JP2516962Y2

JP2516962Y2 - ワイヤ張装装置

Info

Publication number: JP2516962Y2
Application number: JP12217288U
Authority: JP
Inventors: 秀夫荒川
Original assignee: 荒川技研工業株式会社
Priority date: 1988-09-20
Filing date: 1988-09-20
Publication date: 1996-11-13
Anticipated expiration: 2003-09-20
Also published as: JPH0244144U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は、ワイヤの張装（垂下）長さを簡単に変える
ことができるワイヤ張装装置に関するものである。

〔従来の技術〕

例えば、天井からワイヤを垂下して物品を懸吊してい
る場合に、物品の吊下高さを変えようとすれば、ワイヤ
の長さを変えなければならない。この場合、天井板にワ
イヤグリップを設け、該ワイヤグリップにワイヤを摺動
自在に挿通して保持せしめれば天井裏に収納される余分
のワイヤの長さを変えることにより、簡単に、かつ美観
を損なわずに物品の吊下高さを変えることができるが、
天井板にワイヤグリップを設けなければならないし、ま
た一旦ワイヤグリップを設けるとワイヤグリップはフッ
クと比べて天井板への取り付け、取り外しが不便であ
り、また取り外したときに跡が目立ってしまう。このよ
うに考えると、天井板にネジ止めしたフックから適宜長
さに調節したワイヤを垂下するのが美観は若干落ちるが
手軽さから便利なときもある。

また、独自に長さ調節可能のワイヤは、ゼンマイバネ
を使用したリールをワイヤの端末に接続して備え、余分
の長さのワイヤをリールに巻き込むものであるため、大
きなリールの存在が、張装時に邪魔となったり、保管、
運搬時に場所をとったり、高い製造コストをもたらすな
ど、種々の問題点があった。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は、従来の上述の如き問題点を解決しようとす
るもので、張装時はスリムで、全体も小型化して保管、
運搬に便利で、製造コストも従来のものより安価なワイ
ヤ張装装置を提供することを目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、ワイヤグリップ２にワイヤ１を挿通して摺
動固着可能とするとともに、該ワイヤ１の端部を折り返
して該ワイヤグリップ２に固定し、該ワイヤ１の折り返
し部分を可動フック５としたワイヤ張装装置であって、前記可動フック５が、前記ワイヤ１の折り返し部分が
摺動自在に挿通するパイプ状の賦形部材６′と、該賦形
部材６′の端部が挿通する絞りコマ６″とを備え、前記ワイヤグリップ２が、内周部一端にテーパ面部９
が形成された中空のグリップ体ケース８内に、ワイヤ１
が挿通され該ワイヤ１を前記テーパ面部９に当接するボ
ール15で挟着するスリーブ12を摺動自在に収容し、前記
グリップ体ケース８の内周部他端にワイヤ１が挿通可能
な蓋20を設けて該蓋20の内側面にバネ受座板17を設ける
とともに、該バネ受座板17と前記スリーブ12との間に該
スリーブ12を前記テーパ面部９側に付勢するスプリング
を13を介装し、前記バネ受座板17に２個のワイヤ挿通孔
16₁,16₂を形成し、一方のワイヤ挿通孔16₁にワイヤ１を
摺動自在に挿通し、他方のワイヤ挿通孔16₂にワイヤ１
の折り返し端部を係止したことを特徴とするワイヤ張装
装置である。

〔作用〕

本考案のワイヤ張装装置は、ワイヤ張装長さの調節方
式としてリール方式をとらずに折り返し方式を採用し、
その場合にワイヤグリップ２にワイヤ１を挿通して摺動
可能とするとともに、該ワイヤ１の端部を折り返して該
ワイヤグリップ２に固定して、折り返し端部の保持部材
であるワイヤグリップ２をワイヤ１上を適宜位置まで摺
動させて固定せしめることによって余分の長さのワイヤ
１を伸長状態のまま折り返して張装長さの調節を行う。

そして、可動フック５は絞りコマ６″の穴に賦形部材
６′の両端を止着して構成され、ワイヤ１の折り返し部
分が絞りコマ６″の穴および賦形部材６′内に挿通する
ため、フック部の形状と長さを一定に保持でき、また、
可動フック５とワイヤグリップ２との間の２条のワイヤ
１′,1″も整列させることができ、張装時の体裁がよく
美観を改善でき、全体も小型で包装、運搬にも便利であ
る。

また、ワイヤグリップ２はケース８内に収容されるバ
ネ受座板17に２個のワイヤ挿通孔16₁,16₂を穿設し、１
個のワイヤ挿通孔16₂をワイヤ１の折り返し端部の係止
部としたので、バネ受座板17をグリップケース８に固定
する前に、例えば、末端に抜け止めボール18を設けたワ
イヤを他方の末端から１個のワイヤ挿通孔16₂を貫いて
挿通し、折り返してもう一方のワイヤ挿通孔16₁を逆方
向に貫いて挿通し、さらにスリーブ12のワイヤ挿通孔11
に挿通し、その後、バネ受座板17を抜け止めボール18が
スリーブ12側に向くようにしてケース８に固定すること
により、ワイヤグリップ２の折り返し末端を係止された
状態でのワイヤ１のワイヤグリップ２への摺動配備が同
時に遂行されることとなる。

従って、構造が簡単で、容易にワイヤ１に配備するこ
とができ、しかも抜け止めボール18が外部に顕れず美観
を損なうことがない。

〔実施例〕

本考案の実施例を第１図から第５図を用いて説明す
る。

１はワイヤでワイヤグリップ（以下、グリップと略）
２に挿通され、グリップ２はワイヤ１に摺動可能とされ
ている。ワイヤ１の一方の端部は折り返され、その末端
がグリップ２に固定されていて、他方の末端から折り返
し点３（その位置は適宜無段階に変更される）に至る本
筋ワイヤ１′と折り返しワイヤ１″に折曲区分され、本
筋ワイヤ１′の長さがワイヤ張装長さとなるようにして
ある。（この例では、次に述べるように可動フック５を
ワイヤで形成しているので折り返し点３がフック下端に
なっている。）ワイヤ１の折り返し部分には、ワイヤ１を賦形する賦
形部材６を備える可動フック５が設けられる。可動フッ
ク５は、第２図に示すように、外周部を可撓性プラスチ
ックシートで覆ったコイル（賦形部材）６′と、挿通穴
6aが形成された絞りコマ６″とを備え、コイル６′がル
ープ状に曲げられ、コイル６′の両端が絞りコマ６″の
穴6a内に同じ方向に向けて並べて保持されている。コイ
ル６′と絞りコマ６″とは接着剤などにより互いに固着
していてもよいし、或いはコイル６′の両端部を絞りコ
マ６″の穴6a内に深く挿入することにより両者が結合さ
れる着脱自在のものであってもよい。着脱自在としてお
けば、ワイヤ張装長さの変更の際に両者を分離して絞り
コマ６″をワイヤ１のしごき部材およびコイル６′を新
たな折り返し点３に位置決めする位置決め部材として用
いることができる。

グリップ２は、第３図に示すように、中空部8aを有す
る円筒体のケース８は、中空部8aの一方の端部内周面が
端部に向かって縮径するテーパー面部９に形成され、中
空部8aの他方の端部に雌ねじ部9aが形成され、中空部8a
内にスリーブ12が摺動自在に設けられている。スリーブ
12は中心にワイヤ挿通孔11を貫通して備えると共に、外
周一端にテーパー面部９に合致するコーン形状のボール
保持部12aと、ボール保持部12aの一方の端部に続く小径
の操作部10と、ボール保持部12aの他方の端部に続く大
径部端面のバネ受け部12bとを備え、挿通孔11からボー
ル保持部12aに径方向に貫通して複数のボール保持孔14
が形成される。ボール保持孔14は周方向に等間隔で配備
され、これらボール保持孔14にそれぞれ適当な大きさの
ボール15がワイヤ挿通孔11に突没自在に収容されてい
る。

スリーブ12はバネ13でテーパー面部９の小径側に付勢
されて収容され、各ボール15がテーパー面部９によりワ
イヤ挿通孔11に突出してその相互間隔を狭め、操作部10
がケース８から突出するように付勢されている。

ケース８には雌ねじ部9aにワイヤ挿通孔19を中心に備
えた蓋体20が螺着し、この蓋体20に上述したバネ13の一
端がバネ受座板17を介して係合する。バネ受座板17は、
ケース８の中空部8aの内径に等しい円板で、中央部付近
に本筋ワイヤ１′挿通用のワイヤ挿通孔16₁と折り返し
ワイヤ１″挿通用のワイヤ挿通孔16₂が並べて穿設され
る。このバネ受座板17には、ワイヤ１″の折り返し末端
にカシメ等で固着された抜け止めボール18が係止する。

なお、上述した実施例では、蓋体20と別個のバネ受座
板17を用いるが、バネ受座板17と蓋体20とを一体化した
ワイヤ端固定部材（ワイヤ端固定部材が雄ねじ部材とな
る）を用いることもできるし、その変形としてワイヤ端
固定部材に内周面をネジ面とした筒体を設けケース８は
その外周にネジ面を形成して螺合する（ワイヤ端固定部
材が雄ネジ部材となる）こともできる（その場合はボー
ル15がバネ13によりワイヤ１に圧接された状態で螺合す
るとワイヤが捩じれるのでスリーブ12を押し込んでワイ
ヤをフリーとして螺合する）。また螺合を用いずにカシ
メ、溶接、ピン止めなどの適宜手段でワイヤ端固定部材
をケース８に固定することもできる。

21は押し板を兼ねたキャップでケース８の外周面部に
嵌合する円筒体のガイド部と中央にワイヤ挿通孔を穿設
した、操作部10の端面部に当接する押さえ部とからな
り、グリップ２と固定フック４との間の本筋ワイヤ１′
に予め摺動自在に挿通されていて、グリップ２をワイヤ
１に沿って摺動させてワイヤ張装長さを調節するとき
は、キャップ21をグリップ２に深く被らせることによっ
てスリーブ12をケース８内に押し込み、グリップ２をワ
イヤ１に対してフリーにすることができる。

しかして、図示の状態で固定フック４と可動フック５
を互いに反対の方向に引っ張る力がワイヤ１に働くと、
グリップ２のケース８には折り返しワイヤ１″を介して
テーパー面部９の小径側がスリーブ12のボール15に近づ
く向きに力が加わり、ボール15は強固に本筋ワイヤ１′
に噛みつく。従ってグリップ２が本筋ワイヤ１′上を滑
ることはなく、従って折り返しワイヤ１″の長さが変わ
ることはなく、従って本筋ワイヤ１′の長さ即ちワイヤ
張装長さも確実に一定に保たれる。

従って、第４図のように固定フック４を上側にして吊
り下げて用いるのが一般的であるが、可動フック５側を
上にしてもよいし、吊り下げに限らず、壁から壁に水平
に張装することもできる。

また、ワイヤ張装長さを調節する場合はスリーブ12を
ケース８に押し込んでボール15の相互間隔をあけてワイ
ヤ１に対してグリップ２をフリーとし、グリップ２をワ
イヤ１上を摺動させて適当な位置まで摺動させる。その
後、絞りコマ６″とコイル６′を移動して可動フック５
を新たな折り返し点３に形成する。

〔考案の効果〕

本考案のワイヤ張装装置は、ワイヤグリップに摺動固
定可能に挿通したワイヤを折り返し、ワイヤの末端をワ
イヤグリップのケース内に収容されたバネ受座板に止着
するとともに、ワイヤの折り返し部分にコイルと絞りコ
マとからなりワイヤを一定のループ形状に賦形する可動
フックを設けたため、外観美を改善でき、また、全体を
小型化して包装や運搬が簡便に行えるという効果が得ら
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のワイヤ張装装置の実施例の斜面図、第
２図は可動フックの縦断面図、第３図は本考案に用いる
ワイヤグリップの縦断面図、第４図は使用状態を示す該
略図である。１…ワイヤ、１′…本筋ワイヤ、１″…折り返しワイ
ヤ、２…グリップ、３…折り返し点、４…固定フック、
５…可動フック、６…賦形部材、６′…コイル（賦形部
材）、６″…絞りコマ、８…ケース、９…テーパー面
部、10…操作部、11…ワイヤ挿通孔、12…スリーブ、13
…バネ、14…ボール保持孔、15…ボール、16₁,16₂…ワ
イヤ挿通孔、17…バネ受座板、18…抜け止めボール、19
…ワイヤ挿通孔、20…蓋体、21…キャップ。

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ワイヤグリップ２にワイヤ１を挿通して摺
動固着可能とするとともに、該ワイヤ１の端部を折り返
して該ワイヤグリップ２に固定し、該ワイヤ１の折り返
し部分を可動フック５としたワイヤ張装装置であって、前記可動フック５が、前記ワイヤ１の折り返し部分が摺
動自在に挿通するパイプ状の賦形部材６′と、該賦形部
材６′の端部が挿通する絞りコマ６″とを備え、前記ワイヤグリップ２が、内周部一端にテーパ面部９が
形成された中空のグリップ体ケース８内に、ワイヤ１が
挿通され該ワイヤ１を前記テーパ面部９に当接するボー
ル15で挟着するスリーブ12を摺動自在に収容し、前記グ
リップ体ケース８の内周部他端にワイヤ１が挿通可能な
蓋20を設けて該蓋20の内側面にバネ受座板17を設けると
ともに、該バネ受座板17と前記スリーブ12との間に該ス
リーブ12を前記テーパ面部９側に付勢するスプリングを
13を介装し、前記バネ受座板17に２個のワイヤ挿通孔16
₁,16₂を形成し、一方のワイヤ挿通孔16₁にワイヤ１を摺
動自在に挿通し、他方のワイヤ挿通孔16₂にワイヤ１の
折り返し端部を係止したことを特徴とするワイヤ張装装
置。