JP2511278B2 - 自動二輪車の排気制御装置 - Google Patents

自動二輪車の排気制御装置

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JP2511278B2
JP2511278B2 JP22859787A JP22859787A JP2511278B2 JP 2511278 B2 JP2511278 B2 JP 2511278B2 JP 22859787 A JP22859787 A JP 22859787A JP 22859787 A JP22859787 A JP 22859787A JP 2511278 B2 JP2511278 B2 JP 2511278B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、車体中央付近に搭載したエンジンのは排気
口からエンジンの下方に配設した膨張室に至る複数の排
気管の下流側開口端に排気制御弁を設けた自動二輪車の
排気制御装置に関するものである。
(発明の背景) 4サイクルエンジン、2サイクルエンジン等では、排
気弁の開閉により排気が間欠的に排気管に導かれ、排気
管内に排気の慣性効果および脈動効果が発生することが
知られている。これらの効果(動的効果という)は、エ
ンジン回転速度により変化する。従って高速回転域でこ
の動的効果を最大にして体積効率を高めると、低中速回
転域では動的効果が逆に作用して体積効率が著しく低下
する。このため、中速域でトルクの著しい減少(トルク
谷)が発生するという問題があった。
そこで排気管の膨張室への開口端付近に排気流路面積
を変える排気制御弁を設け、体積効率が低下する回転速
度域では流路面積を減少し、他の回転速度域では流路面
積を増大させるようにすることが提案されている(特願
昭60-263752号)。
しかし自動二輪車で車体中央付近のエンジン下方に膨
張室を配設するする場合には、バンク角を大きく確保す
るために膨張室の横幅を狭くする必要がある。そこで膨
張室の前方を仕切板により左右方向の複数の流路に形成
し、各流路を排気管に別々に接続するものを本願出願人
は提案した(特願昭61-157999号参照)。しかしこの場
合には仕切板があるために膨張室の左右幅が増大すると
共に、仕切板の溶接作業性が非常に悪くこの溶接が不完
全になると気筒間の排気干渉が生じて低速域の運転性能
が低下するという問題も生じることが明らかになった。
(発明の目的) 本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、
エンジンの下方に膨張室を配設し、この膨張室に複数の
排気管を集合させる場合に、膨張室の横幅を小さくで
き、バンク角を大きく確保することができると共に、特
に低速域での気筒間の排気干渉を十分に防いで低速運転
を安定化させることが可能な自動二輪車の排気制御装置
を提供することを目的とする。
(発明の構成) 本発明によればこの目的は、車体中央付近に搭載され
た多気筒エンジンと、このエンジンの下方に配設された
膨張室と、前記エンジンの前方から下方に導かれて前記
膨張室に集合する複数の排気管とを備える自動二輪車に
おいて、各排気管の下流側開口を上下に長い四角形とし
その左右辺を密着させて車体幅方向に並設し、この開口
列を膨張室の前部から膨張室内に進入させて保持する一
方、前記膨張室内にはこれら開口に直接対向して排気流
路面積を変える排気制御弁を設けたことを特徴とする自
動二輪車の排気制御装置により達成される。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例である膨張室の斜視図、第
2図は同じく平断面図、第3図は第2図におけるIII-II
I断面図、第4図はそのIV-IV線断面図、第5図は一部の
分岐管の下流側開口を示す斜視図、第6図はこの排気系
を用いた自動二輪車の側面図である。
第6図において符号10は4サイクル4気筒エンジンで
あり、車体中央付近に搭載されている。このエンジン10
はクランクケース12から斜め上前方へのびるシリンダ14
を有する。排気系は、シリンダ14の前面からクランクケ
ース12の下方にのびる4本の排気管16(16a〜16d)と、
排気管16の後端に接続され各排気管16の排気を集合する
膨張室18と、この膨張室18から排気を消音器20に導く集
合管22とを備える。
24はリヤアームであり、その前端はフレーム26の下部
に軸着され、その後端には後輪28が取付けられている。
30は前フォークであり、その上端には操向ハンドルバー
32が、その下端には前輪34が取付けられている。36は燃
料タンク、38は運転シートである。
前記膨張室18は上下一対のプレス加工されたステンレ
ス板製の半体40、42を重ね合わせることにより作られ
る。すなわち第1〜4図に示すように両半体40、42は前
縁および左右縁に沿ってそれぞれフランジ40a,40b,42a,
42bが外側に向って突設され、左右のフランジ40b,42bを
互いに溶接することにより膨張室18が形成される。
44(44a〜44d)は排気管16と共に排気管の一部を形成
する分岐管である。これら分岐管44はそれぞれ左右一対
のプレス加工されたステンレス板製の半体を互いに溶接
することにより管状に作られ、その前端は断面円形で排
気管16に接続されている。また分岐管44の下流側すなわ
ち排気管の下流側開口は第4、5図に明らかなように上
下方向に長い四角形となっている。各分岐管44はその上
下面にフランジ44A、44Aが突設され、このフランジ44A
には第5図に示すように開口に近い一部が切欠かれて切
欠部44Bが形成されている。なおこの切欠部44Bおよびこ
れより開口側のフランジ44Aには外側に溶接ビードが現
れないように分岐管44の内面に溶接ビード44Cが形成さ
れる。
これら分岐管44はその開口が左右に密着するように互
いに溶接される。従って各開口は車体の幅方向に並ぶ。
このように横に並列した分岐管44の開口列は、前記板
材40、42の前縁に設けたフランジ40a,42a間に挾持され
る。この時フランジ40a,42aは分岐管44のフランジ44Aの
切欠き44Bに係入する(第3図)。また両半体40、42の
前部の対向する面にはフランジ40a,42aと平行に凸部40
c,42cがプレス加工されている。これら凸部40c,42cは各
分岐管44の開口側に位置するフランジ44Aに当接し、各
分岐管44を上下の半体40、42間に強固に挾持する。
膨張室18の右側面にはステンレス製の軸受板46が固着
され、左側面にはステンレス製の環部材48が固着されて
いる。この環部材48には軸受板50がボルト止めされる。
52は排気制御弁であり、各軸受板46、50に保持された
ステンレス製の弁軸54と、この弁軸54に固定され弁軸54
を中心とする円周上に位置する断面円弧状のステンレス
製の弁体56とを備える。弁軸54の左端は軸受板50から突
出し、ここにプーリ58が固定されている。プーリ58はワ
イヤを介してサーボモータ(共に図示せず)によりエン
ジン10の低中速域で閉じ、高速域で開くように制御され
る。
前記各分岐管44の並列する開口列は第3、5図から明
らかなように、この弁体56の外周面に近接するように円
弧状に形成されている。この結果開口と弁体56との間隙
からの排気の漏れが防止される。なおここに各分岐管44
の隣合う開口縁の一方は第2、5図に示すように弁体56
から僅かに後退している。そしてこの後退した開口縁と
隣の開口縁とが溶接されて第5図に示すビード44Dが形
成される。この結果ビード44Dが弁体56側に突出せず、
開口と弁体56との間隙を高精度に維持でき、低速域での
排気干渉を良く防止できる。。
次に動作を説明する。排気管16の径および長さなど
を、エンジン10が高速域で体積効率が高くなるように設
定した場合には、排気制御弁52は中速域で閉じ、高速域
で開くようにサーボモータで駆動される。エンジン10の
排気弁の開弁による正の圧力波は音速で排気管16および
分岐管44内を伝播し、その膨張室18への開口における急
激な膨張により発生する負の圧力波が排気管16および分
岐管44を音速で逆方向に伝播してエンジン10の排気弁に
引き返す。この開口に対向する弁体56が開口を閉じてい
れば、排気弁の開弁による正の圧力波はこの弁体56で反
射され正の圧力波として音速で排気弁に引き返す。従っ
て動的効果が逆に作用する中速域において排気流路面積
を約1/2とするように弁体56を制御すれば、開口により
発生して引き返す負の圧力波と、弁体56により反射され
る正の圧力波との和は零となる。この時には脈動効果が
打ち消され、中速域での体積効率の低下(トルク谷の発
生)を抑制できる。
アイドリング時には弁体56は排気流路を全開時の5%
程度まで閉じ、各気筒間の排気圧力波が干渉し合って排
気干渉により運転が不安定になるのを防ぐ。
第7図と第8図はそれぞれ分岐管の他の実施例を示す
斜視図と断面図である。第7図の分岐管144は、コ字状
にプレス加工された左右一対の半体の縁をつき合わせ接
合したものであり、第1〜5図の実施例のようにフラン
ジ44Aを持たない。第8図の分岐管244はコ字状の上下一
対の半体の縁を重ね合わせて溶接したものである。これ
らの実施例における分岐管44、144、244は、左右割りあ
るいは上下割りの一対の半体を互いに接合したから、各
分岐管の加工が容易となり生産性が向上する。
第9、10図は弁体56に対向する分岐管の開口縁の他の
処理例を示す断面図である。すなわち第5、7図の前記
実施例では弁体56に対向する隣接する分岐管の壁は弁体
56に対し段状となっているのに対し、第9図の実施例で
は分岐管344a,344bの隣接する開口縁はV字形に切削さ
れ(同図A)、このV字形の谷間に溶接ビード344Aが形
成されている(同図B)。第10図のものでは分岐管444
a,444bの開口から離れた位置がシーム溶接444Aで溶接さ
れている。
このように弁体56に対向する開口縁に溶接ビードが現
れないようにすれば、前記のように間隙精度を高めるこ
とが可能である。
第11図は開口からの排気漏れを防ぐ他の実施例を示す
断面図である。この図で排気制御弁152の弁体156外周に
は、周方向の溝156Aが形成され、各分岐管544の開口縁
がこの溝156A内に進出して排気漏れを防いでいる。
第12図と第13図は膨張室の他の実施例を示す平面図と
側面図、第14、15図はそのX IV線断面図とX V線断面図
である。なおこれらの図では、排気制御弁は省かれてい
る。
この実施例における分岐管644(644a〜d)は断面円
形のパイプの後部を断面長四角形とするように加工した
ものである。また膨張室118は各分岐管644の開口列を左
右から包む左右一対の板材140、142で形成され、各板材
140、142の対向するフランジ140A、142Aを互いに溶接し
たものである。なお分岐管644の前部は連結部材644Aに
よって相互に結合されている。
(発明の効果) 本発明は以上のように、各排気管の下流側開口を上下
に長い四角形とし、その左右片を互いに密着させて車体
幅方向に並列し、これらの開口列を膨張室を形成する一
対の板材間の前部に挾持し、これら開口列に対向する排
気制御弁を膨張室内に設けたものである。従って膨張室
の左右幅を小さくすることができ、自動二輪車のエンジ
ン下方にこの膨張室を配設した場合に車体のバンク角を
大きく確保できる。また各排気管はそれぞれ独立に弁体
に対向するから、各気筒間の排気干渉を防ぎ特にアイド
リング時の運転の安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例である膨張室の斜視図、第2
図は同じく平断面図、第3図は第2図におけるIII-III
断面図、第4図はそのIV-IV線断面図、第5図は一部の
分岐管の下流側開口を示す斜視図、第6図はこの排気系
を用いた自動二輪車の側面図である。 第7、8図はそれぞれ分岐管の他の実施例を示す斜視図
と断面図、第9、10図は分岐管開口縁の他の処理例を示
す断面図、第11図は排気漏れを防ぐ他の実施例の断面
図、第12、13図は膨張室の他の実施例を示す平面図と側
面図、第14、15図はそれぞれそのX IV線断面図とX V線
断面図である。 10……エンジン、18,118……膨張室、40,42,140,142…
…半体、44,144,244,344,444,544,644……排気管の一部
となる分岐管、52,152……排気制御弁。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体中央付近に搭載された多気筒エンジン
    と、このエンジンの下方に配設された膨張室と、前記エ
    ンジンの前方から下方に導かれて前記膨張室に集合する
    複数の排気管とを備える自動二輪車において、 各排気管の下流側開口を上下に長い四角形としその左右
    辺を密着させて車体幅方向に並設し、この開口列を膨張
    室の前部から膨張室内に進入させて保持する一方、前記
    膨張室内にはこれら開口に直接対向して排気流路面積を
    変える排気制御弁を設けたことを特徴とする自動二輪車
    の排気制御装置。
JP22859787A 1987-09-14 1987-09-14 自動二輪車の排気制御装置 Expired - Lifetime JP2511278B2 (ja)

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US07/243,897 US4999999A (en) 1987-09-14 1988-09-13 Exhaust gas control device for motorcycles
EP88115043A EP0307898B1 (en) 1987-09-14 1988-09-14 Exhaust gas control device for motorcycles
DE3887944T DE3887944T2 (de) 1987-09-14 1988-09-14 Abgassteuervorrichtung für Motorräder.

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