JP2509843B2 - トルク保持安全装置 - Google Patents

トルク保持安全装置

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JP2509843B2
JP2509843B2 JP4089656A JP8965692A JP2509843B2 JP 2509843 B2 JP2509843 B2 JP 2509843B2 JP 4089656 A JP4089656 A JP 4089656A JP 8965692 A JP8965692 A JP 8965692A JP 2509843 B2 JP2509843 B2 JP 2509843B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、負荷トルクを処理する
装置に用いられるトルク保持安全装置であって、負荷ト
ルクを処理する装置の駆動手段から入力側に入力トルク
が伝達され、出力側には負荷トルクがかかり、負荷トル
クが所定トルク以上になったときに所定トルク以上のト
ルクを逃がすトルク保持安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】負荷トルクを処理する装置、例えば重量
物吊り上げ用の電動チェンブロック等では、吊り上げ、
吊り下げ時にドラム軸に負荷トルクがかかり、これを処
理して物を上げ下げするが、ドラム軸に駆動モータの定
格トルク以上のトルクがかかるような定格荷重以上の重
い物を吊り上げた時の安全のため、及び、駆動モータを
逆転させてものを下ろす時の安全のため、定格トルク以
上のトルクを逃がすと共に、ブレーキをかけて下降速度
を規制するトルク保持安全装置を設けたものがある。こ
のようなトルク保持安全装置では、従来、トルク逃がし
装置として単板の摩擦クラッチ等を使用していた。
【0003】しかしながら、摩擦クラッチでは、吊り上
げ時にモータの定格トルク以上のトルクがかかって摩擦
クラッチがスリップした後モータを逆転させるような場
合には、スリップ時に支持軸がねじ込まれて摩擦板がそ
の間に設けられたラチェット等に強く押しつけられてい
るため、摩擦板やねじ部の静摩擦力が大きことから、摩
擦クラッチ部でスリップして支持軸が吊り下げ方向に回
転せず、ブレーキが解除されず物の吊り下ろしが確実に
行われないという問題があった。更に、摩擦クラッチで
は、過剰トルクの逃がしを滑り摩擦によっているため、
その摩擦力が不安定であり、逃がしトルクを精度よく設
定できないという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に於
ける上記問題を解決し、負荷トルクが入力トルクの最大
値以上の所定トルクになったときに確実且つ精度良く所
定トルク以上のトルクを逃がすことができると共に、負
荷トルクのかけられる方向にも確実に作動するトルク保
持安全装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、負荷トルクを処理する装置に用いられるト
ルク保持安全装置であって、前記負荷トルクを処理する
装置の駆動手段から入力側に入力トルクが伝達され、出
力側には負荷トルクがかかり、該負荷トルクが所定トル
ク以上になったときに該所定トルク以上のトルクを逃が
すトルク保持安全装置において、トルク逃がし部とトル
ク保持部とを有し、前記トルク逃がし部は、ころがり軸
受クラッチ状構造体であって、内輪と外輪との間で軌道
を形成し、内外輪軌道面を単葉回転双曲面とし、前記内
外輪軌道面に線状に接触するように前記内輪の中心軸を
含む断面から一定角度傾斜させて複数個のころを配設
し、前記外輪を付勢手段により前記軌道の間隔を狭くす
る方向に付勢し、前記内輪は該内輪の内筒側にねじ部と
前記中心軸方向の一端側に第一フランジ面とを備え、前
記外輪は前記入力手段から前記入力トルクが伝達される
入力部を備え、前記付勢手段は前記出力側の負荷トルク
が前記所定トルク以上になったときに前記内外輪間が自
由回転するような付勢力を持つ、前記ころがり軸受クラ
ッチ状構造体から成り、前記トルク保持部は、前記内輪
の前記ねじ部に結合されるねじ部と前記第一フランジ面
に対向する第二フランジ面と前記出力側になる出力部と
を備えた支持軸と、前記第一フランジ面と前記第二フラ
ンジ面との間に設けられ前記内外輪間をクラッチさせる
ときの前記外輪の回転方向への回転を前記負荷トルクを
処理する装置により拘束される回転拘束部と、前記第一
フランジ面と前記回転拘束部との間及び前記第二フラン
ジ面と前記回転拘束部との間に介在するそれぞれ第一摩
擦部材及び第二摩擦部材とを備え、前記内輪及び前記支
持軸の前記ねじ部は、前記内外輪間を自由回転させる方
向に前記外輪を回したときにその方向に前記内輪が回転
すると前記第二フランジ面が前記第一フランジ面に近づ
く方向に前記支持軸を進める、ことを特徴とする。
【0006】
【作 用】本発明によれば、 トルク逃がし部にころが
り軸受クラッチ状構造体を用いるので、その一方クラッ
チとしての作用及びトルク設定機能を有効に利用するこ
とができる。即ち、ころがり軸受クラッチ状構造体で
は、内輪と外輪との間で軌道を形成し、内外輪軌道面を
単葉回転双曲面とし、内外輪軌道面に線状に接触するよ
うに内輪の中心軸を含む断面から一定角度傾斜させて複
数個のころを配設し、外輪を付勢手段により軌道間隔を
狭くする方向に付勢し、内輪はその内筒側にねじ部と中
心軸方向の一端側に第一フランジ面とを備え、外輪は入
力手段から入力トルクが伝達される入力部を備えること
により構成しているので、例えば外輪に入力トルクが伝
達され外輪が一方向に回転すると、ころは内外輪軌道面
に案内されてそれぞれの上を自転しつつ公転する共に、
その傾斜により内輪及び外輪に対してそれぞれ軸方向に
おいて反対方向に進む。その結果、ころの傾斜方向及び
内外輪の回転方向の関係で、内外輪間には引き離し力又
は引き寄せ力が発生する。そして、内輪はその軸方向位
置を固定されるため外輪が軸方向に動き、内外輪間に引
き離し力が生ずるときには、軌道間隔が広がり内外輪間
は自由回転方向になり、引き寄せ力が生ずるときには、
軌道間隔が狭まり内外輪間はクラッチされる。つまりこ
ろがり軸受クラッチ状構造体は一方クラッチとしての作
用をする。そしてこの場合、駆動手段が正転し駆動力が
伝達される方向の回転を自由回転側に選ぶと、その逆転
はクラッチになる。
【0007】一方、本トルク保持安全装置のころがり軸
受クラッチ状構造体では、付勢手段に、出力側の負荷ト
ルクが所定トルク以上になったときに内外輪間が自由回
転するような付勢力を与えているので、負荷トルクと付
勢力により回転抵抗トルクとの大小の関係により、所定
トルクまでは内外輪間がロックされ自由回転せず、所定
トルク以上になったときに初めて自由回転し、過大な負
荷トルクを逃がすことになる。そしてこのトルクを逃が
している状態では、内外輪間には引き離し力が生じてい
るので、その間がクラッチすることなく、安定して所定
トルクが吸収される。
【0008】トルク保持部では、内輪及び支持軸のねじ
部が、内外輪間が自由回転する方向に外輪を回したとき
にその方向に内輪が回転すると第二フランジ面が第一フ
ランジ面に近づく方向に支持軸を進めるように切られて
いるので、外輪に駆動トルクが与えられて外輪が自由回
転方向に回転すると、内外輪間は通常のトルクが作用す
る状態では相対回転しないので、内輪もその方向に回転
し、第二フランジ面が第一フランジ面に近づく。その結
果、両フランジ面間で摩擦部材が回転拘束部に圧接す
る。しかし、回転拘束部は、内外輪間がクラッチすると
きの外輪の回転方向への回転をトルク処理装置により拘
束されるので、外輪の自由回転方向には拘束されず、回
転拘束部が支持軸と一体となって回転することになり、
負荷トルクが処理される。そして駆動手段が停止する
と、負荷トルクにより支持軸が前記と反対方向に回転さ
れるが、この方向はフランジ間隔を狭める方向にねじ部
が支持軸を動かす方向であるから、両フランジ面により
摩擦部材が回転拘束部に圧接される。そしてこの場合の
全体の回転方向はクラッチ方向になるから、この回転方
向のときには回転拘束部が支持軸の回転を拘束する。従
って、支持軸は負荷トルクがかかった状態で保持され
る。
【0009】次に、駆動手段が逆転し外輪がクラッチ方
向に回転すると、ころがり軸受クラッチが確実に内外輪
間をクラッチし、内輪を回転させそのねじ部を介して確
実に支持軸をフランジ面間が広がる方向に動かす。その
結果、摩擦部材を介してフランジ面と回転拘束部との結
合が解除される。このとき支持軸は負荷トルクにより負
荷方向のトルクを受けていてその方向に回転されるが、
このトルクの方向はフランジ間隔を狭める方向に支持軸
を動かす方向であるから、フランジ間隔が狭まり再びフ
ランジ面と回転拘束部とが結合される。そしてこの場合
には全体の回転方向がクラッチ方向であるから、支持軸
の回転が拘束される。更に駆動手段が逆転すると、上記
の回転ー拘束ー回転ー拘束の動作が繰り返される。従っ
て、トルク保持安全装置によって、ブレーキが掛かりつ
つ安全に負荷トルクが処理されることになる。
【0010】
【実 施 例】図1は、本発明のトルク保持安全装置を
トルクを処理する装置の一例として電動チェーンブロッ
クに適用した場合の実施例を示す。本トルク保持安全装
置は、電動チェーンブロックのように例えば重量物を吊
る場合の負荷トルクを処理する装置に用いられ、チェー
ンブロックの駆動手段としてのモータから入力側に入力
トルクが伝達され、出力側にはドラム等を介して重量物
を吊ったときの負荷トルクがかかり、その負荷トルクが
所定トルク以上例えばモータの定格トルク以上になった
ときに、それ以上のトルクを逃がす装置であり、トルク
逃がし部100とトルク保持部200とでその主要部が
構成されている。
【0011】まずトルク逃がし部100について説明す
る。トルク逃がし部100は、ころがり軸受クラッチを
主要構成とするころがり軸受クラッチ状構造体になって
いる。本構造体では、内輪1と外輪2との間で軌道4を
形成し、内外輪軌道面1a、2aを単葉回転双曲面と
し、この両面に線状に接触するように内輪1の中心線1
bを含む面から一定角度(例えば15°)傾斜させて複
数個のころ3を配設し、外輪2を付勢手段の一例である
皿ばね5により軌道4の間隔を狭くする方向に付勢して
いる。
【0012】外輪2の入力部としては、外輪2自体にチ
ェーンブロックのモータ(図示せず)から駆動力を受け
る歯車を取り付けるようにしてもよいが、本実施例で
は、軸受6に支持され内輪1に対してその中心線1b方
向の一定位置で相対的に回転自在で、入力トルクが伝達
される歯車7がボルト8により取り付けられた外筒9を
設け、これをトルク伝達手段の一例であるボールスプラ
イン10を介して外輪2と結合して構成している。この
ようにすれば、外輪2の軸方向の動きを円滑にすること
ができる。
【0013】内輪1の内筒側には、内輪1が取り付けら
れる外筒面11aと内径側にねじ部11bと端部に中心
線1bに直角な第一フランジ面11cとを備えたハブ1
1が設けられている。但し、軸受6や外筒9の構造によ
っては、このようなハブ11を設けることなく、内輪1
にねじ部やフランジ面を設けた構造にすることもでき
る。符号12、13はそれぞれスラスト軸受及びその受
けであり、皿ばね5の付勢力を外輪2に円滑に伝達する
ために設けられている。又符号14はナットであり、こ
れにより皿ばね5を位置決め調整する。
【0014】ころ3は、図2にも示す如く、内輪1上に
中心線1bを含む断面から角度β(例えば15°)だけ
傾けて配列され、各ころ間はリテイナー15によりそれ
ぞれの位置を保持され、互いに接触しないようにされて
いる。このようにすると、互いに同方向に自転する隣接
したころ同士が互いに反対方向の接線速度をもって衝突
することがなく、ころ3の自転、公転が滑らかになる。
このようなころがり軸受クラッチ状構造体の構成におい
て、皿ばね5には、後に説明するように、出力側の負荷
トルクが所定トルク以上になったときに内外輪間が自由
回転するような付勢力が与えられている。
【0015】内輪1及び外輪2の軌道面1a及び2a
は、上記の如く、ころ3と線状に接するように、それぞ
れ次式に示す双曲線を中心線1b回りに回転させた単葉
回転双曲面としている。 yi2 /ai2 −xi2 /bi2 =1 yo2 /ao2 −xo2 /bo2 =1 ここで、xi 、xo は、それぞれ内輪軌道面1a、外輪
軌道面2aの原点から中心線1b方向への距離、yi
o は、それぞれ、中心線1bを含む任意断面における
内輪軌道面1a、外輪軌道面2aの中心線1bからの距
離、又、ai、bi、ao、boは定数である。今、内
外輪の小径側の基準面(双曲線の原点面)における中心
線1bから軌道4の中心までの距離をF、ころ3の半径
をr、傾斜角をβとして、F=9、r=1.5 、β=15
°の場合の計算を行うと(計算は複雑であるため省略す
る)、ai、bi、ao、boの値はそれぞれ、約7.
5、30.1、10.5、37となり、内外輪軌道面の
単葉回転双曲面の形状が与えられる。
【0016】次にトルク保持部200は、ハブ11のね
じ部11bに結合されるねじ部21bと第一フランジ面
11cに対向する第二フランジ面21cと出力側になり
図示しないドラムを駆動する出力部の一例である歯車2
1aとを備えた支持軸21と、第一フランジ面11c及
び第二フランジ面21cの間に設けら内外輪間をクラッ
チさせるときの外輪2の回転方向(図1において矢印A
方向からみて反時計方向)への回転をチェーンブロック
の本体側から拘束される回転拘束部の一例であるラチェ
ット22と、第一フランジ面11cとラチェット22と
の間及び第二フランジ面21cとラチェット22との間
に介在するそれぞれ第一摩擦部材及び第二摩擦部材とし
ての摩擦板23、24と、を備えている。そしてねじ部
11b、21bは、内外輪間が自由回転する方向に外輪
2を回したときにその方向(図1において矢印A方向か
らみて時計方向)にハブ11が回転すると、第二フラン
ジ面21cが第一フランジ面11cに近づく方向(図1
において矢印Aの反対方向)に支持軸21を進めるよう
に切られている。なおこのねじは、高リードで直線運動
を容易にするタイプのものが好ましい。
【0017】支持軸21は、その両軸端部をチェーンブ
ロック本体のフレーム31、32に軸受33、34を介
して支持されている。なお図1の実施例では、回転拘束
部をラチェット22としているが、更に円滑なブレーキ
作用をさせる場合には、この部分にころがり軸受クラッ
チを用いるのが良い。
【0018】このようなトルク保持安全装置は、電動チ
ェーンブロックにおいて次のように作動する。支持軸2
1の歯車21aから図示しないドラムを介して物を吊り
上げるときに、図示しないモータから歯車7を介して外
筒9に駆動トルクがかけられると、そのトルクは外輪2
に伝達され、外輪2は矢印A方向からみて時計方向に回
転し、ころ3は内外輪軌道面1a、2aに案内されてそ
れぞれの上を自転しつつ公転しようとし、内外輪1、2
間には引き離し力が発生する。そして、内輪1がその軸
方向位置を固定されているため、外輪2が矢印Aの反対
方向に動こうとする。ところが、外輪2は皿ばね5によ
り矢印A方向に付勢されているため、結果として外輪2
は矢印A方向に押され、ころ3は内外輪間でロックさ
れ、内外輪間の相対回転に対して回転抵抗が与えられ
る。そして、例えばモータの定格トルク以内の通常の負
荷トルクがかかっている状態では、負荷トルクよりもこ
の回転抵抗によるトルクの方が大きいため、内外輪間で
自由回転は起こらず、物が吊り上げられ負荷トルクが処
理される。しかしながら、例えば地上の固定物を引っ掛
けたような場合に、負荷トルクが所定トルク例えばモー
タの定格トルクを超えると、このようなときには内外輪
1、2間が自由回転する程度に皿ばね5に付勢力が与え
られているので、内外輪1、2間がころ3を介して相対
回転して過剰トルクを逃がす。
【0019】このように物を吊り上げる状態では、内外
輪間がロックされ一体として回転し、ハブ11を介して
支持軸21を回転させ、これを矢印Aの反対方向に動か
し、第二フランジ面21cを第一フランジ面11cに近
づけるので、各フランジ面間で摩擦板23、24がラチ
ェット22に圧接する。しかしこのときには、ラチェッ
ト22はチェーンブロック本体により拘束されていない
ので、ラチェット22も一体として回転し、連続した吊
り上げ動作が可能になる。
【0020】この状態でモータが停止すると、負荷トル
クにより支持軸21が回転されて同様にフランジ間隔を
狭める方向に動かされ、両フランジ面により摩擦板2
3、24にラチェット22が圧接される。そしてこの場
合のラチェット22の回転方向は物を吊り上げるときの
方向とは反対方向であるから、ラチェット22はチェー
ンブロック本体によりロックされ、モータにトルクをか
けることなく吊り状態が維持される。
【0021】この状態からモータが逆転すると、外輪2
は矢印A方向から見て反時計方向に回転する。そしてこ
ろがり軸受クラッチ状構造体では前記と反対の作用が生
じ、内外輪間には引き寄せ力が発生し、外輪2は皿ばね
5により付勢される方向と同じ方向に動き、ころ3は内
外輪間で強くロックされ、内外輪間は確実にクラッチさ
れる。その結果、内外輪1、2間が回転することなく、
ハブ11を介して支持軸21が回転される。支持軸21
が矢印A方向から見て反時計方向に回転すると、支持軸
21は矢印A方向に動き、フランジ面11c、21cの
間隔が広がり、ラチェット22との拘束が解除され、吊
り上げられている荷重が降下する。荷重が降下すると、
支持軸21はその負荷トルクにより矢印A方向から見て
時計方向に回転し、再びフランジ面とラチェット22と
の間が結合され、支持軸21の回転が拘束される。そし
て更にモータが逆転すると、再び上記動作が繰り返さ
れ、ブレーキが掛かりつつ荷重は安全に降下する。
【0022】次に図3により、吊り上げ時の最大トルク
をころがり軸受クラッチで設定する方法について説明す
る。皿ばね5の付勢力をPとし、吊り上げ荷重によるト
ルクがモータの定格トルクTになるとこれ以上のトルク
をころがり軸受クラッチ状構造体で逃がすようにする。
ここでころ3の接触角をθとすると、押圧力Pによりコ
ロ3には垂直力N=P/sin θが作用する。従って、こ
ろ3にかかる外力モーメントに伴う力のうちの軸方向ず
れ力に対する摩擦係数をμとすると、内外輪1、2間で
伝達されるトルクTは、 T=μN・PCD/2=μP・PCD/2sin θ となる。この摩擦係数μは、実験等で求めることがで
き、静止状態と運動状態とで差の無い極めて安定した値
である。なお、PCD/2は中心線1bところがり摩擦
中心との間の距離である。この式により、ころがり軸受
クラッチ状構造体によって定まる諸角度、寸法等及び皿
ばね5による押圧力Pを一定の関係に定めることによ
り、所望の最大伝達トルクTが得られ、負荷側からこれ
以上のトルクがかかると、内外輪間が自由回転し、最大
伝達トルクを吸収しつつそれ以上の過大トルクが逃がさ
れる。そしてこの場合、内外輪間に自由回転が生ずる
と、内外輪間には引き離し力が発生し、その回転が円滑
に行われる。なお、このような設定トルクを、摩擦クラ
ッチ等における如く滑り摩擦の作用により得る場合に
は、そのトルクは極めて不安定なものとなるが、本発明
ではころがり軸受クラッチ状構造体を用いるので、上記
の計算式により精度よく最大伝達トルクを得ることがで
きる。
【0023】なお、以上の実施例では、トルク保持安全
装置を電動チェーンブロックに設ける場合について説明
したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば
糸巻リールやウインチ等のような、トルクを処理する装
置に広く適用されるものである。
【0024】
【発明の効果】以上の如く本発明のトルク保持安全装置
によれば、ころがり軸受クラッチ状構造体を用いること
により、精度の良いトルク設定が可能になると共に、そ
の一方クラッチとしての作用を利用することができ、確
実に且つ精度良く所定トルク以上のトルクを逃がすと共
に負荷トルクのかけられる方向にも確実に作動させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のトルク保持安全装置の断面図である。
【図2】そのころがり軸受クラッチ状構造体のころの配
置を示す斜視図である。
【図3】(a)及び(b)は、付勢力と設定トルクとの
関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 内輪 2 外輪 3 ころ 4 軌道 5 皿ばね(付勢手段) 7 歯車(入力部) 9 外筒(入力部) 11 ハブ 11b ねじ部 11c 第一フランジ面 21 支持軸 21a 歯車(出力部) 21b ねじ部 21c 第二フランジ面 22 ラチェット(回転拘束部) 23 第一摩擦板(第一摩擦部材) 24 第二摩擦板(第二摩擦部材) 100 ころがり軸受クラッチ状構造体(トルク逃がし
部) 200 トルク保持部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負荷トルクを処理する装置に用いられる
    トルク保持安全装置であって、前記負荷トルクを処理す
    る装置の駆動手段から入力側に入力トルクが伝達され、
    出力側には負荷トルクがかかり、該負荷トルクが所定ト
    ルク以上になったときに該所定トルク以上のトルクを逃
    がすトルク保持安全装置において、 トルク逃がし部とトルク保持部とを有し、 前記トルク逃がし部は、ころがり軸受クラッチ状構造体
    であって、内輪と外輪との間で軌道を形成し、内外輪軌
    道面を単葉回転双曲面とし、前記内外輪軌道面に線状に
    接触するように前記内輪の中心軸を含む断面から一定角
    度傾斜させて複数個のころを配設し、前記外輪を付勢手
    段により前記軌道の間隔を狭くする方向に付勢し、前記
    内輪は該内輪の内筒側にねじ部と前記中心軸方向の一端
    側に第一フランジ面とを備え、前記外輪は前記入力手段
    から前記入力トルクが伝達される入力部を備え、前記付
    勢手段は前記出力側の負荷トルクが前記所定トルク以上
    になったときに前記内外輪間が自由回転するような付勢
    力を持つ、前記ころがり軸受クラッチ状構造体から成
    り、 前記トルク保持部は、前記内輪の前記ねじ部に結合され
    るねじ部と前記第一フランジ面に対向する第二フランジ
    面と前記出力側になる出力部とを備えた支持軸と、前記
    第一フランジ面と前記第二フランジ面との間に設けられ
    前記内外輪間をクラッチさせるときの前記外輪の回転方
    向への回転を前記負荷トルクを処理する装置により拘束
    される回転拘束部と、前記第一フランジ面と前記回転拘
    束部との間及び前記第二フランジ面と前記回転拘束部と
    の間に介在するそれぞれ第一摩擦部材及び第二摩擦部材
    とを備え、前記内輪及び前記支持軸の前記ねじ部は、前
    記内外輪間を自由回転させる方向に前記外輪を回したと
    きにその方向に前記内輪が回転すると前記第二フランジ
    面が前記第一フランジ面に近づく方向に前記支持軸を進
    める、 ことを特徴とするトルク保持安全装置。
JP4089656A 1992-03-13 1992-03-13 トルク保持安全装置 Expired - Lifetime JP2509843B2 (ja)

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