JP2024520391A - ビトペルチンの固体形態を用いて赤血球増殖性プロトポルフィリン症、x連鎖プロトポルフィリン症または先天性赤血球増殖性ポルフィリン症を処置する方法 - Google Patents

ビトペルチンの固体形態を用いて赤血球増殖性プロトポルフィリン症、x連鎖プロトポルフィリン症または先天性赤血球増殖性ポルフィリン症を処置する方法 Download PDF

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Abstract

本実施形態は、赤血球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)、X連鎖プロトポルフィリン症(XLPP)および/または先天性赤血球増殖性ポルフィリン症(CEP)、ならびにそれらの関連する症候群を予防または処置するための、ビトペルチンの結晶形態(例えば、形態A、BもしくはC、またはメチルパラベン共結晶形態)もしくは非晶質形態、またはその医薬組成物を使用する方法を対象とする。本出願は、対象における赤血球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)、X連鎖プロトポルフィリン症(XLPP)または先天性赤血球増殖性ポルフィリン症(CEP)を処置する方法であって、ビトペルチンの結晶形態もしくは非晶質形態、またはビトペルチンの結晶形態もしくは非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。

Description

関連出願
本出願は、2021年5月27日に出願された米国仮特許出願第63/193,898号の優先権の利益を主張するものである。前述の出願の明細書は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
分野
本明細書に開示される実施形態は、ビトペルチンの固体形態(例えば、結晶形態または非晶質形態)を用いて赤血球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)、X連鎖プロトポルフィリン症(XLPP)または先天性赤血球増殖性ポルフィリン症(CEP)を予防または処置する方法および使用を対象とする。
背景
赤血球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)は、全世界的に広がっており、世界中で約5,000~10,000の個人が侵されている(Michaels et al. 2010)。EPPは、小児におけるポルフィリン症の最も一般的な形態と考えられる。赤血球増殖性プロトポルフィリン症は、ポルフィリン症の一形態であり、これは、重症度が異なり、非常に痛みを伴い得る。これは、酵素フェロケラターゼにおける欠乏から生じ、赤血球、血漿、皮膚および肝臓において、異常に高いレベルのプロトポルフィリンIXをもたらす。赤血球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)は、酵素フェロケラターゼの活性における遺伝性または後天性の欠乏に起因する。X連鎖プロトポルフィリン症(XLPP)は、デルタ-アミノレブリン酸シンターゼ-2(ALAS2)の活性の遺伝性の増加に起因する。EPPおよびXLPPの両方を引き起こす酵素は、ヘム生合成経路にある。EPPおよびXLPPは、臨床的にほぼ同一である。ギュンター病としても公知の先天性赤血球増殖性ポルフィリン症(CEP)は、ウロポルフィリノーゲンシンターゼについての遺伝子における変異によって引き起こされ、この酵素の活性の低減および上流の代謝産物のコプロポルフィリンIの蓄積をもたらす。赤血球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)、X連鎖プロトポルフィリン症(XLPP)または先天性赤血球増殖性ポルフィリン症(CEP)のための現在の処置は限定されている。
そのため、赤血球増殖性プロトポルフィリン症、X連鎖プロトポルフィリン症および先天性赤血球増殖性ポルフィリン症を処置および/または予防するための新たな方法および組成物に対する必要性が存在する。本明細書に記載される、ビトペルチンの固体形態の方法および使用は、他と同様に、これらの必要性を満たす。
出願の概要
本出願は、対象における赤血球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)、X連鎖プロトポルフィリン症(XLPP)または先天性赤血球増殖性ポルフィリン症(CEP)を処置する方法であって、ビトペルチンの結晶形態もしくは非晶質形態、またはビトペルチンの結晶形態もしくは非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。
ビトペルチンは、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンのIUPAC名を有し、以下
の化学的構造を有する。
ビトペルチンは、CAS登録番号(登録商標)845614-11-1を有する。ビトペルチンの他の名称には、限定されるものではないが、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチル-ピリジン-2-イル)-ピペラジン-1-イル]-[5-メタンスルホニル-2-((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチル-エトキシ)-フェニル]-メタノン;メタノン,[4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]-1-ピペラジニル][5-(メチルスルホニル)-2-[(1S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエトキシ]フェニル]-;ピペラジン,1-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]-4-[5-(メチルスルホニル)-2-[(1S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエトキシ]ベンゾイル]-;[4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]-1-ピペラジニル][5-(メチルスルホニル)-2-[(1S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエトキシ]フェニル]メタノン;(S)-[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-(メタンスルホニル)-2-(2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエトキシ)フェニル]メタノン;[4-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル]ピペラジン-1-イル]-[5-メチルスルホニル-2-[(2S)-1,1,1-トリフルオロプロパン-2-イル]オキシフェニル]メタノンが含まれる。本出願では、「ビトペルチン」という用語は、その他の名称および/またはその化学的構造と交換可能に使用される。本出願における使用に好適なビトペルチンの固体形態には、限定されるものではないが、PCT出願公開WO2008/080821に記載されている固体形態が含まれる。WO2008/080821の内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
本出願は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPの1つまたは1つより多くの合併症を予防、処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する方法であって、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態、またはそのような結晶形態もしくは非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法をさらに提供する。ある特定の実施形態では、EPP、XLPPまたはCEPの1つまたは1つより多くの合併症は、急性光線過敏症、皮膚光線過敏症、浮腫、紅斑、貧血、低色素性貧血、溶血性貧血、溶血、軽度溶血、重度溶血、慢性溶血、脾機能亢進症、手掌角皮症、水疱、病変、瘢痕化、変形、爪の喪失、指の喪失、胆汁うっ滞、細胞溶解、胆石、胆汁うっ滞性肝不全、胆石症、軽度肝疾患、肝疾患の悪化、末期肝疾患、赤色歯、過形成骨髄、骨髄異形成、血小板減少症、胎児水腫および/または子宮内死亡からなる群から選択される。ある特定のそのような実施形態では、急性光線過敏症は、日光曝露に起因する。
本出願は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPの予防または処置における使用のための方法であって、使用が、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態、またはそのような結晶形態もしくは非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法をさらに提供する。
本出願は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPの処置のための医薬の製造における使用のための方法であって、使用が、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態、またはそのような結晶形態もしくは非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法をさらに提供する。
本出願は、in vivoでプロトポルフィリンIX(PPIX)合成を阻害するための医薬の製造における使用のための方法であって、使用が、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態、またはそのような結晶形態もしくは非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法をさらに提供する。
ある特定の実施形態では、対象は、EPPを有する。他の実施形態では、対象は、XLPPを有する。さらに他の実施形態では、対象は、CEPを有する。
ある特定の実施形態では、方法は、対象における無痛の光曝露を増加させる。他の実施形態では、方法は、対象における光感受性を減少させる。
本出願は、in vivoでPPIX合成を阻害する方法であって、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態、またはそのような結晶形態もしくは非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法をさらに提供する。
本出願は、in vivoで亜鉛プロトポルフィリンIX(ZPPIX)合成を阻害する方法であって、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態、またはそのような結晶形態もしくは非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法をさらに提供する。
本出願は、in vivoでウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンI合成を阻害する方法であって、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態、またはそのような結晶形態もしくは非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法をさらに提供する。
本出願は、in vivoで5-アミノレブリン酸(5-ALA)合成を阻害する方法であって、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態、またはそのような結晶形態もしくは非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法をさらに提供する。
ある特定の実施形態では、1種または1種より多くのヘム中間体の蓄積が阻害され、1種または1種より多くのヘム中間体は、PPIX、ZPPIX、ウロポルフィリンI、コプロポルフィリンIおよび/または5-ALAからなる群から選択される。ある特定のそのような実施形態では、1種または1種より多くのヘム中間体の蓄積は、用量依存的様式で阻害される。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態は、500nM未満のEC50を実証する。ある特定の実施形態では、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態は、100nM未満のEC50を実証する。
ある特定の実施形態では、少なくとも50%の細胞生存率が維持される。ある特定の実施形態では、少なくとも90%の細胞生存率が維持される。
ある特定の実施形態では、対象は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるPPIXレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高いPPIXレベルを有する。
ある特定の実施形態では、対象は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるZPPIXレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高いZPPIXレベルを有する。
ある特定の実施形態では、対象は、EPPを有する対象と比較して、ZPPIXの遊離プロトポルフィリンIXに対する増加した割合(ZPPIX/PPIX比)を有する。
ある特定の実施形態では、対象は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高いウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIレベルを有する。
ある特定の実施形態では、対象は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象における5-ALAレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高い5-ALAレベルを有する。
ある特定の実施形態では、対象のPPIXレベルは減少し、一方で患者のヘムレベルは実質的に維持される。ある特定の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少し、患者のヘムレベルは、10%より高く(例えば、10%、15%、20%、25%および30%)減少しない。ある特定の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも85%減少し、患者のヘムレベルは、15%より高く減少しない。ある特定の実施形態では、ヘムレベルは、10%より高く(例えば、10%、15%、20%、25%および30%)減少しない。ある特定の実施形態では、医薬組成物の投薬は、ヘムレベルの実質的な低減を引き起こさない。
ある特定の実施形態では、対象は、赤血球における増加した遊離プロトポルフィリンIXレベルを有する。ある特定の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを減少させる。ある特定のそのような実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。ある特定の実施形態では、対象は、糞便における増加したプロトポルフィリンIXレベルを有する。ある特定の実施形態では、方法は、対象の糞便におけるプロトポルフィリンIXレベルを減少させる。ある特定のそのような実施形態では、方法は、対象の糞便におけるプロトポルフィリンIXレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。
ある特定の実施形態では、対象の血漿ポルフィリンは、青色光(例えば、400~420nmの光)で照射された場合に、634nmのピークで蛍光を発する。ある特定の実施形態では、対象の血漿ポルフィリンは、青色光(例えば、400~420nmの光)で照射された場合に、626nm~634nmのピークで蛍光を発する。ある特定の実施形態では、対象の皮膚ポルフィリンは、青色光(例えば、400~420nmの光)で照射された場合に、632nmのピークで蛍光を発する。ある特定の実施形態では、対象の皮膚ポルフィリンは、青色光(例えば、400~420nmの光)で照射された場合に、626nm~634nmのピークで蛍光を発する。
ある特定の実施形態では、対象は、皮膚における増加したプロトポルフィリンIXレベルを有する。ある特定の実施形態では、方法は、対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを減少させる。ある特定のそのような実施形態では、方法は、対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。ある特定の実施形態では、対象は、0.2FluoDerm単位(FDU)よりも高い皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する。ある特定の実施形態では、対象は、1.0FDUよりも高い皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する。ある特定の実施形態では、対象は、1.0FDU~2.5FDUの皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する。ある特定の実施形態では、対象は、2.5FDUよりも高い皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する。ある特定の実施形態では、方法は、対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを0.5FDU未満に減少させる。ある特定の実施形態では、方法は、対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを1.0FDU未満に減少させる。ある特定の実施形態では、方法は、対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを1.5FDU未満に減少させる。ある特定の実施形態では、方法は、対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを2.0FDU未満に減少させる。ある特定の実施形態では、方法は、対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを2.5FDU未満に減少させる。
ある特定の実施形態では、対象は、赤血球における増加したプロトポルフィリンIXレベルを有する。ある特定の実施形態では、方法は、対象の赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを減少させる。ある特定のそのような実施形態では、方法は、対象の赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。ある特定の実施形態では、対象は、31μmolL-1よりも高い赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する。ある特定の実施形態では、対象は、31μmolL-1~53μmolL-1の赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する。ある特定の実施形態では、対象は、53μmolL-1よりも高い赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する。ある特定の実施形態では、方法は、対象の赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを53μmolL-1未満のレベルに減少させる。ある特定の実施形態では、方法は、対象の赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを31μmolL-1未満のレベルに減少させる。ある特定の実施形態では、方法は、対象の赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを15μmolL-1未満のレベルに減少させる。
ある特定の実施形態では、対象のフェロケラターゼ活性レベルは、正常な対象において観察されるフェロケラターゼ(ferrocheletase)活性レベルの10~35%に低減される。ある特定の実施形態では、対象のフェロケラターゼ活性レベルは、正常な対象において観察されるフェロケラターゼ活性レベルの50%未満に低減される。
ある特定の実施形態では、対象は、ALAS2における機能獲得変異を有する。ある特定の実施形態では、対象のALAS2酵素活性は増加する。
ある特定の実施形態では、対象は、赤血球における増加した亜鉛プロトポルフィリンIXレベルを有する。ある特定の実施形態では、方法は、対象の赤血球における亜鉛プロトポルフィリンIXレベルを減少させる。ある特定のそのような実施形態では、方法は、対象の赤血球における亜鉛プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。
ある特定の実施形態では、対象は、ウロポルフィリノーゲンIIIシンターゼの減少した活性を有する。ある特定の実施形態では、対象は、ウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIの増加したレベルを有する。ある特定の実施形態では、ウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIの増加したレベルは、対象の尿または赤血球において測定される。ある特定の実施形態では、コプロポルフィリンIの増加したレベルは、対象の糞便において測定される。ある特定の実施形態では、方法は、対象のウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIのレベルを減少させる。ある特定の実施形態では、方法は、対象のウロポルフィリンIのレベルを減少させる。ある特定のそのような実施形態では、方法は、対象のウロポルフィリンIのレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。ある特定の実施形態では、方法は、対象のコプロポルフィリンIのレベルを減少させる。ある特定のそのような実施形態では、方法は、対象のコプロポルフィリンIのレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。
ある特定の実施形態では、対象は、UROSにおける変異を有する。
ある特定の実施形態では、対象は、GATA-1赤血球特異的転写因子における遺伝子欠陥を有する。
ある特定の実施形態では、対象は、赤色蛍光尿を有する。ある特定の実施形態では、対象は、血漿ポルフィリン蛍光分析を使用して、615nm~620nmにピークを有する。
ある特定の実施形態では、対象は、EPP、XLPPまたはCEPに関連する肝疾患を有する。ある特定の実施形態では、EPP、XLPPまたはCEPに関連する肝疾患は、胆石症である。ある特定の実施形態では、EPP、XLPPまたはCEPに関連する肝疾患は、軽度肝疾患である。ある特定の実施形態では、EPP、XLPPまたはCEPに関連する肝疾患は、肝疾患の悪化である。ある特定の実施形態では、EPP、XLPPまたはCEPに関連する肝疾患は、末期肝疾患である。
ある特定の実施形態では、方法は、追加の活性薬剤および/または支持療法を対象に投与することをさらに含む。ある特定のそのような実施形態では、追加の活性薬剤および/または支持療法は、日光の回避、局所の日焼け止め剤、皮膚の保護、UVB光線療法、アファメラノチド(Scenesse(登録商標))、ボルテゾミブ、プロテアソーム阻害剤、化学シャペロン、コレスチラミン、活性炭、鉄補充、肝移植、骨髄移植、脾摘出術および輸血からなる群から選択される。
本明細書に記載される方法または使用は、ビトペルチンの数種の別個の結晶形態および非晶質形態に関する。
本出願の方法または使用のある特定の実施形態では、ビトペルチンの固体形態は、PCT出願公開WO2008/080821に記載されている結晶形態または非晶質形態から選択され、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
本出願の方法または使用のある特定の実施形態では、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの3種の別個の結晶形態A、B、およびCからなる群から選択される。
本出願の方法または使用のある特定の実施形態では、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンのメチルパラベン共結晶形態である。
ある特定の実施形態では、本出願の方法または使用は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの非晶質形態に関する。
ある特定の実施形態では、本出願の方法または使用は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの形態A、形態B、形態C、メチルパラベン共結晶形態、または非晶質形態を活性成分として含む医薬組成物に関する。
一部の実施形態では、本明細書に記載されるビトペルチンの固体形態は、赤外スペクトル、X線粉末回折パターン、融解挙動またはガラス転移温度によって特徴付けることができる物理的および化学的特性によって区別することができる。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含む。
ある特定の実施形態では、対象は、それを必要とする対象である。
本明細書に記載される方法または使用のある特定の実施形態では、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態は、治療有効量で投与される。
図1は、さまざまなK562クローンについてのフェロケラターゼ(FECH)タンパク質発現レベルのウエスタンブロット決定を示す。
図2は、K562クローンについてのプロトポルフィリンIX(PPIX)レベルのフローサイトメトリー決定を示す。
図3は、LC/MS/MSによって決定された、WT K562およびクローン1-9細胞のヘムおよびPPIXレベルを示す。
図4は、フローサイトメトリーによって決定された、ビトペルチンおよびPF-03463275によるPPIX形成の阻害を示す。
図5は、Vi-CELL XRコンプリートシステムによって測定された、細胞生存率に対するビトペルチンおよびPF-03463275の効果を示す。
図6は、クローン1-9細胞の5-アミノレブリン酸(δ-アミノレブリン酸または5-ALAとも称される)レベルに対するビトペルチン処置の効果を示す。
図7は、クローン1-9細胞のPPIXレベルに対するビトペルチン処置の効果を示す。
図8は、クローン1-9細胞のヘムレベルに対するビトペルチン処置の効果を示す。
図9は、FECHのshRNAを発現するレンチウイルスベクターでの形質導入後のヒト造血幹細胞における相対的FECH mRNAレベルを示す。
図10は、ヒト造血幹細胞における赤血球細胞抗原プロファイルおよびプロトポルフィリンIX(PPIX)レベルに対するビトペルチン処置の効果のフローサイトメトリー決定を示す。
図11は、ビトペルチン(Biotopertin)(100nM)処置が、CD34+細胞におけるPPIX蓄積を60%低減したことを示す。
図12は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの形態Aの典型的なロットのXRPD(粉末X線粉末回折)パターンを示す。
図13は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの形態Aの典型的なロットのIR(赤外線分光法)スペクトルを示す。
図14は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの形態Aの典型的なロットのDSC(示差走査熱量測定)曲線を示す。
図15は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの形態Aの典型的なロットのTGA(熱重量分析)曲線を示す。
図16は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの形態Bの典型的なロットのXRPD(粉末X線回折)パターンを示す。
図17は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの形態Bの典型的なロットのIR(赤外線)スペクトルを示す。
図18は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの形態Bの典型的なロットのDSC(示差走査熱量測定)曲線を示す。
図19は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの形態Bの典型的なロットのTGA(熱重量分析)曲線を示す。
図20は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの形態Cの典型的なロットのXRPD(粉末X線回折)パターンを示す。
図21は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの形態Cの典型的なロットのIR(赤外線)スペクトルを示す。
図22は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの形態Cの典型的なロットのDSC(示差走査熱量測定)曲線を示す。
図23は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの形態Cの典型的なロットのTGA(熱重量分析)曲線を示す。
図24は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの非晶質形態の典型的なロットのXRPD(粉末X線回折)パターンを示す。
図25は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの非晶質形態の典型的なロットのIR(赤外線)スペクトルを示す。
図26は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの非晶質形態の2つの典型的なロットのDSC(示差走査熱量測定)曲線を示す。
図27は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの非晶質形態の典型的なロットのTGA(熱重量分析)曲線を示す。
図28は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの非晶質形態の典型的なロットのDVS(動的蒸気吸着)等温線を示す。
図29は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンのメチルパラベン共結晶形態の典型的なロットのXRPD(粉末X線回折)パターンを示す。
図30は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンのメチルパラベン共結晶形態の典型的なロットのIR(赤外線)スペクトルを示す。
図31は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンのメチルパラベン共結晶形態の典型的なロットのDSC(示差走査熱量測定)曲線を示す。
図32は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンのメチルパラベン共結晶形態の典型的なロットのTGA(熱重量分析)曲線を示す。
出願の詳細な説明
他に定義されない限り、すべての技術用語および科学用語は、開示される実施形態が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。
本明細書で使用される場合、「a」または「an」という用語は、文脈が明確に他を指示しない限り、「少なくとも1つ」または「1つまたは1つより多く」を意味する。
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、数値が、開示される実施形態の実行に著しくは影響を及ぼさないであろう概算および小さな変動であることを意味する。数値限定が使用される場合、文脈によって他が指示されない限り、「約」は、数値が±10%変化することができ、開示される実施形態の範囲内のままであることを意味する。
本明細書で使用される場合、「非晶質形態」または「非晶質」という用語は、長距離秩序がなく、したがってシャープなX線ピーク、すなわちブラッグ回折ピークを示さない材料を示す。非晶質材料のXRPDパターンは、1つまたは1つより多くの非晶質ハローによって特徴付けられる。
ブラッグの法則は、結晶材料の回折を、式
2dsinθ=nλ
(式中、d=結晶内の隣接する対の面の間の垂直距離(d間隔)、θ=ブラッグ角、λ=波長およびn=整数)で説明する。
ブラッグの法則が満たされている場合、反射ビームは同位相であり、建設的に干渉し、したがってブラッグ回折ピークがX線回折パターンに観察される。
ブラッグ角以外の入射角度では、反射ビームは位相不一致であり、相殺的干渉または除去が生じる。非晶質材料は、ブラッグの法則を満たさず、X線回折パターンにブラッグ回折ピークは観察されない。
「非晶質ハロー」は、非晶質物質のX線粉末回折パターンにおけるほぼ釣鐘型の回折極大である。非晶質ハローのFWHMは、2度(2シータ)よりも大きい。「FWHM」は、半値全幅を意味し、これはXRPDパターンで現れるピークの半分の高さになる幅である。
「API」は、本明細書において、医薬活性成分の頭字語として使用される。
本明細書で使用される場合、「担体」という用語は、化合物とともに投与される希釈剤、アジュバントまたは賦形剤を意味する。薬学的担体は、液体、例えば、水および油であり得、石油、動物、植物または合成起源のもの、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などを含む。薬学的担体はまた、生理食塩水、アカシアガム、ゼラチン、デンプンペースト、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、ウレアなどであり得る。加えて、補助剤、安定剤、増粘剤、滑沢剤および着色剤を使用することができる。
「共結晶」は、分子またはイオンAPIと、周囲条件で固体である共結晶形成剤との間で形成され、すなわち共結晶は、2種またはそれより多くの固体(周囲条件で)を含む多成分結晶材料である。
本明細書で使用される場合、「含むこと(comprising)」(ならびに「含む(comprise)」、「含む(comprises)」および「含んだ(comprised)」などの含むこと(comprising)の任意の形態)、「有すること(having)」(ならびに「有する(have)」および「有する(has)」などの有すること(having)の任意の形態)、「含むこと(including)」(ならびに「含む(includes)」および「含む(include)」などの含むこと(including)の任意の形態)、または「含有すること(containing)」(ならびに「含有する(contains)」および「含有する(contain)」などの含有すること(containing)の任意の形態)という用語は、包括的または非限定的であり、追加の列挙されていない要素または方法のステップを排除しない。
本明細書で使用される場合、「接触させること(contacting)」という用語は、in vitro系またはin vivo系において、2つの要素を一緒にすることを意味する。例えば、GlyT1輸送体阻害剤(例えば、本明細書に記載されるビトペルチンの結晶形態または非晶質形態)を個体または患者または細胞のGlyT1輸送体と「接触させること」には、個体または患者、例えば、ヒトへの化合物の投与を含むだけでなく、例えば、GlyT1輸送体を含有する細胞調製物または精製された調製物を含有する試料に化合物を導入することを含む。
本明細書で交換可能に使用される「結晶多形」または「多形」という用語は、化合物の固体結晶形態またはその複合体を意味する。同じ化合物の異なる多形は、異なる物理的、化学的および/または分光学的特性を示し得る。
「DSC」は、本明細書において、示差走査熱量測定の頭字語として使用される。本出願の一部の実施形態では、DSC曲線は、FRS05センサーを備えたMettler-Toledo(商標)示差走査熱量計DSC820またはDSC821を使用して記録した。一部の実施形態では、システム適合性試験および較正を、内部標準操作手順に従って行った。
結晶形態の測定についての一部の実施形態では、試料およそ2~6mgをアルミニウムパンに置き、正確に秤量し、穿孔できる蓋で密封した。測定前に蓋を自動的に刺し貫き、約1.5mmのピンホールを開けた。次に、試料を、約100mL/分の窒素流下、10K/分の加熱速度を使用して加熱した。
非晶質形態の測定についての一部の実施形態では、試料およそ2~6mgをアルミニウムパンに置き、正確に秤量し、密封した。次に、試料を、約100mL/分の窒素流下、10K/分の加熱速度を使用して加熱した。
「DVS」は、本明細書において、動的蒸気吸着の頭字語として使用される。本出願の一部の実施形態では、DVS等温線は、DVS-I(SMS表面測定システム)水分バランスシステムで収集した。一部の実施形態では、吸着/脱着等温線は、25℃で、0%RH~90%RHの範囲で段階的に測定した。<0.002mg/分の重量変化を、次のレベルの相対湿度への転換の基準として選択した(重量基準に満たなかった場合には、6時間の最大平衡時間を用いた)。試料の初期水分含量に関してデータを補正した。すなわち相対湿度0%で試料を乾燥した後の重量を、ゼロ点として採用した。
「形態A」または「結晶形態A」または「多形形態A」は、本明細書においてビトペルチンの結晶形態Aの略語として使用される。
「形態B」または「結晶形態B」または「多形形態B」は、本明細書においてビトペルチンの結晶形態Bの略語として使用される。
「形態C」または「結晶形態C」または「多形形態C」は、本明細書においてビトペルチンの結晶形態Cの略語として使用される。
本明細書で使用される場合、「グリシン輸送体」または「GlyT」という用語は、細胞の細胞膜を横断するグリシンの輸送を促進する膜タンパク質を指す。グリシン輸送体の非限定的な例としては、グリシン輸送体1(GlyT1)およびグリシン輸送体2(GlyT2)が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「GlyT1」または「GlyT1輸送体」という用語は、グリシン輸送体1としても公知のナトリウムおよび塩化物依存性のグリシン輸送体1を意味し、ヒトにおいて、SLC6A9遺伝子によってコードされるタンパク質であり(Kim KM, Kingsmore SF, Han H, Yang-Feng TL, Godinot N, Seldin MF, Caron MG, Giros B (Jun 1994). "Cloning of the human glycine transporter type 1: molecular and pharmacological characterization of novel isoform variants and chromosomal localization of the gene in the human and mouse genomes". Mol Pharmacol. 45 (4): 608-17;Jones EM, Fernald A, Bell GI, Le Beau MM (Nov 1995). "Assignment of SLC6A9 to human chromosome band 1p33 by in situ hybridization". Cytogenet Cell Genet. 71 (3): 211)、これらは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「GlyT2」または「GlyT2輸送体」という用語は、グリシン輸送体2としても公知のナトリウムおよび塩化物依存性のグリシン輸送体2を意味し、ヒトにおいて、SLC6A5遺伝子によってコードされるタンパク質であり(Morrow JA, Collie IT, Dunbar DR, Walker GB, Shahid M, Hill DR (November 1998). "Molecular cloning and functional expression of the human glycine transporter GlyT2 and chromosomal localisation of the gene in the human genome". FEBS Lett. 439 (3): 334-40)、これは、その全体が参照によ
り本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、「GlyT1阻害剤」という用語は、GlyT1輸送体の活性を阻害または遮断する化合物を意味し、GlyT1の任意のアイソフォームの活性を阻害する化合物を含む。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、特異的GlyT1阻害剤であり、これは、その阻害剤が、GlyT2と比較して、GlyT1に対してより高い阻害剤活性を有することを意味する。一部の実施形態では、阻害剤は、GlyT2と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の選択性で、または約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の選択性でGlyT1を阻害する。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、GlyT1を阻害するが、GlyT2の活性を阻害しないか、またはそれを著しくは阻害しない。GlyT2の活性を著しくは阻害しないGlyT1阻害剤は、その場合、GlyT2の活性を5%、4%、3%、2%または1%未満阻害する。GlyT1阻害剤の選択性は、当技術分野において公知のアッセイ、例えば、公開された学術論文(B. N. Atkinson, S. C. Bell, M. De Vivo, L. R. Kowalski, S. M. Lechner, V. I. Ognyanov, C.-S. Tham, C. Tsai, J. Jia, D. Ashton and M. A. Klitenick, ALX 5407: A Potent, Selective Inhibitor of the hGlyT1 Glycine Transporter, Molecular Pharmacology December 2001, 60 (6) 1414-1420)に記載されるアッセイに基づいて決定され、これは、その全体が本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、GlyT1阻害剤は、本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態である。
本明細書で使用される場合、「GlyT2阻害剤」という用語は、GlyT2輸送体の活性を阻害または遮断する化合物を意味し、GlyT2の任意のアイソフォームの活性を阻害する化合物を含む。一部の実施形態では、GlyT2阻害剤は、非特異的阻害剤であり、これは、GlyT1の活性も阻害または遮断することができることを意味する。一部の実施形態では、GlyT2阻害剤は、特異的GlyT2阻害剤であり、これは、その阻害剤が、GlyT1と比較して、GlyT2に対してより高い阻害剤活性を有することを意味する。一部の実施形態では、阻害剤は、GlyT1と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の選択性で、または約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%の選択性でGlyT2を阻害する。一部の実施形態では、GlyT2阻害剤は、GlyT2活性を阻害するが、GlyT1の活性を阻害しないか、またはそれを著しくは阻害しない。GlyT1の活性を著しくは阻害しないGlyT2阻害剤は、その場合、GlyT1の活性を5%、4%、3%、2%または1%未満阻害する。GlyT2阻害剤の選択性は、当技術分野において公知のアッセイ、例えば、公開された学術論文(B. N. Atkinson, S. C. Bell, M. De Vivo, L. R. Kowalski, S. M. Lechner, V. I. Ognyanov, C.-S. Tham, C. Tsai, J. Jia, D. Ashton and M. A. Klitenick, ALX 5407: A Potent, Selective Inhibitor of the hGlyT1 Glycine Transporter, Molecular Pharmacology December 2001, 60 (6) 1414-1420)に記載されるものに基づくアッセイに基づいて決定され、これは、その全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書で使用される場合、互換的に使用される「個体」または「患者」という用語は、任意の動物を意味し、哺乳動物、例えば、マウス、ラット、他のげっ歯動物、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または霊長類、例えばヒトを含む。
本明細書で使用される場合、「阻害活性」という語句、例えば、酵素または輸送体活性は、酵素または輸送体、例えば、GlyT1輸送体の活性を任意の測定可能な量、低減することを意味する。
本明細書で使用される場合、「それを必要とする」とう語句は、動物または哺乳動物が特定の方法または処置についての必要性を有すると特定されていることを意味する。一部の実施形態では、特定は、診断の任意の手段によってであり得る。本明細書に記載される方法および処置のいずれかでは、動物または哺乳動物は、それを必要とし得る。一部の実施形態では、動物または哺乳動物は、特定の疾患、障害もしくは状態が広がった環境にあるか、またはその環境へ進んでいる。
本明細書で使用される場合、「in situでゲル化可能」という語句は、眼の外部において眼または涙液との接触の際にゲルを形成する低粘度の液体だけでなく、眼への投与の際に粘度またはゲルの堅さの実質的な増加を示す半流動体およびチキソトロピーゲルなどのより粘性の液体を包含することを意味する。
「IR」は、本明細書において、赤外線または赤外の頭字語として使用され、したがって「IRスペクトル」は、赤外スペクトルを意味する。一部の実施形態では、試料のIRスペクトルは、2枚の塩化ナトリウムプレートの間の約5mgの試料および少量のヌジョールからなるヌジョール懸濁物のフィルムとして、FT-IR分光計で透過率を記録した。分光計は、Nicolet(商標)20SXBまたは同等物であった(分解能2cm-1、32回またはそれより多くのスキャンを積算、MCT検出器)。
本明細書で使用される場合、「哺乳動物」という用語は、げっ歯動物(すなわち、マウス、ラットまたはモルモット)、サル、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ブタまたはヒトを意味する。一部の実施形態では、哺乳動物はヒトである。
「メチルパラベン共結晶形態」は、本明細書においてビトペルチンのメチルパラベン共結晶形態の略語として使用される。
本明細書で使用される場合、「眼科的に許容される」という語句は、処置された眼もしくはその機能に対して、または処置される対象の全体的な健康に対して、持続性の有害な効果を有さないことを意味する。しかしながら、軽い刺激または「刺痛」感などの一過性の効果は、薬物の局所点眼に伴って一般的なものであり、そのような一過性の効果の存在は、本明細書に定義される「眼科的に許容される」という議論において、組成物、製剤または成分(例えば、賦形剤)と矛盾しないことが認識されるであろう。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という語句は、妥当な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび動物の組織と接触する使用に好適である、化合物、材料、組成物および/または剤形を意味する。一部の実施形態では、「薬学的に許容される」は、連邦もしくは州政府の規制機関によって承認されていること、または米国薬局方もしくは動物、より具体的にはヒトにおける使用のための他の一般に認識されている薬局方によって列挙されていることを意味する。
本明細書で使用される場合、「精製された」という用語は、単離された場合、単離物は、単離物の重量で、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、または少なくとも99%の本明細書に記載される化合物を含有することを意味する。
本明細書で使用される場合、「可溶化剤」という語句は、薬物のミセル溶液または真の溶液の形成をもたらす剤を意味する。
本明細書で使用される場合、「溶液/懸濁液」という用語は、活性薬剤の第1の部分が、溶液中に存在し、活性薬剤の第2の部分が、液体マトリックス中の懸濁液において、特定の形態で存在する、液体組成物を意味する。
本明細書で使用される場合、「実質的に単離された」という語句は、それが形成または検出される環境から少なくとも部分的にまたは実質的に分離されている化合物を意味する。
「TGA」は、本明細書において、熱重量分析の頭字語として使用される。一部の実施形態では、TGA曲線は、Mettler-Toledo(商標)熱重量分析装置(TGA850またはTGA851)で測定した。ある特定の実施形態では、システムの適合性試験および較正を、内部標準操作手順に従って行った。
熱重量分析について、約5~10mgの試料をアルミニウムパンに置き、正確に秤量し、穿孔できる蓋で密封した。測定前に蓋を自動的に刺し貫き、約1.5mmのピンホールを開けた。次に、試料を、約50mL/分の窒素流下、5K/分の加熱速度を使用して加熱した。
本明細書で使用される場合、「治療有効量」という語句は、研究者、獣医師、医師または他の臨床医によって、組織、系、動物、個体もしくはヒトにおいて求められる生物学的または医薬応答を誘発する活性化合物または医薬品の量を意味する。治療効果は、処置される障害または所望の生物学的効果に依存する。そのため、治療効果は、障害に関連する症状の重症度および/もしくは障害の進行の阻害(部分的または完全)の減少であり得るか、または障害もしくは副作用の処置、治癒、予防もしくは排除を改善し得る。治療応答を誘発するために必要な量は、対象の年齢、健康、サイズおよび性別に基づいて決定することができる。最適な量は、処置に対する対象の応答のモニタリングに基づいて決定することもできる。
本明細書で使用される場合、「処置する(treat)」、「処置された(treated)」または「処置すること(treating)」という用語は、治療的処置および予防的測定の両方を意味し、ここで、目的は、所望されない生理学的条件、障害もしくは疾患を遅らせる(少なくする)こと、または有益な臨床結果もしくは所望される臨床結果を得ることである。有益な臨床結果または所望される臨床結果としては、限定されるものではないが、症状の軽減;状態、障害もしくは疾患の程度の減少;状態、障害もしくは疾患の状態の安定化(すなわち、悪化しない);状態、障害もしくは疾患の進行の開始の遅延もしくはその減速;検出可能もしくは検出不能にかかわらず、状態、障害もしくは疾患の状態の回復、または緩和(部分的または全体的かにかかわらず);患者によって必ずしも認識されない少なくとも1つの測定可能な身体的パラメーターの回復;あるいは状態、障害もしくは疾患の強化または改善が挙げられる。処置は、過度の副作用のレベルなしで、臨床的に著しい応答を誘発することを含む。処置は、処置を受けていない場合に予想される生存と比較して、生存を延ばすことも含む。そのため、「赤血球増殖性プロトポルフィリン症の処置」または「赤血球増殖性プロトポルフィリン症を処置すること」は、赤血球増殖性プロトポルフィリン症または本明細書に記載される他の状態に関連する一次現象または二次症状のいずれかを軽減または回復させる活動を意味する。
「XRPD」は、本明細書において、X線粉末回折の頭字語として使用される。一部の実施形態では、X線回折パターンは、STOE STADI P回折計(Cu Ka放射線、一次モノクロメータ、位置敏感検出器、角度範囲3~42(2シータ度)、合計測定時間およそ60分)を用いて透過配置で、周囲条件で記録した。試料を調製し、物質のさらなる処理(例えば粉砕または篩過)を行わずに分析した。
あるいは、X線回折パターンを、CuKa放射線(1.54A)を用いるSTOE STADIP回折計および位置敏感型検出器を用いて、透過配置で記録した。試料(およそ50mg)を薄いポリマー(またはアルミニウム)フィルムの間で調製し、物質のさらなる処理(例えば粉砕または篩過)を行わずに分析した。
X線回折パターンを、密封した銅Ka1放射線源を備えたScintag Xl粉末X線回折計でも測定した。試料を、入射ビームスリット幅2および4mmおよび回折ビームスリット幅0.3および0.2mmを用いて1分当たり1(2シータ度)の速度で2~36(2シータ度)までスキャンした。
単結晶構造分析について、単結晶を、角度計のループに載せ、周囲条件で測定した。あるいは、結晶を、測定中に窒素ストリーム中で冷却した。データをSTOE(Darmstadt)製のSTOEイメージングプレート回折システム(IPDS)で収集した。この場合、0.71A波長のMo放射線を、データ収集のために使用した。データを、STOE IPDS-ソフトウェアで処理した。結晶構造を解明し、標準の結晶学的ソフトウェアで精密化した。この場合、Bruker AXS(Karlsruhe)製のプログラムShelXTLを使用した。
あるいは、シンクロトロン放射線を、データ収集のために使用した。単結晶をループに載せ、窒素ストリーム中でおよそ100Kに冷却した。データを、Swiss光源ビームラインXlOSAで、シンクロトロン放射線を用いるMAR CCD225検出器を使用して収集し、データをプログラムXDSで処理した。結晶構造を解明し、標準の結晶学的ソフトウェアで精密化した。この場合、Bruker AXS(Karlsruhe)製のプログラムShelXTLを使用した。結晶構造を解明し、ShelXTL(Bruker AXS、Karlsruhe)で精密化した。
XRPDパターンを説明する文脈で使用される「およそ」という用語は、測定値に2シータ度±0.2(2シータ度で表される)の不確実性があることを意味する。
これにより、群内の任意の下位範囲または下位範囲の組合せを含む任意のそのような群の任意の個々のメンバーに但し書きを付けるか、またはそれを除く権利を留保することによって、これは、範囲に従って、または任意の同様の様式で特許請求の範囲に記載され得、本開示の完全な尺度未満は、任意の理由のために特許請求の範囲に記載され得る。さらに、これにより、特許請求の範囲に記載された群の任意の個々の置換基、アナログ、化合物、リガンド、構造もしくはそれらの群、またはその任意のメンバーに但し書きを付けるか、またはそれを除く権利を留保することによって、本開示の完全な尺度未満は、任意の理由のために特許請求の範囲に記載され得る。本開示全体を通して、さまざまな特許、特許出願および刊行物が参照される。これらの特許、特許出願および刊行物の開示は、それらの全体が、本開示の日の時点で当業者に公知である現況技術をより完全に記載するために、参照により本開示に組み込まれる。引用された特許、特許出願および刊行物ならびに本開示の間に任意の不一致が存在する場合に、本開示が支配する。
便宜上、本明細書、実施例および特許請求の範囲で用いられるある特定の用語が、ここに集められる。他に定義されない限り、本開示で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。
一部の実施形態では、本明細書に開示される方法および使用は、GlyT1阻害剤、例えばビトペルチンまたはその固体形態に関する。一部の実施形態では、本明細書に開示される方法および使用は、PCT出願公開WO2008/080821に記載されている固体形態を含むビトペルチンの結晶形態または非晶質形態に関し、その内容全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
ビトペルチンは、調製方法に応じて、結晶形態A、BもしくはCとして、またはメチルパラベン共結晶形態として、または非晶質形態として単離することができる。形態A、BおよびCは、本明細書に記載されるいくつかの異なる結晶化方法から単離することができる。非晶質形態は、本明細書に記載される通り、ビトペルチン溶液の凍結乾燥または急速濃縮によって得ることができる。メチルパラベン共結晶形態は、本明細書に記載される通り、形態A、B、Cまたは非晶質形態およびメチルパラベンの消化または再結晶化によって得ることができる。
一部の実施形態では、本明細書に開示される方法および使用は、形態Aに関する。一部の実施形態では、形態Aは、
- [4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを、播種後に再結晶化させるステップ、または
- [4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを、播種を伴わずに再結晶化させ、約40℃未満で自発的に結晶化させるステップ
を含む方法によって調製することができる。
ある特定の実施形態では、形態Aは、エタノール中、ある特定の温度で[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを再結晶化させ、播種後に濃縮し、その後、冷却中に結晶化させることによって得ることができる。一部の実施形態では、形態Aは、エタノール中、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを、播種を伴わずに再結晶化させ、40℃未満で自発的に結晶化させ、その後、冷却中に沈殿させることによって得ることができる。ある特定の実施形態では、形態Aの形成は、エタノール、エタノール/水、メタノール、メタノール/水、トルエン、2-プロパノール、ジオキサン/水およびジオキサンに限定されない。調製方法、特に、種晶の調製方法のある特定の態様は、本出願の実施例にさらに記載される。
一部の実施形態では、形態Aは、分解前にTGA曲線に有意な重量減少が観察されないので、溶媒不含形態である。
一部の実施形態では、形態Aは、およそ13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6、24.3における2シータ度で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3つのピークによって特徴付けることができる。
一部の実施形態では、形態Aは、およそ13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6、24.3における2シータ度で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークから選択される少なくとも5つのピークによって特徴付けることができる。
一部の実施形態では、形態Aは、およそ13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6、24.3における2シータ度で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークから選択される少なくとも7つのピークによって特徴付けることができる。
一部の実施形態では、形態Aは、およそ13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6および24.3における2シータ度で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークによって特徴付けることもできる。
「およそ」という用語は、この文脈では、測定値に2シータ度±0.2(2シータ度で表される)の不確実性があることを意味する。
一部の実施形態では、形態Aは、図12に実質的に示されるX線回折パターンによって特徴付けることもできる。
一部の実施形態では、形態Aは、3032、1645、1623、1600、1581、1501、1342、1331、1314、1291、1266、1245、1154、1130、1088、1054、1012、976、951、922、889、824、787、758、739、714および636cm-1(±3cm-1)にシャープなバンドを有する赤外スペクトルによって特徴付けることができる。
一部の実施形態では、形態Aは、図13に実質的に示される赤外スペクトルによって特徴付けることができる。
一部の実施形態では、形態Aは、約138℃~144℃の範囲の開始温度(DSC)を有する融点によって特徴付けることができる。
一部の実施形態では、形態Aのある特定の特徴は、図12~15に示される。
形態Aの単結晶構造分析を実施した。表1は、結晶構造データのある特定の態様の一覧である。形態Aで収集された実験的XRPDパターンは、結晶構造データから計算された理論的パターンに対応している。形態Aの単結晶構造において、ピペラジン環は、ピリジン置換基がエクアトリアル位にある椅子型配座を示す。
表1: 結晶形態Aについての結晶構造データ
本明細書に記載される方法または使用のある特定の実施形態では、化合物[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンは、少なくとも70%の本明細書に記載される形態Aの結晶多形を含む。ある特定の実施形態では、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンは、少なくとも90%の本明細書に記載される形態Aの結晶多形を含む。ある特定の実施形態では、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンは、少なくとも96%の本明細書に記載される形態Aの結晶多形を含む。ある特定の実施形態では、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンは、少なくとも99%の本明細書に記載される形態Aの結晶多形を含む。
一部の実施形態では、本明細書に開示される方法および使用は、形態Bに関する。本出願のある特定の実施形態では、形態Bは、
- [4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの溶液を播種するステップ、または
- [4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの溶液を、播種を伴わずに結晶化させるステップ、または
- 1種または1種より多くの溶媒中、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを再結晶化させ、形態Bを播種するステップ
を含む方法によって調製することができる。
ある特定の実施形態では、形態Bは、エタノール溶液の播種およびその後の冷却によって得ることができる。ある特定の実施形態では、形態Bは、エタノール溶液の播種およびその後の冷却なしに得ることができる。ある特定の実施形態では、形態Bは、数種の溶媒中、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを再結晶化させ、形態Bを播種することによって調製することができる。
ある特定の実施形態では、形態Bは、分解前にTGA曲線に有意な重量減少が観察されないので、溶媒不含形態である。
形態Bの調製方法、特に種晶の調製方法のある特定の態様は、本出願の実施例にさらに記載される。
ある特定の実施形態では、形態Bは、およそ11.4、15.4、16.2、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5、26.4における2シータ度で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3つのピークによって特徴付けることができる。
ある特定の実施形態では、形態Bは、およそ11.4、15.4、16.2、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5、26.4における2シータ度で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークから選択される少なくとも5つのピークによって特徴付けることができる。
ある特定の実施形態では、形態Bは、およそ11.4、15.4、16.2、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5、26.4における2シータ度で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークから選択される少なくとも7つのピークによって特徴付けることができる。
ある特定の実施形態では、形態Bは、およそ11.4、15.4、16.2、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5および26.4における2シータ度で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークによって特徴付けることもできる。
「およそ」という用語は、この文脈では、測定値に2シータ度±0.2(2シータ度で表される)の不確実性があることを意味する。
ある特定の実施形態では、形態Bは、図16に実質的に示されるX線回折パターンによって特徴付けることができる。
ある特定の実施形態では、形態Bは、1644、1635、1621、1599、1567、1514、1488、1398、1343、1328、1291、1266、1183、1155、1090、1022、1003、973、958、938、920、897、822、783、753、740、683および638cm-1(±3cm-1)にシャープなバンドを有する赤外スペクトルによって特徴付けることができる。
ある特定の実施形態では、形態Bは、図17に実質的に示される赤外スペクトルによって特徴付けることができる。
ある特定の実施形態では、形態Bは、約151℃~154℃の範囲の開始温度(DSC)を有する融点によって特徴付けることができる。
ある特定の実施形態では、形態Bのある特定の特徴は、図16~19に示される。
形態Bの単結晶構造分析を実施した。表2は、一部の結晶構造データの一覧である。形態Bで収集された実験的XRPDパターンは、結晶構造データから計算された理論的パターンに対応している。形態Bの単結晶構造において、ピペラジン環は、ピリジン置換基がアキシアル位にある椅子型配座を示す。
表2: 結晶形態Bについての結晶構造データ
明細書に記載される方法または使用の一部の実施形態では、化合物[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンは、少なくとも70%の形態Bの結晶多形を含み、ある特定の実施形態では、少なくとも90%の形態Bの結晶多形を含み、ある特定の実施形態では、少なくとも96%の形態Bの結晶多形を含み、ある特定の実施形態では、少なくとも99%の形態Bの結晶多形を含む。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法または使用は、形態Cに関する。ある特定の実施形態では、形態Cは、
- [4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを結晶化させるステップ、または
- 形態Cを播種することによって[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを結晶化させるステップ、または
- [4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを約150℃で焼き戻し、その後冷却するステップ
を含む方法によって調製することができる。
ある特定の実施形態では、形態Cは、トルエンまたはトルエン/n-ヘプタン溶液から100℃で結晶化させることによって得ることができる。ある特定の実施形態では、形態Cは、数種の溶媒中で[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを結晶化させ、形態Cを播種することによって調製することができる。ある特定の実施形態では、形態Cは、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを150℃で2時間焼き戻し、その後急速に冷却することによって得ることができる。調製方法、特に、種晶の調製のある特定の態様は、本出願の実施例に記載されている。
ある特定の実施形態では、形態Cは、分解前にTGA曲線に有意な重量減少が観察されないので、溶媒不含形態である。
ある特定の実施形態では、形態Cは、およそ14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0、25.2における2シータ度で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3つのピークによって特徴付けることができる。
ある特定の実施形態では、形態Cは、およそ14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0、25.2における2シータ度で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークから選択される少なくとも5つのピークによって特徴付けることができる。
ある特定の実施形態では、形態Cは、およそ14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0、25.2における2シータ度で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークから選択される少なくとも7つのピークによって特徴付けることができる。
ある特定の実施形態では、形態Cは、およそ14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0および25.2における2シータ度で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークによって特徴付けることもできる。
「およそ」という用語は、この文脈では、測定値に2シータ度±0.2(2シータ度で表される)の不確実性があることを意味する。
ある特定の実施形態では、形態Cは、図20に実質的に示されるX線回折パターンによって特徴付けることができる。
ある特定の実施形態では、形態Cは、1641、1622、1601、1581、1566、1514、1398、1378、1341、1322、1309、1294、1281、1159、1087、1023、1009、966、934、917、901、822、784、757、681および640cm-1(±3cm-1)にシャープなバンドを有する赤外スペクトルによって特徴付けることができる。
ある特定の実施形態では、形態Cは、図21に実質的に示される赤外スペクトルによって特徴付けることができる。
ある特定の実施形態では、形態Cは、約152℃~156℃の範囲の開始温度(DSC)を有する融点によって特徴付けることもできる。
形態Cのある特定の特徴は、図20~23に示される。
本出願の方法または使用のある特定の実施形態では、化合物[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンは、少なくとも70%の形態Cの結晶多形を含み、ある特定の実施形態では、少なくとも90%の形態Cの結晶多形を含み、ある特定の実施形態では、少なくとも96%の形態Cの結晶多形を含み、ある特定の実施形態では、少なくとも99%の形態Cの結晶多形を含む。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法または使用は、ビトペルチンの非晶質形態に関する。ある特定の実施形態では、ビトペルチンの非晶質形態は、
- [4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの溶液から、真空下、約40℃で急速蒸発させるステップ、または
- [4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの溶液を凍結乾燥させるステップ
を含む方法によって調製することができる。
一部の実施形態では、非晶質形態は、エタノール溶液から、真空下、約40℃で急速蒸発させる際に得ることができる。一部の実施形態では、非晶質形態は、アセトニトリル50mL中、1.0gの[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの溶液を凍結乾燥させることによって得ることができる(-46℃および0~1mbarの真空の凝縮器(condensator))。非晶質形態の調製方法のある特定の態様は、本出願の実施例にさらに記載される。
一部の実施形態では、非晶質形態は、そのXRPDパターンにおけるシャープなX線回折ピークがないことによって特徴付けることができる。
一部の実施形態では、非晶質形態は、図24に実質的に示されるX線回折パターンによって特徴付けることができる。
一部の実施形態では、非晶質形態は、1642、1622、1599、1579、1509、1487、1399、1329、1293、1253、1159、1124、1090、1016、960、920、903、889、827、782、763、739および636cm-1(±3cm-1)にシャープなバンドを有する赤外スペクトルによって特徴付けることができる。
一部の実施形態では、非晶質形態は、図25に実質的に示される赤外スペクトルによって特徴付けることができる。
一部の実施形態では、非晶質形態は、約48℃~約65℃のガラス転移温度によって特徴付けることができる(DSC、加熱速度10K/分、閉じたパン)(一部の実施形態では、ガラス転移温度は、溶媒/含水量に大きく依存する)。
ビトペルチンの非晶質形態のある特定の特徴は、図24~28に示される。
本出願の一部の実施形態では、化合物[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンは、少なくとも70%の非晶質形態を含み、ある特定の実施形態では、少なくとも90%の非晶質形態を含み、ある特定の実施形態では、少なくとも96%の非晶質形態を含み、ある特定の実施形態では、少なくとも99%の非晶質形態を含む。
本出願のある特定の実施形態では、メチルパラベン共結晶形態は、形態A、B、Cまたは非晶質形態およびメチルパラベンを、溶媒システム中で播種を伴ってまたは伴わずに再結晶化させるステップを含む方法によって調製することができる。
一部の実施形態では、本出願の方法または使用は、ビトペルチンのメチルパラベン共結晶に関する。ある特定の実施形態では、メチルパラベン共結晶形態は、溶媒、例えばエタノールおよび水における消化によって生成することができる。ある特定の実施形態では、メチルパラベン共結晶形態は、形態A、B、Cまたは非晶質形態およびメチルパラベンを、限定されるものではないがエタノールを含む溶媒システム中で播種を伴ってまたは伴わずに再結晶化させることによって調製することができる。ある特定の実施形態では、共結晶形態における[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンおよびメチルパラベンの比は、1:1~1:10の範囲である。一部の実施形態では、共結晶における[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンおよびメチルパラベンの比は、1:1である。
調製方法、特に種晶の調製方法のある特定の態様は、本出願の実施例にさらに説明される。
ある特定の実施形態では、メチルパラベン共結晶形態は、およそ8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2、25.9における2シータ度で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3つのピークによって特徴付けることができる。
ある特定の実施形態では、メチルパラベン共結晶形態は、およそ8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2、25.9における2シータ度で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークから選択される少なくとも5つのピークによって特徴付けることができる。
ある特定の実施形態では、メチルパラベン共結晶形態は、およそ8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2、25.9における2シータ度で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークから選択される少なくとも7つのピークによって特徴付けることができる。
ある特定の実施形態では、メチルパラベン共結晶形態は、およそ:8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2および25.9における2シータ度で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折パターンによって特徴付けることができる。
「およそ」という用語は、この文脈では、測定値に2シータ度±0.2(2シータ度で表される)の不確実性があることを意味する。
ある特定の実施形態では、メチルパラベン共結晶形態は、図29に実質的に示されるX線回折パターンによって特徴付けることもできる。
ある特定の実施形態では、メチルパラベン共結晶形態は、3154、3081、1709、1614、1586、1378、1337、1313、1247、1189、1172、1124、1085、1019、959、928、916、908、894、857、783、772、729および702cm-1(±3cm-1)にシャープなバンドを有する赤外スペクトルによって特徴付けることもできる。
ある特定の実施形態では、メチルパラベン共結晶形態は、図30に実質的に示される赤外スペクトルによって特徴付けることができる。
ビトペルチンのメチルパラベン共結晶形態のある特定の特徴は、図29~32に示される。
メチルパラベン共結晶の単結晶構造分析を実施した。表3は、一部の結晶構造データの一覧である。メチルパラベン共結晶で収集された実験的XRPDパターンは、結晶構造データから計算された理論的パターンに対応している。
表3: メチルパラベン共結晶形態についての結晶構造データ
本出願のある特定の実施形態では、化合物は、少なくとも70%の[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンのメチルパラベン共結晶を含み、ある特定の実施形態では、少なくとも90%のメチルパラベン共結晶を含み、ある特定の実施形態では、少なくとも96%のメチルパラベン共結晶を含み、ある特定の実施形態では、少なくとも99%のメチルパラベン共結晶を含む。
本明細書に開示される方法および使用のある特定の実施形態では、対象は、それを必要とする対象である。
本明細書に開示される使用および方法の一部の実施形態では、グリシン輸送体阻害剤、例えば、GlyT1阻害剤(例えば、本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態)は、治療有効量で投与される。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態を使用して、GlyT1輸送体を阻害することができる。そのため、一部の実施形態では、本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態は、GlyT1輸送体阻害化合物またはGlyT1阻害剤と称することができる。
本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態は、それらが活性になる任意の経路によって、従来の任意の様式で投与することができる。投与は、全身、局所、または経口であり得る。例えば、投与は、限定されるものではないが、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、経皮、経口、頬側、舌下もしくは眼科経路、または膣内、吸入によって、デポー注射によって、またはインプラントによってであり得る。投与の方法は、標的にされるか、もしくは処置される状態または疾患に依存し得る。投与の具体的な経路の選択は、所望の臨床反応を得るために臨床医に公知の方法に従って、臨床医により選択または調整され得る。
一部の実施形態では、処置を必要とする領域に局部的に、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態を投与することが望ましくあり得る。これは、例えば、限定ではないが、外科手術の間の局部注入、局所適用によって、例えば、外科手術後の創傷ドレッシングと併せて、注射によって、カテーテルの手段によって、坐剤の手段によって、またはインプラントの手段によって、達成されてもよく、ここで、インプラントは、サイラスティック膜などの膜、または繊維を含む、多孔性、非多孔性またはゼリー状材料のものである。
本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態は、単独で、または他の医薬品と組み合わせて(共にまたは順次)のいずれかで投与することができる。例えば、本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態は、EPP、XLPPまたはCEPの処置などのための他の薬物と組み合わせて投与することができる。他の医薬品または医薬の例は、当業者に公知であり、限定されるものではないが、本明細書に記載されるものが挙げられる。
投与のための手段および方法は、当技術分野において公知であり、技術者は、ガイダンスのためにさまざまな薬理学の参考文献を参照することができる(例えば、Modern Pharmaceutics, Banker & Rhodes, Marcel Dekker, Inc. (1979);およびGoodman & Gilman's The Pharmaceutical Basis of Therapeutics, 6th Edition, MacMillan Publishing Co., New York (1980)を参照されたい)。
投与される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態の量は、治療的に有効な量である。投与される投薬量は、処置される対象の特性、例えば、処置される特定の動物、年齢、体重、健康、もしあれば併用処置の種類、および処置の頻度に依存し、当業者によって(例えば、臨床医によって)容易に決定され得る。プロタミンについての標準の投薬を、上記の因子に応じて使用および調整(すなわち、増加または減少)することができる。具体的な投薬レジメンの選択は、所望の臨床反応を得るために臨床医に公知の方法に従って、臨床医により選択または調整または用量設定され得る。
特定の疾患、状態または障害の処置および/または予防において有効な本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態の量は、疾患、状態または障害の特質および程度に依存し、標準の臨床技法によって決定され得る。加えて、in vitroまたはin vivoアッセイを、最適な投薬量範囲を特定するのを助けるために必要に応じて用いてもよい。組成物中で用いられる正確な用量は、投与の経路および障害の重篤度にも依存し、開業医の判断およびそれぞれの患者の状況に従って決定されるべきである。しかしながら、経口投与のための好適な投薬量範囲は、一般に、体重1キログラムあたり約0.001ミリグラム~約200ミリグラム、体重1キログラムあたり約0.01ミリグラム~約100ミリグラム、体重1キログラムあたり約0.01ミリグラム~約70ミリグラム、体重1キログラムあたり約0.1ミリグラム~約50ミリグラム、体重1キログラムあたり0.5ミリグラム~約20ミリグラム、または体重1キログラムあたり約1ミリグラム~約10ミリグラムである。一部の実施形態では、経口用量は、体重1キログラムあたり約5ミリグラムである。経口投与の一部の実施形態では、成人への投薬量は、1日当たり約0.01mg~約1000mg、約1mg~約240mg、または約3mg~約120mgの範囲であり得る。
一部の実施形態では、静脈内(i.v.)投与のための好適な投薬量範囲は、体重1kgあたり約0.01mg~約500mg、体重1kgあたり約0.1mg~約100mg、体重1kgあたり約1mg~約50mg、または体重1kgあたり約10mg~約35mgである。投与の他の方法の好適な投薬量範囲は、当業者に公知であるように、前述の投薬量に基づいて算出することができる。例えば、鼻腔内、経粘膜、皮内、筋肉内、腹腔内、皮下、硬膜外、舌下、大脳内、膣内、経皮投与、または吸入による投与のための推奨される投薬量は、体重1kgあたり約0.001mg~約200mg、体重1kgあたり約0.01mg~約100mg、体重1kgあたり約0.1mg~約50mg、または体重1kgあたり約1mg~約20mgの範囲内である。有効用量は、in vitroまたは動物モデル試験系から導かれた用量応答曲線から外挿してもよい。そのような動物モデルおよび系は、当技術分野において周知である。
本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態は、注射による、例えば、ボーラス注射または持続注入による非経口投与のために製剤化することができる。一部の実施形態では、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態は、約15分~約24時間の期間にわたる皮下の持続注入によって投与することができる。注射のための製剤は、単位剤形中に、例えば、アンプル中または複数回投与容器中に、必要に応じて添加された保存剤とともに、存在し得る。組成物は、油媒体もしくは水性媒体中の懸濁液またはエマルションの形態などをとることができ、懸濁化剤、安定剤および/または分散剤などの製剤化剤を含有することができる。一部の実施形態では、注射物質は、短時間作用型、デポー、またはインプラントの形態、および皮下または筋肉内に注射されるペレット形態である。一部の実施形態では、非経口剤形は、溶液、懸濁液、エマルション、または乾燥粉末の形態である。
経口投与については、本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態は、当技術分野において周知の薬学的に許容される担体と[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態を組み合わせることによって製剤化することができる。そのような担体は、化合物を、処置される患者による経口摂取のために、錠剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、エマルション、液剤、ゲル剤、シロップ剤、カシェ剤、ペレット剤、粉剤、顆粒剤、スラリー剤、ロゼンジ剤、水性または油性懸濁剤などとして製剤化することを可能にする。経口使用のための医薬調製物は、例えば、固体賦形剤を添加すること、必要に応じて得られた混合物を粉砕すること、および所望により好適な補助剤を添加した後、顆粒の混合物を処理して、錠剤または糖衣錠のコアを得ることによって、得ることができる。好適な賦形剤としては、限定されるものではないが、増量剤、例えば、限定されるものではないが、ラクトース、スクロース、マンニトールおよびソルビトールを含む糖;セルロース調製物、例えば、限定されるものではないが、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ジャガイモデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびポリビニルピロリドン(PVP)が挙げられる。所望により、限定されるものではないが、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、またはアルギン酸もしくはその塩、例えば、アルギン酸ナトリウムなどの崩壊剤を添加することができる。
経口投与される組成物は、薬学的に口当たりが良い調製物を提供するために、1種または1種より多くの必要に応じた薬剤、例えば、甘味剤、例えば、フルクトース、アスパルテームまたはサッカリン;香味剤、例えば、ペパーミント、ウィンターグリーンの油、またはチェリー;着色剤;および保存剤を含有することができる。また、錠剤または丸剤の形態の場合、組成物は、消化管での崩壊および吸収を遅らせるためにコーティングされていてもよく、それにより、長期間にわたる持続的な作用を提供する。浸透圧的に活性な駆動化合物を取り囲む選択的な透過性膜も、経口で投与される化合物のために好適である。経口組成物は、標準の媒体、例えば、マンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウムなどを含むことができる。そのような媒体は、好適には、医薬グレードのものである。
糖衣錠のコアは、好適なコーティングが提供され得る。この目的のために、濃縮された糖溶液を使用することができ、これは、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに好適な有機溶媒または溶媒混合物を必要に応じて含有することができる。染料または顔料を、活性化合物の用量の異なる組合せを特定または特徴付けるために、錠剤または糖衣錠のコーティングに添加することができる。
経口で使用され得る医薬調製物は、限定されるものではないが、ゼラチンで作られたプッシュフィットカプセル、ならびにゼラチンおよび可塑剤、例えば、グリセロールまたはソルビトールで作られた密封された軟カプセル剤を含む。プッシュフィットカプセルは、増量剤、例えば、ラクトース、結合剤、例えば、デンプン、および/または滑沢剤、例えば、タルクもしくはステアリン酸マグネシウム、ならびに必要に応じて安定剤との混合物中に活性成分を含有することができる。軟カプセル剤では、活性化合物は、好適な液体、例えば、脂肪油、流動パラフィンまたは液状ポリエチレングリコール中に溶解または懸濁され得る。加えて、安定剤を添加することができる。
頬側投与のために、組成物は、例えば、従来の様式で製剤化された錠剤またはロゼンジ剤の形態をとることができる。
吸入による投与のために、本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態は、好適な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適なガスの使用による、加圧パックまたは噴霧器からのエアロゾルスプレー提示の形態で送達することができる。加圧エアロゾルの場合では、投薬量単位は、測定された量を送達するためのバルブを提供することによって決定することができる。吸入具または吸入器における使用のための例えばゼラチンのカプセルおよびカートリッジは、化合物および好適な粉末基剤、例えば、ラクトースまたはデンプンの混合粉末を含有して製剤化することができる。
本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態は、例えば、従来の坐剤基剤、例えばカカオバターまたは他のグリセリドを含有する、直腸組成物、例えば、坐剤または停留かん腸に製剤化することもできる。本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態は、経膣組成物、例えば、膣クリーム、坐剤、ペッサリー、膣リングおよび子宮内避妊器具に製剤化することもできる。
経皮投与では、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態は、プラスターに適用することができ、または、結果として生物体に供給される経皮治療系によって適用することができる。一部の実施形態では、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態は、クリーム剤、液剤、粉剤、液状エマルション、液状懸濁剤、半固体、軟膏、ペースト剤、ゲル剤、ゼリー剤および泡状物質中に、またはそのいずれかを含有するパッチ中に存在する。
本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態は、デポー調製物として製剤化することができる。そのような長時間作用型製剤は、埋め込み(例えば、皮下または筋肉内)によって、または筋肉内注射によって投与することができる。デポー注射は、約1~約6か月、またはそれよりも長い間隔で投与することができる。そのため、例えば、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態は、好適なポリマー材料もしくは疎水性材料(例えば、許容される油中のエマルションとして)、またはイオン交換樹脂を用いて、あるいは難溶性誘導体として、例えば、難溶性塩として、製剤化することができる。
一部の実施形態では、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態は、放出制御システムにおいて送達することができる。一実施形態では、ポンプが使用されてもよい(Langer, supra;Sefton, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng., 1987, 14, 201;Buchwald et al., Surgery, 1980, 88, 507;Saudek et al., N. Engl. J. Med., 1989, 321, 574を参照されたい)。一部の実施形態では、ポリマー材料を使用することができる(Medical Applications of Controlled Release, Langer and Wise (eds.), CRC Pres., Boca Raton, Fla. (1974);Controlled Drug Bioavailability, Drug Product Design and Performance, Smolen and Ball (eds.), Wiley, New York (1984);Ranger et al., J. Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem., 1983, 23, 61を参照されたい;またLevy et al., Science, 1985, 228, 190;During et al., Ann. Neurol., 1989, 25, 351;Howard et al., J. Neurosurg., 1989, 71, 105も参照されたい)。さらに別の実施形態では、放出制御システムは、肝臓などの本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態の標的に近接して設置することができ、そのため、全身用量のごく少量のみを必要とする(例えば、Goodson, in Medical Applications of Controlled Release, supra, vol. 2, pp. 115-138 (1984)を参照されたい)。Langer, Science, 1990, 249, 1527-1533による総説で議論された他の放出制御システムを使用してもよい。
ある特定の実施形態において、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態が、そのような製剤中に、薬学的に許容される希釈剤、増量剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、疎水性媒体、水溶性媒体、乳化剤、緩衝剤、保水剤、保湿剤、可溶化剤、保存剤などとともに含有され得る。医薬組成物は、好適な固相またはゲル相の担体または賦形剤を含むこともできる。そのような担体または賦形剤の例としては、限定されるものではないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、さまざまな糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチン、およびポリマー、例えば、ポリエチレングリコールが挙げられる。一部の実施形態では、本明細書に記載される化合物は、限定されるものではないが、局所鎮痛薬(例えば、リドカイン)、バリアデバイス(例えば、GelClair)またはすすぎ剤(例えば、Caphosol)を含む薬剤と共に使用することができる。
一部の実施形態では、本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態は、媒体、特に、リポソーム中で送達することができる(Langer, Science, 1990, 249, 1527-1533;Treat et al., in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer, Lopez-Berestein and Fidler (eds.), Liss, New York, pp. 353-365 (1989);Lopez-Berestein, ibid, pp. 317-327を参照されたい;一般に、同書を参照されたい)。
好適な組成物は、限定されるものではないが、経口の非吸収性組成物を含む。好適な組成物は、限定されるものではないが、生理食塩水、水、シクロデキストリン溶液、およびpH3~9の緩衝液も含む。
本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態は、限定されるものではないが、精製水、プロピレングリコール、PEG400、グリセリン、DMA、エタノール、ベンジルアルコール、クエン酸/クエン酸ナトリウム(pH3)、クエン酸/クエン酸ナトリウム(pH5)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンHCl(pH7.0)、0.9%の生理食塩水、および1.2%の生理食塩水、ならびにそれらの任意の組合せを含む多数の賦形剤を用いて製剤化することができる。一部の実施形態では、賦形剤は、プロピレングリコール、精製水およびグリセリンから選択される。
一部の実施形態では、製剤は、固体に凍結乾燥することができ、例えば、使用前に水で再構成することができる。
哺乳動物に(例えば、獣医学的使用のために動物に、または臨床使用のためにヒトに)投与される場合、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態は、単離された形態で投与することができる。
ヒトに投与される場合、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態は、無菌であり得る。[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態が静脈内投与される場合、水は、好適な担体である。生理食塩水溶液、ならびに水性デキストロースおよびグリセロール溶液を、特に注射可能溶液のために、液体担体として用いることもできる。好適な薬学的担体としては、賦形剤、例えば、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなども挙げられる。本組成物は、所望により、少量の湿潤剤もしくは乳化剤、またはpH緩衝剤を含有することもできる。
本明細書に記載される組成物は、懸濁剤、エマルション、錠剤、丸剤、ペレット剤、カプセル剤、液体を含有するカプセル剤、散剤、持続放出製剤、坐剤、エアロゾル、スプレーの形態、または使用のために好適な任意の他の形態をとることができる。好適な薬学的担体の例は、Remington's Pharmaceutical Sciences, A.R. Gennaro (Editor) Mack Publishing Co.に記載されている。
一部の実施形態では、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態は、ヒトへの投与のために適合した医薬組成物として、ルーチン手順に従って、製剤化される。典型的には、化合物は、無菌の等張水性緩衝液中の溶液である。必要な場合、組成物は、可溶化剤を含むこともできる。静脈内投与のための組成物は、注射の部位の痛みを和らげるために、局部麻酔薬、例えば、リドカインを必要に応じて含んでいてもよい。一般に、成分は、別々にまたは一緒に混合してのいずれかで、単位剤形において、例えば、活性薬剤の量を示すアンプルまたはサシェなどの密閉シールされている容器中の乾燥凍結乾燥粉末または無水濃縮物として、供給される。本明細書に記載の[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態が注入によって投与される場合、これは、例えば、無菌の医薬グレードの水または生理食塩水を含有する注入ボトルで、分注され得る。本明細書に記載の[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態が注射によって投与される場合、注射用の滅菌水または生理食塩水のアンプルを、成分が投与前に混合され得るように、提供することができる。
医薬組成物は、単位剤形であり得る。そのような形態では、組成物は、適切な量の活性構成成分を含有する単位用量に分割することができる。単位剤形は、包装された調製物、別個の量の調製物を含有する包装、例えば、パケット化錠剤、カプセル剤、およびバイアルまたはアンプル中の粉末であり得る。単位剤形は、カプセル剤、カシェ剤または錠剤それ自体でもあり得るか、またはこれは、適切な数のこれらの包装形態のいずれかであり得る。表4は、本出願に従って調製することができる典型的なカプセル製剤の例を提供する。
表4: カプセル製剤の製剤化(湿式造粒)
表4の成分を含むカプセル剤を作製するための例示的な製造方法は、以下のステップを含む。
1.品目1、2、3、4および5を好適なミキサーで混合するステップ、
2.ステップ1からの混合された粉末を、造粒用の液体で造粒するステップ、
3.ステップ2から受け取った混合物をふるいにかけ、乾燥させ、顆粒を篩過するステップ、
4.ステップ3からの、乾燥させ篩過した顆粒に、品目6および7を添加し、混合するステップ、ならびに
5.ステップ4からの混合物を、好適なカプセルに充填するステップ。
一部の実施形態では、組成物は、液体の形態であり、ここで、活性薬剤が、懸濁液中、エマルションとして存在する。一部の実施形態では、液体組成物は、ゲルの形態である。他の実施形態では、液体組成物は、水性である。他の実施形態では、組成物は、軟膏の形態である。
一部の実施形態では、組成物は、固体物品の形態である。例えば、一部の実施形態では、眼科用組成物は、固体物品であり、これは、眼における好適な場所、例えば、眼と眼瞼または結膜嚢との間に挿入され得、そこで、例えば、米国特許第3,863,633号;米国特許第3,867,519号;米国特許第3,868,445号;米国特許第3,960,150号;米国特許第3,963,025号;米国特許第4,186,184号;米国特許第4,303,637号;米国特許第5,443,505号;および米国特許第5,869,079号に記載されるように、活性薬剤を放出する。そのような物品からの放出は、通常、角膜の表面を浸す涙液を介して、または角膜それ自体に直接のいずれかで、角膜に対してであり、固体物品は、一般に、密接な接触にある。そのような方法における眼への埋め込みのために好適な固体物品は、一般に、主にポリマーで構成され、生体内分解性または非生体内分解性であり得る。1種または1種より多くの化合物を運ぶ眼インプラントの調製において使用することができる生体内分解性ポリマーとしては、限定されるものではないが、脂肪族ポリエステル、例えば、ポリ(グリコリド)、ポリ(ラクチド)、ポリ(イプシロン-カプロラクトン)、ポリ-(ヒドロキシブチレート)およびポリ(ヒドロキシバレレート)のポリマーおよびコポリマー、ポリアミノ酸、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、脂肪族ポリカーボネート、ならびにポリエーテルラクトンが挙げられる。好適な非生体内分解性ポリマーとしては、シリコーンエラストマーが挙げられる。
本明細書に記載される組成物は、保存剤を含有することができる。好適な保存剤としては、限定されるものではないが、水銀含有物質、例えば、フェニル水銀塩(例えば、酢酸フェニル水銀、ホウ酸フェニル水銀および硝酸フェニル水銀)およびチメロサール;安定化二酸化塩素;第4級アンモニウム化合物、例えば、塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウムおよび塩化セチルピリジニウム;イミダゾリジニルウレア;パラベン、例えば、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベンおよびブチルパラベン、ならびにそれらの塩;フェノキシエタノール;クロロフェノキシエタノール;フェノキシプロパノール;クロロブタノール;クロロクレゾール;フェニルエチルアルコール;EDTA二ナトリウム;ならびにソルビン酸およびその塩が挙げられる。
必要に応じて、1種または1種より多くの安定剤が、必要な場合に、化学安定性を増強するために組成物に含まれ得る。好適な安定剤としては、限定されるものではないが、キレート剤または錯化剤、例えば、カルシウム錯化剤のエチレンジアミン四酢酸(EDTA)などが挙げられる。例えば、適切な量のEDTA、またはその塩、例えば、二ナトリウム塩を、過剰のカルシウムイオンを錯体形成させるために組成物に含ませることができ、保管の間のゲル形成を防止することができる。EDTAまたはその塩は、好適には、約0.01%~約0.5%の量で含まれ得る。EDTA以外の保存剤を含有するこれらの実施形態では、EDTAまたはその塩、より具体的には、EDTA二ナトリウムは、約0.025重量%~約0.1重量%の量で存在することができる。
1種または1種より多くの抗酸化剤も組成物に含まれ得る。好適な抗酸化剤としては、限定されるものではないが、アスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ポリクオタニウム-1、塩化ベンザルコニウム、チメロサール、クロロブタノール、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェニルエチルアルコール、エデト酸二ナトリウム、ソルビン酸、または当業者に公知の他の薬剤が挙げられる。そのような保存剤は、典型的には、約0.001重量%~約1.0重量%のレベルで用いられる。
一部の実施形態では、本明細書に記載の[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態は、少なくとも一部分において、許容される可溶化剤によって可溶化される。ある特定の許容される非イオン性界面活性剤、例えば、ポリソルベート80は、眼科的に許容され得るグリコール、ポリグリコール、例えば、ポリエチレングリコール400(PEG-400)およびグリコールエーテルのように、可溶化剤として有用であり得る。
好適な可溶化剤は、シクロデキストリンである。好適なシクロデキストリンは、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、アルキルシクロデキストリン(例えば、メチル-β-シクロデキストリン、ジメチル-β-シクロデキストリン、ジエチル-β-シクロデキストリン)、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン(例えば、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン)、カルボキシ-アルキルシクロデキストリン(例えば、カルボキシメチル-β-シクロデキストリン)、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン(例えば、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン)などから選択することができる。シクロデキストリンの眼科適用は、Rajewski et al., Journal of Pharmaceutical Sciences, 1996, 85, 1155-1159に概説されている。
一部の実施形態では、組成物は、懸濁化剤を必要に応じて含有する。例えば、組成物が水性の懸濁液または溶液/懸濁液であるこれらの実施形態では、組成物は、懸濁化剤として1種または1種より多くのポリマーを含有することができる。有用なポリマーとしては、限定されるものではないが、水溶性ポリマー、例えば、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、および水不溶性ポリマー、例えば、架橋カルボキシ含有ポリマーが挙げられる。
1種または1種より多くの許容されるpH調整剤および/または緩衝剤が、組成物に含まれ得、これは、酸、例えば、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸および塩酸;塩基、例えば、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウムおよびトリス-ヒドロキシメチルアミノメタン;ならびに緩衝剤、例えば、クエン酸塩/デキストロース、重炭酸ナトリウムおよび塩化アンモニウムを含む。そのような酸、塩基および緩衝剤は、許容される範囲で組成物のpHを維持するために必要な量で含まれる。
必要に応じて、1種または1種より多くの許容される界面活性剤、例えば、限定されるものではないが、非イオン性界面活性剤、または共溶媒が、組成物の構成成分の溶解度を増強するため、もしくは物理的安定性を付与するため、または他の目的のために組成物に含まれ得る。好適な非イオン性界面活性剤としては、限定されるものではないが、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび植物油、例えば、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油;ならびにポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびアルキルフェニルエーテル、例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40;ポリソルベート20、60および80;ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン界面活性剤(例えば、Pluronic(登録商標)F-68、F84およびP-103);シクロデキストリン;または当業者に公知の他の薬剤が挙げられる。典型的には、そのような共溶媒または界面活性剤は、約0.01重量%~約2重量%のレベルで組成物中で用いられる。
一部の実施形態では、本明細書に記載される1種または1種より多くの[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態で満たされた1個または1個より多くの容器を含む医薬パックまたはキットが提供される。必要に応じて、そのような容器に関連付けられるのは、医薬品または生物学的製品の製造、使用または販売を規制する政府機関によって規定された形式の通知であり得、この通知は、本明細書に記載される状態、疾患または障害を処置するためのヒト投与のための製造、使用または販売の機関による承認を反映する。一部の実施形態では、キットは、本明細書に記載される1種より多くの[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態を含有する。一部の実施形態では、キットは、単一の注射可能剤形、例えば、針付き注射器などの注射デバイス内の単一用量で本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態を含む。
一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載される1種もしくは1種より多くの[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態、あるいはその医薬組成物を対象に投与することを含む。一部の実施形態では、対象は、そのような処置を必要とする対象である。本明細書に記載されるように、一部の実施形態では、対象は、哺乳動物、例えば、限定されるものではないが、ヒトである。
一部の実施形態では、限定されるものではないが、対象における本明細書に記載される状態を含むEPP、XLPPもしくはCEP、またはそれらの関連する症候群、例えば、本明細書に記載されるものを処置および/または予防する方法の処置のための医薬の製造における使用のための、本明細書に記載の1種もしくは1種より多くの[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態、あるいは本明細書に記載の1種もしくは1種より多くの[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態を含む医薬組成物も提供される。一部の実施形態では、対象は、それを必要とする対象である。
本実施形態は、GlyT1輸送体、例えば、細胞の表面に存在するものの阻害における、本明細書に記載の1種もしくは1種より多くの[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態、あるいは本明細書に記載の1種もしくは1種より多くの[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態を含む医薬組成物の使用も提供する。一部の実施形態では、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態、またはその医薬組成物は、GlyT1輸送体の内部移行、輸送および/または分解を阻害する。
本明細書で使用される場合、「阻害」は、特異的な活性のいずれかの阻害を指し得る。GlyT1輸送体の活性は、限定されるものではないが、本明細書に記載される方法を含む当技術分野において公知の任意の方法によって測定することができる。
本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態は、GlyT1輸送体の阻害剤である。GlyT1輸送体活性を阻害する[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態の能力は、当技術分野において公知の任意のアッセイを使用して測定され得る。
一般に、GlyT1輸送体活性を阻害する化合物を試験するためのアッセイは、GlyT1輸送体の影響下で間接的または直接的な任意のパラメーター、例えば、機能的、物理的または化学的効果の決定を含む。
可能性がある阻害剤で処理されるGlyT1輸送体を含む試料またはアッセイは、阻害の程度を調べるために、阻害剤なしの対照試料と比較される。対照試料(阻害剤で未処理)は、100%の相対的なGlyT1輸送体活性値に割り当てられる。対照に対するGlyT1輸送体活性値が約80%、50%または25%である場合に、GlyT1輸送体の阻害が達成される。
GlyT1輸送体へのリガンド結合は、いくつかのフォーマットで試験することができる。結合は、溶液中、二重層膜中、固相に結合して、脂質単分子層中、またはベシクル中で行うことができる。例えば、アッセイでは、天然リガンドのその輸送体への結合は、候補モジュレーター、例えば、本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態の存在下で測定される。あるいは、候補モジュレーターの結合は、天然リガンドの存在下で測定されてもよい。多くの場合、天然リガンドの輸送体への結合と競合する化合物の能力を測定する競合アッセイが使用される。結合は、例えば、分光学的特性(例えば、蛍光、吸収、屈折率)の変化、水力学的(例えば、形状)変化、またはクロマトグラフもしくは溶解度の性質の変化を測定することによって試験することができる。
輸送体が細胞において発現された後、細胞は、適切な細胞プレートにおいて、適切な培地中で成長し得る。細胞は、例えば、384ウェルプレートにおいてウェルあたり5000~10000個細胞で蒔くことができる。一部の実施形態では、細胞は、ウェルあたり約1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000または10000個細胞で蒔かれる。プレートは、任意の数のウェルを有することができ、細胞の数は、それに応じて改変することができる。
本明細書に記載される適用における有用性を有する任意の医薬は、本明細書に記載の組成物との併用療法、共投与または共製剤において使用することができる。したがって、本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態は、そのような治療薬が対象に投与される前、それと共に、またはその後のいずれかに投与され得る。
追加の医薬は、本明細書に記載される1種または1種より多くの[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態もしくは非晶質形態との併用療法(共製剤を含む)において投与され得る。
一部の実施形態では、処置に対する疾患または障害の応答はモニターされ、処置レジメンは、そのようなモニタリングを考慮して必要により調整される。
投与の頻度は、典型的には、投薬間隔、例えば、覚醒時間の間の1用量と次の間の期間は、約1~約24時間、約2~約12時間、約3~約8時間、または約4~約6時間である。一部の実施形態では、用量は、1日に1、2、3または4回投与される。適切な投薬間隔は、選択された組成物が対象および/または標的組織中で化合物、例えば、本明細書に記載される[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの結晶形態または非晶質形態の濃度を維持することができる(例えば、EC50(輸送体の活性を90%阻害する化合物の最低濃度)を上回る)時間の長さの一部の度合いに依存することが当業者に理解されるであろう。理想的には、濃度は、投薬間隔の少なくとも100%の間、EC50を上回ったままである。これが達成可能ではない場合、濃度は、投与間隔の少なくとも約60%の間、EC50を上回ったままでなければならないか、または投与間隔の少なくとも約40%の間、EC50を上回ったままでなければならないことが望ましい。
使用の方法
本出願は、対象におけるPPIXの蓄積に関連する障害を予防または処置する方法であって、本明細書に記載される1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を対象に投与することを含む、方法を提供する。
一部分では、本開示は、対象における赤血球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)、X連鎖プロトポルフィリン症(XLPP)または先天性赤血球増殖性ポルフィリン症(CEP)を処置する方法であって、本明細書に記載される1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。ある特定の実施形態では、本開示は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPの1つまたは1つより多くの合併症を予防、処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する方法であって、本明細書に記載される1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を提供する。これらの方法は、特に、動物、より具体的には、ヒトの治療的処置および予防的処置を目的とする。「対象」、「個体」または「患者」という用語は、本明細書全体を通して互換可能であり、ヒトまたは非ヒト動物のいずれかを指す。これらの用語は、哺乳動物、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、実験動物、家畜動物(ウシ、ブタ、ラクダなどを含む)、コンパニオン動物(例えば、イヌ、ネコ、他の飼育動物など)およびげっ歯動物(例えば、マウスおよびラット)を含む。特定の実施形態では、患者、対象または個体は、ヒトである。
本出願は、対象における赤血球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)、X連鎖プロトポルフィリン症(XLPP)もしくは先天性赤血球増殖性ポルフィリン症(CEP)、またはそれらの関連する症候群(例えば、EPP関連症候群、XLPP関連症候群またはCEP関連症候群)を予防または処置する方法であって、本明細書に記載される1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を対象に投与することを含む、方法を提供する。本出願は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPを予防または処置する方法であって、本明細書に記載される1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を対象に投与することを含む、方法をさらに提供する。
本出願は、対象におけるEPP、XLPPもしくはCEP、またはそれらの関連する症候群(例えば、EPP関連症候群、XLPP関連症候群またはCEP関連症候群)を予防または処置する方法であって、本明細書に記載される1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法をさらに提供する。本出願は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPを予防または処置する方法であって、本明細書に記載される1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法をさらに提供する。
赤血球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)およびX連鎖プロトポルフィリン症(XLPP)は、急性の非水疱性光線過敏症、日光に対する不耐性およびクオリティオブライフの著しい低減によって特徴付けられる赤血球増殖性皮膚ポルフィリン症である。EPPは、ヘム生合成経路における最終ステップを触媒するフェロケラターゼ(FECH)における部分的な欠乏によって引き起こされる。FECHの欠乏は、金属不含赤血球PPIX(本明細書では、「遊離プロトポルフィリンIX」および「PPIX」とも称される)のレベルを増加させる。XLPPは、典型的には、機能獲得変異をもたらすALAS2遺伝子におけるC末端欠失によって引き起こされる。これらの機能獲得変異は、ALAS2の酵素活性を増加させ、金属不含および亜鉛結合PPIXの両方の蓄積を引き起こす。EPPおよびXLPPは両方とも、赤血球および他の組織または生体液(例えば、皮膚、肝臓、胆汁または糞便)におけるPPIXの蓄積をもたらす。脂溶性であり、胆汁を介して排出されるPPIXは、高濃度で肝毒性である。
EPPまたはXLPPを有する患者は、通常、小児期早期の間に光線過敏症を発生する。患者は、高頻度で、日光に曝露された領域における熱傷、そう痒、痛み、紅斑および浮腫の症状を示す。皮膚症状は、異常な肝臓酵素活性、肝胆道損傷、例えば、黄疸および肝硬変、鉄欠乏症、ならびに対応する小球性貧血に関連する場合がある。
EPPおよびXLPPの診断は、溶血させた抗凝固処理全血中の総赤血球、遊離プロトポルフィリンIXおよび亜鉛プロトポルフィリンIXのレベルを測定することによって決定することができる。EPPおよび/またはXLPPの診断は、血液中の遊離プロトポルフィリンIXの増加したレベルに基づいて行うことができる。XLPPを有する患者は、EPPを有する患者(例えば、≦15%)と比較して、亜鉛プロトポルフィリンIXの遊離プロトポルフィリンIXに対する著しく高い割合(例えば、>25%)を有する。
EPPの診断は、対象におけるフェロケラターゼ活性のレベルを測定することによって決定することもできる。フェロケラターゼは、ヘムを形成するための第一鉄のPPIXへの挿入を触媒するミトコンドリア酵素である。フェロケラターゼはまた、亜鉛の挿入を触媒して、任意のPPIXから亜鉛プロトポルフィリンIX(ZPPIX)を形成し、これは、ヘム合成の終了後もそのままである。EPPでは、ヘムおよびZPPIXの両方の形成が損なわれるので、遊離PPIXは、骨髄網状赤血球に蓄積する。一部の実施形態では、本開示は、フェロケラターゼ活性レベルが、正常な対象において観察されるフェロケラターゼ活性レベルの10~35%に低減された対象を処置する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、フェロケラターゼ活性レベルが、正常な対象において観察されるフェロケラターゼ活性レベルの50%未満に低減された対象を処置する方法に関する。
XLPPは、EPPと類似の表現型を有し、ALAS2の遺伝分析に基づいて、またはALAS2の酵素活性レベルを決定することによって、識別することができる。一部の実施形態では、本開示は、ALAS2における機能獲得変異を有する対象を処置する方法に関する。一部の実施形態では、対象のALAS2酵素活性は増加する。フェロケラターゼはXLPPにおいて欠乏していないので、赤血球において測定された過剰のPPIXの一部はZPPIXであり、より低いパーセンテージ(例えば、50~85%)が金属不含である。一部の実施形態では、対象は、赤血球における増加した亜鉛プロトポルフィリンIXレベルを有する。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球における亜鉛プロトポルフィリンIXレベルを減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球における亜鉛プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる。
ある特定の態様では、本開示は、対象における赤血球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)および/またはX連鎖プロトポルフィリン症(XLPP)を処置する方法であって、1種または1種より多くの本明細書に記載の結晶形態もしくは非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含み、対象が、増加したPPIXレベルを有する、方法に関する。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載の1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるPPIXレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高いPPIXレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載の1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるPPIXレベルよりも少なくとも10%高いPPIXレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載の1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるPPIXレベルよりも少なくとも20%高いPPIXレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載の1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるPPIXレベルよりも少なくとも30%高いPPIXレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載の1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるPPIXレベルよりも少なくとも40%高いPPIXレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載の1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるPPIXレベルよりも少なくとも50%高いPPIXレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、対象は、糞便における増加したプロトポルフィリンIXレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、皮膚における増加したプロトポルフィリンIXレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、赤血球における増加した遊離プロトポルフィリンIXレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、31μmolL-1よりも高い赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、31μmolL-1~53μmolL-1の赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、53μmolL-1よりも高い赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する。
本出願は、in vivoでPPIX合成を阻害する方法であって、本明細書に記載される1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を対象に投与することを含む、方法をさらに提供する。ある特定の態様では、本開示は、in vivoでPPIX合成を阻害する方法であって、本明細書に記載される1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでPPIX合成を少なくとも10%(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または少なくとも100%)阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでPPIX合成を少なくとも20%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでPPIX合成を少なくとも30%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでPPIX合成を少なくとも40%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでPPIX合成を少なくとも50%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでPPIX合成を少なくとも60%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでPPIX合成を少なくとも70%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでPPIX合成を少なくとも80%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでPPIX合成を少なくとも90%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでPPIX合成を少なくとも100%阻害する方法に関する。本出願は、in vivoでPPIX合成の速度を減少させる方法であって、本明細書に記載される1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を対象に投与することを含む、方法をさらに提供する。本明細書に開示される方法および使用のある特定の実施形態では、直接的または間接的にPPIX蓄積を阻害する。ある特定のそのような実施形態では、PPIX蓄積は、用量依存的様式で阻害される。前述の方法のある特定の実施形態では、グリシン輸送体阻害剤は、本明細書に記載されるビトペルチンの結晶形態または非晶質形態である。例えば、本出願は、in vivoでPPIX合成を阻害し、in vitroでPPIX合成の速度を減少させ、および/またはin vivoでPPIX蓄積を阻害する方法であって、本明細書に記載される1つまたは1つより多くの結晶形態または非晶質形態を対象に投与することを含む、方法を提供する。
一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球における遊離プロトポルフィリンIXレベルを減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを53μmolL-1未満のレベルに減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを31μmolL-1未満のレベルに減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを15μmolL-1未満のレベルに減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の糞便におけるプロトポルフィリンIXレベルを減少させることに関する。一部の実施形態では、方法は、対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも15%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも20%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも25%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも30%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも35%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも40%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも45%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも50%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも55%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも60%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも65%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも70%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも75%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも80%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも85%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも90%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも95%減少させる方法に関する。一部の実施形態では、方法は、対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも100%減少させる方法に関する。
ある特定の態様では、本開示は、対象におけるX連鎖プロトポルフィリン症(XLPP)を処置する方法であって、本明細書に記載の1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含み、対象が、増加した亜鉛プロトポルフィリンIX(ZPPIX)レベルを有する、方法に関する。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載の1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるZPPIXレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高いZPPIXレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるZPPIXレベルよりも少なくとも10%高いZPPIXレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるZPPIXレベルよりも少なくとも20%高いZPPIXレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるZPPIXレベルよりも少なくとも30%高いZPPIXレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるZPPIXレベルよりも少なくとも40%高いZPPIXレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、対象は、赤血球における増加したZPPIXレベルを有する。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるZPPIXレベルよりも少なくとも50%高いZPPIXレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、対象は、赤血球における増加したZPPIXレベルを有する。
ある特定の態様では、本開示は、対象におけるX連鎖プロトポルフィリン症(XLPP)を処置する方法であって、本明細書に記載される1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含み、対象が、EPPを有する対象と比較して、亜鉛プロトポルフィリンIX(ZPPIX)の遊離プロトポルフィリンIXに対する増加した割合(ZPPIX/PPIX比)を有する、方法に関する。一部の実施形態では、方法は、少なくとも15%(例えば、15%、20%、25%、30%、35%、40%または45%)のZPPIX/PPIX比を有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、少なくとも20%のZPPIX/PPIX比を有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、少なくとも25%のZPPIX/PPIX比を有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、少なくとも30%のZPPIX/PPIX比を有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、少なくとも35%のZPPIX/PPIX比を有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、少なくとも40%のZPPIX/PPIX比を有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、少なくとも45%のZPPIX/PPIX比を有する対象に関する。
ある特定の態様では、本開示は、in vivoで亜鉛プロトポルフィリンIX(ZPPIX)合成を阻害する方法であって、1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでZPPIX合成を少なくとも10%(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または少なくとも100%)阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでZPPIX合成を少なくとも20%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでZPPIX合成を少なくとも30%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでZPPIX合成を少なくとも40%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでZPPIX合成を少なくとも50%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでZPPIX合成を少なくとも60%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでZPPIX合成を少なくとも70%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでZPPIX合成を少なくとも80%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでZPPIX合成を少なくとも90%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでZPPIX合成を少なくとも100%阻害する方法に関する。
ある特定の態様では、本開示は、対象における赤血球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)、X連鎖プロトポルフィリン症(XLPP)または先天性赤血球増殖性ポルフィリン症(CEP)を処置する方法であって、1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含み、対象が、増加した5-アミノレブリン酸(5-ALA)レベルを有する、方法に関する。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象における5-ALAレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高い5-ALAレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象における5-ALAレベルよりも少なくとも10%高い5-ALAレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象における5-ALAレベルよりも少なくとも20%高い5-ALAレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象における5-ALAレベルよりも少なくとも30%高い5-ALAレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象における5-ALAレベルよりも少なくとも40%高い5-ALAレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象における5-ALAレベルよりも少なくとも50%高い5-ALAレベルを有する対象に関する。
ある特定の態様では、本開示は、in vivoで5-アミノレブリン酸(5-ALA)合成を阻害する方法であって、1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoで5-ALA合成を少なくとも10%(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または少なくとも100%)阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoで5-ALA合成を少なくとも20%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoで5-ALA合成を少なくとも30%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoで5-ALA合成を少なくとも40%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoで5-ALA合成を少なくとも50%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoで5-ALA合成を少なくとも60%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoで5-ALA合成を少なくとも70%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoで5-ALA合成を少なくとも80%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoで5-ALA合成を少なくとも90%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoで5-ALA合成を少なくとも100%阻害する方法に関する。
本出願は、対象におけるEPP、XLPP、CEP、またはそれらの関連する症候群(例えば、EPP関連症候群、XLPP関連症候群またはCEP関連症候群)の処置のための製剤の製造における、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態使用をさらに提供する。一部の実施形態では、本出願は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPの処置のための製剤の製造における、1種もしくは1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の使用を提供する。前述のある特定の実施形態では、製剤は、治療有効量で投与される。
本出願は、対象におけるEPP、XLPPもしくはCEP、またはそれらの関連する症候群(例えば、EPP関連症候群、XLPP関連症候群またはCEP関連症候群)の処置のための医薬組成物の製造における、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の使用を提供する。一部の実施形態では、本出願は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPの処置のための医薬組成物の製造における、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の使用を提供する。前述のある特定の実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容される担体をさらに含む。
先天性赤血球増殖性ポルフィリン症(CEP)は、水疱性光線過敏症によって特徴付けられる赤血球増殖性皮膚ポルフィリン症である。CEPの重症例は、子宮内で胎児水腫を示し得るか、または出生直後に、重症の水疱性光線過敏症、赤色尿、脾腫、溶血および輸血依存を示し得る。軽症例および後の発症は、典型的には、赤色尿、重症の水疱形成および溶血性貧血を示す。
CEPの個体は、多くの場合、ホモ接合性、またはUROS変異についてヘテロ接合性の化合物である。CEPの一部の症例は、転写制御因子GATA1をコードする遺伝子における変異に起因する。これらの変異は、ヘム生合成経路における4番目の酵素であるウロポルフィリノーゲンIIIシンターゼ(UROIII-S)の酵素活性の低減をもたらす。UROIII-Sの活性の減少は、さらにコプロポルフィリノーゲンIに代謝されるウロポルフィリノーゲンIを自発的に形成するヒドロキシメチルビランの蓄積をもたらす。ウロポルフィリノーゲンIおよびコプロポルフィリノーゲンIは組織に蓄積する。
CEPの診断は、ウロポルフィリノーゲンIIIシンターゼ(UROIII-S)の酵素活性を分析すること、UROS遺伝子における変異を評価すること、GATA-1赤血球特異的転写因子の機能を評価すること、GATA1における変異を評価すること、ならびに対象におけるウロポルフィリンIおよびコプロポルフィリンIのレベルを決定することによって決定することができる。一部の実施形態では、対象は、UROSにおける変異を有する。一部の実施形態では、対象は、GATA-1赤血球特異的転写因子における遺伝子欠損を有する。一部の実施形態では、方法は、対象を処置する方法であって、対象が、ウロポルフィリノーゲンIIIシンターゼの減少した活性を有する、方法に関する。一部の実施形態では、ウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIの増加したレベルは、対象の尿または赤血球において測定される。一部の実施形態では、コプロポルフィリンIの増加したレベルは、対象の糞便において測定される。
ある特定の態様では、本開示は、対象における先天性赤血球増殖性ポルフィリン症(CEP)を処置する方法であって、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含み、対象が、増加したウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIレベルを有する、方法に関する。一部の実施形態では、対象は、増加したウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIレベルを有する。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるウロポルフィリンIレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高いウロポルフィリンIレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、対象は、増加したウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIレベルを有する。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるウロポルフィリンIレベルよりも少なくとも10%高いウロポルフィリンIレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、対象は、増加したウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIレベルを有する。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるウロポルフィリンIレベルよりも少なくとも20%高いウロポルフィリンIレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、対象は、増加したウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIレベルを有する。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるウロポルフィリンIレベルよりも少なくとも30%高いウロポルフィリンIレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、対象は、増加したウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIレベルを有する。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるウロポルフィリンIレベルよりも少なくとも40%高いウロポルフィリンIレベルを有する対象に関する。一部の実施形態では、対象は、増加したウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIレベルを有する。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるウロポルフィリンIレベルよりも少なくとも50%高いウロポルフィリンIレベルを有する対象に関する。
一部の実施形態では、本開示は、本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるコプロポルフィリンIレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高いコプロポルフィリンIレベルを有する対象を処置する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるコプロポルフィリンIレベルよりも少なくとも10%高いコプロポルフィリンIレベルを有する対象を処置する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるコプロポルフィリンIレベルよりも少なくとも20%高いコプロポルフィリンIレベルを有する対象を処置する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるコプロポルフィリンIレベルよりも少なくとも30%高いコプロポルフィリンIレベルを有する対象を処置する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるコプロポルフィリンIレベルよりも少なくとも40%高いコプロポルフィリンIレベルを有する対象を処置する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与の前の健康な対象におけるコプロポルフィリンIレベルよりも少なくとも50%高いコプロポルフィリンIレベルを有する対象を処置する方法に関する。
ある特定の態様では、本開示は、in vivoでウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンI合成を阻害する方法であって、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでウロポルフィリンI合成を少なくとも10%(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または少なくとも100%)阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでウロポルフィリンI合成を少なくとも20%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでウロポルフィリンI合成を少なくとも30%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでウロポルフィリンI合成を少なくとも40%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでウロポルフィリンI合成を少なくとも50%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでウロポルフィリンI合成を少なくとも60%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでウロポルフィリンI合成を少なくとも70%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでウロポルフィリンI合成を少なくとも80%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでウロポルフィリンI合成を少なくとも90%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでウロポルフィリンI合成を少なくとも100%阻害する方法に関する。
一部の実施形態では、本開示は、in vivoでコプロポルフィリンI合成を少なくとも10%(例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または少なくとも100%)阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでコプロポルフィリンI合成を少なくとも20%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでコプロポルフィリンI合成を少なくとも30%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでコプロポルフィリンI合成を少なくとも40%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでコプロポルフィリンI合成を少なくとも50%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでコプロポルフィリンI合成を少なくとも60%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでコプロポルフィリンI合成を少なくとも70%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでコプロポルフィリンI合成を少なくとも80%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでコプロポルフィリンI合成を少なくとも90%阻害する方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、in vivoでコプロポルフィリンI合成を少なくとも100%阻害する方法に関する。
ポルフィリン(例えば、PPIX、ZPPIX、ウロポルフィリンIおよびコプロポルフィリンI)は、皮膚、尿、糞便、血漿および赤血球を含むさまざまな生体試料において見出され得る。一部の実施形態では、ポルフィリンは、蛍光分析のために、生体試料から溶液に抽出されてもよい。ポルフィリンは、長波長の紫外光(例えば、400~420nmの光)を使用する直接検査によって、これらの生体試料において検出することができる。ポルフィリンは、400~420nm付近に最大吸収波長を有し、それらの最高吸収ピークは415nmに生じる。ポルフィリンの最大放射は、典型的には600nm周辺であり、ポルフィリンおよび分析のために使用される溶媒の種類に基づいてわずかに異なる。一部の実施形態では、EPP、XLPPおよびCEPの診断は、蛍光分析を使用して行われてもよい。一部の実施形態では、皮膚ポルフィリンレベル(例えば、PPIXレベル)は、制御された照明を使用して、PPIXの完全な光退色の前および後の差を算出することによって測定することができる。例えば、Heerfordt IM. Br J Dermatol. 2016;175(6):1284-1289を参照されたい。
一部の実施形態では、対象の血漿ポルフィリンは、青色光(例えば、400~420nmの光)で照射された場合に、634nmのピークで蛍光を発する。一部の実施形態では、対象の血漿ポルフィリンは、青色光(例えば、400~420nmの光)で照射された場合に、626nm~634nmのピークで蛍光を発する。一部の実施形態では、対象の皮膚ポルフィリンは、青色光(例えば、400~420nmの光)で照射された場合に、632nmのピークで蛍光を発する。一部の実施形態では、対象の皮膚ポルフィリンは、青色光(例えば、400~420nmの光)で照射された場合に、626nm~634nmのピークで蛍光を発する。一部の実施形態では、対象は、0.2FluoDerm単位(FDU)よりも高い皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、1.0FDUよりも高い皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、1.0FDU~2.5FDUの皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する。一部の実施形態では、対象は、2.5FDUよりも高い皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する。一部の実施形態では、方法は、対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを0.5FDU未満に減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを1.0FDU未満に減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを1.5FDU未満に減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを2.0FDU未満に減少させる。一部の実施形態では、方法は、対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを2.5FDU未満に減少させる。一部の実施形態では、対象は、赤色蛍光尿を有する。一部の実施形態では、対象は、血漿ポルフィリン蛍光分析を使用して、615nm~620nmにピークを有する。
ある特定の態様では、本開示は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPの1つまたは1つより多くの合併症を予防、処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する方法であって、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、EPP、XLPPまたはCEPの1つまたは1つより多くの合併症は、急性光線過敏症、皮膚光線過敏症、浮腫、紅斑、貧血、低色素性貧血、溶血性貧血、溶血、軽度溶血、重度溶血、慢性溶血、脾機能亢進症、手掌角皮症、水疱、病変、瘢痕化、変形、爪の喪失、指の喪失、胆石症、胆汁うっ滞、細胞溶解、胆石、胆汁うっ滞性肝不全、赤色歯、過形成骨髄、骨髄異形成、血小板減少症、胎児水腫および/または子宮内死亡からなる群から選択される。一部の実施形態では、本開示は、EPP、XLPPまたはCEPの1つまたは1つより多くの合併症(例えば、急性光線過敏症、皮膚光線過敏症、浮腫、紅斑、貧血、低色素性貧血、溶血性貧血、溶血、軽度溶血、重度溶血、慢性溶血、脾機能亢進症、手掌角皮症、水疱、病変、瘢痕化、変形、爪の喪失、指の喪失、胆石症、胆汁うっ滞、細胞溶解、胆石、胆汁うっ滞性肝不全、赤色歯、過形成骨髄、骨髄異形成、血小板減少症、胎児水腫および/または子宮内死亡)を処置する方法であって、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を企図する。一部の実施形態では、1つまたは1つより多くの合併症は、間接的に改善される。一部の実施形態では、本開示は、EPP、XLPPまたはCEPの1つまたは1つより多くの合併症を予防する方法であって、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を企図する。一部の実施形態では、本開示は、EPP、XLPPまたはCEPの1つまたは1つより多くの合併症の進行速度を低減する方法であって、1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を企図する。一部の実施形態では、本開示は、EPP、XLPPまたはCEPの1つまたは1つより多くの合併症の重症度を低減する方法であって、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法を企図する。
必要に応じて、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPの1つまたは1つより多くの合併症を予防もしくは処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減するための本明細書に開示される方法は、EPP、XLPPまたはCEPを処置するための1種または1種より多くの支持療法または追加の活性薬剤を患者に投与することをさらに含んでいてもよい。例えば、患者はまた、日光の回避、局所の日焼け止め剤、皮膚の保護、UVB光線療法、アファメラノチド(Scenesse(登録商標))、ボルテゾミブ、プロテアソーム阻害剤、化学シャペロン、コレスチラミン、活性炭、鉄補充、肝移植、骨髄移植、脾摘出術および輸血からなる群から選択される1種または1種より多くの支持療法または活性薬剤を投与されてもよい。一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、アファメラノチド(Scenesse(登録商標))を患者に投与することをさらに含んでいてもよい。
EPP、XLPPおよびCEPにおけるポルフィリン光線過敏症は、2つの別個の臨床的な症候群:(1)紅斑および浮腫を伴う日光への曝露に対する急性光線過敏症、ならびに(2)表皮下の水疱が皮膚の日光に曝露された領域に生じる症候群を生じる。ある特定の態様では、本開示は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPを予防、処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する方法であって、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法が対象における無痛の光曝露を増加させる、方法に関する。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与前の無痛の光曝露と比較して、対象における無痛の光曝露を少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高く増加させる。一部の実施形態では、方法は、対象における光感受性を減少させる。一部の実施形態では、方法は、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態の投与前の光感受性と比較して、対象における光感受性を少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高く減少させる。一部の実施形態では、対象は、EPPからの光毒性反応歴を有する。一部の実施形態では、対象は、成人、小児、幼児、または妊娠した女性である。
グリシンは、ヘムおよびグロビン合成のための重要な最初の物質の1つである。そのため、GlyT1阻害に起因するグリシンのレベルの減少は、ヘム合成の減少をもたらし得る。ある特定の態様では、本開示は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPを処置する方法であって、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含み、対象のヘムレベルが、10%より高く(例えば、10%、15%、20%、25%および30%)減少しない、方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPを処置する方法であって、対象のヘムレベルが、15%より高く減少しない、方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPを処置する方法であって、対象のヘムレベルが、20%より高く減少しない、方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPを処置する方法であって、対象のヘムレベルが、25%より高く減少しない、方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPを処置する方法であって、対象のヘムレベルが、30%より高く減少しない、方法に関する。
ある特定の態様では、本開示は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPを処置する方法であって、1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含み、対象のPPIXレベルが減少し、一方で患者のヘムレベルが実質的に維持される、方法に関する。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少し、患者のヘムレベルは、10%より高く(例えば、10%、15%、20%、25%および30%)減少しない。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも85%減少し、患者のヘムレベルは、15%より高く減少しない。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも80%減少し、患者のヘムレベルは、15%より高く減少しない。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも75%減少し、患者のヘムレベルは、15%より高く減少しない。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも70%減少し、患者のヘムレベルは、15%より高く減少しない。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも65%減少し、患者のヘムレベルは、15%より高く減少しない。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも60%減少し、患者のヘムレベルは、15%より高く減少しない。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも55%減少し、患者のヘムレベルは、15%より高く減少しない。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも50%減少し、患者のヘムレベルは、15%より高く減少しない。
ある特定の態様では、本開示は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPを処置する方法であって、1種または1種より多くのビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含み、医薬組成物の投薬が、ヘムレベルの実質的な低減を引き起こさない、方法に関する。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少する。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも55%減少する。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも60%減少する。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも65%減少する。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも70%減少する。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも75%減少する。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも80%減少する。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも85%減少する。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも90%減少する。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも95%減少する。一部の実施形態では、患者のPPIXレベルは、少なくとも100%減少する。一部の実施形態では、患者のヘムレベルは、10%より高く(例えば、10%、15%、20%、25%および30%)減少しない。一部の実施形態では、患者のヘムレベルは、15%より高く減少しない。一部の実施形態では、患者のヘムレベルは、20%より高く減少しない。一部の実施形態では、患者のヘムレベルは、25%より高く減少しない。一部の実施形態では、患者のヘムレベルは、30%より高く減少しない。
一部の実施形態では、1種または1種より多くの続くヘム中間体の蓄積は阻害され、1種または1種より多くのヘム中間体は、PPIX、ZPPIX、ウロポルフィリンI、コプロポルフィリンIおよび/または5-ALAからなる群から選択される。一部の実施形態では、本開示は、PPIXの蓄積を阻害する方法であって、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、ZPPIXの蓄積を阻害する方法であって、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、ウロポルフィリンIの蓄積を阻害する方法であって、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、本開示は、コプロポルフィリンIの蓄積を阻害する方法であって、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。。一部の実施形態では、本開示は、5-ALAの蓄積を阻害する方法であって、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、1種または1種より多くのヘム中間体(例えば、PPIX、ZPPIX、ウロポルフィリンI、コプロポルフィリンIおよび/または5-ALA)の蓄積は、用量依存的様式で阻害される。例えば、図7を参照されたい。
EPP、XLPPおよびCEPにおけるプロトポルフィリン蓄積は、肝臓負荷が毛細胆管排出能を超える場合に、肝損傷を引き起こし得る。肝細胞および毛細胆管におけるPPIXの蓄積は、細胞損傷、胆汁うっ滞、細胞溶解、およびプロトポルフィリンのさらなる保持をもたらし得る。過剰のプロトポルフィリンは、軽度炎症から線維症および肝硬変(例えば、胆石症、軽度肝疾患、肝疾患の悪化および末期肝疾患)の範囲であり得る肝胆道系の変化をもたらす胆汁うっ滞効果を示し得る。EPPまたはXLPPを有する患者の3~5%は、プロトポルフィリン性肝障害、迅速に進行し、肝移植が必要であり得る重度肝疾患を発生する。患者のおよそ2%が、重度肝疾患を発生する。
ある特定の態様では、本開示は、対象におけるEPP、XLPPまたはCEPに関連する肝疾患を予防、処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する方法であって、1種または1種より多くの本明細書に記載のビトペルチンの結晶形態または非晶質形態を含む医薬組成物を対象に投与することを含む、方法に関する。一部の実施形態では、EPP、XLPPまたはCEPに関連する肝疾患は、胆石症である。一部の実施形態では、EPP、XLPPまたはCEPに関連する肝疾患は、軽度肝疾患である。一部の実施形態では、EPP、XLPPまたはCEPに関連する肝疾患は、肝疾患の悪化である。一部の実施形態では、EPP、XLPPまたはCEPに関連する肝疾患は、末期肝疾患である。
EPP、XLPPおよびCEPを有する患者における肝機能は、さまざまな公知の臨床アッセイを使用して評価することができる。一部の実施形態では、肝機能試験を使用して、さまざまな生化学的パラメーターのレベル(例えば、アスパラギン酸トランスアミナーゼレベル、アルカリホスファターゼまたはγ-グルタミルトランスフェラーゼレベルの上昇)を決定することができる。一部の実施形態では、肝生検の組織病理学を使用して、対象における1つまたは1つより多くのパラメーター(例えば、プロトポルフィリン沈着、線維症、浸潤、門脈線維症および門脈周囲の線維症)を評価してもよい。一部の実施形態では、生検標本の超構造研究を使用して、空胞を含有する結晶が対象に存在するかを決定することができる。肝機能の悪化により、尿中コプロポルフィリン排出が増加する。一部の実施形態では、尿中のコプロポルフィリン排出を分析して、対象における肝機能を評価してもよい。一部の実施形態では、超音波または磁気共鳴弾性率計測法を使用して、対象における肝硬度を測定してもよい。
本明細書に開示される方法および使用のある特定の実施形態では、本明細書に記載されるビトペルチンの結晶形態または非晶質形態は、500nM未満、400nM未満、300nM未満、200nM未満、または100nM未満のEC50でPPIX阻害を実証する。本出願のある特定の実施形態では、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態は、100nM未満のEC50でPPIX阻害を実証する。本出願のある特定の実施形態では、ビトペルチンの結晶形態または非晶質形態は、50nM未満のEC50でPPIX阻害を実証する。ある特定のそのような実施形態では、EC50は、フローサイトメトリーアッセイで測定される。前述のある特定の実施形態では、GlyT1阻害剤は、ビトペルチンまたはその固体形態(例えば、本明細書で記載される結晶形態または非晶質形態)である。
本明細書に開示される方法および使用のある特定の実施形態では、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%の細胞生存率が維持される。ある特定のそのような実施形態では、少なくとも90%の細胞生存率が維持される。
本開示は、以下の非限定的な実施形態も提供する。
本明細書に開示される実施形態がより効率的に理解され得るように、実施例を下記に提供する。これらの実施例が、例示目的のためだけであり、任意の様式で実施形態を限定するとして解釈されないことが理解されるべきである。これらの実施例全体を通して、分子クローニング反応および記載される他の標準的な組換えDNA技法が存在し得、これらは、他に述べた場合を除いて、市販の試薬を使用して、Maniatis et al., Molecular Cloning - A Laboratory Manual, 2nd ed., Cold Spring Harbor Press (1989)に記載される方法に従って行った。
以下の実施例は、本明細書に記載される方法および組成物の限定ではなく例示である。本明細書に開示される療法、合成および他の実施形態において通常遭遇する各種の条件およびパラメーターの他の好適な改変および適応は、実施形態の精神および範囲内である。
(実施例1)
化合物の合成
本明細書に開示される化合物は、周知の手順に従って、当技術分野において公知および開示のプロセスによって作製することができる。例えば、ビトペルチンは、米国特許第7,319,099号、同第9,877,963号および同第7,812,161号に提供される合成プロトコールに従って調製することができ、それらの内容は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
(実施例2)
赤血球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)、X連鎖プロトポルフィリン症(XLPP)および先天性赤血球増殖性ポルフィリン症(CEP)を有する対象を処置するためのGlyT1阻害剤(予言的実施例)
大量のヘムの合成は、大量のヘモグロビンの産生を支持するために、赤血球細胞の発生における基本的要件である。この細胞系列では、この要求を満たすために必要なヘムの量は、任意の他の細胞型より過度に多い。ヘム合成は、酵素ALASによるグリシンとスクシニルCoAの縮合で開始される。これは、ヘム中間体を蓄積させずに、毒性を引き起こさないことを確実にする、ヘム生合成における律速段階である。赤血球細胞は、ヘムについてのこの高い要求を満たすために、ALASの赤血球特異的形態(ALAS2)およびグリシン輸送体GlyT1を獲得して、グリシンの利用能を増加させる。
GlyT1の活性が遺伝子欠失によって排除されること(Garcia-Santos et al, 2017)または特異的GlyT1阻害剤の投与によって減少すること(Pinard et al, 2018)についての動物およびヒト研究は、赤血球細胞におけるヘム合成が低減され、損なわ
れたヘモグロビン産生の結果として中等度の小球性低色素性貧血をもたらすことを示している。これらの知見は、赤色細胞におけるグリシン取り込みのモジュレーションが、ヘム生合成経路を調節することが可能であることを示す。
赤血球増殖性プロトポルフィリン症または先天性赤血球増殖性ポルフィリン症のいずれかを有する患者において、ヘム生合成経路の酵素をコードする個々の遺伝子における特定の変異は、酵素活性の変化および影響を受けた酵素の上流のヘム中間体の蓄積をもたらす。変異した酵素が、経路における次のステップへの上流の代謝産物の完全な変換を不十分にする活性により経路における律速段階になるので、これらの代謝産物の蓄積が起こる。3つの疾患が、具体的な目的である。
1.この酵素の活性の低減および上流の代謝産物プロトポルフィリンIX(PPIX)の蓄積をもたらすフェロケラターゼ(ferrochetalase)遺伝子における変異によって引き起こされるEPP。まれに、EPPは、骨髄異形成の特徴としてフェロケラターゼ変異を含有する新規クローンを発生している高齢のヒトにおいて獲得型が観察されることがある。
2.ALAS2遺伝子における活性化変異によって引き起こされ、高レベルのPPIXをもたらす、XLPP。この症例では、正常なレベルのフェロケラターゼによってさえヘムに完全に変換され得ない過剰産生のために、代謝産物の蓄積は影響を受けた酵素の下流である。
3.ウロポルフィリノーゲンシンターゼについての遺伝子における変異によって引き起こされ、この酵素の活性の低減および上流の代謝産物のコプロポルフィリンIの蓄積をもたらす、CEP。
これらのヘム中間体は、細胞の溶血によって(CEPにおいて)、または細胞外の能動輸送によって(EPPおよびXLPPにおいて)のいずれかで赤色細胞が逃避され、毒性を引き起こすことがある。3つの疾患すべての一致した特徴は、持続性の瘢痕化および変形を引き起こす日光への曝露に続く重度の痛みを伴う水疱形成する皮膚反応である。これは、重度の炎症反応を招くPPIXまたはコプロポルフィリンIにおける日光の作用による反応性中間体の局部産生によって引き起こされる。PPIXは、疎水性であり、したがって、胆管を通って排出される。高い胆汁濃度は、胆石症、胆汁うっ滞および重度であり得る肝損傷をもたらし得、肝不全をもたらす。CEPの場合では、成熟赤色細胞内のコプロポルフィリンの蓄積は、重度の溶血性貧血をもたらし得る。
EPP、XLPPおよびCEPのこれらの疾患兆候は、ヘム生合成経路における遺伝的異常に起因する中間ヘム代謝産物の過剰産生によって引き起こされる。蓄積した代謝産物は、皮膚における蓄積および日光への曝露後に、または肝臓による胆汁排出のために、赤色細胞に対していずれも毒性である。GlyT1は、ヘム生合成経路における最初の物質の1つの利用能を制御し、本明細書に記載の正常なヘム経路を有するヒトまたは動物におけるヘム産生を下方調節することが示されている。任意の特定の理論によって拘束されないが、GlyT1は、特にその中間産物が異常な酵素活性の結果として蓄積する場合に、同じ方法でヘムの中間代謝産物の産生を低減することが可能である。したがって、EPP、XLPPまたはCEPを有する対象は、GlyT1で処置され、これは、そのような対象における赤血球細胞における毒性代謝産物の産生を低減し、これらの代謝産物の皮膚蓄積の低減、肝胆汁排出の低減、またはCEPの場合では、溶血の低減、すべての場合では、疾患の重症度の低減をもたらす。このようにして、疾患が処置される。
(実施例3)
Met GlyT1阻害剤は、EPP、XLPPまたはCEPについて疾患を引き起こす変異を含有する赤白血病細胞系においてヘム代謝産物のレベルを低減するのに有効である
赤白血病細胞を、遺伝子改変して、EPP、XLPPまたはCEPについて疾患を引き起こす変異を含有する細胞系を得る。これらの遺伝子改変細胞系をGlyT1阻害剤で処理し、ヘム代謝産物の産生を、測光法で、生化学的に、または放射性標識研究において評価する。PPIXによって引き起こされる光溶血のレベルを、これらの細胞系において評価し、GlyT1阻害剤の存在下で低減されることが見出される。
(実施例4)
GlyT1阻害剤は、EPP、XLPPまたはCEPについて疾患を引き起こす変異を含有する赤血球細胞においてヘム代謝産物のレベルを低減するのに有効である(予言的実施例)
赤血球細胞を、EPP、XLPPまたはCEPの原因となる特定の遺伝子における変異を引き起こす疾患を有する動物の骨髄または末梢血から採取する。これらの細胞系をGlyT1阻害剤で処理し、ヘム代謝産物の産生を、測光法で、生化学的に、または放射性標識研究において評価する。PPIXによって引き起こされる光溶血のレベルを、これらの細胞系において評価し、GlyT1阻害剤の存在下で低減されることが見出される。
(実施例5)
GlyT1阻害剤は、EPP、XLPPまたはCEPについて疾患を引き起こす変異を含有する患者の赤血球細胞においてヘム代謝産物のレベルを低減するのに有効である(予言的実施例)
赤血球細胞(網状赤血球および赤血球)を、EPP、XLPPおよびCEPを有する患者から得る(利用可能な場合)。患者由来のこれらの細胞をGlyT1阻害剤で処理し、ヘム代謝産物の産生を、測光法で、生化学的に、または放射性標識研究において評価する。PPIXによって引き起こされる光溶血のレベルを、これらの細胞系において評価し、GlyT1阻害剤の存在下で低減されることが見出される。
(実施例6)
GlyT1阻害剤は、動物におけるEPPまたはXLPPの重症度を低減するのに有効である(予言的実施例)
EPPおよびXLPPを有する動物を、さまざまな用量の1種または1種より多くのGlyT1阻害剤で一定期間にわたって処置する。そのような動物における毒性のヘム中間体のレベルが低減されることが見出され、そのような疾患の症状、例えば、皮膚反応の重症度、肝胆汁性疾患および/または溶血が回復することが見出される。
本明細書に提供される実施形態および実施例は、GlyT1阻害剤をEPP、XLPPまたはCEPを処置するために使用することができることを実証する。これは、驚くべき予想外の結果である。
(実施例7)
EPP細胞モデル
ノックアウトガイド配列を、フェロケラターゼ遺伝子のエクソン3を標的にするように設計した。試験したガイド配列は、表5に示される。
表5: 試験したガイド配列
K562細胞を、10%のウシ胎仔血清(FBS)、1%のペニシリン/ストレプトマイシン(PS)が補充されたイスコフ改変ダルベッコ培地(IMDM)中で培養した。ガイドRNAとのCRISPR Cas9 RNP複合体を、K562細胞に電気穿孔した。プールした細胞からのゲノムDNAを単離し、PCRによって増幅し、サンガーシークエンシングによって配列決定して、ノックアウト効率を決定した。単一細胞クローンを、蛍光支援細胞分取(FACS)によって単離した。TAクローニングおよびサンガーシークエンシングを使用して、単一細胞クローンおよび遺伝子型を確認した。ウエスタンブロットによるさらなる特徴付けのために、5種のクローンを選択して(クローンIDは、クローン1-7、クローン1-9、クローン1-10、クローン1-32、クローン1-51、およびK562WTである)(図1)、FECHタンパク質の発現レベル(抗体:FECH抗体ウサギポリクローナル、Proteintech、14466-1-AP)を決定し、フローサイトメトリーによってPPIXレベルを決定した(図2)。LC/MS/MSにより、WT K562細胞と比較したクローン1-9におけるPPIXの蓄積を確認した(図3)。5種のクローンの遺伝子型特徴は、表6に提供される通りである。
表6: クローンの遺伝子型特徴
10%のFBSおよび1%のPSを有するIMDM培地中、2×10個細胞/mLのK562クローン-9細胞900μLを、24ウェルプレートに蒔いた。24時間のインキュベーション後、DMSO/培地中の100μLの化合物を異なる濃度で添加した。DMSOの最終濃度は0.1%であった。化合物を37℃で96時間インキュベートした。細胞生存率および細胞カウントを、Vi-CELL XRコンプリートシステムによって測定した。最後に、PPIXレベルに対する化合物の効果を、フローサイトメトリーによって決定した。図4は、ビトペルチンおよびPF-03463275が、共にPPIX蓄積の50%までの用量依存的阻害を実証したことを、フローサイトメトリーによって示している。ビトペルチンは、7nMのEC50を示し、PF-03463275は、46nMのEC50を示した。図5は、ビトペルチンおよびPF-03463275が、共に細胞生存率に対して悪影響がなかったことを示している。重要なことに、LC/MS/MS方法は、ビトペルチンがEPP K562細胞モデルにおいて5-アミノレブリン酸(5-ALA)およびPPIXレベルを低減し、ヘム形成に対する効果が最小限であったことを実証した(図6、7、および8)。
さらなるGlyT1阻害剤も、PPIX蓄積の用量依存的阻害を示したが、一方でORG-25543
すなわちGlyT2阻害剤は、10μMの最高試験濃度までいかなる阻害も示さなかった(表7)。
表7: EPP細胞モデルにおいて試験した化合物のEC50
(実施例8)
GlyT1阻害剤は、FECHの低分子干渉RNA(shRNA)を発現するレンチウイルスで形質導入されたヒト造血幹細胞においてPPIXレベルを低減するのに有効である
EPP表現型を有するヒト造血幹細胞におけるGlyT1阻害剤の効果を調査するために、FECHのshRNAを発現するレンチウイルスベクターを構築し(表4)、Stemexpressから購入したヒト臍帯血CD34+細胞に25MOIで形質導入した。
表4: FECHのshRNA配列を有するレンチウイルスベクターを構築するために使用したオリゴ

得られたCD34+細胞のRT-qPCRは、対照レンチウイルスベクターで処置した細胞のものと比較して、FECH mRNAレベルの60%の低減を示す(図9)。形質導入されたCD34+細胞を、StemSpan赤血球増殖サプリメントが補充されたStemSpan SFEM II培地中、ビトペルチン(100nM)またはDMSO対照の存在下で、赤血球細胞に9日間にわたって分化させた。赤血球細胞抗原プロファイルを、以下の表面マーカー:CD71(PEマウス抗ヒトCD71、BD Biosciences)、グリコホリンA(APCマウス抗ヒトCD235a、BD Biosciences)を用いる細胞蛍光戦略を使用して分析した。分化培地中で9日間経過した後、細胞生存率はすべての試料で60%超であり、FECHのshRNAを発現するレンチウイルスが形質導入された細胞の80%超が、PPIXの増加を示したことがフローサイトメトリーによって決定された(図10)。ビトペルチン処置(100nM)は、赤血球細胞表面マーカーに対して悪影響を及ぼさず、PPIX蓄積を60%低減した(図11)。
本出願の好ましい実施形態を本明細書に示し、記載したが、当業者には、そのような実施形態が例としてのみ提供されていることは自明であろう。多数の変形、変化および置換は、ここに、本出願から逸脱することなく、当業者が気付くであろう。本明細書に記載される出願の実施形態に対するさまざまな変更が、本出願の実施において用いられ得ることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲が本出願の範囲を規定すること、およびこれらの特許請求の範囲の範囲内の方法および構造ならびにそれらの等価物がそれらに包含されることを意図する。
(実施例9)
ビトペルチンの形態Aの調製
一般
形態Aは、例えばメタノール、エタノール、2-プロパノール、酢酸イソプロピル、t-ブチルメチルエーテル、トルエンとしての溶媒、またはアセトン/水(例えば、1:1、w/w)、水/メタノール(例えば、1:1、w/w)、水/エタノール(例えば、0.4:0.6、w/w)としての溶媒混合物中で消化させることによって生成することができる。その形態は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを、限定されるものではないがエタノール、水/エタノール(例えば、0.6:0.4、w/w)を含む溶媒システム中で播種を伴ってまたは伴わずに再結晶化させることによって調製することもできる。
結晶化手順
30.0gの[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを、150gのエタノールに溶解させ、70℃まで加熱した。溶液を加熱濾過した。温度を40~42℃に低下させた。40~42℃で、300mgの[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの形態Aの種晶を添加した。温度を40~42℃で1時間保持した。その後、懸濁液を0.3K/分で0~-5℃に冷却した。0~-5℃で1時間撹拌した後、結晶を濾過し、エタノール(0~-5℃)約20mLで洗浄し、50℃/0~20mbarで14時間乾燥させた。収量:26.31g(87.7%)。
形態Aの種晶の調製
形態Aの種晶は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンのスラリーを、限定されるものではないがエタノール、メタノールおよびエタノール/水(例えば、0.4:0.6w/w)の水混合物を含む溶媒システム中で消化させることによって調製することができる。スラリーを室温で数日間撹拌した後、形態Aの結晶を濾過することができ、50℃/0~20mbarで14時間乾燥させた。この手順は数回反復する必要がある場合がある。
形態Aの固体状態の特性
形態AのXRPDパターン、IRスペクトル、DSC曲線、およびTG曲線を、本明細書に記載される方法を使用して測定し、図12~15に示す。
XRPDパターンは、STOE STADI P回折計(Cu Ka放射線、一次モノクロメータ、位置敏感型検出器、角度範囲3~42(2シータ度)、合計測定時間およそ60分)を用いて透過配置で、周囲条件で記録した。試料を調製し、物質のさらなる処理(例えば粉砕または篩過)を行わずに分析した。
あるいは、X線回折パターンを、CuKa放射線(1.54A)を用いるSTOE STADIP回折計および位置敏感型検出器を用いて、透過配置で記録した。試料(およそ50mg)を薄いポリマー(またはアルミニウム)フィルムの間で調製し、物質のさらなる処理(例えば粉砕または篩過)を行わずに分析した。
X線回折パターンを、密封した銅Ka1放射線源を備えたScintag Xl粉末X線回折計でも測定した。試料を、入射ビームスリット幅2および4mmおよび回折ビームスリット幅0.3および0.2mmを用いて1分当たり1(2シータ度)の速度で2~36(2シータ度)までスキャンした。
単結晶構造分析について、単結晶を、角度計のループに載せ、周囲条件で測定した。あるいは、結晶を、測定中に窒素ストリーム中で冷却した。データをSTOE(Darmstadt)製のSTOEイメージングプレート回折システム(IPDS)で収集した。この場合、0.71A波長のMo放射線を、データ収集のために使用した。データを、STOE IPDS-ソフトウェアで処理した。結晶構造を解明し、標準の結晶学的ソフトウェアで精密化した。この場合、Bruker AXS(Karlsruhe)製のプログラムShelXTLを使用した。
あるいは、シンクロトロン放射線を、データ収集のために使用した。単結晶をループに載せ、窒素ストリーム中でおよそ100Kに冷却した。データを、Swiss光源ビームラインXlOSAで、シンクロトロン放射線を用いるMAR CCD225検出器を使用して収集し、データをプログラムXDSで処理した。結晶構造を解明し、標準の結晶学的ソフトウェアで精密化した。この場合、Bruker AXS(Karlsruhe)製のプログラムShelXTLを使用した。結晶構造を解明し、ShelXTL(Bruker AXS、Karlsruhe)で精密化した。
試料のIRスペクトルは、2枚の塩化ナトリウムプレートの間の約5mgの試料および少量のヌジョールからなるヌジョール懸濁物のフィルムとして、FT-IR分光計で透過率を記録した。分光計は、Nicolet(商標)20SXBまたは同等物であった(分解能2cm-1、32回またはそれより多くのスキャンを積算、MCT検出器)。
DSC曲線は、FRS05センサーを備えたMettler-Toledo(商標)示差走査熱量計DSC820またはDSC821を使用して記録した。一部の実施形態では、システム適合性試験および較正を、内部標準操作手順に従って行った。
結晶形態Aの測定のために、試料およそ2~6mgをアルミニウムパンに置き、正確に秤量し、穿孔できる蓋で密封した。測定前に蓋を自動的に刺し貫き、約1.5mmのピンホールを開けた。次に、試料を、約100mL/分の窒素流下、10K/分の加熱速度を使用して加熱した。
TGA曲線は、Mettler-Toledo(商標)熱重量分析装置(TGA850またはTGA851)で測定した。ある特定の実施形態では、システムの適合性試験および較正を、内部標準操作手順に従って行った。
熱重量分析について、約5~10mgの試料をアルミニウムパンに置き、正確に秤量し、穿孔できる蓋で密封した。測定前に蓋を自動的に刺し貫き、約1.5mmのピンホールを開けた。次に、試料を、約50mL/分の窒素流下、5K/分の加熱速度を使用して加熱した。
(実施例10)
ビトペルチンの形態Bの調製
一般
形態Bは、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを、メタノール、エタノール、1,4-ジオキサンおよびこれらの水混合物を含むさまざまな溶媒システム中で播種を伴ってまたは伴わずに再結晶化させることによって調製することができる。
結晶化手順
30.0gの[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを150gのエタノールに溶解させ、60℃まで加熱した。[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの溶解は、55~57℃で生じた。溶液を加熱濾過した。温度を40~42℃に低下させた。40~42℃で、3.0g(10%-w)の[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの形態Bの種晶を透明溶液に添加した。その後、懸濁液を5時間以内に5℃に冷却した。結晶を濾過し、エタノール(0℃)約10mLで洗浄し、50℃/0~20mbarで14時間乾燥させた。収量:29.17g(88.4%)。
形態Bの種晶の調製
形態Bの種晶は、限定されるものではないがエタノール、テトラヒドロフラン、トルエンまたは1,4-ジオキサンを含む溶媒システム中、高度に飽和した[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの溶液を急速に冷却することによって調製することができる。3.0gの[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを9gのエタノールに溶解させ、70℃まで加熱した。溶液を加熱濾過した。透明溶液の温度を、0~-5℃に急速に低下させた。結晶を濾過し、エタノール(0~-5℃)約20mLで洗浄し、50℃/0~20mbarで14時間乾燥させた。この手順は数回反復する必要がある場合がある。
形態Bの固体状態の特性
形態BのXRPDパターン、IRスペクトル、DSC曲線、およびTG曲線を、本明細書に記載される方法を使用して測定し、図16~19に一覧化する。
(実施例11)
ビトペルチンの形態Cの調製
一般
形態Cは、n-ヘプタン、トルエン、o-キシレンとしての溶媒またはn-ヘプタン/トルエン(例えば、1:0.8、w/w)としての溶媒混合物中で消化させることによって生成することができる。その形態は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを、さまざまな溶媒システム中で播種を伴って再結晶化させることによって調製することもできる。
結晶化手順
45.0gの[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを、43.4gのトルエンおよび54.7gのn-ヘプタン中で消化させ、98~100℃まで加熱した。懸濁液を98~100℃で48時間撹拌した。懸濁液を加熱濾過した。得られた固体残留物を70℃/0~20mbarで24時間乾燥させた。収量:23.0g(51.5%)。
形態Cの固体状態の特性
形態CのXRPDパターン、IRスペクトル、DSC曲線、およびTG曲線を、本明細書に開示される方法を使用して測定し、図20~23に一覧化する。
(実施例12)
ビトペルチンの非晶質形態の調製
一般
非晶質形態は、エタノール溶液から、真空下、約40℃で急速蒸発させると入手することができた。あるいは、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの非晶質形態は、凍結乾燥によって入手することができた。
調製手順
0.50gの[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンを、50gのエタノールに65℃で溶解させた。40℃で回転させている間(ロータリーエバポレーター)、最大真空を適用した。溶媒が完全に蒸発した後、固体を約25℃/5~20mbarで18時間さらに乾燥させた。分析により、非晶質の[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンが明らかになった。
非晶質形態の固体状態の特性
非晶質形態のXRPDパターン、IRスペクトル、DSC曲線、およびTG曲線および湿気吸着/脱着等温線を、本明細書に記載される方法を使用して測定し、図24~28に一覧化する。
(実施例13)
ビトペルチンのメチルパラベン共結晶形態の調製
一般
[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンおよびメチルパラベンの共結晶は、例えばエタノールおよび水としての溶媒中で消化させることによって生成することができる。その形態は、[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンの形態A、B、Cまたは非晶質形態およびメチルパラベンを、限定されるものではないがエタノールを含む溶媒システム中で播種を伴ってまたは伴わずに再結晶化させることによって調製することもできる。[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンとメチルパラベンの比は、1:1~1:10の範囲であり得る。一部の実施形態では、共結晶におけるビトペルチンおよびメチルパラベンの比は、1:1である。
調製手順
100mgの[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノンおよび28mgのメチルパラベン(1部の[4-(3-フルオロ-5-トリフルオロメチルピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル][5-メチルスルホニル-2-[((S)-2,2,2-トリフルオロ-1-メチルエチル)オキシ]フェニル]メタノン+1部のメチルパラベン)を、0.3mLのエタノールに溶解させ、加熱して両方の物質を溶解させた。透明溶液を、撹拌することなく室温に冷却した。
7週間後、結晶を濾過し、エタノール/水(60/40w/w)で洗浄し、室温/0~20mbarで14時間乾燥させた。
メチルパラベン共結晶形態の固体状態の特性
メチルパラベン共結晶のXRPDパターン、IRスペクトル、DSC曲線、およびTG曲線を、本明細書に記載される方法を使用して測定し、図29~32に一覧化する。
参照による組み込み
本出願およびそれらの参考文献において引用されたすべての参考文献は、追加または代替の詳細、特徴および/または技術的背景の教示に適切な場合、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (115)

  1. 対象における赤血球増殖性プロトポルフィリン症(EPP)、X連鎖プロトポルフィリン症(XLPP)または先天性赤血球増殖性ポルフィリン症(CEP)を処置する方法であって、前記方法が、以下の構造
    を有するビトペルチンの固体形態を含む医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
  2. 対象におけるEPP、XLPPまたはCEPの1つまたは1つより多くの合併症を予防、処置、またはその進行速度および/もしくは重症度を低減する方法であって、以下の構造
    を有するビトペルチンの固体形態を含む医薬組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
  3. 前記EPP、XLPPまたはCEPの1つまたは1つより多くの合併症が、急性光線過敏症、皮膚光線過敏症、浮腫、紅斑、貧血、低色素性貧血、溶血性貧血、溶血、軽度溶血、重度溶血、慢性溶血、脾機能亢進症、手掌角皮症、水疱、病変、瘢痕化、変形、爪の喪失、指の喪失、胆汁うっ滞、細胞溶解、胆石、胆汁うっ滞性肝不全、胆石症、軽度肝疾患、肝疾患の悪化、末期肝疾患、赤色歯、過形成骨髄、骨髄異形成、血小板減少症、胎児水腫および/または子宮内死亡からなる群から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 対象におけるEPP、XLPPまたはCEPの予防または処置における使用のための方法であって、前記使用が、以下の構造
    を有するビトペルチンの固体形態を前記対象に投与することを含む、方法。
  5. 対象におけるEPP、XLPPまたはCEPの処置のための医薬の製造における使用のための方法であって、前記使用が、以下の構造
    を有するビトペルチンの固体形態を前記対象に投与することを含む、方法。
  6. in vivoでプロトポルフィリンIX(PPIX)合成を阻害するための医薬の製造における使用のための方法であって、前記使用が、以下の構造
    を有するビトペルチンの固体形態を対象に投与することを含む、方法。
  7. 前記対象が、EPPを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記対象が、XLPPを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記対象が、CEPを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記急性光線過敏症が、日光曝露に起因する、請求項3に記載の方法。
  11. 前記方法が、前記対象における無痛の光曝露を増加させる、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記方法が、前記対象における光感受性を減少させる、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
  13. in vivoでPPIX合成を阻害する方法であって、以下の構造
    を有するビトペルチンの固体形態を対象に投与することを含む、方法。
  14. in vivoで亜鉛プロトポルフィリンIX(ZPPIX)合成を阻害する方法であって、以下の構造
    を有するビトペルチンの固体形態を対象に投与することを含む、方法。
  15. in vivoでウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンI合成を阻害する方法であって、以下の構造
    を有するビトペルチンの固体形態を対象に投与することを含む、方法。
  16. in vivoで5-アミノレブリン酸(5-ALA)合成を阻害する方法であって、以下の構造
    を有するビトペルチンの固体形態を対象に投与することを含む、方法。
  17. 1種または1種より多くのヘム中間体の蓄積が阻害され、前記1種または1種より多くのヘム中間体が、PPIX、ZPPIX、ウロポルフィリンI、コプロポルフィリンIおよび/または5-ALAからなる群から選択される、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記1種または1種より多くのヘム中間体の前記蓄積が、用量依存的様式で阻害される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ビトペルチンの固体形態が、500nM未満のEC50を実証する、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記ビトペルチンの固体形態が、100nM未満のEC50を実証する、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  21. 少なくとも50%の細胞生存率が維持される、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  22. 少なくとも90%の細胞生存率が維持される、先行する請求項のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記対象が、前記ビトペルチンの固体形態の投与の前の健康な対象におけるPPIXレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高いPPIXレベルを有する、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記対象が、前記ビトペルチンの固体形態の投与の前の健康な対象におけるZPPIXレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高いZPPIXレベルを有する、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記対象が、EPPを有する対象と比較して、ZPPIXの遊離プロトポルフィリンIXに対する増加した割合(ZPPIX/PPIX比)を有する、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記対象が、前記ビトペルチンの固体形態の投与の前の健康な対象におけるウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高いウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIレベルを有する、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記対象が、前記ビトペルチンの固体形態の投与の前の健康な対象における5-ALAレベルよりも少なくとも10%、20%、30%、40%または50%高い5-ALAレベルを有する、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記対象のPPIXレベルが減少し、一方で前記患者のヘムレベルが実質的に維持される、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記患者のPPIXレベルが、少なくとも50%(例えば、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少し、前記患者のヘムレベルが、10%より高く(例えば、10%、15%、20%、25%および30%)減少しない、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記患者のPPIXレベルが、少なくとも85%減少し、前記患者のヘムレベルが、15%より高く減少しない、請求項28または29に記載の方法。
  31. ヘムレベルが、10%より高く(例えば、10%、15%、20%、25%および30%)減少しない、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記医薬組成物の投薬が、ヘムレベルの実質的な低減を引き起こさない、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記対象が、赤血球における増加した遊離プロトポルフィリンIXレベルを有する、請求項1~8、10~15、17~25および27~32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記方法が、前記対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを減少させる、請求項1~8、10~15、17~25および27~33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記方法が、前記対象における遊離プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる、請求項1~8、10~15、17~25および27~34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記対象が、糞便における増加したプロトポルフィリンIXレベルを有する、請求項1~8、10~15、17~25および27~35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記方法が、前記対象の糞便におけるプロトポルフィリンIXレベルを減少させる、請求項1~8、10~15、17~25および27~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記方法が、前記対象の糞便におけるプロトポルフィリンIXレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる、請求項1~8、10~15、17~25および27~37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 前記対象の血漿ポルフィリンが、青色光(例えば、400~420nmの光)で照射された場合に、634nmのピークで蛍光を発する、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記対象の血漿ポルフィリンが、青色光(例えば、400~420nmの光)で照射された場合に、626nm~634nmのピークで蛍光を発する、請求項1~39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記対象の皮膚ポルフィリンが、青色光(例えば、400~420nmの光)で照射された場合に、632nmのピークで蛍光を発する、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記対象の皮膚ポルフィリンが、青色光(例えば、400~420nmの光)で照射された場合に、626nm~634nmのピークで蛍光を発する、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記対象が、皮膚における増加したプロトポルフィリンIXレベルを有する、請求項1~8、10~15、17~25および27~42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記方法が、前記対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを減少させる、請求項1~8、10~15、17~25および27~43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記方法が、前記対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる、請求項1~8、10~15、17~25および27~44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記対象が、0.2FluoDerm単位(FDU)よりも高い皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する、請求項1~8、10~15、17~25および27~45のいずれか一項に記載の方法。
  47. 前記対象が、1.0FDUよりも高い皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する、請求項1~8、10~15、17~25および27~45のいずれか一項に記載の方法。
  48. 前記対象が、1.0FDU~2.5FDUの皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する、請求項1~8、10~15、17~25および27~45のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記対象が、2.5FDUよりも高い皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する、請求項1~8、10~15、17~25および27~45のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記方法が、前記対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを0.5FDU未満に減少させる、請求項1~8、10~15、17~25および27~49のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記方法が、前記対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを1.0FDU未満に減少させる、請求項1~8、10~15、17~25および27~49のいずれか一項に記載の方法。
  52. 前記方法が、前記対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを1.5FDU未満に減少させる、請求項1~8、10~15、17~25および27~49のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記方法が、前記対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを2.0FDU未満に減少させる、請求項1~8、10~15、17~25および27~49のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記方法が、前記対象の皮膚におけるプロトポルフィリンIXレベルを2.5FDU未満に減少させる、請求項1~8、10~15、17~25および27~49のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記対象が、赤血球における増加したプロトポルフィリンIXレベルを有する、請求項1~8、10~15、17~25および27~54のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記方法が、前記対象の赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを減少させる、請求項1~8、10~15、17~25および27~55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記方法が、前記対象の赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる、請求項1~8、10~15、17~25および27~56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記対象が、31μmolL-1よりも高い赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する、請求項1~8、10~15、17~25および27~57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記対象が、31μmolL-1~53μmolL-1の赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する、請求項1~8、10~15、17~25および27~58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記対象が、53μmolL-1よりも高い赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを有する、請求項1~8、10~15、17~25および27~58のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記方法が、前記対象の赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを53μmolL-1未満のレベルに減少させる、請求項1~8、10~15、17~25および27~58のいずれか一項に記載の方法。
  62. 前記方法が、前記対象の赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを31μmolL-1未満のレベルに減少させる、請求項1~8、10~15、17~25および27~58のいずれか一項に記載の方法。
  63. 前記方法が、前記対象の赤血球におけるプロトポルフィリンIXレベルを15μmolL-1未満のレベルに減少させる、請求項1~8、10~15、17~25および27~58のいずれか一項に記載の方法。
  64. 前記対象のフェロケラターゼ活性レベルが、正常な対象において観察されるフェロケラターゼ活性レベルの10~35%に低減される、請求項1~7、10~14、17~25および27~63のいずれか一項に記載の方法。
  65. 前記対象のフェロケラターゼ活性レベルが、正常な対象において観察されるフェロケラターゼ活性レベルの50%未満に低減される、請求項1~7、10~14、17~25および27~64のいずれか一項に記載の方法。
  66. 前記対象が、ALAS2における機能獲得変異を有する、請求項1~6、8、10~15、17~25および27~63のいずれか一項に記載の方法。
  67. 前記対象のALAS2酵素活性が増加する、請求項1~6、8、10~15、17~25、27~63および66のいずれか一項に記載の方法。
  68. 前記対象が、赤血球における増加した亜鉛プロトポルフィリンIXレベルを有する、請求項1~6、8、10~15、17~25、27~63、66および67のいずれか一項に記載の方法。
  69. 前記方法が、前記対象の赤血球における亜鉛プロトポルフィリンIXレベルを減少させる、請求項1~6、8、10~15、17~25、27~63および66~68のいずれか一項に記載の方法。
  70. 前記方法が、前記対象の赤血球における亜鉛プロトポルフィリンIXレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる、請求項1~6、8、10~15、17~25、27~63および66~69のいずれか一項に記載の方法。
  71. 前記対象が、ウロポルフィリノーゲンIIIシンターゼの減少した活性を有する、請求項1~5、9~13、16~23、26、27、31、32および39~42のいずれか一項に記載の方法。
  72. 前記対象が、ウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIの増加したレベルを有する、請求項1~5、9~13、16~23、26、27、31、32、39~42および71のいずれか一項に記載の方法。
  73. 前記ウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIの増加したレベルが、前記対象の尿または赤血球において測定される、請求項72に記載の方法。
  74. 前記コプロポルフィリンIの増加したレベルが、前記対象の糞便において測定される、請求項72に記載の方法。
  75. 前記方法が、前記対象のウロポルフィリンIおよび/またはコプロポルフィリンIのレベルを減少させる、請求項1~5、9~13、16~23、26、27、31、32、39~42および71~74のいずれか一項に記載の方法。
  76. 前記方法が、前記対象のウロポルフィリンIのレベルを減少させる、請求項1~5、9~13、16~23、26、27、31、32、39~42および71~74のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記方法が、前記対象のウロポルフィリンIのレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる、請求項1~5、9~13、16~23、26、27、31、32、39~42および71~76のいずれか一項に記載の方法。
  78. 前記方法が、前記対象のコプロポルフィリンIのレベルを減少させる、請求項1~5、9~13、16~23、26、27、31、32、39~42および71~77のいずれか一項に記載の方法。
  79. 前記方法が、前記対象のコプロポルフィリンIのレベルを少なくとも10%(例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または少なくとも100%)減少させる、請求項1~5、9~13、16~23、26、27、31、32、39~42および71~78のいずれか一項に記載の方法。
  80. 前記対象が、UROSにおける変異を有する、請求項1~5、9~13、16~23、26、27、31、32、39~42および71~79のいずれか一項に記載の方法。
  81. 前記対象が、GATA-1赤血球特異的転写因子における遺伝子欠損を有する、請求項1~5、9~13、16~23、26、27、31、32、39~42および71~80のいずれか一項に記載の方法。
  82. 前記対象が、赤色蛍光尿を有する、請求項1~5、9~13、16~23、26、27、31、32、39~42および71~81のいずれか一項に記載の方法。
  83. 前記対象が、血漿ポルフィリン蛍光分析を使用して、615nm~620nmにピークを有する、請求項1~5、9~13、16~23、26、27、31、32、39~42および71~82のいずれか一項に記載の方法。
  84. 前記対象が、EPP、XLPPまたはCEPに関連する肝疾患を有する、請求項1~83のいずれか一項に記載の方法。
  85. 前記EPP、XLPPまたはCEPに関連する肝疾患が、胆石症である、請求項1~75のいずれか一項に記載の方法。
  86. 前記EPP、XLPPまたはCEPに関連する肝疾患が、軽度肝疾患である、請求項1~75のいずれか一項に記載の方法。
  87. 前記EPP、XLPPまたはCEPに関連する肝疾患が、肝疾患の悪化である、請求項1~75のいずれか一項に記載の方法。
  88. 前記EPP、XLPPまたはCEPに関連する肝疾患が、末期肝疾患である、請求項1~75のいずれか一項に記載の方法。
  89. 追加の活性薬剤および/または支持療法を前記対象にさらに投与することを含む、請求項1~88のいずれか一項に記載の方法。
  90. 前記追加の活性薬剤および/または支持療法が、日光の回避、局所の日焼け止め剤、皮膚の保護、UVB光線療法、アファメラノチド(Scenesse(登録商標))、ボルテゾミブ、プロテアソーム阻害剤、化学シャペロン、コレスチラミン、活性炭、鉄補充、肝移植、骨髄移植、脾摘出術および輸血からなる群から選択される、請求項89に記載の方法。
  91. 前記ビトペルチンの固体形態が、ビトペルチンの結晶形態A、結晶形態B、結晶形態C、メチルパラベン共結晶形態、および非晶質形態からなる群から選択される、請求項1~90のいずれか一項に記載の方法。
  92. 前記ビトペルチンの固体形態が、2シータ度=13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6および24.3(±0.2)で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3つのピークによって特徴付けられるビトペルチンの結晶形態Aである、請求項1~91のいずれか一項に記載の方法。
  93. 前記結晶形態Aが、2シータ度=13.1、14.3、15.4、16.2、17.1、17.2、17.6、18.0、19.8、20.1、20.4、21.0、22.6および24.3(±0.2)で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークによって特徴付けられる、請求項92に記載の方法。
  94. 前記ビトペルチンの固体形態が、図12に実質的に示されるX線回折パターンによって特徴付けられるビトペルチンの結晶形態Aである、請求項1~91のいずれか一項に記載の方法。
  95. 前記ビトペルチンの固体形態が、3032、1645、1623、1600、1581、1501、1342、1331、1314、1291、1266、1245、1154、1130、1088、1054、1012、976、951、922、889、824、787、758、739、714および636cm-1(±3cm-1)にシャープなバンドを有する赤外スペクトルによって特徴付けられるビトペルチンの結晶形態Aである、請求項1~94のいずれか一項に記載の方法。
  96. 前記ビトペルチンの固体形態が、図13に実質的に示される赤外スペクトルによって特徴付けられるビトペルチンの結晶形態Aである、請求項1~95のいずれか一項に記載の方法。
  97. 前記ビトペルチンの固体形態が、2シータ度=11.4、15.4、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5、26.4(±0.2)で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3つのピークによって特徴付けられるビトペルチンの結晶形態Bである、請求項1~91のいずれか一項に記載の方法。
  98. 前記結晶形態Bが、2シータ度=11.4、15.4、16.2、16.4、17.8、18.3、19.2、20.1、21.0、22.0、22.5、26.4(±0.2)で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークによって特徴付けられる、請求項97に記載の方法。
  99. 前記ビトペルチンの固体形態が、図16に実質的に示されるX線回折パターンによって特徴付けられるビトペルチンの結晶形態Bである、請求項1~91、97、および98のいずれか一項に記載の方法。
  100. 前記ビトペルチンの固体形態が、1644、1635、1621、1599、1567、1514、1488、1398、1343、1328、1291、1266、1183、1155、1090、1022、1003、973、958、938、920、897、822、783、753、740、683および、638cm-1(±3cm-1)にシャープなバンドを有する赤外スペクトルによって特徴付けられるビトペルチンの結晶形態Bである、請求項1~91および97~99のいずれか一項に記載の方法。
  101. 前記ビトペルチンの固体形態が、図17に実質的に示される赤外スペクトルによって特徴付けられるビトペルチンの結晶形態Bである、請求項1~91および97~100のいずれか一項に記載の方法。
  102. 前記ビトペルチンの固体形態が、2シータ度=14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0および25.2(±0.2)で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3つのピークによって特徴付けられるビトペルチンの結晶形態Cである、請求項1~91のいずれか一項に記載の方法。
  103. 前記結晶形態Cが、2シータ度=14.9、15.7、16.7、17.7、17.8、18.7、19.7、21.8、22.0および25.2(±0.2)で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークによって特徴付けられる、請求項102に記載の方法。
  104. 前記ビトペルチンの固体形態が、図20に実質的に示されるX線回折パターンによって特徴付けられるビトペルチンの結晶形態Cである、請求項1~91、102、および103のいずれか一項に記載の方法。
  105. 前記ビトペルチンの固体形態が、1641、1622、1601、1581、1566、1514、1398、1378、1341、1322、1309、1294、1281、1159、1087、1023、1009、966、934、917、901、822、784、757、681および640cm-1(±3cm-1)にシャープなバンドを有する赤外スペクトルによって特徴付けられるビトペルチンの結晶形態Cである、請求項1~91および102~104のいずれか一項に記載の方法。
  106. 前記ビトペルチンの固体形態が、図21に実質的に示される赤外スペクトルによって特徴付けられるビトペルチンの結晶形態Cである、請求項1~91および102~105のいずれか一項に記載の方法。
  107. 前記ビトペルチンの固体形態が、そのXRPDパターンにシャープなX線ピークが存在しないこと、ならびに/または1642、1622、1599、1579、1509、1487、1399、1329、1293、1253、1159、1124、1090、1016、960、920、903、889、827、782、763、739および636cm-1(±3cm-1)にシャープなバンドを有する赤外スペクトルによって特徴付けられるビトペルチンの非晶質形態である、請求項1~91のいずれか一項に記載の方法。
  108. 前記ビトペルチンの固体形態が、約48℃~約65℃のガラス転移温度(DSC、加熱速度10K/分、閉じたパン)によって特徴付けられるビトペルチンの非晶質形態である、請求項1~91および107のいずれか一項に記載の方法。
  109. 前記ビトペルチンの固体形態が、2シータ度=8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2および25.9(±0.2)で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークから選択される少なくとも3つのピークによって特徴付けられるメチルパラベン共結晶形態である、請求項1~91のいずれか一項に記載の方法。
  110. 前記メチルパラベン共結晶形態が、2シータ度=8.0、8.9、10.5、12.6、15.2、16.1、17.7、18.5、19.8、20.2、21.7、22.9、24.2および25.9(±0.2)で表されるCuKa放射線を用いて得られたX線回折ピークによって特徴付けられる、請求項109に記載の方法。
  111. 前記ビトペルチンの固体形態が、図29に実質的に示されるX線回折パターンによって特徴付けられるメチルパラベン共結晶形態である、請求項1~91、109、および110のいずれか一項に記載の方法。
  112. 前記ビトペルチンの固体形態が、3154、3081、1709、1614、1586、1378、1337、1313、1247、1189、1172、1124、1085、1019、959、928、916、908、894、857、783、772、729および702cm-1(±3cm-1)にシャープなバンドを有する赤外スペクトルによって特徴付けられるメチルパラベン共結晶形態である、請求項1~91および109~111のいずれか一項に記載の方法。
  113. 前記ビトペルチンの固体形態が、図30に実質的に示される赤外スペクトルによって特徴付けられるメチルパラベン共結晶形態である、請求項1~91および109~112のいずれか一項に記載の方法。
  114. 前記医薬組成物が、薬学的に許容される担体をさらに含む、請求項1~113のいずれか一項に記載の方法。
  115. 前記対象が、それを必要とする対象である、請求項1~114のいずれか一項に記載の方法。
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