JP2514310B2 - 潤滑油および潤滑グリ―ス - Google Patents

潤滑油および潤滑グリ―ス

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JP2514310B2
JP2514310B2 JP33075293A JP33075293A JP2514310B2 JP 2514310 B2 JP2514310 B2 JP 2514310B2 JP 33075293 A JP33075293 A JP 33075293A JP 33075293 A JP33075293 A JP 33075293A JP 2514310 B2 JP2514310 B2 JP 2514310B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機ケイ素系潤滑油に関
し、さらに詳しくは、極圧潤滑性が改良された有機ケイ
素系潤滑油に関する。また、本発明はそのような有機ケ
イ素系潤滑油を基油とする潤滑グリースに関する。
【0002】
【従来の技術】ジメチルシリコーンオイルは、鉱油や合
成油に比べ、化学的安定性、酸化安定性、耐熱性、耐薬
品性および粘度温度特性に優れるという特徴を有してい
る。しかし、ジメチルシリコーンオイルは、鋼鉄−鋼鉄
の境界潤滑性が鉱油や合成油により劣り、とくに極圧条
件における潤滑性が劣るため、高速、高負荷系では用い
ることができず、その使用条件や用途にかなり制約を受
けている。そこで、ポリシロキサンの側鎖に各種の基を
導入することにより、境界潤滑性を改良することが試み
られ、メチルフェニルシリコーンオイル、クロロフェニ
ル変性シリコーンオイル、フルオロアルキル変性シリコ
ーンオイル、アルキル変性シリコーンオイルなどが使用
されている。しかし、メチルフェニルシリコーンオイル
は満足すべき極圧潤滑性を得るには至らない。クロロフ
ェニル変性シリコーンオイルを用いた場合は、極圧潤滑
性は向上するものの、金属への腐食が避けられないとい
う欠点がある。フルオロアルキル変性シリコーンオイル
は優れた極圧潤滑性を有するが、そのような極圧潤滑性
を得るには多量のフルオロアルキル基、たとえば分子中
のケイ素原子1個に対して0.4〜1個の3,3,3−
トリフルオロプロピル基を導入することが必要であり、
そのため中間体段階を含めて合成が煩雑なので高価とな
り、その使用分野が限定されている。側鎖に多量の長鎖
アルキル基やアラルキル基を導入したシリコーンオイル
は、かなり潤滑性が改善されるが、一般のシリコーンオ
イルに比べて耐熱性が劣る。
【0003】また、上述のようなジメチルシリコーンオ
イルやメチルフェニルシリコーンオイルを基油として用
いたシリコーングリースの境界潤滑性も、石油系グリー
スより劣る。そのため、高速、高負荷系では用いること
ができず、これらのシリコーンオイルと同様、その使用
にかなり制約を受けている。とくに、メチルフェニルシ
リコーンオイルを基油として用いたグリースは、シール
のゴム材料を収縮させ、シール性を損なうという欠点が
あり、その使用に制約を受ける。基油の側鎖に、シリコ
ーンオイルについて述べたのと同様に各種の有機基を導
入して変性することで、シリコーングリースの境界潤滑
性が改善されるが、それらはそれぞれの基油について述
べたのと同じ問題をかかえている。
【0004】さらに、金属石鹸増稠シリコーングリース
の製造において、高温で基油に増稠剤を融解する方法が
一般に用いられている。しかし、通常のシリコーンオイ
ルは、増稠剤と基油との相溶性が低く、熱伝導性も低い
ことから、基油を増稠剤の融点よりかなり昇温させない
と、増稠剤が溶解しない。このことは、製造設備、製造
時間において不利な点であり、また、基油として用いる
シリコーンオイルの種類によっては、その酸化による劣
化を起こすことがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
のような欠点がなく、従来の有機ケイ素系潤滑油の特徴
を有しつつ、合成が容易で、極圧潤滑性が改良された潤
滑油を提供することである。本発明のもうひとつの目的
は、そのような潤滑油を基油として含む潤滑グリースを
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、ポリシロキ
サン鎖の一部にシルアルキレン結合を導入することによ
り、該シルアルキレン結合の存在が極圧潤滑性を著しく
高め、しかもポリシロキサンの耐熱性その他の性質を保
持した潤滑油が得られ、その目的を達成しうることを見
出して、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、 単位式:R1 mSiZ(4-m)/2 (1) (式中、R1 は炭素数1〜20の置換または非置換の1
価の炭化水素基を表し; Zは炭素数1〜10のアルキレン基を表し;mは1〜3
の整数を表す)で示されるシルアルキレン単位と、 単位式:R2 nSiO(4-n)/2 (2) (式中、R2 は炭素数1〜20の置換または非置換の
価の炭化水素基を表し; nは1〜3の整数を表す)で示されるシロキサン単位か
らなり、25℃における粘度が10〜100,000cP
のポリシルアルキレンシロキサンを主成分とする潤滑油
に関し、また、そのような潤滑油を基油として含む潤滑
グリースに関する。
【0008】本発明の潤滑油は、上述のように、シルア
ルキレン単位およびシロキサン単位からなるポリシルア
ルキレンシロキサンを主成分とする。このようなポリシ
ルアルキレンシロキサンの分子骨格構造は、直鎖状、分
岐状、環状などの任意の構造でよく、すなわち上記の単
位式(1)および(2)において、m、nはそれぞれ独
立して1、2、3のいずれでもよいが、制御よく安定に
合成することが可能で、得られたシルアルキレンシロキ
サン化合物の耐熱性や潤滑特性が優れていることから、
実質的に直鎖状であることが好ましい。すなわち、m、
nはそれぞれ大部分が2で、両末端にmまたはnが3で
ある単位を有することが好ましい。
【0009】上記のシルアルキレンシロキサン化合物に
おいて、シルアルキレン単位とシロキサン単位との比
は、とくに限定されるものではないが、潤滑性と耐熱性
その他の諸性質との兼ね合いから、シロキサン単位1個
に対してシルアルキレン単位が好ましくは0.1〜10
個、さらに好ましくは0.2〜3個、とくに好ましくは
0.5〜1個の範囲である。0.1個未満では十分な極
圧潤滑性が得られず、10個を越えるとシロキサン結合
の特徴である耐熱性、耐寒性および粘度温度特性が低下
する。また、1個を越えるものは、合成がより煩雑であ
る。
【0010】単位式(1)および(2)において、R1
およびR2 は、分子中に1種でも、2種以上のものが存
在してもよく、炭素数1〜20の置換または非置換の1
価の炭化水素基である。このようなR1 およびR2 とし
ては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシ
ル、ヘキサデシル、オクタデシルなどのアルキル基;シ
クロヘキシルなどのシクロアルキル基;ビニル、アリル
などのアルケニル基;フェニルなどのアリール基;2−
フェニルエチル、2−フェニルプロピルなどのアラルキ
ル基;ならびにクロロメチル、トリフルオロプロピルな
どのハロゲン化アルキル基が例示され、潤滑油の合成が
容易で、有機ケイ素重合体の特徴である耐熱性、耐寒性
および粘度温度特性が得られることから、分子中に存在
するR1 およびR2 の90%モル以上がメチル基である
ことが好ましく、全量がメチル基であることがさらに好
ましい。ただし、とくに耐熱性が必要な場合は40モル
%までの所望量のフェニル基を導入することが好まし
い。
【0011】Zは炭素数1〜10のアルキレン基であ
り、分子中に1種でも、2種以上が存在してもよく、メ
チレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペ
ンタメチレン、ヘキサメチレン、デカメチレンなどが例
示され、合成が容易で、また耐熱性を保持することか
ら、メチレンおよびエチレンが好ましい。すなわち、本
発明の潤滑油の主成分である有機ケイ素化合物は、Zの
種類に応じて、ポリシルメチレンシロキサン、ポリシル
エチレンシロキサン、ポリシルトリメチレンシロキサ
ン、ポリシルヘキサメチレンシロキサンなどであり、好
ましくはポリシルメチレンシロキサンおよびポリシルエ
チレンシロキサンである。
【0012】該ポリシルアルキレンシロキサンの粘度
は、25℃において10〜100,000cPであり、用
途によって任意の粘度のものが選択されるが、作業性お
よび潤滑特性から、50〜70,000cPが好ましい。
10cP未満では熱的安定性に乏しく、100,000cP
を越えると著しく流動性が悪くなり、潤滑油としては不
適当である。
【0013】このようなポリシルアルキレンシロキサン
は、例えば分子中、好ましくは末端のケイ素原子に結合
した加水分解性基を有するシルアルキレン化合物の1種
もしくは2種以上を、単独で、または必要に応じて加水
分解性基を有するシラン化合物および/またはシロキサ
ン化合物とともに、縮合反応を伴う共加水分解によって
得ることができる。また、このようにして合成した環状
シルアルキレンシロキサン化合物を、単独で、または必
要に応じて環状ポリシロサンとともに、末端封鎖基を有
する加水分解性シランR2 3SiXまたは直鎖状シロキサ
ンオリゴマーR2 3SiO(R2 2SiO)a SiR2 3(式
中、R2 は前述のとおり;Xは加水分解性基を表し;a
は0〜2の数を表す)と平衡化反応させて、任意の分子
長を有する直鎖状ポリシルアルキレンシロキサンを得る
ことができる。
【0014】このようなポリシルアルキレンシロキサン
の原料として用いられる加水分解性シルアルキレン化合
物は、代表的には、一般式: Xm1 3-mSiZSiR1 3-mm (3) (式中、R1 、XおよびZは前述のとおり;mは1また
は2を表す)で示され、Xとしては、塩素原子、臭素原
子などの加水分解性ハロゲン原子;メトキシ、エトキ
シ、イソプロポキシなどの低級アルコキシ基;アセトキ
シなどの低級アシロキシ基が挙げられる。このような加
水分解性シルアルキレン化合物は、次のような方法で合
成することができる。
【0015】(1)メチルクロロシルメチレン化合物
は、金属ケイ素と塩化メチルより銅触媒によりメチルク
ロロシラン類を合成する際の副生物として、該シラン類
を分留する際の高沸点物中に存在し、減圧蒸留によって
回収できる。このようなメチルクロロシルメチレン化合
物としては、クロロペンタメチルシルメチレン、ジクロ
ロテトラメチルシルメチレン、トリクロロトリメチルシ
ルメチレン、テトラクロロジメチルシルメチレンが例示
される。
【0016】(2)シルエチレン化合物は、ビニル基含
有シランと、Si−H結合含有シランから、白金系触媒
の存在下に、ヒドロシリル化反応によって容易に合成で
きる。さらに、原料シラン化合物として他のアルケニル
基含有シランを用いることにより、任意のZを有するシ
ルアルキレン化合物を合成できる。なお、同一のケイ素
原子に水素原子とアルケニル基がそれぞれ直接結合した
シラン化合物を用いてヒドロシリル化反応を行えば、複
数の連続したシルアルキレン結合を有するポリシルアル
キレン化合物を得ることもできる。
【0017】(3)非共役ジエン1分子とSi−H結合
含有シラン2分子から、同様にヒドロシリル化反応によ
って、炭素数5以上のZを有するシルアルキレン化合物
を合成できる。
【0018】(4)クロロシラン類とクロロアルキル基
含有シランより、ウルツ反応またはグリニャール反応に
よって、塩素原子を引き抜いて、任意のZを有するシル
アルキレン化合物を合成できる。同様の塩素引抜反応
を、クロロシラン類2分子とα,ω−ジクロロアルカン
1分子との間で行ってもよい。
【0019】(5)上記(1)〜(4)の反応によって
いったん合成したシルアルキレン化合物と、ケイ素原子
に結合した塩素原子を有する他のシルアルキレン化合物
および/またはシラン化合物との間で、塩化アルミニウ
ムのようなルイス酸の存在下に再分配反応を行わせ、加
水分解性基として任意の数の塩素原子を有する別のシル
アルキレン化合物を合成できる。
【0020】(6)上記(1)〜(5)によって合成し
た、ケイ素原子に結合した塩素原子を有するシルアルキ
レン化合物から、アルコリシスその他の公知の方法によ
って、メトキシ基のような他の加水分解性基を有するシ
ルアルキレン化合物が得られる。
【0021】本発明の潤滑油に、必要に応じて、従来よ
く知られているアミノ系、メルカプタン系などの防錆
剤、アルキルフェノール系、アミノ系などの酸化防止
剤、無機系、有機系の着色剤などの他の各種添加剤を、
本発明の目的、効果を損なわないかぎり、任意の量配合
してもよい。
【0022】本発明の潤滑油を基油として、増稠剤を配
合してグリースを製造することができる。増稠剤は公知
のものでよく、1種でも、2種以上を併用してもよい。
増稠剤としては、極圧潤滑に用いられるグリースにおい
ては、脂肪族金属石鹸、複合型金属石鹸など、加熱によ
り融解する石鹸系増稠剤が好ましい。石鹸系増稠剤とし
ては、リチウムラウレート、リチウムミリステート、リ
チウムパルミテート、リチウムステアレート、リチウム
アラキネートなどのリチウム石鹸;これらに対応するナ
トリウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム石鹸;
ならびに脂肪酸系石鹸と酢酸カルシウムの混合物、およ
び反応性アルミニウム化合物とステアリン酸および安息
香酸との反応生成物のような複合型金属石鹸などが例示
され、良好な耐水性を有し、広い温度範囲で使用可能な
ことから、リチウム石鹸がさらに好ましく、リチウムパ
ルミテートおよびリチウムステアレートがとくに好まし
い。一方、用途に応じて、非石鹸系の増稠剤、たとえば
カーボンブラック、微粉末シリカ、ポリテトラフルオロ
エチレン樹脂粉末、タルク、有機変性ベントナイト、二
硫化モリブテン、シリコーン樹脂粉末などを用いてもよ
い。増稠剤の配合量は、目的とするグリースの稠度に見
合う量とすればよく、本発明の潤滑剤100重量部に対
して5〜90重量部が好ましく、10〜80重量部がさ
らに好ましい。5重量部未満では好適な稠度を保つこと
ができず、90重量部を越えるとグリースが硬くなりす
ぎて、潤滑剤としての目的を達することができない。
【0023】本発明のグリースを製造するには、本発明
の潤滑油に増稠剤、添加剤などを配合し、撹拌装置付き
の加熱釜に仕込んで加熱混練りをした後に、常温に戻
し、三本ロール、ペイントロールなどを用いて均質化す
る方法、また加熱をせずに均一に混合した混合物を、三
本ロール、ペイントロールなどで均質化する方法があ
る。添加剤については、さきに潤滑油への添加剤として
述べたものを用いることができる。
【0024】
【発明の効果】本発明の潤滑油は、極圧潤滑性に優れ、
一方、耐熱性、酸化安定性などのポリシロキサンの特徴
をも保持しているので、耐熱性の極圧潤滑油として好適
である。そのため、高温環境で用いられる製鉄・金属加
工などの機械潤滑油、エンジンまわりの潤滑油として有
用である。
【0025】本発明の潤滑グリースも、同様に極圧潤滑
性と耐熱性、酸化安定性とを兼ね備え、金属に対する腐
食を与えないので、高温環境で用いられる機器の軸受け
などの摺動部に使用して、被潤滑部の摩擦を軽減し、機
器の安定性と寿命を付与することができる。
【0026】さらに、本発明の潤滑油は、ジメチルシリ
コーンオイルのような通常のシリコーンオイルが用いら
れている各種の軽潤滑用途にも有用である。たとえば、
各種プラスチック、ゴム、シリコーンシーリング材など
に、滑剤や流動性向上剤として配合することができる。
また、ファンデーション、ヘアケア、各種クリームなど
の化粧品の基油のような、衛生面の配慮が必要な用途に
も使用できる。
【0027】
【実施例】以下、実施例および比較部によって本発明を
さらに詳細に説明する。実施例および比較例中、部はい
ずれも重量部を表す。本発明はこれらの実施例によって
限定されるものではない。
【0028】実施例1 クロロメチルトリメチルシラン366部、マグネシウム
76部およびジエチルエーテル573部の混合物を氷浴
温度で反応させて、グリニャール試薬を合成した。これ
に、トリメチルクロロシラン324部とジエチルエーテ
ル255部の混合液を滴下して、氷浴温度で3時間混合
した後、さらに還流温度で12時間反応させた。反応
後、ジエチルエーテルを留去し、塩酸水を添加して加水
分解を行い、分別蒸留により、沸点134℃のヘキサメ
チルジシルメチレン312部を得た。このヘキサメチル
ジシルメチレン300部をとり、トリメチルクロロシラ
ン1545部と塩化アルミニウム15部を加えて、60
℃に2時間加熱することにより、再分配反応させた。反
応後、分別蒸留を行い、沸点70℃/20Torrの1,
1,3,3−テトラメチル−1,3−ジクロロジシルメ
チレン324部を得た。収率は理論収量の85%であっ
た。
【0029】このようにして得られた1,1,3,3−
テトラメチル−1,3−ジクロロジシルメチレン211
部を、トリメチルクロロシラン5部とともにトルエン9
7部に溶解して、10%アセトン水溶液560部に滴下
し、滴下終了後、分液して得た有機層について、炭酸水
素ナトリウム5%水溶液による水洗と、モレキュラシー
ブスによる脱水を行い、ろ過した後、減圧加熱により脱
溶して、25℃における粘度100cPのポリシルメチレ
ンシロキサンオイル150部を得た。
【0030】得られた液状物の 1H−NMR(CCl
4 )を測定したところ、δ=−0.12〜−0.06pp
m に、SiCH2 Siに帰属するシグナルが認められ
た。GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量
(クロロホルム)は3,000であった。
【0031】実施例2 ビニルジメチルクロロシラン121部と塩化白金酸の2
5%イソプロピルアルコール溶液0.25部とを反応フ
ラスコに仕込み、液温を60℃にして、ジメチルクロロ
シラン95部を40分かけて滴下した。滴下終了後、7
0℃で1時間撹拌を行い、その後、減圧蒸留して、沸点
102℃/20Torrの無色透明な留分として、1,1,
4,4−テトラメチル−1,4−ジクロロジシルエチレ
ン120部を得た。収率は理論収量に対して60%であ
った。
【0032】この留分149部を、ジエチルエーテル1
40部と水500部の混合液に1時間かけて滴下し、滴
下終了後、分液して得た有機層について、炭酸水素ナト
リウム5%水溶液による水洗と、モレキュラシーブスに
よる脱水を行い、ろ過した後、60℃/20Torrに減圧
加熱することにより、溶媒を除去して液状物を得た。こ
の液状物158部をピリジン18部およびヘキサン58
部とともにフラスコに仕込み、トリメチルクロロシラン
24部を滴下し、80℃で5時間反応させることによ
り、末端トリメチルシリル化を施した。反応後、水洗を
行い、さらに脱水・脱溶して、GPCによるポリスチレ
ン換算の重量平均分子量が9,700のポリシルエチレ
ンシロキサンオイルを得た。
【0033】実施例3 1,5−ヘキサジエン82部と塩化白金酸の25%イソ
プロピルアルコール溶液0.25部とを反応フラスコに
仕込み、液温を60℃にして、ジメチルクロロシラン2
27部を40分かけて滴下した。滴下終了後、70℃で
1時間撹拌を行い、その後、102℃/20Torrで減圧
蒸留を行って、無色透明な留分121部を得た。この留
分110部をジエチルエーテル110部と水500部の
混合液中に1時間かけて滴下し、滴下終了後、炭酸水素
ナトリウム5%水溶液による洗浄とモレキュラシーブス
による脱水を行い、ろ過後、脱溶して液状物78部を得
た。この液状物58部をピリジン12部およびヘキサン
70部とともにフラスコに仕込み、トリメチルクロロシ
ラン15部を滴下し、80℃で3時間反応させること
で、末端トリメチルシリル化を施した。反応後、水洗を
行い、脱水・脱溶して、GPCによりポリスチレン換算
の重量平均分子量が12,700のポリシルヘキサメチ
レンシロキサンオイルを得た。
【0034】実施例4 実施例1で行ったのと同様の再分配反応で得られた1,
1,2,2−テトラメチル−1,2−ジクロロジシルメ
チレン100部と1,1,2−トリメチル−1,2,2
−トリクロロジシルメチレン53部を、ジメチルジクロ
ロシラン17部、ペンチルメチルジクロロシラン62部
およびトリメチルクロロシラン41部とともに、トルエ
ン150部に溶解させて、シルメチレン化合物とシラン
化合物の混合溶液を得た。この混合溶液を、10%アセ
トン水溶液600部中に滴下し、滴下後に分液して得た
有機層を炭酸水素ナトリウム5%水溶液により水洗し、
モレキュラシーブスで脱水・ろ過した後、さらに脱溶し
て、GPCによる重量平均分子量3,500の油状物を
得た。
【0035】実施例5 ビニルメチルジクロロシラン353部と塩化白金酸の2
5%イソプロピルアルコール溶液0.4部とを反応フラ
スコに仕込み、液温を60℃にして、撹拌しつつこれに
ジメチルクロロシラン237部を40分かけて滴下し
た。滴下終了後、70℃で1時間撹拌を行い、その後、
減圧蒸留して沸点102℃/20Torrの無色透明な留分
として1,1,2−トリメチル−1,2,2−トリクロ
ロジシルエチレン399部を得た。収率は理論量に対し
て69%であった。この1,1,2−トリメチル−1,
2,2−トリクロロジシルエチレン71部と、実施例2
で得られた1,1,2,2−テトラメチル−1,2−ジ
クロロジシルエチレン150部をトルエン221部に溶
解させて、19%アセトン水溶液165部に滴下し、滴
下終了後、炭酸水素ナトリウム5%水溶液による洗浄、
モレキュラシーブスによる脱水、ろ過、さらに脱溶を行
って、無色透明な油状物を得た。この油状物100部を
フラスコに仕込み、ピリジン22部とヘキサン100部
を加えて、撹拌しつつこれにトリメチルクロロシラン2
部を滴下し、80℃で5時間反応させることにより末端
トリメチルシリル化を施した。反応後、水洗を行い、脱
水・脱溶して、GPCによる重量平均分子量が3,00
0の分岐状ポリシルエチレンシロキサンオイルを得た。
【0036】試験例1 実施例1〜5で得られたポリシルアルキレンシロキサン
オイルを、潤滑油として評価した。すなわち、該ポリシ
ルアルキレンシロキサンオイルの動摩擦係数を、振子型
油性摩擦試験機(神鋼造機(株)製)により、JIS
B 1501鋼球(3/16)を用いて測定した。ま
た、示差走査熱量計により、昇温温度10℃/minで昇温
したときの発熱開始温度を観測することによって、酸化
開始温度を測定した。それらの結果を表1に示す。
【0037】なお、比較のために、下記の比較例試料1
〜3について、同様の評価を行った。その結果を、併せ
て表1に示す。 比較例1:25℃における粘度が100cPのジメチルシ
リコーンオイル 比較例2:40℃における粘度が120cPの流動パラフ
ィン 比較例3:25℃における粘度が63cPのオリーブ油
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、本発明のポリシ
ルアルキレンシロキサン潤滑油は、比較例に用いたいず
れのオイルに比べても極圧潤滑性が優れている。また、
酸化開始温度は170〜190℃を示し、比較例1のジ
メチルシリコーンオイルよりは劣るものの、比較例2お
よび3の有機オイルに比べてはるかに高い値を示してい
る。
【0040】実施例6〜12 実施例1で合成したポリシルメチレンシロキサンオイル
80部とリチウムステアレート20部とを撹拌装置付き
加熱釜に仕込み、加熱混練りしたところ、207℃でリ
チウムステアレートがオイルに溶解して均質化した。こ
の混合物を放冷して常温に戻し、ペイントロールで混合
して、ポリシルメチレンシロキサンを基油とする、実施
例6のグリースを調製した。同様にして、表2に示す配
合比により、それぞれ実施例2〜4で合成したポリシル
アルキレンシロキサンを基油とする、実施例7〜12の
グリースを調製した。ただし、実施例8では、リチウム
ステアレートが完全に溶解してからポリテトラフルオロ
エチレン微粉末を分散させた。また実施例11、12
は、いずれも非石鹸系の増稠剤のみを用いているので、
200℃で加熱混練して、均一に分散させた。
【0041】
【表2】
【0042】比較例4 比較例1のジメチルシリコーンオイル80部とリチウム
ステアレート20部とを撹拌装置付き加熱釜に仕込み、
加熱混練りしたところ、230℃付近でリチウムステア
レートが溶解し、均質化した。この混合物を放冷して常
温に戻し、ペイントロールで混合してシリコーングリー
スを調製した。
【0043】比較例5 GPCによる重量平均分子量が10,000、フェニル
基含有率5%、振子型油性摩擦試験機(神鋼造機(株)
製)により、JIS B 1501鋼球(3/16)を
用いて測定し動摩擦係数が0.14μk のメチルフェニ
ルシリコーンオイル80部と、リチウムステアレート2
0部とを撹拌装置付き加熱釜に仕込み、加熱混練りした
ところ、230℃付近でリチウムステアレートが溶解
し、均質化した。この混合物を放冷して常温に戻し、ペ
イントロールで混合してシリコーングリースを調製し
た。
【0044】比較例6 比較例5に用いたメチルフェニルシリコーンオイル10
0部、塩素化パラフィン25部およびリチウムステアレ
ート30部を、比較例5と同様に撹拌混合することによ
り、シリコーングリースを調製した。
【0045】試験例2 実施例6〜10および比較例4〜6によって得られたグ
リースの潤滑特性を、摩耗痕によって評価した。すなわ
ち、四球式摩擦試験機により、直径12.7mmの鋼球を
用いて、負荷40kgf 、回転数1,200rpm の条件で
10分間の摩耗試験を行い、鋼球の摩耗痕を測定した。
また、これらのグリースについて、金属への腐食性を評
価した。すなわち、サンドペーパーで表面を荒らした鋼
鉄板の表面にグリースを塗布した後、150℃の乾燥機
中に1週間放置して、表面の腐食や変色の状態を観察し
た。それらの結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】表3から明らかなように、本発明のポリシ
ルアルキレンシロキサンを基油とする潤滑グリースは、
比較例4および6の潤滑グリースに比べて極圧潤滑性が
優れている。比較例6の潤滑グリースは、本発明の潤滑
グリースと同様の極圧潤滑性を有するが、金属に対する
腐食性を有する。本発明の潤滑グリースは、金属への腐
食性もない。また、表2に示すように、金属石鹸系増稠
剤を配合する場合は、基油への増稠剤の溶解温度が低い
ので、容易にグリース化が可能であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 50:10 C10N 50:10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単位式:R1 mSiZ(4-m)/2 (式中、R1 は炭素数1〜20の置換または非置換の1
    価の炭化水素基を表し; Zは炭素数1〜10のアルキレン基を表し;mは1〜3
    の整数を表す)で示されるシルアルキレン単位と、 単位式:R2 nSiO(4-n)/2 (式中、R2 は炭素数1〜20の置換または非置換の
    価の炭化水素基を表し; nは1〜3の整数を表す)で示されるシロキサン単位か
    らなり、25℃における粘度が10〜100,000cP
    のポリシルアルキレンシロキサンを主成分とする潤滑
    油。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の潤滑油を基油として含む
    潤滑グリース。
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