JP2024523792A - フィルム材料 - Google Patents

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Abstract

第一のポリマーと第二のポリマーとのブレンドであるフィルム材料。第一のポリマーは、1又は複数のバイオ系モノマーから合成され、60キロダルトン以下の分子量を有する。第二のポリマーは、1又は複数のバイオ系材料から誘導される炭水化物及び官能化炭水化物のうちの1つである。フィルム材料中での第一のポリマー対第二のポリマーの比は、重量基準で少なくとも25:75である。包装材料は、基材と、フィルム材料から形成され、基材の保持面上において実質的に連続的なフィルムに組み立てられる層と、を有する。層は、基材の保持面への酸素及び/又は水蒸気の透過に対するバリアを提供するのに有効な厚さに形成される。

Description

本発明は、包装に用いるためのフィルム材料、フィルム材料が組み込まれた包装材料、及びフィルム材料の形成方法に関する。
商品包装に用いるのに適するバイオ由来材料及び生分解性材料に対する需要が高まっている。この需要は、少なくとも部分的には、合成のための原材料(原油、天然ガス、及び石炭を含む)の入手先確保と関連している合成ポリマーの持続可能性の問題、及びこれらの合成ポリマーの製品寿命後の問題に対する意識の高まりに起因している。
ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及びポリプロピレン(PP)などの一部の合成ポリマーは、商品包装にとって望ましい特性を有する。これらの特性としては、酸素ガス及び/又は水蒸気に対する低い透過性、高い強度、並びに耐久性が挙げられる。これらの特性は、消耗品の製造業者及びサプライチェーンにとって、及び合成ポリマーから形成された又は合成ポリマーを用いて形成された包装材に包装された消耗品の最終消費者にとって有益であり、これらの有益性の多くは、包装された消耗品の保存寿命に関連する。
既知のバイオ由来ポリマーは、商品包装での使用において、特に、低い酸素透過率(「OTR」)及び/又は低い水蒸気透過率(「WVTR」、水分蒸気透過率(Moisture Vapour Transmission Rate)としても知られる)が必要とされる場合に、適切性が不充分である。例えば、ポリ乳酸(PLA)は、脆弱で、水を取り込み易く、酸素及び水蒸気の透過に対するバリア性が低い。ポリグリコール酸(PGA)は、より良好なバリア特性を有し、PLAよりも強いが、分解するのが速い。
フィルム材料を形成することができ、それによって、消耗品の包装における使用に適し、及び/又は少なくとも有用な代替品を提供するバイオ由来ポリマーが求められている。
フィルム材料であって、
1又は複数のバイオ系モノマーから合成され、60キロダルトン以下の分子量を有する第一のポリマーと、
1又は複数のバイオ系材料から誘導される炭水化物及び官能化炭水化物のうちの1つである第二のポリマーと、
のブレンドを含み、フィルム材料中での第一のポリマー対第二のポリマーの比は、重量基準で少なくとも25:75である、フィルム材料が提供される。
好ましくは、第一のポリマーは、30キロダルトン以下の分子量を有する。より好ましくは、第一のポリマーは、15キロダルトン以下の分子量を有する。なおより好ましくは、第一のポリマーは、4キロダルトン~8キロダルトンの範囲内である分子量を有する。さらにより好ましくは、第一のポリマーは、4.5キロダルトン~7.5キロダルトンの範囲内である分子量を有する。ある特定の実施形態では、第一のポリマーは、およそ5.6キロダルトンの分子量を有する。
いくつかの例では、第一のポリマーは、3以下の多分散指数を有する。より特定の例では、第一のポリマーは、2以下の多分散指数を有する。さらにより特定の例では、第一のポリマーは、1.35~1.75の範囲内である多分散指数を有する。ある特定の例では、第一のポリマーは、1.5~1.6の範囲内である多分散指数を有する。
好ましくは、フィルム材料中での第一のポリマー対第二のポリマーの比は、重量基準で80:20~10:90の範囲内である。より好ましくは、フィルム材料中での第一のポリマー対第二のポリマーの比は、重量基準で75:25~25:75の範囲内である。さらにより好ましくは、フィルム材料中での第一のポリマー対第二のポリマーの比は、重量基準でおよそ50:50である。
ある特定の実施形態では、第一のポリマーは、ポリエステル、ポリビニルエステル、ポリビニルエステル誘導体、若しくはポリエーテル、又はこれらの組み合わせである。
第一のポリマーがポリエステルを含む実施形態では、そのポリエステルは、乳酸、グリコール酸、環状エステル、ブタンジオールのうちの1又は複数のモノマーから合成される。より好ましくは、第一のポリマーは、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、ポリ(ブチレンアジペートテレフタレート)(PBAT)、ポリ(ブチレンスクシネート)(PBS)、及びポリ(ブチレンスクシネート-co-ブチレンアジペート)(PBSA)のうちの1又は複数を含む。第一のポリマーがコポリマーを含む実施形態では、コポリマーは、交互コポリマーの形態であってよく、又はブロックコポリマーのセグメントとしてであってもよい。
第一のポリマーが細菌発酵によって製造されたポリエステルを含む実施形態では、第一のポリマーは、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)及びポリヒドロキシブチレート(PHB)のうちの1又は複数を含む。
第一のポリマーがポリビニルエステル又はポリビニルエステル誘導体を含む実施形態では、第一のポリマーは、ポリ(酢酸ビニル)(PVAc)及びポリ(ビニルアルコール)(PVOH)のうちの1又は複数を含む。
第一のポリマーがグリコールから製造されたポリエーテルを含む実施形態では、第一のポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)を含む。
好ましくは、第一のポリマーは、脂肪族ポリエステルである。好ましいポリエステルの例としては、例えば、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、乳酸とグリコール酸とのコポリマー、乳酸とグリコール酸とポリ(エチレングリコール)とのコポリマー、ポリ(e-カプロラクトン)、及びポリ(3-ヒドロキシブチレート)が挙げられる。
特に好ましい実施形態では、第一のポリマーは、乳酸及びグリコール酸のモノマーから合成される。好ましくは、第一のポリマーは、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)である。
ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、乳酸とグリコール酸とから、40:60~85:15の範囲内のモノマー比で形成され得る。より好ましくは、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、乳酸とグリコール酸とから、50:50~75:25の範囲内のモノマー比で形成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、乳酸ユニットとグリコール酸ユニットとの比がおよそ60:40となるように形成される。すなわち、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、PLGA、は、60%の乳酸ユニットと40%のグリコール酸ユニットとから構成される。
別の選択肢として又は加えて、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、乳酸とグリコール酸とから、重合時に存在する乳酸モノマーとグリコール酸モノマーとの割合をおよそ等しくして形成され得る。
いくつかの例では、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、主としてアモルファスである。いくつかの別の選択肢としての例では、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、90%以下である結晶度を有する。ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、30%~45%である結晶度を有し得る。
好ましくは、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、重合時にL異性体及びD異性体の両方が存在する乳酸モノマーを用いて形成される。
ある特定の実施形態では、第二のポリマーは、セルロース、セルロース誘導体、アルファグルカン、アルファグルカン誘導体、天然多糖類(藻類から誘導されるもの、及びアミドを含有するものを含む)、又はこれらの組み合わせである。
第二のポリマーがセルロースを含む実施形態では、そのセルロースは、セルロース、アセチル化セルロース誘導体、硝化セルロース誘導体、アルキル化セルロース誘導体、及びヘミセルロースのうちの1又は複数であり得る。
好ましくは、第二のポリマーは、アセチル化セルロース誘導体である。アセチル化セルロース誘導体は、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、及び酢酸プロピオン酸セルロースのうちの1又は複数である。ある特定の実施形態では、アセチル化セルロース誘導体は、酢酸セルロースである。
いくつかの実施形態では、酢酸セルロースは、1~3の範囲内であるアセチル化度を有する。フィルム材料のいくつかの用途では、酢酸セルロースは、少なくとも2のアセチル化度を有する。いくつかの用途では、およそ2.5のアセチル化度が望ましい場合がある。フィルム材料のいくつかの別の選択肢としての用途では、酢酸セルロースは、2未満のアセチル化度を有する。
フィルム材料は、フィルム材料を通しての酸素透過率、フィルム材料を通しての水蒸気透過率、フィルム材料の脆弱性の低減、フィルム材料のガラス転移温度、疎水性、フィルム材料の表面エネルギー、及びフィルム材料の可塑性、のうちの1又は複数を修飾するために、1又は複数の添加剤を含んでもよい。
添加剤の限定されない例としては、鉱物及び有機粒子(タルク、マイカ、クレイ、シリカ、アルミナ、炭素繊維、カーボンブラック、ガラス繊維、岩石繊維など)、天然及び加工セルロース系材料(バガス、木材、亜麻、麻、草、及び穀物茎繊維(grain stalk fibres)、並びに果実、種子、及び穀物の外皮、ケナフ、ジュート、サイザル麻、ピーナッツの殻、並びに他のセルロース含有材料など)、ロウ、天然多糖類(キチン及びキトサンを含む)、アルファグルカン(デンプン及びペクチンを含む)が挙げられる。ブレンド中の添加剤の量は、ポリマーマトリックス及び仕上がった組成物の所望される物理的特性に応じて様々であり得る。
フィルム材料であって、
1又は複数のバイオ系モノマーから合成され、60キロダルトン以下の分子量を有する第一のポリマーと、
1又は複数のバイオ系材料から誘導される炭水化物及び官能化炭水化物のうちの1つである第二のポリマーと、
のブレンドを含み、第一及び第二のポリマーは、一緒に連続フィルムを形成する、フィルム材料も提供される。
ある特定の実施形態では、連続フィルムの少なくとも表面層は、第一のポリマーの領域を囲む実質的に連続的なマトリックスとして第二のポリマーが配置されて形成される。表面層内において、第一のポリマーの領域は、様々なサイズ及び/又は間隔であり得る。
いくつかの別の選択肢としての実施形態では、連続フィルムの少なくとも表面層は、第一のポリマーが、第二のポリマーのマトリックス中に少なくとも部分的に分散されて形成される。
好ましくは、第一のポリマーは、30キロダルトン以下の分子量を有する。より好ましくは、第一のポリマーは、15キロダルトン以下の分子量を有する。なおより好ましくは、第一のポリマーは、4キロダルトン~8キロダルトンの範囲内である分子量を有する。さらにより好ましくは、第一のポリマーは、4.5キロダルトン~7.5キロダルトンの範囲内である分子量を有する。ある特定の実施形態では、第一のポリマーは、およそ5.6キロダルトンの分子量を有する。
いくつかの例では、第一のポリマーは、3以下の多分散指数を有する。より特定の例では、第一のポリマーは、2以下の多分散指数を有する。さらにより特定の例では、第一のポリマーは、1.35~1.75の範囲内である多分散指数を有する。ある特定の例では、第一のポリマーは、1.5~1.6の範囲内である多分散指数を有する。
好ましくは、フィルム材料中での第一のポリマー対第二のポリマーの比は、重量基準で80:20~10:90の範囲内である。より好ましくは、フィルム材料中での第一のポリマー対第二のポリマーの比は、重量基準で75:25~25:75の範囲内である。さらにより好ましくは、フィルム材料中での第一のポリマー対第二のポリマーの比は、重量基準でおよそ50:50である。
ある特定の実施形態では、第一のポリマーは、ポリエステル、ポリビニルエステル、ポリビニルエステル誘導体、若しくはポリエーテル、又はこれらの組み合わせである。
第一のポリマーがポリエステルを含む実施形態では、そのポリエステルは、乳酸、グリコール酸、環状エステル、ブタンジオールのうちの1又は複数のモノマーから合成される。より好ましくは、第一のポリマーは、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、ポリ(ブチレンアジペートテレフタレート)(PBAT)、ポリ(ブチレンスクシネート)(PBS)、及びポリ(ブチレンスクシネート-co-ブチレンアジペート)(PBSA)のうちの1又は複数を含む。第一のポリマーがコポリマーを含む実施形態では、コポリマーは、交互コポリマー、ランダムコポリマーの形態であってよく、又はブロックコポリマーのセグメントとしてであってもよい。
第一のポリマーが細菌発酵によって製造されたポリエステルを含む実施形態では、第一のポリマーは、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)及びポリヒドロキシブチレート(PHB)のうちの1又は複数を含む。
第一のポリマーがポリビニルエステル又はポリビニルエステル誘導体を含む実施形態では、第一のポリマーは、ポリ(酢酸ビニル)(PVAc)及びポリ(ビニルアルコール)(PVOH)のうちの1又は複数を含む。
第一のポリマーがグリコールから製造されたポリエーテルを含む実施形態では、第一のポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)を含む。
好ましくは、第一のポリマーは、脂肪族ポリエステルである。好ましいポリエステルの例としては、例えば、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、乳酸とグリコール酸とのコポリマー、乳酸とグリコール酸とポリ(エチレングリコール)とのコポリマー、ポリ(e-カプロラクトン)、及びポリ(3-ヒドロキシブチレート)が挙げられる。
特に好ましい実施形態では、第一のポリマーは、乳酸及びグリコール酸のモノマーから合成される。好ましくは、第一のポリマーは、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)である。
ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、乳酸とグリコール酸とから、40:60~85:15の範囲内のモノマー比で形成され得る。より好ましくは、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、乳酸とグリコール酸とから、50:50~75:25の範囲内のモノマー比で形成され得る。少なくともいくつかの実施形態では、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、乳酸ユニットとグリコール酸ユニットとの比がおよそ60:40となるように形成される。すなわち、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、PLGA、は、60%の乳酸ユニットと40%のグリコール酸ユニットとから構成される。
別の選択肢として又は加えて、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、乳酸とグリコール酸とから、重合時に存在する乳酸モノマーとグリコール酸モノマーとの割合をおよそ等しくして形成され得る。
いくつかの例では、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、主としてアモルファスである。いくつかの別の選択肢としての例では、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、90%以下である結晶度を有する。ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、30%~45%である結晶度を有し得る。
好ましくは、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、重合時にL異性体及びD異性体の両方が存在する乳酸モノマーを用いて形成される。
ある特定の実施形態では、第二のポリマーは、セルロース、セルロース誘導体、アルファグルカン、アルファグルカン誘導体、天然多糖類(藻類から誘導されるもの、及びアミドを含有するものを含む)、又はこれらの組み合わせである。
第二のポリマーがセルロースを含む実施形態では、そのセルロースは、セルロース、アセチル化セルロース誘導体、硝化セルロース誘導体、アルキル化セルロース誘導体、及びヘミセルロースのうちの1又は複数であり得る。
好ましくは、第二のポリマーは、アセチル化セルロース誘導体である。アセチル化セルロース誘導体は、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、及び酢酸プロピオン酸セルロースのうちの1又は複数である。ある特定の実施形態では、アセチル化セルロース誘導体は、酢酸セルロースである。
いくつかの実施形態では、酢酸セルロースは、1~3の範囲内であるアセチル化度を有する。フィルム材料のいくつかの用途では、酢酸セルロースは、少なくとも2のアセチル化度を有する。いくつかの用途では、およそ2.5のアセチル化度が望ましい場合がある。フィルム材料のいくつかの別の選択肢としての用途では、酢酸セルロースは、2未満のアセチル化度を有する。
さらに、包装材料であって、
基材と、
上記で述べた通りのフィルム材料から形成され、基材の保持面上において実質的に連続的なフィルムに組み立てられる少なくとも1つの層と、
を備え、層は、基材の保持面への酸素及び/又は水蒸気の透過に対するバリアを提供するのに有効な厚さに形成される、包装材料も提供される。
好ましくは、フィルム材料の層又は各層は、少なくとも5グラム/メートル(gsm)の厚さに形成される。フィルム材料の層又は各層は、20グラム/メートル(gsm)以上の厚さに形成され得る。
好ましくは、フィルム材料の層は、少なくとも2.5μmの平均厚さに形成される。より好ましくは、フィルム材料の層は、少なくとも5μmの平均厚さに形成される。
いくつかの実施形態では、基材の保持面は、実質的に平面である。いくつかの別の選択肢としての実施形態では、基材の保持面は、非平面である。
いくつかの例では、フィルム材料の層は、包装材料の外部面を画定し得る。いくつかの例では、フィルム材料の層は、別の選択肢として又は加えて、包装材料の内部面を画定し得る。
いくつかの実施形態では、包装材料は、消耗品が中に包装されることになる凹部分を画定する。包装材料は、フィルム材料の層が基材と凹部分との間に存在するような配置とされ得る。別の選択肢として又は加えて、包装材料は、基材がフィルム材料の層と凹部分との間に配置され得る。
別の選択肢として又はより詳細には、フィルム材料の層は、23℃、相対湿度50%での包装材料の酸素透過率が30立方センチメートル毎平方メートル毎日(cm/(m×日))以下となるような厚さで基材上に形成され得る。ある特定の実施形態では、フィルム材料の層は、23℃、相対湿度50%での包装材料の酸素透過率が15立方センチメートル毎平方メートル毎日(cm/(m×日))以下となるような厚さで基材上に形成され得る。いくつかの特定の実施形態では、フィルム材料の層は、23℃、相対湿度50%での包装材料の酸素透過率が13立方センチメートル毎平方メートル毎日(cm/(m×日))以下となるような厚さで基材上に形成される。
好ましくは、基材は、集められて所定の形状となるように加工されたパルプ繊維から形成され、又はそれを含み、基材内でパルプ繊維間に結合を形成するように処理され、それによって、基材は、支持されていない状態でもその形状を少なくとも部分的に維持することができる。
いくつかの実施形態では、基材は、以下を有する多層材料であり得る:
集められて所定の形状となるように加工されたパルプ繊維から形成され、又はそれを含み、パルプ繊維間に結合を形成するように処理された一次層、並びに
一次層及びフィルム材料を含む層とは別個に形成された1又は複数の二次層。
好ましくは、二次層のうちの少なくともいくつかの材料は、一次層及び二次層と機能的に異なっている。
さらに、フィルム材料の形成方法が提供され、その方法は、
溶媒中に分散及び/又は溶解された第一のポリマーの混合物を形成することであって、第一のポリマーは、1又は複数のバイオ系モノマーから合成され、60キロダルトン以下の分子量を有する、形成すること、
第二のポリマーを、第二のポリマーが分散及び/又は溶解されるように混合物に添加することであって、第二のポリマーは、1又は複数のバイオ系材料から誘導される炭水化物及び官能化炭水化物のうちの1つである、添加すること、及び
溶媒と第一及び第二のポリマーとの混合物から溶媒を蒸発させてフィルム材料を形成すること、
を含み、第二のポリマーは、混合物中での第二のポリマー対第一のポリマーのフィード比が、重量基準で少なくとも25:75となるように、混合物に添加される。
好ましくは、第二のポリマーは、混合物中での第二のポリマー対第一のポリマーのフィード比が、重量基準で80:20~10:90の範囲内となるように、混合物に添加される。より好ましくは、第二のポリマーは、混合物中での第二のポリマー対第一のポリマーのフィード比が、重量基準で75:25~25:75の範囲内となるように、混合物に添加される。さらにより好ましくは、第二のポリマーは、混合物中での第二のポリマー対第一のポリマーのフィード比が、重量基準でおよそ50:50となるように、混合物に添加される。
方法の特に好ましい実施形態では、第一のポリマーは、乳酸及びグリコール酸のモノマーから合成される。好ましくは、第一のポリマーは、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)である。ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、乳酸とグリコール酸とから、40:60~85:15の範囲内のモノマー比で形成され得る。より好ましくは、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、乳酸とグリコール酸とから、50:50~75:25の範囲内のモノマー比で形成され得る。別の選択肢として又は加えて、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)は、乳酸とグリコール酸とから、重合時に存在する乳酸モノマーとグリコール酸モノマーとの割合をおよそ等しくして形成され得る。
方法の特の好ましい実施形態では、第二のポリマーは、アセチル化セルロース誘導体である。ある特定の実施形態では、アセチル化セルロース誘導体は、酢酸セルロースである。
好ましくは、第一のポリマーは、30キロダルトン以下の分子量を有する。より好ましくは、第一のポリマーは、15キロダルトン以下の分子量を有する。なおより好ましくは、第一のポリマーは、4キロダルトン~8キロダルトンの範囲内である分子量を有する。さらにより好ましくは、第一のポリマーは、5.6キロダルトン~7.5キロダルトンの範囲内である分子量を有する。ある特定の実施形態では、第一のポリマーは、およそ5.6キロダルトンの分子量を有する。
ある特定の例では、第一のポリマーは、3以下の多分散指数を有する。さらに、第一のポリマーは、2以下の多分散指数を有し得る。なおさらに、第一のポリマーは、1.35~1.75の範囲内である多分散指数を有し得る。いくつかの例では、第一のポリマーは、1.5~1.6の範囲内である多分散指数を有する。
方法は、第一及び第二のポリマーの両方が溶解可能である溶媒を選択することを含み得る。別の選択肢として又は加えて、方法は、第一及び第二のポリマーの両方が分散可能である溶媒を選択することを含み得る。溶媒は、水及び/又は1又は複数の揮発性液体であってもよい。好ましくは、溶媒は、有機溶媒である。より好ましくは、溶媒は、ケトンである。さらにより好ましくは、溶媒は、アセトンである。
方法はさらに、溶媒を蒸発させる少なくとも部分的に前に、溶媒と第一及び第二のポリマーとの混合物を、フィルム材料が形成されることになるターゲット面上に移送することを含み得る。
いくつかの実施形態では、方法はさらに、第一及び第二のポリマーの各々を完全に溶解及び/又は分散するのに充分な溶媒の初期量を選択することを含み得る。より詳細には、方法は、溶媒を蒸発させる前における溶媒と第一及び第二のポリマーとの混合物の所定の粘度を実現するための溶媒の初期量を選択することを含み得る。さらに、所定の粘度は、溶媒と第一及び第二のポリマーとの混合物の、フィルム材料が形成されることになるターゲット面への適用が容易となるように選択され得る。好ましくは、溶媒の初期量は、溶媒と第一及び第二のポリマーとの混合物中の溶媒の割合が65%~95%となるように選択される。より好ましくは、溶媒の初期量は、溶媒と第一及び第二のポリマーとの混合物中の溶媒の割合が80%~90%となるように選択される。さらにより好ましくは、溶媒の初期量は、溶媒と第一及び第二のポリマーとの混合物中の溶媒の割合がおよそ85%となるように選択される。
いくつかの実施形態では、溶媒を蒸発させることは、混合物を、第一のポリマーのガラス転移温度を超える温度まで加熱することを含む。溶媒を蒸発させることは、別の選択肢として又は加えて、混合物の表面に向かって空気流を指向させることを含み得る。
方法はさらに、溶媒が蒸発した後にフィルム材料をテンパリングすること(tempering)を含み得る。好ましくは、フィルム材料をテンパリングすることは、処理材料を所定の時間にわたって高温に維持することを含む。好ましくは、高温は、第一のポリマーのガラス転移温度を超える。
好ましくは、方法は、フィルム材料を2.5~100μmの範囲内の平均厚さに形成することを含む。より好ましくは、方法は、フィルム材料を5~50μmの範囲内の平均厚さに形成することを含む。
いくつかの実施形態では、ターゲット面は、成形面であり、方法は、溶媒と第一及び第二のポリマーとの混合物を成形面上に適用すること、及び成形面から形成されたフィルム材料を取り外すことを含む。
ある特定の実施形態では、ターゲット面は、フィルム材料を保持することになる包装材料構成要素の面であり、それによって、フィルム材料は、包装材料構成要素の面に接着することになる。
別の選択肢として又は加えて、第一及び第二のポリマーの混合物をターゲット面上に移送する工程は、押出しコーティング、タンブルコーティング(tumble coating)、造粒、スプレーコーティング、キャスティングなどによって混合物をターゲット面に適用することを含む。多くの適切なコーティング法が、本技術分野において公知であり、当業者であれば、本明細書における教示内容を考慮し、過度な実験を行うことなく実践され得る。
方法はさらに、第一のモノマー材料及び第二のモノマー材料から第一のポリマーを合成することを含んでよく、合成することは、
第二のモノマー材料を、第一のモノマー材料が分散されている水溶液に、第一のモノマー材料対第二のモノマー材料の所定のモル比で添加することによってフィード混合物を作製すること、
既定の脱水条件下でフィード混合物を脱水すること、
脱水フィード混合物を、重合触媒中でオリゴマー化すること、
オリゴマー化フィード混合物に対して合成後仕上げを実施し、続いて第一のポリマーを単離すること、
を含む。
重合触媒は、ブレンステッド酸触媒、ルイス酸触媒、又は有機触媒であってよい。
好ましくは、重合触媒は、スルホン酸である。重合触媒がブレンステッド酸触媒である実施形態では、重合触媒は、メタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、又はトリフルオロメタンスルホン酸のうちの1つであり得る。
重合触媒がルイス酸触媒である実施形態では、重合触媒は、1又は複数の金属アルコキシドであり得る。好ましくは、重合触媒は、アルミニウムイソプロポキシド、塩化スズ、ウレア/カリウムアルコキシド、オクタン酸第一スズ、又はスズアルコキシドのうちの1つである。
重合触媒が有機触媒である実施形態では、重合触媒は、1又は複数の求核塩基である。好ましくは、重合触媒は、4-ジメチルアミノピリジン、ヘテロ環式カルベン、チオウレア-アミン触媒、又はトリス[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミン(Me6TREN)のうちの1つである。
第一のモノマー材料が乳酸であり、第二のモノマー材料がグリコール酸である実施形態では、重合触媒は、スズ(Sn)の化合物である。好ましい実施形態では、重合触媒は、2-エチルヘキサン酸スズ(II)(Sn(Oct)))である。
次に、本発明をより容易に理解することができるように、実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照しながら記載する。
図1は、20gsmの実施形態に従うフィルム材料でコーティングした耐グリースシートのサンプルのWVTR試験結果を示すグラフであり、試験は、23℃、相対湿度(RH)50%で行った。 図2は、実施形態に従うフィルム材料のコーティングを20gsmのコーティング重量で各々が有する熱成形パルプ繊維シートのサンプルの相対的OTR試験結果を表すグラフである。 図3は、実施形態に従うフィルム材料でコーティングした熱成形パルプ繊維シートのサンプルのCobb試験結果を示す棒グラフである。 図4は、実施形態に従うフィルム材料でいくつかをコーティングした熱成形パルプ繊維シートのサンプルの移行試験結果を示す棒グラフである。 図5は、実施形態に従うフィルム材料のサンプル表面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像であり、画像平面内でマイクロメートルスケールの解像度で生成した。 図6は、実施形態に従うフィルム材料のサンプル表面の原子間力顕微鏡(AFM)画像であり、画像は、画像平面内でマイクロメートルスケールの解像度で生成した。 図7は、図6に示すフィルム材料の表面の一部分の原子間力顕微鏡(AFM)画像であり、その部分を、画像平面内でナノメートルスケールの解像度に拡大した。 図8は、合成したPLGAのサンプルのスペクトルを示すグラフであり、グラフは、プロトン核磁気共鳴(NMR)分光法によって得た。 図9は、合成したPLGAのサンプルの分子量分布を示すグラフであり、グラフは、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)分析によって得た。 図10は、合成したPLGAのサンプルの結晶学的構造を示すグラフであり、グラフは、x線回折(XRD)分析によって得た。 図11は、合成したPLGAのサンプルに対して行った示差走査熱量測定の結果を示すグラフである。 図12は、図2に示すものなどのOTR結果を得るために用いた試験セルであるMOCON OX-TRAN Oxygen Permeation Analyzer Model 2/22 TruSealの試験セルの模式的縦断面図である。 図13は、図3に示すものなどのCobb結果を得るために用いたCobb試験装置の模式図である。 図14は、実施形態に従うフィルム材料のサンプル表面の原子間力顕微鏡(AFM)画像であり、画像は、画像平面内でマイクロメートルスケールの解像度で生成した。 図15は、実施形態に従うフィルム材料のサンプル表面の原子間力顕微鏡(AFM)画像であり、画像は、画像平面内でマイクロメートルスケールの解像度で生成した。 図16は、実施形態に従うフィルム材料のサンプル表面の原子間力顕微鏡(AFM)画像であり、画像は、画像平面内でマイクロメートルスケールの解像度で生成した。 図17は、実施形態に従うフィルム材料のサンプル表面の原子間力顕微鏡(AFM)画像であり、画像は、画像平面内でマイクロメートルスケールの解像度で生成した。 図18は、図16のフィルム材料のサンプル表面の原子間力顕微鏡(AFM)位相画像であり、画像は、画像平面内でマイクロメートルスケールの解像度で生成した。 図19は、実施形態に従うフィルム材料のサンプルの写真である。
次に、実施形態を以下の例を参照して記載する。これらの実施形態及び例が、本発明の例示として提供されるものであること、及びそれらが、本発明の範囲を限定するものではまったくないことは理解されたい。
例1:フィルム材料の合成
化学物質:
ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA):
- 合成したままの状態;
酢酸セルロース(CA):
- Sigma Aldrichから入手(製品番号:180955)、
- 粉末形態、
- 平均分子量(Mn):30キロダルトン、
- アセチル化:39.8%(重量基準)、
- 受け取ったままの状態で使用;
アセトン:
- Merckから入手(製品番号:100014)、
- 試薬グレード、
- 受け取ったままの状態で使用
Sigma Aldrichから入手した酢酸セルロースは、39.8重量%のアセチル化を有すると記載されており、それは、言い換えると、およそ2.45(2.5に四捨五入可能)のアセチル化度と表すことができる。
基材材料:
高密度ポリ(エチレン)(HDPE)シート:
- Plastic Center(Melbourne,Australia)から入手
- 厚さ1.5mm(公称値)、
- 受け取ったままの状態で使用
耐グリースシート:
- コンポスト化可能褐色紙(Glad to be Green(登録商標))、
- 40gsm、
- 小売り品グレード、
- 受け取ったままの状態で使用
熱成形パルプ繊維シート:
- Sheeonから入手した未加工バガス繊維から成形、
- シート重量400gsmの実質的平面形状、
- 本出願者が熱成形したものであり、以下を含む:
a. Technical Association of the Pulp and Paper Industry(TAPPI) T248 SP-15 Standard,“Laboratory Beating of Pulp(PFI Mill Method)”,April 2015、に従って、未加工バガス繊維を叩解、ミルで3000回転の叩解まで、及び
b. 発明の名称「A Tool for use in a Thermoforming Process」で、Varden Process Pty Ltd.の名前で出願された国際特許出願PCT/AU2020/051248号に実質的に記載され、示されている通りのツールを含む装置を使用。
方法:
所望されるモル分率のPLGA及びCAをアセトンに溶解し、続いて20℃~30℃に、理想的には25℃に加熱し、溶解するまで一定の撹拌下で最大2時間まで維持して、溶解したPLGA:CAブレンドを形成した。様々な実験では、PLGA及びCAを、アセトン中に、5重量%、10重量%、15重量%、及び25重量%の濃度で溶解して試験した。
溶解したPLGA:CAブレンドを、選択された基材材料に、所望されるコート重量を実現する質量で送った。様々な実験では、10g/m(「グラム毎平方メートル」又は「gsm」としても知られる)、20gsm、及び30gsmのコート重量を試験した。アセトン溶媒を、コーティングしたシートを、所定の時間にわたって高温及びクロスフロー空気流の環境中に置くことによって蒸発させた。具体的には、アセトン溶媒を、乾燥オーブン中で、以下のようにして蒸発させた:
- 20℃~56℃の範囲内、理想的には50℃の温度;
- 1.2m/秒~3m/秒の範囲内、理想的には1.5m/秒の平均空気流;及び
- 180秒間~340秒間の範囲内、理想的には210秒間の時間。
分析:
水蒸気に対するバリア性:
理解されるように、包装材料の状況において、水蒸気に対するバリアとしての材料の有効性は、包装材料の性能における重要な因子であり得る。
耐グリースシート上、20gsmのコーティング重量で形成したPLGA:CAブレンドのフィルムのサンプル(以下の表1に従う)を、上記で述べた方法によって作製した。これらのサンプルを、移行試験剤としての23℃及び相対湿度(RH)50%の空気を用いた水蒸気透過率(WVTR)試験に掛けた。加えて、耐グリースシート上、20gsmのコーティング重量で形成したPLGAのみのフィルムのサンプも、上記で述べた方法によって作製した。
Figure 2024523792000001
上記の結果を図1にグラフで示す。これらの結果は、PLGA:CAブレンドであるフィルム材料の水蒸気バリア特性が、酢酸セルロース(CA)の割合の増加と共に低下することを示す。
酸素ガスに対するバリア性:
理解されるように、包装材料の状況において、酸素ガスに対するバリアとしての材料の有効性は、包装材料の性能における重要な因子であり得る。
PLGA:CAブレンドのフィルム材料のサンプル(以下の表2に従う)を、上記で述べた方法によって作製し、続いて、各々が本出願者による熱成形パルプ繊維シートを含む基材上に20gsmのコーティング重量でコーティングした。これらのサンプルを、MOCON OX-TRAN Oxygen Permeation Analyzer Model 2/22を用いた酸素透過率(OTR)試験に掛けた。加えて、PLGAのみのフィルム材料の指標サンプル(indexing sample)を、実質的に上記で述べた方法によるが、第二のポリマー(酢酸セルロース)を除いて作製し、続いて、やはり20gsmのコーティング重量で、熱成形パルプ繊維シートを含む基材上にコーティングした。
比較の目的で、サンプル6、7、及び8(PLGA:CAブレンドのフィルム材料)の試験結果を、サンプル5に対して指数化する。したがって、サンプル6、7、及び8の指数化酸素透過率(OTR)は、指標サンプル(サンプル5)の結果に対する割合であり、したがって、サンプル5における指数化OTRは、1である。
Figure 2024523792000002
上記の結果を図2にグラフで示す。これらの結果は、PLGA:CAブレンドであるフィルム材料の酸素ガスバリア特性が、酢酸セルロース(CA)の割合の増加と共に上昇することを示す。
MOCON OX-TRAN Oxygen Permeation Analyzer Model 2/22の試験セルを、図12に模式的に示し、以下で述べる。
液体水に対するバリア性:
理解されるように、包装材料の状況において、液体水に対するバリアの有効性は、包装材料の性能における重要な因子であり得る。
Cobb試験は、表面からの水吸収の測定である。具体的には、この試験は、設定した時間での材料の表面から吸収された水の量を特定するものである。Cobb試験は、標準領域を所定の時間にわたって水に曝露させて、材料によって吸収される水の量(g/m又は「gsm」の単位)を測定するものである。上記で作製したPLGA:CAブレンドのフィルムでコーティングされた基材を有する材料のサンプルをCobb試験に掛けて、液体水に対するバリアとして作用するフィルムの能力の測定値を得る。
熱成形パルプ繊維シート上、公称コーティング重量に形成したPLGA:CAブレンドのフィルムのサンプル(以下の表3に従う)を、上記で述べた方法によって作製した。加えて、熱成形パルプ繊維シート上に形成したPLGAのみのフィルムのサンプも、上記で述べた方法によって作製した。
Figure 2024523792000003
上記の結果を図3の棒グラフで示す。これらの結果は、全体として、PLGA:CAブレンドであるフィルム材料の液体水バリア特性が:
- 酢酸セルロースがブレンド中に存在するが、75%未満である場合に最適値を有すること、及び
- フィルム材料のコート重量の増加と共に上昇し得ること(場合によっては指数関数的に)、
を示す。
サンプル1~15に関して、上記で述べた試験の結果は、およそ50:50の重量比でPLGA成分とCA成分とから形成されたフィルム材料が、水蒸気、酸素(ガス)、及び液体水のすべてに関して、有益なバリア性能を提供することを示す。
PLGA:CAフィルムの包装品への移行
理解されるように、消耗品の包装に使用することを意図する包装材料の状況において、包装材料が消耗品へ移行することは、その品物にとって有害である。
移行試験は、材料から、その材料と接触して保存されている品物へ移行した(すなわち、浸出した)材料の残留物の測定である。PLGA:CAブレンドのフィルムでコーティングされた基材を有する材料のサンプルを移行試験に掛けて、フィルム材料が消耗品に移行する量の測定値を得る。
熱成形パルプ繊維シート上、公称コーティング重量に形成したPLGA:CAブレンドのフィルムのサンプル(以下の表4に従う)を、上記で述べた方法によって作製した。加えて、未コーティングの熱成形パルプ繊維シートのサンプル、及び熱成形パルプ繊維シート上に形成したCAのみのフィルムのサンプも、上記で述べた方法によって作製した。
移行試験は、食料品と接触する材料に関するEuropean Standard EN 1186-9に従って本出願者が実施した。試験は、水性食品模擬材料をサンプル材料と接触させること、及び模擬材料とサンプルとを30分間にわたって100℃の温度に掛けることを含む。欧州食品接触材規則の要求事項によると、包装材料の場合、<10mg/dm未満の移行残留物値が要求される。
Figure 2024523792000004
上記の結果を図4の棒グラフで示す。これらの結果は、50:50のPLGA:CAブレンドによるフィルム材料が、欧州食品接触材規則を満たす残留物量を有することを示す。
例2:バイオ系モノマーからの低分子量PLGAの合成
化学物質:
乳酸:
- Sigma Aldrichから入手(製品番号:W261114)、
- 液体、含有量85体積%、残りの15%は水、乳酸のより大きなオリゴマー、及び他のFEMA GRAS成分を含有、
- 受け取ったままの状態で使用;
グリコール酸:
- Sigma Aldrichから入手(製品番号:124737)、
- 粉末形態、含有量99%、
- 受け取ったままの状態で使用;
2-エチルヘキサン酸スズ(II):
- Sigma Aldrichから入手(製品番号:S3252)、
- 液体、含有量92.5~100%、
- 受け取ったままの状態で使用;
クロロホルム:
- Sigma Aldrichから入手(製品番号:C2432)、
- 液体、
- 受け取ったままの状態で使用;
メタノール:
- Sigma Aldrichから入手(製品番号:179957)、
- 液体、
- 受け取ったままの状態で使用
方法:
適切な量の乳酸及びグリコール酸のフィードを混合して、所望されるモノマーフィード比を実現し、続いて、緩やかな部分真空下(100ミリバール)で160℃まで加熱し、一定の撹拌と共に2時間維持した。続いて、重合触媒(2-エチルヘキサン酸スズ(II))を反応に投入し、温度を180℃に上げ、部分真空を高めて(<5ミリバールまで)、一定の撹拌と共に4~16時間維持した。合成反応後の混合物を室温まで冷却し、クロロホルムに溶解した。次にメタノールを溶液に添加し、続いて反応溶液を撹拌し、放置して分離させた。得られた上澄みを注ぎ出した。残った溶質を圧縮空気流によって飛ばして析出物とした。最後に、析出物を、真空オーブン中、35℃で24時間乾燥し、このようにして、合成したポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)が粉末形態で残った。
PLGAポリマーを、50:50の乳酸対グリコール酸モノマーフィードモル比で作製した。
分析:
上記で述べたように合成したPLGAのサンプルを、Bruker核磁気共鳴(NMR)分光計を用いて分析した。図8は、サンプルのプロトン(1H)核磁気共鳴スペクトルを示すグラフである。この分析のために、サンプルをクロロホルム(CHCl)に溶解した。
図8において、スペクトル中のクラスターは以下の通りである。
Figure 2024523792000005
表中:
Chl:クロロホルム溶媒に相当、
:サンプル中の乳酸成分のメチン基に相当、
G:サンプル中のグリコール酸成分のメチレン基に相当、
:サンプル中の乳酸成分のメチル基に相当、
「H’s」:対応する官能基中の水素原子の数である。
サンプル中に存在する乳酸のメチン基(L)及びグリコール酸のメチレン基(G)のシグナル強度値を用いて、サンプル中に存在するグリコール酸エステルの割合を、以下のようにして算出することができる。
強度(I)=0.7、及びG強度(I):0.96
Figure 2024523792000006
したがって、プロトンNMR分光法から得られた(及び図8に示される)結果は、サンプルが、およそ60:40のポリマー中の乳酸対グリコール酸単位比を有することを示唆している。
上記で述べたように合成したPLGAのサンプルを、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて分析した。図9は、サンプルの分子量分布を示すグラフである。ゲル浸透クロマトグラフィ分析からの結果より、サンプルが以下を有していることが分かる:
数平均分子量(Mn):4.857×10g/mol
重量平均分子量(Mw):8.116×10g/mol
多分散指数(PDI):1.67
上記で述べたように合成したPLGAのサンプルを、x線回折計を用いて分析した。図10は、x線回折分析からの位相角(2θ)に対する強度(カウント)を示すグラフである。この分析からの結果は、サンプル材料が40%の結晶度を有し、残り(60%)はアモルファスであることを示唆している。
上記で述べたように合成したPLGAのサンプルを、示差走査熱量計を用いて分析した。図11は、示差走査熱量分析からの温度(℃)に対する熱流(mW)を示すグラフである。この分析からの結果は、サンプルがおよそ32.56℃のガラス転移温度(Tg)を有することを示唆している。
2-エチルヘキサン酸スズ(II)が、当業者に「オクタン酸スズ」、「オクタン酸スズ(II)」、及び/又は「オクタン酸第一スズ」としても知られ、スズと共に合成された重合触媒であることは理解されたい。
上記で述べた例2の方法が、重縮合によるPLGAの合成を含むことは理解される。同じ又は実質的に類似の特性を有するPLGAの合成を、他の重合法によって実現することが可能である。単なる例として、開環などの連鎖重合法を用いることが可能である。
図5は、例1に従って作製されたPLGA:CAブレンドから形成されたフィルム材料表面の走査型電子顕微鏡(SEM)画像であり、フィルム材料は、ブレンド中に存在する2つのポリマーを実質的に等量で有する。図5の画像は、画像平面内でマイクロメートルスケールの解像度で生成し、縮尺を画像内に示す。SEM画像中、ブレンドのPLGA成分は、明灰色の環状形態に囲まれた表面の暗灰色の領域によって識別することができる。ブレンドのCA成分は、中間灰色の領域によって識別することができる。したがって、SEM画像は、フィルム材料中、PLGAの領域が酢酸セルロースの相互連結したマトリックス内に分散されていることを示唆している。
図6及び図7は、例1に従って作製されたPLGA:CAブレンドから形成されたフィルム材料表面の原子間力顕微鏡(AFM)画像であり、フィルム材料は、ブレンド中に存在する2つのポリマーを実質的に等量で有する。図6の画像は、画像平面内でマイクロメートルスケールの解像度で生成し、縮尺を画像内に示す。図7の画像は、図6に示すフィルム材料の表面の一部分で、画像平面内でナノメートルスケールの解像度に拡大しており、縮尺を画像内に示す。各画像中、表面高さは、画像の濃淡によって表され、実際の画像の右側にある濃淡バーに従って、画像の明から暗の色彩により、対応して高い領域から低い領域の範囲を表している。
図6のAFM画像は、フィルム材料の表面が、およそ6.2ナノメートル(すなわち、6.2×10-9m)の画像領域内最大表面凹凸高低差を有することを示す。図7のAFM画像は、フィルム材料の表面が、およそ4.03ナノメートル(すなわち、4.03×10-9m)の画像領域内表面凹凸高低差を有することを示す。
図6及び図7の画像のさらなる評価から、PLGA:CAブレンド内において、2つのポリマーが、溶媒乾燥プロセスを通して高度に混合された状態で維持されることが示唆される。
本出願者は、合成したPLGAの比較的低い分子量が、ブレンドの高度に混合された構造を維持するものと理解している。このことにより、実施形態に従うPLGA:CAブレンドは、水蒸気及び酸素の両方に関して、同じ材料内で驚くべき高いバリア特性を実現することができる。加えて、これらのPLGA:CAブレンドは、酢酸セルロース(CA)の強度及び疎水性と、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)の柔軟性及び低い酸素透過性とを同時に保持することができる。水蒸気及び酸素の両方の透過に対する驚くべき高い耐性を伴う強いが柔軟であるポリマー材料の有益性が、同じ材料内で提供され、これは既知のバイオ系及び生分解性ポリマーブレンドでは示唆されていない有益性である。このような高いバリア特性は、PLGA又はCAの従来の理解とは一致しないものであり、なぜなら、とりわけ、PLGA又はCAのいずれかから形成されたフィルム材料の特性が、許容される又はさらには望ましいWVTR及びOTR特性をこれらの材料のブレンドから同時には達成できないはずであることを個々に示唆しているからである。他のバイオ系モノマーの個々のポリマーから形成されたフィルム材料に関しても同様である。
加えて、実施形態に従うPLGA:CAブレンドの追加の特性は、移行性能及び液体水に対するバリア性も実現し、これらも驚くべきことである。
実施形態に従うPLGA:CAブレンドから形成されたフィルム材料の追加の有益性としては、材料がバイオ由来であること、フィルム材料が生分解性であること及び/又はコンポスト化可能であること、材料が望ましい可撓性、脆弱性、及び透明性を有すること、が挙げられる。
図12は、酸素透過試験セル10の模式的縦断面図である。セル10は、互いに対して閉じられて内部キャビティ16を画定する上側シェル部12及び下側シェル部14を有する。試験サンプルSを、上側及び下側シェル部12、14の間に捕捉することができる。上側及び下側シェル部12、14の各々の接触面は、試験サンプルSに対するシールを作り出すように構成されている。
図3に示されるように、上側及び下側シェル部12、14の間に試験サンプルSを捕捉することで、キャビティ16は、上側キャビティ領域と下側キャビティ領域とに分割される。
下側シェル部14は、酸素(O)ガス入口部18を有し、それを通して酸素ガスがキャビティ16に供給される。ベント20は、キャビティ16を排気して、典型的には大気圧である公称キャビティ圧とするように構成される。このようにして、下側キャビティ領域は、酸素ガスを充填して、公称キャビティ圧に維持することができる。
上側シェル部12は、キャリアガス入口部22を有し、それを通してキャリアガスがキャビティ16に供給される。キャリアガスは、典型的には窒素(N)であり、試験中、窒素ガスは、ガス入口部22を介して比較的一定の流速で供給される。上側シェル部12はまた、サンプルガス出口部24も有する。試験中、キャリアガスは、上側キャビティ領域内からガスを置換し、置換されたガスは、サンプルガス出口部24を介してキャビティ16から排出される。サンプルガス出口部24を介して排気される置換されたガス中に存在する酸素の量を分析することで、試験サンプルSの酸素透過率を特定することができる。
酸素(O)ガス入口部18及びキャリアガス入口部22の各々は、サンプルの正確で信頼性のある試験を容易とするために、湿度センサー26を含む。
図13は、Cobb試験装置100の模式図である。装置100は、ベースプレート102及び円筒形シェル104を含む。装置100の使用時、試験サンプルは、ベースプレート102と円筒形シェル104の基部との間に挿入される。図13では、試験サンプル位置は、矢印TSで示される。
一対のポスト108が、ベースプレート102に固定されている。クランプバー106が、円筒形シェル104の上部を横切って設置され、ポスト108は、クランプ106にある穴を貫通している。続いて、ネジきりした留め具110を締めることで、ベースプレート102と円筒形シェル104との間の試験サンプルを圧縮する。
円筒形シェル104は、確定した内径を有し、それによって、例えばシェル104の内部を所定の深さまで充填することにより、内部キャビティ112を所定の体積まで充填することができる。実際の試験では、試験サンプルは、所定の時間、通常は60秒間又は180秒間(それぞれCobb60又はCobb180試験として知られる)にわたって水に曝露される。
例3:フィルム材料の合成
化学物質:
ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA):
- Advanced Molecular Technologies Pty Ltd,から入手、委託し、本出願者の仕様に従って合成、
- 粉末形態、
- 受け取ったままの状態で使用;
酢酸酪酸セルロース(CAB):
- Eastmanから入手(製品番号:CAB-381-0.5)、
- 粉末形態、
- 受け取ったままの状態で使用(本明細書において「CAB-381-0.5(Eastman)」と称する);
酢酸プロピオン酸セルロース(CAP):
- Sigma Aldrichから入手(製品番号:340642)、
- 粉末形態、
- 受け取ったままの状態で使用(本明細書において「CAP(Sigma)」と称する);
酢酸プロピオン酸セルロース(CAP):
- Eastmanから入手(製品番号:CAP-482-0.5,Food Contact)、
- 粉末形態、
- 受け取ったままの状態で使用(本明細書において「CAP-482-0.5(Eastman)」と称する);
アセトン:
- Merckから入手(製品番号:100014)、
- 試薬グレード、
- 受け取ったままの状態で使用
PLGAのプロトンNMR分光法から得られた結果の分析は、およそ60:40のポリマー中の乳酸対グリコール酸単位比を示した。
基材材料:
Derwentトレーシングペーパー:
- 92gsm、
- 小売り品グレード、
- 受け取ったままの状態で使用
方法:
例1に従う。コーティング材料はすべて、PLGAのモル分率を50重量%とし、残部をアセチル化セルロース誘導体成分として、アセトン溶液として作製した。
溶液中のポリマーブレンドを、基材材料へ送って、30gsmのコート重量を実現した。
分析:
基材材料上に形成したコーティング材料ブレンドのフィルムのサンプル。各サンプルを、例1の分析で詳細に述べたようにして、OTR及びWVTR試験に掛けた。結果を以下の表5に示す。
Figure 2024523792000007
図14~図17は、以下の表6に詳細に示すように、例3のPLGAと第二のポリマー(酢酸セルロース又はアセチル化セルロース誘導体))とのブレンドから形成されたフィルム材料の表面の原子間力顕微鏡(AFM)画像である。サンプルはすべて、PLGAのモル分率を50重量%とし、残部を第二のポリマーとして、基材材料へ送ることで作製した。
画像は、画像平面内でマイクロメートルスケールの解像度で生成し、縮尺を対応する画像内に示す。各サンプルに対する画像領域内最大表面凹凸高低差を表6に示す。
サンプル24は、例1に従って作製したが、例3のPLGA成分を用いた。
Figure 2024523792000008
図15の画像は、図14に示されるフィルム材料の表面を拡大した部分である。
図18は、サンプル25のAFM位相画像であり、したがって、図16の表面画像に対応する。この画像中、位相シフトは、画像の濃淡によって表され、実際の画像の右側にある濃淡バーに従って、画像の暗から明の色彩により、対応して0°~13.8°(最大)の位相シフト範囲を表している。サンプル25に関して、PLGA成分は、フィルム材料中のCAP(Sigma)成分と比較して柔らかく、及び/又はAFMプローブ先端への接着性が高いことは理解される。
図14~図17の表面画像では、PLGAは、下向きに凹んだ暗領域によって識別可能であり、それが第二のポリマーの相互連結したマトリックスで囲まれている。
図5~図7及び図14~図18の分析により、各フィルム材料のポリマーブレンドが連続フィルムを形成することが示される。各フィルム材料の表面層内において、対応する第二のポリマー(CA、CAP、CAB)は、PLGAの領域を囲む実質的に連続的なマトリックスとして配置される。さらに、各フィルム材料の表面層内において、様々なサイズ及び/又は間隔のPLGAの領域。
例4:フィルム材料の合成:
化学物質:
ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA):
- Advanced Molecular Technologies Pty Ltd,から入手、委託し、本出願者の仕様に従って合成、
- 粉末形態、
- 受け取ったままの状態で使用;
酢酸セルロース(CA):
- Eastmanから入手(製品番号:CA-398-3,Food Contact)、
- 粉末形態、
- アセチル化:39.8%(重量基準)、
- 受け取ったままの状態で使用;
アセトン:
- Merckから入手(製品番号:100014)、
- 試薬グレード、
- 受け取ったままの状態で使用
方法:
重量基準で50:50のモル比でPLGA及びCAをアセトンに溶解し、続いて20℃~30℃に、理想的には25℃に加熱し、溶解するまで一定の撹拌下で最大2時間まで維持して、溶解したPLGA:CAブレンドを形成した。
溶解したPLGA:CAブレンドを、シリコーン硬化容器に、所望されるフィルム厚を実現する質量で送った。アセトン溶媒を、標準的な実験室温度で、以下のようにして蒸発させた:
- 実験室ベンチ上で、20分間~60分間の範囲内、理想的には30分間の時間にわたって、及び
- 続いて、増加させたクロスフロー空気流の環境中で、20分間~60分間の範囲内、理想的には30分間の第二の時間にわたって。
アセトン溶媒が蒸発すると、フィルム材料を硬化容器から剥離した。
図19は、上記で述べた方法に従って作製したフィルム材料の写真である。
分析:
水蒸気に対するバリア性:
様々な厚さに形成したPLGA:CAブレンドのフィルムのサンプル(以下の表7に従う)を、上記で述べた方法によって作製した。これらのサンプルを、移行試験剤としての23℃及び相対湿度(RH)50%の空気を用いた水蒸気透過率(WVTR)試験に掛けた。
Figure 2024523792000009
上記の結果は、例4に従うフィルム材料の水蒸気バリア特性が、フィルム厚と共に増加することを示す。
「バイオ系モノマー」の用語は、再生可能資源/再生可能フィードストックに由来するモノマーを意味する。これらとしては、生物から得られるモノマー、天然に産出されるモノマー、及び/又は生物から誘導されるモノマーが挙げられる。同様に、「バイオ由来」の用語は、再生可能資源/再生可能フィードストックに由来する材料を意味する。これらとしては、生物から得られる材料、天然に産出される材料、及び/又は生物から誘導される材料が挙げられる。
「生分解性」の用語は、本技術分野において認識されており、使用中に、加水分解、酸化、及び酵素プロセスなどの他の化学的プロセスによる、並びに/又は嫌気性手段による分解に加えて、細菌及び真菌などの生物学的手段で分解することが意図される、本明細書で述べるものなどのポリマー、組成物、及び製剤を含む。そのような使用は、活性成分の放出をもたらすための、及び活性成分の放出を制御するための分解を含む。一般に、生分解性に帰する分解は、生分解性ポリマーがその成分のサブユニット、モノマー、及びオリゴマーに分解し、最終的には無毒性の副生物となることを含む。
本明細書及びそれに続く特許請求の範囲において、「アセチル化度」の表現は、材料中における炭水化物単位あたりのアセチル基の平均数を意味するものと理解されたい。アセチル化度はまた、材料中の炭水化物単位あたりにアセチル基で置換されたヒドロキシル基の平均数を示すために、「置換度」としても表され得る。この目的で、酢酸セルロースの場合、各炭水化物単位は、アセチル化後に1、2、又は3つのアセチル基を有することができ、アセチル化度は、(ヒドロキシル基に対するアセチル基の)置換の程度を表す値であることは理解される。
本明細書及びそれに続く特許請求の範囲において、モノマー、ポリマー、又はコポリマーへのいずれの言及も、文脈から明確にそうでないことが記載されない又は示されない限りにおいて、その対応するモノマー、ポリマー、又はコポリマーにおいて存在し得るすべての立体異性体(すなわち、キラリティ)を含むものと理解されたい。限定されない例として、立体異性体を有するモノマーへの言及は、実質的にそのL異性体のみ、実質的にそのD異性体のみ、及びL異性体とD異性体との両方の組み合わせのうちのいずれかである化合物を含むものと理解されたい(明確にそうでないことが記載されない/示されない限りにおいて)。同様に、立体異性体を有する1又は複数のモノマーから形成されるポリマーは、各モノマーについて、実質的にそのL異性体のみ、実質的にそのD異性体のみ、及びL異性体とD異性体との両方の組み合わせのうちのいずれかを有するポリマーを含むものと理解されたい(明確にそうでないことが記載されない/示されない限りにおいて)。
本明細書において、「消耗品」及び「品物」の用語は、本明細書で用いられる場合、時間経過と共に品質が悪化する(すなわち、劣化する、朽ちる、腐敗する、及び/又は分解する)製品で、品質悪化が最も少ないことがその意図する用途にとって最も望ましい製品を意味する。したがって、「消耗品」及び「品物」は、ヒト又は動物が消費するための食品及び飲料品;ヒト又は動物が使用するための医薬品、ニュートラシューティカルズ、及び栄養補助食品;並びに化粧品を含む。疑義を避けるために、「消耗品」及び「品物」には、ヒト/動物による使用を意図するが摂取用ではない様々なガーデン用品及び家庭用品も含まれる。これが「消耗品」及び/又は「品物」である製品の網羅的なリストではないことは理解されたい。
本明細書及びそれに続く特許請求の範囲全体を通して、特に明示的な記載のない限り、「分子量」への言及は、「重量平均分子量」を意味するものと理解されたい。
本明細書及びそれに続く特許請求の範囲全体を通して、文脈から他が必要とされない限りにおいて、「含む(comprise)」の語、並びに「含む(comprises)」及び「含んでいる(comprising)」などの変化形は、記載される整数若しくは工程、又は整数若しくは工程の群を含むが、他のいずれの整数若しくは工程、又は整数若しくは工程の群を除外するものではないことを暗示するものと理解される。
本明細書におけるいずれの先行の刊行物(若しくはそれから誘導される情報)に対する言及も、又は既知のいずれの事柄に対する言及も、その先行の刊行物(若しくはそれから誘導される情報)又は既知の事柄が、本明細書が関連する試みの範囲における共通の一般的知識の一部を形成するものであるとする認知でも又は承認でも又はいずれの形態の示唆でもなく、そのように解釈されるべきでもない。

Claims (46)

  1. フィルム材料であって、
    1又は複数のバイオ系モノマーから合成され、60キロダルトン以下の分子量を有する第一のポリマーと、
    1又は複数のバイオ系材料から誘導される炭水化物及び官能化炭水化物のうちの1つである第二のポリマーと、
    のブレンドを含み、前記フィルム材料中での第一のポリマー対第二のポリマーの比は、重量基準で少なくとも25:75である、
    フィルム材料。
  2. 前記第一のポリマーが、30キロダルトン以下の分子量を有する、請求項1に記載のフィルム材料。
  3. 前記第一のポリマーが、15キロダルトン以下の分子量を有する、請求項1又は2に記載のフィルム材料。
  4. 前記第一のポリマーが、3以下の多分散指数を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のフィルム材料。
  5. 前記第一のポリマーが、2以下の多分散指数を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のフィルム材料。
  6. 前記フィルム材料中での第一のポリマー対第二のポリマーの比が、重量基準で80:20~10:90の範囲内である、請求項1~5のいずれか一項に記載のフィルム材料。
  7. 前記フィルム材料中での第一のポリマー対第二のポリマーの前記比が、重量基準で75:25~25:75の範囲内である、請求項1~6のいずれか一項に記載のフィルム材料。
  8. 前記フィルム材料中での第一のポリマー対第二のポリマーの前記比が、重量基準でおよそ50:50である、請求項1~7のいずれか一項に記載のフィルム材料。
  9. 前記第一のポリマーが、ポリエステル、ポリビニルエステル、ポリビニルエステル誘導体、若しくはポリエーテル、又はこれらの組み合わせである、請求項1~8のいずれか一項に記載のフィルム材料。
  10. 前記第一のポリマーが、乳酸、グリコール酸、環状エステル、ブタンジオールのうちの1又は複数のモノマーから合成される、請求項1~9のいずれか一項に記載のフィルム材料。
  11. 前記第一のポリマーが、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、ポリ(ブチレンアジペートテレフタレート)(PBAT)、ポリ(ブチレンスクシネート)(PBS)、及びポリ(ブチレンスクシネート-co-ブチレンアジペート)(PBSA)のうちの1又は複数を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のフィルム材料。
  12. 前記第一のポリマーが、乳酸及びグリコール酸のモノマーから合成される、請求項1~11のいずれか一項に記載のフィルム材料。
  13. 前記第一のポリマーが、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)である、請求項12に記載のフィルム材料。
  14. 前記ポリ(乳酸-co-グリコール酸)が、乳酸とグリコール酸とから、40:60~85:15の範囲内のモノマー比で形成される、請求項13に記載のフィルム材料。
  15. 前記ポリ(乳酸-co-グリコール酸)が、乳酸とグリコール酸とから、50:50~75:25の範囲内のモノマー比で形成される、請求項13に記載のフィルム材料。
  16. 前記ポリ(乳酸-co-グリコール酸)が、乳酸ユニットとグリコール酸ユニットとの比がおよそ60:40となるように形成される、請求項13~15のいずれか一項に記載のフィルム材料。
  17. 前記第二のポリマーが、セルロース、アセチル化セルロース誘導体、硝化セルロース誘導体、アルキル化セルロース誘導体、及びヘミセルロースのうちの1又は複数を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のフィルム材料。
  18. 前記第二のポリマーが、アセチル化セルロース誘導体である、請求項1~17のいずれか一項に記載のフィルム材料。
  19. 前記アセチル化セルロース誘導体が、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、及び酢酸プロピオン酸セルロースのうちの1又は複数である、請求項18に記載のフィルム材料。
  20. 前記アセチル化セルロース誘導体が、酢酸セルロースである、請求項18に記載のフィルム材料。
  21. 前記酢酸セルロースが、1~3の範囲内であるアセチル化度を有する、請求項20に記載のフィルム材料。
  22. 前記酢酸セルロースが、およそ2.5のアセチル化度を有する、請求項20に記載のフィルム材料。
  23. 包装材料であって、
    基材と、
    請求項1~22のいずれか一項に記載のフィルム材料から形成され、前記基材の保持面上において実質的に連続的なフィルムに組み立てられる少なくとも1つの層と、
    を備え、前記層は、前記基材の前記保持面への酸素及び/又は水蒸気の透過に対するバリアを提供するのに有効な厚さに形成される、包装材料。
  24. フィルム材料の前記層又は各層が、少なくとも5グラム/メートル(gsm)の厚さに形成される、請求項23に記載の包装材料。
  25. フィルム材料の前記層が、少なくとも2.5μmの平均厚さに形成される、請求項23又は24に記載の包装材料。
  26. 前記包装材料の外部面を画定するフィルム材料の層を有する、請求項23~25のいずれか一項に記載の包装材料。
  27. 前記包装材料の内部面を画定するフィルム材料の層を有する、請求項23~26のいずれか一項に記載の包装材料。
  28. 前記基材が、集められて所定の形状となるように加工されたパルプ繊維から形成され、前記基材内で前記パルプ繊維間に結合を形成するように処理され、それによって、前記基材は、支持されていない状態でもその形状を少なくとも部分的に維持することができる、請求項23~27のいずれか一項に記載の包装材料。
  29. フィルム材料の形成方法であって、
    溶媒中に分散及び/又は溶解された第一のポリマーの混合物を形成することであって、前記第一のポリマーは、1又は複数のバイオ系モノマーから合成され、60キロダルトン以下の分子量を有する、形成すること、
    第二のポリマーを、前記第二のポリマーが分散及び/又は溶解されるように前記混合物に添加することであって、前記第二のポリマーは、1又は複数のバイオ系材料から誘導される炭水化物及び官能化炭水化物のうちの1つである、添加すること、及び
    溶媒と第一及び第二のポリマーとの前記混合物から前記溶媒を蒸発させて前記フィルム材料を形成すること、
    を含み、前記第二のポリマーは、前記混合物中での第二のポリマー対第一のポリマーのフィード比が、重量基準で少なくとも25:75となるように、前記混合物に添加される、方法。
  30. 前記第二のポリマーが、前記混合物中での第二のポリマー対第一のポリマーの前記フィード比が、重量基準で80:20~10:90の範囲内となるように、前記混合物に添加される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記第二のポリマーが、前記混合物中での第二のポリマー対第一のポリマーの前記フィード比が、重量基準で75:25~25:75の範囲内となるように、前記混合物に添加される、請求項29又は30に記載の方法。
  32. 前記第一及び第二のポリマーの両方が溶解可能である溶媒を選択することをさらに含む、請求項29~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記第一及び第二のポリマーの両方が分散可能である溶媒を選択することをさらに含む、請求項29~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記溶媒を蒸発させる少なくとも部分的に前に、溶媒と第一及び第二のポリマーとの前記混合物を、前記フィルム材料が形成されることになるターゲット面上に移送することをさらに含む、請求項29~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記第一及び第二のポリマーの各々を完全に溶解及び/又は分散するのに充分な溶媒の初期量を選択することをさらに含む、請求項29~34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記溶媒を蒸発させる前における溶媒と第一及び第二のポリマーとの混合物の所定の粘度を実現するための溶媒の初期量を選択することをさらに含む、請求項29~35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記溶媒を蒸発させる前における溶媒と第一及び第二のポリマーとの前記混合物の所定の粘度を実現するための溶媒の初期量を選択することをさらに含み、
    前記所定の粘度は、溶媒と第一及び第二のポリマーとの前記混合物の、前記フィルム材料が形成されることになる前記ターゲット面への適用が容易となるように選択される、請求項34に記載の方法。
  38. 前記溶媒を蒸発させることが、前記混合物を、前記第一のポリマーのガラス転移温度を超える温度まで加熱することを含む、請求項29~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記溶媒を蒸発させることが、前記混合物の表面に向かって空気流を指向させることを含む、請求項29~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記溶媒が蒸発した後に、前記フィルム材料をテンパリングすることをさらに含む、請求項29~39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記フィルム材料をテンパリングすることが、前記処理材料を所定の時間にわたって高温に維持することを含み、
    前記高温は、前記第一のポリマーのガラス転移温度を超える、請求項40に記載の方法。
  42. 前記フィルム材料を、2.5~100μmの範囲内の平均厚さに形成することをさらに含む、請求項29~41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記ターゲット面が、成形面であり、前記方法が、溶媒と第一及び第二のポリマーとの前記混合物を前記成形面上に適用すること、及び前記成形面から前記形成されたフィルム材料を取り外すことを含む、請求項34又は37に記載の方法。
  44. 前記ターゲット面が、前記フィルム材料を保持することになる包装材料構成要素の面であり、それによって、前記フィルム材料は、前記包装材料構成要素の前記面に接着することになる、請求項34又は37に記載の方法。
  45. 前記第一及び第二のポリマーの前記混合物を前記ターゲット面上に移送する工程が、押出しコーティング、タンブルコーティング、造粒、スプレーコーティング、キャスティングなどによって前記混合物を前記ターゲット面に適用することを含む、請求項34、37、43、又は44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 第一のモノマー材料及び第二のモノマー材料から前記第一のポリマーを合成することをさらに含み、前記合成することは、
    前記第二のモノマー材料を、前記第一のモノマー材料が分散されている水溶液に、第一のモノマー材料対第二のモノマー材料の所定のモル比で添加することによってフィード混合物を作製すること、
    既定の脱水条件下で前記フィード混合物を脱水すること、
    前記脱水フィード混合物を、重合触媒中でオリゴマー化すること、
    前記オリゴマー化フィード混合物に対して合成後仕上げを実施し、続いて前記第一のポリマーを単離すること、
    を含む、請求項29~45のいずれか一項に記載の方法。
JP2023572072A 2021-05-21 2022-05-20 フィルム材料 Pending JP2024523792A (ja)

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