JP2024518743A - カテーテルの感知 - Google Patents

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Abstract

カテーテルからの電極較正データの収集を制御するように使用可能なトリガ信号を供給するための機構である。トリガ信号は、カテーテルが解剖構造に接触している可能性を指示する予測指標に応答し、特定の例では、カテーテルは血液中に全没する。予測指標は、解剖構造に接触するのに応答して変化する2つの測定値の間の比を使用して生成される。

Description

本開示は、一般に、カテーテルの接触感知など、カテーテルの感知に関する。
アブレーションカテーテルなどのカテーテルは、患者の治療における使用が増えている。例えば、心房細動(AF)は、心房の急速で不規則な鼓動を特徴とした異常な心リズムであり、心臓の動悸、気絶、立ちくらみ、息切れ、又は胸痛に関連する。この病気は、心不全、認知症、及び脳卒中のリスク増加に関連する。肺静脈の口における二次ペースメーカーによって生成された電気パルスがAFの原因になることがある。それに応じて、AFを治療する方式の1つに肺静脈分離によるものがあり、これは左心房の内壁を剥離して、肺静脈の口を左心房の残りの部分から分離する傷を形成することを含む。
アブレーションは、高周波(RF)アブレーション、超音波アブレーション、パルスフィールドアブレーション及びクライオアブレーションを含む様々なやり方で実行される。RFアブレーションは、カテーテルの電極に給電し、熱エネルギーを使用して、連続した経壁の傷を生成することを包含する従来のアブレーションプロシージャである。
効果的なアブレーションのために、剥離される解剖構造又は特徴に対して、カテーテルを適切に配置するのが有利である。カテーテルと解剖構造との間の接触を識別する、好ましくは測定することができれば、特に有利である。もちろん、他のタイプのカテーテルも、(例えばペースメーカー/ステントなどのデバイスを挿入するため、又は例えば生検若しくは経中隔穿刺を実行するための組織の穿通のために)解剖構造との接触検知から利益を得ることができる。
接触力レベルを感知するために、いくつかのカテーテルが開発されている。これらのカテーテルは、カテーテルの先端における接触の有無を検知するために複雑な機械的要素(例えばばね)を含む力センサに頼る傾向がある。
WO 2019/215721 A1号によって提案されたものなどの他の既知の手法は、カテーテルが患者の組織に印加する接触力を推定するために、例えば電極の間の間隙にわたるインピーダンスを測定することを提案している。米国特許出願公開第2012/283715 A1号が推奨しているもう1つの手法は、カテーテルと組織(すなわち解剖構造)との間の接触力を測定するために容量性測定値を関連付けることを提案するものである。WO 2017/160808 A1号が提案している別の手法は、異なる周波数において2つの電極の間で測定されたインピーダンスの大きさ値を使用して、接触の有無を判定するものである。
したがって、いくつかの既知の例では、カテーテルの1つ又は複数の電極における測定値が、カテーテルが解剖構造に接しているかどうかを予測するために使用される。
本開示の態様は、カテーテルと解剖構造(例えば臓器、血管など)との間の接触の判定を改善するための電極較正データを生成するデバイス、システム、及び方法を提供するものである。
カテーテルと解剖構造との間の接触の判定で、カテーテルの1つ又は複数の電極から取得された測定値をどのように使用し得るかが前に説明されている。この予測の性能を改善するために、カテーテルによって採用される「ゼロ」の将来の測定値を較正するために使用され得る電極較正データを取得することが有利である。この電極較正データは、例えば(心臓の使用事例のシナリオについては)カテーテルが(例えばすべての電極が)解剖構造には接触せず、全体的に血液に(血液だけに)接触している間に取得されるべきである。
電極較正データを取得するタイミングを制御するための手法が提案される。詳細には、電極較正データを取得するタイミングを制御するトリガ信号を生成するための手法が提案される。
詳細には、解剖構造の1つ又は複数の空洞に挿入するための2つ以上の電極を備えるカテーテルからの電極較正データの収集を制御するトリガ信号を生成して出力するためのプロセッサ回路が提案される。
カテーテルと通信するように構成されたプロセッサ回路は入力インターフェースとデータプロセッサとを備え、入力インターフェースは、1つ又は複数の電極の第1のセットと解剖構造との間の接触及び/又は距離の変化に応答した第1の測定値をカテーテルの1つ又は複数の電極の第1のセットから取得し、1つ又は複数の電極の第2のセットと解剖構造との間の接触及び/又は距離の変化に応答した第2の測定値をカテーテルの1つ又は複数の電極の第2の別のセットから取得するように構成され、入力インターフェースに通信可能に結合されたデータプロセッサは、第1の測定値と第2の測定値との間の比を判定し、判定された比を処理して、カテーテルが解剖構造に接触している可能性を指示する予測指標を生成し、予測指標に応答して変化するトリガ信号を、生成して出力するように構成されている。
カテーテルの電極から取得された測定値を較正するか又は「ゼロ化する」ための電極較正データを取得するタイミングを制御するための手法が提案される。
本発明は、カテーテルの1つ又は複数の電極の、第1のセットから取得された第1の測定値と第2のセットから取得された第2の測定値との間の比を判定することを提案するものである。この比は、カテーテルが解剖構造に接触している可能性を指示する予測指標を生成するために使用される。特定の例では、予測指標は、カテーテルの電極が血液にのみ接触している(すなわち解剖構造には接触していない、すなわち組織には接触していない)可能性を指示する。
次いで、予測指標は、電極較正データの収集を制御する(すなわち、電極較正データを収集するタイミングを制御する)ように構成されたトリガ信号を制御するために使用される。
2つの測定値の間の比を使用して電極較正データを取得するタイミングを制御すると、比の値は、(例えば電極から直接取得された測定値とは異なって)血液の導電率とは無関係であるが、なお、解剖構造に対するカテーテルの接触には(少なくとも部分的に)応答するので、正確な電極較正データを自動的に取得するための機構をもたらし、カテーテルが血液の中にあることの正確な識別が可能になる。
好ましくは、カテーテルはアブレーションカテーテルであり、カテーテルの1つ又は複数の電極の第1のセットは、解剖構造に対してアブレーション処置を適用するために使用される1つ又は複数の電極を備える。
いくつかの実施形態では、第1の測定値は、カテーテルの2つの電極の第1のセットの間のインピーダンス測定値を含む。任意選択で、第2の測定値は、カテーテルの2つの電極の第2のセットの間のインピーダンス測定値を含み、第2のセットは第1のセットとは異なる。
インピーダンス測定値の間の比は、較正データを取得するステップを起動するための特に適切なパラメータをもたらすことが認められた。しかしながら、カテーテルの1つ又は複数の電極のセットから得られる他の測定値も使用可能である。
いくつかの例では、データプロセッサは、判定された比及び第1の測定値を処理することにより、判定された比を処理して、予測指標を生成するように構成される。言い換えれば、判定された比を処理するステップは、少なくとも判定された比及び第1の測定値を入力として受け取る機能を使用して、出力として予測指標を供給するステップを有する。
いくつかの例では、入力インターフェースは、患者の呼吸の動き及び/又は心臓の動きに応答する生理信号を受け取るように構成され、データプロセッサは、判定された比及び生理信号を処理することにより、判定された比を処理して、予測指標を生成するように構成される。カテーテルの電極から取得される測定値の大きさは、呼吸の活動及び/又は心臓の活動による影響を受ける。これらの測定値を考慮に入れることにより、トリガ信号の精度が改善される。
いくつかの例では、データプロセッサは、判定された比を1つ又は複数の第1の所定の値及び/又は範囲と比較することにより、判定された比を処理して、カテーテルが解剖構造と接触しているか否かを予測する予測指標を生成するように構成される。
好ましい例では、データプロセッサは、確率関数を使用して、判定された比を処理することにより、カテーテルが解剖構造に接触している確率を計算し、計算された確率に応答してトリガ信号を生成するように構成される。確率を生成すると、トリガ信号を定義するための、適合可能で融通性のある手法をもたらす。
確率関数は、判定された比の可能な値と確率の可能な値との間の所定のマッピングを定義する。詳細には、マッピングは、比の所定の値に関するベル型又は正規分布である。所定の値はカテーテルに特有のものであって、計算すること又は(例えば試験などによって)前もって定義することが可能である。
いくつかの例では、データプロセッサは、計算された確率を担持するトリガ信号を生成するように構成される。したがって、トリガ信号が、計算された確率を含むので、較正データを取得するステップが、計算された確率に直接応答して制御される。
本明細書で説明された任意のプロセッサ回路と、処理回路であって、プロセッサ回路から出力されたトリガ信号を受け取り、トリガ信号に応答して、カテーテルの電極のうち1つ又は複数から電極較正データを選択的に取得するように構成された処理回路とを備える処理機構も提案される。
処理機構の構成において、プロセッサ回路は、計算された確率を担持するトリガ信号を生成するように構成され、処理回路は、トリガ信号に含有される計算された確率が所定の確率閾値を超過するのに応答して、電極較正データを取得するように構成される。
解剖構造の1つ又は複数の空洞に挿入するための2つ以上の電極を備えるカテーテルを使用する電極較正データの収集を制御するトリガ信号を生成して出力するための(コンピュータ実施)方法も提案される。
この方法は、1つ又は複数の電極の第1のセットと解剖構造との間の接触及び/又は距離の変化に応答して、カテーテルの1つ又は複数の電極の第1のセットから第1の測定値を取得するステップと、1つ又は複数の電極の第2のセットと解剖構造との間の接触及び/又は距離の変化に応答して、カテーテルの1つ又は複数の電極の第2のセットから第2の測定値を取得するステップと、第1の測定値と第2の測定値との間の比を判定するステップと、判定された比を処理して、カテーテルが解剖構造に接触している可能性を指示する予測指標を生成するステップと、予測指標に応答して変化するトリガ信号を、生成して出力するステップとを有する。
コードを含むコンピュータプログラム製品も提案され、コードはプロセッサ回路によって実行されたとき、プロセッサ回路に本明細書で説明された方法の任意のステップを実行させる。また、コンピュータプログラム製品を含むか又は担持している非一時的コンピュータ可読媒体又はデータキャリアも提案される。
本開示は、命令を含むコンピュータプログラム(製品)も提案するものであり、プログラムは、コンピュータ又は処理システムによって実行されたとき、コンピュータ又は処理システムに本明細書で説明された方法(の任意のステップ)を実行させる。
当業者なら、本明細書で説明されたあらゆる方法を、本明細書で説明された装置、システム及び/又はプロセッサ回路の実施形態に反映するように容易に適合させることができるはずであり、逆の場合も同じである。コンピュータプログラム(製品)に関して、当業者なら同様に理解するはずである。
アブレーションプロシージャの前後やその間に、例えばRFカテーテルなどのカテーテルと対象者の組織との間の接触状態を判定するための装置は、プロセッサ回路を備えることができる。したがって、実施形態では、そのような装置は、移動コンピュータ(例えば電話、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ)、若しくは固定コンピュータ(例えばデスクトップコンピュータ、ワークステーション、又は誘電体撮像、マッピングシステム、電気解剖学的マッピングシステム、若しくは他の電気生理学医療システムなどの医療デバイスのコンソール)を備える。実施形態では、プロセッサ回路又はプロセッサデバイスは医療デバイスのコンソールに備えられる。そのような医療デバイスは、誘電体式又は電磁式の撮像システム又はマッピングシステムである。したがって、カテーテルは、電気生理学パラメータを測定するための電気生理学カテーテルである。そのようなカテーテルは、当技術で既知の、電気解剖学的マッピングなどに使用されるEPカテーテルを含む。
本開示のさらなる態様、特徴、及び利点が、以下の発明を実施するための形態から明らかになる。
本開示の例示的実施形態が、添付の概略図を参照しながら説明される。
アブレーションシステムを示す図である。 方法を示す流れ図である。 種々の血液導電率に関する、インピーダンス測定値及びインピーダンス測定値の間の比を示す図である。 調査プロセス中の種々のポイントにおける、インピーダンス測定値及びインピーダンス測定値の間の比を示す図である。 確率関数を示す図である。 カテーテルの電極から得られる種々の測定値を示す図である。 別の方法を示す流れ図である。 アブレーションシステム用の追加構成要素を示す図である。 プロセッサ回路を示す図である。
本開示の原理の理解を促進するために、次に、図面に示された実施形態が参照され、これらを説明するために特定の用語が使用される。しかしながら、本開示の範囲を制限する意図はないことが理解される。本開示に関連する当業者なら気付くように、説明される装置、システム、及び方法に対するあらゆる改変形態及びさらなる修正形態、並びに本開示の原理のあらゆるさらなる用途が最大限に企図されており、本開示の範囲内に含まれる。
本開示は、カテーテルからの電極較正データの収集を制御するように使用可能なトリガ信号を供給するための機構を提案するものである。トリガ信号は、カテーテルが解剖構造に接触している可能性を指示する予測指標に応答し、特定の例では、カテーテルは血液中に全没する。予測指標は、解剖構造に接触するのに応答して変化する2つの測定値の間の比を使用して生成される。
実施形態は、カテーテルの解剖構造への接触に応答する2つの測定値の間の比が、血液の導電率とは無関係であるという認識に基づくものである。これは、カテーテルが血液プールの中にあるとき、より正確な識別が実現され得ることを意味する。
この基本的概念は、カテーテルからの測定値取得の較正を改善するために使用される。
以下の開示は、カテーテルが、例えば心臓壁などの解剖構造に対するアブレーションにおいて実行するためのアブレーション療法のカテーテルである、アブレーションシステムの状況で説明される。しかしながら、提案される概念は、例えば処置及び/又は手術のために解剖構造の1つ又は複数の空洞に挿入する任意のカテーテル(2つ以上の電極を有する)とともに使用するのに適するものである。例として、カテーテルは、(本明細書で説明された)アブレーション療法カテーテル、対象者/患者にデバイス(例えばペースメーカー又はステント)を挿入するためのデバイス挿入カテーテル、(例えば1つ又は複数の生検サンプルを取得するための)生検カテーテル、(例えば経中隔穿刺を実行するために、例えば解剖構造の一部を通して穿刺するための)穿刺カテーテルなどを含む。
1つ又は複数の空洞は、(例えば組織から形成されている)解剖構造によって結合された、患者/対象者の任意の適切な空洞、管又は血管を含み、血液、空気又は他の任意の適切な流体若しくは準流体で満たされる。解剖構造(又は組織)に接触していないカテーテルは、空洞を満たす流体又は準流体(例えば血液など)に完全に接触していると考えられる。
図1は、本発明とともに使用するのに適切なカテーテルの一例であるアブレーション療法カテーテル100を備える、アブレーションシステム10の図解の表示を提供する。アブレーション療法カテーテルは、患者/対象者195の解剖構造190(例えば心臓)の内部で動作しているものとして示されている。適切な解剖構造の他の例は、後に説明される。
アブレーション療法カテーテル100は、可撓性細長部材106に装着する2つ以上の電極101~104を備える。いくつかの実施形態では、カテーテルは(示されるように)、第1の電極101、第2の電極102、第3の電極103及び第4の電極104の4つの電極を備える。しかしながら、カテーテルは、2、4、6、14、16、20、24、30、60を含めて他の数の電極、又は他の任意の適切な数の電極を含み得る。アブレーション療法カテーテル100は、可撓性細長部材106によって、解剖構造190の内部の所望の位置に配置され得る。
アブレーション療法カテーテル100の電極101~104のうち1つ又は複数は、「アブレーション電極」と呼ばれ、解剖構造190を制御可能に剥離することができる。アブレーションは、アブレーション電極(複数可)の出力(例えば出力される電界強度又は熱)を適切に制御するように、アブレーション電極101~104に供給される交番電流(「アブレーション電流」)を制御することによって実行され得る。
アブレーションの一例である高周波アブレーション(RFA)では、各アブレーション電極に中間周波数(例えば350~500kHz)の交番電流を供給することによって熱が生成される。アブレーション電極によって生成された熱が、周囲の組織(すなわち解剖構造190の組織)を剥離する/傷つける。
しかしながら、アブレーション電極は、電気穿孔と称されることもあるパルスフィールドアブレーション(PFA)などの他のタイプのアブレーションを実行するためにも使用される。パルスフィールドアブレーションは、組織に対して近接近で供給される高電圧バーストを使用する非熱アブレーションプロシージャであり、細胞膜にナノスケール気孔(電気穿孔)を誘発して細胞死(すなわち組織のアブレーション)をもたらし得る。
アブレーション電極は、全体的なアブレーションプロシージャ(例えばRFAとPFAとの組合せ)を通じて種々のアブレーションプロシージャの組合せを実行するように制御される。
電極101~104のうちの任意数がアブレーション電極として働くので、アブレーション電極は1つだけでよく、又は複数でもよい。好ましくは、アブレーション療法カテーテル100は、少なくとも最も遠位に配置された電極101(「第1の電極」)が、アブレーション電極であって、近くの組織を選択的に剥離するように、例えば熱の生成の有無を制御され得るように、構成される。
RFA中に、1つ又は複数のアブレーション電極に十分な電流が供給されると、アブレーション電極が、組織と接触していれば、(意図された医療目的のための)適切なアブレーション損傷をもたらすまで加熱されてアブレーションが生じる。PFA中に、1つ又は複数のアブレーション電極に十分な電流/電圧が供給されると(アブレーション電極が所望の組織に十分に近接していれば)アブレーションが生じて、所望の組織に電気穿孔をもたらす。
アブレーションシステム10のアブレーションコントローラ110は、アブレーション療法カテーテル100のアブレーション電極(複数可)101~104の動作を制御することができる。アブレーションコントローラ110は、例えばアブレーション電極(複数可)101~104に供給する電流の大きさを制御する。詳細には、アブレーションコントローラ110は、(例えば可撓性細長部材106の内部に配置された1つ又は複数のワイヤによる)アブレーション電極101~104に対する電気的接続によって、電極101~104に供給する電流を制御する。
詳細には、アブレーションコントローラ110が備える電気信号生成器は、カテーテルの電極による、電圧及び電流を含む電気信号の放射及び/又は取得若しくは感知を制御するように構成される。
アブレーション電極101~104が供給する電流の大きさは、以下で説明される機構のうち1つ又は複数によって、(例えばいくつかの所定のアブレーション方式に対応するように)自動又は手動で制御される。
大抵の場合、RFA中は、温度ベースの、アブレーションの電流又は電力のフィードバックが使用される。
アブレーションコントローラ110は、(例えばマッピングシステムから)カテーテル100の位置を受け取り、その位置が、アブレーションを実行する所定の位置と一致するかどうか判定して、一致する場合にはアブレーションを実行するように構成される。自動アブレーションのための適切な処理は、「Systems and Processes for Map-Guided Automatic Cardiac Ablation」という名称の米国特許出願公開第2018/310987号に説明されている。
アブレーション電極(複数可)は灌注式であってもなくてもよい。灌注式電極なら、電極界面を冷却するための灌注に流体(例えば生理食塩水などの無菌の流体)を配送することができる。これによって、より長い期間にわたって、凝塊の形成なしでより大きい電力を供給することが可能になる。カテーテルは、水の配送を可能にするように適切に適合される(例えば流体ラインなどを備える)。流体の配送はアブレーションコントローラによって制御される。
アブレーション用に使用されない電極101~104は「非アブレーション電極」と呼ばれる。
これらの電極は、解剖構造をマッピングするため、及び/又は解剖構造に対するカテーテルの相対的位置を判定するために、アブレーション電極とともに任意選択で使用される。しかしながら、このプロセスは全体的に任意選択である。
電極を使用して解剖構造(本体ボリューム)をマッピングして、マップの内部のカテーテルの位置を可視化するための手法は、当技術分野で既知の、電気的追跡原理、磁気的追跡原理又はこれらを組み合わせた追跡原理に基づく。例は、例えば、2015年5月12日出願の「Systems and Methods for Tracking an Intrabody Catheter」という名称の米国特許第10,278,616号、及び1997年8月1日出願の「Catheter Location System and Method」という名称の米国特許第5,983,126号に見いだされ、これらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。したがって、電極は、解剖構造をマッピングするため、及び/又は解剖構造に対するカテーテルの相対的位置を識別するために、マッピングシステム(図示せず)と電気通信する。
示された例では、第1の電極101はアブレーション電極である。第2の電極102、第3の電極103及び第4の電極104は、非アブレーション電極である。しかしながら、当業者には他の構成(例えば、電極、アブレーション電極及び/又は非アブレーション電極の種々の総数を使用する構成)が明らかなはずである。
当業者なら、アブレーション療法カテーテル100を適切に配置して、そのアブレーション電極(複数可)の電流の大きさを適切に制御すれば、アブレーション療法カテーテルが作用する解剖構造の(特徴の要素の)アブレーションが容易になることを理解するはずである。
適切なカテーテル及び組立体に関するさらなる詳細は、例えば、全体が参照によって本明細書に組み込まれる「Stabilized Electrophysiology Catheter and Method for Use」という名称の米国特許第6,002,955号、又は前述の米国特許出願公開第2018/310987号に見いだされる。
図1は、カテーテルと解剖構造190との間の接触を予測するか又は検知するように構成された処理回路140をさらに示す。
処理回路140は、電極101~104のうち2つ以上の「接触検知電極」から、アブレーション療法カテーテルの各電極の、解剖構造における1つ又は複数の電界に対する少なくとも1つの電気的応答を取得するように構成された入力インターフェース141を備える。これは、電界の検知を容易にするために、処理回路140を、例えば可撓性細長部材に配設されたワイヤによって、接触検知電極に電気的に接続することによって実行される。これらのワイヤのうちいくつか又はすべてが、アブレーションコントローラ110と共有される。
それに応じて、処理回路140は、カテーテルの電極の電気的応答を判定するために、カテーテルの(接触検知)電極における電気信号を検知するように構成された電気信号計量器を備える。電気信号は、複素形式(例えば交流信号の振幅及び位相)の電圧及び/又は電流を含むか又はこれらから成り、そうではないこともあり得る。それらからインピーダンスが判定されるか又は計算されるが、このことは必須ではない。
処理回路140は、別個の要素として示されているが、いくつかの例ではアブレーションコントローラ110に組み込まれる。他の例では、処理回路140は、システム10の何らかの他の構成要素に組み込まれる。
電極の電気的応答は、解剖構造に存在する電界に対するその電極に関連する特定の電気的パラメータ(例えば電圧又はキャパシタンス)の測定値である。詳細には、電気的応答は、カテーテルの電極によって生成された電界に対するその電極の特定の電気的パラメータ(例えば電圧、電流又はキャパシタンス)の応答の測定値である。
電気的応答は、例えば2つの電極の間のインピーダンス測定値といった、単一の電極から直接導出することができない他のタイプの測定値を取得するように処理されることがある。
したがって、測定値は、複数の電極から取得されることがある(例えば電圧測定値、電流測定値、キャパシタンス測定値、抵抗測定値、インピーダンス測定値など)。
別々の電界は、別々の(ほぼ固有の)周波数において大きさが変化する(すなわち別々の周波数を有する)。このため、処理回路140は、適切なフィルタを使用して、全体的な応答の別々の周波数を別々の電界に帰することにより、(すなわち、ほぼ固有の周波数によって別々の電界を識別することができるので)電極に対する別々の電界の影響を識別することができる。
言い換えれば、(別々の電界が別々のソースに関連付けられるので)特定の電界に対する電極の応答が、周波数ベースのフィルタリングを使用して個々に識別され得る。当業者なら、適切なデジタルフィルタ/アナログフィルタを使用して、電極の全体的な応答の別々の周波数成分を、(1つ又は複数の特定の周波数に関連する)特定の電界に容易に帰することができるはずである。
これらの電界は電極(複数可)101~104自体によって生成され、10~100kHzにあり、例えば10kHz~25kHzである。しかしながら、他の範囲も使用される。それぞれの電極が別々の周波数の電界を生成するので、特定の電極によって生成された電界に対する電極の電気的応答が識別され得る。電界は、例えば、処理回路、アブレーション回路及び/又は電極と電気通信する何らかの他のコントローラ(例えばカテーテルの相対位置を識別するためのマッピングシステム用のコントローラ)によって、制御可能に生成される。
本開示の状況では、電気的応答は、電極の近くにおける電界の大きさの変化に応答する、電気的特性の任意の適切な電気的測定値である。詳細には、電気的応答は、接触検知電極と(接触検知電極が応答する)電界のソースとの間の材料の誘電特性(例えば比誘電率)の変化に応答するあらゆる適切な電気的測定値を含む。したがって、電気的応答は、電圧応答、電流応答、キャパシタンス応答などを含む。
第1の例として、電圧応答は、特定の周波数において電極によって検知される電圧である(例えば、別々の周波数は別々の電界に関連し、例えば別々の電極に関連する)。本明細書で以前に指示されたように、そのような電圧応答は振幅及び位相を有する複素電圧である。
したがって、(電極の)全体的な電圧応答は、それぞれが例えば(E、E、E)といった別々の電界に関連する例えば(V、V、V)といった1つ又は複数の別々の電圧値から形成される。それぞれの電圧値が別々の電圧応答を表す。
電圧値は、(特定の電界に関する特定の周波数における)関連する電極と基準電極又は接地/アースとの間の(平均)電圧差である。それぞれの電圧値は、別々の電界に関して、ある電極において、(例えば所定周波数を基にフィルタリングすることによって)検知された平均(例えばRMS)電圧である。
本開示の状況では、j番目の電極によって生成された電界に対するi番目の電極の電圧応答は、j番目の電極に供給された電流の周波数における、i番目の電極と接地/基準との間の(平均)電圧差(例えば基準電極における電圧)を指す。
第2の例として、(電極の)全体的なキャパシタンス応答は、特定の電極と電界の既知の発信源との間のキャパシタンスを指示する。したがって、全体的なキャパシタンス応答は、それぞれが例えば(E、E、E)といった別々の電界に関連する例えば(C、C、C)といった2つ以上のキャパシタンス値を含む。それぞれのキャパシタンス値が別々のキャパシタンス応答を表す。
いくつかの実施形態では、処理回路140(又はマッピングシステムなどの他の構成要素)は、電極によって放射される電界を定義するか又は制御するように構成される。例えば、処理回路(又は他の構成要素)は、電極に供給される電流を制御する。電極がアブレーション電極であるなら、この電流は、アブレーションのために供給される電流に重ね合わされる。したがって、処理回路140は、いくつかの例では、カテーテルの電極による電気信号の放射を制御するように構成された電気信号生成器を備える。
それぞれの電極が、(処理回路140又は個別の電界コントローラによって)別々の周波数の電界を放射するように制御される。これは、それぞれの電極に、(例えば可撓性細長部材106に配設されたワイヤによって)関連する周波数の交番電流を供給することによって実行され得る。カテーテルの電極によって放射される周波数は、(解剖構造の不意のアブレーションを防止する一方で、接触(力)検知に適するように)好ましくは20~100kHzである。
この手法により、処理回路140は、電極の応答(例えば電圧応答)における、別々の電極によって生成された別々の電界の効果を識別することができるようになる。したがって、処理回路は、ある電極の、別の電極によって生成された電界に対する(電気的)応答を判定することができる。
処理回路140は、1つ又は複数の接触検知電極の1つ又は複数の電気的応答を処理して、カテーテル100が解剖構造(の組織)と接触しているか否かを判定する/予測するように構成される。この情報は、アブレーション治療カテーテルが解剖構造と接触しているか否かの予測に応答して予測信号Sを生成するように使用される。
この予測は、2進の予測(例えば、カテーテルが解剖構造と接触しているか否かの予測)、分類別の予測(例えば「非接触」、「接触」、「強い接触」又は「圧力印加」など、接触のカテゴリの予測)及び/又は連続的な予測(例えば、大きさが、予測された接触の強度/力に依拠する接触値/測定値)である。予測は、カテーテルが解剖構造に接触している可能性を指示する確率である、接触確率を含む。そのような予測を生成する方法はよく知られている。
任意選択で、これは、カテーテルと解剖構造との間の接触力(接触の有無を指示する)を予測することによって実行される。接触力を予測する方法は、当業者には既知のはずであり、例えば、WO 2019/215721 A1は、インピーダンス測定値から接触力を予測する方法を開示している。
一般に、理論による束縛を望むことなく、接触力が増加すると、測定される電界の大きさも増加する。これは、測定される電界の大きさが、ジオメトリ(並びに電極が置かれた電界の大きさ)に少なくとも部分的に依拠するためである。したがって、電界振幅の変化に対する電気的応答を監視すれば、(接触が生じたことを指示するため、又は接触力の大きさを予測するための)接触力の変化の監視を助長する。当業者なら、この教示を基に、電極の電気的応答を、接触力の変化に容易に相関させることができるはずである。
図1は、(例えば特定の電極の電圧応答を判定するために)基準電圧レベルを監視する/供給する基準電極109をさらに示す。基準電極は、基準電圧レベルを供給する外部電極又は内部電極である。基準電極は、例えば対象者の脚に配置される(例えば「右脚パッチ」)。例えば腰部又は骨盤といった他の適切な位置は、当業者には明らかなはずである。内部基準電極はカテーテルの電極である。基準電圧は接地である。
カテーテルが解剖構造と接触しているか否かを予測する性能を改善するために、処理回路140は、電極較正データを取得するように構成される。電極較正データは、例えば、一般にゼロ化又はベースライン決定として知られているプロセスにおいて、カテーテル101から得られた測定値を較正するように使用可能である。例えば、電極較正データは、カテーテルが解剖構造と接触していないとき(例えば、心臓については、すべての電極(又は少なくとも接触判定のために使用される電極)が血液によって全体的に囲まれているとき、呼吸器系については、すべての電極(又は少なくとも接触判定のために使用される電極)がガスなどによって全体的に囲まれているとき)に取得された測定値であるベースライン又は「ゼロ」測定値を含む。電極と組織との間の接触(又は非接触)の識別を改善するために、将来の測定値がベースライン測定値と比較される。
好ましくは、電極較正データは、処理回路によって、いくつかのトリガ信号Sに応答して取得される。トリガ信号は、カテーテルが、例えばアブレーション電極が(心臓系に配置され)完全に血液プールの中、又は他の基準物質プール(ガス又は他の体液)の中にあって、解剖構造と接触していないと考えられることを指示するように使用可能な情報を供給する。
歴史的に、トリガ信号Sはユーザ入力に応答する信号であり、そのため、ユーザは、処理回路の較正又はゼロ化が生じるタイミングを制御できる。これはユーザの注意を必要とし、エラーが発生しやすい。
示された例では、電極較正データは処理回路140によって取得される。しかしながら、他の例では、電極較正データは、カテーテルに通信可能に結合された他の(すなわち処理回路140とは別個の)処理回路によって取得される。次いで、電極較正データは、処理回路140に別個に渡される。
図1の、アブレーションに特有でない要素は、(例えば他のタイプのカテーテルを採用している)以前に説明された他のカテーテルシステムに包含される。例えば、アブレーション治療カテーテル100が別のタイプのカテーテルで置換されて、アブレーション制御が全体的に省略される。したがって、適切な場合には、「アブレーションシステム」及び「アブレーション治療カテーテル」という用語は、それぞれ「カテーテルシステム」及び「カテーテル」で置換される。
本発明は、トリガ信号の供給を改善するための機構、詳細には自動化されたトリガ信号を供給するための機構と、ゼロ化又は他の較正ステップを実行するためのさらに自動化された手法とを提案するものである。
この発明概念は、トリガ信号の手動制御の不都合を克服することを目的とする。詳細には、本発明は、手動ゼロ化の誤差を低減すること、手動ゼロ化を、環境の変化に適合できるようにすること、及び、例えばユーザがゼロ化に関与できないときには、撮像のためにこの情報を使用するなどして、手動ゼロ化の必要性を解消することを目的とする。
図1は、一実施形態によるプロセッサ回路150を示す。プロセッサ回路150は、トリガ信号Sを生成するように構成され、トリガ信号Sは、(処理回路140によって)ゼロ化又は他の較正ステップを実行するために、電極較正データを取得するタイミングを制御するように使用される。
プロセッサ回路150は、カテーテルの2つ以上の電極101~104から測定値を取得する入力インターフェース151を備える。したがって、入力インターフェースは、2つ以上の電極に対して通信可能に結合される。
プロセッサ回路150は、入力インターフェース151に対して通信可能に結合されたデータプロセッサ160も備える。データプロセッサ160は、取得された測定値を処理してトリガ信号Sを生成する。
トリガ信号Sは、プロセッサ回路によって出力インターフェース152に出力される。次いで、トリガ信号Sは、電極較正データを取得するタイミングを制御するために、(例えば処理回路140の入力インターフェース141を通じて)処理回路140に、又は(存在する場合には)他の処理回路に、渡され得る。
図2は、一実施形態による、プロセッサ回路150によって実行される(コンピュータ実施)方法200を示す流れ図である。以下の説明に関して、図1と図2との両方が参照される。
方法200は、カテーテルの1つ又は複数の電極の第1のセットから第1の測定値を取得するステップ210を有する。第1の測定値は、1つ又は複数の電極の第1のセットと解剖構造との間の接触及び/又は距離の変化に応答する。
方法200は、カテーテルの1つ又は複数の電極の、別の第2のセットから、第2の測定値を取得するステップ220も有する。第2の測定値は、1つ又は複数の電極の第2のセットと解剖構造との間の接触及び/又は距離の変化にも応答する。
第1の測定値及び/又は第2の測定値は、電圧測定値、インピーダンス測定値、キャパシタンス測定値、抵抗測定値などである。インピーダンス測定値などのいくつかの測定値は、電極の2つ以上の電気的応答(例えば第1の電極の電圧応答及び第2の電極の電圧応答)から計算される。電圧測定値などの他の測定値は電気的応答に等しく、例えば、電圧測定値は特定の電極の電圧応答に等しい。
ステップ210及び220は、入力インターフェース151によって実行される。
カテーテル100がアブレーションカテーテルであるなら、好ましくは、第1の(又は第2の)測定値は、少なくともカテーテルのアブレーション電極から取得される。
方法200は、第1の測定値と第2の測定値との間の比を判定するステップ230も有する。ステップ230は、例えば第1の測定値を第2の測定値で割るステップ、又は第2の測定値を第1の測定値で割るステップを有する。
方法200は、判定された比を処理して、アブレーション治療カテーテルが解剖構造と接触している可能性を指示する予測指標を生成するステップ240も有する。それによって、心臓などの心臓の組織体における使用事例のシナリオについては、予測指標は、カテーテルが全体的に血液プールの中に/血液プールの中だけにあって解剖構造には接触していない可能性を指示する。
方法200は、予測指標に応答して変化するトリガ信号Sを生成して出力するステップ250も有する。トリガ信号Sは、例えば、予測指標に関する、例えば予測指標自体に関する(符号化された)情報を担持する。他の例では、トリガ信号Sは、例えば電極較正データを取得するべきか否かに関する(2進の)指示といった、さらに処理された予測指標を含有する。
本開示は、電極(複数可)と解剖構造との間の接触/距離の変化に応答する測定値は、血液の導電率に応じて変化する可能性が高いことを認識するものである。詳細には、インピーダンス測定値が、この特性を示すものと確認されている。しかしながら、他の形態の測定値(例えば電圧測定値)もこの特性を示すことが確認されている。
本開示は、電極較正データの取得を起動する目的で、カテーテルが解剖学的なカテーテルと接触していないことを正確に識別するには、ただ1つの測定値(又は複数の測定値の和/平均/積)を監視するだけでは不十分であることを理解するものである。
(1つ又は複数の電極の2つの別々のセットから取得された)2つの別々の測定値の間の比を使用することにより、測定値に対する血液導電率の影響が考慮に入れられて緩和される。この比は、カテーテルが解剖構造と接触すること(例えばカテーテルの一部が他の部分に先んじて接触すること)にも応答する。
図3は、例示のインピーダンス測定値(カテーテルの2つの電極の間のインピーダンスの測定値)に対する血液導電率の影響を示す。これらのインピーダンス測定値は、別々の導電率を有する水槽の水(模造血液)を使用して取得されたものであり、それによって、合成血液導電率をもたらす。
第1のグラフ310は、別々の合成血液導電率に関する電極の第1のセットの間のインピーダンス測定値(「インピーダンス1」)を示す。第2のグラフ320は、同一の血液導電率に関する電極の(別の)第2のセットの間のインピーダンス測定値(「インピーダンス2」)を示す。第3のグラフ330は、これら2つのインピーダンス測定値の間の比(「インピーダンス比」)を示す。
図3は、血液導電率の増加に伴って、第1及び第2のインピーダンス測定値は減少するが、それらの比の(大幅な)変化はないことを明らかに示す。したがって、比は、血液導電率に無関係であるため、(血液に浸されたときにも)所定の値又は判定可能な値331を有する。カテーテルが血液だけに浸されたとき(すなわち、解剖構造に接触していないとき)の比の値は、カテーテルに特有のものであり、計算されることも又は(例えば試験などによって)事前に決定されることも可能である。
図4は、カテーテルが解剖構造に接触することの影響と、第1のインピーダンス測定値、第2のインピーダンス測定値、及び第1のインピーダンス測定値と第2のインピーダンス測定値との間の比に対する影響とを示す。
第1のグラフ410は第1のインピーダンス測定値を示す。第2のグラフ420は第2のインピーダンス測定値を示し、第3のグラフ430は第1のインピーダンス測定値と第2のインピーダンス測定値との間の比を示す。これらは、(第1の時点tにおける)カテーテルと解剖構造との間の接触の前後の期間と、(第2の時点tにおける)「強い接触」の後の期間とのすべてにわたって示されており、「強い接触」は、カテーテルによって解剖構造に圧力が印加されていることを指示する。時点tの直後に、カテーテルの解剖構造への接触が解消される。
接触に応答して、比(すなわち時点tとtとの間の比)が、所定値と異なる値に変化することも理解される。したがって、この比は、血液導電率とは無関係に、カテーテルが解剖構造と接触しているか否か(したがって電極較正データを取得するべき否か)の優れた指標として作用する。
図2に戻って、ステップ240において生成される予測指標は、確率(例えば、0~1、0~10、1~10、0~100又は1~100の値)を含む。したがって、ステップ240は、判定された比を確率関数を使用して処理することにより、判定された比を処理して、アブレーション治療カテーテルが解剖構造に接触している可能性に応答する確率を計算するステップを有する。いくつかの事例では、この確率は、カテーテルが血液プールPBPの中だけにある確率である。
同様に、ステップ250は、計算された確率に応答してトリガ信号を生成するステップを有する。例えば、ステップ250は、計算された確率を担持するトリガ信号を生成するステップ、又は計算された確率に応答してトリガ信号を生成するステップを有する。
これらの例では、ステップ240は、計算された比に確率関数を適用して確率PBPを生成するステップを有する。確率関数は、例えば特定のカテーテルの所定値のあたりに中心があるベル型又は正規分布に従って、例えば比の値を確率の値に直接マッピングする。例えば、比が所定値に等しければ確率値は1になる。比の値が、この所定値のどちらの側に寄っても、確率はより低くなる。
このベル型分布/曲線のシグマすなわち標準偏差は、例えば0.05~0.1であり、例えば0.05である。
実験的に、異なるタイプのカテーテルの間の標準偏差が0.01~0.04であったので、このベル型分布の標準偏差は0.04よりも大きいと好ましい。なおまた、異なるカテーテルの比の間の標準偏差が>0.1であることが発見されたので、このベル型分布曲線の標準偏差は、この値よりも小さいと好ましい。標準偏差が0.05~0.1の範囲内にあれば、確率を正確に計算するための適切な適正値がもたらされる。
確率関数は特定のカテーテルに特有のものである。
いくつかの例では、所定値は、例えばカテーテルを利用する医療プロシージャ中に、時間とともに動的に変化する。
一例では、所定値は、第1の測定値及び/又は第2の測定値がそれぞれ第1の測定値及び/又は第2の測定値に関して以前に記録された値未満に減少し、しかも、計算された比が(現在の)所定値の所定範囲内にあることに応答して、動的に変化される。所定範囲は、例えば、所定値±ベル型分布/曲線の標準偏差に等しい範囲である。他の例では、所定範囲は事前に定義されている。
この実施形態は、血液プールの中に配置されているときに第1の測定値/第2の測定値が最小になると期待されることを認識するものである。したがって、この値が、以前に記録された何らかの(最小)値未満に減少すると、より正確な所定値が入手可能であることを指示する。したがって、第1の測定値/第2の測定値が以前に記録された値未満に減少することに応答して、所定値が更新される。更新される値は、第1の測定値及び/又は第2の測定値に等しい。
第1の測定値及び/又は第2の測定値に関して以前に記録された値は、第1の測定値及び/又は第2の測定値に関する最小の記録された値、或いは較正データが取得された最近の時間(例えば、計算された確率が何らかの所定値を上回った最近の時間)における第1の測定値及び/又は第2の測定値である。
図5は、確率(y軸)を比(x軸)にマッピングする確率関数500の概略図を与える。確率関数は、中心が所定値550(重要なことではないが、ここでの確率は1になる)のあたりにあり、ここからどちら側に寄っても減少し、例えばベル型分布曲線を形成する。
図5に指示された確率は、アブレーションカテーテルが、例えば血液プールとのみ接触して解剖構造とは接触していないことの(数値)確率である。
他の例では、予測指標は、アブレーション治療カテーテルが解剖構造と接触しているか否かを予測する分類別又は2進の予測指標である。例えば、ステップ240は、判定された比を1つ又は複数の第1の所定の値及び/又は範囲と比較することにより、判定された比を処理して、アブレーション治療カテーテルが解剖構造と接触しているか否かを予測する予測指標を生成する。
トリガ信号は、電極較正データを取得するタイミングを制御するための、例えば処理回路に向けた予測指標を担持する。
トリガ信号の精度をさらに改善するために、予測指標は、第1の測定値と第2の測定値との間の比、並びに(比とは無関係の)第1の測定値又は(比とは無関係の)他の予測信号Sに応答する。したがって、ステップ240は、比及び第1の測定値を個別の入力として受け取って、予測指標(例えば確率)を出力として供給するステップを含む。これは、例えば、同時に同一又は類似の比を有する、接触の状況と非接触の状況とを区別するために使用される。時には、実際に接触しているのに、比が、非接触の状況を指示する範囲に入ることが起こり得る。比のみに基づく予測指標は、誤りの非接触指示と、それに続くトリガ信号とを供給することしかできない。第1の測定値又は他の予測信号を独立して使用する予測指標は、この問題をほぼ解消するか又は緩和する。
例として、比に基づく予測指標が0~1の確率であって、0はカテーテルが解剖構造と接触しているという予測を指示し、1はカテーテルが解剖構造と接触していないという予測を指示する(これら2つの極値の間の値は可能性を指示する)、シナリオを考える。このシナリオでは、カテーテルが解剖構造と接触していることを第1の測定値が指示する場合(例えば第1の測定値がいくつかの所定の測定値の閾値を超過する場合)には、比が非接触を指示する範囲内にあっても、確率は0に設定される。第1の測定値が、カテーテルが解剖構造と接触していないことを指示する場合(例えば、測定値の所定の閾値を突破しない場合)には、確率は、確率関数を使用して計算される。そのようなシナリオでは、比が許容できる非接触範囲にある場合、トリガ信号は、生成されず、使用もされない。
いくつかの実施形態では、予測指標は、第1の測定値と第2の測定値との間の比及び予測信号Sに応答する。
したがって、方法200は、(例えば処理回路から)予測信号を取得するステップを有し、予測信号Sは、アブレーション治療カテーテルが解剖構造と接触しているか否かの予測に応答する。ステップ240は、計算された比及び予測信号に基づいて予測指標を生成するように、適切に構成される。
例えば、比に基づく予測指標が0~1の確率であって、0はカテーテルが解剖構造と接触しているという予測を指示し、1はカテーテルが解剖構造と接触していないという予測を指示する、シナリオを考える。このシナリオでは、アブレーション治療カテーテルが解剖構造と接触していることを予測信号Sが指示するなら、比が非接触の指示を許容できる範囲内にあっても、確率は0に設定される。そのようなシナリオでは、比が許容できる非接触範囲にある場合、トリガ信号は、生成されず、使用もされない。
このシナリオでは、アブレーション治療カテーテルが解剖構造と接触していないことを予測信号が指示するなら、確率は、確率関数を使用して比を処理することにより、計算される。
このシナリオの別の例として、予測信号が接触確率を担持する場合には、確率は、確率関数(前述のように比を処理する)の出力と接触確率とを組み合わせることにより、(例えばこの2つを掛け算して)計算される。
これらの実施形態(予測信号S及び/又は第1の測定値を基にトリガ信号を生成する)は、トリガ信号の精度を、詳細には予測指標の精度を改善する。例示の予測信号又は第1の測定値は、以下で説明されるようにV1,2又はZ1,2である。しかしながら、予測信号として、他のそのような測定値も使用される。それぞれの閾値は、既知の平均の基準値に従って設定される。しかしながら、閾値は、例えば、較正データが取得された過去の非接触の状況に関する過去の(同じ処置の)第1の測定値又は他の予測信号にも基づく。そのような場合、新規の第1の信号又は他の予測信号が、例えばそれぞれの以前の(過去の)患者の治療中のものを超過するときには、トリガ信号は与えられない。
いくつかの実施形態では、予測指標は、例えば、カテーテルの1つ又は複数の電極によって取得された心臓内エレクトログラム(IEGM)の未処理の信号といったエレクトログラム信号にさらに応答する。例えば、予測指標は、エレクトログラム信号におけるエレクトログラム活性の検知(電極が組織に接触していることを指示する)に応答して、カテーテルが解剖構造に接触している確率を高く指示するように構成され、電気信号伝導の改善をもたらす。
したがって、方法200は、カテーテルの1つ又は複数の電極から(ユーザインターフェースを介して)エレクトログラム信号を取得するステップを有する。エレクトログラム信号は、心臓の電気活性の変化に応答する信号である。ステップ240は、比及びエレクトログラム信号を基に予測指標を生成するステップを有する。
カテーテルの1つ又は複数の電極の電気的応答を使用して、解剖構造(例えば身体ボリューム)をマッピングし、マップの中にカテーテルの位置を可視化するやり方は以前に説明されている。これは、処理回路又は他の処理機器によって実行され得る。この情報は、カテーテルと解剖構造との間の距離を予測するために使用され得る。これは、一般に、「メッシュまでの距離」の測定値、又は簡単に「メッシュまでの距離」と称される。
予測指標は、メッシュまでの距離の測定値にさらに応答する。例えば、予測指標が確率であるなら、カテーテルが血液プールの中にある可能性の指示は、メッシュまでの距離の減少に応答して減少する。
したがって、方法200は、(例えば処理回路から)メッシュまでの距離の情報を取得するステップを有する。ステップ240は、比及びメッシュまでの距離の情報を基に予測指標を生成するステップを有する。
電気的応答(及びそれから取得される測定値)の大きさは、呼吸活動及び/又は心臓活動の影響を受ける。なおまた、カテーテルが解剖構造と接触するとき、電気的応答の大きさに対する呼吸活動及び/又は心臓活動の影響が増大する。
いくつかの実施形態では、方法200は、(例えば入力インターフェースにおいて)患者の呼吸及び/又は心臓の動きに応答する生理信号を受け取るように構成される。
ステップ240は、判定された比及び生理信号を処理することにより、判定された比を処理して、予測指標を生成するように構成される。言い換えれば、ステップ240は、生理信号及び/又は比を基に予測指標を生成するステップを有する。
例えば生理信号(複数可)及び比を基に予測指標及びエレクトログラム信号を生成するために、以前に提案された実施形態の任意の組合せが実行される。
上記の例は、確率を生成する手法を開示するものであるが、当業者なら、これらの手法を、例えば2進の指標又は分類別の指標といった他の形態の予測指標を生成するように適合させるやり方を容易に認識するはずである。
すべての実施形態が、カテーテルの1つ又は複数の電極の第1のセット及び第2のセットから取得された測定値を利用する。好ましくは、電極の第1のセットと第2のセットとは異なる。さらに好ましくは、第1のセット及び第2のセットは、隣接した電極(すなわちカテーテルに隣接した電極)を有し、このことはトリガ信号の生成の特異性を改善する。
図6は、本開示の種々の実施形態向けに使用され得る、カテーテルの電極から得られるいくつかの測定値を示す。
第1の電極101と第2の電極102との間のインピーダンス測定値である、第1の例示の測定値Z1,2が示されている。インピーダンスは、それぞれの電極の電圧応答を使用して、詳細には、(例えば式1を参照しながら)以前に説明されたように、電極のうち1つによって生成された電界に関連する各電極の電圧値を使用して、計算され得る。インピーダンスの計算中に、2つの電極の間の電流も計算され得る。代わりに、又はそれに加えて、国際特許公開WO2019215721及びWO2021008907のうち任意のものに説明されているように、そのようなインピーダンスも判定され得る。
第2の電極102と第3の電極103との間の、別のインピーダンス測定値である、第2の例示の測定値Z2,3が示されている。このインピーダンスは、第1の例示の測定値と同様のやり方で生成され得る。
第1の例示の測定値は、本開示の目的のために第1の測定値として作用し得、第2の例示の測定値は、本開示の目的のために第2の測定値として作用し得る。したがって、このシナリオでは、電極の第1のセットは第1及び第2の電極を備え、電極の第2のセットは第2及び第3の電極を備える。
しかしながら、ある電極に別の電極によって誘起された電圧、2つの電極の間のインピーダンス、2つの電極の間のキャパシタンスなどの他の測定値(又は測定値の組合せ)も使用され得る。詳細には、誘電特性の変化に応答する任意の適切な測定値が使用され得る。
例えば電圧測定値V2,3である第3の例示の測定値は、第3の電極103に供給された固定周波数の交番電流に対する、すなわち第3の電極103によって生成された電界に対する、第2の電極102の電圧応答である。
適切な測定値の第4の例は、第1の電極101に供給された/第1の電極101による、固定周波数の交番電流に対する、すなわち第1の電極101によって生成された電界に対する、第1の電極101の電圧応答V1,1である。別の例には、第3の電極103と第4の電極104との間のインピーダンスZ3,4のインピーダンス測定値がある。
これらの測定値のすべてが、カテーテルが組織に接触することにより、影響を受けるか又は左右され、したがって、第1の測定値及び/又は第2の測定値としての用途に適する測定値の例を示す。詳細には、誘電特性の変化に応答する任意の測定値が使用され得る。
図3~図4に見られる効果は、以前に説明されたものなどの測定値の他の形態においても同様に認められることが強調される。したがって、実施形態は、予測指標を生成するために、測定値の任意の適切な組合せの間の比を使用する。
図7は、本発明のさらなる実施形態による方法を示す。方法700は、処理回路140、又は較正データを生成する/取得するように構成された他の処理回路によって実行される。図7は、方法700を含む、本発明の別の実施形態による総合的な方法70を示す。
方法700は、例えばプロセッサ回路150からトリガ信号を取得するステップ710を有する。したがって、方法700は、(方法70の一部を形成する)方法200によって出力されたトリガ信号を取得する。
以下の説明のために、トリガ信号は、カテーテルが全体的に血液プールの中にある(すなわち解剖構造と接触していない)確率を含有する/担持すると想定され、この確率は、前述のように第1の測定値と第2の測定値との間の比から導出されたものである。
そこで、方法700は、トリガ信号に基づき、較正データを取得するべきかどうかを判定するステップ720を有する。方法700は、ステップ720の、較正データを取得するとの判定に応答してステップ730に進む。
ステップ720は、例えば、確率を、「再ゼロ化の閾値」と称され得る、いくつかの事前に定義された閾値(例えば、確率に関する、当初は0.9である0~1の閾値)と比較するステップを有する。確率がこの閾値を超える(例えば超過する)ことに応答して、方法はステップ730に進む。
ステップ730は、カテーテルの1つ又は複数の電極から較正データを取得するステップを有する。較正データは、例えば、電極から取得された1つ又は複数の測定値(例えば将来の測定値のための「ゼロ」を表す)を含む。
較正データは、処理回路150によって得られる将来の測定値を、例えば一般に知られているゼロ化機構を使用して較正するために使用される。これはステップ735において行われる(この方法700の他のステップを実行する処理回路はステップ735を実行する必要はない)。したがって、トリガ信号は、ゼロ化(及び/又は他の較正プロセス)が実行されるタイミングを効果的に制御する。
トリガ信号が確率を担持する場合には、方法700は、ステップ730が実行されるときに(のみ)実行される、第1の閾値を変更するステップ740を有する。第1の閾値を変更するステップ740は、所定の閾値を、例えば第1の所定の量だけ増大する、所定の閾値を変更するステップを有する。閾値の変更は、(方法の将来の繰返しのために)較正データが取得される前に、確率指標が、カテーテルが全体的に血液プールの中にあることのより大きい可能性を指示するようにするものである。
方法700は、ステップ730(実行される場合には、及び/又はステップ740)を実行した後にステップ710に戻る。
いくつかの例では、トリガ信号が確率を担持する場合には、方法700は経時的に所定の閾値を変更するように構成される。例えば、較正データが取得される前に、確率指標が、カテーテルが全体的に血液プールの中にある可能性をより低く指示し得るように、変更は、(将来の相互作用のために)所定の閾値を徐々に変化させるように構成される。例えば、所定の閾値は第2の所定の量だけ減少される。
したがって、ステップ720において所定の閾値を超えるために、より低い確率が必要とされ、所定の閾値の値が修正される。このようにして、所定の閾値が経時的に減少又は緩和される。
最後に所定の閾値を減少させてから所定の期間が経過したら、このプロセスは、所定の閾値を(例えば所定の割合だけ)減少させる任意選択のステップ750において実行される。所定の期間は、1秒以上であり、例えば5秒以上、10秒以上である。
このように所定の閾値を緩和すると、(例えば解剖構造の内部のカテーテルの動きを把握するために)時間ベース及び/又は位置ベースの変化に適応するのを支援することができる。さらなる例として、血液の導電率又は血液の他の誘電特性は、時間とともに自然に変化する。
いくつかの例では、トリガ信号が確率を担持する場合には、方法700は、カテーテルの動きに応答して所定の閾値を変更するように構成される。
これは、任意選択のステップ760において実行され、このステップは、所定の閾値を最後に減少させてから、何らかの所定の閾値を超える動きがあったら、移動データを取得して所定の閾値を減少させる。移動データは、動きに応答する任意のデータ(例えば判定された位置に基づく位置の変化及び/又はカテーテル上の加速度計から導出されたカテーテルの移動データ)を含む。
いくつかの例では、方法700の(ステップ730以外の)すべてのステップは、(例えばステップ250における)トリガ信号の生成中に実行される。このシナリオでは、トリガ信号は、較正データを取得するべきか否かを指示する2進の指標(例えば「0」又は「1」)を含む。したがって、プロセッサ回路は、方法700の(ステップ730以外の)一部としてステップ250を効果的に実行し、ステップ730は、他の処理回路によって、例えば2進の指標に応答して実行される。
もちろん、いくつかの例では、プロセッサ回路140及び処理回路150は、同一の処理機構の中に組み込まれる。
図8は、アブレーションシステム10のいくつかのさらなる任意選択の要素を示す。
図8のアブレーションシステムは、他のタイプのカテーテルシステムを提供するように(例えば他のタイプのカテーテルを採用するように)変更され得る。例えば、アブレーション治療カテーテル100は、(以前に説明されたような)別のタイプのカテーテルで置換され、アブレーションコントローラ110が省略される。「アブレーションシステム」への参照は、適切な場合には「カテーテルシステム」という用語によって置換される。
アブレーションシステムは、解剖構造の画像を生成するように構成された撮像システム805を備える。撮像システムは、例えば3次元空間に対するカテーテルの位置を監視することにより、カテーテルの位置を基に、解剖構造の解剖モデルを生成するように動作する。このようにして解剖モデルを生成するための手法は、当業者には、例えば、米国特許第10,278,616号及び米国特許第5,983,126号、又はRomanov、Alexanderらの「High-resolution, real-time, and nonfluoroscopic 3-dimensional cardiac imaging and catheter navigation in humans using a novel dielectric-based system」、Heart rhythm 16.12(2019年):1883~1889頁、といった以前に公表された文献を利用すれば明らかになるはずである。
撮像システムは、ディスプレイを制御して、解剖モデルの視覚的表現を生成し、解剖モデルに対するカテーテルの位置の視覚的表現を任意選択で生成する。
本発明を使用して生成される予測信号Sは、解剖モデルの精度を改善するために使用される。詳細には、カテーテルは、解剖構造と接触すると解剖構造を変形させる。これによって、撮像システムは、解剖構造の形状を(例えば、変形していない解剖構造と比較して)不正確に判定する。
したがって、カテーテルが解剖モデルに接触して例えば(力の閾値量よりも大きい)過大な力を印加すると予測されるとき、(解剖モデルを生成するための)データを無視するために、撮像システムによって予測信号が使用される。これによって、解剖モデルの精度が向上し、したがって、臨床医による解剖構造の状態の理解も向上する。
いくつかの例では、例えばカテーテルの位置を追跡して接触するタイミングを検出することにより、解剖モデルの視覚的表現は、接触の位置を指示するように変更される。
カテーテルが解剖構造に接触しているか否かについての情報は、解剖構造の解剖モデルの生成を改善するために使用され得る。例えば、カテーテルの、(例えば提案された方法を使用して取得された)解剖構造との接触を表す位置は、解剖構造との接触の位置を表さないカテーテルの位置よりも大きく重み付けされ得る。この手法は、カテーテルが解剖構造と(まさに)接触するとき、解剖構造の真の境界をカテーテル位置として記録するので、解剖モデルの生成を改善することができる。接触情報を使用して解剖モデルの生成を改善するためのこの概念は、別個の発明概念を形成することができる。
接触情報(例えば予測信号)がマッピングの精度を改善するために使用され得るのと同様に、いくつかの実施形態は、マッピングを使用して接触検知を改善する。
アブレーションシステムは、以前に説明されたアブレーションコントローラ110を備える。アブレーションコントローラ110は、カテーテル100のアブレーション電極が実行するアブレーションを制御するように構成される。
アブレーションコントローラは、カテーテル100と解剖構造とが接触しているか否かの(予測信号Sからの)指示に応答してアブレーションを(自動的に)制御するように構成される。詳細には、アブレーションコントローラは、予測信号Sに応答して、カテーテル100のアブレーション電極に供給されるアブレーション電流を制御するように構成される。
例えば、アブレーションコントローラは、カテーテルと解剖構造とが(適正な位置で)接触しているときに限ってアブレーションを供給するように構成される。別の例として、アブレーションコントローラは、カテーテルと解剖構造との間の接触力に応答してアブレーションの大きさを制御するように構成される。
効率的に剥離するために、カテーテルと組織との間の接触は弱すぎたり強すぎたりしてはいけないことが理解される。例えば、カテーテルと組織との間の接触が弱すぎると、アブレーションの効率が悪くなり、強すぎると、アブレーション中に穴が生じてしまう。
カテーテルと解剖構造とが接触しているか否かの予測を基にアブレーションを(自動的に)制御する他の例は、当業者には明らかであろう。
アブレーションシステム10は、ディスプレイ又はユーザインターフェース810を備える。
プロセッサ回路は、カテーテルと解剖構造とが(例えば予測された接触力で)接触しているか否かの予測に応答して、ディスプレイ信号Sを生成するように構成される。
ディスプレイ810は、ディスプレイ信号Sを受け取って、これを基にディスプレイの視覚的出力を制御するように構成される。このようにして、臨床医又はオペレータは、接触しているか否かの指示を提供され得、また、予測された接触力のレベルを任意選択で提供され得る。
ディスプレイ信号は、例えば、カテーテルと解剖構造とが接触しているか否かの予測(任意選択で予測された接触力)の、ディスプレイの視覚的出力(例えば表示データを担持する)を直接制御するか、又は(例えばディスプレイ又はユーザインターフェースによって後に解釈されるデータを担持することによって)間接的に制御する。
ディスプレイ信号は、画像データ又はディスプレイに影響を及ぼすための他のデータを表す電気信号(例えばデジタル電気信号)などの任意の適切なタイプの通信を含む。例えば、電気信号のフォーマットは、ディスプレイ(コンピュータモニタ、テレビジョンスクリーン、モバイルコンピュータデバイスのディスプレイなど)による表示に適するものである。
いくつかの例では、ディスプレイ810は、撮像システム805(存在する場合)によって生成された解剖モデルの視覚的表現を与えるように適合される。視覚的表現は、解剖モデルに対するカテーテルの相対位置も表示する。ディスプレイ810は、ディスプレイ信号Sを基に解剖モデルの視覚的表現を変更して、例えば接触の位置を指示するように適合される。
アブレーションシステム10は、ユーザが知覚可能な警報(例えば警報又はブザー)のデバイス820を備える。ユーザが知覚可能な警報のデバイスは、例えば音声出力、視覚出力、触覚出力といった、ユーザが知覚可能な出力を供給するように構成される。
プロセッサ回路は、カテーテルと解剖構造とが接触しているか否かの予測に応答する、ユーザが知覚可能な警報のデバイスによって供給されるユーザが知覚可能な出力を制御する警報信号Sを生成するように構成される。ユーザが知覚可能な出力の1つ又は複数の特性は、検知された接触力に応答して調整される。
例えば、ユーザが知覚可能な警報のデバイスが音声出力を供給するように適合されている場合には、プロセッサ回路は、カテーテルが解剖構造と接触するのを検出することに応答して、警報デバイスから音を生成する(接触しなければ生成しない)ように構成される。いくつかの例では、接触力が増加するのにつれて、この音の1つ又は複数の特性(例えば音量、周波数、パターンなど)が変化する(例えば激しさが増す)。
この信号は、例えば、生成された信号に応答して表示を生成するディスプレイ又はユーザインターフェースに供給される。いくつかの例では、この信号は、(例えば後の処理又は評価のために)生成された指標を記憶するための記憶機構に供給される。さらなる他の例では、この信号は、いくつかの所定の基準を満たす信号に応答してユーザが知覚可能な警報を生成する警報モジュールに供給される。この信号に関する他の用途及び目的は、当業者には明らかなはずである。
この信号は、例えば、2つ以上の指標及び/又はそれから導出された追加情報の、ディスプレイの視覚的出力(例えば表示データを担持する)を直接制御するか、又は(例えばディスプレイ又はユーザインターフェースによって後に解釈されるデータを担持することによって)間接的に制御する。
いくつかの例では、この信号は、ディスプレイに影響を及ぼすための画像データ又は他のデータを表す電気信号(例えばデジタル電気信号)などの任意の適切なタイプの通信を含む。例えば、電気信号のフォーマットは、ディスプレイ(例えばコンピュータモニタ、テレビジョンスクリーン、モバイルコンピュータデバイスのディスプレイ)による表示に適するものである。
本開示において使用される電極は、アブレーション電極、或いは解剖構造をマッピングするため、及び/又はカテーテルを位置付けるために使用される電極などの、カテーテルに既存の再利用される電極であってもよい。したがって、本開示には、カテーテルに追加電極を取り付ける必要がないというさらなる利益がある。
図9は、本開示の実施形態によるプロセッサ回路150の概略図である。示されるように、プロセッサ回路150は、データプロセッサ160、記憶装置164、及び通信モジュール168を含む。これらの要素は、例えば1つ又は複数のバスを介して、互いに直接的又は間接的に通信する。
プロセッサ回路150は、単一デバイスとして形成されるか、又は複数のデバイス(例えばクラウドコンピューティングネットワーク)にわたって分散される。
データプロセッサ160は、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ASIC、コントローラ、FPGA、別のハードウェアデバイス、ファームウェアデバイス、又は本明細書で説明した動作を行うように構成された、これらの任意の組合せを含む。データプロセッサ160は、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと協力する1つ又は複数のマイクロプロセッサ、他の任意のそのような構成といった、コンピュータデバイスの組合せとしても実施される。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば分散形プロセッサのセットから形成された分散処理システムである。
記憶装置164は、キャッシュメモリ(例えばデータプロセッサ160のキャッシュメモリ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気抵抗RAM(MRAM)、読取り専用メモリ(ROM)、プログラム可能読取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、固体メモリデバイス、ハードディスクドライブ、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの他の形態、又は異なるタイプのメモリの組合せを含む。一実施形態では、記憶装置164は非一時的コンピュータ可読媒体を含む。非一時的コンピュータ可読媒体は命令を記憶する。例えば、記憶装置164又は非一時的コンピュータ可読媒体には命令を含むプログラムコードが記録されており、プロセッサ回路150或いはプロセッサ回路150の1つ又は複数の構成要素が、これらの命令によって、本明細書で説明された動作を実行する。例えば、プロセッサ回路150は、方法200、700の動作を実行することができる。命令166は、コード又はプログラムコードとも称される。「命令」及び「コード」という用語は、任意のタイプのコンピュータ可読ステートメント(複数可)を含むように広く解釈されるべきである。例えば、「命令」及び「コード」という用語は、1つ又は複数のプログラム、ルーチン、サブルーチン、関数、プロシージャなどを参照する。「命令」及び「コード」は、1つのコンピュータ可読ステートメント又は多くのコンピュータ可読ステートメントを含む。コードを記録した記憶装置164は、コンピュータプログラム製品と称される。
通信モジュール168は、プロセッサ回路150、マッピング及び誘導システム114、カテーテル100、クライオバルーンカテーテル130、及び/又はディスプレイ510の間のデータの直接的又は間接的な通信を促進するための任意の電子回路及び/又は論理回路を含むことができる。その点では、通信モジュール168は入出力(I/O)デバイスであり得る。いくつかの事例では、通信モジュール168は、プロセッサ回路150及び/又はシステム10(図1)の様々な要素間の直接的又は間接的な通信を促進する。
この開示では、カテーテルの位置を追跡して、カテーテルの位置から解剖構造の解剖モデルを生成する方法が説明されている。解剖構造の解剖モデルが一旦使用可能になると、例えば解剖モデルが生成されたのと同一の3D空間に関してカテーテルの位置を監視することにより、解剖モデル/組織体に対する、カテーテルの、それに続く位置が追跡され得る。
この情報は、カテーテルと解剖構造との間の距離(「モデルから導出された距離」)を予測するために処理され得る。この距離は、メッシュまでの距離(すなわち、カテーテルと通常はメッシュである解剖モデルとの間の距離)と称されることがある。カテーテルが解剖構造に対して移動するとき、モデルから導出された距離も変化することは明らかである。
モデルから導出された距離は、カテーテルと解剖構造とが接触しているか否かを予測するように使用され得る。例えば、モデルから導出された距離が0であるなら、モデルはカテーテルが解剖構造に接触していると予測する。モデルから導出された距離が負の値であれば、カテーテルと解剖構造との間の接触力の大きさを表し、正の値はカテーテルと解剖構造との間の間隙を表す。この、モデルから導出された接触の予測は、概してアブレーションの発生とは無関係である。
特定の例では、カテーテルと解剖構造との間の接触に応答する接触情報が、モデルから導出された距離を較正するために使用され得る。前述の実施形態によって提案された予測信号は、この概念の一例による接触情報を担持する。詳細には、接触情報は、(例えば解剖モデルを生成せずに、カテーテルの電極の電気的反応を直接処理することによって)解剖モデルと無関係に生成される。
一旦、接触情報が、(例えば、本明細書で説明された、カテーテル電極を使用するアルゴリズムのプロセスを使用して)カテーテルと解剖構造とが接触していることを指示すると、この位置における、モデルから導出された距離が記録され得る。詳細には、接触情報がカテーテルと解剖構造との間の接触を初めて指示したとき、モデルから導出された距離が記録され得る。この、記録された、モデルから導出された距離は、較正又は基準の距離をもたらす。
この「記録された、モデルから導出された距離」と、後に判定された、モデルから導出された距離(例えば「進行中の、モデルから導出された距離」)との間の差は、カテーテルと解剖構造との間の接触力(又は距離)の大きさをより正確に表す。
詳細には、記録された、モデルから導出された距離と、進行中の、モデルから導出された距離との間に変化がなければ、カテーテルと解剖構造とは同一のレベルで接触している。記録された距離が、進行中の距離よりも大きければ、カテーテルが、解剖構造に、より大きい接触力を印加している。記録された距離が、進行中の距離よりも小さければ、カテーテルが解剖構造から離れている(すなわち、間隙を形成している)。
したがって、記録された距離と進行中の距離との間の差は、カテーテルと解剖構造との間の接触力及び/又は距離の大きさを指示することができる。
記録された距離と進行中の距離との間の差は、カテーテルと解剖構造との間の1つ又は複数の予測された接触レベル(例えば非接触、強い接触、非常に強い接触)を識別するために、1つ又は複数の閾値と比較される。したがって、この差から、さらなる接触情報及び/又は接触状況が導出され得る。
記録されたモデルから導出された距離が大きすぎるか又は小さすぎる(例えば0よりもかなり小さい)場合には、解剖モデルのマッピング又は生成が不正確であったと予測されることも理解される。したがって、いくつかの実施形態は、記録されたモデルから導出された距離を1つ又は複数の所定の閾値と比較して、記録されたモデルから導出された距離が閾値(複数可)を超えたら、モデル精度の警報を生成するステップを有する。モデル精度の警報によって、モデル生成(解剖モデルの生成)が繰り返される。
前の数節は、電極と解剖学的な空洞の境界との間の「メッシュまでの距離」を判定するか又は生成するための手法を提供するものである。この、メッシュまでの距離は、本明細書で説明された他の方法において有利に使用される。
開示された方法は、好ましくはコンピュータ実施の方法であることが理解されよう。そのため、コンピュータなどの処理システム又は分散形プロセッサのセットにおいて実行されたとき、説明された任意の方法を実施するためのコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムの概念も提案される。
一実施形態によるコンピュータプログラムのコードの種々の部分、ライン又はブロックは、処理システム又はコンピュータによって実行されることにより、本明細書で説明された任意の方法を実行する。いくつかの代替実装形態では、ブロック図(複数可)又は流れ図(複数可)に示された機能は、図に示されたものと異なる順序で生じる。例えば、相次いで示された2つのブロックは、実際には、包含される機能性に依拠して、時には実質的に同時に実行され、又は逆の順序で実行される。
本開示は、命令を含むコンピュータプログラム(製品)を提案するものであり、コンピュータ又は処理システムは、プログラムを実行するとき、これらの命令によって、本明細書で説明された方法(の任意のステップ)を実行する。コンピュータプログラム(製品)は非一時的コンピュータ可読媒体に記憶される。
同様に、命令を含むコンピュータ可読(記憶)媒体も提案され、コンピュータ又は処理システムは、これらの命令を実行することにより、本明細書で説明された方法(の任意のステップ)を実行する。以前に説明されたコンピュータプログラム(製品)を記憶したコンピュータ可読データキャリアも提案される。以前に説明されたコンピュータプログラム(製品)を担持するデータキャリア信号も提案される。
コンピュータ可読プログラムは、スタンドアロンのソフトウェアパッケージとして、全体的に単一コンピュータ/プロセッサにおいて実行してよく、部分的にコンピュータ/プロセッサにおいて実行してもよく、(例えば、分散形プロセッサ処理システムを使用して)一部をコンピュータ/プロセッサにおいて、一部をリモートコンピュータにおいて実行してもよく、或いは全体的にリモートコンピュータ又はサーバにおいて実行してもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してコンピュータ/プロセッサに接続され、或いは(例えばインターネットサービスプロバイダを使用して、インターネットを介して)外部コンピュータに接続される。
前述の実施形態は、例示であって、本開示の範囲を所与の臨床応用に限定する意図はないことも理解されよう。例えば、前述のデバイス、システム、及び技術は、解剖構造の特徴のアブレーションを包含する様々なアブレーション用途において使用され得る。前述の技術は、1つ又は複数のRFアブレーション電極が心臓組織において電気的に単離する傷を生成するために使用されるRFアブレーションプロシージャを誘導するように使用され得る。もちろん、前述の技術は、クライオアブレーション又はパルスフィールドアブレーションのプロシージャなどの他の適切なアブレーションプロシージャを誘導するためにも使用され得る。
さらに、実施形態は、心臓及び関連する解剖構造に関して説明されているが、心臓或いは他の身体の空洞及び/又は内腔における他の関心領域を含む他の身体ボリュームにおけるプロシージャに対して同一の方法及びシステムが使用され得ることが理解されよう。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で説明されたプロシージャは、肝臓、心臓、腎臓、胆嚢、膵臓、肺を含む臓器と、管路と、腸と、脳、硬膜嚢、脊髄及び末梢神経を含む神経系の構造と、尿路と、血液の中の弁、心臓の房又は他の部分と、他の身体系統とを制限なく含む、任意数の解剖学的な位置及び組織タイプにおける、処置、手術又は調査のプロシージャと一緒に使用され得る。解剖構造は、心臓の血管系、周辺の血管系、神経の血管系、腎血管系、及び/又は身体内部の任意の他の適切な管腔を含む、患者の血管系の動脈又は静脈としての血管である。本明細書で説明された手法は、生来の組織体に加えて、それだけではないが、心臓弁、ステント、シャント、フィルタ、並びに腎臓、肺、又は何らかの他の適切な身体ボリュームの中の他のデバイスなどの人工組織を検査するために使用される。したがって、本開示において参照された解剖構造は、任意の適切な臓器(以前に列挙されたものなど)、血管及び/又は人工組織を含む。
当業者なら、上記で説明された装置、システム、及び方法は様々なやり方で変更され得ることを認識するはずである。したがって、当業者なら、本開示によって包含される実施形態は、前述の特定の例示的実施形態に限定されないことを理解するはずである。その点に関して、実例となる実施形態が示され、説明されてきたが、前述の開示には、広範な修正形態、変更形態、代替形態が企図される。前述のものに対して、本開示の範囲から逸脱することなく、そのような変形形態が作製されることが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示と矛盾しないやり方で広く解釈されることが適切である。

Claims (15)

  1. 解剖構造の1つ又は複数の空洞に挿入するための2つ以上の電極を備えるカテーテルからの電極較正データの収集を制御するトリガ信号を生成して出力するためのプロセッサ回路であって、前記プロセッサ回路が前記カテーテルと通信し、前記プロセッサ回路が入力インターフェースとデータプロセッサとを備え、
    前記入力インターフェースは、
    1つ又は複数の電極の第1のセットと前記解剖構造との間の接触及び/又は距離の変化に応答した第1の測定値を前記カテーテルの前記1つ又は複数の電極の前記第1のセットから取得し、
    前記1つ又は複数の電極の別の第2のセットと前記解剖構造との間の接触及び/又は距離の変化に応答した第2の測定値を前記カテーテルの前記1つ又は複数の電極の前記第2のセットから取得し、
    前記入力インターフェースに通信可能に結合された前記データプロセッサは、
    前記第1の測定値と前記第2の測定値との間の比を判定し、
    前記判定された比を処理して、前記カテーテルが前記解剖構造に接触している可能性を指示する予測指標を生成し、
    前記予測指標に応答して変化するトリガ信号を生成して出力する、
    プロセッサ回路。
  2. 前記カテーテルがアブレーション治療カテーテルであり、前記アブレーション治療カテーテルの前記1つ又は複数の電極の前記第1のセットが、前記解剖構造に対してアブレーション処置を適用するために使用される1つ又は複数の電極を備える、請求項1に記載のプロセッサ回路。
  3. 前記第1の測定値が前記カテーテルの2つの電極の第1のセットの間のインピーダンス測定値を含む、請求項1又は2に記載のプロセッサ回路。
  4. 前記第2の測定値が、前記カテーテルの2つの電極の第2のセットの間のインピーダンス測定値を含み、前記第2のセットが前記第1のセットとは異なる、請求項3に記載のプロセッサ回路。
  5. 前記データプロセッサが、前記判定された比及び前記第1の測定値を処理することにより、前記判定された比を処理して、前記予測指標を生成する、請求項1から4のいずれか一項に記載のプロセッサ回路。
  6. 前記入力インターフェースが、患者の呼吸の動き及び/又は心臓の動きに応答した生理信号を受け取り、
    前記データプロセッサが、前記判定された比及び前記生理信号を処理することにより、前記予測指標を生成する、
    請求項1から5のいずれか一項に記載のプロセッサ回路。
  7. 前記データプロセッサが、前記判定された比を1つ又は複数の第1の所定の値及び/又は範囲と比較することにより、前記判定された比を処理して、前記カテーテルが前記解剖構造と接触しているか否かを予測する予測指標を生成する、請求項1から6のいずれか一項に記載のプロセッサ回路。
  8. 前記データプロセッサが、
    確率関数を使用して前記判定された比を処理することにより、前記カテーテルが前記解剖構造に接触している確率を計算し、
    前記計算された確率に応答して前記トリガ信号を生成する、
    請求項1から6のいずれか一項に記載のプロセッサ回路。
  9. 前記確率関数が、前記判定された比の可能な値と前記確率の可能な値との間の所定のマッピングを定義する、請求項8に記載のプロセッサ回路。
  10. 前記データプロセッサが、前記計算された確率を担持するように前記トリガ信号を生成する、請求項8又は9に記載のプロセッサ回路。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載のプロセッサ回路と処理回路とを備える処理機構であって、
    前記処理回路は、
    前記プロセッサ回路から出力された前記トリガ信号を受け取り、
    前記トリガ信号に応答して、前記カテーテルの前記電極のうち1つ又は複数から電極較正データを選択的に取得する、処理機構。
  12. 前記プロセッサ回路が、請求項10に記載のプロセッサ回路であり、
    前記処理回路は、前記トリガ信号に含有される前記計算された確率が所定の確率閾値を超過するのに応答して、前記電極較正データを取得する、
    請求項11に記載の処理機構。
  13. 解剖構造の1つ又は複数の空洞に挿入するための2つ以上の電極を備えるカテーテルを使用した電極較正データの収集を制御するためのトリガ信号を生成して出力するためのコンピュータ実施方法であって、
    1つ又は複数の電極の第1のセットと前記解剖構造との間の接触及び/又は距離の変化に応答した第1の測定値を前記カテーテルの前記1つ又は複数の電極の前記第1のセットから取得するステップと、
    前記1つ又は複数の電極の第2のセットと前記解剖構造との間の接触及び/又は距離の変化に応答した第2の測定値を前記カテーテルの前記1つ又は複数の電極の前記第2のセットから取得するステップと、
    前記第1の測定値と前記第2の測定値との間の比を判定するステップと、
    前記判定された比を処理して、前記カテーテルが前記解剖構造に接触している可能性を指示する予測指標を生成するステップと、
    前記予測指標に応答して変化するトリガ信号を生成して出力するステップと
    を含む、方法。
  14. コードを含むコンピュータプログラムであって、前記コードはプロセッサ回路によって実行されたとき、プロセッサ回路に請求項13に記載の方法のステップを実行させる、コンピュータプログラム。
  15. 請求項14に記載のコンピュータプログラムを含むか又は担持している、非一時的コンピュータ可読媒体又はデータキャリア。
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