JP2024525482A - 凍結乾燥処方物を再構成する方法 - Google Patents

凍結乾燥処方物を再構成する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024525482A
JP2024525482A JP2023580752A JP2023580752A JP2024525482A JP 2024525482 A JP2024525482 A JP 2024525482A JP 2023580752 A JP2023580752 A JP 2023580752A JP 2023580752 A JP2023580752 A JP 2023580752A JP 2024525482 A JP2024525482 A JP 2024525482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
amino acid
buffer
acid sequence
polypeptide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023580752A
Other languages
English (en)
Inventor
チー,ウェイ
レン,シンディ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Amgen Inc
Original Assignee
Amgen Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Amgen Inc filed Critical Amgen Inc
Publication of JP2024525482A publication Critical patent/JP2024525482A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(a)芳香族アルコール、フェノール化合物又は芳香族側鎖を有するアミノ酸を含む希釈剤でポリペプチド、糖類、界面活性剤及び緩衝剤を含む凍結乾燥処方物を再構成することと、(b)再構成された処方物を、それを必要とする対象に再構成の12時間以内に投与することと、を含み、ポリペプチドが二重特異性抗体コンストラクト、例えば、ヒトDLL3及びヒトCD3に結合する、及び任意選択的に配列番号75及び配列番号9のアミノ酸配列を含む二重特異性抗体コンストラクトである方法が、本明細書中に記載される。

Description

本開示は、タンパク質治療の分野及び使用方法にある。
関連出願の相互参照
本願は、2021年6月30日に出願された米国仮特許出願第63/216,616号明細書に対する優先権を主張するものであり、その全内容が参照により本明細書に完全に組み込まれる。
本明細書と同時に提出され、以下の通り特定されるコンピュータ可読のヌクレオチド/アミノ酸配列リストは、その全体が参照により組み込まれる:2022年6月29日に作成された362,780バイトの「56395_Seqlisting.txt」と命名されるASCII(テキスト)ファイル。
商業規模での精製工程の進歩により、現在では、組み換えタンパク質などのタンパク質に基づく医薬品は、最初の製造時には高い純度で得られ得る。しかしながら、タンパク質は、辛うじて安定であるにすぎず、化学的にも物理的にも非常に劣化し易い。化学的劣化とは、脱アミド、酸化、開裂、クリッピング/断片化、新たなジスルフィド架橋の形成、加水分解、異性化、又は脱グリコシル化などの共有結合を伴う修飾を指す。物理学的劣化には、タンパク質のアンフォールディング、表面への望ましくない吸着及び凝集が含まれる。これらの物理的及び化学的な不安定性への対処は、タンパク質医薬品の開発において最も困難な課題の1つである(Chi et al.,Pharm Res,Vol.20,No.9,Sept 2003,pp.1325-1336,Roberts,Trends Biotechnol.2014 Jul;32(7):372-80)。
凝集は、タンパク質処方物において観察される主要なタイプの物理学的不安定性である。凝集は、最初は天然の折り畳まれたタンパク質から高分子量種(HMW)への集合である。半減期が延長された二重特異性T細胞誘導、抗原結合ポリペプチド、例えばFc分子などの半減期延長モダリティーを含む二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))分子は、タンパク質凝集及び/又は他の劣化事象を起こし易い。BiTE(登録商標)分子のタンパク質凝集が問題となるのは、それが治療用タンパク質の生物学的活性を弱めることがあるためである。さらに、凝集したタンパク質の存在により(ヒト化タンパク質又は完全ヒトタンパク質であっても)、患者は、活性タンパク質単量体に対する免疫反応を起こすことになり、その結果、中和抗体の形成及び薬物耐性又は他の有害な副作用がもたらされるというリスクが顕著に増大し得るといった懸念がある(Mahler J Pharm Sci.2009 Sep;98(9):2909-34)。例えば下流処理の精錬段階においてタンパク質凝集体が不純物として除去される一方で、臨床現場への出荷及び医師による取り扱い後に凝集体が形成され得る。
患者への投与のために調製され、ポイントオブケアでのタンパク質治療薬を用いた作業において不都合が付随する処方物中の高分子量種の量を最小化するための処方物及び方法が当技術分野で必要とされている。
本開示は、(a)芳香族アルコール、フェノール化合物又は芳香族側鎖を有するアミノ酸を含む希釈剤でポリペプチド、糖類、界面活性剤及び緩衝剤を含む凍結乾燥処方物を再構成(reconstituting)することと、(b)再構成された処方物を、それを必要とする対象に再構成の12時間以内に投与することと、を含む方法を提供する。様々な態様では、ポリペプチドは、二重特異性抗体コンストラクトである。様々な態様では、ポリペプチドは、ヒトDLL3及びヒトCD3に結合し、例えば配列番号75及び配列番号9のアミノ酸配列を含むポリペプチドなどである。任意選択的に、希釈剤は、ベンジルアルコール、フェノール、m-クレゾール又はフェニルアラニンを含む。また任意選択的に、再構成された処方物のpHは約4~約7であり、及び/又は、この再構成された処方物は、約1mg/mL~約20mg/mLのポリペプチドを含む。様々な態様では、緩衝剤はグルタミン酸緩衝剤であり、糖類はスクロースであり、及び/又は界面活性剤はポリソルベート80である。例えば、代表的な態様では、本処方物は、凍結乾燥前に、15mMグルタミン酸塩、9%(w/v)スクロース及び0.01%(w/v)ポリソルベート80を含み、この処方物のpHは、4.2である。様々な態様では、対象は、癌、例えば小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、神経膠腫、神経膠芽腫、メラノーマ、神経内分泌前立腺癌、神経内分泌膵臓癌、肝芽腫又は肝細胞癌などに罹患している。
本明細書中の様々な実施形態は、様々な状況下で「含む」という語を使用して提示される一方、関連する実施形態はまた、「~からなる」又は「基本的に~からなる」という語を使用しても説明され得ると理解されるべきである。本開示は、ある特性を「含む」と記載された実施形態が、その特性「からなる」又は「基本的に~からなる」実施形態を含むことを企図する。「a」又は「an」という用語は、1つ以上を指し;例えば、「免疫グロブリン分子」は、1つ以上の免疫グロブリン分子を表すと理解される。そのため、「1つ(a)」(又はan)、「1つ以上」及び「少なくとも1つの」という用語は、本明細書中で交換可能に使用され得る。
値の範囲を記載するとき、記載されている特徴は、その範囲内に見出される個々の値であり得ることもまた理解されるべきである。例えば、「約pH4~約pH6のpH」は、pH4、4.2、4.6、5.1、5.5など、及びそのような値の間にあるあらゆる値であり得るが限定されない。さらに、「約pH4~約pH6のpH」は、目的の処方物のpHが、保管中にpH4~pH6の範囲において2pH単位で変動するという意味であると解釈されるべきではなく、むしろ、溶液のpHについてその範囲内で値を選び得、pHはそのpH付近で緩衝されたままであることを意味する。本明細書中に記載の範囲は何れも、範囲の終点が範囲に含められる。しかし、この記載はまた、同じ範囲の低い方の端点及び/又は高い方の端点を除外する場合も企図される。
「約」という用語が使用される場合、列挙された数に対して列挙された数の5%、10%、15%又はそれ以上を加えるか又は減じることを意味する。意図される実際の変動は、文脈から決定可能である。
本発明のさらなる特性及びバリエーションは、図面、発明を実施するための形態及び添付の特許請求の範囲を含む本願の全体から当業者にとって明らかになろうが、そのような特性は全て本発明の態様として意図される。同様に、本明細書中に記載の本発明の特性を組み換えて、特性の組み合わせが本発明の態様又は実施形態として上記に具体的に記載されているか否かにかかわらず、本発明の態様としても意図されるさらなる実施形態となり得る。また、本発明にとって不可欠なものとして本明細書中に記載されるそのような限定のみが、そのように見なされるべきであり;本明細書に不可欠なものとして記載されていない限定を欠く本発明の変形形態は、本発明の態様として意図される。
特許、特許出願、文献刊行物などを含む、本明細書に引用されている全ての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図1は、滅菌注射用水(sWFI、黒丸)、0.9%ベンジルアルコールを含むWFI(bWFI、黒三角)、食塩水(「x」)、0.9%ベンジルアルコールを含む食塩水(白三角)、ポリソルベート80(白菱形)又は静脈内溶液安定化剤(intravenous solution stabilizer)(IVSS、黒菱形)を使用した凍結乾燥処方物の再構成後の経時的な(時間単位)(x-軸)サイズ排除クロマトグラフ(SEC)により同定される高分子量種のパーセンテージ(HMW%)(y-軸)を示す線グラフである。この試験は、8℃で行った。 図2は、滅菌注射用水(sWFI、黒丸=8℃、白丸=25℃)、フェニルアラニン(黒四角=8℃、白四角=25℃)又は0.9%ベンジルアルコールを含むWFI(bWFI、黒三角=8℃、白三角=25℃)を使用した、8℃及び25℃での凍結乾燥処方物の再構成後の経時的(時間単位)(x-軸)なサイズ排除クロマトグラフ(SEC)により同定される高分子量種のパーセンテージ(HMW%)(y-軸)を示す線グラフである。 図3は、滅菌注射用水(sWFI、黒丸)、フェニルアラニン(Phe、黒四角)、フェノール(「x」)、m-クレゾール(黒菱形)又は0.9%ベンジルアルコールを含むWFI(bWFI、黒三角)を使用した、凍結乾燥処方物の再構成後の経時的(時間単位)(x-軸)なサイズ排除クロマトグラフ(SEC)により同定される高分子量種のパーセンテージ(HMW%)(y-軸)を示す線グラフである。8℃で試験を行った。 図4は、0.9%ベンジルアルコールを含むWFIを使用した、凍結乾燥処方物の再構成後の経時的(分単位)(x-軸)なサイズ排除クロマトグラフ(SEC)により同定される高分子量種のパーセンテージ(HMW%)(y-軸)を示す線グラフである。この試験は25℃で行った。SEC測定は8℃で行った。2つの線は、2つの凍結乾燥試料において行われた別個の分析を表す。 図5は、配列番号75及び9を含む凍結乾燥BiTE(登録商標)分子の再構成後の高分子量種の解離に対する様々な濃度のベンジルアルコールの効果を示す棒グラフである。ベンジルアルコール濃度はx-軸(1.0mM、10.0mM、41.6mM及び83.2mM)で示し、一方でt90%hrはy-軸で示す。 図6は、本開示で参照される様々な配列を列挙する表である。 図6は、本開示で参照される様々な配列を列挙する表である。
現在の治療用バイオテクノロジー製品は、高品質であり、且つ組み換えヒトタンパク質及び抗体は、内在性のヒトタンパク質に類似しているものの、タンパク質の不安定性は、依然として重要な懸念事項である。治療用抗体コンストラクト処方物の取り扱いには顕著な難しさが伴うが、それは、治療効果に負の影響を与え、患者に対する免疫原性を向上させる可能性がある劣化及び凝集を最小限にしながら、状態が高次タンパク質構造を維持しなければならないからである。保管及び輸送に付随する問題に対処するために、多くのタンパク質治療薬が凍結乾燥される。しかし、臨床現場での治療薬の取り扱い及び調製は、不要な免疫反応若しくは有害な副作用を誘導し得るか又は全体的有効性をもたらし得る、望ましくない高分子量種の形成を含む、不安定さを促進する状態も導入する。本明細書中に記載の二重特異性T細胞誘導抗原結合ポリペプチドは、例えば、ある特定の条件下での凍結乾燥処方物の再構成時に凝集体を形成させる傾向がある。HMW種のレベルが経時的に解離し得る一方で、「平衡」に到達する(即ちHMW種の定常的な目標レベルに到達する)ために必要とされる時間は重要であり得る。例えば、注射用水中での本明細書中に記載のBiTE(登録商標)分子を含む凍結乾燥処方物の再構成は、HMW種の形成の急激な増加を引き起こし、解離させるために8℃では24時間超、及び25℃では12時間以上を要する。凍結乾燥処方物は、HMW種を最小化するために対象への投与前に長時間にわたり再構成され、保管されるため、これは臨床現場では課題となる。これは不都合であり、再構成処方物のためのさらなる保管スペースを必要とし、安定性にさらに影響を及ぼし得るさらなる介入が追加される。驚くべきことに、芳香族アルコール(例えばベンジルアルコール)、フェノール化合物(例えば、フェノール又はm-クレゾール)又は芳香族側鎖を有するアミノ酸(フェニルアラニン)を含む希釈剤による本明細書中に記載のポリペプチドの凍結乾燥処方物の再構成によって、再構成された組成物におけるHMW種の解離に要する時間が顕著に短縮される。そのため、再構成と投与との間の時間が短くなり、臨床家及び患者に対して実用面での長所がもたらされる。
本開示は、(a)ポリペプチド、糖類、界面活性剤及び緩衝剤を含む凍結乾燥処方物を、芳香族アルコール(例えばベンジルアルコール)、フェノール化合物(例えばフェノール又はm-クレゾール)又は芳香族側鎖を有するアミノ酸(フェニルアラニン)を含む希釈剤で再構成することと、(b)再構成された処方物を、それを必要とする対象に再構成の12時間以内に投与することと、を含む方法を提供する。様々な態様では、本ポリペプチドは、ヒトDLL3及びヒトCD3に結合し、任意選択的に配列番号75及び配列番号9を含む。
本開示の様々な態様を下記で説明する。節の見出しの使用は、単に読解の便宜のためであり、それ自体を限定することを意図するものではない。本明細書全体は、統一された開示として見なされることが意図されており、本明細書中に記載の特性の全ての組み合わせが企図されることを理解すべきである。
ポリペプチド
代表的な態様では、凍結乾燥処方物のポリペプチドは、抗体又は免疫グロブリン様コンストラクトであり、これは、伝統的な抗体構成及びその抗原結合断片並びに抗原結合を可能にする抗体構造特性に基づくコンストラクトを含む。「抗体」という用語は、インタクトな抗原結合免疫グロブリンを指す。抗体は、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4の何れか1つを含むIgA、IgD、IgE、IgG又はIgM抗体であり得る。様々な態様では、インタクトな抗体は、2本の全長重鎖及び2本の全長軽鎖を含む。抗体は、可変領域及び定常領域を有する。IgG形式において、可変領域は一般に、約100~110以上のアミノ酸であり、3つの相補性決定領域(CDR)を含み、抗原認識に主に関与し、且つ異なる抗原に結合する他の抗体間で実質的に変動する。可変領域は、通常、少なくとも3つの重鎖又は軽鎖のCDRを含み(Kabat et al.,1991,Sequences of Proteins of Immunological Interest,Public Health Service N.I.H., Bethesda,Md.;またChothia and Lesk,1987,J.Mol.Biol.196:901-917;Chothia et al.,1989,Nature 342:877-883も参照)、それらは、フレームワーク領域内にある(Kabat et al.,1991によってフレームワーク領域1~4、FR1、FR2、FR3及びFR4と呼ばれている;Chothia and Lesk,1987、前出も参照)。定常領域は、抗体が免疫系の細胞及び分子を動員することを可能にする。
凍結乾燥処方物のタンパク質又はポリペプチドは、様々な態様では、2つの異なる抗原標的に結合する限りにおいて「二重特異性」である。「多重特異性」コンストラクトはまた、2つを超える異なる抗原標的(例えば3つの異なる抗原標的)に結合するものを企図する。「二重特異性」抗体コンストラクトは一般に、第1の結合ドメイン及び第2の結合ドメインを含み、この第1の結合ドメインは、1つの抗原又は標的(例えば標的細胞表面抗原)に結合し、第2の結合ドメインは、別の抗原又は標的(例えばCD3)に結合する。従って、本抗体コンストラクトは、任意選択的に、2つの異なる抗原又は標的に対する特異性を含む。「標的細胞表面抗原」という用語は、細胞によって発現され、本明細書中に記載のような抗体構築物を利用可能であるように細胞表面に存在する抗原構造を指す。それは、タンパク質、好ましくはタンパク質の細胞外部分又は糖質構造、好ましくは糖タンパク質などのタンパク質の糖質構造であり得る。
多重特異性(例えば二重特異性)抗体及び/又は多重特異性(例えば二重特異性)抗体コンストラクトとしては、従来型の二重特異性免疫グロブリン(例えばBsIgG)、1つ以上の付加された抗原結合ドメイン(例えば軽鎖又は重鎖のアミノ末端若しくはカルボキシ末端が、単ドメイン抗体又は対になった抗体可変ドメイン(例えば、Fv又はscFv)などのさらなる抗原結合ドメインに連結される)を含むIgG、BsAb断片(例えば二重特異性単鎖抗体)、多重特異性(例えば二重特異性)融合ポリペプチド(例えば、エフェクター部分に融合される抗原結合ドメイン)及びBsAb複合物が挙げられるが限定されない。例えば、Spiess et al.,Molecular Immunology 67(2)Part A:97-106(2015)を参照されたい(これは、様々な二重特異性方式を記載し、参照により本明細書によって組み込まれる)。二重特異性抗体コンストラクトの例としては、ダイアボディ、単鎖ダイアボディ、タンデムscFv、二重特異性T細胞エンゲージャー(BiTE(登録商標))構造(リンカーによって連結される2つの単鎖可変断片(scFv)からなる融合タンパク質)、Fab二重特異性、単鎖Fab二重特異性、並びに全長抗体(例えば、多重特異性コンストラクトの組み立てを容易にするFc突然変異を伴う全長抗体)を含む改変されたコンストラクトが挙げられるが限定されない。本開示は、任意選択的にリンカーにより連結される、少なくとも1つの単ドメイン抗体(例えば2つの単ドメイン抗体)及び1つのscFvを含むscFv-単ドメイン抗体も企図する。例えば、Chames & Baty,2009,mAbs 1[6]:1-9;及びHolliger & Hudson,2005,Nature Biotechnology 23[9]:1126-1136;Wu et al.,2007,Nature Biotechnology 25[11]:1290-1297;Michaelson et al.,2009,mAbs 1[2]:128-141;国際公開第2009032782号パンフレット及び同第2006020258号パンフレット;Zuo et al.,2000,Protein Engineering 13[5]:361-367;米国特許出願公開第20020103345号明細書;Shen et al.,2006,J Biol Chem 281[16]:10706-10714;Lu et al.,2005,J Biol Chem 280[20]:19665-19672;及びKontermann,2012 MAbs 4(2):182(それらの全てが本明細書中に明確に組み込まれる)も参照されたい。様々な態様では、本ポリペプチドは、BiTE(登録商標)又はBiTE(登録商標)HLEコンストラクトである。
「結合ドメイン」という用語は、標的分子(抗原)上の所定の標的エピトープ若しくは所定の標的部位、例えばCDH19、MSLN、DLL3、FLT3、EGFRvIII、BCMA、PSMA、CD33、CD19、CD70、CLDN18.2、MUC17又はCD3などに(特異的に)結合する(即ちそれと相互作用する又は認識する)ドメインを指す。二重特異性抗体コンストラクトにおいて、例えば第1の結合ドメインの構造及び機能(例えば、CDH19、MSLN、DLL3、FLT3、EGFRIII、BCMA、PSMA、CD33、CD19、CD70、CLDN18.2又はMUC17を認識すること)及び好ましくはまた第2の結合ドメインの構造及び/又は機能(CD3を認識すること)は、抗体、例えば全長又は免疫グロブリン分子全体の、構造及び/又は機能に基づく。或いは、構造及び機能は、抗体の可変重鎖(VH)及び/又は可変軽鎖(VL)ドメイン又はそれらの断片から導かれる。好ましくは、第1の結合ドメインは、3つの軽鎖CDR(即ち、VL領域のCDR1、CDR2及びCDR3)及び/又は3つの重鎖CDR(即ち、VH領域のCDR1、CDR2及びCDR3)の存在によって特徴付けられる。第2の結合ドメインは、好ましくは、標的結合を可能にする抗体の最小限の構造要件も含む。より好ましくは、第2の結合ドメインは、少なくとも3つの軽鎖CDR(即ち、VL領域のCDR1、CDR2及びCDR3)及び/又は3つの重鎖CDR(即ち、VH領域のCDR1、CDR2及びCDR3)を含む。様々な態様では、抗原結合ドメインのうち1つ以上は、ヒト又はヒト化又はキメラである。
いくつかの態様では、凍結乾燥タンパク質は、腫瘍抗原(例えばDLL3)に結合する第1の結合ドメインと、T細胞の表面上のヒトCD3に結合する第2の結合ドメインと、任意選択的にアミノからカルボキシルの順に、ヒンジ-CH2ドメイン-CH3ドメイン-リンカー-ヒンジ-CH2ドメイン-CH3ドメインを含む第3のドメインと、を含む二重特異性抗体コンストラクト(例えば二重特異性T細胞誘導抗原結合ポリペプチド)である。いくつかの態様では、第1及び第2の結合ドメインのそれぞれがVH領域及びVL領域を含む。
抗原結合ポリペプチドの結合ドメイン及び可変ドメイン(VH/VL)は、ペプチドリンカー(スペーサーペプチド)を含んでもよいし又は含まなくてもよい。ペプチドリンカーは、1つの可変及び/又は結合ドメインを別の可変及び/又は結合ドメインに連結し得る。ペプチドリンカーは、第3のドメインを二重特異性T細胞誘導、抗原結合ポリペプチドの他のドメインに融合させるためにも使用され得る。特に適切なペプチドリンカーは、それらの開示が参照により全体として本明細書に組み込まれる、米国特許第4,751,180号明細書及び同第4,935,233号明細書又は国際公開第88/09344号パンフレットに記載されるものである。ペプチドリンカーを使用して、本明細書中に記載の二重特異性T細胞誘導抗原結合ポリペプチドに他のドメイン又はモジュール又は領域(例えば半減期延長ドメインなど)を付加し得る。
いくつかの態様では、本タンパク質又はポリペプチドは、第1の定常領域免疫グロブリンドメインを除外する抗体の定常領域を含むポリペプチドを指す、「Fc」又は「Fc領域」又は「Fcドメイン」の全て又は一部を含む第3のドメインを含む。従って、「Fcドメイン」は、IgA、IgD及びIgGの最後の2つの定常領域免疫グロブリンドメインを指し、IgE及びIgMの最後の3つの定常領域免疫グロブリンドメインを指し、且つこれらのドメインに対する柔軟なヒンジN末端を指す。IgA及びIgMに関して、Fcは、J鎖を含み得る。IgGに関して、Fcドメインは、免疫グロブリンドメインCγ2及びCγ3(Cγ2及びCγ3)並びにCγ1(Cγ1)とCγ2(Cγ2)の間の下位のヒンジ領域を含む。二重特異性T細胞誘導抗原結合ポリペプチドは、好ましくはIgG抗体(IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4を含むが限定されない、いくつかのサブクラスを含む)である。Fc領域の境界は、異なり得るにもかかわらず、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、残基C226又はP230からそのカルボキシル末端までを含むと定義され、付番は、Kabatに記載されるようなEUインデックスに従う。いくつかの実施形態では、アミノ酸修飾がFc領域に対してなされ、例えば、1つ以上のFcγR受容体へ又はFcRn受容体への結合を変化させる。
いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の凍結乾燥処方物は、標的細胞表面抗原に結合する第1の結合ドメインと、T細胞の表面上のヒトCD3に結合する第2の結合ドメインと、を含む二重特異性抗体コンストラクトを含む。本明細書中に記載の態様の何れかでは、標的細胞表面抗原は、CDH19、MSLN、DLL3、FLT3、EGFR、EGFRvIII、BCMA、PSMA、CD33、CD19、CD70、MUC17又はCLDN18.2である。二重特異性抗体コンストラクトは、様々な態様において、アミノからカルボキシルの順に、ヒンジ-CH2ドメイン-CH3ドメイン-リンカー-ヒンジ-CH2ドメイン-CH3ドメインを含む第3のドメインを含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2の結合ドメインのそれぞれがVH領域及びVL領域を含む。従って、いくつかの実施形態では、本明細書中に記載の処方物は、ヒトCD3及びヒトCDH19、又はヒトCD3及びヒトMSLN、又はヒトCD3及びヒトDLL3、又はヒトCD3及びヒトFLT3、又はヒトCD3及びヒトEGFRvIII、又はヒトCD3及びヒトBCMA、又はヒトCD3及びPSMA、又はヒトCD3及びヒトCD33、又はヒトCD3及びヒトCD19、ヒトCD3及びヒトCD70、又はヒトCD3及びヒトMUC17、又はヒトCD3及びヒトCLDN18.2に結合する二重特異性抗体コンストラクトを含む。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトの第1の結合ドメインは、(a)配列番号24~29、(b)配列番号34~39、(c)配列番号78~83、(d)配列番号10~15、(e)配列番号46~51、(f)配列番号88~93、(g)配列番号67~72、(h)配列番号56~61、(i)配列番号112~117、(j)配列番号100~105、(k)配列番号148~153、配列番号157~162、若しくは配列番号166~171、若しくは配列番号175~180、(l)配列番号132~137、又は(m)配列番号123~128で示される6個のCDRのセットを含む。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトの第1の結合ドメインは、配列番号30、40、84、16、17、52、94、73、62、118、154、163、172、181、106、138、143又は129で示されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一)であるアミノ酸配列を含むVH領域を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトの第1の結合ドメインは、配列番号30、40、84、16、17、52、94、73、62、118、154、163、172、181、106、138、143又は129で示されるアミノ酸配列を含むVH領域を含む。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトの第1の結合ドメインは、配列番号31、41、85、18、19、53、95、74、63、119、155、164、173、182、107、139、144又は130で示されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一)であるアミノ酸配列を含むVL領域を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトの第1の結合ドメインは、配列番号31、41、85、18、19、53、95、74、63、119、155、164、173、182、107、139、144若しくは130で示されるアミノ酸配列を含むVL領域を含む。
いくつかの実施形態では、第1の結合ドメインは、(a)配列番号30で示されるアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号31で示されるアミノ酸配列を含むVL領域;(b)配列番号40で示されるアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号41で示されるアミノ酸配列を含むVL領域;(c)配列番号84で示されるアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号85で示されるアミノ酸配列を含むVL領域;(d)配列番号16又は17で示されるアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号18又は19で示されるアミノ酸配列を含むVL領域;(e)配列番号52で示されるアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号53で示されるアミノ酸配列を含むVL領域;(f)配列番号94で示されるアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号95で示されるアミノ酸配列を含むVL領域;(g)配列番号73で示されるアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号74で示されるアミノ酸配列を含むVL領域;(h)配列番号62で示されるアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号63で示されるアミノ酸配列を含むVL領域;(i)配列番号118で示されるアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号119で示されるアミノ酸配列を含むVL領域;(j)配列番号154、163、172又は181で示されるアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号155、164、173又は182で示されるアミノ酸配列を含むVL領域;(k)配列番号106で示されるアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号107で示されるアミノ酸配列を含むVL領域;(l)配列番号138又は143で示されるアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号139又は144で示されるアミノ酸配列を含むVL領域;又は(m)配列番号129で示されるアミノ酸配列を含むVH領域及び配列番号130で示されるアミノ酸配列を含むVL領域を含む。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトの第2の結合ドメインは、配列番号1~6で示される6個のCDRのセットを含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトの第2の結合ドメインは、配列番号7で示されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくは100%同一)であるアミノ酸配列を含むVH領域を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトの第2の結合ドメインは、配列番号7で示されるアミノ酸配列を含むVH領域を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトの第2の結合ドメインは、配列番号8で示されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、若しくは100%同一)であるアミノ酸配列を含むVL領域を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトの第2の結合ドメインは、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含むVL領域を含む。いくつかの実施形態では、第2の結合ドメインは、配列番号7で示されるアミノ酸配列を含むVH領域と、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含むVL領域と、を含む。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号85のアミノ酸配列を含む抗CD19可変軽鎖ドメイン及び配列番号84のアミノ酸配列を含む抗CD19可変重鎖ドメインを含むCD19に結合する第1の結合ドメインと、配列番号7のアミノ酸配列を含む抗CD3可変重鎖ドメインを含む第2の結合ドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む抗CD3可変軽鎖ドメインと、を含む。例えば、一実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号86のアミノ酸配列を含む第1の結合ドメインと、配列番号9のアミノ酸配列を含む第2の結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号87で示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号41のアミノ酸配列を含む抗MSLN可変軽鎖ドメイン及び配列番号40のアミノ酸配列を含む抗MSLN可変重鎖ドメインを含むMSLNに結合する第1の結合ドメインと、配列番号7のアミノ酸配列を含む抗CD3可変重鎖ドメインを含む第2の結合ドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む抗CD3可変軽鎖ドメインと、を含む。例えば、一実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号42のアミノ酸配列を含む第1の結合ドメインと、配列番号9のアミノ酸配列を含む第2の結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号43、44又は45で示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号63のアミノ酸配列を含む抗FLT3可変軽鎖ドメイン及び配列番号62のアミノ酸配列を含む抗FLT3可変重鎖ドメインを含むFLT3に結合する第1の結合ドメインと、配列番号7のアミノ酸配列を含む抗CD3可変重鎖ドメインを含む第2の結合ドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む抗CD3可変軽鎖ドメインと、を含む。例えば、一実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号64のアミノ酸配列を含む第1の結合ドメインと、配列番号9のアミノ酸配列を含む第2の結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号65又は66で示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号31のアミノ酸配列を含む抗EGFRvIII可変軽鎖ドメイン及び配列番号30のアミノ酸配列を含む抗EGFRvIII可変重鎖ドメインを含むEGFRvIIIに結合する第1の結合ドメインと、配列番号7のアミノ酸配列を含む抗CD3可変重鎖ドメインを含む第2の結合ドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む抗CD3可変軽鎖ドメインと、を含む。例えば、一実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号32のアミノ酸配列を含む第1の結合ドメインと、配列番号9のアミノ酸配列を含む第2の結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号33で示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号95のアミノ酸配列を含む抗BCMA可変軽鎖ドメイン及び配列番号94のアミノ酸配列を含む抗BCMA可変重鎖ドメインを含むBCMAに結合する第1の結合ドメインと、配列番号7のアミノ酸配列を含む抗CD3可変重鎖ドメインを含む第2の結合ドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む抗CD3可変軽鎖ドメインと、を含む。例えば、一実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号96のアミノ酸配列を含む第1の結合ドメインと、配列番号9のアミノ酸配列を含む第2の結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号98又は配列番号97で示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号119若しくは107のアミノ酸配列を含む抗PSMA可変軽鎖ドメイン及び配列番号118若しくは106のアミノ酸配列を含む抗PSMA可変重鎖ドメインを含むPSMAに結合する第1の結合ドメインと、配列番号7のアミノ酸配列を含む抗CD3可変重鎖ドメインを含む第2の結合ドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む抗CD3可変軽鎖ドメインと、を含む。例えば、一実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号120又は108のアミノ酸配列を含む第1の結合ドメインと、配列番号9のアミノ酸配列を含む第2の結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号121、122、109、110又は111で示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号18又は19のアミノ酸配列を含む抗CD33可変軽鎖ドメイン及び配列番号16又は17のアミノ酸配列を含む抗CD33可変重鎖ドメインを含むCD33に結合する第1の結合ドメインと、配列番号7のアミノ酸配列を含む抗CD3可変重鎖ドメインを含む第2の結合ドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む抗CD3可変軽鎖ドメインと、を含む。例えば、一実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号189又は190のアミノ酸配列を含む第1の結合ドメインと、配列番号9のアミノ酸配列を含む第2の結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号20、21、22又は23で示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号53のアミノ酸配列を含む抗CDH19可変軽鎖ドメイン及び配列番号52のアミノ酸配列を含む抗CDH19可変重鎖ドメインを含むCDH19に結合する第1の結合ドメインと、配列番号7のアミノ酸配列を含む抗CD3可変重鎖ドメインを含む第2の結合ドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む抗CD3可変軽鎖ドメインと、を含む。例えば、一実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号54のアミノ酸配列を含む第1の結合ドメインと、配列番号9のアミノ酸配列を含む第2の結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号55で示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号155、164、173又は182のアミノ酸配列を含む抗MUC17可変軽鎖ドメイン及び配列番号154、163、172又は181のアミノ酸配列を含む抗MUC17可変重鎖ドメインを含むMUC17に結合する第1の結合ドメインと、配列番号7のアミノ酸配列を含む抗CD3可変重鎖ドメインを含む第2の結合ドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む抗CD3可変軽鎖ドメインと、を含む。例えば、実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号194のアミノ酸配列を含む第1の結合ドメインと、配列番号195で示されるアミノ酸配列を含む第2の結合ドメインと、を含む(任意選択的に配列番号196のアミノ酸配列を含むFcドメインを伴う)。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号156、165、174又は183で示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号139又は144のアミノ酸配列を含む抗cldn18.2可変軽鎖ドメイン及び配列番号138又は143のアミノ酸配列を含む抗cldn18.2可変重鎖ドメインを含むcldn18.2に結合する第1の結合ドメインと、配列番号7のアミノ酸配列を含む抗CD3可変重鎖ドメインを含む第2の結合ドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む抗CD3可変軽鎖ドメインと、を含む。例えば、一実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号140又は145のアミノ酸配列を含む第1の結合ドメインと、配列番号9のアミノ酸配列を含む第2の結合ドメインと、を含む。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号141、142、146又は147で示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号130のアミノ酸配列を含む抗CD70可変軽鎖ドメイン及び配列番号129のアミノ酸配列を含む抗CD70可変重鎖ドメインを含むCD70に結合する第1の結合ドメインと、配列番号7のアミノ酸配列を含む抗CD3可変重鎖ドメインを含む第2の結合ドメインと、配列番号8のアミノ酸配列を含む抗CD3可変軽鎖ドメインと、を含む。例えば、実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号191のアミノ酸配列を含む第1の結合ドメインと、配列番号192で示されるアミノ酸配列を含む第2の結合ドメインと、を含む(任意選択的に、配列番号193のアミノ酸配列を含むFcドメインを伴う)。いくつかの実施形態では、二重特異性抗体コンストラクトは、配列番号131で示されるアミノ酸配列を含む。
様々な態様において、凍結乾燥処方物は、ヒトDLL3(デルタ様リガンド3;UniProtKB-Q9NYJ7)及びヒトCD3(表面抗原分類3)に結合するポリペプチドを含む。この点において、本ポリペプチドは、抗原(即ち、DLL3又はCD3)への抗原結合ポリペプチドの結合を促進する高次構造を抗原結合ドメインがとることを可能にする足場又はフレームワーク部分を含む抗原結合タンパク質又はポリペプチドである。本開示の様々な態様において、本ポリペプチドは、配列番号75及び9のアミノ酸配列を含む抗原結合ドメインを含む。抗原結合ドメインの構造及び機能は、抗体、例えば全長又は免疫グロブリン分子全体の構造及び/又は機能に基づき得、及び/又は抗体の可変重鎖(VH)及び/又は可変軽鎖(VL)ドメインから導かれ得る。結合ドメインは一般的に、標的結合を可能にする最小構造の要件と並行して、3つの軽鎖CDR(即ちVL領域のCDR1、CDR2及びCDR3)及び/又は3つの重鎖CDR(即ちVH領域のCDR1、CDR2及びCDR3)の存在により特徴付けられる。いくつかの態様では、結合ドメインは、例えば可変重鎖、scFvリンカー及び可変軽鎖ドメインを含む単鎖抗原結合ポリペプチドを含む。任意選択的に、可変軽鎖のC末端は、scFvリンカーのN末端に結合され、そのC末端は、可変重鎖のN末端に結合されるが(N-vh-リンカー-vl-C)、配置は切り換えることができる(N-vl-リンカー-vh-C)。或いは、可変重鎖のC末端は、scFvリンカーのN末端に連結され得、そのC末端は、可変軽鎖のN末端に結合されるが(N-vl-リンカー-vh-C)、配置は切り換えることができる(N-vh-リンカー-v-C)。
本明細書中に記載の処方物は、様々な態様において、ヒトCD3及びヒトDLL3に結合するポリペプチド(例えば二重特異性T細胞誘導抗原結合ポリペプチド)を含む。いくつかの態様では、本ポリペプチドは、DLL3に結合する第一の結合ドメインを含み、配列番号67~72で示される6個のCDRのセットを含む。いくつかの態様では、DLL3結合ドメインは、配列番号73で示されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一)であるアミノ酸配列を含むVH領域を含む。いくつかの態様では、本ポリペプチドのDLL3結合ドメインは、配列番号74で示されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一)であるアミノ酸配列を含むVL領域を含む。例えば、DLL3 結合ドメインは、配列番号73で示されるアミノ酸配列を含むVH領域と、配列番号74で示されるアミノ酸配列を含むVL領域と、を含み得、例えば配列番号75のアミノ酸を含む結合ドメインなどである。いくつかの態様では、本ポリペプチドのCD3結合ドメインは、配列番号1~6で示される6個のCDRのセットを含む。例えば、CD3結合ドメインは、任意選択的に、配列番号7で示されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一)であるアミノ酸配列を含むVH領域を含む。いくつかの態様では、本ポリペプチドのCD3結合ドメインは、配列番号8で示されるアミノ酸配列と少なくとも90%同一(例えば、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%同一)であるアミノ酸配列を含むVL領域を含む。いくつかの態様では、第2の結合ドメインは、配列番号7で示されるアミノ酸配列を含むVH領域と、配列番号8で示されるアミノ酸配列を含むVL領域と、を含み、例えば配列番号9のアミノ酸配列を含む結合ドメインなどである。いくつかの態様では、本ポリペプチドは、配列番号76又は77で示されるアミノ酸配列を含む。
様々な実施形態において、二重特異性T細胞誘導抗原結合ポリペプチドは、タルラタマブであり(医薬品国際一般名称(INN):提案されたINN:List 123,WHO Drug Information 34(2):395-397(2020))、AMG757としても知られる。タルラタマブは、免疫グロブリンscFv-scFv-scFc、抗[ホモ・サピエンス(Homo sapiens)DLL3(デルタ様リガンド3)]及び抗[ホモ・サピエンス(Homo sapiens)CD3E(CD3イプシロン、Leu-4)]、モノクローナル抗体単鎖(scFv)2-scFc、二重特異性;IG単鎖scFv-scFv-scFc、抗DLL3及び抗CD3E(1-982)[scFv-VH-V-カッパ抗DLL3(1-241)[VH(ホモ・サピエンス(Homo sapiens)IGHV4-59*01 G49>C(44)(96.9%)-(IGHD)-IGHJ4*01(100%))CDR-IMGT[8.7.12](26-33.51-57.96-107)(1-118)-15-merトリス(テトラグリシル-セリル)リンカー(119-133)-V-カッパ(ホモ・サピエンス(Homo sapiens)IGKV3-20*01(91.7%)-IGKJ2*01 Q120>C(234)(90.9%))CDRIMGT[7.3.9](160-166.184-186.223-231)(134-241)]-6-merセリル-テトラグリシル-セリルリンカー(242-247)-scFv-VH-V-ラムダ抗CD3E(248-496)[VH(ムス・ムスクルス(Mus musculus)IGHV10-1*02(91.9%)-(IGHD)-IGHJ3*01(86.7%)/ホモ・サピエンス(Homo sapiens)IGHV3-73*01(87.0%)-(IGHD)-IGHJ5*01(100%))CDR-IMGT[8.10.16](273-280.298-307.346-361)(248-372)-15-mer-トリス(テトラグリシル-セリル)リンカー(373-387)-V-ラムダ(ホモ・サピエンス(Homo sapiens)IGLV7-43*01(85.1%)-IGLJ3*02(100%))CDR-IMGT[9.3.9](413-421.439-441.478-486)(388-496)]-4-mer-テトラグリシルリンカー(497-500)-scFc(h-CH2-CH3)-(h-CH2-CH3)(501-982)[ホモ・サピエンス(Homo sapiens)IGHG1*03h-CH2-CH3、nG1m1(ヒンジ6-15(501-510)、CH2 R83>C(572)、N84.4>G(577)、V85>C(582)(511~620)、CH3 E12(636)、M14(638)(621-725)、CHS>del)(501-725)-30-merヘキサキス(テトラグリシル-セリル)リンカー(726-755)-ホモ・サピエンス(Homo sapiens)IGHG1*03h-CH2-CH3、nG1m1(ヒンジ6-15(756-765)、CH2 R83>C(827)、N84.4>G(832)、V85>C(837)(766-875)、CH3E12(891)、M14(893)(876-980)、CHS(981-982))(756-982)]]であり、非グリコシル化型であり、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞で産生され;免疫調節剤、抗新生物剤である。
任意選択的に、本ポリペプチドは、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号33、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号55、配列番号65、配列番号66、配列番号76、配列番号77、配列番号87、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号121、配列番号122、配列番号131、配列番号141、配列番号142、配列番号146、配列番号147、配列番号156、配列番号165、配列番号174、配列番号183、配列番号184、配列番号185、配列番号186、配列番号187又は配列番号188で示されるアミノ酸配列、例えば配列番号76、配列番号77、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号156、配列番号165、配列番号174又は配列番号183で示されるアミノ酸配列などを含む。
いくつかの態様では、再構成された処方物は、約0.5mg/mL~約50mg/mL(例えば約1mg/mL~約20mg/mL又は約15mg/mL)の範囲の濃度のポリペプチド(例えば二重特異性T細胞誘導抗原結合ポリペプチド)を含む。いくつかの態様では、再構成された処方物は、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約6mg/mL、約7mg/mL、約8mg/mL、約9mg/mL、約10mg/mL、約11mg/mL、約12mg/mL、約13mg/mL、約14mg/mL、約15mg/mL、約16mg/mL、約17mg/mL、約18mg/mL、約19mg/mL又は約20mg/mL又はこれらのエンドポイント間の何れかの範囲の濃度で本ポリペプチドを含む。或いは、再構成された処方物は、約25mg/mL、約30mg/mL、約35mg/mL、約40mg/mL、約45mg/mL又は約50mg/mL又はこれらのエンドポイント間の何れかの範囲の濃度で本ポリペプチドを含む。様々な態様では、再構成された処方物は、少なくとも約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約6mg/mL、約7mg/mL、約8mg/mL、約9mg/mL又は約10mg/mLであり、約15mg/mL、20mg/mL、25mg/mL、約30mg/mL、約35mg/mL、約40mg/mL、約45mg/mL又は約50mg/mLより高くない濃度で本ポリペプチドを含む。例えば、再構成された処方物は、任意選択的に、約15mg/mLの濃度で本ポリペプチドを含む。
緩衝剤
本開示の処方物は、任意選択的に、酢酸緩衝剤、グルタミン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、酒石酸緩衝剤、フマル酸緩衝剤、マレイン酸緩衝剤、ヒスチジン緩衝剤又はリン酸緩衝剤又はそれらの組み合わせである緩衝剤を含む。任意選択的に、緩衝剤は、グルタミン酸緩衝剤である。
いくつかの態様では、緩衝剤は、約4~約7、約4~約6、約4~約5又は約4.2のpHを維持する濃度で処方物中に存在する。処方物に対するpHの影響は、加速安定性試験及び熱量測定スクリーニング試験などのいくつかの手法のうちの何れか1つ以上を使用して特徴付けられ得る(Remmele R.L.Jr.,et al.,Biochemistry,38(16):5241-7(1999))。凍結乾燥処方物の文脈において、緩衝剤は、約0.1mM~約1000mM(1M)、例えば約5mM~約200mM(例えば約5mM~約100mM)の濃度で凍結乾燥前の処方物中に存在し得る。「凍結乾燥前の処方物」とは、凍結乾燥直前の処方物を意味する。様々な態様では、緩衝剤は、約10mM~約50mMの濃度で凍結乾燥前の処方物中に存在する。適切な緩衝剤濃度は、約200mM以下の濃度を包含する。いくつかの態様では、緩衝剤の濃度は、(i)少なくとも約1mM、少なくとも約2mM、少なくとも約3mM、少なくとも約4mM、少なくとも約5mM、少なくとも約6mM、少なくとも約7mM、少なくとも約8mM、少なくとも約9mM、少なくとも約10mM、少なくとも約11mM、少なくとも約12mM、少なくとも約13mM、少なくとも約14mM又は少なくとも約15mMであり、(ii)約20mMを超えない、約30mMを超えない、約40mMを超えない、約50mMを超えない、約60mMを超えない、約70mMを超えない、約80mMを超えない、約90mMを超えない、約100mMを超えない、又は約200mMを超えない。いくつかの態様では、凍結乾燥前の処方物中の緩衝剤は、約190mM、約180mM、約170mM、約160mM、約150mM、約140mM、約130mM、約120mM、約110mM、約100mM、約80mM、約70mM、約60mM、約50mM、約40mM、約30mM、約20mM、約19mM、約18mM、約17mM、約16mM、約15mM、約14mM、約13mM、約12mM、約11mM、約10mM又は約5mMの濃度で存在する。いくつかの態様では、凍結乾燥前の処方物中の緩衝剤(例えばグルタミン酸塩)の濃度は、約15mMである。
界面活性剤
本明細書中に記載の処方物は、界面活性剤を含む。代表的な界面活性剤としては、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポロキサマー188、ポロキサマー407、Triton(登録商標)X-100(2-[4-(2,4,4-トリメチルペンタン-2-イル)フェノキシ]エタノール;CAS#9002-93-1)、ポリオキシエチレン、PEG3350及びPEG4000並びにそれらの組み合わせが挙げられるが限定されない。任意選択的に、緩衝剤は、ポリソルベート80である。
いくつかの態様では、凍結乾燥前の処方物は、約0.001%~約5%w/vの濃度で界面活性剤を含む。例えば、濃度は、様々な例において、約0.001%~約0.5%(約0.004~約0.5%w/v又は約0.001~約0.01%w/v又は約0.004~約0.01%w/vなど)である。いくつかの態様では、凍結乾燥前の処方物は、(i)少なくとも約0.001%、少なくとも約0.002%、少なくとも約0.003%、少なくとも約0.004%、少なくとも約0.005%、少なくとも約0.007%、少なくとも約0.01%、少なくとも約0.05%、少なくとも約0.1%、少なくとも約0.2%、少なくとも約0.3%、少なくとも約0.4%、少なくとも約0.5%、少なくとも約0.6%、少なくとも約0.7%、少なくとも約0.8%、少なくとも約0.9%又は少なくとも約1.0%w/vであり、(ii)約2.0%を超えない、約1.9%を超えない、約1.8%を超えない、約1.7%を超えない、約1.6%を超えない、約1.5%を超えない、約1.4%を超えない、約1.3%を超えない、約1.2%を超えない、約1.1%を超えない、約1.0%を超えない、約0.9%を超えない、約0.8%を超えない、約0.7%を超えない、約0.6%を超えない、又は約0.5%w/vを超えない濃度で界面活性剤を含む。いくつかの態様では、本処方物は、約0.005%~約0.01%w/v、例えば0.01%w/vなどの濃度で組み入れられた界面活性剤を含む。いくつかの態様では、界面活性剤は、ポリソルベート80であり、ポリソルベート80は、約0.01%w/vの濃度で存在する。
糖類
本明細書中に記載の処方物は、糖類を含む。本開示のいくつかの態様では、糖類は、単糖又は二糖である。例えば、糖類は、任意選択的にグルコース、ガラクトース、フルクトース、キシロース、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、ソルビトール、マンニトール若しくはキシリトール又はそれらの組み合わせである。いくつかの態様では、糖類は、スクロースである。
いくつかの態様では、本処方物は、凍結乾燥前、約0.01%~約20%w/v又は約1%~約15%又は約5%~約12%又は約7%~約12%w/vの濃度で糖類を含む。いくつかの態様では、本処方物は、凍結乾燥前、(i)少なくとも約0.5%、少なくとも約1%、少なくとも約2%、少なくとも約3%、少なくとも約4%、少なくとも約5%、少なくとも約6%、少なくとも約7%、少なくとも約8%、少なくとも約9%、少なくとも約10%、少なくとも約11%、少なくとも約12%、少なくとも約13%、少なくとも約14%又は少なくとも約15%w/vであり、(ii)約20%を超えない、約18%を超えない、約16%を超えない、約15%を超えない、約14%を超えない、約13%を超えない、約12%を超えない、約11%を超えない、約10%を超えない、約9%を超えない、約8%を超えない、約7%を超えない、約6%を超えない、又は約5%w/vを超えない濃度で少なくとも1つの糖類を含む。またさらなる態様では、本処方物は、約7%、約7.5%、約8%、約8.5%、約9%、約9.5%、約10%、約10.5%、約11%、約11.5%又は約12%w/vの濃度で少なくとも1つの糖類を含む。いくつかの態様では、少なくとも1つの糖類が約9%w/vの濃度で本処方物中に存在する。いくつかの態様では、糖類はスクロースであり、約7%~約10%w/vの範囲、例えば9%など、で処方物中に存在する。
任意選択的に、本処方物は、凍結乾燥前に、15mMグルタミン酸塩、9%(w/V)スクロース及び0.01%(w/V)ポリソルベート80を含む。本処方物のpHは任意選択的に約4.2である。
凝集/高分子量種
本明細書で使用される「凝集」という用語は、例えば、ファンデルワールス力又は化学結合を介する分子間の直接的な相互引力を指す。特に、凝集は、蓄積し、塊になっているタンパク質であると理解されている。凝集体は、非晶質凝集体及びオリゴマーを含み得、典型的には高分子量(HMW)種と呼ばれ、即ち、非凝集分子である生成物分子よりも高い分子量を有する分子である。タンパク質凝集体(HMW種)は通常、サイズ(小型(二量体)から大型の集合体(肉眼で見える粒子又は更に目に見える粒子)の範囲及びナノメートル~マイクロメートルの直径範囲)、形態(ほぼ球状~線維状)、タンパク質構造(天然対非天然/変性)、分子間結合の種類(共有結合的対非共有結合的)、可逆性及び可溶性の点で異なり得る。可溶性凝集体は、およそ1~100nmのサイズ範囲にわたり、タンパク質微粒子は、肉眼で見えない(約0.1~100nm)及び目に見える(>100nm)範囲にわたる。
タンパク質処方物の安定性は、いくつかの方法で定量され得る。いくつかの態様では、ポリペプチド処方物(例えば、二重特異性T細胞誘導抗原結合ポリペプチド処方物)の安定性は、サイズ排除高性能液体クロマトグラフィー(SE-HPLC)、サイズ排除超高性能液体クロマトグラフィー(SE-UHPLC)、カチオン交換高性能液体クロマトグラフィー(CE-HPLC)、動的光散乱法、分析的遠心分離法(AUC)、フィールドフロー分画(FFF)、等電点電気泳動法及びイオン交換クロマトグラフィー(IEX)によって特徴付けられる。いくつかの態様では、ポリペプチド処方物の安定性は、ドデシル硫酸ナトリウムキャピラリー電気泳動法(CE-SDS)及び/又はドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)によって測定されるような部分解離によって特徴付けられる。いくつかの態様では、処方物の安定性は、還元キャピラリードデシル硫酸ナトリウムゲル電気泳動(rCE-SDS)によって評価される。
処方物の安定性は、ポリペプチド(例えば二重特異性T細胞誘導抗原結合ポリペプチド)の高分子量(HMW)種の量により、又は所定の温度下及び様々な時間点(例えば凍結乾燥処方物の再構成後の様々な時間点)でのポリペプチド(例えば二重特異性T細胞誘導抗原結合ポリペプチド)のHMW種の量の増加速度により特徴付けられ得る。例えば、HMW種の量は、およそ8℃又は25℃で1時間、2時間、6時間、10時間、12時間、15時間、24時間、25時間又はそれを超える時間において決定され得る。いくつかの態様では、HMW種の減少速度は、およそ8℃又は25℃で1時間、2時間、6時間、12時間、24時間、25時間又はそれを超える時間において決定され得る。いくつかの態様では、処方物中の二重特異性T細胞誘導、抗原結合ポリペプチドのHMW種は、SE-UHPLCにより測定される。
いくつかの態様では、インタクトなBiTE(登録商標)分子又は主要な種又は高分子量(HMW)種(即ち凝集体)など、本明細書中に記載のような、ポリペプチド(例えば二重特異性T細胞誘導、抗原結合ポリペプチド)の何れかの特定の種の相対的な値は、総産物の個々の値に関して表される。例えば、いくつかの態様では、再構成処方物は、二重特異性T細胞誘導抗原結合ポリペプチドの4%以下、3.5%以下、3%以下又は2.5%以下(例えば3.5%又は3%、2.5%又は2%又は1.9%又は1.8%又は1.7%又は1.6%又は1.5%又は1.4%又は1.3%又は1.2%又は1.1%又は1%又は0.5%)のHMW種を含む。様々な態様では、再構成処方物は、二重特異性T細胞誘導抗原結合ポリペプチドの3%以下のHMW種を含む。いくつかの態様では、処方物中のポリペプチド(例えば、二重特異性T細胞誘導抗原結合ポリペプチド)のHMW種は、SE-UHPLCにより測定される。任意選択的に、再構成処方物は、8℃で保管した場合は25時間又は25℃で保管した場合は12時間で、上で言及したHMW種の量を含む。
再構成及び投与
本開示の方法は、芳香族アルコール、フェノール化合物又は芳香族側鎖を有するアミノ酸を含む希釈剤で凍結乾燥処方物を再構成することと、再構成された処方物を、それを必要とする対象に再構成の12時間以内に投与することと、を含む。驚くべきことに、芳香族アルコール(例えばベンジルアルコール)、フェノール化合物(例えばフェノール又はm-クレゾール)又は芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えばフェニルアラニン)などのベンゼン環含有化合物を含む希釈剤で本明細書中に記載の凍結乾燥処方物を再構成することは、目標レベルまでHMW種を消失させるために必要な時間を顕著に短縮し、それにより、以前考えられていたものよりも再構成後にはるかに素早く対象に再構成された処方物を投与することが可能になる。様々な態様では、希釈剤は、ベンジルアルコール、フェノール、m-クレゾール若しくはフェニルアラニン又は前述のものの何れかの組み合わせを含む。或いは又はさらに、希釈剤は、安息香酸、安息香酸ナトリウム、チメロサール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、フェノキシエタノール、プロピルパラベン、チロシン若しくはトリプトファン又は前述のものの何れかの組み合わせを含み得る。或いは又はさらに、希釈剤は、NaCl及びベンジルアルコール(例えば0.9%ベンジルアルコール)又はIVSS(静脈内溶液安定化剤(intravenous solution stabilizer))を含む。任意選択的に、希釈剤は、0.9%ベンジルアルコール、0.8%フェノール又は0.9%m-クレゾールを含む。任意選択的に、希釈剤は、約1mM~約100mMの本明細書中に記載の希釈剤組成物の何れか(例えばベンジルアルコール、フェノール、フェニルアラニン又はm-クレゾール)を含む。例えば、様々な態様では、希釈剤は、少なくとも約40mMのベンジルアルコール(例えば、少なくとも約45mMのベンジルアルコール又は少なくとも約50mMのベンジルアルコール)を含む。何れかの適切なビヒクルは、希釈剤、例えば滅菌水又は滅菌注射用水などの中で使用され得る。ビヒクルは、任意選択的に食塩水を含まない。
様々な態様において、本方法は、再構成された処方物を再構成の12時間以内、10時間以内、9時間以内、8時間以内、7時間以内、6時間以内、5時間以内、4時間以内、3時間以内、2時間以内又は1時間以内に対象に投与することを含む。これに関連して、「再構成」は、溶液への凍結乾燥ケーキの溶解を意味する。様々な態様では、本方法は、再構成された処方物を再構成の60分以内、45分以内、30分以内又は15分以内に対象に投与することを含む。
一部の例において、再構成された処方物は、それを必要とする対象への投与のためにさらに希釈される。例えば、再構成された処方物は、対象への増加用量を提供するために、i.v.バッグ(即ち、また本明細書中で「全身送達系」と呼ばれる)中で他の担体と混合され得る。この点において、再構成された処方物は、任意選択的に、再構成の12時間以内(within twelve hours)、12時間以内(within 12 hours)、10時間以内、9時間以内、8時間以内、7時間以内、6時間以内、5時間以内、4時間以内、3時間以内、2時間又は1時間以内に全身送達系に組み込まれる。様々な態様では、本方法は、再構成された処方物を再構成の60分以内、45分以内、30分以内又は15分以内に全身送達系に組み込むことを含む。
好ましくは、本処方物は、非経口投与、例えば、静脈内、皮下又は筋肉内投与される。非経口投与は、ボーラス注射などの注射、又は持続注入などの注入によって達成され得る。投与は、長期間放出のためのデポーを介して達成され得る。いくつかの態様では、本処方物は、初回のボーラス後に持続注入によって静脈内投与を行い、薬物製品の治療上の循環レベルを維持する。いくつかの態様では、本処方物は、1回用量として投与される。処方物を投与するための医療機器の例は、米国特許第4,475,196号明細書;同第4,439,196号明細書;同第4,447,224号明細書;同第4,447,233号明細書;同第4,486,194号明細書;同第4,487,603号明細書;同第4,596,556号明細書;同第4,790,824号明細書;同第4,941,880号明細書;同第5,064,413号明細書;同第5,312,335号明細書;同第5,312,335号明細書;同第5,383,851号明細書;及び同第5,399,163号明細書に記載されている。
使用
本明細書中に記載の処方物は、癌の処置を必要とする対象での癌の処置における医薬処方物として有用である。「必要とする対象」又は「治療を必要とする」対象という用語は、その障害に罹患している対象並びにその障害がまだ臨床的に表れていない対象を含む。「対象」又は「患者」は、予防的又は治療的処置の何れかを受けるヒト及び他の哺乳動物対象を含む。哺乳動物対象としては、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、モルモット、ウサギ、ラット、マウス、ウマ、ウシ、乳牛などが挙げられ、ヒトが好ましい。本開示の再構成された処方物は、薬学的に許容可能であり、即ち、製剤処方物が投与される対象における顕著な望ましくない局所又は全身的な効果を引き起こすことなく、所望の治療効果を発揮可能である。「薬学的に許容可能な」という用語は、動物及びより具体的にはヒトでの使用に関して規制当局又は他の一般に認識されている薬局方により承認されていることを意味し得るが、規制当局によって承認されているものに限定されない。
任意選択的に、対象は癌(例えば腫瘍)に罹患している。様々な態様では、癌は、正常細胞と比較して、腫瘍又は癌細胞の表面上でDLL3を過剰発現する。腫瘍又は癌の例としては、肺癌(好ましくは SCLC)、乳癌、子宮頸癌、結腸癌、結直腸癌、子宮内膜癌、頭頸部癌、肝臓癌、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、皮膚癌、胃癌、精巣癌、甲状腺癌、副腎癌、腎臓癌、膀胱癌、子宮癌、食道癌、尿路上皮癌、脳腫瘍又は癌、リンパ腫、癌腫及び肉腫及び前述のものの何れか由来の転移性癌疾患が挙げられるが限定されない。様々な態様では、腫瘍又は癌は、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、神経膠腫、神経膠芽腫、メラノーマ、神経内分泌前立腺癌、神経内分泌膵臓癌、肝芽腫、肝細胞癌又は前述のものの何れか由来の転移性癌疾患である。任意選択的に、腫瘍又は癌は、SCLC、NSCLC、神経膠腫、神経膠芽腫又は神経内分泌前立腺癌である。
本開示は、本明細書中で提供される再構成後の時間枠内で治療的有効量の再構成された処方物を、それを必要とする対象に投与することを含む、癌(上記の癌の何れかなど)を処置する方法を提供する。「処置」という用語は、治療的処置及び予防的又は予防手段の両方(例えば、疾患、疾患の症状又は疾患に対する素因を、治癒させる、治す、緩和する、軽減する、変化させる、治療する、寛解させる、改善する又は影響を及ぼすこと)を指す。「処置」は、本明細書中に記載の再構成された処方物の投与による、腫瘍又は癌(例えば転移性癌)を有する患者の疾患状態の何らかの改善を包含する。このような改善はまた、患者の腫瘍又は癌(例えば転移性癌)の進行の遅延又は停止であると見なすこともできる。本明細書中で使用される場合、「予防」という用語は、これを必要とする対象への投与による、腫瘍又は癌(例えば転移性癌)を有する患者の発症又は再発の回避を意味する。
癌の処置は、多くの方法の何れかにより判断され得る。対象の福祉における何らかの改善が企図される(例えば本明細書中に記載の何れかのパラメーターの、少なくとも若しくは約10%の低減、少なくとも若しくは約20%の低減、少なくとも若しくは約30%の低減、少なくとも若しくは約40%の低減、少なくとも若しくは約50%の低減、少なくとも若しくは約60%の低減、少なくとも若しくは約70%の低減、少なくとも若しくは約80%の低減、少なくとも若しくは約90%の低減又は少なくとも若しくは約95%の低減)。例えば、治療応答は、疾患における以下の改善の1つ以上を指す:(1)新生物細胞数の減少;(2)新生物細胞死の増加;(3)新生物細胞生存の阻害;(5)腫瘍成長又は新しい病変の出現の阻害(即ち、ある程度までの遅延、好ましくは停止);(6)腫瘍サイズ又は腫瘍量の低下;(7)臨床的に検出可能な疾患なし;(8)癌マーカーレベルの低下;(9)患者生存率の上昇;及び/又は(10)疾患又は状態に付随する1つ以上の症状(例えば疼痛)からのある程度の回復。例えば、処置の効果は、処置後の腫瘍質量及び/又は体積の変化を検出することにより決定され得る。CT、PET、マンモグラム、超音波又は触診により、並びに生検又は外科的切除後の腫瘍のキャリパー測定若しくは病理検査によって測定される場合、最初のサイズ及び寸法と腫瘍サイズを比較し得る。応答は、例えば腫瘍体積のパーセンテージ変化(例えば、本開示の方法の結果、腫瘍体積が少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%又は少なくとも90%低下する)を使用して、定量的に特徴付けられ得る。様々な態様では、本開示の方法は、対象において処置を監視することをさらに含む。
キット
さらなる態様として、本明細書に記載されるのは、再構成及び/又は対象への投与を促進するように包装された本明細書中に記載される1つ以上の処方物を含むキットである。例えば、このようなキットは、上記のような再構成希釈剤とともに、封入されるボトル、容器、単回使用又は複数回使用バイアル、プレフィルドシリンジ又はプレフィルド注射装置などの容器に包装された、本明細書中に記載の凍結乾燥処方物を含む。適切なビヒクル又は担体、注射用水、生理食塩水溶液又は人工脳脊髄液などが提供され得、場合により非経口投与用の処方物において一般的な他の材料が補充される。一態様では、処方物は、単位剤形に包装される。本キットはさらに、具体的な投与経路に従って処方物を投与するのに適切な装置を含み得る。好ましくは、本キットは、本明細書中に記載のポリペプチド又は本明細書中に記載の処方物の使用を記載するラベルをさらに含有する。
本開示の態様
本開示の様々な代表的な態様を以下で提供する:
態様1.(a)芳香族アルコール、フェノール化合物又は芳香族側鎖を有するアミノ酸を含む希釈剤でポリペプチド、糖類、界面活性剤及び緩衝剤を含む凍結乾燥処方物を再構成することと、(b)再構成された処方物を、それを必要とする対象に再構成の12時間以内に投与することと、を含み、前記ポリペプチドがヒトDLL3及びヒトCD3に結合する、方法。
態様2.前記希釈剤が、ベンジルアルコール、フェノール、m-クレゾール又はフェニルアラニンを含む、態様1に記載の方法。
態様3.前記再構成された処方物のpHが約4~約7である、態様1又は態様2に記載の方法。
態様4.前記処方物が4.2のpHを有する、態様1~3の何れか1つに記載の方法。
態様5.前記再構成された処方物が、約1mg/mL~約20mg/mLの前記ポリペプチドを含む、態様1~4の何れか1つに記載の方法。
態様6.前記再構成された処方物が、約15mg/mLの前記ポリペプチドを含む、態様1~5の何れか1つに記載の方法。
態様7.前記緩衝剤が、酢酸緩衝剤、グルタミン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、酒石酸緩衝剤、フマル酸緩衝剤、マレイン酸緩衝剤、ヒスチジン緩衝剤又はリン酸緩衝剤である、態様1~6の何れか1つに記載の方法。
態様8.前記緩衝剤がグルタミン酸緩衝剤である、態様7に記載の方法。
態様9.前記緩衝剤が、凍結乾燥前に5~200mMの範囲の濃度で存在する、態様1~8の何れか1つに記載の方法。
態様10.前記緩衝剤が、凍結乾燥前に10~50mMの範囲の濃度で存在する、態様9に記載の方法。
態様11.前記糖類が、単糖又は二糖である、態様1~10の何れか1つに記載の方法。
態様12.前記糖類が、グルコース、ガラクトース、フルクトース、キシロース、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、ソルビトール、マンニトール又はキシリトールである、態様1~11の何れか1つに記載の方法。
態様13.前記糖類がスクロースである、態様12に記載の方法。
態様14.前記糖類が、凍結乾燥前に1~15%(w/v)の範囲の濃度で存在する、態様1~13の何れか1つに記載の方法。
態様15.前記界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポロキサマー188、ポロキサマー407、Triton(登録商標)X-100、ポリオキシエチレン、PEG3350、PEG4000又はそれらの組み合わせである、態様1~14の何れか1つに記載の方法。
態様16.前記界面活性剤がポリソルベート80である、態様15に記載の方法。
態様17.前記界面活性剤が、凍結乾燥前に0.001%~0.5%(w/v)の範囲の濃度で存在する、態様1~16の何れか1つに記載の方法。
態様18.前記処方物が、凍結乾燥前に15mMグルタミン酸塩、9%(w/V)スクロース及び0.01%(w/V)ポリソルベート80を含み、前記処方物のpHが4.2である、態様1~17の何れか1つに記載の方法。
態様19.前記ポリペプチドが、配列番号18及び配列番号9のアミノ酸配列を含む、態様1~18の何れか1つに記載の方法。
態様20.前記ポリペプチドが、配列番号19又は配列番号20で示されるアミノ酸配列を含む、態様1~19の何れか1つに記載の方法。
態様21.前記希釈剤が0.9%ベンジルアルコールを含む、態様1~20の何れか1つに記載の方法。
態様22.前記希釈剤がフェノールを含む、態様1~20の何れか1つに記載の方法。
態様23.前記希釈剤がm-クレゾールを含む、態様1~20の何れか1つに記載の方法。
態様24.前記希釈剤がフェニルアラニンを含む、態様1~20の何れか1つに記載の方法。
態様25.段階(b)が、前記再構成された処方物を、それを必要とする対象に再構成の6時間以内に投与することを含む、態様1~24の何れか1つに記載の方法。
態様26.段階(b)が、前記再構成された処方物を、それを必要とする対象に再構成の4時間以内に投与することを含む、態様1~24の何れか1つに記載の方法。
態様27.段階(b)が、前記再構成された処方物を、それを必要とする対象に再構成の2時間以内に投与することを含む、態様1~24の何れか1つに記載の方法。
態様28.段階(b)が、前記再構成された処方物を、それを必要とする対象に再構成の1時間以内に投与することを含む、態様1~24の何れか1つに記載の方法。
態様29.前記対象が癌に罹患している、態様1~24の何れか1つに記載の方法。
態様30.前記癌が、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、神経膠腫、神経膠芽腫、メラノーマ、神経内分泌前立腺癌、神経内分泌膵臓癌、肝芽腫又は肝細胞癌である、態様29に記載の方法。
態様31.前記癌が、SCLC、NSCLC、神経膠腫、神経膠芽腫又は神経内分泌前立腺癌である、態様29に記載の方法。
態様32.(a)芳香族アルコール、フェノール化合物又は芳香族側鎖を有するアミノ酸を含む希釈剤で、ポリペプチド、糖類、界面活性剤及び緩衝剤を含む凍結乾燥処方物を再構成することと、(b)前記再構成された処方物を、それを必要とする対象に再構成の12時間以内に投与することと、を含み、前記ポリペプチドが二重特異性抗体コンストラクト、例えば二重特異性T細胞エンゲージャーなどである、方法。
態様33.前記希釈剤が、ベンジルアルコール、フェノール、m-クレゾール又はフェニルアラニンを含む、態様32に記載の方法。
態様34.前記再構成された処方物のpHが約4~約7、任意選択的に例えばpH4.2である、態様32又は態様33に記載の方法。
態様35.前記再構成された処方物が、約1mg/mL~約20mg/mLの前記ポリペプチド、例えば約15mg/mLの前記ポリペプチドを含む、態様32~34の何れか1つに記載の方法。
態様36.前記緩衝剤が、酢酸緩衝剤、グルタミン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、酒石酸緩衝剤、フマル酸緩衝剤、マレイン酸緩衝剤、ヒスチジン緩衝剤又はリン酸緩衝剤、任意選択的にグルタミン酸緩衝剤である、態様32~35の何れか1つに記載の方法。
態様37.前記緩衝剤が、凍結乾燥前に5~200mMの範囲の濃度、例えば凍結乾燥前に10~50mMの範囲の濃度など、で存在する、態様32~36の何れか1つに記載の方法。
態様38.前記糖類が、単糖又は二糖である、態様32~37の何れか1つに記載の方法。
態様39.前記糖類が、グルコース、ガラクトース、フルクトース、キシロース、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、ソルビトール、マンニトール又はキシリトール、任意選択的にスクロースである、態様32~38の何れか1つに記載の方法。
態様40.前記糖類が、凍結乾燥前に1~15%(w/v)の範囲の濃度で存在する、態様32~39の何れか1つに記載の方法。
態様41.前記界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポロキサマー188、ポロキサマー407、Triton(登録商標)X-100、ポリオキシエチレン、PEG3350、PEG4000又はそれらの組み合わせであり、任意選択的に前記界面活性剤がポリソルベート80である、態様32~40の何れか1つに記載の方法。
態様42.前記界面活性剤が、凍結乾燥前に0.001%~0.5%(w/v)の範囲の濃度で存在する、態様32~41の何れか1つに記載の方法。
態様43.前記処方物が、凍結乾燥前に15mMグルタミン酸塩、9%(w/V)スクロース及び0.01%(w/V)ポリソルベート80を含み、前記処方物のpHが4.2である、態様32~42の何れか1つに記載の方法。
態様44.前記希釈剤が、0.9%ベンジルアルコール、フェノール、m-クレゾール及び/又はフェニルアラニンを含む、態様32~43の何れか1つに記載の方法。
態様45.段階(b)が、前記再構成された処方物を、それを必要とする対象に再構成の6時間以内に、再構成の4時間以内に、再構成の2時間以内に又は再構成の1時間以内に投与することを含む、態様32~44の何れか1つに記載の方法。
態様46.前記対象が、癌、例えば小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、神経膠腫、神経膠芽腫、メラノーマ、神経内分泌前立腺癌、神経内分泌膵臓癌、肝芽腫又は肝細胞癌などに罹患している、態様32~45の何れか1つに記載の方法。
態様47.前記ポリペプチドが、本明細書とともに提供される配列リストで示される何れかのアミノ酸配列、例えば配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号33、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号55、配列番号65、配列番号66、配列番号76、配列番号77、配列番号87、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号121、配列番号122、配列番号131、配列番号141、配列番号142、配列番号146、配列番号147、配列番号156、配列番号165、配列番号174、配列番号183、配列番号184、配列番号185、配列番号186、配列番号187又は配列番号188で示されるアミノ酸配列(例えば配列番号76、配列番号77、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号156、配列番号165、配列番号174又は配列番号183で示されるアミノ酸配列)など、を含む、態様32~46の何れか1つに記載の方法。
下記の実施例は、本発明を単に例示するために与えられ、決して本発明の範囲を限定するものではない。
この実施例は、本開示の方法を使用した凍結乾燥ポリペプチド(HLE-BiTE(登録商標))処方物の再構成時のHMW種の分解のために必要な時間の短縮を示す。
凍結乾燥されたHLE-BiTE(登録商標)処方物(15mMグルタミン酸塩、9%(w/V)スクロース及び0.01%(w/V)ポリソルベート80;配列番号75及び9を含むBiTE(登録商標)分子(「BiTE(登録商標)-A」))を再構成試験のために使用した。再構成のために使用される希釈剤には、滅菌注射用水(sWFI)、0.9%ベンジルアルコールを含むWFI(bWFI)、0.9%食塩水、0.9%ベンジルアルコールを含む食塩水、sWFI+0.01%PS80、5%IVSS(静脈内溶液安定化剤(Intravenous Solution Stabilizer))+sWFI、精製水中のフェニルアラニン、精製水中のフェノール及び精製水中のm-クレゾールが含まれた。再構成を行うために、凍結乾燥処方物及び再構成希釈剤を8℃又は25℃で1時間にわたり最初に平衡化した。次に、適正な量の再構成希釈剤を滅菌バイアル中の凍結乾燥処方物に添加して、15mg/mLの最終タンパク質濃度を得た。再構成時間は3分未満であり、この間に凍結乾燥されたケーキ全てが完全に溶解し、試料の均一化のために溶液を穏やかに撹拌した。再構成された試料をすぐに予め設定された8℃又は25℃の超高性能液体クロマトグラフィー(UPLC)試料マネージャに移した。再構成からサイズ排除超高性能液体クロマトグラフィー(SE-UHPLC)の最初の注入の時間点までの推定時間は、5分未満であった。各SE-UHPLC注入に対して、10μgの試料をACQUITY UPLCシステム(Waters,Milford,MA)に連結されたBEH200 UPLCカラム(1.7μm 4.6x150mm)上に載せた。移動相は、0.4mL/minの流速でpH6.8の250mM塩化ナトリウム入りの100mMリン酸ナトリウムであった。UPLC試料マネージャを8℃又は25℃の何れかで保持した。Chromeleon(登録商標)ソフトウェアを使用して、結果を分析し、220nmでのUV吸収を使用してピーク積分を計算した。1.8の吸光係数を使用して、標準的なpHプローブ(Mettler Toledo,OH)及び280nmのUV吸収を用いて、再構成された希釈剤のpH及び濃度を後で測定した。
図1は、8℃で行われる再構成試験を例示する。希釈剤としてsWFI及びポリソルベート80を使用して再構成された処方物を「平衡」(即ち一貫したHMW種の%レベル)に到達させるために24時間超を要した。食塩水、IVSS及び食塩水+ベンジルアルコールは、再構成された処方物中のHMWのパーセンテージを顕著に上昇させ、この試験を通じてHMWレベルが上昇し続けた。驚くべきことに、希釈剤としてbWFIを使用した結果、再構成の1時間以内に平衡となった。図2は、8℃及び25℃での平衡までの時間を比較した、sWFI及びbWFIを用いて25℃で行われた同様の試験の結果を提供する。HMW種は、sWFI及びbWFIの両方について25℃でより迅速に解離した。両方の温度で、bWFIは、sWFIと比較して解離過程を顕著に加速させ、25℃では1時間未満で平衡に達した。bWFIによって、1%未満のHMW種を含む再構成処方物が得られた。実際に、25℃で、再構成20分以内にHMW種のパーセンテージが約1%以下に低下し、少なくとも100分間、そのレベルのままであった。図4を参照されたい。
さらなる希釈剤を試験し、図3で示される結果を得た。図3は、8℃での試験中に回収されたデータを例示する。フェニルアラニン、フェノール及びm-クレゾールは、sWFIと比較して、HMW種の解離を加速させた。sWFI以外の試験した全ての希釈剤の使用の結果、再構成後10時間までにHMW種が1.5%未満である再構成処方物が得られ、bWFIに基づく再構成処方物は、HMW種の最低レベルを示した。
上で示されるものと同様の材料及び方法を使用して、さらなる試験を行った。滅菌注射用水(sWFI)、静菌性WFI(bWFI)、0.9%食塩水及びフェノールを含む再構成媒体とともに、バイアル中の4種類の凍結乾燥BITEを使用した。BiTE(登録商標)-Aは、配列番号75及び9(CDR配列、配列番号67~72及び1~6を含む)を含み;BiTE(登録商標)-Bは、配列番号156(CDR配列、配列番号148~153及び1~6を含む)を含み;BiTE(登録商標)-Cは、配列番号97(CDR配列、配列番号88~93及び1~6を含む)を含み;BiTE(登録商標)-Dは、配列番号98(CDR配列、配列番号88~93及び1~6を含む)を含んだ。さらに、BiTE(登録商標)-A(配列番号75及び9を含むBiTE(登録商標)分子)について、静菌性食塩水、sWFI+0.01%PS80、5%IVSS(静脈内溶液安定化剤(Intravenous Solution Stabilizer))+sWFI、フェニルアラニン及びm-クレゾールを使用して試験を行った。再構成について、指定温度、25℃又は8℃で1時間、凍結乾燥BiTEバイアル及び全ての再構成溶液を最初に平衡化した。次に、再構成溶液の適切な体積を凍結乾燥バイアルに添加した。凍結乾燥ケーキが完全に溶解するまで、最長で3分間、試料を再構成した。次に、試料均一性のために、試料を穏やかに撹拌した。次に、8℃又は25℃に予め設定されたUPLC試料マネージャに再構成された試料をすぐに移した。再構成からSE-UHPLC上の最初の注入までの推定時間は、<5分であった。SE-UPLCに対して、ACQUITY UPLCシステム(Waters,Milford,MA)に連結されたSECカラム上に試料の適切な量を載せた。UPLC試料マネージャを8℃又は25℃の何れかで保持した。Chromeleon(登録商標)ソフトウェアを使用して、結果を分析し、UV吸収又は蛍光検出を使用して、ピーク積分を計算した。標準的なpHプローブ(Mettler Toledo,OH)及び280nmのUV吸収を用いて、再構成した試料のpH及び濃度をその後に測定した。
様々なBiTEにおける再構成媒体の効果を比較するために、初期高分子量種(HMW)の90%が解離して単量体に戻るために必要な時間分としてt90%を定め;t90%を次のように計算する:
[HMW]は、高分子量種の濃度であり、[HMW]t0は、時間ゼロでの高分子量種の濃度であり、一次式を解離曲線にフィットさせ、kは速度定数である。
試験の結果を図5及び表1で示す。図5は、上で定義されるようなt90%により示されるように、25℃で15mg/mLとして再構成されたBiTE(登録商標)-Aの%HMWの解離におけるベンジルアルコール濃度の効果を例示する。ベンジルアルコールの全濃度でHMW種の解離が改善され、40mMを超える濃度(例えば41.6mM及び83.2mM)は、「再構成継続時間」(即ち、最初の形成された高分子量種(HMW)の90%が解離して単量体に戻る再構成後の時間)が2時間未満になった。このデータから、1時間未満の再構成継続時間が41.6mMよりも高い(例えば42mMよりも高い)ベンジルアルコール濃度で達成され得ることが示される。
下の表1は、上で定められるようなt90%により示されるように、25℃での様々なBiTE(登録商標)の解離時間に対する、試験した再構成媒体の効果を明らかにする研究からの結果をまとめる。試験した全ての試料に対して、ベンジルアルコール及びフェノールの両方が、WFIと比較した場合に、再構成継続時間を大きく短縮し、典型的には1時間未満対9+時間であった。BiTE(登録商標)-B及びBiTE(登録商標)-Cについて、高速の反応速度ゆえに1時間未満であることが報告される。他の条件と対照的に、食塩水は、BiTE(登録商標)-A、BiTE(登録商標)-B及びBiTE(登録商標)-Cに対して凝集(Agg.)を促進し、BiTE(登録商標)-Dに対するt90%は19.1時間から26.1時間に延長された。
実施例は、0.9%ベンジルアルコール、フェニルアラニン、フェノール又はm-クレゾールを含むWFIを含む希釈剤での本明細書中に記載の凍結乾燥ポリペプチド処方物(例えば、HLE-BiTE(登録商標)産物処方物)の再構成によって、WFIのみを含む他の試験した希釈剤と比較して、HMW種の解離に要する時間が顕著に短縮されたことを示す。これらの希釈剤を用いた8℃での再構成の15時間以内に、1.5%未満のHMW種を含む再構成処方物が得られた。0.9%ベンジルアルコールを含む希釈剤(bWFI)は、再構成後にHMW種を解離するために要する時間を短縮すること(即ち、平衡までの時間を加速すること)及びHMW種含量が減少した最終的な再構成処方物を得ることの両方において、試験した他の希釈剤よりも性能が優れていた。本明細書中で報告されるデータから、芳香族アルコール、フェノール化合物又は芳香族側鎖を有するアミノ酸を含む希釈剤の使用により、1.5時間未満を含め、所望の再構成継続時間が達成されることがさらに裏付けられる。試験した全てのコンストラクトに対して、注射用水又は食塩水を使用した再構成と比較して、再構成継続時間が顕著に短縮された。
好ましい態様に重点を置いて本発明を説明してきたが、好ましい化合物及び方法の変形物が使用され得ること、及び本発明が本明細書中に具体的に記載されているもの以外の方法で実施され得ることが意図されていることは、当業者にとって明らかであろう。従って、本発明は、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神及び範囲内の全ての変更を含む。

Claims (34)

  1. (a)芳香族アルコール、フェノール化合物又は芳香族側鎖を有するアミノ酸を含む希釈剤でポリペプチド、糖類、界面活性剤及び緩衝剤を含む凍結乾燥処方物を再構成することと、
    (b)前記再構成された処方物を、それを必要とする対象に再構成の12時間以内に投与することと、を含み、
    前記ポリペプチドが二重特異性抗体コンストラクトである、
    方法。
  2. 前記希釈剤が、ベンジルアルコール、フェノール、m-クレゾール又はフェニルアラニンを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記再構成された処方物のpHが、約4~約7である、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 前記処方物のpHが4.2である、請求項1~3の何れか1項に記載の方法。
  5. 前記再構成された処方物が、約1mg/mL~約20mg/mLの前記ポリペプチドを含む、請求項1~4の何れか1項に記載の方法。
  6. 前記再構成された処方物が、約15mg/mLの前記ポリペプチドを含む、請求項1~5の何れか1項に記載の方法。
  7. 前記緩衝剤が、酢酸緩衝剤、グルタミン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、酒石酸緩衝剤、フマル酸緩衝剤、マレイン酸緩衝剤、ヒスチジン緩衝剤又はリン酸緩衝剤である、請求項1~6の何れか1項に記載の方法。
  8. 前記緩衝剤がグルタミン酸緩衝剤である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記緩衝剤が、凍結乾燥前に5~200mMの範囲の濃度で存在する、請求項1~8の何れか1項に記載の方法。
  10. 前記緩衝剤が、凍結乾燥前に10~50mMの範囲の濃度で存在する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記糖類が、単糖又は二糖である、請求項1~10の何れか1項に記載の方法。
  12. 前記糖類が、グルコース、ガラクトース、フルクトース、キシロース、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、ソルビトール、マンニトール又はキシリトールである、請求項1~11の何れか1項に記載の方法。
  13. 前記糖類がスクロースである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記糖類が、凍結乾燥前に1~15%(w/v)の範囲の濃度で存在する、請求項1~13の何れか1項に記載の方法。
  15. 前記界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポロキサマー188、ポロキサマー407、Triton(登録商標)X-100、ポリオキシエチレン、PEG3350、PEG4000又はそれらの組み合わせである、請求項1~14の何れか1項に記載の方法。
  16. 前記界面活性剤が、ポリソルベート80である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記界面活性剤が、凍結乾燥前に0.001%~0.5%(w/v)の範囲の濃度で存在する、請求項1~16の何れか1項に記載の方法。
  18. 前記処方物が、凍結乾燥前に、15mMのグルタミン酸塩、9%(w/V)スクロース及び0.01%(w/V)ポリソルベート80を含み、前記処方物のpHが4.2である、請求項1~17の何れか1項に記載の方法。
  19. 前記希釈剤が、0.9%ベンジルアルコールを含む、請求項1~18の何れか1項に記載の方法。
  20. 前記希釈剤が、フェノールを含む、請求項1~18の何れか1項に記載の方法。
  21. 前記希釈剤が、m-クレゾールを含む、請求項1~18の何れか1項に記載の方法。
  22. 前記希釈剤が、フェニルアラニンを含む、請求項1~18の何れか1項に記載の方法。
  23. 段階(b)が、前記再構成された処方物を、それを必要とする対象に再構成の6時間以内に投与することを含む、請求項1~22の何れか1項に記載の方法。
  24. 段階(b)が、前記再構成された処方物を、それを必要とする対象に再構成の4時間以内に投与することを含む、請求項1~22の何れか1項に記載の方法。
  25. 段階(b)が、前記再構成された処方物を、それを必要とする対象に再構成の2時間以内に投与することを含む、請求項1~22の何れか1項に記載の方法。
  26. 段階(b)が、前記再構成された処方物を、それを必要とする対象に再構成の1時間以内に投与することを含む、請求項1~22の何れか1項に記載の方法。
  27. 前記対象が癌に罹患している、請求項1~22の何れか1項に記載の方法。
  28. ポリペプチドがDLL3及びCD3に結合する、請求項1~27の何れか1項に記載の方法。
  29. 前記ポリペプチドが、配列番号75及び配列番号9のアミノ酸配列を含む、請求項1~28の何れか1項に記載の方法。
  30. 前記ポリペプチドが、配列番号76又は配列番号77で示されるアミノ酸配列を含む、請求項1~29の何れか1項に記載の方法。
  31. 前記癌が、小細胞肺癌(SCLC)、非小細胞肺癌(NSCLC)、神経膠腫、神経膠芽腫、メラノーマ、神経内分泌前立腺癌、神経内分泌膵臓癌、肝芽腫又は肝細胞癌である、請求項27~30の何れか1項に記載の方法。
  32. 前記癌が、SCLC、NSCLC、神経膠腫、神経膠芽腫又は神経内分泌前立腺癌である、請求項31に記載の方法。
  33. 前記ポリペプチドが、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号33、配列番号43、配列番号44、配列番号45、配列番号55、配列番号65、配列番号66、配列番号76、配列番号77、配列番号87、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号109、配列番号110、配列番号111、配列番号121、配列番号122、配列番号131、配列番号141、配列番号142、配列番号146、配列番号147、配列番号156、配列番号165、配列番号174、配列番号183、配列番号184、配列番号185、配列番号186、配列番号187又は配列番号188で示されるアミノ酸配列を含む、請求項1~27の何れか1項に記載の方法。
  34. 前記ポリペプチドが、配列番号76、配列番号77、配列番号97、配列番号98、配列番号99、配列番号156、配列番号165、配列番号174又は配列番号183で示されるアミノ酸配列を含む、請求項33に記載の方法。
JP2023580752A 2021-06-30 2022-06-29 凍結乾燥処方物を再構成する方法 Pending JP2024525482A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US63/216,616 2021-06-30

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024525482A true JP2024525482A (ja) 2024-07-12

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010512356A (ja) 非経口aベータ抗体製剤
TW201945031A (zh) 低ph藥物製劑
TW201347791A (zh) 抗體調配物
JP2009531371A (ja) 抗igf−1rヒト・モノクローナル抗体製剤
US20230348596A1 (en) Pharmaceutical formulation
CN110960490A (zh) 一种抗egfr抗体偶联药物组合物及其用途
CN115698064A (zh) 用于皮下施用的抗cd38抗体的配制品
WO2008029908A1 (fr) Préparation pharmaceutique lyophilisée stable comprenant un anticorps
US20200129633A1 (en) Pharmaceutical composition comprising c-met antibody-drug conjugate and use thereof
US20230167176A1 (en) Pharmaceutical formulation
JP2024525482A (ja) 凍結乾燥処方物を再構成する方法
CA3220933A1 (en) Method of reconstituting lyophilized formulation
JP2023541133A (ja) 凍結乾燥タンパク質製剤を作製する方法
CN111683681B (zh) 包含抗ox40抗体的制剂、其制备方法及其用途
US20230167175A1 (en) Pharmaceutical formulation
WO2022111612A1 (zh) 包含抗tigit/pd-1双特异性抗体的制剂及其制备方法和用途
KR20240016260A (ko) 동결건조 단백질 제형의 가속화된 제조 방법
CN116529263A (zh) 包含bite双特异性抗体和甲硫氨酸的药物配制品
CN117500834A (zh) 使用蔗糖、甘露糖醇和甘氨酸来减少高浓度冻干生物制剂药物产品的重构时间
CN116803420A (zh) 靶向PD-1和TGFβ的双功能蛋白药物组合物及其用途