JP2024524167A - エナメル加工された板ガラス - Google Patents

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Abstract

Figure 2024524167000001
本発明は、改良された熱的快適性を与える曲げられた及び/又は強化された板ガラスを製造する方法に関し、(a)外側表面及び内側表面を有するガラスシートの提供、(b)内側表面の少なくとも一部の上に熱放射反射コーティングの塗布、(c)内側表面の少なくとも一部の上に黒色セラミック層の塗布、ただし黒色セラミック層は、熱放射反射コーティングの少なくとも一部を覆うか、及び/又は熱放射反射コーティングに覆われた領域に沿って延びる、(d)ガラスシートの熱間曲げ及び/又は強化を含む。黒色セラミック層は、熱放射反射コーティングが黒色セラミック層に覆われていない領域と、黒色セラミック層が熱放射反射コーティングの少なくとも一部を覆う領域、及び/又は黒色セラミック層が熱放射反射コーティングに覆われた領域に沿って延びる領域との間での(d)時の放射率のコントラストの軽減のために一定のパターンを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、板ガラス、より詳細には車両板ガラスに関する。より詳細には、本発明は、熱放射反射コーティングを有する板ガラス、その使用、及びそのような板ガラスを製造する方法に関する。
熱放射反射コーティングのような低放射率コーティングを有する板ガラスの使用は、広がっており、エンドユーザに興味深い熱管理特性をもたらすために多くの板ガラスの適用に必須になっている。
平行して、ガラス張りの屋根は、車両の本体の層である伝統的な屋根に増々取って代わっている。これらの屋根の選択は、車の製造業者が顧客にこの選択を提案する結果であり、それにより車両がコンバーチブルのように外部に開いているように思われ、コンバーチブルの欠点はなく、これらの屋根は伝統的なセダンの快適性を維持する。
上記のようなガラス張りの屋根を選択する目的は、車室の明るさを増すことである。この明るさの増加は、乗員の快適性、特に乗員の熱的快適性を確保する他の特性を犠牲にして獲得されてはならない。この明るさの増加によって動機付けられてガラス張りの屋根が存在することにより、外部との熱交換も増加する。これは、車両が強い日射に曝された時に、温室効果機構を通して観察される。しかし、屋根は、寒い時に車室の温度を維持するためにも貢献しなければならない。
様々な手段が、高い選択性の板ガラス設備の使用を含む、温度状態を制御するために利用される。これらの状態は、使用されたガラスの選択(ほとんどは無機ガラスであるが、有機ガラスも可能である)に由来する。これらの板ガラス設備によって生じた追加のフィルタ、特に赤外線を選択的に反射する層のシステムからなるフィルタも、これらの状態に関係する。これらの要件に対処する解決策は、先行技術から公知である。これは、具体的には欧州特許第1200256号明細書の場合である。
ガラス張りの屋根の存在は、車両の乗員が経験する熱的快適性の状態を修正する。車両が太陽に曝されている時に加熱することは、エネルギー透過率をできるだけ多く低減するために、上記の状態を必要とするが、ガラス張りの屋根の存在により、認定された「コールドショルダ」の感覚を乗員が経験することもあり、この感覚は、外部温度が快適な室温より低い時に車室から失った熱によって生じる。
実際に、乗員を快適な程度に戻すために、製造業者は、基本的に板ガラス設備の内面がその全体を覆うことができるローラブラインドなどのスクリーンを使用する。スクリーン及びそれに関連した要素、特にその展開をモータ化するために使用される要素は、車両の重量を非常に増加させ、乗員の頭部と車両の屋根との間の空間が低減する。
上述のようなスクリーンを使用する必要をなくすために、それを通る熱損失が最小化される屋根を提供することが公知である。この結果を達成するために、反射熱放射コーティングのような低E層(低放射率層)が、ガラス張りの屋根の面の表面の上に提供されてもよく、これは車室に向けられる。例えば欧州特許第3720701号明細書に、低Eコーティングを有するガラス張りの屋根が開示されている。
良好な温度特性を示すガラス張りの屋根を有することに加えて、ガラス張りの屋根は、車の設計に嵌合するように曲げられてもよい。増々複雑な形状のガラス張りの屋根が、車の製造業者によって求められている。
こうして熱放射反射コーティング、より具体的には低Eコーティングを有するガラス張りの屋根は、屋根を通した外側の視界と、その長い波長の赤外線(IR)エネルギー反射特性による良好な温度特性との間を最良に両立させることができる。
車両及び建物にも今までより良好な熱効率のための流行の模索では、低Eコーティングをしたガラスは、多くの他の場合にも有益である。例えば、低Eコーティングを有するガラス張りの面(例えばフロントガラス、サイドライト及びバックライト)の全てをコーティングすることにより、寒冷天候における車両キャビンのグローバル熱損失を改善することができるものである。
しかし、低Eコーティングを有する曲げられた及び/又は強化された板ガラスを製造することは、低Eコーティングの物理的特性のためにあまり簡単ではない。事実、低Eコーティングの赤外線(IR)エネルギー反射特性(低吸収)は、板ガラスのガラスシートを成形するために曲げ加工に影響を及ぼす。このように低Eを有するガラスシートを曲げることは、低Eコーティングのないガラスより、その物理的特性に起因してより困難である。
その上、曲げられた及び/又は強化された板ガラスは、特に車両キャビンに適用する場合に、黒色セラミック層(バンド)をその周囲に沿って有することが多い。これは、具体的にはガラス張りの屋根を含む車両の板ガラスの場合である。黒色セラミック層の役割は、バスバーなどの美的でない構成要素を車両の外側から隠し、及び/又は接着剤などの構成要素をUV光から保護し、及び/又はガラスと他の要素との間の接着を向上させることである。これは、熱放射反射コーティング、より具体的には低Eコーティングを有するガラスシートの曲げ加工を更に複雑にする。この黒色セラミック層は、高い熱吸収性を有する。可視領域内の低Eコーティング、及び曲げるガラスシートの同じ面上に周囲に沿った黒色セラミック層を有する組合せにより、低Eコーティング及び黒色セラミック層の熱的挙動の2つの直径の差のために、不均一で非平滑な曲げをもたらす。
事実、黒色セラミック層はIRを吸収し、その結果加熱する一方で、低EはIRを反射し、こうして黒色セラミック層と比べて比較的低温を維持する。黒色セラミック層は著しく曲がる一方で、低Eコーティングを有する領域は平坦なままである。こうして黒色セラミック層領域及び低E領域は互いに閉じているので、いわゆる「逆曲率」が生じて、車の製造業者が容認できない非平滑な形状である「浴形状」すなわちU字形になる。ガラスシートの同じ不均質の加熱により、ガラスはローラ上でもはや平坦ではなくなることがあるので、平坦のガラスをシート毎の加工で搬送中に重大な問題を起こすことがあり、加圧領域内に誤って位置決めを成し、又は多くの欠陥を持つ接触面上に傷を付ける可能性がある。車の製造業者は、美的理由及び/又はワイプ機能などの機能理由で、「U」字形ではなくプログレッシブ/平滑形状を必要とする。
強化処理の場合、低Eコーティングをした領域と層の黒色セラミック層領域との間の大きい温度差により、ガラス破損の場合、問題の不均質の破砕をもたらすことがある。
概して板ガラスの周囲に沿って提供された黒色セラミック層の高い熱吸収性を補償し、望ましくない局所の曲げを避ける若しくは限定するために、ガラスシートを曲げるための炉の加熱パラメータは、微調整される(黒色セラミック層位置ではあまり加熱しない)。黒色セラミック層の高い熱吸収性を補償するための別の方法は、黒色セラミック層の場所に吸熱体を追加することである。これらの「策略」は、どちらも処理に厳しい制約を導入する際にそれらを限定し、炉の設計に依存して適用できないことさえある。
従って熱放射反射コーティングし、より具体的には優れた美的の低放射率(低E)コーティングした板ガラスを有し、且つ曲げた低Eコーティングした板ガラスを製造する方法を提案することが必要である。より詳細には、低放射率(低E)コーティングしたガラス張りの屋根を有することが必要である。
本発明の目的は、改良された熱的快適性を与える曲げられた及び/又は強化された板ガラスを製造する方法を達成することであり、以下の工程、すなわち
a.外側表面及び内側表面を有するガラスシートを提供すること、
b.ガラスシートの内側表面の少なくとも一部の上に熱放射反射コーティングを塗布すること、
c.ガラスシートの内側表面の少なくとも一部の上に黒色セラミック層を塗布すること、ただし黒色セラミック層は、熱放射反射コーティングの少なくとも一部を覆うか、及び/又は熱放射反射コーティングによって覆われた領域に沿って延びる、
d.ガラスシートを熱間曲げ及び/又は強化すること
を含む。
本発明によれば、黒色セラミック層は、熱放射反射コーティングが黒色セラミック層によって覆われていない領域と、黒色セラミック層が熱放射反射コーティングの少なくとも一部を覆う領域、及び/又は黒色セラミック層が熱放射反射コーティングによって覆われた領域に沿って延びる領域との間での工程dの間の放射率のコントラストを軽減するために一定のパターンを有する。
本発明の別の目的は、熱放射反射コーティング、より具体的には低Eコーティングを有する、曲げられた及び/又は強化されたガラス張りの屋根を製造する方法を達成することである。更なる目的は、熱放射反射コーティング、より具体的には低Eコーティングを有する、曲げられた及び/又は強化された板ガラス、並びにより具体的にはガラス張りの屋根を提案することである。
本発明の好ましい実施形態によれば、板ガラスは、曲げられた外側表面及び内側表面を有する少なくとも曲げられたガラスシートを含む、ガラス張りの屋根である。ガラス張りの屋根は、ガラスシートの内側表面上に熱放射反射コーティング、より具体的には低Eコーティングを有し、これは、具体的には赤外域内で実質的に光を反射する。
本発明は、外側表面及び内側表面を有する外ガラスシート、外側表面及び内側表面を有する内ガラスシート、並びに外ペインの内側表面を内ペインの外側表面に接合する熱可塑性中間層を含む、積層された車両板ガラスにも関し、板ガラスは、内ガラスシートの内側表面上に熱放射反射コーティング、より具体的には低Eコーティングを有し、これは、日射、具体的には赤外線の可視スペクトルの外側の光線を実質的に反射又は吸収する。積層された板ガラスは、好ましくは積層されたガラス張りの屋根である。
説明
本発明の目的は、改良された熱的快適性を与える曲げられた及び/又は強化された板ガラスを製造する方法を達成することであり、以下の工程、すなわち
a.外側表面及び内側表面を有するガラスシートを提供すること、
b.ガラスシートの内側表面の少なくとも一部の上に熱放射反射コーティングを塗布すること、
c.ガラスシートの内側表面の少なくとも一部の上に黒色セラミック層を塗布すること、ただし黒色セラミック層は、熱放射反射コーティングの少なくとも一部を覆うか、及び/又は熱放射反射コーティングによって覆われた領域に沿って延びる、
d.ガラスシートを熱間曲げ及び/又は強化すること
を含む。
本発明によれば、黒色セラミック層は、熱放射反射コーティングが黒色セラミック層によって覆われていない領域と、黒色セラミック層が熱放射反射コーティングの少なくとも一部を覆う領域、及び/又は黒色セラミック層が熱放射反射コーティングによって覆われた領域に沿って延びる領域との間での工程dの間の放射率のコントラストを軽減するために一定のパターンを有する。
こうして本発明により、黒色セラミック層は、熱放射反射コーティングの放射率、並びに曲げる及び/又は強化する工程の間に黒色セラミック層の熱吸収を補償し、黒色セラミック層が熱放射反射コーティング、より具体的には低Eコーティングと並置される領域に、より平滑な温度プロファイルを有するパターンを有する。
本発明の別の実施形態によれば、積層された曲げてコーティングされた板ガラスを製造する方法が提案され、方法は、以下の工程、すなわち
a.外側表面及び内側表面を有するガラスシートを提供すること、
b.ガラスシートの内側表面の少なくとも一部の上に熱放射反射(より具体的には低E)コーティングを塗布すること、
c.ガラスシートの内側表面の少なくとも周囲に沿って黒色セラミック層を塗布すること、ただし黒色セラミック層は、熱放射反射コーティングの少なくとも一部を覆う、塗布すること、
d.ガラスシートを熱間曲げ及び/又は強化すること
を含む。
本実施形態によれば、黒色セラミック層は、曲げ工程の間に、熱放射反射コーティングの放射率及び/又は黒色セラミック層の熱吸収性を補償し、黒色セラミック層が、熱放射反射コーティング、より具体的には低Eコーティングの少なくとも一部を覆った領域で、平滑な温度プロファイルを有するパターンを有する。好ましい実施形態によれば、板ガラスは、積層された車両、より具体的には積層された車両のガラス張りの屋根である。
こうして本発明者らは、驚くべきことに、熱放射反射コーティング、より具体的には低Eコーティングと接触する黒色セラミック層の熱吸収挙動を修正することにより、「U字形」及び/又は「逆曲率」は更に低減されることがあることを示した。こうして黒色セラミック層と、熱放射反射コーティング、より具体的には低Eコーティングを有する領域との間に、より平滑な吸収係数透過性が獲得されることがあり、熱間曲げ工程の間にプログレッシブ温度プロファイルが生じ、その結果、車の設計により、且つ車の製造業者によって求められた平滑なガラス形状になる。
黒色セラミック層のパターンは、板ガラスの求められた形状を達成するように設計される。こうして熱放射反射コーティング又はより具体的には低Eコーティングのガラスシートと黒色セラミック層との間の遮光/階調により、平滑な温度(T°)プロファイルを得ることができる。
本発明の一実施形態によれば、黒色セラミック層は、ゼブラパターン又はドットパターンなどの黒色セラミック層を有する帯域と黒色セラミック層を有さない帯域とが交互に配置されたパターンを有する。パターンの大きさと同様に、黒色セラミック層内の位置は、訂正される幾何学的欠陥又は目標とされる形状に従って設計される。こうして平滑な温度プロファイルは、熱間曲げ工程の間に獲得され、その結果、車の設計に従って、及び車の製造業者によって求められた平滑なガラス形状になる。
本発明の一実施形態によれば、黒色セラミック層は、可視光範囲に透過性がない(又は非常に低い透過性を有する)が、用途に関心のある赤外波長範囲に高い透明度を有する、黒色セラミック層の層である。エナメルは、赤外波長範囲を透過する。こうして赤外線内で透過するエナメルを使用することにより、エナメルを有する領域と黒色セラミック層内にエナメルがない領域との間の放射率の差を軽減することができる。
板ガラスは、窓を開けている際に内部空間、具体的には外部環境から車両の内部を分離することを意図する。板ガラスは、好ましくは積層板ガラス、及びより好ましくはガラス張りの屋根であり、本発明の文脈では「外ガラスシート」及び「内ガラスシート」と呼ばれ、熱可塑性中間層を介して互いに接合される、第1及び第2のガラスを含む。本発明の文脈では、「内ガラスシート」は、設置された位置で内側に面するガラスシートである。「外ガラスシート」は、設置された位置で外部環境に面するペインを指す。「内側表面(又は内側若しくは内面)」は、本発明の文脈では、設置された位置で内部に面するペインの表面を意味する。「外側表面(外側又は外面)」は、本発明の文脈では、設置された位置で外部環境に面するペインの表面を意味する。
ガラスペインの表面は、典型的には以下のように呼ばれる。外ペインの外側は側面1と呼ばれる。外ペインの内側は側面2と呼ばれる。内ペインの外側は側面3と呼ばれる。内ペインの内側は側面4と呼ばれる。
外ペインの内側表面及び内ペインの外側表面は互いに面し、熱可塑性中間層を用いて互いに接着される。
熱可塑性中間層は、1つ又は複数の熱可塑性フィルムによって形成される。熱可塑性フィルムは、好ましくはポリビニルブチラール(PVB)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリウレタン(PU)及び/又はそれらの混合物及び/又はそれらのコポリマ、具体的に好ましくはポリビニルブチラールを含有する。フィルムは、好ましくは記載された材料に基づくが、好ましくは50%未満の含有量を有する他の構成要素、例えば可塑剤、着色剤、IR又はUV吸収体を含有する。
少なくとも1つの熱可塑性高分子フィルム、具体的には少なくとも1つのPVBフィルムは、2~80%、好ましくは5~50%、特に好ましくは8~36%の光線透過率を有する、着色された熱可塑性高分子フィルム、具体的には着色されたPVBフィルムであることが好ましい。着色された熱可塑性高分子フィルムの使用は、積層されたガラス全体に対する光線透過率が、好都合なことに、熱可塑性高分子フィルムの選択によって調整することができるという利点を有する。加えて特定の光線透過率を有する熱可塑性高分子フィルムと特定の低E層を組み合わせることにより、複合ガラスペインの側面4における反射は、6%未満の好ましい範囲に調整することができる。
個々の高分子フィルム、具体的にはPVBフィルムは、好ましくは約0.2mm~1mm、例えば0.38mm又は0.76mmの厚さを有する。複合ガラスペインの他の特性は、フィルムの厚さによって影響を受けることが可能である。例えばより厚いPVBフィルムは、改良された遮音を提供し、具体的には音響的活性コアを含有する時に、複合ガラスペインの割込み耐性が増加し、紫外線放射に対する保護(UV保護)も増加する。
本発明によれば、ガラスシート並びに積層された板ガラスの場合に、外ガラスシート及び内ガラスシートは、好ましくはガラス、好ましくはソーダ石灰ガラス、アルカリアルミノケイ酸塩ガラスから作成される。ガラスシートは、灰色ガラスシートであってもよい。
互いに独立して、外ペイン及び/又は内ペインは、好ましくは0.1~4mm、好ましくは1~4mm、特に好ましくは1.6mm~約2.1mmの厚さを有する。
本発明の一実施形態によれば、熱放射反射コーティングは、低放射率を有するコーティング、放射率低減コーティング、低Eコーティング、又は低E層と呼ぶこともできる。その役割は、熱放射、すなわち具体的には日射のIR成分より長い波長のIR放射を反射することである。低い外部温度では、低Eコーティングは、熱を反射して内部に戻し、内部の冷却を低減する。高い外部温度では、低Eコーティングは、加熱された板ガラスの吸収された熱放射が内部に向かって再放射されるのを防ぎ、内部の加熱を低減する。内ペインの内側では、本発明によるコーティングは、夏にペインから内部への熱放射の放射率を特に効果的に低減し、冬に外部環境への熱の透過を低減する。
コーティングを位置4(又は単一ガラスシートの屋根の場合は位置2)に置くことが、この位置で層が劣化し、特に機械的劣化から守られないという事実にも関わらず選択される。機械的及び化学的耐性が十分である低E層を選択することが可能である。
好都合なことに、良好な機械耐性のために、コーティングは、PECVD、CVD又は熱分解技法によって製造された層などの「硬質」層である。しかし低Eシステムは、獲得したシステムが、十分に耐性がある層から構成されるのであれば、真空陰極スパッタリング技法を使用して生産されることもある。
本発明によれば、放射率が0.3未満、好ましくは0.2未満、特に好ましくは0.1未満である低放射率コーティング・システムを使用することが好ましい。
最も一般的な熱分解の低E(低放射率)システムは、反射の色を中和する役割を有する第1の層に堆積したドープされた酸化スズの層を含む。ガラスに接触させる層は、任意選択で添加剤によって修正された、通常シリカ又はシリコンオキシカーバイドの層である。酸化スズ層は、陰極スパッタリングによって堆積されたシステムの層に比べて比較的厚く、すなわち200nmを超え、特定の場合には450nmを超える厚さである。これらの厚い層は、機械的及び/又は化学的攻撃への曝露に耐えるように十分に抵抗する。
積層板ガラス設備を形成するために使用されるガラスシートは、同じ成分及び恐らく同じ厚さを有してもよく、これにより事前に形状することがより容易になることがあり、2枚のシートは、例えば同時に曲げられる。ほとんどの場合ガラスシートは、異なる成分及び/又は厚さを有し、この場合、ガラスシートは別個に形状されてもよい。
着色された中間層が存在する可能性は、光の吸収に関係する。それらの使用は、ガラスシートが特定の色を確立するのに少なくとも寄与する部分的な代用品として想定されることがある。この状況は、例えば光電池要素を板ガラス設備に一体化するために、少なくとも外ガラスシートが、吸収性の乏しいシート又は更に超透明ガラスである時に生じることがある。しかし、外シートは、吸収ガラスシートであってもよく、着色した中間層は必要ない。
車室に向けられたガラスシートも、際立った透明ガラスから作成されてもよい。これは吸収性があることが多く、エネルギー透過率の低減全体に貢献する。その透過率が制限された時に、板ガラス設備内に存在する非透明要素を乗員の視界から少なくとも部分的にマスキングすることができる。
透過及び反射の色は、ガラスシート及び中間層の選択にも重要である。
概して本発明による板ガラス(より具体的には車両のガラス張りの屋根)の生産について、板ガラス設備を形状して組み立てるために使用される処理に耐えるために、構成要素の容量を記憶に留めることが推奨される。車両の屋根は、概してこれらの板ガラス設備の縁部の可能な曲率を除いて、比較的目立たない曲率を有する。無機ガラスシートを形状することは、ガラスを軟化させる高温(650~700℃)に曝す必要がある、少なくとも一方及びほとんどの場合両方に対する処理を含む。
本発明の好都合な更なる発展例では、電気的に制御可能な光学特性を持つ機能要素は、熱可塑性中間層で具現化される。これは、電気的に制御される複合ペインを通して、具体的には澄んだ透明状態と透過性が低減した状態との間に見ることができる。複合ペイン又は中間層の光透過率に示された値は、常に澄んだ透明状態における機能要素を有する複合ペインを指す。
本発明は、本発明による板ガラスを車両、好ましくは車両の屋根パネルに、特に好ましくは自動車、特に乗用車の屋根パネルに使用することにも関する。
本発明は、本発明による板ガラスを車両、好ましくは自動車、特に乗用車のフロントガラス、サイドライト又はバックライトに使用することにも関する。
本発明は、本発明による板ガラス、具体的にはガラス張りの屋根を含む車両、好ましくは自動車に更に関する。
以下に、本発明は、図面及び例示的実施形態を参照して詳細に説明される。図面は概略図であり、一定の縮尺ではない。図面は本発明を限定するものではない。
先行技術による積層されたガラス張りの屋根を示す。 本発明の一実施形態による板ガラス設備を示す。 黒色セラミックバンドのパターンの例を示す。 本発明の一実施形態による板ガラス設備を示す。 本発明の別の実施形態による板ガラス設備を示す。 本発明の別の実施形態による板ガラス設備を示す。
以下の記載が車両の積層されたガラス張りの屋根に向けられている場合であっても、本発明は、車両の単一板ガラス又は建物のための板ガラスに適用可能であることがある。
図1の要素のアセンブリは、先行技術による積層されたガラス張りの屋根である。より具体的には、図1は、積層されたガラス張りの屋根の平面図である。図に見られる面は、車室に向かう板ガラスの内側である。
図1に示されたシートは、わかりやすくするために湾曲されていない。実際に屋根は、ガラス張りであってもなくても、その「設計」、空気力学、及び連続した要素間の良好な面の連続性に対応する、その「面一」の概観のために選択された、嵌合のために車体と接合する場所で、通常その縁部でより強調される曲率を有する。
図1の板ガラス設備100は、外ガラスシート1及び内ガラスシート2の2枚のガラスシートを含む。ほとんどの場合、これらの2枚のガラスシートは、光透過率がこれらの2枚のガラスシートの効果のみにより、例えば50%未満、この型の構成では好ましくは30%未満に限定されるように、高い吸収性の着色されたガラスから作成される。
これらのシートに使用されたガラスは、例えば灰色ガラス又は緑色に着色された灰色ガラスである。一例では、ガラスシート1及び2は、それぞれが1.6mm~2.6mmの厚さを有する。
図1では、ガラスシートは、伝統的に板ガラス設備の縁部をマスキングするために使用される、エナメルパターン3(黒色セラミックバンドとして)を伴なって示されている。図1に示されたように、大きい層は、領域4内に提供され、領域4は、一旦車体と共に設置されると、フロントガラスに近い領域である。この型のエナメルは、例えばシート1の内面上に置くことができ、従って位置2では、板ガラス設備の縁部における接着接合及び局所の接続の全てを隠す。マスキング・エナメルは、位置4、換言すると、車室の内部に曝される板ガラス設備の面上にも置かれてもよい。しかしこの位置では、車両の外部から観察するために、積層に含有された要素をマスキングしない。図1に例示されたように、位置2及び位置4にマスクを置くことも可能である。
熱放射反射コーティングのような低E層のシステム10は、先行技術によるエナメルパターンを塗布する前に、車室に向けられた面上で内ガラスシート2の表面の上に塗布される。次いでガラスシートは、車体の設計と嵌合するように、車の製造業者の要件に従って高温で曲げられる。曲げ加工は、500℃~700℃に含まれた温度で行われた。積層されたガラス張りの屋根の場合、内ガラスシート及び外ガラスシートは、周知の技術に従って別個に又は一緒に曲げられてもよい。残念ながらコーティング及び黒色セラミックバンドの熱的挙動の差に起因して、「逆曲率」がガラスシートを加熱中に生じ、車の製造業者が容認できない非平滑な形状である「浴形状」すなわちU字形になる。ガラスシートの同じ不均質の加熱により、ガラスはローラ上でもはや平坦ではなくなることがあるので、平坦のガラスをシート毎の加工で搬送中に重大な問題を起こし、加圧領域内に誤って位置決めを成し、又は多くの欠陥を持つ接触面上に傷を付ける可能性がある。車の製造業者は、美的理由及び/又はワイプ機能などの機能理由で、「U」字形ではなくプログレッシブ/平滑形状を要求する。こうして低Eコーティングを有し、より一般的に熱放射反射コーティングを有する先行技術の板ガラスは、容易に曲げることができない。
熱放射反射コーティング及び黒色セラミック層を車室に向けられた面上の内ガラスシート2上に塗布する手法は周知であり、詳細には記載されない。概して熱放射反射コーティング、より具体的には低Eコーティングは、まず車室に向けられた面上の内ガラスシート2の表面の全て又は一部の上に提供され、次いで黒色セラミック層は、コーティング上に完全に(又は部分的に)重なるか否かに関わらず、ガラスシートの周囲に沿って塗布される。黒色セラミック層はフロントガラスに近い領域4でより大きく、内装材又はバックミラー、カメラなどの内部のいくつかの物品は、屋根の面上、面内で車室に向かって固定されてもよい。
この低Eコーティング・システム10は、わかりやすくするために図1に示されていないが、実際にはその下に堆積されたシートから分離できない。
一旦内ガラスシート及び外ガラスシート(積層された屋根の場合)が曲げられると、それらは、少なくとも1つの熱可塑性中間層シート(図示せず)により一緒に接合される。
図2は、本発明による一実施形態を示す。図1に関しては、積層されたガラス張りの屋根100が表されている。外ガラスシート1及び内ガラスシート2は、少なくとも1つの熱可塑性中間層シート(図示せず)により一緒に接合される。外ガラスシート1及び内ガラスシート2を一緒に積層する前に、熱放射反射コーティング10として、低Eコーティング・システム10は、車室に向けられた面(位置4)上の内ガラスシート2の上に塗布される。
黒色セラミック層3は、車室に向けられた面(位置4)上の内ガラスシート2の周囲に沿って塗布される。黒色セラミック層3は、板ガラスの上層により大きいエナメルパターン4を有し、これはフロントガラス付近で車体と接触する。熱放射反射コーティングの領域の間での曲げ及び/又は強化する加工を加熱する工程の間の放射率のコントラストを軽減するエナメルパターン6は、より大きいエナメルパターン4の中心領域5に提供される。図2に記載された実施形態によるパターン6は、ガラスシートの上層からガラス張りの屋根の中央に向かう層に向かってサイズが徐々に小さくなる連続した長方形の形状を有する。こうして低Eコーティング10の領域は、黒色セラミック層によって覆われない(又は部分的に覆われる)。本発明による黒色セラミック層のパターン6は、熱放射反射コーティングの領域の間での曲げ及び/又は強化する加工を加熱する工程の間の放射率のコントラストを軽減するように設計されると理解される。
本発明によれば、黒色セラミック層3は、黒色セラミック層によって覆われたガラスの領域と、熱放射反射コーティングでコーティングされたガラスの領域との間で、加熱する工程の間に増加する温度のコントラストを軽減し、黒色セラミック層が少なくとも部分的に熱放射反射コーティング(より具体的には低Eコーティング)を覆う領域と、熱放射反射コーティングが黒色セラミック層によって覆われていない領域が交差する平滑な温度プロファイルを発生する、パターン6を有する。
本発明によれば、パターン6は、黒色セラミック層が塗布される領域に設計され、車の製造業者の要求による曲げの後に最終的に良好な形状を有するために、平滑な温度プロファイルを有する、又はシート毎の加工技術のために加熱トンネルの内側で搬送作動中に平坦形状の挙動を保つ必要がある。
こうして黒色セラミック層内のパターン6は、フロントガラス付近の大きい領域4内に提供されてもよく、内装トリム又はバックミラー、カメラなどの内部のいくつかの物品は、車室に向かって屋根の面上、面内に固定されてもよい。設計は、黒色セラミック層の中心領域のみに提供されてもよい。パターンの位置及び設計は、「U字形」及び/又は「逆曲率」が、ガラスシートの求められた形状、またシート毎の加工で搬送中に屋根の最終的に良好な形状若しくは均一な加熱を獲得するために、ガラスシートを正確に曲げるように制御又は訂正しなければならない帯域に依存する。
図2に示された実施形態によれば、黒色セラミック層4(エナメルバンドとも呼ばれる)は、エナメル加工された帯域とエナメルのない帯域が交互に配置されたパターン6を中心領域5に有する。本発明の実施形態によるパターンは、ゼブラパターンである。エナメルを有する又はエナメルのないバンドの幅は、ガラスシートの求められた形状、並びにエナメルと低Eコーティング、より一般的には熱放射反射コーティング10の熱的挙動の差に依存して決定される。
図3a~3cに示されたように、図3aに示されたようなゼブラパターン、図3bに示されたようなチェッカー盤、又は図3cに示されたようなドットパターンなどの異なるパターンが、黒色セラミック層6に塗布されてもよい。ゼブラの長さは、ガラス層の全幅に沿うことができる。線の幅並びに線の間の空間は、数ミリメートルから数センチメートルまで動いてもよく、層設計並びに加熱作動(曲げ又は運搬)中に直面する問題によって駆動される。チェース層又はドットパターンは、ガラス上で達成される成果に応じて多くの異なる設計も有することができる(大きさは、数ミリメートルから数センチメートルまで動くことができる)。幾何形状も、直面することに応じて実際に異なり、線若しくは正方形若しくはドットだけでなく、恐らく楕円形、平行四辺形、…であることも可能である。
黒エナメル6の設計の大きさ、並びに黒色セラミック層3の内側のその位置は、関与し又は補償する幾何形状の欠陥によって調整しなければならない。
黒色セラミック層3に加えて、黒色セラミック層11の一部は、いくつかの固定部を接着又はマスキングすることができるように、内ガラスの内側に提供されてもよい。
本発明の別の実施形態によれば、黒色セラミック層3内のパターン6は、単一のエナメルのない帯域、例えば図4に描かれたように層の各横縁部8に沿ってもよい。
一部の板ガラス構成は、熱放射反射コーティング、より具体的には低Eコーティングの上部のあらゆる種類のエナメル又は高放射率の材料を印刷する必要ないことがある。それらの場合、コーティングされたガラスの表面全体は、炉の熱放射を反射し、炉の機器ができるものより多くの熱を局所に運ぶ必要があることがある。
本発明による一解決策は、熱放射反射コーティング、より具体的には低Eコーティングを、追加の加熱が必要な領域を局所的に除去し、その領域を黒エナメルで充填することである。この方法で、コーティングされていない又は剥離領域は、高い放射率を有するはずであり、炉内の全ての放射源からより効率的に熱を取り込むことができるはずである。
このコーティングの除去は、美的設計、及び板ガラスの形状を促進するためにより多くの熱の取り込みが必要な領域で、コーティングの熱放射反射効果を緩和することによって、処理された領域の熱の取り込み効率の両方の側面に適合したパターンで行うこともできる。剥離パターンは、図3aに描かれたようなゼブラパターンなどの熱放射反射コーティングを有する帯域及び熱放射反射コーティングのない帯域を交互に有してもよいが、例えばドットパターンのような多くの他の型のパターンが、有益に塗布されることが可能である。
局所的なコーティングの除去は、コーティング処理の前にガラスをマスキングし若しくはパターン化することによって、又は例えば機械的、化学的、若しくはレーザ処置によるコーティング処理の後にコーティングを剥離することによって獲得することができる。
本発明の別の実施形態は、図6に示されている。本発明によるパターン6を有する黒エナメル3は、放射率が炉内で全ての放射源からより効率的に熱を取り込むことができるように制御するべきである領域のみで、例えば熱放射反射コーティング10、より具体的には低Eコーティングの上面に黒エナメルを印刷することによって提供されてもよい。
積層されたガラス張りの屋根の場合、本発明によるエナメルパターン6、並びに熱放射反射コーティング10は、内ガラスシート2の内側表面(位置4)内に提供される。
単一ガラスシートの場合、エナメルパターン6及び熱放射反射コーティング10は、ガラスシートの内側表面(位置2)上に提供されることが理解される。
熱放射反射コーティング、より具体的には低Eコーティングを有し、黒色セラミック層を有するガラスシートの周囲の少なくとも1層を有し、コーティングの層に重なる、その表面の主要な層の上に提供されたガラスシートは、本発明によるパターンを有し、次いで車の製造業者によって求められたようなガラスシートを形状するために、500~700℃を含む温度で熱間曲げをされる。
熱放射反射コーティングでコーティングされた帯域に並んで黒色セラミック層、任意選択でガラスの低Eをコーティングされた層に重なる黒色セラミック層によって覆われた帯域の「U字形」又は「逆曲率」は、ガラスシートが500℃~700℃を含む温度にされた時に、曲げ加工中又はガラスを搬送中(シート毎の場合)に回避されることがある。
本発明によれば、積層された板ガラスの場合、熱放射反射コーティング、より具体的には低Eコーティングを有するガラスシート、並びに曲げ工程中に熱放射反射コーティング及び/又は黒色セラミック層の熱吸収を補償し、黒色セラミック層が熱放射反射コーティング(より具体的には低E)の少なくとも一部を覆う領域に平滑な温度プロファイルを有するパターンを有する黒色セラミック層は、内ガラスシートであり、コーティング及び黒色セラミック層は、その内面(位置4)上に提供される。
マスキング・エナメルは位置4に、換言すると、車室の内部に曝される板ガラス設備の面上に置かれる。しかしこの位置では、車両の外部から観察するために、それらは積層体に含有された要素をマスキングしない。位置2及び位置4にマスクを置くことも可能である。本発明によるマスキング・パターンのエナメルは、好ましくは位置4のみに提供される。こうして位置4のマスキング・エナメルは、位置2のエナメルによって外側からマスキングされる。位置4に提供されたエナメルは、次いで装飾材料によってマスキングされ/覆われる。
積層された板ガラスの場合、外ガラスシート、より具体的には外ガラスシートの内面(位置2)は、板ガラス上に固定される構成要素をUVから保護するため、及び/又は美的理由のために、その周囲に沿って黒色セラミック層を有する。
内ガラスシート及び外ガラスシートは、周知の技術により別個に又は一緒に曲げられてもよい。曲げた後、内ガラスシート及び外ガラスシートは、周知の技術により少なくとも1つの熱可塑性中間層によって一緒に接合される。
本発明の一実施形態によれば、板ガラス、より具体的にはガラス張りの屋根は、単一の強化ガラスシートから作成される。その場合、黒色セラミック層並びに熱放射反射コーティング、より具体的には低Eコーティングは、内面上に提供され、すなわち面は車室の内部に曝される。ガラスシートなどは、典型的には屋根を摺動するために使用される。
本発明の別の実施形態によれば、図5に示されたように、黒色セラミック層は板ガラスの中心帯域及び低Eコーティングの上に提供されてもよい。板ガラスは、好ましくは積層されたガラス張りの屋根である。黒色セラミック層は、エナメルのない帯域を有してもよい。エナメルのない帯域は、長方形、又は曲げ若しくは強化工程の間に、熱放射反射コーティングが黒色セラミック層によって覆われていない領域の間の放射率のコントラストを軽減するのに適したあらゆる形状を有してもよい。
所望の特性を有する低Eシステムの一例は、フッ素を2%ドープした酸化スズの320nmの厚さの層からなる。この層は、ガラスと接触させる層上に堆積され、前記層は、75nmの厚さであり、シリコンオキシカーバイドから構成される。二つの層は、CVDによって堆積される。このシステムにより約0.16の放射率を生じる。
他の低Eコーティング・システムは、陰極スパッタリング技法を使用して形成され得る一方で、満足のいく機械耐性を維持する。この型のシステムは、例えば透明の導電性酸化物、特にドープされたインジウム、亜鉛若しくは酸化スズを含み、又は窒化チタンのような低放射窒化物を含む。
更に別の例として、使用可能なシステムは、クロム、ニオブ、タンタル、モリブデン又はジルコニウム及びそれらの混合物の金属相を含む。陰極スパッタリングによって堆積されたこの金属層を保護するために、金属層は、窒化ケイ素の二つの層の間に挟むことができる。このアセンブリも満足のいく放射率を生じ、光透過率の低減が10%に達することがあるが、この低減は問題の使用では欠点とはならない。
これらの低Eシステムの使用により、寒い時期の間の車室の快適性を大幅に改善し、スクリーンの使用を不要にさせることができる。

Claims (10)

  1. 改良された熱的快適性を与える曲げられた及び/又は強化された板ガラスを製造する方法であって、以下の工程、すなわち
    a.外側表面及び内側表面を有するガラスシートを提供すること、
    b.前記ガラスシートの前記内側表面の少なくとも一部の上に熱放射反射コーティングを塗布すること、
    c.前記ガラスシートの前記内側表面の少なくとも一部の上に黒色セラミック層を塗布すること、ただし前記黒色セラミック層は、前記熱放射反射コーティングの少なくとも一部を覆うか、及び/又は前記熱放射反射コーティングによって覆われた領域に沿って延びる、
    d.前記ガラスシートを熱間曲げ及び/又は強化すること
    を含み、
    前記黒色セラミック層は、前記熱放射反射コーティングが前記黒色セラミック層によって覆われていない領域と、前記黒色セラミック層が前記熱放射反射コーティングの少なくとも一部を覆う領域、及び/又は前記黒色セラミック層が前記熱放射反射コーティングによって覆われた領域に沿って延びる領域との間での前記工程dの間の放射率のコントラストを軽減するために一定のパターンを有することを特徴とする、方法。
  2. 前記板ガラスは、改善された熱的快適性を与える積層されたガラス張りの屋根であることを特徴とし、以下の工程、すなわち
    a.外側表面及び内側表面を有する外ガラスシートを提供すること、
    b.外側表面及び内側表面を有する内ガラスシートを提供すること、
    c.前記内ガラスシートの前記内側表面の少なくとも一部の上に熱放射反射コーティングを塗布すること、
    d.前記内ガラスシートの前記内側表面の少なくとも周囲に沿って黒色セラミック層を塗布すること、ただし前記黒色セラミック層は、前記熱放射反射コーティングの少なくとも一部を覆う、
    e.前記外ガラスシート及び前記内ガラスシートを別個に又は一緒に熱間曲げすること、ただし前記内ガラスシートは、前記内側表面の周囲に沿って黒色セラミック層を有し、前記内側表面の少なくとも一部の上に低放射率コーティングを有する、
    f.前記外ガラスシートの前記内側表面を前記内ガラスシートの前記外側表面に接合する熱可塑性中間層で、前記外ガラスシート及び前記内ガラスシートを積層すること
    を含み、
    前記黒色セラミック層は、前記熱放射反射コーティングが前記黒色セラミック層によって覆われていない領域と、前記黒色セラミック層が前記熱放射反射コーティングの少なくとも一部を覆う領域、及び/又は前記黒色セラミック層が前記熱放射反射コーティングによって覆われた領域に沿って延びる領域との間での前記工程dの間の放射率のコントラストを軽減するために一定のパターンを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記板ガラスは、車両の積層されたガラス張りの屋根であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
  4. 前記黒色セラミック層は、ゼブラパターン又はドットパターンなどの黒色セラミック層を有する帯域と前記黒色セラミック層を有さない帯域とが交互に配置されたパターンを有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 改良された熱的快適性を与える曲げられた及び/又は強化された板ガラスを製造する方法であって、以下の工程、すなわち
    a.外側表面及び内側表面を有するガラスシートを提供すること、
    b.前記ガラスシートの前記内側表面の上に熱放射反射コーティングを塗布すること、
    c.剥離技法を適用して前記熱放射反射コーティングを局所的に除去し、黒色セラミック層を局所に塗布するか、又は黒色セラミック層を前記熱放射反射コーティングの上で局所に塗布すること、
    d.前記ガラスシートを熱間曲げ及び/又は強化すること
    を含み、
    前記剥離のパターンは、より多くの熱の取り込みが前記板ガラスの成形を促進するために必要な領域でコーティングの熱放射反射効果を軽減することを特徴とする、方法。
  6. 曲げられた/強化されたガラス張りの屋根を製造するための請求項5に記載の方法であって、前記剥離することは、ゼブラパターン又はドットパターンなどの熱放射反射コーティングを有する帯域と前記熱放射反射コーティングを有さない帯域とが交互に配置されたパターンを有することを特徴とする、方法。
  7. 積層されたガラス張りの車両の屋根を製造するための請求項1に記載の方法であって、前記熱放射反射コーティングは低放射率コーティングであることを特徴とする、方法。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の方法に従って製造された、改善された熱的快適性を与える、積層されたガラス張りの車両の屋根。
  9. 前記低放射率コーティング・システムは、0.5以下、好ましくは0.3以下、より好ましくは0.2以下の放射率を有する、請求項8に記載の屋根。
  10. 前記低放射率コーティング・システムは、少なくとも透明の導電性酸化物の層、又は低放射率の窒化物の層、又は金属化合物の層を含む、請求項8または9に記載の屋根。
JP2023578142A 2021-06-21 2022-06-21 エナメル加工された板ガラス Pending JP2024524167A (ja)

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