JP2506992B2 - 採血管 - Google Patents

採血管

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、血中の解糖による血糖の低下を速効的に阻
止することにより、血糖の初期値を維持し、かつ血糖検
査用検体と同一検体で同時に生化学検査か行なえる採血
管に関する。
(従来の技術) 各種の臨床検査や病理学的研究のため血液成分の測定
がなされている。これらの血液成分の測定の為に使用す
る採血管は、ガラス製もしくは合成樹脂製の採血管本体
と該採血管本体の口部に使用するゴム製もしくは合成樹
脂製の栓体とからなり、これら採血管には、その底部
に、検査目的に応じて予め解糖阻止剤、抗凝固剤その他
の薬剤が粉末、顆粒又は水溶液の状態で収容されている
ものがある。
一般に、血液成分の検査を行う場合には、採血から測
定まである程度の時間を要する。特に、大病院や検査セ
ンターなどでは、多数の検体を扱うため、検査業務の流
れからいっても採血後少くとも室温下で数時間保存され
ることは避けられないし、場合によっては集配されてき
た検体にいたっては、更に長時間保存されることがあ
る。
血中のグルコース(血糖)の測定は、糖代謝状態の検
査のための重要な測定項目である。
血糖検査の場合、採血後の保存期間中に解糖により血
糖値が低下し易いので、その抑制を目的として解糖阻止
剤が収容された採血管が利用されている。従来、解糖阻
止剤としてフッ化塩、モノハロゲン化酢酸金属塩、クエ
ン酸およびD−マンノースなどが知られている。しか
し、これらの公知の解糖阻止剤には以下のような問題点
があった。
フッ化塩とモノハロゲン化酢酸金属塩は、それぞれエ
ノラーゼ、グリセルアルデヒド−3−リン酸脱水素酵素
の作用を阻害することにより解糖阻止効果を有するが、
これらの酵素は解糖系の下位の酵素であるため、阻止効
果発現までに時間がかかり、その間に血糖が少し低下す
るので速効性に乏しいという問題があった。しかし、阻
止効果が1度発現すると、それ以後は持続的に血糖は維
持される。また、これらの解糖阻止剤は、血液検体に溶
血をおこす傾向があり、溶血すれば赤血球よりヘモグロ
ビンやカリウムが血漿中に漏出する。従って、この場合
は、これらの項目を正確に測定できない。さらに、比色
法を使用する血糖測定法においても誤差を与える。ま
た、これらの解糖阻止剤は、赤血球中の解糖系酵素の選
択的な阻害剤ではなく、酵素一般を阻害するため、血液
検体中の酵素成分の測定を行なえない。すなわち、これ
らの解糖阻止剤を使用すると、血糖検査と共に、カリウ
ムやナトリウムのような電解質や各種の酵素の検査のよ
うな、所謂生化学検査とを、同一検体を使用して同時に
出来ないという問題点があった。
クエン酸は、ホスホフルクトキナーゼという解糖系の
上位の酵素を阻害するので、速効的な解糖阻止効果を示
す。しかし、クエン酸は、強酸性(pH1〜2)なので、
血液と混合されると血液のpHが酸性(pH4〜5)とな
り、赤血球が変性し溶血が激しくおこる。溶血すると、
前述のフッ化塩やモノハロゲン化酢酸金属塩と同様に、
血糖と生化学検査を同一検体で同時に測定し得ない。
D−マンノースは、グルコースと同様にヘキソキナー
ゼの基質となるので、ヘキソキナーゼのグルコースの解
糖作用において、グルコースに競合する。このことによ
り、解糖を阻止するため、速効性がある。また、溶血を
おこすことがないので、血糖と生化学検査と同一検体で
一応は、同時に行なえる。しかし、血糖測定法のうち
で、最近多く使用されているグルコース脱水素酵素を用
いる方法では、基質特異性の低い酵素が使われている場
合、グルコースだけでなく、異性対のD−マンノースも
脱水素される。そのため正の誤差の原因になるという問
題点が残っている。例えば、グルコースデヒドロゲナー
ゼの基質特異性が低い場合、グルコース測定値が500〜1
000mg/dlという値となり、正常値の5〜10倍の正の誤差
を与える。
従って、フッ化塩、モノハロゲン化酢酸金属塩、クエ
ン酸またはD−マンノースなどが収容された採血管を使
用すると、血糖検査用検体と同一検体で同時に生化学検
査を正確に行うことができなかった。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、
その目的とするところは、血中の解糖による血糖の低下
を速効的に阻止することにより、血糖の初期値を維持
し、かつ血糖検査用検体と同一検体で同時に生化学検査
が、共に正確に行なえる採血管を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の採血管は、2−デオキシ−D−グルコースま
たはその誘導体が血液検体1mlあたり2.5〜15mgの割合と
なるように収容されていることが特徴であり、そのこと
により上記目的が達成される。
本発明の2−デオキシ−D−グルコース誘導体とは、
2−アミノ−2−デオキシ−D−グルコース(以下、D
−グルコサミン)、または2−アセトアミド−2−デオ
キシ−D−グルコースなどを云う。
使用される2−デオキシ−D−グルコースまたはその
誘導体の量は、血液検体1mlあたり、2.5〜15mg、好まし
くは5〜10mgとなるように採血管に加えられる。2.5mg
より少ないときは、速効的な解糖阻止効果が不完全であ
り、15mgより多すぎると、血液の浸透圧に異常をきたし
溶血をおこすことがある。
また、本発明の採血管に、更にヘパリン塩のような血
液抗凝固剤、または、トロンビンのような血液凝固促進
剤を加えることは任意である。
本発明の採血管は、次のようにして製造される。採血
管本体の材質は、ガラス製、合成樹脂製のどちらでもよ
い。合成樹脂製のものは、射出成形法によって製造され
るのが最も効率が良く、その他には、ブロー成形、圧縮
成形、トランスファー成形、真空成形、キャスト成形等
の適宜の方法によって製造される。
この採血管本体に、2−デオキシ−D−グルコースま
たはその誘導体(以下、該薬剤とする)が、粉末、顆粒
または水溶液の状態で収容された後、ゴム製もしくは合
成樹脂製の栓体で閉蓋される。また、該薬剤の粉末また
は顆粒を適当な溶媒に分散させたものを、ガラスや合成
樹脂製のペレットやビーズにコーティングし、このペレ
ットやビーズを採血管本体に収容してもよい。また、上
記の溶媒に分散したものを、採血管本体内壁にコーティ
ングしてもよい。
また、採血管は常圧のものばかりでなく、該薬剤が収
容された後、内部を減圧にすることにより所謂真空採血
管としてもよい。
また、該採血管内部に血漿(血清)分離剤を収容して
おくことは任意である。
本発明の採血管の使用方法は、上記のようにして製造
された採血管に、被採血者からの血液を加えた後、遠心
分離して血漿または血清分画を得、それを各種の検査の
検体として使用する。
(作用) 採血管に収容されている2−デオキシ−D−グルコー
スまたはその誘導体は解糖系のヘキソキナーゼによるグ
ルコース→グルコース−6−リン酸の反応において、D
−グルコースと競合する。そのため、グルコース−6−
リン酸の生成が阻害され、赤血球膜中へ入るグルコース
−6−リン酸の量が極端に減少する。つまり赤血球膜の
糖輸送機構が阻害される。このように、解糖系が初期の
段階で阻害されるため解糖阻止の速効性を有する。
また、2−デオキシ−D−グルコースまたはその誘導
体は、D−マンノースのように基質特異性の低いグルコ
ース脱水素酵素の基質でないので、グルコース値の正の
誤差を与えることがない。
また、2−デオキシ−D−グルコースまたはその誘導
体は、血液1mlあたり15mg以下で使用すれば、血液検体
を溶血させることもなく、生化学検査に悪影響をひき起
こさない。
(実施例) 以下に本発明の実施例につき説明する。
実施例1 内径が1.5cm、長さが11cmのポリエチレンテレフタレ
ート製の採血管本体を作り、その中にD−グルコサミン
30.0mgおよびヘパリンNa90uを収容した後、ブチルゴム
製の栓体で閉蓋して採血管とした。
この採血管に健常人からの新鮮血6mlを加え、閉蓋
後、転倒混和した。これを室温で、採血後4時間放置し
た。
次に3000rpmで5分間遠心分離し、血漿を採取した。
この血漿を使用して、次に示す20項目の生化学検査と血
糖の測定を行った。
チモール混濁試験(TTT),硫酸亜鉛試験(ZTT),ア
ルカリ性フォスフアターゼ(ALP),GOT,GPT,LDH,ロイシ
ンアミノペプチダーゼ(LAP),γ−GTP,クレアチンフ
ォスフォキナーゼ(CPK),尿酸(UA),β−リポ蛋白
(β−LP),血清総蛋白(TP),アミラーゼ(AMY),
クレアチニン(CRTN),血清コリンエステラーゼ(Ch
E),ビリルビン(Bil),アルブミン(Alb),Na,K,Fe 血糖は、協和メデックス社製のグルコース定量試薬
「デタミナ−GL−R」を用いて、グルコースデヒドロゲ
ナーゼ法によって測定した。原理は以下の通りである。
上記の酵素反応で生じるNADPH2を、反応速度(レート
アッセイ)法により340nmで測定した。
実施例2 実施例1の採血管本体に、D−グルコサミン60.0mgお
よびトロンビン30uを収容後、ブチルゴム製の栓体で閉
蓋して、採血管とした。
この採血管に健常人からの新鮮血6mlを加え、閉蓋
後、転倒混和した。
これを室温で、採血後4時間放置した。次に、3000rp
mで5分間遠心分離し、血清を採取した。この血清を使
用して、実施例1と同様の項目について測定を行った。
比較例1 D−グルコサミン6.0mgおよびヘパリンNa90uを収容し
て採血管とした以外は、実施例1と同様にして20項目の
生化学検査と血糖の測定を行った。
比較例2 D−グルコサミン120mgおよびトロンビン30uを収容し
て採血管とした以外は、実施例2と同様にして20項目の
生化学検査と血糖の測定を行った。
比較例3 D−マンノース30.0mgおよびヘパリンNa90uを収容し
て採血管とした以外は、実施例1と同様にして20項目の
生化学検査と血糖の測定を行った。
参考例 トロンビン30uを収容して採血管としたこと採血
管に血液を加え、血液の凝固後すぐに遠心分離して血清
を採取したこと以外は、実施例2と同様にして20項目の
生化学検査と血糖の測定を行った。
この参考例は、それぞれの測定項目における初期値
(ブランク)を測定するために行ったものである。
叙上の各実施例、比較例および参考例における生化学
検査値および血糖測定値を第1表に示した。
第1表より、実施例1〜2は、生化学検査20項目およ
び血糖の測定値において参考例(ブランク)と有意差は
ない。
比較例1はD−グルコサミンの使用量が少ないため、
少し血糖値の低下がみられた。比較例2はD−グルコサ
ミンの量が多すぎるので、少し溶血し、LDH、電解質(N
a,K)の測定値に影響を与えた。
比較例3はD−マンノースがグリコースデヒドロゲナ
ーゼにより分解され、血糖が正常値の5倍という異常高
値を示した。
(発明の効果) 本発明の採血管は、2−デオキシ−D−グルコースま
たはその誘導体が収容されているので、採血された血中
の解糖系が初期の段階で阻害されるため、血中の血糖の
低下を速効的に阻止することにより、血糖の初期値を室
温下で少くとも4時間維持し得、かつ血液を溶血させる
こともなく、また酵素一般の酵素作用を阻害することも
ないので、生化学検査のための検体調製にも適してい
る。
すなわち、血糖検査用検体と同一検体で同時に生化学
検査が行なえる検体を調製することができる。
また、2−デオキシ−D−グルコースまたはその誘導
体は、D−マンノースと違って、基質特異性の低いグル
コース脱水素酵素の基質にならないので、グルコース脱
水素酵素を使用する血糖測定法に使用されたとき、正確
な血糖値を得ることができる。
上述のように、本発明の採血管を使用すると、血糖と
生化学検査測定を同一検体で同時に正確に行なえる検体
を調製できるので、例えば、患者のような被採血者の血
液を無駄にすることなく有効に使用できるので、被採血
者の採血による精神的および肉体的負担を軽減できる。
血糖と共に多項目の生化学検査を同一検体で同時に測
定できるので、多項目自動分析機にかけることができ、
作業性や効率が上がる。更に、検査に必要な試験管や測
定機器も減らし得るので経済的でもある。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2−デオキシ−D−グルコースまたはその
    誘導体が血液検体1mlあたり2.5〜15mgの割合となるよう
    に収容されていることを特徴とする採血管。
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