JP2509470Y2 - 写真自動焼付機における光源色調整装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は写真自動焼付機における調光フィルターお
よびカットフィルターを操作する光源色調整装置の改良
に関する。

（従来の技術） 第３図に示すように光源色調整装置（15）では、光源
（21）からの光（22）の一部を各色成分毎にカットする
調光フィルター（16）（17）と、光源（21）からの光
（22）のすべてを各色成分毎にカットするカットフィル
ター（18）（19）（20）とが併設されている。このうち
カットフィルター（18）（19）（20）はマイクロコンピ
ューターによりソレノイドでの作動時間が制御され、個
々のネガフィルムの色情報の変化に対応して光軸（22
a）に対し進出および後退すべく作動する。

これに対し、各一対の調光フィルター（16）（17）は
光軸（22a）を挾んで一定の間隔をおく対称位置に配置
されて、焼付機の初期条件設定の時に互いの間隔を調整
する以外は固定されていて、光源（21）より放射される
白色光（22）中に含まれる光成分B.G.Rによる印画紙の
Y.M.Cの発色感度が各々同一でないため、この感度の差
（感度特性）をこの調光フィルターでカットして算定
し、これに基づいてB.G.R光のバランスを調整設定する
と共に、この固定状態で露光時においても同様にB.G.R
光のバランスを調整しながら各カットフィルターで露光
するものであるが、そのうちＣ調光フィルターでカット
される光成分（Ｒ光）が最も少なく、また印画紙の感度
はＲ光に対して最も低いことから、白色光中のＲ光をカ
ットする必要がないため、Ｃ調光フィルターは一般に設
けられていないのが普通である。

しかし、ネガフィルムの中には、他に比してＲ光部分
の多いものもあり、この場合印画紙に当る光はＲ光成分
が過剰となるため、Ｃカットフィルター（20）が必要と
なる。

このようなことから、従来の光源色調装置（15）で
は、各々のカットフィルター（18）（19）（20）および
対称して配設せる各々の一対の調光フィルター（16）
（17）等によって数多くのフィルターを装備したもので
あった。

（考案が解決しようとする課題） 従来の光源色調整装置は、このように調光フィルター
とカットフィルターを各々一揃え装備してなるため、多
数のフィルターを必要としてコスト高を招くと共に、ス
ペースを要して光源色調整装置が嵩高くなる。ことに、
多数の専用フィルターを要して調整するため、露光時に
同じ色成分を吸収する別機能フィルターの重複カットに
よる不正吸収が多くなって光量を低下させ、光源ムラを
生じさせる等の問題点があった。

これらの問題点から、この考案はフィルター数を少な
くした簡潔構成によってコストダウンを図り、写真自動
焼付機における光源色調整装置のスペースを小さくする
と共に、露光時における光量低下を防いで光源ムラ発生
をなくすことを目的とする。

（課題を解決するための手段） この考案の光源色調整装置は上記の目的を達成するた
め、写真自動焼付露光部の光軸に対し、調光フィルター
とカットフィルターを装備してなる光源色調整装置にお
いて、光軸を直交方向に挟んで対称に設置せる一対の調
光フィルターの一方に代わって進出後退作動すべくカッ
トフィルターを装備し、初期条件を設定する調光時の光
軸に対する後退停止状態において調光フィルターとして
機能し、時を異にした露光時の進出状態において前後後
退停止状態の位置をもカバーしてカットフィルターおよ
び調光フィルターとして機能すべく兼用してなることを
特徴とする。

（作用） 光軸に対し進出後退作動するように装備したカットフ
ィルターを、調光時の後退停止状態で調光フィルターと
して用い、光軸に対する一方側に固定設置した調光フィ
ルターとで対称して光源からの光の一部を色成分毎にカ
ットして光の色成分を算定調光し、露光時においてこの
カットフィルターを前記後退停止状態の位置をもカバー
すべく進出作動させてカットフィルターおよび調光フィ
ルターとして用い、光源からの光のすべてを色成分毎に
カットして適正に発色させると同時に、調光フィルター
として前記同様に光の一部をカットして調光することに
より、一つのフィルターを光軸に対し、ある時は後退停
止状態で調光フィルターとして、また、ある時は進出作
動させてカットフィルターおよび調光フィルターとし
て、一つのフィルターを時を異にして用途別に機能させ
て兼用し、フィルター数を削減することができる。

カットフィルターを調光フィルターとして兼用して対
称固定の調光フィルターをの数を削減することにより、
露光時にカットフィルターと固定調光フィルターとによ
る光源の光量の重複カットを可及的に少なくすることが
できる。

（実施例） 次に、この考案に係る光源色調整装置の実施例を図面
を用いて説明する。

第１図はこの考案を実施せる写真自動焼付機における
光源色調整装置の縦断側面略図、第２図は同上要部の拡
大平面図にして、（１）は光源色調整部で、光源（12）
とこの光源（12）から放射される光（13）を透過させる
ミラートンネル（14）との間に、光（13）の一部の色成
分B.G.R光のうちＢ光およびＧ光をカット（吸収）する
Ｙ調光フィルター（２）およびＭ調光フィルター（３）
をそれぞれの取付枠（2a）（3a）に装着して光（13）の
光軸（13a）に対し光軸（13a）を直交方向に挟んだ対称
する一方側に一定の間隔（Ｘ）をおいて積層状に配し、
取付枠（2a）（3a）を支持部（４）に調節ネジ（５）と
固定ネジ（６）（６）とで光軸（13a）に対する間隔
（Ｘ）を調整できるよう固定する。

この固定されたＹ調光フィルター（２）およびＭ調光
フィルター（３）の光軸（13a）を挟んだ対称する他方
側に各々の取付枠（7a）（8a）に装着したＹカットフィ
ルター（７）およびＭカットフィルター（８）を光（1
3）の光軸（13a）に対し直交方向に一定の間隔（Ｚ）を
おくべく調整可能にその基部（7b）（8b）を軸支（10）
にして固定し、この各軸支（10）部にソレノイド（11）
を装備し、それぞれに制御された時間各ソレノイド（1
1）に通電して各カットフィルター（７）（８）を光（1
3）のすべてをカットすべく回動作動させて光軸（13a）
上に進出させ、通電が終るとソレノイド（11）作動から
解放されて、光軸（13a）を挟んだ一方側に固定した各
調光フィルター（２）（３）に対称する元の他方側に後
退復帰し、このＹカットフィルター（７）およびＭカッ
トフィルター（８）を用いて調光フィルターとしての役
割を果すよう装置してなる。

（９）はＣカットフィルターで、前述のように光源か
らの白色光の色成分中、Ｃ調光フィルターでカットされ
るＲ光は最も少なく、また、印画紙の感度はＲ光に対し
非常に低いものあることから、一般に白色光中のＲ光を
カットする必要がなく、Ｃ調光フィルターは設けられて
いないことが普通であるため、ネガフィルターの色情報
によっては他の色成分に比較してＲ光部分が多いものが
あることを前提に装備するもので、他のカットフィルタ
ー（７）（８）と同様に取付枠（9a）に装着し、その基
部（9b）を軸支（10）してソレノイド（11）でＣカット
フィルター（９）を光（13）のすべてをカットすべく回
動させて光軸（13a）に進出作動させ、後退停止時には
光（13）から完全に撤退するよう装置してなり、露光時
に使用するカットフィルター専用といて作動する。

このように光軸（13a）に対し一定の間隔（Ｘ）をお
いて 印で示す如く調整可能に固定されている各調光フィルタ
ー（２）（３）に対し、光（13）すべてに進出して後退
停止状態の位置をもカバーすべくした可動のカットフィ
ルター（７）（８）を、光源（12）からの白色光の色成
分を調光する初期条件設定時において前記各調光フィル
ター（２）（３）に対称して光軸（13a）に対し一定の
間隔（Ｚ）をおいた後退停止状態で調光フィルターとし
て使用し、時を異にした焼付露光時においてネガフィル
ムの色情報により各ソレノイド（11）にそれぞれ通電し
て各カットフィルター（７）（８）を光軸（13a）に対
し進出状態に回動させてこの進出時間をそれぞれ長短制
御して露光すると同時に、前記せる光の一部をもカット
して調光するものである。

（考案の効果） この考案の光源色調整装置は上記のように、調光フィ
ルターの一部を可動にし、一枚のフィルターを光軸に対
し一定の間隔をおいた後退した停止（復帰）状態で調光
フィルターとして用い、時を異にしてこれを作動制御さ
せて光軸に直交進出させた状態での焼付露光時にはカッ
トフィルターおよび調光フィルターとして用いて兼用す
る構成から、写真自動焼付機の光源色調整装置における
フィルター数を少なくすることを可能にして省スペース
化と共にコストダウンを実現することができる。

さらに、この考案では一枚のフィルターを調光および
カットの両用に各別に機能させるようにして、従来のよ
うに同じ色成分を吸収する別機能フィルター、即ち調光
およびカットの各フィルターによって光源の白色光を重
複カットして不正吸収してきたことによる光量低下およ
び光源ムラを解消して適正な調光およびムラのない発色
のプリントが得られる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を実施せる写真自動焼付機における光
源色調整装置の縦断側面略図、第２図は同上要部の拡大
平面図、第３図は従来の光源色調整装置を示す縦断側面
略図である。 図中、（１）は光源色調整部、（２）はＹ調光フィルタ
ー、（３）はＭ調光フィルター、（７）はＹカットフィ
ルター、（８）はＭカットフィルター、（９）はＣカッ
トフィルター、（7b）（8b）（9b）は基部、（10）は軸
支部、（11）はソレノイド、（13）は光、（13a）は光
軸を示す。

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】光軸に対し調光フィルターとカットフィル
   ターを装備してなる光源色調整装置において、光軸を直
   交方向に挟んで対称に設置せる一対の調光フィルターの
   一方に代わって進出後退作動すべくカットフィルターを
   装備し、光軸に対する調光時の後退停止状態において調
   光フィルターとして機能し、時を異にする露光時の進出
   状態においては前記後退停止状態の位置をもカバーして
   カットフィルターおよび調光フィルターとして機能すべ
   くしてなる写真自動焼付機における光源色調整装置。
2. 【請求項２】前記カットフィルターは、光軸に対し直交
   方向に一定の距離をおくべく調整可能に基部を軸支し、
   ソレノイドで光軸に対し回動して進出後退するよう装備
   してなる請求項１記載の写真自動焼付機における光源色
   調整装置。