JP2502798B2 - 多孔質チタニア焼結体及びその製造方法 - Google Patents

多孔質チタニア焼結体及びその製造方法

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JP2502798B2 JP2237452A JP23745290A JP2502798B2 JP 2502798 B2 JP2502798 B2 JP 2502798B2 JP 2237452 A JP2237452 A JP 2237452A JP 23745290 A JP23745290 A JP 23745290A JP 2502798 B2 JP2502798 B2 JP 2502798B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は多孔質チタニア(二酸化チタン)焼結体及
びその製造方法に関する。さらに詳しくは、センサ、触
媒、分離材(フィルタ)、医療用材料、断熱材、耐火
材、吸脱着素材等の各種機能材料等多くの応用分野が期
待されているセラミックス多孔体としての多孔質チタニ
ア焼結体及びその製造方法に関する。
(ロ)従来の技術 上記のごときセラミックス多孔体の従来の製造方法と
しては、低温で焼成して消失するもの(例えばゴム、樹
脂、もみがら等)をバインダーとして原料セラミックス
粉末と混練し、それを成形した後高温で焼成することに
よりセラミックスのみ残してこれを焼結して製造する方
法が一般的である。そして、上記混練手法として、例え
ば、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂と水とセラ
ミックス粉末を混ぜる、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂とセラミックス粉
末を熱を加えて練る、、の樹脂とその溶剤とセラミ
ックス粉末を混ぜる等の組合せが知られている。
(ハ)発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記従来の方法ではいずれも、混練に
よって混合させるので、グリーン体の内部は樹脂分の多
い部分と少ない部分との不均一な状態にならざるを得な
い。従ってこれを焼成して得られる焼結体は不均一な細
孔しか有しないこととなる。また気孔率を大きくしよう
とすると樹脂分がさらに多くなり、上記問題はますます
大きくなる。
さらに、このように混練・焼成して得られるセラミッ
クス多孔体は、所望の気孔率を有していてもその機械的
強度が不充分で実用に耐えない場合があった。
この発明はかかる状況下でなされたものであり、こと
に、多孔質構造が均一でかつ機械的強度に優れた多孔質
チタニア焼結体及びそれを効率良く製造できる方法を提
供しようとするものである。
(ニ)課題を解決するための手段 かくしてこの発明によれば、親油化剤で表面処理され
たチタニア粉体を重合性ビニル系モノマから形成された
樹脂で被覆したチアニア粉体の集合体からなる多孔質チ
タニア球体が、加圧成形されかつ加熱焼成されて、非多
孔質チタニア球体を構成すると共に隣接する非多孔質チ
アニア球体がその接触部で融着して構成されてなる多孔
質チタニア焼結体が提供される。さらにこの発明によれ
ば、親油化剤で表面処理されたチタニア粉体と、重合性
ビニル系モノマと、必要に応じて添加される上記モノマ
と相溶性でかつ水と実質的に相溶性を有しない有機溶剤
とからなる混合物を、水系に分散し、上記モノマを重合
させることにより、樹脂で被覆されたチタニア粉体の集
合体からなる多孔質チタニア球体を得、次いでこの樹脂
被覆多孔質球体を集合して加圧成形した後、該多孔質チ
タニア球体を非多孔質に変換しうる温度下で加熱焼結す
ることにより、上記の多孔質チタニア焼結体を得ること
を特徴とする多孔質チタニア焼結体の製造方法が提供さ
れる。
この発明は、チタニア(二酸化チタン)粉体から一旦
製造される樹脂被覆(複合)多孔質チタニア球体を構成
要素として集合し、これをさらに加圧・焼結して構成さ
れる多孔質チタニア焼結体に関するものである。この発
明の焼結体は、例えば、下記方法により製造することが
できる。すなわち、親油化剤で表面処理されたチタニア
粉体と、重合性ビニル系モノマの混合物を調製し、また
場合によっては上記モノマと相溶性でかつ水と実質的に
相溶性を有しない有機溶剤を上記混合物に添加し、上記
混合物におけるチタニア粉体の増量に伴う粘度の上昇を
抑え、チタニア粉体の添加量範囲を拡大すると共に、水
系での上記混合物の油滴状分散において、個々の油滴を
球状に分散保持することを可能とさせ、これらにより個
々の油滴内において分散されたチタニア粉体(一次粒
子)を球状に集合して、一旦、樹脂被覆(複合)多孔質
チタニア球体を製造し、これをさらに所定の形状に集合
して加圧成形した後、所定温度下で加熱して被覆樹脂を
除去すると共に焼結して多孔体化する方法である。
上記方法において、表面処理されたチタニア粉体と
は、チタニア(二酸化チタン)粉体が、使用する重合性
ビニル系モノマの重合以前に表面処理されていれさえす
ればよいことを意味する。従って、チタニア粉体が、重
合性ビニル系モノマ中または該モノマと所定の有機溶剤
との混合物中に添加される以前に、予め表面処理されて
いてもよく、また、重合性ビニル系モノマと所定の有機
溶剤と表面処理に用いる親油化剤との混合物中に、チタ
ニア粉体を添加して表面処理するものであってもよい。
上記表面処理とは、チタニア粉体を上記親油化剤と接触
させて該粉体表面に上記親油化剤を吸着または結合させ
る処理をいう。該処理は通常の機械的方法等により達成
される。すなわち、親油化剤とチタニア粉体とからなる
混合物、又は親油化剤とチタニア粉体と重合性ビニル系
モノマとからなる混合物を、常温又は冷却下で、例えば
プロペラ翼又はホモジナイザ等で高速撹拌することによ
り達成される。
この発明に用いるチタニア粉体は、通常の二酸化チタ
ン粉末を用いることができ、その粒径としては0.01〜2.
0μmの間であることが好ましく、0.1〜1.5μmが好ま
しい。
この発明に用いる親油化剤は、上記チタニア粉体に強
力に吸着あるいは結合する官能基を有し、かつ、重合性
ビニル系モノマと親和性の高い炭化水素、あるいは該モ
ノマと結合しうる官能基を有する物質を用いることがで
きる。このようなものとしてはたとえば、オレイン酸、
ステアリン酸、パルミチン酸等の高級脂肪酸、アクリル
酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸及び、アミノエ
チルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、シ
アノエチルアクリレート等の極性基を有するアクリル酸
エステル、チタネートカップリング剤、シランカップリ
ング剤等のカップリング剤等を挙げることができる。こ
の中でも、チタネートカップリング剤やシランカップリ
ング剤の様に、チタニア粉体と強力に結合する官能基を
有するものが好ましい。例えば、チタネートカップリン
グ剤としては、ピロホスフェート型の親油基を有するイ
ソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)、ビ
ス(ジオクチルピロホスフェート)チタネートが挙げら
れ、ホスフェート型の親油基を有するものとしてはテト
ラオクチルビス(ジトリデシルホスフェート)チタネー
ト等が挙げられ、シランカップリング剤であれば、ビニ
ル基を有するもの、例えばビニルトリクロルシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピ
ルトリメトキシシラン等が挙げられる。
この発明に用いる上記重合性ビニル系モノマとして
は、水系に分散された状態で球状の油滴として存在で
き、かつ重合条件下で重合体を形成しうるモノマであれ
ば、公知のものをそのまま使用することができる。また
上記モノマは、1種で用いられてもよく、2種以上で用
いられてもよく、またさらに、公知の架橋剤と併用され
て用いられてもよい。上記モノマとしては、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル
酸エステルおよびスチレン等の芳香族ビニル化合物が好
適なものとして挙げられる。上記架橋剤としては、例え
ば、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチ
レングリコールジメタクリレートおよびトリメチロール
プロパントリメタクリレートの様な多価アルコールのメ
タクリル酸エステルや、ジビニルベンゼン等が好適なも
のとして使用できる。また、前記重合開始剤としては、
使用する重合性ビニル系モノマに可溶なものであればよ
く、例えば通常使用される過酸化ベンゾイル、過酸化ラ
ウロイル、過酸化ジアセチル等の過酸化物およびアゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリ
ル等のアゾ化合物等を挙げることができる。
この発明に用いる有機溶剤としては、上記重合性ビニ
ル系モノマと相溶性で、かつ水と実質的に相溶性を有し
ないものが用いられる。水と実質的に相溶性を有しない
とは、水に不溶ないしは微溶性のものを意味する。また
この有機溶剤は、下記するチタニア粉体と重合性ビニル
系モノマとからなる混合物の粘度調整に用いられるもの
であり、従って常温で3.0センチポイズ(CP)以下の粘
度を有するものが好ましく、さらに用いられる重合性ビ
ニル系モノマと親和性を有するものが好ましい。このよ
うな有機溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル等の酢
酸エステル、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類あ
るいはベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げ
られる。
この発明において、上記した親油化剤で表面処理され
たチタニア粉体、重合性ビニル系モノマ、必要に応じて
添加される有機溶剤等により、スラリ状の混合物が調製
される。このスラリの調製に際して、チタニア粉体は、
重合性ビニル系モノマ100重量部に対して、通常150〜13
00重量部の範囲で用いられ、得られるチタニア粒子の多
孔質度および球形度の点から、230〜1000重量部の範囲
で用いられることが好ましい。また親油化剤は、親油化
剤の最小被覆面積および用いるチタニア粉体の比表面積
により決定されるが、通常チタニア粉体に対して0.2〜
3.0重量部の範囲で用いられる。また有機溶剤は、上記
スラリ状混合物を、下記する水系中での分散時におい
て、球状の油滴に維持できる粘度に調製するための必要
量で用いられる。この量としては、重合性ビニル系モノ
マ100重量部に対して、1〜200重量部の範囲で用いられ
ることが適しており、1〜150重量部の範囲で用いられ
ることが好ましい。上記量が200重量部以上の場合は、
チタニア粉体同志を結合する重合体の実質的強度を得る
ことが困難となる点で好ましくない。また重合開始剤
は、重合性ビニル系モノマの0.1〜2.0重量%の範囲で用
いるのが好ましい。上記スラリ状混合物は、前述の表面
処理と同様の機械的方法等により、均一なスラリに調製
される。
この発明において、上記のごとく調製されたスラリ状
混合物は、水系中に分散され、かつ該混合物中の重合性
ビニル系モノマの重合条件に付される。上記分散は前述
と同様の機械的方法により達成される。このとき分散条
件は、後述する粒径範囲の樹脂被覆チタニア球体が得ら
れる油滴の大きさで分散されるように設定される。上記
重合は、用いる重合性ビニル系モノマの種類に応じて調
節することにより達成されるが、通常の懸濁重合の条件
がそのまま適用できる。
上記分散・重合により、水系中で、重合性ビニル系モ
ノマの重合物からなる樹脂で被覆・複合されたチタニア
粉体の集合体であって、1μm〜1mmの粒径を有する球
状の樹脂被覆チタニア球体が得られる。このチタニア球
体は、常法によりロ別、乾燥される。これらのうち、粒
径15μm〜50μmの球体を選別して用いるのが、焼結体
の機械的強度の点でより好ましい。
この発明において、上記のごとく得られる樹脂被覆多
孔質チタニア球体は、所定の形状に加圧成形される。こ
のときの加圧条件は用いる上記樹脂被覆多孔質チタニア
球体の大きさにより異なるが、所望の成形体形状を保持
し得るに足る圧力で負荷される。
上記加圧成形により所望の形状に保持された樹脂被覆
チタニア球体の集合体は、次いで加熱処理に付される。
この加熱処理は、上記チタニア球体の樹脂が炭化される
ことなく円滑に除去されると共に該チタニア球体中のチ
アニア粉体間が溶融結合する条件下、すなわち集合体を
構成する多孔質チタニア球体が実質的に非多孔質のチタ
ニア球体に変換される条件下で行われる。かかる加熱処
理における加熱温度は1150〜1550℃程度に設定される。
1150℃以下では焼結体の密度が小さすぎて適さず、1550
℃を越えるとチタニア球体内のみならず、球体間が融合
して焼結体としての所望の多孔度が確保できないため好
ましくない。とくに好ましい加熱温度は1250〜1400℃で
ある。但し上記加熱温度への昇温状態としては、1000℃
の昇温までは、長時間(例えば5時間)かけることが、
樹脂の炭化を避ける点で必要である。一方、加熱保持時
間は、通常1〜6時間程度で充分である。
このような処理により、密度2.5g/cm3以上の多孔質チ
タニア焼結体を得ることができる。かかる多孔質チタニ
ア焼結体は、非多孔質のチタニア球体(通常1〜50μ
m、好ましくは15〜50μm)が集合一体化された多孔体
からなり、細孔分布が均一でかつ優れた機械的強度を備
えたものである。そして、この細孔の気孔率や焼結体密
度は、チタニア粉体の含有量、チタニア球体の粒径等を
調節することにより、上記特性を損なわない範囲で簡便
に制御することができる。
(ホ)作用 この発明によれば、親油化剤で表面処理されたチタニ
ア粉体と、重合性ビニル系モノマと、必要に応じて添加
される有機溶剤とからなる混合物において、チタニア粉
体の処理表面に重合性ビニル系モノマの薄層が形成され
る。この状態の混合物が水系中に油滴として分散される
と、油滴は球状に保持され、その状態で各油滴内の上記
重合性ビニル系モノマが重合に付されることにより、チ
タニア粉体が重合体により複合・被覆され、かつチタニ
ア粉体同志が該粉体同志の接触点で重合体により結合さ
れ、その結果一旦、多孔質状でかつ球状の樹脂被覆チタ
ニア球体が得られることとなる。次いでこの樹脂被覆多
孔質チタニア球体は、所定の形状に加圧成形されて集合
され、さらに加熱処理に付されると、被覆樹脂は焼却除
去さると共に1つの球体内で球状に集合されたチタニア
粉体同志が密に融着されて非多孔質焼結球体となると共
に、これらの非多孔質焼結球体同志が球体の接触部で融
着されて、多孔質チタニア焼結体が得られることとな
る。
以下、実施例によりこの発明を説明するが、これによ
りこの発明は限定されるものではない。
(ヘ)実施例 [樹脂複合二酸化チタン球状粒子の調製] 実施例1 2lのビーカーにメチルメタクリレート279g、シランカ
ップリング剤[γ−メタクリルオキシプロピルトリメト
キシシラン、東レシリコーン(株)製SZ−6030]21.0
g、アゾビスイソブチロニトリル0.60gを入れ、溶解した
後、二酸化チタン(ルチル型、粒径0.2μm、帝国化工
(株)製JR−600A)700gを加え、プロペラ翼を備えた撹
拌装置で2000rpmで2時間表面処理した。
5lオートクレーブに複分解ピロリン酸マグネシウム60
gとドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2.6gを含む水2.6
kgを入れ、次いで上記スラリーを加えて乳化させ、窒素
置換した後、撹拌速度を500rpmに設定し、60℃で重合し
た。重合終了後、室温まで冷却し、分散剤を塩酸で分解
した後、ろ過分離した。得られた粒子を走査型電子顕微
鏡(SEM)で観察したところ、約8μmの中心径を持
つ、球状の粒子で、ポリメチルメタクリレート(PMMA)
樹脂により被覆された二酸化チタン球状粒子を形成して
いた。
実施例2 2lのビーカーにメチルメタクリレート279g、シランカ
ップリング剤[γ−メタクリルオキシプロピルトリメト
キシシラン、東レシリコーン(株)製SZ−6030]21.0
g、アゾビスイソブチロニトリル0.60gを入れ、溶解した
後二酸化チタン(ルチル型、粒径0.2μm、帝国化工
(株)製JR−600A)700gを加え、プロペラ翼を備えた撹
拌装置で2000rpmで2時間表面処理した。
5lオートクレーブに複分解ピロリン酸マグネシウム60
gとドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ2.6gを含む水2.6
kgを入れ、次いで上記スラリーを加えて乳化させ、窒素
置換した後、撹拌速度を400rpmに設定し、60℃で重合し
た。重合終了後、室温まで冷却し、分散剤を塩酸で分解
した後、ろ過分離した。得られた粒子を走査型電子顕微
鏡(SEM)で観察したところ、約20μmの中心径を持
つ、球状の粒子で、ポリメチルメタクリレート(PMMA)
樹脂により被覆複合された二酸化チタン球状粒子を形成
していた。
実施例3 2lのビーカーにメチルメタクリレート249g、エチレン
グレコールジメタクリレート30g、酢酸ブチル300g、チ
タネートカップリング剤[ビス(ジオクチルピロホスフ
ェート)オキシアセテートチタネート、味の素(株)製
プレンアクトKR−138S)21.0g、アゾビスイソブチロニ
トリル0.14gを入れ、溶解した後、二酸化チタン(ルチ
ル型、粒径0.2μm、帝国化工(株)製JR−600A)700g
を加え、プロペラ翼を備えた撹拌装置で2000rpmで2時
間表面処理した。
5lオートクレーブに複分解ピロリン酸マグネシウム50
gとドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.75gを含む水2.
5kgを入れ、次いで上記スラリーを加えて乳化させ、窒
素置換した後、撹拌速度を400rpmに設定し、60℃で重合
した。重合終了後、室温まで冷却し、分散剤を塩酸で分
解した後、ろ過分離した。得られた粒子を走査型電子顕
微鏡(SEM)で観察したところ、約50μmの中心径を持
つ球状でポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂により
被覆複合された二酸化チタン球状粒子を形成していた。
[二酸化チタネート球状粒子焼結体の調製] 実施例4 実施例1のようにして得られたPMMA複合二酸化チタン
球状粒子を0.5g秤量し、これを成形用金型[12.5mmφ×
27.5mmh]に充填した。成形圧1ton/cm2で15秒間加圧成
形し、見掛け密度1.87g/cm3の成形体を得た。次いで、
上記PMMA複合二酸化チタン球状粒子成形体を5個重ねて
電気炉に入れ、1300℃におてい3時間焼成して焼結体を
得た。この焼結体の見掛け密度は3.81g/cm3であった。
また、この焼結体を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察
したところ、第1図のように二酸化チタン球状粒子の原
形を失って焼結された焼結体を構成していることが観察
された。
実施例5 実施例2のようにして得られたPMMA複合二酸化チタン
球状粒子を0.5g秤量し、これを成形用金型[12.5mmφ×
27.5mmh]に充填した。成形圧1ton/cm2で15秒間加圧成
形し、見掛け密度1.84g/cm3の成形体を得た。次いで、
上記PMMA複合二酸化チタン球状粒子成形体を5個重ねて
電気炉に入れ、1300℃におてい3時間焼成して焼結体を
得た。この焼結体の見掛け密度は3.01g/cm3であった。
また、この焼結体を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察
したところ、第2図のように二酸化チタン球状粒子の原
形を維持したまま約22%収縮した焼結体を構成している
ことが観察された。
実施例6 実施例3のようにして得られたPMMA複合二酸化チタン
球状粒子を0.5g秤量し、これを成形用金型[12.5mmφ×
27.5mmh]に充填した。成形圧1ton/cm2で15秒間加圧成
形し、見掛け密度1.92g/cm3の成形体を得た。次いで、
上記PMMA複合二酸化チタン球状粒子成形体を5個重ねて
電気炉に入れ、1300℃におてい3時間焼成して焼結体を
得た。この焼結体の見掛け密度は3.20g/cm3であった。
また、この焼結体を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察
したところ、第3図のように二酸化チタン球状粒子の原
形を維持したまま約20%収縮した焼結体を構成している
ことが観察された。
実施例7 実施例4,5及び6で得られた各チタニア焼結体をJISR
−1601にしたがって、3点曲げ強度試験に付してその機
械的強度を評価した。その結果を下表に示す。
このように、実施例4〜6のチタニア焼結体は、優れ
た機械的強度を有するものであった。
(ト)発明の効果 この発明の多孔質チタニア焼結体は、非多孔質チタニ
ア球体が集合、一体化されたものであり、均一な細孔分
布と優れた機械的強度を兼ね備えたものである。そして
この発明の製造法によれば、かかる多孔質チタニア焼結
体を効率良く製造できると共に、その気孔率や機械的強
度を再現性良く簡便に制御することができる。
したがって、この発明によれば、工業用医療用材料や
フィルター、化粧品等、また、センサー素子、触媒、耐
火材料等の高機能性材料として多くの応用分野で利用で
きる実用強度を備えたセラミックス多孔質材料を簡便に
提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は各々この発明の実施例4〜6で得られ
た多孔質チタニア焼結体の粒子及び気孔構造を拡大写真
で示す図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親油化剤で表面処理されたチタニア粉体を
    重合性ビニル系モノマから形成された樹脂で被覆したチ
    タニア粉体の集合体からなる多孔質チタニア球体が、加
    圧成形されかつ加熱焼成されて、非多孔質チタニア球体
    を構成すると共に隣接する非多孔質チタニア球体がその
    接触部で融着して構成されてなる多孔質チタニア焼結
    体。
  2. 【請求項2】密度が2.5g/cm3以上である請求項1記載の
    多孔質チタニア焼結体。
  3. 【請求項3】親油化剤で表面処理されたチタニア粉体
    と、重合性ビニル系モノマと、必要に応じて添加される
    上記モノマと相溶性でかつ水と実質的に相溶性を有しな
    い有機溶剤とからなる混合物を、水系に分散し、上記モ
    ノマを重合させることにより、樹脂で被覆されたチタニ
    ア粉体の集合体からなる多孔質チタニア球体を得、次い
    でこの樹脂被覆多孔質体を集合して加圧成形した後、該
    多孔質チタニア球体を非多孔質に変換しうる温度下で加
    熱焼結することにより、請求項1記載の多孔質チタニア
    焼結体を得ることを特徴とする多孔質チタニア焼結体の
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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