JP2507499Y2 - 写真台紙 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は比較的少ない枚数の写
真を収容するための写真台紙に関するもので、たとえば
結婚式や出産等の際にそれを記念する写真を体裁良く収
容するのに適した写真台紙に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の写真台紙として従来各種のもの
が使用されている。最も一般的なものは見開き折り線に
よって開閉自在にした板紙の見開き折り線を挟む一方の
面にポケットを設け、このポケットに写真を半没状態で
挿入し、見開き折り線を挟む他方の面の外側を表紙面と
したものである。また見開き折り線を挟む板紙の一方の
面に写真を貼り付け、その上から窓を設けた覆い紙を重
ね合わせて貼りつける構造の写真台紙も従来から用いら
れている。

【０００３】またアルバムに綴じ込む写真台紙として、
板紙の表面に線状ないし点状に粘着剤層を設け、この板
紙の一辺にその表面を被う透明シートを貼着した構造の
ものが用いられており、このようなアルバム用の写真台
紙の構造を二つ折りの板紙の内側面に形成してその外側
面を表紙とすることにより、簡易な写真台紙を形成する
ことができる。また簡易なアルバムの写真台紙の他の構
造として、透明プラスチックフィルムで写真を挿入する
ポケットを形成した写真台紙が知られており、このよう
な写真台紙を二つ折りにした板紙の内側面に貼り付ける
ことによって、簡易な写真台紙を形成することも可能で
ある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら上記第１
の構造のものは、写真が容易に台紙から抜け落ち、また
ポケットから引き出さなければ写真の全体を見ることが
できず、通常は１枚の写真のみしか収容できない構造で
あるため、写真を台紙上に体裁良く配置するということ
もできず、結婚式等の記念の写真を収容する台紙として
は不満足なものであった。また上記第２の構造のもの
は、収容した写真を交換することができないばかりでな
く、台紙への写真の貼り込みが面倒で、特に複数枚の写
真を収容しようとすると、写真の収容作業が非常に面倒
になり、写真の配置を変えることもできないという問題
があった。

【０００５】また上記第３の構造のものは台紙上に写真
を自由に配置することができ、また写真の交換も自由に
できるが、写真が載っていない部分に板紙の線状ないし
点状の粘着剤が見えるため、写真の見栄えが悪く、また
写真の周囲の余白部分に装飾模様や記念のメモを記載す
ることも困難であるという欠点がある。更に上記第４の
構造のものは、台紙への写真の収容が極めて容易で、写
真の交換も簡単にできるという長所はあるが、全体とし
て美観に乏しく写真の配置態様も制限され、前記第３の
ものと同様に写真の余白部分に装飾模様やメモを記載す
ることも困難で、記念の写真を収容する台紙としては不
満足なものであった。

【０００６】この考案は以上の問題点を解決するために
なされたもので、写真の収容および交換を簡単に行うこ
とができ、全体として非常に体裁の良いものを作ること
ができ、また写真の余白部分に装飾模様やメッセージな
どを容易に記載することができる写真台紙を提供するこ
とを課題としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本考案の写真台紙は、写
真台紙を見開き状に開閉するための見開き折り線２を備
えた板紙１にその見開き折り線２側の裏押さえ面６とそ
の外側の覆い面５とを折り返し線３で一体に連接して設
け、覆い面５に窓４を設けるとともに各窓４のさらに外
側に窓４の縦方向側辺と平行でかつ窓４の縦方向寸法よ
り長い切込線７を設け、上記板紙の覆い面５を裏押さえ
面６に２枚重ねに折り込み、切込線７と窓４との間の部
分を含む窓の周囲領域１３を除いた部分で上記裏押さえ
面６と覆い面５とを貼着したことを特徴とするものであ
る。覆い面５に窓４を複数個形成し、裏押さえ面６が折
り重ねられたときに覆い面の窓４に対応する部分８に罫
線その他のメッセージ記載用の装飾模様９、１０を設け
ることができる。

【０００８】本考案の写真台紙は、板紙１に設けた折り
返し線３を挟む一方側の覆い面５に形成した窓４の周囲
領域の板紙面を若干段違いとする矩形枠状の段差１２を
形成し、この段差１２の一辺に切込線７を設け、上記覆
い面５を折り返し線３で折り返して折り返し線３の他方
側の裏押さえ面６とを重ね合わせ、上記窓４の周囲領域
を除く部分で両者５、６を貼着したことを特徴とするも
のである。

【０００９】

【作用】収容しようとする写真は、切込線７から写真台
紙の裏押さえ面と覆い面の間に挿入される。挿入された
写真は窓４を通して視認することができ、挿入された写
真の周囲は板紙の裏押さえ面６と覆い面５との間で挟ま
れた状態となり、写真が定位置に保持される。

【００１０】窓４の周囲に矩形の周囲領域１３を設けた
実施例によれば、この周囲領域１３を挿入しようとする
写真の大きさより遊隙分だけ大きくすることにより、裏
押さえ面６と覆い面５との間への写真の挿入がより容易
となり、写真の傾きも防止でき、また段差１２により写
真の周囲に額縁状の膨出部が形成されて写真をより引き
立たせるばかりでなく、切込線７を段差１２の一辺と一
致させることによって、切込線７を目立たなくすること
ができる。また切込線７を段差１２の一辺と一致させて
設けることにより、写真の抜け落ちを防止しながら写真
の装脱をより容易にできる。特にこのような窓４の周囲
に段差１２を設けた構造は、紙厚の厚いインスタント写
真を収容する写真台紙として好適である。

【００１１】また複数の窓を設けた写真台紙において、
裏押さえ面６の窓４に対応する部分８、すなわち写真を
入れなかったときに窓４から見えることとなる裏押さえ
面の部分にメッセージを記載するための装飾ないし罫線
９、１０を設けることにより、例えば３つの窓を有する
台紙に写真を２枚しか貼らない場合など、残った窓の部
分をメッセージ記入欄として利用することができる。

【００１２】

【実施例】図１は見開き状にして複数枚の写真を収容で
きるようにした第１実施例を示したもので、図２に示す
ように細長い矩形の板紙１の中央に見開き折り線２を設
け、その両側の幅寸法で約１／４の長さのところに見開
き折り線２と平行な折り返し線３を設け、折り返し線３
の外側の領域に窓４を設けて覆い面５とし、折り返し線
３と見開き折り線２との間の領域を裏押さえ面６とした
ものである。この板紙１の図２の裏側となる部分は、写
真台紙としたときの表紙、裏表紙および覆い面の表面と
なる部分であるので、この表紙側となる板紙の面に予め
各種の装飾や表題などを印刷し、その後見開き折り線２
および折り返し線３を刻設し、窓４を打ち抜くととも
に、窓の縦方向側辺と平行で窓の縦方向寸法より長い切
込線７を切り込み、切込線７と窓４との間の部分を含む
窓の周囲領域１３を除く部分に接着剤を塗布して、折り
返し線３で折って覆い面５と裏押さえ面６とを貼着する
ことにより、この考案の写真台紙が形成される。

【００１３】なお図示実施例の写真台紙は、裏押さえ面
６の窓４に対応する部分８に写真を収容しないときにメ
ッセージを記載するためのタイトル欄９と罫線１０を印
刷してある。この印刷は板紙１の裏面側に印刷しなけれ
ばならないため、印刷工程が１工程増える。従って写真
台紙をより安価に提供したいときにはこのような印刷を
行わないのが良い。

【００１４】図１ないし図５は窓４の周囲に段差１２を
設けたインスタント写真用の写真台紙を示したものであ
る。この第２実施例のものは、中央に折り返し線３を設
けた板紙の一方の面（覆い面）５に１個の窓４を設ける
とともに、窓４の周囲をブレスによりエンボス加工を行
い、それによって生じた矩形の段差１２の一辺に沿って
切込線７を設けたものである。

【００１５】覆い面５はエンボス加工を施した周囲領域
１３以外の領域を接着剤で裏押さえ面６に貼り付けるこ
とによってカード状に形成される。この第２実施例のも
のは覆い面５の窓４の下方にタイトル欄９が設けてあ
り、特にインスタント写真などを撮ってすぐにプレゼン
トするときなど、素人でも容易に写真を体裁良く表装す
ることができ、また紙厚の厚いインスタント写真も容易
に収容できるという特徴がある。

【００１６】なお裏押さえ面６にエンボス加工を施した
窓を複数個設けた板紙によって第１実施例に示すような
写真台紙を形成することももちろん可能である。

【００１７】

【考案の効果】この考案の写真台紙は、写真の周囲が窓
の周囲部分で隠され、挿入した写真の縁が見えなくなる
ため写真を体裁良く収容することができ、また額縁効果
によって写真の見栄えをより高めることができる。さら
に覆い面や窓の写真を挿入しない部分に各種の装飾模様
を施したりメッセージを記載することにより、写真をよ
り体裁良くスマートに見せることができ、構造が簡単で
台紙への写真の挿入も容易であるから、結婚式や出産な
どの記念となる写真を親戚や知人に配布する際の写真台
紙として非常に便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１実施例の見開き面の斜視図

【図２】第１実施例の台紙の展開平面図

【図３】この考案の第２実施例の斜視図

【図４】第２実施例の台紙の展開斜視図

【図５】台紙のエンボス加工部を示す断面図

【符号の説明】

１ 板紙 ２ 見開き折り線 ３ 折り返し線 ４ 窓 ５ 覆い面 ６ 裏押さえ面 ７ 切込線 ８ 窓に対応する部分 ９ タイトル欄 10 罫線 12 段差 13 周囲領域

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 写真台紙を見開き状に開閉するための見
   開き折り線(2) を備えた板紙(1) にその見開き折り線
   (2) 側の裏押さえ面(6) とその外側の覆い面(5) とを折
   り返し線(3) で一体に連接して設け、覆い面(5) に窓
   (4) を設けるとともに各窓(4) のさらに外側に窓(4) の
   縦方向側辺と平行でかつ窓(4) の縦方向寸法より長い切
   込線(7) を設け、上記板紙の覆い面(5) を裏押さえ面
   (6) に２枚重ねに折り込み、切込線(7) と窓(4) との間
   の部分を含む窓の周囲領域(13)を除いた部分で上記裏押
   さえ面(6) と覆い面(5) とを貼着したことを特徴とす
   る、写真台紙。
2. 【請求項２】 窓(4) を複数個形成した請求項１記載の
   写真台紙において、上記裏押さえ面(6) の折り重ねられ
   たときに覆い面の窓(4) に対応する部分(8)に罫線その
   他のメッセージ記載用の装飾模様(9)、(10)を設けた、請
   求項１記載の写真台紙。
3. 【請求項３】 板紙(1) に設けた折り返し線(3) を挟む
   一方側の覆い面(5)に形成した窓の周囲領域(13)の板紙
   面を若干段違いとする矩形枠状の段差(12)を形成し、こ
   の段差(12)の一辺に切込線(7) を設け、上記覆い面(5)
   を折り返し線(3) で折り返して折り返し線(3) の他方側
   の裏押さえ面(6) とを重ね合わせ、上記窓の周囲領域(1
   3)を除く部分で両者(5)、(6) を貼着したことを特徴とす
   る、写真台紙。