JP2024516162A - シスプラチン粒子およびその使用 - Google Patents

シスプラチン粒子およびその使用 Download PDF

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Abstract

少なくとも95重量%のシスプラチンおよび少なくとも3.5m2/gの比表面積(8SA)を有する粒子の組成物、それらの使用方法、およびそれらの生成方法が提供される。【選択図】なし

Description

相互参照
本出願は2021年4月26日に出願された米国仮特許出願番号63/179855号(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)の優先権を主張する。
溶解速度は薬物吸収の速度および程度およびバイオアベイラビリティを決定する際の主要パラメータである。不十分な水溶解度および不十分なインビボ溶解が多くの薬物のインビボバイオアベイラビリティについての制限因子となる。よって、インビトロ溶解速度は、薬物開発における重要な要素と認識され、溶解しにくい薬物の溶解速度を増加させるための方法および組成物が必要とされる。
1つの態様では、本開示は、少なくとも95重量%のシスプラチンを含む粒子を含む組成物を提供し、粒子は少なくとも3.5m/gの比表面積(SSA)を有する。様々な実施形態では、粒子は少なくとも4m/gまたは少なくとも10m/gのSSAを有する。他の実施形態では、粒子は3.5m/g~約50m/gのSSAを有する。1つの実施形態では、粒子は、約1.0ミクロン~約12ミクロンの直径の体積分布による平均粒径(Dv50)を有する。別の実施形態では、粒子は約0.020g/cm~約0.8g/cmの平均嵩密度を有する。1つの実施形態では、組成物は懸濁物を含む。1つの実施形態では、懸濁物はエアロゾル化され、懸濁物のエアロゾル滴の空気動力学的中央粒子径(MMAD)は約0.5μm~約6μm直径である。他の実施形態では、組成物は乾燥粉末組成物であり、(a)乾燥粉末組成物は担体またはいずれの賦形剤も含まず、乾燥粉末組成物はエアロゾル化され、エアロゾル化乾燥粉末組成物のMMADは使用に好適な任意の直径、例えば、約0.5μm~約6μm直径とすることができ、または(b)組成物は乾燥粉末組成物であり、乾燥粉末組成物は、1つ以上の乾燥粉末賦形剤を含む、薬学的に許容される乾燥粉末担体を含み、乾燥粉末組成物はエアロゾル化され、エアロゾル化乾燥粉末組成物のMMADは使用に好適な任意の直径、例えば、約0.5μm~約6μmの直径とすることができる。
別の態様では、本開示は、腫瘍を有する被験体に、腫瘍を治療するのに有効な量の、本明細書におけるいずれかの実施形態または実施形態の組み合わせの組成物を投与することを含む、腫瘍を治療するための方法を提供する。
さらなる態様では、本開示は、下記を含む、化合物粒子を製造するための方法を提供し:
(a)(i)少なくとも1つの溶媒、例えば、限定はされないが、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、アセトン、またはそれらの組み合わせ、またはそれらの組み合わせ、およびシスプラチンを含む少なくとも1つの溶質を含む溶液をノズル入口に、ならびに(ii)圧縮流体を加圧可能なチャンバを規定する容器の入口に導入すること;
(b)溶液をノズルオリフィスから加圧可能なチャンバ中に通過させ、噴霧滴の出力ストリームを生成させることであって、ノズルオリフィスは出力ストリーム内に配置された音響エネルギー源から2mm~20mmに配置され、音響エネルギー源は通過中10%~100%の振幅を有する音響エネルギーを生成させ、ノズルオリフィスは20μm~125μmの直径を有する、こと;
(c)噴霧滴を圧縮流体と接触させ、噴霧滴からの溶媒の枯渇を引き起こし、少なくとも95%のシスプラチンを含むシスプラチン粒子を生成させることであって、シスプラチン粒子は3.5m/gの比表面積(SSA)を有し、約0.7μm~約8μmの平均粒径を有する、こと、
ステップ(a)、(b)、および(c)は圧縮流体に対する超臨界温度および圧力下で実施される。
走査電子顕微鏡法による顕微鏡写真である。(A)原料シスプラチン1000×、(B)原料シスプラチン5000×。 溶媒としてDMFを使用して処理したシスプラチンSC1の走査電子顕微鏡法による顕微鏡写真である。(A)2000×倍率、および(B)10,000×倍率。 溶媒としてDMSOを使用して処理したシスプラチンSC2の走査電子顕微鏡法による顕微鏡写真である。(A)2000×倍率、および(B)10,000×倍率。 3:2のDMSO:アセトンを使用して処理したシスプラチンSC3の走査電子顕微鏡法による顕微鏡写真である。(A)2000×倍率、および(B)10,000×倍率。 高圧を使用して処理したシスプラチンSC4の走査電子顕微鏡法による顕微鏡写真である。(A)2000×倍率、および(B)10,000×倍率。 低圧を使用して処理したシスプラチンSC5の走査電子顕微鏡法による顕微鏡写真である。(A)2000×倍率、および(B)10,000×倍率。 低温を使用して処理したシスプラチンSC6の走査電子顕微鏡法による顕微鏡写真である。(A)2000×倍率、および(B)10,000×倍率。 高温を使用して処理したシスプラチンSC7の走査電子顕微鏡法による顕微鏡写真である。(A)2000×倍率、および(B)10,000×倍率。 高scCO流を使用して処理したシスプラチンSC8の走査電子顕微鏡法による顕微鏡写真である。(A)2000×倍率、および(B)10,000×倍率。 低scCO流を使用して処理したシスプラチンSC9の走査電子顕微鏡法による顕微鏡写真である。(A)2000×倍率、および(B)10,000×倍率。 高超音波処理を使用して処理したシスプラチンSC10の走査電子顕微鏡法による顕微鏡写真である。(A)2000×倍率、および(B)10,000×倍率。 。低超音波処理を使用して処理したシスプラチンSC11の走査電子顕微鏡法による顕微鏡写真である。(A)2000×倍率、および(B)10,000×倍率。 超音波処理なしで処理したシスプラチンSC12の走査電子顕微鏡法による顕微鏡写真である。(A)2000×倍率、および(B)10,000×倍率。 低温および低超音波処理を使用して処理したシスプラチンSC13の走査電子顕微鏡法による顕微鏡写真である。(A)2500×倍率、および(B)10,000×倍率。 シスプラチン原料と比較した、(A)シスプラチン操作SC1-SC6、および(B)シスプラチン操作SC7-SC13についての粉末X線回折パターンである。 時間の関数としての平均腫瘍体積に対する治療効果を示すグラフである。 個々の被験体における、時間の関数としての平均腫瘍体積に対するITシスプラチン治療の効果を示すグラフである。 個々の被験体における、時間の関数としての平均腫瘍体積に対するIT SCP-シスプラチン低用量治療の効果を示すグラフである。 個々の被験体における、時間の関数としての平均腫瘍体積に対するIT SCP-シスプラチン高用量治療の効果を示すグラフである。
引用される全ての参考文献は本明細書でその全体が参照により組み込まれる。本明細書では、単数形「1つの(a、an)」および「その(the)」は、文脈で明確に別記されない限り、複数の指示対象を含む。本開示の任意の態様の全ての実施形態は、文脈で明確に別記されない限り、組み合わせて使用することができる。
本明細書では、「約」は列挙された値の+/-5%を意味する。
1つの態様では、本開示は、少なくとも95重量%のシスプラチンを含む粒子を含む組成物を提供し、粒子は少なくとも3.5m/gの比表面積(SSA)を有する。
本明細書では、「シスプラチン」はシスプラチンの、塩基性、酸性、および中性状態を含むいずれのイオン化状態も含む。
シスプラチンの構造
Figure 2024516162000001

シスプラチン分子式:Pt(NHCl
「シスプラチン粒子」は、添加された賦形剤を含まないシスプラチンの粒子を示す。シスプラチン粒子は、シスプラチンおよび少なくとも1つの添加された賦形剤を含む粒子である「シスプラチンを含む粒子」とは異なる。開示のシスプラチン粒子はポリマー、ワックスまたはタンパク質賦形剤を排除し、固体賦形剤内に埋め込まれず、含まれず、封入されず、または被包されない。しかしながら、開示のシスプラチン粒子はシスプラチンの調製中に典型的に見出される不純物および副産物を含み得る。たとえそうであっても、シスプラチン粒子は、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%または100%のシスプラチンを含み、シスプラチン粒子は実質的に純粋なシスプラチンから構成される、または本質的に構成されることが意味される。
本明細書では、「比表面積」は、ブルナウアー-エメット-テラー(「BET」)等温線(すなわち:BET SSA)により測定した、シスプラチン質量の単位あたりの、シスプラチン粒子の総表面積である。当業者により理解されるように、SSAは1グラムあたりで決定され、組成物中の凝集および非凝集シスプラチン粒子の両方を考慮する。BET比表面積試験手順は、米国薬局方(Pharmaceopeia)および欧州薬局方(Pharmaceopeia)の両方に含まれる概要(compendial)法である。シスプラチン粒子は少なくとも3.5m/gの比表面積(SSA)を有する。様々なさらなる実施形態では、シスプラチン粒子は少なくとも4m/g、5m/g、6m/g、7m/g、8m/g、9m/g、10m/g、11m/g、12m/g、13m/g、14m/g、15m/g、16m/g、17m/g、18m/g、19m/g、20m/g、21m/g、22m/g、23m/g、または24m/gのSSAを有する。
さらなる実施形態では、シスプラチン粒子は、3.5m/g~約50m/g、約4m/g~約50m/g、約5m/g~約50m/g、約6m/g~約50m/g、約7m/g~約50m/g、約8m/g~約50m/g、約7m/g~約50m/g、約9m/g~約50m/g、約10m/g~約50m/g、約11m/g~約50m/g、約12m/g~約50m/g、約13m/g~約50m/g、約14m/g~約50m/g、約15m/g~約50m/g、約16m/g~約50m/g、約17m/g~約50m/g、約18m/g~約50m/g、約19m/g~約50m/g、約20m/g~約50m/g、約21m/g~約50m/g、約22m/g~約50m/g、約23m/g~約50m/g、約24m/g~約50m/g、3.5m/g~約45m/g、約4m/g~約45m/g、約5m/g~約45m/g、約6m/g~約45m/g、約7m/g~約45m/g、約8m/g~約45m/g、約7m/g~約45m/g、約9m/g~約45m/g、約10m/g~約45m/g、約11m/g~約45m/g、約12m/g~約45m/g、約13m/g~約45m/g、約14m/g~約45m/g、約15m/g~約45m/g、約16m/g~約45m/g、約17m/g~約45m/g、約18m/g~約45m/g、約19m/g~約45m/g、約20m/g~約45m/g、約21m/g~約45m/g、約22m/g~約45m/g、約23m/g~約45m/g、約24m/g~約45m/g、3.5m/g~約40m/g、約4m/g~約40m/g、約5m/g~約40m/g、約6m/g~約40m/g、約7m/g~約40m/g、約8m/g~約40m/g、約7m/g~約40m/g、約9m/g~約40m/g、約10m/g~約40m/g、約11m/g~約40m/g、約12m/g~約40m/g、約13m/g~約40m/g、約14m/g~約40m/g、約15m/g~約40m/g、約16m/g~約40m/g、約17m/g~約40m/g、約18m/g~約40m/g、約19m/g~約40m/g、約20m/g~約40m/g、約21m/g~約40m/g、約22m/g~約40m/g、約23m/g~約40m/g、約24m/g~約40m/g、3.5m/g~約35m/g、約4m/g~約35m/g、約5m/g~約35m/g、約6m/g~約35m/g、約7m/g~約35m/g、約8m/g~約35m/g、約7m/g~約35m/g、約9m/g~約35m/g、約10m/g~約35m/g、約11m/g~約35m/g、約12m/g~約35m/g、約13m/g~約35m/g、約14m/g~約35m/g、約15m/g~約35m/g、約16m/g~約35m/g、約17m/g~約35m/g、約18m/g~約35m/g、約19m/g~約35m/g、約20m/g~約35m/g、約21m/g~約35m/g、約22m/g~約35m/g、約23m/g~約35m/g、約24m/g~約35m/g、3.5m/g~約30m/g、約4m/g~約30m/g、約5m/g~約30m/g、約6m/g~約30m/g、約7m/g~約30m/g、約8m/g~約30m/g、約7m/g~約30m/g、約9m/g~約30m/g、約10m/g~約30m/g、約11m/g~約30m/g、約12m/g~約30m/g、約13m/g~約30m/g、約14m/g~約30m/g、約15m/g~約30m/g、約16m/g~約30m/g、約17m/g~約30m/g、約18m/g~約30m/g、約19m/g~約30m/g、約20m/g~約30m/g、約21m/g~約30m/g、約22m/g~約30m/g、約23m/g~約30m/g、または約24m/g~約30m/gのSSAを有する。
1つの実施形態では、シスプラチン粒子は、約1.0ミクロン~約12.0ミクロンの直径の体積分布による平均粒径(Dv50)を有する。いくつかの実施形態では、シスプラチン粒子は、約1ミクロン~約6ミクロンの直径、または約1ミクロン~約3.5もしくは3.0ミクロンの直径の体積分布による平均粒径を有する。シスプラチン粒子は、体循環により腫瘍から運搬される可能性が低く、さらに、高比表面積から利益を得て、薬物の可溶化および放出の増強を提供するサイズ範囲にある。
1つの実施形態では、シスプラチン粒子は約0.020g/cm~約0.8g/cmの平均嵩密度を有する。
本明細書では、シスプラチン粒子の嵩密度は、組成物中の粒子全体の質量を、メスシリンダーに注ぎ入れ、軽くたたかれていない場合にそれらが占有する総体積により割ったものである。総体積は、粒子体積、粒子間空隙体積、および内部細孔体積を含む。
シスプラチン粒子の比表面積の増加および嵩密度の減少により、例えば、未加工または粉砕シスプラチン製品と比べて、溶解速度の著しい増加が得られる。溶解は、固体/液体界面においてのみ起こる。そのため、比表面積の増加は、溶解媒体と接触している粒子の表面上の多数の分子のために溶解速度を増加させるであろう。嵩密度は粉末のマクロ構造および粒子間空間を考慮する。嵩密度に寄与するパラメータとしては、粒径分布、粒子形状、および互いに対する粒子の親和性(すなわち、凝集)が挙げられる。粉末嵩密度が低いほど、より速い溶解速度が得られる。これは、介在または粒子間空間により容易に浸透し、粒子の表面とより大きく接触する溶解媒体の能力のためである。これにより、例えば、腫瘍治療における本明細書で開示されるシスプラチン粒子の使用について著しい改善が提供される。
これらの様々な実施形態のいずれにおいても、シスプラチン粒子は、例えば、少なくとも5×10-15グラムのシスプラチン/シスプラチン粒子、または約1×10-8~約5×10-15グラムのシスプラチン/シスプラチン粒子を含み得る。
1つの実施形態では、粒子は無コートであり、ポリマー、タンパク質、ポリエトキシル化ヒマシ油ならびに、モノ、ジ、およびトリグリセリドならびにポリエチレングリコールのモノおよびジエステルからなるポリエチレングリコールグリセリドを排除する。
さらなる実施形態では、組成物は、薬学的に許容される液体担体をさらに含む液体懸濁物を含む。本開示の懸濁物はシスプラチン粒子および液体担体を含む。液体担体は水性とすることができ、または非水性とすることができる。シスプラチン粒子が添加された賦形剤を含まないとしても、懸濁物の液体担体は、水または非水液体および任意で、緩衝剤、張度調整剤、保存剤、粘滑剤、粘度調整剤、浸透圧剤、界面活性剤、抗酸化剤、アルカリ化剤、酸性化剤、消泡剤、および着色剤からなる群より選択される1つ以上の賦形剤を含むことができる。例えば、懸濁物は、シスプラチン粒子、水、緩衝剤および塩を含むことができる。それは任意で界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、懸濁物は、水、水に懸濁されたシスプラチン粒子および緩衝剤から本質的に構成される、またはこれから構成される。懸濁物は、浸透圧塩をさらに含むことができる。別の例では、懸濁物は、シスプラチン粒子および非水液体、例えば液化ガス推進剤を含むことができる。液化ガス推進剤の例としてはヒドロフルオロアルカン(HFA)が挙げられるが、それらに限定されない。他の非水液体の例としては鉱物油、植物油、グリセリン、ポリエチレングリコール、室温で液体であるポロクサマー(例えば、ポロクサマー124)、および室温で液体であるポリエチレングリコール(例えば、PEG400およびPEG600)が挙げられるが、それらに限定されない。
1つの実施形態では、懸濁物は、ポリソルベート、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マンニトール、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群より選択される1つ以上の成分をさらに含む。
懸濁物は、1つ以上の界面活性剤を含むことができる。好適な界面活性剤は、例として、制限はされないが、ポリソルベート、ラウリル硫酸、アセチル化モノグリセリド、ジアセチル化モノグリセリド、およびポロクサマーを含む。
懸濁物は、1つ以上の張度調整剤を含むことができる。好適な張度調整剤は、例として、制限はされないが、下記を含む:1つ以上の無機塩、電解質、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、硫酸ナトリウム、カリウム、重炭酸ナトリウムおよびカリウムならびにアルカリ土類金属塩、例えば、アルカリ土類金属無機塩、例えば、カルシウム塩、およびマグネシウム塩、マンニトール、デキストロース、グリセリン、プロピレングリコール、およびそれらの混合物。
とりわけ腹腔内(IP)投与に好適な1つの実施形態では、懸濁物は、IP腔の流体(複数可)に関して高浸透圧性(高張)、低浸透圧性(低張)または等浸透圧性(等張)となるように製剤化され得る。いくつかの実施形態では、懸濁物はIP腔内の流体に関して等張であり得る。そのような一実施形態では、懸濁物の浸透圧は、約200~約380、約240~約340、約280~約300または約290mOsm/kgの範囲とすることができる。
懸濁物は、1つ以上の緩衝剤を含むことができる。好適な緩衝剤は、例として、制限はされないが、二塩基性リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム塩酸、水酸化ナトリウム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビス(2-ヒドロキシエチル)イミノトリス-(ヒドロキシメチル)メタン、および炭酸水素ナトリウムおよび当業者に知られている他のものを含む。緩衝剤は一般的に、pHを腹腔内使用のために望ましい範囲に調整するために使用される。通常、およそ5~9、5~8、6~7.4、6.5~7.5、または6.9~7.4のpHが望ましい。
懸濁物は、1つ以上の粘滑薬を含むことができる。粘滑剤は、粘膜上に滑らかなフィルム、例えば、腹膜およびその中の器官の内張り膜を形成する作用物質である。粘滑剤は小さな疼痛および炎症を緩和することができ、時として、粘膜保護剤と呼ばれる。好適な粘滑薬としては、下記が挙げられる:約0.2~約2.5%の範囲のセルロース誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびメチルセルロース;約0.01%のゼラチン;約0.05~約1%の、また、約0.05~約1%を含むポリオール、例えば、グリセリン、ポリエチレングリコール300、ポリエチレングリコール400、ポリソルベート80、およびプロピレングリコール;約0.1~約4%のポリビニルアルコール;約0.1~約2%のポビドン;ならびに、本明細書で記載される別のポリマー粘滑剤と共に使用される場合約0.1%のデキストラン70。
懸濁物は、pHを調整するために1つ以上のアルカリ化剤を含むことができる。本明細書では、「アルカリ化剤」という用語は、アルカリ媒体を提供するために使用される化合物を意味することが意図される。そのような化合物は、例として、制限はされないが、アンモニア溶液、炭酸アンモニウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、および水酸化ナトリウムおよび当業者に知られている他のものを含む。
懸濁物は、pHを調整するための1つ以上の酸性化剤を含むことができる。本明細書では、「酸性化剤」という用語は、酸性媒体を提供するために使用される化合物を意味することが意図される。そのような化合物は、例として、制限はされないが、酢酸、アミノ酸、クエン酸、硝酸、フマル酸および他のαヒドロキシ酸、塩酸、アスコルビン酸、および硝酸および当業者に知られている他のものを含む。
懸濁物は、1つ以上の消泡剤を含むことができる。本明細書では、「消泡剤」という用語は、充填組成物の表面上に形成する発泡の量を防止または低減させる1つまたは複数の化合物を意味することが意図される。好適な消泡剤は、例として、制限はされないが、ジメチコン、シメチコン(登録商標)、オクトキシノールおよび当業者に知られている他のものを含む。
懸濁物は、懸濁物の粘度を増加または減少させる1つ以上の粘度調整剤を含むことができる。好適な粘度調整剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチセルロース(methycellulose)、マンニトールおよびポリビニルピロリドンが挙げられる。
懸濁物は、1つ以上の浸透圧剤、例えば、腹膜透析のために使用されるものを含むことができる。好適な浸透圧剤としては、イコデキストリン(グルコースポリマー)、塩化ナトリウム、塩化カリウム、および緩衝剤としても使用される塩が挙げられる。
1つの実施形態では、シスプラチン粒子の液体懸濁物は吸入による肺投与のためにエアロゾル化することができ、液体懸濁物のエアロゾル滴の空気動力学的中央粒子径(MMAD)は使用に好適な任意の直径とすることができる。1つの実施形態では、エアロゾル滴は、約0.5μm~約6μm直径のMMADを有する。様々なさらなる実施形態では、エアロゾル滴は、約0.5μm~約5.5μm直径、約0.5μm~約5μm直径、約0.5μm~約4.5μm直径、約0.5μm~約4μm直径、約0.5μm~約3.5μm直径、約0.5μm~約3μm直径、約0.5μm~約2.5μm直径、約0.5μm~約2μm直径、約1μm~約5.5μm直径、約1μm~約5μm直径、約1μm~約4.5μm直径、約1μm~約4μm直径、約1μm~約3.5μm直径、約1μm~約3μm直径、約1μm~約2.5μm直径、約1μm~約2μm直径、約1.5μm~約5.5μm直径、約1.5μm~約5μm直径、約1.5μm~約4.5μm直径、約1.5μm~約4μm直径、約1.5μm~約3.5μm直径、約1.5μm~約3μm直径、約1.5μm~約2.5μm直径、約1.5μm~約2μm直径、約2μm~約5.5μm直径、約2μm~約5μm直径、約2μm~約4.5μm直径、約2μm~約4μm直径、約2μm~約3.5μm直径、約2μm~約3μm直径、および約2μm~約2.5μm直径のMMADを有する。エアロゾル滴の空気動力学的中央粒子径(MMAD)および幾何標準偏差(GSD)を測定するのに好適な機器は7段エアロゾルサンプラー、例えば、Mercer-Styleカスケードインパクターである。エアロゾルにより送達されるシスプラチン粒子の液体懸濁物は、重力沈降、慣性衝突、および/または拡散により、気道内に堆積され得る。エアロゾルを発生させるのに好適な任意の装置を使用することができ、限定はされないが、定量噴霧式吸入器(MDI)、加圧定量噴霧式吸入器(pMDI)、ネブライザー、およびソフトミスト吸入器が挙げられる。
1つの実施形態では、シスプラチン粒子の乾燥粉末組成物は吸入による肺投与のためにエアロゾル化することができ、エアロゾル化乾燥粉末組成物の空気動力学的中央粒子径(MMAD)は使用に好適な任意の直径とすることができる。乾燥粉末組成物は乾燥粉末として製剤化される。乾燥粉末組成物はシスプラチン粒子のみを担体なしで含むことができ、または、シスプラチン粒子および1つ以上の乾燥粉末賦形剤を含む薬学的に許容される乾燥粉末担体を含むことができる。1つの実施形態では、エアロゾル化乾燥粉末組成物は約0.5μm~約6μm直径のMMADを有する。様々なさらなる実施形態では、エアロゾル化乾燥粉末組成物は、約0.5μm~約5.5μm直径、約0.5μm~約5μm直径、約0.5μm~約4.5μm直径、約0.5μm~約4μm直径、約0.5μm~約3.5μm直径、約0.5μm~約3μm直径、約0.5μm~約2.5μm直径、約0.5μm~約2μm直径、約1μm~約5.5μm直径、約1μm~約5μm直径、約1μm~約4.5μm直径、約1μm~約4μm直径、約1μm~約3.5μm直径、約1μm~約3μm直径、約1μm~約2.5μm直径、約1μm~約2μm直径、約1.5μm~約5.5μm直径、約1.5μm~約5μm直径、約1.5μm~約4.5μm直径、約1.5μm~約4μm直径、約1.5μm~約3.5μm直径、約1.5μm~約3μm直径、約1.5μm~約2.5μm直径、約1.5μm~約2μm直径、約2μm~約5.5μm直径、約2μm~約5μm直径、約2μm~約4.5μm直径、約2μm~約4μm直径、約2μm~約3.5μm直径、約2μm~約3μm直径、および約2μm~約2.5μm直径のMMADを有する。乾燥粉末組成物の空気動力学的中央粒子径(MMAD)および幾何標準偏差(GSD)を測定するのに好適な機器は7段エアロゾルサンプラー、例えば、Mercer-Styleカスケードインパクター、または、空気力学的パーティクルサイザー分光計、例えば、TSI Incorporatedから入手可能なAPS(商標)モデル3321分光計である。エアロゾルにより送達される乾燥粉末組成物は、重力沈降、慣性衝突、および/または拡散により、気道内に堆積され得る。乾燥粉末組成物のエアロゾルを発生させるのに好適な任意の装置を使用することができ、限定はされないが、ドライパウダー吸入器(DPI)が挙げられる。乾燥粉末吸入可能組成物に好適な賦形剤の一例としては、吸入に好適なグレードのラクトースが挙げられるが、それらに限定されない。1つの実施形態では、組成物はエアロゾル化を介する吸入による肺送達に好適な乾燥粉末組成物である。
1つの実施形態では、組成物は、使用目的のために主治医により好適と考えられる投与量の、シスプラチンを含む懸濁物(すなわち:薬学的に許容される担体および任意の他の成分を有する)の剤形を含む。任意の好適な剤形が使用でき;様々な非限定的実施形態では、剤形は約0.01mg/kg~約50mg/kg体重/日を提供するのに十分である。様々なさらなる実施形態では、剤形は約0.01mg/kg~約45mg/kg、約0.01mg/kg~約40mg/kg、約0.01mg/kg~約35mg/kg、約0.01mg/kg~約30mg/kg、約0.01mg/kg~約25mg/kg、約0.01mg/kg~約20mg/kg、約0.01mg/kg~約15mg/kg、約0.01mg/kg~約10mg/kg、約0.01mg/kg~約5mg/kg、または約0.01mg/kg~約1mg/kg体重/日を提供するのに十分である。懸濁物はそのまま投与することができ、または、希釈剤で希釈することができる。
別の態様では、本開示は、腫瘍を有する被験体に、腫瘍を治療するのに有効な量の、本開示のいずれかの実施形態または実施形態の組み合わせの組成物または懸濁物を投与することを含む、腫瘍を治療するための方法を提供する。開示のシスプラチン粒子の比表面積の増加により、現在のところ入手可能なシスプラチンと比べて、粒子についての溶解速度の著しい増加が得られる。これにより、例えば、腫瘍治療において、開示の粒子の使用について著しい改善が提供される。さらに、いくつかの実施形態では、本開示の方法はシスプラチンの投与回数および副作用を低減させることができる。非限定的例として、直接腫瘍注入により投与されるシスプラチン用量は著しい利益を提供し、副作用が低減されるであろう。というのも、全身濃度が大きく低減されるからである。腫瘍の内側で溶解する開示のシスプラチン粒子は周囲の流体中のシスプラチンの濃度と比べて、より高い濃度の溶解シスプラチンを生成させる。より高いシスプラチン濃度の局所デポーは急速に分裂している腫瘍細胞と、腫瘍に全身的に送達されるシスプラチンと比べてより大きな程度まで相互作用する。これにより、腫瘍の外側でのシスプラチンの細胞相互作用が低減される。粒子のより高い表面積により、腫瘍内でのシスプラチンのより高い局所濃度を達成するのに必要とされる時間が減少する。
本明細書では、「腫瘍」は、良性腫瘍、前悪性腫瘍、転移していない悪性腫瘍、および転移した悪性腫瘍を含む。開示の方法は、シスプラチン治療感受性である腫瘍、例えば、限定はされないが、癌腫、乳腺腫瘍、膵腫瘍、前立腺腫瘍、膀胱腫瘍、肺腫瘍、卵巣腫瘍、胃腸腫瘍、精巣腫瘍、頸部腫瘍、頭頸部腫瘍、食道腫瘍、中皮腫、脳腫瘍、神経芽細胞腫、または腎細胞腫瘍を治療するために使用することができる。特定の実施形態では、腫瘍は転移性精巣腫瘍、転移性卵巣腫瘍、または進行膀胱癌である。
別の実施形態では、方法は被験体に追加の治療薬、例えば、限定はされないが、アントラサイクリン、代謝拮抗薬、アルキル化剤、アルカロイド、タキサン(パクリタキセル、ドセタキセル、カバジタキセル、およびそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない)、および/またはトポイソメラーゼ阻害剤を投与することをさらに含む。
特定の実施形態では、1つ以上の追加の治療薬は、デュルバルマブ、トレメリムマブ、および/またはエトポシドの1つ以上を含み得る。
被験体は、腫瘍を有する任意の好適な被験体、例えば、限定はされないが、ヒト、霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、などとすることができる。1つの実施形態では、被験体はヒト被験体である。
本明細書では、「治療する」または「治療している」は、下記の1つ以上を達成することを意味する:(a)障害の重症度を低減させる;(b)治療される障害(複数可)の症状特性の発症を制限または防止する;(c)治療される障害(複数可)の症状特性の悪化を阻止する;(d)前に障害(複数可)を有した患者において障害(複数可)の再発を制限または防止する;ならびに(e)障害(複数可)について以前症候性であった患者における症状の再発を制限または防止する。
これらの使用に有効な量は、因子、例えば、限定はされないが、シスプラチンの性質(比活性、など)、投与経路、障害のステージおよび重症度、被験体の体重および全身の健康状態、および処方医師の判断に依存する。実際に投与される開示の懸濁物の組成物の量は、医師により、上記関連状況に鑑みて決定されることが理解されるであろう。1つの非限定的実施形態において、有効な量は0.01mg/kg~約50mg/kg体重/日を提供する量である。
組成物は、担当医療関係者により所定の被験体に対する全ての因子を考慮して最も適切と考えられるように、任意の好適な経路を介して、例えば、限定はされないが、経口的に、肺に、腹腔内に、腫瘍内に、腫瘍周囲に、皮下注射を介して、筋肉内注射を介して投与することができ、乳房脂肪体に、または任意の他の注射形態で投与することができる。
1つの実施形態では、肺投与は、単一用量のシスプラチン粒子の、例えば、経鼻、経口吸入、または両方による吸入を含む。シスプラチン粒子は2回以上の別個の投与(用量)で投与することができる。この実施形態では、粒子は、エアロゾル(すなわち:ガス状媒体中の粒子の安定分散物または懸濁物の液滴)として製剤化され得る。エアロゾルにより送達されるシスプラチン粒子は、重力沈降、慣性衝突、および/または拡散により、気道内に堆積され得る。エアロゾルを発生させるのに好適な任意の装置を使用することができ、限定はされないが、定量噴霧式吸入器(MDI)、加圧定量噴霧式吸入器(pMDI)、ネブライザー、およびソフトミスト吸入器が挙げられる。
1つの特定の実施形態では、方法は噴霧化を介するエアロゾル化されたシスプラチン粒子の吸入を含む。ネブライザーは一般に、圧縮空気または超音波パワーを使用して、粒子またはその懸濁物の吸入可能なエアロゾル滴を生成させる。この実施形態では、噴霧化により、被験体へのシスプラチン粒子またはその懸濁物のエアロゾル滴の肺送達が得られる。
別の実施形態では、方法はpMDIを介するエアロゾル化されたシスプラチン粒子の吸入を含み、粒子またはその懸濁物は、絞り弁で密閉された加圧容器内で少なくとも1つの液化ガスを含む好適な噴射剤系(ヒドロフルオロアルカン(HFA)を含むが、限定はされない)に懸濁される。弁の作動により、計量された用量の、シスプラチン粒子またはその懸濁物のエアゾールスプレーの送達が得られる。
別の実施形態では、方法は、DPIを介するシスプラチンの乾燥粉末組成物の吸入を含み、乾燥粉末組成物はシスプラチン粒子のみを担体なしで含む。さらに別の実施形態では、方法はDPIを介してのシスプラチンの乾燥粉末組成物の吸入を含み、乾燥粉末組成物はシスプラチン粒子を含み、および、1つ以上の乾燥粉末賦形剤を含む薬学的に許容される乾燥粉末担体を含み得る。乾燥粉末吸入可能組成物に好適な乾燥粉末賦形剤の一例としては、吸入に好適なグレードのラクトースが挙げられるが、それに限定されない。
投与期間は、ある用量の組成物または懸濁物中のシスプラチン粒子が投与される期間である。投与期間は全用量が投与される単一期間とすることができ、または、2回以上の期間に分割することができ、その各々中に、その用量の一部が投与される。
後投与期間は、前の投与期間の完了後に始まり、その後の投与期間の開始後に終わる期間である。後投与期間の持続期間は、シスプラチンに対する被験体の臨床反応により変動する可能性がある。懸濁物は後投与期間中には投与されない。後投与期間は少なくとも7日、少なくとも14日、少なくとも21日、少なくとも28日、少なくとも35日、少なくとも60日または少なくとも90日またはそれ以上続く可能性がある。後投与期間は、一被験体に対して一定に維持することができ、または、一被験体に対して、2以上の異なる後投与期間が使用され得る。
投与サイクルは投与期間および後投与期間を含む。したがって、投与サイクルの持続期間は投与期間と後投与期間の合計である。投与サイクルは、一被験体に対して一定に維持することができ、または、一被験体に対して、2以上の異なる投与サイクルが使用され得る。
1つの実施形態では、投与は複数回実施され、各投与は少なくとも21日だけ時間的に分離される。
別の態様では、本開示は、下記を含む、シスプラチン粒子を製造するための方法を提供し:
(a)(i)少なくとも1つの溶媒、例えば、限定はされないが、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、アセトン、またはそれらの組み合わせ、またはそれらの組み合わせ、およびシスプラチンを含む少なくとも1つの溶質を含む溶液をノズル入口に、ならびに(ii)圧縮流体を加圧可能なチャンバを規定する容器の入口に導入すること;
(b)溶液をノズルオリフィスから加圧可能なチャンバ中に通過させ、噴霧滴の出力ストリームを生成させることであって、ノズルオリフィスは出力ストリーム内に配置された音響エネルギー源から2mm~20mmに配置され、音響エネルギー源は通過中10%~100%の振幅を有する音響エネルギーを生成させ、ノズルオリフィスは20μm~125μmの直径を有する、こと;
(c)噴霧滴を圧縮流体と接触させ、噴霧滴からの溶媒の枯渇を引き起こし、少なくとも95%のシスプラチンを含むシスプラチン粒子を生成させることであって、シスプラチン粒子は少なくとも3.5m/gの比表面積(SSA)を有し、約0.7μm~約8μmの平均粒径を有する、こと、
ステップ(a)、(b)、および(c)は圧縮流体に対する超臨界温度および圧力下で実施される。
方法は溶媒に溶解された溶質の出力ストリーム中に直接配置された音響エネルギー源を利用する。開示の方法と適合する任意の好適な音響エネルギー源が使用でき、限定はされないが、音響ホーン、音響プローブ、または音響プレートが挙げられる。様々な実施形態では、ノズルオリフィスは、音響エネルギー源から、約2mm~約20mm、約2mm~約18mm、約2mm~約16mm、約2mm~約14mm、約2mm~約12mm、約2mm~約10mm、約2mm~約8mm、約2mm~約6mm、約2mm~約4mm、約4mm~約20mm、約4mm~約18mm、約4mm~約16mm、約4mm~約14mm、約4mm~約12mm、約4mm~約10mm、約4mm~約8mm、約4mm~約6mm、約6mm~約20mm、約6mm~約18mm、約6mm~約16mm、約6mm~約14mm、約6mm~約12mm、約6mm~約10mm、約6mm~約8mm、約8mm~約20mm、約8mm~約18mm、約8mm~約16mm、約8mm~約14mm、約8mm~約12mm、約8mm~約10mm、約10mm~約20mm、約10mm~約18mm、約10mm~約16mm、約10mm~約14mm、約10mm~約12mm、約12mm~約20mm、約12mm~約18mm、約12mm~約16mm、約12mm~約14mm、約14mm~約20mm、約14mm~約18mm、約14mm~約16mm、約16mm~約20mm、約16mm~約18mm、および約18mm~約20mmの間に配置される。さらなる実施形態では、WO2016/197091号の任意の実施形態のノズルアセンブリが使用され得る。
開示の方法と適合する任意の好適な音響エネルギー源が使用でき、限定はされないが、音響ホーン、音響プローブ、または音響プレートが挙げられる。様々なさらなる実施形態では、音響エネルギー源は、音響エネルギー源を使用して発生させることができる総出力の約10%~約100%の振幅を有する音響エネルギーを生成させる。本明細書における教示を考慮すると、当業者は、使用される特定の総パワー出力を有する適切な音響エネルギー源を決定することができる。1つの実施形態では、音響エネルギー源は、約500~約900ワット;様々なさらなる実施形態では、約600~約800ワット、約650-750ワット、または約700ワットの総パワー出力を有する。
様々なさらなる実施形態では、音響エネルギー源は、音響エネルギー源を使用して発生させることができる総出力の、約20%~約100%、約30%~約100%、約40%~約100%、約50%~約100%、約60%~約100%、約70%~約100%、約80%~約100%、約90%~約100%、約10%~約90%、約20%~約90%、約30%~約90%、約40%~約90%、約50%~約90%、約60%~約90%、約70%~約90%、約80%~約90%、約10%~約80%、約20%~約80%、約30%~約80%、約40%~約80%、約50%~約80%、約60%~約80%、約70%~約80%、約10%~約70%、約20%~約70%、約30%~約70%、約40%~約70%、約50%~約70%、約60%~約70%、約10%~約60%、約20%~約60%、約30%~約60%、約40%~約60%、約50%~約60%、約10%~約50%、約20%~約50%、約30%~約50%、約40%~約50%、約10%~約40%、約20%~約40%、約30%~約40%、約10%~約30%、約20%~約30%、約10%~約20%の間、または約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または約100%のパワー出力を有する音響エネルギーを生成させる。本明細書における教示を考慮すると、当業者は、音響エネルギー源で利用される適切な周波数を決定することができる。1つの実施形態では、音響エネルギー源上では約18~約22kHzの周波数が利用される。様々な他の実施形態では、音響エネルギー源上では約19~約21kHz、約19.5~約20.5の周波数、または約20kHzの周波数が利用される。
様々なさらなる実施形態では、ノズルオリフィスは、約20μm~約125μm、約20μm~約115μm、約20μm~約100μm、約20μm~約90μm、約20μm~約80μm、約20μm~約70μm、約20μm~約60μm、約20μm~約50μm、約20μm~約40μm、約20μm~約30μm、約30μm~約125μm、約30μm~約115μm、約30μm~約100μm、約30μm~約90μm、約30μm~約80μm、約30μm~約70μm、約30μm~約60μm、約30μm~約50μm、約30μm~約40μm、約40μm~約125μm、約40μm~約115μm、約40μm~約100μm、約40μm~約90μm、約40μm~約80μm、約40μm~約70μm、約40μm~約60μm、約40μm~約50μm、約50μm~約125μm、約50μm~約115μm、約50μm~約100μm、約50μm~約90μm、約50μm~約80μm、約50μm~約70μm、約50μm~約60μm、約60μm~約125μm、約60μm~約115μm、約60μm~約100μm、約60μm~約90μm、約60μm~約80μm、約60μm~約70μm、約70μm~約125μm、約70μm~約115μm、約70μm~約100μm、約70μm~約90μm、約70μm~約80μm、約80μm~約125μm、約80μm~約115μm、約80μm~約100μm、約80μm~約90μm、約90μm~約125μm、約90μm~約115μm、約90μm~約100μm、約100μm~約125μm、約100μm~約115μm、約115μm~約125μmの間、約20μm、30μm、40μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、115μm、または約120μmの直径を有する。ノズルは、方法において使用される溶媒および圧縮流体の両方に対して不活性である。
溶媒はDMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、アセトン、またはそれらの組み合わせを含む。溶媒は溶液全体の少なくとも約80%、85%、または90重量%を占めなければならない。
圧縮流体は使用される条件下で超臨界流体を形成することができ、粒子を形成する溶質は圧縮流体に溶解しにくく、または不溶性である。当業者に知られているように、超臨界流体はその臨界点を超える温度および圧力の任意の物質であり、明白な液相および気相は存在しない。開示の方法のステップ(a)、(b)、および(c)は圧縮流体に対する超臨界温度および圧力下で実施され、そのため、圧縮流体はこれらの処理ステップの間、超臨界流体として存在する。
圧縮流体は溶媒として機能することができ、粒子内の望まれない成分を除去するために使用することができる。任意の好適な圧縮流体が開示の方法で使用でき;例示的なそのような圧縮流体は米国特許第5833891号および5874029号において開示される。1つの非限定的実施形態において、好適な超臨界流体形成圧縮流体および/またはアンチソルベントは、二酸化炭素、エタン、プロパン、ブタン、イソブタン、亜酸化窒素、キセノン、六フッ化硫黄およびトリフルオロメタンを含むことができる。さらなる溶媒枯渇を引き起こすための、ステップ(d)において列挙されるアンチソルベントは、以上で規定される圧縮流体であり、ステップ(a-c)で使用される同じ圧縮流体であってもよく、または異なっていてもよい。1つの実施形態では、ステップ(d)で使用されるアンチソルベントは圧縮流体ステップ(a-c)で使用されるのと同じである。好ましい実施形態では、圧縮流体およびアンチソルベントはどちらも超臨界二酸化炭素である。
全ての場合において、圧縮流体およびアンチソルベントは、溶媒と実質的に混和性でなければならず、一方、シスプラチンは圧縮流体中で実質的に不溶性でなければならず、すなわち、シスプラチンは、選択された溶媒/圧縮流体接触条件で、圧縮流体またはアンチソルベント中約5重量%以下の可溶性でなければならず、好ましくは、本質的に完全に不溶性である。
開示の方法において使用される超臨界条件は典型的には、超臨界流体の臨界温度の1X~約1.4X、または1X~約1.2X、および、圧縮流体についての超臨界圧の1X~約7X、または1X~約2Xの範囲である。
所定の圧縮流体またはアンチソルベントについての臨界温度および圧力を決定することは、十分当業者のレベルの範囲内である。1つの実施形態では、圧縮流体およびアンチソルベントはどちらも超臨界二酸化炭素であり、臨界温度は少なくとも31.1℃および最大約60℃までであり、臨界圧は少なくとも1071psiおよび最大約1800psiまでである。別の実施形態では、圧縮流体およびアンチソルベントはどちらも超臨界二酸化炭素であり、臨界温度は少なくとも35℃および最大約55℃までであり、臨界圧は少なくとも1070psiおよび最大約1500psiまでである。特定の臨界温度および圧力は、処理中異なるステップで異なっている可能性があることは当業者により理解されるであろう。
任意の好適な加圧可能なチャンバを使用することができ、限定はされないが、WO2016/197091号または米国特許第5,833,891号および5,874,029号において開示されるものが挙げられる。同様に、噴霧滴を圧縮流体と接触させ、小滴からの溶媒の枯渇を引き起こすステップ;および小滴をアンチソルベントと接触させ、小滴からの溶媒のさらなる枯渇を引き起こし、化合物の粒子を生成するステップは、任意の好適な条件下、例えば、限定はされないが、米国特許第5,833,891号および5,874,029号において開示されるものの下で実施することができる。
流速はアウトプットを最適化するために可能な限り高く調整することができるが、ノズルオリフィスを含む機器についての圧力限界未満とされる。1つの実施形態では、ノズルを通る溶液の流速は約0.5mL/分~約30mL/分の範囲を有する。様々なさらなる実施形態では、流速は約0.5mL/分~約25mL/分、0.5mL/分~約20mL/分、0.5mL/分~約15mL/分、0.5mL/分~約10mL/分、0.5mL/分~約4mL/分、約1mL/分~約30mL/分、約1mL/分~約25mL/分、約1mL/分~約20mL/分、1mL/分~約15mL/分、約1mL/分~約10mL/分、約2mL/分~約30mL/分、約2mL/分~約25mL/分、約2mL/分~約20mL/分、約2mL/分~約15mL/分、または約2mL/分~約10mL/分の間である。流速に供される薬物の溶液は任意の好適な濃度、例えば、約1mg/ml~約80mg/mlとすることができる。
1つの実施形態では、方法は、加圧可能なチャンバの出口を通して複数の粒子を受け取ること;および、例えば、WO2016/197091号において開示される捕集装置において複数の粒子を収集することをさらに含む。
別の態様では、本開示は、開示のいずれかの実施形態または実施形態の組み合わせの方法により調製されたシスプラチン粒子を提供する。
実施例
Figure 2024516162000002
材料試験
レーザ回折による粒径分布(PSD)
走査電子顕微鏡法(SEM)による撮像
BETソープトメトリ(Sorptometry)による比表面積(SSA)決定
粉末X線回折(PXRD)による結晶/アモルファス相決定
改良USP<616>粉末嵩密度法Iによる嵩密度分析
研究
1.様々な溶媒中でのシスプラチンの溶媒溶解度試験
2.3つの溶媒系からのシスプラチンの沈殿、次いでPSD、SEM、PXRD、SSA、および嵩密度のための/による対応する材料の分析を示すこと
シスプラチンの溶解度を下記溶媒混合物中で試験した:
1:3 DMSO:アセトン、
1:1 DMSO:アセトン、
3:1 DMSO:アセトン、
DMFのみ、および
DMSOのみ。
3つの小規模沈殿操作を、シスプラチンを用いRC612B沈殿ユニット上で実施した。操作からの沈殿を、PSDを決定するためにレーザ回折、PSDデータをサポートし形状/性質を決定するためにSEM、SSAを決定するためにBETソープトメトリ(Sorptometry)、材料の結晶/アモルファス相を決定するためにPXRD、ならびに、沈殿の追加の物理的特性を同定するために嵩密度分析により分析した。
実験手順
材料受取
シスプラチンをBOC Sciencesから取得し、温度および湿度がモニタされたキャビネット内に保存した。
溶媒選択
室温で約8mg/mLを超える有機溶媒中での溶解度は、さらなる研究には十分と考えた。より大きな溶媒溶解度では、生成時間が減少した。溶解度は、目視観測により決定し、標準動作手順に従い試験した。
沈殿
シスプラチンの13の小規模沈殿をRC612B SCPユニット上で、標準動作手順EQP-002、RC612Bの動作、メンテナンスおよび較正(Operation、Maintenance、and Calibration)に従い生成させた。
1つの特定の例示的な方法では、16.8mg/mLのシスプラチンの溶液をDMF中で調製した。ノズルおよび音響プローブを加圧可能なチャンバ内でおよそ9mm離して配置した。およそ20nmの公称定格を有するステンレス鋼メンブランフィルタを加圧可能なチャンバに取り付け、沈殿したシスプラチン粒子を収集した。超臨界二酸化炭素を製造装置の加圧可能なチャンバに入れ、約38℃および4~12kg/時間の流速でおよそ1200psiとした。音響プローブを20kHzの周波数で最大出力の60%の振幅に調製した。シスプラチンを含むDMF溶液を、ノズルを通して2mL/分の流速でおよそ15分間ポンピングした。次いで、混合物をステンレス鋼メッシュフィルタに通してポンピングしながら、沈殿したシスプラチン粒子を超臨界二酸化炭素から収集した。シスプラチンの粒子を含むフィルタを開き、得られた生成物をフィルタから収集した。
別の例示的な方法では、100.4mg/mLのシスプラチンの溶液をDMSO中で調製した。ノズルおよび音響プローブを加圧可能なチャンバ内でおよそ9mm離して配置した。およそ20nmの公称定格を有するステンレス鋼メンブランフィルタを加圧可能なチャンバに取り付け、沈殿したシスプラチン粒子を収集した。超臨界二酸化炭素を製造装置の加圧可能なチャンバに入れ、約38℃および4~12kg/時間の流速でおよそ1200psiとした。音響プローブを20kHzの周波数で最大出力の60%の振幅に調製した。シスプラチンを含むDMSO溶液を、ノズルを通して2mL/分の流速でおよそ3分間ポンピングした。次いで、混合物をステンレス鋼メッシュフィルタに通してポンピングしながら、沈殿したシスプラチン粒子を超臨界二酸化炭素から収集した。シスプラチンの粒子を含むフィルタを開き、得られた生成物をフィルタから収集した。
別の例示的な方法では、49.7mg/mLのシスプラチンの溶液を3:2(v/v)DMSO:アセトン中で調製した。ノズルおよび音響プローブを加圧可能なチャンバ内でおよそ9mm離して配置した。およそ20nmの公称定格を有するステンレス鋼メンブランフィルタを加圧可能なチャンバに取り付け、沈殿したシスプラチン粒子を収集した。超臨界二酸化炭素を製造装置の加圧可能なチャンバに入れ、約38℃および4~12kg/時間の流速でおよそ1200psiとした。音響プローブを20kHzの周波数で最大出力の60%の振幅に調製した。シスプラチンを含む3:2DMSO:アセトン溶液を、ノズルを通して2mL/分の流速でおよそ5分間ポンピングした。次いで、混合物をステンレス鋼メッシュフィルタに通してポンピングしながら、沈殿したシスプラチン粒子を超臨界二酸化炭素から収集した。シスプラチンの粒子を含むフィルタを開き、得られた生成物をフィルタから収集した。
別の例示的な方法では、16.7mg/mLのシスプラチンの溶液をDMF中で調製した。ノズルおよび音響プローブを加圧可能なチャンバ内でおよそ9mm離して配置した。およそ20nmの公称定格を有するステンレス鋼メンブランフィルタを加圧可能なチャンバに取り付け、沈殿したシスプラチン粒子を収集した。超臨界二酸化炭素を製造装置の加圧可能なチャンバに入れ、約39℃および4~12kg/時間の流速でおよそ1300psiとした。音響プローブを20kHzの周波数で最大出力の60%の振幅に調製した。シスプラチンを含むDMF溶液を、ノズルを通して2mL/分の流速でおよそ15分間ポンピングした。次いで、混合物をステンレス鋼メッシュフィルタに通してポンピングしながら、沈殿したシスプラチン粒子を超臨界二酸化炭素から収集した。シスプラチンの粒子を含むフィルタを開き、得られた生成物をフィルタから収集した。
別の例示的な方法では、16.8mg/mLのシスプラチンの溶液をDMF中で調製した。ノズルおよび音響プローブを加圧可能なチャンバ内でおよそ9mm離して配置した。およそ20nmの公称定格を有するステンレス鋼メンブランフィルタを加圧可能なチャンバに取り付け、沈殿したシスプラチン粒子を収集した。超臨界二酸化炭素を製造装置の加圧可能なチャンバに入れ、約38℃および4~12kg/時間の流速でおよそ1100psiとした。音響プローブを20kHzの周波数で最大出力の60%の振幅に調製した。シスプラチンを含むDMF溶液を、ノズルを通して2mL/分の流速でおよそ15分間ポンピングした。次いで、混合物をステンレス鋼メッシュフィルタに通してポンピングしながら、沈殿したシスプラチン粒子を超臨界二酸化炭素から収集した。シスプラチンの粒子を含むフィルタを開き、得られた生成物をフィルタから収集した。
別の例示的な方法では、16.8mg/mLのシスプラチンの溶液をDMF中で調製した。ノズルおよび音響プローブを加圧可能なチャンバ内でおよそ9mm離して配置した。およそ20nmの公称定格を有するステンレス鋼メンブランフィルタを加圧可能なチャンバに取り付け、沈殿したシスプラチン粒子を収集した。超臨界二酸化炭素を製造装置の加圧可能なチャンバに入れ、約37℃および4~12kg/時間の流速でおよそ1200psiとした。音響プローブを20kHzの周波数で最大出力の60%の振幅に調製した。シスプラチンを含むDMF溶液を、ノズルを通して2mL/分の流速でおよそ15分間ポンピングした。次いで、混合物をステンレス鋼メッシュフィルタに通してポンピングしながら、沈殿したシスプラチン粒子を超臨界二酸化炭素から収集した。シスプラチンの粒子を含むフィルタを開き、得られた生成物をフィルタから収集した。
別の例示的な方法では、16.8mg/mLのシスプラチンの溶液をDMF中で調製した。ノズルおよび音響プローブを加圧可能なチャンバ内でおよそ9mm離して配置した。およそ20nmの公称定格を有するステンレス鋼メンブランフィルタを加圧可能なチャンバに取り付け、沈殿したシスプラチン粒子を収集した。超臨界二酸化炭素を製造装置の加圧可能なチャンバに入れ、約42℃および4~12kg/時間の流速でおよそ1200psiとした。音響プローブを20kHzの周波数で最大出力の60%の振幅に調製した。シスプラチンを含むDMF溶液を、ノズルを通して2mL/分の流速でおよそ15分間ポンピングした。次いで、混合物をステンレス鋼メッシュフィルタに通してポンピングしながら、沈殿したシスプラチン粒子を超臨界二酸化炭素から収集した。シスプラチンの粒子を含むフィルタを開き、得られた生成物をフィルタから収集した。
別の例示的な方法では、16.7mg/mLのシスプラチンの溶液をDMF中で調製した。ノズルおよび音響プローブを加圧可能なチャンバ内でおよそ9mm離して配置した。およそ20nmの公称定格を有するステンレス鋼メンブランフィルタを加圧可能なチャンバに取り付け、沈殿したシスプラチン粒子を収集した。超臨界二酸化炭素を製造装置の加圧可能なチャンバに入れ、約39℃および4~12kg/時間の流速でおよそ1200psiとした。音響プローブを20kHzの周波数で最大出力の20%の振幅に調製した。シスプラチンを含むDMF溶液を、ノズルを通して2mL/分の流速でおよそ15分間ポンピングした。次いで、混合物をステンレス鋼メッシュフィルタに通してポンピングしながら、沈殿したシスプラチン粒子を超臨界二酸化炭素から収集した。シスプラチンの粒子を含むフィルタを開き、得られた生成物をフィルタから収集した。
別の例示的な方法では、16.8mg/mLのシスプラチンの溶液をDMF中で調製した。ノズルおよび音響プローブを加圧可能なチャンバ内でおよそ9mm離して配置した。およそ20nmの公称定格を有するステンレス鋼メンブランフィルタを加圧可能なチャンバに取り付け、沈殿したシスプラチン粒子を収集した。超臨界二酸化炭素を製造装置の加圧可能なチャンバに入れ、約38℃および4~12kg/時間の流速でおよそ1200psiとした。音響プローブを20kHzの周波数で最大出力の80%の振幅に調製した。シスプラチンを含むDMF溶液を、ノズルを通して2mL/分の流速でおよそ15分間ポンピングした。次いで、混合物をステンレス鋼メッシュフィルタに通してポンピングしながら、沈殿したシスプラチン粒子を超臨界二酸化炭素から収集した。シスプラチンの粒子を含むフィルタを開き、得られた生成物をフィルタから収集した。
別の例示的な方法では、16.7mg/mLのシスプラチンの溶液をDMF中で調製した。ノズルおよび音響プローブを加圧可能なチャンバ内でおよそ9mm離して配置した。およそ20nmの公称定格を有するステンレス鋼メンブランフィルタを加圧可能なチャンバに取り付け、沈殿したシスプラチン粒子を収集した。超臨界二酸化炭素を製造装置の加圧可能なチャンバに入れ、約37℃および4~12kg/時間の流速でおよそ1200psiとした。音響プローブを20kHzの周波数で最大出力の0%の振幅に調製した。シスプラチンを含むDMF溶液を、ノズルを通して2mL/分の流速でおよそ15分間ポンピングした。次いで、混合物をステンレス鋼メッシュフィルタに通してポンピングしながら、沈殿したシスプラチン粒子を超臨界二酸化炭素から収集した。シスプラチンの粒子を含むフィルタを開き、得られた生成物をフィルタから収集した。
別の例示的な方法では、16.7mg/mLのシスプラチンの溶液をDMF中で調製した。ノズルおよび音響プローブを加圧可能なチャンバ内でおよそ9mm離して配置した。およそ20nmの公称定格を有するステンレス鋼メンブランフィルタを加圧可能なチャンバに取り付け、沈殿したシスプラチン粒子を収集した。超臨界二酸化炭素を製造装置の加圧可能なチャンバに入れ、約36℃および4~12kg/時間の流速でおよそ1200psiとした。音響プローブを20kHzの周波数で最大出力の20%の振幅に調製した。シスプラチンを含むDMF溶液を、ノズルを通して2mL/分の流速でおよそ15分間ポンピングした。次いで、混合物をステンレス鋼メッシュフィルタに通してポンピングしながら、沈殿したシスプラチン粒子を超臨界二酸化炭素から収集した。シスプラチンの粒子を含むフィルタを開き、得られた生成物をフィルタから収集した。
分析試験
シスプラチンの3つの沈殿操作後、材料をPSD、SEM、PXRD、SSA、および嵩密度(適用可能な場合)のために/により分析した。
結果と考察
沈殿
第1および第2の沈殿操作を、それぞれ、DMF(SC1)およびDMSO(SC2)を用いて実施した。最終操作(SC3)を3:2 DMSO:アセトン混合物から実施し、50mg/mL濃度を達成した。SC1では、85.6%の収率が得られ、これは小規模では良好な収率である。SC2では、54.1%の収率が得られ、これは明らかにSC1より低いが、小規模では許容される収率である。SC3では、18.6%収率が得られた。
粒径分布
粒径分析をMalvern Mastersizer(商標)3000上、Hydro MV分散ユニットを使用して実施した。検証されていない一般的PSD法/分散剤法を使用して、シスプラチン試料を分析した。実施した試料調製手順は下記の通りであった:10~20mgのシスプラチンを30mLバイアル中に秤量し、20mLの酢酸エチルを添加する。試料をボルテックスすることにより分散させ、次いで、懸濁物を超音波浴において1分間超音波処理する。次いで、試料懸濁物をMalvern Hydro MV分散ユニットに移し、5~15%のオブスキュレーションを得る。
SC1およびSC3からのPSD結果は相対的に同様であり、SC1とSC3の間の唯一の差はDv90であった。SC1およびSC3は原料と比べた場合、PSDの著しい減少を示した。
走査電子顕微鏡法
走査電子顕微鏡法をJoel NeoScope(商標)SEMで実施した。概して、画像化は、様々な分布、ならびに異なる粒子形状/性質を有する粒径分布結果を支持する。SC1およびSC2のSEM顕微鏡写真は<1μm範囲の粒子を示し、これらは、PSD結果において観察されたが、SEMに基づいて予想されたレベルではなかった。PSD方法開発は使用した方法が凝集体を分解するのに必要な十分な分散エネルギーを欠いていたか、または、9.18および10.83μmのDv90が真実であり、材料は凝集して融合したより大きな粒子となったかどうかを明確にするのを助けるであろう。SEM顕微鏡写真が、図1-14が示され;使用した溶媒および倍率が、対応する図説明文において示される。
粉末X線回折
粉末X線回折分析をSiemens D5000X線回折計で実施した。PXRDは、5から35 2θ°まで0.02 2θ°/秒の速度および1秒/ステップで走査した。原料および3つ全てのSCP試料は同じ結晶パターンを示すように見え、強度およびブロードニングにおける観察可能な違いは、主に粒径効果に、二次的に優先配向に起因した。回折パターンの重ね合わせが図15で提供される。
比表面積
表面積分析をQuantachrome NOVAtouch(商標)LX2 BETソープトメーターで実施した。SC1では、原料と比べた場合6.3×SSA増加、SC2では4.4×増加という結果となった。SC3では、分析のために十分な材料がえられなかったが、PSD減少に基づき、それもまた、同様にSSAの著しい増加を有したと仮定される。表面積結果は表1において見出すことができる。
嵩密度
嵩密度分析を、低い試料体積のために10mLメスシリンダーを使用して実施した。SC2およびSC3からの、分析のために使用可能な不十分な材料のために、SC1が唯一測定された沈殿となった。SC1は原料シスプラチンと比べた場合、約75%の嵩密度減少を示した。嵩密度結果は表1において見られ得る。
結論
シスプラチンは試験した3つ全ての溶媒系からうまく沈殿し、DMFは最も有望な結果を示した。
Figure 2024516162000003
MMAD決定
およそ100mg(合計、3つの複製物について)、または、本明細書で記載されるシスプラチン粒子の2つの試料の各々、より低い比表面積(4.41m/gm)を有するSC9およびずっと高い表面積(20.54m/gm)を有するSC12を、MMADについてAPS3321分光計上で分析した。嵩密度はSC9では0.346gm/cm、SC12では0.223gm/cmであった。結果は下記の通りであった:
低表面積試料:1.73μmMMAD、1.44のGSD(幾何標準偏差)
高表面積試料:1.71μmMMAD、1.64のGSD
MMAD値は、粒子の物理的粒径分布について我々が得たDv50値、1.50μmおよび1.81μmに非常に近かった。このデータから、乾燥粉末吸入による送達を可能とするMMADを有する粒子が生成できることが証明される。
SCP-シスプラチンパイロット研究
開始日に8-12週齢の55のCR雌NCr nu/nuマウスに側腹部において、1×10 H69腫瘍細胞を含む50%マトリゲルを皮下注射し;細胞注入体積は0.1mL/マウスとした。ペアマッチを、腫瘍が100-150mmの平均サイズに到達した時に実施し、その後、治療を表2に詳述されるように開始した。
Figure 2024516162000004

注:ビヒクル=47.5%グリセリン、47.5%エタノール、および5%水の溶液、シスプラチン=生理食塩水に溶解させたシスプラチン、SCP-シスプラチン=47.5%グリセリン、47.5%エタノール、および5%水の溶液に懸濁させたSCP処理シスプラチン粒子の懸濁物。
腫瘍細胞を第0日に移植し、治療を第18日に開始した(平均TV=126mm)。5つの治療群(n=5/群)があり;全てがIT注射=25μL;27G針を受けた。ITビヒクル群にはエタノール/グリセリン/水を投与した。動物をTV=2000mmの人道的な終点または研究第51日に屠殺した。
データが図16-19に示される。単一IT注射後第51日に:
群3における5匹の動物のうち3匹が生き残り、各々が増加した腫瘍体積を有し;
群4における5匹の動物のうち0匹が生き残り;ならびに
群5における5匹の動物のうち5匹が生き残った。5匹のうちの3匹が増加した腫瘍体積を有したが、他の2匹は測定可能な腫瘍を示さなかった(図19を参照されたい)。

Claims (27)

  1. 少なくとも95重量%のシスプラチンを含む粒子を含む組成物であって、前記粒子は少なくとも3.5m/g、4m/g、5m/g、6m/g、7m/g、8m/g、9m/g、10m/g、11m/g、12m/g、13m/g、14m/g、15m/g、16m/g、17m/g、18m/g、19m/g、20m/g、21m/g、22m/g、23m/g、または24m/gの比表面積(SSA)を有する、組成物。
  2. 前記粒子は少なくとも4m/gのSSAを有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記粒子は少なくとも10m/gのSSAを有する、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記粒子は、3.5m/g~約50m/g、約4m/g~約50m/g、約5m/g~約50m/g、約6m/g~約50m/g、約7m/g~約50m/g、約8m/g~約50m/g、約7m/g~約50m/g、約9m/g~約50m/g、約10m/g~約50m/g、約11m/g~約50m/g、約12m/g~約50m/g、約13m/g~約50m/g、約14m/g~約50m/g、約15m/g~約50m/g、約16m/g~約50m/g、約17m/g~約50m/g、約18m/g~約50m/g、約19m/g~約50m/g、約20m/g~約50m/g、約21m/g~約50m/g、約22m/g~約50m/g、約23m/g~約50m/g、約24m/g~約50m/g、
    3.5m/g~約45m/g、約4m/g~約45m/g、約5m/g~約45m/g、約6m/g~約45m/g、約7m/g~約45m/g、約8m/g~約45m/g、約7m/g~約45m/g、約9m/g~約45m/g、約10m/g~約45m/g、約11m/g~約45m/g、約12m/g~約45m/g、約13m/g~約45m/g、約14m/g~約45m/g、約15m/g~約45m/g、約16m/g~約45m/g、約17m/g~約45m/g、約18m/g~約45m/g、約19m/g~約45m/g、約20m/g~約45m/g、約21m/g~約45m/g、約22m/g~約45m/g、約23m/g~約45m/g、約24m/g~約45m/g、
    3.5m/g~約40m/g、約4m/g~約40m/g、約5m/g~約40m/g、約6m/g~約40m/g、約7m/g~約40m/g、約8m/g~約40m/g、約7m/g~約40m/g、約9m/g~約40m/g、約10m/g~約40m/g、約11m/g~約40m/g、約12m/g~約40m/g、約13m/g~約40m/g、約14m/g~約40m/g、約15m/g~約40m/g、約16m/g~約40m/g、約17m/g~約40m/g、約18m/g~約40m/g、約19m/g~約40m/g、約20m/g~約40m/g、約21m/g~約40m/g、約22m/g~約40m/g、約23m/g~約40m/g、約24m/g~約40m/g、
    3.5m/g~約35m/g、約4m/g~約35m/g、約5m/g~約35m/g、約6m/g~約35m/g、約7m/g~約35m/g、約8m/g~約35m/g、約7m/g~約35m/g、約9m/g~約35m/g、約10m/g~約35m/g、約11m/g~約35m/g、約12m/g~約35m/g、約13m/g~約35m/g、約14m/g~約35m/g、約15m/g~約35m/g、約16m/g~約35m/g、約17m/g~約35m/g、約18m/g~約35m/g、約19m/g~約35m/g、約20m/g~約35m/g、約21m/g~約35m/g、約22m/g~約35m/g、約23m/g~約35m/g、約24m/g~約35m/g、
    3.5m/g~約30m/g、約4m/g~約30m/g、約5m/g~約30m/g、約6m/g~約30m/g、約7m/g~約30m/g、約8m/g~約30m/g、約7m/g~約30m/g、約9m/g~約30m/g、約10m/g~約30m/g、約11m/g~約30m/g、約12m/g~約30m/g、約13m/g~約30m/g、約14m/g~約30m/g、約15m/g~約30m/g、約16m/g~約30m/g、約17m/g~約30m/g、約18m/g~約30m/g、約19m/g~約30m/g、約20m/g~約30m/g、約21m/g~約30m/g、約22m/g~約30m/g、約23m/g~約30m/g、または約24m/g~約30m/g
    のSSAを有する、請求項1-3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記粒子は、約1.0ミクロン~約12ミクロンの直径、約1ミクロン~約6ミクロンの直径、または約1.0ミクロン~3.5もしくは3.0ミクロンの直径の体積分布による平均粒径(Dv50)を有する、請求項1-4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記粒子は約0.020g/cm~約0.8g/cmの平均嵩密度を有する、請求項1-5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記粒子は少なくとも96%、97%、98%、99%、または100%のシスプラチンを含む、請求項1-6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 前記粒子は無コートであり、ポリマー、タンパク質、ポリエトキシル化ヒマシ油ならびに、モノ、ジ、およびトリグリセリドならびにポリエチレングリコールのモノおよびジエステルからなるポリエチレングリコールグリセリドを排除する、請求項1-7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 前記組成物は薬学的に許容される液体担体をさらに含む懸濁物を含む、請求項1-8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. ポリソルベート、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、マンニトール、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる群より選択される1つ以上の成分をさらに含む、請求項1-9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前記懸濁物はエアロゾル化され、前記懸濁物のエアロゾル滴の空気動力学的中央粒子径(MMAD)は使用に好適な任意の直径、例えば、約0.5μm~約6μm直径とすることができる、請求項9-10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. (a)前記組成物は乾燥粉末組成物であり、前記乾燥粉末組成物は担体またはいずれの賦形剤も含まず、前記乾燥粉末組成物はエアロゾル化され、前記エアロゾル化乾燥粉末組成物のMMADは使用に好適な任意の直径、例えば、約0.5μm~約6μmの直径とすることができ、または
    (b)前記組成物は乾燥粉末組成物であり、前記乾燥粉末組成物は1つ以上の乾燥粉末賦形剤を含む薬学的に許容される乾燥粉末担体を含み、前記乾燥粉末組成物はエアロゾル化され、前記エアロゾル化乾燥粉末組成物のMMADは使用に好適な任意の直径、例えば、約0.5μm~約6μmの直径とすることができる、請求項1-8のいずれか一項に記載の組成物。
  13. 腫瘍を有する被験体に、前記腫瘍を治療するのに有効な量の、請求項1-11のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、腫瘍を治療するための方法。
  14. (a)前記腫瘍は癌腫、乳腺腫瘍、膵腫瘍、前立腺腫瘍、膀胱腫瘍、肺腫瘍、卵巣腫瘍、胃腸腫瘍、精巣腫瘍、頸部腫瘍、頭頸部腫瘍、食道腫瘍、中皮腫、脳腫瘍、神経芽細胞腫、または腎細胞腫瘍であり、例えば、限定はされないが、前記腫瘍は転移性精巣腫瘍、転移性卵巣腫瘍、または進行膀胱癌であり;および/または
    (b)前記方法は追加の治療薬、例えば、限定はされないが、アントラサイクリン、代謝拮抗薬、アルキル化剤、アルカロイド、タキサン(パクリタキセル、ドセタキセル、カバジタキセル、およびそれらの組み合わせを含むが、それらに限定されない)、および/またはトポイソメラーゼ阻害剤を前記被験体に投与することをさらに含む、
    請求項13に記載の方法。
  15. 前記被験体はヒト被験体である、請求項13-14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記組成物は腫瘍内注射、腫瘍周囲注射、腹腔内注射、肺投与により投与され、または、乳房脂肪体に投与される、請求項13-15のいずれか一項に記載の方法。
  17. (a)(i)少なくとも1つの溶媒、例えば、限定はされないが、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、アセトン、またはそれらの組み合わせ、またはそれらの組み合わせ、およびシスプラチンを含む少なくとも1つの溶質を含む溶液をノズル入口に、ならびに(ii)圧縮流体を加圧可能なチャンバを規定する容器の入口に導入すること;
    (b)前記溶液をノズルオリフィスから前記加圧可能なチャンバ中に通過させ、噴霧滴の出力ストリームを生成させることであって、前記ノズルオリフィスは前記出力ストリーム内に配置された音響エネルギー源から2mm~20mmに配置され、前記音響エネルギー源は通過中10%~100%の振幅を有する音響エネルギーを生成させ、前記ノズルオリフィスは20μm~125μmの直径を有する、こと;
    (c)前記噴霧滴を前記圧縮流体と接触させ、前記噴霧滴からの前記溶媒の枯渇を引き起こし、少なくとも95%のシスプラチンを含むシスプラチン粒子を生成させることであって、前記スプラチン粒子は3.5m/gの比表面積(SSA)を有し、約0.7μm~約8μmの平均粒径を有する、こと
    を含み、
    ステップ(a)、(b)、および(c)は前記圧縮流体に対する超臨界温度および圧力下で実施される、化合物粒子を製造するための方法。
  18. (d)ステップ(c)で生成された前記化合物粒子をアンチソルベントと接触させ、前記化合物粒子からの前記溶媒のさらなる枯渇を引き起こすこと、
    をさらに含み、ステップ(d)はアンチソルベントに対する超臨界温度および圧力下で実施される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ノズルを通る前記溶液の流速は約0.5mL/分~約30mL/分の範囲を有する、請求項17-18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記音響エネルギー源は音響ホーン、音響プローブ、または音響プレートの1つを含む、請求項17-19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記音響エネルギー源は約18kHz~約22kHz、または約20kHzの周波数を有する、請求項17-20のいずれか一項に記載の方法。
  22. (e)前記加圧可能なチャンバの前記出口を通して複数の粒子を受け取ること;ならびに
    (f)前記複数の粒子を捕集装置内で収集すること
    をさらに含む、請求項17-21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記圧縮流体は超臨界二酸化炭素である、請求項17-22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記アンチソルベントは超臨界二酸化炭素である、請求項18-23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記方法は31.1℃~約60℃、および、約1071psi~約1800psiで実施される、請求項17-24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記粒子は少なくとも3.5m/gのSSAを有する、請求項17-25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 請求項17-26のいずれか一項に記載の方法により調製されたシスプラチン粒子。
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