JP2024526819A - 塩化水素から五フッ化リンを分離する方法 - Google Patents

塩化水素から五フッ化リンを分離する方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、HCl及びPF5を含む供給流を複数の流に分離するプロセスであって、第1の流ではPF5が豊富であり、第2の流ではHClが豊富であり、上記プロセスは、上記供給流が1つ以上の透過膜分離モジュールに入ることを含み、上記膜分離モジュールは、HCl又はPF5の1つを選択的に透過することができる透過膜を含む、上記プロセスに関する。

Description

本発明は、混合気体中で、塩化水素から五フッ化リンを分離する方法に関する。この分離法は、ヘキサフルオロリン酸リチウムの生成において特に有用である。
ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)は、非水性の極性溶媒におけるその高い溶解度を利用する用途である、商業用二次電池等の電池において用いられる。
ヘキサフルオロリン酸リチウムは、五フッ化リン(PF)とフッ化リチウムの反応から生成することができる。次に、得られたヘキサフルオロリン酸リチウムを、溶液からヘキサフルオロリン酸リチウムの結晶を沈殿させることにより単離することができる。
五フッ化リンは、その毒性が原因で、取扱いが極めて難しく、輸送及び/又は購入することができない。それ故、ヘキサフルオロリン酸リチウムを本方法により生成する際、五フッ化リンはin situで生成しなければならない。したがって、ヘキサフルオロリン酸リチウムを生成する方法には一般的に、五塩化リン又は三塩化リンなどのリンを含有する種と、フッ化水素とを反応させ、五フッ化リンを得ることを伴う。
五フッ化リンを得る反応では、塩化水素(HCl)もまた形成される。したがって、五フッ化リンを得る反応によって、五フッ化リンを塩化水素と共に含む加圧気体の、粗生成物流がもたらされる。本粗生成物流における、塩化水素の五フッ化リンに対するモル比は、およそ5:1である。したがって、多量の塩化水素を含まないフッ化リチウム生成物を生成するためには、目的に合った溶媒系を用いて塩化水素を除去しなければならない。
通常、このような溶媒系は、粗生成物流を、当該粗生成物流が、溶解したフッ化リチウムを含有する液体溶媒流と接触する、対向流吸収塔を通過させることを伴う。次いで、溶媒を廃棄しなければならないが、これは、微量であろうと多量であろうと、溶媒中に有毒性の五フッ化リンが存在することが原因で困難となる可能性がある。
続いて、五フッ化リンは液相に吸収され、ここでフッ化リチウムとの反応を受けてヘキサフルオロリン酸リチウムが形成される。塩化水素気体は塔を通過し、最終的に、更なる処理のために排気される。しかしながら、塩化水素は大いにモル過剰であるので、溶媒にはある程度溶解し、このことは、ヘキサフルオロリン酸リチウムが回収可能となる前に、溶媒流を更に処理して塩化水素を除去しなければならないことを意味する。
本接触法の、更なる悪影響は、気体全体の体積流が、五フッ化リン単体の体積流の約6倍であることである。これは、純粋な(又は、実質的に濃縮された)五フッ化リン気体の流れを、フッ化リチウム溶媒と接触させるために利用可能となる場合よりも、装置のサイズ(直径及び高さ)をより大型にしなければならず、液体溶媒の在庫もより多くしなければならないことを意味する。本プロセスで用いるのに好適な溶媒は、それら自体が、多くの場合有害な化学物質である(HFはその一例である)ため、装置のサイズをできる限り小さくして、プロセスの本質安全を改善し、オペレーションコストを減らすことが望ましい。
単純な蒸留によっては、五フッ化リンとHClを分離することができない。これらの標準沸点の差は1ケルビン未満であり、これらの蒸気圧は、約4℃の温度で等しい。このことは結果的に、五フッ化リン及びHClは、共沸混合物を形成することを意味する。当該二元共沸組成物は、HClの組成が約54モル%であり、発明者らにより、-65℃~+5℃の温度範囲においては、ほぼ不変であることが判明している。これは、当該共沸混合物を、温度又は圧力スイング蒸留により分離することができないことを意味する。
本混合物を、添加溶媒を用いて分離することは可能であるかもしれないが、本アプローチによって、蒸留シーケンスに著しい追加コスト及び複雑さがもたらされ、別の化学物質が本プロセスに導入される。
有機フルオロケミカル(冷媒ガスなど)の生成において、HClを水に吸収させることにより、所望のフッ素化生成物種からHClを分離させることが一般的である。しかし、水と接触することで五フッ化リンが破壊され、フッ化ホスホリル(POF)気体、水性HF、及び水性リン酸の混合物に転換するため、本方法は、本混合物に対しては用いることができない。
そのため、追加の処理化学物質を導入せず、5:1(HCl:PF)の適切なモル比で、及び、高純度の五フッ化リン流、好ましくは、副生成物として販売可能となるのに十分な純度のHCl流もまた得る方法で、五フッ化リン及びHClを、これら2つの種を含む加圧気体流から分離する方法が所望されている。五フッ化リン流は十分濃縮され、更に処理することなく、ヘキサフルオロリン酸リチウム合成において使用可能となるのが好ましい。本発明は、そのようなプロセスを提供する。
驚くべきことに、本発明者らは、膜分離プロセスを用いることで、PFとHClを分離することができることを発見した。具体的には、本発明者らは、膜分離プロセスを用いて、PFとHClを含む、共沸又は擬似共沸組成物を分離することができることを発見した。
理論に拘束されるものではないが、共沸又は擬似共沸組成物の存在は一般に、温度、圧力、及び、組成物中の構成成分の比率に左右される。
共沸混合物又は共沸組成物とは、気液平衡時に、液相及び蒸気相の両方において組成が実質的に同じであり、沸点が、いずれの純粋な構成成分の沸点よりも高い、又は低い、好ましくは二元の組成物を意味する。高沸点共沸混合物は、その純粋な構成成分よりも高い沸点を有する共沸混合物である。低沸点共沸混合物は、その純粋な構成成分よりも低い沸点を有する共沸混合物である。
擬似共沸混合物、又は擬似共沸組成物(例えば、PFとHClの擬似共沸組成物)とは、共沸混合物組成物と同様の挙動を持つ(即ち、一定の沸騰特性を有する、又は、沸騰時に分画しない傾向にある組成物)が、共沸混合物の性質全てを有し得ない組成物、例えば、同等温度において測定したときに、蒸気圧は、低沸点の純粋な構成成分(例えば、PFと比較したHCl)の蒸気圧を上回るが、平衡蒸気組成が液体組成とは異なり得る二元液体組成物を意味する。
本質的には、所与の圧力において、共沸混合物又は擬似共沸混合物組成物は、沸騰液体相において、気相におけるのと実質的に同じ構成成分割合を有する。これは、液体組成物中で、構成成分の分留が生じない(又は、実質的に生じない)ことを意味する。
本発明は、HCl及びPFを含む供給流(例えば、供給気体流)を、複数の流に分離するプロセスであって、第1の流ではPFが豊富であり、第2の流ではHClが豊富であり、上記プロセスは、供給流が1つ以上の透過膜分離モジュールに入ることを含み、上記透過膜分離モジュールは、HCl又はPFの1つを選択的に透過することができる膜を含む、上記プロセスを提供する。
本発明により有利に、精製されたPFを主生成物として得、これと共に、精製されたHClを、価値ある副生成物として得ることが可能となる。有利には、このことは、追加の処理化学物質を導入することなく達成される。
本発明の更なる利点は、生成物流のうちの1つでは、PFが十分に豊富であり得るため、上記生成物流が、更なる処理を必要とせずにヘキサフルオロリン酸リチウム合成において使用可能となることである。
PF及びHClを分離するために添加溶媒などの追加の溶媒を必要としないことは、従来技術で既知のプロセスと比較した際に、本発明のプロセスは有利に、コスト及び複雑性を減らすことを意味する。
第1の態様では、本発明は、HCl及びPFを含む供給流を、複数の流に分離するプロセスであって、第1の流ではPFが豊富であり、第2の流ではHClが豊富であり、上記プロセスは、供給流が1つ以上の透過膜分離モジュールに入ることを含み、上記透過膜分離モジュールは、HCl又はPFの1つを選択的に透過することができる膜を含む、上記プロセスを提供する。
好ましい実施形態では、分離される相は気体であり、得られる生成物流もまた、分離モジュールを出る際には気体である。
いくつかの実施形態では、供給流は、PFが豊富な第1の流と、HClが豊富な第2の流を含む、2つの流のみに分離され得る。
いくつかの好ましい実施形態では供給流は気相で存在し得、HCl:PFを、1:1より大きく最大約15:1のモル比で、好ましくは、1:1より大きく最大約10:1のモル比で、より好ましくは、1:1より大きく最大約5:1のモル比で含んでよい。
ある特定の化合物が豊富な流とは、生成物流の組成が、供給流よりも上記生成物を高いモル百分率で含有することを意味する。
例えば、本発明の分離プロセスは、PFの濃度を、供給流中のHClの約16モル%から、50モル%を超える濃度まで増加させることができる。
いくつかの実施形態では、本発明のプロセスは、第1の流及び/又は第2の流を精製して、精製流及び廃棄流を生成するステップであって、上記精製流は、上記第1及び/又は第2の流と比較して、それぞれ、不純物が増加したPF及び/又はHClを含む、上記ステップを更に含んでよい。
いくつかの実施形態では、本発明のプロセスは、第1の流及び/又は第2の流を精製して、精製流及び廃棄流を生成するステップであって、上記精製流は、上記第1及び/又は第2の流と比較して、それぞれ、不純物が増加したPF及び/又はHClを含む、上記ステップを更に含む。
いくつかの実施形態では、第1の流ではPFが豊富であり、PF:HClのモル比は、少なくとも1:1、好ましくは2:1、より好ましくは5:1、最も好ましくは10:1である。
第1の流でPFが豊富であり、PF:HClのモル比が少なくとも1:1である場合、第1の流は十分濃縮されておいるため、第1の流を、更に処理(例えば、更に精製)することなく、LiPF合成で使用することができると考えられる。
いくつかの実施形態では、第1の流でPFが豊富であり、PF:HClのモル比が少なくとも1:1である場合、精製ステップは蒸留により行うことができる。
50モル%を超えるPFを含む濃縮流を達成することにより、濃縮流の蒸留が可能となり、高純度PFの塔底生成物、及び、46モル%のPFの共沸濃度、又はその付近の共沸濃度の混合気体の塔頂生成物が得られる。
蒸留後、精製流中のPFの純度は、少なくとも90モル%のPF、より好ましくは95モル%のPF、更により好ましくは97モル%のPF、更により好ましくは99モル%のPFである。
有利には、精製流は、LiPF合成で用いる際、少なくとも50モル%のPFを含む。
特許請求の範囲に記載される分離プロセスの更なる例は、最初の分離ステップにより、組成が46モル%を超えるPF(有利には、50%を超えるPF)である、部分濃縮流を生成し、続いて、部分濃縮流を蒸留分離することで、所望の純度のPF(例えば、90モル%のPF、より好ましくは95モル%のPF、更により好ましくは97モル%のPF、更により好ましくは99モル%のPF)の流を得るもの であってよい。
いくつかの実施形態では、本発明のプロセスは、廃棄流を、1つ以上の膜分離モジュールに戻すリサイクルステップを更に含む。このようなプロセスにおいて、廃棄流は、PFとHClの、共沸又は擬似共沸混合物を含む。廃棄流は、精製流として蒸留段階を出ない、蒸留ステップに供給された材料の残部を含む。廃棄流は、1つ以上の透過膜分離モジュール、好ましくは第1の、又は一次透過膜分離モジュールに供給し戻される。したがって、廃棄流の組成物は、再び分離プロセスを通過する。
いくつかの実施形態では、第1の流及び/又は第2の流は、精製工程の前に、それぞれ第1又は第2の流における、PF又はHClの量を更に豊富にするために、更なる透過膜分離モジュールを通過してよい。
誤解を避けるために記すと、透過膜という用語は、当該技術分野において既知の従来の定義をとる。即ち、透過膜は、膜全体にわたる圧力差の結果として、透過流体を、膜材料を通して拡散させることを可能にする膜に関する。このような膜は、特定の流体に対して選択的であり得る(即ち、より高い透過割合を有し得る)ことを、当業者は理解するであろう。膜の選択性に影響を及ぼす因子としては、膜の孔のサイズ、分子のサイズ、分子の拡散係数、及び、膜内での浸透物の溶解度が挙げられるが、これらに限定されない。
理論に拘束されるものではないが、膜分離プロセスは、高圧領域から低圧領域へ、流体が膜を通って異なる速度で浸透することに依存する。圧力勾配は、例えば、真空ポンプ又は他のデバイスを用いることで、膜分離モジュール内の膜の片側において、低圧環境を生み出すことにより制御することができる。それ故、低圧は、流体が膜を通過するときにそれを除去することにより生み出すことができる。
膜分離モジュール内の膜の高圧側には流体が供給され、供給圧力で、又はほぼ供給圧力で高圧が維持される。あるいは、又は更に、中間ブースターコンプレッサを使用して、分離モジュールに入れる前に供給流体圧力を上昇させてよい。
本発明の好ましいプロセスは、浸透モジュールに入る供給物及び生成物流体が気体又は蒸気状態であるプロセスである。
単一の(例えば、一次)膜分離モジュールを、特許請求された発明のプロセスで使用してよい。この場合、一つの操作方法は、残留物中でのPFの量を増加させ、PFの量が、PF/HCl共沸混合物組成物中に存在するPFの量を上回らせることであってよい。次に、残留物と透過流の両方を更に精製して、所望の純度のPF及びHCl流を得てよく、各蒸留段階での不必要な原料は加圧下で増加され、膜分離モジュールの入口までリサイクルとして戻される。
追加の膜分離ユニットを、所望により一次膜分離モジュールから生じるいずれかの流れ(即ち、残留物又は透過流)のいずれかで用い(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、又はそれ以上の追加の膜分離モジュールを用い)、必要に応じて、蒸留を実施する前に、PF又はHClを更に濃縮してよい。
2つ以上の膜分離モジュールを用いる場合、膜分離ユニットを直列で接続してよい。各膜分離モジュールにおいて、プロセスから得られる廃棄流もまた合わせて、一次膜分離モジュールにリサイクルして戻される単独の廃棄流を形成してよい。
本発明の一実施形態では、透過膜分離モジュールに見出される膜は、微多孔性の微多孔性の不活性ポリマー材料である。
本明細書で使用する場合、微多孔性材料という用語は、直径が2nm未満の細孔を含有する材料を意味する。
いくつかの実施形態では、微多孔性の不活性ポリマー材料は、ポリテトラフルオロエテン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素化エチレン-プロピレン(FEP)、スルホン化ペルフルオロビニルエーテル-テトラフルオロエテンコポリマー(例えば、Nafion(商標))、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される。Nafion(商標)とは、The Chemours Corporationにより、Nafionの商品名で販売されているポリマー材料を意味する。
透過膜分離モジュールが微多孔性の不活性ポリマー材料である実施形態では、1つ以上の透過膜分離モジュール中の上記膜にまたがる圧力勾配は、約0.1バール~約20バール、好ましくは約0.25バール~約15バール、より好ましくは約0.5~約10バールである。
透過膜分離モジュールが微多孔性の不活性ポリマー材料である実施形態では、プロセスは、適切な1つ以上の透過膜分離モジュールにおいて、約-50℃~約80℃、好ましくは約-30℃~約50℃、より好ましくは約-20℃~約40℃の温度で行われる。
あるいは、他の実施形態では、膜材料は、ゴム状又はガラス質ポリマー材料から選択してよい。
本明細書で使用する場合、ガラス質ポリマーは、室温を上回るガラス転移温度(Tg)を有するポリマーに関する。
本明細書で使用する場合、ゴム状ポリマーは、室温を下回るガラス転移温度(Tg)を有するポリマーに関する。
これらの実施形態では、PF又はHClの一方の溶解度が、他方の構成成分と比較して向上し、溶解度の高い構成成分が、溶解度の低い構成成分よりも高速で、膜を透過する。
いくつかの関連する実施形態では、膜材料は、フッ素化ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリイミド、部分フッ素化若しくは置換ポリイミド、又はこれらの組み合わせからなる群から選択されてよい。
いくつかの実施形態では、好ましくは、ポリシロキサンはポリジメチルシロキサンである。
いくつかの実施形態では、好ましくは、ポリイミドはフッ素化ポリイミド、好ましくは6FDA-6FpDAである。誤解を避けるために記すと、6FDA-6FpDAは以下の構造を有する。
Figure 2024526819000001
ヒルデブランドの溶解度パラメータ(δ)は、物質間の相互作用の程度を数値的に推定し、特に、多くのポリマーなどの無極性材料に対する、良好な溶解度の指標であることができる。換言すれば、ヒルデブランドの溶解度パラメータは、溶質に対する溶媒の親和性の指標を示す。
ヒルデブランドの溶解度パラメータの値が、溶媒(例えば、膜)及び溶質(例えば、関連する分子)に対して同様であれば、バルク材料中で、溶質の溶解力が合理的な程度であることを推定することができる。
例えば、HClに対するヒルデブランドのパラメータは、-60℃~+20℃の温度範囲において、約21(MPa)1/2であり、PFに対するヒルデブランドのパラメータは、-60℃~+20℃の温度範囲において、約11(MPa)1/2である。フッ素化ポリイミドの6FDA-6FpDAは、約21(MPa)1/2の、ヒルデブランドのパラメータであり、そのため、HClは、6FDA-6FpDAにおいて高い溶解度を示すことが予想され得る。PTFEに対する溶解度パラメータは約13(MPa)1/2であり、PDMSの溶解度パラメータは約16(MPa)1/2であるため、これらの材料中でのPFの溶解度は、HClの溶解度よりも高い場合があると予想され得る。
PFが透過流中で豊富になる分離プロセスが所望される場合、HClよりもPFが、材料における高い優先的な溶解度を有するように、膜を選択することができる。したがって、膜は、HClのヒルデブランドのパラメータ(-60℃~+20℃の温度範囲において、21(MPa)1/2)と比較して、PFのヒルデブランドのパラメータ(例えば、-60℃~+20℃の温度範囲において、11(MPa)1/2)に値がより近い、膜のヒルデブランドのパラメータを有する材料から成ることができる。
あるいは、HClが透過流中で豊富になる分離プロセスが所望される場合、PFよりもHClが、材料における高い優先的な溶解度を有するように、膜を選択することができる。
透過膜分離モジュールがゴム状又はガラス質ポリマー材料である実施形態では、1つ以上の透過膜分離モジュール中の上記膜にまたがる圧力勾配は、約0.1バール~約20バール、好ましくは約0.25バール~約15バール、より好ましくは約0.25~約10バールである。
透過膜分離モジュールがゴム状又はガラス質の不活性ポリマー材料である実施形態では、プロセスは、適切な1つ以上の透過膜分離モジュールにおいて、約-80℃~約120℃、好ましくは約-60℃~約80℃、より好ましくは約-40℃~約40℃の温度で行われる。
上記実施形態のいずれにおいても、膜は、フラットシート膜であることができる。あるいは、膜は、中空繊維膜であることができる。
中空線維膜系は、膜が、小径の中空管に形成されている系である。これらの中空管のアセンブリは従来、気密(gas-tight)ヘッダープレートと適合した気密(pressure-tight)管状シェル内に収まっている、これらの管の束で作られているため、アセンブリは、シェル・チューブ式熱交換器に似ている。透過の向きは、中空繊維の内側からシェルに向かって、又は逆方向に向かってのいずれかであってよい。
フラットシート膜は通常、1つ以上の不活性支持体膜材料に結合した分離膜そのもので形成され、その細孔は、分離に顕著な障害を示さない。これらは従来、スペーサー材料の周りで、螺旋パターンで捲回された後、アセンブリ全体が、気密(pressure-tight)円筒シェルの中に配置される。環状配置とは、内部空間が高圧領域と低圧領域に分けられ、コンパクトな筐体全体のサイズで、大きな表面積で流体が接触することができることを意味する。

Claims (25)

  1. HCl及びPFを含む供給流を複数の流に分離するプロセスであって、第1の流ではPFが豊富であり、第2の流ではHClが豊富であり、前記プロセスは、前記供給流が1つ以上の透過膜分離モジュールに入ることを含み、前記膜分離モジュールは、HCl又はPFの1つを選択的に透過することができる透過膜を含む、プロセス。
  2. 前記供給流は、(i)PFが豊富な前記第1の流、及び(ii)HClが豊富な前記第2の流の、2つの流に分離される、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記供給流は、HCl:PFを、1:1より大きく最大約15:1のモル比で、好ましくは、1:1より大きく最大約10:1のモル比で、より好ましくは、1:1より大きく最大約5:1のモル比で含む、請求項1又は請求項2に記載のプロセス。
  4. 前記プロセスは、前記第1の流及び/又は前記第2の流を精製して、精製流及び廃棄流を生成するステップであって、前記精製流は、前記第1及び/又は第2の流と比較して、それぞれ、不純物が増加したPF及び/又はHClを含む、前記ステップを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
  5. 前記第1の流ではPFが豊富であり、PF:HClのモル比は、少なくとも1:1、好ましくは2:1、より好ましくは5:1、最も好ましくは10:1である、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
  6. 前記第1の流でPFが豊富であり、PF:HClのモル比が少なくとも1:1である場合、前記精製ステップは蒸留により行われる、請求項4に記載のプロセス。
  7. 前記プロセスは、前記廃棄流を、前記1つ以上の膜分離モジュールに戻すリサイクルステップを更に含む、請求項4~6のいずれか一項に記載のプロセス。
  8. 前記第1の流及び/又は前記第2の流は、存在する場合、前記精製ステップの前に、それぞれ前記第1又は第2の流における、PF又はHClの量を更に豊富にするために、更なる透過膜分離モジュールを通過する、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
  9. 前記膜は微多孔性の不活性ポリマー材料である、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
  10. 前記微多孔性の不活性ポリマー材料は、ポリテトラフルオロエテン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素化エチレン-プロピレン(FEP)、スルホン化ペルフルオロビニルエーテル-テトラフルオロエテンコポリマー(例えば、Nafion(商標))、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項9に記載のプロセス。
  11. 1つ以上の前記透過膜分離モジュール中の前記膜にまたがる圧力勾配は、約0.1バール~約20バール、好ましくは約0.25バール~約15バール、より好ましくは約0.5~約10バールである、請求項9又は請求項10に記載のプロセス。
  12. 前記プロセスは、1つ以上の前記透過膜分離モジュールにおいて、約-50℃~約80℃、好ましくは約-30℃~約50℃、より好ましくは約-20℃~約40℃の温度で行われる、請求項9~11のいずれか一項に記載のプロセス。
  13. 前記膜材料は、ゴム状又はガラス質ポリマー材料から選択され、PF又はHClの一方の溶解度が、他方の構成成分と比較して向上し、溶解度の高い構成成分が、溶解度の低い構成成分よりも高速で、膜を透過する、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
  14. 前記膜材料は、フッ素化ポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン、ポリメチルペンテン、ポリスルホン、ポリイミド、部分フッ素化若しくは置換ポリイミド、又はこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項13に記載のプロセス。
  15. 前記ポリシロキサンはポリジメチルシロキサンである、請求項14に記載のプロセス。
  16. 前記ポリイミドはフッ素化ポリイミド、好ましくは6FDA-6FpDAである、請求項14に記載のプロセス。
  17. 1つ以上の前記透過膜分離モジュール中の前記膜にまたがる圧力勾配は、約0.1バール~約20バール、好ましくは約0.25バール~約15バール、より好ましくは約0.25~約10バールである、請求項13~16のいずれか一項に記載のプロセス。
  18. 前記プロセスは、1つ以上の前記透過膜分離モジュールにおいて、約-80℃~約120℃、好ましくは約-60℃~約80℃、より好ましくは約-40℃~約40℃の温度で行われる、請求項13~17のいずれか一項に記載のプロセス。
  19. 前記膜は、PFのヒルデブランドの溶解度パラメータ(-60℃~+20℃の温度範囲において、11(MPa)1/2)と比較して、HClのヒルデブランドの溶解度パラメータ(-60℃~+20℃の温度範囲において、21(MPa)1/2)に値が近い、ヒルデブランドの溶解度パラメータを有する材料から成る、請求項13~18のいずれか一項に記載のプロセス。
  20. 前記膜は、HClのヒルデブランドのパラメータ(-60℃~+20℃の温度範囲において、21(MPa)1/2)と比較して、PFのヒルデブランドの溶解度パラメータ(-60℃~+20℃の温度範囲において、11(MPa)1/2)に値が近い、ヒルデブランドの溶解度パラメータを有する材料から成る、請求項13~18に記載のプロセス。
  21. 前記膜はフラットシート膜である、請求項1~20のいずれか一項に記載のプロセス。
  22. 前記膜は中空繊維膜である、請求項1~21のいずれか一項に記載のプロセス。
  23. 前記プロセスはバッチ式又は連続操作で行われ、好ましくは、前記プロセスは連続操作で行われる、請求項1~22のいずれか一項に記載のプロセス。
  24. 前記膜分離モジュールに入る前記1つ以上の流は、気体又は蒸気状態である、請求項1~23のいずれか一項に記載のプロセス。
  25. 本プロセスで作成されたPFは、LiPFを合成するプロセスで用いられる、請求項5~24のいずれか一項に記載のプロセス。

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