JP2519253Y2 - 芝刈機用ロータリカッターブレード - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、芝刈機用ロータリカッ
ターブレードに関し、特に、出力軸に固着される取付部
から半径方向外方へ延出する刀身部の、回転方向前縁に
切刃を形成すると共に、回転方向後縁に後方上向きに傾
斜して延出する反らせ片を連設したものゝ改良に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】かゝるロータリカッターブレードは、例
えば米国特許第４，２６９，０２０号明細書に開示され
ているように、既に知られている。

【０００３】ところで、ロータリカッターブレードの反
らせ片は、ロータリカッターブレードの回転時にカッタ
ーハウジング内で上向き旋回気流を生じさせ、この気流
の上向き成分により地上の芝を起こし、切刃による刈取
りをし易くさせたり、前記気流の旋回成分により芝刈を
カッターハウジングから芝箱へ排出させたり、また前記
気流によりカッターハウジング内での刈芝の浮遊時間を
長くして刈芝の再断を促進させたりする等の機能を発揮
する。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ロータリカッターブレードでは、その回転中、反らせ片
の背後に気流の剥離による渦流が発生し、これが騒音の
一因となっている。

【０００５】本考案は、かゝる事情に鑑みてなされたも
ので、回転中の騒音が少ない前記ロータリカッターブレ
ードを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案は、反らせ片に、その上縁に沿う連続した整
流壁を残して複数の通風長孔を穿設したことを特徴とす
る。

【０００７】

【実施例】以下、図面により本考案の実施例について説
明する。

【０００８】先ず図１ないし図３に示す本考案の第１実
施例より始める。図１において、各一対の前輪１，１及
び後輪２，２に支持されるカッターハウジング３の上面
にエンジン４が搭載され、またカッターハウジング３の
後端に操向ハンドル５及び芝箱６が取付けられる。

【０００９】エンジン４の出力軸７はカッターハウジン
グ３内の中心部に突入して鉛直に配置され、その下端に
本考案のロータリカッターブレード８が水平状態で固着
される。またエンジン４は図示しない伝動装置を介して
後輪２，２をも駆動し得るようになっている。

【００１０】図２及び図３は前記ロータリカッターブレ
ード８を示すもので、その回転方向を矢印Ｒで表す。ロ
ータリカッターブレード８は、前記出力軸７に固着され
る取付部９、及びこの取付部９の両端から互いに反対方
向の半径方向外方へ延出する一対の刀身部１０，１０を
有する。各刀身部１０には、ロータリカッターブレード
８の回転方向Ｒ前縁に切刃１１が形成され、また回転方
向Ｒ後縁に回転方向後方上向きに傾斜して延出する反ら
せ片１２が連設される。この反らせ片１２には、その上
縁に沿って連続した整流壁１２ａを残して多数の通風長
孔１３，１３…が穿設される。これら通風長孔１３，１
３…は、互いに略平行に上下に延びるようロータリカッ
ターブレード８の長手方向に配列される。

【００１１】また反らせ片１２の各所角部には、風切音
の発生を極力防ぐために丸味が付けられる。

【００１２】次にこの実施例の作用について説明する。
エンジン４を作動してその出力軸７によりロータリカッ
ターブレード８を矢印方向Ｒへ回転させると、刀身部１
０及び反らせ片１２の周囲に図３に示すような気流が生
じる。即ち、ロータリカッターブレード８の回転に伴い
その切刃１１で気流が上下に分割される。そして、上部
の気流Ａの大部分は反らせ片１２の前面に誘導されて上
方へ偏向するが、一部は通風長孔１３から整流壁１２ａ
の背面に沿って上方へ吹き出す噴流Ａ′を形成する。一
方、下部の気流Ｂは反らせ片１２の背面に沿って上方へ
向うが、ロータリカッターブレード８の回転速度が高速
になると、この気流Ｂは反らせ片１２の背面から早く剥
離しようとする。

【００１３】しかしながら、反らせ片１２の背面と、こ
れから剥離しようとする気流Ｂとの間には前記噴流Ａ′
が存在するので、この噴流Ａ′に誘導されて気流Ｂは反
せ片１２背面からの剥離を防止、若しくは著しく遅らさ
れる。その結果、反らせ片１２の背後には渦流の原因と
なる真空域ができにくゝなる。

【００１４】かくして、カッターハウジング３内ではロ
ータリカッターブレード８の回転により上向きの旋回気
流が発生し、この気流の上向き成分により地上の芝は起
こされて切刃１１により効率良く刈られ、刈られた芝は
該気流の旋回成分によりカッターハウジング３から芝箱
６へ排出される。

【００１５】図４及び図５は本考案の第２実施例を示す
もので、反らせ片１２に略平行に穿設される多数の通風
長孔１３，１３をそれぞれ横長にして上下に配列した点
を除けば、前実施例と同様の構成であり、図中、前実施
例と対応する部分にはそれと同一の符号を付す。而し
て、この実施例によっても前実施例と同等の作用効果が
得られる。図６及び図７は本考案の第３実施例を示すも
ので、反らせ片１２の上縁から後方へ水平に延びる整流
片１４を連設した点を除けば前記第１実施例と同様の構
成であり、図中、前記第１実施例と対応する部分にはそ
れと同一の符号を付す。

【００１６】この実施例によれば、反らせ片１２の前，
後面を通過した気流Ａ，Ｂが共に整流片１４により整流
されるので、渦流の発生が更に抑えられ、騒音の更なる
低減を図ることができる。

【００１７】尚、本考案は、芝箱６を持たず、刈芝をそ
のまゝ地上に放置する形式の芝刈機のロータリカッター
ブレードにも適用し得るもので、この場合、カッターハ
ウジング３内に発生する上向き旋回気流により刈芝の浮
遊が促進され、したがって切刃による再断により細かい
刈芝が得られる。

【００１８】

【考案の効果】以上のように本考案によれば、反らせ片
に、その上縁に沿う連続した整流壁を残して複数の通風
長孔を穿設したので、通風長孔から吹出す噴流により、
反らせ片背面からの気流の剥離を防止、若しくは遅らせ
ることができ、したがって気流の剥離に起因する騒音を
著しく低減させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例によるロータリカッターブ
レードを備えた芝刈機の一部破断斜視図

【図２】上記ロータリカッターブレードの斜視図

【図３】図２の３−３線断面図

【図４】本考案の第２実施例によるロータリカッターブ
レードの斜視図

【図５】図４の５−５線断面図

【図６】本考案の第３実施例によるロータリカッターブ
レードの斜視図

【図７】図６の７−７線断面図

【符号の説明】 ３ カッターハウジング ７ 出力軸 ８ ロータリカッターブレード ９ 取付部 １０ 刀身部 １１ 切刃 １２ 反らせ片 １２ａ 整流壁 １３ 通風長孔 Ｒ 回転方向

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 出力軸（７）に固着される取付部（９）
   から半径方向外方へ延出する刀身部（１０）の、回転方
   向（Ｒ）前縁に切刃（１１）を形成すると共に、回転方
   向後縁に後方上向きに傾斜して延出する反らせ片（１
   ２）を連設した、芝刈機用ロータリカッターブレードに
   おいて、反らせ片（１２）に、その上縁に沿う連続した
   整流壁（１２ａ）を残して複数の通風長孔（１３）を穿
   設したことを特徴とする、芝刈機用ロータリカッターブ
   レード。
2. 【請求項２】 請求項１記載のものにおいて、前記複数
   の通孔長孔（１３）を互いに略平行に配列した、芝刈機
   用ロータリカッターブレード。