JP2505366Y2 - 電池アダプタ― - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、２本の低電圧電池を直列使用する電気機
器の電池収納部に、低電圧電池の２倍の電圧の高電圧電
池を並列に接続して収納できるようにした、電池アダプ
ターに関するものである。

［従来の技術］ 近年、電気機器の小型化、軽量化にともない、電池を
電源とするコードレス機器が増えている。

このような電気機器に使用する電池としては、マンガ
ン電池、アルカリ電池等の1.5V級、ニッケル・カドミウ
ム電池の1.2V級の円筒型の低電圧電池が使用されてお
り、第７図に示すように電気機器１の電池収納部２に２
本の低電圧電池3,3を直列に収納し、3V級の電源として
使用していた。

［考案が解決しようとする課題］ リチウム電池は軽量でエネルギー密度が高く、自己放
電が小さいという特徴があるが、従来の低電圧電池の約
２倍の電圧の3V級の高電圧電池である場合が普通であっ
て、単純に、1.5〜1.2V級の低電圧電池と交換して使用
することができなかった。そのため3V級の高電圧電池
は、使用される型が、コイン型等の機器専用の型に製造
される場合が多く、あるいは円筒型の3V級高電圧電池を
使用するときには、その機器は高電圧電池専用の電気機
器となり、1.5〜1.2V級の低電圧電池用には使用するこ
とができなかった。

このような従来の事情に鑑み、この考案は、円筒型の
開放電圧が1.5〜1.2V級の低電圧電池２本を直列に収納
していた電気機器に対し、開放電圧が3V級の高電圧電池
２本を並列に接続して収納できるようにした電池アダプ
ターを提供することを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ この考案の電池アダプターは、低電圧電池の約２倍の
電圧を有する高電圧電池２本の正極相互間を接続する正
極接続導体と、前記高電圧電池の負極相互間を接続する
負極接続導体と、前記正極接続導体と負極接続導体とを
固着する絶縁部材とを備え、２本の低電圧電池を直列使
用する電気機器の電池収納部に収納し得るようにしたこ
とを特徴とするものである。

［作用］ 正極接続導体と負極接続導体とは、２本の高電圧電池
を並列に接続し、２本の低電圧電池を直列使用する場合
と同程度の電圧の電源となって、電気機器の電池収納部
に収納される。

［実施例］ 以下、この考案の実施例を説明する。

第２図において４は薄板状の正極接続導体、５は同じ
く薄板状の負極接続導体であって、正極接続導体４の第
２図における右端側と、負極接続導体５の第２図におけ
る左端側とは、絶縁部材６を介して重ね合わせた状態で
固着されている。

正極接続導体４、負極接続導体５としては、ニッケ
ル、銅、銀、ステンレス鋼等の金属を使用し、導電性は
高いほどよいが、電気伝導度は10²S/cm以上であること
が好ましい。正極接続導体４、負極接続導体５の厚さ
は、10〜500μｍ、好ましくは20〜300μｍである。10μ
ｍ以下では、取扱強度に問題があり、500μｍ以上で
は、電池収納等の操作がスムーズに行うことが難しい。
又幅としては、使用する電池の径の40〜100％、好まし
くは50〜95％である。40％以下では電池の正極と正極接
続導体４との接続を良好に保つことが難しく、100％以
上では、電気機器１の電池収納部２に収納することがで
きなくなる。

絶縁部材６としては、ポリエチレン、ポリアクリル
酸、エポキシ樹脂、ポリ塩化ビニル等のプラスチックを
用い、正極接続導体４と負極接続導体５との接着を兼ね
て使用されるのが好ましく、電気伝導度は10^-8S/cm以
下、厚さとしては20〜300μｍ、好ましくは50〜200μｍ
である。

正極接続導体４と負極接続導体５とは、第３図に示す
ように逆向きのコ字状に折り曲げ、２個の高電圧電池7,
7を装着できるような電池アダプター８にする。高電圧
電池７は従来の低電圧電池３と同サイズの円筒型に作ら
れており、約２倍の電圧の3V級のものである。高電圧電
池7,7は正極、負極の向きを同方向にして正極接続導体
４の両端部近く高電圧電池7,7の正極が当接し、負極接
続導体５の両端部近くに高電圧電池7,7の負極が当接す
るように装着する。前述した正極接続導体４及び負極接
続導体５をコ字状に折り曲げる際の折曲寸法は、２つの
高電圧電池7,7が脱落しないように装着されるようにす
る。これによって２つの高電圧電池7,7は正極同士と負
極同士とが接続された並列接続となり、正極接続導体４
と負極接続導体５との間には、約3Vの電位が生ずる。

第３図に示すように２つの高電圧電池7,7を装着した
電池アダプター８を第１図に示すように電気機器１の電
池収納部２に収納する。この場合、電気機器１の負側端
子９が取付けられているスプリング10が従来の低電圧電
池3,3を収納した場合よりも多く撓み、正極接続導体４
は電気機器１の正側端子11に接続され、負極接続導体５
はスプリング10を介して電気機器１の負側端子９に接続
され、電気機器１には、低電圧電池３を２本直列にして
収納した場合と同じ電圧の電池電源が収納されたことに
なる。

第４図、第５図は、この考案の他の実施例を示すもの
で、正極接続導体４及び負極接続導体５の電気絶縁性を
良くするため、高電圧電池７の両極及び電気機器１のス
プリング10、正側端子11に当接する部分を除いて正極接
続導体４、負極接続導体５の両面に絶縁部材６を塗布
し、正極接続導体４、負極接続導体５を逆向きのコ字状
に折り曲げたものである。

第６図は電池の交換、取り付けを容易にするため外装
部材12を用い箱型に成型したものである。

［考案の効果］ この考案は、２本の低電圧電池を直列使用する電気機
器の電池収納部を改善せずに、同じサイズで高電圧電池
を収納使用することができる。

これによって電池の使用可能時間が約２倍となり、携
帯ラジオ、電池使用の電気カミソリ等を持って長期旅行
をする場合等に便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の使用状態を示す正面図、第２図、第
３図はこの考案の一実施例の正面図、第４図、第５図は
この考案の他の実施例の正面図、第６図はこの考案の他
の実施例の正面図、第７図は従来の電池収納状態を示す
正面図である。 １…電気機器、２…電池収納部、３…低電圧電池、４…
正極接続導体、５…負極接続導体、６…絶縁部材、７…
高電圧電池、８…電池アダプター、９…負側端子、10…
スプリング、11…正側端子、12…外装部材。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】低電圧電池の約２倍の電圧を有する高電圧
   電池２本の正極相互間を接続する正極接続導体と、前記
   高電圧電池の負極相互間を接続する負極接続導体と、前
   記正極接続導体と負極接続導体とを固着する絶縁部材と
   を備え、２本の低電圧電池を直列使用する電気機器の電
   池収納部に収納し得るようにしたことを特徴とする電池
   アダプター。