JP2024516361A - Pi3kの可逆的および不可逆的共有結合性阻害剤としてのトリアジン誘導体 - Google Patents

Pi3kの可逆的および不可逆的共有結合性阻害剤としてのトリアジン誘導体 Download PDF

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Abstract

本発明は、化学反応基(弾頭)を含有し、可逆的および不可逆的共有結合性阻害剤として挙動する新規トリアジン化合物に関する。リンカーは、コア可逆的阻害剤から10Åを超える遠位の溶媒曝露されたシステインを標的とするように導入されている。阻害剤固有の反応性および共有結合形成の効率を調節するために、異なる出口ベクターが調査されている。本発明者らは、ヒト悪性腫瘍において頻繁に変化する酵素であるホスホイノシチド3-キナーゼアルファ(PI3Kα)の新規な最適化された共有結合性修飾剤を開示する。本発明の化合物は、がんおよび代謝におけるPI3Kアイソフォームの役割の調査、ならびにPI3Kαに駆動されるがんおよび奇形の処置に有用な治療剤および化学プローブとして利用することができる。

Description

本発明は、シグナル伝達、増殖、分化および細胞死などの細胞活性を調節するのに有用な治療剤および化学プローブとしての化学反応基(弾頭)を含有する新規トリアジン化合物に関する。本発明の化合物は、キナーゼ活性、特にホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)の活性を調節する。
プロテインキナーゼは、シグナル伝達事象に関与し、細胞外メディエーターまたは刺激(成長因子、サイトカインまたはケモカインを含む)に応答して細胞の活性化、成長、分化、生存および遊走を制御する。
プロテインキナーゼ活性の増加は、がん、炎症性障害、代謝および免疫の疾患を含む多くの疾患に関与している。これらは、変異、過発現または酵素活性の不適切な制御による制御機構の不全によって直接的または間接的に引き起こされ得る。
ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)シグナル伝達経路は、細胞成長、増殖および生存を含む多くの細胞プロセスにおいて重要な役割を果たす。PI3Kファミリーは、それらのアミノ酸配列、相同性および基質特異性に従って3つのクラスに分けられる。クラスI PI3Kは、受容体タンパク質チロシンキナーゼ(RTK)、Gタンパク質共役受容体(GPCR)および免疫グロブリン受容体を含む細胞表面受容体の下流で活性化される。クラスIA PI3Kは、触媒サブユニット(p110α、p110β、またはp110δ)および関連する調節サブユニット(p85α、p85β、p50α、p55α、またはp55γ)から構成される偏性ヘテロ二量体である。クラスIB PI3Kγは、GPCRの下流で作動し、触媒サブユニット(p110γ)およびアダプターサブユニット(p84またはp101)からなる。細胞表面受容体は、PI3Kを活性化し、プロテインキナーゼB(PKB/Akt)および3-ホスホイノシチド依存性プロテインキナーゼ1(PDK1)のドッキング部位として働くPtdIn(3,4,5)Pを産生する。これは、2つの調節部位、PDK1によるThr308およびmTOR複合体2(mTORC2)によるSer473でのキナーゼドメインのリン酸化をもたらす。PI3K/mTOR経路の過剰活性化は、このシグナル伝達カスケードの複数のレベルで起こり得、最終的にがんの成長および進行を促進する。腫瘍抑制因子ホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)の喪失または不活性化、細胞表面受容体の変異または増幅、ならびにPIK3CAにおける活性化ホットスポット変異の存在は、ヒトの発癌において重要な役割を果たす。さらに、PI3K/mTOR軸の過活性化は、複数のがん処置に対する耐性に関連している。したがって、PI3K阻害剤は、がん治療において価値が高いと考えられている。
PI3Kシグナル伝達を標的とする薬物の開発には相当の努力が注がれており、それらの多くは現在臨床試験で評価されている。選択的PI3Kα阻害剤は、PIK3CA変異腫瘍およびPIK3CA関連過成長症候群(PROS)に有益であり得、pan-PI3K阻害剤のオンターゲット代謝副作用を最小限に抑えることができる。Novartis製のBYL719/アルペリシブ/PIKRAYおよびGenentech製のGDC-0032/タセリシブは、可逆的修飾剤として作用し、PI3Kα選択的阻害剤として特許請求されている。しかし、インビボ実験に必要な濃度では、それらはPI3Kアイソフォームを区別することができない。CNX-1351と呼ばれる1つのPI3Kα共有結合性阻害剤のみが現在利用可能であるが、それは限定されたインビトロおよび細胞での効力、低い水溶性および代謝不安定性を示す。
本特許出願は、PI3K阻害活性を有し、不可逆的共有結合性および可逆的共有結合性修飾剤として作用するある特定のトリアジン誘導体、ならびに医薬品としてのそれらの使用について記載している。本明細書で網羅される化合物は、CNX-1351と比較して、効力、代謝安定性、および薬物様特性に関して有意な利点を有する。さらに、本特許出願は、共有結合性キナーゼ阻害剤の開発のためのリンカーについて記載している。
本発明は、不可逆的修飾剤として作用する新規トリアジン系化合物、ならびに治療剤および化学プローブとしてのそれらの使用に関する。
本発明の第1の態様は、式(IV)、特に式(IVa)の化合物

[式中、
・XはCHまたはNであり、
・YはHまたはFであり、
・RおよびRは互いに独立に、H、CH、シクロプロピル、-F、-CH-F、-CH-CH-F、-CN、

および

(式中、Rは、FまたはCHであり、RはC1~6アルキルであり、zは0、1または2である)から選択され、
・RはC1~3アルキルであるか、または2つの残基Rは架橋-(CH-を形成し、rは1、2または3であり、
・vは、0、1、2、3または4であり、
・Rは、H、Fまたは-CNであり、
・Lは、

(式中、RはC1~3アルキル、F、-CHCNまたは-CNであり、tは0、1または2である)から選択される部分であり、
・Wは、COまたはCHであり、
・Wは、O、CHおよびCOから選択され、
・Uは、O、CH、CO、NH、およびN(CH)から選択され、
・nは1または2である]、
またはそのプロドラッグ、代謝産物、互変異性体、溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩に関する。
本発明の第2の態様は、疾患の処置において使用するための本発明の第1の態様による化合物に関する。
本発明の第3の態様は、腫瘍疾患、過成長症候群、神経疾患障害、免疫疾患障害の処置において使用するための本発明の第1の態様による化合物に関する。
本発明の第4の態様は、式(VI)の中間体

(式中、R、R、R、L、W、U、nおよびWは上記のように定義され、
Zは、-OH、Br、COOH、-C(OH)NHである)
に関する。
発明の詳細な説明
ここで、本発明のある特定の実施形態を詳細に参照し、その例を添付の構造および式に例示する。本発明を、列挙した実施形態と併せて説明するが、それらは本発明をそれらの実施形態に限定することを意図していないことが理解されよう。それどころか、本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれ得るすべての代替物、修正物、および均等物を網羅することを意図している。当業者は、本発明の実践において使用することができる、本明細書に記載されたものと類似または同等の多くの方法および材料を認識するであろう。本発明は、本明細書に記載の方法および材料に決して限定されない。
定義
「アルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、1~5個の炭素原子(C~C)の飽和直鎖一価炭化水素基を指す。アルキル基の例としては、メチル、エチル、1-プロピル(n-プロピル)、1-ブチル(n-ブチル)が挙げられるが、これらに限定されない。
「複素環」、「ヘテロシクリル」および「複素環式環」という用語は、本明細書では互換的に使用され、少なくとも1個の環原子がヘテロ原子、特に窒素であり、残りの環原子が炭素原子であり、1つまたは複数の環原子が、特に-CHおよび-Fから選択される1つまたは複数の置換基で独立して場合により置換されている、4~6個の環原子の飽和または不飽和炭素環式ラジカルを指す。
「キラル」という用語は、鏡像パートナーと重ね合わせることができないという特性を有する分子を指し、「アキラル」という用語は、鏡像パートナーと重ね合わせることができる分子を指す。
「立体異性体」という用語は、同一の化学構成を有するが、空間における原子または基の配置に関して異なる化合物を指す。
「ジアステレオマー」は、化合物が互いに鏡像ではない、2つ以上のキラリティ中心を有する立体異性体を指す。ジアステレオマーは、異なる物理特性、例えば、融点、沸点、スペクトル特性、ならびに化学および生物学反応性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動およびクロマトグラフィーなどの高分解能分析手順下で分離することができる。
「エナンチオマー」は、互いに重ね合わせることができない鏡像である化合物の2つの立体異性体を指す。
本明細書で使用される立体化学の定義および慣例は、一般に、S.P.Parker編によるMcRaw-Hiff Dictionary of Chemical Terms(1984)、McGraw-Hill Book Company、ニューヨーク;ならびにEliel,E.およびWilen,S.による「Stereochemistry of Organic Compounds」、John Wiley&Sons,Inc.、ニューヨーク、1994に従う。本発明の化合物は、不斉中心またはキラル中心を含有し得、したがって、様々な立体異性体形態で存在し得る。ジアステレオマー、エナンチオマーおよびアトロプ異性体、ならびにそれらの混合物、例えばラセミ混合物を含むがこれらに限定されない本発明の化合物のすべての立体異性体形態が本発明の一部を形成することが意図される。多くの有機化合物は光学的に活性な形態で存在し、すなわち、それらは平面偏光面を回転させる能力を有する。光学的に活性な化合物について説明する際に、接頭辞RおよびSは、そのキラル中心の周りの分子の絶対配置を示すために使用される。所与の化学構造について、これらの立体異性体は、それらが互いに鏡像であることを除いて同一である。特定の立体異性体はエナンチオマーと呼ばれることもあり、そのような異性体の混合物はエナンチオマー混合物と呼ばれることが多い。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物またはラセミ体と呼ばれる。「互変異性体」または「互変異性形態」という用語は、低エネルギー障壁を介して相互変換可能な異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体は、ケト-エノール異性化およびイミン-エナミン異性化などのプロトンの移動による相互変換を含む。
「エノン」という用語は、ケトンに共役したアルケンからなる有機化合物の一種であるα、β-不飽和カルボニルを指す。最も単純なエノンは、メチルビニルケトン(ブテノン)またはCH=CHCOCHである。これらは、カルボニル炭素とβ-炭素の両方において求電子性である。条件に応じて、いずれかの部位が求核剤によって攻撃される。アルケンへの付加はマイケル付加と呼ばれ、PI3Kα中のシステイン862を共有結合的に修飾するために本発明において使用される。
「アクリルアミド」という用語は、アクリル酸に由来し、一般化学式CH=CHC(O)NHを有するアミドを指す。アクリルアミドは、本発明の化合物において使用され、PI3Kα中のシステイン862とのマイケル付加を受ける。
「PI3K」という用語は、ホスホイノシチド3-キナーゼを指す。
「PI3Kアルファ」、「PI3Kα」または「p110aタンパク質」という用語は、PI3KCA遺伝子によってコードされるPI3Kのサブユニットに関する。
「不可逆的」または「不可逆的阻害剤」という用語は、PI3キナーゼに実質的に非可逆的に共有結合することができる阻害剤を指すのに対して、可逆的阻害剤はキナーゼに結合することができ(しかし、一般に共有結合を形成することができない)、したがってPI3キナーゼから解離することができる。不可逆的阻害剤は、共有結合形成が起こると、キナーゼに実質的に結合したままである。化合物が不可逆的阻害剤として作用しているかどうかを特定する方法は、当業者に公知である。そのような方法としては、以下に限定されないが、キナーゼによる化合物の阻害プロファイルの酵素速度論的分析、阻害剤化合物の存在下で修飾されたタンパク質薬物標的の質量分析の使用、タンパク質薬物標的と阻害剤化合物との間の複合体を解析するためのX線結晶学の使用、「ウォッシュアウト」実験としても知られる断続曝露、および当業者に公知の他の方法が挙げられる。
「可逆的共有結合」という用語は、標的システインを共有結合的に修飾する阻害剤を指すが、非共有結合反応物を結合生成物から分離する自由エネルギー差は平衡に近く、活性化障壁は比較的低く、その結果、化学結合を切断する逆反応が容易に起こる(例にはニトリル系可逆的共有結合性阻害剤が含まれる)。
「弾頭」または「弾頭基」という用語は、本発明の化合物に存在する官能基であって、標的タンパク質の結合ポケットに存在するアミノ酸残基(例えば、システイン、リジン、ヒスチジン、または共有結合的に修飾することができる他の残基)に共有結合し、それによってタンパク質を不可逆的に阻害することができる官能基を指す。弾頭基は、タンパク質を共有結合的かつ不可逆的に阻害するために不可欠である。
「阻害剤」という用語は、PI3キナーゼに測定可能な親和性で結合し、それを阻害する化合物として定義される。ある特定の実施形態では、阻害剤は、IC50および/または不可逆的不活性化の速度定数(kinact)によって特徴付けられる。
「CNX-1351」という用語は、1-[4-[[2-(1H-インダゾール-4-イル)-4-(4-モルホリニル)チエノ[3,2-d]ピリミジン-6-イル]メチル]-1-ピペラジニル]-6-メチル-5-ヘプテン-1,4-ジオン(CAS 1276105-89-5)を指す。
「薬学的に許容される塩」という表現は、本明細書で使用される場合、本発明の化合物の薬学的に許容される有機塩または無機塩を指す。本発明の化合物が塩基である場合、所望の薬学的に許容される塩は、当技術分野で利用可能な任意の適切な方法、例えば、遊離塩基を、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、リン酸などの無機酸、または酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、グルクロン酸もしくはガラクツロン酸などのピラノシジル酸、クエン酸もしくは酒石酸などのアルファヒドロキシ酸、アスパラギン酸もしくはグルタミン酸などのアミノ酸、安息香酸もしくは桂皮酸などの芳香族酸、p-トルエンスルホン酸もしくはエタンスルホン酸などのスルホン酸などの有機酸で処理することによって調製することができる。
「保護基」という用語は、化合物上の他の官能基の反応中に特定の官能基をブロックまたは保護するために一般的に用いられる置換基を指す。例えば、「アミノ保護基」は、化合物中のアミノ官能基をブロックまたは保護するアミノ基に結合した置換基である。適切なアミノ保護基としては、アセチル、トリフルオロアセチル、tert-ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニルおよび9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。保護基およびそれらの使用の一般的な説明については、T.W.GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis、John Wiley&Sons、ニューヨーク、1991を参照されたい。
「本発明の化合物(複数可)」および「式(I、II、III)の化合物」という用語には、その立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、薬学的に許容される塩およびその塩の溶媒和物が含まれる。
詳細な説明
本発明は、PI3キナーゼ、特にPI3Kαの可逆的または不可逆的修飾剤として作用する新規トリアジン系化合物、ならびに治療剤および化学プローブとしてのそれらの使用に関する。
本発明の化合物は、公知の阻害剤CNX-1351と比較して、より高い水溶性(>30倍)、インビトロおよび細胞内でのより高い効力(>7倍)、ならびにより高い代謝安定性を有する。
本発明の重要な態様は、高度に選択的な標的結合および低下したまたは無視できるオフターゲット反応性をもたらす好ましい分子(特に、アクリルアミド部分を形成する弾頭を特徴とする阻害剤)における優れた反応パラメータに関し、
i)共有結合性阻害剤のオンターゲット反応は、酵素(E)と阻害剤(I)の複合体形成の可逆的平衡を説明する阻害剤解離定数K
E+I←→E~I
および、共有結合性阻害剤-酵素複合体(EI)を形成するための、阻害剤と酵素との間の共有結合形成の反応速度を定義するkinactによって定義され
E~I→EI
ii)細胞および体液などの生理学的環境に存在する遍在性スルフヒドリル(S)および他の求核剤とのオフターゲット反応は、SおよびIの変換を駆動してスルフヒドリル付加物(SI)を形成するkchemによって定義される弾頭の固有の反応性によって駆動される
S+I→SI
固有の弾頭反応性が高いこと(高kchem値)により、化合物の損失、細胞構成成分の共有結合修飾、毒性および抗化合物免疫反応をもたらす望ましくないスルフヒドリル付加物の形成がもたらされる:
表1に例示されているように、好ましい分子は、優れたオンターゲット結合とオフターゲット結合を保証するために、低kchem、低K、高kinact、高kinact/K比を示す。
本発明の第1の態様は、式(IV)、特に式(IVa)の化合物

[式中、
・XはCHまたはN、特にNであり、
・YはHまたはF、特にHであり、
・RおよびRは互いに独立に、H、CH、シクロプロピル、-F、-CH-F、-CH-CH-F、-CN、

(式中、RはFまたはCHであり、RはC1~6アルキルであり、zは0、1または2である)から選択され、

・RはC1~3アルキルであるか、または2つの残基Rは架橋-(CH-を形成し、ここでrは1、2または3であり、特にrは1または2であり、
・vは、0、1、2、3または4であり、
・Rは、H、Fまたは-CNであり、
・Lは、

(式中、RはC1~3アルキル、F、-CHCNまたは-CNであり、tは0、1または2である)から選択される部分であり、
・Wは、COまたはCHであり、
・Wは、O、CHおよびCOから選択され、
・Uは、O、CH、CO、NHおよびN(CH)、特にO、CH、NHおよびN(CH)から選択され、
・nは1または2である]、
またはそのプロドラッグ、代謝産物、互変異性体、溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩、特にその互変異性体、溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩に関する。
本発明による阻害剤は、多環式足場、およびリンカーを介して足場に接続されたいわゆる弾頭を含む。足場は、3つの複素環、すなわちモルホリニル、ピペラジニルおよびピリジニルまたはピリミジニル部分で置換されたトリアジン部分を含む。ピリジニルまたはピリミジニル部分は、フッ素化メチルおよびアミン部分で置換されている。モルホリニル部分は場合により置換されている。ピペラジニルは、L、W、U、C1~2アルキルおよびWから構成されるリンカーに結合している。
分子は、いわゆる「弾頭」と呼ばれるある特定の反応性官能基を提示する。本明細書で使用される場合、「弾頭」または「弾頭基」という用語は、本発明の化合物に存在する官能基であって、標的タンパク質の結合ポケットに存在するアミノ酸残基(例えば、システイン、リジン、ヒスチジン、または共有結合的に修飾することができる他の残基)に共有結合し、それによってタンパク質を不可逆的に阻害することができる官能基を指す。
本発明による阻害剤は、PI3KαのCys862に共有結合し得る。このような阻害剤は、弾頭内の炭素-炭素二重結合を特徴とする。結合の安定性は、安定な共有結合または可逆的な共有結合を形成する阻害剤を達成するために、置換基R、RおよびRによって調節され得る。
本明細書に開示される化合物は、良好な安定性と合わせて、良好なPI3キナーゼ阻害、特に良好なPI3Kα阻害を示す。
ある特定の実施形態では、Rは、H、CHまたは-CHFである。
ある特定の実施形態では、Rは、Hまたはシクロプロピルである。
ある特定の実施形態では、Rは、シクロプロピルであり、Rは、-CNである。
ある特定の実施形態では、Rは、C1~3アルキル、特にCHである。
ある特定の実施形態では、vは、0、1または2、より詳細には、0または1である。
ある特定の実施形態では、化合物は、式(V)、特に(Va)の化合物

(式中、
X、Y、R、R、R、R、W、n、U、W、Lは上記のように定義され、
vは0または1である)
である。
ある特定の実施形態では、本発明の第1の態様による化合物は、式(I)または(II)の化合物

[式中、
RはHまたはCHであり、
はHまたはCHであり、
は、

(式中、RはC1~3アルキル、F、-CHCNまたは-CNであり、tは0、1または2である)から選択される部分である]

[式中、
はHまたはCHであり、
は、

(式中、RはC1~3アルキル、F、-CHCNまたは-CNであり、tは0、1または2である)から選択される部分であり、
UがCHである場合、WはOであり、またはUがOである場合、WはCHであり;
がCHである場合、UはOであり、または、WがOである場合、UはCHであり;
は、Hまたは-CH-Fであり、
は、Hまたはシクロプロピルであり、
はHまたはFである]
、およびその可逆的類似体、プロドラッグ、代謝産物、互変異性体、溶媒和物および薬学的に許容される塩(I、II)である。
ある特定の実施形態では、本発明の第1の態様による化合物は、式(Ia)の化合物

[式中、
RはHまたはCHであり;
はCOおよびCHであり;
は、

(式中、RはC1~3アルキル、F、-CHCNまたは-CNであり、tは0、1または2である)から選択される部分である]
である。
さらに、本発明は、前記化合物の互変異性体、溶媒和物、中間体、プロドラッグおよび塩を含む上文で定義されている式(I、II)の化合物の合成に関する。
本発明の第2の態様は、疾患の処置において使用するための本発明の第1の態様による化合物に関する。
本発明の別の態様は、PI3KCA遺伝子の活性化変異またはクラスI PI3K、特にPI3Kαの活性化によって引き起こされる疾患の処置において使用するための本発明の第1の態様による化合物に関する。クラスI PI3K、特にPI3Kαの活性化は、細胞表面受容体、上流の過発現もしくは変異した上流活性化因子またはPI3KCA遺伝子もしくはPIK3R1、PIK3R1、PIK3R1の遺伝子産物を含むPI3K相互作用および調節タンパク質の活性化変異によって起こり得る。
本発明の第3の態様は、腫瘍疾患、過成長症候群、神経疾患、免疫疾患の処置において使用するための本発明の第1の態様による化合物に関する。
ある特定の実施形態では、腫瘍は固形腫瘍であり、および/または腫瘍疾患はリンパ腫および白血病から選択される。
ある特定の実施形態では、本発明の第1の態様による化合物は、増殖性疾患;良性または悪性腫瘍のいずれか;肉腫から出現する腫瘍;肺;気管支;前立腺;乳房;膵臓;胃腸がん;結腸;直腸;結腸癌;結腸直腸腺腫;甲状腺;肝臓;肝内胆管;肝細胞;副腎;胃(stomach);胃(gastric);神経膠腫;神経膠芽腫;子宮内膜;黒色腫;腎臓;腎盂;膀胱;子宮体部;子宮頸部;膣;卵巣;多発性骨髄腫;食道;
白血病の処置;急性骨髄性白血病;慢性骨髄性白血病;リンパ球性白血病;骨髄性白血病;脳;脳の癌;口腔および咽頭;喉頭;小腸;非ホジキンリンパ腫;黒色腫;絨毛状結腸腺腫;新生物;上皮性の新生物;リンパ腫;乳癌の処置;基底細胞癌;扁平上皮癌;光線性角化症;固形腫瘍を含む腫瘍疾患;頸部または頭部の腫瘍;真性赤血球増加症;本態性血小板血症;骨髄化生を伴う骨髄線維症;およびワルデンシュトレームマクログロブリン血症;乳がん、甲状腺がん、子宮がん、およびこれらの症候群を有する患者に出現する他のがんなどの散発性がんを含むコーデン病および多発性過誤腫症候群;線維脂肪過形成(線維脂肪過成長とも呼ばれる)、CLOVES症候群、大脳毛細血管奇形症候群(MCAP症候群)、半過形成-多発性脂肪腫症症候群(HHML症候群)、片側巨脳症、ならびに他の器官における顔面および浸潤性脂肪腫症を含む、PIK3CA関連過成長スペクトル(PROS)関連障害;全身の血管およびリンパの奇形、ならびに腫瘍血管新生;眼血管新生および黄斑変性(AMD)、増殖性および糖尿病性網膜症(PDR)、ならびに未熟児網膜症(ROP)の処置において使用するためのものである。
本発明はまた、細胞の分裂、成長、遊走、接着および転移の増強によって調節される疾患、状態および/または障害の処置において潜在的に有用である、抗がん活性を有する化学療法剤としてのそのようなPI3K標的化合物、その医薬製剤に関する。化合物は、哺乳動物における腫瘍成長を阻害し得、ヒトがん患者を処置するのに有用であり得る。
本発明は、弾頭(6、5員環または4員環のメタ、オルト位)の出口ベクターを調節することによって阻害剤の固有の反応性を調整する能力にも言及する。
さらに、がん処置に関して、本発明はまた、そのような化合物を使用する細胞過活性化によって引き起こされる病原性細胞状態の処置に関する。PI3Kを標的とする分子は、PI3Kによって調節される疾患または状態を処置または予防するために、様々な過剰増殖性疾患を処置するために使用することができる。
本発明はまた、がんおよび代謝におけるPI3Kアイソフォームの役割を分析するための化学プローブとしてのそのようなPI3K標的化合物に関する。
さらに、本発明は、哺乳類の細胞、生物、もしくは関連する病態のインビトロ、インサイチュおよびインビボでの診断手順もしくは処置のためにそのような化合物を使用する方法、または産生プロセスに関する。
さらなる態様では、本発明は、上文で定義されている式(I、II)の化合物を含む医薬組成物、およびPI3Kによって調節される疾患または障害を予防または処置する、特に過剰増殖性障害を処置する方法に関する。
本発明のさらなる態様は、単独で、またはPI3Kによって調節される疾患もしくは障害、特に過剰増殖性障害の化学療法、放射線療法、標的療法もしくは免疫療法などの標準的な処置と組み合わせた、上文で定義されている式(I、II)の化合物の有効量の使用に関する。
さらなる態様では、本発明は、プロテインキナーゼを標的とする共有結合化合物の設計および合成におけるリンカーとしての式(III)の化合物

[式中、
UはNH、NCH、OまたはCHに等しく;
YはCO、OまたはCHに等しく;
は、アゼチジンまたはピロリジンまたはピペリジンであり、矢印は、式(III):

における結合を示す]
の使用に関する。
本発明の別の態様は、式(I、II、III)の化合物の中間体、プロドラッグおよび塩を含む、上文で定義されている前記化合物を調製する方法、分離する方法および精製する方法を含む。
本発明の別の態様は、上文で定義されている式(I、II、III)の化合物を調製するのに有用な新規な中間体を含む。
本発明の別の態様は、CNX-1351に関して式(I、II、III)の化合物の新規な改善された特性を含む。これらの特性には、以下に限定されないが、インビトロおよび細胞での効力、代謝安定性、溶解性および薬物様特性が含まれる。
本発明の別の態様は、出口ベクター(6員環および5員環のオルトもしくはメタ、または4員環の出口ベクター)を修飾することによる阻害剤の固有の反応性の調節を含む。
本発明の不可逆的阻害剤による共有結合修飾の標的となるPI3Kαのシステイン残基は、非保存Cys862である。
医学的処置、剤形および塩
同様に、それを必要とする患者における腫瘍疾患、過成長症候群、神経疾患障害および/または免疫疾患障害を処置するための方法であって、上記の記載による化合物を患者に投与するステップを含む方法は、本発明の範囲内である。
同様に、腫瘍疾患、過成長症候群、神経疾患障害および/または免疫疾患障害の予防または処置のための剤形であって、本発明の上記態様または実施形態のいずれかによる化合物を含む、剤形が提供される。
当業者は、本明細書で言及される任意の具体的に言及される薬物化合物が前記薬物の薬学的に許容される塩として存在し得ることを認識している。薬学的に許容される塩は、イオン化された薬物および反対に荷電した対イオンを含む。薬学的に許容されるアニオン性塩形態の非限定的な例としては、酢酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、ビタトラート(bitatrate)、臭化物、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エンボン酸塩、エストラート、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化物、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、臭化メチル、硫酸メチル、ムチン酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、サリチル酸塩、ジサリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリエチオジドおよび吉草酸塩が挙げられる。薬学的に許容されるカチオン性塩形態の非限定的な例としては、アルミニウム、ベンザチン、カルシウム、エチレンジアミン、リジン、マグネシウム、メグルミン、カリウム、プロカイン、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛が挙げられる。
剤形は、経腸投与、例えば経鼻、頬側、直腸、経皮もしくは経口投与用、または吸入形態もしくは坐剤としてのものであり得る。あるいは、皮下、静脈内、肝臓内または筋肉内注射形態などの非経口投与を使用してもよい。場合により、薬学的に許容される担体および/または賦形剤が存在してもよい。
局所投与も本発明の有利な使用の範囲内である。当業者は、BensonおよびWatkinson(編)によるTopical and Transdermal Drug Delivery:Principles and Practice(第1版、Wiley 2011、ISBN-13:978-0470450291);ならびにGuyおよびHandcraft:Transdermal Drug Delivery Systems:Revised and Expanded(第2版、CRC Press 2002、ISBN-13:978-0824708610);OsborneおよびAmann(編):Topical Drug Delivery Formulations(第1版 CRC Press 1989;ISBN-13:978-0824781835)の内容によって例示される局所製剤を提供するための幅広い範囲の可能なレシピを知っている。
医薬組成物および投与
本発明の別の態様は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物に関する。さらなる実施形態では、組成物は、本明細書に記載のものなどの少なくとも2つの薬学的に許容される担体を含む。
本発明のある特定の実施形態では、本発明の化合物は、典型的には、薬物の容易に制御可能な投薬量を提供し、患者に洗練された容易に取り扱い可能な製品を与えるために医薬剤形に製剤化される。
本発明の化合物の局所使用に関する本発明の実施形態では、医薬組成物は、有効成分を当業者に公知の可溶化剤、安定剤、等張性増強剤、緩衝剤および防腐剤のうちの1つまたは複数と共に含む、例えばエアロゾルなどによる送達のための水溶液、懸濁液、軟膏、クリーム、ゲルまたは噴霧可能な製剤などの局所投与に適した方法で製剤化される。
医薬組成物は、経腸投与、特に経口投与または直腸投与のために製剤化することができる。さらに、本発明の医薬組成物は、固体形態(限定されないが、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤または坐剤を含む)、または液体形態(限定されないが、溶液剤、懸濁剤またはエマルジョンを含む)で構成することができる。
医薬組成物は、例えば、i.v.注入、皮内、皮下または筋肉内投与による非経口投与のために製剤化することができる。
本発明の化合物の投与レジメンは、既知の因子、例えば、特定の薬剤の薬力学的特徴ならびにその投与様式および投与経路;レシピエントの種、年齢、性別、健康状態、病状、および体重;症状の性質および程度;併用処置の種類;処置の頻度;投与経路、患者の腎機能および肝機能、ならびに所望の効果に応じて変化することになる。ある特定の実施形態では、本発明の化合物は、1日1回用量で投与されてもよく、または1日の総投薬量は、1日に2、3、または4回の分割用量で投与されてもよい。
ある特定の実施形態では、本発明の医薬組成物は、約50~70kgの対象に対して有効成分約1~1000mgの単位投薬量であり得る。化合物、医薬組成物、またはそれらの組合せの治療有効投薬量は、処置される対象の種、体重、年齢および個体状態、障害もしくは疾患、またはそれらの重症度に依存する。通常の技術を有する医師、臨床医または獣医は、障害または疾患の進行を予防、処置または阻害するのに必要な各有効成分の有効量を容易に決定することができる。
本発明の医薬組成物は、滅菌などの従来の医薬操作に供することができ、ならびに/または従来の不活性希釈剤、滑沢剤、もしくは緩衝剤、ならびに防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤および緩衝剤などのアジュバントを含有することができる。それらは、標準的なプロセスによって、例えば従来の混合、造粒、溶解または凍結乾燥プロセスによって製造することができる。医薬組成物を調製するための多くのこのような手順および方法は当技術分野で公知であり、例えば、L.LachmanらによるThe Theory and Practice of Industrial Pharmacy、第4版、2013(ISBN 8123922892)を参照されたい。
本発明による製造方法および処置方法
本発明はさらに、さらなる態様として、腫瘍疾患、過成長症候群、神経疾患障害および/または免疫疾患障害から選択される状態を処置または予防するための医薬の製造方法で使用するための、本明細書で特定される本発明の第1の態様による化合物、または上記で詳細に指定されるその薬学的に許容される塩の使用を包含する。
同様に、本発明は、腫瘍疾患、過成長症候群、神経疾患障害および/または免疫疾患障害に関連する疾患と診断された患者の処置方法を包含する。この方法は、本明細書で特定される化合物(SPECIFY)、または本明細書で詳細に指定されるその薬学的に許容される塩の有効量を患者に投与するステップを伴う。
例えば、アイソタイプタンパク質またはコード配列、リガンドタイプまたは医学的適応症などの単一の分離可能な特徴の代替物が「実施形態」として本明細書に記載されている場合はいつでも、そのような代替物を自由に組み合わせて、本明細書に開示される本発明の別個の実施形態を形成することができることを理解されたい。よって、検出可能な標識についての代替実施形態のいずれかを、リガンドの代替実施形態のいずれかと組み合わせることができ、これらの組合せを、本明細書で言及される任意の医学的指標または診断方法と組み合わせることができる。
本発明は、以下の例および図面によってさらに例示され、そこからさらなる実施形態および利点を引き出すことができる。これらの例は、本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲を限定するためのものではない。
ある特定の実施形態で、以下の表に示されている化合物1~50から選択される本発明の第1の態様による化合物。
ある特定の実施形態で、以下の表に示されている化合物1~52から選択される本発明の第1の態様による化合物。
最も好ましいのは、式によって示されている以下の化合物である:
(対応する構造の名称は、ChemBioDraw Ultra、バージョン16.0を使用して作成した)。










最も好ましいリンカーは、式によって示されている以下の化合物(およびそれらの対応するエナンチオマー)である:
CNX-1351と比較した本発明のいくつかの化合物の要約データ:固有の反応性およびインビトロデータ(表1);本発明の化合物の一部およびCNX-1351の細胞効力(表2)。
第I相の代謝補因子NADPHで強化したラット肝ミクロソームを使用する18、25および33ならびにCNX-1351の代謝安定性。

本発明の化合物の調製
本発明の化合物は、特に本明細書に含まれる説明に鑑みて、化学技術分野で周知の方法と類似の方法を含む合成経路によって合成され得る。出発材料は、一般に、商業的供給源から入手可能であるか、または当業者に周知の方法を使用して容易に調製される。
例示目的のために、スキーム1~4は、本発明の化合物および重要な中間体を調製するための一般的な方法を示す。個々の反応ステップのより詳細な説明については、本明細書の以下の例を参照されたい。当業者は、本発明の化合物を合成するために他の合成経路が使用されてもよいことを認識するであろう。特定の出発材料および試薬がスキームにおいて示され、以下に論じられるが、他の出発材料および試薬を容易に置換して、種々の誘導体および/または反応条件を提供することができる。さらに、以下に記載される方法によって調製される化合物の多くは、当業者に周知の従来の化学を使用して、本開示に鑑みてさらに修飾することができる。
本発明の化合物を調製する際に、中間体の遠隔機能性(例えば、第一級アミンまたは第二級アミン)の保護および脱保護が必要な場合がある。そのような保護の必要性は、遠隔機能性の性質および調製方法の条件に応じて変わることになる。適切なアミノ保護基としては、tert-ブチルオキシカルボニル(BOC)またはN,N-ジメチルホルムアミジニルが挙げられる。そのような保護の必要性は、当業者によって容易に決定される。保護基およびそれらの使用の一般的な説明については、T.W.GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis、John Wiley&Sons、ニューヨーク、1991を参照されたい。
スキーム1

スキーム1は、求核芳香族置換およびSuzukiカップリングを使用して阻害剤のビルディングブロックを調製するための一般的な方法を示す。試薬および条件:(i)EtN、DCM、-50℃、3時間;(ii)1-boc-ピペラジン、DIPEA、EtOH、0℃→室温、5時間;(iii)tert-ブチルN-[5-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-N-[(tert-ブトキシ)カルボニル]カルバマート、ビス(ピナコラート)ジボロン、AcOK、Pd(dppf)Cl、ジオキサン、95℃、1.5時間、(2)モノクロロ-トリアジン、XPhosPdG(触媒)、KPO、HO、100℃、o/n、(3)HCl、ジオキサン/HO、80℃、o/n。
スキーム2

スキーム2は、アミドスペーサーを有する式(I)の共有結合性阻害剤の調製のための一般的な方法を示す。Rは、HまたはCHである。試薬および条件:(i)ビルディングブロックまたはHCl塩、HCTU、DIPEA、DMF、0℃→室温、4~16時間;(ii)ジオキサン(4M)中のHCl、THF、室温3~16時間。
スキーム3

スキーム3は、式(II)の化合物の調製のための方法を示す。最初に、リンカー中にエーテルを有する酸を求核置換によって合成し、続いて水/THF中の強塩基を使用してエステルを加水分解する。試薬および条件:(i)NaH(鉱油中60%分散液)、DMF、0℃、15分;(ii)LiOH(HO中5M)、THF;(iii)ビルディングブロックまたはHCl塩、HCTU、DIPEA、DMF、0℃→室温、2時間;(iv)ジオキサン中のHCl(4M)、THF、室温、o/n。
スキーム4

スキーム4は、式(II)の化合物の調製のための方法を示す。最初に、リンカー中にエーテルを有する酸を求核置換によって合成し、続いて水/THF中の強塩基を使用してエステルを加水分解する。試薬および条件:(i)NaH(鉱油中60%分散液)、DMF、0℃、15分;(ii)LiOH(HO中5M)、THF;(iii)ビルディングブロックまたはHCl塩、HCTU、DIPEA、DMF、0℃→室温、2時間;(iv)ジオキサン中のHCl(4M)、THF、室温、o/n。
分離方法
本発明の化合物を調製する方法では、反応生成物を互いにおよび/または出発材料から分離することが有利であり得る。各ステップまたは一連のステップの所望の生成物は、当技術分野で一般的な技術によって所望の程度の均一性まで分離および/または精製される。典型的には、そのような分離は、抽出、溶媒もしくは溶媒混合物からの結晶化、またはクロマトグラフィーに関与する。クロマトグラフィーは、例えば、逆相および順相;高圧、中圧および低圧液体クロマトグラフィーの方法および装置;小規模分析;ならびに分取薄層または厚層クロマトグラフィーを含む任意の数の方法、ならびに小規模薄層およびフラッシュクロマトグラフィーの技術に関与し得る。
適切な分離方法の選択は、関与する材料の性質、例えば、クロマトグラフィーにおける極性官能基の有無、多相抽出における酸性および塩基性媒体中の材料の安定性に依存する。当業者は、所望の分離を達成する可能性が最も高い技術を適用することになる。

例は、本発明を限定することなく例示することを意図している。
例に記載される化学反応は、本発明の多くの他の阻害剤を調製するために容易に適合させることができ、本発明の化合物を調製するための代替方法は、本発明の範囲内であると考えられる。例えば、本発明による例示されていない化合物の合成は、当業者に明らかな修正によって、例えば、干渉基(interfering group)を適切に保護することによって、記載されたもの以外の当技術分野で公知の他の適切な試薬を利用することによって、および/または反応条件の日常的な修正を行うことによって実施することに成功し得る。あるいは、本明細書に開示されるかまたは当技術分野で公知の他の反応は、本発明の他の化合物を調製するための適用性を有すると認識されるであろう。
試薬は、Acros Organics、Sigma-Aldrich、Apollo ScientificまたはFluorochemから最高の市販品質で購入し、さらに精製することなく使用した。溶媒は、分子篩に対してAcros OrganicsからAcroSeal(登録商標)瓶で購入した。グリニャール反応、クロスカップリング反応およびペプチドカップリング反応を、窒素雰囲気下で無水溶媒中にて行い、ガラス器具を使用前にオーブン乾燥した。薄層クロマトグラフィー(TLC)プレートをMerck KGaAから購入し(Polygram SIL/UV254、蛍光指示薬を含む0.2mmのシリカ)、UV光(254nm)を使用して化合物を可視化した。フラッシュクロマトグラフィーは、充填済シリカゲルカラム(40~60μmの粒径のRediSep)を使用してIsco CombiFlash Companionシステムで実施した。H、19Fおよび13CのNMRスペクトルをBruker Avance 400分光計で記録した。NMRスペクトルは、重水素化溶媒、すなわちCDClまたは(CDSO中で得た。化学シフト(δ値)をppmで報告し、CDClについては重水素化溶媒(7.26ppm(H NMR)および77.16ppm(13C NMR);ならびに(CDSOについては2.50ppm(H NMR)および39.52ppm(13C NMR)のシグナルに補正する。19F NMRスペクトルは、外部標準としてCFCl(δ=0ppm)に対して較正される。ピーク多重度が報告される場合、以下の略語が使用される:s(一重線)、d(二重線)、dd(二重線の二重線)、t(三重線)、td(二重線の三重線)、q(四重線)、四重線の二重線(dq)、m(多重線)、br(ブロード化シグナル)。カップリング定数は、与えられる場合、ヘルツ(Hz)で報告される。高分解能質量スペクトル(HRMS)を、Thermo Fisher Scientific LTQ Orbitrap XL(nanoESI-MS)分光計で記録した。MALDI-ToF質量スペクトルは、m/zで測定したVoyager-De(商標)Proで得られた。最終化合物のクロマトグラフィー純度を、LPG-3400SDポンプシステム、ACC-3000オートサンプラーおよびカラムオーブン、ならびにDAD-3000ダイオードアレイ検出器を備えたThermoFisher製Ultimate 3000SDシステムでの高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析によって決定した。ThermoFisher製のAcclaim-120 C18逆相カラムを固定相として使用した。CHCN/MeOH:H(10:90)からなる移動相の勾配溶出(5:95で0.2分間、5:95→100:0で10分間、100:0で3分間)を40℃にて0.5mL/分の流速で使用した。すべての最終化合物の純度は95%より高かった。
以下の略語を以下で使用する:DMSO(ジメチルスルホキシド)、HCl(塩酸)、M(モル濃度)、MALDI(マトリックス支援レーザー脱離/イオン化)、HRMS(高分解能質量スペクトル)、MS(質量分析)、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)、TLC(薄層クロマトグラフィー)。
中間体化合物の調製:
以下の方法を使用して、式(I、II)の化合物を生成するために使用される中間体化合物を調製した。
方法1:tert-ブチル4-(4-クロロ-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート

2,4-ジクロロ-6-(モルホリン-4-イル)-1,3,5-トリアジン(20.7g、87.9mmol、0.9当量)のエタノール中溶液に、DIPEA(16.2g、21.4ml、125.6mmol、1.3当量)および1-Boc-ピペラジン(18.0g、96.6mmol、1.0当量)を0℃で添加した。反応混合物を室温で5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。ジクロロメタン(300mL)を添加し、得られた有機層を飽和NaHSO水溶液(4×200mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで脱水させ、濾過し、減圧下で濃縮した。生成物をジクロロメタン/ヘプタンから再結晶させ、tert-ブチル4-(4-クロロ-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシラートを無色の固体(22.7g、58.9mmol、80%)として得た。MALDI-MS:m/z=385.643[M+H]。HPLC:t=6.53分(純度100.0%)。
方法2:4-(ジフルオロメチル)-5-(4-モルホリノ-6-(ピペラジン-1-イル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピリミジン-2-アミン

ステップ1.tert-ブチルN-[5-ブロモ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-2-イル]-N-[(tert-ブトキシ)カルボニル]カルバマート(7.00g、16.50mmol、1.0当量)、ビス(ピナコラート)ジボロン(6.29g、24.75mmol、1.5当量)、酢酸カリウム(5.02g、51.15mmol、3.1当量)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(Pd(dppf)Cl、1.21g、1.65mmol、0.1当量)を窒素雰囲気下でフラスコに投入した。無水1,4-ジオキサン(40mL)を添加し、混合物を95℃で1.5時間撹拌した。反応の完了後、混合物を室温まで冷却させた。ステップ2:モノクロロ-トリアジン4-(4-クロロ-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシラート(6.99g、18.15mmol、1.1当量)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’、4’、6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(XPhos Pd G2、0.519g、0.66mmol、0.04当量)、リン酸三カリウム(10.51g、49.50mmol、3.0当量)および脱イオンHO(10mL)を添加した。得られた混合物を100℃で一晩撹拌した。反応の完了後、混合物を室温まで冷却させ、粗製物をセライトで濾過した。溶液に、脱イオンHO(300mL)および酢酸エチル(300mL)を添加した。層を分離し、有機層を脱イオンHOおよびブライン(2回)で洗浄した。水層をジクロロメタン(2回)で抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮した。ステップ3。上記残留物を1,4-ジオキサン(40mL)に溶解させ、HCl水溶液(3M、40mL)を添加した。反応混合物を80℃で一晩撹拌した。反応の完了後、混合物を室温まで冷却した。酢酸エチル(200mL)および脱イオンHO(200mL)を添加し、2つの層を分離した。水層を酢酸エチル(3回)で洗浄した。水層をpH=10に塩基性化した。形成された固体を濾過し、アセトニトリルで洗浄して、4-(ジフルオロメチル)-5-(4-モルホリノ-6-(ピペラジン-1-イル)-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピリミジン-2-アミンをベージュ色の固体(4.91g、12.48mmol、76%)として得た。MALDI-MS:m/z=394.205[M+H]
方法3:tert-ブチル3-((2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)(メチル)カルバモイル)アゼチジン-1-カルボキシラート

1-(tert-ブトキシカルボニル)アゼチジン-3-カルボン酸(581mg、2.89mmol、1.2当量)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、約1mL/0.18mmol)溶液に、窒素雰囲気下で0℃にてO-(1H-6-クロロベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HCTU、1.2当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.2当量)を添加した。得られた混合物を0℃で5分間撹拌し、次いで、2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-N-メチル-2-オキソエタン-1-アミニウムクロリド(またはそれぞれのHCl塩)を添加し、反応物を室温で4~16時間撹拌した。反応の完了後、DMFを高真空下で除去した。粗製物をDCMに溶解させ、有機層を脱イオンHO(2回)および飽和NaCO水溶液(3回)で洗浄した。有機層をNaSOで脱水させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:100:0:0→96:4:0.04)による精製によって、化合物tert-ブチル3-((2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)(メチル)カルバモイル)アゼチジン-1-カルボキシラートを無色の固体として得た(1.237g、1.91mmol、79%)。MALDI-MS:m/z=648.7[M+H];m/z=548.4[(M-t-ブチル)+H]
方法4:3-((2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)(メチル)カルバモイル)アゼチジン-1-イウムクロリド

THF(約1mL/0.10mmol)中それぞれのBoc保護アミン(1.0当量)の溶液に、ジオキサン中HCl(17当量)の4M溶液を滴下添加した。混合物を室温で16時間撹拌した。混合物を減圧下で乾燥させた。生成物をACNから沈殿させ、濾過し、冷ACNで洗浄した。生成物のHCl塩をさらに精製することなく次のステップに使用した。3-((2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)(メチル)カルバモイル)アゼチジン-1-イウムクロリドを無色の固体として得た(987mg、1.69mmol、91%)。MALDI-MS:m/z=548.4[M+H]
本発明の化合物の調製
一般的手順1:
それぞれのカルボン酸(1.0~1.5当量)の無水N,N-ジメチルホルムアミド(DMF、約1mL/0.18mmol)中溶液に、O-(1H-6-クロロベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HCTU、1.1当量)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.2当量)を窒素雰囲気下で0℃にて添加した。得られた混合物を0℃で5分間撹拌し、次いで、それぞれのHCl塩(1.0当量)を添加し、反応物を室温で4~16時間撹拌した。反応の完了後、DMFを高真空下で除去した。粗製物をDCMに溶解させ、有機層を脱イオンHO(2回)および飽和NaCO水溶液(3回)で洗浄した。有機層をNaSOで脱水させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィーによって精製し、次いで、ジクロロメタン/ペンタンから再結晶させた。
例1:
1-((R)-3-((2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-((S)-3-メチルモルホリノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)メチル)ピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン

1-((R)-3-((2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-((S)-3-メチルモルホリノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)メチル)ピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オンを、一般的手順1に従って、(R)-3-((2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-((S)-3-メチルモルホリノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)メチル)ピペリジン-1-イウムクロリド(193mg、0.32mmol、1.0当量)およびアクリル酸(26mg、0.35mmol、1.1当量)から調製した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:100:0:0→96:4:0.04)による精製によって、所望の化合物を無色の固体(65mg、0.11mmol、33%)として得た。HRMS(m/z):[M+Na]+C283810NaOに対する計算値、639.2938;実測値:639.2948。HPLC(0.1%のTFAを含むアセトニトリル):t=7.20分(純度98.9%)。
例2:
1-((R)-3-(3-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-((S)-3-メチルモルホリノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-3-オキソプロポキシ)ピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オン

1-((R)-3-(3-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-((S)-3-メチルモルホリノ)-1,3,5トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-3-オキソプロポキシ)ピペリジン-1-イル)プロパ-2-エン-1-オンを、一般的手順1に従って、(R)-3-(3-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-((S)-3-メチルモルホリノ)-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-3-オキソプロポキシ)ピペリジン-1-イウムクロリド(150mg、0.25mmol、1.0当量)およびアクリル酸(20mg、0.27mmol、1.1当量)から調製した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:100:0:0→97:3:0.03)による精製によって、所望の化合物を無色の固体(32mg、0.052mmol、20%)として得た。HRMS(m/z):[M+Na]+C283810NaOに対する計算値、639.2938;実測値:639.2947。HPLC:t=7.08分(純度>99.9%)。
例3:
(R,Z)-2-(3-((2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボニル)-3-シクロプロピルアクリロニトリル

(R,Z)-2-(3-((2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)メチル)ピペリジン-1-カルボニル)-3-シクロプロピルアクリロニトリルを、一般的手順1に従って、(R)-3-((2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエトキシ)メチル)ピペリジン-1-イウムクロリド(226mg、0.39mmol、1.0当量)および(Z)-2-シアノ-3-シクロプロピルアクリル酸(118mg、0.85mmol、2.2当量)から調製した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:100:0:0→92:8:0.08)による精製によって、所望の化合物を無色の固体(148mg、0.22mmol、57%)として得た。HRMS(m/z):[M+Na]+C313911NaOに対する計算値、690.3047;実測値:690.3052。HPLC:t=7.50分(純度96.7%)。
例4:
(R)-1-アクリロイル-N-(2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-N-メチルピペリジン-3-カルボキサミド

(R)-1-アクリロイル-N-(2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-N-メチルピペリジン-3-カルボキサミドを、一般的手順1に従って、(R)-3-((2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)(メチル)カルバモイル)ピペリジン-1-イウムクロリド(1.139g、1.86mmol、1.0当量)およびアクリル酸(147mg、2.05mmol、1.1当量)から調製した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:100:0:0→97:3:0.03)による精製によって、所望の化合物を無色の固体(305mg、0.48mmol、26%)として得た。HRMS(m/z):[M+Na]+C283711NaOに対する計算値、652.2890;実測値:652.2893。HPLC:t=6.20分(純度98.3%)。
例5:
(R)-1-アクリロイル-N-(2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)ピロリジン-3-カルボキサミド

(R)-1-アクリロイル-N-(2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)ピロリジン-3-カルボキサミドを、一般的手順1に従って、(R)-3-((2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)カルバモイル)ピロリジン-1-イウムクロリド(274mg、0.47mmol、1.0当量)およびアクリル酸(37mg、0.52mmol、1.1当量)から調製した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:100:0:0→96:4:0.04)による精製によって、所望の化合物を無色の固体(134mg、0.22mmol、47%)として得た。HRMS(m/z):[M+Na]+C263311NaOに対する計算値、624.2577;実測値:624.2581。HPLC:t=5.84分(純度98.4%)。
例6:
1-アクリロイル-N-(2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-N-メチルアゼチジン-3-カルボキサミド

1-アクリロイル-N-(2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)-N-メチルアゼチジン-3-カルボキサミドを、一般的手順1に従って、3-((2-(4-(4-(2-アミノ-4-(ジフルオロメチル)ピリミジン-5-イル)-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)-2-オキソエチル)(メチル)カルバモイル)アゼチジン-1-イウムクロリド(946mg、1.62mmol、1.0当量)およびアクリル酸(128mg、1.78mmol、1.1当量)から調製した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール/アンモニア:100:0:0→96:4:0.04)による精製によって、所望の化合物を無色の固体(358mg、0.60mmol、37%)として得た。HRMS(m/z):[M+Na]+C263311NaOに対する計算値、624.2577;実測値:624.2579。HPLC:t=5.81分(純度98.4%)。
阻害剤の見かけの解離定数の決定
p110αについての化合物の見かけの解離定数[Ki(app)]を、参照文献21に記載されているLanthaScreen Technology(Life Technologies)によって決定した
速度定数の決定
p110αについての化合物の共有結合形成の最大電位速度(kinact)および最初の可逆的結合の解離定数(K)を、LanthaScreen Technology(Life Technologies)によって決定した。動的パラメータの計算は、KinTek Global Kinetic Explorerモデリングソフトウェア22~27を使用することによって、数値積分のためのグローバルフィッティングにより行った。
In Cell Western Cellular PI3Kシグナル伝達およびIC50の決定
タンパク質リン酸化を以下のように検出した:Cell Signaling Technology(CST)製のウサギポリクローナル抗体(番号4058)を用いて、In-Cell Westernアッセイにより、PKB/AktのpSer473を検出し、この場合、96ウェルプレート中1ウェルあたり1.2×10個のSKOV3細胞を、参照文献21に記載されるように、24時間(37℃、5%CO)プレーティングした(Cell Carrier、PerkinElmer)。
NanoBRET標的結合アッセイ
NanoLucと、PI3Kα、PI3Kα C862S、PI3Kβ、およびPI3Kδを含むそれぞれの全長の標的キナーゼとの間の可撓性Gly-Ser-Ser-Gly-Ala-Ile-Alaリンカーを含むpFN31K発現ベクター(Promega)に、N末端NanoLuc融合PI3Kをコードした。HEK293細胞を、jetPEIトランスフェクション試薬(Polyplusトランスフェクション、番号101B-010N)を使用して、質量比1:10のNanoLuc/PI3Kおよびその調節サブユニットp85でコトランスフェクトした。
表1.本発明の化合物のいくつかおよびCNX-1351の固有反応性およびインビトロデータ。


表2.本発明の化合物のいくつかおよびCNX-1351の細胞データ。
参照文献

Claims (14)

  1. 式(IV)、特に式(IVa)の化合物

    [式中、
    ・XはCHまたはN、特にNであり、
    ・YはHまたはF、特にHであり、
    ・RおよびRは互いに独立に、H、CH、シクロプロピル、-F、-CH-F、-CH-CH-F、-CN、

    (式中、Rは、FまたはCHであり、RはC1~6アルキルであり、zは0、1または2である)から選択され、
    ・RはC1~3アルキルであるか、または2つの残基Rは架橋-(CH-を形成し、rは1、2または3であり、
    ・vは、0、1、2、3または4であり、
    ・Rは、H、Fまたは-CNであり、
    ・Lは、

    (式中、RはC1~3アルキル、F、-CHCNまたは-CNであり、tは0、1または2である)から選択される部分であり、
    ・Wは、COまたはCHであり、
    ・Wは、O、CHおよびCOから選択され、
    ・Uは、O、CH、CO、NH、およびN(CH)から選択され、
    ・nは1または2である]、
    またはそのプロドラッグ、代謝産物、互変異性体、溶媒和物もしくは薬学的に許容される塩。
  2. が、H、CHまたは-CHFである、請求項1に記載の化合物。
  3. が、Hまたはシクロプロピルである、請求項1または2に記載の化合物。
  4. がシクロプロピルであり、Rが-CNである、請求項1から3のいずれかに記載の化合物。
  5. が、C1~3アルキル、特にCHである、請求項1から4のいずれかに記載の化合物。
  6. vが、0、1または2、より詳細には、0または1である、請求項1から5のいずれかに記載の化合物。
  7. Uが、O、CH、NHおよびN(CH)から選択される、請求項1から6のいずれかに記載の化合物。
  8. 式(V)、特に(Va)の化合物

    (式中、
    X、Y、R、R、R、R、W、n、U、W、Lは上記のように定義され、
    vは0または1である)
    である、請求項1から7のいずれかに記載の化合物。
  9. 疾患の処置において使用するための、請求項1から8のいずれかに記載の化合物。
  10. 前記疾患が、PI3KCA遺伝子の活性化変異またはクラスI PI3K、特にPI3Kαの活性化によって引き起こされる疾患である、請求項9に記載の化合物。
  11. 腫瘍疾患、過成長症候群、神経疾患障害、免疫疾患障害の治療に使用するための、請求項1から8のいずれかに記載の化合物。
  12. 前記腫瘍が固形腫瘍である、請求項11に記載の化合物。
  13. 前記腫瘍疾患が、リンパ腫および白血病から選択される、請求項11に記載の化合物。
  14. 式(VI)の中間体

    (式中、R、R、R、L、W、U、nおよびWは上記のように定義され、
    Zは、-OH、Br、COOH、-C(OH)NHである)。
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