JP2024528622A - 嗅覚刺激に対する反応を測定するための方法 - Google Patents

嗅覚刺激に対する反応を測定するための方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024528622A
JP2024528622A JP2024501930A JP2024501930A JP2024528622A JP 2024528622 A JP2024528622 A JP 2024528622A JP 2024501930 A JP2024501930 A JP 2024501930A JP 2024501930 A JP2024501930 A JP 2024501930A JP 2024528622 A JP2024528622 A JP 2024528622A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
subject
well
brain
flavor
fragrance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2024501930A
Other languages
English (en)
Inventor
ウォー,ジョナサン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takasago International Corp
Original Assignee
Takasago International Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takasago International Corp filed Critical Takasago International Corp
Publication of JP2024528622A publication Critical patent/JP2024528622A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16HHEALTHCARE INFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR THE HANDLING OR PROCESSING OF MEDICAL OR HEALTHCARE DATA
    • G16H10/00ICT specially adapted for the handling or processing of patient-related medical or healthcare data
    • G16H10/40ICT specially adapted for the handling or processing of patient-related medical or healthcare data for data related to laboratory analysis, e.g. patient specimen analysis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/05Detecting, measuring or recording for diagnosis by means of electric currents or magnetic fields; Measuring using microwaves or radio waves 
    • A61B5/055Detecting, measuring or recording for diagnosis by means of electric currents or magnetic fields; Measuring using microwaves or radio waves  involving electronic [EMR] or nuclear [NMR] magnetic resonance, e.g. magnetic resonance imaging
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B5/00Measuring for diagnostic purposes; Identification of persons
    • A61B5/40Detecting, measuring or recording for evaluating the nervous system
    • A61B5/4005Detecting, measuring or recording for evaluating the nervous system for evaluating the sensory system
    • A61B5/4011Evaluating olfaction, i.e. sense of smell
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/0001Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00 by organoleptic means
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R33/00Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
    • G01R33/20Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
    • G01R33/44Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
    • G01R33/48NMR imaging systems
    • G01R33/4806Functional imaging of brain activation

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Radiology & Medical Imaging (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
  • Physiology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Primary Health Care (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Abstract

本発明は、機能的磁気共鳴画像法を使用して芳香または香味料をスクリーニングして、芳香または香味料が「ウェルビーイング」効果を誘発する能力を評価する方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、刺激、具体的には、ウェルビーイング効果を誘導する芳香成分、アコード、完全に調合された芳香、または香味料から生ずる刺激に対するヒトの反応を見分けるためのマッピング技術、定量的機能的磁気共鳴画像法(fMRI)の使用に関する。
従来の消費者リサーチ技術は、製品が商業的成功となるか否かを予測することにおいて限定された成功のみを有する。質問に反応して意見を言葉でまとめて表現するのに要求される時間および熟考なしに、刺激に対する脳の反応を測定する技術を有することが望ましい。磁気共鳴画像法技術は、脳が刺激を解釈する間に消費者が非言語的なやり方でいかに刺激に反応するかを検討するやり方を提案する。それは、一次反応(例えば梨状皮質PCにおいて)および感覚信号のさらなる処理(例えば眼窩前頭皮質OFCにおいて)両方の視覚化を考慮に入れる。消費者はそれに反応するためには製品を使用または経験しなければならず、MRIによって脳の反応を測定する文脈において、これは多くの製品では困難となり得る。しかしながら、特定の形態のオルファクトメータを使用して脳の反応を測定しながら、正確かつ精確なやり方で対象に嗅覚刺激を導入することは可能である。
オルファクトメータは、制御された再現可能なやり方で対象にいくつもの嗅覚刺激を提供するように設計されたデバイスである。MRIスキャン技術の要件は、MRIスキャナとの併用にとって好適なオルファクトメータの設計に制約を課す。1つの主要な制約は、スキャナの周辺以内からの磁気材料の排除である。MRIスキャナと併用され得るオルファクトメータの利用可能性を原因として、MRIによって嗅覚刺激に対する脳の反応を測定することへの関心は、過去数年に著しくに増大している。嗅覚について、MRI測定への関心のほとんどは、刺激に対する快楽反応に集中している(例えばザトーレ(Zatorre)R.L.,ジョーンズ-ゴットマン(Jones-Gottman),M,ルービー(Rouby)C,「においの快さおよび強度判断に関わる神経メカニズム(Neural mechanisms involved in odor pleasantness and intensity judgements)」,ニューロレポート(NeuroReport),第11巻,p2711-2716(2000年)またはコバル(Kobal)G,ケッテンマン(Kettenmann)B,インターナショナル・ジャーナル・オブ・サイコフィジオロジー(International Journal of Psychophysiology),第36巻(2),p157-163,2000年を参照)。
側頭頭頂接合部(TPJ)の一部の角回(AG)は、他の脳野からの信号の統合とのその関連付け、具体的には社交的文脈とのそのリンクゆえに、注目を集めている(例えばセギエ(Seghier),ニューロサイエンティスト(Neuroscientist),2013年,v19,p43またはカーター(Carter)およびヒュッテル(Huttel),トレンズ・イン・コグニティブ・サイエンシズ(Trends in Cognitive Sciences),2013年,v17,p32を参照)。
かかる結論を引き出すために使用された研究は、多様な刺激、例えば言葉(タクラル(Thakral)ら,ザ・ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス(The Journal of Neuroscience),2017年,v37,p8142)、テキスト(アディン(Uddin)ら,セレブラル・コルテックス(Cerebral Cortex),2010年,v20,p2636)、または画像(アパリー(Apperly)ら,コグニション(Cognition),2007年,v103,p300)を使用した。
社交的手がかりの解釈に関連付けられている他の脳野は、下前頭回を包含する下前頭皮質および中前頭回を包含する中前頭皮質を包含する。例えば、ヘンコ(Henco)ら,コルテックス(Cortex),2020年,v131,p221-236またはマイニエリ(Mainieri)ら,ニューロイメージ(NeuroImage),2013年,v81,p294-305を参照。
「ウェルビーイング」の考え方はますます広く使用されるようになっており、多くの人々は、それらがそれらの「ウェルビーイング」の状態を判断し得ると自然に見なす。唯一の定義は存在しないが、本開示の目的では、我々は、疾病予防管理センター(CDC)の集団健康管理部門(Division of Population Health)の健康関連の生活の質(HRQOL)プログラムによって提供される解釈を参照する。これは、集団HRQOLおよびウェルビーイング評価における専門的意見およびサポートをCDC、州、共同社会、および他の公衆衛生パートナーに提供する。概要として、それらは以下を述べている(https://www.cdc.gov/hrqol/wellbeing.htm-2021/11/04にアクセス):
- ウェルビーイングの唯一の定義についての意見の一致はないが、最低でも、ウェルビーイングは、前向きな感情および気分(例えば、充足感、幸福感)の存在、後ろ向きな感情(例えば、抑うつ、不安)の不在、人生の満足感、充実感、および前向きな働きを包含するという一般的な合意がある。単純に言うと、ウェルビーイングは、人生を前向きに判断することおよび良い気持ちであることとして記述され得る。
- ウェルビーイングは、人々および多くの社会セクターにとって意味がある前向きな成果である。なぜなら、それは、人々がそれらの人生が上手く行っていると知覚するということを我々に教えるからである。良好な生活条件(例えば、住居、雇用)はウェルビーイングの根本である。これらの条件を追跡することは公共政策にとって重要である。しかしながら、生活条件を測定する多くの指標は、人々がそれらの人生について何を考え感ずるのか、例えばそれらの関係性のクオリティ、それらの前向きな感情および立ち直る力、それらの可能性の実現、またはそれらの総体的な人生の満足感-すなわちそれらの「ウェルビーイング」を測定できない。ウェルビーイングは、一般的に、人生の満足感および抑うつから喜びまでの範囲の気持ちの全体的な判断を包含する。
- ウェルビーイングはメンタルヘルス(心)および肉体的健康(体)を統合し、疾患予防および健康促進へのより全体的なアプローチをもたらす。
周囲の香気が多感覚構築環境におけるウェルビーイングを増強するためにいかに使用されるかを説明する文献の総説が、2020年にチャールズ・スペンス(Charles Spence)によって発表された(フロンティアズ・イン・サイコロジー(Frontiers in Psychology),2020年11月,第11巻,記事598859)。彼の結論では、著者は、我々の屋内における顕著な存在に関連付けられる匂いは我々の気分およびウェルビーイングについて有意な影響を有し得るという高まる認識があるということと、少なくとも適切に管理される場合には、快い周囲の香気が我々の社交的、感情的、および認知的なウェルビーイングに対して有し得る潜在的に前向きな影響を新しい証拠もまた明らかにしているということとを指摘している。
我々は、ウェルビーイング効果を誘導するとして同定された芳香/アコードを嗅いだ対象が、それらを甘い、柔らかい、軽い、快いという属性の1つまたは1つ以上に関連付けるということを見出した。我々は、さらに驚くべきことに、より低い「ウェルビーイング」関連付けを有するものと比較したときにかかる高い「ウェルビーイング」関連付けを有するとして回答者によって同定された芳香および香味料が、角回(AG)の活性化を示し、任意に、下前頭皮質および/または中前頭皮質の活性化をもまた示すということを見出した。我々は、この活性化は、これらの芳香または香味料との回答者の複雑かつ豊富な関連付けにリンクされていると解釈する。本開示では、右脳半球もしくは左脳半球またはその両方が活性化されるのかどうかの区別はなされない。
1つの態様において、本発明は、「ウェルビーイング」効果を誘発する芳香または香味料を同定する方法を提供し、方法は、角回が前記芳香または香味料を嗅いだ対象において活性化されるかどうかを決定することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、下前頭皮質および/または中前頭回皮質もまた前記対象において活性化されるかどうかを決定することをさらに含む。いくつかの実施形態において、角回の、ならびに任意に下前頭皮質および/または中前頭回皮質の活性化の決定は、対象のfMRI脳スキャンをすることを包含する。
別の態様において、本発明は、上述の方法によって同定される芳香または香味料を提供する。
別の態様において、本発明は、完全に調合された芳香またはアコードを調製する方法を提供し、これは、上述の方法によって「ウェルビーイング」効果を誘発する芳香を同定すること、および前記芳香を完全に調合された芳香またはアコードに調合することを含む。本発明は、香味料調製物、食品製品、口腔ケア製品、または飲料を調製する方法をもまた提供し、これは、上述の方法によって「ウェルビーイング」効果を誘発する香味料を同定すること、および前記香味料を香味料調製物、食品製品、口腔ケア製品、または飲料に調合することを含む。
別の態様において、本発明は、消費者製品における、上述の方法によって同定された「ウェルビーイング」効果を誘発する芳香の使用を提供する。本発明は、香味料調製物、食品製品、口腔ケア製品、または飲料における、上述の方法によって同定された「ウェルビーイング」効果を誘発する香味料の使用をもまた提供する。
定義
本開示において、ウェルビーイングは、その一般的に認められた意味、すなわち、考え、感情、行為、および経験から生ずる健康および元気の感覚を与えられる。ウェルビーイングの5つの主要な型がある:
- 感情的ウェルビーイングであって、これは、ストレス管理技術を実践する、立ち直りが早い、および良い気持ちに至る感情を作り出す能力として定められ得る、
- 肉体的ウェルビーイングであって、これは、健康な食事、良好な運動習慣、および他の健康な習慣によって体の働きを改善する能力として定められ得る、
- 社交的ウェルビーイングであって、これは、意思疎通する、他者との親交を発達させる、および孤独を克服することを助けるサポートネットワークを創出する能力として定められ得る、
- 職場ウェルビーイングであって、これは、人生の意味、幸福感、および豊かさを獲得するために仕事の関心、技能、および目的を追求する能力として定められ得る、
- 社会的ウェルビーイングであって、これは、繁栄するコミュニティ、文化、および環境を創出することに積極的に参加する能力として定められ得る。
本明細書に使用される用語「脳活動」は、精神活動に関連付けられるヒトの脳または脳の領域内の生理学的および生化学的活動を意味し、活動している脳領域への血流の増大、血中の酸素レベルの変化、代謝活性(例えばグルコース消費)の増大、ニューロンの電位の変化、および神経伝達物質の放出を包含するが、これらに限定されない。脳活動は、非侵襲的に、例えば頭蓋から出る電場、磁場の変化を測定することによって、あるいは、脳による増大したエネルギー消費ならびにオキシヘモグロビンおよびデオキシヘモグロビンの間の対比と相関する脳活動を測定するための認められた技術である血中酸素レベル依存(BOLD)法によって測定され得る。
本明細書に使用される用語「脳野」は、任意の形状であり得、かつ解剖学的にまたは空間的に特徴づけられ得るヒトの脳内の組織のボリュームを言う。
本明細書に使用される用語「前頭」、「前」、「後」、「上」、および「下」は、解剖学におけるそれらの慣習的な意味を有する。例えばステッドマン医学大辞典を参照。
特定の脳内の場所または脳内のボリュームは、三次元座標系の参照によってもまた記述され得る。1つのかかるシステムは、タライラッハ(Talairach)およびトゥルノクス(Tournox)によって記載されるものであり(「ヒトの脳の同一平面定位アトラス(Stereotaxic Coplanar Atlas of the Human Brain)」,1988年のティーメ(Thieme)刊,ISBN9783137117018)、著者によって典型的であると見なされる単一の脳に基づく。個々の対象の脳の画像またはマップは肉眼的な比較によってかかるテンプレート脳と比較され得るか、または個々の脳をテンプレート脳上にマッピングするコンピュータソフトウェアプログラムが使用され得る。例えば、下に記載されている統計的パラメトリックマッピング(SPM)ソフトウェアは、MNI(モントリオール神経学研究所)テンプレート上への個々の脳の空間的登録および正規化を自動で行う。MNI座標およびタライラッハ座標の中での対応を決定するソフトウェアもまた利用可能である(例えば、www.cla.sc.edu/psyc/faculty/rorden/mricro.htmlで利用可能なMRIcro。ローデン(Rorden)およびブレット(Brett)(2000年),ビヘイビアラル・ニューロロジー(Behavioural Neurology),第12巻:p191-200をもまた参照)。
本明細書に使用される用語「ボクセル」は、空間における特定のボリュームに対応する多次元データ点を言い、具体的には、脳イメージング法から得られ、かつ脳内の特定のボリュームに対応するかかるデータ点を言う。ボクセルサイズは、実験手順および機器、特にfMRI装置の分解度に依存する。本願では、3.0テスラ装置が使用されたが、今日では7テスラまでの装置が市販されている。fMRI実験に関係して本開示において言及される2つの型の「ボクセル」には、機能的シーケンスからのボクセルおよび解剖学的シーケンスからのボクセルがあるということに留意すべきである。明示的に述べられない限り、ボクセルへの全ての言及は、機能的シーケンスからのボクセルを言う。
本明細書に使用される用語「脳活性化マップ」は、各データ点がヒトの脳内のある点またはボリュームに対応するデータの配列またはセットを意味する。各データ点は、脳の座標に関連付けられた単一のデータからなり得るか、または脳の座標に関連付けられた多次元データ配列からなり得る。脳活性化マップは、二もしくは三次元図として表示され得るか、またはグラフィック表示されることなしにデータセットとして保存され得る。
本明細書に使用される用語「芳香」は以下を意味するとみなす:
- 任意の個々の材料、例えば「芳香成分」(これは用語「香り成分」および「香り材料」と同義である)、
- 上で定められている個々の材料の混合物、例えば、例えばアコードまたは完全に調合された芳香。個々の材料の混合物は、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも30、または少なくとも40個の芳香成分を含み得る。アコードは典型的には25個未満の個々の材料を有し、単数のまたは単純な香気の方向性、例えば林檎アコード、ムスク系アコードを有する。完全に調合された芳香は、アコード、または1つ以上のアコードおよび個々の成分、または複数の個々の成分を組み合わせることから作られ得て、典型的には、50~75個の個々の材料と、より複雑な香気の記述、例えばフルーティー-フローラル-ウッディーとを有するであろう。
当業者は、芳香成分はそれ自体が多くの個々の化学系化合物を含み、快い匂いを所持し得るということを了解するであろう。この区別は、芳香創出の分野に精通するものには理解される。香り成分または香り材料は、芳香組成物に使用される任意の天然オイルもしくはエキスまたは化学系化合物であり得る。天然オイルおよびエキスは、ヴァンノストランド(Van Nostrand)刊のE.ギュンター(Guenther)による「エッセンシャルオイル(The Essential Oils)」に記載され、好適な植物の任意の一部:根、根茎、球根、球茎、茎、樹皮、心材、葉、花、種子、および果実からのエキスおよび留出物を包含し得る。かかるエキスおよび留出物の例は、柑橘系果実オイル、例えばオレンジまたはレモンオイル、樹木系オイル、例えばパインオイルまたはシダーウッドオイル、ハーブオイル、例えばペパーミントオイル、タイムオイル、ローズマリーオイル、クローブオイル、または花エキス、例えばローズオイルまたはゼラニウムオイルを包含する。調香用の使用のための広い種々の合成有香材料もまた公知であり、種々の化学官能基、例えばアセタール、アルケン、アルコール、アルデヒド、アミド、アミン、エステル、エーテル、イミン、ニトリル、ケタール、ケトン、オキシム、チオール、チオケトンなどを所持する材料を包含する。限定されようとすることなしに、ほとんどのケースでは、香り成分は、70質量単位および400質量単位の間の分子量を有する有香化合物であって、十分な揮発性を保証する。芳香成分は、強イオン化傾向の官能基、例えばスルホン酸塩、硫酸塩、または第四級アンモニウムイオンを含有しないであろう。
「香味料」は、口から摂取され、主として味および匂いの感覚ならびに口内の一般的な疼痛および触覚受容器によってもまた知覚され、脳によって受容および解釈される任意の個々の材料、または数個から40個よりも多くまでの個々の材料の混合物を意味するとみなす。香味料は、単数のまたは単純な風味の方向性、例えば林檎風味および肉風味、またはより複雑な風味の方向性、例えばアップルパイおよびBBQ風味に至り得る。風味の知覚は香味料の特性である。
「香味料」は、食品の風味を付与、改変、または増強するために食品に追加される製品である(FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)によって作成された文書の香味料の使用についてのガイドラインCAC/GL66-2008を参照)。香味料は、香味料物質(これらは、天然香味料物質およびエキスならびに合成香味料物質を包含する)、天然香味料の複合体、熱処理香味料または燻煙香味料、およびそれらの混合物からなり得て、さらに、非香味料食品成分を含有し得る。香味料は、上で挙げられている数個から40個よりも多くまでの構成成分からなり得る。香味料はそのままで消費されることは意図されず、香味料調製物、食品製品、口腔ケア製品、または飲料に組み込まれ得る。香味料は、それらが組み込まれる製品と適合性である添加物(例えば溶媒または可溶化剤、例えば界面活性剤)をもまた含有し得る。
上の用語のいくつかのより拡張された説明は、上述のガイドライン、香味料についての規則(EC)No1334/2008、および食品添加物についての規則(EC)1333/2008に見出され得る。追加の有用な参照は国際食品香料工業協会(IOFI)行為準則,2020年4月改訂(https://cdn2.assets-servd.host/erratic-warthog/production/Documents/iofi-code-of-practice-5th-revision.pdf,2021/07/15にアクセス)であり、これは、香味料についての規制の文脈および成分をより詳細に説明する。口腔ケア製品は食品製品ではなく化粧製品と見なされるということは留意されるべきであり、口腔ケア製品に使用される風味は、国際香粧品香料協会(IFRA)規格および食品製品の香味料の要件(IFRA,IFRA規格の使用のためのガイダンス,2020年5月4日,1.6.2,https://ifrafragrance.org/docs/default-source/ifra-code-of-practice-and-standards/49th-amendment/ifra-49th-amendment-(att-01)---guidance-for-the-use-of-ifra-standardsa7006c445f36499bbb0eb141e8c0d4be.pdf?sfvrsn=7fb244c8_2を参照。2021/07/15にアクセス)両方を満たすことを必要とする。
食品製品、口腔ケア製品、または飲料からの風味の知覚には、味覚および嗅覚刺激の組み合わせが関わり、例えば「フルーティー」、「ミーティ」、「フローラル」、「ハーバル」などの記述子を生ずる。吸嗅するときの前鼻腔性の匂い(これは食品のアロマ、ワインのブーケを与える)と嚥下行為の間に鼻の後ろから空気が拍出されるときの後鼻腔性の匂いとの間には区別がある。風味を生ずる味覚キューと組み合わせられるのは、後鼻腔性のアロマまたは香気である(スペンス(Spence),セル(Cell),2015年,第161巻,p24-35)。よって、におい知覚は芳香および風味の評価両方の鍵である。
香りおよび香味料成分は、S.アークタンダー(Arctander),「香りおよび風味の化学物質(Perfume Flavors and Chemicals)」,Vol.IおよびII,モントクレア,N.J.、メルク・インデックス第8版,メルク社,ローウェイ,N.J.、「アルアードの風味および芳香材料(Allured’s Flavor and Fragrance Materials)」,2013年,アルアード(Allured)出版社刊,ASIN:B01FKWD33S、ならびにズルベルク(Surberg)およびパンテン(Panten)編,「一般的な芳香および風味材料:調製、特性、および使用(Common Fragrance and Flavor Materials: Preparation, Properties & Uses)」,第6版,ワイリー-VCH刊(2016年)ISBN-10:3527331603により詳しく記載されている。これらの全ては参照によって本願に組み込まれる。
本明細書に使用される表現「口腔ケア製品」は、口腔を清潔にする、息をフレッシュにする、および/または良好な口腔衛生を維持する製品を意味することが意図される。口腔ケア製品の例は練り歯磨き、うがい薬、およびブレスフレッシュナーを包含する。
図1は、本発明の方法に使用されるfMRI実験ブロックの設計を表す。
1つの態様において、本発明は、ウェルビーイング効果を誘発する芳香または香味料を同定する方法を提供し、方法は、角回が、前記芳香または前記香味料を嗅いだ対象において活性化されるかどうかを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、方法は、さらに、下前頭皮質および/または中前頭回皮質もまた前記対象において活性化されるかどうかを決定することを含む。
いくつかの実施形態において、角回のならびに任意に下前頭皮質および/または中前頭回皮質の活性化の決定は、対象のfMRI脳スキャンをすることを包含する。
いくつかの実施形態において、方法は、
a) - 対象グループの各対象に対照のにおいを嗅がせること、および
- 各対象の脳活動を検出するために、対照のにおいを嗅ぐ各対象の機能的磁気共鳴画像法(fMRI)脳スキャンをキャプチャすること、
を含む、対象グループを第1のプロトコルに付すことと、
b) - 前記グループの各対象に、試験されるべき芳香または香味料物質を嗅がせること、および
- 各対象の脳活動を検出するために、試験されるべき芳香または香味料を嗅いだ各対象のfMRI脳スキャンをキャプチャすること、
を含む、同じ対象グループを第2のプロトコルに付すことと、
c)第1のプロトコルおよび第2のプロトコルにおいて得られた全ての対象の脳活動を平均することと、
d)第2のプロトコルにおいて得られ結果として生じる平均された脳活動を、第1のプロトコルにおいて得られ結果として生じる平均された脳活動と対比し、この対比から、角回における隣接する活性化ボクセルの数を決定すること、
こうして決定された隣接する活性化ボクセルの数(対比から)が、閾値以上である場合には、試験された芳香または試験された香味料はウェルビーイング効果を誘発する。
いくつかの実施形態において、ステップd)は、さらに、対比から、下前頭皮質(FIC)および/または中前頭皮質(FMC)における隣接する活性化ボクセルの数を決定することを含み、FICおよび/またはFMCにおける決定された隣接する活性化ボクセルの数(対比から)が、角回に使用された同じ閾値以上である場合には、試験された芳香または試験された香味料がウェルビーイング効果を誘発するという追加の確証が得られる。
任意のにおいを吸嗅することは、におい処理を原因とする脳活動を誘発し、これは下に記載される通りfMRIによって検出される。本発明は、芳香または香味料を嗅ぐことに反応した角回のならびに任意に下前頭皮質および/または中前頭皮質の活性化は、においが「ウェルビーイング」の状態に関連付けられるという証拠であるという驚くべき知見に基づく。
本発明の方法は第1のステップのステップa)を含み、ここでは、対象グループの中の対象はそれぞれが対照のにおいを嗅ぎ、fMRIを使用して各対象の脳活動が決定される。対象グループは、典型的には少なくとも5人の対象、好ましくは少なくとも10人の対象を含む。対照のにおいは、好ましくは、空気または空気で希釈された溶媒である。芳香または香味料創出に普通に使用される任意の無臭の溶媒、例えばジプロピレングリコール、プロピレングリコール、MCT(中鎖トリグリセリド)オイル、またはクエン酸トリエチルは、本発明の方法に使用され得る。いくつかの実施形態において、対照のにおいは、(fMRIを使用して)角回を活性化しないことが示されている上で定められている芳香または香味料でもまたあり得る(例えば、個々の材料、例えば、例えばコーヒーエキス、またはアコードまたは既存の芳香もしくは香味料であって、これに対して新たな芳香または香味料が試験される)。
第2のステップのステップb)において、同じ対象グループは供試芳香または供試香味料を嗅ぎ、各対象の脳活動が再びfMRIを使用して決定される。
対照のにおいおよび芳香または香味料は、オルファクトメータによって対象の鼻の穴の1つに注入される。鼻腔が乾燥してくることを避けるために、対照のにおいおよび芳香または香味料は好ましくは鼻に導入される前に加湿される。
第3のステップのステップc)において、対照のにおいを嗅いだ全ての対象の脳活動が平均され、供試芳香または香味料を嗅いだ全ての対象の脳活動もまた平均される。
第4のステップのステップd)において、ステップc)において平均された脳活動が、供試芳香または香味料および対照のにおいについて対比される。対比の結果として、3D空間における隣接する活性化ボクセル、すなわち有意に異なる血流(または活動)を有する隣接するボクセル、つまり研究される脳野内のスチューデントt検定(p<0.005またはより好ましくはp<0.001)に合格するボクセルの数が、決定される。ボクセルは典型的には立方体または直方体であり、辺あたり例えば約0.5mmから約7mmの大きさである。ボクセルが互いに隣接するときに、それらは、典型的には、クラスターとして公知であるものを形成する。クラスター中のボクセル数はクラスターサイズと言われる。脳野が活性化されたかどうかを決定するために、対比から得られた隣接する活性化ボクセルの数を閾値と比較する。10という閾値が一般的にfMRIリサーチに使用される、例えばリーバーマン(Liebermann)およびカニンガム(Cunningham),ソーシャル・コグニティブ・アンド・アフェクティブ・ニューロサイエンス(Social Cognitive and Affective Neuroscience),2009年12月,第4巻(4),p423を参照。
従って、いくつかの実施形態において、閾値は10である。いくつかの実施形態において、閾値は20である。いくつかの実施形態において、閾値は30である。いくつかの実施形態において、閾値は50である。
角回において、対照のにおいとの供試芳香または供試香味料の対比からの隣接する活性化ボクセルの数が、閾値以上である場合には、試験された芳香または香味料はウェルビーイング効果を誘発する。
供試芳香または香味料がウェルビーイング効果を誘発するという追加の確証は、同じ分析を下前頭皮質および中前頭皮質に行うことからもたらされ得る。
いくつかの実施形態において、ステップc)およびd)はそれぞれステップc1)およびd1)によって置き換えられる:
c1)各対象について、第2のプロトコルにおいて得られた脳活動を第1のプロトコルにおいて得られた脳活動と対比し、それによって、隣接する活性化ボクセルの数が決定されること、
d1)全ての対象の結果として生じる対比された脳活動を平均すること。
使用される総体的な実験アプローチの典型例が下に記載される。
対象の選択
対象は読み書きする能力があり、かつインフォームドコンセントを提供する能力を有するということが要求される。潜在的な対象は、それらが以下を有する場合には除外される:DSM-IV第I軸障害のための構造化面接(SCID-I)(ファースト(First)ら,「DSM-IV第I軸障害のための構造化面接-患者版(Structured clinical interview for DSM-IV axis I disorders - patient edition)」,SCID-I/P,バージョン2.0,ニューヨーク,バイオメトリクス研究部門:ニューヨーク州精神医学研究所(1995年))によって決定される単純な恐怖症以外だが物質乱用/依存を包含する現病のもしくは既往の精神科障害、神経疾患の既往歴、現時点で不安定な医学的状態、手続き時間から5半減期以内に使用された向精神薬、MRI手順を非安全にするであろうあらゆる金属製インプラントもしくは金属片、取り外し不可能な医療用デバイス、例えばペースメーカーもしくは固定式補聴器、以前にMRI手順を忍容することができなかったこと、または閉鎖空間において実質的な不安を誘導するために十分重症の閉所恐怖症。他の除外基準は、9歳よりも下の年齢、嗅覚機能に対する影響を有することが公知のあらゆる疾患の既往歴(例えば糖尿、パーキンソン病、腎不全など)を包含する。完全なENT(耳鼻咽喉)検査は、嗅覚能力に干渉し得る病態:急性のまたは重症の慢性の鼻炎または副鼻腔炎、重症の鼻中隔弯曲、心的外傷の既往歴、鼻ポリープなどを排除した。対象は実験への参加のためには利き手検査をもまた完了した。性別または利き手を原因とする変動を避けることが好ましい。そこで、対象は、単一の性のかつ同じ優先的な手を有するパネルまたはグループを構成するように選択される。
上の選択基準に合格した正常嗅覚対象のみが試験のために選択された。対象が匂いの正常な感覚を有するということを保証するための種々の試験が市販されている。かかる試験は、におい同定試験からより精緻な閾値および識別試験まで様々である。あらゆる好適な試験は検証され、信頼性があるべきである。下で与えられる例においては、「スニッフィングスティック」試験が嗅覚機能を評価するために使用された。スニッフィングスティックのさらなる情報は、T.ヒュンメル(Hummel)ら,「スニッフィングスティック:においの同定、においの識別、および嗅覚閾値の組み合わせ試験によって評価される嗅覚成績(Sniffin Sticks: Olfactory Performance Assessed by the Combined Testing of Odor Identification, Odor Discrimination and Olfactory Threshold)」,ケミカル・センシズ(Chemical Senses),1997年,vol22,pp39-52またはT.ヒュンメル(Hummel)ら,「4分におい同定試験による嗅覚機能のスクリーニング:嗅覚低下のある患者における信頼性、基準データ、および調査(Screening Olfactory Function with a Four Minute Odor Investigation Test Reliability Normative Data and Investigations in Patients with Olfactory Loss)」,アナルズ・オブ・オトロジー・リノロジー・アンド・ラリンゴロジー(Annals of Otology, Rhinology & Laryngology),2001年,vol110,pp976-981を参照。スニッフィングスティックはブルクハルト(Burghardt)Gmbh、ヴェーデル、ドイツから利用可能である。におい提示のために、キャップが実験者によっておよそ3秒間除かれ、ペン先が両方の鼻の穴のおよそ2cm前に置かれる。におい同定試験には、12個の一般的なにおい(シナモン、バナナ、レモン、リコリス、パイナップル、コーヒー、クローブ、ローズ、皮革、魚、オレンジ、ペパーミント)の評価が関わる。多肢選択式タスクを使用して、においあたり4つの記述子のリストから個々のにおい物質の同定が行われた。におい提示間の間隔は20~30秒であった。全ての測定は静かな空調された室内において行われた。その後の実験への参加には10回以上の正しい反応が要求された。
試験サンプルの調製
供試芳香および供試香味料が、専門家パネルを使用しておよそ等しいにおいの強度を有するように調製された。
fMRIスキャナ
所望のfMRI画像を達成するために任意の好適なMRIデバイスが使用され得、これはスピンエコー-エコープラナーイメージング(SE-EPI)シーケンスを使用して作動することができる。このEPIプロトコルは最適化され、経時的な脳の血中酸素レベルの微妙な変化を検出する。EPIスキャンは、神経活性の変化と信頼性をもって相関することが示されている血中酸素レベル依存性(BOLD)信号の変化を測定するための有効なやり方である。全脳をカバーするスキャンが行われ、各評価を通じて全脳の連続モニタリングを可能にした。好適なMRIスキャナはシーメンスAG、フィリップス、GEヘルスケア、バリアン、東芝、および日立から利用可能である。
オルファクトメータ
fMRIスキャナへの使用にとって好適である任意のオルファクトメータが使用され得る。好適なオルファクトメータ設計は、コバル(Kobal)(エレクトロエンセファログラフィー・アンド・クリニカル・ニューロフィジオロジー(Electroencephalography and Clinical Neurophysiology),第71巻,p241-250,1988年)、ソベル(Sobel)(ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス・メソッズ(Journal of Neuroscience Methods),第78巻,p115-123,1997年)、およびゾマー(Sommer)ら(ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス・メソッズ(Journal of Neuroscience Methods),第209巻,p189-194,2012年)によって報告されている。好適な商業的なオルファクトメータは、ヴェーデル、ドイツのブルクハルト・メディジンテクニック(Burghart Medezintechnik)GmbHから利用可能である。頭の動きを最小化するために、におい物質は、2~3mmの内径を有するカニューレによって鼻腔内に適用される。このカニューレは鼻孔に~1cm挿入され、その結果、その開口部は鼻弁を越えて位置する。におい物質の提示は鼻粘膜上の機械または温度受容器を同時に活性化はしない。なぜなら、においパルスは一定で流れるサーモスタット下の(36℃)加湿(80%RH)空気流(典型的には1~8l/分)に組み込まれ、これは数分後には速やかに検出不可能になるからである。ゆえに、オルファクトメータが無刺激から刺激条件におよび逆に切り替わるときに、対象はいかなる変化も知覚せず、対象は機械または温度刺激からのいかなる干渉も経験しない。空気流量はマスフローコントローラによって決定され、これは切り替え弁と併せてコンピュータ制御される。それゆえに、機器は、異なるクオリティ、強度、持続時間、または刺激間隔を有する刺激のシーケンスの設定と、サンプル提示における最高の正確度および精度を達成するための複数の繰り返しとを可能にする。
統計データ分析
脳活動の変化の統計分析のための方法は当分野において周知であり、いくつかの脳活動測定デバイスでは、データを分析するために特別に適合しているコンピュータソフトウェアパッケージが市販されている。例えば、SPECT、PET、またはMRIデータは、両方ともMNIから無料で利用可能であるDotもしくはEMMA(拡張可能なMATLAB(登録商標)医療画像分析)パッケージ、またはユニバーシティ・カレッジ・ロンドン、UKのウェルカム・イメージング神経科学部(Wellcome Department of Imaging Neuroscience)の機能的イメージング研究室(Functional Imaging Laboratory)から無料で利用可能である統計的パラメトリックマッピング(SPM)ソフトウェアパッケージ(www.fil.ion.ucl.ac.uk/spm/)を使用して分析され得る。EMMAおよびSPMソフトウェアはMATLAB(登録商標)プログラミング言語に基づき(MathWorks社、ネイティック、Mass)、Cプログラミング言語の追加のルーチンを有する。SPMモジュールは市販のMEDxソフトウェアに組み込まれている(メディカルニューメリクス(Medical Numerics)社、スターリング、Va、USA)。
SPMソフトウェアは、パラメトリック統計モデルを各ボクセルに使用し、一般線型モデルを使用して、実験および交絡の効果ならびに残差のばらつきの観点からデータのばらつきを記述する。モデルパラメータの観点から表現された仮説が、一変量統計によって各ボクセルにおいて評価される。fMRIの一般線型モデルの時間的畳み込みは、系列相関による回帰からの結果の適用を可能化し、fMRI時系列からの統計量画像の構築を可能にする。全てのボクセル統計量を同時に評価する多重比較問題は、連続確率場の理論を使用して対処され、統計量画像を基礎にある連続定常確率場の良好な格子図であると想定する。オイラー標数の結果は、各ボクセル仮説の補正p値に至る。加えて、理論は、所与の閾値を超えるkボクセルのクラスターの補正p値の計算を可能にし、閾値よりも上のクラスターのセット全体について、一部の位置特定力を犠牲にして、より強力な統計検定に導く(フリストン(Friston)ら,マグネティック・レゾナンス・イン・メディシン(Magnetic Resonance in Medicine),第35巻,p346-355,1996年およびその引用を参照)。
fMRIデータの一般的なセットを評価するために使用される統計的アプローチは、一般線型モデルの分散分析(ANOVA)形態の時系列変種である。統計分析は、各対象について脳の各ボクセルを帰無仮説(試験の持続時間に渡って、そのボクセルから来るBOLD信号の上がり下がりはにおいの提示のサイクルのオンセットおよびオフセットと相関しないという)に対して検定する。関心のある単一タスク変数について、オン-オフタイミングのイベントの単純な矩形波型モデルから始まる重み付きモデルが創出される。
ANOVAモデルは、攪乱変数をモデリングするためにリグレッサーを使用することを考慮に入れる。本発明では、全脳の全体的な信号強度をかかるリグレッサーとして使用さする。脳の全体的な信号強度は、呼吸サイクル、心血流サイクル、瞬きなどによって引き起こされる脳内のゆらぎを説明するであろう。これらの信号変動は全脳に渡って起こり、多くの場合には、嗅覚信号から結果として生じるBOLD信号の局在した変化よりも規模が大きくなり得る。脳にわたって起こるこれらの信号変動は、におい刺激から結果として生じる信号を示すために、測定されたfMRI信号から差し引かれ得る。
1人のfMRIデータについてのANOVA計算の結果として生じる所産は、3次元マップとして表され得るt値の3次元マトリックスである。それから、このt値マップは確率マップ(対応するp値のマップ)に変換され得て、その結果は、望まれるどのような閾値でもグラフィック表示され得る(例えばp<0.005)。よりきめ細かい皮質構造の同定を容易にするために、結果はより高分解度のMRI画像にオーバーレイされ得る。
1人よりも多くの対象からのデータを組み合わせるためには、各個人のtマップが計算される前に、各対象の脳は先ず共通の3次元定位空間へと正規化される。それから、ANOVAの間に計算された各対象からの各ボクセルについての対比重みの和の値(基本的にはt統計量の分子)が、新たな「セカンドレベル」t統計量計算において単一のデータ点として入力される。このセカンドレベル計算では、対象間の各ボクセルの平均値は効果項として、対象間の分散は誤差項としてモデリングされる。心に留めるべきこのアプローチの重要な帰結は、対象の実質的に全てがあるボクセルでの活性化を示さない限り、当該ボクセルがグループレベルマップ上で有意な活性化を示す可能性は極めて低いということである。また、いくつもの隣り合うボクセル(対比から)が所定の確率標準よりも上の統計的有意性を示す場合にのみ、脳野は活性化されたと見なされる。
統計分析およびグラフィック表示の目的で、脳活動についての生データは、通常は、対象の脳の固定されたボリュームに対応するボクセルへとグループ分けされる。ボクセルサイズは、脳活動測定デバイスの分解能または脳領域を同定することにおける所望の精度の度合いに依存して様々であり得る。しかしながら、部分的なボリューム効果に起因して、より小さいボクセルはより悪い信号/ノイズ比およびより大きな磁化率アーチファクトを有するということは留意すべきである。機能的ボクセルは立方体または直方体であり、辺あたり例えば0.5mmから7mm(例えば、2.4×2.4×3.0mm)の大きさである。それから、データは、何らかの統計値に従ってボクセルを色分けすること、および活動のレベルまたは活動のレベルの変化が二次元マッピングされる断面を示すことによってグラフィック表示され得る。一連のかかる同一平面断面を作り出すことによって、脳全体のボリュームがマッピングされ得る。
脳画像の統計分析を実施するときには、研究実施者は統計的有意性を評価するための適切な確率値を選択し得る。選ばれる具体的な値は、統計分析の目的および要求される確実性のレベルに依存して変動し得る。例に記載されている研究では、統計的有意性のレベルはp<0.001であるように選ばれた。
上述の方法は、角回の刺激ならびに任意に下前頭皮質および/または中前頭皮質の刺激によってウェルビーイング効果を誘発する芳香または香味料を同定することを可能にする。
従って、別の態様において、本発明は、前記方法によって同定される芳香および香味料に関する。
かかる芳香は、アコードもしくは完全に調合された芳香であり得るか、またはアコードもしくは完全に調合された芳香を調合するために使用され得る。これは、翻って、嗅がれるかまたは身に着けられるときに、角回の活性化ならびに任意に下前頭皮質および/または中前頭皮質の活性化によってウェルビーイング効果を誘発するであろう。
それゆえに、本発明の別の態様は、以下を含む、アコードまたは完全に調合された芳香を調製するための方法に関する:
a)上に記載されている方法によって、ウェルビーイング効果を誘発する少なくとも1つの芳香を同定すること、
b)こうして同定された前記少なくとも1つの芳香サンプルを、アコードまたは完全に調合された芳香に調合すること。
上に記載されている方法によってウェルビーイング効果を誘発することが同定された芳香は、消費者製品、例えば家庭用製品、ろうそく、洗濯用製品、パーソナルケア製品、および化粧製品(アルコール系芳香およびオーデコロンを包含する)に使用され得る。かかる製品は、洗剤、例えば洗濯用洗剤、洗濯用柔軟剤および仕上げ剤、エアケア、トイレ手入れ、シャンプー、ヘアコンディショナー、スキンローション、ボディーオイル、デオドラント、日焼け止め製品を包含する。
いくつかの実施形態において、芳香はオレンジオイル、柑橘系オイル、エチルバニリン、およびノナラクトンガンマの1つ以上を含む。
本発明の別の態様は、上で定められている消費者製品を製造する方法に関し、この方法は以下を含む:
a)上に記載されている方法によって、ウェルビーイング効果を誘発する少なくとも1つの芳香を同定すること、
b)こうして同定された前記少なくとも1つの芳香を消費者製品に組み込むこと。
いくつかの実施形態において、同定された少なくとも1つの芳香は、消費者製品への組み込みの前に、アコードまたは完全に調合された芳香に調合される。
上に記載されている方法によってウェルビーイング効果を誘発することが同定された香味料は、香味料調製物、食品製品、口腔ケア製品、または飲料に使用され得る。
それゆえに、本発明の別の態様は、以下を含む、香味料調製物、食品製品、口腔ケア製品、または飲料を調製するための方法に関する:
a)上に記載されている方法によって、ウェルビーイング効果を誘発する少なくとも1つの香味料を同定すること、
b)こうして同定された前記少なくとも1つの香味料を、香味料調製物、食品製品、口腔ケア製品、または飲料に調合すること。
いくつかの実施形態において、香味料はオレンジオイル、柑橘系オイル、エチルバニリン、およびノナラクトンガンマの1つ以上を含む。
本発明は次の限定しない例によって例示される。
例1
100人の対象の当初のパネルに、リッカート型スケールを使用して強度、ウェルビーイング、および(快楽)感情価を評価するように要請した。強度は1から10のスケールで評価され(1=全く強くない、10=非常に強い)、ウェルビーイングは1から10のスケールで評価され(1=関連付けなし、10=強く関連付け)、感情価は-5から+5のスケールで評価された(-5=非常に不快、+5=非常に快)。対象に、およそ等しいにおい強度を有する一連の14個のにおいを嗅ぐように依頼した(直径が6cmの開口部を有するボトルからのニートオイル)。これらは無作為に選ばれた順序で提示され、これらのにおいのそれぞれはウェルビーイングに強くまたは弱くどちらかで関連付けられた。対象は「ホワイトフラワー」(6.96±2.09)および「オレンジ」(7.22±1.90)をウェルビーイングに強く関連付けられると評価し、「コーヒー」(4.81±2.85)はウェルビーイングに弱く関連付けられると評価された。
ホワイトフラワーのにおい-芳香処方IMP234647C-を、バニラ効果(エチルバニリン)およびココナッツ効果(ノナラクトンガンマ)を中心に創出した。
柑橘系のにおい-芳香/香味料処方FJJ232836D-を、コールドプレスオレンジオイル、分留オレンジオイル、いわゆるフォールドオレンジオイル、および他のコールドプレス柑橘系オイルを中心に創出した。
コーヒーのにおい-コーヒーC’lessCI-1020-は、ロベルテ(Robertet)、SA、フランス)から購入された天然コーヒーエキスであり、芳香および香味料への使用にとって好適である。それは、ウェルビーイングとの強い関連付けを有さないとして選択された。
この当初のパネルから、44人の対象(23人は男性、21人は女性)をfMRI試験に参加するように採用した。それらは、下の表に報告されている通りにおいの「ホワイトフラワー」、「柑橘系」、および「コーヒー」を評価した。
Figure 2024528622000002
採用された44人の対象は25歳の平均年齢を有した。1人の対象のデータは過剰な動きを原因としてfMRI分析から除いた。対象は構造化医学的既往歴を受けた(ヴェルゲ-リューセン(Welge-Luessen)およびヒュンメル(Hummel)編,2013年,「嗅覚および味覚障害の管理-臨床医のための実務ガイド(Management of Smell and Taste Disorders-A Practical Guide for Clinicians)」,ティーメ(Thieme)刊,ISBN9783131545213,p49-57,DOI:10.1055/b-002-89586)。これは、人口構成、喫煙および飲酒習慣、薬、現病の障害、あらゆる神経変性疾患の家族歴、ならびに全般的な鼻の健康状態についての質問を包含した。
全ての対象は匂いの正常な感覚を報告され、これは「スニッフィングスティック」嗅覚試験バッテリーからのにおい同定試験(16の最高スコアを有する)を使用して確かめられた(オレシュキェヴィッチ(Oleszkiewicz)ら,2018年,ザ・ラリンゴスコープ(The Laryngoscope),第128巻(7),p1518-1522,https://doi.org/10.1002/lary.26985)。この試験は強制選択方式で行われ、対象は、各4つの記述子を有するフラッシュカードを使用して、閾値よりも上の濃度において16個のにおいを同定しなければならない(コバル(Kobal)ら,2000年,ヨーロピアン・アーカイブス・オブ・オト-リノ-ラリンゴロジー(European Archives of Oto-Rhino-Laryngology):欧州耳鼻咽喉科学会(EUFOS)公式ジャーナル:ドイツ耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会提携,第257巻(4),p205-211,https://doi.org/10.1007/s004050050223)。参加者は13.6±1.4(平均±SD)の平均スコアに達した。
実験はヘルシンキ宣言に従って実施した。ドレスデン工科大学の医学部倫理委員会が研究設計を承認した。対象はチラシをキャンパスに配布することによって採用した。それらは書面のインフォームドコンセントを提供した。
それから、fMRI実験を下記のように行った。
におい刺激を、空気希釈コンピュータ制御オルファクトメータによって、スキャナ下の対象の両方の鼻の穴に両側注入した(ゾマー(Sommer),J.U.,W.マボシェ(Maboshe),M.グリーベ(Griebe),C.ハイザー(Heiser),K.ホーマン(Hormann),B.A.スタック(Stuck),およびT.ヒュンメル(Hummel),「Fmri研究のためのモバイルオルファクトメータ(A Mobile Olfactometer for Fmri-Studies)」,ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス・メソッズ(Journal of Neuroscience Methods),第209巻,no.1(2012年7月30日):p189-94,https://dx.doi.org/10.1016/j.jneumeth.2012.05.026)。これは嗅覚(オン)および非嗅覚(オフ)刺激条件の間の交替を考慮に入れた。においは2L/分の一定の空気流に組み込まれた。各機能的ランは11個のオフまたは「ベースライン」ブロック(各14スキャン)および10個のオンブロック(各9スキャン)から構成された。においがオンセッションの間に8秒間、無臭の空気をオフセッションの間に12秒間鼻腔内に注入した。各対象は4つの機能的ランを経過し、1ランにおいては1つの型のにおいが提示された。においはスキャナ上に据えられた対象に無作為に提示された。対象間で、これらのランのシーケンスはラテン方格を使用して無作為に選ばれた。必要に応じて、対象はスキャナインターコムシステムを通して口頭で意思疎通し得た。機能的ラン後に、解剖学スキャンを取得した。ラン間には、2分の休みを包含した。総体的なスキャン時間はおよそ50分であった。3刺激の結果が報告されている。
参加者はスキャンの間には口蓋帆咽頭閉鎖技術(軟口蓋を持ち上げることによって口からのみ呼吸すること)を使用するように訓練された。この技術は、嗅覚刺激が呼吸パターンによって左右されないことを可能化する。このやり方は、参加者が嗅覚雄弁構造において知覚とは無関係の活性化を生ぜしめるにおいを吸嗅することをもまた防止する(メインランド(Mainland)およびソベル(Sobel),2006年,ケミカル・センシズ(Chemical Senses),第31巻,p181-196)。
図1は、におい提示の方式を示すfMRI実験ブロックの設計を示す。ここでは、オンセッション=9スキャン(10ブロック)、オフセッション=14スキャン(11ブロック)であり、合計で244スキャンである。
データ取得は、3T-MRIスキャナ(シーメンスメディカルシステムズ、エアランゲン、ドイツ)によって、神経イメージングセンター(Neuroimaging Center)、ドレスデン、ドイツにおいて、32チャンネルヘッドコイルを使用して行った。合計で248個の機能的画像を、T2シングルショットエコープラナーイメージング(EPI)シーケンス(TR=869ミリ秒、TE=38ミリ秒、58°フリップ角、スライス間ギャップなし、210×210mm視野)を使用して個人単位で収集した。高分解度の構造的T1画像を、3D磁化準備した勾配高速撮像勾配エコー(MPRAGE)シーケンス(TR=2000ミリ秒、TE=1.95ミリ秒、256×256mm視野、解剖学的シーケンスからの(解剖学的)ボクセルサイズ1×1×1mm)を使用して取得した。
統計的パラメトリックマッピング(SPM)ソフトウェアを使用するタスクによって駆動される一般線型モデルアプローチ(GLM)(ペニー(Penny)ら,2006年,「統計的パラメトリックマッピング:機能的脳画像の分析(Statistical parametric mapping: The analysis of functional brain images)」,エルゼビア,ISBN:9780123725608)を、fMRIデータの分析に使用した。神経イメージングデータをSPM12(ウェルカム・認知神経学部(Wellcome Department of Cognitive Neurology)、ロンドン、UK。MatlabR2018b、MathWorks社、ネイティック(Natick)、MA、USAに実装)を使用して前および後処理した。再調整および歪み補正から出発して、機能的画像ボリュームを前処理した。機能的シーケンスからのボクセルサイズは2.4×2.4×2.4mmであった。機能的データを登録し、再調整して動きの問題を補正し、それから、対応する構造的画像に共記載した。さらに、空間的に正規化(SPM12から供給されたMNIテンプレートのMNI-ICBM152空間に定位的に変換)およびスムージングされた画像(8×8×8mm3のFWHMガウシアンフィルタの手段による)を分析した。
メインブロックの設計(図1)から、10ブロックのオンおよびオフフェーズを使用して、刺激に関係するBOLD信号を増大させた。我々は、提示された刺激のオンフェーズ対オフフェーズ(空気)およびオンウェルビーイング対オンウェルビーイングでないを、N=43で比較した。言い換え、さらなる詳細を追加すると、各機能的ランは交互のオンおよびオフ期間から構成された。合計では、各8秒の10個のオン期間および各12秒の11個のオフ期間があり、各期間は数スキャンからなった。分析では、我々は最後のオフブロックを捨て、10個のオフおよび10個のオンブロックを使用した。スキャン:期間(またはフェーズもしくはブロック)あたり、オフについては、我々は14(12/0.869-0.869秒の12期間)スキャンから最後の9スキャンを選び、オンについては、我々は9(8/0.869)スキャンから最後の5スキャンを選んだ。BOLDには遅延があるので、我々は0.869秒のTR(時間分解度)でオンおよびオフから最後のスキャンを選んだ。単純化した方法では、以下を提案し得る:
オンの平均は、4ラン×10ブロック×5スキャン(0.869秒の8サンプル)に基づき、
オフの平均は、4ラン×10ブロック×9スキャン(0.869秒の12サンプル)に基づく。
クラスターサイズ(k)≧10ボクセルでファミリーワイズエラー(FEW)補正<0.05および未補正p<0.001で有意な全脳活性化(対比から)が報告される。複数のピークを有するクラスターについては、最も高いt値を有するものを選んだ。MNI座標はx、y、およびz、L-左半球、R-右半球で提示される。有意な脳領域をAAL3ツールボックス-自動解剖学的ラベリングアトラス(Automated Analytical Labelling Atlas)-によってラベリングした(http://www.gin.cnrs.fr/en/tools/aal-aal2/)(ロールス(Rolls)ら,2020年,ニューロイメージ(NeuroImage),第206巻,p116189,https://doi.org/10.1016/j.neuroimage.2019.116189)。
言い換えると、芳香試験サンプルを対照のにおいと対比するときに、SPM分析に基づく実験について、3D空間内の最低10個の隣接する活性化ボクセルのクラスターkを、閾値として設定した(未補正p<0.001)。「はい」は、少なくとも10個の隣接するボクセルが活性化されたということを意味する。対比は、先ず、ウェルビーイングに関連付けられるにおい(芳香試験サンプル)対対照のにおいとしての空気(無臭であると見なされる)について、それから、ウェルビーイングに関連付けられるにおい(芳香試験サンプル)対対照のにおいとしてのウェルビーイングに関連付けられないにおいについて決定された。結果を下の表2(オン対オフ)および表3(オンウェルビーイング対オンウェルビーイングでない)に提示する。
Figure 2024528622000003
結果は、柑橘系およびホワイトフラワーのにおいが角回、下前頭皮質、および中前頭皮質を活性化し、コーヒーのにおいはこれらの脳野のいずれをも活性化しなかったということを示している。
表2の結果から、表1と整合して、我々は、ウェルビーイングに関連付けられるとして柑橘系およびホワイトフラワーのにおいを、ウェルビーイングに関連付けられないとしてコーヒーのにおいを割り当て得る。
Figure 2024528622000004
結果は、コーヒーのにおいと比較したときに、においの柑橘系およびホワイトフラワーは角回を活性化したということを示している。
結論として、ウェルビーイングに関連付けられる両方のにおいは角回を活性化した。
例2
さらなる別個の吸嗅試験をドイツ(ケルン)においてn=80の正常代表集団に実施した。対象に、においサンプルを盲検で嗅ぎ(香気識別子なし)、質問「あなたはどの程度までこの芳香がウェルビーイングを伝えると思うかまたは思わないか?」に答えるように要請した。1から5のスケールを使用した(1=かなりそう思わない、2=どちらかと言えばそう思わない、3=どちらとも言えない、4=どちらかと言えばそう思う、5=かなりそう思う)。ホワイトフラワーのにおい(4.1/5)および柑橘系のにおい(3.4/5)は、ウェルビーイングに強く関連付けられると評価された。加えて、対象には、それらがこれらの2つのにおいに自然に関連付ける3つの単語を与えるようにもまた要請した。単語の甘い、柔らかい、軽い、快いは、より多大な度合いで関連付けられた。高いウェルビーイングと評価された香気は、回答者によって、良いともまた評価される(嗜好される)ということもまた注目された。
本開示の態様は、次の限定しない実施形態を参照してさらに例示される。
1. ウェルビーイング効果を誘発する芳香または香味料を同定する方法であって、方法が、角回が、前記芳香または前記香味料を嗅いだ対象において活性化されるかどうかを決定することを含む。
2. パラグラフ1の方法であって、これが、さらに、下前頭皮質および/または中前頭皮質が、前記芳香または前記香味料を嗅いだ対象において活性化されるかどうかを決定することを含む。
3. パラグラフ1またはパラグラフ2の方法であって、ウェルビーイング効果の決定が、対象のfMRI脳スキャンをすることを包含する。
4. 以下を含む、パラグラフ1の方法:
a) - 対象グループの各対象に対照のにおいを嗅がせること、および
- 各対象の脳活動を検出するために、前記対照のにおいを嗅いだ各対象の機能的磁気共鳴画像法(fMRI)脳スキャンをキャプチャすること、
を含む、前記対象グループを第1のプロトコルに付すことと、
b) - 前記グループの各対象に、試験されるべき芳香または香味料を嗅がせること、および
- 各対象の脳活動を検出するために、試験されるべき前記芳香または前記香味料を嗅いだ各対象のfMRI脳スキャンをキャプチャすること、
を含む、同じ前記対象グループを第2のプロトコルに付すことと、
c)前記第1のプロトコルおよび前記第2のプロトコルにおいて得られた全ての対象の前記脳活動を平均することと、
d)前記第2のプロトコルにおいて得られ結果として生じる平均された前記脳活動を、前記第1のプロトコルにおいて得られ結果として生じる平均された前記脳活動と対比し、この対比から、前記角回における隣接する活性化ボクセルの数を決定することと、を備え、
こうして決定された前記隣接する活性化ボクセルの数が、閾値以上である場合には、前記試験された芳香または前記試験された香味料はウェルビーイング効果を誘発する。
5. パラグラフ4の方法であって、ステップd)が、さらに、前記対比から、前記下前頭皮質および/または前記中前頭皮質における隣接する活性化ボクセルの数を決定することを含み、こうして決定された前記隣接する活性化ボクセルの数が、前記閾値以上である場合には、前記試験された芳香または前記試験された香味料はウェルビーイング効果を誘発するという追加の確証が得られる。
6. パラグラフ4またはパラグラフ5の方法であって、ステップc)およびd)はそれぞれステップc1)およびd1)によって置き換えられる:
c1)各対象について、前記第2のプロトコルにおいて得られた前記脳活動を前記第1のプロトコルにおいて得られた前記脳活動と対比し、それによって、隣接する活性化ボクセルの数が決定されること、
d1)全ての対象の結果として生じる対比された前記脳活動を平均すること。
7. パラグラフ4~6のいずれか1つの方法であって、対照のにおいが、空気、または空気で希釈された無臭の調香用溶媒である。
8. パラグラフ4~7のいずれか1つの方法であって、前記対象グループは、少なくとも5、好ましくは少なくとも10人の対象を含む。
9. パラグラフ4~8のいずれか1つの方法であって、隣接する活性化ボクセルの閾値数が10個である。
10. 以下を含む、アコードまたは完全に調合された芳香を調製するための方法:
a)パラグラフ1~9のいずれか1つの方法によって、ウェルビーイング効果を誘発する少なくとも1つの芳香を同定すること、
b)こうして同定された前記少なくとも1つの芳香を、アコードまたは完全に調合された芳香に調合すること。
11. 家庭用製品、洗濯用製品、ろうそく、パーソナルケア製品、または化粧製品における、ウェルビーイング効果を誘発する芳香の使用。
12. パラグラフ11の使用であって、芳香がオレンジオイル、柑橘系オイル、エチルバニリン、およびノナラクトンガンマの1つ以上を含む。
13. 以下を含む、香味料調製物、食品製品、口腔ケア製品、または飲料を調製するための方法:
a)パラグラフ1~9のいずれか1つの方法によって、ウェルビーイング効果を誘発する少なくとも1つの香味料を同定すること、
b)こうして同定された前記少なくとも1つの香味料を、香味料調製物、食品製品、口腔ケア製品、または飲料に調合すること。
14. 香味料調製物、食品製品、口腔ケア製品、または飲料における、ウェルビーイング効果を誘発する香味料使用。
15. パラグラフ14の使用であって、前記香味料がオレンジオイル、柑橘系オイル、エチルバニリン、およびノナラクトンガンマの1つ以上を含む。
16. 先行するパラグラフのいずれかに従う方法または使用であって、ウェルビーイング効果が次の属性の1つ以上に関連付けられる:甘い、柔らかい、軽い、快い。
***
本開示の主題およびその利点が詳細に記載されたが、添付の請求項によって定められる本願の趣旨および範囲から離れることなしに、種々の変更、置換、および修正が本明細書になされ得るということは理解されるべきである。その上、本願の範囲、本明細書に記載されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、およびステップの具体的な実施形態に限定されることを意図されない。当業者は本開示の主題の開示から難なく了解するであろう通り、本願に記載される対応する実施形態と実質的に同じ機能を果たすかまたは実質的に同じ結果を達成する現存するかまたは後に開発されるべきプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、またはステップが、本開示の主題に従って利用され得る。従って、添付の請求項はそれらの範囲にかかるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法、またはステップを包含することを意図される。
記載および請求される種々の実施形態に加えて、本開示の主題は、本明細書に開示および請求される特徴のいずれかの他の可能な組み合わせを有する他の実施形態をもまた対象とする。そのため、本明細書に提示される具体的な特徴は、本開示の主題の範囲内において他の様式で互いと組み合わせられ得る。その結果、本開示の主題は、本明細書に開示される特徴のいずれかの好適な組み合わせを包含する。それゆえに、本開示の主題の特定の実施形態の前述の説明は例示および説明の目的で提示されている。それは、徹底的であることまたは本開示の主題を開示されている実施形態に限定することは意図されない。
本開示の主題の趣旨または範囲から離れることなしに、種々の改変および変形が本開示の主題のデバイス、方法、およびシステムになされ得るということは当業者には明らかであろう。それゆえに、本開示の主題は、添付の請求項およびそれらの均等物の範囲内である改変および変形を包含するということが意図される。
いかなる特許、特許出願、公開、製品の説明、およびプロトコルも本願に引用され、それらの全ての開示は、全ての目的でそれらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。

Claims (14)

  1. ウェルビーイング効果を誘発する芳香または香味料を同定する方法であって、この方法は、角回が、前記芳香または前記香味料を嗅いだ対象において活性化されるかどうかを決定することを含み、前記決定は、前記対象のfMRI脳スキャンをすることを包含する、方法。
  2. 下前頭皮質および/または中前頭皮質が、前記芳香または前記香味料を嗅いだ対象において活性化されるかどうかを決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. a) - 対象グループの各対象に対照のにおいを嗅がせること、および
    - 各対象の脳活動を検出するために、前記対照のにおいを嗅いだ各対象の機能的磁気共鳴画像法(fMRI)脳スキャンをキャプチャすること、
    を含む、前記対象グループを第1のプロトコルに付すことと、
    b) - 前記グループの各対象に、試験されるべき芳香または香味料を嗅がせること、および
    - 各対象の脳活動を検出するために、試験されるべき前記芳香または前記香味料を嗅いだ各対象のfMRI脳スキャンをキャプチャすること、
    を含む、同じ前記対象グループを第2のプロトコルに付すことと、
    c)前記第1のプロトコルおよび前記第2のプロトコルにおいて得られた全ての対象の前記脳活動を平均することと、
    d)前記第2のプロトコルにおいて得られ結果として生じる平均された前記脳活動を、前記第1のプロトコルにおいて得られ結果として生じる平均された前記脳活動と対比し、この対比から、前記角回における隣接する活性化ボクセルの数を決定することと、を備え、
    こうして決定された前記隣接する活性化ボクセルの数が、閾値以上である場合には、前記試験された芳香または前記試験された香味料はウェルビーイング効果を誘発する、
    請求項1に記載の方法。
  4. ステップd)は、さらに、前記対比から、下前頭皮質および/または中前頭皮質における隣接する活性化ボクセルの数を決定することを含み、こうして決定された前記隣接する活性化ボクセルの数が、前記閾値以上である場合には、前記試験された芳香または前記試験された香味料はウェルビーイング効果を誘発するという追加の確証が得られる、請求項3に記載の方法。
  5. ステップc)とステップd)とは、
    c1)各対象について、前記第2のプロトコルにおいて得られた前記脳活動を前記第1のプロトコルにおいて得られた前記脳活動と対比し、それによって、隣接する活性化ボクセルの数が決定されることと、
    d1)全ての対象の結果として生じる対比された前記脳活動を平均することと、
    によってそれぞれ置き換えられる、請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記対照のにおいは、空気、または空気で希釈された無臭の調香用溶媒である、請求項3~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記対象グループは少なくとも5、好ましくは少なくとも10人の対象を含む、請求項3~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 隣接する活性化ボクセルの閾値数が10個である、請求項3~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. a)請求項1~8のいずれか1項に記載の方法によって、ウェルビーイング効果を誘発する少なくとも1つの芳香を同定することと、
    b)こうして同定された前記少なくとも1つの芳香を、アコードまたは完全に調合された芳香に調合することと、
    を含む、アコードまたは完全に調合された芳香を調製するための方法。
  10. 家庭用製品、洗濯用製品、ろうそく、パーソナルケア製品、または化粧製品における、ウェルビーイング効果を誘発する芳香の使用。
  11. 前記芳香は、オレンジオイル、柑橘系オイル、エチルバニリン、およびノナラクトンガンマの1つ以上を含む、請求項10に記載の使用。
  12. a)請求項1~8のいずれか1項に記載の方法によって、ウェルビーイング効果を誘発する少なくとも1つの香味料を同定することと、
    b)こうして同定された前記少なくとも1つの香味料を、香味料調製物、食品製品、口腔ケア製品、または飲料に調合することと、
    を含む、香味料調製物、食品製品、口腔ケア製品、または飲料を調製するための方法。
  13. 香味料調製物、食品製品、口腔ケア製品、または飲料における、ウェルビーイング効果を誘発する香味料使用。
  14. 前記香味料は、オレンジオイル、柑橘系オイル、エチルバニリン、およびノナラクトンガンマの1つ以上を含む、請求項13に記載の使用。
JP2024501930A 2021-07-15 2022-07-13 嗅覚刺激に対する反応を測定するための方法 Pending JP2024528622A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP21305986.8 2021-07-15
EP21305986.8A EP4119968A1 (en) 2021-07-15 2021-07-15 A method for measuring the response to olfactive stimuli
PCT/IB2022/056460 WO2023285989A1 (en) 2021-07-15 2022-07-13 A method for measuring the response to olfactive stimuli

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024528622A true JP2024528622A (ja) 2024-07-30

Family

ID=77126706

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2024501930A Pending JP2024528622A (ja) 2021-07-15 2022-07-13 嗅覚刺激に対する反応を測定するための方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20230020302A1 (ja)
EP (2) EP4119968A1 (ja)
JP (1) JP2024528622A (ja)
CN (1) CN117651878A (ja)
WO (1) WO2023285989A1 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2492705B1 (en) * 2011-02-24 2015-12-30 Takasago International Corporation fMRI method to identify olfactive stimuli of the dopaminergic reward system
ES2951002T3 (es) * 2016-12-21 2023-10-17 Firmenich & Cie Procedimiento de IRMf para determinar patrones de activación cerebral en respuesta a sensaciones provocadas por olores

Also Published As

Publication number Publication date
CN117651878A (zh) 2024-03-05
EP4119968A1 (en) 2023-01-18
EP4370943A1 (en) 2024-05-22
WO2023285989A1 (en) 2023-01-19
US20230020302A1 (en) 2023-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10042023B2 (en) Method for measuring the emotional response to olfactive stimuli
KR101372754B1 (ko) 좌측 전전두엽 부위(Fp1)의 절대 로우 베타파(absolute low beta power spectrum)를 감소시키고, 우측 두정엽 부위(P4)의 절대 하이 베타파(absolute high beta power spectrum)를 증가시키며, 또한 좌측 두정엽 부위 (P3) 및 우측 두정엽 부위(P4)에서 RMT 지표(ratio of mid beta to theta: 세타파에 대한 중간 베타파의 비)를 증가시켜 주의 집중력을 향상시키는 특성을 갖는 향료 조성물
Masaoka et al. Expiration: the moment we experience retronasal olfaction in flavor
Carlson et al. Sustained effects of pleasant and unpleasant smells on resting state brain activity
Doty Electrophy siological Measurement of Olfactory Function
Gunasekara et al. fNIRS neuroimaging in olfactory research: a systematic literature review
Walla et al. Olfaction and depth of word processing: a magnetoencephalographic study
Hummel et al. Olfactory event-related potentials in response to ortho-and retronasal stimulation with odors related or unrelated to foods
JP7299153B2 (ja) 匂い誘発感覚に応じた脳活性化パターンを調べるためのfmri法
US20230020302A1 (en) Method for measuring the response to olfactive stimuli
Pinto et al. Analysis of the human reaction to odors using electroencephalography responses
Iannilli et al. Source localization of event-related brain activity elicited by food and nonfood odors
KR20240017016A (ko) 행복 상태 개선을 위한 구강 관리 향미 및 평가 방법
KR101986127B1 (ko) 전전두엽 부위, 측두엽 부위, 두정엽 부위, 후두엽 부위에서 rfa 지표를 감소시켜 두뇌의 안정을 유도하는 후르츠 믹스 조합향료 조성물
KR102001127B1 (ko) 전두엽 Fc5 부위에서 RSA 지표를 감소시킬 뿐만 아니라 전전두엽 Af3 부위와 두정엽 Cz 부위에서 RHB 지표를 증가시켜 정신의 집중을 유도하는 플로럴 부케 내추럴 조합향료 조성물
KR102000095B1 (ko) 측두엽 T8 부위에서 RFA 지표를 증가시킬 뿐만 아니라 Cp6 부위에서 RG 지표를 감소시켜 심신의 안정을 유도하는 허벌 에센스 조합향료 조성물
WO2019202532A2 (en) Multifunctional benefits of fragrance
Zucco et al. Odour perception following bilateral damage to the olfactory bulbs: a possible case of blind smell
Park et al. Sleep Quality and Skin-Lightening Effects of White Mother Chrysanthemum Aroma
Di Flumeri et al. Assessing olfactory perception in young persons: a neuroscience perspective.
Járdánházy et al. Non-linear quantitative electroencephalographic (qEEG) changes during processing of chemo-sensory stimulations: a preliminary study
EP4429546A1 (en) Methods for determining the relaxing or stimulating properties of a fragrance or aroma
Olofsson Gender differences in chemosensory function
Ng An MR compatible olfactometer for clinical research use
Martinez Investigation of an Innate Olfactory-Visual Functional Connection in the Human Brain Using fMRI