JP2509429B2 - アスパラギン酸アミノトランスフェラ―ゼの一工程テスト - Google Patents

アスパラギン酸アミノトランスフェラ―ゼの一工程テスト

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JP2509429B2 JP4505755A JP50575592A JP2509429B2 JP 2509429 B2 JP2509429 B2 JP 2509429B2 JP 4505755 A JP4505755 A JP 4505755A JP 50575592 A JP50575592 A JP 50575592A JP 2509429 B2 JP2509429 B2 JP 2509429B2
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、高レベルの酵素アスパラギン酸アミノトラ
ンスフェラーゼ(AST)に関連する哺乳動物における疾
患を同定するための方法およびそのためのアッセイ・キ
ットに関する。さらに詳しくは、本発明は、心臓、肝
臓、および歯周疾患のごときヒト疾患の検出に適用でき
る。
背景 いくつかの心臓および肝臓疾患が、異常に高レベルの
血清ASTに関連付けられてきた。かかる疾患の例は、急
性心筋梗塞、肺塞栓症、急性膵炎、ウイルス性および毒
性肝炎、および急性硬変を包含する。一般に、ASTは富A
ST患部組織で上昇する。
広範な研究は、急性心筋梗塞に罹った患者の92−98%
が血清ASTレベルが上昇していることを示している。測
定されたレベルは、通常、正常値の上限の4ないし10倍
である。ASTレベルの上昇は、梗塞後6ないし12時間で
現れ、通常、3日目または4日目までに正常に戻る。2
回目の上昇は他の特徴に関連付けることができ、心筋梗
塞の拡大または再発を示唆する。また、血清ASTレベル
の軽い上昇は肺梗塞に罹った患者で報告されている。鬱
血性心不全に罹った患者および顕著な頻脈を持つ患者に
おいては、軽度ないしは中程度のAST上昇が起こり得
る。これらは、肝鬱血に続発する肝壊死に帰せられてい
る。また、心膜炎を持つ患者はASTレベルがわずかに上
昇する50%比率を有することが報告されている。
ASTレベルの際立った上昇が、急性肝壊死に罹ったほ
とんどすべての患者の血清で観察されている。肝硬変に
罹った患者では、ASTレベルの上昇は60−70%の比率で
ある。明らかに、ASTレベルの異常上昇の早期検出は心
臓および肝臓疾患のより迅速かつ正確な診断につながり
得る。
ASTレベルの上昇は種々の癌と関連付けられてきた。
転移性癌に罹ったほぼ半数の患者は、硬変に罹った患者
および後肝黄疸に罹った患者と同範囲の血清ASTレベル
上昇を有する。かかる中程度のASTレベル上昇はリンパ
腫に罹った患者および白血球に罹った患者では観察され
る頻度が低い。トッド・サンフォード(Todd−Sanfor
d)、クリニカル・ダイアグノウシス・バイ・ラボラト
リー・メソッズ(Clinical Diagnosis By Laboratory M
ethods)、ダブリュー・ビイ・ソーンダース・カンパニ
ー(W.B.Saunders Co.)、第14版、693〜723頁(1969)
参照。
また、ASTレベルの上昇は急性歯周疾患と関連付けら
れてきた。歯周疾患は、歯の支持組織を冒す微生物病因
の炎症疾患である。典型的には、歯周疾患は主要サブク
ラスの疾患、歯肉炎および歯周炎を含む。歯肉炎は、骨
およびアタッチメントの損失の無い歯肉炎症によって特
徴付けられる。一般に、歯周炎は、さらに歯肉組織と歯
との間に歯周ポケットが形成されることによって特徴付
けられる歯肉炎の進んだ段階であると認識されている。
歯周炎の重症事例は、歯からの骨の損失および歯アタッ
チメントの弱化、最終的な歯損失への到達に関係付けら
れている。米国成人のうちで最も普通の歯周炎形式は慢
性炎症性歯周炎(CIPD)であり、セメント質への歯周靱
帯の付着の喪失、付着上皮の先端移動、および歯槽骨の
喪失によって特徴付けられる。歯肉炎および歯周炎は共
に、さらに、歯および歯肉の結合部における歯肉滲出液
(血清の漏出液)の蓄積によって特徴付けられる。
歯周疾患を同定する現在利用できる方法は、多分に自
覚的で、穏やかな消息子検査に際しての出血、ポケット
の深さ、アタッチメントの喪失、および骨喪失のレント
ゲン写真のごとき基準を含む。不幸にも、消息子検査に
際しての出血を除き、これらの臨床的指標は、一般に、
活動的疾患よりも過去の疾患および以前の損傷を反映す
ることが認められている。さらに、消息子検査に際して
の出血の診断的価値は疑問視されてきた。ハッファジィ
ー・エイ・ディら(Haffajee,A.D.,et al.)、ジャーナ
ル・オブ・クリニカル・ペリオドントロジー(J.Clin.P
erio.)10:257〜265(1983)参照。
歯周疾患の診断につき他の方法が提案されている。歯
肉炎および歯周炎は共に歯肉溝およびポケットにおける
歯肉滲出液の蓄積および流動によって特徴付けられるの
で、部位に存在する歯肉滲出液の容量の測定が歯周疾患
の診断として提案されている。例えば、ペリオトロン
(Periotron)(ハルコ・エレクトロニックス・リミテ
ッド(Harco Electronics Ltd.)、ウィニペグ、カナ
ダ)と呼ばれる装着具は、歯と歯肉の間の歯肉溝スペー
スに挿入した小さな多孔性紙片(ペリオペーパー(Peri
opaper))によって吸収された歯肉滲出液の容量を測定
する。
種々の疾患状態と関連付けられているASTレベルの前
記観察に基づき、ASTについて種々のアッセイが提案さ
れてきた。典型的には、該アッセイは、アスパラギン酸
(Asp)と2−ケトグルタル酸とのAST触媒反応: の生成物であるオキサロ酢酸の化学的誘導体化を含む。
従って、欧州特許出願151536号は、(i)高発色のオ
キサロ酢酸の2,4−ジニトロフェニルヒドラゾン(DNP)
誘導体の形成;(ii)オキサロ酢酸とアニリンクエン酸
との反応によって生産されるピルビン酸のDNP誘導体の
形成、(iii)NADHの消失を伴う、続いて分光学的な、
リンゴ酸デヒドロゲナーゼおよびNADHの存在下における
オキサロ酢酸のリンゴ酸への転換(ホーハシュトラーセ
(Hochstrasser)に発行された米国特許第4059407号も
参照);および(iv)溶液から沈殿し得るAST−抗体複
合体を形成する抗−AST抗体を用いるASTの免疫学的アッ
セイのごとき分析法を提供している。
しかしながら、前記方法は、いくつかの不利を有す
る。DNPを使用する方法は、典型的には、長インキュベ
ーション時間を要し、オキサロ酢酸の蓄積は正反応を抑
制する傾向にある。該NADH法は可視的に行うことができ
ず、分光計の使用を要する。さらに、NADHはAST活性に
かなり干渉することが判明している。最後に、該免疫学
的アッセイ法は、高価で高選択的AST抗体の使用を要す
る。
血清中のAST検出について提案されている方法は、発
色生成物を与えるためのオキサロ酢酸との反応で無色ジ
アゾニウム塩を使用する。例えば、フォルジオーネ(Fo
rgione)に発行された米国特許第3875014号参照。一般
に、オキサロ酢酸のジアゾニウム塩との反応はDNPとの
反応よりも速い。しかしながら、ジアゾニウム塩はAST
と反応し、それにより当該酵素を不活化する。かくし
て、基質との反応は、ジアゾニウム塩を用いる発色反応
の前になされなければならない。別法として、基質試薬
はAST試料をテストするまで指示薬から物理的に分離し
ておくこともできる。例えば、米国特許第3875014号の
方法では、含AST試料を酸片に暴露し、そこでL−アス
パラギン酸および2−ケトグルタル酸と反応してオキサ
ロ酢酸を生成するように、相互に付着した2個のテスト
片を用いる。オキサロ酢酸は未反応ASTおよび基質と共
に指示薬片まで拡散し、そこで、ジアゾ化合物との反応
が起こる。明らかに、この方法は、ASTとジアゾ化合物
との反応のため、アッセイに導入される干渉を部分的に
回避することが予期されるに過ぎない。
また、バブラー(Babler)らに発行された米国特許第
4801535号はジアゾニウム塩を用いるAST検出法を記載し
ている。この方法は、可視的に検出できる発色生成物が
下閾値レベルのAST存在下で観察されないように、該酸
と指示薬溶液双方の反応条件を修飾することを提案して
いる。しかしながら、ジアゾニウム塩指示薬はAST活性
を抑制するので、再度、指示薬および含AST試料を基質
との反応が完了するまで物理的に分離する必要がある。
結局、分析の結果は主観的に解釈されなければならな
い。
DNPまたはジアゾニウム染料を用いる分析方法に伴う
問題点を考慮すると、ASTを測定する別の方法が望まれ
る。1つのアプローチは、ASTはシステインスルフィン
酸アミノトランスフェラーゼと同一であると報告してい
るレカセンズ・エムら(Recasens,M.,et al),バイオ
ケスストリー(Biochemistry),19,4563(1980)の仕事
によって示唆される。この観察は、ASTについてのアッ
セイでL−アスパラギン酸の代わりに基質としてL−シ
ステインスルフィン酸(CSA)の使用を示唆している。C
SAを2−ケトグルタル酸の存在下で基質として用いる場
合、ASTはCSAのベータースルフィニルピルビン酸への変
換を触媒し、該スルフィニルピルビン酸は非酵素的に分
解してピルビン酸とスルファイトイオンを生じる。
CASを基質として用いるASTの測定について、直接的ア
ッセイ技術が提案されている。かかる技術は、いずれか
の他の反応試薬を介在させることなく、基質または生成
物を直接モニターすることを含む。しかしながら、この
不自然な手段は、関与する種のかかる直接的観察が可能
であることを要する。かかる方法はミトコンドリアAST
の測定についての日本国特許第62272998号に記載されて
いる。
CSA基質を用いてASTを測定する簡易な提案方法は、容
易に検出できる生成物、例えば、酵素反応と、蛍光生成
物を生成する非酵素的反応とのカップリングを含む。1
つのかかる方法は、ASTとCSAとの反応に由来するサルフ
ァイトイオン生成種と、(N−9−アクリリジニルマレ
イミド(NAM)のごとき蛍光試薬との反応を提案してい
る[アカサカ・ケイら(Akasaka,K.,et al)、アナル・
レト(Anal.Lett.),18(B3),357−68(1985)]。こ
の方法は、高感度であるが、高圧液体クロマトグラフィ
ーならびに反応をモニターするための蛍光光度計を要す
ることが報告されている[日本国特許第60188099号も参
照]。
基質としてCSAを用いるもう1つのAST測定方法は、カ
ップリング剤、フェナジンメトスルフェート(methosul
fate)の存在下における比色指示薬ニトロブルーテトラ
ゾリウムの使用を提案している[ヤギ・ティら(Yagi,
T.,et al),アラリティカル・バイオケミストリー(An
al.Biochem.),110,146−49(1981)]。該フェナジン
メトスルフェートは、指示薬の還元を触媒する電子移動
メディエーターとして働く。発色したフォルマザン生成
物が形成された後、酢酸溶液を用いて反応をクエンチ
し、二波長薄層クロマトグラフィースキャナーを用いて
酵素活性を定量する。従って、不自然な装置を要する多
段工程が再度必要である。また、用いる電子移動メディ
エーターは光と空気に感受性である。
明らかに、血清および歯肉滲出液中のAST存在を検出
しおよび定量的に測定するより簡易でより迅速な方法に
対する要望が存在する。かかる方法は目で読み取り可能
なアッセイキットと適合するものでなければならない。
すなわち、分光光度計の使用を必要とするものであって
はならない。該方法は調べる液中の汚染物からの干渉が
あってはならない。最も重要には、該方法および関連す
るキットは、比較的未訓練の個人が最小限の管理下に
て、家庭または職場で必要なテストを行うことができよ
うに、用いる者による主観的評価を必要とするものであ
ってはならない。
発明の概要 本発明は、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ
(AST)レベルが上昇した生物学的組織および流体につ
いてアッセイを行うための新規な方法およびキットに関
する。上昇したASTレベルは、歯周疾患、心臓疾患およ
び肝硬変のごとく哺乳動物の多数の疾患に関係すること
が示されてきた。かくして、本発明の方法およびキット
はヒトにおいてこれらの疾患を同定するのに使用でき
る。歯周疾患を検出することを望む場合、および身体の
器官を侵す疾患を検出することを望む場合、体液試料に
つきアッセイを行う。
本発明は、所定の反応条件下、哺乳動物からの体液試
料を、ASTについてのあらかじめ選択した基質およびあ
らかじめ選択した指示薬と接触させることよりなる。該
指示薬は、反応条件下でASTおよび基質に対して実質的
に非反応性であるように選択する。ASTの存在下におい
て、基質の少なくともいくらかは生成物種に変換され、
これは指示薬と反応して信号種を形成する。反応の間に
わたって形成された信号種の量を測定するが、これが試
料中のAST量に関係する。
好ましい具体例において、あらかじめ選択した基質は
システインスルフィン酸(CSA)である。反応条件下で
のASTのCSAに対する作用により、サルファイトイオンが
発生し、これが引き続いて検出される。
さらに、好ましい具体例において、サルファイトイオ
ン生成物の形成が、発色有機染料とのその反応によって
可視的にモニターされる。適当な染料は、マラカイトグ
リーン、メチルグリーン、ギニアグリーンB、エチルバ
イオレット、酸性フクシン、塩基性フクシン、パラロザ
リニンクロリド、パラロザリニンアセテート、およびオ
ーリンナトリウム塩のごときジ−およびトリアリールメ
チン化合物の誘導体を包含する。ASTアッセイの結果
は、患部組織における疾患の存在および程度に関係す
る。
さらに、本発明方法は、生成物形成の速度が流体試料
中のAST濃度に関係するときに、指示薬と生成物種との
初期反応速度を測定することよりなり得る。別法とし
て、該方法は、該反応を完了させ、次いで、指示薬応答
が所定の閾値を超えるか否かを判断することよりなる。
指示薬応答がかかる「終点」を超える場合、AST上昇が
肯定的に見い出され、調べた組織における活性疾患の汚
染物が示される。
また、本発明は、ヒトにおけるAST−関連疾患、例え
ば、心臓または肝臓疾患を同定するためのアッセイ・キ
ットを提供する。本発明のキットは、ASTについての基
質として、システインスルフィン酸(CSA)の緩衝水性
溶液よりなる。また、キットは、少なくとも1のアッセ
イ、すなわち、1の指示薬支持体を用いるアッセイを行
うのに適した固体指示薬支持体および一部のCSA溶液を
保持するのに十分な容量を各々がもつ複数のウェルを備
えたアッセイ・プレートよりなる。また、キットは、サ
ルファイトイオンに対して反応性であるが、CSAおよびA
ST双方に対して実質的に非反応性である染料と共に、固
体マトリックスに固定したトリアリールメチン染料より
なる複数の固体指示薬支持体よりなる。
また、キットは、商業的に入手可能なペリオペーパー
(Priopaper)のごとき、患者からのテスト流体を収集
する手段よりなる。収集した流体は該染料の存在下でCS
Aと接触させる。染料の光学密度の可視的変化は、患者
の疾患の程度に関連する。染料を伝達する好ましい媒体
は含浸ポリマーフィルムおよび濾紙のごとき吸収性物質
を包含する。
本発明キットは、所望により、薬剤の可視的コントラ
スト増強するために染料に隣接させたまたはそれと混合
した呈色コントラスト剤よりなることもできる。選択し
た染料がマラカイトグリーン化合物である場合、適当な
呈色コントラスト剤はローダミンBである。
さらに、本発明のアッセイ・キットの好ましい具体例
は、定量的に収集流体をテスト媒体に移すのを助力する
湿潤剤よりなる。また、該アッセイ・キットは、通常、
溶液中の金属イオンからの干渉を妨げるエチレンジアミ
ンテトラアセテート(EDTA)のごときキレート化合物よ
りなる。なおさらに、本発明キットの好ましい具体例
は、受容体基質として働くCSAと混合したケトグルタル
酸塩を包含する。また、該キットは、指示薬の有効期間
を延長するために、指示薬と混合した亜鉛塩化合物より
なる。
本発明方法およびキットは、それにより、ASTの測定
用の簡易であるがなお感度の高いフォーマットを提供す
る。該アッセイは、便宜には、テスト片または指示薬フ
ィルムとして加わる。該方法は、ポータブルな目で判読
可能なテストキットならびに標準的な比色または反射
(reflectometry)装置を用い、比較的訓練されていな
い個人によって迅速に行われ得る。また、本発明方法お
よびキットは、従前に提案されている技術よりも目的的
であるASTについての分析を提供し、誤った否定的また
は誤った肯定的指示の確率は大幅に減少される。
発明の詳細な記載 本発明方法は、哺乳動物からの体液試料のASTレベル
を測定することを含む。該流体試料は歯肉滲出液、血
清、または特定の器官から放出される流体、例えば、脳
脊髄液であってよい。体液試料を、所定の反応条件下
で、ASTについてのあらかじめ選択した基質およびあら
かじめ選択した指示薬と接触させる。指示薬は、選択し
た反応条件下でASTと基質双方と実質的に非反応性であ
るように選択する。指示薬の検出される物理特性、例え
ば、色彩が、アッセイの反応条件下、本発明のもう1つ
の成分の存在において、実質的に変化しない場合、該指
示薬は該成分と「実質的に非反応性」である。しかしな
がら、ASTの存在下で、基質のうち少なくともいくらか
は、指示薬と反応性の生成物種に変換される。指示薬に
よる生成物種に対する応答は、反応の間にわたって観察
され、かく測定された指示の程度は所定の疾患段階と関
係を付け得る。
酵素アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ[AST;
EC2.6.1.1;L−アスパルギン酸:2−オキソグルタル酸ア
ミノトランスフェラーゼ](グルタミン酸アスパラギン
酸トランスアミナーゼ、グルタミン酸アスパラギン酸ア
ミノトランスフェラーゼ、グルタミン酸アスパラギン酸
アミノフェラーゼ、グルタミン酸オキサロ酢酸トランス
アミナーゼ、GOT、G.O.T.、またはGO−Tとしても公
知)(以下、ASTという)は、オキサロ酢酸およびグル
タミン酸を生ずるL−アスパラギン酸と2−ケトグルタ
ル酸との反応を触媒する。ピリドキサルリン酸が補欠分
子族として必要である。
ASTはミトコンドリアおよび真核生物細胞の細胞質ゾ
ルに見い出される。ASTのミトコンドリア形態およびミ
トコンドリア外形態は、その物理的および化学的特徴な
らびにアミノ酸組成が異なる。すなわち、それらはイソ
酵素である。両形態は約90000ダルトンの分子量を有
し、2のほぼ等しいサイズのサブユニットからなる。細
胞質ゾルASTおよびミトコンドリアASTの分別測定は、肝
炎、心筋梗塞等の臨床的診断に有用である。ASTの上昇
したレベルでの血流への放出は、疾患状態のため、細胞
の死によって生じると信じられている。
ASTはアミノ酸の種々の異化および同化経路に関与す
る[例えば、レニンガー・エイ・エル(Lehninger,A.
L.),バイオケミストリー(Biochemistry),第2版
(ワース・パブリッシャーズ(Worth Publishers)、ニ
ューヨーク、1975)参照]。ASTは、血漿、胆汁、脳脊
髄液、唾液および歯肉にて検出可能レベルで見い出され
る[例えば、ジェイ・キング(J.King.),プラクティ
カル・クリニカル・エンザイモロジー(Practical Clin
ical Enzymology)(ディー・バン・ノストランド・カ
ンパニー・リミテッド(D.Van Nostrand Co.Ltd.),ト
ロント,(1965),122頁参照]。血清ASTレベルの上昇
は急性心筋梗塞、肺梗栓症、急性膵炎、ウイルス性およ
び毒性肝炎、活動的硬変、閉塞性黄疸、筋ジストロフィ
ー、急性皮膚筋炎、多発性筋炎、発作性ミオグロブリン
尿症、および種々の体内器官における他の疾患と関連付
けられてきた。脳脊髄液中のASTレベルの上昇は、膠芽
腫、卒中および特発性癲癇発作で報告されている[キン
グ,前掲,135−136頁]。しかしながら、歯肉滲出液中
のASTレベルの上昇は活動的歯周疾患と関係するという
事実はつい最近発見された。
調べた血清試料中に存在するASTのレベルは、ASTの量
が、テストされるべき種の健康な成体の血清で正常に見
い出されるASTレベルを実質的に超える場合、「上昇」
している。血清ASTの正常なヒト成人の範囲は、典型的
には、以下に記載する手法によってアッセイを行った場
合、温度に応じて、約6〜40国際単位(I.U.)である
[キング,前掲,134頁参照]。1 I.U.は、1分間当た
り、基質1ナノモルを転換させる量と定義される。
A.アッセイ方法 ASTレベルを調べるべき体液試料は、体液を生産する
いずれの外部および内部組織から得ることもできる。適
当な試料は胆液、血清、唾液、脳脊髄液等から得られ
る。かかる試料を得るために用いる方法は当業者によく
知られている。
経口体液試料は唾液または歯肉滲出液から得られる。
唾液試料は、濾紙のごときポーラスな固体支持物質への
吸収のごとき種々の手段によって口から収集することが
できる。歯肉滲出液は、(好ましくは平坦な)細い針ま
たは(好ましくは検量した)毛細管を有するマイクロシ
リンジを包含する種々の手段によって歯肉および歯の境
界から採取し得る。また、試料は、外科用綿撒糸、脱脂
綿または歯科綿のごとき繊維状物質によっても得られ
る。好ましくは、かかる流体は、紙または繊維の吸収性
片、最も好ましくは、例えば、ペリオペーパー(Periop
aper)(ハルコ・ケミカル・カンパニー(Harco Chemic
al Co.),トゥスティン(Tustin),カリフォルニア
州)のごとき歯内治療用のペーパー・ポインツ(paper
points)によってサンプリングされる。試料は、歯と歯
肉との界面で歯肉滲出液とサンプリング手段とを直接接
触させることによって収集される。収集した試料の容積
は、収集手段の検量によって、あるいは別法として引き
続いての測定によって決定される。吸収された流体容積
の微量変化(例えば、10%変化)は、テスト法の精度を
重大なほど変えることはないと予測される。もちろん、
歯肉滲出液の試料について得られた結果は、試料を得た
多数歯領域における歯肉の平均的状態を反映し易い唾液
試料につき得られた結果よりも、特異的にテストした地
点の歯肉の状態をより詳しく反映する。
本発明によると、適当なAST基質物質は、ASTによっ
て、あらかじめ選択した指示薬物質で検出可能な生成物
に容易に変換される物質を包含する。好ましい基質は、
アミノ基に対して「ベータ」位に位置するスルフィン酸
基を有する化合物、2−ケトグルタル酸、およびその塩
を包含する。最も好ましくは、あらかじめ選択される基
物質は、「供与体」基質としてのシステインスルフィン
酸(CSA)を包含する。2−ケトグルタル酸のごとき
「受容体」基質の存在下におけるASTとCSAとの反応の結
果、β−スルフィニルピルビン酸が形成され、それは、
発生するサルファイトイオンを非酵素的に分解する。
本発明で用いる基質溶液は、典型的には、さらに、リ
ン酸系、ホウ酸系およびバルビタール類のごとき1種ま
たはそれ以上のpH緩衝液よりなる。好ましくは、pH6.0
ないし9.0のトリス−HClを用いる。また、塩化亜鉛のご
とき安定剤が組成として包含され得る。好ましい基質溶
液は、ほぼ8.0のpHを有する200mMトリス−HCl緩衝液中
の10−200mMシステインスルフィン酸(CSA)、0.5−10m
M2−ケトグルタル酸よりなる。該基質溶液の追加成分
は、エチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)および
NaClのごとき塩成分ならびにトリトンX−100のごとき
界面活性剤を包含し得る。
該基質溶液は、典型的には、まず、塩成分、金属隔離
剤、緩衝液成分および界面活性剤を含有する緩衝媒体を
調製することによって調製される。好ましい具体例にお
いては、CSAおよび2−ケトグルタル酸を該溶液に添加
し、続いて所定点までpHを直ちに調整する。アッセイ用
に選択した緩衝液は4−11のpH範囲で緩衝するのに適し
ている。選択したpH値は、異なるpH値およびインキュベ
ーション温度にて異なる反応速度を有するASTのイソ酵
素のため変化し得る。合計酵素活性のアッセイについて
の好ましいpH範囲は約6.0ないし約9.0である。
緩衝液の例は、リン酸塩、フタル酸塩、「トリス」緩
衝液、グリシン、クエン酸塩リン酸塩緩衝液、イミダゾ
ール緩衝液等である。好ましい緩衝液系は、約50ないし
約500ミリモル(mM)濃度で存在させた「トリス」緩衝
液である。
また、好ましくは、金属隔離剤を使用する。一価イオ
ンよりも多価金属イオンの優先的にキレート結合させる
適当な隔離剤は通常当該分野で公知のものから選択され
る。例えば、かかる隔離剤は、ポリビニルスルホン酸ナ
トリウム塩、ポリアクリルアミド−メチルプロパンスル
ホン酸、およびポリスチレンスルホン酸のごときスルホ
ン酸基またはその塩を含有するポリマーおよびコポマ
ー、カルボン酸およびその塩を含有するポリマーおよび
コポマー、ならびに同様の基を有する低分子量物質であ
ってよい。最も好ましいキレート剤は、約1ないし100m
M濃度で存在させたエチレンジアミンテトラアセテート
(EDTA)の二ナトリウム塩および関連化合物を包含す
る。
酵素が表面に吸着されるのを防げるのに供する適当な
塩成分の例は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、および
塩化セシウムのごときアルカリ金属の塩化物である。こ
の目的の好ましい塩は約50mMないし約500mMの濃度の塩
化ナトリウムである。
溶液の表面張力を減少させ、それにより湿潤性を改善
するために界面活性剤を使用することができる。酵素を
変性させない適当な界面活性剤は当該分野で公知のもの
を包含する。脂肪酸、アミノ酸等のポリオキシエチレ
ン、ポリグリシドール、アルカノールアミド誘導体のご
とき化合物が好ましい。使用する量は約0.01ないし約1
重量%の範囲である。最も好ましくは、界面活性剤は約
0.06w/vで存在させたトリトンX−100である(水性溶液
が関与するので、本明細書中ではw/vで表示する濃度を
相互変換的に用いる)。
本アッセイ法におけるアミノトランスフェラーゼ酵素
についての供与体基質は、好ましくは、システインスル
フィン酸(CSA)およびその付加塩より選択する。アッ
セイ系におけるCSAの好ましい濃度はアッセイされるべ
き酵素の予測される量に依存する。すなわち、アッセイ
を行う試料の容量および活性に依存する。例えば、約40
単位未満の正常範囲を有するヒト血清のアッセイにおい
ては、例えば3000単位までの異常活性の測定には、アッ
セイの時間間隔に対する速度−活性関係がほぼ直線とな
るように十分な基質を要する。かくして、必要な基質の
最少量はアッセイを行うべき試料の容量に依存する。0.
01マイクロリットルほど少量の試料容量でアッセイを行
い得る。本アッセイについての供与体基質濃度の好まし
い範囲は変更し得るが、典型的には、約1mMないし約500
mMの範囲である。
本発明アッセイ法におけるアミノトランスフェラーゼ
酵素についての受容体基質は、反応条件下でアミノ基を
供与体基質から効果的に受容するいずれの化合物であっ
てもよい。好ましくは、受容体基質は、通常はその塩と
して提供される2−ケトグルタル酸源を包含する。用い
る受容体基質の濃度は、競合基質阻害のため、供与体未
満の量で通常提供される受容体基質と共に使用する供与
体基質の対応する量に依存する。CSAに対する2−ケト
グルタル酸の好ましい比は約1:15ないし約1:20である。
本発明で使用するあらかじめ選択した指示薬は、AST
と基質との反応に際して形成される生成物と反応するよ
うに選択する。また、指示薬はASTまたは基質いずれと
も実質的に反応しないことによって特徴付けられる。か
くして、指示薬はASTと抑制的または破壊的には実質的
に相互作用せず、また、指示薬は、ASTと基質との反応
が有意に変化または損なわれるようにはASTについての
基質と相互作用しない。
本発明で用いる適当な指示薬は、ASTと選択した基質
との反応の生成物の少なくとも1種と反応できる基質を
包含する。CSAが基質である場合、好ましい指示薬はサ
ルファイト−反応性化合物である。該サルファイト−反
応性化合物はサルファイトと反応してその結果検出でき
る信号種を形成する指示薬である。該信号種は通常指示
薬の電子的誘導体、例えば、「ロイコ」種である。本発
明の好ましい態様は、サルファイトイオンと反応すると
きに可視的色彩変化を受ける指示薬の使用を含む。本発
明の別の具体例は、可視的沈殿を形成し、蛍光または化
学ルミネッセンス信号を発し、溶液のpHまたはイオン強
度を変化させ、電極での反応によって電気的信号を生じ
る等によってサルファイトイオンの存在に対して応答す
る指示薬を用いる。これらの信号を検出する方法は技量
ある実行者に明らかである。
適当な比色指示薬は、サルファイトイオンと容易に反
応するが検体中のASTの天然活性を実質的に変化させな
い同一条件を受け易いジ−およびトリアリールメチン化
合物、ならびにジ−およびトリアリールメチン染料のア
ザ、チア、またはオキソ類似体、ポリエンおよびポリメ
チン染料、アザ[18]アヌレン、ニトロおよびニトロソ
染料、アゾ染料、カルボニル染料、および硫黄系染料を
包含する。
特に好ましい指示薬はマラカイトグリーンカルビノー
ル塩酸塩、マラカイトグリーンシュウ酸塩、およびマラ
カイトグリーン−亜鉛二重塩化物塩のごときマラカイト
グリーンおよびその塩、メタルグリーン、およびギニア
グリーンBを包含する。また、好ましい指示薬は、約0.
0001ないし約1重量%濃度の酸性フクシン、塩基性フク
シン、パラロザニリン塩化物、パラロザニリン酢酸塩、
エチルバイオレット、オーリン、およびそれらの対応す
る塩形を包含する。最も好ましくは、選択指示薬はマラ
カイトグリーン、メチルグリーン、およびギニアグリー
ンBから選択する。後者の化合物は、サルファイトイオ
ンと反応して無色の「ロイコ」種を生じるにつれて光学
密度が減少する緑色がかった色を有する[例えば、イー
・ユングレイス(E.Jungreis),ケミカル・アナリシス
(Chemical Analysis),75巻、ウィリー(Wiley)、185
頁参照]。指示薬の好ましい濃度は約0.001−0.05w/vで
ある。
加えて、本アッセイで使用するトリアリールメチン染
料の安定性は、該指示薬溶液にある種の成分を少量添加
することによって改善されることが判明した。例えば、
本染料と複合体を形成することが知られているある種の
金属塩は、指示薬染料の安定性を改善する。好ましく
は、亜鉛塩は約0.001ないし約0.5w/vの濃度、最も好ま
しくは、約0.25ないし0.35w/vの濃度で供する。マラカ
イトグリーン/2ZnCl2のごときある種の指示薬である亜
鉛二重塩もまた用いることができる。好ましい安定化剤
は亜鉛の塩化物、臭化物、酢酸塩、および硫酸塩を包含
する。
本アッセイ法は、「速度」もしくは「終点」測定法い
ずれかを用いて行うことができる。例えば、速度法を用
いる場合、血清または酵素標準溶液の希釈系列を調製す
る。酵素を有しない「ブランク」検体も調製する。AST
標準源は重要ではなく、便宜には、例えば、シグマ・ケ
ミカル・ハンパニー(Sigma Chemical Co,)、セントル
イス、ミズリー州から商業的に入手可能である。好まし
い標準はヒトまたはブタ血清ASTである。標準溶液の一
部を、比色計中のキュベットに含有される基質/指示薬
溶液の一部に添加する。用いた指示薬の最大可視吸光度
に対応する波長の光を該キュベットに照射し、経時的吸
光度変化をモニターする。観察された吸光度(光学密
度)変化は各検体中のAST濃度に関係する。反射率法を
用いてASTレベルを測定する場合、観察された反射率変
化は同様にAST濃度に関係する。
各反応についての時間に対する吸光度のプロットは初
期直線領域、続いての反応が進行するときの曲線領域を
有する。標準のすべての希釈物により該領域にわたって
単調に減少する吸光度挙動を示すこのプロットの部分を
選択し、各反応の速度を適当な時間間隔にわたって決定
する。好ましくは、該時間間隔は、流動体AST−含有検
体を基質および指示薬と接触させる約10分以内にとる。
測定された吸光度は指示薬濃度に比例し、測定された吸
光度の減少速度は指示薬濃度の減少速度に直接比例す
る。測定吸光度は、ASTと基質との反応が他の反応より
もかなり遅い、すなわちAST−基質反応が律速である限
り、AST活性に比例する。本明細書中に記載した反応条
件下で、ASTとCSAとの反応はβ−スルフィニルピルビン
酸の分解およびサルファイトイオンと指示薬との反応よ
りもかなり遅い。
次いで、観察された反応速度vs酵素濃度を、回帰分析
が標準代数表示を与えることから求める。典型的には、
得られる曲線はAST濃度に関して実質的に直線の反応速
度を有する。プロットしたデータが不満足な非直線状曲
線を与える場合、通常、直線状曲線がもう1つの希釈系
列から得ることができる。典型的には、前記曲線は10−
125AST単位/Lの領域で直線状である。
次いで、1標準容量単位を適用するか、あるいは試料
の個々の希釈に関連する活性値範囲に導く試料の系列的
希釈によって未知AST濃度を有する試料を解析する。後
者の方法において、確認した酵素レベルは、AST単位が
信頼性をもっと決定され得るような適当な希釈倍率によ
る集まりである。
B.診断用キット 本発明のアッセイ法に使用する診断用キットも本発明
の範囲内であると意図される。該キットは、好ましく
は、ポータブルかつ目視可能であるのが好ましい、すな
わち、如何なる器具の使用も必要とせずに使用者によっ
て可視的にモニターされ得る。本発明のキットは少なく
とも1つのアッセイを行うのに十分な緩衝化水性CSA溶
液の少量からなる。また、キットは本発明のアッセイ試
薬を含有するためにその中にウエルを設けたアッセイプ
レートからなる。さらに、キットは定義された反応条件
下でサルファイトイオンと反応するがASTとは実質的に
反応しないトリアリールメチン染料を設けている。該ト
リアリールメチン染料は、例えば含浸によって、固体マ
トリックスに付加されて固体指示薬支持体を提供するの
が好ましい。該固体指示薬支持体は、例えば接着剤で、
アッセイプレートから離れてまたは該プレートに隣接し
て設けてもよい。好ましくは、複数の固体指示薬支持体
がそのウエル内でアッセイプレートに固定可能に付着さ
れる。
AST酵素を含有する採取試料を該キットのマイクロウ
エル装置中に入れるのが好都合である。該キットのマイ
クロウエル装置、例えばプレートは、アッセイ試薬に対
して化学的に不活性である適当な物質から作られる。例
えば、該プレートは、該アッセイを妨害するかもしれな
い可塑剤化合物を実質的には含まない硬質プラスチック
物質、例えば、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポ
リプロピレン等で作製できる。該プレートは不透明であ
っても透明であってもよい。本発明の好ましい具体例で
は、白色の反射面を有するプレートを使用する。
該マイクロウエル装置には、該アッセイで使用する試
料および試薬を含有するのに適した許容量を各々が有す
る多数の窪みが設けられている。本明細書の記載に従っ
て調製した基質溶液の一部分を添加し、予め定義された
温度で所定時間反応を進行させる。次いで、該アッセイ
反応の色を同時に行った標準反応または参照色比較チャ
ートと比較する、すなわち、「終点」を同定する。
典型的には、指示薬支持体は、固体マトリックスに固
定された、すなわち固体マトリックスの上または中に含
有された指示薬からなる。例えば、指示薬媒体を配合し
たポリマーフィルム、例えば、ポリビニルアルコールを
使用することができる。別法として、サルファイト−反
応性指示薬溶液を含浸した吸収性物質、例えば、濾紙を
使用することができる。さらに、該指示薬媒体は、トリ
アリールメチン染料、安定化剤、バインダー樹脂、色対
比色素等を含んでいてもよい。
好ましくは、本アッセイ方法を使用する新規な目視可
能なキットは、高純度精製水または全ての成分が可溶性
である低沸点アルコールおよびその混合物のような他の
溶媒系中で調製したトリアリールメチン染料、色対比染
料、安定化剤、界面活性剤、およびバインダー樹脂から
なる指示薬溶液を利用することになろう。次いで、調製
された溶液は吸収材に含浸されるか、または滑らかな平
面上にキャストし、乾燥させる。乾燥工程は空気流、加
熱、または該溶媒を除去せしめる組合せによって加速し
てもよい。基質含有層はこの場合に凍結乾燥する凍結乾
燥を使用するのが好都合であることが判明したこと以外
は同様の方法で調製することができる。
ポリマーフィルムを使用して本発明の指示薬を支持す
る場合、固体マトリックスは、例えば該試薬を分散する
ことによってマトリックスに該試薬を固定するためのバ
インダー樹脂からなるのが好ましい。本発明のキットを
調製する際に使用するバインダー樹脂は、染料および他
の成分と同様の溶媒系に可溶性の樹脂である。それら
は、一般に、フィルム形成物質であり、相溶性樹脂の混
合物としてまたは樹脂および当該技術分野で知られてい
るコーティング特性を改良するのに適する可塑剤を含有
する混合物として存在させてもよい。適当なバインダー
樹脂の例としては、アラビアゴム、グアイヤク(guaia
c)、グアー、マスチックおよびキサンタンのような種
々のゴム、ならびにポリビニルアルコールおよび酢酸ビ
ニル、ビニルエーテル、または同様のコモノマーを含有
するそれらのコポリマー類、ポリビニルピロリドンおよ
びそれらのコポリマー類、ポリビニルエーテルおよびコ
モノマー類を含有するカルボン酸とのコポリマー類、ポ
リグリコール類、ポリアクリレート類、ポリメタクリレ
ート類、ポリエーテルスルホン類などのような可溶性合
成樹脂が挙げられる。これらのキット用の好ましいバイ
ンダー樹脂は、種々の粘性グレードおよび約0.1〜約20
重量%の加水分解度を有するポリビニルアルコール(PV
A)である。
所望により、本法を使用する目視可能なキット中に色
コントラスト染料を設けてもよい。このような色コント
ラスト剤は、アッセイの結果色を消失する場合、例え
ば、トリアリールメチン染料が消費された場合に特に望
ましい。該色コントラスト剤は、マトリックス上に該薬
剤を直接負荷するかあるいは固体マトリックスに隣接し
て該色コントラスト剤を置くことによって指示薬支持体
の固体マトリックスに固定される。例えば、使用する染
料がマラカイトグリーンである場合、含浸紙中に該染料
を負荷することによって生じる青色がかった緑色はアッ
セイによる消費に際して消失する。妨害せず、かつキッ
ト中のサルファイトイオンまたは他の試薬によって影響
されない二次的可視指示薬の添加を介して、終点の色お
よび色認識の閾値を変更できる。好ましい二次的色指示
薬としては、約0.01〜約1w/vの濃度のオーラミンO、サ
フラニンOおよびローダミンBが挙げられる。別法とし
て、アツセイに使用するマイクロウエル、フィルム、含
浸紙などの裏に呈色裏打材を設けてもよい。
採取液体試料、基質および指示薬溶液を混合し、予め
定義された条件下でインキュベートする。これらの条件
は、該液体試料中、下閾値量のASTの存在下でAST−触媒
反応生成物の有意な検出がなされないように選択され
る。しかし、該条件は、超閾値量ASTの存在によって、
予め選択された指示薬の検出可能な変化をもたらすのに
十分な量の酵素−触媒反応生成物が形成されるような条
件である。該アッセイに適する閾値は、テストすべき疾
患状態および分析すべき試料のタイプに依存する。存在
するASTの量は、基質との反応速度および従って指示薬
の反応速度に影響を及ぼす。基質の正反応は競合する基
質の存在によって抑制され得るので、AST活性を有意に
抑制することが知られている望ましくない競合基質の存
在を排除するように注意しなければならない。本発明の
方法は、800マイクロ単位ほどの低いASTレベルを検出す
るのに有効であることが判明した。その結果、テスト溶
液に関する所望の閾値を得るための希釈が適当であり得
る。
最適反応条件は、本発明の方法の特異的な適用に左右
され、当技術分野における公知技術に従って個々の基質
および指示薬について容易に決定される。しかし、該反
応のpHは、典型的には、6.0〜9.0の領域であろう。反応
温度は通常約20〜35℃の範囲であろう。また、分析に要
する時間は、典型的には、約1時間よりも短いであろ
う。
本発明のキットに使用される反応溶液は、典型的に
は、生物学的に無菌条件下で包装および貯蔵される。従
って、該溶液は通常不活性ガス雰囲気下で容器中に貯蔵
されるであろう。
本発明のアッセイ・キットは、該アッセイにおけるあ
る所望の時点でアッセイ試薬をクエンチングするのに適
している酵素毒からなってもよい。例えば、該キットの
容器中にASTの活性を停止させることができる酸性溶液
を設けてもよい。他のクエンチング剤は当業者にとって
明らかであろうし、同様に、毒デリバリーの種々の態様
も明らかであろう。すなわち、本発明のキットのアッセ
イプレートには、所望の毒を含有する移動可能に付着し
たまま着脱可能な蓋を設けてもよい。反応はアッセイ試
薬と毒との接触の際にクエンチされる。
実施例 以下の実施例によって本発明を説明するが、該実施例
は本発明の範囲を限定するものではない。
1.標準AST曲線の決定 本実施例では、可視分光光度計を用いて光学密度−AS
T活性の標準曲線を決定する。可視光に対して透明なキ
ュベット中でアッセイを行う。
基質溶液の調製 以下の成分からなるように基質の水性溶液を調製す
る: 供与体基質:91ミリモル(mM) L−システインスルフィン酸(CSA) 受容体基質:9.1mM2−ケトグルタル酸−ナトリウム 緩衝液:157mM TRIS−HCl(pH8.0) 金属隔離剤:4.5mM EDTA二ナトリウム塩 塩成分:125mM塩化ナトリウム 界面活性剤:0.06w/v Trion X−100 脱イオン水に上記成分を溶解し、激しく混合してそれ
らを示した濃度に溶解する。
指示薬溶液の調製 以下の成分からなるように脱イオン水で別々に示した
溶液を調製する: トリアリールメチン指示薬染料:0.014w/vマラカイト
グリーン・シュウ酸塩 界面活性剤:0.06w/v Triton X−100 上記成分を激しく混合して水性媒体中にそれらを溶解
する。
ASTについての標準曲線の決定 340nmで紫外線動的アッセイ(NAD、シグマ(Sigma)
#258−UV)によってアッセイを行ったブタAST(心臓)
850単位/lを含有する溶液を、AST活性25、12.5、6.25、
3.13、1.56、0.78および0.39単位/lを含有する一連の希
釈物を得るように、0.5%ウシ血清アルブミンを含有す
る10mM TRIS緩衝液(pH7)中に希釈する。6セルの温度
調節キュベット列を装着したベックマン(Beckman)DU
−50 UV−Vis分光光度計で、該装置で仕上げた動的デー
タソフトウエアパッケージを使用して該希釈シリーズを
3連で分析する。酵素活性を含有しない試薬ブランクに
対し、30℃にて、該測定を行った。上記で調製した基質
溶液約900μlを、約5mlの許容量を有するキュベット中
に入れ、次いで、トリアリールメチン染料指示薬溶液10
0μlを入れる。該キュベットにAST酵素希釈シリーズか
らの試料約100μlを添加し、該キュベットを混合し、1
5秒毎に合計5分間、614nm吸光度で試薬ブランクおよび
アッセイキュベットの差を読み取ることによってアッセ
イを直ちに開始する。該希釈系列中の各AST酵素試料に
ついてこの工程を繰り返し、同一時間間隔で各試料につ
いて614nmでの光学密度の減少速度を測定する。標準化
法によって第1表に示す結果が得られた。
第1表 AST(U/l) 速度(OD/分) 25.0 −0.180 12.5 −0.112 6.25 −0.077 3.13 −0.056 1.56 −0.046 0.78 −0.042 0.39 −0.039 上記データについての回帰分析によって、相関係数0.
999で以下の方程式が得られる: 速度=0.00574(AST)+0.038189 2.ヒト血清ASTの測定 本実施例では、標品ヒト血清につき、実施例1に記載
したアッセイ方法の適応性を示した。該アッセイはL−
システインスルフィン酸のレベルが100mMであり、2−
ケトグルタル酸一ナトリウムのレベルが10mMであり、TR
IS緩衝液のレベルが175mMであり、EDTA二ナトリウムの
レベルが5mMである以外は実施例1と同様に行った。
100mM TRIS緩衝液(pH7.8)を使用して標品ヒト血清
対照(アキュトロール(Accutrol)、シグマ)の希釈系
列を調製して第2表に示す正常なAST活性を得た。該ア
ッセイ法は実施例1の記載に従って行った。
第2表 AST(U/l) 速度(OD/分) 11.88 −0.212 5.94 −0.115 2.97 −0.057 1.48 −0.028 0.74 −0.012 上記データについての回帰分析によって相関係数0.99
87で以下の方程式が得られた: 速度=0.01791(AST)+0.00237 3.指示薬フィルムアッセイキットの調製および使用 本実施例では、酵素ASTに関するアッセイ・キットの
フォーマットを作り、歯周疾患の存在のためAST酵素活
性が増大した口の部位から採取した歯肉滲出液試料中の
酵素活性の測定をシミュレートする。疾病指示のための
臨床カットオフレベルは試料中の800マイクロ単位/l未
満の活性と一致することが決定されている。L−システ
インスルフィン酸のレベルが100mMであり、2−ケトグ
ルタル酸一ナトリウムのレベルが10mMであり、TRIS緩衝
液のレベルが200mMであり、EDTA二ナトリウム塩のレベ
ルが5mMである以外は実施例1に従って基質溶液を調製
した。
トリアリールメチン染料指示薬フィルムの調製 0.06%Triton X−100を含有する脱イオン水1を沸
騰させ、よく混合しつつポリビニルアルコール(エアー
・プロダクツ(Air Products)V−165)80gをゆっくり
と添加することによって、ポリビニルアルコール8%を
含有する溶液を調製する。まだ熱いうちに、該溶液を、
密封キャップを有するビン中に500mlずつの2つの部分
に分ける。第1のビンにマラカイトグリーン・シュウ酸
塩175mg、ローダミンB・塩化物100mgおよび塩化亜鉛1.
0gを添加する。第2のビンにはマラカイトグリーン・シ
ュウ酸塩175mg、オーラミンO・一塩酸塩250mgおよび塩
化亜鉛1.0gを添加する。該成分を含有する2つのビンを
練りロール上に置き、均質になるまで完全に混合する。
次いで、それらを該練りロールから取り出し、全ての捕
獲されている空気泡が溶液から拡散するまで放置する。
室温に冷却した後、各溶液70ml分を取り出し、8″×1
4″インチのガラスプレート上に均一に注ぐ。該プレー
トをフード中の平らなテーブル上に置き、一晩蒸発乾固
させる。この方法によって、厚さ1.7〜2.0ミルの範囲の
フィルムが得られた。次いで、該乾燥フィルムを直径0.
25インチの円形に打ち抜いた。
アッセイ・キットの調製 厚さ0.125インチの不透明な高密度ポリエチレンスト
ックのシートを3″×4″の長方形に切断した。該長方
形に、ドリルで、中心距離0.5インチおよび直径0.25イ
ンチの6個の穴を2列対称にあけた。10ミルの厚さのア
セタールプラスチック片に非アクリル性の2ミルの移行
接着剤を積層し、3″×4″の長方形に切断した。これ
らから剥離ライナーを外し、アセタール部分を高密度ポ
リエチレン部分に積層した。この工程によって、得られ
たウエルの底に接着剤を有する水密性構造を生じた。6
個のウエル1列が青色の円(マラカイトグリーン・シュ
ウ酸塩およびローダミンB・塩化物)を含有し、1列が
緑色の円(マラカイトグリーン・シュウ酸塩およびオー
ラミンO・一塩酸塩)を含有するように、これらのウエ
ルの各々に上記で調製した指示薬フィルムを入れた。
分析キットの評価 AST濃度が400、600、800、1,000、1,200μ単位/μl
である一連の標準化酵素溶液を新たに調製した。各試料
1μlを、各列毎に酵素AST活性の濃度が上昇し、1つ
のブランク溶液を有するように、円形の色試験紙を含む
2列のウェルに入れた。カウントダウン用タイマーを10
分間にセットして開始した。各々のウェルに基質溶液25
μlを入れた。10分後、分析物を視覚的に点数評価し
た。AST酵素レベルが800μ単位以上では、青の円形試験
紙はピンク色であり、緑の円形試験紙は黄色であった。
AST酵素レベルが0〜600μ単位の範囲内では、色が青ま
たは緑の明るい色合いへ次第に変化しただけであった。
青および緑の指示薬を用いた両方の分析では、比色定量
による明るく鮮明な終点の閾値は800レベル以上を越え
ていた。
4.異常血清のASTレベルの測定 本実施例では、実施例3の比色定量による終点分析キ
ットのフォーマットを、正常血清および異常血清に基づ
く対照の識別について評価した。分析キットおよび基質
溶液は実施例3と同様に調製した。正常対照としては、
ヒト血清ベースに20〜25単位/lのAST活性を有し、異常
対照としては、100〜120単位/lのAST活性を有すること
がわかっている新しく得られた正常および異常なアクト
ロール(Accutrol)化学標準品[シグマ(Sigma)]を
用いた。分析キットの各列の2つのウェルに、ゼロAS
T、正常対照10μl、および異常対照10μlを入れた。
カウントダウンタイマーを5分間にセットして開始し
た。各々のウェルに、実施例3で説明したように調製し
た基質溶液25μlを入れた。5分間経過した後、分析キ
ットを視覚的に点数評価した。ブランクのウェルは色が
変化せず、正常対照は青または緑の明るい色合いであっ
たが、異常対照は比色定量による終点閾値を明らかに越
えていた。青の円形試験紙の場合、異常対照の終点は鮮
紅色であったが、緑の円形試験紙の場合、終点は深黄色
であった。
5.含浸した吸収性媒体のキット 本実施例では、含浸した吸収性媒体を分析キットのト
リアリールメチン系染料試験部材に用いることを例示す
る。
トリアリールメチン系染料試験紙の調製 実施例3と同様に、1%ポリビニルアルコールおよび
0.06%トリトンX−100を含む脱イオン水の溶液を調製
する。このポリマー溶液500mlに、マラカイトグリーン
カルビノール塩酸塩150mg,ローダミンBクロライド150m
g,および塩化亜鉛55mgを添加する。この混合物を全成分
が溶解するまで撹拌する。この混合物の既知量をビーカ
ーに入れ、坪量が83g/m2であり、吸水性が1.3g/100cm2
であるシュライヒャー(Schleicher)およびシュエル
(Schuell)の含浸紙2043−Aの1インチ幅紙片を、こ
の溶液に1分間浸漬する。紙片を取り出し、30秒間水分
を切り、次いでステンレス鋼製のトレー上に載せ、対流
加熱炉中、65℃で30分間乾燥させる。加熱炉から取り出
した後、含浸紙片を直径0.25インチの円形に打ち抜く。
ASTの分析 L−システインスルフィン酸のレベルが10mMであり、
2−ケトグルタル酸一ナトリウムが1.0mMであり、トリ
ス緩衝液が200mMであり、EDTA二ナトリウムが5.0mMであ
ること以外は実施例1と同様にして基質溶液を調製す
る。分析プラケットは、実施例3と同様に、予め切断さ
れ、穴あけされ、積層された部品から組み立てる。1列
のウェルに、打ち抜いた円形の含浸紙と、酵素活性が
0、200、400、600、800、および1,000μ単位/μlで
ある予め標準化したAST酵素溶液1mlとを入れる。10分間
にセットしたカウントダウンタイマーを開始させ、基質
溶液25μlを各ウェルに添加する。10分間の終わりに、
分析物を視覚的に点数評価する。ブランクを含むウェル
は色が不変であった。800μ単位以下を含むウェルは明
るい青色から、600レベルのほぼ紫色まで様々である。8
00レベル以上を含むウェルは明瞭なピンク色であり、こ
れは比色定量用指示薬の閾値レベルが越えていることを
示す。
6.他の指示薬の評価 他の染料を、水溶液中にサルファイトイオンが存在す
ると色が変化することを調べた後、酵素ASTの分析への
応用について評価した。評価は、トリトンX−1000.06
%を含む1%ポリビニル溶液中に各々の染料の0.03%溶
液を調製し、実施例5と同様に、2043−A紙を含浸させ
ることによって実施した。乾燥後、含浸紙を直径0.25イ
ンチの円形に打ち抜き、実施例3と同様に組み立てた分
析器具内に2つ1組で入れた。L−システインスルフィ
ン酸のレベルが20mMであり、2−ケトグルタル酸一ナト
リウムのレベルが2.0mMであること以外は実施例5と同
様にして基質溶液を調製した。活性が1,500μ単位/μ
lのAST標準溶液を調製した。各々の染料を、酵素溶液
1.0μlを用いた反応と平行して、ブランク反応を行う
ことによって評価した。基質約25μlを各ウェルに添加
し、10分後に反応を評価した。ブランク反応に比べて、
時間の進行と共に明白な色の変化を示さない染料は、こ
の分析法には不適当であると分類した。
以下の染料は、ブランク反応に比べて、明白な色の変
化を示し、この分析法を実施するのに適することがわか
った:メチルグリーン、ギアナグリーンB、エチルバイ
オレット、酸性フクシン、塩基性フクシン、パラロサニ
リン塩化物、パラロサニリン酢酸塩、オーリンナトリウ
ム塩。
本発明を明確にし、かつ理解することを目的として、
例示および実施例によって、本発明を幾分詳しく説明し
てきたが、添付の請求の範囲内で、ある程度の変形を行
いうることは自明である。

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】患者から採取した歯肉滲出液試料中におけ
    るアスパルギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の
    上昇レベルに相関のある歯周疾患を同定するための分析
    キットであって、 容器に入れられた既知量のシステインスルフィン酸(CS
    A)緩衝水溶液; サルファイトイオンに対しては反応性であるが、CSAお
    よびASTの両方に対しては実質的に非反応性であるトリ
    アリールメチン系染料を固体マトリックスに付着させた
    複数の固体指示担体;および 該固体指示担体の1つと少なくとも1回の分析を行うの
    に適当な該CAS溶液の一部とを保持するのに充分な容量
    を有するウェルを複数個備えた分析プレートを含む内容
    物からなる分析キット。
  2. 【請求項2】CSA溶液がさらに湿潤剤を含有する請求項
    1記載のキット。
  3. 【請求項3】CSA溶液がさらに受容体基質を含有する請
    求項1記載のキット。
  4. 【請求項4】CSA溶液がさらに金属隔離剤を含有する請
    求項1記載のキット。
  5. 【請求項5】染料が、マラカイトグリーン、メチルグリ
    ーン、ギアナグリーンB、エチルバイオレット、酸性フ
    クシン、塩基性フクシン、パラロサニリンクロリド、パ
    ラロサニリンアセテート、オーリンナトリウム塩、およ
    びその付加塩からなる群から選択される請求項1記載の
    キット。
  6. 【請求項6】固体マトリックスが多孔質の紙からなる請
    求項1記載のキット。
  7. 【請求項7】固体マトリックスがポリビニルアルコール
    からなる請求項1記載のキット。
  8. 【請求項8】色コントラスト剤が固体マトリックスに付
    着されている請求項1記載のキット。
  9. 【請求項9】分析プレートの近傍に酵素毒を含む蓋部が
    さらに設けられている請求項1記載のキット。
  10. 【請求項10】患者から採取した体液試料中におけるア
    スパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の上昇
    レベルに相関のある疾患を同定するための分析キットで
    あって、 容器に入れられた既知量のシステインスルフィン酸(CS
    A)緩衝水溶液; サルファイトイオンに対しては反応性であるが、CSAお
    よびASTの両方に対しては非反応性であるトリアリール
    メチン系染料を含み、該体液試料と少なくとも1回の分
    析を行うのに適当な該CSA溶液の一部とを保持するのに
    充分な容量を有する分析用ウェルを複数個備えた分析プ
    レートを含む内容物からなる分析キット。
  11. 【請求項11】サルファイトイオンに対しては反応性で
    あるが、CSAおよびASTの両方に対しては非反応性である
    トリアリールメチン系染料を含む分析用ウェルを複数個
    備えた、ASTの上昇レベルに相関のある病気を同定する
    ための分析プレート。
  12. 【請求項12】哺乳類から採取した体液試料中における
    アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の量
    を測定する方法であって、 AST反応条件下で、哺乳類から採取した体液試料を、AST
    の基質であるシステインスルフィン酸(CSA)、並び
    に、ASTおよび該基質CSAの両方に対して実質的に非反応
    性である指示薬のトリアリールメチン系染料と、該基質
    CSAの少なくとも一部が、該指示薬トリアリールメチン
    系染料と反応してシグナル種を形成する生成物種に変換
    されるのに充分な期間にわたって接触させ、 形成されたシグナル種の量、そしてそれによって該試料
    中におけるASTの量を測定することからなり、ここに、
    該指示薬トリアリールメチン系染料が反応の間に可視的
    スペクトルの変化を示す測定方法。
  13. 【請求項13】シグナル種の形成速度を測定することを
    さらに包含する請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】指示薬と生成物種の反応の終点を測定す
    ることをさらに包含する請求項12記載の方法。
  15. 【請求項15】ASTの反応条件として、pHが約6.0〜約9.
    0の範囲内にある緩衝水性媒体が含まれる請求項12記載
    の方法。
  16. 【請求項16】患者のAST関連疾患を検出する方法であ
    って、患者から採取した体液試料をシステインスルフィ
    ン酸(CSA)と、CSAおよび該体液試料の両方に対して実
    質的に非反応性であるサルファイト反応性化合物の存在
    下で接触させ、該サルファイト反応性化合物の反応を検
    出することからなる検出方法。
  17. 【請求項17】疾患が歯周疾患であり、試料が歯肉滲出
    液からなる請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】試料が血清からなる請求項16記載の方
    法。
  19. 【請求項19】サルファイト反応性化合物の反応速度を
    測定することをさらに包含する請求項16記載の方法。
  20. 【請求項20】サルファイト反応性化合物の反応の程度
    を測定することをさらに包含する請求項16記載の方法。
  21. 【請求項21】サルファイト反応性化合物がトリアリー
    ルメチン系染料である請求項16記載の方法。
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