JP2504145B2 - 水溶液からのフェノ―ル類および芳香族アミン類の除去方法 - Google Patents

水溶液からのフェノ―ル類および芳香族アミン類の除去方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は水溶液からのフェノール類および/もしく
は芳香族アミン類の除去方法に関し、とくにペルオキシ
ダーゼの触媒作用によりフェノール類および/もしくは
芳香族アミン類を過酸化水素と反応させて除去する方法
に関する。
(従来の技術) 使用液中に含まれるフェノール類、芳香族アミン類の
除去方法において、これらの物質と過酸化水素とを反応
させて、不溶性の重合物として水溶液から除去する方法
において、反応の触媒としてペルオキシダーゼを使用す
る方法は、たとえば、サイエンス(Science)誌第224巻
4607号259〜261頁(1983年)に示されている。この論文
では、とくにフェノール除去について詳しく検討してお
り、0.01〜5g/lの濃度範囲でこの方法が有効であり水溶
液中のフェノールの98%が除去できるとしている。フェ
ノール濃度1g/lの水溶液からフェノールを除去するのに
必要なペルオキシダーゼ量は、水溶液1あたり20,000
プルプロガリン単位、過酸化水素量は1あたり20mmol
で、フェノール濃度が0.01〜5g/lで増減した場合、ペル
オキシダーゼおよび過酸化水素の必要量はフェノール濃
度に比例するように増減する必要がある。例えば、フェ
ノール濃度5g/lの水溶液の場合、水溶液1につきペル
オキシダーゼは100,000プルプロガリン単位、過酸化水
素量は100mmolが必要な量となる。
そのほかのフェノール類やアニリンなどの芳香族アミ
ンについて検討を加えた結果は、ジャーナル・オブ・ア
プライド・バイオケミストリー(Journal of Applied B
iochemistry)誌第2巻414〜421頁(1980年)にみるこ
とができる。また、過酸化水素そのものを水溶液に添加
するのではなく、グルコースオキシダーゼやアルコール
オキシダーゼのように、反応生成物として過酸化水素を
生じる酵素とその基質とをペルオキシダーゼとともに水
溶液に添加する方法も、特開昭59-213494に示されてい
る。
(発明が解決しようとする課題) このような、水溶液からフェノール類および/もしく
は芳香族アミン類の除去方法において問題となるのは、
除去コストである。そのうち大きな割合を占めるのがペ
ルオキシダーゼのような酵素のコストである。とくに、
高濃度のフェノール類および/もしくは芳香族アミン類
を含有する水溶液を対象とする場合、必要なペルオキシ
ダーゼ量も多くなって除去コストは莫大なものとなり、
この方法の実際的な場面への適用を不可能にしていた。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するために本発明は、水溶液からペル
オキシダーゼの触媒作用によりフェノール類および/も
しくは芳香族アミン類を過酸化水素と反応させて除去す
る方法において、タンパク質を添加することを特徴とす
る水溶液からのフェノール類および/もしくは芳香族ア
ミン類の除去方法を提供する。
(作用) 水溶液からペルオキシダーゼの触媒作用によりフェノ
ール類および/もしくは芳香族アミン類を過酸化水素と
反応させて除去する方法では、除去反応の進行にともな
い、ペルオキシダーゼの触媒活性が水溶液中から失われ
ることが指摘されていた(サイエンス(Science)誌第2
44巻4607号259〜261頁(1983年))。これは、除去反応
の中間生成物である芳香族ラジカルがペルオキシダーゼ
の活性中心に結合し、ペルオキシダーゼが失活するため
と考えられていた。
しかし、発明者が検討したところでは、反応の進行と
ともに水溶液中のペルオキシダーゼ活性は減少するが、
それとともにペルオキシダーゼ自体も失われていくこと
が判明した。ペルオキシダーゼ活性の減少量とペルオキ
シダーゼ自体の減少量がほぼ比例するとからみて、ペル
オキシダーゼ活性の消失の原因は、ペルオキシダーゼが
除去反応によって生じた重合生成物に吸着し、反応液か
ら除去されてしまうことにあると考えられる。したがっ
てペルオキシダーゼが重合生成物に吸着するのを抑制す
れば、少量のペルオキシダーゼで除去反応を終了させる
とができると予測される。
ペルオキシダーゼが重合生成物に吸着するのを抑制す
るための手段として、反応液中にタンパク質を添加する
のが、本発明の主旨である。すなわち、添加したタンパ
ク質は重合生成物に吸着し、ペルオキシダーゼが重合生
成物に吸着するのを競合的に抑制する。
添加すべきタンパク質の種類、量などは処理対象とな
る水溶液のフェノール類および/もしくは芳香族アミン
類の濃度などによって、決定されるべきであるが、ある
程度の水溶液を有すること、ペルオキシダーゼを分解す
るようなプロテアーゼではないこと、カタラーゼのよう
に過酸化水素を分解する作用をもたないことなどの性質
をもつ必要がある。タンパク質の添加量は多いほどよい
というものではなく、ある一定の量を超えると効果がみ
られなくなる。また、必要以上のタンパク質を添加する
ことは、除去反応終了後の処理水中にタンパク質を残存
させることになり、処理水にタンパク質除去処理を行な
う必要を生じかねない。
ペルオキシダーゼと添加したタンパク質の量比も重要
な要因である。これも処理対象となる水溶液の性状によ
って決定させるべきであるが、一般に添加すべきタンパ
ク質の量はペルオキシダーゼの10倍以上であることが望
ましい。
(実施例) 以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説
明する。
実施例1 10g/lフェノール水溶液1にペルオキシダーゼ(和
光純薬製、100プルプロガリン単位/mg標品)50mgを溶解
し、さらに、牛血清アルブミン(和光純薬製)を溶解し
た後、30%過酸化水素水を終濃度が約120mMになるよう
に2時間にわたって添加した。過酸化水素水添加終了
後、処理水のフェノールの濃度を測定した。第1図に示
したのは牛血清アルブミンの溶解量と処理水のフェノー
ル濃度との関係である。牛血清アルブミンを添加しない
場合、フェノールはほとんど除去されていないが、添加
量を増加するにしたがい処理水中のフェノール濃度は減
少し、牛血清アルブミンの添加量を5g以上にしてもフェ
ノール濃度は減少していないことが見て取れる。
実施例2 10g/lフェノール水溶液1にペルオキシダーゼ100mg
を溶解した後、さらに、α−アミラーゼ(ナガセ生化学
工業製、スピターゼCP−3)2gを溶解した。30%過酸化
水素を終濃度が約120mMになるように2時間にわたって
添加し、添加終了後、処理水のフェノール濃度を測定し
た。処理水のフェノール濃度は50mg/lであった。対象と
して、α−アミラーゼを添加せずに除去反応を同様に行
なわせたが、9.3g/lのフェノールが残存していた。ま
た、処理水中にはタンパク質はほとんど残っていなかっ
た。
実施例3 0.5g/lアニリン水溶液1にペルオキシダーゼ100mg
を溶解した後、実施例2と同様にα−アミラーゼ30%過
酸化水素水を添加した。処理水のアニリン濃度は37mg/l
であった。対象として、α−アミラーゼを添加せずに除
去反応を同様に行なわせたが、0.41g/lのアニリンが残
存していた。
(発明の効果) 以上実施例で述べたように、処理の対象となる水溶液
にペルオキシダーゼとともにタンパク質を加えることに
より、フェノールあるいはアニリン除去率は飛躍的に上
昇する。例えば、実施例2で述べた10g/lのフェノール
水溶液の場合、ペルオキシダーゼのみを溶解することに
より残存フェノール濃度を100mg/l以下にするには、水
溶液1あたり200,000プルプロンンガリン単位のペル
オキシダーゼが必要である。これはα−アミラーゼを添
加した場合のおよび40倍の量である。このようにタンパ
ク質添加により同等の除去結果を得るに必要なペルオキ
シダーゼ量は激減する。比較的高価なペルオキシダーゼ
に較べ、安価なタンパク質を添加すれば処理コストの削
減も可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は牛血清アルブミンの溶解量と処理水のフェノー
ル濃度との関係を示す図。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶液からペルオキシダーゼの触媒作用に
    よりフェノール類および/もしくは芳香属アミン類を過
    酸化水素と反応させて除去する方法において、タンパク
    質を添加することを特徴とする水溶液からのフェノール
    類および/もしくは芳香族アミンの除去方法。
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FR2676043B1 (fr) * 1991-05-02 1993-08-13 Luzenac Talc Procede de traitement d'un milieu enzymatique contenant des polyphenols en vue de proteger l'activite enzymatique, et application notamment a l'epuration d'eaux residuaires.
JP3069840U (ja) 1999-12-21 2000-07-04 船井電機株式会社 光ピックアップ装置

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