JP2517290Y2 - 磁気テープカセット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は磁気テープカセット、特に絞り加工によって
突条を形成されたクッションシートを有するタイプの磁
気テープカセットの改良に関するものである。

（従来の技術） 磁気テープカセットには、テープの巻きを安定させ、
巻き姿を良くするため、カセットケースの内面とテープ
の間に絞り加工によって平行な突条を形成されたクッシ
ョンシートを挿入したタイプのものが知られている。第
３図に示すように、このクッションシート２は、テープ
の巻芯（ハブ）のための貫通孔3,3の外側に平行に設け
られた２本の突条4,4を有するもので、この突条4,4の長
手方向の断面は第4A図に示すような形状をしている。こ
れは絞り加工により浮き上がらせて形成されたもので、
中は中空になっている。（第4A図では突条の高さは誇張
して大きく描かれている。） （考案が解決しようとする課題） このようなクッションシート２を有する磁気テープカ
セットは、クッションシート２がシートを絞り加工した
だけのものであるため、使用中に突条４の中央部4aがへ
たってきて第4B図に示すように撓んでしまい、テープの
巻き姿を規制することができなくなる。テープの巻き姿
が規制されなくなると、テープの巻きに凹凸が生じ、こ
れがカセットケース内面と強く接触して巻かれたテープ
の回転抵抗を増大させ、テープの走行不良を起こすこと
になる。

本考案はこの問題に鑑み、絞り加工をしたクッション
シートの規制力を強くして、安定したテープの巻き規制
を実現する磁気テープカセットを提供することを目的と
するものである。

（課題を解決するための手段） 本考案の磁気テープカセットは、カセットケースの内
面の、前記クッションシートの突条の中央に当たる位置
に、該突条の中に突出する突起を前記ケースと一体成形
により形成したことを特徴とするものである。

（作用および効果） 本考案の磁気テープカセットは、カセットケース内面
の、クッションシートの突条の中央に当たる位置に突起
を形成したので、へたりによって撓もうとする突条をこ
の突起が内側から支えるため、突条は大きく撓むことな
く、テープ規制力を維持することができる。

（実施例） 以下、図面により本考案の実施例を説明する。

第１図は本考案の一実施例による磁気テープカセット
のクッションシートと、カセットケース側の突起の位置
を示す平面図、第2A,2B図はそのII-II線断面図である。

第2A図に特に明確に示すように、カセットケースの内
面１の、前記クッションシート２の突条４の中央に当た
る位置に、該突条４の中に突出する突起５を前記ケース
と一体成形により形成する。

この突起５は、突条４の高さ（深さ）と同じかそれよ
り僅かに低いものとし、突条４が撓んだときにそれを内
側から支えて、突条のテープ規制力を維持するに十分な
高さを持たせる。

これにより、第2B図に示すように、クッションシート
４がへたって撓もうとしても、それを内側から前記突起
５が支え、突条４のテープ規制力を十分に維持すること
ができる。

なお、突起５の形状は、図示の実施例では水平断面が
長方形の角柱であるが、これは断面正方形の角柱でも円
形の円柱でも、あるいは円形に盛り上がった隆起状のも
のでもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の要部を示す平面図、第2A図
および第2B図はそのII-II線断面図、第３図は従来の磁
気テープカセットのクッションシートの平面図、第4A図
および第4B図はそのIV-IV線断面図である。 １……カセットケース内面 ２……クッションシート ４……クッションシートの突条 ５……カセットケース内面の突起

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】カセットケース内面とテープの間に、絞り
   加工によって突条を形成されたクッションシートを挿入
   してなる磁気テープカセットにおいて、前記カセットケ
   ースの内面の、前記クッションシートの突条の中央に当
   たる位置に、該突条の中に突出する突起を前記ケースと
   一体成形により形成してなることを特徴とする磁気テー
   プカセット。