JP2024515313A - 無線電力伝送 - Google Patents

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Abstract

電力送信機101が、電力を、誘導電力伝送信号を介して電力受信機105に提供する。出力回路203、103が、ドライバ201によって生成される駆動信号に応答して、誘導電力伝送信号を生成する。通信機207が、振幅変調を用いて電力受信機105にメッセージを送信し、負荷変調を用いて電力受信機105からメッセージを受信する。コントローラ205が、誘導電力伝送信号が電力受信機105に電力を伝送するように構成される電力伝送時間間隔と誘導電力伝送信号が生成されない通信時間間隔とを含む反復時間フレームを適用するための誘導電力伝送信号を生成するように、ドライバ201を制御する。シンクロナイザ209が、電力伝送時間間隔の間に第1のメッセージの少なくとも一部を電力送信機101から電力受信機105に送信し、通信時間間隔の間に応答メッセージを電力受信機105から受信するように、電力送信機を制御する。

Description

本発明は、無線電力伝送に関し、特に、排他的にではないが、例えば台所家電をサポートするためなどの、高い電力レベルでの電力伝送に関する。
ほとんどの今日の電気製品は、外部電源から給電されるために、専用の電気的接触を要求する。しかし、これは非実際的な傾向を有しており、ユーザがコネクタを物理的に挿入することを要求するか、又は、それ以外の場合には、物理的な電気的接触を確立することを要求する。典型的には、電力要件も著しく異なり、現在では、ほとんどのデバイスには、それ自体の専用の電源が提供され、結果的に、典型的なユーザは、それぞれの電源が特定のデバイスの専用であるような多数の異なる電源を有することになる。内部バッテリを用いると、使用の間は、電源への有線での接続に対する必要性は回避されるが、バッテリは再充電(又は交換)を必要とするので、これは、単に部分的な解決を提供するだけである。また、バッテリの使用は、重量を著しく増加させ、潜在的にはデバイスのコスト及びサイズを上昇させる。
著しく改善されたユーザ経験を提供するために、電力送信機デバイスにおける送信機コイルから個別的なデバイスにおける受信機コイルに電力が誘導的に伝送される無線電源を用いることが提案されてきた。磁気誘導を介する電力送信は、よく広く知られた概念であり、ほとんどが、一次送信機インダクタ/コイルと二次受信機コイルとの間での密接な結合を有する変圧器において適用されている。2つのデバイス間で一次送信機コイルと二次受信機コイルとを分離することによって、これらの間の無線電力伝送が、疎結合された変圧器の原理に基づいて、可能になる。
そのような構成により、どのような有線又は物理的電気的接続もなされることを要求することなく、デバイスへの無線電力伝送が可能になる。実際に、それにより、再充電又は外部からの給電のために、単にデバイスを送信機コイルの近傍に又はその上に置くことが可能になる。例えば、電力送信機デバイスは、デバイスを、給電を受けるために、その上に単に置くことが可能な水平な表面を有するように構成される。
更に、そのような無線電力伝送構成は、電力送信機デバイスがある範囲の電力受信機デバイスと共に用いられることが可能なように、有利に設計される。特に、Qi仕様として知られている無線電力伝送アプローチが定義されていて、今日では、更なる発展が進行中である。このアプローチによると、Qi仕様を満たす電力送信機デバイスが、やはりQi仕様を満たす電力受信機デバイスと共に用いられることが可能になり、その場合に、これらは同じ製造業者からのものであることは必要なく、又は相互に専用であることも必要ない。Qi規格は、更に、特定の電力受信機デバイスに動作が適合される(例えば、特定の電力消耗に応じて)ことを可能にするいくつかの機能を含む。
無線電力伝送システムの例は、EP3161933B1及び特開2011062008に提供されている。
Qi仕様は、無線電力コンソーシアムによって開発され、より多くの情報を、例えば、彼らのウェブサイトhttp://www.wirelesspowerconsortium.com/index.htmlで見つけることが可能であって、このウェブサイトでは、特に、規定された仕様の文書を見つけることが可能である。
無線電力コンソーシアムは、Qi仕様に基づいて、Ki仕様(コードレス台所仕様としても知られている)を開発することを進めており、これは、台所家電への安全で信頼性が高く効率的な無線電力伝送を提供することを目的としている。Kiは、2.2KWまでの、はるかに高い電力レベルをサポートする。
効率的な無線電力伝送をサポートするために、Qi及びKiベースのシステムなどの無線電力伝送システムは、電力送信機と電力受信機との間での実質的な通信を用いる。当初は、Qiは、電力受信機から電力送信機への、電力伝送信号の負荷変調を用いた通信だけをサポートしていた。しかし、規格の発展により双方向の通信が導入され、多くの機能が、電力受信機と電力送信機との間での通信の交換によってサポートされている。多くのシステムでは、電力送信機から電力受信機への通信は、電力伝送信号を変調することによって達成される。
しかし、これがより高い電力レベルには適切ではなくなる傾向を有するにつれて、Kiなどのシステムは、電力伝送信号とは独立であり電力伝送信号をデータによって変調される搬送波として用いることのない通信機能を用いている。特に、電力送信機と電力受信機との間の通信は、具体的にはNFC(近距離無線通信)ベースの通信技術を用いるなどの近距離通信システムによって、達成される。専用の通信機能を用いることにより、多くの状況において、改善されたパフォーマンスが提供され、例えば、より高い通信信頼性を備え進行中の電力伝送への影響が減少した、より高速の通信が提供される。
電力受信機は、多くの実施形態において、典型的にはリーダの同調されたアンテナと受信機の共振回路との間での電磁気結合を用いた非接触通信のための小型のデバイスであるNFC非接触スマートカードなど、類似の通信機能を提供するNFC通信機能を含む。多くの状況において、このスマートカードは、共振回路で誘導される信号によって給電される受動デバイスである。同様に、電力受信機のNFC通信機能は、始動の間などのいくつかの状況では、NFC搬送波によって給電される。
しかし、NFCなど専用通信機能の使用は、多くの状況において有利なパフォーマンスと動作とを提供するが、すべての状況において最適であるとは限らない。多くの状況において、通信の信頼性は完全ではなく、通信がいくつかの誤りを含み得るし、及び/又は十分に低いビット誤り率を達成するには、データレートを大幅に低下させることが必要である。
よって、改善された電力伝送アプローチがあれば有利であるだろうし、特に、向上した柔軟性、低減されたコスト、低下された複雑性、改善された電力伝送動作、向上した信頼性、低減された通信誤り、改善された通信、及び/又は改善されたパフォーマンスを可能にするアプローチがあれば、有利であろう。
したがって、本発明は、上述の短所のうちの1つ又は複数を、単独で又はいずれかの組合せで、好ましくは緩和し、軽減し、又は除去することを目的とする。
本発明の一態様によると、誘導電力伝送信号を介して電力を電力受信機に無線で提供するための電力送信機が提供され、この電力送信機は、送信機コイルを備えた出力回路であって、送信機コイルは、駆動信号が出力回路に印加されていることに応答して誘導電力伝送信号を生成するように構成された、出力回路と、駆動信号を生成するように構成されたドライバと、振幅変調を用いて電力受信機にメッセージを送信し、負荷変調を用いて電力受信機からメッセージを受信するように構成された通信機と、誘導電力伝送信号が電力受信機に電力を伝送するように構成されている少なくとも1つの電力伝送時間間隔と駆動信号が出力回路に印加されない少なくとも1つの通信時間間隔とを含む反復時間フレームを誘導電力伝送信号に適用するための駆動信号を生成するように、ドライバを制御するコントローラと、電力伝送時間間隔の間に第1のメッセージの少なくとも一部を電力送信機から電力受信機に送信し、通信時間間隔の間に応答メッセージを電力受信機から受信するように、電力送信機を制御するように構成されたシンクロナイザと、を備えている。
本発明は、多くの実施形態において改善されたパフォーマンスを提供し、特に、多くの実施形態において電力送信機と電力受信機との間での改善された通信を提供し、多くの実施形態において改善された電力伝送を提供する。
このアプローチは、干渉の緩和/防止と他の不利な効果との間において改善されたトレードオフを提供することによって、改善されたパフォーマンスを提供する。発明者たちは、電力伝送信号から通信機能への干渉は不利であるが、通信と電力伝送とを完全に分離することは必要ではなく、むしろ、改善されたパフォーマンスは、干渉及び通信パフォーマンスと一般的な電力伝送などへの影響との間での改善されたトレードオフを提供するために、通信と変調とに非対称性を導入して利用するというより注意深い分離によって達成される、ということを認識したのである。
多くのシナリオでは、このアプローチにより、電力伝送への影響を減少させながら、電力伝送動作からの干渉の緩和及び削減が可能になる。このアプローチは、また、多くのシナリオにおいて、改善された電気的ノイズを提供し、及び/又は機械的ノイズの低下を可能にする。
このアプローチは、駆動信号が出力回路に与えられない/印加されない通信時間間隔の継続時間が短縮されることを可能にし、電力伝送への中断を短縮させる。多くの実施形態において、そのような短縮は、通信パフォーマンスへの受け入れられない影響なしで達成可能であり、実際に、多くの応用例において、通信信頼性に対して非常に軽微な影響が結果的に生じるに過ぎない。このアプローチは、電力伝送信号から通信へのいくらかの干渉を許容するが、信頼性がより低い負荷変調を用いた通信が電力伝送信号からの干渉を受けないことを保証しつつ、そのような干渉をより信頼性の高い振幅通信に限定する。
通信機は、その通信機によって生成される通信搬送波の振幅変調を用いて、メッセージを電力受信機に送信するように構成されている。通信機は、その通信機によって生成される通信搬送波の負荷変調を復調することによって、メッセージを電力受信機から受信するように構成されている。通信搬送波は、電力伝送信号とは異なる。通信搬送波は、駆動信号/電力伝送信号の周波数とは異なる周波数を有する。通信搬送波は、駆動信号/電力伝送信号の(おそらくは最大の)周波数より高い周波数を有し、多くの場合、10倍、100倍、500倍に劣らない程度に高い。
反復時間フレームは、周期的な時間フレームである。反復時間フレームは、固定された又は可変の反復周波数/周期を有する。電力伝送信号は、電力伝送時間間隔の間はアクティブ/オンであり、通信時間間隔の間は非アクティブ/オフである。駆動信号は、電力伝送時間間隔の間はアクティブ/オンであり、通信時間間隔の間は非アクティブ/オフである。
シンクロナイザは、第1の反復時間フレームの電力伝送時間間隔の間に第1のメッセージの少なくとも一部を電力送信機から電力受信機に送信し、第1の反復時間フレームの通信時間間隔の間に応答メッセージを電力受信機から受信するように、電力送信機を制御するように構成されている。
応答メッセージは、第1のメッセージに応答するメッセージである。応答メッセージは、第1のメッセージによって生じるメッセージであり、その中の少なくとも1つのメッセージが電力受信機によって第1のメッセージに応答して送信されることが要求される1組のメッセージの中のメッセージである。応答メッセージは、電力受信機からの第1のメッセージへの肯定応答メッセージである。
通信機は、電力伝送信号とは異なる通信搬送波を用いて、電力受信機と通信するように構成されている。
シンクロナイザは、第1の反復時間フレームの第1の電力伝送時間間隔の間に第1のメッセージの少なくとも一部を電力送信機から電力受信機に送信し、第1の反復時間フレームの第1の通信時間間隔の間に応答メッセージを電力受信機から受信するように、装置を制御するように構成されている。
第1のメッセージは、また、順方向メッセージ又は問合せメッセージとも称される。
本発明のあるオプションの特徴によると、シンクロナイザは、通信時間間隔のタイミング特性に応答して第1のメッセージを送信するタイミングを適応させるように構成されている。
これは、多くの実施形態において、改善されたパフォーマンス及び/又は動作を提供する。タイミング特性は、特に、第1のメッセージ送信の開始時間、終了時間、及び/又は継続時間であり得る。
本発明のあるオプションの特徴によると、シンクロナイザは、通信時間間隔のタイミング特性を適応させるように構成されている。
これは、多くの実施形態において、改善されたパフォーマンス及び/又は動作を提供する。タイミング特性は、特に、通信時間間隔の開始時間、終了時間、及び/又は継続時間であり得る。
いくつかの実施形態では、シンクロナイザは、電力伝送時間間隔のタイミング特性を適応させるように構成されている。タイミング特性は、特に、電力伝送時間間隔の開始時間、終了時間、及び/又は継続時間であり得る。
本発明のあるオプションの特徴によると、シンクロナイザは、第1のメッセージの特性に応答して、第1のメッセージを送信するタイミングと通信時間間隔のタイミング特性との少なくとも一方を適応させるように構成されている。
これは、多くの実施形態において、改善されたパフォーマンス及び/又は動作を提供する。
本発明のあるオプションの特徴によると、第1のメッセージの特性は、第1のメッセージの長さと、第1のメッセージへの少なくとも1つの所定の応答メッセージの特性との少なくとも一方である。
本発明のあるオプションの特徴によると、タイミング特性は、通信時間間隔の継続時間である。
これは、多くの実施形態において、改善されたパフォーマンス及び/又は動作を提供する。
本発明のあるオプションの特徴によると、シンクロナイザは、第1のメッセージと応答メッセージとの少なくとも一方を通信するための通信速度に応答して継続時間を適応させるように構成されている。
これは、多くの実施形態において、改善されたパフォーマンス及び/又は動作を提供する。
本発明のあるオプションの特徴によると、シンクロナイザは、応答メッセージの特性に応答してタイミング特性を適応させるように構成されている。
これは、多くの実施形態において、改善されたパフォーマンス及び/又は動作を提供する。第2のメッセージの特性は、特に、応答メッセージの送信継続時間と長さとの少なくとも一方であり得る。
本発明のあるオプションの特徴によると、ドライバは、変動する電源信号によって給電され、シンクロナイザは、変動する電源信号の変動のタイミングに応答してタイミング特性を適応させるように構成されている。
これは、多くの実施形態において、改善されたパフォーマンス及び/又は動作を提供し、特に、電力伝送信号への中断の衝撃を低下させる。
本発明のあるオプションの特徴によると、シンクロナイザは、通信時間間隔の中心時間と変動する電源信号のための信号最小値とを整列させるように構成されている。
これは、多くの実施形態において、特に有利な動作及び/又はパフォーマンスを提供し、例えば、いくつかの実施形態において、電力伝送信号への中断の衝撃を最小化し、例えば、変動に対する向上した余地と堅牢性とを例えば電力受信機による応答の遅延の際に提供する。
本発明のあるオプションの特徴によると、通信時間間隔の継続時間は、1ミリ秒を超えない。
本発明のあるオプションの特徴によると、シンクロナイザは、応答メッセージの終りの検出に応答して通信時間間隔を終了させるように構成されている。
これは、多くの実施形態において、改善されたパフォーマンス及び/又は動作を提供する。
本発明のあるオプションの特徴によると、電力伝送時間間隔は、通信時間間隔の直前に電力停止間隔を含み、シンクロナイザは、第1のメッセージの送信を、電力停止間隔の間に少なくとも部分的に送信されるようにタイミング設定するように構成されている。
これは、多くの実施形態において、改善されたパフォーマンス及び/又は動作を提供する。
本発明の一態様によると、誘導電力伝送信号を介して電力を電力受信機に無線で提供する電力送信機のための動作の方法が提供され、電力送信機は、送信機コイルを備えた出力回路であって、送信機コイルは、駆動信号が出力回路に印加されていることに応答して誘導電力伝送信号を生成するように構成された、出力回路を備えており、この方法は、駆動信号を生成するステップと、振幅変調を用いて電力受信機にメッセージを送信し、負荷変調を用いて電力受信機からメッセージを受信するステップと、誘導電力伝送信号が電力受信機に電力を伝送するように構成されている少なくとも1つの電力伝送時間間隔と駆動信号が出力回路に印加されない少なくとも1つの通信時間間隔とを含む反復時間フレームを誘導電力伝送信号に適用するための駆動信号を生成するように、ドライバを制御するステップと、電力伝送時間間隔の間に第1のメッセージの少なくとも一部を電力送信機から電力受信機に送信し、通信時間間隔の間に応答メッセージを電力受信機から受信するように、電力送信機を制御するステップと、を有する。
本発明のこれらの及び他の態様、特徴及び長所は、以下で説明される実施形態を参照することにより明らかになり、解明される。
本発明の実施形態は、以下の図面を参照し、単なる例を通じて、説明される。
本発明のいくつかの実施形態による電力伝送システムの要素の例の図解である。 本発明のいくつかの実施形態による電力送信機の要素の例の図解である。 電力送信機のハーフブリッジインバータの例の図解である。 電力送信機のフルブリッジインバータの例の図解である。 NFCリーダ機能とNFCカード機能との要素の例の図解である。 本発明のいくつかの実施形態による電力受信機の要素の例の図解である。 電力伝送信号のための反復時間フレームの例の図解である。 通信時間間隔におけるメッセージの通信の例の図解である。 本発明のいくつかの実施形態による無線電力伝送システムにおけるメッセージの通信の例の図解である。 NFCメッセージの通信の例の図解である。 本発明のいくつかの実施形態による無線電力伝送システムにおけるメッセージの通信の例の図解である。 本発明のいくつかの実施形態による無線電力伝送システムにおけるメッセージの通信の例の図解である。
以下の説明は、Ki仕様から知られているような、電力伝送アプローチを用いる高電力無線電力伝送システムに適用可能な本発明の実施形態に焦点を合わせている。しかし、本発明は、この応用例に限定されることはなく、多くの他の無線電力伝送システムに適用されことを理解されたい。
図1は、本発明のいくつかの実施形態による電力伝送システムの例の図解である。この電力伝送システムは、送信機コイル/インダクタ103を含む(又はそれに結合された)電力送信機101を備えている。このシステムは、更に、受信機コイル/インダクタ107を含む(又はそれに結合されている)電力受信機105を備えている。
このシステムは、電力送信機101から電力受信機105に電力を誘導的に伝送する電磁誘導による電力伝送信号を提供する。具体的には、電力送信機101は電磁気信号を生成し、この電磁気信号が送信機コイル又はインダクタ103により磁束として伝播される。電力伝送信号は、典型的には、約20kHzから約500kHzまでの間の、具体的にはKi互換のシステムの場合には、典型的には、20kHzから80kHzの間の範囲にある周波数を有する。送信機コイル103と電力受信コイル107とは疎結合されており、よって、電力受信コイル107は、電力送信機101からの電力伝送信号(の少なくとも一部)をピックアップする。このようにして、電力が、送信機コイル103から電力受信コイル107への無線誘導結合を介して、電力送信機101から電力受信機105に伝送される。電力伝送信号という用語は、主に、送信機コイル103と電力受信コイル107との間の誘導信号/磁場(磁束信号)を指すのに用いられるが、同等に、送信機コイル103に提供される又は電力受信コイル107によってピックアップされる電気信号を指すものとしても考えられ用いられことを理解されたい。
この例では、電力受信機105は、具体的には、受信機コイル107を介して電力を受信する電力受信機である。しかし、他の実施形態では、電力受信機105は、金属製加熱要素などの金属製の要素を有しており、その場合、電力伝送信号は渦電流を直接的に誘導し、結果として、その要素の直接的な加熱が生じる。
このシステムは、実質的な電力レベルを伝送するように構成されており、具体的には、電力送信機は、例えばKi台所用途のためなど、非常に高電力の応用例のために、100Wを超え、2000Wを超えるまでに至る電力レベルをサポートする。
以下では、電力送信機101と電力受信機105との動作が、Ki仕様(ただし、本明細書で説明されている(又は結果的な)修正及び強化を除いて)に一般的に従った実施形態を具体的に参照して説明される。
多くの無線電力伝送システムが、特にKiなどの高電力システムは、送信機コイル103が共振回路の一部であり典型的には受信機コイル107もまた共振回路の一部である共振電力伝送を用いる。多くの実施形態において、共振回路は直列の共振回路であるから、送信機コイル103と受信機コイル107とが、対応する共振コンデンサと直列に結合されている。共振回路の使用は、より効率的な電力伝送を提供する傾向を有する。
通常は、無線電力伝送システムは、そのシステムを適切な動作点に向かって導くために、電力制御ループを用いる。この電力制御ループは、電力送信機から電力受信機に送信される電力の量を変更する。受信された電力(又は、電圧若しくは電流)は測定可能であり、セットポイントの電力値と共に、誤り信号が生成されることが可能である。家電は、スタティックエラーを理想的にはゼロまで減少させるために、この誤り信号を電力送信機における電力制御機能に送る。
図2は、図1の電力送信機101の要素を、より詳細に図解している。
電力送信機101は、送信機コイル103に与えられる駆動信号を生成することが可能なドライバ201を含み、送信機コイル103は、それに応えて、電磁気的な電力伝送信号を生成することによって、電力受信機105への電力伝送を提供する。送信機コイル103は、送信機コイル103とコンデンサ203とを備えた出力共振回路の一部である。この例では、出力共振回路は直列の共振回路であるが、他の実施形態では出力共振回路が並列の共振回路でもあり得る、ということが理解されるだろう。複数のインダクタ及び/又はコンデンサを用いるものを含め、いずれかの適切な共振回路が用いられことを理解されたい。
ドライバ201は、出力共振回路に、よって送信機コイル103に与えられる、電流及び電圧を生成する。ドライバ201は、典型的には、DC電圧から交流信号を生成するインバータの形式を有する駆動回路である。ドライバ201の出力は、典型的にはスイッチブリッジであり、スイッチブリッジは、このスイッチブリッジのスイッチの適切な切り換えによって駆動信号を生成する。図3は、ハーフブリッジスイッチブリッジ/インバータを示している。スイッチS1及びS2は、それらが同時には決して閉じられないように、制御される。交互に、S2が開いている間はS1が閉じられ、S1が開いている間はS2が閉じられる。これらのスイッチは、所望の周波数で開閉されることにより、出力において交流信号を生成する。典型的には、インバータの出力は、共振コンデンサを介して、送信機のインダクタに接続される。図4は、フルブリッジスイッチブリッジ/インバータを示している。スイッチS1及びS2は、それらが同時には決して閉じられないように、制御される。スイッチS3及びS4は、それらが同時には決して閉じられないように、制御される。交互に、S2及びS3が開いている間はスイッチS1及びS4が閉じられ、そしてS1及びS4が開いている間はS2及びS3が閉じられることにより、出力において矩形波信号を生じる。これらのスイッチは、所望の周波数で開閉される。
電力送信機101は、更に、所望の動作原理に従って電力送信機101の動作を制御するように構成された電力送信機コントローラ205を備えている。具体的には、電力送信機101は、Ki仕様に従って電力制御を実行するのに要求される機能の多くを含む。
電力送信機コントローラ205は、特に、ドライバ201による駆動信号の生成を制御するように構成されており、具体的には、駆動信号の電力レベルを、したがって、生成された電力伝送信号のレベルを、制御することができる。電力送信機コントローラ205は、電力伝送フェーズの間に電力受信機105から受信された電力制御メッセージに応答して、電力伝送信号の電力レベルを制御する電力ループコントローラを備えている。
電力送信機101は、更に、電力受信機の相補的な通信機と通信するように構成されている第1の通信機207を備えている。第1の通信機207は、具体的には、搬送波信号を生成し、その搬送波を用いて電力受信機(の相補的な通信機)と通信するように構成されている。特に、電力送信機から電力受信機への通信は、搬送波の振幅変調による、及び/又は、電力受信機から電力送信機への通信は、具体的には、第1の通信機207によって生成された搬送波信号の負荷変調による。
第1の通信機207は、具体的には、相補的な通信機との近距離通信チャネルを設定するように構成されている。近距離通信チャネルは、例えば、個別的な実施形態の好適性及び要件に応じて、30センチメートル、50センチメートル、1メートル、2メートル、又は3メートルを超えない範囲を有する通信チャネルである。この近距離通信チャネルは、通信搬送波として電力伝送信号を用いない通信チャネルである。むしろ、第1の通信機207は、通信のために用いられる通信搬送波を生成するので、よって、第1の通信機207は、通信のために電力伝送信号を用いない別個の近距離通信機である。
具体的には、第1の通信機207は、別個の近距離通信規格に従って通信するように構成され得るのであって、第1の通信機207は、近距離無線通信(NFC)チャネルを用いて通信するように構成されている。よって、第1の通信機207は、NFC通信機である。他の実施形態では近距離通信の他の手段が用いられ得る、ということが理解されるだろう。しかし、以下の説明では、電力送信機と電力受信機との間の通信がNFC通信を用いる例に焦点をあてる。
第1の通信機207は、具体的には、NFCスマートカードリーダに対応する機能を用いて構成されている。同様に、電力受信機(後に紹介される第2の通信機609)の相補的な受信機は、NFCスマートカードに対応する機能を用いて構成されている。そのような機能の例は、図5の例を参照して、説明される。
図解されているように、NFCスマートカード機能501(例えば、電力受信機の通信機能に対応する)は、電気的には、典型的に、アンテナコイルLと、同調コンデンサCと、整流器503と、コンデンサCとコイルLとによって形成される共振回路によって抽出される信号によって少なくとも時には給電されるNFCチップ505と、を備える。ほとんどの場合に、スマートカードの並列共振は、13.56MHzの共振周波数に同調される。
図5は、また、スマートカードに記憶されているデータを読み出すためのNFCリーダ機能507(例えば、電力送信機の通信機能に対応する)の単純化されたモデルを図解している。NFCリーダは、典型的には、NFCリーダチップ509と、やはり13.56MHzの共振周波数に同調されているNFCアンテナ511とを備えている。スマートカード機能501(具体的には、受信機コイル)がNFCリーダ機能507(具体的には、アンテナコイルL)の近傍に持ち込まれると、アンテナコイルLは、NFCリーダ機能507からの13.56MHzの磁場に露出され、NFCチップ505がVccピンを介して電源投入する。いったん電源投入されると、スマートカード機能におけるNFCチップ505は、負荷変調によりそれ自体のVccを変調することができ、よって、データをNFCリーダ機能507に送り返す。スマートカードにおけるNFCチップ505の電源投入とNFCリーダ機能507への情報の返送との間の時間は、典型的には、約30~50ミリ秒の範囲にある。
図6は、電力受信機105のいくつかの例示的な要素を図解している。
この例では、受信機コイル107は、受信機コイル107と共に入力共振回路を形成するコンデンサ603を介して、電力受信機コントローラ601に結合されている。よって、電力伝送は、共振回路の間での共振電力伝送である。他の実施形態では、電力受信機と電力送信機とのうちの1つだけが電力伝送のために共振回路を用いること、又はそれらのうちのどちらも電力伝送のために共振回路を用いないことがある。
電力受信機コントローラ601は、受信機コイル107を、スイッチ607を介して負荷605に結合する。電力受信機コントローラ601は、受信機コイル107によって抽出された電力を負荷605のための適切な電源に変換する電力制御経路を含む。いくつかの実施形態では、電力受信機コントローラ601は、入力共振回路をスイッチ607又は負荷605に単純に接続する直接的な電力経路を提供するものであり、すなわち、電力受信機コントローラ601の電力経路は、単純に、2つのワイヤによって実施される。他の実施形態では、電力経路は、DC電圧を提供するために、例えば、整流器とおそらくは平滑コンデンサとを含む。更に他の実施形態では、電力経路は、例えば、電圧制御回路、インピーダンス整合回路、電流制御回路など、より複雑な機能を含む。同様に、スイッチ607は一部の実施形態にのみ存在しており、一部の実施形態では負荷605が入力共振回路に恒久的に結合されている、ということが理解されるであろう。
更に、電力受信機コントローラ601は、電力伝送を実行するのに要求される様々な電力受信機コントローラ機能を、特に、Qi又はKi仕様に従って電力伝送を実行するのに要求される機能を、含む。
電力受信機コントローラ601は、更に、電力送信機との間でデータを通信するように構成されている第2の通信機609を備える。第2の通信機609は、第1の通信機207に対する相補的な通信機であり、具体的には、第1の通信機207との間で近距離通信チャネルを確立するように構成されている。第2の通信機609は、具体的には、NFC通信チャネル上での通信をサポートするNFC通信ユニット/デバイスであり、上述されたように、NFCスマートカードと類似する機能を実施する。
第2の通信機609は、具体的には、第1の通信機207によって送信されたデータを、近距離通信チャネルを介して受信するように構成されている。更に、第2の通信機609は、また、第1の通信機207にデータを送信するようにも構成されている。
いくつかの実施形態では、電力送信機と電力受信機との間での通信は、具体的には電力伝送信号によってサポートされる第2の典型的には並列の通信チャネルを介しても可能である、ということが理解されるだろう。例えば、電力受信機が電力伝送信号を負荷変調する、又は電力送信機が電力伝送信号を直接的に変調する。
動作の際には、このシステムは、電力伝送信号が適切な動作パラメータ/特性を獲得するように、そして電力伝送が適切な動作点で動作するように、駆動信号を制御するように構成されている。そうするためには、電力送信機は、電力制御ループを用いて駆動信号のパラメータを制御するように構成されており、その場合に、電力伝送信号/駆動信号の電力特性は、電力受信機から受信される電力制御誤差メッセージに応答して制御される。
規則的であり典型的には頻繁な間隔で、電力受信機は、電力制御誤差メッセージを電力送信機に送信する。いくつかの実施形態では、直接的な電力セットポイント変更メッセージが送信され、所望の(相対誤差メッセージではなく)絶対電力レベルを指示する。電力受信機105は、そのような電力制御ループをサポートするための機能を備えており、例えば、電力受信機コントローラ601は、負荷に提供される負荷信号の電力又は電圧を連続的にモニタして、これが所望の値の上にあるか又は下にあるかを検出する。それは、規則的な間隔で、電力伝送信号の電力レベルが上昇される又は低下されることを要求する電力制御誤差メッセージを生成し、この電力制御誤差メッセージを電力送信機に送信する。
よって、このシステムは、多くの実施形態において、無線電力送信機と電力受信機との間の通信のための媒体として、NFCを用いる。NFCの長所は、NFCが、通信チャネルが非常に短いレンジであるという性質に起因して、電力送信機によって給電されているものではない電力送信機と電力受信機との間における通信の危険が非常に小さくなるように、電力と通信コイルとの間に一対一の物理的関係を提供する、ということである。更に、NFC搬送波は、電力送信機を始動させることなく無線受信機の通信電子機器に給電するように、回収され用いられることが可能である。
しかし、NFCを用いるものを含め、無線電力伝送システムにおける通信に関する問題は、その通信が電力信号からの干渉を受けやすい、ということである。通信搬送波は駆動信号及び電力伝送信号の動作周波数とは非常に異なる周波数を有する(例えば、20~80kHzに対して13.56MHz)のであるが、Kiなどのシステムにおける電力伝送信号の電力レベルは非常に高く、典型的には通信搬送波の電力よりも数桁高い。したがって、通信パフォーマンスと結果的に電力伝送のパフォーマンスとに全体として影響を与える実質的な相互干渉が生じる。
特にKiにおけるような多くのシステムでは、この問題は、電力伝送とNFC通信とを時間に関して分離することによって対処されてきており、特に、少なくとも1つの電力伝送間隔と1つの通信時間間隔とに反復時間フレームが分割される時分割アプローチが用いられる。そのような場合には、電力伝送は通信時間間隔の外部でのみ実行され、したがって、電力伝送から通信への干渉が回避される。
図1及び図2における例では、ドライバ201は、電力伝送フェーズの間に、駆動信号と電力伝送信号とのための反復時間フレームを用いるため、駆動信号を生成するように構成されている。
反復時間フレームは、少なくとも1つの電力伝送時間間隔と1つの通信時間間隔とを含む。そのような反復時間フレームの例が図7に図解されており、電力伝送時間間隔はPTによって示され、通信時間間隔はCによって示されている。この例では、それぞれの時間フレームFRMは、1つの通信時間間隔Cと1つの電力伝送時間間隔PTとだけを含み、これらは(時間フレーム自体も)、それぞれのフレームにおいて実質的に同じ継続時間を有する。しかし、他の実施形態では、他の時間間隔も反復時間フレームに含まれることがあり(例えば、異物検出間隔など)、又は複数の通信時間間隔及び/若しくは電力伝送時間間隔がそれぞれの時間フレームに含まれることもあることを理解されたい。更に、異なる時間間隔(及び実際には時間フレーム自体)の継続時間は、いくつかの実施形態では、後述されるように、動的に変動する。
この例では、電力伝送は電力伝送時間間隔において実行され、特に、通信時間間隔の間は、電力は、出力回路に提供/印加/付与されない。ドライバは、電力伝送時間間隔の間は、駆動信号を、よって電力伝送信号を生成するように構成されており、特に、電力伝送時間間隔の間は、非ゼロである振幅/電力を有する駆動信号が生成される。しかし、通信時間間隔の間は、駆動信号は出力回路に与えられず、電力は出力回路に提供されない。典型的には、これは、ドライバ201が駆動信号を生成しないことによって達成されるか、又は、同様に、駆動信号がゼロ若しくはゼロに近い振幅/電力を有するように制御される(例えば、具体的には、0、1、2、3、5、若しくは10Vの振幅閾値未満、及び/又は、1、2、3、5、若しくは10W若しくは例えば電力伝送のための最大電力の1、2、3、5、若しくは10%未満の電力閾値)。
そのような反復時間フレームを用いると、通信と電力伝送とが時間領域において分離されることが可能であり、よって、結果的に、電力伝送から通信動作への相互干渉が大幅に低減される(そして、おそらくはなくなる)。このようにして、電力伝送信号から通信に対して生じる干渉が、実質的に低減され、実際には、実質的にゼロになるまで低減される。これが、通信のパフォーマンスと信頼性とを非常に実質的に改善し、よって、改善され信頼性がより高い電力伝送動作を生じさせる。
電力伝送フェーズでは、電力送信機は、よって、時間フレームの電力伝送時間間隔の間には電力伝送を実行するように構成される。具体的には、これらの時間間隔の間は、電力送信機101と電力受信機105とが、電力制御ループを動作させる。電力制御ループは、電力伝送時間間隔の内部における通信に基づくか、又は、例えば、専用の通信時間間隔におけるように、電力伝送時間間隔の外部の通信に基づく。このように、伝送されている電力のレベルは、動的に変動される。通信時間間隔では、電力伝送信号が有効にスイッチオフされているが、電力伝送時間間隔の間に電力ループ動作を制御するための電力制御誤差メッセージは、通信され得る。
しかし、通信と電力伝送との間のそのような時間的分離は、いくつかの実質的な長所を提供するが、いくつかの関連する短所も有している。例えば、反復される中断は、多くの状況の場合、結果的に、可聴ノイズを生じさせる(例えば、生成された磁場の変動に応答する周囲の物体の力学的効果によって生じる)。また、駆動信号と電力伝送信号とをオン及びオフに切り換えることの結果として、電気的及び電磁気的ノイズを生成する振幅高調波が生じる。例えば、電力信号の中断は、幹線給電に対して電磁気的な干渉(50Hzの高調波)を生成させる。通信時間間隔に起因する電力の中断が大きくなればなるほど、ノイズを抑制するために、より大きなフィルタが必要になる。より大きな通信時間間隔は、また、より高い電力レベルのための電力のオン/オフの切り換えを生じさせ、これが、幹線に関係するより大きなノイズを結果的に生じさせ、潜在的により多くの電磁気的干渉が生成される。
更に、通信時間間隔の間に電力伝送信号が不足すると、より短い時間の間に電力が提供されることが要求され、その結果として、電力伝送時間間隔の間により高い電力レベルが要求されることになる。更に、電力伝送が断続的であると、多くの応用例において、電力受信機は、通信時間間隔の間に電源を維持するために何らかの形式のエネルギ貯蔵器(例えば、コンデンサ)を有することが必要になる。多くのアプローチでは、通信するために電力伝送をオフに切り換える必要性の結果として、電力伝送の途絶の継続時間を最小化するために、通信が短いデータメッセージに限定される。この短所は、電力伝送レベルが上昇するにつれて、より深刻さが増す傾向にあり、非常に高い電力レベルを伝送するのに用いられるKiなどの応用例の場合、非常に深刻となる傾向を有する。図1のアプローチでは、システムは、典型的な従来型のシステムの場合よりも短い継続時間を有するように、通信時間間隔を削減するように構成されている。このシステムは、具体的には、電力送信機(及び電力受信機)による送信及び受信に関して、非対称な通信アプローチを採用するように構成されている。それは、特に、順方向(電力送信機から電力受信機)と逆方向(電力受信機から電力送信機)とにおいて、2つの方向の電力伝送時間間隔と通信時間間隔とにおいて異なるタイミングと関係とを有するように、異なる変調フォーマットを用いる。
電力送信機101は、具体的には、1つ又は複数のメッセージの少なくとも一部を電力伝送時間間隔の間に振幅変調を用いて電力送信機から電力受信機に送信するように、電力送信機101を制御するように構成されているシンクロナイザ209を備える。シンクロナイザ209は、更に、1つ又は複数の応答メッセージを、負荷変調を用いて通信時間間隔の間に電力受信機から受信するように、電力送信機101を制御するように構成されている。このようにして、1つ又は複数の順方向メッセージが電力伝送時間間隔の間に振幅変調を用いて送信され、他方で、逆方向の応答メッセージが通信時間間隔の間に負荷変調を用いて受信される。
このように、このアプローチは、順方向の通信は干渉のない通信のために留保されている通信時間間隔の間には送信されず、むしろ電力伝送時間間隔の間に送信され、他方で、電力受信機からの応答は通信時間間隔の間に送信されるように、非対称アプローチを採用している。
シンクロナイザ309は、順方向メッセージは(少なくとも部分的には)電力伝送時間間隔の間に生じるが、順方向メッセージに対する応答メッセージは(少なくとも部分的には)通信時間間隔の間に生じるように、通信及び/若しくは電力伝送時間間隔のタイミング、並びに/又は順方向メッセージ及び/若しくは応答メッセージのタイミングを制御するように構成されている。このように、シンクロナイザ309は、順方向メッセージは電力伝送と同時に送られるのに対し応答メッセージは電力伝送を伴わずに生じるように、動作を制御するように構成されている。よって、順方向メッセージは電力伝送信号からの干渉が存在することが許容される間に送信され、他方で、応答メッセージはそのような干渉が生じないときに通信される。
このアプローチは、図8及び図9を参照して例証されるが、これらの図では、第1の電力伝送間隔801、901と第2の電力伝送時間間隔803、903とが、電力伝送信号(PTS)の振幅によって図解されているように、通信時間間隔805、905によって分離されている例を図解している。
図8の例は、現在のアプローチが改善するアプローチを表している。図8の例では、第1の通信機207と電力送信機とが、通信時間間隔すなわち電力伝送が停止されている間に、所望の電力レベルのメッセージを示すメッセージを用いて受信機が応答することを要求される、具体的にはセットポイント/電力要求メッセージである第1の順方向メッセージ807を送信する。
他の例としては、いくつかのシステムでは、電力送信機が、その電力送信機によって要求されるときのみデータが電力受信機から送信されることが可能なように、マスタとして構成される。そのような場合には、電力送信機は、電力送信機に送信するためのいずれかの保留中のデータ又はメッセージを電力受信機が有しているかどうかを問い合わせるために、順方向メッセージを送信する。電力受信機は、次に、この問合せに応答する。このようにして、いくつかの場合には、電力送信機がどのようなデータ通信も必要としない場合でも、電力受信機がいずれかの保留中の送信を有するかどうかをチェックするために、順方向メッセージが電力受信機に送信されることがある(すなわち、この順方向メッセージは、いずれかの潜在的なデータ通信に関して電力受信機をポーリングするのに用いられる)。
順方向メッセージの送信の後には、メッセージがいずれの方向にも送信されないマージン又はハンドオーバ間隔809が存在する。ハンドオーバ間隔809は、例えば、電力受信機が順方向メッセージに応答する前にそれを処理することを許容するのに用いられ、回路が逆方向の通信などのためにセットアップされ得ることを保証するための遅延を提供する。こうして、ハンドオーバ間隔809は、振幅変調された読出し又は書込みメッセージの送信と負荷変調された応答との間の遅延を反映する。これは、送信機による送信から受信への切り換えのため、そして受信機による準備及び回答のために、必要とされる。
ハンドオーバ間隔809の後には、第2の通信機509と電力受信機とが、応答メッセージ811を電力送信機に送信する。
図8の例では、通信は通信時間間隔805の間に実行され、よって、電力送信機信号からの干渉は完全に回避される。しかし、通信時間間隔805が通信のタイミングを超える継続時間を有することが、そのようなアプローチには、本質的に要求される。Kiの典型的なメッセージの場合には、これは、通信時間間隔の継続時間が1.5ミリ秒を超えることを要求する。単一の時間フレームの典型的な継続時間は10ミリ秒であり、よって全体の時間の比較的高い割合が、通信のために要求され、電力伝送から除外される。
図9は、図1、図2、及び図6のシステムによって用いられるアプローチでの対応する例を示している。このアプローチでは、順方向メッセージ907の送信は、第1の電力伝送間隔901の範囲内で始動され、終了もするのが典型的である。しかし、ハンドオーバ時間間隔909と応答メッセージ911とは、第1の電力伝送時間間隔901と以後の第2の電力伝送時間間隔903との間の通信時間間隔905の範囲内に属するようにタイミング設定される。多くの実施形態では、ハンドオーバ間隔909の一部又は実際には全体が、第1の電力伝送時間間隔901の範囲内にある。その結果、図9のアプローチでは、順方向メッセージ907は、干渉が生じ得る間に送信されるが、他方で、応答メッセージは、電力伝送信号からの干渉が生じない時間の間に通信される。しかし、順方向メッセージは振幅変調を用いて通信され、応答メッセージは負荷変調を用いて通信されるために、干渉条件は異なるのであるが、信頼性の高い通信が両方の方向で達成されることが可能である。更に、このアプローチの結果として、通信時間間隔の継続時間が潜在的に実質的に削減される。例えば、この特定の例では、順方向のKiメッセージは600マイクロ秒以上の継続時間を有することになり、このメッセージを電力伝送間隔901の間に送信することによって、通信時間間隔905の継続時間が、1.5ミリ秒から少なくとも0.9ミリ秒まで短縮されることが可能である。この短縮は、動作を改善し、特により効率的な電力伝送を提供し、機械的ノイズを削減し、電気的ノイズと高調波の生成とを削減し、及び/又はより多量のデータが送信されることを可能にする。
このアプローチは、順方向と逆方向とにおける変調フォーマットが異なることと、具体的には、振幅変調により電力伝送信号からの干渉に対して堅牢な堅牢性の高い通信を可能にするが、他方では逆方向の通信は電力伝送信号からの干渉に対する感度が高い負荷変調を用いることを、利用している。
このアプローチは、特にNFC通信に対して、適切である。例えば、電力送信機は、13.56MHzの連続的な通信搬送波を、最初に送信する。次に、電力送信機は、読出し又は書込みコマンドを電力受信機に送ることによって、通信を始動する。電力送信機は、順方向において、通信搬送波の100%の振幅変調を用いる(搬送波のオン/オフを切り換える振幅シフトキーイング)。
電力受信機は、データ又はACKを電力送信機に送り返すことによって、メッセージ/コマンドに応答する。電力受信機は、第1の通信機207によって生成された通信搬送波を負荷変調することによって、この通信を実行する。この変調は、当業者には広く知られているように、例えば、受信機の共振NFC回路を離調させることによって、又は余分な抵抗を追加することによって、達成される。結果的に、送信機側で与えられた信号の振幅は変化するが、その変化は非常に小さいのが典型的である(典型的には、僅かに数パーセント)。
送信機コイルにおけるこの相対的に小さな振幅の変化は、電力受信機からデータを受信するために、第1の通信機207によって検出されなければならない。負荷変調は、結果的に非常に小さな変動を生じさせるため、順方向に適用される100%のAM変調よりも、干渉に対する感度が実質的に高い傾向を有する。異なるメッセージのための通信搬送波に対する振幅変動の例は、図10に図解されている。
Kiの及びNFCを用いる例では、1.5ミリ秒の電力伝送信号の中断が、両方向において通信するために現時点では用いられている。これは、電力受信機から電力送信機にデータが送信されるときに、通信が他方の方向であるときを除いて電力伝送信号を中断することのみによって、大幅に短縮される。実際に、1.5ミリ秒のギャップの中で、少なくとも600マイクロ秒が、電力送信機から電力受信機に読出しコマンドを送信するために用いられる。コマンドの送信の間は電力をオンに維持することにより、この電力ギャップは、少なくとも600マイクロ秒だけ短縮されることが可能である。事実として、600マイクロ秒は、Kiにおいて用いられる最短の読出しコマンドである。より長い順方向コマンド/メッセージが、更に早く開始されることで、(応答メッセージのタイミングに応じて)より短いギャップさえも潜在的に可能になる。
通信時間間隔の継続時間は、多くの実施形態において削減され、多くの場合に、この継続時間は、1ミリ秒、0.5ミリ秒、0.2ミリ秒、又は0.1ミリ秒を超えない。
通信と反復時間フレームとの同期という厳格なアプローチは、個別的な実施形態及び応用例の好適性及び要件に依存すことを理解されたい。
多くの実施形態において、シンクロナイザ209は、第1のメッセージの送信のタイミング及び/又は応答メッセージを受信するタイミングを適応させることによって、同期を実行するように構成されている。その代わりに又は追加的に、多くの実施形態において、シンクロナイザ209は、通信時間間隔及び/又は電力伝送時間間隔のタイミング特性を適応させるように構成されている。よって、いくつかの実施形態では、シンクロナイザ209は、反復時間フレームのタイミング特性を適応させるように構成される。
例えば、いくつかの実施形態では、第1のメッセージの送信のタイミングと応答メッセージのタイミングとは固定されており、シンクロナイザ209は、第1のメッセージの送信は電力伝送時間間隔の間であり応答メッセージは通信時間間隔の間となるように、通信時間間隔のタイミングを制御するように構成される。これは、例えば通信時間間隔に対応するギャップを作成するために電力伝送信号がオフに切り換えられる時間を制御するなど、電力伝送時間間隔の終了時間を制御することによって、例えば達成される。同様に、それ以降の電力伝送時間間隔の開始は、応答が受信されるはずの又は受信されたより後の時間に開始するように適応される。同じように、通信時間間隔も、電力伝送信号のオフ及び/又はオンの切り換えのタイミングを制御することによって、適合される。
多くの実施形態において、シンクロナイザ209は、通信時間間隔、電力伝送時間間隔、第1のメッセージの送信、及び/又は第1の通信機207が第1のメッセージの特性に基づいて電力受信機から応答メッセージを受信するように構成されているときのタイミング特性を適応させるように構成されている。この特性は、具体的には、第1のメッセージの長さ又は第1のメッセージの送信のための予測される時間である。
例えば、いくつかの実施形態では、このシステムは、9.1ミリ秒の継続時間を有する電力伝送時間間隔と0.9ミリ秒の通信時間間隔とに分割される10ミリ秒の時間周期を有する固定された反復時間フレームを用いる。シンクロナイザ209は、送信され得る可能性がある順方向メッセージのテーブルと、それぞれのメッセージのための送信の継続時間(例えば、ビット数を、ビット/秒単位での送信速度によって除算したものとして決定される)とを有する。第1のメッセージが送信されるべきそれぞれの反復時間フレームに対して、電力送信機コントローラ205は、どのメッセージが送信されるのかを示し、シンクロナイザ209は、そのメッセージを送信するための対応する継続時間を決定する。それは、次に、第1の通信機207を電力伝送時間間隔の終了からメッセージを送信する継続時間を減算したものに対応する時間において第1のメッセージの送信を開始するように制御する、すなわち、第1のメッセージの送信時間を、電力伝送時間間隔の終了時にそれが終了するように、制御する。
シンクロナイザ209は、次に、通信時間間隔の間に、第2の通信機609からのどのメッセージも、すなわち、第2の通信機のNFC負荷変調機能509によって通信されるどのメッセージも受信するように、第1の通信機207を制御する。よって、第1の通信機207は、僅かな時間間隔の間の送信構成/動作から通信時間間隔の間の受信構成/動作に切り換えるように構成される。
多くの実施形態で、シンクロナイザ209は、通信時間間隔、電力伝送時間間隔、第1のメッセージの送信、及び/又は応答メッセージの予測される特性に基づいて電力受信機から応答メッセージを受信するように第1の通信機207がいつ構成されるかのタイミング特性を適応させるように構成される。応答メッセージは第1のメッセージに依存し、よって、この適応は、第1のメッセージと、この第1のメッセージへの予測される応答メッセージとに基づく。
例えば、いくつかの第1のメッセージは、単純に、単一の肯定応答メッセージという形式での応答メッセージを要求するが、これは、最小限での1ビットの受領通知によって実現されることが可能である。他の第1のメッセージの場合には、応答メッセージはデータを含むことが要求され、より多くのビットを含む。
いくつかの実施形態では、シンクロナイザ209が、それぞれの可能な第1のメッセージに対し、電力受信機が電力送信機に返信する応答メッセージの最大長を記憶するテーブルを含む。シンクロナイザ209は、いくつかの実施形態では、予測される応答メッセージの特性に基づいて通信時間間隔の継続時間を適応させるように構成されており、具体的には、通信時間間隔の継続時間を、それが第1のメッセージへの最長の可能な応答メッセージが通信時間間隔の終了前に受信されるのに(ちょうど)十分に長くなるように、適応させる。
通信時間間隔の継続時間は、例えば、通信時間間隔の開始時間及び/又は終了時間を変更することによって、適合される。具体的には、電力伝送信号のオンへの切り換え又はオフへの切り換えのタイミングが、制御される。いくつかの実施形態では、例えば同期されている第1のメッセージの送信のタイミングを、それと通信時間間隔の範囲内で応答メッセージが送信されることをちょうど可能にするように調整されている通信時間間隔のタイミングとを整合させるように適応させることなどによって、第1のメッセージの送信のタイミングが、例えば応答メッセージに基づいて適合される。
こうして、シンクロナイザ209は、第1のメッセージの長さなどの第1のメッセージの特性に基づいて、及び/又は応答メッセージの予測される若しくは最大の長さなど(予測される)応答メッセージの特性に基づいて、第1のメッセージの送信のタイミング特性及び/又は通信時間間隔を設定するように構成されている。
図11は、図9の例に対応するが、第1のメッセージが実質的により長い例を図解している。この例では、シンクロナイザ209は、第1のメッセージの終りが依然として第1の電力伝送時間間隔の終了の際に終了するように、第1のメッセージの送信の開始がより早くなるように適応させるように構成されている。
いくつかの実施形態では、シンクロナイザ209は、第1のメッセージと応答メッセージとの少なくとも一方を通信するための通信速度に応答して、継続時間を適応させるように構成されている。第1のメッセージ及び/又は応答メッセージの送信のための通信速度は、いくつかの実施形態において、可変である。例えば、第1の通信機207と第2の通信機509との間の距離がより大きい場合には、このシステムは、増加するビット誤り率を補償するために、通信速度を低下させるように構成される。そのような場合には、メッセージを通信するのにより長い時間を要するのであって、シンクロナイザ209は、第1のメッセージ及び/又は応答メッセージのための送信継続時間を決定する際に、タイミングをそれに対応するように適応させるために、これを考慮に入れる。通信の継続時間は、単純に、例えば、ビット単位でのメッセージの長さを1秒当たりのビット数を単位とする通信速度で除算することによって、決定される。
いくつかの実施形態では、シンクロナイザ209が、具体的には、応答メッセージの終りの検出に応答して、通信時間間隔を終了させるように構成されている。
例えば、可変長である応答メッセージの場合には、メッセージの全部のデータが受信されたということが、(例えば、停止の指示を検出することによって、及び/又は可変長のメッセージが特定の現在の条件において何ビットを有しているのかに関する知識から)検出される。メッセージの終りが検出されるとすぐに、シンクロナイザ209は、駆動信号を生成するようにドライバ201を制御し、よって電力送信機が電力伝送信号をオンに切り換え、以後の電力伝送間隔が開始されるように、電力送信機コントローラ205を制御するように進む。こうして、そのような場合には、電力送信機は、可変であるメッセージの長さをそれぞれの反復時間フレームに対して整合させるように、通信時間間隔を自動的に適応させる。図11の例に対応するこのアプローチの一例が、図12に図解されている。
いくつかの実施形態では、電力伝送信号のオフへの切り換えは突然であり、例えば、ドライバ201は、単純に、電力伝送時間間隔の終了の際に、駆動信号をオフに切り換える。しかし、多くの実施形態では、電力送信機コントローラ205は、電力伝送信号の電力レベルのゆるやかな引き下げを導入するように構成されており、具体的には、通信時間間隔の直前であって、電力伝送時間間隔の終了の際に、電力停止間隔を導入するように構成されている。
例えば、電力伝送時間間隔の終了の前の所定の時間間隔において、電力送信機は、電力伝送時間間隔の終了の際に電力レベルがゼロに低下するまで円滑な移行が生じるように、電力伝送信号の電力レベルのゆるやかな引き下げを始動する。図9、図11、及び図12の例では、1ミリ秒の電力停止時間間隔が、電力レベルを初期の値からゼロまでゆるやかに引き下げるために、導入される。
電力停止間隔により、ゆるやかな移行が可能になり、これによって、そうでない場合には生じる可能性がある高周波/高調波ノイズを減少させることができて、例えば、切り換えの過渡状態などを緩和することができる。多くの実施形態において、電力停止間隔は、勾配が1、2、3、5、又は10とPmax/ミリ秒との積を超えない電力伝送信号のための電力レベル曲線に続く。なお、ここで、Pmaxとは、反復時間フレームの間の電力伝送信号の最大瞬間電力である。多くの実施形態では、電力停止間隔は、勾配が1、0.5、0.3、0.2、又は0.1とPmax/ミリ秒との積よりも小さくない電力伝送信号のための電力レベル曲線に続く。なお、ここで、Pmaxとは、反復時間フレームの間の電力伝送信号の最大瞬間電力である。
シンクロナイザ209は、電力停止間隔を有する実施形態では、第1のメッセージが、少なくとも部分的には、電力停止間隔の間に送信されるように、その送信のタイミングを設定するように構成されている。多くの実施形態では、電力停止時間間隔は、第1のメッセージの送信の継続時間よりも長く、第1のメッセージは、電力停止時間間隔の範囲内で全体が送信される。
電力停止時間間隔の導入は、より効率的な切り換えと電力停止動作とを提供するだけでなく、第1のメッセージの改善された通信も可能にする。特に、電力レベルの引き下げにより、電力伝送信号から第1のメッセージの送信への干渉が減少する。
多くの実施形態において、通信時間間隔に続く電力伝送時間間隔の開始は、電力レベルが徐々に上昇される電源投入時間間隔を含む。図9、図11、及び図12の例では、1ミリ秒の継続時間を有する電源投入時間間隔が用いられる。
多くの実施形態では、ドライバ201は、変動する電源信号によって、典型的には、変動する電源電圧によって、給電される。駆動信号は、典型的には、変動する電源信号に従う、具体的には変動する電源電圧に従う振幅を有するように生成される。例えば図3又は図4に対応するドライバ201の出力インバータに対しては、例えば、駆動信号は、スイッチ要素上での小さな電圧低下を除いて、電源電圧に等しい振幅を有することになる。
例えば、多くの実施形態においては、ドライバ201と出力インバータとのための電源電圧は、整流された(そして、おそらくは部分的に平滑化された)AC幹線電圧から生成される。平滑化されていない整流された電圧に対しては、入力電源電圧は、したがって駆動信号電圧は、幹線電圧のゼロ交差に対応する時点でゼロボルトの最小値に到達することになる。部分的に平滑化され整流された電源電圧の場合には、最小電圧は、ゼロ交差に対する遅延を伴って生じ、ゼロボルトよりも高い。
ドライバ201への電源が変動している実施形態では、シンクロナイザ311は、電源信号の変動のタイミングに応答して、電力伝送時間間隔、通信時間間隔、及び/又は第1のメッセージの送信(及び/又は第2のメッセージの受信)のためのタイミング特性を適応させるように構成されている。典型的には、シンクロナイザ209は、電源の変動に応じて、すべてのこれらの特徴のタイミングを適応させるように構成されている。
具体的には、シンクロナイザ209は、通信時間間隔を電源信号/電圧における最小値に同期させるように構成されている。シンクロナイザ209は、変動する電源信号の最小値の時間が通信時間間隔の範囲内に属するように、通信時間間隔を同期させるように構成されている。
特に、多くの実施形態では、シンクロナイザ209は、通信時間間隔が変動する電源信号の最小値の時間を中心として有することにより、典型的には、電力伝送信号の最小値も中心として有するように、通信時間間隔のタイミングを制御するように構成されている。多くの実施形態では、シンクロナイザ209は、通信時間間隔が入力電源電圧のゼロレベル(多くの場合に、入力幹線電圧のゼロ交差)を実質的に中心として有するように、通信時間間隔のタイミングを制御するように構成されている。
同様に、シンクロナイザ209は、電源の変動のタイミングに応じて、通信時間間隔の開始時間、電力停止時間間隔の開始、電力伝送時間間隔のタイミング、及び第1のメッセージの送信時間など他の特徴のタイミングを適応させるように構成されている。
タイミングは、いくつかの実施形態では、それぞれの個別的な反復時間フレームに対して適合される、又は、例えば、複数の以後の反復時間フレームのために決定され、適用される。
一例として、いくつかの実施形態では、シンクロナイザ209は、反復時間フレームを電源における変動に同期させる。50Hzの整流された幹線電圧によって給電されているドライバ201に関しては、幹線のゼロ交差が、したがって整流された電源電圧の最小値が、10ミリ秒の間隔で生じ、それぞれの反復時間フレームは、10ミリ秒の継続時間を有するように設定される。
シンクロナイザ209は、最初に、(例えば、電力送信機コントローラ205又は第1の通信機207によって指示されるように)次の反復時間フレームにおいて送信される第1のメッセージを評価する。それは、次に、第1のメッセージの継続時間と、第1のメッセージへの応答メッセージの最大継続時間とを決定するように進む。これは、例えば、テーブルルックアップに基づいて決定される。シンクロナイザ209は、次に、通信時間間隔の継続時間を決定するのであるが、具体的には、第1のメッセージへの電力受信機の応答時間における不確実性及び変動を許容するのに十分な時間マージンを追加することを含め、応答メッセージが通信時間間隔の範囲内で完全に送信されるため十分に長くなるように、それを決定する。
いったん通信時間間隔の継続時間が決定されると、最小の電源電圧の時間との関係での通信時間間隔の開始時間が、決定される。具体的には、通信時間間隔の開始時間は、通信時間間隔の中心時間が変動する電源信号のための信号最小値と整列するように、決定される。具体的には、シンクロナイザ209は、通信時間間隔の開始時間及び/又は継続時間を、中心時間が最小の電源信号の時間と一致するように、適応させる。この例では、開始時間は、電源信号/電圧に対するゼロ交差/最小値よりも前において、通信時間間隔の継続時間の半分として決定される。
通信時間間隔の開始時間は、また、前の電力伝送時間間隔の終了時間でもあり、通信時間間隔の終了時間は、以降の電力伝送時間間隔の開始時間である。よって、シンクロナイザ209は、これらの時間において駆動信号と電力伝送信号とをオフ及びオンに切り換えるように、ドライバ201を制御する。
電力停止間隔が用いられる実施形態では、この電力停止時間間隔の開始時間が、決定される。例えば、電力停止時間間隔のための所定の継続時間と電力プロファイルとが用いられ、電力停止動作のための開始時間は、通信時間間隔の決定された開始時間からこの継続時間を減算することによって、決定される。シンクロナイザ209は、次に、この時間に電力停止プロファイルを始動させるように、電力送信機コントローラ205を制御する。
電源投入時間間隔が用いられる場合には、シンクロナイザ209は、通信時間間隔の終了時間において、適切な電源投入プロファイルに従って電源投入を始動させるように、電力送信機コントローラ205を制御する。
シンクロナイザ209は、更に、第1のメッセージを送信するためのタイミングを決定する。第1のメッセージの送信は、具体的には、通信時間間隔の中心における(具体的には最大の継続時間の)応答メッセージの送信を結果的に生じさせることが予想されるようなものである。
例えば、与えられた第1のメッセージに対して、どのようなあり得る応答メッセージが受信されることが可能であり、最大の継続時間はどのくらいであるか、を知ることができる。更に、第1のメッセージの受信に続いて、電力受信機は、可変であるが与えられた間隔の範囲内にあることで知られている遅延を伴うように、例えば200マイクロ秒から400マイクロ秒までの間の遅延を伴うように、応答メッセージを送信する。シンクロナイザ209は、次に、第1のメッセージのための開始時間を、通信時間間隔の中心点より前の与えられた時間として決定するのであるが、この場合、この与えられた時間は、第1のメッセージの継続時間と応答メッセージの最大の継続時間の半分と遅延の中央値(300マイクロ秒)との和として、決定される。最大の継続時間の応答メッセージに対し、そして遅延の中央値を用いると、この結果として、応答メッセージは、通信時間間隔の中間/中心で受信されることになる。実際の遅延がより長い又は短い場合には、応答メッセージは、中心時間から外れることがあり得るが、その継続時間は遅延の変動を組み入れるように決定されているため、依然として通信時間間隔の範囲内に含まれることになる。同様に、最大の長さよりも短い応答メッセージが送信される場合には、その応答メッセージは、通信時間間隔の中心にはないが、依然として、この範囲内に属することになる。しかし、第1のメッセージは、典型的には、長い継続時間を有することになり、第1のメッセージの少なくとも一部及び典型的には全部が、電力伝送時間間隔の間に送信される。
いくつかの実施形態では、電力受信機には、反復時間フレームのタイミング、電力伝送時間間隔、及び/又は通信時間間隔に関する情報が提供されことを理解されたい。そのような実施形態では、電力受信機は、応答メッセージの送信のタイミングを、通信時間間隔の範囲内に属するように、適応させる。しかし、多くの実施形態では、電力受信機は、単に、適切な第1のメッセージの受信に応答して、応答メッセージを送信する。電力受信機は、反復時間フレームのタイミングの知識がなくても(又は、その存在の知識がない場合でさえも)動作することが可能であり、第1のメッセージを受信すると、非同期的に応答メッセージを送信する。上述されたように、応答は、可変であり得る遅延を含むが、反復時間フレームと電力送信機の動作とは、そのような変動を考慮に入れるように適合される。このように、いくつかの実施形態では、応答メッセージのタイミングは、第1のメッセージのタイミングによって与えられ、したがって、応答メッセージの送信及び受信のタイミング及び同期は、電力送信機によって、具体的には電力送信機のシンクロナイザ209によって、達成される。
説明されているアプローチの格別の長所は、それによると、より短い通信時間間隔と電力伝送信号におけるギャップとが可能になるということである。特に、通信時間間隔の継続時間は、第1のメッセージの長さに左右されない。これにより、多くの実施形態及び応用例において、実質的により長い第1のメッセージが送信されることが可能になる。同様に、同じ通信時間間隔において双方向通信が実行されなければならない場合よりも、より多くの応答データが同じ通信時間間隔の継続時間に対して含まれる。
よって、このアプローチの長所は、電力送信機と電力受信機との間で、大幅により多くのデータが通信されることが可能になるということである。これにより、新たな応用及び機能が可能になり、強化された電力伝送動作が許容される。
明瞭にするための上記の説明は、異なる機能回路、ユニット、及びプロセッサを参照して本発明の実施形態を説明したものであることを理解されたい。しかし、異なる機能回路、ユニット、又はプロセッサの間での機能のいずれかの適切な分布でも、本発明を損なうことなく用いられる、ということが明らかだろう。例えば、別個のプロセッサ又はコントローラによって実行されるように例示されている機能は、同一のプロセッサ又はコントローラによっても実行される。したがって、特定の機能ユニット又は回路への言及は、厳密な論理的又は物理的構造又は編成を示すのではなく、説明されている機能を提供するための適切な手段への言及としてのみ、理解されるべきである。
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらのいずれかの組合せを含むいずれかの適切な形式で、実施され得る。本発明は、任意選択としてであるが、少なくとも部分的には、1つ又は複数のデータプロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサ上で動作するコンピュータソフトウェアとして、実施される。本発明の実施形態の要素及びコンポーネントは、物理的、機能的、及び論理的に、いずれかの適切な様態で実施される。実際に、その機能は、単一のユニットとして、複数のユニットとして、又は他の機能ユニットの一部として、実施される。したがって、本発明は、単一のユニットで実施される場合があるし、異なるユニット、回路、及びプロセッサの間で物理的及び機能的に分散される場合もある。
本発明は、いくつかの実施形態との関連で説明されてきたが、本明細書に記載された特定の形態に限定されることは意図されていない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。それに加え、ある特徴が特定の実施形態との関連で説明されているように見えるかもしれないが、当業者であれば、説明されている実施形態の様々な特徴を本発明に従って組み合わせ得ることを認識するだろう。特許請求の範囲における備える(含む、有する)という用語は、他の要素又はステップの存在を排除しない。
更に、個別に列挙されている場合であっても、複数の手段、要素、回路、又は方法のステップは、例えば、単一の回路、ユニット、又はプロセッサによって、実施される。それに加えて、個別的な特徴が異なる複数の請求項に含まれる場合でも、これらは、有利に組み合わされる可能性があり、異なる複数の請求項に含まれるとしても、特徴の組合せが、実行可能ではない及び/又は有利ではないことを意味しない。また、ある特徴があるカテゴリの請求項に含まれていても、このカテゴリに限定されることを意味することはなく、その特徴は、必要に応じて他の請求項のカテゴリにも等しく適用可能であることを示す。ある特徴がある独立請求項の従属請求項に含まれていても、この独立請求項に対する限定を意味することはなく、むしろ、その特徴は必要に応じて他の独立請求項にも等しく適用可能であることを示す。更に、請求項における特徴の順序は、特徴が実行されなければならないどのような特定の順序も意味することはなく、特に、方法の請求項における個別的なステップの順序は、それらのステップがこの順序で実行されなければならないことを意味しない。むしろ、それらのステップは、いずれかの適切な順序で、実行され得る。それに加えて、単数を参照しても、複数を除外することはない。したがって、「1つの」、「第1の」、「第2の」などを参照しても、複数を排除することはない。特許請求の範囲における参照符号は、単に、明確化の例として提供されているのであって、決して特許請求の範囲を限定するものとして解釈されてはならない。
一般的に、無線電力伝送システムとそのための動作方法との例が、下記の実施形態によって示される。
実施形態:
実施形態1:誘導電力伝送信号を介して電力を電力受信機(105)に無線で提供するための電力送信機(101)であって、この電力送信機(101)は、
送信機コイル(103)を備えた出力回路(203、103)であって、送信機コイル(103)は、駆動信号が出力回路(203、103)に印加されていることに応答して誘導電力伝送信号を生成するように構成された、出力回路(203、103)と、
駆動信号を生成するように構成されたドライバ(201)と、
振幅変調を用いて電力受信機(105)にメッセージを送信し、負荷変調を用いて電力受信機(105)からメッセージを受信するように構成された通信機(207)と、
誘導電力伝送信号が電力受信機(105)に電力を伝送するように構成されている少なくとも1つの電力伝送時間間隔と誘導電力伝送信号が生成されない少なくとも1つの通信時間間隔とを含む反復時間フレームを誘導電力伝送信号に適用するための駆動信号を生成するように、ドライバ(201)を制御するように構成されたコントローラ(205)と、
電力伝送時間間隔の間に第1のメッセージの少なくとも一部を電力送信機(101)から電力受信機(105)に送信し、通信時間間隔の間に応答メッセージを電力受信機(105)から受信するように、電力送信機を制御するように構成されたシンクロナイザ(209)と、
を備える、電力送信機。
実施形態2:シンクロナイザ(209)が、通信時間間隔のタイミング特性に応答して第1のメッセージを送信するタイミングを適応させるように構成されている、実施形態1に記載の電力送信機。
実施形態3:シンクロナイザ(209)が、通信時間間隔のタイミング特性を適応させるように構成されている、実施形態1又は2に記載の電力送信機。
実施形態4:シンクロナイザ(209)が、第1のメッセージの特性に応答して、第1のメッセージを送信するタイミングと通信時間間隔のタイミング特性との少なくとも一方を適応させるように構成されている、実施形態2又は3に記載の電力送信機。
実施形態5:第1のメッセージの特性が、
第1のメッセージの長さと、
第1のメッセージへの少なくとも1つの所定の応答メッセージの特性と、
の少なくとも一方である、実施形態4に記載の電力送信機。
実施形態6:タイミング特性が、通信時間間隔の継続時間である、実施形態3から5のいずれかの形態に記載の電力送信機。
実施形態7:シンクロナイザ(209)が、第1のメッセージと応答メッセージとの少なくとも一方を通信するための通信速度に応答して継続時間を適応させるように構成されている、実施形態6に記載の電力送信機。
実施形態8:シンクロナイザ(209)が、応答メッセージの特性に応答してタイミング特性を適応させるように構成されている、実施形態3から7のいずれかの形態に記載の電力送信機。
実施形態9:ドライバ(201)が、変動する電源信号によって給電され、シンクロナイザ(209)が、変動する電源信号の変動のタイミングに応答してタイミング特性を適応させるように構成されている、実施形態3から8のいずれかの形態に記載の電力送信機。
実施形態10:シンクロナイザ(209)が、通信時間間隔の中心時間と変動する電源信号のための信号最小値とを整列させるように構成されている、実施形態9に記載の電力送信機。
実施形態11:通信時間間隔の継続時間が1ミリ秒を超えない、実施形態1から10のいずれかの形態に記載の電力送信機。
実施形態12:シンクロナイザ(209)が、応答メッセージの終りの検出に応答して通信時間間隔を終了させるように構成されている、実施形態1から11のいずれかの形態に記載の電力送信機。
実施形態13:電力伝送時間間隔が、通信時間間隔の直前に電力停止間隔を含み、シンクロナイザ(209)が、第1のメッセージの送信を、電力停止間隔の間に少なくとも部分的に送信されるようにタイミング設定するように構成されている、実施形態1から12のいずれかの形態に記載の電力送信機。
実施形態14:誘導電力伝送信号を介して電力を電力受信機(105)に無線で提供する電力送信機(101)のための動作の方法であって、電力送信機(101)は、
送信機コイル(103)を備えた出力回路(203、103)であって、送信機コイル(103)は、駆動信号が出力回路(203、103)に印加されていることに応答して誘導電力伝送信号を生成するように構成された、出力回路(203、103)を備えており、この方法は、
駆動信号を生成するステップと、
振幅変調を用いて電力受信機(105)にメッセージを送信し、負荷変調を用いて電力受信機(105)からメッセージを受信するステップと、
誘導電力伝送信号が電力受信機(105)に電力を伝送するように構成されている少なくとも1つの電力伝送時間間隔と誘導電力伝送信号が生成されない少なくとも1つの通信時間間隔とを含む反復時間フレームを誘導電力伝送信号に適用するための駆動信号を生成するように、ドライバ(201)を制御するステップと、
電力伝送時間間隔の間に第1のメッセージの少なくとも一部を電力送信機(101)から電力受信機(105)に送信し、通信時間間隔の間に応答メッセージを電力受信機(105)から受信するように、電力送信機を制御するステップと、
を有する、方法。

Claims (14)

  1. 誘導電力伝送信号を介して電力を電力受信機に無線で提供するための電力送信機であって、前記電力送信機は、
    送信機コイルを備えた出力回路であって、前記送信機コイルは、駆動信号が前記出力回路に印加されていることに応答して前記誘導電力伝送信号を生成する、出力回路と、
    前記駆動信号を生成するドライバと、
    振幅変調を用いて前記電力受信機にメッセージを送信し、負荷変調を用いて前記電力受信機からメッセージを受信する通信機と、
    前記誘導電力伝送信号が前記電力受信機に電力を伝送する少なくとも1つの電力伝送時間間隔と駆動信号が前記出力回路に印加されない少なくとも1つの通信時間間隔とを含む反復時間フレームを前記誘導電力伝送信号に適用するための前記駆動信号を生成するように、前記ドライバを制御するコントローラと、
    電力伝送時間間隔の間に第1のメッセージの少なくとも一部を前記電力送信機から前記電力受信機に送信し、通信時間間隔の間に応答メッセージを前記電力受信機から受信するように、前記電力送信機を制御するシンクロナイザと、
    を備える、電力送信機。
  2. 前記シンクロナイザが、前記通信時間間隔のタイミング特性に応答して前記第1のメッセージを送信するタイミングを適応させる、請求項1に記載の電力送信機。
  3. 前記シンクロナイザが、前記通信時間間隔のタイミング特性を適応させる、請求項1又は2に記載の電力送信機。
  4. 前記シンクロナイザが、前記第1のメッセージの特性に応答して、前記第1のメッセージを送信する前記タイミングと前記通信時間間隔の前記タイミング特性との少なくとも一方を適応させる、請求項2又は3に記載の電力送信機。
  5. 前記第1のメッセージの前記特性が、
    前記第1のメッセージの長さと、
    前記第1のメッセージへの少なくとも1つの所定の応答メッセージの特性と、
    の少なくとも一方である、請求項4に記載の電力送信機。
  6. 前記タイミング特性が、前記通信時間間隔の継続時間である、請求項3から5のいずれか一項に記載の電力送信機。
  7. 前記シンクロナイザが、前記第1のメッセージと前記応答メッセージとの少なくとも一方を通信するための通信速度に応答して前記継続時間を適応させる、請求項6に記載の電力送信機。
  8. 前記シンクロナイザが、前記応答メッセージの特性に応答して前記タイミング特性を適応させる、請求項3から7のいずれか一項に記載の電力送信機。
  9. 前記ドライバが、変動する電源信号によって給電され、前記シンクロナイザが、前記変動する電源信号の変動のタイミングに応答して前記タイミング特性を適応させる、請求項3から8のいずれか一項に記載の電力送信機。
  10. 前記シンクロナイザが、前記通信時間間隔の中心時間と前記変動する電源信号のための信号最小値とを整列させる、請求項9に記載の電力送信機。
  11. 前記通信時間間隔の継続時間が1ミリ秒を超えない、請求項1から10のいずれか一項に記載の電力送信機。
  12. 前記シンクロナイザが、前記応答メッセージの終りの検出に応答して前記通信時間間隔を終了させる、請求項1から11のいずれか一項に記載の電力送信機。
  13. 前記電力伝送時間間隔が、前記通信時間間隔の直前に電力停止間隔を含み、前記シンクロナイザが、前記第1のメッセージの送信を、前記電力停止間隔の間に少なくとも部分的に送信されるようにタイミング設定する、請求項1から12のいずれか一項に記載の電力送信機。
  14. 誘導電力伝送信号を介して電力を電力受信機に無線で提供する電力送信機の動作の方法であって、前記電力送信機は、
    送信機コイルを備えた出力回路であって、前記送信機コイルは、駆動信号が前記出力回路に印加されていることに応答して前記誘導電力伝送信号を生成する、出力回路を備えており、前記方法は、
    前記駆動信号を生成するステップと、
    振幅変調を用いて前記電力受信機にメッセージを送信し、負荷変調を用いて前記電力受信機からメッセージを受信するステップと、
    前記誘導電力伝送信号が前記電力受信機に電力を伝送する少なくとも1つの電力伝送時間間隔と駆動信号が前記出力回路に印加されない少なくとも1つの通信時間間隔とを含む反復時間フレームを前記誘導電力伝送信号に適用するための前記駆動信号を生成するように、ドライバを制御するステップと、
    電力伝送時間間隔の間に第1のメッセージの少なくとも一部を前記電力送信機から前記電力受信機に送信し、通信時間間隔の間に応答メッセージを前記電力受信機から受信するように、前記電力送信機を制御するステップと、
    を有する、方法。
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