JP2508413B2 - 活性土壌微生物群とその代謝産物濃縮抽出液及びその製造方法 - Google Patents

活性土壌微生物群とその代謝産物濃縮抽出液及びその製造方法

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JP2508413B2
JP2508413B2 JP4550091A JP4550091A JP2508413B2 JP 2508413 B2 JP2508413 B2 JP 2508413B2 JP 4550091 A JP4550091 A JP 4550091A JP 4550091 A JP4550091 A JP 4550091A JP 2508413 B2 JP2508413 B2 JP 2508413B2
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  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
  • Fertilizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は農業用地,芝地等におけ
る土壌を腐植に導くために用いられる活性土壌微生物群
とその代謝産物濃縮抽出液及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】耕作農地やゴルフ場における芝地,公園
その他の緑地において、植物を育成するための肥料とし
て液肥が用いられる。ここで、近年用いられている液肥
は化学肥料を水に溶解させたものであって、この液肥は
散布することにより施用することができるという便利性
から、また養分が葉面から吸収させることができるとい
う利点もあるところから、近年益々多用される傾向とな
っている。液状の農業用素材としては、これ以外にも、
農薬,除草剤等も用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】液肥は化学肥料からな
るものであることから、その施用には当然にある種の弊
害を伴い、しかもこの化学肥料は養分を可給態で供給す
るものであることから、その大半が土中に蓄えることが
できず、無駄に流出してしまう。このために作物等にと
って必要とする量以上に多量の液肥を散布しなければな
らなくなる。一方、農薬は本質的に毒性を有するもので
あって、その使用には細心の注意を必要とし、最小限の
使用に留めなければならないが、現実は農薬等の施用に
おいては、かかる配慮が十分になされているとは言えな
い。特に、近年における化学肥料,農薬,除草剤等の乱
用によって、自然破壊を惹起せしめ、土壌における地力
を低下,減退させると共に、土壌中に棲息する微生物群
のバランスが崩れて、病害虫の発生を惹起する等、植物
の生育にとって極めて環境が劣悪になってきている。こ
のような状況下で作物の収穫を確保するには、さらに多
量の化学肥料,農薬等を用いる必要があり、土壌の疲弊
がさらに著しくなってきている。とりわけ、ゴルフ場に
おける芝地の管理等のように、耕作農地以外の緑地で
は、施用が容易なことから、液肥や農薬等が著しく安易
に、しかも多量に散布され、これが原因となって、環境
破壊,水質汚染等の農業公害の広がりという大きな社会
問題ともなっている。
【0004】叙上の点に鑑みて、本発明者は前述したよ
うな弊害のない農業用の素材を開発するために鋭意研究
を行った。そもそも土地が肥沃であれば、化学肥料を施
用しなくとも植物は十分に生育するもので、また農薬等
を一切使わなくとも、病害虫等が発生することはない。
そこで、土壌について着目すると、土壌はあらゆる動植
物を育み、かつすべての動植物は死して土に帰る、とい
うように、動植物の遺骸その他の有機物は、土壌中にお
いて無機物と土壌腐植とに変性される。この腐植物質が
多量に含まれている土壌が肥沃な土壌であり、格別肥料
等を供給しなくとも、作物等の生育が促進される。ま
た、腐植物の持つ化学的,物理的な機能によって、有害
な金属イオンや非金属系の有害物質の除去能力を発揮
し、かつ生物バランスが良好に保たれることにより病害
虫の発生が抑止される。このような有機物を腐植化に導
く上で最も重要な役割を果すのは、土壌微生物群であ
り、この土壌微生物群が本来の活動を十分に発揮させる
ために決定的な役割を果たすのが、ある種のミネラルで
あり、良質の水である。
【0005】微生物群の有機物に対する働きは、大きく
分けると、分解と縮合である。そこで、微生物群による
有機物の変性の過程を図1に示す。この図から明らかな
ように、有機物のうち、セルロース,リグニン等の炭水
化物は、フェノール系諸化合物を経て、また蛋白質はア
ミノ酸,ペプチド等を経て、尿素,アンモニア,空気,
水等に変わる。これと併行して生成され中間生成物が再
度縮合して、最終的に腐植物が形成される。
【0006】自然の浄化作用がそうであるように、腐植
への誘導は、動植物の遺骸等を速やかに土壌有機物と良
質な水とに変え、その結果として雑菌の繁殖を抑制し、
腐敗への回路を絶つことができる。また、本来の土壌に
おいては、腐植物のキレート効果によって作物にとって
有害なイオンが除去され、有害金属や非金属有害物質等
が無害化され、さらに土壌は保水・保肥力を発揮する。
しかも、土における腐植化反応を促進させることは、過
剰な農薬等の投与によって破壊された土壌の団粒構造を
回復させるばかりでなく、土壌構成物質そのものをソフ
ト化し、土の肥沃化が達成されるのである。
【0007】そもそも、土壌中には作物の育成にとって
必要な窒素成分以外の諸要素は極めて多量に含まれてお
り、この各種の要素は土壌微生物及びその代謝産物の働
きにより作物の必要に応じて適宜供給されることにな
る。また、窒素系の養分は、土壌微生物群の中に所属す
る空中窒素固定バクテリアにより空中から無限に供給さ
れる。従って、土壌環境をある種の条件下に整えれば、
土壌微生物の活動が活発になり、化学肥料や農薬等を用
いなくとも、植物の生育に必要な諸養分が供給され、ま
た腐植のセルフコントロール作用によって有害金属や非
金属系の有害物質を除去することができ、さらに土壌の
団粒構造の形成が可能となる。
【0008】本発明は以上の点に着目してなされたもの
であって、その目的とするところは、土壌を腐植に誘導
するのに必要な条件を人工的に造り出すことができる素
材、即ち活性土壌微生物群とその代謝産物濃縮抽出液及
びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ために、本発明は次のような手段を採用した。即ち、活
性土壌微生物群とその代謝産物濃縮抽出液としては、腐
植物を含有するコンポストから抽出した土壌微生物群及
びその代謝産物と、この土壌微生物を活性化させるため
に、安山岩,玄武岩,蛇紋岩,カンラン岩の1種類また
は2種類以上の混合物、または硅藻土からなる造岩鉱物
から溶融したミネラルとを含み、固形の有機物質を除去
した水溶液から構成したことをその特徴とするものであ
る。また、その製造方法としては、腐植物を含有するコ
ンポストを水に溶解させて、このコンポストに含まれる
土壌微生物群及びその代謝産物を未分解有機物と共に溶
出させ、固形の有機物質を除いた微生物溶存水溶液に安
山岩,玄武岩,蛇紋岩,カンラン岩の1種類または2種
類以上の混合物、または硅藻土からなる造岩鉱物を混合
して、この造岩鉱物に含まれるミネラルを活性化触媒と
して、土壌微生物群による未分解有機物の腐植化反応を
起こさせることにより、土壌微生物群及びその代謝産物
とミネラルとを含む水溶液を得るようにしたことを特徴
とするものであり、さらに腐植物を含有するコンポスト
を水に溶解させて、攪拌することによって、このコンポ
ストに含まれる土壌微生物群及びその代謝産物を未分解
有機物と共に溶出させ、この水溶液を固・液分離するこ
とによって微生物溶存水溶液を生成し、この微生物溶存
水溶液に安山岩,玄武岩,蛇紋岩,カンラン岩の1種類
または2種類以上の混合物、または硅藻土を混合して、
この造岩鉱物に含まれるミネラルを活性化触媒として、
土壌微生物群による未分解有機物の腐植化反応を起こさ
せ、腐植化反応の結果得た土壌微生物群及びその代謝産
物とミネラルとを含む水溶液を固・液分離するようにし
たことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】既に説明したように、土壌を腐植に誘導するの
は、としての土壌微生物の作用であり、またこの土壌
微生物群の活動を活発に行わせるためには、ある種のミ
ネラルと良質な水が必要である。従って、土壌環境を整
えて、土壌微生物群が本来の活動を行うことができる条
件を造り出しておけば、肥料や農薬等を使用する必要が
なく、またこれらを使用するにしても、その量を極端に
少なくすることができる。
【0011】まず土壌微生物に着目すると、本発明にお
いては、個々の土壌微生物を問題にするのではなく、群
としての土壌微生物を用いる。土壌中には何億種類もの
土壌微生物が棲息していると推測され、このうちのどの
菌が腐植化反応に関与するのかは明確ではない。微生物
群の代謝活動を考えても、条件によっては好気的にもな
るし、嫌気的にもなる等というように、微生物の働きは
条件等により多様に変化する。以上のことから、微生物
を種の群による総合的な作用として捕らえ、この土壌微
生物群のうちの特定の菌種のものを用いるようにはしな
い。要は、土壌の腐植化を促進するものである以上、腐
植化が促進されているもの、即ち活性化腐植物から土壌
微生物を取得する。
【0012】ここで、この活性化腐植物としては高度に
管理した状態で製造した高熟成度コンポストを用いれば
よい。この高熟成度コンポストは、旧来から広く行われ
ている堆肥や厩肥の製造方法に従って得られるものであ
って、そのコンポスト化に際しては、十分な切り返し等
を行い、かつそれを完熟させるというように高度に管理
した状態で行われたものを用いる。また、これ以外に
も、種々の方法で製造されたコンポストも利用できる
が、それらのうち熟成度の高い完熟状態のもの、即ち腐
植化が進み、腐植物を多量に含有するものを用いるのが
好ましい
【0013】次に、この土壌微生物群を活性化するため
のアクティベータとして諸造岩鉱物に着目した。そもそ
も、土壌微生物群はシリケート系ミネラルの制圧下とい
う条件において良好な生存状態となる。また、土壌微生
物群の代謝活動は諸造岩鉱物を可給態の養分に変える。
即ち、土壌はシリケートと腐植物質との混合物であり、
シリケートは造岩鉱物が分解されたものである。微生物
は各種の造岩鉱物を溶解して、これを可溶態に変える。
この造岩鉱物中には地球上に存在する全てのミネラル元
素がバランスよく存在しており、このような状況を人為
的に造り出すことは不可能である。そこで諸造岩鉱物を
微生物の活性化触媒、即ちアクティベータとして利用す
ることによって、迅速な腐植化反応が実現され、この活
性腐植系農業用素材の大規模で効率的な生産を可能なら
しめる。造岩鉱物としては、安山岩,玄武岩,蛇紋岩,
カンラン岩の混合物が用いられ、特に風化が進んでいな
い新鮮で、活性なものを粉状にしたもの、またはそれら
の火山ガラスが好適に用いられる。また、硅藻土は各地
層の鉱物を含むことから、各種のミネラル元素が存在
し、しかも粉体で水によく溶解するものであることか
ら、この硅藻土をアクティベータとして用いることもで
きる。
【0014】而して、安山岩,玄武岩,蛇紋岩,カンラ
ン岩等の諸造岩鉱物を粉体状にしたシリケート粉や、硅
藻土を活性化触媒として用いてバイオリアクティングを
行わせる。そして、このバイオリアクティングは緩やか
な曝気を行うようにして、活性調整を行う。ここで、バ
イオリアクティング工程においては、まず分解酵母菌を
はじめとする有機物を低分子化させる微生物群の作用に
よって、図1に示した中間生成物が生成され、次いでこ
の中間生成物が土壌微生物の働きにより縮合高分子化が
行われて、最終生成物としての腐植の生産が行われる。
このバイオリアクティングのための活性化触媒として、
シリケート粉を用いる場合には、このシリケート粉の添
加量は原料としてのコンポストに対して重量比で約0.04
%とする。このシリケート粉の添加量がこれ以下では、
前半の分解低分子化反応が促進され過ぎて、後半の高分
子化反応(縮合生成反応)が阻害される。また、シリケ
ート粉の添加量をこれより多くすると、前半の分解低分
子化反応が妨げられて、後半の高分子化反応の原料が生
産されないことになり、結果として土壌化が進行しない
ことになり、バイオリアクティングが不十分で、土壌微
生物群の活性化を図れなくなる。また、曝気は必要であ
るが、曝気量が多くなると、土壌微生物の有機物に対す
る分解反応が促進されるので、歩留を考慮すれば、ある
程度弱い曝気状態にする方が好ましい。
【0015】そこで、活性土壌微生物群とその代謝産物
濃縮抽出液を製造する方法としては、まずコンポストを
用いる。コンポストは有機物の供給源となるものであ
り、腐植物を高い濃度で含む高熟成度のものが好まし
い。このコンポストを水と混合することによって、コン
ポスト内に含まれている土壌微生物群とその代謝産物及
び未分解の有機物を水中に溶出させる。そして、この微
生物溶存水溶液に混合諸造岩鉱物におけるミネラル有効
成分を混合することによって、バイオリアクティング作
用を発揮させ、土壌微生物を活性化させて、水溶液中に
含まれる有機物に対して腐植化反応を生じさせる。ここ
で、混合諸造岩鉱物としては、異なる地層から得られる
安山岩,玄武岩,蛇紋岩,カンラン岩をそれぞれ粉末に
したシリケート粉または硅藻土を用いることができる。
【0016】而して、まずコンポストを水に溶解させる
第1の槽を設けて、この第1の槽においてコンポスト内
の土壌微生物群とその代謝産物及び未分解の有機物を水
中に溶出させる。そして、この溶液における固形物を沈
殿させて、固・液分離を行わせ、その上澄液を第2の槽
に移し、この第2の槽内に混合諸造岩鉱物からなるシリ
ケート粉または硅藻土を添加してバイオリアクティング
を行わせる。このバイオリアクティングはエアレーショ
ンを行うことによって弱い曝気を与え、これによって、
土壌微生物とミネラル有効成分との間の接触がさらに良
好になると共に、微生物を弱い好気性雰囲気下に置くこ
とができ、その活性化がより図れて、微生物溶存水溶液
中における未分解の有機物が最終的に腐植に誘導され
る。
【0017】ここで、第1の槽から第2の槽に移行させ
るときに、水中に溶解していない固形の有機物が移行し
ないようにしなければならない。固形の有機物が第2の
槽に持ち込まれると、溶融した有機物の腐植化反応を終
了させた後においても、この固形有機物が徐々に溶解し
て、土壌微生物群によってこの溶解した有機物の反応が
継続することになり、抽出液の安定性が損なわれること
になる。
【0018】前述のようにして得た活性土壌微生物群と
その代謝産物濃縮抽出液は、土壌微生物が群として、し
かも極めて高濃度で棲息し、かつその代謝活動による代
謝産物とミネラルとが溶解し、固形の有機物質を含まな
い水溶液である。従って、土壌改善を行うための条件で
ある土壌微生物,ミネラル有効成分及び良質な水からな
るものである。従って、これを圃場や緑地等に直接散布
して施用することができる。また、活性状態にある土壌
微生物群及びその代謝産物とミネラルが極めて高い濃度
で存在している点に着目して、これを種苗液として、例
えば稲藁等の農業廃棄物,畜糞等の畜産廃棄物や、その
他生活廃棄物,排水処理汚泥等の有機質原料に、硅藻土
等のシリケートと共に添加することによって、良質のコ
ンポストを極めて短期間の間に高度に熟成させるために
用いることができる。また、圃場や緑地等に施用する場
合においては、良質のコンポストを施用して土壌環境を
整えた上で散布するのが最も効果的である。ここで、こ
の培養液を希釈して用いる。この希釈液は、間接的には
土壌の有機物を腐植化(土壌の自己増殖機能)方向へと
誘導することができ、直接的には電離フェノールの抗菌
性,抗虫効果を伴うバイオ農薬としての機能を発揮させ
ることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。まず、図2に活性土壌微生物群とその代謝産物濃
縮抽出液を製造するための装置構成を示す。図中には、
第1,第2及び第3の3つの槽1,2,3が設けられて
いる。第1槽1は水とコンポストとを混合するための槽
であって、内部には撹拌翼4が設けられている。第2槽
2はバイオリアクティングを起こさせるための槽で、こ
の第2槽2には第1槽1から固・液分離した上澄液が移
されると共に、この土壌微生物を活性化させるために、
シリケートの新鮮な粉体または硅藻土が添加されるよう
になっている。また、この第2槽2にはエアレーション
手段5が設置されており、このエアレーション手段5に
よって槽2内を弱い曝気状態にすることができる。さら
に、第3槽3は再度の固・液を分離するための槽であ
る。そして、第3槽3に接続した液取出し用の配管6の
途中には、異物を取り除くためのフィルタ7が装着され
ると共に、コック8が設けられている。
【0020】以上のような装置構成によって、活性土壌
微生物群とその代謝産物濃縮抽出液を製造するには、ま
ず第1槽1に水を入れると共に、容積比で約3%のコン
ポストを投入する。ここで、投入されるコンポストは高
度に管理して製造した高熟成度のものを用いる。そし
て、撹拌翼4によって十分に撹拌を行って、コンポスト
を完全に溶解させる。この状態で1昼夜放置する。これ
によって、土壌微生物とその代謝産物、及び未分解の有
機物を大量に含んだ腐植物がほぼ飽和状態になるまで溶
解した水溶液が得られる。
【0021】次に、この第1槽1を固・液分離して、固
形の有機物を含む固形成分から分離した上澄液を第2槽
2に移し、この第2槽2においてシリケートを主成分と
する岩石の新鮮な粉体を溶液に対して重量比で0.04%程
度混合するか、または硅藻土を混合する。そして、2昼
夜にわたってエアレーション手段5により弱い曝気状態
を維持して土壌微生物群の活性化を図る、所謂バイオリ
アクティングを行わせる。
【0022】さらに、これを第2槽2の上澄液を第3槽
3に移して約1日放置することによって、固形物を沈殿
させる、固・液分離を行わせる。そして、この上澄液を
配管6からフィルタ7を介して取出すことによって、極
度に活性化された土壌微生物が極めて高い濃度で溶存す
る活性土壌微生物群とその代謝産物濃縮抽出液が得られ
る。さらに、この培養液を目的に応じて農業用総合ミネ
ラルを安定化希釈して混合することができる。
【0023】ここで、前述した第2槽におけるバイオリ
アクティングは、単一の槽2によって行ってもよいが、
図3に示したように、バイオリアクティング工程をそれ
ぞれエアレーション手段5を備えた複数槽(図面におい
ては4つの槽2a〜2d)を用いて行うようにすることもで
きる。この場合には、第1のバイオリアクティング槽2a
には、第1槽1からの液が注入されると共に、シリケー
トを主成分とする岩石の新鮮な粉体または硅藻土を混合
する。そして、この上澄液を第2のバイオリアティング
槽2bに移して、所定時間バイオリアクティングを行わ
せ、次いでこの上澄液を第3のバイオリアクティング槽
2cに移して、第2のバイオリアクティング槽2bと同じく
バイオリアクティングを行わせ、その上澄液を第4のバ
イオリアクティング槽2dに移行させて、バイオリアクテ
ィングをさらに進行させるようにすることもできる。こ
のように構成すれば、固・液分離がより完全に行われ、
第3槽3に上澄液を移行させたときには、ほぼ完全に固
体成分を除くように精製することができる。
【0024】前述のようにして製造された活性土壌微生
物群とその代謝産物濃縮抽出液は、農業廃棄物,畜産廃
棄物,生活廃棄物,排水処理汚泥等の有機質原料を基に
して高品質コンポストを製造するための種苗液として用
いることができる。また、耕作農業においては、花芽分
化,成長促進,低温対策や、収穫物の高品質化,土壌改
良等を目的として各種の用途に選択的に、また総合的に
使用することができる。さらに、土壌改良の中で、特に
有機物の土壌化反応を促進させる機能をもつことの副産
物として、土壌の自己増殖活動の属性である抗菌,抗虫
機能を有し、所謂バイオ農薬としての機能も果たすこと
になる。
【0025】そこで、この活性土壌微生物群とその代謝
産物濃縮抽出液を用いて、圃場試験を行った結果を図4
及び図5に示す。図4は小松菜栽培時の生育状態、図5
は高麗芝栽培時の生育状態である。これら両図におい
て、は肥料等を施用しない無処理状態での生育状態、
は化学肥料をそれぞれ標準施用量用いた場合の生育状
態、は高品質コンポストを単独で用い、10a当たり2
トン施用した場合の生育状態、は本発明によって製造
した濃縮抽出液のみを散布した場合の生育状態、は高
品質コンポストを10a当たり2トン施用すると共に、こ
の濃縮抽出液の希釈液を葉面に散布した場合の生育状態
である。これらの図から明らかなように、本発明により
製造された濃縮抽出液を高品質コンポストと共に用いれ
ば、小松菜及び高麗芝のいずれの生育も著しく良好であ
る。なお、原料として使用したコンポストは牛糞を主成
分としたものを、また造岩鉱物としては硅藻土を用い、
腐植反応を行う際のエアレーションは1立方メートル/
時間行わせた結果、製造したものである。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明により製造
される活性土壌微生物群とその代謝産物濃縮抽出液は、
土壌微生物群とその代謝産物及びとミネラルが溶解した
安定な水溶液であるから、土壌を腐植に誘導するのに必
要な条件を人工的に造り出すことができる有用な素材と
してコンポストを製造上での種苗液として、また直接圃
場,緑地その他に施用することによって、作物の生育促
進,土壌改善等に資するところが極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】土壌微生物の関与による有機物の変性過程を示
す説明図である。
【図2】本発明による活性土壌微生物群とその代謝産物
濃縮抽出液を製造する工程の一実施例を示すフローチャ
ート図である。
【図3】本発明による活性土壌微生物群とその代謝産物
濃縮抽出液を製造する工程の他の実施例を示すフローチ
ャート図である。
【図4】本発明により製造された農業用素材を用いて小
松菜の生育試験を行った結果を化学肥料を用いた場合等
と比較して示す線図である。
【図5】本発明により製造された農業用素材を用いて高
麗芝の生育試験を行った結果を化学肥料を用いた場合等
と比較して示す線図である。
【符号の説明】
1 第1槽 2 第2槽 3 第3槽 4 撹拌翼 5 エアレーション手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C05F 17/00 (C05F 17/00 3:00 3:00 11:02) 11:02)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 腐植物を含有するコンポストから抽出し
    た土壌微生物群及びその代謝産物と、この土壌微生物を
    活性化させるために、安山岩,玄武岩,蛇紋岩,カンラ
    ン岩の1種類または2種類以上の混合物、または硅藻土
    からなる造岩鉱物から溶融したミネラルとを含み、固形
    の有機物質を除去した水溶液からなる活性土壌微生物群
    とその代謝産物濃縮抽出液。
  2. 【請求項2】 腐植物を含有するコンポストを水に溶解
    させて、このコンポストに含まれる土壌微生物群及びそ
    の代謝産物を未分解有機物と共に溶出させ、固形の有機
    物質を除いた微生物溶存水溶液に安山岩,玄武岩,蛇紋
    岩,カンラン岩の1種類または2種類以上の混合物、ま
    たは硅藻土からなる造岩鉱物を混合して、この造岩鉱物
    に含まれるミネラルを活性化触媒として、土壌微生物群
    による未分解有機物の腐植化反応を起こさせることによ
    り、土壌微生物群及びその代謝産物とミネラルとを含む
    水溶液を得ることを特徴とする活性土壌微生物群とその
    代謝産物濃縮抽出液の製造方法。
  3. 【請求項3】 腐植物を含有するコンポストを水に溶解
    させて、攪拌することによって、このコンポストに含ま
    れる土壌微生物群及びその代謝産物を未分解有機物と共
    に溶出させ、この水溶液を固・液分離することによって
    微生物溶存水溶液を生成し、この微生物溶存水溶液に安
    山岩,玄武岩,蛇紋岩,カンラン岩の1種類または2種
    類以上の混合物、または硅藻土を混合して、この造岩鉱
    物に含まれるミネラルを活性化触媒として、土壌微生物
    群による未分解有機物の腐植化反応を起こさせ、腐植化
    反応の結果得た土壌微生物群及びその代謝産物とミネラ
    ルとを含む水溶液を固・液分離するようにしたことを
    徴とする活性土壌微生物群とその代謝産物濃縮抽出液の
    製造方法。
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