JP2024518799A - パウダリーでムスキーな匂いの大環状分子 - Google Patents

パウダリーでムスキーな匂いの大環状分子 Download PDF

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Abstract

本発明は、組成物であって、a)0.5~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;b)0.1~10%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;c)0~10%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン;およびd)0.5~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オンを含み、パーセント割合が組成物の総重量に対するものであり;E-ジアステレオ異性体対Z-ジアステレオ異性体の重量比が14:86~0.5:99.5の範囲に含まれる、組成物に関する。

Description

本発明は、香料の分野に関する。より詳しくは、本発明は、組成物であって、
a)0.5~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
b)0.1~10%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
c)0~10%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン;および
d)0.5~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン
を含み、
上記パーセント割合が組成物の総重量に対するものであり;
E-ジアステレオ異性体対Z-ジアステレオ異性体の重量比が14:86~0.5:99.5の範囲に含まれる、
組成物に関する。
前記組成物は有用な香料成分であり、そのため、本発明は、賦香組成物または香料入り消費者製品の一部として本発明の組成物を含む。
発明の背景
ムスクノートを付与する成分、特に大環状ムスク化合物は、重要な香料のベースノートの1つと考えられているため、香料において非常に高く評価されており、また、広く使用されている。前記大環状ムスク化合物の幾つかは、通常、ジアステレオ異性体および/または位置異性体の混合物を生じさせる二重結合を有する。一例は、(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン、および(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オンを、70:30~80:20に含まれるE:Z比で主に含むHabanolide(登録商標)(Firmenich SA, Geneva, Switzerland)である。異性体の分布は、成分の官能特性に影響を与える。したがって、調香師のパレットを豊かにするために、新しい品質への道を開発することが必要とされている。特に、アンブレットのファセットを維持しながら、Habanolide(登録商標)のニトロムスクの側面を強化する必要がある。しかしながら、個々の異性体それぞれの正確な官能特性は不明であり、純粋な異性体または混合物をもたらす実際の合成は主にE異性体から構成される。
例えば、国際公開第2018/104856号では、(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オンまたは(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オンを高純度で得る方法が報告されている。さらに、米国特許出願公開第2017/211014号明細書では、E:Z比が65:31のオキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オンとオキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オンとの混合物が生じるGlobalide(登録商標)の異性化が開示されている。
本発明は、香料において非常に高く評価される強力なパウダリー/ムスクノートをもたらす、E異性体に対してZ異性体を高い比率で含む新規な組成物を提供する。先行技術は、本発明の組成物が、性能や匂いの特徴においてそのような構造をもたらすことは予期しておらず、また、Z異性体を大幅に濃縮する方法も提供していない。
発明の説明
オキサシクロヘキサデカ-(12または13)-エン-2-オンの様々な異性体の間で驚くべき相乗効果が発見され、アンブレットの側面と組み合わされた強力なムスキー/パウダリーノートを有する本発明の組成物が得られた。
したがって、本発明の第1の目的は、組成物であって、
a)0.5~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
b)0.1~10%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
c)0~10%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン;および
d)0.5~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン
を含み、
パーセント割合が組成物の総重量に対するものであり;
E-ジアステレオ異性体対Z-ジアステレオ異性体の重量比が14:86~0.5:99.5の範囲に含まれる、
組成物である。
前記組成物は、例えばパウダリームスクタイプの、アンバーの側面も有する匂いのノートを付与するために、賦香成分として使用することができる。
「E-ジアステレオ異性体」および「Z-ジアステレオ異性体」という用語は、当業者によって理解される通常の意味を意味している。すなわち、E-ジアステレオ異性体は、(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オンおよび(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オンに対応し、Z-ジアステレオ異性体は、(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オンおよび(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オンに対応する。
本発明の一実施形態によれば、本組成物において、上述した様々な成分は以下の量で存在する:
a)55~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
b)0.1~7%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
c)0~6%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン;および
d)0.5~31%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン。
本発明の一実施形態によれば、本組成物において、上述した様々な成分は以下の量で存在する:
a)90~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
b)0.1~2.5%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
c)0~1%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン;および
d)0.5~2.5%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン。
本発明の一実施形態によれば、本組成物において、上述した様々な成分は以下の量で存在する:
a)0.5~10%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
b)0.1~2.5%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
c)0~3%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン;および
d)55~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、本組成物は、約58~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、特に約58~70%w/wまたは約92~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、より具体的には約58~65%w/wまたは約95~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オンを含み得る。
本発明の特定の実施形態によれば、本組成物は、約0.5~15%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、特に1~10%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、特に1.5~8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、さらにより具体的には3~7%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オンを含み得る。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、本組成物は、約0.1~10%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、特に約0.1~8%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、特に約0.1~7%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、特に約0.1~6%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、特に約0.1~5%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、特に約0.1~2%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、より具体的には約0.1~1.5%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オンを含み得る。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、本組成物は、約1~97%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン、特に約1.5~96%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン、特に約2~96%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン、特に約2.5~95%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン、特に約10~95%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン、特に約20~95%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン、特に約90~95%w/wまたは約1.5~31%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン、さらにより具体的には約90~95%w/wまたは約5~31%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オンを含み得る。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、本組成物は、約0~10%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン、特に約0~7%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン、より具体的には約0~5%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オンを含み得る。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、E-ジアステレオ異性体対Z-ジアステレオ異性体の重量比は、12:88~1:99の範囲、特に10:90~1:99の範囲、特に9.5:90.5~1:99の範囲、特に7.5:92.5~1:99の範囲、特に5:95~2:98の範囲;より具体的には3:97~2:98の範囲に含まれる。
本発明の上記実施形態のいずれか1つによれば、12-位置異性体対13-位置異性体の重量比は、55:45~99:1の範囲、または20:80~1:99の範囲;より具体的には65:35~99:1の範囲、または10:90~5:95の範囲に含まれる。
「12-位置異性体」および「13-位置異性体」という用語は、当業者が理解する通常の意味を意味している。すなわち、12-位置異性体は(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オンおよび(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オンに対応し、13-位置異性体は(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オンおよび(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オンに対応する。
前述したように、本発明の組成物は、ニトロムスクの方向に予想よりも強いパウダリーノートを伴う、非常に強いムスクの持続性のある匂いを有する。全体的な匂いのプロファイルは、先行技術の成分であるHabanolide(登録商標)と比較した場合、調香師の創造性に新たな方向性を開くため、調香師によって高く評価されている。
実際、本発明の組成物の匂いを先行技術のHabanolide(登録商標)の匂いと比較すると、本発明の組成物は、先行技術の化合物の特徴であるパウダリーおよびアンブレットのノートがより強く、メタリックノートがはるかに弱いことを特徴とする、明らかに異なる匂いのプロファイルによって識別される。さらに、本発明の組成物は、賦香組成物により多くのボリュームをもたらしながら、明らかにより強くより存在感のあるノートを付与する。本発明の組成物は、より評価される嗅覚プロファイルを示すことによっても識別される。全体として、Habanolide(登録商標)は僅かにメタリックな側面を持つ大環状ムスクの方向により近い一方で、本組成物は、ニトロムスクの使用が非常に抑えられているため、特に求められているニトロムスクの方向により近い。
前記相違により、本発明の組成物と先行技術の化合物とが、それぞれ異なる用途、すなわち、異なる官能的印象を付与するのに適したものになる。
前述したように、本発明は、賦香成分としての本発明の組成物の使用に関する。言い換えると、本発明は、賦香組成物または香料入り物品または表面の匂いの特性を付与、増強、改善、または修正するための方法またはプロセスであって、例えばその典型的なノートを付与するために、前記組成物または物品に有効量の本発明の組成物を添加することを含む、方法またはプロセスに関する。最終的な快楽効果は、本発明の組成物の正確な投与量および官能特性に依存し得ることが理解されるが、いずれにせよ、本発明の組成物の添加は、投与量に応じて、その典型的なタッチをノート、タッチ、または側面の形態で最終製品に付与する。さらに、本発明の組成物は、賦香成分の官能特性を増強するために、または一部の賦香成分の不快な臭覚的印象、例えば金属のような、埃っぽい、または化学物質のようなファセットを低減するために使用することもできる。
「本発明の組成物の使用」に関し、本明細書では、本発明の組成物を含有しており香料業界で有利に使用できる任意の組成物の使用も理解されなければならない。
実際に賦香成分として有利に使用できる前記組成物も、本発明の目的である。
したがって、本発明の別の目的は、賦香組成物であって、
i)賦香成分としての、上で定義した少なくとも1種の本発明の組成物;
ii)香料担体および香料基剤からなる群から選択される少なくとも1種の成分;ならびに
iii)任意選択的に、少なくとも1種の香料助剤;
を含む、賦香組成物である。
「香料担体」とは、本明細書では、香料の観点から事実上中性である、すなわち賦香成分の官能特性を大きく変化させない物質を意味する。前記担体は、液体であっても固体であってもよい。
液体担体としては、非限定的な例として、乳化系、すなわち溶剤と界面活性剤の系、または香料において一般的に使用されている溶剤を挙げることができる。香料で一般的に使用されている溶剤の性質およびタイプの詳細な説明は網羅的にはできない。しかしながら、非限定的な例として、最も一般的に使用されているブチレンもしくはプロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコールおよびそのモノエーテル、1,2,3-プロパントリイルトリアセテート、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、1,3-ジアセチルオキシプロパン-2-イルアセテート、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、Abalyn(登録商標)(ロジン樹脂、Eastmanから入手可能)、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール、2-(2-エトキシエトキシ)-1-エタノール、クエン酸トリエチル、またはこれらの混合物などの溶剤を挙げることができ、あるいはグリセロールまたは様々な植物油、例えばパーム油、ヒマワリ油、もしくは亜麻仁油などの天然由来の溶剤も挙げることができる。香料担体と香料基剤との両方を含む組成物に関し、上で特定したもの以外の適切な香料担体は、エタノール、水/エタノール混合物、リモネンもしくは他のテルペン、イソパラフィン、例えば商標Isopar(登録商標)(供給元:Exxon Chemical)として知られているもの、またはグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル、例えば商標Dowanol(登録商標)(供給元:Dow Chemical Company)として知られているもの、または水添ヒマシ油、例えば商標Cremophor(登録商標)RH40(供給元:BASF)として知られているものであってもよい。
固体担体は、賦香組成物または賦香組成物の一部の成分が化学的または物理的に結合できる物質を表すことが意図されている。一般に、そのような固体担体は、組成物を安定化させるために、または組成物もしくは一部の成分の蒸発速度を制御するために使用される。固体担体は当該技術分野で現在使用されているものであり、当業者は望まれる効果に到達させる方法を認識している。しかしながら、固体担体の非限定的な例として、吸収性ガムまたはポリマーまたは無機材料、例えば多孔質ポリマー、シクロデキストリン、デキストリン、マルトデキストリン、木材に基づく材料、有機もしくは無機ゲル、粘土、石膏、タルク、またはゼオライトを挙げることができる。
固体担体の他の非限定的な例としては、カプセル化材料を挙げることができる。そのような材料の例には、グルコースシロップ、天然もしくは加工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、タンパク質もしくはペクチン、アカシアガム(アラビアガム)などの植物ガム、尿素、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、ゼオライト、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、粘土、タルク、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、石膏、硫酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、二酸化チタン、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、炭水化物、糖類、例えばスクロース、単糖、二糖、三糖、および多糖、ならびに誘導体、例えばキトサン、デンプン、セルロース、カルボキシメチルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ポリオール/糖アルコール、例えばソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、およびイソマルト、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルピロリジン(PVP)、ポリビニルアルコール、アクリルアミド、アクリレート、ポリアクリル酸および関連物質、無水マレイン酸コポリマー、アミン官能性ポリマー、ビニルエーテル、スチレン、ポリスチレンスルホン酸塩、ビニル酸、エチレングリコール-プロピレングリコールブロックコポリマー、植物性ガム、アカシアガム、ペクチン、キサンタン、アルギン酸塩、カラギーナン、クエン酸または任意の水溶性固体酸、脂肪アルコールもしくは脂肪酸、およびそれらの混合物、さらにはH. Scherz, Hydrokolloide: Stabilisatoren, Dickungs- und Geliermittel in Lebensmitteln, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitaet, Behr’s Verlag GmbH & Co., Hamburg, 1996などの参照テキストで列挙されている材料などの壁形成および可塑化材料が含まれ得る。カプセル化は、当業者に周知のプロセスであり、例えば噴霧乾燥、凝集、さらには押出などの技術を使用することによって行うことができ;あるいは、コアセルベーションおよび複合コアセルベーション技術を含むコーティングカプセル化からなる。
固体担体の非限定的な例としては、特に、任意選択的には高分子安定剤またはカチオン性コポリマーの存在下、重合、界面重合、コアセルベーション、またはそれら全部によって誘導される相分離プロセスのような技術を使用する(全ての前記技術は先行技術に記載されている)、アミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレア、またはポリウレタンタイプの樹脂、またはこれらの混合物を含むコア-シェルカプセルを挙げることができる(全ての前記樹脂は当業者に周知である)。
樹脂は、アルデヒド(例えばホルムアルデヒド、2,2-ジメトキシエタナール、グリオキサール、グリオキシル酸、またはグリコールアルデヒド、およびこれらの混合物)と、アミン、例えば尿素、ベンゾグアナミン、グリコウリル、メラミン、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、グアナゾールなど、およびそれらの混合物との重縮合によって製造することができる。あるいは、商標Urac(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Cymel(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Urecoll(登録商標)またはLuracoll(登録商標)(供給元:BASF)として市販されているものなどの予め形成された樹脂であるアルキロール化ポリアミンを使用することができる。
他の樹脂は、グリセロールのようなポリオールと、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートもしくはキシリレンジイソシアネートの三量体、またはヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット、またはキシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの三量体(Takenate(登録商標)の商標で公知、供給元:三井化学株式会社)のようなポリイソシアネートとの重縮合によって製造されるものであり、これらの中でもキシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの三量体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットが好ましい。
アミノ樹脂、すなわちメラミン系樹脂とアルデヒドとの重縮合による香料のカプセル化に関する影響力のある文献の幾つかには、K. Dietrichらによって公開されたActa Polymerica, 1989, vol. 40, pages 243, 325および683、ならびに1990, vol. 41, page 91などの論文が含まれる。そのような論文には、先行技術の方法に従ったそのようなコア-シェルマイクロカプセルの製造に影響を与える様々なパラメータが既に記載されており、それらは特許文献においてもさらに詳細に記載され、例示されている。Wiggins Teape Group Limitedの米国特許第4,396,670号明細書は、後者の適切な初期の例である。それ以降、多くの他の著者がこの分野の文献を充実させてきており、発表された全ての開発を本明細書で網羅することは不可能であるものの、カプセル化技術における一般的な知識は非常に重要である。そのようなマイクロカプセルの適切な使用を開示しているより最近の関連性のある刊行物は、例えばK. BruyninckxおよびM. Dusselierの論文であるACS Sustainable Chemistry & Engineering, 2019, vol. 7, pages 8041-8054である。
「香料基剤」とは、本明細書では、少なくとも1種の賦香併用成分を含む組成物を意味する。
「賦香併用成分」とは、本明細書では、快楽効果を付与するために、すなわち匂いを付与または調節するという主目的のために使用される、賦香製剤または組成物中で使用される化合物を意味する。言い換えると、そのような併用成分は、賦香成分であるとみなされるためには、匂いを有するだけでなく、組成物の匂いを肯定的な形または心地よい形で付与または修正できると当業者によって認識されなければならない。
基剤中に存在する賦香併用成分の性質およびタイプは、本明細書でより詳細な説明を保証するものではなく、いずれの場合においても網羅的ではなく、当業者はその一般常識に基づいて、ならびに使用目的または用途および望まれる官能効果に従って選択することができる。一般的な用語では、これらの賦香併用成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペノイド、窒素または硫黄のヘテロ環化合物、および精油などの多様な化学的分類に属しており、前記賦香併用成分は天然であっても合成起源であってもよい。
特に、以下のような香料配合物で一般的に使用されている賦香併用成分を挙げることができる:
- アルデヒド成分:デカナール、ドデカナール、2-メチル-ウンデカナール、10-ウンデセナール、オクタナール、ノナナール、および/またはノネナール;
- 芳香性ハーブ成分:ユーカリオイル、樟脳、ユーカリプトール、5-メチルトリシクロ[6.2.1.0~2,7~]ウンデカン-4-オン、1-メトキシ-3-ヘキサンチオール、2-エチル-4,4-ジメチル-1,3-オキサチアン、2,2,7/8,9/10-テトラメチルスピロ[5.5]ウンデカ-8-エン-1-オン、メントール、および/またはα-ピネン;
- バルサム成分:クマリン、エチルバニリン、および/またはバニリン;
- 柑橘成分:ジヒドロミルセノール、シトラール、オレンジオイル、酢酸リナリル、シトロネリルニトリル、オレンジテルペン、リモネン、1-p-メンテン-8-イルアセテート、および/または1,4(8)-p-メンタジエン;
- フローラル成分:ジヒドロジャスモン酸メチル、リナロール、シトロネロール、フェニルエタノール、3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール、ヘキシルシンナムアルデヒド、酢酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、テトラヒドロ-2-イソブチル-4-メチル-4(2H)-ピラノール、ベータイオノン、2-(メチルアミノ)安息香酸メチル、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、1-(2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-[2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、2,5-ジメチル-2-インダンメタノール、2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート、3-(4,4-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール、サリチル酸ヘキシル、3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール、3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、酢酸ベルジル、ゲラニオール、p-メンス-1-エン-8-オール、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアセテート、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、サリチル酸アミル、高cisジヒドロジャスモン酸メチル、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、ベルジルプロプリオネート(proprionate)、酢酸ゲラニル、テトラヒドロリナロール、cis-7-p-メンタノール、プロピル(S)-2-(1,1-ジメチルプロポキシ)プロパノエート、2-メトキシナフタレン、2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエチルアセテート、4/3-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、アミルシンナムアルデヒド、8-デセン-5-オリド、4-フェニル-2-ブタノン、酢酸イソノニル、酢酸4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシル、イソ酪酸ベルジル、および/またはメチルイオノン異性体混合物;
- フルーティー成分:γ-ウンデカラクトン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、2-メチル-4-プロピル-1,3-オキサチアン、4-デカノリド、2-メチル-ペンタン酸エチル、酢酸ヘキシル、2-メチルブタン酸エチル、γ-ノナラクトン、ヘプタン酸アリル、イソ酪酸2-フェノキシエチル、エチル2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテート、3-(3,3/1,1-ジメチル-5-インダニル)プロパナール、ジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、3-メチル-2-ヘキセン-1-イルアセテート、1-[3,3-ジメチルシクロヘキシル]エチル[3-エチル-2-オキシラニル]アセテート、および/またはジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート;
- グリーン成分:2-メチル-3-ヘキサノン(E)-オキシム、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、2-tert-ブチル-1-シクロヘキシルアセテート、スチラリルアセテート、アリル(2-メチルブトキシ)アセテート、4-メチル-3-デセン-5-オール、ジフェニルエーテル、(Z)-3-ヘキセン-1-オール、および/または1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン;
- ムスク成分:1,4-ジオキサ-5,17-シクロヘプタデカンジオン、(Z)-4-シクロペンタデセン-1-オン、3-メチルシクロペンタデカノン、1-オキサ-12-シクロヘキサデセン-2-オン、1-オキサ-13-シクロヘキサデセン-2-オン、(9Z)-9-シクロヘプタデセン-1-オン、2-{(1S)-1-[(1R)-3,3-ジメチルシクロヘキシル]エトキシ}-2-オキソエチルプロピオネート3-メチル-5-シクロペンタデセン-1-オン、1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-シクロペンタ-g-2-ベンゾピラン、(1S,1’R)-2-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシ]-2-メチルプロピルプロパノエート、オキサシクロヘキサデカン-2-オン、および/または(1S,1’R)-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート;
- ウッディ成分:1-[(1RS,6SR)-2,2,6-トリメチルシクロヘキシル]-3-ヘキサノール、3,3-ジメチル-5-[(1R)-2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-4-ペンテン-2-オール、3,4’-ジメチルスピロ[オキシラン-2,9’-トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ[4]エン、(1-エトキシエトキシ)シクロドデカン、2,2,9,11-テトラメチルスピロ[5.5]ウンデカ-8-エン-1-イルアセテート、1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン、パチョリオイル、パチョリオイルのテルペン画分、Clearwood(登録商標)(供給元:Firmenich SA)、(1’R,E)-2-エチル-4-(2’,2’,3’-トリメチル-3’-シクロペンテン-1’-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、メチルセドリルケトン、5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテニル)-3-メチルペンタン-2-オール、1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタン-1-オン、および/またはイソボルニルアセテート;
- 他の成分(例えばアンバー、パウダリー、スパイシー、またはウォータリー):ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチル-ナフト[2,1-b]フランおよびその任意の立体異性体、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、オイゲノール、シンナムアルデヒド、クローブオイル、3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン、2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロ-2-ナフタレノール、1-フェニルビニルアセテート、6-メチル-7-オキサ-1-チア-4-アザスピロ[4.4]ノナン、および/または3-(3-イソプロピル-1-フェニル)ブタナール。
特定の実施形態によれば、本発明の賦香組成物は、賦香併用成分として少なくとも1種のウッディ成分を含む。
本発明による香料基剤は、上述した賦香併用成分に限定されなくてよく、これらの併用成分の他の多くは、いずれの場合も、S. Arctanderによる書籍であるPerfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USAもしくはそのより最近のバージョンなどの参照テキスト、または同様の性質の他の著作物、ならびに香料分野の豊富な特許文献の中に列挙されている。前記併用成分は、プロパフュームまたはプロフレグランスとしても知られている様々なタイプの賦香化合物を制御された形で放出することが知られている化合物であってもよいことも理解される。適切なプロパフュームの非限定的な例としては、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブタノン、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブタノン、トランス-3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-ブタノン、3-(ドデシルスルホニル)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-1-オン、(3-メルカプトプロピル)(メチル)ジメトキシシランの直鎖ポリシロキサンコポリマー、2-(ドデシルチオ)オクタン-4-オン、2-(ドデシルスルホニル)オクタン-4-オン、4-オキソオクタン-2-イルドデカノエート、2-フェニルエチルオキソ(フェニル)アセテート、3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルオキソ(フェニル)アセテート、(Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルオキソ(フェニル)アセテート、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-イルヘキサデカノエート、ビス(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)サクシネート、(2E,6Z)-2,6-ノナジエニルヘキサデカノエート、(2E,6Z)-2,6-ノナジエン-1-イルテトラデカノエート、(2E,6Z)-2,6-ノナジエン-1-イルドデカノエート、(2-((2-メチルウンデカ-1-エン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(3-メチル-4-フェネトキシブタ)-3-エン-1-イル)ベンゼン、(3-メチル-4-フェネトキシブタ-3-エン-1-イル)ベンゼン、1-(((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イル)オキシ)-2-メチルウンデカ-1-エン、(2-((2-メチルウンデカ-1-エン-1-イル)オキシ)エトキシ)ベンゼン、2-メチル-1-(オクタン-3-イルオキシ)ウンデカ-1-エン、1-メトキシ-4-(1-フェネトキシプロパ-1-エン-2-イル)ベンゼン、1-メチル-4-(1-フェネトキシプロパ-1-エン-2-イル)ベンゼン、2-(1-フェネトキシプロパ-1-エン-2-イル)ナフタレン、(2-フェネトキシビニル)ベンゼン、2-(1-((3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イル)オキシ)プロパ-1-エン-2-イル)ナフタレン、(2-((2-ペンチルシクロペンチリデン)メトキシ)エチル)ベンゼン、4-アリル-2-メトキシ-1-((2-メトキシ-2-フェニルビニル)オキシ)ベンゼン、(2-((2-ヘプチルシクロペンチリデン))メトキシ)エチル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(1-フェネトキシプロパ-1-エン-2-イル)ベンゼン、(2-((2-メチル-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタ-1-エン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(2-メチル-3-フェネトキシアリル)ベンゼン、(2-((2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキシリデン)メトキシ)エチル)ベンゼン、1-イソプロピル-4-メチル-2-((2-ペンチルシクロペンチリデン)メトキシ)ベンゼン、2-メトキシ-1-((2-ペンチルシクロペンチリデン)メトキシ)-4-プロピルベンゼン、2-エトキシ-1-((2-メトキシ-2-フェニルビニル)オキシ)-4-メチルベンゼン、3-メトキシ-4-((2-メトキシ-2-フェニルビニル)オキシ)ベンズアルデヒド、1-イソプロピル-2-((2-メトキシ)-2-フェニルビニル)オキシ)-4-メチルベンゼン、4-((2-(ヘキシルオキシ)-2-フェニルビニル)オキシ)-3-メトキシベンズアルデヒド、またはそれらの混合物を挙げることができる。
「香料助剤」とは、本明細書では、色、特定の耐光性、化学的安定性などの追加で加えられる利点を付与できる成分を意味する。賦香組成物において一般に使用されている助剤の性質およびタイプの詳細な説明は、網羅することはできないものの、前記成分は当業者に周知であることに言及しなければならない。具体的な非限定的な例として以下のものを挙げることができる:粘度剤(例えば界面活性剤、増粘剤、ゲル化および/またはレオロジー調整剤)、安定剤(例えば防腐剤、酸化防止剤、熱/光およびまたは緩衝剤またはキレート剤、例えばBHT)、着色剤(例えば染料および/または顔料)、防腐剤(例えば抗菌剤または抗微生物剤または抗真菌剤または抗刺激剤)、研磨剤、皮膚冷却剤、定着剤、防虫剤、軟膏、ビタミン、ならびにこれらの混合物。「調節剤」とも呼ばれる「定着剤」とは、本明細書では、前記調節剤が配合された組成物の匂い、ならびに特に蒸発速度および強度が、観察者または使用者によって経時的に知覚され得る形で、調節剤がない状態の同じ知覚と比較して影響を及ぼす能力を有する作用物質であると理解される。特に、調節剤により、香りが知覚される時間を延長することができる。適切な調節剤の非限定的な例としては、メチルグルコシドポリオール;エチルグルコシドポリオール;プロピルグルコシドポリオール;イソセチルアルコール;PPG-3ミリスチルエーテル;ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール;ラウリン酸スクロース;ジラウリン酸スクロース、ミリスチン酸スクロース、パルミチン酸スクロース、ステアリン酸スクロース、ジステアリン酸スクロース、トリステアリン酸スクロース、ヒアルロン酸ジサッカリドナトリウム塩、ヒアルロン酸ナトリウム、プロピレングリコールプロピルエーテル;ジセチルエーテル;ポリグリセリン-4エーテル;イソセテス-5;イソセテス-7、イソセテス-10;イソセテス-12;イソセテス-15;イソセテス-20;イソセテス-25;イソセテス-30;ラウロアンホジプロピオン酸二ナトリウム;ヘキサエチレングリコールモノドデシルエーテル;およびそれらの混合物;ジイソノナン酸ネオペンチルグリコール;エチルヘキサン酸セテアリル;パンテノールエチルエーテル、DL-パンテノール、n-ノナン酸N-ヘキサデシル、n-ノナン酸nオクタデシル、プロフレグランス、シクロデキストリン、カプセル化、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。賦香組成物の総重量を基準として最大20重量%の調節剤を香料入り消費者製品に配合することができる。
当業者は、単に当該技術分野の標準的な知識を適用することにより、および試行錯誤の方法論により、賦香組成物の上述した成分を混合することで、望まれる効果のための最適な処方を完全に設計できることが理解される。
上で定義した少なくとも1種の組成物と少なくとも1種の香料担体とからなる本発明の組成物は、本発明の特定の実施形態、ならびに上で定義した少なくとも1種の組成物と、少なくとも1種の香料担体と、少なくとも1種の香料基剤と、任意選択的な少なくとも1種の香料助剤とを含有する賦香組成物からなる。
明確にするために述べておくと、化学合成から直接得られる任意の混合物、例えば本発明の組成物が出発物質、中間体、または最終生成物として含まれる適切な精製が行われていない反応媒体は、前記混合物が本発明の化合物を香料に適した形で提供しない限り、本発明の賦香組成物とみなすことはできないことも理解される。したがって、別段の記載がない限り、未精製の反応混合物は通常本発明から除外される。
本発明の組成物は、前記組成物が添加される消費者製品の匂いを肯定的に付与または修正するために、最新の香料、すなわち高級香料または機能性香料の全ての分野において有利に使用することもできる。したがって、本発明の別の目的は、上で定義した少なくとも1種の組成物を賦香成分として含む、香料入り消費者製品からなる。
本発明の組成物は、そのままで、または本発明の賦香組成物の一部として添加することができる。
明確にするために述べておくと、「香料入り消費者製品」は、それが適用される表面または空間(例えば皮膚、毛髪、布地、または家庭内の表面)に少なくとも心地よい賦香効果をもたらす消費者製品を指すことが意図されている。言い換えると、本発明による香料入り消費者製品は、望まれる消費者製品に対応する機能性配合物および任意選択的な追加の有益な作用物質と、嗅覚有効量の少なくとも1種の本発明の組成物とを含有する香料入り消費者製品である。明確にするために述べておくと、前記香料入り消費者製品は非食用製品である。
香料入り消費者製品の成分の性質およびタイプは、本明細書でより詳しい記載を保証するものではなく、いずれにしても網羅的ではない。当業者は、一般的な知識に基づいて、および前記製品の性質および望まれる効果に応じてこれらを選択することができる。
適切な香料入り消費者製品の非限定的な例としては、高級香料などの香料、スプラッシュもしくはオードパルファム、コロン、またはシェーブもしくはアフターシェーブローション;任意選択的にはポッドまたはタブレットの形態である液体または固体の洗剤、布地柔軟剤、液体または固体の香り増強剤、ドライヤーシート、布地消臭剤、アイロン水、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品などのファブリックケア製品;ヘアケア製品(例えばシャンプー、リーブオンまたはリンスオフタイプのヘアコンディショナー、着色製剤またはヘアスプレー、カラーケア製品、毛髪成形製品、デンタルケア製品)、消毒剤、インティメイトケア製品などのボディケア製品;化粧品(例えばスキンクリームもしくはローション、バニシングクリームまたはデオドラントまたは制汗剤(例えばスプレーまたはロールオン)、脱毛剤、タンニング製品、日焼け製品、アフターサン製品、ネイル製品、皮膚洗浄剤、化粧);またはスキンケア製品(例えば石鹸、シャワーもしくはバスのムース、オイルもしくはジェル、または衛生製品、またはフットケア/ハンドケア製品);家庭内の空間(部屋、冷蔵庫、食器棚、靴、または車)および/または公共スペース(ホール、ホテル、モールなど)で使用可能な、空気消臭剤や「すぐに使える」粉末空気消臭剤などのエアケア製品;または、カビ取り剤、家具手入れ用品、ワイプ、食器用洗剤、もしくは硬い表面(例えば床、浴槽、サニタリー、または窓拭き)の洗剤などのホームケア製品;レザーケア製品;ポリッシュ、ワックス、またはプラスチッククリーナーなどのカーケア製品が挙げられる。
本発明の任意の実施形態によれば、本発明の香料入り消費者製品は、1以上のpHによって特徴付けられる。特に、本発明の香料入り消費者製品は、1~12、または1~8に含まれるpHを有する。さらにより具体的には、本発明の香料入り消費者製品は、1~6に含まれるpHを有する。
特定の実施形態によれば、本発明の香料入り消費者製品は、パーソナルケア、ホームケア、またはファブリックケアの消費者製品、特にシャワージェル、シャンプー、石鹸、布地洗剤、または柔軟剤および汎用クリーナーにおいて一般的な成分を含む、パーソナルケア、ホームケア、またはファブリックケアの消費者製品の形態である。香料入り消費者製品の主な機能成分は、衣類、カーテン生地、カーペットおよび家具の生地などの様々な性質の布地および/もしくは繊維製品、またはその他の家庭の表面、皮膚、もしくは毛髪を洗浄することおよび/または柔軟にすることができる界面活性剤および/または柔軟剤成分であり、典型的には、多量の水または水系溶剤中で使用される。したがって、これらは、水の量が最大でも20%である石鹸または固形洗剤を除いて、水の量が典型的には香料入り消費者製品の50~99重量%に含まれる配合物である。
そのような布地洗浄剤配合物および/または柔軟剤配合物のより詳細な説明は本明細書では保証されず、現在の液体配合物の多くの説明は、クリーナー/布地柔軟剤の特許および他の関連文献、例えばLouis Ho Tan Taiのテキストである“Detergents et Produits de Soins Corporels, Chapters 1 to 7 in particular, Dunod, Paris, 1999、または液体柔軟剤および汎用クリーナー配合物の技術に関するその他の同様のかつ/またはより最近のテキストの中で見ることができる。特許公開である国際公開第2010/105873号にも、特に第9頁から第21頁において、そのような液体製品の香料以外の典型的な現行の成分について記載されている範囲において、例として列挙されている。当然、液体クリーナーおよび/または布地柔軟剤配合物の他の多くの例は文献で見ることができる。任意のそのような液体配合物、すなわち液体布地クリーナーまたはコンディショナーおよび/または汎用クリーナーを、本明細書に記載の組成物に使用することができる。
本発明の特定の実施形態によれば、本発明の香料入り消費者製品は、香料入り消費者製品の総重量を基準として85~100重量%に含まれる量で布地柔軟剤活性基剤を含む液体布地柔軟剤である。布地柔軟剤活性基剤の主成分は水または水系溶剤である。布地柔軟剤活性基剤は、ジアルキル第四級アンモニウム塩、ジアルキルエステル第四級アンモニウム塩、ハンブルグエステルクワット、トリエタノールアミンクワット、シリコーン、およびそれらの混合物を含み得る。任意選択的には、組成物の布地柔軟剤活性基剤は、粘度調整剤、好ましくは塩化カルシウムからなる群から選択される粘度調整剤を、液体基剤の総重量を基準として0.05~1重量%に含まれる量でさらに含み得る。
本発明の特定の実施形態によれば、本発明の香料入り消費者製品は、香料入り消費者製品の総重量を基準として85~100重量%に含まれる量で汎用クリーナー活性基剤を含む汎用クリーナーである。汎用クリーナー活性基剤の主成分は水または水系溶剤である。汎用活性基剤は、1~2%に含まれる量の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、2%~4%に含まれる量の非イオン性界面活性剤、および0.1~0.5%に含まれる量のクエン酸などの酸を含み得る。
本発明の特定の実施形態によれば、本発明の香料入り消費者製品は、香料入り消費者製品の総重量を基準として85~100重量%に含まれる量で液体洗剤活性基剤を含む液体洗剤である。液体洗剤の活性基剤の主成分は水または水系溶剤である。液体洗剤活性基剤は、アルキルベンゼンスルホン酸塩(ABS)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、第二級アルキルスルホン酸塩(SAS)、第一級アルコール硫酸塩(PAS)、ラウリルエーテル硫酸塩(LES)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、メチルエステルスルホン酸塩(MES)などのアニオン性界面活性剤;アルキルアミン、アルカノールアミド、脂肪アルコールポリ(エチレングリコール)エーテル、脂肪アルコールエトキシレート(FAE)、エチレンオキシド(EO)およびプロピレンオキシド(PO)コポリマー、アミンオキシド、アルキルポリグルコシド、アルキルポリグルコサミドなどの非イオン性界面活性剤;またはそれらの混合物を含み得る。
本発明の特定の実施形態によれば、本発明の香料入り消費者製品は、香料入り消費者製品の総重量を基準として85~100重量%に含まれる量で固体洗剤活性基剤を含む固体洗剤である。固体洗剤活性基剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、双性イオン性の界面活性剤およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤を含み得る。固体洗剤活性基剤中の界面活性剤は、好ましくは、直鎖アルケンベンゼンスルホン酸塩(LABS)、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、α-オレフィンスルホン酸塩(AOS)、メチルエステルスルホン酸塩(MES)、アルキルポリグリコシド(APG)、第一級アルコールエトキシレート、特にラウリルアルコールエトキシレート(LAE)、第一級アルコールスルホン酸塩(PAS)、石鹸、およびそれらの混合物からなる群から選択される。固体洗剤活性基剤は、TAED(テトラアセチルエチレンジアミン)などの漂白剤;緩衝剤;ゼオライト、炭酸ナトリウム、またはそれらの混合物などのビルダー;土壌放出ポリマーまたは土壌懸濁ポリマー;セルラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼ、またはそれらの混合物などの顆粒化酵素粒子;腐食防止剤;消泡剤;泡抑制剤;染料;ケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、またはそれらの混合物などの充填剤;過炭酸ナトリウムまたは過ホウ酸ナトリウムなどの過酸化水素源;およびそれらの混合物からなる群から選択される、粉末洗剤消費者製品に一般的に使用される更なる成分を含み得る。
本発明の特定の実施形態によれば、本発明の香料入り消費者製品は、香料入り消費者製品の総重量を基準として85~100重量%に含まれる量でシャンプーまたはシャワージェル活性基剤を含むシャンプーまたはシャワージェルである。シャンプーまたはシャワージェル活性基剤の主成分は、水または水系溶剤である。シャンプーシャワージェル活性基剤は、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸アンモニウム、アルキルアンホ酢酸塩、コカミドプロピルベタイン、コカミドMEA、アルキルグルコシド、およびアミノ酸に基づく界面活性剤を含み得る。
本発明の特定の実施形態によれば、本発明の香料入り消費者製品は、香料入り消費者製品の総重量を基準として85~100重量%に含まれる量で石鹸活性基剤を含む固形石鹸である。固形石鹸活性基剤は、弱酸の塩、典型的には、脂肪酸であってよい弱酸と水酸化ナトリウムのような強塩基との塩を含み得る。
上述した香料入り消費者製品の一部は、本発明の組成物にとって攻撃的な媒体となる可能性があるため、例えばカプセル化によって、または酵素、光、熱、もしくはpH変化などの適切な外部刺激によって本発明の成分を放出するのに適した別の化学物質と化学的に結合させることによって、後者を早すぎる分解から保護する必要がある場合がある。
本発明による組成物を前述した様々な製品または組成物に配合することができる割合は、値の広い範囲内で変化する。これらの値は、香料が付与される物品の性質および望まれる官能効果、ならびに本発明による組成物を賦香併用成分と混合する場合の所定の基剤中の併用成分の性質、当該技術分野で一般的に使用される溶剤または添加剤に依存する。
例えば、賦香組成物の場合、典型的な濃度は、それらが配合される組成物の重量を基準として、0.001重量%~30重量%程度、さらにはそれ以上の本発明の組成物である。香料入り消費者製品の場合、典型的な濃度は、それらが配合される消費者製品の重量を基準として、0.0001重量%~10重量%程度、さらにはそれ以上の本発明の組成物である。
本発明の組成物は、本明細書の以降で記載されている方法に従って調製することができる。
以降で、以下の実施例によって本発明をさらに詳しく説明する。略語は当該技術分野における通常の意味を有し、温度は摂氏度(℃)で示される。NMRスペクトルは、400MHz(H)および100MHz(13C)で操作されるBruker Avance II Ultrashield 400 plus、または500MHz(H)および125MHz(13C)で操作されるBruker Avance III 500、または600MHz(H)および150MHz(13C)で操作されるBruker Avance III 600クライオプローブを使用して取得した。スペクトルは、テトラメチルシランの0.0ppmを内部標準とした。H NMRのシグナルシフトはδppmで表され、カップリング定数(J)はHzで表され、以下の多重度:s、シングレット;d、ダブレット;t、トリプレット;q、カルテット;m、マルチプレット;b、ブロード(分解されていないカップリングを示す)で表され、これらはBruker Topspinソフトウェアを使用して解析した。13C NMRデータは、DEPT90およびDEPT135実験からのケミカルシフトδppmおよびハイブリダイゼーションで表される:C、第四級(s);CH、メチン(d);CH、メチレン(t);CH、メチル(q)。ガスクロマトグラフィーは、キャリアガスとして水素を用いる、DB-23カラム(20M、0.18mm、0.2μm、H、110℃、3℃/分)を備えたAgilent 6850装置を使用して、2.0mL/分、注入量1.0μL、100:1のスプリットで行った。相対組成はFID検出を使用して%で示した。
実施例1
本発明の組成物の合成
a)市販のHabanolide(登録商標)のエポキシド化
mCPBA(<75%tech.40.5g、1.2当量、176mmol)を、氷浴中で5℃に冷却した市販のHabanolide(登録商標)(35.0g、147mmol)の撹拌されているトルエン(150mL)溶液に少しずつ添加した。懸濁液を周囲温度で4時間撹拌し、次いで水で希釈し、水相をジエチルエーテルで再抽出し、有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液、10%亜硫酸ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空で除去することで、粗製エポキシド混合物40.1gを得た。135~140℃、0.8mbarでのクーゲルロール蒸留によってさらに精製することで、エポキシド混合物36.7gを得た。
(1SR,16SR)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オン
Figure 2024518799000001
(1RS,16RS)-4,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オン
Figure 2024518799000002
(1SR,16RS)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オン
Figure 2024518799000003
(1SR,16RS)-4,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オン
Figure 2024518799000004
b)(1RS,16RS)-4,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンおよび(1SR,16RS)-4,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンの選択的加水分解
工程a)で調製したエポキシド混合物(20.0g、78.7mmol)の撹拌されているギ酸エチル(100mL)溶液に、Amberlyst(登録商標)A-15(2.0g、10重量%)を添加し、懸濁液を周囲温度で18時間撹拌した。懸濁液をジエチルエーテルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空で除去することで、(1SR,16SR)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オン、(1SR,16RS)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オン、(SR)-13-((RS)-1,3-ジヒドロキシプロピル)オキサシクロトリデカン-2-オン、および(SR)-13-((SR)-1,3-ジヒドロキシプロピル)オキサシクロトリデカン-2-オンの混合物21.2gを得た。酢酸エチル:ヘプタンの勾配5:95~15:85を用いてシリカのショートプラグ(18cm、400mL)を通して濾過することによってさらに精製することで、(1SR,16SR)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンと(1SR,16RS)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンとの混合物(10.2g)、混合フラクション(5.2g)が得られ、さらに溶出させると、(SR)-13-((RS)-1,3-ジヒドロキシプロピル)オキサシクロトリデカン-2-オンと(SR)-13-((SR)-1,3-ジヒドロキシプロピル)オキサシクロトリデカン-2-オンとの混合物(6.25g)が得られた。(1SR,16SR)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンと(1SR,16RS)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンとの混合物の更なる精製(10.2g)を、フラッシュクロマトグラフィー(カラム330gのPuriflash(登録商標)40μM、溶離液として酢酸エチル:ヘプタン1:99~5:95の勾配を使用)によって行うことで、(1SR,16SR)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オン(5.1g、主要異性体として)が得られ、さらに溶出させると、(1SR,16SR)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンと、(1SR,16RS)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オン(58/39、E/Z、1.95g)との混合物と、純粋な(1SR,16RS)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オン(1.6g)とが得られた。
c)主要異性体として(1SR,16SR)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンを含む混合物の加水分解
10%のHSO(10mL)を含むTHF(70mL)中で、工程b)で得られた(1SR,16SR)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オン(主要異性体)(5.1g、20mmol)を65℃で12時間加熱した。冷却した混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で希釈し、ジエチルエーテルで抽出し、有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空で除去することで、粗製ジオール4.7gを得た。これはさらに精製することなく次の工程で直接使用した。
(12RS,13SR)-12,13-ジヒドロキシオキサシクロヘキサデカン-2-オン
Figure 2024518799000005
d)工程c)で得られたジオール混合物のオルトエステルへの変換および脱離
クエン酸(170mg、0.9mmol)と、工程c)で調製したジオールの混合物(4.8g、17.6mmol)と、オルトギ酸トリメチル(9.5g、89mmol)との懸濁液を、ロータリーエバポレーターを使用して70℃で45分間加熱して、中間体であるオルトエステルを形成した。溶媒を真空で除去し、残渣を無水酢酸(14.0g、140mmol)に溶解し、混合物をAnton Parr Monowave50を使用して3×1.5gのバッチで150℃にて60分間加熱し、その後冷却した。バッチに分けたものを合わせ、ジエチルエーテル(50mL)で希釈し、炭酸ナトリウム溶液、次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空で除去することで、粗製の本発明の組成物3.7gを得た。ヘプタン:酢酸エチル(99:1~97:3)を溶離液とするフラッシュクロマトグラフィー(220g、Puriflash(登録商標)カラム、40μMのシリカ)でさらに精製することで、純粋な本発明の組成物2.4gが得られ、これをクーゲルロール蒸留した(130℃、0.8mbar)。97%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オンと、約1.1%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オンと、約1.6%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オンとを含む純粋な本発明の組成物2.2gが得られた。
(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン
Figure 2024518799000006
実施例2
本発明の組成物の合成
過酢酸(酢酸中39%、120mmol、23.4g)を、50℃に加熱された撹拌されている一定量の市販のHabanolide(登録商標)(25.0g、97%、105mmol)に2時間かけてゆっくりと滴下した。次いで、10%のHSO(5g)をゆっくりと滴下し、50℃でさらに2時間加熱を継続した。混合物を冷却し、酢酸エチルおよび10%の亜硫酸ナトリウム溶液で希釈し、水相を酢酸エチルで再抽出し、次いで有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、溶媒を真空で除去することで、ジオールの粗製混合物29.2gを得た。このジオール混合物を、ヘプタン:酢酸エチル(1:9)(2×250mL)、次いでヘプタン:酢酸エチル(1:6)(2×250mL)、次いでヘプタン:酢酸エチル(3:7)(500mL)、そして最後にヘプタン:酢酸エチル(1:1)、その後純粋な酢酸エチル(500mL)でシリカのショートプラグ(200mL)を通して濾過することによって精製して、オイルとしてジオール混合物を得た。これはゆっくりと結晶化した。11g。このジオール混合物の一部(5.0g、18.4mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、rac-カンファースルホン酸(250mg、1.07mmol、触媒量)を添加し、混合物を周囲温度で15時間撹拌した。混合物をジエチルエーテルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空で除去することで、目的のジオール混合物5.3gを得た。
C-24ジカルボン酸(455mg、1.14mmol)、上で調製したジオール混合物(5.3g、19.5mmol)、オルトギ酸トリメチル(2.5g、23.5mmol)の溶液を、クーゲルロールフラスコを用いて70℃で45分間加熱し、中間体のオルトエステルを形成した。溶媒を真空で除去し、残渣を真空下(0.8mbar)に置き、155℃~165℃までゆっくり加熱することで、粗製の本発明の組成物4.2gを得た。溶離液としてヘプタン:酢酸エチル(99:1~97:3)を用いるフラッシュクロマトグラフィー(220g、Puriflash(登録商標)カラム、40mMのシリカ)によりさらに精製して、2.1gの純粋な本発明の組成物を得た。これをクーゲルロール蒸留(130℃、0.8mbar)し、61.5%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、約6.1%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、約3.4%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン、および約28.7%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オンを含む純粋な本発明の組成物2.0gを得た。
実施例3
本発明の組成物の合成
a)(1SR,16RS)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンおよび(1SR,16RS)-4,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンの選択的加水分解
実施例1a)で調製したエポキシド混合物(28.0g、110mmol)の撹拌されているTHF(100mL)溶液に、希硫酸(10mL、5%、0.05当量)を添加し、周囲温度で48時間撹拌した。反応混合物をMTBEで希釈し、次いで飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空で除去することで、(12SR,13SR)-12,13-ジヒドロキシオキサシクロヘキサデカン-2-オンと、(13RS,14RS)-13,14-ジヒドロキシオキサシクロヘキサデカン-2-オンと、(1SR,16SR)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンと、(1RS,16RS)-4,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンとの混合物20.9gを得た。小さなシリカプラグ(15cm、200mL)、および溶離液としてのヘプタン:酢酸エチル(99:1~95:5)(100mLのフラクション)を通した濾過によりさらに精製することで、(1SR,16SR)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンおよび(1RS,16RS)-4,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オン7.3gを得た。
(1SR,16SR)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オン
Figure 2024518799000007
(1RS,16RS)-4,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オン
Figure 2024518799000008
b)(1SR,16SR)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンと(1RS,16RS)-4,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンとを含む混合物の選択的加水分解
前の工程で調製した(1SR,16SR)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンと(1RS,16RS)-4,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンとを含む混合物(12:13異性体、65:35、7.3g、28.7mmol)の撹拌されているギ酸エチル(20mL)溶液に、Amberlyst(登録商標)A-15(0.7g、10重量%)を添加し、懸濁液を周囲温度で15時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空で除去することで、(1SR,16SR)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンと(SR)-13-((RS)-1,3-ジヒドロキシプロピル)オキサシクロトリデカン-2-オンとの混合物8.1gを得た。酢酸エチル:ヘプタンの勾配5:95~50:50を用いてシリカのショートプラグ(10cm、200mL)を通して濾過することによりさらに精製することで、4.7gの(1SR,16SR)-5,17-ジオキサビシクロ[14.1.0]ヘプタデカン-6-オンが得られ、さらに溶出させると、(SR)-13-((RS)-1,3-ジヒドロキシプロピル)オキサシクロトリデカン-2-オンが2.35g得られた。
(SR)-13-((RS)-1,3-ジヒドロキシプロピル)オキサシクロトリデカン-2-オン
Figure 2024518799000009
c)(SR)-13-((RS)-1,3-ジヒドロキシプロピル)オキサシクロトリデカン-2-オンの異性化
前の工程で調製した(SR)-13-((RS)-1,3-ジヒドロキシプロピル)オキサシクロトリデカン-2-オン(2.35g,8.6mmol)のジクロロメタン(20mL)溶液に、rac-カンファースルホン酸(200mg、0.8mmol)を添加し、混合物を周囲温度で15時間撹拌した。混合物をジエチルエーテルで希釈し、飽和重炭酸ナトリウム溶液、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空で除去することで、目的の(13RS,14SR)-13,14-ジヒドロキシオキサシクロヘキサデカン-2-オンおよび(13RS,14RS)-13,14-ジヒドロキシオキサシクロヘキサデカン-2-オン2.0gを得た。
(13RS,14SR)-13,14-ジヒドロキシオキサシクロヘキサデカン-2-オン
Figure 2024518799000010
d)オルトエステルの形成および脱離
i)クエン酸を用いたワンポットプロセス
工程c)で調製したジオール(1.0g、3.67mmol)をオルトギ酸トリメチル(2.0g、18.9mmol)に溶解し、クエン酸(35mg、0.18mmol)を添加し、混合物をAnton Parr Monowave 50中で175℃にて2時間加熱し、その後冷却した。反応混合物をジエチルエーテルおよび飽和重炭酸ナトリウム溶液で希釈した。水相をジエチルエーテルで再抽出し、次いで合わせた有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液、次いでブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空で除去することで、まだオルトエステルを約20%含む粗製の本発明の組成物0.9gを得た。溶離液として99:1~97:3のヘプタン:酢酸エチルを用いるPuriflash(登録商標)(40gのカートリッジ、30mM)を使用するクロマトグラフィーによってさらに精製することで、本発明の組成物0.6gを得た。これをクーゲルロール蒸留(0.5mbarで145℃)によってさらに精製し、約5.4%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オンと、約0.3%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オンと、約0.6%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オンと、約93.7%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オンとを含む純粋な本発明の組成物0.45gを得た。
(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン
Figure 2024518799000011
ii)代替方法:オルトエステルの形成、その後の無水酢酸による熱分解
工程c)で調製したジオール(1.0g、3.67mmol)をオルトギ酸トリメチル(2.0g、18.9mmol)に溶解し、クエン酸(35mg、0.18mmol)を75℃で45分間加熱し、その後冷却し、過剰のオルトギ酸を真空で蒸発させて、粗製オルトエステルを得た。
(3aSR,17aRS)-2-メトキシテトラデカヒドロ-7H-[1,3]ジオキソロ[4,5-d][1]オキサシクロヘキサデシン-7-オン
Figure 2024518799000012
粗製オルトエステルをさらに精製することなく使用し、無水酢酸(2.0g、19.6mmol)に溶解し、150℃で1時間加熱し、その後冷却した。混合物をジエチルエーテルおよび水で希釈し、周囲温度で1時間撹拌した。水相をジエチルエーテルで再抽出し、次いで合わせた有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液、次いでブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を真空で除去することで、粗製の本発明の組成物0.8gを得た。溶離液として99:1~97:3のヘプタン:酢酸エチルを用いるPuriflash(登録商標)(40gのカートリッジ、30mM)を使用するクロマトグラフィーによってさらに精製することで、本発明の組成物0.5gを得た。これをクーゲルロール蒸留(0.5mbarで145℃)によってさらに精製し、純粋な約5.5%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、約0.2%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン、約0.6%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン、および約93.7%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オンを0.4g得た。
実施例4
賦香組成物の調製
ファインフレグランス用の賦香組成物は、以下の成分を混合することによって調製した:
Figure 2024518799000013
Figure 2024518799000014
上記ファインフレグランス組成物に、実施例1に記載の組成物2000重量部を添加することで、後者に、強いパウダリーな特徴を有するニトロムスクの方向のムスキーな特徴が付与された。本発明の組成物のブレンドは、クマリンなどのパウダリーな要素およびバニリンなどのオリエンタルノートと特によく調和する。
上記ファインフレグランス組成物に、実施例2に記載の組成物2000重量部を添加することで、強いパウダリーな特徴を有するニトロムスクの方向のムスキーな特徴、ならびにクリーミーでオリエンタルなノートが後者に付与された。本発明の組成物のブレンドは、クマリンなどのパウダリーな要素、バニリンなどのオリエンタルノート、ならびに(-)-(2E)-2-エチル-4-[(1R)-2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-2-ブテン-1-オールおよび5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテニル)-3-メチルペンタン-2-オールなどのウッディ-サンダルウッドの要素と特によく調和する。
同量のHabanolide(登録商標)を添加すると、大環状ムスクの方向であるがウッディな側面を伴うムスキーな特徴も付与された。前記添加により得られる組成物には、パウダリー、クリーミー、およびオリエンタルの特徴がない。Habanolide(登録商標)ブレンドは、シダーウッドオイルや1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノンなどのウッディ-シダー要素と特によく調和する。
本発明の組成物を上記ファインフレグランス組成物に添加すると、組成物により多くのボリュームが得られる。前記効果はHabanolide(登録商標)でも得られるが、その程度は低い。
実施例5
本発明の組成物を含むオードトワレの調製
オードトワレは、オードトワレの総重量に対して12重量%の実施例4の本発明の組成物をエタノールに添加することによって調製した。
実施例6
本発明の組成物を含む液体洗剤の調製
Figure 2024518799000015
液体洗剤は、液体洗剤の総重量に対して0.5~1.5重量%の実施例4の本発明の組成物を、表1の無香料液体洗剤配合物に穏やかに振とうしながら添加することによって調製される。
実施例7
本発明の組成物を含む布地柔軟剤の調製
Figure 2024518799000016
柔軟剤は、65℃に加熱されたメチルビス[エチル(獣脂脂肪酸)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートを秤量することによって調製される。次いで、水および1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンを反応器に入れ、撹拌しながら65℃に加熱する。上記混合物に、メチルビス[エチル(獣脂脂肪酸)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルサルフェートを添加する。混合物を15分間撹拌し、CaClを添加する。その後、柔軟剤の総重量に対して0.5~2重量%の実施例4の本発明の組成物を添加する。混合物を15分間撹拌し、撹拌しながら室温まで冷却する(粘度測定:結果35+/-5mPas.(せん断速度106秒-1))。
実施例8
本発明の組成物を含む透明な等方性(isotropic)シャンプーの調製
Figure 2024518799000017
シャンプーは、ポリクオタニウム-10を水に分散させることによって調製される。相Aの残りの成分を、各添加後に十分に混合しながら、次々に添加することによって別々に混合する。このプレミックスをポリクオタニウム-10分散液に添加し、さらに5分間混合する。次いで、予め混合した相Bおよび予め混合した相Cを撹拌しながら添加する(Monomuls 90L-12をTexapon NSO IS中で加熱して溶融させる)。撹拌しながら相Dおよび相Eを添加する。pHが5.5~6.0になるまでクエン酸溶液でPHを調整することで、無香料のシャンプー配合物が得られる。
香料入りシャンプーは、シャンプーの総重量に対して0.4~0.8重量%の実施例4の本発明の組成物を、表3の無香料シャンプー配合物に穏やかに振とうしながら添加することによって調製される。
実施例9
本発明の組成物を含む構造化シャワージェルの調製
Figure 2024518799000018
シャワージェルは、シャワージェルの総重量に対して0.5~1.5重量%の実施例4の本発明の組成物を、表4の無香料シャワージェル配合物に穏やかに振とうしながら添加することによって調製される。
実施例10
本発明の組成物を含む透明シャワージェルの調製
Figure 2024518799000019
透明シャワージェルは、シャワージェルの総重量に対して0.5~1.5重量%の実施例4の本発明の組成物を、表5の無香料シャワージェル配合物に穏やかに振とうしながら添加することによって調製される。
実施例11
本発明の組成物を含む乳白色シャワージェルの調製
Figure 2024518799000020
透明シャワージェルは、シャワージェルの総重量に対して0.5~1.5重量%の実施例4の本発明の組成物を、表6の無香料シャワージェル配合物に穏やかに振とうしながら添加することによって調製される。
実施例12
本発明の組成物を含むパール光沢のシャンプーの調製
Figure 2024518799000021
Figure 2024518799000022
シャンプーは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドおよびポリクオタニウム-10を、水およびEDTA四ナトリウム中に分散させることによって調製される。相Aが均一になった後、10%NaOH溶液(相B)を添加する。次いで、予め混合した相Cを添加し、混合物を75℃に加熱する。相Dの成分を添加し、均一になるまで混合する。混合物を冷却する。45℃で、混合しながら相Eの成分を添加する。最終粘度を25%NaCl溶液で調整し、5.5~6のpHは10%NaOH溶液で調整する。
香料入りパール光沢シャンプーは、シャンプーの総重量に対して0.4~0.8重量%の実施例4の本発明の組成物を、表7の無香料シャンプー配合物に穏やかに振とうしながら添加することによって調製される。
実施例13
本発明の組成物を含む構造化シャワージェルの調製
Figure 2024518799000023
透明なシャワージェルは、シャワージェルの総重量に対して0.5~1.5重量%の実施例4の本発明の組成物を、表8の無香料シャワージェル配合物に穏やかに振とうしながら添加することによって調製される。
実施例14
本発明の組成物を含む無水制汗剤スプレー配合物の調製
Figure 2024518799000024
無水制汗剤スプレー配合物は、高速撹拌機を使用して調製される。ミリスチン酸イソプロピルとシクロメチコンとの混合物にシリカおよびクオタニウム-18-ヘクトライトを添加する。完全に膨潤した後、混合物が均一になって塊がなくなるまで、撹拌しながらアルミニウムクロロハイドレートを少しずつ添加する。その後、実施例4の本発明の組成物である香油を添加する。
実施例15
本発明の組成物を含むデオドラントスプレーエマルジョン配合物の調製
Figure 2024518799000025
デオドラントスプレーエマルジョン配合物は、表10の順序に従って全ての成分を混合および溶解することによって調製する。エアゾール缶に充填し、噴射剤をクリンプし、添加する。エアゾール充填:40%活性溶液60%プロパン/ブタン(2.5bar)。
実施例16
本発明の組成物を含むデオドラントスティック配合物の調製
Figure 2024518799000026
デオドラントスティック配合物は、パートAの全ての成分を秤量し、70~75℃に加熱することによって得られる。セテアレス-25は、他のパートA成分を混合し、加熱した後に添加する。セテアレス-25が溶解した後、ステアリン酸を添加する。パートBは、トリクロサンを1,2-プロピレングリコールに溶解することによって調製する。蒸発した水は補われる。その後、ゆっくりと混合しながら、パートBをパートAに注ぎ入れる。実施例4の本発明の組成物である香油(相C)を、穏やかに振とうしながら添加する。保存するために、プラスチック袋をバケツに入れ、冷却後に密封する。型に約70℃で充填した。
実施例17
本発明の組成物を含むデオドラントロールオン配合物の調製
Figure 2024518799000027
パートAは、ヒドロキシエチルセルロースを水に少しずつ振りかけながら、ヒドロキシエチルセルロースが完全に膨潤して透明なゲルになるまでタービンで急速に撹拌することによって調製される。混合物全体が均一になるまで撹拌を継続しながら、パートBをパートAにゆっくりと注ぎ入れる。その後、穏やかに振とうしながらパートCとDを添加する。
実施例18
本発明の組成物を含むデイクリームベースO/Wエマルジョンの調製
Figure 2024518799000028
デイクリームベースO/Wエマルジョンは、相Aと相Bを別々に70~75℃に加熱することによって調製される。相Aを相Bに添加し、その後真空引きする。混合物を撹拌し、55℃まで15分間冷却する。室温まで冷却した後、温度が45℃に達したときに、フェノキシエタノール(および)ピロクトンオラミン(パートC)を添加する。混合物を5分間撹拌した後、カルボマーナトリウム(パートD)および実施例4の本発明の組成物である香油(パートE)を添加する。混合物を3分間撹拌し、その後撹拌を15分間停止した。混合物の温度が30℃に達したときに、クリームが均一になり光沢が出て塊がなくなるまで、さらに15分間撹拌を再開する。必要に応じて、Glydant、Phenonip、またはNipaguard PO5でpHを6.70~7.20に、またはNikkoguardでpHを6.30~7.00に調整する。

Claims (14)

  1. 組成物であって、
    a)0.5~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
    b)0.1~10%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
    c)0~10%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン;および
    d)0.5~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン
    (パーセント割合は前記組成物の総重量に対するものである)
    を含み、
    E-ジアステレオ異性体対Z-ジアステレオ異性体の重量比が14:86~0.5:99.5の範囲に含まれる、組成物。
  2. 前記組成物が、
    a)55~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
    b)0.1~7%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
    c)0~6%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン;および
    d)0.5~31%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン
    を含む、請求項1記載の組成物。
  3. 前記組成物が、
    a)90~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
    b)0.1~2.5%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
    c)0~1%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン;および
    d)0.5~2.5%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン
    を含む、請求項1または2記載の組成物。
  4. 前記組成物が、
    a)0.5~10%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
    b)0.1~2.5%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-12-エン-2-オン;
    c)0~3%w/wの(E)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン;および
    d)55~98.8%w/wの(Z)-オキサシクロヘキサデカ-13-エン-2-オン
    を含む、請求項1記載の組成物。
  5. 前記E-ジアステレオ異性体対前記Z-ジアステレオ異性体の前記重量比が10:90~1:99の範囲に含まれる、請求項1から4までのいずれか1項記載の組成物。
  6. 前記E-ジアステレオ異性体対前記Z-ジアステレオ異性体の前記重量比が9.5:90.5~1:99の範囲に含まれる、請求項1から5までのいずれか1項記載の組成物。
  7. 前記E-ジアステレオ異性体対前記Z-ジアステレオ異性体の前記重量比が7.5:92.5~1:99の範囲に含まれる、請求項1から6までのいずれか1項記載の組成物。
  8. 12-位置異性体対13-位置異性体の重量比が、55:45~99:1の範囲、または20:80~1:99の範囲に含まれる、請求項1から7までのいずれか1項記載の組成物。
  9. 賦香組成物または香料入り物品の匂いの特性を付与、増強、改善、または修正するための方法であって、前記組成物または香料入り物品に有効量の、請求項1から8までのいずれか1項記載の組成物を添加することを含む、方法。
  10. 賦香成分としての、請求項1から8までのいずれか1項記載の組成物の使用。
  11. 賦香組成物であって、
    i)少なくとも請求項1から8までのいずれか1項記載の組成物;
    ii)香料担体および香料基剤からなる群から選択される少なくとも1種の成分;ならびに
    iii)任意選択的に、少なくとも1種の香料助剤;
    を含む、賦香組成物。
  12. 少なくとも請求項1から8までのいずれか1項記載の組成物または請求項11記載の賦香組成物を含む、香料入り消費者製品。
  13. 前記香料消費者製品が、香料、ファブリックケア製品、ボディケア製品、化粧品、スキンケア製品、エアケア製品、またはホームケア製品である、請求項12記載の香料入り消費者製品。
  14. 前記香料消費者製品が、高級香料、スプラッシュもしくはオードパルファム、コロン、シェーブまたはアフターシェーブローション、任意選択的にはポッドもしくはタブレットの形態である液体または固体の洗剤、布地柔軟剤、液体または固体の香り増強剤、ドライヤーシート、布地消臭剤、アイロン水、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品、シャンプー、リーブオンまたはリンスオフタイプのヘアコンディショナー、着色製剤、カラーケア製品、毛髪成形製品、デンタルケア製品、消毒剤、インティメイトケア製品、ヘアスプレー、スキンクリームまたはローション、バニシングクリーム、デオドラントまたは制汗剤、脱毛剤、タンニング製品、日焼け製品、アフターサン製品、ネイル製品、皮膚洗浄剤、化粧、香料入り石鹸、シャワーまたはバスのムース、オイルまたはジェル、フットケア/ハンドケア製品、衛生製品、空気消臭剤、「すぐに使える(ready-to-use)」粉末空気消臭剤、カビ取り剤、家具手入れ用品、ワイプ、食器用洗剤、または硬い表面の洗剤、レザーケア製品、カーケア製品である、請求項13記載の香料入り消費者製品。
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