JP2024518589A - GnRHアンタゴニストとしてのGHR-106モノクローナル抗体の適用 - Google Patents

GnRHアンタゴニストとしてのGHR-106モノクローナル抗体の適用 Download PDF

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Abstract

GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が提供され、哺乳動物対象に投与された場合にインビボで生殖ホルモンのレベルを調節するために使用される。GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片は、哺乳動物対象における排卵を制御し、子宮外妊娠を終了させ、かつ/または生殖障害もしくは状態を治療するために使用することができる。

Description

いくつかの実施形態は、哺乳動物対象における生殖障害を治療するための組成物に関する。いくつかの実施形態は、哺乳動物対象における生殖ホルモンのレベルを調節するための組成物に関する。
GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)は、ヒト下垂体前葉に位置するGnRH受容体と反応して、黄体形成ホルモン(LH)および卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出または分泌を制御するデカペプチドホルモンである。これらの2つの生殖ホルモンは、ヒトを含む全ての動物種における性分化および生殖系の成熟に必須である。
GHR-106は、ヒトGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)受容体の細胞外ドメインに位置するN1-29オリゴペプチドに対する、マウスから生成されたモノクローナル抗体である。いくつかの種由来のGnRH受容体の細胞外ドメインに位置するN1-29オリゴペプチド(配列番号1~配列番号6)の比較を示す図1Aから理解され得るように、ヒト、ウサギ、サル、ネコ、およびイヌの間に高い程度のアミノ酸配列相同性(約90~95%)が存在し、マウスとのより低い程度の配列相同性が存在する。
図1Bは、IgG4ヒト化GHR-106モノクローナル抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列(それぞれ、配列番号7および配列番号8)を示し、重鎖(配列番号9~配列番号11)および軽鎖(配列番号12~配列番号14)の両方の相補性決定領域CDR1、CDR2、およびCDR3に下線を付すことによってさらに特定する。
ヒト化IgG4 GHR-106の例示的な実施形態は、配列番号7に見られるように、抗体の重鎖中に操作されたS228P変異を含有する(EUナンバリングシステムによるS228は、アミノ酸配列番号7の250位にあることに留意されたい)。理論に束縛されるものではないが、S228P変異または他の同等の変異は、抗体がIgG4 Fabアーム交換として知られる組換えプロセスを受けることを妨げると考えられる。Fabアーム交換は、標的受容体に対する抗体の特異性に望ましくない影響を及ぼすことが知られている、望ましくない二重特異性抗体の形成をもたらす。例えば、非特許文献1を参照されたく、これはあらゆる目的のために参照により本明細書に援用される。
高度のアミノ酸配列相同性(>90~95%)により、ヒトGHR-106は、サル、ウサギ、イヌ、またはネコGnRHのN1-29ペプチドと交差反応するが、マウスおよびラットのものとは交差反応しない。GHR-106およびそのヒト化形態は、がん細胞または下垂体前葉のいずれかにおいてヒトGnRH受容体と特異的に反応することが示されている。
ヒトでは、1つのタイプの機能的GnRH受容体遺伝子しか存在しない。下垂体前葉に位置するGnRH受容体の主な作用部位は、視床下部から放出されるGnRHの拍動性刺激時のゴナドトロピンホルモン、黄体形成ホルモン(LH)、および卵胞刺激ホルモン(FSH)の放出に関与する。しかし、卵巣または精巣のような生殖関連組織または器官、ならびにがん細胞において、GnRH受容体の存在は、オートクリン/パラクリン調節の機構を介する結合相互作用の際にGnRHまたはそのペプチド類似体と反応するように機能し得る。
GnRHの正常機能に対して拮抗するGnRH類似体の投与は、生殖疾患(男性および女性の両方)、不妊症、体外受精(IVF)または卵子提供(例えば卵巣刺激を制御するためなど)などの生殖補助療法、排卵の阻害を含む避妊、トランスジェンダーの人のための医学的移行または性転換療法(男性から女性へであるか女性から男性へであるか、性転換手術との併用の有無を問わない)、子宮内膜症、子宮内膜菲薄化、腺筋症、子宮内膜増殖症、子宮平滑筋腫(子宮筋腫)、月経前症候群、良性前立腺肥大症、卵巣障害、多嚢胞性卵巣疾患、思春期早発症などの様々な性ホルモン関連の状態または疾患の治療に使用されている。
天然型のホルモンの半減期が比較的短い(2~4分)ため、循環半減期を数時間に増加させる目的で、多数のデカペプチドおよび誘導体が作製された。様々な構造的修飾に起因して、ゴナドトロピンの放出を刺激または阻害する類似の生物学的作用を保持するものもあり、ゴナドトロピンホルモンの放出を刺激または阻害する生物学的作用の機構に関して、それらは全般的にそれぞれGnRHアゴニストまたはGnRHアンタゴニストと呼ばれる。数十年前に、セトロレリックスが市場に発売され、天然GnRHよりも高い効力および長い半減期(数時間対数分)を有する、妊孕性調節のための薬物または抗がん薬としての適用のためのGnRHアンタゴニストとして機能した。合成GnRHアンタゴニストの例としては、とりわけ、アンチド、セトロレリックス、アバレリクス、デガレリクス、ガニレリクス、およびエラゴリクスが挙げられる。
以前の研究(特許文献1~3を参照されたく、これらの各々は参照により本明細書に援用される)は、ヒトのがんおよびおそらく妊孕性関連疾患の治療におけるGHR-106およびそのヒト化形態の潜在的な臨床適用に関するものであった。参照により本明細書に援用される特許文献4は、モノクローナル抗体GHR-106がヒトGnRH受容体に対して作用し、長時間作用型GnRHアンタゴニストに潜在的に開発され得るが、それ以外はセトロレリックスまたは他の確立されたペプチド類似体と生物学的に類似であることを開示している。これは、公知のGnRHペプチドアンタゴニストであるセトロレリックスまたはアンチドなどのペプチドアンタゴニストの場合の数時間と比較して、抗体薬物が全般的に5~21日というはるかに長い半減期を有するという事実に起因する。分子サイズの違い(80kDa対約1.5kDa)にもかかわらず、ペプチドおよびGHR-106抗体の両方が、ヒトGnRH受容体に対して同様の結合親和性(K1~4nM)および特異性を示すことが実証された。GHR-106モノクローナル抗体は、5~21日の半減期を有するが、セトロレリックスまたはアンチドなどのペプチドGnRHアンタゴニストの半減期は、ほとんどの場合1~10時間である。
多数のGnRHペプチド類似体または誘導体が、現在、前立腺がんおよび乳がんなどのがん治療における薬物として臨床適用に利用可能である。臨床適用はまた、女性の健康、妊孕性および疾患状態に関連する多くの適応症を含む。例えば、GnRHペプチド類似体は、プログラムされた排卵およびホルモン依存性疾患、例えば子宮内膜症、子宮筋腫および月経前症候群、または多嚢胞性卵巣症候群を制御するために体外受精(IVF)に広く使用されている。
哺乳動物対象において生殖障害を治療するため、および/または生殖ホルモンのレベルを調節するために使用することができる、改善されたおよび/またはより長く作用する組成物が一般的に望まれている。
関連技術の前述の例およびそれに関連する限定は、例示的であることが意図されており、排他的ではない。関連技術の他の制限は、明細書を読み、図面を検討することによって当業者に明らかになるであろう。
米国特許第8163283号明細書 米国特許第9273138号明細書 米国特許出願公開第2020/035462号明細書 国際公開第2019/153075号
Silva et al.,JBC,2015,290(9):5462-5469
以下の実施形態およびその態様は、範囲を限定するものではなく例示的および説明的であることが意図されているシステム、ツール、および方法と併せて説明および図示されている。様々な実施形態では、上述の問題のうちの1つ以上が低減または排除されており、他の実施形態は他の改善を対象とする。
GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片は、哺乳動物対象における性関連ホルモンのレベルを調節するために使用することができる。GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片は、哺乳動物対象において少なくとも1つの性関連ホルモンの可逆的抑制を引き起こすことができる。少なくとも1つの性関連ホルモンの可逆的抑制は、対象へのGHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片の投与後3日~21日の期間にわたる、対象における少なくとも1つの性関連ホルモンの血清レベルの減少であり得る。少なくとも1つの性関連ホルモンは、テストステロン、エストラジオール、黄体形成ホルモン、プロゲステロン、卵胞刺激ホルモン、またはそれらの組合せであってもよい。GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片は、対象の体重に対して約1mg/kg~約3mg/kgの用量での投与に適合されてもよい。ヒトの場合、これは、約50mg~約300mgの用量と言い換えることができる。投与は、規則的な間隔で、例えば、約1週間毎~約3週間毎に繰り返してもよい。
いくつかの態様では、GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号9、配列番号10、および配列番号11の各々を有するCDRを有する重鎖と、配列番号12、配列番号13、および配列番号14の各々を有するCDRを有する軽鎖とを有してもよい。
いくつかの態様では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、子宮外妊娠を終了させるために使用してもよく、排卵を制御するために使用してもよく、男性(雄)または女性(雌)対象における妊孕性制御のために使用してもよく、および/または性ホルモン関連の状態もしくは障害の治療において使用してもよい。対象は、ヒト、サル、イヌ、ネコ、ウサギなどを含む哺乳動物対象であり得る。前述の使用のいずれかを具体化する方法も提供される。
上記で説明した例示的な態様および実施形態に加えて、さらなる態様および実施形態が、図面を参照し、以下の詳細な説明を検討することによって明らかになるであろう。
例示的な実施形態が図面の参照図に示されている。本明細書に開示された実施形態および図面は、限定ではなく例示とみなされるべきであることが意図されている。
図1Aは、ヒト、ウサギ、サル、ネコ、イヌ、およびマウス由来のGnRH受容体の細胞外ドメインに位置するN1-29オリゴペプチドに対応するアミノ酸配列の比較を示す。 図1Bは、下線を付した相補性決定領域(CDR)を有するGHR-106抗体の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列を示す。 図2は、それぞれヒト、イヌ、およびウサギ由来のGnRH受容体の3つの別個のウェルコーティングされたN1-29合成オリゴペプチドに適用されたGHR-106モノクローナル抗体のGHR-106抗体濃度に対する405nmでのΔODについての二重対数プロットを示す。 図3は、成体雄ウサギに1日目に3mg/kgのGHR-106を皮下に単回注射した後の日数の関数としてプロットした血清LH(mIU/mL)およびテストステロン(ng/mL)濃度を示す。ホルモンレベルを-1日目から30日目までモニタリングした。 図4は、成体雌ウサギに1日目に3mg/kgのGHR-106を単回皮下注射した後の日数の関数としてプロットした血清LH(mIU/mL)およびエストラジオール(E2、ng/mL)濃度を示す。ホルモンレベルを1日目から20日目までモニタリングした。 図5は、それぞれアンチド(ペプチドアンタゴニスト)およびGHR-106でがん細胞を処理した際の遺伝子調節の変化を明らかにするための、OC-3-VGH卵巣がん細胞の遺伝子発現レベルを用いた定量的RT-PCRを示す。 図6は、3つの実験群に分けられた合計10匹の雄ウサギの血清テストステロンレベルを示す。 図7は、3つの実験群に分けられた合計10匹の雄ウサギの血清LHレベルを示す。 図8は、1日目から17日目まで維持された3つの実験群に分けられた合計10匹の雌ウサギの血清エストラジオール(E2)レベルを示す。 図9は、研究期間中3つの実験群に分けられた合計10匹の雌ウサギの血清LHレベルを示す。
以下の説明全体を通して、当業者により完全な理解を提供するために、特定の詳細が記載される。しかしながら、周知の要素は、本開示を不必要に不明瞭にすることを回避するために、詳細に図示または説明されていない場合がある。したがって、説明および図面は、限定的な意味ではなく、例示的な意味で見なされるべきである。
本発明者は、ヒトを含むいくつかの動物種における妊孕性問題および他の生殖障害の治療のためのGHR-106の広範な臨床適用を支持するために、ウサギにおける概念実証実験および本明細書に開示される定量的遺伝子調節研究を含む調査を実施した。ウサギにおいて行われた本明細書に記載される概念実証実験は、約1または2週間の期間にわたる血清生殖ホルモン(LH、テストステロン、またはエストラジオール)の可逆的抑制を明らかにした。この新しいデータは、ヒトならびにいくつかの他の動物種における治療適用のためのGHR-106の潜在的な適合性を実証する。
ゴナドトロピンの放出を抑制することが知られているデカペプチドGnRHアンタゴニストと同様に、GHR-106もインビボで下垂体前葉中のGnRH受容体に作用することは、これまで実証されていない。したがって、この研究では、ウサギを概念実証動物モデルとして選択して、GHR-106が下垂体GnRH受容体に作用してゴナドトロピンホルモンの放出をインビボで抑制することを実証した。したがって、遺伝子発現に対する効果およびインビボでの生殖ホルモンのレベルの調節に関する生物学的類似性の比較を通して、GHR-106が、ヒトがんに加えて、多くの婦人科疾患または生殖障害の治療的処置のための公知のペプチドGnRHアンタゴニストの代替物として役立ち得るが、そのより長い半減期に関連する潜在的な利点を有すると仮定することは合理的である。
いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片が提供される。いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、生殖状態もしくは障害、または性ホルモン関連の健康状態を治療するために、例えば、ヒト、サル、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、または他の家畜を含む哺乳動物に投与される。いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、GnRH受容体のN1-29末端アミノ酸配列が、GnRH受容体のヒトN1-29末端アミノ酸配列(配列番号1)に対して、少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含む)を有するアミノ酸配列を有する哺乳動物に投与される。
いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、標的種における抗体の交差反応性の可能性を最小限に抑えるように操作されたキメラ抗体である。例えば、配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖と配列番号8のアミノ酸配列を有する軽鎖とを有する本明細書に開示されるGHR-106 IgG4構築物は、ヒト化抗体構築物である。対象が異なる哺乳動物種である他の実施形態では、対象の種由来のIgG4のFc領域を含むように操作されたキメラ抗体(例えば、イヌへの投与が意図される抗体についてはイヌIgG4-Fc、ネコへの投与が意図される抗体についてはネコIgG4-Fc、ウサギへの投与が意図される抗体についてはウサギIgG4-Fc、サルへの投与が意図される抗体についてはサルIgG4-Fc、ウマへの投与が意図される抗体についてはウマIgG4-Fc、ウシへの投与が意図される抗体についてはウシIgG4-Fc、ヒツジへの投与が意図される抗体についてはヒツジIgG4-Fc、ヤギへの投与が意図される抗体についてはヤギIgG4-Fcなど)が使用され得る。
いくつかの実施形態では、GHR-106抗体は、性ホルモン関連の健康状態または障害の治療において使用するためのGHR-106の1つ以上の活性な抗原結合性断片として提供される。いくつかの実施形態では、断片は、GHR-106の可変領域の一本鎖断片である。いくつかの実施形態では、断片は、IgG4を含むIgGアイソタイプのGHR-106の断片である。いくつかの実施形態では、断片はF(ab’)断片である。いくつかの実施形態では、F(ab’)断片は、110KDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、断片はFab断片である。いくつかの実施形態では、Fab断片は、55KDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、断片はscFab断片である。いくつかの実施形態では、scFab断片は、25KDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、断片はscFv断片である。いくつかの実施形態では、scFv断片は、25KDaの分子量を有する。いくつかの実施形態では、異なる抗原結合断片、例えば、上記の断片の2つ以上の組み合わせを、性ホルモン関連の状態または障害の治療のための薬物として使用してもよい。
いくつかの実施形態では、性ホルモン関連の健康状態または障害の治療のために投与されるGHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、エフェクター機能を有していない。エフェクター機能を有さない抗体は、例えば、補体依存性細胞傷害(CDC)または抗体依存性細胞傷害(ADCC)経路を活性化することができない。いくつかの実施形態では、エフェクター機能を有さないGHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、IgG4サブタイプを有する。いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、補体活性化を阻害する。いくつかの実施形態では、IgG4サブタイプを有する抗体の重鎖は、Fabアーム交換を防止するために、S228P変異または同等の変異を有する。いくつかの実施形態では、エフェクター機能を有さないGHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、GHR-106抗体のIgG抗原結合性断片である。いくつかの実施形態では、エフェクター機能を有さない抗原結合性断片は、GHR-106抗体のF(ab’)、Fab、scFab、またはscFv IgG断片である。いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、hGHR-106に由来する。
いくつかの実施形態では、GHR-106抗体のサブタイプは、抗体のエフェクター機能を調節するように選択される。いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、例えば、いかなるエフェクター機能も有さない抗体の抗原結合性断片を使用することによって、抗体のエフェクター機能をさらに調節するように構造的に改変される。いくつかの実施形態では、GHR-106抗体のFc領域は、IgG4サブタイプのものである。いくつかの実施形態では、いかなるエフェクター機能も有さないGHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、性ホルモン関連の健康状態もしくは障害の治療のため、対象における少なくとも1つの性関連ホルモンのレベルを可逆的に抑制するため、対象における排卵を制御するため、および/または対象における子宮外妊娠を終了させるために使用される。いくつかの実施形態では、IgG4サブタイプを有するGHR-106抗体は、性ホルモン関連の健康状態または障害の治療のために使用される。
理論に束縛されるものではないが、IgG4抗体サブタイプは補体依存性細胞傷害(CDC)または抗体依存性細胞傷害(ADCC)を活性化しないので、妊孕性障害の治療を含む、性ホルモン関連の健康状態もしくは障害の治療のための、またはそうでなければ対象における性関連ホルモンのレベルを調節するためのIgG4抗体サブタイプの使用は、下垂体前葉へのGHR-106抗体結合時のCDCおよびADCC反応の可能性を最小化または排除すると考えられる。例えば、あらゆる目的にために本明細書に参照により援用されるVidarsson et al.,Front.Immunol.,2014,5:520を参照されたい。
さらに、IgG4抗体が補体活性化を実際に阻害することができることが実証されている(例えば、van der Zee et al.,Clin.Exp.Immunol.,1986,64(2):415-422を参照されたく、これはあらゆる目的のために本明細書に参照により援用される)。したがって、いくつかの実施形態では、GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片は、補体活性化を阻害するように選択される。いくつかの実施形態では、補体活性化を阻害するGHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片は、性ホルモン関連の状態または障害を治療するために使用される。
いくつかの実施形態では、GHR-106抗体の循環半減期は、約3~21日(その間の任意の値、例えば、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、17、17、18、19、もしくは20日を含む)、または72~500時間(その間の任意の値、例えば、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、もしくは475時間を含む)である。一方、セトロレリックスの循環半減期は約10~63時間の範囲である。GHR-106は、デカペプチドGnRHアンタゴニストであるセトロレリックスと比較して、はるかに長い半減期を有し、したがって、より少ない頻度の投与しか必要としない可能性があり、これは、患者のコンプライアンスおよび/または提案された治療レジメンの実現可能性を改善し得る。
いくつかの実施形態では、GHR-106に由来するIgG抗原結合性断片、例えば、F(ab’)、Fab、ScFab、またはScFvは各々、約12~20時間(その間の任意の値、例えば、13、14、15、16、17、18、または19時間を含む)の循環半減期を有する。mGHR-106またはhGHR-106の抗原結合性断片は、mGHR-106またはhGHR-106抗体と比較してより短い半減期を有する。いくつかの実施形態では、タンパク質工学が使用して所望の範囲内の半減期を有するGHR-106抗体またはその抗原結合性断片を提供する。
いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号7によるアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号8によるアミノ酸配列を有する軽鎖とを有する。いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、配列番号7に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号8に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖とを有する(例えば、配列番号7および8に対してそれぞれ少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を含む)。
さらなる実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、以下の相補性決定領域(CDR):配列番号9(RYSVH)によるアミノ酸を有するCDR1領域、配列番号10(MIWGGGSTDYNPSLKSR)によるアミノ酸を有するCDR2領域、および配列番号11(GYYSFA)によるアミノ酸を有するCDR3領域を有する重鎖を有する。さらなる実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、以下のCDR:配列番号12(KSSQSLLNSRTRKNYLA)によるアミノ酸配列を有するCDR1領域、配列番号13(WASTRES)によるアミノ酸配列を有するCDR2領域、および配列番号14(KQSYNLYT)によるアミノ酸配列を有するCDR3領域を有する軽鎖を有する。
本明細書に記載されるGHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、医薬として投与するための任意の適切な様式で製剤化することができる。したがって、それらは、薬学的に受容可能な賦形剤または他の薬学的に適切な化合物と組み合わせられて、性ホルモンのレベルの調節および/または性ホルモン関連の健康状態もしくは障害の治療に有用な薬学的組成物を提供し得る。
いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、ヒト、サル、イヌ、ネコ、ウサギ、ウマ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、または他の家畜を含む哺乳動物において、性ホルモン関連の健康状態もしくは障害の治療のための治療有効量で、および/または1つ以上の性関連ホルモンのレベルを調節するのに有効な量で投与される。哺乳動物は雄(男性)であっても雌(女性)であってもよい。いくつかの実施形態では、性ホルモン関連の健康状態または障害は、生殖疾患(男性(雄)または女性(雌)対象における)、男性から女性への(MTF)または女性から男性への(FTM)性転換療法(性転換手術を伴うか否かにかかわらず)を含むトランスジェンダーの人のための医学的移行、体外受精(IVF)もしくは卵子提供(例えば、卵巣刺激を制御するため)、女性(雌)対象における排卵または男性(雄)対象における精子産生の阻害を含む避妊、子宮内膜症、子宮内膜菲薄化、腺筋症、子宮内膜増殖症、子宮平滑筋腫(子宮筋腫)、月経前症候群、良性前立腺肥大、卵巣障害、多嚢胞性卵巣疾患、思春期早発症などである。
いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、妊孕性制御(例えば、バースコントロール)のために男性(雄)対象に投与される。理論に束縛されるものではないが、本出願の実施例に含まれるデータは、男性(雄)対象へのGHR-106抗体またはその抗原結合性断片の投与が、テストステロンなどの性関連ホルモンのレベルを、男性(雄)対象による精子の産生に干渉する可能性が高いレベルまで減少させることができ、それによって男性(雄)対象への妊孕性制御(すなわち、男性(雄)対象へのバースコントロール)を提供することを支持する。
いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、子宮外妊娠を終了させるために投与される。理論に束縛されるものではないが、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片の投与によって引き起こされる生殖ホルモンレベルの低下は、胎児に有害であり、かつ/またはGnRH受容体およびGnRHは、ヒト絨毛性ゴナドトロピン分泌の量に応じてヒト胎盤において高度に発現され、対象に対する悪影響を最小限に抑えながら、子宮外妊娠の迅速な終了をもたらすと考えられる。
いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、対象における排卵を調節するために使用される。いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、妊孕性制御(例えば、バースコントロール)のために女性(雌)対象に投与される。いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、1つ以上の性関連ホルモンの血清濃度の可逆的低下を引き起こすことによることを含めて、対象における1つ以上の性関連ホルモンのレベルを調節するために使用される。いくつかの実施形態では、性関連ホルモンは、テストステロン、エストラジオール、黄体形成ホルモン、プロゲステロン、卵胞刺激ホルモン、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態において、性関連ホルモンのレベルの変化は、対象の妊孕性状態を変化させる。
いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、アンチドまたはセトロレリックスを含む公知のGnRHアンタゴニストによって治療することができる任意の状態の治療においてGnRHアンタゴニストとして作用する。いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、アンチドまたはセトロレリックスを含む公知のGnRHアンタゴニストの半減期よりも長い半減期が望ましい状態の治療において使用される。
いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、0.5~10mg/kg(その間の任意の値を含む)、いくつかの実施形態では例えば約1~約3mg/kg、例えば1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、または9.5mg/kg(その間の任意の値または部分範囲を含む)の用量レベルで対象に投与される。GHR-106抗体またはその抗原結合性断片の結合親和性および/または特異性が改変されているいくつかの実施形態では、改変抗体またはその抗原結合性断片の用量レベルは、適切に改変される。
対象がヒトであるいくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、約50mg~約300mg(その間の任意の値、例えば、75、100、125、150、175、200、225、250、または275mgを含む)の用量で投与される。
いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、間隔を空けて繰り返して、例えば、5~30日毎またはその間の任意の値、例えば、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、もしくは29日毎;1~8週間毎またはその間の任意の値、例えば、2、3、4、5、6、もしくは7週間毎、または2~6カ月毎またはその間の任意の値、例えば、3、4、もしくは5カ月毎に投与される。いくつかの実施形態では、GHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、約1週間毎~約3週間毎の間隔を空けて繰り返して投与される。いくつかの実施形態では、ヒトに投与されるGHR-106抗体またはその抗原結合性断片は、ヒト化GHR-106抗体またはその抗原結合性断片である。いくつかの実施形態では、ヒト化GHR-106抗体は、配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖と配列番号8のアミノ酸配列を有する軽鎖とを有するhGHR-106 IgG4である。
抗体を含む薬学的組成物の典型的な投与経路は、注射、典型的には静脈内または筋肉内によるものである。しかし、任意の適切な投与様式が、様々な実施形態において使用されてもよい。
以下の実施例を参照して、特定の実施形態をさらに説明するが、これらの実施例は、例示的なものであって、本質的に限定するものではない。
GnRH受容体に対するヒト化モノクローナル抗体、配列番号7のアミノ酸配列を有する重鎖と配列番号8のアミノ酸配列を有する軽鎖とを有するGHR-106(hIgG4)の単回注射による血清生殖ホルモンの可逆的抑制を実証するために、概念実証実験をウサギで行った。
雄ウサギへの1mg/kgまたは3mg/kgの抗体の単回皮下注射は、並行して、血清LHおよびテストステロン濃度を、7~10日間の期間にわたって正常レベルの80~90%減少させることが示された。生殖ホルモンは、最初の注射から約2週間後に正常レベルに戻った。同様の観察が雌ウサギで得られ、同じ抗体の単回注射の同じ用量で血清LHおよびエストラジオール濃度は可逆的に抑制され、回復した。これらの実験は、GHR-106(hIgG4)がはるかに長い半減期(数日対数時間)を有することを除いて、GHR-106(hIgG4)がエラゴリックスまたはアンチドと同様に抗体ベースのGnRHアンタゴニストとして下垂体前葉GnRH受容体に作用することができることを支持する。
ウサギにおける概念実証実験に加えて、定量的RT-PCR実験を実施し、インビトロ研究を通してGHR-106とデカペプチドGnRHアンタゴニストとの間の細胞内遺伝子調節のほぼ完全な同一性を実証するためのツールとして使用した。したがって、抗体ベースおよびペプチドベースのGnRHアンタゴニストは、GHR-106が有意により長い半減期を有することを除いて、がん細胞に対して、および下垂体前葉によるゴナドトロピン放出の可逆的抑制の両方において、生物学的作用機序に関して非常に類似していると結論付けることは妥当である。
GHR-106関連抗体薬物の産生
マウス-イヌまたはマウス-ネコのキメラ形態を含む様々なアイソフォームのGHR-106は、本明細書で引用される米国特許を含む、当技術分野で公知の知識および方法に基づいて大量生産することができる。例えば、ヒト(可変領域)イヌ(定常Fc領域)キメラ抗体、およびマウス(可変領域)イヌ(定常Fc領域)キメラ抗体は、イヌへの投与を意図したGHR-106抗体についての確立された知識に基づいて大量生産することができる。
マウスGHR-106は、マウスの腹水を介して、またはハイブリドーマ細胞株のインビトロ培養法によって産生および精製することができる。ヒト化GHR-106は、以前に確立された永久細胞株によって産生することができる。これらは、mGHR-106(マウス起源)GHR-106(hIgG1)、およびGHR-106(hIgG4)、ならびに可変領域のFab、(Fab’)2、または単鎖断片などの様々な抗体断片を含む。
実施例1:ウサギにおける概念実証実験ならびにヒトおよび/または家畜における広範な臨床適用への示唆。
GHR-106は、ヒトGnRH受容体のN1-29オリゴペプチドに対するマウスの免疫化に由来するモノクローナル抗体である。GHR-106の重鎖および軽鎖のアミノ酸配列を図1Bに示し、CDRに下線を付す。GHR-106が下垂体GnRH受容体と相互作用し、インビボで生殖ホルモンの可逆的抑制をもたらすことができることを実証するために、動物モデルを選択した。したがって、ヒト、サル、イヌ、ネコ、ウサギ、およびマウスを含む様々な動物種由来のN1-29オリゴペプチド(配列番号1~配列番号6)を比較し、配列相同性について図1Aに示す。高度に類似した配列同一性により、それらそれぞれのGnRH受容体についての高度に類似したインビボ結合活性および同等の生物学的活性が導かれるという仮定に基づいて、ウサギを、この研究における概念実証インビボ実験のための適切な動物モデルとして選択した。具体的には、ヒトおよびウサギについてのGnRH受容体のN1-N29ペプチドについて95%を超えるアミノ酸配列類似性を考慮すると、本発明者は、GHR-106(hIgG4)への結合についてのそれらの見かけのKdが類似していることを予測し、したがって、ウサギを、LH、E2、およびテストステロンなどの生殖ホルモンの可逆的抑制を実証するのに適した動物として選択した。
互いに異なる動物種由来のN1-29ペプチド配列の比較に基づいて、GHR-106は、ヒトと、ウサギ、ネコ、イヌ、およびサルを含むいくつかの他の動物種との間で高度の結合交差反応性を有し得ると結論付けることができる。したがって、GHR-106は、ヒトへの適用だけでなく、ウサギ、イヌ、およびネコを含むいくつかの他の動物種(哺乳動物)への適用にも、GnRHアンタゴニストとして潜在的に使用することができる。当業者は、確立された技術(例えば、ヒト化抗体の設計において使用されるもの)を実施して、抗体の望ましくない交差反応性の可能性を最小限にするために異なる哺乳動物種における使用に適した抗体を設計してもよい。
実施例2:比較ELISA研究
GHR-106と言及された動物種に由来するN1-29ペプチドとの間の結合研究は、それぞれヒト、イヌ、およびウサギに由来するN1-29オリゴペプチドに対するGHR-106の同等の結合親和性を実証するために不可欠である。したがって、比較結合ELISA研究を実施して、GHR-106と、それぞれヒト、イヌ、およびウサギに由来するマイクロウェルコーティングされたN1-29オリゴペプチドとの間の相対的結合親和性を推定した。そのような結合研究の結果を図2に示し、比較する。
図2は、それぞれヒト、イヌ、およびウサギ由来のGnRH受容体の3つの別個のウェルコーティングされたN1-29合成オリゴペプチドに適用されたGHR-106モノクローナル抗体のGHR-106抗体濃度に対する405nmでのΔODについての二重対数プロットを示す。無関係のRP215モノクローナル抗体を、任意のブランク減算の陰性対照として使用した。アルカリホスファターゼで標識したヤギ抗ヒトIgGを、シグナル検出のための二次抗体として使用した。P-ニトロフェニルホスフェートを基質として使用し、405nmでモニタリングし、二重対数プロットを示した。GHR-106と、ヒト、イヌ、およびウサギにそれぞれ由来するN1-29ペプチドとの間の結合親和性は、陰性対照としての無関係なRP215の結合親和性と比較した場合、互いに匹敵することが明確に実証された。
以前の研究において、本発明者は、マウスGHR-106、ヒト化GHR-106、およびヒト化GHR-106(hIgG4)を含むGHR-106の3つのアイソフォームが、ヒトGnRH受容体ならびにそのN1-29オリゴペプチドに対するそれぞれの結合親和性および特異性において、1~5nM程度の解離定数で本質的に同一であることを示した。
図2に示されるELISA結合研究に基づいて、GHR-106が、ヒトまたはウサギのいずれかのGnRH受容体またはそのN1-29オリゴペプチドに対して同等の結合を示すことが実証されている。したがって、ウサギを概念実証実験のために選択して、GHR-106での単回処置によるインビボでの生殖ホルモンの可逆的抑制を実証した。
実施例3:雄ウサギにGHR-106を注射したときの血清LHおよびテストステロン濃度
ヒトがん細胞を用いた以前のインビトロ研究は、培養がん細胞のアポトーシスが、1~10μg/mlの様々なアイソフォームのGHR-106モノクローナル抗体との共インキュベーションの24~72時間後に誘導され得ることを示している。誘導されたアポトーシスの程度は、デカペプチドGnRHアンタゴニストであるアンチドのものに匹敵したが、抗体は分子サイズが50倍高い。
GHR-106が、デカペプチドGnRHアンタゴニストと同様に下垂体GnRH受容体と相互作用することを実証するために、概念実証実験をウサギで実施した。雄ウサギの場合、3mg/kgのhGHR-106を単回皮下注射した後、黄体形成ホルモン(LH)およびテストステロンを含む生殖ホルモンの血清濃度を定期的にモニタリングした。
血清LHおよびテストステロン濃度を、それぞれ、EIAキットによって決定し、1日目~30日目の期間中の時間の関数としてプロットした。ホルモンプロファイルの結果を図3に示すが、これは成体雄ウサギに1日目に3mg/kgのGHR-106を皮下に単回注射した後の日数の関数としてプロットした血清LH(mIU/mL)およびテストステロン(ng/mL)濃度を示す。
図3に示すように、雄ウサギに3mg/kgを注射すると、24~48時間後に血清LHおよびテストステロンの両方の即時抑制が観察された(3.5mIU/mlから<0.5mIU/ml)。低いLHレベルは少なくとも1~2週間継続した。これに続いて、3週目の終わりまでLHレベルが変動的に増加して安定した正常範囲(2.9~5.0mIU/ml)に達した。理論に束縛されるものではないが、哺乳動物における生殖ホルモンのレベルの変動は、例えば内分泌学的、環境的、または生理学的理由により、哺乳動物において日常的に一般に観察され、したがって、生殖ホルモンのレベルのいくらかの変動が予想されることに留意されたい。しかしながら、GHR-106の投与後の生殖ホルモンの可逆的抑制の傾向は容易に観察可能であり、これらの実施例において一貫している。
同様に、雄ウサギへの3mg/kg用量の単回注射時に、血清テストステロン濃度は、最初の2週間の間に0.95ng/mlから≦0.1ng/mlまで80%超減少した。テストステロンの時間依存性血清レベルは、LHのものと同期している。注射後3週目の間、LHおよびテストステロンレベルの変動的な変化は、ホルモンレベルが正常範囲内にある30日目まで互いに平行である(図3)。
実施例4:雌ウサギにおけるhGHR-106の単回注射時の血清LHおよびエストラジオール濃度。
3mg/kg用量のhGHR-106の単回注射時の雌ウサギにおける血清黄体形成ホルモン(LH)およびエストラジオール(E2)のホルモンプロファイルをモニタリングした。LHおよびE2の血清濃度も、1日目から20日目まで定期的に測定し、図4に示した。
LHレベルの抑制は、抗体注射後の最初の数日間の間に直ちに観察された(3mIU/mlから≦1mIU/ml)。同様に、血清E2濃度を、10日目まで同じ期間中に並行して減少させた(50pg/mlから≦20pg/ml)。
10日目から20日目まで、LH濃度およびE2濃度の両方が時間とともに増加し、それぞれ18日目および20日目の後に6mIU/mlおよび120pg/mlに達した。
分離した雌への1mg/kgの低用量注射では、LHおよびE2濃度の全体的なプロファイルは、同じ観察期間中の高用量のプロファイルと同様であった(データは示さず)。
実施例5:定量的遺伝子調節研究
GHR-106とペプチドGnRHアンタゴニストであるアンチドとの間の分子機構の完全な同一性を証明するために、定量的遺伝子調節研究を行った。ヒトGnRH受容体への結合の際の遺伝子発現の量的変化は、ヒトがん細胞とのインキュベーション後にGHR-106またはペプチドGnRHアンタゴニストであるアンチドのいずれかを使用することによって示された。GHR-106とデカペプチドGnRHアンタゴニストとをさらに比較するために、10個の調節遺伝子をRTPCR法による定量のために選択し、結果を図5に示し、比較した。これらの比較研究の結果により、がん細胞に対するGHR-106とアンチドとの間の作用の分子機構に関して強い類似性が明らかになった。
実施例6 GHR-106モノクローナル抗体の高特異性
試験は、多くの他の公知で利用可能な抗GnRH受容体モノクローナル抗体と比較して、ヒトGnRH受容体に対するGHR-106の高い特異性を明らかにする。特に、参照細胞株におけるGnRHRの過剰発現を検出するGHR-106の能力を試験し、4つの異なる市販の抗体と比較する。GHR-106抗体のみが、参照細胞株においてGnRHRの過剰発現を検出することができることが見出される。
他の抗体では観察されないヒトにおけるこの組織特異性を考慮すると、GHR-106は、それぞれヒトGnRH受容体ならびにこの受容体のN1-29オリゴペプチドと反応するように産生された最良の抗体の1つであり得る。
加えて、本明細書に記載される他の実施例もまた、いくつかの異なる動物種間での高度の種交差反応性を明らかにする。したがって、GHR-106は、第3のクラスの治療薬、すなわち、有機化学物質またはデカペプチドベースのGnRHアンタゴニストに匹敵する抗体ベースのGnRHアンタゴニストとして認識されるはずである。
GHR-106のヒト化形態は、ヒトへの適用時の固有かつ制限された免疫原性に起因して、がん療法または妊孕性制御のいずれかにおけるヒト臨床適用にのみ利用することができる。この懸念は、抗体、特に抗体のFc領域に対する適切な改変が、他の哺乳動物種を含む他の動物種における臨床適用のためになされ得ると考えられ得る。例えば、同種異系注射に対するアレルギー反応を回避するために、純血種マウス由来の抗体を、別の種、例えばイヌまたはネコ由来(受容体定常領域)のキメラ抗体で置き換えてもよい。異種免疫応答を最小化するために、マウス(可変、VR)-イヌ(定常、FC)キメラIgGを産生し、イヌにおける適用のために使用することができる。同様に、マウス-ネコキメラ抗体は、ネコにおける適用のための公知の方法に従って生成され得る。同様の改変を、他の種における治療剤としてのGHR-106抗体の適用のために行ってもよい。
実施例7:大規模な概念実証ウサギ実験
GHR-106(hIgG4)がインビボでGnRHアンタゴニストとして作用することを実証するために、大規模な概念実証実験をウサギで実施し、データをこれらの追加の実施例に示した。
上記実施例からのデータから判断して、黄体形成ホルモン、テストステロン、およびエストラジオールを含む生殖(すなわち性関連)ホルモンの可逆的抑制が、雄ウサギまたは雌ウサギの単回注射時に観察された。生殖ホルモンの血清レベルは、注射後1~2週間後に正常範囲に戻った。
単一ウサギデータにおける予備的観察により、陰性対照を含む大規模なウサギ実験(n≧30)を同一のプロトコルで行った。具体的には、GHR-106がGnRHアンタゴニストとして作用することをさらに確認するために、雄ウサギおよび雌ウサギにおいて大規模な実験を行った。各実験群で得られたデータを統計的に分析した。各実験群におけるウサギからのホルモンレベルの平均および標準偏差を図6~9に示し、対応する選択された統計分析および陰性対照のものとの別個の比較を表1~表4に示す。
雄ウサギの場合、1日目に1mg/kgのGHR-106(低用量、n=3)もしくは3mg/kgのGHR-106(高用量、n=3)を単回皮下注射した後、または注射しなかった後(陰性対照、n=4)に、10匹の雄ウサギのLHおよびテストステロンを含む生殖ホルモンの血清濃度をモニタリングおよび測定した。血清テストステロンレベルを決定して平均(標準偏差を伴う)を1日目から17日目まで決定するとともに、血清LHレベルを1日目から13日目まで決定した(標準偏差を伴う)。テストステロンプロファイルの結果を図6に示す。LHプロファイルの結果を図7に示す。図6および図7についての選択された統計分析および陰性対照のものとの別個の比較を、それぞれ表1および表2に示す。
図6および図7に見られるように、雄ウサギの血清テストステロンおよびLHレベルは、低用量または高用量のいずれかでの1日目のGHR-106の単回注射によって可逆的に抑制された。低用量または高用量のいずれかでの処置は、陰性対照と比較して、血清テストステロンおよびLHの即時かつ統計的に有意に減少をもたらした。注目すべきことに、同様の大きさの抑制が、低用量群および高用量群の両方において観察された。続いて、低用量群および高用量群におけるウサギの血清テストステロンおよびLHは、抑制の数日後に陰性対照群におけるレベルと同様のレベルに戻った。
雌ウサギの場合、1日目に1mg/kgのGHR-106(低用量、n=3)もしくは3mg/kgのGHR-106(高用量、n=3)を単回皮下注射した後、または注射しなかった後(陰性対照、n=4)に、10匹の雌ウサギのLHおよびエストラジオール(E2)を含む生殖ホルモンの血清濃度をモニタリングおよび測定した。血清E2レベルを、1日目から17日目まで決定し、血清LHレベルを、1日目から13日目まで決定した。エストラジオール(E2)プロファイルの結果を図8に示す。LHプロファイルの結果を図9に示す。図8および図9についての選択された統計分析および陰性対照のものとの別個の比較を、それぞれ表3および表4に示す。
図8および図9に見られるように、雌ウサギの血清エストラジオール(E2)およびLHレベルは、低用量または高用量のいずれかでの1日目のGHR-106の単回注射によって可逆的に抑制された。低用量または高用量のいずれかでの処置は、陰性対照と比較して、血清エストラジオール(E2)およびLHの即時かつ統計的に有意に減少をもたらした。注目すべきことに、同様の大きさの抑制が、低用量群および高用量群の両方において観察された。続いて、低用量群および高用量群におけるウサギの血清エストラジオール(E2)およびLHは、抑制の数日後に陰性対照群におけるレベルと同様のレベルに戻った。
全般的に、単一ウサギ実験または複数ウサギ実験の両方が、1mg/kg用量または3mg/kg用量のいずれかでのGHR-106(hIgG4)の単回注射時の生殖ホルモンの可逆的抑制を明らかにした。ホルモンレベルは、1~3週間後に陰性対照群と同様の正常範囲に戻り、性関連ホルモンの抑制が可逆的であることを示す。したがって、上記の個々のウサギデータと一致して、可逆的ホルモン抑制の効果が、より大きな実験群の間で観察された。
結論として、複数ウサギ実験および個々のウサギ実験は、GHR-106抗体処置時の時間依存的可逆的性関連ホルモン抑制に関して同じ結論をもたらした。したがって、本発明者は、GHR-106(hIgG4)が抗体ベースの長時間作用型GnRHアンタゴニストであり、現在臨床的に使用されているセトロレリックスなどのデカペプチドGnRHアンタゴニストに匹敵する生物学的効果を示すが、そのより長い半減期を考慮すると、より長い活性期間という潜在的利点を有することを実証した。
いくつかの例示的な態様および実施形態が上記で説明されてきたが、当業者は、特定の修正、置換、追加、およびそれらのサブコンビネーションを認識するであろう。したがって、以下の添付の特許請求の範囲および今後導入される特許請求の範囲は、全体として本明細書の最も広い解釈と一致するようなすべての修正、置換、追加、およびサブコンビネーションを含むように解釈されることが意図される。
上記を限定することなく、様々な実施形態は、以下を含むいくつかの態様を含む。これらの態様は、(1)いくつかの動物種に対するGHR-106の高度のアミノ酸配列相同性および広範な程度の種交差反応性;(2)ヒトまたは他の哺乳動物種におけるGHR-106とGnRH受容体との間の強い相互作用の直接的な証拠を提供する概念実証実験;ならびに(3)長時間作用型抗体ベースのGnRHアンタゴニストと短寿命ペプチドベースのGnRHアンタゴニストとの間の量的遺伝子発現レベル変化における高度の同一性および一貫性を含む要因を実証する、本出願に開示される実施例に基づく。
第1の態様では、様々なアイソフォームまたは種のGHR-106は、いくつかの異なる動物種(イヌ、ネコ、およびウサギ、およびサル)のGnRH受容体と交差反応し、それらがヒトとそれらそれぞれの受容体のN1-29オリゴペプチドにおいて高度の配列相同性(≧90~95%)を共有する限り、GnRHアンタゴニストとして使用することができる。
第2の態様では、GnRHアンタゴニストとして、GHR-106を使用して、第1の態様の基準を満たすヒトまたは任意の他の動物種の内因性生殖ホルモン(例えば、LH、FSH、テストステロン、エストラジオール、およびプロゲステロンなど)を可逆的に抑制することができる。
第3の態様では、GnRHアンタゴニストとして、ヒト化IgG4アイソタイプのGHR-106[GHR-106(hIgG4)]は、セトロレリックスなどのデカペプチド類似体の薬物作用と同様に、GHR-106処置時に生殖ホルモンの可逆的抑制のためにヒト下垂体前葉に直接作用して、GnRH受容体によって制御される妊孕性調節または障害を操作することができる。
第4の態様では、GnRHアンタゴニストとして、様々なアイソフォームまたは種のGHR-106を、ヒトだけでなく、イヌ、ネコ、およびウサギなどを含むいくつかの他の動物種におけるほとんどすべての受容体陽性がんのがん療法において使用することができる。

Claims (28)

  1. 哺乳動物対象における性関連ホルモンのレベルを調節するための、GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片の使用。
  2. 前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、前記対象において少なくとも1つの性関連ホルモンの可逆的抑制を引き起こす、請求項1に記載の使用。
  3. 前記少なくとも1つの性関連ホルモンの前記可逆的抑制が、前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片の投与後3日~21日間の前記対象における前記少なくとも1つの性関連ホルモンの血清レベルの低下を含む、請求項2に記載の使用。
  4. 前記少なくとも1つの性関連ホルモンが、テストステロン、エストラジオール、黄体形成ホルモン、プロゲステロン、卵胞刺激ホルモン、またはそれらの組み合わせである、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 子宮外妊娠を終了させるための、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
  6. 前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、女性(雌)対象における排卵を制御するために使用される、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
  7. 前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、女性(雌)対象における妊孕性制御ために使用される、請求項1~4または6のいずれか一項に記載の使用。
  8. 前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、男性(雄)対象における妊孕性制御ために使用される、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
  9. 対象における性ホルモン関連の状態または障害の治療のための、請求項1~4のいずれか一項に記載のGHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片の使用。
  10. 前記性ホルモン関連の状態または障害が、生殖疾患、トランスジェンダーの人の医学的移行、不妊症、生殖補助療法、避妊、子宮内膜症、子宮内膜菲薄化、腺筋症、子宮内膜増殖症、子宮平滑筋腫、月経前症候群、良性前立腺肥大、卵巣障害、多嚢胞性卵巣疾患、または思春期早発症である、請求項9に記載の使用。
  11. 前記性ホルモン関連の状態または障害が、既知のGnRHアンタゴニストの投与によって治療可能であることが知られている状態であり、前記既知のGnRHアンタゴニストが任意選択でアンチドまたはセトロレリックスを含む、請求項9または10に記載の使用。
  12. 前記性ホルモン関連の状態または障害は、循環中の活性治療剤の半減期が既知のデカペプチドGnRHアンタゴニストよりも長いことが望ましいものである、請求項9~11のいずれか一項に記載の使用。
  13. 前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、前記対象の体重に対して約1mg/kgから約3mg/kgの用量での投与に適合されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の使用。
  14. 前記対象がヒトであり、前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、約50mgから約30mgの用量での投与に適合されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の使用。
  15. 前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、約1週間ごとから約3週間ごとの間隔を空けて繰り返しでの投与に適合されている、請求項1から14のいずれか一項に記載の使用。
  16. 前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、配列番号7のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖を有し、かつ/または前記GHR-106抗体が、配列番号8のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖を有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の使用。
  17. a)前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片の重鎖のCDR1領域が、アミノ酸配列RYSVH(配列番号9)を有し、
    b)前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片の重鎖のCDR2領域が、アミノ酸配列MIWGGGSTDYNPSLKSR(配列番号10)を有し、
    c)前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片の重鎖のCDR3領域が、アミノ酸配列GYYSFA(配列番号11)を有し、
    d)前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖のCDR1領域が、アミノ酸配列KSSQSLLNSRTRKNYLA(配列番号12)を有し、
    e)前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖のCDR2領域が、アミノ酸配列WASTRES(配列番号13)を有し、
    f)前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片の軽鎖のCDR3領域が、アミノ酸配列KQSYNLYT(配列番号14)を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載の使用。
  18. 前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、薬学的組成物を提供するための薬学的に許容される賦形剤または他の薬学的に適切な化合物との組合せを含む、医薬として投与するための任意の適切な様式で製剤化される、請求項1から17のいずれか一項に記載の使用。
  19. 前記GHR-106抗体またはその抗原結合性断片が、公知のデカペプチドGnRHアンタゴニストと同様に作用する、請求項1から18のいずれか一項に記載の使用。
  20. 前記公知のデカペプチドGnRHアンタゴニストが、アンチドまたはセトロレリックスを含む、請求項19に記載の使用。
  21. 前記対象が男性(雄)である、請求項1~4または8~20のいずれか一項に記載の使用。
  22. 前記対象が女性(雌)である、請求項1~7または9~20のいずれか一項に記載の使用。
  23. 前記GHR-106モノクローナル抗体の抗原結合性断片がIgG抗体断片を含み、前記IgG抗体断片が任意選択でF(ab’)2、Fab、scFab、またはscFvを含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の使用。
  24. 前記対象がヒトであり、前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、ヒト化GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片を含む、請求項1から23のいずれか一項に記載の使用。
  25. 対象がサル、ウサギ、ネコ、またはイヌである、請求項1~23のいずれか一項に記載の使用。
  26. 前記対象が、GnRH受容体のN1-29アミノ酸配列が配列番号1と少なくとも90%の配列同一性を有する哺乳動物である、請求項1~23のいずれか一項に記載の使用。
  27. 前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、前記対象の種におけるIgG4のFc領域を含有するように操作されたキメラ抗体である、請求項25または26に記載の使用。
  28. 前記GHR-106モノクローナル抗体またはその抗原結合性断片が、ヒト循環において3日~21日の半減期を有する、請求項1~27のいずれか一項に記載の使用。
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