JP2505391B2 - 補強用組紐およびそれを用いた管状繊維強化複合材料 - Google Patents
補強用組紐およびそれを用いた管状繊維強化複合材料Info
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- D04C1/00—Braid or lace, e.g. pillow-lace; Processes for the manufacture thereof
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- D10B—INDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBLASSES OF SECTION D, RELATING TO TEXTILES
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、繊維強化プラスチッ
ク(FRP)などの繊維強化複合材料における補強用組
紐、とくに管状繊維強化複合材料の成形に用いて好適な
補強用組紐に関し、さらに釣竿、ゴルフシャフト、テニ
スラケットフレームや自転車フレーム等を構成する、補
強用組紐を用いて成形した管状繊維強化複合材料に関す
る。
ク(FRP)などの繊維強化複合材料における補強用組
紐、とくに管状繊維強化複合材料の成形に用いて好適な
補強用組紐に関し、さらに釣竿、ゴルフシャフト、テニ
スラケットフレームや自転車フレーム等を構成する、補
強用組紐を用いて成形した管状繊維強化複合材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】釣竿、ゴルフシャフト、テニスラケット
フレームや自転車フレーム等を構成する管状FRPを成
形するにあたって、棒状の発泡体、ゴム管や金属のマン
ドレルなどの芯材を補強繊維からなる中空の丸打ち組紐
に挿入し、樹脂含浸した後金型に入れ成形することがよ
くある。
フレームや自転車フレーム等を構成する管状FRPを成
形するにあたって、棒状の発泡体、ゴム管や金属のマン
ドレルなどの芯材を補強繊維からなる中空の丸打ち組紐
に挿入し、樹脂含浸した後金型に入れ成形することがよ
くある。
【0003】この成形において、通常の丸打ち組紐を用
いると、補強繊維糸が±α°のバイアス方向にしか配向
していないため管状体の捩りの強度や剛性は大きくなる
が、管状体の長さ方向に補強繊維糸が配向していないの
で曲げの強度や剛性が小さい。曲げに対する補強として
補強繊維織物を裁断し、補強繊維糸が管状体の長さ方向
に配向するように組紐に巻き付けることもあるが、織物
の固定が難しく、ほぐれたりして成形時の作業性が悪
い。また、巻き付けた織物のラップ部で管状体の表面が
凸凹したり、部分的に繊維量の多い部分ができ、均一な
物性の管状体が得られないという問題があった。
いると、補強繊維糸が±α°のバイアス方向にしか配向
していないため管状体の捩りの強度や剛性は大きくなる
が、管状体の長さ方向に補強繊維糸が配向していないの
で曲げの強度や剛性が小さい。曲げに対する補強として
補強繊維織物を裁断し、補強繊維糸が管状体の長さ方向
に配向するように組紐に巻き付けることもあるが、織物
の固定が難しく、ほぐれたりして成形時の作業性が悪
い。また、巻き付けた織物のラップ部で管状体の表面が
凸凹したり、部分的に繊維量の多い部分ができ、均一な
物性の管状体が得られないという問題があった。
【0004】一方、補強繊維糸が長さ方向と±α°のバ
イアス方向に延びている3軸丸打ち組紐は知られている
が、3方向の補強繊維糸がお互いに交錯しているので、
補強繊維糸の屈曲が大きくなりFRPにしたとき応力集
中が発生したり、繊維体積含有率の大きなFRPになら
ず、重くて強度の小さな管状体にしかならないという問
題があった。
イアス方向に延びている3軸丸打ち組紐は知られている
が、3方向の補強繊維糸がお互いに交錯しているので、
補強繊維糸の屈曲が大きくなりFRPにしたとき応力集
中が発生したり、繊維体積含有率の大きなFRPになら
ず、重くて強度の小さな管状体にしかならないという問
題があった。
【0005】また、管状体成形の際には、上記の通常の
バイアス方向に繊維配向した組紐や3軸組紐を芯材に被
せる場合には、それら組紐を芯材の外径よりも大きくな
るように拡げそれに芯材を挿入するが、挿入後芯材に密
着するように一旦拡げた組紐を手で修正しなければなら
ず、組紐の芯材へのセットが繁雑である。また、通常の
3軸組紐は組紐を半径方向に拡げると、逆に長さ方向が
縮むので、長さ方向の補強繊維糸が蛇行するという問題
がある。
バイアス方向に繊維配向した組紐や3軸組紐を芯材に被
せる場合には、それら組紐を芯材の外径よりも大きくな
るように拡げそれに芯材を挿入するが、挿入後芯材に密
着するように一旦拡げた組紐を手で修正しなければなら
ず、組紐の芯材へのセットが繁雑である。また、通常の
3軸組紐は組紐を半径方向に拡げると、逆に長さ方向が
縮むので、長さ方向の補強繊維糸が蛇行するという問題
がある。
【0006】さらに、繊維強化複合材料は異方性が極め
て大きいので、所定の方向に繊維が配向するようにシー
ト状のプリプレグを積層し成形している。たとえば、ゴ
ルフシャフトは、テーパの付いたマンドレルに対し、一
方向に平行に繊維が配列したプリプレグを繊維がシャフ
トの軸方向に向くように裁断したプリプレグと軸方向に
対して±45°のバイアス方向に向くように裁断したプ
リプレグを準備し、これらを、たとえば交互にマンドレ
ルに巻き付けて、加熱・加圧して成形する。しかしなが
ら、マンドレルにテーパが付き、プリプレグの繊維が平
行に配列しているので、シャフトの軸方向に向くように
裁断されたプリプレグの繊維はその全てが軸方向には向
かず、補強繊維の特性を十分に発揮できないのが現状で
ある。このような問題を解消するため、特開昭51─8
0369号公報で繊維が放射状に配列されたプリプレグ
が提案されているが、このようなプリプレグの製造は厄
介であり、精度良く繊維を配向することは困難である。
て大きいので、所定の方向に繊維が配向するようにシー
ト状のプリプレグを積層し成形している。たとえば、ゴ
ルフシャフトは、テーパの付いたマンドレルに対し、一
方向に平行に繊維が配列したプリプレグを繊維がシャフ
トの軸方向に向くように裁断したプリプレグと軸方向に
対して±45°のバイアス方向に向くように裁断したプ
リプレグを準備し、これらを、たとえば交互にマンドレ
ルに巻き付けて、加熱・加圧して成形する。しかしなが
ら、マンドレルにテーパが付き、プリプレグの繊維が平
行に配列しているので、シャフトの軸方向に向くように
裁断されたプリプレグの繊維はその全てが軸方向には向
かず、補強繊維の特性を十分に発揮できないのが現状で
ある。このような問題を解消するため、特開昭51─8
0369号公報で繊維が放射状に配列されたプリプレグ
が提案されているが、このようなプリプレグの製造は厄
介であり、精度良く繊維を配向することは困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、上
述の各問題点を解決し、管状体を成形するにあたって作
業性が良い補強用組紐およびそれを用いた高物性の管状
繊維強化複合材料を提供することにある。
述の各問題点を解決し、管状体を成形するにあたって作
業性が良い補強用組紐およびそれを用いた高物性の管状
繊維強化複合材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の補強用組紐は、長さ方向の糸条と、その長
さ方向に対して±α°のバイアス方向の糸条からなる3
軸丸打ち組紐において、長さ方向の糸条は繊度500〜
20,000デニールの補強繊維糸からなり、±α°の
バイアス方向の糸条は繊度50〜500デニールの巻縮
糸からなり、かつ、該バイアス方向の糸条が巻縮した状
態で前記長さ方向の糸条と組組織していることを特徴と
する繊維強化複合材料の補強用組紐からなる。
に、本発明の補強用組紐は、長さ方向の糸条と、その長
さ方向に対して±α°のバイアス方向の糸条からなる3
軸丸打ち組紐において、長さ方向の糸条は繊度500〜
20,000デニールの補強繊維糸からなり、±α°の
バイアス方向の糸条は繊度50〜500デニールの巻縮
糸からなり、かつ、該バイアス方向の糸条が巻縮した状
態で前記長さ方向の糸条と組組織していることを特徴と
する繊維強化複合材料の補強用組紐からなる。
【0009】上記補強用組紐において、巻縮糸の巻縮率
は100%以上であることが好ましい。
は100%以上であることが好ましい。
【0010】また、本発明の管状繊維強化複合材料は、
上記の如く構成された補強用組紐を用いて成形されてい
る。
上記の如く構成された補強用組紐を用いて成形されてい
る。
【0011】上記補強用組紐について図面を参照しつつ
詳述する。図1は、本発明の補強用組紐の一実施態様を
示しており、3軸丸打ち組紐の部分拡大平面図である。
糸条を組紐の長さ方向と±α°(αは30〜60程度)
のバイアス方向の3方向に配列した3軸組紐の構成をな
している。±α°のバイアス方向の2方向の糸条は巻縮
糸からなり、+α°方向の巻縮糸1は−α°方向の巻縮
糸2と2本交互に交錯し、同様に−α°方向の巻縮糸2
は+α°方向の巻縮糸1と2本交互に交錯している。こ
のように、2方向の巻縮糸1、2が2本交互に交錯して
いる組紐の組織は一般に2間飛び組織と呼ばれている。
一方、組紐の長さ方向に延びる補強繊維糸3は、組紐の
周方向に等間隔に配列され、巻縮糸1、2の間に位置し
ている。補強繊維糸3aは、巻縮糸2の下方で巻縮糸1
の上方に位置し、隣接する補強繊維糸3bは補強繊維糸
3aとは逆で、巻縮糸1の下方で巻縮糸2の上方に位置
し、この関係が交互に繰り返されて巻縮糸が補強繊維糸
を一体に保持している。全体として補強繊維糸3は偶数
本配列され、組紐は管状をなしている。
詳述する。図1は、本発明の補強用組紐の一実施態様を
示しており、3軸丸打ち組紐の部分拡大平面図である。
糸条を組紐の長さ方向と±α°(αは30〜60程度)
のバイアス方向の3方向に配列した3軸組紐の構成をな
している。±α°のバイアス方向の2方向の糸条は巻縮
糸からなり、+α°方向の巻縮糸1は−α°方向の巻縮
糸2と2本交互に交錯し、同様に−α°方向の巻縮糸2
は+α°方向の巻縮糸1と2本交互に交錯している。こ
のように、2方向の巻縮糸1、2が2本交互に交錯して
いる組紐の組織は一般に2間飛び組織と呼ばれている。
一方、組紐の長さ方向に延びる補強繊維糸3は、組紐の
周方向に等間隔に配列され、巻縮糸1、2の間に位置し
ている。補強繊維糸3aは、巻縮糸2の下方で巻縮糸1
の上方に位置し、隣接する補強繊維糸3bは補強繊維糸
3aとは逆で、巻縮糸1の下方で巻縮糸2の上方に位置
し、この関係が交互に繰り返されて巻縮糸が補強繊維糸
を一体に保持している。全体として補強繊維糸3は偶数
本配列され、組紐は管状をなしている。
【0012】図1では巻縮糸が2間飛び組織している場
合について説明したが、+α°方向の巻縮糸1が−α°
方向の巻縮糸2と1本交互に交錯している1間飛び組織
や3本交互に交錯している3間飛び組織、4本交互に交
錯している4間飛び組織であってもよく特に限定するも
のではない。
合について説明したが、+α°方向の巻縮糸1が−α°
方向の巻縮糸2と1本交互に交錯している1間飛び組織
や3本交互に交錯している3間飛び組織、4本交互に交
錯している4間飛び組織であってもよく特に限定するも
のではない。
【0013】本発明に用いる補強繊維糸は、釣竿、ゴル
フシャフト、テニスラケットフレームや自転車フレーム
等を構成する管状体としての性能を発揮するためには、
引張弾性率が7,000kg/mm2 以上、引張強度が
200kg/mm2 以上であることが好ましい。たとえ
ば、炭素繊維糸、ガラス繊維糸、ポリアラミド繊維糸や
シリコーンカーバイド繊維糸がある。なかでも引張弾性
率が20,000kg/mm2 以上、引張強度が200
kg/mm2 以上である炭素繊維糸は上記スポーツ・レ
ジャー用品の軽量化がはかられるので好ましい。また、
補強繊維糸の繊度は500〜20,000デニールであ
り、好ましくは1,500〜10,000デニールであ
る。さらに、本発明の組紐を構成する補強繊維糸は1種
類に限定するものではなく、たとえば、FRP管状体と
してダンピング特性も併せ持たせるためには、たとえ
ば、炭素繊維糸とポリアラミド繊維糸や炭素繊維糸とビ
ニロン繊維糸などを併用することができる。
フシャフト、テニスラケットフレームや自転車フレーム
等を構成する管状体としての性能を発揮するためには、
引張弾性率が7,000kg/mm2 以上、引張強度が
200kg/mm2 以上であることが好ましい。たとえ
ば、炭素繊維糸、ガラス繊維糸、ポリアラミド繊維糸や
シリコーンカーバイド繊維糸がある。なかでも引張弾性
率が20,000kg/mm2 以上、引張強度が200
kg/mm2 以上である炭素繊維糸は上記スポーツ・レ
ジャー用品の軽量化がはかられるので好ましい。また、
補強繊維糸の繊度は500〜20,000デニールであ
り、好ましくは1,500〜10,000デニールであ
る。さらに、本発明の組紐を構成する補強繊維糸は1種
類に限定するものではなく、たとえば、FRP管状体と
してダンピング特性も併せ持たせるためには、たとえ
ば、炭素繊維糸とポリアラミド繊維糸や炭素繊維糸とビ
ニロン繊維糸などを併用することができる。
【0014】バイアス方向に配列する糸条は、補強繊維
糸を一体に保持するとともに、成形の際、組紐を芯材に
被せる場合には組紐を拡げて芯材を挿入した後組紐が芯
材に密着するよう半径方向に収縮する役割を担うもので
ある。また、組紐を芯材の内面側に位置させる場合に
は、組紐が芯材の内面側に密着するよう半径方向に伸長
する役割を担うものである。さらに、テニスラケットフ
レームのようにリング状のものに沿わせる場合には、リ
ング状の芯材に密着するよう収縮または伸長する役割を
担うものである。本発明の組紐においては、バイアス方
向の糸条に巻縮糸を用いているから、成形の際に、組紐
を半径方向に容易に収縮または伸長させることができ、
組紐を容易にかつ的確に芯材に密着させることができ
る。
糸を一体に保持するとともに、成形の際、組紐を芯材に
被せる場合には組紐を拡げて芯材を挿入した後組紐が芯
材に密着するよう半径方向に収縮する役割を担うもので
ある。また、組紐を芯材の内面側に位置させる場合に
は、組紐が芯材の内面側に密着するよう半径方向に伸長
する役割を担うものである。さらに、テニスラケットフ
レームのようにリング状のものに沿わせる場合には、リ
ング状の芯材に密着するよう収縮または伸長する役割を
担うものである。本発明の組紐においては、バイアス方
向の糸条に巻縮糸を用いているから、成形の際に、組紐
を半径方向に容易に収縮または伸長させることができ、
組紐を容易にかつ的確に芯材に密着させることができ
る。
【0015】このような巻縮糸としては、まずナイロン
樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル
樹脂等の熱可塑性樹脂からなるマルチフィラメント糸や
モノフィラメント糸を加工して得られる仮撚加工糸が挙
げられる。仮撚加工糸は、たとえば、まずナイロン繊維
糸やポリブチレンテレフタレート繊維糸、ポリエステル
繊維糸に500〜5,000回/m程度の強撚をかけた
撚糸を160〜240℃で撚りを熱セットした後室温に
冷却し、この撚りをほぼ0回程度に解撚することによっ
て得られる。撚りのかかった状態で形態固定がなされて
いるので、これを解撚するとウーリ状の巻縮が発現する
のである。仮撚加工糸は、張力が働いていないときは巻
縮した状態にあり、これに張力が作用すると巻縮してい
る糸長の分は伸びるが、無張力の状態にすると元の状態
にまで収縮するという性質を有する。仮撚加工糸のこの
ような性質は巻縮率=〔荷重(0.1g/デニール)の
時の長さ−初荷重(0.02g/デニール)の時の長
さ〕/〔初荷重(0.02g/デニール)の時の長さ〕
×100(%)として表されているが、本発明に使用す
る仮撚加工糸の巻縮率は100%以上が好ましい。10
0%未満であると組紐の半径方向の伸びが少なくなり、
芯材への挿入が困難となる。また芯材への挿入後、半径
方向の収縮量または伸長量が少なくなり芯材への密着性
が悪くなる。
樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル
樹脂等の熱可塑性樹脂からなるマルチフィラメント糸や
モノフィラメント糸を加工して得られる仮撚加工糸が挙
げられる。仮撚加工糸は、たとえば、まずナイロン繊維
糸やポリブチレンテレフタレート繊維糸、ポリエステル
繊維糸に500〜5,000回/m程度の強撚をかけた
撚糸を160〜240℃で撚りを熱セットした後室温に
冷却し、この撚りをほぼ0回程度に解撚することによっ
て得られる。撚りのかかった状態で形態固定がなされて
いるので、これを解撚するとウーリ状の巻縮が発現する
のである。仮撚加工糸は、張力が働いていないときは巻
縮した状態にあり、これに張力が作用すると巻縮してい
る糸長の分は伸びるが、無張力の状態にすると元の状態
にまで収縮するという性質を有する。仮撚加工糸のこの
ような性質は巻縮率=〔荷重(0.1g/デニール)の
時の長さ−初荷重(0.02g/デニール)の時の長
さ〕/〔初荷重(0.02g/デニール)の時の長さ〕
×100(%)として表されているが、本発明に使用す
る仮撚加工糸の巻縮率は100%以上が好ましい。10
0%未満であると組紐の半径方向の伸びが少なくなり、
芯材への挿入が困難となる。また芯材への挿入後、半径
方向の収縮量または伸長量が少なくなり芯材への密着性
が悪くなる。
【0016】以上、巻縮糸が仮撚加工糸の例について説
明したが、±α°のバイアス方向の糸条としてはポリウ
レタン繊維糸やゴム糸などの弾性糸を用いることも可能
である。またこれら弾性糸に仮撚加工糸が適宜被覆され
ていてもよい。
明したが、±α°のバイアス方向の糸条としてはポリウ
レタン繊維糸やゴム糸などの弾性糸を用いることも可能
である。またこれら弾性糸に仮撚加工糸が適宜被覆され
ていてもよい。
【0017】本発明に用いる巻縮糸は、本質的に繊維強
化複合材料における補強材とはなり得ないので、使用量
は少ないほうが良い。したがって、巻縮糸の繊度は50
〜500デニールの範囲とされ、好ましくは100〜3
00デニールである。50デニール未満であると半径方
向の収縮力が小さくなり、500デニールを越えると巻
縮糸の量が多くなり、繊維強化複合材料中に占める補強
繊維の体積含有率が小さくなる。
化複合材料における補強材とはなり得ないので、使用量
は少ないほうが良い。したがって、巻縮糸の繊度は50
〜500デニールの範囲とされ、好ましくは100〜3
00デニールである。50デニール未満であると半径方
向の収縮力が小さくなり、500デニールを越えると巻
縮糸の量が多くなり、繊維強化複合材料中に占める補強
繊維の体積含有率が小さくなる。
【0018】本発明の組紐の半径方向の伸びは、管状の
丸打ち組紐を長さ方向に折れ目が付くように折りたたん
だ状態で、組紐の半径方向に10mm当たり100gの
荷重で20%以上あることが好ましい。20%未満であ
ると組紐の半径方向の伸びが少なく、芯材への挿入が困
難となる。また芯材への挿入後、半径方向の収縮量が少
なくなり芯材への密着性が悪くなる。
丸打ち組紐を長さ方向に折れ目が付くように折りたたん
だ状態で、組紐の半径方向に10mm当たり100gの
荷重で20%以上あることが好ましい。20%未満であ
ると組紐の半径方向の伸びが少なく、芯材への挿入が困
難となる。また芯材への挿入後、半径方向の収縮量が少
なくなり芯材への密着性が悪くなる。
【0019】特に、巻縮糸が仮撚加工糸である場合、組
紐に組み上がった状態で仮撚加工糸が巻縮していること
が必要である。仮撚加工糸の巻縮が伸ばされた状態にあ
る組紐をそれ以上に拡げようとすると、大きな力が必要
となり作業性が極めて悪くなる。
紐に組み上がった状態で仮撚加工糸が巻縮していること
が必要である。仮撚加工糸の巻縮が伸ばされた状態にあ
る組紐をそれ以上に拡げようとすると、大きな力が必要
となり作業性が極めて悪くなる。
【0020】上記のような組紐は次のように製造するこ
とができる。図2は、本発明の組紐の製造方法の一例を
示している。補強繊維糸3は定盤4の下方から放射状に
供給され、定盤4上にはボビンに巻かれた弾性糸1、2
がキャリアー5に設置されて補強繊維糸3の周りを波状
軌道に導かれて移動することによって、巻縮糸1、2が
形成する組紐に補強繊維糸3が挿入された形に組まれ、
これを連続的に巻取装置6で巻き取ることにより、本発
明の組紐が得られるのである。
とができる。図2は、本発明の組紐の製造方法の一例を
示している。補強繊維糸3は定盤4の下方から放射状に
供給され、定盤4上にはボビンに巻かれた弾性糸1、2
がキャリアー5に設置されて補強繊維糸3の周りを波状
軌道に導かれて移動することによって、巻縮糸1、2が
形成する組紐に補強繊維糸3が挿入された形に組まれ、
これを連続的に巻取装置6で巻き取ることにより、本発
明の組紐が得られるのである。
【0021】なお、巻縮糸が仮撚加工糸である場合、そ
れがお互いに交錯して組まれる組織形成部イに、補強繊
維糸と仮撚加工糸が形成する放射状の糸シートの内側ま
たは外側に、得ようとする組紐の直径よりも大きな直径
のゲージ7を設置して、得ようとする組紐の直径よりも
大きな直径の組紐を組み上げると、無張力状態になった
ときに伸ばされた状態にあった仮撚加工糸が巻縮した状
態になるのである。
れがお互いに交錯して組まれる組織形成部イに、補強繊
維糸と仮撚加工糸が形成する放射状の糸シートの内側ま
たは外側に、得ようとする組紐の直径よりも大きな直径
のゲージ7を設置して、得ようとする組紐の直径よりも
大きな直径の組紐を組み上げると、無張力状態になった
ときに伸ばされた状態にあった仮撚加工糸が巻縮した状
態になるのである。
【0022】本発明の組紐を使用して、本発明に係る、
たとえばFRP管状体を、たとえば次のように製造する
ことができる。補強繊維糸が組紐の長さ方向に配列した
本発明の組紐単独、または本発明の組紐とバイアス方向
のみに補強繊維糸が配列した管状の丸打ち組紐が交互に
層構成になるように適宜芯材に挿入する。この芯材に挿
入された組紐を雄型と雌型が形成するキャビティに設置
し、雄型と雌型をシーリングした後、このキャビティ内
にエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂やフェノール
樹脂などの熱硬化性樹脂を注入し、加熱して樹脂を硬化
させる。その後、必要ならば芯材を抜き取ることによっ
て、管状のFRPが得られる。
たとえばFRP管状体を、たとえば次のように製造する
ことができる。補強繊維糸が組紐の長さ方向に配列した
本発明の組紐単独、または本発明の組紐とバイアス方向
のみに補強繊維糸が配列した管状の丸打ち組紐が交互に
層構成になるように適宜芯材に挿入する。この芯材に挿
入された組紐を雄型と雌型が形成するキャビティに設置
し、雄型と雌型をシーリングした後、このキャビティ内
にエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂やフェノール
樹脂などの熱硬化性樹脂を注入し、加熱して樹脂を硬化
させる。その後、必要ならば芯材を抜き取ることによっ
て、管状のFRPが得られる。
【0023】また、本発明の組紐を使用することによ
り、釣竿やゴルフシャフトなどのテーパ付き管状体を成
形するにあたっても、組紐を拡げると巻縮糸が一様に伸
びるので、芯材に挿入あるいは被せると長さ方向に配向
した補強繊維糸は円周方向において等間隔に、かつ全て
の補強繊維糸を管状体の稜線方向に配向させることが可
能となり、補強繊維の性能を十分に発揮することができ
る。
り、釣竿やゴルフシャフトなどのテーパ付き管状体を成
形するにあたっても、組紐を拡げると巻縮糸が一様に伸
びるので、芯材に挿入あるいは被せると長さ方向に配向
した補強繊維糸は円周方向において等間隔に、かつ全て
の補強繊維糸を管状体の稜線方向に配向させることが可
能となり、補強繊維の性能を十分に発揮することができ
る。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、長さ方向とその長さ方向に対して±α°のバイアス
方向の糸条からなる3軸丸打ち組紐において、長さ方向
の糸条は特定の繊度の補強繊維糸であり、±α°のバイ
アス方向の糸条は特定の繊度の巻縮糸であるから、管状
体の稜線方向に、ラップ目の無い状態で繊維配向が可能
となり、物性に優れた管状の繊維強化複合材料が得られ
る。また、成形の際、組紐を芯材に挿入しても、挿入後
組紐を芯材に自然にかつ良好に密着させることができ、
作業性が良いばかりか補強繊維の配列乱れが起こらず、
均質な管状の繊維強化複合材料が得られる。
は、長さ方向とその長さ方向に対して±α°のバイアス
方向の糸条からなる3軸丸打ち組紐において、長さ方向
の糸条は特定の繊度の補強繊維糸であり、±α°のバイ
アス方向の糸条は特定の繊度の巻縮糸であるから、管状
体の稜線方向に、ラップ目の無い状態で繊維配向が可能
となり、物性に優れた管状の繊維強化複合材料が得られ
る。また、成形の際、組紐を芯材に挿入しても、挿入後
組紐を芯材に自然にかつ良好に密着させることができ、
作業性が良いばかりか補強繊維の配列乱れが起こらず、
均質な管状の繊維強化複合材料が得られる。
【0025】さらに、±α°のバイアス方向の糸条とし
て巻縮糸を用いており、巻縮糸が巻縮した状態で補強繊
維糸と組組織しているから、組紐の長さ方向の補強繊維
糸は巻縮糸の収縮により糸同士が接触するほどに密に配
列した組紐となり、繊維体積含有率の大きな管状の繊維
強化複合材料が得られる。
て巻縮糸を用いており、巻縮糸が巻縮した状態で補強繊
維糸と組組織しているから、組紐の長さ方向の補強繊維
糸は巻縮糸の収縮により糸同士が接触するほどに密に配
列した組紐となり、繊維体積含有率の大きな管状の繊維
強化複合材料が得られる。
【図1】本発明の3軸丸打ち組紐の部分拡大平面図であ
る。
る。
【図2】本発明の組紐の製造方法の一例を示す側面図で
ある。
ある。
1、2 巻縮糸(バイアス方向の糸条) 3、3a、3b 補強繊維糸(長さ方向の糸条) 4 定盤 5 キャリアー 6 巻取装置 7 ゲージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 仲川 晶三 静岡県島田市細島1349番地の1 サカ イ・コンポジット株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−112454(JP,A) 実開 昭60−192371(JP,U)
Claims (3)
- 【請求項1】 長さ方向の糸条と、その長さ方向に対し
て±α°のバイアス方向の糸条からなる3軸丸打ち組紐
において、長さ方向の糸条は繊度500〜20,000
デニールの補強繊維糸からなり、±α°のバイアス方向
の糸条は繊度50〜500デニールの巻縮糸からなり、
かつ、該バイアス方向の糸条が巻縮した状態で前記長さ
方向の糸条と組組織していることを特徴とする繊維強化
複合材料の補強用組紐。 - 【請求項2】 巻縮糸の巻縮率が100%以上であるこ
とを特徴とする請求項1の補強用組紐。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2の補強用組紐を
用いてなる管状繊維強化複合材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3122789A JP2505391B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | 補強用組紐およびそれを用いた管状繊維強化複合材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3122789A JP2505391B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | 補強用組紐およびそれを用いた管状繊維強化複合材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04327249A JPH04327249A (ja) | 1992-11-16 |
JP2505391B2 true JP2505391B2 (ja) | 1996-06-05 |
Family
ID=14844661
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3122789A Expired - Lifetime JP2505391B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | 補強用組紐およびそれを用いた管状繊維強化複合材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2505391B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6250193B1 (en) * | 1996-12-02 | 2001-06-26 | A & P Technology, Inc. | Braided structure with elastic bias strands |
JP2013059947A (ja) * | 2011-09-14 | 2013-04-04 | Toyota Industries Corp | スキン・リブ構造体 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5979323A (ja) * | 1982-10-28 | 1984-05-08 | Nec Home Electronics Ltd | デ−タ−保持装置 |
-
1991
- 1991-04-26 JP JP3122789A patent/JP2505391B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04327249A (ja) | 1992-11-16 |
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