JP2504041B2 - 気体分離膜の製造法 - Google Patents

気体分離膜の製造法

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JP2504041B2 JP62072836A JP7283687A JP2504041B2 JP 2504041 B2 JP2504041 B2 JP 2504041B2 JP 62072836 A JP62072836 A JP 62072836A JP 7283687 A JP7283687 A JP 7283687A JP 2504041 B2 JP2504041 B2 JP 2504041B2
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、気体分離膜製造法に関する。更に詳しく
は、酸素富化膜などとして有効に使用される気体分離膜
製造法に関する。
〔従来の技術〕
従来酸素富化膜には、ポリシロキサン、ポリカーボネ
ート、ポリビニルピリジン、ポリエステルなどの高分子
材料が素材として用いられている。ポリシロキサン系材
料の場合には、酸素と窒素との分離率が約2程度と小さ
いが、酸素透過係数が大きいため、早くから実用化が進
められている。
ところで、実用に際しては、十分な酸素透過量を得る
ために薄膜にする必要があるが、薄膜にすると今度は機
械的強度が小さくなるため、その性能が十分に発揮され
ないという矛盾がみられるようになる。例えば、分離率
が4.5と高く、酸素透過係数も4.5×10-9cm3(STP)cm/c
m2・秒・cmHgとかなり良い値を示すポリトリメチルビニ
ルシランも、それ単体では膜強度の大きい薄膜を得るこ
とが困難である。
また、シリコン系高分子物質は、一般に有機溶剤やガ
ソリンなどに膨潤し易い性質を有しているため、このよ
うな雰囲気中にさらされる可能性のある用途、例えば省
燃費、排気ガスの減少を狙った自動車エンジンの適用を
困難としている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
かかる現状に鑑み、シリコン系高分子物質を用いた気
体分離膜であって、膜強度が強くしかも耐油・耐薬品性
にすぐれたものを求めて本発明者らは検討を重ねた結
果、シリコン系高分子物質を延伸多孔質高分子支持体に
担持せしめる一体的にことにより、かかる課題が効果的
に解決されることを見出した。
〔問題点を解決するための手段〕
従って、本発明は気体分離膜の製造法に係り、この気
体分離膜の製造は、支持体形成用高分子物質粉末にシリ
コン系高分子物質を密封条件下で混合し、押出し、引抜
き、ロール圧延または焼成の手段を単独または組合せて
適用した後、延伸多孔質化することによって行われる。
延伸多孔質支持体を形成する高分子物質としては、例
えばポリテトラフルオロエチレンあるいはポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンなどが用いら
れ、これらの高分子物質から形成された延伸多孔質支持
体は、一般に約10〜数100μmの厚さのものとして用い
られる。
また、シリコン系高分子物質としては、例えばジメチ
ルシロキサン、トリメチルビニルシラン、トリメチルシ
リルプロピンなどの重合体が用いられる。
延伸多孔質高分子支持体へのシリコン系高分子物質の
担持は、一般に前者の約5〜80重量部に対し後者が約95
〜20重量部の割合で、次のような方法によって行なうこ
とができる。
支持体形成用高分子物質粉末にシリコン系高分子物質
またはそれをトルエン、ジメチルホルムアミド、メチル
エチルケトン、塩化メチレン、トリクロルエチレン、n
−ヘキサン、キシレンなどに溶解させた有機溶剤溶液を
密封条件下で混合し、押出し、引抜き、ロール圧延また
は焼成の手段を単独または組合せて適用し、有機溶剤溶
液として用いられた場合には、適当な段階で用いられた
有機溶剤を混合物から除去した後、延伸多孔質化すると
共にそこにシリコン系高分子物質を担持させる方法。
支持体として延伸多孔質体を用いるのは、この多孔質
体が他の方法によって得られた多孔質体よりも、機械的
強度の点においてすぐれているためである。一般には、
多孔質化することにより、その材料の強度が低下するの
が普通であるが、延伸法による多孔質化では強度低下が
みられず、また柔軟性をも有するため、モジュール化す
る際その形状に応じて組み込む場合に有効である。
延伸多孔質体を用いることの他の利点としては、加工
方法によって高空隙率のものが得られることが挙げられ
る。即ち、最高で98%の高空隙率のもの迄得られるた
め、膜の実質的透過面積が大きくとれ、膜材の物性およ
び気体分離性能によって空隙を調整することで、適切な
膜を得ることができる。
〔発明の効果〕
本発明に係る複合化された気体分離膜は、従来の多孔
質体の複合化方法である単なるコーティング方法あるい
は積層方法とは異なり、多孔質体の空隙部分に膜材を一
体化させる構造をとっているため、従来の複合化多孔質
体にみられた膜材の剥離あるいは剥離防止用接着処理に
よる膜機能の低下などがみられない。
また、支持体の多孔質化構造は、そこに担持させた膜
材の架橋的な役割をも果たしているため、膜材の流出防
止、形状保持などにも有効である。
このようにして、本発明に係る気体分離膜は、シリコ
ン系高分子物質が本来有する膜機能を実質的に損なうこ
となく、膜強度の著しい向上および耐油・耐溶剤性の改
善を達成せしめており、従って用途上の拡大が図れるな
どそれによって得られる効果は大なるものがある。
〔実施例〕
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1 ポリテトラフルオロエチレン粉末(三井・デュポン
フロロケミカル製品テフロン6−J)100gに、第3ブチ
ルパーオキサイド0.15gを加えたポリジメチルシロキサ
ン(東レシリコン製品SH410、シリコンガム)の10重量
%塩化メチレン溶液300gを密封容器中で混合し、この混
合物を全重量が160gになる迄自然乾燥させた後、20kg/c
m2の圧力で押し固めた。
この押し固めたものを、150kg/cm2の圧力下で厚さ1mm
のシート状物に押し出し、押出方向およびそれと直角方
向にそれぞれ50%宛2軸延伸してから40℃で12時間減圧
乾燥し、塩化メチレンを完全に除去した。これを、180
℃、60kg/cm2、10分間の条件下でプレス加硫し、金型に
入れたまま、昇温速度4℃/分で340℃迄昇温し、その
まま10分間加熱した後急冷した。
得られたポリジメチルシロキサン担持ポリテトラフル
オロエチレンシート(シート強度300kg/cm2)につい
て、圧力法による気体分離膜としての評価を行い、酸素
と窒素とをそれぞれ単独で通過させたときの透過速度か
ら換算される透過係数を求め、その比から分離率を算出
した。
酸素の透過係数:1.5×10-9cm3(STP)cm/cm2・秒・cmHg 窒素との分離率:2.5 また、この含浸シートをガソリン中に24時間浸漬した
ときの体積変化率を測定すると、+5%の値が得られ
た。
比較例1 ポリジメチルシロキサン(SH410)100gに第3ブチル
パーオキサイド0.5gを加え、この混合物を180℃、60kg/
cm2、15分間の条件下で加硫成形した。得られた厚さ100
μmのポリジメチルシロキサンシート(シート強度58km
/cm2)について、実施例1と同様の膜性能評価を行な
い、次のような結果を得た。
酸素の透過係数:7.2×10-8cm3(STP)cm/cm2・秒・cmHg 窒素との分離率:2.2 体積変化率:+114% 実施例2 ポリエチレン粉末(三井石油化学製品ハイゼックスミ
ペロンXM−220)120gに、ポリジメチルシロキサンを5
重量%、ポリトリメチルビニルシランを5重量%それぞ
れ溶解させたトルエン溶液1200gを添加し、密封容器中
で130℃に加熱して混合し、次いで減圧下でトルエンを
完全に蒸発除去した後、185℃、60kg/cm2の条件下で厚
さ2mmのシート状に一旦成形し、急冷した。次に、この
シート状物を、140℃に加熱した間隔0.05mmのロール間
を通して引き出し、徐冷した後、30℃の雰囲気中で50%
延伸し、105℃で20kg/cm2の圧力をかけてシート状にプ
レスした。
このようにして得られたポリジメチルシロキサンおよ
びポリトリメチルビニルシラン担持ポリエチレンシート
(シート強度421kg/cm2)について、実施例1と同様の
膜性能評価を行ない、次のような結果を得た。
酸素の透過係数:8.3×10-8cm3(STP)cm/cm2・秒・cmHg 窒素との分離率:3.5

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体形成用高分子物質粉末にシリコン系
    高分子物質を密封条件下で混合し、押出し、引抜き、ロ
    ール圧延または焼成の手段を単独または組合せて適用し
    た後、延伸多孔質化することを特徴とする気体分離膜の
    製造法。
  2. 【請求項2】シリコン系高分子物質が有機溶剤溶液とし
    て用いられ、延伸多孔質化以前の段階で混合物からの有
    機溶剤除去が行われる請求項1記載の気体分離膜の製造
    法。
JP62072836A 1987-03-25 1987-03-25 気体分離膜の製造法 Expired - Lifetime JP2504041B2 (ja)

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