JP2024525804A - 多層可撓性包装材料 - Google Patents

Abstract

本発明は、全般的には多層可撓性包装材料の分野に関する。特に、本発明は、乾燥食品、好ましくは菓子を包装するための多層可撓性包装材料に関する。【選択図】図１

Description

発明の詳細な説明

［技術分野］
本発明は、全般的には多層可撓性包装材料の分野に関する。特に、本発明は、多層可撓性包装材料に関する。本発明は更に、乾燥食品を包装するための、本発明による多層可撓性包装材料の使用に関する。

［背景技術］
プラスチック包装は、経済活動及び人々の日常生活においてしばしば使用されている。プラスチック包装は、可撓性及び軽量性など、複数の利点を有する。このような軽量化は、物的資源の要求量の低減と、例えば、輸送時の燃料の節約及びＣＯ２削減に寄与する。プラスチック包装のバリア特性は、保存期限の延長にプラスの効果があることから、食品廃棄物の削減に役立つ。バリア特性はまた、食品の安全性を確保するのに役立つ。

しかしながら、欧州委員会によって最近公表された、循環型経済におけるプラスチックに関する欧州戦略によれば、欧州では毎年約２５８０万トンのプラスチック廃棄物が発生しており、かかる廃棄物のうちリサイクルのために回収されるのは３０％未満であり、毎年１５００００～５０００００トンものプラスチック廃棄物が海洋に侵入している。

プラスチック廃棄物の削減を確保するために、産業及び商業において多大な努力がなされている。いくつかのスーパーマーケットでは、例えば、ビニール袋を紙系の袋に置き換えている。しかしながら、食品包装においてプラスチックを紙に置き換えることは容易な課題ではない。包装材料の変更は、消費者の安全を損なわない必要がある。包装は、流通、貯蔵及び小売の間に食品を保護する役割を果たす必要があるだけでなく、製造プロセス中に機械によって取り扱われるのに十分に丈夫なものである必要もあり、かつ食品製品が効果的に提示され得るようなものである必要もある。

したがって、改善されたバリア特性を有する、再生可能で効果的にリサイクルされる費用効果の高い材料が必要とされている。特に、改善されたバリア特性を有する紙系包装材料は、その部分的又は完全な再生性能に加えて、既存の十分に確立された紙再生設備において効果的にリサイクルできることから、必要とされている。

国際公開第２０００／０７６８６２号は、これに関して、紙基材と、当該紙基材に適用された、０．７～９ナノメートルの範囲の厚さを有しクレイ粒子を含む、少なくとも１つのポリマー／ナノクレイ複合層と、を備える、包装用途のための積層構造を記載している。

しかしながら、当該技術分野には紙系包装材料のバリア特性を更に改善する必要性がある。

特に、食品製品用の包装では、包装された食品の安全性及び品質を維持するために、良好なバリア特性が不可欠である。典型的には、かかるバリア特性としては、ガス透過性、例えば、Ｏ２、ＣＯ２、及びＮ２の透過性；蒸気透過性、例えば水蒸気の透過性；液体透過性、例えば水又は油の透過性；アロマ透過性；及び光透過性が挙げられる。

更に、このリサイクルの背景に対して、包装が消費者によって適切に処分されない、すなわち、ポイ捨てされるという問題がある。このような材料は、最後には自然環境中に行き着く可能性がある。更に従来の菓子包装は小さく、偶発的にポイ捨てされる可能性が高く、使用されるプラスチック材料は分解に数年かかる可能性がある。

したがって、本発明は、バリア特性及びリサイクル性の問題のバランスをとろうとするものである。

本明細書における先行技術文献のいかなる参照も、かかる先行技術が周知であること、又は当該技術分野で共通の全般的な認識の一部を形成していることを認めるものとみなされるべきではない。

［発明の概要］
本発明の目的は、現在の技術水準を改善することであり、特に、改善されたバリア特性を提供し、リサイクルすることができる多層可撓性包装材料を提供すること、乾燥食品製品を包装するためのそのような多層可撓性包装材料の使用を提供すること、又は少なくとも、当技術分野において既存の包装解決策に対する有用な代替策を提供することである。

本発明は、外側表面から内側表面に、順に、
４０～１２０ｇ／ｍ２の坪量を有する紙層と、
少なくとも１．５ｇ／ｍ２の坪量を有する任意選択の親水性層と、
金属化材料、酸化アルミニウム若しくは酸化ケイ素、又はこれらの混合物を含み、２０～３００ｎｍの範囲の厚さを有するバリア層と、
１．０～１５．０ｇ／ｍ２の坪量を有するポリマー層と、
を備える多層可撓性包装材料であって、上記ポリマー層が、少なくとも１つのプラスチックポリマーを含む、多層可撓性包装材料を調製することによって上記問題を解決した。

本発明は、乾燥食品材料の包装に関する要件を満たす、水蒸気透過率（ＷＶＴＲ）試験及び酸素透過率（ＯＴＲ）試験の結果を提供することに加え、リサイクルの機会を提供する。

したがって、本発明の目的は、独立請求項の主題によって達成された。従属請求項は、本発明の概念を更に展開させるものである。

本発明は更に、乾燥食品、好ましくは菓子、好ましくはチョコレート製品、シリアル及び／若しくはナッツベースのバー、並びに／又はビスケット若しくはウエハース製品を包装するための、本発明による多層可撓性包装材料の使用を提供する。

本明細書で使用される場合、「含む／備える（ｃｏｍｐｒｉｓｅｓ）」、「含んでいる／備えている（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」という単語、及び類似の単語は、排他的又は網羅的な意味で解釈されるべきではない。換言すれば、これらは「含むが、これらに限定されない」ことを意味することを意図している。

本発明の概略図である。

［発明を実施するための形態］
本発明は、外側表面から内側表面に、順に、
４０～１２０ｇ／ｍ２の坪量を有する紙層と、
少なくとも１．５ｇ／ｍ２の坪量を有する任意選択の親水性層と、
金属化材料、酸化アルミニウム若しくは酸化ケイ素、又はこれらの混合物を含み、２０～３００ｎｍの範囲の厚さを有するバリア層と、
１．０～１５．０ｇ／ｍ２の坪量を有するポリマー層と、
を備える多層可撓性包装材であって、上記ポリマー層が、少なくとも１つのプラスチックポリマーを含む、多層可撓性包装材料に関する。

別の実施形態では、外側表面から内側表面までのバリア層及びポリマー層の順序は逆転されている。

本発明の目的上、包装材料は、破損させずに曲げることができる材料である場合、可撓性であると見なすものとする。更に、例えば、このような可撓性材料は、破損させずに手で曲げることができる材料であってもよい。好ましくは、本発明による多層可撓性包装材料は、１４０ｇ／ｍ２以下、より好ましくは１２０ｇ／ｍ２以下、より好ましくは１００ｇ／ｍ２以下、及び９０ｇ／ｍ２又は８０ｇ／ｍ２未満の坪量を有し得る。

本発明の包装材料は紙系である。当業者は、例えば、包装される製品、特にそのサイズ及び重量、包装プロセス、流通経路、画像及び情報伝達に関する要件、並びに紙材料が一次、二次又は三次包装として使用されるかどうかに基づいて、適切な紙層を選択することができる。

好ましい実施形態では、インクは紙層の外側表面に適用されている、紙の外側層は非コートである、外側層は表面サイジングされている、又は外側層は顔料コーティングされている。これらの紙の表面処理は、当該技術分野において既知の方法によって実施されてもよい。

本発明は、金属化材料、酸化アルミニウム若しくは酸化ケイ素、又はこれらの混合物を含むバリア層を含む。好ましい実施形態では、上記の混合物は、材料の個々の層を含む。

金属化層は、物理蒸着によってポリマー膜に適用されてもよい。例えば、金属化層は、真空蒸着プロセスによって適用されてもよい。真空蒸着プロセスの例は、Ｔｈｉｎ Ｓｏｌｉｄ Ｆｉｌｍｓ、第６６６巻、２０１８年１１月３０日、６～１４頁に記載されている。真空蒸着は、固相である金属が気相に移ったあと固相に戻り、徐々に膜厚を築く蒸発プロセスである。真空蒸着によって製造されたコーティングは、良好な耐摩耗性、衝撃強度及び温度強度、並びに複雑な表面上に堆積可能という利点を有する。好ましい実施形態では、金属化はアルミニウムを堆積させる。

好ましい実施形態では、ポリマー膜とバリア層との組み合わせは、５．０～１２．０ミクロン、好ましくは６．０～１０．０ミクロン、好ましくは７．０～９．５ミクロン、好ましくは７．５～８．５ミクロンの総厚を有する。

本発明において、酸化アルミニウム膜及び二酸化ケイ素膜の堆積方法は限定されない。二酸化ケイ素膜は、ゾル－ゲル、液相堆積、スパッタリング、化学蒸着（ＣＶＤ）、熱酸化、プラズマ励起化学蒸着（ＰＥＣＶＤ）、大気圧プラズマ堆積、及び物理蒸着（ＰＶＤ）などの様々な方法によって製造することができる。ＰＶＤは、最も確立された真空蒸着技術の１つである。ＰＶＤとしては、真空蒸着、イオンプレーティング、及びスパッタリング堆積が挙げられる。これらの技術は、膜厚の制御向上を可能にし、堆積された膜が良好な接着性能を有することを確保する。

本発明において、酸化アルミニウム膜の堆積方法は限定されない。一実施形態では、酸化アルミニウム層は、真空蒸着によって堆積されてもよい。

当業者は、例えば、意図される保存期限、包装された製品及び包装材料の全厚に応じて、バリア層の厚さを適切に調整することができる。本発明による多層可撓性包装材料において、バリア層は、例えば、２０～３００ｎｍ、３０～２７５ｎｍ、又は５０～２００ｎｍの範囲の厚さを有してもよい。

バリア層の光学密度の範囲は、好ましくは１．４～３．８の範囲、より好ましくは１．４～３．５であってもよく、これは３０～２００ナノメートルの厚さに対応する。

好ましい実施形態では、ポリマー層はポリオレフィン又はポリエステルを含む。好ましくは、ポリマー層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ乳酸、及びこれらのコポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む。好ましい実施形態では、ポリマー層はポリプロピレンを含む。

非常に好ましい実施形態では、ポリマー層は配向され、例えば二軸配向される。

非常に好ましい実施形態では、ポリマーは、配向ポリオレフィン又は配向ポリエチレンテレフタレート、好ましくは配向ポリプロピレン（ＯＰＰ）である。

非常に好ましい実施形態では、ポリマーは押出成形された層である。好適な押出成形方法は当該技術分野において公知である。例えば、配向膜（例えば、ＯＰＰ）は、溶融ポリマーの層をカレンダー加工して皮膜を得て、この被膜を加工して分子の配向を得ることによって得られる。

好ましい実施形態では、ポリマー層は、分散コーティング技術によって製造されない。

本発明の特徴を組み合わせて使用することによって、必要なバリア特性を、リサイクル性、及び分散コーティングなどのより複雑な製造プロセスを必要としない市販材料の使用と組み合わせて達成することが可能である。

好ましい実施形態では、紙層は、４０～１２０ｇ／ｍ２、好ましくは５０～１００ｇ／ｍ２、より好ましくは６０～９０ｇ／ｍ２又は５０～８０ｇ／ｍ２の坪量を有する。

好ましい実施形態では、ポリマー層は、１．５～１２．０ｇ／ｍ２、好ましくは３．０～１０．０ｇ／ｍ２、より好ましくは４．０～８．０ｇ／ｍ２の範囲の坪量を有する。非常に好ましい実施形態では、上限は８．０ｇ／ｍ２である。

好ましい実施形態では、親水性層は、１．５～１０．０ｇ／ｍ２、好ましくは２．０～８．０ｇ／ｍ２、より好ましくは３．０～６．０ｇ／ｍ２の範囲の坪量を有する。

好ましい実施形態では、包装の総坪量は、４２．５～１４０ｇ／ｍ２、好ましくは５０～１２０ｇ／ｍ２、より好ましくは６０～１００ｇ／ｍ２又は６０～９０ｇ／ｍ２の範囲である。

好ましい実施形態では、紙層は６０～９０ｇ／ｍ２の坪量を有し、
親水性層は、１．５～６．０ｇ／ｍ２の範囲の坪量を有し、
バリア層は、金属化材料を含み、かつ
ポリマー層は、１．０～８．０ｇ／ｍ２の範囲の坪量を有する。

好ましい実施形態では、多層可撓性包装材料は、紙層又は親水性層（存在する場合）とバリア層との間にラミネート接着剤（ｌａｍｉｎａｔｉｏｎ ａｄｈｅｓｉｖｅ）層を更に含み、好ましくは、当該接着剤層は、３．５ｇ／ｍ２を超えない、好ましくは０．５ｇ／ｍ２～３．５ｇ／ｍ２の坪量を有する。

適切なラミネート接着剤は当業者に公知であり、適宜選択され得る。紙層／紙層上の親水性層とバリア層との間に適用されるラミネート接着剤は、ポリウレタンであってもよい。

一般的なポリウレタン接着剤は、ある種のポリオール又は混合物、及びある種のイソシアネート又は混合物を含有する。他の増量剤及び代替的な架橋化学も存在し得る。

本発明の多層可撓性包装材料は、食品製品用包装材料であってもよい。この包装材料は、例えば、一次包装材料、二次包装材料又は三次包装材料であってもよい。多層可撓性包装材料が食品製品用包装材料である場合、食品製品用一次包装材料は、実際の食品製品と直接接触する食品製品用包装材料であってもよい。食品製品用二次包装材料は、一次包装に収容された１つ以上の食品製品を保護（ｓｅｃｕｒｅ）するのに役立つ食品製品用包装材料であってもよい。二次包装材料は、典型的には、複数の食品製品が単一容器で消費者に提供される場合に使用される。食品製品用三次包装材料は、輸送中に一次包装並びに／又は一次包装及び二次包装に収容された１つ以上の食品製品を保護するのに役立つ食品製品用包装材料であってもよい。

本発明の積層体を、食品を収容する市販材料として利用するために、以下の特徴が好ましくは存在し得る。当該構造体は、プロセスに適した顔料コート紙又は非コート紙の表面上に、特定の表面インクで所望のグラフィックアートワークを印刷されてもよい。コールドシール又はヒートシールは、フローラッピング（ｆｌｏｗ ｗｒａｐｐｉｎｇ）用途を可能にするために、ポリマー側を覆うように見当合わせする特定のパターンを使用して適用されてもよい。包装場所への送出のために巻き取られるときに、コールドシールを印刷表面に永続的には付着させないことを確保するために、印刷表面上に剥離ラッカーが適用されてもよい。当該構造体は、必要に応じて食品を包装するための横型又は縦型フローラップマシンに使用されてもよい。

好ましい実施形態では、包装は、食品製品、好ましくは菓子食品製品、好ましくはチョコレート製品、シリアル及び／若しくはナッツバー、並びに／又はビスケット若しくはウエハース製品のための一次包装である。

好ましい実施形態では、親水性層は、デンプン、顔料－デンプン又は顔料－ラテックス配合物を含んでもよく、又はこれらから構成されていてもよい。紙材料の細孔容積の全体積に対する比は、紙材料の多孔率と呼ばれる。本発明の目的のために、紙層は、ガーレー透気度が２０ｍＬ／分（Ｔａｐｐｉ Ｔ５４７）未満である場合、４０％未満、例えば３０％未満又は２０％未満の多孔率を有する場合、非多孔質であると見なすものとする。したがって、本発明の一実施形態では、紙層は非多孔質紙層である。

紙層が低い表面粗さを有することが好ましい場合もある。例えば、紙層は、１００ｍＬ／分未満のＢｅｎｄｓｔｅｎ粗さを有してもよい。Ｂｅｎｄｓｔｅｎ粗さは、参照により本明細書に組み込まれるＩＳＯ ８７９１－２：２０１３に従って決定することができる。

包装材料のバリア特性は、当業者に周知である。例えば、包装材料が食品製品用包装材料である場合、このような良好なバリア特性は、包装された食品の安全性及び品質を維持するために不可欠である。典型的には、かかるバリア特性としては、ガス透過性、例えば、Ｏ２、ＣＯ２、及びＮ２の透過性；蒸気透過性、例えば水蒸気の透過性；液体透過性、例えば水又は油の透過性；アロマ透過性；及び光透過性が挙げられる。

バリア層が摩耗に対して十分に保護されることを確保するために、例えば、バリア層は保護層で保護されてもよい。適切な保護層は当業者に周知であり、アクリル酸コポリマー、ポリエステル、ポリヒドロキシアルカノエート、天然デンプン及び化学加工デンプン、キシラン及び化学変性キシラン、ポリビニリデンジクロリド、ポリビニルアルコール、エチル－ビニルアルコール、酢酸ビニル、エチル－酢酸ビニル、硝酸セルロース、ポリオレフィン、シラン、ポリウレタン、又はこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。そのような保護層を使用することは、アルミニウム層が安定化され、好ましくない影響に対して十分に保護され、その完全性、ひいては本発明の多層可撓性包装材料のバリア特性に対するそのプラスの影響を維持するという利点を有する。

例えば紙材料のバリア特性を改善するために、紙包装材料などの紙材料を、シーリング層で、例えばポリマー分散体でコーティングすることは、当該技術分野において周知である。例は、例えば、Ｋｉｍｐｉｍａｋｉ Ｔ．，Ｓａｖｏｌａｉｎｅｎ Ａ．Ｖ．（１９９７）Ｂａｒｒｉｅｒ ｄｉｓｐｅｒｓｉｏｎ ｃｏａｔｉｎｇ ｏｆ ｐａｐｅｒ ａｎｄ ｂｏａｒｄ．Ｉｎ：Ｂｒａｎｄｅｒ Ｊ．，Ｔｈｏｒｎ Ｉ．（ｅｄｓ）Ｓｕｒｆａｃｅ Ａｐｐｌｉｃａｔｉｏｎ ｏｆ Ｐａｐｅｒ Ｃｈｅｍｉｃａｌｓ．Ｓｐｒｉｎｇｅｒ，Ｄｏｒｄｒｅｃｈｔ．ｃｏａｔｅｄ，ｐａｐｅｒ ｍａｔｅｒｉａｌｓに記載されている。

消費者への情報提示及びデザインを目的として、インク層が紙層の上に適用されてもよい。ここでも、紙層とインク層との間にプライマーが適用されていると好ましい場合がある。適切なプライマーは当業者に公知であり、例えばポリウレタンプライマーであってもよい。

本発明による多層可撓性包装材料の外側表面に高品質の仕上げを施すために、インク層の表面にオーバープリントワニス（ＯＰＶ）を適用することができる。ＯＰＶは当業者に周知であり、例えば、本発明の包装材料の意図された目的に従って選択され得る。例えば、ＯＰＶは、水又は溶媒系ポリマー配合物に代表される従来のオフセット凸版印刷ワニス、アクリルワニス、ＵＶワニス、及びグラビアワニスからなる群から選択することができる。

したがって、本発明の多層可撓性包装材料は、紙層に適用されたプライマーと、紙層上のプライマーに適用されたインク層と、インク層に適用されたオーバープリントワニス層とを更に備えることができる。

本発明による多層可撓性包装材料は、包装材料に適した任意の厚さを有することができる。当業者であれば、適切な厚さを決定することができる。しかしながら、典型的には、特に包装材料が食品製品の包装における使用を意図されている場合、包装材料は、食品製品の安全性及び保存期限を確保しながら、可能な限り薄くするべきである。例えば、本発明による多層可撓性包装材料は、約３０～１５０μｍ、４０～１２０μｍ、又は５０～１００μｍの範囲の全厚を有し得る。

当業者は、本発明による多層可撓性包装材料の個々の構成要素の坪量又は厚さを適切に選択することができる。

好ましい実施形態では、プラスチック層は押出成形によって製造される。好ましい実施形態では、プラスチック層は、コロナ（空気プラズマ）プロセスを使用して表面処理される。

好ましい実施形態では、本発明は、
プラスチック層を押出成形し、好ましくは配向し、又はその後配向する、ステップ、
プラスチック層をコロナ表面処理するステップ、
物理蒸着によりバリア層を適用するステップ、
任意選択で紙層に親水性層を適用するステップ、
上記紙層又は親水性層（存在する場合）上に接着剤層を適用するステップ、及び
金属化膜を接着剤層に積層するステップ、
を含む、本発明の材料を製造する方法を提供する。

押出成形、コロナ表面処理、物理蒸着、親水性層及び接着層の適用及び積層は、上記の方法及び／又は当該技術分野で公知の方法によって実施されてもよい。

本発明の好ましい実施形態では、本発明による多層可撓性包装材料はリサイクル可能であり得る。例えば、紙及びボール紙のストリームでリサイクル可能であり得る。リサイクル中、金属化ポリマー層は包装の残部から分離される。典型的には、金属化ポリマーは、ハイドラパルパー内でのリサイクル中に包装材料の残部から分離される。プラスチック材料の含有量が少ないこと（ｌｏｗ ｌｅｖｅｌ ｏｆ ｐｌａｓｔｉｃ ｍａｔｅｒｉａｌ）、及び潜在的にはプラスチック材料の選択は、リサイクルに役立つ。したがって、本発明による多層可撓性包装材料は、紙及び／又はカートンとしてリサイクル可能であり得る。

これらの優れたバリア特性により、本発明による多層可撓性包装材料を使用して食品製品を包装することができる。本発明の目的に関し、「食品」という用語は、国際食品規格（Ｃｏｄｅｘ Ａｌｉｍｅｎｔａｒｉｕｓ）に従って、加工、半加工、又は未加工に関わらず、ヒトによる消費を意図する任意の物質を意味するものとし、飲料、チューインガム、及び「食品」の製造、調製、又は処理で使用されている任意の物質を含むが、化粧品又はタバコ又は薬物としてのみ使用される物質を含まない。

注目すべきことに、優れたバリア特性により、本発明による多層可撓性包装材料を使用して乾燥食品製品を包装することができる。乾燥食品製品としては、粉末及び顆粒、例えば、乳又は水で再構成される粉末及び顆粒が挙げられる。乾燥食品製品は、例えば５％以下の含水量を有してもよい。

したがって、本発明による多層可撓性包装材料を使用して乾燥食品を包装することができる。本発明の主題は、乾燥食品を包装するための、本発明による多層可撓性包装材料の使用にも及ぶ。

当業者は、本明細書に開示される本発明の全ての特徴を自由に組み合わせることができることを理解するであろう。特に、本発明の製品に関して記載された特徴を、本発明の方法に関して記載された特徴と組み合わせることができ、逆もまた同様である。更に、本発明の異なる実施形態について記載された特徴を組み合わせてもよい。

本発明を実施例によって説明してきたが、特許請求の範囲で定義された本発明の範囲から逸脱することなく、変更及び改変を加えることができることが理解されるべきである。

更に、既知の均等物が特定の特徴に対して存在する場合、かかる均等物は、本明細書で具体的に言及されているかのように組み込まれる。

下記の構造体を次のように調製した。
実施例１
１）グラビア法で適用した剥離ラッカーの完全被覆
２）２色デザインのグラビア印刷
３）非塗工漂白クラフト紙 ７０ｇｓｍ、９１ミクロン
４）１成分型無溶剤ラミネート接着剤 ３．５ｇｓｍ
５）２．１のＯＤ（光学密度）を有する真空蒸着アルミニウムバリア層
６）８ミクロンのＯＰＰコロナ処理膜（７．１ｇｓｍ）
７）グラビア法でパターン状に適用されたコールドシール接着剤

実施例２
１）グラビア法で適用した剥離ラッカーの完全被覆
２）２色デザインのグラビア印刷
３）デンプンと、顔料と、バインダーとを含む１０ｇｓｍの親水性層を有する６５ｇｓｍの非コート漂白クラフト紙、合計７５ｇｓｍ／９５ミクロン
４）親水性層上に適用された１成分型無溶剤ラミネート接着剤３．５ｇｓｍ
５）２．１のＯＤ（光学密度）を有する真空蒸着アルミニウムバリア層
６）８ミクロンのＯＰＰコロナ処理膜（７．１ｇｓｍ）
７）グラビア法でパターン状に適用されたコールドシール接着剤

下記の試験を、次に示す材料に対して実施した。

Claims (17)

1. 外側表面から内側表面に、順に、
   ４０～１２０ｇ／ｍ２の坪量を有する紙層と、
   少なくとも１．５ｇ／ｍ２の坪量を有する任意選択の親水性層と、
   金属化材料、酸化アルミニウム若しくは酸化ケイ素、又はこれらの混合物を含み、２０～３００ｎｍの範囲の厚さを有するバリア層と、
   １．０～１５．０ｇ／ｍ２の坪量を有するポリマー層と、
   を備える多層可撓性包装材料であって、前記ポリマー層が、少なくとも１つのプラスチックポリマーを含む、多層可撓性包装材料。
2. 前記バリア層が、金属化アルミニウムである、請求項１に記載の多層可撓性包装材料。
3. 前記ポリマー層が、ポリオレフィン又はポリエステルを含む、請求項１及び２に記載の多層可撓性包装材料。
4. 前記ポリマー層が、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ乳酸、及びこれらのコポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む、請求項１～３に記載の多層可撓性包装材料。
5. 前記ポリマー層が、配向され、好ましくは二軸配向されている、請求項１～４のいずれか一項に記載の多層可撓性包装材料。
6. 前記紙層が、５０～９０ｇ／ｍ２の範囲の坪量を有する、請求項１～５のいずれか一項に記載の多層可撓性包装材料。
7. 前記親水性層が存在し、デンプン、顔料（複数可）、及びバインダー、又はこれらの混合物からなる群から選択される材料を含む、請求項１～６のいずれか一項に記載の多層可撓性包装材料。
8. 前記ポリマー層の坪量が、１．５～８．０ｇ／ｍ２の範囲である、請求項１～７のいずれか一項に記載の多層可撓性包装材料。
9. 前記紙層とバリア層との間にラミネート接着剤層を更に含み、好ましくは、前記接着剤層が、３．５ｇ／ｍ２を超えない坪量を有する、請求項１～８のいずれか一項に記載の多層可撓性包装材料。
10. 前記バリア層が、３０～２００ｎｍの範囲の厚さを有する、請求項１～９のいずれか一項に記載の多層可撓性包装材料。
11. 前記紙層が、６０～１００ｇ／ｍ２の坪量を有し、
    前記親水性層が、１．５～１０．０ｇ／ｍ２の範囲の坪量を有し、
    前記バリア層が、金属化材料を含み、かつ
    前記ポリマー層が、１．０～８．０ｇ／ｍ２の範囲の坪量を有する、
    請求項１～１０のいずれか一項に記載の多層可撓性包装材料。
12. 前記バリア層が、物理蒸着によって供給されている、請求項１～１１のいずれか一項に記載の多層可撓性包装材料。
13. 前記プラスチックポリマーが、表面エネルギーを増加させるように処理されている、請求項１～１２のいずれか一項に記載の多層可撓性包装材料。
14. 前記材料が、前記材料の前記内側表面上にコールドシール又はヒートシールを更に含む、請求項１～１３のいずれか一項に記載の多層可撓性包装材料。
15. 乾燥食品を包装するための、請求項１～１４のいずれか一項に記載の多層可撓性包装材料の使用。
16. 請求項１～１５のいずれか一項に記載の多層可撓性包装材料に包装された、乾燥食品製品。
17. 前記乾燥食品製品が、菓子製品である、請求項１５に記載の使用又は請求項１６に記載の包装された乾燥食品製品。