JP2024515291A - オーツ麦を分画する方法及びそれから製造された飲料 - Google Patents

オーツ麦を分画する方法及びそれから製造された飲料 Download PDF

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Abstract

オーツ麦組成物、例えば、オーツ麦ベースの飲料を作製するための方法であって、オーツ麦ベースをマイクロ濾過して、MF透過分画及びMF保持分画を製造する工程と、MF透過分画を限外濾過して、UF透過分画及びUF保持分画を製造する工程と、MF保持分画、UF保持分画、及び必要に応じて水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成する工程とを含む方法。

Description

関連出願の参照
本出願は、PCT国際特許出願として2022年4月18日に出願されており、2021年4月20日に出願された米国仮特許出願第63/176,936号に対する優先権を主張しており、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
本発明は、一般的に、マイクロ濾過、限外濾過、ナノ濾過、及び逆浸透の組合せを使用して、オーツ麦ベースの分画を調製し、その後、ある特定のオーツ麦ベース分画を組み合わせてオーツ麦ベースの飲料を調製する、オーツ麦ベースの分画に関する。
IUPAC Compendium of Chemical Terminology、第2版(1997) Oatmeal consumption is associated with better diet quality and lower body mass index in adults: the National Health and Nutrition Examination Survey (NHANES)、2001~2010、Nutr. Res. 2015年12月、35(12)、1052~9頁
この概要は、本明細書において更に記載する概念の選択を簡易化された形式で導入するために提供される。この概要は、特許請求される発明の主題の必要とされる又は必須の特徴を同定することを意図しない。この概要は、特許請求される発明の主題の範囲を限定するために使用することを意図するものではない。
本発明の態様と一致して、オーツ麦組成物を作製するための第1の方法が本明細書において開示されており、第1の方法は、(i)オーツ麦ベースをマイクロ濾過して、MF透過分画及びMF保持分画を製造する工程と、(ii)MF透過分画を限外濾過して、UF透過分画及びUF保持分画を製造する工程と、(iii)MF保持分画、UF保持分画、及び必要に応じて水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成する工程とを含んでいてもよい。
オーツ麦組成物を作製するための第2の方法が本発明の別の態様において提供されており、第2の方法は、(a)オーツ麦ベースを限外濾過して、UF透過分画及びUF保持分画を製造する工程と、(b)UF保持分画をマイクロ濾過して、MF透過分画及びMF保持分画を製造する工程と、(c)MF透過分画を限外濾過して、第2のUF透過分画及び第2のUF保持分画を製造する工程と、(d)MF保持分画及び/又は第2のUF透過分画を濃縮して、濃縮分画を製造する工程と、(e)UF透過分画及び/又は第2のUF保持分画をナノ濾過して、NF透過分画及びNF保持分画を製造する工程と、(f)濃縮分画、NF透過分画、及び必要に応じて水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成する工程とを含んでいてもよい。
前述の概要と以下の詳細な説明の両方は例を提供するものであり、例示的なものにすぎない。したがって、前述の概要及び以下の詳細な説明は、制限的と考えるべきではない。更に、本明細書において示すものに加えて、特徴又は変形が提供される場合がある。例えば、ある特定の態様は、詳細な説明において記載する様々な特徴の組合せ及び下位の組合せを対象とする場合がある。
以下の図は、本明細書の一部を形成し、本発明のある特定の態様を更に実証するために含まれる。本発明は、詳細な説明及び例と組み合わせてこれらの図を参照することによってより理解することができる。
オーツ麦ベースからオーツ麦組成物を作製するための第1の製造プロセスの概略フロー図である。 オーツ麦ベースからオーツ麦組成物を作製するための第2の製造プロセスの概略フロー図である。
定義
本明細書において使用する用語をより明確に定義するために、以下の定義が提供される。別段指示がない限り、以下の定義を本開示に適用することができる。本開示において用語が使用されているが、本明細書において特に定義されていない場合、その定義が、本明細書において適用される任意のその他の開示又は定義と矛盾していない限り、又は定義が適用される場合がある任意の請求項が曖昧に又は不可能にならない限り、IUPAC Compendium of Chemical Terminology、第2版(1997)からの定義を適用してもよい。参照により本明細書に組み込まれる任意の文献によって提供される任意の定義又は用法が本明細書において提供される定義又は用法と矛盾する範囲内では、本明細書において提供される定義又は用法が優先される。
本明細書において、特定の態様の範囲内で、異なる特徴の組合せを想定することができるような発明の主題の特徴を記載する。本明細書において開示されるあらゆる態様及び/又は特徴に関しては、本明細書で記載される設計、組成物、プロセス、及び/又は方法に有害な影響を与えることのない全ての組合せが、特定の組合せを明確に説明しながら又は説明することなく検討されている。更に、明確に別段の記載がない限り、本明細書において開示される任意の態様及び/又は特徴は、本発明と一致する発明の設計、組成物、プロセス、及び/又は方法を記載するために組み合わせてもよい。
本開示において、組成物及びプロセスは、様々な成分又は工程を「含むこと(comprising)」という用語において記載されることが多いが、特に記載がない限り、組成物及びプロセスは、様々な成分又は工程「から実質的になる」又は「からなる」場合もある。例えば、本発明の態様と一致するオーツ麦ベースの組成物は、MF保持分画、UF保持分画、及び水を含んでいてもよいか;或いはこれらから実質的になる場合があるか;或いは、これらからなる場合がある。
「a」、「an」、及び「the」という用語は、特に指定がない限り、複数形の代替物、例えば、少なくとも1つを含むことを意図する。例えば、「成分(an ingredient)」の開示は、特に指定がない限り、1つの成分、又は1つを超える成分の混合物若しくは組合せを包含することを意味する。
開示される方法において、「組み合わせること」という用語は、特に指定がない限り、任意の順序、任意の方法、及び任意の時間の長さで成分を接触させることを包含する。例えば、成分はブレンドすること又は混合することによって組み合わせてもよい。
いくつかのタイプの範囲が本発明において開示される。様々な任意のタイプが開示又は特許請求される場合、その意図はこのような範囲が合理的に包含され得る個別の各可能な数値を開示又は特許請求することであり、範囲の両端、並びに任意の部分範囲及び部分範囲の組合せがその中に含まれる。例えば、MF保持分画は、本発明の態様において0.2~6質量%の総食物繊維含有量を有してもよい。繊維含有量が0.2~6質量%であるという開示によって、その意図は、繊維含有量がその範囲内の任意の量であってもよく、例えば、0.2~6質量%の範囲、例えば、0.2~4質量%、0.2~2質量%、又は0.2~1質量%等の任意の範囲又は組合せを含んでいてもよいことを記載することである。同様に、本明細書において開示される全ての他の範囲は、この例と類似の様式で解釈されるべきである。
一般的に、量、サイズ、製剤、パラメータ、範囲、又は他の量若しくは特性は、そのように明示的に記載されているかいないかにかかわらず、「約」又は「およそ」である。「約」又は「およそ」という用語によって修飾されているかいないかにかかわらず、特許請求の範囲は、量又は特性と等価なものを含む。
本明細書において記載するものと同等の又は類似のいずれの方法、デバイス、及び材料も本発明の実施又は試験において使用してもよいが、典型的な方法、デバイス、及び材料を本明細書において記載する。
本明細書において言及する全ての刊行物及び特許は、例えば、現在記載されている発明に関連して使用される場合がある、刊行物に記載されている構築物及び方法論を記載し開示する目的で、参照により本明細書に組み込まれるものとする。
発明の詳細な説明
オーツ麦は健康志向の消費者の間で人気の穀物である。実際、オートミールを定期的に消費した集団の階層は、非消費者よりも体格指数(BMI)が低くなっている(Oatmeal consumption is associated with better diet quality and lower body mass index in adults: the National Health and Nutrition Examination Survey(NHANES)、2001~2010、Nutr. Res. 2015年12月、35(12)、1052~9頁)。更に、1日あたり2食分の全粒オーツ麦の消費は、可溶性繊維、特にβ-グルカンの存在に起因する総プロファイル及びLDLプロファイルの低下と関連する。
植物ベースの飲料、例えばオーツ麦ベースの飲料は、健康上の利点が認識され環境への影響が低下したことにある程度起因して人気が高まってきている。しかし栄養学的に述べると、これらの製品は、そのカロリーの大部分が内因性の炭水化物並びに添加された炭水化物、主に糖に由来している。炭水化物を多く含む食事はトリグリセリドレベルを高めることが認められている。更に、これらの製品はタンパク質含有量が比較的低く、有益な官能的及び感覚刺激的特質をもたらすための他の脂肪源の添加に依存している。
本発明の目的は、オーツ麦ベースの調製物を分画するための連続的な方法、より具体的には、複数の高分子膜技術を利用して液体オーツ麦ベースから組成物をカスタマイズする方法である。オーツ麦ベースの調製は、様々な前処置プロセス工程から開始してもよい。
本明細書において、液体オーツ麦ベースには、マイクロ濾過、限外濾過、及び/又はナノ濾過を利用した一連の濾過工程が行われ、それによって、個々の成分の分子量及び溶解性に基づいて、脂質、炭水化物/糖、及びタンパク質が豊富な製品分画が得られる。その後、特定の製品分画を様々な割合でブレンドするか又は組み合わせて、所望のオーツ麦ベースの飲料組成物を達成することができる。他の成分、例えば、香味料、安定化剤、脂肪、ビタミン、ミネラル等も添加して、飲料組成物を形成してもよい。
有益なことに、開示される方法は、外部の脂肪源の使用を最小限にするか又は排除し、同時にタンパク質がカスタマイズ可能で豊富であり、糖及び他の非繊維炭水化物が有利に減少されたオーツ麦ベースの組成物をもたらすことができると考えられる。更に、開示される方法はまた、出発オーツ麦ベース材料からタンパク質を濃縮し、同時にデンプン及び炭水化物を最小限にすることができると考えられる。
オーツ麦組成物を作製する方法
本発明の態様によれば、オーツ麦組成物を作製するための第1の方法は、(i)オーツ麦ベースをマイクロ濾過して、MF透過分画及びMF保持分画を製造する工程と、(ii)MF透過分画を限外濾過して、UF透過分画及びUF保持分画を製造する工程と、(iii)MF保持分画、UF保持分画、及び必要に応じて水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成する工程とを含んでいてもよい(又はそれらから実質的になっていてもよいか又はそれらからなっていてもよい)。本発明の別の態様によれば、オーツ麦組成物を作製するための第2の方法は、(a)オーツ麦ベースを限外濾過して、UF透過分画及びUF保持分画を製造する工程と、(b)UF保持分画をマイクロ濾過して、MF透過分画及びMF保持分画を製造する工程と、(c)MF透過分画を限外濾過して、第2のUF透過分画及び第2のUF保持分画を製造する工程と、(d)MF保持分画及び/又は第2のUF透過分画を濃縮して、濃縮分画を製造する工程と、(e)UF透過分画及び/又は第2のUF保持分画をナノ濾過して、NF透過分画及びNF保持分画を製造する工程と、(f)濃縮分画、NF透過分画、及び必要に応じて水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成する工程とを含んでいてもよい(又はそれらから実質的になっていてもよいか又はそれらからなっていてもよい)。
一般的に、第1の方法及び第2の方法の特徴(例えば、とりわけ、オーツ麦ベースの特性、オーツ麦組成物の特性、限外濾過する工程並びに得られたUF透過分画及びUF保持分画、ナノ濾過する工程並びに得られたNF透過分画及びNF保持分画、並びにマイクロ濾過する工程並びに得られたMF透過分画及びMF保持分画)は、本明細書において独立して記載されており、これらの特徴は、開示される方法を更に記載するために任意の組合せで組み合わせてもよい。更に、他のプロセス工程は、特に記載がない限り、開示される方法において挙げられる工程のいずれかの前、間、及び/又は後に行ってもよい。更に、開示される方法のいずれかに従って製造されたいずれのオーツ麦組成物(例えば、すぐに消費できるオーツ麦ベースの飲料)も本開示の範囲内であり、本明細書において包含される。
濾過技術(例えば、マイクロ濾過、限外濾過、ナノ濾過等)は、好適な条件(例えば、圧力)下、膜システム(又は選択的バリア)に混合物を通過させることによって、混合物中の成分を分離又は濃縮することができる。したがって、濃縮又は分離は分子サイズに基づいてもよい。膜によって保持される流動は保持物(又は濃縮物)と呼ばれる。膜の孔を通過した流動は透過物と呼ばれる。次にオーツ麦組成物を作製するための第1の方法を参照すると、この方法は、(i)オーツ麦ベースをマイクロ濾過して、MF透過分画及びMF保持分画を製造する工程と、(ii)MF透過分画を限外濾過して、UF透過分画及びUF保持分画を製造する工程と、(iii)MF保持分画、UF保持分画、及び必要に応じて水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成する工程とを含んでいてもよい(又はそれらから実質的になっていてもよいか又はそれらからなっていてもよい)。
工程(i)におけるオーツ麦ベースは、任意の好適な組成物を有してもよい。これらに限定されるものではないが、オーツ麦ベースは、固形分1~12質量%、例えば、固形分3~9質量%、又は固形分5~7質量%の固形分含有量を有してもよい。オーツ麦ベースの典型的なタンパク質含有量としては、タンパク質0.1~4質量%、タンパク質0.1~2.5質量%、又はタンパク質0.2~1.5質量%等がある。オーツ麦ベースは任意の好適な脂肪含有量を有してもよく、それには無脂肪及び低脂肪オーツ麦ベースが包含される。したがって、オーツ麦ベースに関する脂肪含有量の範囲は、脂肪0~5質量%、脂肪0~3.5質量%、又は脂肪0~2質量%が含まれることが多い。
固形分に対して、オーツ麦ベースは、40質量%のデンプン及び/又はデンプン副産物を含む場合があることが多いが、これらに限定されない。いくつかの態様において、オーツ麦ベースは、固形分に対して、45~75質量%のデンプン及び/又はデンプン副産物、又は50~70質量%のデンプン及び/又はデンプン副産物を含んでいてもよい。
オーツ麦ベースの総食物繊維含有量は、0.1~3質量%、0.1~2質量%、又は0.1~1質量%の範囲であることが多いが、これらに限定されない。オーツ麦ベース中の総食物繊維のうち、可溶性食物繊維含有量は、総繊維の大部分であることが多く、総食物繊維の40~100質量%;或いは、総食物繊維の50~100質量%;或いは、総食物繊維の60~100質量%であってもよい。したがって、いくつかの態様において、オーツ麦ベース中の総食物繊維の全て又は実質的に全ては可溶性食物繊維であってもよい。オーツ麦ベースに存在する可溶性食物繊維のうち、低分子量の可溶性食物繊維含有量は、0~100質量%の範囲であってもよいが、可溶性食物繊維に対して、10~100質量%、又は50~100質量%の範囲の低分子量の可溶性食物繊維含有量であることが多い。
オーツ麦組成物を作製するための第1の方法における使用より前に、方法は、工程(i)より前にオーツ麦ベースを酵素で前処置する工程を更に含んでいてもよい。更に又は或いは、第1の方法は、オーツ麦製品を粉砕し、水を添加して、オーツ麦ベースを形成する工程を更に含んでいてもよい。例えば、オーツ麦製品、水、及び酸又は塩基を組み合わせて、オーツ麦ベースを形成してもよい。ある態様において、マイクロ濾過する工程より前のオーツ麦ベースのpHは、7を超えること、例えば、少なくとも8、少なくとも8.5、又は少なくとも9であることが有益であり得る。理論に束縛されることを望むものではないが、高pH条件下でオーツ麦ベースをマイクロ濾過する工程によって、優れたタンパク質が分離され、オーツ麦ベースからより多くのタンパク質が回収されると考えられる。オーツ麦ベースに関する代表的なpH範囲としては、例えば、8~11、8.5~11、9~11、8~10、8.5~10、又は9~10がある。これらに限定されるものではないが、オーツ麦ベースに関するこのようなpH範囲は、オーツ麦製品、水、及び好適な食品グレードの塩基、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、若しくは炭酸カリウム等、又はこれらの組合せを組み合わせることによって達成してもよい。これらの技術(例えば、酵素で前処置する工程、粉砕する工程、pHを調整する工程)の任意の1つ又は組合せを、タンパク質の分離及び収率を改善するため、又は膜付着物を減少させるため、又は操作効率を改善するため、又はこれらの任意の組合せのために、第1の濾過/膜工程より前に使用してもよい。
工程(i)において、オーツ麦ベースをマイクロ濾過して、MF透過分画及びMF保持分画を製造する。典型的には、0.1~10μmの範囲の比較的大きい孔径、例えば、0.2~2μm、又は0.1~0.2μmの範囲の孔径を有するマイクロ濾過膜を使用してマイクロ濾過を行ってもよい。いくつかの態様において、マイクロ濾過する工程は、0.1~0.2μmの範囲の孔径を有し、動作圧力が典型的には75psig未満(例えば、10~45psig)であり、動作温度が5~60℃(又は35~55℃)の範囲であるが、これらに限定されない膜システムを利用する。
マイクロ濾過する工程後のMF保持分画は、固形分3~20質量%、場合によっては固形分4~18質量%、又は固形分5~12質量%の固形分含有量であることが多い。MF保持分画のタンパク質含有量は、オーツ麦ベース及びマイクロ濾過する工程に応じて大きく変化する場合があるが、一般的に、タンパク質含有量は、タンパク質0.5~10質量%、タンパク質0.5~6質量%、又はタンパク質0.8~5質量%が典型的である。同様に、MF保持物は、広範囲の脂肪含有量、例えば、0~10質量%、0~7質量%、又は0~4質量%であってもよい。MF保持物の総食物繊維含有量は、1つの態様において0.2~6質量%、別の態様において0.2~4質量%、更に別の態様において0.2~2質量%の範囲であってもよいが、これらに限定されない。
工程(ii)において、MF透過分画(一部又は全て)は、典型的には0.01~0.1μmの範囲の孔径を有する限外濾過膜を使用して限外濾過してもよい。ある特定の産業、例えば酪農業において、限外濾過膜は、孔径ではなく分子量カットオフ(MWCO)に基づいて同定されることが多い。限外濾過膜に関する分子量カットオフは、1000~100,000ダルトン、又は10,000~100,000ダルトンと様々であり得る。例えば、MF透過分画は、高分子膜システムを使用して限外濾過してもよい(セラミック膜も用いてもよい)。高分子膜システム(又はセラミック膜システム)は、分子量1,000ダルトン超、5,000ダルトン超、又は10,000ダルトン超を有する材料が保持され、同時に低分子量種が通過するような孔径で構成され得る。例えば、分子量カットオフが10,000ダルトンのUF膜システムは、乳タンパク質を分離し濃縮するために酪農業において使用される場合がある。いくつかの態様において、限外濾過する工程は、0.01~0.1μmの範囲の孔径を有し、動作圧力が典型的には15~150psigの範囲又は45~150psigの範囲である膜システムを利用する。これらに限定されるものではないが、限外濾過工程は、3~15℃、例えば、4~12℃又は5~10℃の範囲の温度で行ってもよいことが多い。低温で限外濾過すると、高温の限外濾過(例えば、約25~50℃)と比較して、優れた製品品質及び感覚刺激的性質が一般的に得られる。
本発明の態様において、工程(ii)におけるMF透過分画(一部又は全て)を限外濾過する工程は、限外濾過膜に通してMF透過分画を透析濾過する工程を含んでいてもよい。例えば、MF透過分画を透析濾過する工程は、MF透過分画及び水の混合物を透析濾過する工程を含んでいてもよく、この混合物は、任意の好適な割合又は相対量のMF透過分画及び水を利用してもよい。
限外濾過する工程より前に、MF透過分画のpHを5~8.5の範囲内に調整することが多い場合があり、5~8;或いは、5~7.5;或いは、5.5~8.5;或いは、5.5~8;或いは、6~8.5;或いは、6~8;或いは、6~7.5の範囲内に更に調整することが多い場合がある。マイクロ濾過する工程より前のオーツ麦ベースのpHが比較的高い場合、pHは、限外濾過する工程より前に任意の好適な食品グレードの酸を用いて下方調整してもよく、その例示的な例としては、クエン酸、リン酸、硫酸、塩酸、酢酸、若しくは乳酸等、又はこれらの組合せがあり得る。
限外濾過する工程後のUF保持分画は、固形分1~12質量%、場合によっては、固形分3~9質量%、又は固形分5~7質量%の固形分含有量であることが多い。UF保持分画のタンパク質含有量は、オーツ麦ベース及びマイクロ濾過する工程(例えば、粒径及び溶解性)に応じて大きく変化する場合があるが、一般的に、タンパク質含有量は、タンパク質0.05~7質量%、タンパク質0.05~4質量%、タンパク質0.05~1質量%、タンパク質0.05~0.5質量%、タンパク質0.1~7質量%、又はタンパク質0.5~7質量%が典型的である。言い方を変えると、UF保持分画のタンパク質含有量は、固形分に対して、典型的には、1つの態様においてタンパク質30~75質量%、別の態様においてタンパク質35~70質量%、別の態様においてタンパク質30~65質量%、更に別の態様においてタンパク質40~60質量%、更に別の態様においてタンパク質45~55質量%の範囲であってもよい。
UF保持物は、比較的低い脂肪含有量、例えば、0~1質量%、0~0.5質量%、又は0~0.2質量%を有する。UF保持物の総食物繊維含有量は、1つの態様において0.1~3質量%、別の態様において0.1~2質量%、更に別の態様において0.1~1質量%の範囲であってもよいが、これらに限定されない。
オーツ麦組成物を作製する方法の工程(iii)は、MF保持分画、UF保持分画、及び必要に応じて水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成する工程を含む。これらの成分の任意の組合せは、任意の好適な相対的割合で、混合するか又は組み合わせてオーツ麦組成物を形成してもよい。いくつかの態様において、少なくともMF保持分画及びUF保持分画を組み合わせてオーツ麦組成物を形成してもよく、同時に他の態様において、少なくともMF保持分画、UF保持分画、及び水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成してもよい。
更に、組み合わせる工程において成分を添加することもできる。好適な成分の非限定的な例としては、糖/甘味料、香味料、保存料(例えば、酵母又はカビの成長を予防するためのもの)、安定化剤、乳化剤、プレバイオティクス物質、プロバイオティクス細菌、ビタミン、ミネラル、オメガ3脂肪酸、フィトステロール、抗酸化物質、若しくは着色料等、並びに任意の混合物又はこれらの組合せがあり得る。
必要に応じて、オーツ麦組成物を作製するための方法は、MF保持分画(一部又は全て)を濃縮して、濃縮MF保持分画を製造する工程を更に含んでいてもよく、方法は、UF保持分画(一部又は全て)を濃縮して、濃縮UF保持分画を製造する工程を更に含んでいてもよく、又は方法は、MF保持分画(一部又は全て)を濃縮して、濃縮MF保持分画を製造する工程と、UF保持分画(一部又は全て)を濃縮して、濃縮UF保持分画を製造する工程の両方を更に含んでいてもよい。したがって、オーツ麦組成物を作製する方法の工程(iii)は、MF保持分画(濃縮されたもの又は非濃縮のもの)、UF保持分画(濃縮されたもの又は非濃縮のもの)、及び必要に応じて水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成する工程を含んでいてもよい。これらの成分の任意の組合せは、任意の好適な相対的割合で、混合するか又は組み合わせてオーツ麦組成物を形成してもよい。いくつかの態様において、少なくともMF保持分画及びUF保持分画(少なくとも1つは濃縮されたもの)を組み合わせてオーツ麦組成物を形成してもよく、同時に他の態様において、少なくともMF保持分画及びUF保持分画(少なくとも1つは濃縮されたもの)及び水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成してもよい。上記のように、任意の好適な成分又は成分の組合せは、組み合わせる工程において添加してもよい。
独立して、各これらの濃縮する工程(例えば、固形分含有量を増加させる工程)は、逆浸透、正浸透、又はナノ濾過(例えば、UF保持物よりも固形分が多くミネラルが少ない、UF保持物のNF保持物)を含んでいてもよい。逆浸透は、微細な濾過プロセス又は濃度プロセスであり、実質的に全ての残存成分が保持され(RO保持物)、水(RO透過物)のみが通過する。逆浸透膜システムの分子量カットオフは100Daよりもはるかに小さいことが多く、したがって、水以外の成分(例えば、ミネラル)が逆浸透プロセスにおいて濃縮される。一般的に、逆浸透は、孔径が0.001μm以下の膜システムを含む。動作圧力は、典型的には、450~1500psig又は450~600psigの範囲内である。5~45℃又は15~45℃の範囲の温度が使用される場合があることが多い。
必要に応じて、オーツ麦組成物を作製するための方法は、MF保持分画を限外濾過し(一部又は全て)て、第2のUF透過分画及び第2のUF保持分画を製造する工程を更に含んでいてもよい。この限外濾過する工程は、工程(ii)に関する上述のものと同じ様式で行ってもよい。例えば、MF保持分画を限外濾過する工程は、限外濾過膜に通してMF保持分画を透析濾過する工程を含んでいてもよく、MF保持分画及び水の混合物は、任意の好適な割合又は相対量のMF保持分画及び水で使用してもよい。
また必要に応じて、オーツ麦組成物を作製するための方法は、UF透過分画(一部又は全て)及び/又は第2のUF保持分画(一部又は全て)をナノ濾過して、NF透過分画及びNF保持分画を製造する工程を更に含んでいてもよい。ナノ濾過では、典型的には、分子量がおよそ100~300Daを超える粒子を保持する膜要素を使用する。ナノ濾過は圧力駆動的なプロセスであり、液体は圧力下で膜を通過し、指定のカットオフを超える分子量を有する材料は保持され、同時により小さな粒子が膜の孔を通過する。限外濾過のように、ナノ濾過は、濃縮と分離の両方を同時に行ってもよい。ナノ濾過する工程は典型的には、孔径が0.001~0.01μmの範囲、例えば孔径が0.001~0.008μmの範囲のナノ濾過膜を使用して行ってもよい。いくつかの態様において、ナノ濾過の工程は、0.001~0.01μmの範囲の孔径を有し、動作圧力が典型的には150~450psigの範囲であり、動作温度が10~60℃(又は15~45℃)の範囲であるが、これらに限定されない膜システムを利用する。
したがって、場合によっては、オーツ麦組成物を作製する方法の工程(iii)は、MF保持分画、UF保持分画、NF保持分画、及び必要に応じて水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成する工程を含んでいてもよい。これらの成分の任意の組合せは、任意の好適な相対的割合で、混合するか又は組み合わせてオーツ麦組成物を形成してもよい。上記のように、任意の好適な成分又は成分の組合せは、組み合わせる工程中に添加してもよい。
更に、第1の方法は、オーツ麦組成物を熱処置する工程も更に含んでいてもよい。1つの態様において、熱処置する工程は、80℃~95℃の範囲の温度で2~15分の範囲の時間にわたって低温殺菌する工程を含んでいてもよい。別の態様において、熱処置する工程は、135℃~145℃の範囲の温度で、1から10秒の範囲の時間にわたってUHT殺菌する工程を含んでいてもよい。更に別の態様において、熱処置する工程は、148℃~165℃の範囲の温度で0~1秒(例えば、0.05~1秒、0.05~0.5秒)の範囲の時間にわたってUHT殺菌する工程を含んでいてもよい。他の適切な低温殺菌又は殺菌温度及び時間の条件は本開示から容易に明らかである。更に、本発明は、低温殺菌/殺菌プロセスを行うために使用する方法又は装置によって限定されず、バッチ式で操作するか連続式で操作するかにかかわらず、いずれの好適な技術及び装置を用いてもよい。
例えば、典型的なUHT殺菌技術としては、間接蒸気加熱、直接蒸気導入、直接蒸気注入等がある。間接蒸気加熱に関しては、オーツ麦組成物は、熱源又は加熱媒体、例えば、熱交換器のようなものと直接接触させない。熱伝達の制限に起因して、間接加熱は、殺菌温度に到達するまでに長い時間を必要とする。有益なことに、本発明の態様において、オーツ麦組成物は、直接UHT殺菌を使用して熱処置される。直接蒸気導入において、高温蒸気がオーツ麦組成物を含むパイプ又は他の容器中に導入され、したがって、オーツ麦組成物が急速に滅菌される。直接蒸気導入は一般的に、連続して行われ、オーツ麦組成物の連続的なフローは蒸気の連続的な導入と組み合わされる。直接蒸気注入において、オーツ麦組成物は、蒸気を含むチャンバー中にスプレーされ、したがって、オーツ麦組成物は急速で均一に滅菌される。直接蒸気導入と同様に、直接蒸気注入は一般的に連続して行われる。熱処置する工程後、オーツ麦組成物は、任意の好適な温度、例えば、5℃~40℃又は10℃~30℃の範囲で冷却してもよい。
本発明のいくつかの態様において、熱処置する工程後のオーツ麦組成物を作製するための方法は、任意の好適な容器中に任意の好適な条件下でオーツ麦組成物を包装する工程(無菌的又は他の)を更に含んでいてもよい。したがって、本明細書で記載される様々な成分及び成分を組み合わせてオーツ麦組成物を形成した後、オーツ麦組成物は、容器中に無菌条件(又は非無菌条件)下で包装してもよい。任意の好適な容器、例えば、小売店におけるオーツ麦ベースの製品又は飲料の流通及び/又は販売に使用することができるものを使用してもよい。典型的な容器の例示的及び非限定的な例としては、カップ、瓶、バッグ、又はパウチ等がある。容器は、任意の好適な材料、例えば、ガラス、金属、プラスチック等、並びにこれらの組合せから作製してもよい。
本発明の第1の方法の態様と一致する好適な分離プロセス100の例示的及び非限定的な例を図1に示す。最初に、オーツ麦ベース105にはマイクロ濾過110が行われて、MF透過分画114及びMF保持分画112が形成される。MF透過分画114には限外濾過120が行われて、UF透過分画124及びUF保持分画122が製造され、同時にMF保持分画112には限外濾過140が行われて、第2のUF保持分画144が製造される。UF保持分画122(必要に応じてUF透過分画124、又は第2のUF保持分画144、又はこれらの混合物、供給ライン126によるもの)は、逆浸透又は正浸透又はナノ濾過によって濃縮130されて、濃縮UF保持分画132が形成される。UF透過分画124、又は第2のUF保持分画144、又は供給ライン146によるこれらの混合物にはナノ濾過150が行われて、NF保持分画152及びNF透過分画154が形成される。図1において、少なくとも濃縮UF保持分画132及びNF保持分画152は組合せ160が行われて、オーツ麦組成物が形成される。その後、オーツ麦組成物は熱処置170され、次いで冷却され、包装180が行われる。図1に示されていないが、第2のUF保持分画144は、更に処理されず、他の供給流と組合せ160が行われて、オーツ麦組成物が形成されてもよい。
次に第2のオーツ麦組成物を作製するための方法を参照すると、第2の方法は、(a)オーツ麦ベースを限外濾過して、UF透過分画及びUF保持分画を製造する工程と、(b)UF保持分画をマイクロ濾過して、MF透過分画及びMF保持分画を製造する工程と、(c)MF透過分画を限外濾過して、第2のUF透過分画及び第2のUF保持分画を製造する工程と、(d)MF保持分画及び/又は第2のUF透過分画を濃縮して、濃縮分画を製造する工程と、(e)UF透過分画及び/又は第2のUF保持分画をナノ濾過して、NF透過分画及びNF保持分画を製造する工程と、(f)濃縮分画、NF透過分画、及び必要に応じて水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成する工程とを含んでいてもよい。第2の方法におけるオーツ麦ベースは、第1の方法におけるものと同じであってもよく、第2の方法における工程(限外濾過する工程、マイクロ濾過する工程等)は、本明細書で記載される第1の方法における対応する工程(限外濾過する工程、マイクロ濾過する工程)と同様に行ってもよい。
例えば、工程(c)におけるMF透過分画(一部又は全て)を限外濾過する工程は、限外濾過膜に通してMF透過分画(例えば、MF透過分画及び水の混合物)を透析濾過する工程を含んでいてもよい。更に、濃縮する工程(d)は、逆浸透又は正浸透を利用してもよい。
オーツ麦組成物を作製する第2の方法の工程(f)は、濃縮分画、NF透過分画、及び必要に応じて水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成する工程を含んでいてもよい。これらの成分の任意の組合せは、任意の好適な相対的割合で、混合するか又は組み合わせてオーツ麦組成物を形成してもよい。上記のように、任意の好適な成分又は成分の組合せは、組み合わせる工程中に添加してもよい。
本発明の第2の方法の態様と一致する好適な分離プロセス200の例示的及び非限定的な例を図2に示す。最初に、オーツ麦ベース205には限外濾過210が行われて、UF透過分画212及びUF保持分画214が形成される。UF保持分画214にはマイクロ濾過220が行われて、MF透過分画224及びMF保持分画222が製造され、MF透過分画224には限外濾過240が行われて、第2のUF透過分画242及び第2のUF保持分画248が形成される。MF保持分画222及び/又は第2のUF透過分画242は、逆浸透又は正浸透によって濃縮230されて、濃縮分画232が形成される。UF透過分画212及び/又は第2のUF保持分画248には、ナノ濾過250が行われて、NF透過分画252及びNF保持分画254が形成される。図2において、少なくとも濃縮分画232及びNF透過分画252は組合せ260が行われて、オーツ麦組成物が形成される。その後、オーツ麦組成物は熱処置270され、次いで冷却され、包装280が行われる。
本発明は、以下の例によって更に示され、これらは本発明の範囲の限定を与えるとして決して解釈されるべきではない。本明細書における説明を読んだ後、その様々な他の態様、改変、及び等価物が、本発明の趣旨又は添付の特許請求の範囲の範囲から逸脱することなく当業者に示唆することができる。
総固形分(質量%)は、CEM Turbo 固形分及び水分分析計(CEM Corporation社、Matthews、North Carolina)によるSMEDP 15.10 Cの手順に従って判定された。カルシウム含有量は、一連のISO認証規格に対して誘導結合プラズマ発光分析を介して判定された。タンパク質含有量及び脂肪含有量は、AOAC(公認分析化学者協会(Association of Official Analytical Chemists))の方法によって判定された。
総食物繊維、可溶性食物繊維、低分子量食物繊維、及び高分子量食物繊維は、AOAC 2011.25及び2009.01の方法に従ってHPLCによって判定された。
(実施例1)
実施例1を、図1に示すプロセススキームの一部を使用することによって行い、Table I(表1)は、図1における関連するプロセス流の固形分、カルシウム、脂肪、総食物繊維(可溶性繊維、低分子量、及び高分子量)、及びタンパク質含有量を要約している。Table I(表1)に示す組成を有し、pHが約6~6.8のオーツ麦ベースを、水酸化ナトリウムでpH8~8.5に調整し、次いでマイクロ濾過して、MF透過分画及びMF保持分画を製造し、MF透過分画を、塩酸でpH7~7.5に調整し、次いで限外濾過して、UF透過分画及びUF保持分画を製造した。オーツ麦組成物(オーツ麦ベースの飲料)を、およそ50:50の質量比でMF保持分画とUF保持分画とを混合することによって調製した。予想外なことに、MF保持分画(更なる処理なし)は、乳製品と類似した口当たり(滑らかでクリーミーである)を示し、従来の植物ベースの飲料(チョークのようにざらざらしている)よりも実質的に改善された。更に、マイクロ濾過する工程より前のオーツ麦ベースと比較してMF保持物における異臭は顕著に減少した。
Table I(表1)で示すように、オーツ麦ベースにマイクロ濾過を行った後、MF保持分画には高割合で脂質が含まれており、これは必要に応じて更に濃縮することができた(例えば、限外濾過又は逆浸透)。MF透過分画に限外濾過膜を使用して透析濾過を行い、UF保持分画には高割合でタンパク質及びβ-グルカンが含まれており、UF透過分画には大量の炭水化物、糖、及びミネラルが含まれていた。必要に応じて、UF透過分画にはナノ濾過を更に行ってもよく、得られたミネラル富化NF透過分画をオーツ麦組成物中に組み込むことができる。
(実施例2)
実施例2を実施例1と実質的に同じ様式で行い、関連するプロセス流及びそれらの個別の組成をTable II(表2)に要約する。Table II(表2)に示す組成を有し、pHが約6~6.8のオーツ麦ベースを、水酸化ナトリウムでpH8~8.5に調整し、次いでマイクロ濾過して、MF透過分画及びMF保持分画を製造し、MF透過分画を塩酸でpH7~7.5に調整し、次いで限外濾過して、UF透過分画及びUF保持分画を製造した。オーツ麦組成物(オーツ麦ベースの飲料)を、およそ49.46質量%のMF保持分画、49.46質量%のUF保持分画、0.1質量%の塩、及び0.98質量%のスクロースを混合することによって調製し、オーツ麦組成物は、Table II(表2)に示す総固形分、脂肪、及びタンパク質含有量を有していた。この最終的なオーツ麦組成物は、有益なことに、従来の植物ベースの飲料において典型的に認められるチョークのようなテクスチャはなく、癖のない風味及び口当たりを示した。実施例2におけるオーツ麦ベースを、プロテアーゼ処置してからpH調整し、マイクロ濾過し、MF及びUF膜に保持されない低分子量種が得られ、したがって、実施例1と比較して透過流におけるタンパク質含有量が高かった。
100 分離プロセス
105 オーツ麦ベース
110 マイクロ濾過
112 MF保持分画
114 MF透過分画
120 限外濾過
122 UF保持分画
124 UF透過分画
126 供給ライン
130 逆浸透又は正浸透又はナノ濾過による濃縮
132 濃縮UF保持分画
140 限外濾過
144 第2のUF保持分画
146 供給ライン
150 ナノ濾過
152 NF保持分画
154 NF透過分画
160 組合せ、他の供給流との組合せ
170 熱処置
180 冷却及び包装
200 分離プロセス
205 オーツ麦ベース
210 限外濾過
212 UF透過分画
214 UF保持分画
220 マイクロ濾過
222 MF保持分画
224 MF透過分画
230 逆浸透又は正浸透による濃縮
232 濃縮分画
240 限外濾過
242 第2のUF透過分画
248 第2のUF保持分画
250 ナノ濾過
252 NF透過分画
254 NF保持分画
260 組合せ
270 熱処置
280 冷却及び包装

Claims (22)

  1. オーツ麦組成物を作製するための方法であって:
    (i)オーツ麦ベースをマイクロ濾過して、MF透過分画及びMF保持分画を製造する工程と;
    (ii)MF透過分画を限外濾過して、UF透過分画及びUF保持分画を製造する工程と;
    (iii)MF保持分画、UF保持分画、及び必要に応じて水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成する工程と
    を含む方法。
  2. オーツ麦ベースが、1~12質量%、3~9質量%、又は5~7質量%の固形分含有量を有する(又はそれらによって特徴付けられる)、請求項1に記載の方法。
  3. オーツ麦ベースが:
    0.1~4質量%、0.1~2.5質量%、又は0.2~1.5質量%のタンパク質含有量と;
    0~5質量%、0~3.5質量%、又は0~2質量%の脂肪含有量と;
    0.1~3質量%、0.1~2質量%、又は0.1~1質量%の総食物繊維含有量と
    を有する(又はそれらによって特徴付けられる)、請求項1又は2に記載の方法。
  4. オーツ麦ベースが:
    総食物繊維に対して、40~100質量%、50~100質量%、又は60~100質量%の可溶性食物繊維含有量と;
    可溶性食物繊維に対して、0~100質量%、10~100質量%、又は50~100質量%の低分子量可溶性食物繊維含有量と
    を有する(又はそれらによって特徴付けられる)、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. MF保持分画が:
    3~20質量%、4~18質量%、又は5~12質量%の固形分含有量と;
    0.5~10質量%、0.5~6質量%、又は0.8~5質量%のタンパク質含有量と;
    0~10質量%、0~7質量%、又は0~4質量%の脂肪含有量と;
    0.2~6質量%、0.2~4質量%、又は0.2~2質量%の総食物繊維含有量と
    を有する(又はそれらによって特徴付けられる)、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. UF保持分画が、1~12質量%、3~9質量%、又は5~7質量%の固形分含有量を有する(又はそれらによって特徴付けられる)、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. UF保持分画が:
    0.05~7質量%、0.05~4質量%、0.05~1質量%、0.05~0.5質量%、0.1~7質量%、又は0.5~7質量%のタンパク質含有量と;
    0~1質量%、0~0.5質量%、又は0~0.2質量%の脂肪含有量と;
    0.1~3質量%、0.1~2質量%、又は0.1~1質量%の総食物繊維含有量と
    を有する(又はそれらによって特徴付けられる)、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 工程(ii)におけるMF透過分画を限外濾過する工程が、限外濾過膜に通してMF透過分画を透析濾過する工程を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. MF保持分画を濃縮して、濃縮MF保持分画を製造する工程;及び/又は
    UF保持分画を濃縮して、濃縮UF保持分画を製造する工程
    を更に含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 濃縮する工程が、逆浸透、正浸透、又はナノ濾過を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 工程(iii)が、濃縮MF保持分画、濃縮UF保持分画、及び必要に応じて水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成する工程を含む、請求項9又は10に記載の方法。
  12. MF保持分画を限外濾過して、第2のUF透過分画及び第2のUF保持分画を製造する工程を更に含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. UF透過分画及び/又は第2のUF保持分画をナノ濾過して、NF透過分画及びNF保持分画を製造する工程を更に含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 工程(iii)が、MF保持分画、UF保持分画、NF保持分画、及び必要に応じて水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成する工程を含む、請求項13に記載の方法。
  15. マイクロ濾過する工程より前の工程(i)におけるオーツ麦ベースのpHが、8~11、8.5~11、9から11、8~10、8.5~10、又は9~10であり;
    限外濾過する工程より前の工程(ii)におけるMF透過分画のpHが、5~8.5、5~8、5~7.5、5.5~8.5、5.5~8、6~8.5、6~8、又は6~7.5である、
    請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. オーツ麦組成物を作製するための方法であって:
    (a)オーツ麦ベースを限外濾過して、UF透過分画及びUF保持分画を製造する工程と;
    (b)UF保持分画をマイクロ濾過して、MF透過分画及びMF保持分画を製造する工程と;
    (c)MF透過分画を限外濾過して、第2のUF透過分画及び第2のUF保持分画を製造する工程と;
    (d)MF保持分画及び/又は第2のUF透過分画を濃縮して、濃縮分画を製造する工程と;
    (e)UF透過分画及び/又は第2のUF保持分画をナノ濾過して、NF透過分画及びNF保持分画を製造する工程と;
    (f)濃縮分画、NF透過分画、及び必要に応じて水を組み合わせてオーツ麦組成物を形成する工程と
    を含む方法。
  17. 工程(c)におけるMF透過分画を限外濾過する工程が、限外濾過膜に通してMF透過分画を透析濾過する工程を含む、請求項16に記載の方法。
  18. オーツ麦組成物を熱処置する工程;及び/又は
    容器中にオーツ麦組成物を包装する工程
    を更に含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 組み合わせる工程が、成分を添加する工程を更に含み、成分が、糖/甘味料、香味料、保存料、安定化剤、乳化剤、プレバイオティクス物質、プロバイオティクス細菌、ビタミン、ミネラル、オメガ3脂肪酸、フィトステロール、抗酸化物質、着色料、又はこれらの任意の組合せを含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 工程(i)又は工程(a)より前にオーツ麦ベースを酵素で前処置する工程を更に含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. オーツ麦製品を粉砕し、水を添加し、必要に応じて酸又は塩基を添加して、オーツ麦ベースを形成する工程を更に含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 請求項1から21のいずれか一項に記載の方法によって調製されたオーツ麦組成物。
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