が限界圧力になる寸前に弁
32が連通孔30と31とを連通させるので、ケーシング4内
の上昇した圧力が低圧吸入口18に逃げて、それ以上に高
くなることはなくなり、圧力の異常上昇によるポンプの
破損を未然に防止することが可能である。
次に、第3図は本考案の他の実施例を示したもので、
指示棒33の動きを電気的に計測するための差動トランス
39を設けたもので、指示棒33の動きを差動トランス39の
出力として電気的に計測することができるため、ポンプ
から離れた場所でポンプの劣化度をモニターすることが
できる。なお、38は防じん、防滴のためのキャップカバ
ーである。
以上本考案を液圧ポンプに適用した場合について説明
してきたが、液圧モータの場合も基本的に同じ構造の弁
装置により異常検出及び破損防止が可能であり、この場
合、第1図及び第4図中の低圧吸入口18及び高圧吐出口
19はそれぞれ吸排口となる。
考案の効果 以上述べた如く、本考案によれば、次のような効果を
奏する。
液圧ポンプ・モータのケーシングの内圧とばねの力と
の差により移動する弁の量を計測することにより、ポン
プ・モータの油漏れ増加による異常を検出することがで
きる。
そして、このように液圧ポンプ・モータのケーシング
内圧を弁の移動量を介して測定することにより、ポンプ
・モータの劣化度を診断するため、弁以外の特別な装置
は必要とせず、また実測値の補正も不要であることか
ら、容易に診断が可能であり、しかも計測員の弁装置取
付けの巧拙、経験、ポンプ・モータの固体差等に影響さ
れず、精度の高い診断が可能である。
また、液圧ポンプ・モータのケーシングにその内部圧
力を検出する簡単な構造で安価な弁を取付けるだけで、
ポンプ・モータを必要な時に診断が可能である。
更に、上記の弁は、液圧ポンプ・モータの油漏れ増加
による異常を検出するに加え、ケーシングの内圧が例え
ばドレン配管の背圧の上昇などにより内部部品の油圧バ
ランスに異常をきたす限界直前にまで上昇したときに
は、ケーシングの内圧を外部に逃がすため、圧力の異常
上昇による破損、特に軸シールなどの圧力上昇に弱い部
分の破損を未然に防止でき、これにより、一般に複雑な
油圧システムの中で使用される液圧ポンプ・モータの保
守性を向上させることができる。
そして、上記の弁を液圧ポンプ・モータのケーシング
に直接設けたことにより、ポンプ・モータ自体に異常検
出機能・破損防止機能を直接付加したことになり、機能
の向上が図れるとともに、ドレン配管への流量計の取付
けのスペース、コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示す液圧ポンプのケーシン
グ部分の断面図、第2図は第1図の一部を拡大して、本
考案によりケーシングに設けられた弁の一例を詳細に示
す断面図、第3図は本考案の他の実施例を示す、第2図
と同様な図、第4図は従来の液圧ポンプのケーシング部
分の断面図である。 1……駆動軸、2……スプライン、3……シリンダ、4
……ケーシング、5……バルブカバー、6……ヘッドフ
ランジ、7……前軸受、8……後軸受、9……オイルシ
ール、10……バルブシート、11(11-1,11-2)……ピス
トン、12……シュー、13……圧縮ばね、14……シューリ
テーナプレート、15……シュープレート、16……斜板、
17……球面ブッシュ、18……低圧吸入口(吸排口)、19
……高圧吐出口(吸排口)、20……ドレン、21……タン
ク、30,31……連通孔、32……弁、33……指示棒、34…
…ばね、35,36……Oリング、37……キャップ、38……
キャップカバー、39……差動トランス。

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】原動機によって駆動され、低圧の流体を吸
    入し、高圧の流体を吐出する液圧ポンプ、又は高圧の流
    体を吸入し、低圧の流体を吐出することにより、その軸
    に回転力を与える液圧モータにおいて、液圧ポンプ又は
    モータのケーシングにその内部を液圧ポンプの低圧吸入
    口又は液圧モータの給排口に連通する連通孔を設けると
    ともに、この連通孔に弁を設け、この弁のばねの力と前
    記ケーシングの内圧との差による前記弁の移動量により
    液圧ポンプ又はモータの油漏れ増加による異常を検出
    し、内部部品の油圧バランスに異常をきたす限界直前の
    内圧時には、前記弁が前記連通孔を開いて、前記ケーシ
    ングの内圧を液圧ポンプの低圧吸入口又は液圧モータの
    給排口に逃がして破損を防止するようにしたことを特徴
    とする液圧ポンプ又はモータの異常検出及び破損防止装
    置。
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JP3846792B2 (ja) * 2002-09-10 2006-11-15 新キャタピラー三菱株式会社 油圧ポンプを備えた油圧回路
JP2019049335A (ja) * 2017-09-12 2019-03-28 日立建機株式会社 建設機械

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