JP2024525339A - シリコン/ゲルマニウムを有する配位子を有する有機スズパターニング材料、前駆体組成物及び合成方法 - Google Patents

シリコン/ゲルマニウムを有する配位子を有する有機スズパターニング材料、前駆体組成物及び合成方法 Download PDF

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Figure 2024525339000001
本明細書に記載のように、感光性組成物は、RSnL(式中、Rは、1~20個の炭素原子と、1個以上のシリコン及び/又はゲルマニウムヘテロ原子とを有するヒドロカルビル配位子であり、及びLは、アセチリド配位子(-C≡CA(式中、Aは、0~6個の炭素原子を有するシリル基又は1~10個の炭素原子を有するオルガノ基である))である)を含む。感光性組成物が、RX(式中、Xは、ハロゲン化物である)と、MSnL(式中、Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は擬アルカリ土類金属であり、Lは、アセチリド又はジアルキルアミドである)とを反応させることによって合成される方法が記載される。感放射線性組成物は、EUV光を用いるなどの放射線ベースのパターニングに有効である。

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関連出願の相互参照
本願は、参照により本明細書に組み込まれる、「Organotin Patterning Materials:Compositions and Methods」という名称の2021年6月15日出願のJilekらに付与された同時係属中の米国仮特許出願第63/210,769号明細書に対する優先権を主張する、「Organotin Patterning Materials with Ligands Having Silicon/Germanium;Precursor Compositions;and Synthesis Methods」という名称の2022年2月28日出願のJilekらに付与された同時係属中の米国特許出願公開第17/682,639号明細書に対する優先権を主張する。
本発明は、モノ有機スズトリアミド、モノ有機スズトリアセチリド又はモノ有機スズトリオキシドの組成物であって、オルガノ基は、Si又はGeヘテロ原子を含有するヒドロカルビルとして定義される、組成物に関する。本発明は、加水分解生成物、組成物の合成及び放射線パターニングを実施する方法にさらに関する。
有機金属化合物は、薄膜の堆積のために溶液及び蒸気の形態で金属イオンを提供する。有機スズ化合物は、リソグラフィーによって薄膜をパターニングするために使用され得る高EUV吸収及び感放射線性スズ-配位子結合を提供する。EUV線による寸法が縮小の一途を辿る半導体デバイスの製造は、要求されるパターニング分解能及び低欠陥密度を達成する広いプロセス許容範囲を有する新しい材料を必要としている。
第1の態様では、本発明は、改善された感光性組成物RSnL(式中、Rは、1~20個の炭素原子と、1個以上のシリコン又はゲルマニウムヘテロ原子とを有するヒドロカルビル配位子である)に関する。Lは、加水分解性Sn-L結合を形成する。いくつかの実施形態では、Lは、アセチリド配位子(-C≡CA(式中、Aは、0~6個の炭素原子を有するシリル基又は1~10個の炭素原子を有するオルガノ基、例えばフェニル基である))である。さらなる実施形態では、感光性組成物は、(RSi(CHCR -(式中、nは、0~8であり、R及びRは、独立して、水素、ハロゲン化物又は1~4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)として表されるRを有し、及びLは、加水分解性配位子である。
さらなる態様では、本発明は、RSnL(式中、Rは、1~20個の炭素原子と、1個以上のシリコン又はゲルマニウムヘテロ原子とを有するヒドロカルビル基であり、及びLは、加水分解性配位子である)の生成の方法に関する。本方法は、RX(式中、Xは、ハロゲン化物である)と、MSnL(式中、Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は擬アルカリ土類金属である)とを反応させることを含む。一般的には、Lは、アセチリド(C≡CA(式中、Aは、0~6個の炭素原子を有するシリル基若しくは1~10個の炭素原子を有するオルガノ基、例えばフェニル基である))又は1~10個の炭素原子を有するジアルキルアミドであり、反応は、Sn-C結合を有するRSnL(式中、Rは、1~20個の炭素原子と、1個以上のシリコン及び/又はゲルマニウムヘテロ原子とを有するヒドロカルビル配位子である)を形成する。
さらなる態様では、本発明は、感放射線性薄膜フォトレジストの堆積のための溶液状前駆体としてのRSnL組成物及びその配合物に関する。
さらなる態様では、本発明は、感光性組成物を含むコーティングを形成する方法に関する。
さらなる態様では、本発明は、被覆薄膜に照射し、且つそれを現像してナノ構造化パターンを生成する方法に関する。有機金属化合物をパターニングする方法は、基材上にコーティングを形成することであって、RSnL(式中、Rは、1~20個の炭素原子と、1個以上のシリコン又はゲルマニウムヘテロ原子とを有するヒドロカルビル基であり、及びLは、加水分解性配位子である)を堆積することを含む、形成することと、コーティングに放射線を照射して、潜像を形成することと、像を現像して、潜像に従ってナノスケールフィーチャーを有するパターニングされたコーティングを形成することとを含む。
エチルトリメチルシリルスズトリス(トリメチルシリルアセチリド)[(CHSiCHCHSn(TMSA)]の119Sn NMRスペクトルのプロットである。 エチルトリメチルシリルスズトリス(トリメチルシリルアセチリド)[(CHSiCHCHSn(TMSA)]のH NMRスペクトルのプロットである。 エチルトリメチルシリルスズトリス(tert-ブトキシド)(CHSiCHCHSn(OC(CH119Sn NMRスペクトルのプロットである。 エチルトリメチルシリルスズトリス(tert-ブトキシド)(CHSiCHCHSn(OC(CHH NMRスペクトルのプロットである。 E-TMSレジスト配合物の膜厚対スピン速度のプロットである。 選択された露光後ベーク温度で処理されたE-TMSレジストのコントラスト曲線のプロットである。 選択された露光後ベーク温度で処理されたE-TMSレジストのライン-スペースパターンの電子顕微鏡像セットである。 E-TMSレジスト配合物で形成された膜及び参照レジスト配合物で形成された膜について規格化FTIR CH吸光度対ベーク温度を比較したプロットである。
有機スズ組成物は、放射線ベースパターニングを促進するためにより大きい放射線吸収及び照射前のより大きい配位子安定性の可能性を呈するシリコン/ゲルマニウム原子を有する有機配位子を含んで合成されてきた。化合物は、パターニング可能層の形成のために加水分解を受け得る加水分解性配位子を含む前駆体として調製される。前駆体化合物は、照射されると放射線開裂を受けて虚像を形成しやすい単一炭素スズ結合を一般に有する。C-Sn結合を形成する有機配位子は、シリル基などのSi又はGe置換基を含み、(CHSiCHCHSnLは、例証となる。EUVパターニング用としてのこの化合物の好適性は、以下の実施例で実証される。
有機金属フォトレジスト、特に有機スズ材料に基づくものは、高分解能高忠実度パターンのパターニングを可能にし得る高性能EUVフォトレジストとして機能する。こうした材料は、照射領域が現像後に残留するネガティブトーンフォトレジスト又は照射領域が現像時に選択的に除去されるポジティブトーンフォトレジストとして一般に操作可能である。
高分解能且つ高感度フォトレジストとして有用な感放射線性有機スズ組成物は、「Organometallic Solution Based High Resolution Patterning Compositions」という名称の米国特許第9,310,684号明細書並びに「Organotin oxide hydroxide patterning compositions,precursors,and patterning」という名称の米国特許第10,228,618号明細書(これ以降では’618特許)(両方とも参照により本明細書に組み込まれる)にMeyersらにより記載されている。一般的には、感放射線性有機スズ組成物は、Sn-C及び/又はSn-カルボキシレート結合を介してSn原子に結合された有機配位子を含む。本開示には、発見された新しいシリコン/ゲルマニウム富化有機スズ組成物が記載されており、これは非富化有機スズ組成物よりも優れた改善されたパターニング及び処理を呈し得る。
EUV線への有機スズ材料の露光及び後続処理は、Sn-C結合を開裂可能であると共に、照射領域での新しいSn-O-Sn及びSn-OH結合の形成を可能にすると考えられる。S-C結合をフラグメント化した後、Sn-O-Sn及びS-OH結合の濃度の増加により、未露光材料と比べてより多くの縮合された親水性材料がもたらされ、それにより照射及び未照射領域間に大きい化学的現像コントラストが作成される。このコントラストの利点を生かすために、リソグラフィックプロセスウィンドウを拡大すると共に、パターニングされた構造の忠実度を改善する新しい材料を同定することが望ましい。このプロセスウィンドウは、例えば、有機配位子中の炭素原子をシリコン又はゲルマニウムなどの高原子番号ヘテロ原子で置換することにより拡大可能である。
モノアルキルスズフォトレジストのヒドロカルビル基中でのシリコン又はゲルマニウム原子による炭素原子の置換により、その熱安定性を改善しリソグラフィックプロセスウィンドウを拡大可能であることを発見した。本明細書に記載の組成物は、放射線パターニング可能コーティングを形成するための前駆体として且つ前駆体を異なる加水分解性配位子を含む組成物又はSn-O-Sn結合を有するクラスター様組成物などの他の有用組成物に変換するのに有用である。以上に記載のように、有機スズ材料の感光性は、Sn-C結合の特質から生じ、したがって、Sn-C結合は、前駆体からコーティングへの処理時にインタクト状態を維持することが一般に望ましい。
加水分解性配位子は、照射前に一般に加水分解されてSn-OH及び/又はSn-O-Sn結合を有するオキソ-ヒドロオキソリッチコーティングを形成するため、感光性にほとんど影響を及ぼさない。加水分解性配位子は、合成上の利点及び所望の処理、例えばさらなる精製、堆積モード、安定性、取扱いなどが得られるように一般に選択される。同様に、便利な合成経路の利用可能性も重要である。
シリコン及びゲルマニウムは、周期表の族が炭素と同じである。そのため、シリコン及びゲルマニウムは、類似の化学構造及び他の性質を呈し得ると同時に、それらのより高い原子質量に起因して差も呈し得る。そのため、シリコン及びゲルマニウムは、炭素系ヒドロカルビル配位子から離れた側基中に代替炭化水素様構造及び対応する部分を形成可能である。ここで、特に興味深い化合物は、スズ原子に直接結合された炭素原子から伸長するヒドロカルビル構造内に1個以上のシリコン/ゲルマニウム原子を有する。
本明細書に記載のように、加水分解性配位子は、下記の理想反応:
RSnL+2HO→RSnOOH+3HL (1)
により例示される有機スズ分子とHOとの反応を促進して有機スズ酸化水酸化物(又は有機スズ酸化水酸化物水和物)組成物を生成する配位子である。
好適な加水分解性配位子(L)のいくつかの例は、-NR’、-OR’又は-CCR’(式中、R’は、シリル基又は12個以下の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)である。Lのいくつかの例としては、限定されるものではないが、-NMe、-NEt、-OnPr、-OiPr、-OtBu、-OtAmyl、-CC(Si(CH)[トリメチルシリルアセチリド](TMSA)、-CC(C)[フェニルアセチリド]などが挙げられる。Rは、RC-(式中、Rは、ヒドロカルビル基又は少なくとも1個のシリコン原子を含むシリル基であり、及びR、Rは、独立して、H、X(ハロゲン化物)、シリル基又はシリコン原子を含んでいても若しくはいなくてもよいヒドロカルビル基である)により表されるとみなすことが可能であり、ここで、Rは、合計で1~20個の炭素原子を含み得る。シリコン/ゲルマニウムが組み込まれる前駆体では、本明細書の特に興味深い実施形態は、構造:-CR’(CH(SiR’’)(式中、oは、1~3であり、mは、0~2であり、nは、0~2であり、n+m+o=3であり、R’及びR’’は、(両方が互いにR’及びR’’部分の他のメンバーから)独立して、H又は1~3個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)を含む配位子が関与する。
本出願人は、一連のRSnL化合物を合成し精製するいくつかの技術を開発した。本方法は、有意な利点、特により少ないポリアルキル汚染物質、良好な収率及びより簡単に入手可能な反応剤の使用を提供する。望ましい結果が達成された。その場合、アルキル化剤は、グリニャール試薬、ジオルガノ亜鉛試薬又はモノオルガノ亜鉛アミドであり得る。こうした合成により、レジストを形成するために使用可能であるか、又はさらに精製して汚染物質レベルをさらに低減可能である、少ないポリアルキル汚染物質を含むモノアルキルスズトリアミドを直接生成可能である。本合成方法では、アルキル化剤によりスズテトラアミドのアミド基がアルキル基に選択的に置き換えられる。いくつかの実施形態では、反応により、少ないポリアルキルスズ汚染物質、特に少ないジアルキルスズ汚染物質を含むモノアルキルスズトリアミドが選択的に生成される。記載の合成方法は、ジアルキルスズ副生成物の形成を制限することによりモノアルキルスズトリアミドの選択率及び収率を改善する。本方法は、分岐状アルキル系にとりわけ有用である。次いで、少ないポリアルキル汚染物質を含むモノアルキルスズトリアミドは、少ないポリアルキル汚染物質を含むモノアルキルスズトリアルコキシドを形成するために使用可能である。こうした改善された合成技術は、「Monoalkyl Tin Compounds With Low Polyalkyl Contamination,Their Compositions and Methods」という名称のEdsonらに付与された米国特許出願公開第2019/0315781号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
C-Sn結合を形成するより広範にわたる有機配位子に対して実用技術で所望の収率及び純度をさらに得るために、さらなる合成技術を開発した。こうした合成反応では、ヒドロカルビル配位子は、有機ハロゲン化物反応剤から発生される。有機ハロゲン化物反応剤は、配位子を供給するために広範にわたる化合物に簡単に利用可能である。一連のヒドロカルビル配位子の合成のために他の合成技術を一般に適用可能であり得るが、配位子を導入する反応剤組成物及び収率、反応時間、好適な溶媒の選択に関する実用上の制約、場合により他の実用上の制約が存在し得る。こうした反応は、トリアルキルアミン加水分解性配位子(例えば、RSn(NR’)又はトリアセチリド加水分解性配位子(例えば、RSn(CCR’))のいずれかを形成するために設計されてきた。アルカリ金属スズ化合物の合成は、他の状況でも有用であり得る効果的中間体を提供する。こうした技術は、本明細書に記載のシリコン含有化合物の合成に適合化され、以下に例証される。こうした合成技術は、「Methods to Produce Organotin Compositions With Convenient Ligand Providing Reactants」という名称のEdsonらに付与された同時係属中の米国特許出願公開第17/410,316号明細書(これ以降では’316出願)(参照により本明細書に組み込まれる)で一連のヒドロカルビル配位子に対してより詳細に記載されている。有意な蒸気圧を有する生成物では、真空蒸留又は所望により高純度を達成するように設計された分別蒸留を介して生成物を精製することが望ましいこともある。「Monoalkyl Tin Trialkoxides and/or Monoalkyl Tin Triamides With Low Metal Contamination and/or Particulate Contamination and Corresponding Methods」という名称のClarkらに付与された米国特許出願公開第2020/0241413号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。生成物は、反応させて有機スズトリアルコキシドなどの誘導体も形成し得、これは、以上の技術及び当技術分野で公知の他の手段によりさらに精製され得る。
’316出願に記載のものにいくらか類似しているがそれほど望ましくない合成アプローチは、「Process for Preparing Organotin Compounds」という名称のErmertらに付与された米国特許出願公開第2022/0002323号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。’323出願のプロセスでは、化学量論量未満のリチウムジアルキルアミドが添加される。結果として、2つのブリッジングアミド配位子を有するジハロスズダイマーが副生成物として沈殿する。観測された副反応に基づいて、スズを基準にした最大収率は0.5である。本出願人の方法では、化学量論的スズ副生成物は、汚染物質として形成されない。
以上のRSnL組成物の加水分解は、2つ以上のRSn部分が縮合されてSn-O及びSn-OH結合を形成する水酸化物及び酸化物リッチ生成物、例えば「フットボール」クラスター(RSn)1214(OH)及び関連中間体組成物を一般に生成する。以下に記載されるように、本RSnL組成物の加水分解は、Sn-OH及びSn-O-Sn連結でSn原子に結合されたオキソ-ヒドロオキソ配位子のネットワークを含む放射線パターニング可能コーティングを作製するために使用可能である。放射線パターニング可能コーティングの形成のために、加水分解は、コーティング形成時又は後、ただし一般に照射前に行うことが可能である。コーティングは、溶液又は蒸気アプローチを用いて堆積可能である。
Rは、スズに結合された炭素がsp又はsp混成である炭素-スズ結合を形成し、且つRは、少なくとも1個のシリコン原子を含むと共に、任意に不飽和又は芳香族の炭素-炭素部分及び/又は炭素でも水素でもない他のヘテロ原子を含み得る。以上に述べたように、便宜上及び当技術分野で一貫性を保つために、Rは、対応する置換基及び結合性構造を含めて、互換的にアルキル配位子、有機配位子又はヒドロカルビル配位子と称され得る。
いくつかの実施形態では、ヒドロカルビル配位子は、(加水分解性配位子の加水分解後の)化合物がRCSnO(2-(z/2)-(x/2))(OH)(式中、Rは、シリコン/ゲルマニウム原子と0~10個の炭素原子とを含み、R及びRは、独立して、水素又は1~10個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、いくつかの実施形態では、RCは、合計で1~20個の炭素原子を有する)として一般に表され得るいくつかのパターニング組成物に対するものが望ましいものであり得る。ヒドロカルビル配位子Rのこの表現は、一般にRCSn(L)(式中、Lは、加水分解性配位子、例えばアルコキシド(ヒドロカルビルオキシド)、アセチリド又はアミド部分に対応する)を含む他の実施形態に同様に適用可能である。いくつかの実施形態では、R及びRは、環状アルキル部分を形成可能であり、且つRは、環状部分中の他の基にも接合し得る。好適な分岐状配位子では、例えば、(R及びRは、メチルであり、且つRは、シリル基である)、(Rは、シリル基であり、Rは、メチルであり、且つRは、-CHCHである)及び(Rは、シリルであり、Rは、メチルで又は-CHCHであり、且つRは、水素である)。例証実施形態は、Rが(CHSiCH-であり、且つR及びRが水素であるものに対応する(CHSiCHCH-であり、他の関連実施形態は、以下に記載される。他の実施形態では、ヒドロカルビル基は、アリール又はアルケニル基、例えばベンジル又はアリル又はアルキニル基を含み得る。さらなる実施形態では、好適なR基は、シアノ、チオ、エーテル、ケト、エステル若しくはハロゲン化基又はそれらの組合せを含む非シリコン/ゲルマニウムヘテロ原子官能基で置換されたヒドロカルビル基を含み得る。当技術分野の慣例に従い、ヒドロカルビル基は、たとえ基が不飽和結合、アリール基、ヘテロ原子などを有していてもアルキル基と称され得る。
いくつかの実施形態では、Rは、(RSi(CHCR -(式中、nは、0~8であるか、又はさらなる実施形態では、nは、0~3若しくは0~2であり、R及びRは、独立して、水素又はハロゲン化物(F、Cl、Br若しくはI)又は1~4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)である。いくつかの実施形態では、Rは、水素、メチル基(-CH)又はエチル(-CHCH)である。いくつかの実施形態では、nは、0~2であり、Rは、メチルであり、且つRは、メチル基(-CH)又はエチル(-CHCH)である。こうした配位子では、R、R(以上の表記で)は、両方ともRである。例は、(CHSiCHCH-に等しいRを有する。
パターニング組成物での使用では、トリアルカミド又はトリアセチリド配位子を含む生成物を有機スズトリアルコキシドに変換することが望ましいこともある。以下でさらに記載されるように、この反応は、対応するアルコールとの反応を介して蒸留による精製後に一般に実施されるが、いくつかの実施形態では、トリアミド又はトリアセチリドを最初に精製することなくアルコキシドを直接形成することが適切であり得る。生成物有機スズトリアルコキシドは、一般に、蒸留を介して精製可能な油又は低融点固体である。こうしたステップは、以下にさらに記載され、特定生成物に対して下記実施例で概説される。前駆体組成物からトリアルコキシドへの変換は、コーティング前駆体を形成するためには必要とされないが、有機スズトリアルコキシドは、加水分解及びコーティング形成後の生成物がアルコールなどの無害なものであるため、堆積に便利な前駆体であり得る。
所望の有機スズ前駆体の調製後、前駆体は、前駆体溶液を調製するのに適切な溶媒、例えば有機溶媒、例えばアルコール、芳香族及び脂肪族炭化水素、エステル又はそれらの組合せに溶解可能である。特に、好適な溶媒としては、例えば芳香族化合物(例えば、キシレン、トルエン)、エーテル(アニソール、テトラヒドロフラン)、エステル(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルアセテート、エチルラクテート)、アルコール(例えば、4-メチル-2-ペンタノール、1-ブタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、1-プロパノール)、ケトン(例えば、メチルエチルケトン)、それらの混合物などが挙げられる。一般的には、有機溶媒の選択は、溶解度パラメーター、揮発性、引火性、毒性、粘性及び他の処理用材料との潜在的化学的相互作用による影響を受ける可能性がある。溶液の成分が溶解され組み合わされた後、種の特質は、部分的インサイチュー加水分解、水和、置換及び/又は縮合の結果として変化し得る。
有機スズ前駆体は、処理に適切な厚さのコーティングを形成するのに好適なSnの濃度を与える濃度で溶媒に溶解可能である。前駆体溶液中の種の濃度は、溶液の所望の物理的性質を達成するように選択可能である。特に、合理的コーティングパラメーターを用いてより薄いコーティングを達成可能なスピンコーティングなどのある特定のコーティングアプローチでは、全体的に濃度が低いほど、溶液の望ましい性質をもたらし得る。超微細パターニングを達成し、且つ材料コストを低減するために、より薄いコーティングを使用することが望ましいこともある。一般的には、濃度は、選択されたコーティングアプローチに適切なように選択可能である。コーティングの性質は、以下にさらに記載される。一般的には、スズ濃度は、約0.005M~約1.4M、さらなる実施形態では約0.02M~約1.2M、他の実施形態では約0.1M~約1.0Mを含む。以上に明示された範囲内でのスズ濃度の追加範囲が企図されると共に、本開示の範囲内にあることは、当業者であれば分かるであろう。
いくつかの実施形態では、改善された感光性前駆体組成物は、RSnL4-n及びその加水分解物(式中、Rは、本明細書に詳細に記載され以上に明示的に詳述される各種部分から選択される)などの1つ以上の有機スズ組成物を含むブレンド溶液中に存在可能であり、ブレンド前駆体組成物の各種成分が同じであっても又はなくてもよい。かかるブレンド溶液は、溶液安定性、コーティング均一性、パターニング性能などの各種性能要件の最適化のためにチューニング可能である。ブレンド組成物は、溶媒を用いて又は用いずに、2つ以上の有機スズ組成物、例えばRSnL4-n(式中、Lは加水分解性配位子である)を組み合わせることにより達成可能である。例えば、ニートRSnLとニートR’SnLとを組み合わせてブレンド前駆体を形成可能である。次いで、所望によりブレンド組成物を溶媒中に希釈可能である。代替的に、各個別有機スズ組成物を所望の溶媒中に希釈して識別可能有機スズ溶液を形成可能であり、次いでその後、各個別有機スズ溶液を組み合わせてブレンド溶液を形成可能である。一般的には、加水分解性配位子は、ブレンド組成物全体の各個別有機スズ成分に関して同じであり得るか又は異なり得る。いくつかの実施形態では、改善された感光性組成物は、少なくとも1モル%を含み得る。ブレンド溶液中の所望の成分のSnは、さらなる実施形態では少なくとも10モル%である。ブレンド溶液のSnは、さらなる実施形態では少なくとも20モル%である。ブレンド溶液のSnは、さらなる実施形態では少なくとも50モル%である。ブレンド溶液の具体的な所望の成分のSn。ブレンド溶液の明示された範囲以内での改善された感光性組成物のモル%の追加範囲が企図されると共に、本開示の範囲内にある。
本明細書に記載の有機スズ組成物は、一般にそれらの蒸気圧が高いため、気相堆積を介してコーティングを形成するための前駆体として有用であり得る。気相堆積法としては、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)、原子層堆積(ALD)及びそれらの修正形態が一般に挙げられる。典型的気相堆積プロセスでは、有機スズ組成物は、小分子気相試薬、例えばHO、O、H、O、CHOH、HCOOH、CHCOOHなどと反応させることが可能であり、これらは、感放射線性有機スズ酸化物及び酸化水酸化物コーティングの生成のためのO及びH源の役割を果たす。加水分解性配位子としてアルキルアミド又はアルコキシドを含む有機スズ組成物は、有機スズ酸化物/水酸化物コーティングを形成するための気相堆積技術での使用に特に望ましいものであり得る。放射線パターニング可能有機スズコーティングの気相堆積は、Wuらにより「Methods for Making EUV Patternable Hard Masks」という名称のPCT出願PCT/米国特許出願公開第2019/031618号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)及び以上で引用された’618特許に記載されている。感放射線性有機スズコーティングの生成は、揮発性有機スズ前駆体RSnLと小気相分子とを反応させることにより一般に達成可能である。反応は、Sn-C結合を実質的にインタクトな状態で残しつつ加水分解性配位子を加水分解するために、有機スズ前駆体の加水分解/縮合を含み得る。
放射線ベースパターニングのための代表的プロセス、例えば極紫外(EUV)リソグラフィックプロセスの概要に関して、フォトレジスト材料は、基材上に薄膜として堆積又は被覆され、露光前ベークされ、放射線パターン露光で潜像が作成され、露光後ベークされ、次いで液体、典型的には有機溶媒により又は乾式現像技術により現像され、レジストの現像パターンを生成する。所望によりより少ないステップを使用可能であり、追加工程は、残渣を除去してパターン忠実度を改善するために使用可能である。
放射線パターニング可能コーティングの厚さは、所望のプロセスに依存し得る。単一パターニングEUVリソグラフィーでの使用では、コーティング厚さは、低欠陥率及びパターニング再現性を有するパターンを生成するように一般に選択される。いくつかの実施形態では、好適なコーティング厚さは、0.5nm~100nm、さらなる実施形態では約1nm~50nm、さらなる実施形態では約2nm~25nmであり得る。コーティング厚さの追加範囲が企図されると共に、本開示の範囲内にあることは、当業者によって理解されるであろう。気相堆積技術により作製される放射線パターニング可能コーティングのコーティング厚さは、反応時間又はプロセスサイクルの適切な選択を介して一般に制御可能である。
基材は、コーティング材料を堆積可能な表面を一般に提示すると共に、表面が最上側層に関連する複数の層を含み得る。基材は、特に限定されるものではなく、いずれかの合理的材料、例えばシリコン、シリカ、他の無機材料、例えばセラミック及びポリマー材料を含み得る。シリコン含有材料は、感放射線性コーティングとしての適用後、改善された安定性を有することが観測される。この安定性改善は、さらに以下に記載される。
改善された組成物の調製
各種合成実施形態は、MSnL(式中、Mは、1つ以上の(+1)又は(+2)金属イオンであり、及びLは、加水分解性配位子、具体的にはジアルキルアミド又はアルキルアセチリドである)の式で表される中間体混合物を最初に合成するという通常の概念に基づく合成に適合化可能である。一般に、中間体は、約0.005M~約2M、さらなる実施形態では約0.01M~約1.75M、他の実施形態では約1.5M~約0.025Mのスズ含有率に基づく濃度で形成される。これらの明示された範囲内の濃度の追加範囲が企図されると共に、本開示の範囲内にあることは、当業者であれば分かるであろう。この中間体をRX(式中、Xは、ハロゲン化物原子である)と反応させるとRSnLが形成され、所望によりこれをさらに使用可能である。いくつかの実施形態では、MはLiであり得る。他の実施形態では、Mは、別のアルカリ金属、例えばNa、K、Rb又はCsであり得る。いくつかの実施形態では、Mは、アルカリ金属と共にアルカリ土類金属、例えばMg、Ca、Sr又はBaをさらに含み得る。さらなる実施形態では、Mは、アルカリ金属と共に擬アルカリ土類イオン、例えばZn、Cd又はHgをさらに含み得る。いくつかの実施形態では、Mは、上述したいずれかのアルカリ金属、アルカリ土類金属又は擬アルカリ土類金属の混合物であり得る。Mの適正選択は、好適な収率及び純度で進行する所望のアルキル化(すなわちSn-C結合の形成)反応を可能にする熱力学的及び/又は速度論的因子、例えばMとSnとの電気陰性度差により駆動可能である。例証合成は、カリウムKイオンで実施される。好適なMの選択に影響を及ぼし得る他の因子は、反応剤/生成物により提示される有害性(例えば、自燃性、毒性)及び反応剤/生成物の物理的性質などの物理的要件であり得る。いずれの場合にも、リチウムの代わりに若しくはそれに加えて代替アルカリ金属イオンを用いることにより又はリチウム若しくは他のアルカリ金属イオンに加えてアルカリ土類若しくは擬アルカリ土類イオンを導入することにより、いくつかの状況でより良好な収率及びより純粋な生成物を達成可能であることを発見した。中間体は安定であるが(例えば、析出物は形成されないが)、それらの反応性及び結果としてそれらを単離する際の困難さが理由で、中間体の構造は、利用可能な測定及び合理的代替物のレビューから推測される。したがって、理想化式MSnLは、より正確には、Mが以上に記載の1つ以上の金属を含み得る複合中間体混合物であるものと理解可能である。
理論により限定されることを望むものではないが、Mの適正選択は、MSnL中間体(求核剤)とRX(求電子剤)とのアルキル化反応の反応性による影響を受ける可能性があると考えられる。より高い反応性のR基、例えば低いC-Sn結合解離エネルギーを有する及び/又は高い求電子性を有する基では、アルキル化反応から発生するエネルギーの放出は、Sn-C結合の分解に寄与し不十分な生成物収率をもたらすと考えられる。したがって、求電子性アルキルハロゲン化物が求核性MSnL中間体と反応したときに放出されるエネルギーを低減するために、Mは、より高い電気陰性度(すなわちより低い電気陽性)の金属を含むことが好ましいこともある。反対に、より低い反応性のR基では、所望のRSn結合の収率を増加させるために、より低い電気陰性度(すなわちより高い電気陽性)を有する金属を選択することが望ましいこともある。
こうした原理に基づいて、感光性組成物は、下記の反応:
RX+MSnL→RSnL+MX (2)
RSnL+過剰ROH→RSn(OR
(式中、Mは、金属イオン(アルカリ、アルカリ土類又は擬アルカリ土類)であり、Xは、ハロゲン化物(F、Cl、Br又はI)であり、且つ加水分解性配位子Lは、ジヒドロカルビルアミド又は有機(ヒドロカルビル又はシリル)アセチリドである)
により表される2ステッププロセスを介して合成可能である。例証形態では、反応は、M=K及びL=TMSAが関与し、そこで、反応は、
RX+KSn(TMSA)→RSn(TMSA)+KX (3)
R(TMSA)+過剰ROH→RSn(OR
(式中、Rは、以上に記載の1個以上のシリコン又はゲルマニウムヘテロ原子を含むヒドロカルビル基であり、Xは、ハロゲン化物であり、且つRは、≦12個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)
となる。(CHSiCHCH-は代表的R基であり、且つメチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、アミル及びtert-アミルは、Rの例である。反応剤としてのRX化合物の広範な入手可能性及び対応する反応での化合物の幅広い反応性は、多くのモノ有機スズ組成物の形成のために広範にわたるR配位子を生成物に導入する能力を提供する。
一般論として、重原子(シリコン/ゲルマニウム)富化モノヒドロカルビルスズトリアミド及びモノヒドロカルビルスズトリアセチリドは、下記の総括反応:
3HNR’+3MR’’(+M’Z)+SnX+RX’→RSn(NR’+副生成物、又は
3R’CCH+3MR’’(+M’Z)+SnX+RX’→RSn(CCR’)+副生成物 (4)
(式中、X、X’は、独立して、ハロゲン化物であり、且つR’’は、一般に、≦10個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)
により調製可能である。R’’は、副生成物、一般的にはHR’’に組み込まれた状態になり、そこで、そのアイデンティティーは、一般に、特に限定されるものでも有意ものでもなく、それは、一般的入手可能性、低コスト、副生成物の除去の容易性及び良好な反応性に関して選択可能である。R’’のいくつかの好適例は、メチル、エチル、プロピル、n-ブチル及びtert-ブチルである。R’基は、以上に記載のように、生成物組成物の対応する加水分解性配位子に対する置換基を提供する。こうした反応では、Mは、一般的にはリチウムであるが、リチウムは、他のアルカリ金属、すなわちナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムで置き換えることが可能である。カッコ内のM’Zは、任意の反応剤M’’OR’’又はM’’’X(式中、M’’はアルカリ金属イオンを表し、OR’’は、不動態を維持するアルコキシドであり、且つM’’’は、ハロゲン化物として提供されるアルカリ土類/擬アルカリ土類金属イオンであり、Xは、ハロゲン化物イオンである)である。こうした反応は、以上で引用された’316出願にさらに記載されている。
いくつかの目標生成物に対する実用的観点から、アルカリ金属アルコキシド(MOR)が反応の第1のステップに添加される場合、反応は、反応に対してより良好な収率及び速度を達成する。加えて、望ましい反応剤は、かかる処理に対してより簡単に入手可能なものである。それにもかかわらず、いくつかの有機配位子では、より良好な収率は、非リチウムアルカリ金属化合物の導入により得ることが可能である。そのため、カリウムが関与するさらなる例証実施形態は、下記総括反応:
3HNR’+3LiR’’+KOR+SnX+RX’→RSn(NR’+副生成物、又は
3R’CCH+3LiR’’+KOR+SnX+RX’→RSn(CCR’)+副生成物 (5)
を有する。こうした式により表される反応では、カリウム(K)は、他の非Liアルカリ金属イオンで置き換えることが可能である。KSn(TMSA)の調製は、’316出願から採用される。
現在、アルカリ金属スズトリアミド又はアルカリ金属スズトリアセチリドの単離は、達成されていない。改善された合成技術は、中間体の精密なアイデンティティーに左右されず、本明細書での一般的考察は、出発材料全体及び単離し特徴付け可能な最終的生成物に焦点を当てる。それにもかかわらず、中間体の仮定されたアイデンティティー、例えばKSn(TMSA)は、存在する種から得られる強い推測に基づいている。特定使用溶媒では、金属イオンは、十分に溶媒和されると予想されない。それにもかかわらず、組成物は、溶液中に残留し、そこで、大クラスター形成及びゲル化は観測されない。理論により限定されることを望むものではないが、有機金属試薬、例えばアルキルリチウム、アルキルマグネシウム(グリニャール試薬)及びカリウムtert-ブトキシドは、金属-金属結合を有するクラスター、例えばテトラマー、ヘキサマー及びクバンを形成することが知られており、したがってこれまで特徴付けが無視されてきたおそらく複合平衡混合物で類似の種が溶液中で形成されるとするのが合理的である。その場合、既知種の相対的安定性からいずれの中間種が存在するかを予想可能であることが示唆されるが、反応へのそれらの基本的化学的関与を理解するうえで精密な構造的特徴付けは必要でない。種の反応性は、溶媒を除去して種を単離することができないことに合致していると思われる。
以上では総括反応が提示されているが、こうした反応は、複数のステップで実施可能である。反応剤の1つが二塩化スズなどの二ハロゲン化スズであるため、溶媒選択の要件は、二ハロゲン化スズの適切な溶解性が関与し得る。ジヒドロカルビルアミン及びモノアルキルリチウム(又は一般にモノアルキルアルカリ金属)などの他の初期反応剤は、異なる溶媒に可溶であり得る。いくつかの実施形態では、反応剤は、反応剤の部分的溶解性が原因で初期はスラリー形態であり得る。反応は、酸素不含又は枯渇雰囲気、例えば窒素パージ雰囲気、アルゴン又は他の不活性雰囲気下、無水(すなわち実質的に水を含まない)有機溶媒中で一般に実施される。溶媒は、各種成分の溶解性を生じるように選択可能である。溶媒と金属イオンとの相互作用に起因して、溶媒の選択は、選択溶媒中での反応速度に少なくとも部分的に基づき得ると共に、これは、経験的に評価可能である。異なる溶媒が選択される場合、それらは一般に混和性である。非プロトン性極性溶媒、例えばエーテル(例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン及びそれらの混合物は、一般に有用である。溶媒は、反応剤、中間体及び生成物に対して不活性であるように一般に選択されるべきである。例えば、識別可能反応剤を導入するために、複数の溶媒が使用される場合、溶媒は一般に、互いに混和性であるべきである。第1の反応は、MSnL中間体(式中、Lは、ジアルキルアミド(ジヒドロカルビルアミド)又はアルキルアセチリド(ヒドロカルビルアセチリド)である)の合成とみなすことが可能であるが、特定構造は検証されていない。反応剤及び反応条件から、証拠はスズ-配位子結合の形成を示唆し、そこで、部分SnLの存在は、可能性があるように思われると共に、金属カチオンは、安定化のためにスズ部分に会合する可能性があるように思われるが、特定構造は、複合平衡混合物で存在し得る。この第1の反応は、所望により、金属配位子組成物(ML)の形成を指向する第1のサブ反応及びSnCl又は他の二ハロゲン化スズとの後続サブ反応を含む2つの別々の反応とみなすことが可能である。詳細に記載されるように、Mは、アルカリ金属並びにアルカリ土類金属及び/又は擬アルカリ土類金属であり得る。一般的には、第1の反応では、溶液は、一般に10℃未満、いくつかの実施形態では0℃に冷却され、これは、氷浴の使用に便利な温度であり得るが、非水性溶液では、この温度は特別なことではない。冷却は、合理的反応速度を維持しつつ所望の反応制御を可能にするが、冷却温度は、反応の全時間にわたり維持しなくてもよい。第1のサブ反応は、特に限定されるものではなく実用的長さで実施可能である。第1のサブ反応は、少なくとも約30秒間、他の実施形態では少なくとも約2分間、いくつかの実施形態では1分間~5時間、いくつかの実施形態では約2分間~約3時間継続可能である。いくつかの実施形態では、2つのサブ反応は、組み合わせて本質的に単一反応として進行可能であり、これは、効果的に第1のサブ反応がゼロ時間又は第1のサブ反応が短時間である。非リチウムアルカリ金属アルコキシド及び/又はアルカリ土類(又は擬アルカリ土類)二ハロゲン化物が反応剤として導入される場合、この化合物は、概念的に、第1のサブ反応若しくは第2のサブ反応の一部として又は場合により第1のサブ反応及び第2のサブ反応間の第3のサブ反応との関連で添加可能である。以上に明示された範囲内での時間及び温度の追加範囲が企図されると共に、本開示の範囲内にあることは、当業者であれば分かるであろう。
一般に、アルキルリチウム反応剤及びアミン/アセチレン反応剤は、ほぼ化学量論量であるが、一般に、小~中過剰のアミン/アセチレン反応剤が使用され、例えば約1モルパーセント(モル%)~約50モル%のアミン/アセチレン反応剤を使用可能である。非リチウムアルキルアルカリ金属化合物が使用される場合、類似の化学量論量又は配位子前駆体(ジアルキルアミン又はアルキルアセチレン/シリルアセチレン)を使用可能である。一般に、各スズに対して3つの配位子を付加するためにSnのモル量に対して3:1比でML組成物を有することが望ましい。非リチウム金属アルコキシアルカリ金属化合物がアルキルリチウムと共に使用される場合、アルキルリチウムは、アミン/アセチレン反応剤に対してモル当量に基づく量を有し得ると共に、非アルカリ金属化合物は、添加されるスズ化合物と均等なモル量を有し得るが、所望により、追加量のMLが形成されない限り、より多量の金属(アルカリ金属又はアルカリ土類金属又は擬アルカリ土類金属)を使用可能である。スズ反応剤は、対応する実施形態では、各スズ原子に対して3つの配位子スズ結合を形成するように反応剤に寄与するML配位子に対しておよそのモル当量(1:3)で添加可能である。1、2又は4つの配位子を含むスズ副生成物からの汚染物質量が少ないことから、スズ対ML反応剤のモル比制御の有効性が確認される。反応剤溶液中の金属濃度は、一般的には約0.025M~約2M、さらなる実施形態では約0.5~約1.5Mである。以上に明示された範囲内での濃度範囲及び許容化学量論比が企図されると共に、本開示の範囲内にあることは、当業者であれば分かるであろう。
第2の反応は、スズに結合された有機配位子の形成を伴う炭素-スズ結合の導入が関与する。炭素-スズ結合は、概念的に、金属-スズ結合を置き換え、金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び/又は擬アルカリ土類金属である。スズに結合される有機配位子は、有機ハロゲン化物RXとの反応から生じる。一般に、炭素-スズ結合を形成するために少なくとも約化学量論量の有機ハロゲン化物が導入されるが、過剰有機ハロゲン化物を導入可能である。いくつかの実施形態では、3倍モル過剰までの有機ハロゲン化物を反応に使用可能であり、さらなる実施形態では、Snのモルに対して約1~約2モル当量のRXを使用可能である。溶媒は、第1の反応に使用されるものと同じであり得るか、又は同じ利用可能な溶媒及びそれらの混合物から選択可能である。第1の反応の生成物は、一般に、第2の反応を実施する前に精製されないが、副生成物は、便利であれば、除去可能である。金属濃度は、一般に、第1の反応ステップの濃度に類似しているが、通常、希釈に起因してわずかに低い。反応の発熱性を考慮して、第2の反応は、必ずというわけではないが、一般的には低温、例えば約0℃又はより一般的には約-78.5℃~約10℃で開始されるが、いくつかの実施形態では、反応剤は、室温で組合せ可能である。第2の反応のために反応剤を混合した後、反応は、同じ温度で継続させることが可能であるか、又は約20℃~約50℃の温度若しくは室温(20~24℃)に徐々に加温することが可能である。反応は、少なくとも約15分間、いくつかの実施形態では約15分間~約24時間、いくつかの実施形態では約30分間~約15時間にわたり行うことが可能であるが、所望により、より長い反応時間を使用可能である。第2の反応に対して以上に与えられた濃度、モル比、温度及び時間の追加範囲が企図されると共に、本開示の範囲内にあることは、当業者であれば分かるであろう。
本明細書に記載の反応の発熱性に起因して、合成の各種パラメーター、例えば反応剤量、反応温度、試薬添加時間、反応時間などを修正することが有益であり得る。かかる要件は、当業者であれば分かる。反応を解析し好適なプロセス条件を実施者に通知するのに有用な解析技術は、反応熱量測定である。熱量測定データは、所与の反応に有用な熱力学変数を提供可能である。特に、スケール依存変数(例えば、エンタルピー熱)は、所望の反応に対して測定可能であると共に、より大きいスケールで適正に反応を行うために使用可能である。こうして、プロセス変数は、異なるスケールの反応に対して好適に制御可能である。反応熱量測定データは、’316出願のいくつかの実施例に含まれる。以下の実施例のガイダンスと共に以上に提示されたガイドラインの範囲内で、特定反応に対する具体的パラメーターをアジャストして所望の結果を提供可能であることは、当業者であれば分かるであろう。ルーチン実験を用いた最適化は、当業者であれば広範にわたる生成物組成物に対するこうした教示に基づいて実施可能である。例証反応は、生成物組成物に対して良好な収率及び高特異性をもたらす。
生成物を形成したら、有機スズトリ(ジヒドロカルビルアミド/ヒドロカルビルアセチリド)を精製可能である。精製は、生成物の性質に依存するが、一般に、副生成物及び場合によりいずれかの未反応試薬からの所望の生成物の分離が関与する。精製は、乾燥又は真空への暴露により、生成物混合物から、溶媒を含むいずれかの揮発性化合物を除去することも含み得る。有意な蒸気圧を有する生成物では、真空蒸留又は所望により高純度を達成するように設計された分別蒸留を介して生成物を精製することが望ましいこともある。「Monoalkyl Tin Trialkoxides and/or Monoalkyl Tin Triamides With Low Metal Contamination and/or Particulate Contamination and Corresponding Methods」という名称のClarkらに付与された米国特許出願公開第2020/0241413号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。生成物は、反応させて有機スズトリアルコキシドなどの誘導体も形成し得、これは、以上の技術及び当技術分野で公知の他の手段によりさらに精製され得る。精製は、トリアルコキシドを形成する前に実施されても又はされなくてもよい。
いくつかの実施形態では、加水分解性配位子は、アルコキシドである。アルコキシドは、その貯蔵安定性、加水分解性感受性及び相対的に無害な加水分解生成物、すなわちアルコールに起因して、酸化水酸化物コーティングを溶液処理するための加水分解性配位子として特に好適である。有機スズアミド及びアセチリドから有機スズアルコキシドへの変換は、下記の反応:
RSn(CCR’)+3R’’OH+3NR’’’→RSn(OR’’)
(式中、Rは、1~10個の炭素原子と、1個以上のシリコン又はゲルマニウム原子とを含むヒドロカルビル基であり、且つR’、R’’及びR’’’は、同じであるか又は異なり、一般に≦12個の炭素原子を含むアルキル基である)
により記載されるアルコリシスを介して一般に達成可能である。特に好適な基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル(アミル)及び適用可能なときはそれらのそれぞれの異性体、例えばtert-ブチル及びtert-アミルである。
いくつかの実施形態では、感光性組成物は、改善されたフォトレジスト溶液を調製するために溶媒に溶解可能である。好適な溶媒は、当然ながら、改善された感光性組成物が好適に可溶なものを含まなければならないが、引火性、粘性、毒性、揮発性などのその物理的性質に基づいて選択可能である。好適な溶媒に対する他の要件は、コスト及び他の処理用材料との潜在的相互作用であり得る。好適な溶媒のいくつかの例としては、アルコール(例えば、4-メチル-2-ペンタノール、1-ブタノール、シクロヘキサノール)、エステル(例えば、エチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルラクテート)、エーテル(例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル)、ケトン(例えば、2-ヘプタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、1-ブタノン、4-メチル-2-ペンタノン)、それらの混合物などが挙げられる。明示的に列挙されていない他の好適な溶媒が想定されることは、当業者によって理解されるであろう。改善されたフォトレジスト溶液は、以下に記載の放射線パターニング可能コーティングを形成するために使用可能である。
いくつかの実施形態では、改善された感光性組成物は、以上に記載の好適な溶媒中への溶解前に部分又は完全加水分解可能である。かかる加水分解組成物では、改善された感光性組成物の加水分解性配位子は、Sn-C並びにSn-O及び/又はSn-OH結合を含む縮合クラスター中のO又はOH配位子により部分又は完全置換えされる。
放射線パターニング可能コーティング
放射線パターニング可能コーティングは、選択基材上への堆積及び感光性組成物の後続処理を介して形成可能である。放射線パターニング可能コーティングの堆積は、当業者に公知の各種手段を介して達成可能である。有機スズ材料を採用した特に有用な堆積技術は、Meyersらによる「Organotin oxide hydroxide patterning compositions,precursors,and patterning」という名称の米国特許第10,228,618号明細書及びWuらによる「Methods for Making EUV Patternable Hard Masks」という名称のPCT特許出願PCT/米国特許出願公開第2019/031618号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
溶液堆積が所望される場合、特に有用な溶液堆積法はスピンコーティングである。スピンコーティングは、当技術分野で周知であり、半導体製造時のフォトレジスト処理に特に有用であり得る。典型的スピンコーティングプロセスでは、フォトレジスト溶液は、Siウエハなどの基材の表面に送達され、基材は、コーティングを形成するために迅速に回転される。スピンコーティングプロセス時、有機スズ組成物の加水分解性スズ-配位子結合は、大気水と反応して有意な加水分解及び縮合を起こすことにより、感放射線性Sn-C結合及び潜在的間隙構成水と共にSn-O-Sn及びSn-OHネットワークを含むコーティングを基材上に形成することが可能である。いくつかの実施形態では、改善されたフォトレジスト溶液は、500~3000rpmのスピン速度でスピン被覆される。スピン速度は、特に限定されるものではないが、所望のコーティング厚さを生成するように一般に調整される。一般的には、所与のフォトレジスト溶液に対してスピン速度が遅い方が、スピン速度が速いよりも厚いコーティングを生成する。スピン速度とコーティング厚さとの関係は、当業者によって理解されるであろう。
コーティング厚さは、フォトレジスト溶液中のSnの濃度にも依存し得る。いくつかの実施形態では、好適な溶媒中での[Sn]濃度は、0.005~約1.0M、さらなる実施形態では約0.01M~約0.5M、さらなる実施形態では約0.05M~約0.1Mである。[Sn]濃度の追加範囲が企図されると共に、本開示の範囲内にあることは、当業者によって理解されるであろう。
放射線パターニング可能コーティングの厚さは、所望のプロセスに依存し得る。単一パターニングEUVリソグラフィーでの使用では、コーティング厚さは、低欠陥率及びパターニング再現性を有するパターンを生成するように一般に選択される。いくつかの実施形態では、好適なコーティング厚さは、0.5nm~100nm、さらなる実施形態では約1nm~50nm、さらなる実施形態では約2nm~25nmであり得る。コーティング厚さの追加範囲が企図されると共に、本開示の範囲内にあることは、当業者によって理解されるであろう。
他の実施形態では、放射線パターニング可能コーティングは、各種気相堆積法、例えば原子層堆積(ALD)、化学気相堆積(CVD)、物理気相堆積(PVD)などを介して形成可能である。典型的気相堆積技術では、一般に、1つ以上の金属含有前駆体と、酸化物及び酸化水酸化物の生成のためのO及びH源の役割を果たす1つ以上の小分子気相試薬、例えばHO、H、O、O又はCHOHとを反応させる。そのため、加水分解性化合物は、対応するアルキルスズ酸化水酸化物コーティングとして気相加水分解を介して直接堆積可能であり、次いでこれを適切にパターニング可能である。
CVD法では、一般に、チャンバー内の基材表面の近傍で2つ以上の反応剤ガスが混合される。したがって、望ましくない気相反応及び核形成を制御するために、十分な安定性を設計し反応条件に導入可能である。反応チャンバーに別々に逐次導入されるALD前駆体は、典型的には、化学吸着された共前駆体又は分解生成物と反応し、基材表面を飽和する。RSnX前駆体の望ましい特徴としては、例えば、系内の気相輸送に十分な揮発性、早期分解を防止する熱安定性及び規定プロセス条件下で目標生成物を生成する共前駆体との適切な反応性が挙げられる。反応チャンバー内の圧力及び温度は、反応プロセスを制御するために選択可能である。
気相堆積技術により作製される放射線パターニング可能コーティングのコーティング厚さは、反応時間又はプロセスサイクルの適切な選択を介して一般に制御可能である。放射線パターニング可能コーティングの厚さは、所望のプロセスに依存し得る。単一パターニングEUVリソグラフィーでの使用では、コーティング厚さは、低欠陥率及びパターン忠実度再現性を有するパターンを生成するように一般に選択される。いくつかの実施形態では、好適なコーティング厚さは、0.5nm~100nm、さらなる実施形態では約1nm~50nm、さらなる実施形態では約2nm~25nmであり得る。コーティング厚さの追加範囲が企図されると共に、本開示の範囲内にあることは、当業者によって理解されるであろう。
基材は、コーティング材料を堆積可能な表面を一般に提示すると共に、表面が最上側層に関連する複数の層を含み得る。基材は、特に限定されるものではなく、いずれかの合理的材料、例えばシリコン、シリカ、他の無機材料、例えばセラミック及びポリマー材料を含み得る。
感放射線性コーティングの堆積及び形成後、放射線による露光前にさらなる処理を採用可能である。いくつかの実施形態では、コーティングは、30℃~300℃、さらなる実施形態では50℃~200℃、さらなる実施形態では80℃~150℃で加熱可能である。加熱は、いくつかの実施形態では約10秒間~約10分間、さらなる実施形態では約30秒間~約5分間、さらなる実施形態では約45秒間~約2分間実施可能である。以上の明示された範囲内での温度及び加熱持続時間の追加範囲が予期及び想定される。こうした加熱プロセスは、大気条件下又はパターニングされた構造の欠陥率及び再現性に影響を及ぼすHO、CO、CO、H、N、HS、HCl、Arなどのガスの制御分圧下で行われ得る。
感放射線性コーティング材料の安定性は、コーティングで評価可能である。特に、特定R基の熱安定性は、照射前の加熱ステップ時に分光学的に評価可能である。安定性は、加熱を120秒間実施して50℃~250℃の加熱温度の関数としてCH振動(例えば、C-H伸縮及び変角モード(2957、2924、2858、1391及び1331cm-1))に関連する吸収の大きさの和をとることによりFTIR分光法を用いて便利に追跡可能である。これは、3005cm-1~2765cm-1の範囲下の面積を計算することにより推定される。赤外強度の低下は、コーティングのR基の損失に対応する。一般的には、R基は、ある温度までコーティング内で相対的に一定した状態を維持するが、次いでその温度を超えると急速に膜を離れて(すなわち分解して)CH吸収対ベーク温度のプロット上に急な負の傾きを与えることが望ましい。この安定性試験で膜を評価するには、膜を比較するために初期値を使用可能な場合、赤外吸収が95%未満に低下する温度とする。
組成物のパターニング
放射線は、一般に、マスクを介して被覆基材に方向付け可能であるか、又は放射線ビームは、基材を横切って制御可能にスキャン可能である。一般的には、放射線は、電磁線、電子ビーム(ベータ線)又は他の好適な放射線を含み得る。一般的には、電磁線は、可視線、紫外線、X線などの所望の波長又は波長範囲を有し得る。放射線パターンの達成可能な分解能は、一般に、放射線波長に依存し、より高分解能のパターンは、一般に、より短波長の放射線で達成可能である。そのため、特に高分解能のパターンを達成するために、紫外光、X線又は電子ビームを使用することが望ましいこともある。
国際規格ISO21348(2007)(参照により本明細書に組み込まれる)に準拠して、紫外光は、100nm以上且つ400 30nm未満の波長にわたる。フッ化クリプトンレーザーは、248nm紫外光源として使用可能である。紫外範囲は、10nm以上121nm未満の極紫外(EUV)及び122nm以上200nm未満の遠紫外(FUV)など、認められた規格下でいくつかの方法で細分可能である。フッ化アルゴンレーザーからの193nm線は、FUVの放射線源として使用可能である。13.5nmのEUV光は、リソグラフィーに使用されてきており、この光は、高エネルギーレーザー又は放電パルスを用いて励起されたXe又はSnプラズマ源から発生される。軟X線は、0.1nm以上5 10nm未満で定義可能である。
電磁線量は、露光時間に対する積分放射フラックスにより得られるフルエンス又は線量により特徴付け可能である。いくつかの実施形態では、好適な放射線フルエンスは、約1mJ/cm~約200mJ/cm、さらなる実施形態では約2mJ/cm~約150mJ/cm、さらなる実施形態では約3mJ/cm~約100mJ/cmであり得る。ある実施形態では、EUV線は、約150mJ/cm以下の線量で行うことが可能であるか、又は30kVで約2mC/cmと等価以下の線量の電子ビームであり得る。以上に明示された範囲内での放射線フルエンスの追加範囲が企図されると共に、本開示の範囲内にあることは、当業者であれば分かるであろう。
コーティング材料の設計に基づいて、縮合コーティング材料を有する照射領域と実質的にインタクトなSn-C結合を含む未照射コーティング材料との間に材質の性質の大きいコントラストが存在し得る。照射後の熱処理が用いられる実施形態では、照射後の熱処理は、約45℃~約300℃、他の実施形態では約50℃~約225℃、さらなる実施形態では約60℃~約175℃の温度で実施可能である。露光後の加熱は、一般に、少なくとも約0.1分間、さらなる実施形態では約0.5分間~約30分間、他の実施形態では約0.75分間~約10分間実施可能である。以上に明示された範囲内での照射後の加熱温度及び時間の追加範囲が企図されると共に、本開示の範囲内にあることは、当業者であれば分かるであろう。材質の性質のこうした高コントラストは、以下のセクションに記載のように、現像後のパターンに平滑エッジを有する高分解能ラインの形成をさらなる促進する。
ネガティブトーンイメージングでは、現像剤は、前駆体溶液を形成するために使用される溶媒などの有機溶媒であり得る。一般的には、現像剤の選択は、照射された及び未照射のコーティング材料の両方に対する溶解度パラメーター並びに現像剤の揮発性、引火性、毒性、粘性及び他のプロセス材料との潜在的化学的相互作用による影響を受け得る。特に、好適な現像剤としては、例えば、アルコール(例えば、4-メチル-2-ペンタノール、1-ブタノール、イソプロパノール、1-プロパノール、メタノール)、エチルラクテート、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール)、ケトン(ペンタノン、ヘキサノン、2-ヘプタノン、オクタノン)などが挙げられる。現像は、約5秒間~約30分間、さらなる実施形態では約8秒間~約15分間、他の実施形態では約10秒間~約10分間実施可能である。以上に明示された範囲内での追加範囲が企図されると共に、本開示の範囲内にあることは、当業者であれば分かるであろう。主要現像剤組成物に加えて、現像剤は、現像プロセスを促進する添加剤を含み得る。好適な添加剤としては、例えば、粘度調整剤、溶解促進剤又は他の処理助剤が挙げられ得る。任意の添加剤が存在する場合、現像剤は、約10重量パーセント以下の添加剤、さらなる実施形態では約5重量パーセント以下の添加剤を含み得る。以上に明示された範囲内での添加剤濃度の追加範囲が企図されると共に、本開示の範囲内にあることは、当業者であれば分かるであろう。
より弱い現像剤、例えば希釈有機現像剤又はコーティングがより低い現像速度を有する組成物では、より高温の現像プロセスを用いて溶解速度を増加させることが可能である。より強い現像剤では、現像速度を低減するために及びそのキネティクスを制御するために、現像プロセスの温度をより低くし得る。一般的には、現像温度は、溶媒の揮発性に合致する適切な値間でアジャスト可能である。加えて、現像剤-コーティング界面の近くの溶解されたコーティング材料を含む現像剤は、現像時に超音波処理で分散可能である。現像剤は、いずれかの合理的アプローチを用いて、パターニングされたコーティング材料に適用可能である。例えば、現像剤は、パターニングされたコーティング材料上にスプレー可能である。スピンコーティングも使用され得る。自動処理では、静置フォーマットでのコーティング材料上への現像剤の注加が関与するパドル法を使用可能である。所望により、スピン濯ぎ及び/又は乾燥を用いて現像プロセスを完了させることが使用可能である。好適な濯ぎ溶液としては、例えば、超純水、水性テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール及びそれらの組合せが挙げられる。像を現像した後、コーティング材料は、パターンとして基材上に配設される。
いくつかの実施形態では、「Photoresist Development With Halide Chemistries」という名称のPCT特許出願PCT/米国特許出願公開第2020/039615号明細書(参照により本明細書に組み込まれる)にTanらにより記載されたものなど、適切な熱現像又はプラズマ現像プロセスの使用を介して、無溶媒(乾式)現像プロセスを行い得る。有機スズフォトレジストコーティングでは、HBr及びBClなどのハロゲン含有プラズマ及びガスを用いて乾式現像を行うことが可能である。いくつかの場合、乾式現像は、湿式現像よりも優れた利点、例えばパターン崩壊の低減、スカムの減少、現像条件及び組成物、すなわちプラズマ及び/又はエッチングガスを介する微細制御を提供し得る。
現像ステップの完了後、コーティング材料を加熱して、材料のさらなる脱水及び縮合、残留現像剤の除去又は両方を行うことが可能である。現像プロセスは、一般に、ミクロン未満のサイズを有する少なくとも1つの寸法並びに多くの場合にナノスケールの厚さ及び幅を有するナノスケールフィーチャーの形成をもたらす。この熱処理は、酸化物コーティング材料が最終デバイスに組み込まれる実施形態に特に望ましいものであり得るが、コーティング材料がレジストとして使用され最終的に除去されるいくつかの実施形態で熱処理を実施することが望ましいこともある。特に、パターニングされたコーティング材料をベークするステップは、所望のレベルのエッチング選択性を生成する条件下で実施可能である。いくつかの実施形態では、パターニングされたコーティング材料は、約100℃~約600℃、さらなる実施形態では約175℃~約500℃、他の実施形態では約200℃~約400℃の温度に加熱可能である。加熱は、少なくとも約1分間、他の実施形態では約2分間~約1時間、さらなる実施形態では約2.5分間~約25分間実施可能である。加熱は、空気中、真空中又はAr若しくはNなどの不活性ガス雰囲気中で実施され得る。以上に明示された範囲内での熱処理の温度及び時間の追加範囲が企図されると共に、本開示の範囲内にあることは、当業者であれば分かるであろう。同様に、ブランケットUV露光又はOなどの酸化性プラズマへの暴露を含む非熱処理も類似の目的で利用され得る。
実施例1.(1)エチルトリメチルシリルスズトリス(トリメチルシリルアセチリド)を調製し(2)アルコキシドに変換する方法。
この実施例は、C-Sn結合を介してスズに結合されたシリコン含有アルキル配位子を形成するための下記の2つの反応に基づく合成に関する。実施例のすべてに記載の実験は、酸素枯渇不活性雰囲気下、例えば窒素、アルゴン又は他の不活性雰囲気下で実施される。
(1)(CHSiCHCHBr+KSn(TMSA)→(CHSiCHCHSn(TMSA)
(2)(CHSiCHCHSn(TMSA)+過剰TEA+過剰t-BuOH→(CHSiCHCHSn(OtBu)
(1)n-ブチルリチウム(ヘキサン中2.6M)をジエチルエーテル中のトリメチルシリルアセチレンの冷(-50℃)溶液に添加した。数分後、THF中のSnCl及びKOtBuのスラリーを添加した。室温に加温しながら、内容物を少なくとも2時間撹拌した。新たに形成されたKSn(TMSA)を-50℃に冷却し、ジエチルエーテル中のブロモエチルトリメチルシランの溶液をゆっくりと添加した。16時間攪拌した後、溶媒を真空中で除去した。生成物をペンタンで抽出し、濾過して沈殿塩を除去した。ペンタンを除去してワックス様低融点固体としてエチルトリメチルシリルスズトリス(トリメチルシリルアセチリド)を与えた。
(2)(1)からの生成物をトリエチルアミン(TEA)及びt-ブタノールの溶液に溶解し、80℃で40時間加熱した。未反応TEA及びtBuOHを真空中で除去し、蒸留により液体としてエチルトリメチルシリルスズトリス(tert-ブトキシド)[(CHSiCSn(OC]を単離した。
図1は、次の化学シフト:119Sn NMR(149MHz、C)δ-269.25ppmを呈する(CHSiCHCHSn(TMSA)119Sn NMRスペクトルである。
図2は、次の化学シフト:H NMR(400MHz、C)δ-0.17(s,9H)、0.06(s,27H)、0.87(m,2H)、1.05(m,2H)ppmを呈する(CHSiCHCHSn(TMSA)H NMRスペクトルである。
図3は、次の化学シフト:119Sn NMR(149MHz、ニート)δ-202.71ppmを呈する(CHSiCHCHSn(Ot-Bu)119Sn NMRスペクトルである。
図4は、次の化学シフト:H NMR(400MHz、ニート)δ-0.23(s,9H)、0.65(m,2H)、1.03(s,27H,m,2H)ppmを呈する(CHSiCHCHSn(Ot-Bu)H NMRスペクトルである。
実施例2.前駆体配合物
100mLのレジスト溶液を調製するために、1.45mLの(CHSiCSn(OC(FW=439.29、ρ=1.06g/cm)(実施例1に従って合成した)をグローブボックス中のガラス容器に添加した。次いで、0.035Mの最終Sn濃度を生成するように4-メチル-2-ペンタノールを容器に添加した。この配合物及びそれに由来する実施例3に記載のコーティングは、E-TMSと称される。
実施例3.レジストコーティングの堆積
この実施例では、実施例2の前駆体溶液に基づくパターニング用コーティングの形成を記載する。
ネイティブ酸化物表面を有する直径10.2cmの円形シリコンウエハを膜堆積用基材として使用した。前駆体を1500RPMで45秒間にわたりSiウエハ上にスピン被覆した。次いで、ウエハを100~180℃の選択温度で120秒間までの時間にわたりベークした。分光学的エリプソメトリーを介してコーティング及びベーキング後の膜厚を測定したところおよそ20nmであった。膜はすべて、原子間力顕微鏡法によって測定されて0.5nm未満の根平均二乗表面粗さを呈する。
前駆体は、大学間マイクロエレクトロニクスセンター(Interuniversity Microelectronics Centre)(IMEC)のLithius PROZトラック上において、選択されたスピン速度で300mmのSiウエハ上にも被覆された。分光学的エリプソメトリーにより膜厚を測定した。図5は、膜厚とスピン速度との関係を例示する。
実施例4.コントラスト及びパターニング
コントラスト
E-TMSの25.9±0.3nm膜をシリコンウエハ上のSOG(「スピンオンガラス」、およそ8.5nmの厚さ)下層上に被覆した。この膜及び商用グレードInpria参照材料(YATU1011(商標))に、オープンフレームで、すなわちマスクなしで、13.5nmの波長で動作するEUV NXE3400Cスキャナーを用いて露光した。スキャナーにより各ウエハ上のパッドアレイに露光した。ウエハを選択温度でベークし、有機溶媒で現像し、次いで250℃でベークしていずれの現像剤残渣も排除した。次いで、エリプソメトリーを介して各パッドの厚さを測定した。
図6は、140、160及び180℃での参照材料及びE-TMS材料の導出されたコントラスト曲線を示す。以下の表は、これらの曲線から抽出された関連パラメーターをまとめたものである。D又は線量対ゲルは、十分な膜厚が達成される線量であり、Dは、厚さ0の最高用量であり、且つコントラストは、D及びD間の曲線のlog傾きである。E-TMS材料は、参照材料よりも有意に高い線量で十分な厚さを達成する。
Figure 2024525339000002
パターニング
SOG被覆シリコンウエハ上に25.6±0.3nmの膜厚で一連のE-TMS膜を堆積した。16P32(32nmピッチで16nmライン幅)パターンをプリントするように設計されたマスクを採用して、NXE3400C EUVスキャナーでサンプル膜及び以上に記載のInpria参照膜に露光した。露光された膜を各種温度でベークし、次いで有機溶媒で現像した。現像に続いて、膜を250℃でベークし、現像剤残渣を排除した。
得られたパターンをHitachi CG5000 CD-SEM(クリティカル寸法走査電子顕微鏡)上で800Vのビーム電圧及び8.0pAのビーム電流でイメージングした。図7は、選択された画像を示し、各パターンに対して線量(mJ/cm)、ライン幅(CD、nm)及びライン幅ラフネス(LWR、nm)をまとめたものである。各画像のトップの見出しは、露光後ベーク温度を規定する。各パターンは、目標ライン幅(16nm)に最も近いCDを表す。220及び240℃でベークされたウエハ上には現像構造に目標CDが存在しなかったため、LWR<10nmで最高CDが示される。
実施例5.熱安定性の評価
この実施例では、Si置換配位子を有する有機スズ組成物及び非置換配位子組成物を有する有機スズ組成物の熱安定性を比較する。
実施例3の方法に従って一群のシリコンウエハ上にE-TMSを被覆した。第2の一群のシリコンウエハ上にSnに結合された非置換炭化水素配位子を有するInpria参照材料を被覆した。次いで、50及び240℃間の選択温度でウエハを120秒間ベークした。バックグラウンドとしてベア基材を用いて、Nicolet 6700分光計上で各膜のフーリエ変換赤外(FTIR)透過スペクトルを収集した。各スペクトルに対していくつかの炭化水素C-H伸縮及び変角モード(2957、2924、2858cm-1)に帰属される2765cm-1~3005cm-1のCH吸光度ピーク面積の和をとり厚さで規格化して、図8に示されるようにベーク温度の関数としてプロットした。およそ110~120℃以上のベーク温度では、参照膜のCH吸光度ピーク面積は、E-TMS膜のピーク面積よりも低かった。ベーク温度の増加に伴って、ピーク面積間パーセント差が増加した。200℃では、E-TMS膜の規格化ピーク面積は約93%であり、且つ参照膜の規格化ピーク面積は約70%であった。参照膜は、およそ125℃で規格化吸収が95%未満に低下し、且つE-TMS膜は、およそ175℃で規格化吸収が95%未満に低下した。E-TMS膜は参照膜よりも熱安定性が高いことが、結果から示される。この実施例は、高原子番号ヘテロ原子を有する有機配位子により提供されるより高い熱安定性の証拠を提供する。配位子中のヘテロ原子が配位子とSn原子との間のC-Sn結合を安定化させることが、結果から示唆される。
以上の実施形態は、例示的であり、且つ限定的でないことが意図される。追加の実施形態は、特許請求の範囲内にある。加えて、特定実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形式及び細部における変更形態がなされ得ることは、当業者であれば分かるであろう。上記の文献の参照による組込みのいずれも、本明細書の明示的な開示に反する主題が組み込まれていないように限定される。特に明記されていない限り、具体的な構造、組成物及び/又はプロセスが構成要素、要素、成分又は他の部分と共に本明細書に記載される範囲内において、本明細書の開示は、具体的な実施形態、具体的な構成要素、要素、成分、他の部分又はそれらの組合せを含む実施形態及び考察で提案される主題の根本的な性質を変化させないさらなる特徴を含み得る、かかる具体的な構成要素、成分若しくは他の部分又はそれらの組合せから本質的になる実施形態を対象とすることが理解されるべきである。

Claims (42)

  1. RSnL(式中、Rは、1~20個の炭素原子と、1個以上のシリコン及び/又はゲルマニウムヘテロ原子とを有するヒドロカルビル配位子であり、及びLは、アセチリド配位子(-C≡CA(式中、Aは、0~6個の炭素原子を有するシリル基又は1~10個の炭素原子を有するオルガノ基である))である)を含む感光性組成物。
  2. 前記1個以上のシリコン又はゲルマニウムヘテロ原子は、スズ原子に直接結合されている炭素原子に結合される、請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 前記ヒドロカルビル配位子は、式RC-(式中、Rは、シリコン又はゲルマニウム原子と0~10個の炭素原子とを含み、R及びRは、独立して、水素又は1~10個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)を有する、請求項1又は2に記載の感光性組成物。
  4. は、シリル基を含む、請求項3に記載の感光性組成物。
  5. 及びRは、メチル基である、請求項3に記載の感光性組成物。
  6. Rは、シアノ、チオ、エーテル、ケト、エステル、ハロゲン化基又はそれらの組合せを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の感光性組成物。
  7. Lは、TMSAを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の感光性組成物。
  8. RSnLは、エチルトリメチルシリルスズトリス(トリメチルシリルアセチリド)を含む、請求項1に記載の感光性組成物。
  9. 前記RSnLは、ウエハ上の前記RSnLのコーティングによって決定されるとき、200℃で120秒間にわたる加熱後、FTIR分析によって測定される規格化CHピーク面積の少なくとも90%を保持して熱安定性である、請求項1~7のいずれか一項に記載の感光性組成物。
  10. 有機溶媒と、請求項1~9のいずれか一項に記載の感光性組成物とを含む溶液。
  11. 前記有機溶媒は、アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル、エーテル、ケトン又はそれらの組合せを含み、前記溶液は、スズ濃度に基づいて約0.005M~約1.4Mの濃度を有する、請求項10に記載の溶液。
  12. 前記有機溶媒は、4-メチル-2-ペンタノールを含む、請求項11に記載の溶液。
  13. RSnL(式中、Rは、(RSi(CHCR -(式中、nは、0~8であり、R及びRは、独立して、水素、ハロゲン化物又は1~4個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)であり、及びLは、加水分解性配位子である)を含む感光性組成物。
  14. n=0~2であり、及びRは、メチル基(CH)である、請求項13に記載の感光性組成物。
  15. Lは、アルコキシド、アセチリド、アミド部分又はそれらの組合せを含む、請求項13又は14に記載の感光性組成物。
  16. Lは、-NR’、-OR’、-CCR’’又はそれらの組合せ(式中、R’は、12個以下の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり、及びR’’は、シリル基又は12個以下の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)を含む、請求項13又は14に記載の感光性組成物。
  17. Lは、-NMe、-NEt、-OiPr、-OtBu、-OtAmyl、-CC(Si(CH)又はそれらの組合せを含む、請求項13又は14に記載の感光性組成物。
  18. R’’SnL’(式中、R’’は、Rと異なり、且つ1~20個の炭素原子を有するヒドロカルビル配位子であり、及びL’は、Lと同じであるか又は異なる加水分解性配位子である)をさらに含む、請求項13~17のいずれか一項に記載の感光性組成物。
  19. 有機溶媒と、請求項13~18のいずれか一項に記載の感光性組成物とを含む前駆体溶液。
  20. 前記有機溶媒は、アルコール、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、エステル、エーテル、ケトン又はそれらの組合せを含み、前記溶液は、スズ濃度に基づいて約0.005M~約1.4Mの濃度を有する、請求項19に記載の溶液。
  21. 前記有機溶媒は、4-メチル-2-ペンタノールを含む、請求項19に記載の溶液。
  22. R’’SnL’(式中、R’’は、Rと異なり、且つ1~20個の炭素原子を有するヒドロカルビル配位子であり、及びL’は、Lと同じであるか又は異なる加水分解性配位子である)をさらに含む、請求項19~21のいずれか一項に記載の溶液。
  23. RSnL(式中、Rは、1~20個の炭素原子と、1個以上のシリコン又はゲルマニウムヘテロ原子とを有するヒドロカルビル基であり、及びLは、加水分解性配位子である)の生成の方法であって、
    RX(式中、Xは、ハロゲン化物である)と、MSnL(式中、Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は擬アルカリ土類金属であり、Lは、アセチリド(C≡CA(式中、Aは、0~6個の炭素原子を有するシリル基若しくは1~10個の炭素原子を有するアルキル基である))又は1~10個の炭素原子を有するジアルキルアミドである)とを反応させることであって、前記反応は、Sn-C結合を有するRSnL(式中、Rは、1~20個の炭素原子と、1個以上のシリコン及び/又はゲルマニウムヘテロ原子とを有するヒドロカルビル配位子である)を形成する、反応させること
    を含む方法。
  24. 前記RSnLをアルコールHOR’と反応させて、RSn(OR’)を形成することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
  25. RXをMSnLと反応させて、RSnLを形成することは、約-78.5℃~約10℃の温度で反応させることを含む、請求項23又は24に記載の方法。
  26. M=Kであり、且つ前記RX及び前記KSnLは、約1:1~約3:1のモル比で提供される、請求項23~25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記R部分は、エチルトリメチルシリルである、請求項23~26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記MSnLは、KSn(TMSA)である、請求項23~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 反応させて前記RSnLを形成する前に前記MSnLを調製することをさらに含み、前記調製することは、式R’’Liを有するアルキルリチウムと、式SnX’を有する二ハロゲン化スズと、式KZを有する反応剤と、式HLを有する反応剤とを反応させて、前記KSnLを形成することを含み、KZは、カリウムアルコキシド又はハロゲン化カリウムを含む、請求項23~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記アルキルリチウム及び前記アルキル/シリルアセチレンは、化学量論量で提供されるか、又は前記アルキルアセチレンは、前記化学量論量よりも約1モル%~約50モル%過剰で提供される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記二ハロゲン化スズは、SnClを含み、及び前記式KZを有する前記反応剤は、カリウムt-ブトキシドを含み、前記反応は、無水有機溶媒中において0℃未満の温度で実施される、請求項29又は30に記載の方法。
  32. 有機金属化合物をパターニングする方法であって、
    基材上にコーティングを形成することであって、RSnL(式中、Rは、1~20個の炭素原子と、1個以上のシリコン又はゲルマニウムヘテロ原子とを有するヒドロカルビル基であり、及びLは、加水分解性配位子である)を堆積することを含む、形成することと、
    前記コーティングに放射線を照射して、潜像を形成することと、
    前記像を現像して、前記潜像に従ってナノスケールフィーチャーを有するパターニングされたコーティングを形成することと
    を含む方法。
  33. 前記加水分解性配位子は、アルコキシド、ジアルキルアミド又はアルキル/シリルアセチリドを含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記基材は、シリコンを含む、請求項32又は33に記載の方法。
  35. 前記堆積することは、気相堆積、スピンコーティング、スプレーコーティング又はディップコーティングを含む、請求項32~34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記コーティングは、0.5nm~100nmの平均厚さを有する、請求項32~35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記コーティングは、原子間力顕微鏡法によって測定されて0.5nm未満の根平均二乗表面粗さを有する、請求項32~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記コーティングに照射する前に、約10秒間~約10分間の期間にわたって約30℃~300℃の温度に前記コーティングを加熱することをさらに含む、請求項32~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記加熱することは、ガスの制御分圧下で実施され、前記ガスは、HO、CO、CO、H、N、HS、HCl、不活性ガス又はそれらの組合せを含む、請求項38に記載の方法。
  40. 前記照射することは、約1mJ/cm~約200mJ/cmの線量のUV線若しくはEUV線又は30kVで約2mC/cmと均等以下の線量の電子ビームを含む、請求項32~39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記コーティングに照射した後、少なくとも約0.1分間~約30分間の期間にわたって45℃~約300℃の温度に前記コーティングを加熱することをさらに含む、請求項32~40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記現像することは、有機溶媒を含むか、又は前記現像することは、無溶媒プロセスを含む、請求項32~41のいずれか一項に記載の方法。
JP2023577346A 2021-06-15 2022-05-18 シリコン/ゲルマニウムを有する配位子を有する有機スズパターニング材料、前駆体組成物及び合成方法 Pending JP2024525339A (ja)

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