JP2024515265A - 光電子素子用有機分子 - Google Patents

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JP2024515265A JP2023561848A JP2023561848A JP2024515265A JP 2024515265 A JP2024515265 A JP 2024515265A JP 2023561848 A JP2023561848 A JP 2023561848A JP 2023561848 A JP2023561848 A JP 2023561848A JP 2024515265 A JP2024515265 A JP 2024515265A
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Abstract

本発明は、光電子素子に適用するための有機分子に関する。本発明によれば、有機分子は、下記を含む:-化学式Iの構造を有する第1化学的部分、及び【化1】JPEG2024515265000149.jpg4127・・・化学式I-化学式IIの構造を有する第2化学的部分、【化2】JPEG2024515265000150.jpg2540・・・化学式IIここで、Wは、第1化学的部分を第2化学的部分に結合する単結合の結合部位であり、Lは、直接結合、及び化学式BN-Iの構造を有する連結基から選択され、【化3】JPEG2024515265000151.jpg2222・・・化学式BN-Iここで、破線は、化学式Iに表された結合部位を示し、#は、第1化学的部分と第2化学的部分との結合部位を示す。

Description

本発明は、発光有機分子及び有機発光ダイオード(OLED)、並びにその他光電子素子におけるその用途に関する。
本発明が解決しようとする課題は、光電子素子での使用に適した分子を提供することである。
そのような目的は、新規の有機分子を提供する本発明によって達成される。
本発明によれば、前記有機分子は、純粋な有機分子であり、すなわち、光電子素子に使用されると知られている金属錯体とは異なり、いかなる金属イオンも含まない。しかしながら、本発明の有機分子は、半金属、特に、B、Si、Sn、Se及び/またはGeを含む。
本発明による有機分子は、好ましくは、空色、緑色または黄色のスペクトル範囲、好ましくは、緑色のスペクトル範囲において、最大発光を示す。前記有機分子は、好ましくは、470~580nm、好ましくは、490~560nm、より好ましくは、500~560nm、より一層好ましくは、510~550nm、最も好ましくは、520~540nmにおいて、最大発光を示す。本発明による有機分子のフォトルミネセンス量子収率は、好ましくは、10%以上、より好ましくは、20%以上、より一層好ましくは、30%以上、特に、40%以上、特に好ましくは、50%以上である。本発明の分子は、特に、熱活性化遅延蛍光(TADF)を示す。光電子素子、例えば、有機発光ダイオード(OLED)における本発明による分子の使用は、素子のさらに高い効率をもたらす。相応するOLEDは、公知のエミッタ物質及び類似の色相を有するOLEDよりさらに高い安定性を有し、及び/または、OLEDディスプレイにおいて本発明による分子を使用する場合、自然で見える色相のより正確な再現、すなわち、表示画像でさらに高い解像度が達成される。特に、前記分子は、いわゆるハイパーフルオレッセンス(hyper-fluorescence)を可能にするために、蛍光エミッタと組み合わせて使用することができる。
PMMAにおいて実施例1(10重量%)の発光スペクトルを示す図面である。 PMMAにおいて実施例2(10重量%)の発光スペクトルを示す図面である。 PMMAにおいて実施例3(10重量%)の発光スペクトルを示す図面である。 PMMAにおいて実施例4(10重量%)の発光スペクトルを示す図面である。
本発明による有機分子
本発明による有機分子は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
-化学式Iの構造を含むか、あるいはそれからなる第1化学的部分、及び

・・・化学式I
-化学式IIの構造を含むか、あるいはそれからなる第2化学的部分、

・・・化学式II
ここで、
第1化学的部分は、単結合を通じて第2化学的部分に結合され、
Wは、第1化学的部分を第2化学的部分に結合する単結合の結合部位であり、
Lは、直接結合、及び化学式BN-Iの構造からなる連結基から選択され、

・・・化学式BN-I
ここで、破線は、化学式Iに表された結合部位を示し、
#は、第1化学的部分と第2化学的部分との結合部位を示し、
Zは、それぞれの場合に、互いに独立して、直接結合、CR、C=CR、C=O、C=NR、NR、O、SiR、S、S(O)及びS(O)からなる群から選択され、
及びRは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素(D)、CN、CF、フェニル、
-Cアルキル、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、重水素で置換され、
-Cアルケニル、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、重水素で置換され、
-Cアルキニル、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、重水素で置換され、
選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C18アリール、及び
選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C17ヘテロアリール、
、R及びRは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、
重水素、
N(R
OR
Si(R
B(OR
OSO
CF
CN、
F、
Br、
I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C60アリール、及び
選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C57ヘテロアリール、
は、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、N(R、OR、Si(R、B(OR、OSO、CF、CN、F、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C60アリール、及び
選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C57ヘテロアリール、
は、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、重水素、ハロゲン、OPh(Ph=フェニル)、CF、CN、F、
-Cアルキル、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cアルコキシ、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cチオアルコキシ、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cアルケニル、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
-Cアルキニル、
ここで、選択的に1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
選択的に1以上のC-Cアルキル置換基で置換されたC-C18アリール、
選択的に1以上のC-Cアルキル置換基で置換されたC-C17ヘテロアリール、
N(C-C18アリール)
N(C-C17ヘテロアリール)、及び
N(C-C17ヘテロアリール)(C-C18アリール)、
ここで、置換基R、R、RまたはRは、互いに独立して、1以上の置換基R、R、RまたはRと共に、単環または多環、脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族環系を選択的に形成する。
本発明の一実施形態において、有機分子は、化学式IIIa、化学式IIIb及び化学式IIIcからなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれからなる:

・・・化学式IIIa

・・・化学式IIIb

・・・化学式IIIc
本発明の好ましい実施形態において、有機分子は、化学式IIIa及び化学式IIIbからなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれからなる。
一実施形態において、R及びRは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される:
水素、重水素、CN、CF、フェニル、
-Cアルキル、
選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C18アリール、及び
選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C17ヘテロアリール。
一実施形態において、R及びRは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される:
水素、重水素、CN、CF、フェニル、
-Cアルキル、及び
選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C18アリール。
一実施形態において、R及びRは、それぞれの場合に、互いに独立して、H、D、メチル、CN、CF及びフェニルからなる群から選択される。
一実施形態において、R及びRは、それぞれの場合に、互いに独立して、H、メチル及びフェニルからなる群から選択される。
一実施形態において、Rは、それぞれの場合にHである。
一実施形態において、Rは、それぞれの場合にHである。
一実施形態において、R及びRは、それぞれの場合にHである。
本発明の更なる実施形態において、第2化学的部分は、化学式IIaの構造を含むか、あるいはそれからなる:

・・・化学式II
ここで、#及びRは、上記のように定義される。
本発明の一実施形態において、少なくとも1つのRは、水素ではない。
本発明の一実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、
重水素、
Me、
Pr、
Bu、
CN、
CF
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリミジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたカルバゾリル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル、及び
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたN(Ph)
ここで、2以上の隣接した置換基Rは、下記からなる群から選択された環系に対する結合部を形成することができ、

ここで、それぞれの破線は、上記に表した環系のうち1つを2つの隣接した置換基Rの位置に結合し、上記に表した環系が化学式IIに表した第2化学的部分に縮合されるようにする直接結合を示す。
本発明の更なる実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、
Me、
Pr、
Bu、
CN、
CF
1以上の置換基Rで選択的に置換されたPh、
1以上の置換基Rで選択的に置換されたピリジニル、
1以上の置換基Rで選択的に置換されたピリミジニル、
1以上の置換基Rで選択的に置換されたカルバゾリル、
1以上の置換基Rで選択的に置換されたトリアジニル、及び
1以上の置換基Rで選択的に置換されたN(Ph)
ここで、任意の2つの隣接した置換基Rは、選択的に互いに結合され、下記からなる群から選択される環系を形成し、

ここで、Xは、S、OまたはNRである。
本発明の更なる実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、
Me、
Pr、
Bu、
CN、
CF
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリミジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたカルバゾリル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル、及び
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたN(Ph)
ここで、任意の2つの隣接した置換基Rは、選択的に互いに結合され、下記からなる群から選択される環系を形成し、

ここで、Xは、S、OまたはNRである。
本発明の更なる実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、
Me、
Pr、
Bu、
CN、
CF
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリミジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたカルバゾリル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル、及び
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたN(Ph)
ここで、任意の2つの隣接した置換基Rは、選択的に互いに結合され、下記からなる群から選択される環系を形成し、

ここで、Xは、S、OまたはNRである。
本発明の更なる実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、
Me、
Pr、
Bu、
CN、
CF
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリミジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたカルバゾリル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル、及び
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたN(Ph)
ここで、任意の2つの隣接した置換基Rは、選択的に互いに結合され、下記2つからなる群から選択される環系を形成する:
本発明の更なる実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される:
水素、
Me、
Pr、
Bu、
CN、
CF
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリミジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたカルバゾリル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル、及び
N(Ph)
本発明の更なる実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される:
水素、
Me、
Pr、
Bu、
CN、
CF
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリミジニル、及び
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル。
本発明の一実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
水素、
Me、
Pr、
Bu、
CN、
CF
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリミジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたカルバゾリル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル、及び
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたN(Ph)
ここで、2以上の隣接した置換基R、または1以上の置換基Rに隣接した1以上の置換基Rは、下記からなる群から選択された環系に代替され、

ここで、それぞれの破線は、上記の縮合環系のうち1つを、上記の縮合環系によって代替される隣接した置換基R、またはR及びRの位置に結合する直接結合を示す。
本発明の特定の実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される:
水素、
Me、
Pr、
Bu、
CN、
CF
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリミジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたカルバゾリル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル、及び
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたN(Ph)
本発明の好ましい実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される:
水素、
1以上の置換基Rで選択的に置換されたC-C40アルキル、
1以上の置換基Rで選択的に置換されたC-C57ヘテロアリール、及び
1以上の置換基Rで選択的に置換されたC-C60アリール。
本発明の特定の実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される:
水素、
1以上の置換基Rで選択的に置換されたC-C40アルキル、及び
1以上の置換基Rで選択的に置換されたC-C60アリール。
本発明の特定の実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される:
水素、
1以上の置換基Rで選択的に置換されたC-Cアルキル、及び
1以上の置換基Rで選択的に置換されたフェニル(Ph)。
本発明の特定の実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される:
水素、
Me、
Pr、
Bu、
CN、
CF
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたPh。
本発明の一実施形態において、第2化学的部分は、化学式IIa-1の構造、化学式IIa-2の構造、化学式IIa-3の構造、または化学式IIa-4の構造を含むか、あるいはそれからなる:

・・・化学式IIa-1

・・・化学式IIa-2

・・・化学式IIa-3

・・・化学式IIa-4
本発明の更なる実施形態において、第2化学的部分は、化学式IIb-1の構造、化学式IIb-2の構造、化学式IIb-3の構造、または化学式IIb-4の構造を含むか、あるいはそれからなる:

・・・化学式IIb-1

・・・化学式IIb-2

・・・化学式IIb-3

・・・化学式IIb-4
ここで、
は、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
重水素、
N(R
OR
Si(R
B(OR
OSO
CF
CN、
F、
Br、
I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C60アリール、及び
選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C57ヘテロアリール、
それ以外には前述の定義が適用される。
本発明の更なる実施形態において、第2化学的部分は、化学式IIc-1の構造、化学式IIc-2の構造、化学式IIc-3の構造、または化学式IIb-cの構造を含むか、あるいはそれからなる:

・・・化学式IIc-1

・・・化学式IIc-2

・・・化学式IIc-3

・・・化学式IIc-4
ここで、前述の定義が適用される。
本発明の更なる実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される:
Me、
Pr、
Bu、
CN、
CF
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたカルバゾリル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル、及び
N(Ph)
本発明の更なる実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される:
Me、
Pr、
Bu、
CN、
CF
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリミジニル、及び
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル。
本発明の更なる実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される:
Me、
Bu、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたカルバゾリル、及び
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル。
本発明の更なる実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される:
Me、
Bu、
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたPh、及び
Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル。
一実施形態において、第2化学的部分は、下記の構造のうち1つの構造を含むか、あるいはそれからなり、









ここで、前述の定義が#、Z、R、R、R及びRに対して適用される。
一実施形態において、R及びRは、それぞれの場合に、互いに独立して、水素(H)、メチル(Me)、i-プロピル(CH(CH)(Pr)、t-ブチル(Bu)、フェニル(Ph)、CN、CF及びジフェニルアミン(NPh)からなる群から選択される。
本発明の一実施形態において、有機分子は、化学式IVa、化学式IVb及び化学式IVcからなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれからなる:

・・・化学式IVa

・・・化学式IVb

・・・化学式IVc
本発明の好ましい実施形態において、有機分子は、化学式IVa及び化学式IVbからなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれからなる。
本発明の一実施形態において、有機分子は、化学式IVa-1、化学式IVb-1及び化学式IVc-1からなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれからなる:

・・・化学式IVa-1

・・・化学式IVb-1

・・・化学式IVc-1
本発明の一実施形態において、有機分子は、化学式Va、化学式Vb及び化学式Vcからなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれからなる:

・・・化学式Va

・・・化学式Vb

・・・化学式Vc
本発明の一実施形態において、有機分子は、化学式Va-1、化学式Vb-1及び化学式Vc-1からなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれからなる:

・・・化学式Va-1

・・・化学式Vb-1

・・・化学式Vc-1
本発明の一実施形態において、有機分子は、化学式Va-2、化学式Vb-2及び化学式Vc-2からなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれからなる:

・・・化学式Va-2

・・・化学式Vb-2

・・・化学式Vc-2
本発明の一実施形態において、有機分子は、化学式VIa、化学式VIb及び化学式VIcからなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれからなる:

・・・化学式VIa

・・・化学式VIb

・・・化学式VIc
本発明の好ましい実施形態において、有機分子は、化学式VIa及び化学式VIbからなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれからなる。
本発明の一実施形態において、有機分子は、化学式VIa-1、化学式VIb-1及び化学式VIc-1からなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、Rは、前述のように定義される:

・・・化学式VIa-1

・・・化学式VIb-1

・・・化学式VIc-1
本発明の一実施形態において、有機分子は、化学式VIa-2、化学式VIb-2及び化学式VIc-2からなる群から選択された構造を含むか、あるいはそれからなり、ここで、Rは、前述のように定義される:

・・・化学式Va-2

・・・化学式Vb-2

・・・化学式Vc-2
有機分子の特定の実施形態において、Rは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される:
重水素、N(R、OR、Si(R、B(OR、OSO、CF、CN、F、Br、I、
-C40アルキル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルコキシ、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40チオアルコキシ、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルケニル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
-C40アルキニル、
これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C60アリール、及び
選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C57ヘテロアリール。
定義
ここで、用語「層」は、広範囲に平面形状を有するボディまたはシート状塊を意味する。光電子素子は、複数の層で構成される。
本発明の文脈において、発光層(EML)は、光電子素子の層であり、ここで、前述の層からの発光は、素子に電圧及び電流を印加するときに観察される。当業者は、光電子素子からの発光が少なくとも1つのEMLからの発光に起因することを理解することができる。熟練された技術者は、EMLからの発光が典型的に(主に)前述のEMLに含まれた全ての物質に起因せず、特定エミッタ物質に起因するということを理解することができる。
本発明の文脈において、「エミッタ物質」(「エミッタ」ともいう)は、光電子素子の発光層(EML)に含まれるとき、電圧及び電流が前述の素子に加えられる場合に光を発光する物質である。エミッタ物質は、一般的に「発光性ドーパント」物質である。ドーパント物質(発光性如何にかかわらず)は、本明細書においてホスト物質というマトリックス物質に組み込まれた物質である。ここで、ホスト物質は、本発明による少なくとも1つの有機分子を含むOLEDのような光電子素子に含まれるとき、一般的にHと称される。
本発明の文脈において、用語「環状基」は、最も広い意味において、任意の単環式部分、二環式部分または多環式部分としても理解される。
本発明の文脈において、化学構造を言及するとき、用語「環」は、最も広い意味において、任意の単環式部分としても理解される。同じ見地から、化学構造を言及するとき、用語「環」は、最も広い意味において、任意の二環式部分または多環式部分としても理解される。
本発明の文脈において、「環系」は、最も広い意味において、任意の単環式部分、二環式部分または多環式部分としても理解される。
本発明の文脈において、用語「環原子」は、環または環系の環状コアの一部であり、環状コアに選択的に結合された非環状置換基の一部ではない、任意の原子を称する。
本発明の文脈において、用語「炭素環」は、最も広い意味において、環状コア構造が水素はいうまでもなく、または本発明の特定実施形態において定義された任意の他の置換基で置換可能な炭素原子のみを含む任意の環状基としても理解される。用語「炭素環の」は、形容詞であり、環状コア構造が水素はいうまでもなく、または本発明の特定の実施形態において定義された任意の他の置換基で置換可能な炭素原子のみを含む環状基を称するものとも理解される。
本発明の文脈において、用語「ヘテロ環」は、最も広い意味において、環状コア構造が炭素原子だけでなく、少なくとも1つのヘテロ原子を含む任意の環状基としても理解される。用語「ヘテロ環の」は、形容詞であり、環状コア構造が炭素原子だけでなく、少なくとも1つのヘテロ原子を含む環状基を称するものとも理解される。該ヘテロ原子は、特定の実施形態において特に言及されない限り、それぞれの場合に、同一でもあり、あるいは異なってもおり、B、Si、N、O、S及びSe、より好ましくは、B、N、O及びS、最も好ましくは、N、O及びSからなる群から個別的に選択されうる。本発明の文脈においてヘテロ環に含まれた全ての炭素原子またはヘテロ原子はいうまでもなく、水素または本発明の特定実施形態において定義された任意の他の置換基で置換可能である。
当業者は、任意の環状基(すなわち、任意の炭素環及びヘテロ環)が脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族であることを理解することができる。
本発明の文脈において、環状基(すなわち、1つの環、複数の環、環系、炭素環、ヘテロ環)を言及するとき、用語「脂肪族」は、環状コア構造(選択的に結合された置換基は含まず)の芳香族またはヘテロ芳香族環または環系の一部ではない1以上の環原子を含む。好ましくは、脂肪族環状基内のほとんどの環原子、より好ましくは、全ての環原子は、芳香族またはヘテロ芳香族環または環系(例えば、シクロヘキサンまたはピペリジンにおいて)の一部ではない。ここで、一般的に脂肪族環または環系を言及するとき、炭素環基とヘテロ環基との間に区別が行われず、用語「脂肪族」は、脂肪族環基内でヘテロ原子が含まれるか否かを示すために、炭素環またはヘテロ環を説明する形容詞としても使用される。
熟練された技術者によって理解されるように、用語「アリール」及び「芳香族」は、最も広い意味において、任意の単環式芳香族部分、二環式芳香族部分または多環式芳香族部分、すなわち、全ての環原子が芳香族環系の一部である環基、好ましくは、同一芳香族環系の一部としても理解される。しかし、本出願の全体にわたって、用語「アリール」及び「芳香族」は、全ての芳香族環原子が炭素原子である単環式芳香族部分、二環式芳香族部分または多環式芳香族部分に制限される。対照的に、本願において、用語「ヘテロアリール」及び「ヘテロ芳香族」は、1以上の芳香族炭素環原子が、ヘテロ原子(すなわち、炭素ではない)によって置換された任意の単環式芳香族部分、二環式芳香族部分または多環式芳香族部分を称する。本発明の特定の実施形態において特に言及されない限り、「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」内の少なくとも1つのヘテロ原子は、それぞれの場合に、同一でもあり、あるいは異なってもおり、N、O、S及びSe、より好ましくは、N、O及びSからなる群から個別的に選択されうる。当業者は、形容詞「芳香族」及び「ヘテロ芳香族」が任意の環状基(すなわち、任意の環系)を記述するのにも使用されることを理解する。すなわち、芳香族環状基(すなわち、芳香族環系)はアリール基であり、ヘテロ芳香族環状基(すなわち、ヘテロ芳香族環系)はヘテロアリール基である。
本発明の特定の実施形態において特に言及されない限り、本願において、アリール基は、好ましくは、6~60個の芳香族環原子、より好ましくは、6~40個の芳香族環原子、より一層好ましくは、6~18個の芳香族環原子を含む。本発明の特定の実施形態において特に言及されない限り、本願において、ヘテロアリール基は、好ましくは、5~60個の芳香族環原子、より好ましくは、5~40個の芳香族環原子、より一層好ましくは、5~20個の芳香族環原子を含み、そのうち少なくとも1つはヘテロ原子であり、好ましくは、N、O、S及びSe、より好ましくは、N、O及びSから選択される。1以上のヘテロ原子がヘテロ芳香族基を含む場合、全てのヘテロ原子は、好ましくは、互いに独立して、N、O、S及びSe、より好ましくは、N、O及びSから選択される。
本発明の文脈において、芳香族基及びヘテロ芳香族基(例えば、アリール置換基またはヘテロアリール置換基)の両方に対し、芳香族環炭素原子の数は、特定の置換基の定義において下付き数字、例えば、「C-C60アリール」の形態に与えられる。これは、それぞれのアリール置換基が6~60個の芳香族炭素環原子を含むことを意味する。脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族の置換基であるか否かにかかわらず、全ての他の種類の置換基で許容される炭素原子の数を示すために、同一の下付き数字が使用される。例えば、「C-C40アルキル」という表現は、1~40個の炭素原子を含むアルキル置換基を意味する。
アリール基の好ましい例は、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、フルオランテン、ベンズアントラセン、ベンゾフェナントレン、テトラセン、ペンタセン、ベンゾピレンまたはそれら基の組み合わせを含む。
ヘテロアリール基の好ましい例は、フラン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン;ピロール、インドール、イソインドール、カルバゾール、インドロカルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、アクリジン、フェナントリジン、ベンゾ-5,6-キノリン、ベンゾ-6,7-キノリン、ベンゾ-7,8-キノリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ピラゾール、インダゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリドイミダゾール、ピラジノイミダゾール、キノキサリノイミダゾール、オキサゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、1,2-チアゾール、1,3-チアゾール、ベンゾチアゾール、ピリダジン、ベンゾピリダジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、1,3,5-トリアジン、1,2,4-トリアジン、1,2,3-トリアジン、キノキサリン、ピラジン、フェナジン、ナフチリジン、カルボリン、ベンゾカルボリン、フェナントロリン、1,2,3-トリアゾール、1,2,4-トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,4-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾール、1,2,3,4-テトラジン、1,2,4,5-テトラジン、プリン、プテリジン、インドリジン及びベンゾチアジアゾール、またはそれら基の組み合わせを含む。
本願の全般にわたって使用される用語「アリーレン」は、他の分子構造に対し、2つの結合部位を保有し、リンカー構造の役割を行う二価アリール置換基を意味する。同じ見地から、用語「ヘテロアリーレン」は、他の分子構造に対し、2つの結合部位を保有し、リンカー構造の役割を行う二価アリール置換基を意味する。
本発明の文脈において、芳香族環系またはヘテロ芳香族環系を言及するとき、用語「縮合された」は、「縮合された」芳香族環またはヘテロ芳香族環が両方の環系の一部である少なくとも1つの結合を共有することを意味する。例えば、ナフタレン(または、置換基として言及されるとき、ナフチル)またはベンゾチオフェン(または、置換基として言及されるとき、ベンゾチオフェニル)は、本発明の文脈において縮合芳香族環系と見なされ、ここで、2つのベンゼン環(ナフタレンの場合)またはチオフェン及びベンゼン(ベンゾチオフェンの場合)は、1つの結合を共有する。また、そのような文脈において結合を共有することは、それぞれの結合を構成する2つの原子を共有することを含むものとも理解され、縮合芳香族環系またはヘテロ芳香族環系は、1つの芳香族系またはヘテロ芳香族系とも理解される。また、縮合芳香族環系またはヘテロ芳香族環系(例えば、ピレンで)を構成する芳香族環またはヘテロ芳香族環によって1以上の結合が共有されるものとも理解される。また、脂肪族環系も縮合され、これは、縮合脂肪族環系が芳香族ではないという点を除いては、芳香族環系またはヘテロ芳香族環系と同一の意味を有するものとも理解されるであろう。また、芳香族環系またはヘテロ芳香族環系は、脂肪族環系と縮合(すなわち、最小限1つの結合を共有)されうる。
本発明の文脈において、用語「縮合(condensed)」環系は、「融合(fused)」環系と同一の意味を有する。
本発明の特定の実施形態において、環または環系に結合された隣接した置換基は、前記置換基が結合された芳香族またはヘテロ芳香族環または環系に縮合された、更なる単環または多環、脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族環系を形成することができる。選択的にそのように形成された縮合環系は、隣接した置換基が結合された芳香族またはヘテロ芳香族環または環系よりさらに大きい(さらに多い環原子を含むことを意味する)ものとも理解される。その場合(及びそのような数字が提供される場合)、縮合環系に含まれた環原子の「総」数は、芳香族またはヘテロ芳香族環または環系に含まれた環原子の和と理解されなければならない。隣接した置換基は結合され、追加環系の環原子は、隣接した置換基によって形成されるが、縮合環によって共有される環原子は、二回ではなく一回に計算される。例えば、ベンゼン環は、ナフタレンコアが形成されるように、さらに他のベンゼン環を形成する2つの隣接した置換基を有することができる。当該ナフタレンコアは、2つの炭素原子が2つのベンゼン環によって共有され、二回ではなく、一回のみ計算されるので、10個の環原子を含むことになる。当該文脈において、用語「隣接した置換基」は、同一のまたは隣接する原子に結合された置換基を意味する。
一般的に、本発明の文脈において、用語「隣接した置換基」または「隣接した基」は、同一のまたは隣接する原子に結合された置換基または基を意味する。
本発明の文脈において、用語「アルキル基」は、最も広い意味において、任意の線状、分枝状または環状のアルキル置換基としても理解される。特に、用語「アルキル」は、置換基である、メチル(Me)、エチル(Et)、n-プロピル(Pr)、i-プロピル(Pr)、シクロプロピル、n-ブチル(Bu)、i-ブチル(Bu)、s-ブチル(Bu)、t-ブチル(Bu)、シクロブチル、2-メチルブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、t-ペンチル、2-ペンチル、ネオ-ペンチル、シクロペンチル、n-ヘキシル、s-ヘキシル、t-ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、ネオ-ヘキシル、シクロヘキシル、1-メチルシクロペンチル、2-メチルペンチル、n-へプチル、2-へプチル、3-へプチル、4-へプチル、シクロへプチル、1-メチルシクロヘキシル、n-オクチル、2-エチルヘキシル、シクロオクチル、1-ビシクロ[2,2,2]オクチル、2-ビシクロ[2,2,2]オクチル、2-(2,6-ジメチル)オクチル、3-(3,7-ジメチル)オクチル、アダマンチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,1-ジメチル-n-ヘキス-1-イル、1,1-ジメチル-n-ヘプト-1-イル、1,1-ジメチル-n-オクト-1-イル、1,1-ジメチル-n-デス-1-イル、1,1-ジメチル-n-ドデス-1-イル、1,1-ジメチル-n-テトラデス-1-イル、1,1-ジメチル-n-ヘキサデス-1-イル、1,1-ジメチル-n-オクタデス-1-イル、1,1-ジエチル-n-ヘキス-1-イル、1,1-ジエチル-n-ヘプト-1-イル、1,1-ジエチル-n-オクト-1-イル、1,1-ジエチル-n-デス-1-イル、1,1-ジエチル-n-ドデス-1-イル、1,1-ジエチル-n-テトラデス-1-イル、1,1-ジエチル-n-ヘキサデス-1-イル、1,1-ジエチル-n-オクタデス-1-イル、1-(n-プロピル)-シクロヘキス-1-イル、1-(n-ブチル)-シクロヘキス-1-イル、1-(n-ヘキシル)-シクロヘキス-1-イル、1-(n-オクチル)-シクロヘキス-1-イル及び1-(n-デシル)-シクロヘキス-1-イルを含む。
例えばs-ブチル、s-ペンチル及びs-へキシルにおいて、「s」は「二次」を意味し、すなわち、s-ブチル、s-ペンチル及びs-へキシルは、それぞれsec-ブチル、sec-ペンチル及びsec-へキシルと同一である。例えば、t-ブチル、t-ペンチル及びt-へキシルにおいて、「t」は「三次」を意味し、すなわち、t-ブチル、t-ペンチル及びt-へキシルは、それぞれtert-ブチル、tert-ペンチル及びtert-へキシルと同一である。
本明細書の全体にわたって使用されているように、用語「アルケニル」は、線状、分枝状及び環状のアルケニル置換基を含む。用語「アルケニル基」は、例えば、置換基である、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニルまたはシクロオクタジエニルを含む。
本明細書の全体にわたって使用されているように、用語「アルキニル」は、線状、分枝状及び環状のアルキニル置換基を含む。用語「アルキニル基」は、例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニルまたはオクチニルを含む。
本明細書の全体にわたって使用されているように、用語「アルコキシ」は、線状、分枝状及び環状のアルコキシ置換基を含む。用語「アルコキシ基」は、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ及び2-メチルブトキシを含む。
本明細書の全体にわたって使用されている用語「チオアルコキシ」は、線状、分枝状及び環状のチオアルコキシ置換基を含み、ここで、例示的なアルコキシ基のOは、Sに代替される。
本明細書の全体にわたって使用されている用語「ハロゲン」(または、化学命名法で置換基を示すとき、「ハロ」)は、最も広い意味において、元素周期表の7番目の主族(すなわち、17族)の元素の任意の原子、好ましくは、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であるとも理解される。
分子フラグメントが、置換基や、他の部分に結合していると記述されるとき、その名称は、まさしくそれがフラグメント(例えば、ナフチル、ジベンゾフリル)であるように、あるいは全体分子(例えば、ナフタレン、ジベンゾフラン)であるようにも記述される。本明細書に使用されているように、置換基、または結合されたフラグメントを記述する前記方式は、同等であると見なされる。
また、本願において「C-C60アリール」または「C-C40アルキル」のような置換基がその置換基内の結合部位を示す名称なしに言及される度に、これは、それぞれの置換基が任意の原子を介して結合されることを意味する。例えば、「C-C60アリール」置換基は、任意の6~60個の芳香族炭素原子を介して結合され、「C-C40アルキル」置換基は、任意の1~40個の脂肪族炭素原子を介して結合される。一方、「2-シアノフェニル」置換基は、正確な化学命名法を許容するように、そのCN基が結合部位に隣接する方式のみによって結合される。
本発明の文脈において、「ブチル」、「ビフェニル」または「ターフェニル」のような置換基が追加詳細なしに言及される度に、これは、それぞれの置換基の任意の異性質体が特定の置換基として許容されることを意味する。これと係わり、例えば、置換基としての用語「ブチル」は、置換基として、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル及びイソ-ブチルを含む。同様に、置換基として、用語「ビフェニル」は、オルト-ビフェニル、メタ-ビフェニルまたはパラ-ビフェニルを含み、ここで、オルト、メタ及びパラは、ビフェニル置換基を有するそれぞれの化学的部分に対するビフェニル置換基の結合部位に係わって定義される。同様に、用語「ターフェニル」は、置換基として、3-オルト-ターフェニル、4-オルト-ターフェニル、4-メタ-ターフェニル、5-メタ-ターフェニル、2-パラ-ターフェニルまたは3-パラ-ターフェニルを含み、ここで、熟練された技術者に知られたように、オルト、メタ及びパラは、互いに対するターフェニル基内の2つのPh部分の位置を示し、「2-」、「3-」、「4-」及び「5-」は、ターフェニル置換基を有するそれぞれの化学的部分に対するターフェニル置換基の結合位置を示す。
上記に定義された全ての基及び実際に全ての化学的部分は、それらが環状または非環状、脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族であるか否かにかかわらず、本願に記載された特定の実施形態によってさらに置換可能であるものと理解される。
本実施形態において、基が、ここで与えられた一般定義と異なるように定義される場合には、本実施形態における定義が適用される。
本願に言及された任意の構造に含まれた全ての水素原子(H)は、それぞれの場合に互いに独立して、具体的に述べられない限り、重水素(D)にも置換される。水素を重水素に置換することは、一般慣行であり、当業者には明白である。
実験または計算データを比較する場合、同一の方法論によって値を決定しなければならない。例えば、特定方法により、実験的なΔESTが0.4eV未満と決定されれば、同一条件を含む同一特定方法を使用する場合にのみ比較が有効である。具体的な例を挙げれば、相異なっている化合物のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)の比較は、PLQYの決定が同一反応条件(例えば、室温、10% PMMAフィルムにおける測定)で同一プロトコルによって行われた場合にのみ有効である。また、計算されたエネルギー値は、同一計算方法(同一関数及び同一基本セットと共に)によって決定される。
ハイパーフルオレッセンスは、光電子素子、特にOLEDからの発光に係わる概念であって、少なくとも1つの発光層は、1以上のTADF物質及び1以上の蛍光エミッタを含む。ハイパーフルオレッセンスにおいて、少なくとも1つのTADF物質は、RISC(reverse-intersystem-crossing)により、三重項励起状態を一重項励起状態に変換することができ、励起エネルギーを少なくとも1つの蛍光エミッタに移動させた後、光を発光する。これは、効率的な蛍光生成のために、三重項励起子を利用できる可能性がある。
本発明による有機分子を含む光電子素子
本発明の更なる態様は、本発明による有機分子を含む光電子素子に係わるものである。
本発明による有機分子を含む光電子素子の一実施形態において、下記からなる群から選択される:
・有機発光ダイオード(OLED)
・発光電気化学電池
・OLEDセンサ、特に、外部と完全に遮断されていないガスセンサ及び蒸気センサ
・有機ダイオード
・有機太陽電池
・有機トランジスタ
・有機電界効果トランジスタ
・有機レーザ
・ダウンコンバージョン素子。
発光電気化学セルは、カソード、アノード及び本発明による有機分子を含む活性層の3層からなる。
好ましい実施形態において、本発明による有機分子を含む光電子素子は、有機発光ダイオード(OLED)、発光電気化学セル(LEC)、有機レーザ及び発光トランジスタからなる群から選択される。
より好ましい実施形態において、本発明による有機分子を含む光電子素子は、有機発光ダイオード(OLED)である。
一実施形態において、本発明による有機分子を含む光電子素子は、下記層構造を有するOLEDである:
1.基板
2.アノード層A
3.正孔注入層(HIL)
4.正孔輸送層(HTL)
5.電子阻止層(EBL)
6.発光層(EML)
7.正孔阻止層(HBL)
8.電子輸送層(ETL)
9.電子注入層(EIL)
10.カソード層C
ここで、該OLED(逆積み層構造を有する)は、アノード層A、カソード層C及び発光層EMLを除いたそれぞれの層を選択的に含み、異なる層が併合され、該OLEDは、前述のところで定義された各層類型のうち1層以上の層を含むものでもある。
また、本発明による少なくとも1つの有機分子を含む光電子素子は、例えば、水分、蒸気及び/またはガスを含む環境内の有害物質に対する損傷露出から素子を保護する1層以上の保護層を選択的に含んでもよい。
本発明の一実施形態において、本発明による有機分子を含む光電子素子は、下記の逆積み層(inverted layer)構造を有するOLEDである:
1.基板
2.カソード層C
3.電子注入層(EIL)
4.電子輸送層(ETL)
5.正孔阻止層(HBL)
6.発光層(EML)
7.電子阻止層(EBL)
8.正孔輸送層(HTL)
9.正孔注入層(HIL)
10.アノード層A
ここで、該OLEDは、アノード層A、カソード層C及び発光層EMLを除いたそれぞれの層を選択的に含み、異なる層が併合され、該OLEDは、前述のところで定義された各層類型のうち1層以上の層を含むものでもある。
本発明による有機分子(前述の実施形態による)は、正確な構造及び置換によって多様な層に使用可能である。用途の場合、光電子素子、特にOLEDのそれぞれの層において、本発明による有機分子の分率は、0.1~99重量%(重量百分率)、より特に1~80重量%である。代案的な実施形態において、それぞれの層において、有機分子の割合は100重量%である。
一実施形態において、本発明による有機分子を含む光電子素子は、積層構造を有することができるOLEDである。前記構造においては、OLEDが並んで配される一般配置とは異なり、個別ユニットが互いの上に積層される。混合光は、積層構造を示すOLEDによって生成され、特に、白色光は、青色OLED、緑色OLED及び赤色OLEDを積層して生成される。また、積層構造を示すOLEDは、選択的に電荷生成層(CGL)を含んでもよく、それは、一般的に、2つのOLEDサブユニット間に位置し、一般的に、n-ドーピングされた層及びp-ドーピングされた層として構成される。一般的に、1つのCGLのn-ドーピングされた層がアノード層にさらに近く位置する。
一実施形態において、本発明による有機分子を含む光電子素子は、アノードとカソードとの間に、2層以上の発光層を含むOLEDである。特に、いわゆるタンデムOLEDは、3層の発光層を含み、ここで、1層の発光層は、赤色光を発光し、1層の発光層は、緑色光を発光し、1層の発光層は、青色光を発光し、選択的に、個々の発光層間に、電荷生成層、電荷阻止層または電荷輸送層のような追加層を含んでもよい。更なる実施形態において、該発光層は、隣接するように積層される。更なる実施形態において、該タンデムOLEDは、それぞれの2層の発光層間に電荷生成層を含む。また、隣接した発光層、または電荷生成層によって分離した発光層が併合されうる。
一実施形態において、少なくとも1つの本発明による有機分子を含む光電子素子は、本質的に白色光電子素子でもあり、これは、素子が白色光を発光するということを意味する。例えば、そのような白色光電子素子は、少なくとも1つの(深)青色エミッタ分子、及び緑色光及び/または赤色光を発光する1以上のエミッタ分子を含むものでもある。その後、本文の後項で説明されたように、2以上の分子間に選択的にエネルギー移動がありうる。
本発明による有機分子を含む光電子素子の場合、本発明による少なくとも1つの有機分子は、光電子素子の発光層(EML)、最も好ましくは、OLEDのEMLに含まれる。しかし、本発明による有機分子は、例えば、電子輸送層(ETL)及び/または電子阻止層(EBL)または励起子阻止層及び/または正孔輸送層(HTL)及び/または正孔阻止層(HBL)でも使用される。使用される場合、光電子素子、特にOLEDのそれぞれの層において、本発明による有機分子の分率は、0.1~99重量%、より特に1~80重量%である。代案的な実施形態において、それぞれの層において、有機分子の割合は100重量%である。
光電子素子、特にOLEDの個々の層に適している材料の選択基準は、当業者の常識の一部を形成する。最新技術は、個々の層に使用される多くの物質を示しており、どの物質が互いに共に使用するのに適しているかを知らせる。最新技術で使用される任意の物質が、本発明による有機分子を含む光電子素子にも使用可能であることが理解される。以下、個々の層に対する物質の好ましい例が与えられるであろう。前述のように、これは、下記に列挙された全ての類型の層が、本発明による少なくとも1つの有機分子を含む光電子素子に存在すべきであることを意味しないものと理解される。さらに、本発明による少なくとも1つの有機分子を含む光電子素子は、例えば、2以上の発光層(EML)のように、下記に羅列されたそれぞれの層のうち1以上を含むものと理解される。同一類型の2以上の層(例えば、2以上のEML、または2以上のHTL)が、必ずしも同一物質、さらには、同一割合の同一物質を含むものではないとも理解される。また、本発明による少なくとも1つの有機分子を含む光電子素子は、下記に列挙された全ての類型の層を含む必要はなく、ここで、アノード層、カソード層及び発光層は、一般的に全ての場合に存在する。
基板は、任意の材料、または該材料の組成物によっても形成される。ほとんど、ガラススライドが基板として使用される。代案としては、薄い金属層(例えば、銅、金、銀またはアルミニウムフィルム)、またはプラスチックフィルムやプラスチックスライドが使用されうる。それは、さらに高レベルの柔軟性を許容することができる。アノード層Aは、ほとんど(本質的に)透明なフィルムを得ることができる材料によって構成される。OLEDからの発光を許容するために、二電極のうち少なくとも1つは、(本質的に)透明ではなければならないので、アノード層Aまたはカソード層Cのうち一層は透明である。好ましくは、アノード層Aは、透明導電性酸化物(TCOs)を多量含むか、あるいはそれからなる。そのようなアノード層Aは、例えば、インジウムスズ酸化物、アルミニウム亜鉛酸化物、フッ素ドーピングされたスズ酸化物、インジウム亜鉛酸化物、PbO、SnO、ジルコニウム酸化物、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、タングステン酸化物、黒鉛、ドーピングされたSi、ドーピングされたGe、ドーピングされたGaAs、ドーピングされたポリアニリン、ドーピングされたポリピロール及び/またはドーピングされたポリチオフェンを含むものでもある。
好ましくは、アノード層Aは、(本質的に)インジウムスズ酸化物(ITO)(例えば、(InO0.9(SnO0.1)で構成される。透明導電性酸化物(TCO)によるアノード層Aの粗さは、正孔注入層(HIL)を使用することによっても緩和される。また、該HILは、TCOから正孔輸送層(HTL)への類似電荷キャリア(すなわち、正孔)の輸送が促進されるという点において、類似電荷キャリアの注入を容易にする。正孔注入層(HIL)は、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリスチレンスルホン酸(PSS)、MoO、V、CuPCまたはCuI、特に、PEDOT及びPSSの混合物を含むものでもある。正孔注入層(HIL)は、また、アノード層Aから正孔輸送層(HTL)に金属が拡散することを防止することができる。例えば、該HILは、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン:ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)、ポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、4,4’,4”-トリス[フェニル(m-トリル)アミノ]トリフェニルアミン(mMTDATA)、2,2’,7,7’-テトラキス(n,n-ジフェニルアミノ)-9,9’-スピロビフルオレン(Spiro-TAD)、N1,N1’-(ビフェニル-4,4’-ジイル)ビス(N1-フェニル-N4,N4-ジ-m-トリルベンゼン-1,4-ジアミン(DNTPD)、N,N’-ニス-(1-ナフタレニル)-N,N’-ビス-フェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(NPB)、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ-[4-(N,N-ジフェニルアミノ)フェニル]ベンジジン(NPNPB)、N,N,N’,N’-テトラキス(4-メトキシフェニル)ベンジジン(MeO-TPD)、1,4,5,8,9,11-ヘキサアザトリフェニレン-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN)及び/またはN,N’-ジフェニル-N,N’-ビス-(1-ナフチル)-9,9’-スピロビフルオレン-2,7-ジアミン(Spiro-NPD)によっても構成される。
アノード層Aまたは正孔注入層(HIL)に隣接し、一般的に、正孔輸送層(HTL)が位置する。ここで、任意の正孔輸送化合物が使用されうる。例えば、トリアリールアミン及び/またはカルバゾールのような、電子が豊富なヘテロ芳香族化合物が、正孔輸送化合物としても使用される。該HTLは、アノード層Aと発光層(EML)との間のエネルギー障壁を低減させることができる。該正孔輸送層(HTL)は、また、電子阻止層(EBL)でもある。好ましくは、該正孔輸送化合物は、比較的高いエネルギー準位の三重項状態T1を有する。例えば、正孔輸送層(HTL)は、トリス(4-カルバゾリル-9-イルフェニル)アミン(TCTA)、ポリ(4-ブチルフェニル-ジフェニルアミン)(poly-TPD)、ポリ(4-ブチルフェニル-ジフェニルアミン)(α-NPD)、4,4’-シクロヘキシリデン-ビス[N,N-ビス(4-メチルフェニル)ベンゼンアミン](TAPC)、4,4’,4”-トリス[2-ナフチル(フェニル)-アミノ]トリフェニルアミン(2-TNATA)、2,2’,7,7’-テトラキス(n,n-ジフェニルアミノ)-9,9’-スピロビフルオレン(Spiro-TAD)、N1,N1’-(ビフェニル-4,4’-ジイル)ビス(N1-フェニル-N4,N4-ジ-m-トリルベンゼン-1,4-ジアミン(DNTPD)、N,N’-ビス-(1-ナフタレニル)-N,N’-ビス-フェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(NPB)、N,N’-ジフェニル-N,N’-ジ-[4-(N,N-ジフェニルアミノ)フェニル]ベンジジン(NPNPB)、N,N,N’,N’-テトラキス(4-メトキシフェニル)ベンジジン(MeO-TPD)、1,4,5,8,9,11-ヘキサアザトリフェニレン-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN)及び/または9,9’-ジフェニル-6-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H,9’H-3,3’-ビカルバゾール(TrisPcz)のような星状のヘテロ環を含むものでもある。また、該HTLは、有機正孔輸送マトリックス内の無機または有機ドーパントによっても構成されるp-ドーピングされた層を含むものでもある。該無機ドーパントとしては、例えば、バナジウム酸化物、モリブデン酸化物またはタングステン酸化物のような遷移金属酸化物が使用されうる。該有機ドーパントとしては、例えば、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F-TCNQ)、銅-ペンタフルオロ安息香酸(Cu(I)pFBz)または遷移金属錯体が使用されうる。
EBLは、例えば、1,3-ビス(カルバゾール-9-イル)ベンゼン(mCP)、トリス(4-カルバゾイル-9-イルフェニル)アミン(TCTA)、4,4’,4”-トリス[2-ナフチル(フェニル)アミノ]トリフェニルアミン(2-TNATA)、3,3-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)ビフェニル(mCBP)、9-フェニル-3,6-ビス(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H-カルバゾール(tris-Pcz)、9-(4-tert-ブチルフェニル)-3,6-ビス(トリフェニルシリル)-9H-カルバゾール(CzSi)及び/またはN,N’-ジカルバゾリル-1,4-ジメチルベンゼン(DCB)を含むものでもある。
正孔輸送層(HTL)または(存在する場合)電子阻止層(EBL)に隣接し、一般的に発光層(EML)が位置する。発光層(EML)は、少なくとも1つの発光分子(すなわち、エミッタ物質)を含む。一般的に、EMLは、1以上のホスト物質(マトリックス物質ともいう)をさらに含む。例えば、ホスト物質は、4,4’-ビス-(N-カルバゾリル)-ビフェニル(CBP)、1,3-ビス(カルバゾール-9-イル)ベンゼン(mCP)、3,3-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)ビフェニル(mCBP)、ジベンゾ[b,d]チオフェン-2-イルトリフェニルシラン(Sif87)、9-(4-tert-ブチルフェニル)-3,6-ビス(トリフェニルシリル)-9H-カルバゾール(CzSi)、ジベンゾ[b,d]チオフェン-2-イル)ジフェニルシラン(Sif88)、ビス[2-(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテルオキサイド(DPEPO)、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾチオフェン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3,5-ビス(2-ジベンゾフラニル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3,5-ビス(2-ジベンゾチオフェニル)フェニル]-9H-カルバゾール、2,4,6-トリス(ビフェニル-3-イル)-1,3,5-トリアジン(T2T)、2,4,6-トリス(トリフェニル-3-イル)-1,3,5-トリアジン(T3T)及び/または2,4,6-トリス(9,9’-スピロビフルオレン-2-イル)-1,3,5-トリアジン(TST)のうち選択される。当業者に知られているように、ホスト物質は、一般的に、第1(すなわち、最低)励起三重項状態(T1)及び第1(すなわち、最低)励起一重項状態(S1)エネルギー準位を示すように選択されなければならず、これは、それぞれのホスト物質に組み込まれた少なくとも1つの発光分子の第1(すなわち、最低)励起三重項状態(T1)及び第1(すなわち、最低)励起一重項状態(S1)エネルギー準位よりもエネルギーが高い。
前述のように、本発明の文脈において、光電子素子の少なくとも1つのEMLは、本発明による少なくとも1つの分子を含むことが好ましい。本発明による少なくとも1つの有機分子を含む光電子素子のEMLの好ましい組成は、本文の後項(以下参照)でさらに詳細に説明する。
発光層(EML)に隣接し、電子輸送層(ETL)が位置しうる。ここで、任意の電子輸送体が使用されうる。例示的には、ベンズイミダゾール、ピリジン、トリアゾール、トリアジン、オキサジアゾール(例えば、1,3,4-オキサジアゾール)、ホスフィンオキシド及びスルホンのような電子不足化合物が使用されうる。該電子輸送体は、また、1,3,5-トリ(1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)フェニル(TPBi)のような星状のヘテロ環でもある。該ETLは、例えば、2,9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(NBphen)、アルミニウム-トリス(8-ヒドロキシキノリン)(Alq)、ジフェニル-4-トリフェニルシリルフェニル-ホスフィンオキサイド(TSPO1)、2,7-ジ(2,2’-ビピリジン-5-イル)トリフェニル(BPyTP2)、ジベンゾ[b,d]チオフェン-2-イルトリフェニルシラン(Sif87)、ジベンゾ[b,d]チオフェン-2-イル)ジフェニルシラン(Sif88)、1,3-ビス[3,5-ジ(ピリジン-3-イル)フェニル]ベンゼン(BmPyPhB)及び/または4,4’-ビス-[2-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジニル)]-1,1’-ビフェニル(BTB)を含むものでもある。選択的に、該ETLは、8-ヒドロキシキノリノラトリチウム(Liq)のような物質によってもドーピングされる。該電子輸送層(ETL)は、また、正孔を阻止することができる。または、一般的にEMLとETLとの間に正孔阻止層(HBL)が導入される。
正孔阻止層(HBL)は、例えば、2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン=バソクプロイン(BCP)、4,6-ジフェニル-2-(3-(トリフェニルシリル)フェニル)-1,3,5-トリアジン、9,9’-(5-(6-([1,1’-ビフェニル]-3-イル)-2-フェニルピリミジン-4-イル)-1,3-フェニレン)ビス(9H-カルバゾール)、ビス(8-ヒドロキシ-2-メチルキノリン)-(4-フェニルフェノキシ)アルミニウム(BAlq)、2,9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(NBphen)、アルミニウム-トリス(8-ヒドロキシキノリン)(Alq)、ジフェニル-4-トリフェニルシリルフェニル-ホスフィンオキサイド(TSPO1)、2,4,6-トリス(ビフェニル-3-イル)-1,3,5-トリアジン(T2T)、2,4,6-トリス(トリフェニル-3-イル)-1,3,5-トリアジン(T3T)、2,4,6-トリス(9,9’-スピロビフルオレン-2-イル)-1,3,5-トリアジン(TST)及び/または1,3,5-トリス(N-カルバゾリル)ベンゾール/1,3,5-トリス(カルバゾール)-9-イル)ベンゼン(TCB/TCP)を含むものでもある。
電子輸送層(ETL)に隣接し、カソード層Cが位置しうる。該カソード層Cは、例えば、金属(例えば、Al、Au、Ag、Pt、Cu、Zn、Ni、Fe、Pb、LiF、Ca、Ba、Mg、In、WまたはPd)または金属合金を含むか、あるいはそれからなる。実用的な理由により、該カソード層Cは、Mg、CaまたはAlのような(本質的に)不透明な金属によっても構成される。代案としてまたは追加的に、該カソード層Cは、また、黒鉛及び/または炭素ナノチューブ(CNT)を含むものでもある。代案としては、カソード層Cは、また、ナノスケール銀ワイヤを含むか、あるいはそれからなる。
少なくとも1つの本発明による有機分子を含むOLEDは、選択的に、電子輸送層(ETL)とカソード層Cとの間に、保護層(電子注入層(EIL)とも称される)をさらに含んでもよい。該層は、フッ化リチウム、フッ化セシウム、銀、8-ヒドロキシキノリノラトリチウム(Liq)、LiO、BaF、MgO及び/またはNaFを含むものでもある。
選択的に、電子輸送層(ETL)及び/または正孔阻止層(HBL)は、また、1以上のホスト化合物を含むものでもある。
本明細書に使用されているように、特定文脈において、さらに具体的に定義されない場合、発光及び/または吸収された光の色相指定は、下記の通りである:
紫色:>380~420nmの波長範囲
深青色:>420~480nmの波長範囲
空色:>480~500nmの波長範囲
緑色:>500~560nmの波長範囲
黄色:>560~580nmの波長範囲
オレンジ色:>580~620nmの波長範囲
赤色:>620~800nmの波長範囲。
エミッタ分子(すなわち、エミッタ物質)と係わり、そのような色相は、主発光ピークの最大発光を示す。従って、例えば、深青色エミッタは、>420~480nm範囲で最大発光を有し、空色エミッタは、>480~500nm範囲で最大発光を有し、緑色エミッタは、>500~560nm範囲で最大発光を有し、赤色エミッタは、>620~800nm範囲で最大発光を有する。
深青色エミッタは、好ましくは、475nm未満、より好ましくは、470nm未満、より一層好ましくは、465nm未満、またははなはだしくは、460nm未満の最大発光を有することができる。それは、一般的に、420nm以上、好ましくは、430nm以上、より好ましくは、440nm以上、またははなはだしくは、450nm以上である。一実施形態において、本発明による有機分子は、一般的に、室温(すなわち、(約)20℃)で、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内に本発明による有機分子10重量%を含むスピンコーティング膜から測定された、420~500nm、より好ましくは、430~490nm、より一層好ましくは、440~480nm、最も好ましくは、450~470nmの最大発光を示す。
さらに他の実施形態は、本発明による少なくとも1つの有機分子を含み、ITU-R Recommendation BT.2020(Rec.2020)によって定義されているような原色青色(CIEx=0.131及びCIEy=0.046)のCIEx(=0.131)及びCIEy(=0.046)の色座標に近いCIEx及びCIEyの色座標を有する光を発光するOLEDに係わるものであり、これは、UHD(Ultra High Definition)ディスプレイ、例えば、UHD-TVに使用するのに適している。したがって、本発明の更なる態様は、発光が、0.02~0.30、好ましくは、0.03~0.25、より好ましくは、0.05~0.20、より一層好ましくは、0.08~0.18、さらには、0.10~0.15のCIEx色座標、及び/または、0.00~0.45、好ましくは、0.01~0.30、より好ましくは、0.02~0.20、より一層好ましくは、0.03~0.15、さらには、0.04~0.10のCIEy色座標を示す、1以上の本発明による有機分子を含むOLEDに係わるものである。
さらに他の実施形態は、1000cd/mにおいて、8%超過、好ましくは、10%超過、より好ましくは、13%超過、より一層好ましくは、15%超過、さらには、20%超過の外部量子効率を示し、及び/または、420nm~500nm、好ましくは、430nm~490nm、より好ましくは、440nm~480nm、より一層好ましくは、450nm~470nmの最大発光を示し、及び/または、500cd/mにおいて、100h超過、好ましくは、200h超過、より好ましくは、400h超過、より一層好ましくは、750h超過、さらには、1000h超過のLT80値を示す、少なくとも1つの本発明による有機分子を含むOLEDに係わるものである。
緑色エミッタ物質は、好ましくは、500~560nm、より好ましくは、510~550nm、より一層好ましくは、520~540nmの最大発光を有することができる。好ましい実施形態において、本発明による有機分子は、一般的に、室温(すなわち、(約)20℃)で、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内に本発明による有機分子10重量%を含むスピンコーティング膜から測定された、500~600nm、より好ましくは、510~550nm、最も好ましくは、520~540nmの最大発光を示す。
さらに他の実施形態は、本発明による少なくとも1つの有機分子を含み、ITU-R Recommendation BT.2020(Rec.2020)によって定義されているような原色緑色(CIEx=0.170及びCIEy=0.797)のCIEx(=0.170)及びCIEy(=0.797)の色座標に近いCIEx及びCIEyの色座標を有する光を発光するOLEDに係わるものであり、これは、UHDディスプレイ、例えば、UHD-TVに使用するのに適している。本段落において「近い」という用語は、本段落の末尾に提供されたCIEx及びCIEyの色座標の範囲を示す。商業的応用において、典型的に上部発光素子(上部電極が透明である)が使用される一方、本発明の全般にわたって使用されるテスト素子は、下部発光素子(下部電極及び基板が透明である)を示す。したがって、本発明の更なる態様は、発光が、0.10~0.45、好ましくは、0.10~0.35、より好ましくは、0.10~0.30、より一層好ましくは、0.10~0.25、さらには、0.15~0.20のCIEx色座標、及び/または、0.60~0.92、好ましくは、0.65~0.90、より好ましくは、0.70~0.88、より一層好ましくは、0.75~0.86、さらには、0.79~0.84のCIEy色座標を示す、1以上の本発明による有機分子を含むOLEDに係わるものである。
さらに他の好ましい実施形態は、14500cd/mにおいて、10%超過、好ましくは、13%超過、より好ましくは、15%超過、より一層好ましくは、17%超過、さらには、20%超過の外部量子効率を示し、及び/または、500~560nm、好ましくは、510~550nm、より好ましくは、520~540nmの最大発光を示し、及び/または、14500cd/mにおいて、100h超過、好ましくは、250h超過、より好ましくは、500h超過、より一層好ましくは、750h超過、さらには、1000h超過のLT97値を示す、少なくとも1つの本発明による有機分子を含むOLEDに係わるものである。
さらに他の好ましい実施形態は、少なくとも1つの本発明による有機分子を含み、明確な色点で発光するOLEDに係わるものである。好ましくは、OLEDは、狭い発光帯域(小さい半値幅(full width at half maximum: FWHM))を有する光を発光する。好ましい実施形態において、少なくとも1つの本発明による有機分子を含むOLEDは、0.50eV未満、好ましくは、0.48eV未満、より好ましくは、0.45eV未満、より好ましくは、0.43eV未満、より好ましくは、0.40eV未満、より好ましくは、0.35eV未満、より一層好ましくは、0.30eV未満、さらには、0.25eV未満の、主発光ピークのFWHMを有する光を発光する。
本発明によれば、1以上の本発明による有機分子を含む光電子素子は、例えば、ディスプレイ、照明応用分野の光源、並びに医療及び/または美容応用分野(例えば、光療法)の光源として使用可能である。
本発明による有機分子と追加物質の組み合わせ
光電子素子(ここで、好ましくは、OLED)内の任意の層、特に発光層(EML)が単一物質または異なる物質の組み合わせからなるということは、当業者には一般知識の一部を形成する。
例えば、当業者は、EMLが、電圧(及び電流)が前述の素子に印加されるときに発光する単一物質で構成されることを理解する。しかし、当業者は、光電子素子(ここで、好ましくは、OLED)のEMLにおいて、異なる物質、特に1以上のホスト物質(すなわち、マトリックス物質;ここで、少なくとも1つの本発明による有機分子を含む光電子素子に含まれるとき、ホスト物質Hと称される)と、素子に電圧及び電流を印加するとき、そのうち少なくとも1つが発光する1以上のドーパント物質(すなわち、エミッタ物質)との結合が有利であることを理解する。
光電子素子における本発明による有機分子の使用の好ましい実施形態において、前述の光電子素子は、EML、またはEMLに直接隣接した層、またはそれら層の1以上の層に、少なくとも1つの本発明による有機分子を含む。
光電子素子における本発明による有機分子の使用の好ましい実施形態において、前述の光電子素子はOLEDであり、EML、またはEMLに直接隣接した層、またはそれら層の1以上の層に、少なくとも1つの本発明による有機分子を含む。
光電子素子における本発明による有機分子の使用のより好ましい実施形態において、前述の光電子素子はOLEDであり、EMLに本発明による1以上の有機分子を含む。当業者は、これが、本発明による少なくとも1つの有機分子が、例えば、それぞれのEMLのホスト物質H(すなわち、マトリックス物質)、または少なくとも1つのホスト物質H(すなわち、マトリックス物質)に組み込まれたドーパント(物質)として使用可能であることを意味するものと理解する。当業者は、また、ドーパント(物質)が発光性(すなわち、エミッタ物質)または非発光性(すなわち、電圧及び電流が光電子素子に印加されるときに発光せず)であることを理解する。
1以上の本発明による有機分子を含む光電子素子、好ましくは、OLEDに係わる一実施形態において、本発明による1以上、好ましくは、それぞれの有機分子は、発光層EMLにおいてエミッタ物質として使用され、これは、電圧(及び電流)が前述の素子に印加されるときに発光する。
少なくとも1つの本発明による有機分子を含む光電子素子、好ましくは、OLEDに係わる他の実施形態において、本発明による少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの有機分子は、発光層EMLに存在するが、電圧(及び電流)が前述の素子に印加されるときに発光しない。すなわち、その場合、本発明による少なくとも1つの有機分子は、ホスト物質Hまたは非発光性ドーパントであり、両方とも当業者に知られている。
少なくとも1つの本発明による有機分子を含む光電子素子、好ましくは、OLEDに係わる一実施形態において、本発明による1以上の有機分子は、少なくとも1つのEMLに含まれる。当業者は、これが、本発明による1以上の有機分子が、いずれも前述のEMLにおいてエミッタ物質(すなわち、発光性ドーパント物質)であるか、いずれも前述のEMLにおいてホスト物質Hであるか、いずれも前述のEMLにおいて非発光性ドーパント物質であるか、あるいは前述の有機分子が、互いに独立して、ホスト物質H、エミッタ物質(すなわち、発光性ドーパント物質)または非発光性ドーパント物質から選択されることを意味するものと理解する。
当業者に知られているように、例えば、有機発光ダイオード(OLED)において、エミッタ物質(すなわち、発光性ドーパント)からの発光は、励起された一重項状態(一般的に、最低励起一重項状態S1)からの蛍光、及び励起された三重項状態(一般的に、最低励起三重項状態T1)からの燐光を含む。
蛍光エミッタFは、電子励起(例えば、光電子素子において)時に室温(すなわち、(約)20℃)で発光することができ、発光励起状態は一重項状態である。蛍光エミッタは、一般的に、初期電子励起(例えば、電子正孔再結合による)がエミッタの励起一重項状態を提供するとき、ナノ秒の時間尺度で即時(すなわち、直接的な)蛍光を示す。
本発明の文脈において、遅延蛍光物質は、逆項間交差(RISC;すなわち、アップ項間交差または逆項間交差)により、励起三重項状態(一般的に、最低励起三重項状態T1)から励起一重項状態(一般的に、最低励起一重項状態S1)に達することができ、また、そのように達した励起一重項状態(一般的に、S1)から電子基底状態に戻る時に発光することができる物質である。励起三重項状態(一般的に、T1)から励起一重項状態(一般的に、S1)へのRISC後に観察された蛍光発光が発生する時間尺度(一般的に、マイクロ秒範囲)は、直接的な(すなわち、即時)蛍光が発生する時間尺度(一般的に、ナノ秒範囲)より遅く、したがって、遅延蛍光(DF)という。励起三重項状態(一般的に、T1から)から励起一重項状態(一般的に、S1まで)へのRISCが熱活性化を介して発生し、そのように充填された励起一重項状態が発光する場合(遅延蛍光発光)、その過程を熱活性化遅延蛍光(TADF)という。したがって、TADF物質は、前述のように熱活性化遅延蛍光(TADF)を発光することができる物質である。蛍光エミッタFの最低励起一重項状態エネルギー準位E(S1)と最低励起三重項状態エネルギー準位E(T1)とのエネルギー差ΔESTが減少すれば、RISCによる最低励起一重項状態から最低励起三重項状態への切り替えが高効率で起こることは当業者に知られている。したがって、TADF物質が一般的に小さいΔEST値を有するということは、当業者の一般知識の一部をなす(以下参照)。当業者に知られているように、TADF物質は、単純に前述のようにTADFの後続発光と共に、励起三重項状態から励起一重項状態へのそれ自体のRISCが可能な物質なだけではないかもしれない。TADF物質は、事実上2種類の物質、好ましくは、2つのホスト物質H、より好ましくは、p-ホスト物質H及びn-ホスト物質Hから形成されるエキシプレックスであることが当業者に知られている(以下参照)。
(熱的に活性化された)遅延蛍光の発生は、例えば、時間分解(すなわち、過渡)フォトルミネセンス(PL)測定から得た減衰曲線に基づいて分析される。このために、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内で、1~10重量%、特に10重量%の各エミッタ(すなわち、仮定されたTADF物質)のスピンコーティング膜がサンプルとして使用される。分析は、例えば、Edinburgh InstrumentsのFS5蛍光分光計を使用して行われる。サンプルPMMAフィルムをキュベットに入れて測定する間に、窒素雰囲気が維持される。データ収集は、よく確立された時間相関単一光子計数(TCSPC、以下参照)技術を使用して行われる。時間及び信号強度で複数の次数(order)の大きさにわたって全体減衰力学を収集するために、4個の時間領域(200ns、1μs、20μs及び>80μsのさらに長い測定期間)で測定を行って結合することができる(以下参照)。
TADF物質は、好ましくは、前述の全体減衰力学と係わり、以下の2つの条件を満たす:
(i)減衰力学は、2つの時間領域を示し、1つはナノ秒(ns)範囲にあり、他の1つはマイクロ秒(μs)範囲にある、及び
(ii)2つの時間領域で発光スペクトルの形態が一致する。
ここで、最初の減衰領域で発光された光の一部は即時蛍光と取られ、二番目の減衰領域で発光された光の一部は遅延蛍光と取られる。
遅延蛍光と即時蛍光との割合は、いわゆるn値の形態に表され、これは、次の方程式により、それぞれのフォトルミネセンス減衰を経時的に積分して計算される:
Figure 2024515265000061
本発明の文脈において、TADF物質は、好ましくは、0.05より大きいか(n>0.05)、より好ましくは、0.1より大きいか(n>0.1)、より一層好ましくは、0.15より大きいか(n>0.15)、特に好ましくは、0.2より大きいか(n>0.20)、さらには、0.25より大きい(n>0.25)。
好ましい実施形態において、本発明による有機分子は、0.05より大きい(n>0.05)n値(即時蛍光に対する遅延蛍光の割合)を示す。
本発明の文脈において、TADF物質Eは、最低励起一重項状態エネルギー準位E(S1)と最低励起三重項状態エネルギー準位E(T1)とのエネルギー差に該当するΔEST値を示すことを特徴とし、0.4eV未満、好ましくは、0.3eV未満、より好ましくは、0.2eV未満、より一層好ましくは、0.1eV未満、またさらに好ましくは、0.05eV未満の値を示す。TADF物質EのΔEST値を決定する方法は、本文の後項で説明されている。
好ましい実施形態において、本発明による有機分子は、本明細書で定義されたようなTADF物質Eであり、最低励起一重項状態エネルギー準位と最低励起三重項状態エネルギー準位とのエネルギー差に該当するΔEST値が、0.4eV未満、好ましくは、0.3eV未満、より好ましくは、0.2eV未満、より一層好ましくは、0.13eV未満、またさらに好ましくは、0.07eV未満を示す。
本発明による少なくとも1つの有機分子を含む組成物の段落において(以下参照)、本発明による有機分子と異なる1以上のTADF物質Eを含む組成物が言及される。当業者は、最新技術に開示された任意のTADF物質が、これと関連して好適なTADF物質Eと見なされることを理解する。当業者は、また、TADF物質Eが、一般的にHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)及びLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)がそれぞれ(電子)ドナー基及び(電子)アクセプター基で空間的に大きく分離されるように設計されるものと理解する。当該基は、一般的に体積が大きいか(すなわち、立体的に要求される)、スピロ接合を介して結合されて捻じれており、HOMOとLUMOの空間的重畳が減少する。しかし、HOMOとLUMOの空間的重畳を最小化すれば、TADF物質のフォトルミネセンス量子収率(PLQY)も低くなる短所がある。したがって、実際にΔESTを減らし、高いPLQYを達成するために、その2つの効果の両方が考慮される。
TADF物質設計のための1つの一般的なアプローチは、HOMOが分布された1以上の(電子)ドナー部分と、LUMOが分布された1以上の(電子)アクセプター部分とを、本願においてリンカー基と呼ばれる、同一のブリッジに共有結合することである。また、TADF物質Eは、例えば、同一のアクセプター部分に結合された2つまたは3つのリンカー基を含み、更なるドナー部分及びアクセプター部分がそれら2つまたは3つのリンカー基それぞれに結合してもよい。
また、1以上のドナー部分及び1以上のアクセプター部分は、(リンカー基の存在なしに)互いに直接結合してもよい。
典型的なドナー部分は、ジフェニルアミン、インドール、カルバゾール、アクリジン、フェノキサジン及び関連構造の誘導体である。特に、脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族環系は、例えば、インドロカルバゾールに達するために、前述のドナー前駆体に縮合される。
ベンゼン、ビフェニル及びある程度までターフェニルの誘導体が一般的なリンカー基である。
ニトリル基は、TADF物質において非常に一般的なアクセプター部分であり、その周知の例は、下記を含む:
(i)カルバゾリルジシアノベンゼン化合物
2CzPN(4,5-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)フタロニトリル)、DCzIPN(4,6-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)イソフタロニトリル)、4CzPN(3,4,5,6-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)フタロニトリル)、4CzIPN(2,4,5,6-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)イソフタロニトリル)、4CzTPN(2,4,5,6-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)テレフタロニトリル)及びその誘導体、
(ii)カルバゾリルシアノピリジン化合物
4CzCNPy(2,3,5,6-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)-4-シアノピリジン)及びその誘導体、
(iii)カルバゾリルシアノビフェニル化合物
CNBPCz(4,4’,5,5’-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2,2’-ジカルボニトリル)、CzBPCN(4,4’,6,6’-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)-[1,1’-ビフェニル]-3,3’-ジカルボニトリル)、DDCzIPN(3,3’,5,5’-テトラ(9H-カルバゾール-9-イル)-[1,1’-ビフェニル]-2,2’,6,6’-テトラカルボニトリル)及びその誘導体、
ここで、それら物質において、1以上のニトリル基は、アクセプター部分として、フッ素(F)またはトリフルオロメチル(CF)にも代替される。
また、トリアジン、ピリミジン、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、ヘプタジン、1,4-ジアザトリフェニレン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、キノキサリン及びジアザフルオレン誘導体のような窒素ヘテロ環は、TADF分子構成に使用される周知のアクセプター部分である。例えば、トリアジンアクセプターを含むTADF分子の公知の例は、PIC-TRZ(7,7’-(6-([1,1’-ビフェニル]-4-イル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ビス(5-フェニル-5,7-ジヒドロインドロ[2,3-b]カルバゾール))、mBFCzTrz(5-(3-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル))フェニル)-5H-ベンゾフロ[3,2-c]カルバゾール)、及びDCzTrz(9,9’-(5-(4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン-2-イル)-1,3-フェニレン)ビス(9H-カルバゾール))を含む。
TADF物質の他の一群は、ドナー部分(主に、カルバゾリル置換基)が結合されたアクセプター部分として、ベンゾフェノンのようなジアリールケトン、または4-ベンゾイルピリジン、9,10-アントラキノン、9H-キサンテン-9-オンのような(ヘテロアリール)アリールケトン及びその誘導体を含む。そのようなTADF分子の例は、BPBCz(ビス(4-(9’-フェニル-9H,9’H-[3,3’-ビカルバゾール]-9-イル)フェニル)メタノン)、mDCBP((3,5-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル)(ピリジン-4-イル)メタノン)、AQ-DTBu-Cz(2,6-ビス(4-(3,6-ジ-tert-ブチル-9H-カルバゾール-9-イル)フェニル)アントラセン-9,10-ジオン)、及びMCz-XT(3-(1,3,6,8-テトラメチル-9H-カルバゾール-9-イル)-9H-キサンテン-9-オン)をそれぞれ含む。
また、スルホキシド、特にジフェニルスルホキシドは、TADF物質の構成のためのアクセプター部分として一般的に使用され、周知の例は、4-PC-DPS(9-フェニル-3-(4-(フェニルスルホニル)フェニル)-9H-カルバゾール)、DitBu-DPS(9,9’-(スルホニルビス(4,1-フェニレン))ビス(9H-カルバゾール))、及びTXO-PhCz(2-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H-チオキサンテン-9-オン10,10-ジオキシド)を含む。
蛍光エミッタFは、また、本明細書に定義されたようなTADFを示すことができ、はなはだしくは、本明細書に定義されたようなTADF物質Eであるものと理解される。結果として、本明細書に定義された小さいFWHMエミッタSは、本明細書に定義されたTADF物質Eであってもよく、そうでなくてもよい。
燐光、すなわち、励起三重項状態(一般的に、最低励起三重項状態T1)からの発光は、スピン禁止過程である。当業者に知られているように、燐光は、(分子内)スピン軌道相互作用(いわゆる(内部)重原子効果)を利用して促進(向上)される。本発明の文脈において、燐光物質Pは、室温(すなわち、(約)20℃)で燐光を発光することができる燐光エミッタである。
ここで、燐光物質Pは、カルシウム(Ca)の基準原子量より大きい基準原子量を有する元素のうち少なくとも1つの原子を含むことが好ましい。より好ましくは、本発明の文脈において、燐光物質Pは、遷移金属原子、特に亜鉛(Zn)の標準原子量より大きい標準原子量を有する元素の遷移金属原子を含む。燐光物質Pに好ましく含まれる遷移金属原子は、任意の酸化状態で存在する(及び各元素のイオンとして存在することもできる)。
有機エレクトロルミネッセンス素子に使用される燐光物質Pは、Ir、Pd、Pt、Au、Os、Eu、Ru、Re、Ag及びCu、本発明の文脈において、好ましくは、Ir、Pt及びPd、より好ましくは、Ir及びPtの錯体ということが当業者に常識である。当業者は、光電子素子においていかなる物質が燐光物質Pとして適しているか、及びそれらを合成する方法が分かっている。また、当業者は、光電子素子において燐光物質として使用するための燐光錯体の設計原理に慣れ、構造的変化を介して錯体の発光を調整する方法が分かっている。
当業者は、光電子素子に使用される燐光物質Pとしていかなる物質が適しているか、及びそれらを合成する方法が分かっている。これと関連し、当業者は、特に、光電子素子において燐光物質Pとして使用するための燐光錯体の設計原理に慣れ、構造的変化を介して錯体の発光を調整する方法が分かっている。
本発明による有機分子と共に使用可能な燐光物質Pの非制限的な例(例えば、組成物の形態または光電子素子のEMLにおいて、以下参照)は、最新技術に開示されている。例えば、以下の金属錯体は、本発明による有機分子と共に使用可能な燐光物質Pである:
本発明の文脈において、小さい半値幅(FWHM)エミッタSは、0.35eV以下(≦0.35eV)のFWHMを示す発光スペクトルを有する任意のエミッタ(すなわち、エミッタ物質)であり、好ましくは、0.30eV以下(≦0.30eV)、特に0.25eV以下(≦0.25eV)である。他に明示されない限り、これは、室温(すなわち、(約)20℃)で各エミッタの発光スペクトルを基準として判断され、一般的にポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内で1~5重量%、特に2重量%のエミッタ重量で測定される。あるいは、小さいFWHMエミッタSの発光スペクトルは、一般的に、室温(すなわち、(約)20℃)でジクロロメタンまたはトルエンに0.001~0.2mg/mLのエミッタSがある溶液で測定されうる。
小さいFWHMエミッタSは、蛍光エミッタF、燐光エミッタ(例えば、燐光物質P)及び/またはTADFエミッタ(例えば、TADF物質E)である。本発明による有機分子、前述のTADF物質E及び燐光物質Pの場合、発光スペクトルは、室温(すなわち、(約)20℃)でポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内で10重量%のそれぞれの分子、EまたはPのそれぞれのスピンコーティング膜から測定される。
当業者に知られているように、エミッタ(例えば、小さいFWHMエミッタS)の半値幅(FWHM)は、それぞれの発光スペクトル(蛍光エミッタ用蛍光スペクトル及び燐光エミッタ用燐光スペクトル)から容易に決定される。報告された全てのFWHM値は、一般的に、主発光ピーク(すなわち、強度が最も高いピーク)を示す。FWHM(ここで、好ましくは、電子ボルトeVで報告される)を決定する手段は、当業者の常識の一部である。例えば、発光スペクトルの主発光ピークが、発光スペクトルからナノメートル(nm)で得られた2つの波長λ及びλにおいて最大発光の半分(すなわち、最大発光強度の50%)に達する場合、電子ボルト(eV)のFWHMは、一般的に、以下の方程式を使用して決定される:
Figure 2024515265000063
本発明の文脈において、小さいFWHMエミッタSは、有機エミッタであり、これは、本発明の文脈において、いかなる遷移金属も含まないということを意味する。好ましくは、本発明の文脈において、小さいFWHMエミッタSは、主に水素(H)、炭素(C)、窒素(N)及びボロン(B)元素で構成されるが、例えば、酸素(O)、ケイ素(Si)、フッ素(F)及び臭素(Br)を含むこともできる。
また、本発明の文脈において、小さいFWHMエミッタSは、さらにTADFを示してもよく、示さなくてもよい蛍光エミッタFであることが好ましい。
好ましくは、本発明の文脈において、小さいFWHMエミッタSは、以下の要件のうち少なくとも1つを満たす:
(i)ボロン(B)含有エミッタであり、これは、それぞれの小さいFWHMエミッタS内の少なくとも1つの原子がボロン(B)であることを意味し、
(ii)多環の芳香族またはヘテロ芳香族コア構造を含み、ここで、少なくとも2つの芳香族環が共に縮合される(例えば、アントラセン、ピレンまたはそれらのアザ誘導体)。
より好ましくは、本発明の文脈において、小さいFWHMエミッタSは、以下の要件のうち少なくとも1つを満たす:
(i)ボロン(B)含有エミッタであり、これは、それぞれの小さいFWHMエミッタS内の少なくとも1つの原子がボロン(B)であることを意味し、
(ii)ピレンコア構造を含む。
最も好ましくは、本発明の文脈において、小さいFWHMエミッタSは、ボロン(B)含有エミッタであり、これは、それぞれの小さいFWHMエミッタS内の少なくとも1つの原子がボロン(B)であることを意味する。
当業者は、前述の要件または好ましい特徴を満たす小さいFWHMエミッタSを設計する方法が分かっている。
本発明の文脈において、小さいFWHMエミッタSとして好適な蛍光エミッタFの種類は、周知の4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセン(BODIPY)系物質であり、光電子素子におけるその構造的特徴及び応用が詳細に検討されており、当業者に一般的な知識である。また、最新技術は、そのような物質が合成される方法及び特定の発光色相を有するエミッタに達する方法を示す。
また、当業者は、下記に示したBODIPY基本構造が、

例えば、分子間π-π相互作用及び関連した自己消光により、光電子素子のエミッタとして理想的に適していないという事実に慣れている。
代案的な光電子素子用エミッタ物質は、前述のBODIPYコア構造に結合された置換基として、体積が大きい(すなわち、立体的に要求される)基を有している。そのような体積の大きい基は、例えば、(多くの他のもののうち)アリール、ヘテロアリール、アルキルまたはアルコキシ置換基または縮合された多環芳香族またはヘテロ芳香族でもあり、それらはいずれも選択的に置換される。BODIPYコアにおいて好適な置換基の選択は、当業者に明白であり、最新技術から容易に誘導されうる。そのような分子の合成及びその後の分子改良のために確立されてきた多数の合成経路に対しても同様である。
本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSとして適しているBODIPY系エミッタの例を下記に示した:



また、BODIPYコア構造の中心ボロン原子に結合されたフッ素置換基のうち1つまたは両方を、酸素原子を介して結合され、好ましくは、フッ素(F)またはトリフルオロメチル(CF)のような電子求引置換基で選択的に置換されるアルコキシ基またはアリールオキシ基に代替することにより、光電子素子用エミッタに達することができるということは当業者に公知されている。そのようなエミッタ物質の例が下記に示されており、これは、下記に示された構造のみが本発明の文脈における好適な小さいFWHMエミッタSであるということを意味しない:
当業者は、事実上、最新技術で使用される全てのBODIPY系エミッタ及びその誘導体が、例えば、蛍光エミッタFとして、特に小さいFWHMエミッタSとして、本発明による有機分子と共に使用可能であるものと理解する。
本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSを提供するのに適している他の部類の分子は、NRCT(near-range-charge-transfer)エミッタである。
一般的なNRCTエミッタは、時間分解フォトルミネセンススペクトルで遅延された成分を示し、近距離HOMO-LUMO分離を示すものと文献に説明されている。
一般的なNRCTエミッタは、発光スペクトルで1つの発光帯のみを示し、一般的な蛍光エミッタは、振動進行により、複数の固有な発光帯域を示す。
当業者は、本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSとして適しているNRCTエミッタを設計及び合成する方法が分かっている。
本明細書に定義されたような小さいFWHMエミッタSであり、本発明による有機分子と共に使用可能な追加蛍光エミッタF(以下参照)は、下記に示したボロン含有エミッタである:









ここで、これは、示された物質のみが本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSとして使用されることを意味しない。
小さいFWHMエミッタSとして使用可能な蛍光エミッタFの他のグループは、正確に1つの直接B-N結合を含むボロン含有エミッタである。当業者は、構造的に関連した化合物が本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSとして同等に適しているものと理解する。小さいFWHMエミッタSの非制限的な例は、下記構造を含むか、あるいはそれからなる正確に1つの直接B-N結合を含むボロン含有エミッタである:

当該構造は、さらに置換され、構造単位及び/または置換基が結合されて縮合された環系を形成することができる。
小さいFWHMエミッタSとして使用可能なエミッタの特定の例(非制限的)は、以下の通りである:

蛍光エミッタFを設計する1つのアプローチは、蛍光性の多環の芳香族またはヘテロ芳香族コア構造の使用に依存する。後者は、本発明の文脈において、1以上の芳香族環またはヘテロ芳香族環、好ましくは、2以上の当該環を含む任意の構造であり、これは、より好ましくは、互いに縮合されるか、あるいは1以上の直接結合または連結原子を介して結合されている。すなわち、蛍光コア構造は、少なくとも1つ、好ましくは、単に1つの剛性共役π-システムを含む。
当業者は、蛍光エミッタFのための蛍光コア構造を選択する方法が分かっている。蛍光エミッタFの一般的な蛍光コア構造の非制限的な例は、下記の通りである:








当該文脈において、用語「蛍光コア構造」は、前記コアを含む任意の分子が潜在的に蛍光エミッタFとして使用可能であることを示す。当業者は、そのような蛍光エミッタFのコア構造が選択的に置換されていてもよく、どのような置換基がそれと係わって適しているということが分かっている。
当業者に知られているように、EMLのホスト物質Hは、前述のEMLを通過し、電子または正電荷を輸送することができ、ホスト物質Hにドーピングされた少なくとも1つのエミッタ物質に励起エネルギーを移動させることができる。当業者は、光電子素子(例えば、OLED)のEMLに含まれたホスト物質Hが、一般的に電圧及び電流を印加するとき、前述の素子からの発光に大きく関与しないということを理解する。当業者は、また、任意のホスト物質Hが、高い正孔移動度を示すp-ホストH、高い電子移動度を示すn-ホストH、または高い正孔移動度及び高い電子移動度の両方を示す両極性ホスト物質HBPであるという事実が分かっている。
当業者に知られているように、EMLは、また、少なくとも1つのp-ホストH及び1つのn-ホストHを有するいわゆる混合ホストシステムを含む。特に、EMLは、本発明による正確に1つのエミッタ物質、及びn-ホストHとしての2,4,6-トリス(ビフェニル-3-イル)-1,3,5-トリアジン(T2T)、p-ホストHとしてのCBP、mCP、mCBP、4,6-ジフェニル-2-(3-(トリフェニルシリル)フェニル)-1,3,5-トリアジン、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾフラン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3-(ジベンゾチオフェン-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール、9-[3,5-ビス(2-ジベンゾフラニル)フェニル]-9H-カルバゾール、及び9-[3,5-ビス(2-ジベンゾチオフェニル)フェニル]-9H-カルバゾールから選択されたホストを含む混合ホストシステムを含む。
EMLは、少なくとも1つのp-ホストHと1つのn-ホストHがあるいわゆる混合ホストシステムを含む。ここで、n-ホストHは、ピリジン、ピリミジン、ベンゾピリミジン、1,3,5-トリアジン、1,2,4-トリアジン及び1,2,3-トリアジンから誘導された基を含み、p-ホストHは、インドール、イソインドール、好ましくは、カルバゾールから誘導された基を含む。
当業者は、どのような物質が有機エレクトロルミネッセンス素子での使用に好適なホスト物質であるかを知っている。最新技術で使用される任意のホスト物質が、本発明の文脈における好適なホスト物質Hであるものと理解される。
本発明の文脈におけるp-ホスト物質Hである物質Hの非制限的な例は、下記に列挙されている:





本発明の文脈におけるn-ホスト物質Hである物質Hの非制限的な例は、下記に列挙されている:


当業者は、同一層、特に同一EMLに含まれた任意の物質だけでなく、隣接層にあり、それら隣接層間の界面で非常に近接した物質が共にエキシプレックスを形成することができるものと理解する。当業者は、エキシプレックスを形成する物質対、特にp-ホストH及びn-ホストHの対を選択する方法、並びにHOMO及び/またはLUMOエネルギー要求量を含む前述の物質対の2つの成分に対する選択基準が分かっている。すなわち、エキシプレックス形成が要求される場合、一成分、例えば、p-ホスト物質HのHOMOは、他の成分、例えば、n-ホスト物質HのHOMOよりエネルギーが少なくとも0.20eVさらに高く、一成分、例えば、p-ホスト物質HのLUMOは、他の成分、例えば、n-ホスト物質HのLUMOよりエネルギーが少なくとも0.20eVさらに高い。エキシプレックスが光電子素子、特にOLEDのEMLに存在すれば、エキシプレックスがエミッタ物質の機能を有し、電圧と電流が当該素子に印加されるときに発光することができるということは、当業者の常識に属する。最新技術から、かつ一般的に知られているように、エキシプレックスは、非発光性でもあり、例えば、光電子素子のEMLに含まれる場合、励起エネルギーをエミッタ物質に移動させることができる。
少なくとも1つの本発明による有機分子を含む組成物
本発明の一態様は、本発明による1以上の有機分子を含む組成物に係わるものである。本発明の一態様は、光電子素子、好ましくは、OLED、特に前記素子のEMLにおける前記組成物の用途に係わるものである。
以下、前述の組成物を説明するとき、場合によって、それぞれの組成物のうち、特定物質の含量を百分率の形態に言及する。特定実施形態において特に言及されない限り、全ての百分率は、重量百分率を示し、これは、重量百分率または重量%((重量/重量)、(w/w)、wt%)と同一意味を有するという点に留意しなければならない。例えば、特定組成物において、本発明による1以上の有機分子の含量が例示的に30%と言及する場合、これは、本発明による1以上の有機分子の(すなわち、結合されたそれら全ての分子の)総重量が30重量%、すなわち、それぞれの組成物の総重量の30%を占めることを意味するものと理解される。成分の好ましい含量を重量%で提供することにより、組成物が特定される度に、全ての成分の総含量は、100重量%(すなわち、組成物の総重量)まで合算されるものと理解される。
本発明による少なくとも1つの有機分子を含む組成物に係わる本発明の実施形態を説明する下記において、光電子素子、好ましくは、光電子素子のEMLにおいて、最も好ましくは、OLEDのEMLにおいて、前述の組成物を使用するとき、それら組成物内の成分間で発生するエネルギー移動工程を言及するであろう。当業者は、そのような励起エネルギー移動工程が、光電子素子のEMLにおいて組成物を使用するときに発光効率を向上させることができるものと理解する。
当業者は、励起エネルギー移動が(効率的に)発生するために、好ましくは、エネルギードナーの発光スペクトルとエネルギーアクセプターの吸収スペクトルとの間にスペクトルの重複があるものと理解する。また、当業者は、意図されたエネルギードナーが意図されたエネルギーアクセプターに比べてさらに高い励起状態エネルギー準位を有しなければならないものと理解し、すなわち、エネルギードナーの最低励起一重項状態S1(ドナー)のエネルギー準位E(S1)(ドナー)、及び/またはエネルギードナーの最低励起三重項状態T1(ドナー)のエネルギー準位E(T1)(ドナー)は、エネルギーアクセプターの最低励起一重項状態S1(アクセプター)のエネルギー準位E(S1)(アクセプター)、及び/またはエネルギーアクセプターの最低励起三重項状態T1(アクセプター)のエネルギー準位E(T1)(アクセプター)よりエネルギーが高いことが好ましい。前述の好ましい基準を満たす物質を選択することは、発明段階なしに当業者の標準知識に基づいて容易に達成される。励起状態エネルギーを決定する方法、吸収及び発光スペクトルを記録する方法についての実験的細部事項は、本文の後項で提供される。
本発明による少なくとも1つの有機分子を含む組成物を記述するとき、特定物質が他の物質と「異なる」点も指摘されるであろう。これは、互いに「異なる」物質が同一化学構造を有しないということを意味する。
一実施形態において、前記組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)本発明による1以上の有機分子、
(b)選択的に(a)の有機分子と異なる1以上のホスト物質H
(c)選択的に(a)の有機分子と異なる1以上のTADF物質E
(d)選択的に(a)の有機分子と異なる1以上の燐光物質P
(e)選択的に(a)の有機分子と異なっており、かつ(c)のTADF物質Eと異なる1以上の蛍光エミッタF、及び
(f)選択的に1以上の溶媒及び/または染料、
ここで、任意の(a)~(e)の物質(前記定義されたような同一グループの物質、及び/または前記定義されたような相異なっているグループの物質)は、選択的に1以上のエキシプレックスを形成し、
ここで、(e)の蛍光エミッタFが組成物に存在しない場合、(a)及び/または(c)及び/または(d)のうち少なくとも1つの物質、及び/または少なくとも1つのエキシプレックスは、エミッタ物質である。
少なくとも1つの本発明による有機分子及び(選択的に)少なくとも1つのホスト物質H を含む組成物
本発明による組成物の一実施形態は、本発明による少なくとも1つの有機分子、及び選択的に本発明の分子と構造的に異なる少なくとも1つのホスト物質Hを含む組成物に係わるものである。
好ましくは、前述の組成物の少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのエミッタ物質は、室温(すなわち、(約)20℃)で、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内の10重量%の各エミッタのスピンコーティング膜から測定された発光スペクトルにおいて、500~560nm、より好ましくは、510~550nm、より一層好ましくは、520~540nmの最大発光で光を発光する。存在する場合、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのホスト物質Hは、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのエミッタ物質の最低励起一重項状態よりエネルギーがさらに高い最低励起一重項状態S1(H)を有することが好ましい。存在する場合、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのホスト物質Hは、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのエミッタ物質に励起エネルギーを移動させることができることが好ましい。励起エネルギーは、また、本発明による相異なっている有機分子間で移動し、ここで、励起エネルギーが少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのエミッタ物質に移動することが特に好ましい。
一実施形態において、前記組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)本発明による1以上の有機分子、
(b)(a)の有機分子と異なる1以上のホスト物質H、及び
(c)選択的に1以上の溶媒。
一実施形態において、前記組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)本発明による1以上の有機分子、及び
(b)(a)の有機分子と異なる1以上のホスト物質H
ここで、組成物中のホスト物質Hの分率(重量%)は、本発明による有機分子の分率(重量%)より高く、好ましくは、組成物中のホスト物質Hの分率(重量%)は、本発明による有機分子の分率(重量%)より2倍高い。
一実施形態において、前記組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)1~50重量%、好ましくは、5~40重量%、特に10~30重量%の本発明による1以上の有機分子、
(b)5~99重量%、好ましくは、30~95重量%、特に40~90重量%の、本発明による有機分子と異なる1以上のホスト物質H、及び
(c)0~94重量%、好ましくは、0~65重量%、特に0~50重量%の1以上の溶媒、
ここで、特定実施形態において、グループ(a)~(c)の物質の総重量は100重量%である。
少なくとも1つの(追加)蛍光エミッタFと共に、少なくとも1つの本発明による有機分子を含む組成物
組成物の好ましい実施形態は、少なくとも1つの本発明による有機分子、及び少なくとも1つの本発明の分子ではない蛍光エミッタF(前記定義された通り)を含む組成物に係わるものである(すなわち、本発明による有機分子が蛍光エミッタである場合、追加蛍光エミッタFが組成物に存在することができる)。
この場合、本発明による任意の有機分子及び少なくとも1つの(追加)蛍光エミッタFは、エミッタ物質の役割を行うことができるが、好ましくは、光電子素子のEMLで使用される場合、組成物からの発光は、主に(すなわち、50%超過、好ましくは、60%超過、より好ましくは、70%超過、より一層好ましくは、80%超過、またさらに好ましくは、90%超過)少なくとも1つ、好ましくは、正確に1つの、本発明の分子と構造的に異なる(追加)蛍光エミッタFに起因する。さらに、励起エネルギーは、好ましくは、当該組成物内の相異なっている物質間で、特に、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのホスト物質H(存在する場合)から、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF物質Eに、及び少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの(追加)蛍光エミッタFに移動する。励起エネルギーは、また、以下から選択された組成物内の物質間に移動することが好ましい:本発明による少なくとも1つの有機分子及び少なくとも1つの(追加)蛍光エミッタF、特に、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの本発明による有機分子から、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの(追加)蛍光エミッタFに。少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの(追加)蛍光エミッタFは、室温(すなわち、(約)20℃)で、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内の1~5重量%、好ましくは、2重量%の各Sのスピンコーティング膜から測定された発光スペクトルにおいて、好ましくは、500~560nm、より好ましくは、510nm~550nm、より一層好ましくは、520~540nmの最大発光を有する緑色光を発光する、本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSであることが特に好ましい。
一実施形態において、組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)本発明による1以上の有機分子、
(b)選択的に本発明による有機分子と異なる1以上のホスト物質H
(c)選択的に(a)の有機分子と異なる1以上の蛍光エミッタF、及び
(d)選択的に1以上の溶媒、
ここで、グループ(c)の少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの蛍光エミッタFは、室温(すなわち、(約)20℃)で、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内の1~5重量%、好ましくは、2重量%の各Sのスピンコーティング膜から測定された発光スペクトルにおいて、好ましくは、500~560nm、より好ましくは、510~550nm、より一層好ましくは、520~540nmの最大発光を有する緑色光を発光する、本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSであることが好ましい。
一実施形態において、組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)本発明による1以上の有機分子、及び
(c)(a)の有機分子と異なる1以上の蛍光エミッタF、
ここで、グループ(a)の有機分子の分率(重量%)は、グループ(c)の蛍光エミッタFの分率(重量%)より高く、好ましくは、グループ(a)の有機分子の分率(%)は、グループ(c)の蛍光エミッタFの分率(重量%)より5倍高い。
一実施形態において、組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)1~50重量%、好ましくは、5~40重量%、特に10~30重量%の本発明による1以上の有機分子、
(b)30~98.9重量%、好ましくは、48~94.5重量%、特に65~89重量%の、(a)の有機分子と異なる1以上のホスト物質H
(c)0.1~20重量%、好ましくは、0.5~12重量%、特に1~5重量%の、(a)の有機分子と異なる1以上の(追加)蛍光エミッタF、及び
(d)選択的に0~68.9重量%、好ましくは、0~46.5重量%、特に0~24重量%の1以上の溶媒、
ここで、(c)の少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの蛍光エミッタFは、室温(すなわち、(約)20℃)で、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内の1~5重量%、好ましくは、2重量%の各Sのスピンコーティング膜から測定された発光スペクトルにおいて、好ましくは、500~560nm、より好ましくは、510~550nm、より一層好ましくは、520~540nmの最大発光を有する緑色光を発光する、本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSであることが好ましく、
ここで、特定実施形態において、グループ(a)~(d)の物質の総重量は100重量%である。
少なくとも1つの(追加)TADF物質E と共に、本発明による少なくとも1つの有機分子を含む組成物
組成物の他の好ましい実施形態は、本発明による少なくとも1つの有機分子、及び本発明の分子ではない、すなわち、構造的に異なる少なくとも1つのTADF物質E(前記定義された通り)を含む組成物に係わるものである。
この場合、本発明による少なくとも1つの有機分子及び少なくとも1つのTADF物質Eから選択される任意の物質は、エミッタ物質の役割を行うことができる。さらに、励起エネルギーは、当該組成物内の相異なっている物質間で、特に、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのホスト物質Hから、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF物質Eに、及び/または、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの本発明による有機分子に移動する。励起エネルギーは、また、本発明による少なくとも1つの有機分子及び少なくとも1つのTADF物質Eから選択される組成物内の物質間で、特に、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのエミッタ物質に移動することが好ましい。少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの本発明による有機分子、及びエミッタ物質として作用する少なくとも1つのTADF物質Eは、 室温(すなわち、(約)20℃)で、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内の10重量%の各エミッタのスピンコーティング膜から測定された発光スペクトルにおいて、好ましくは、500~560nm、より好ましくは、510~550nm、より一層好ましくは、520~540nmの最大発光を有する緑色光を発光することが好ましい。
一実施形態において、前記組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)本発明による1以上の有機分子、
(b)選択的に本発明による有機分子と異なる1以上のホスト物質H
(c)(a)の有機分子と異なる1以上のTADF物質E、及び
(d)選択的に1以上の溶媒。
一実施形態において、前記組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)本発明による1以上の有機分子、及び
(c)(a)の有機分子と異なる1以上のTADF物質E
ここで、グループ(c)のTADF物質Eの分率(重量%)は、グループ(a)の有機分子の分率(重量%)より高く、好ましくは、グループ(c)のTADF物質Eの分率(重量%)は、グループ(a)の有機分子の分率(重量%)より少なくとも2倍以上高い。
一実施形態において、前記組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)1~50重量%、好ましくは、5~40重量%、特に10~30重量%の本発明による1以上の有機分子、
(b)0~98.9重量%、好ましくは、20~94.5重量%、特に40~89重量%の、(a)の有機分子と異なる1以上のホスト物質H
(c)0.1~50重量%、好ましくは、0.5~40重量%、特に1~30重量%の、(a)の有機分子と異なる1以上のTADF物質E、及び
(d)選択的に0~98.9重量%、好ましくは、20~74.5重量%、特に30~49重量%の1以上の溶媒、
ここで、(a)及び/または(c)のうち少なくとも1つの物質は、エミッタ物質であり、
ここで、特定実施形態において、グループ(a)~(d)の物質の総重量は100重量%である。
少なくとも1つの(追加)TADF物質E 及び少なくとも1つの(追加)蛍光エミッタFと共に、本発明による少なくとも1つの有機分子を含む組成物
組成物のさらに他の好ましい実施形態は、本発明による1以上の有機分子、本発明の有機分子ではない1以上のTADF物質E(前記定義された通り)、及び本発明の有機分子ではない1以上の(追加)蛍光エミッタF(前記定義された通り)を含む組成物に係わるものである。
この場合、本発明による少なくとも1つの有機分子、少なくとも1つの(追加)TADF物質E及び少なくとも1つの(追加)蛍光エミッタFから選択された任意の物質は、エミッタ物質の役割を行うことができる。しかし、好ましくは、光電子素子のEMLに使用される場合、組成物からの発光は、主に(すなわち、50%超過、好ましくは、60%超過、より好ましくは、70%超過、より一層好ましくは、80%超過、またさらに好ましくは、90%超過)本発明の分子ではない少なくとも1つ、好ましくは、正確に1つの(追加)蛍光エミッタFに起因する。少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの(追加)蛍光エミッタFは、室温(すなわち、(約)20℃)で、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内の1~5重量%、好ましくは、2重量%の各Sのスピンコーティング膜から測定された発光スペクトルにおいて、好ましくは、500~560nm、より好ましくは、510nm~550nm、より一層好ましくは、520~540nmの最大発光を有する緑色光を発光する、本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSであることが特に好ましい。さらに、励起エネルギーは、好ましくは、当該組成物内の相異なっている物質間で、特に、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのホスト物質H(存在する場合)から、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF物質Eに、及び少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの(追加)蛍光エミッタFに移動する。励起エネルギーは、また、以下から選択された組成物内の物質間で移動することが好ましい:本発明による少なくとも1つの有機分子、少なくとも1つの(追加)TADF物質E、及び少なくとも1つ(追加)蛍光エミッタF、特に、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの本発明による有機分子から、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの(追加)TADF物質Eに、及び/または、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの(追加)蛍光エミッタFに。
一実施形態において、前記組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)本発明による1以上の有機分子、
(b)選択的に(a)の有機分子と異なる1以上のホスト物質H
(c)(a)の有機分子と異なる1以上の(追加)TADF物質E
(d)(a)の有機分子と異なっており、(c)のTADF物質Eとも異なる1以上の(追加)蛍光エミッタF、及び
(e)選択的に1以上の溶媒、
ここで、(d)の少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの蛍光エミッタFは、室温(すなわち、(約)20℃)で、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内の1~5重量%、好ましくは、2重量%の各Sのスピンコーティング膜から測定された発光スペクトルにおいて、好ましくは、500~560nm、より好ましくは、510~550nm、より一層好ましくは、520~540nmの最大発光を有する緑色光を発光する、本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSであることが好ましい。
一実施形態において、前記組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)本発明による1以上の有機分子、
(c)(a)の有機分子と異なる1以上のTADF物質E、及び
(d)(a)の有機分子と異なっており、(c)のTADF物質Eとも異なる1以上の(追加)蛍光エミッタF、
ここで、グループ(c)のTADF物質Eの分率(重量%)は、グループ(a)の有機分子の分率(重量%)より高く、好ましくは、グループ(c)のTADF物質Eの分率(重量%)は、グループ(a)の有機分子の分率(重量%)より少なくとも2倍高く、
ここで、グループ(a)の有機分子の分率(重量%)は、グループ(d)の蛍光エミッタFの分率(重量%)より高く、好ましくは、グループ(a)の有機分子の分率(重量%)は、グループ(d)の蛍光エミッタFの分率(重量%)より少なくとも2倍高い。
一実施形態において、前記組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)1~50重量%、好ましくは、5~40重量%、特に10~30重量%の本発明による1以上の有機分子、
(b)0~98.8重量%、好ましくは、0~94重量%、特に0~88重量%の、(a)の有機分子と異なる1以上のホスト物質H
(c)0.1~98.9重量%、好ましくは、0.5~94.5重量%、特に1~89重量%の、(a)の有機分子と異なる1以上のTADF物質E
(d)0.1~20重量%、好ましくは、0.5~12重量%、特に1~5重量%の、(a)の有機分子と異なっており、(c)のTADF物質Eとも異なる1以上の(追加)蛍光エミッタF、及び
(e)選択的に0~98.8重量%、好ましくは、0~94重量%、特に0~88重量%の1以上の溶媒、
ここで、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの(追加)蛍光エミッタF(すなわち、(d)の物質)は、室温(すなわち、(約)20℃)で、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内の1~5重量%、好ましくは、2重量%の各Sのスピンコーティング膜から測定された発光スペクトルにおいて、好ましくは、500~560nm、より好ましくは、510~550nm、より一層好ましくは、520~540nmの最大発光を有する緑色光を発光する、本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSであることが好ましく、
ここで、特定実施形態において、グループ(a)~(e)の物質の総重量は100重量%である。
少なくとも1つの燐光物質P と共に、本発明による少なくとも1つの有機分子を含む組成物
組成物のさらに他の好ましい実施形態は、本発明による少なくとも1つの有機分子、及び本発明の有機分子ではない少なくとも1つの燐光物質P(前記定義された通り)を含む組成物に係わるものである。
この場合、本発明による少なくとも1つの有機分子及び少なくとも1つの燐光物質Pから選択される任意の物質は、エミッタ物質の役割を行うことができる。
光電子素子のEMLに使用される場合、前述の組成物からの発光が、主に(すなわち、50%超過、好ましくは、60%超過、より好ましくは、70%超過、より一層好ましくは、80%超過、またさらに好ましくは、90%超過)少なくとも1つの燐光物質Pに起因する場合、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの本発明による有機分子の最低励起一重項状態S1が、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光物質Pの最低励起三重項状態T1よりエネルギー的に高いことが好ましい。その後、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの本発明による有機分子が、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光物質Pに励起エネルギーを移動させることが好ましい。
光電子素子のEMLに使用される場合、前述の組成物からの発光が、主に(すなわち、50%超過、好ましくは、60%超過、より好ましくは、70%超過、より一層好ましくは、80%超過、またさらに好ましくは、90%超過)本発明による少なくとも1つの有機分子に起因する場合、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光物質Pの最低励起三重項状態T1が、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの本発明による有機分子の最低励起三重項状態T1よりエネルギー的に高いことが好ましい。その後、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光物質Pが、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの本発明による有機分子に励起エネルギーを移動させることが好ましい。前述のように、本発明による有機分子は、本願で定義されたようなTADF物質Eであることが一般的に好ましい(前記参照)。この場合、前述の組成物において、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光物質Pは、当業者の常識の一部を形成する外部重原子効果により、組成物に含まれた少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのTADF物質E内で、RISCプロセスの効率を向上させることができる。
一実施形態において、組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)本発明による1以上の有機分子、
(b)選択的に(a)の有機分子と異なる1以上のホスト物質H
(c)(a)の有機分子と異なる1以上の燐光物質P、及び
(d)選択的に1以上の溶媒、
ここで、(a)及び/または(c)の少なくとも1つの物質は、エミッタ物質である。
一実施形態において、組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)本発明による1以上の有機分子、及び
(c)(a)の有機分子と異なる1以上の燐光物質P
ここで、グループ(a)の有機分子の分率(重量%)は、グループ(c)の燐光物質Pの分率(重量%)より高く、好ましくは、グループ(a)の有機分子の分率(重量%)は、グループ(c)の燐光物質Pの分率(重量%)より少なくとも2倍高い。
一実施形態において、組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)1~99.5重量%、好ましくは、5~50重量%、特に10~30重量%の本発明による1以上の有機分子、
(b)0~98.5重量%、好ましくは、35~94重量%、特に60~88重量%の、(a)の有機分子と異なる1以上のホスト物質H
(c)0.5~20重量%、好ましくは、1~15重量%、特に2~10重量%の、(a)の有機分子と異なる1以上の燐光物質P、及び
(d)0~98.5重量%、好ましくは、0~59重量%、特に0~28重量%の1以上の溶媒、
ここで、(a)及び/または(c)のうち少なくとも1つの物質は、エミッタ物質であり、
ここで、特定実施形態において、グループ(a)~(d)の物質の総重量は100重量%である。
少なくとも1つの燐光物質P 及び少なくとも1つの(追加)蛍光エミッタFと共に、本発明による少なくとも1つの有機分子を含む組成物
組成物のさらに他の好ましい実施形態は、本発明による少なくとも1つの有機分子、本発明の分子ではない少なくとも1つの燐光物質P(前記定義された通り)、及び本発明の分子ではない少なくとも1つの(追加)蛍光エミッタF(前記定義された通り)を含む組成物に係わるものである。
この場合、本発明による少なくとも1つの有機分子、少なくとも1つの燐光物質P及び少なくとも1つの(追加)蛍光エミッタFから選択される任意の物質は、エミッタ物質の役割を行うことができる。しかし、好ましくは、光電子素子のEMLに使用される場合、組成物からの発光は、主に(すなわち、50%超過、好ましくは、60%超過、より好ましくは、70%超過、より一層好ましくは、80%超過、またさらに好ましくは、90%超過)本発明の分子ではない、少なくとも1つ、好ましくは、正確に1つの(追加)蛍光エミッタFに起因する。少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの(追加)蛍光エミッタFは、室温(すなわち、(約)20℃)で、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内の1~5重量%、好ましくは、2重量%の各Sのスピンコーティング膜から測定された発光スペクトルにおいて、好ましくは、500~560nm、より好ましくは、510nm~550nm、より一層好ましくは、520~540nmの最大発光を有する緑色光を発光する、本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSであることが特に好ましい。さらに、励起エネルギーは、好ましくは、当該組成物内の相異なっている物質間で、特に、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれのホスト物質H(存在する場合)から、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの本発明による有機分子、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光物質P、及び少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの(追加)蛍光エミッタFに移動する。励起エネルギーは、また、以下から選択される組成物内の物質間で移動することが好ましい:本発明による少なくとも1つの有機分子、少なくとも1つの燐光物質P、及び少なくとも1つの(追加)蛍光エミッタF、特に、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの本発明による有機分子、及び/または、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光物質Pから、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの(追加)蛍光エミッタFに。好ましくは、励起エネルギーは、また、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの本発明による有機分子から、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの燐光物質Pに移動する。
一実施形態において、組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)本発明による1以上の有機分子、
(b)選択的に(a)の有機分子と異なる1以上のホスト物質H
(c)(a)の有機分子と異なる1以上の燐光物質P
(d)(a)の有機分子と異なっており、(c)の燐光物質Pとも異なる1以上の蛍光エミッタF、及び
(e)選択的に1以上の溶媒、
ここで、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの(追加)蛍光エミッタF(すなわち、(d)の物質)は、室温(すなわち、(約)20℃)で、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内の1~5重量%、好ましくは、2重量%の各Sのスピンコーティング膜から測定された発光スペクトルにおいて、好ましくは、500~560nm、より好ましくは、510nm~550nm、より一層好ましくは、520~540nmの最大発光を有する緑色光を発光する、本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSであることが好ましい。
一実施形態において、組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)本発明による1以上の有機分子、
(c)(a)の有機分子と異なる1以上の燐光物質P、及び
(d)(a)の有機分子と異なっており、(c)の燐光物質Pとも異なる1以上の蛍光エミッタF、
ここで、グループ(a)の有機分子の分率(重量%)は、グループ(c)の燐光物質Pの分率(重量%)より高く、好ましくは、グループ(a)の有機分子の分率(重量%)は、グループ(c)の燐光物質Pの分率(重量%)より少なくとも2倍高く、
ここで、グループ(a)の有機分子の分率(重量%)は、グループ(d)の蛍光エミッタFの分率(重量%)より高く、好ましくは、グループ(a)の有機分子の分率(重量%)は、グループ(d)の蛍光エミッタFの分率(重量%)より少なくとも5倍高い。
一実施形態において、組成物は、下記を含むか、あるいはそれからなる:
(a)1~99.8重量%、好ましくは、5~50重量%、特に10~30重量%の本発明による1以上の有機分子、
(b)0~98.8重量%、好ましくは、35~94重量%、特に60~88重量%の、本発明による有機分子と異なる1以上のホスト物質H
(c)0.1~20重量%、好ましくは、0.5~10重量%、特に1~3重量%の、(a)の有機分子と異なる1以上の燐光物質P
(d)0.1~20重量%、好ましくは、0.5~12重量%、特に1~5重量%の、(a)の有機分子と異なる1以上の(追加)蛍光エミッタF、及び
(e)0~98.8重量%、好ましくは、0~59重量%、特に0~28重量%の1以上の溶媒、
ここで、少なくとも1つ、好ましくは、それぞれの(追加)蛍光エミッタF(すなわち、(d)の物質)は、室温(すなわち、(約)20℃)で、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内の1~5重量%、好ましくは、2重量%の各Sのスピンコーティング膜から測定された発光スペクトルにおいて、好ましくは、500~560nm、より好ましくは、510nm~550nm、より一層好ましくは、520~540nmの最大発光を有する緑色光を発光する、本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSであることが好ましく、
ここで、特定実施形態において、グループ(a)~(e)の物質の総重量は100重量%である。
本発明の更なる態様及び実施形態
好ましい実施形態において、本発明による有機分子は、フォトルミネセンス量子収率(PLQY)が20%以上、より好ましくは、30%以上、より一層好ましくは、40%以上、特に50%以上、特に60%以上、特に70%以上、またさらに好ましくは、80%以上であり、ここで、本発明による有機分子のPLQYは、本文の後項で説明されたように、室温(すなわち、(約)20℃)で、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内の10重量%の有機分子を有するスピンコーティング膜から決定される。
本発明の一実施形態において、本発明による有機分子は、室温(すなわち、(約)20℃)で、10重量%の有機分子を有するポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)フィルムにおいて測定するとき、50μs以下、好ましくは、25μs以下、より好ましくは、15μs以下、より一層好ましくは、10μs以下、特に8μs以下、特に6μs以下、特に好ましくは、4μs以下の遅延励起状態寿命を有する。
更なる実施形態において、本発明による有機分子は、室温(すなわち、(約)20℃)で、10重量%の有機分子を有するポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)フィルムにおいて、0.60eV未満、好ましくは、0.50eV未満、より好ましくは、0.45eV未満、より一層好ましくは、0.43eV未満、またさらに好ましくは、0.40eV未満の半値幅(FWHM)を有する。
更なる実施形態において、本発明による有機分子は、室温(すなわち、(約)20℃)で、10重量%の有機分子を有するポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)フィルムにおいて、50μs以下、好ましくは、25μs以下、より好ましくは、15μs以下、より一層好ましくは、10μs以下、特に8μs以下、特に6μs以下、特に好ましくは、4μs以下の遅延励起状態寿命を有し、0.60eV未満、好ましくは、0.50eV未満、より好ましくは、0.45eV未満、より一層好ましくは、0.43eV未満、またさらに好ましくは、0.40eV未満の半値幅(FWHM)を有する。
本発明の更なる実施形態において、本発明による有機分子は、室温(すなわち、(約)20℃)で、10重量%の有機分子を有するポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)フィルムにおいて測定するとき、可視光線または近紫外線の範囲、すなわち、380~800nmの波長範囲において発光ピークを有し、0.60eV未満、好ましくは、0.50eV未満、より好ましくは、0.45eV未満、より一層好ましくは、0.43eV未満、またさらに好ましくは、0.40eV未満の半値幅(FWHM)を有する。
本発明の更なる態様は、本発明による有機分子を製造する方法に係わるものであり、当該方法は、パラジウム触媒クロスカップリング反応及び芳香族求核置換反応を含む:
本発明によれば、2位においてカップリング基CGで置換され、4位においてカップリング基CGで置換された1-フルオロベンゼンE2を出発物質として使用し、1つはカップリング基CGで置換され(反応物E3)、他の1つはカップリング基CGで置換された(反応物E4)2つのヘテロ環と反応させる。カップリング基CG及びCGは、CGの位置にE4のヘテロ環を導入するための反応対として選択される。したがって、カップリング基CG及びCGは、CGの位置にE3のヘテロ環を導入するための反応対として選択される。好ましくは、いわゆる鈴木カップリング反応が使用される。ここで、CGは、Cl、BrまたはIから選択され、CGは、ボロン酸基またはボロン酸エステル基、特にボロン酸ピナコールエステル基であるか、あるいはCGは、ボロン酸基またはボロン酸エステル基、特にボロン酸ピナコールエステル基であり、CGは、Cl、BrまたはIから選択される。同様に、CGは、Cl、BrまたはIから選択され、CGは、ボロン酸基またはボロン酸エステル基、特にボロン酸ピナコールエステル基であるか、あるいはCGは、ボロン酸基またはボロン酸エステル基、特にボロン酸ピナコールエステル基であり、CGは、Cl、BrまたはIから選択される。E3とE2、及びE4とE2のカップリング反応を通じて相異なっているヘテロ環を導入するために、先にE2がE3と反応し、生成された中間体が後続してE4と反応してE1が得られるか、あるいは先にE2がE4と反応し、生成された中間体が後続してE3と反応してE1が得られるということを、当業者であれば、知っている。
芳香族求核置換反応において、窒素ヘテロ環とアリールハライド、好ましくは、アリールフルオリドの反応のために、典型的な条件は、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)のような非プロトン性極性溶媒において、リン酸三カリウムまたは水素化ナトリウムのような塩基の使用を含む。
当業者は、アリールハライドとの芳香族求核置換反応において、窒素ヘテロ環の反応に適している多数の構造が分かっている。
窒素ヘテロ環に対する非制限的な例は、下記に列挙されている(CAS番号は、構造下の括弧内に表される):
本発明の更なる態様は、光電子部品または素子、好ましくは、本発明による1以上の有機分子を含む光電子素子を製造する方法に係わるものである。
本発明の更なる態様は、本発明による有機分子、または本発明による有機分子を含む組成物が使用される光電子素子の製造方法に係わるものである。
光電子素子、特に本発明による少なくとも1つの有機分子を含むOLEDは、任意の手段の気相蒸着及び/または液状工程によっても製造される。
OLEDの個々の層を形成するための公知の方法は、下記を含む:
-昇華工程による蒸着、
-有機気相蒸着工程による蒸着、
-キャリアガス昇華工程による蒸着、
-溶液処理またはプリント。
本発明の更なる態様は、光電子素子を製造する方法に係わるものであり、ここで、本発明による有機分子、または本発明による有機分子を含む組成物が使用され、特に真空蒸着方法を使用して、または溶液から有機分子を処理する段階を含む。
本発明による少なくとも1つの有機分子を含む光電子素子、好ましくは、OLEDのような光電子素子を製造するのに使用される方法は、当業者に公知されている。異なる層は、後続の蒸着工程により、適切な基板上に、個々に連続して蒸着される。個々の層は、同一であるか、あるいは異なる蒸着方法を使用して蒸着されうる。
該気相蒸着工程は、熱(共)蒸着、化学的気相蒸着及び物理的気相蒸着を含む。アクティブマトリックスOLEDディスプレイの場合、AMOLEDバックプレーンが基板として使用される。個々の層は、適切な溶媒を使用する溶液または分散液からも処理される。例えば、溶液蒸着工程には、スピンコーティング、ディップコーティング及びジェットプリンティングが含まれる。溶液処理は、選択的に、不活性雰囲気(例えば、窒素雰囲気)において遂行され、該溶媒は、当業界に公知の手段により、完全にまたは部分的に除去される。
好ましくは、少なくとも1つの本発明による有機分子を含む光電子素子は、1以上の層が、物質が10-5mbarと1barとの間の圧力で適用されるOVPD(有機気相蒸着)工程またはキャリアガス昇華の助けによってコーティングされることを特徴とする。この工程の特別な場合は、物質がノズルを介して直接適用されて構造化されるOVJP(有機気相ジェットプリンティング)工程である。
また、好ましくは、少なくとも1つの本発明による有機分子を含む光電子素子は、1以上の層が、例えば、スピンコーティングにより、あるいは、例えば、スクリーン印刷、フレキソグラフィック印刷、ノズル印刷またはオフセット印刷、しかし、特に好ましくは、LITI(光誘導熱画像、熱転写印刷)またはインクジェット印刷のような任意の所望の印刷工程により、溶液から生成されることを特徴とする。このためには、溶解性化合物が必要である。化合物の適切な置換を通じて、高い溶解度を達成することができる。
例えば、1以上の層が溶液から適用され、1以上の追加層が気相蒸着によって適用されるハイブリッド工程も可能である。したがって、例えば、溶液から発光層を適用し、蒸着によって電子輸送層を適用することができる。
それら工程/方法は、一般的に当業者に知られており、本発明による少なくとも1つの分子を含む有機エレクトロルミネッセンス素子に発明段階なしに適用される。
更なる態様において、本発明は、下記段階を含む、光を発生させる方法、特に500~560nmの波長の緑色光を発生させる方法に係わるものである:
(i)本発明による有機分子を含む光電子素子を提供する段階、及び
(ii)前記素子に電流を加える段階。
光を発生させる有機エレクトロルミネッセンス素子の核心要素は、一般的に、正極と負極との間に位置した少なくとも1つの発光層(EML)である。有機エレクトロルミネッセンス素子の正極と負極に電圧(及び電流)を加えれば、正極と負極からそれぞれ正孔と電子が注入される。正孔輸送層(HTL)は、一般的に、発光層(EML)と正極との間に位置し、電子輸送層(ETL)は、一般的に、発光層(EML)と負極との間に位置する。異なる層が順次に配置される。その後、EMLにおいて、正孔と電子との再結合により、高いエネルギーの励起子が生成される。そのような励起状態(例えば、S1のような一重項状態及び/またはT1のような三重項状態)の基底状態S0への減衰は、好ましくは、光発光を引き起こす。
軌道エネルギー、励起状態エネルギー及びΔE ST の決定
軌道エネルギー及び励起状態エネルギーは、実験方法や量子化学方法、特に、密度関数理論計算を利用する計算方法を介して決定される。最高被占軌道エネルギーEHOMOは、当業者に公知の方法によって、サイクリックボルタンメトリー測定から0.1eVの精度で決定される。
Figure 2024515265000101
吸収スペクトルは、室温(すなわち、(約)20℃)で、一般的にポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)のそれぞれの物質のスピンコーティング膜から測定される。本発明による有機分子の場合、一般的にTADF物質Eの場合及び燐光物質Pの場合、スピンコーティングされたPMMAフィルム内のそれぞれの物質の濃度は、他に言及されない限り、10重量%である。本発明の分子と異なっており、本願に定義されたTADF物質Eではないホスト物質Hに対し、吸収スペクトルは、典型的にそれぞれのホスト物質Hのニートフィルムから測定される。本発明の分子ではない蛍光エミッタFの場合、特に、それらが本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSである場合、吸収スペクトルは、典型的にPMMA内の1~5%、好ましくは、2重量%のF濃度を有するそれぞれのエミッタ物質のスピンコーティング膜から測定される。代案としては、吸収スペクトルは、また、例えば、ジクロロメタンまたはトルエン内の各分子の溶液から記録され、ここで、溶液の濃度は、一般的に、最大吸光度が好ましくは0.1~0.5範囲になるように選択される。
他に言及しない限り、第1励起三重項状態T1のエネルギーは、一般的に、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)のそれぞれの物質のスピンコーティング膜から、77K(定常状態スペクトル)での燐光スペクトル開始(onset)から決定される。燐光物質Pのみに対し、燐光スペクトルは、室温(すなわち、(約)20℃)で記録される。本発明による有機分子の場合、一般的にTADF物質Eの場合及び燐光物質Pの場合、スピンコーティングされたPMMAフィルム内のそれぞれの物質の濃度は、他に言及されない限り、10重量%である。本発明の分子と異なっており、本願に定義されたTADF物質Eではないホスト物質Hに対し、吸収スペクトルは、典型的にそれぞれのホスト物質Hのニートフィルムから測定される。本発明の分子ではない蛍光エミッタFの場合、特に、それらが本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSである場合、吸収スペクトルは、典型的にPMMA内の1~5%、好ましくは、2重量%のF濃度を有するそれぞれのエミッタ物質のスピンコーティング膜から測定される。ΔEST値が小さいTADF物質Eの場合、項間交差及び逆項間交差の両方が低温でも発生しうる。結果として、77Kでの発光スペクトルは、S1及びT1状態の両方からの発光を含む。しかし、三重項エネルギーの寄与/価値が一般的に優れているものと見なされる。
他に言及しない限り、第1励起一重項状態S1のエネルギーは、室温(すなわち、(約)20℃)で、蛍光スペクトルの開始から決定され(定常状態スペクトル)、典型的にポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内のそれぞれの物質のスピンコーティング膜から決定される。本発明による有機分子及び一般的にTADF物質Eの場合、スピンコーティングされたPMMAフィルム内のそれぞれの物質の濃度は、他に言及されない限り、10重量%である。本発明の分子と異なっており、本願に定義されたTADF物質Eではないホスト物質Hに対し、吸収スペクトルは、典型的にそれぞれのホスト物質Hのニートフィルムから測定される。本発明の分子ではない蛍光エミッタFの場合、特に、それらが本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSである場合、吸収スペクトルは、典型的にPMMA内の1~5%、好ましくは、2重量%のF濃度を有するそれぞれのエミッタ物質のスピンコーティング膜から測定される。しかし、効率的な項間交差を示す燐光物質Pの場合、室温発光(一般的に、エミッタの10重量%を有するPMMA内のPのスピンコーティング膜から測定される)は、(ほとんど)蛍光ではない燐光である。この場合、常温(すなわち、(約)20℃)で発光スペクトルの開始は、前述の第1励起三重項状態T1のエネルギーを決定するのに使用され、第1励起一重項状態S1のエネルギーを決定するのに使用されない。
他に言及しない限り、第1(すなわち、最低)励起一重項状態S1と第1(すなわち、最低)励起三重項状態T1とのエネルギー差に該当するΔEST値は、第1励起一重項状態エネルギー及び第1励起三重項状態エネルギーを基準に決定され、それらは、前述の通りである。
実施例
一般合成方式I
例示的に、一般合成方式Iは、本発明による有機分子M1に対する合成方式を提供する。
一般合成方式II
一般合成方式IIは、本発明による有機分子M2に対する合成方式を提供する。
Figure 2024515265000103
ここで、WがNの場合、YはCHであり、YがNの場合、WはCHである。Xはハロゲンであり、好ましくは、ClまたはBrである。
一般合成方式III
例示的に、一般合成方式IIIは、本発明による有機分子M2に対する合成方式を提供する。
合成のための一般手順:
合成方式Iのための手順
手順1
窒素雰囲気下で、脱水ジオキサンを、2,4-ジブロモ-1-フルオロベンゼンE1(1.00当量、CAS 1435-53-6)、ビス(ピナコラート)ジボロンE2(2.40当量、CAS 73183-34-3)、酢酸カリウム(6.00当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.02当量、CAS 51364-51-3)及びXPhos(0.08、CAS 564483-18-7)に添加し、次いで、窒素を10分間パージする。GC/MS及びTLCによって判断されるように、E1の完全な切り替えに達するまで、反応混合物を100℃で撹拌する。室温に冷却した後、活性炭とcelite(登録商標)(kieselgur)を混合物に添加し、15分間撹拌した後、真空吸入によって濾過する。濾液をエチルアセテート及び塩水で抽出する。有機抽出物は、減圧下で濃縮される。得られた粗生成物をn-ヘキサンで精製して再結晶し、P1を固体として得た。
手順2
窒素雰囲気下で、ジオキサンと水の混合物(4:1の割合)を、ボロンピナコールエステルP1(1.00当量、手順1の生成物)、2-クロロピリミジン-5-カルボニトリルE3(2.10当量、CAS 1753-50-0)、リン酸三カリウム(4.00当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.06当量、CAS 51364-51-3)、及びトリシクロへキシルホスフィン(0.12、CAS 2622-12-2)に添加し、次いで、窒素を10分間パージする。GC/MS及びTLCによって判断されるように、ボロンピナコールエステルE3の完全な切り替えに達するまで、反応混合物を100℃で撹拌する。室温に冷却した後、反応混合物に水を添加し、生成された沈殿物を真空吸入によって除去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィ、洗浄または再結晶によって精製し、P2を固体として得た。
手順3
P2(1.00当量、手順2の生成物)、E4(1.00当量)及び炭酸カリウム(1.50当量)を、窒素雰囲気下で、脱水DMFに溶解させ、90℃で24時間撹拌する(LC/MS及びTLCを介して、反応がモニタリングされる)。次いで、反応混合物を、水と氷の撹拌された混合物に注ぐ。生成された沈殿物を濾過し、水及びエタノールで洗浄する。粗生成物をカラムクロマトグラフィまたは再結晶によって精製し、M1を固体として得る。
合成方式IIのための手順
手順4
窒素雰囲気下で、THFと水の混合物(4:1の割合)を、3-シアノ-4-フルオロフェニルボロン酸E1’(1.00当量、CAS 214210-21-6)、ハロゲン化ピリミジン-カルボニトリル誘導体E3’(1.00当量)、炭酸カリウム(2.00当量)、及び[1,1’-]ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)ジクロリド(0.015当量、CAS 72287-26-4)に添加し、次いで、窒素を10分間パージする。GC/MS及びTLCによって判断されるように、ボロン酸E1’の完全な切り替えに達するまで、反応混合物を80℃で撹拌する。室温に冷却した後、反応混合物をジクロロメタン及び水で抽出した。有機抽出物は、減圧下で濃縮される。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィ、洗浄または再結晶によって精製し、P1’を固体として得た。
手順5
P1’(1.00当量、手順4の生成物)、E4(1.00当量)及びリン酸三カリウム(2.00当量)を、窒素雰囲気下で、脱水DMSOに溶解させ、80℃で24時間撹拌する(LC/MS及びTLCを介して、反応がモニタリングされる)。次いで、反応混合物を、水と氷の撹拌された混合物に注ぐ。生成された沈殿物を濾過し、水及びエタノールで洗浄する。粗生成物をカラムクロマトグラフィ、洗浄または再結晶によって精製し、M2を固体として得る。
合成方式IIIのための手順
手順6
5-ブロモ-2-フルオロベンゾニトリルE1”(1.00当量)、E4(1.00当量)及びリン酸三カリウム(2.00当量)を、窒素雰囲気下で、脱水DMSOに溶解させ、120℃で16時間撹拌する(LC/MS及びTLCを介して、反応がモニタリングされる)。次いで、反応混合物を、水と氷の撹拌された混合物に注ぐ。生成された沈殿物を濾過し、水及びエタノールで洗浄する。粗生成物をカラムクロマトグラフィ、洗浄または再結晶によって精製し、P1”を固体として得る。
手順7
窒素雰囲気下で、脱水トルエンを、P1”(1.00当量、手順6の生成物)、ビス(ピナコラート)ジボロンE2(2.40当量、CAS 73183-34-3)、酢酸カリウム(6.00当量)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.02当量、CAS 51364-51-3)及びXPhos(0.08、CAS 564483-18-7)に添加し、次いで、窒素を10分間パージする。LCC/MS及びTLCによって判断されるように、P1”の完全な切り替えに達するまで、反応混合物を100℃で撹拌する。室温に冷却した後、活性炭とcelite(登録商標)を混合物に添加し、15分間撹拌した後、真空吸入によって濾過する。濾液をn-ヘキサンまたはメタノールに添加し、粗固体を沈殿させた。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィまたは再結晶によって精製し、P2”を固体として得た。
手順8
窒素雰囲気下で、ジオキサンと水の混合物(4:1の割合)を、P2”(1.00当量、手順7の生成物)、ハロゲン化ピリミジン-カルボニトリル誘導体E3’(1.10当量)、炭酸カリウム(2.00当量)、及び[1,1’-]ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)パラジウム(II)ジクロリド(0.015当量、CAS 72287-26-4)に添加し、次いで、窒素を10分間散布する。LC/MS及びTLCによって判断されるように、ピナコールボロン酸エステルP2”の完全な切り替えに達するまで、反応混合物を100℃で撹拌する。室温に冷却した後、反応混合物に水を添加し、生成された沈殿物を真空吸入によって除去した。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィ、洗浄または再結晶によって精製し、M2を固体として得た。
サイクリックボルタンメトリー
サイクリックボルタモグラムは、ジクロロメタン、または適する溶媒、及び適する支持電解質(例:0.1mol/Lのテトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート)において、各化合物(例えば、本発明による有機分子、一般的なTADF物質E、一般的なホスト物質H、一般的な燐光物質P、及び一般的な蛍光エミッタF)の濃度が10-3mol/Lである溶液で測定される。該測定は、3電極アセンブリ(作用電極及びカウンター電極:Ptワイヤ、基準電極:Ptワイヤ)を使用し、窒素雰囲気において、室温(すなわち、(約)20℃)で行い、内部標準として、FeCp/FeCp を使用して補正する。内部標準としてフェロセンを使用して、当該目的のために使用されたフェロセンの文献値と共に、HOMO及びLUMOデータを校正した。
密度関数理論計算
分子構造は、BP86関数及びRI(Resolution of Identity)アプローチを使用して最適化された。励起エネルギーは、(BP86)最適化された構造を使用して、TD-DFT(Time-Dependent DFT)方法でもって計算される。軌道エネルギー及び励起状態エネルギーは、B3LYP関数により計算される。数値積分のために、Def2-SVP基本セット及びm4-gridが使用される。Turbomoleプログラムパッケージは、全ての計算に使用される。
光物理的測定
試料前処理:スピンコーティング
他に言及しない限り、成分の光物理的測定は、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)内のそれぞれの成分(例えば、本発明による有機分子、一般的なTADF物質E、一般的なホスト物質H、一般的な燐光物質P、及び一般的な蛍光エミッタF)のスピンコーティング膜から行われる。他に言及しない限り、そのようなスピンコーティングされたPMMAフィルムの成分濃度は、以下の通りである:
・本発明による全ての有機分子:PMMA内の10重量%
・本願に定義されたようなTADF物質E:PMMA内の10重量%
・本願に定義されたような燐光物質P:PMMA内の10重量%
・本発明による有機分子の一部を形成しない、本願に定義されたような蛍光エミッタF、特に、それらが本発明の文脈における小さいFWHMエミッタSである場合:PMMA内の1~5重量%、好ましくは、2重量%。
しかし、本発明による有機分子ではなく、本願に定義されたようなTADF物質Eまたは燐光物質Pまたは蛍光エミッタFではないホスト物質Hの場合、Hのスピンコーティングされたニートフィルムが、PMMAフィルムの代わりに使用される。
装置:Spin150、SPS euro
試料濃度は1.0mg/mlであり、典型的に適切な溶媒であるトルエン/DCMに溶解される。
プログラム:2000U/分で7~30秒。コーティング後、フィルムを70℃で1分間乾燥させた。
吸収測定
Thermo Scientific Evolution 201紫外可視光分光光度計は、270nm以上の波長領域においてサンプルの最大吸収波長を決定するのに使用される。当該波長は、フォトルミネセンススペクトル及び量子収率の測定のための励起波長として使用される。
フォトルミネセンス分光法
フォトルミネセンス分光法の測定のために、Horibaの蛍光分光計「Fluoromax 4P」が使用される。
燐光エミッタからの定常状態蛍光スペクトル及び燐光スペクトルは、室温で記録される。基本操作方式は、次の通りである:連続光源(キセノンアークランプ)を、適切な波長帯域を選択する励起単色計に照らす。この単色励起光は、発光を発光する試料に向かう。試料がスピンコーティングまたは蒸着されたフィルムである場合、測定する間、それをキュベットに入れ、窒素雰囲気を維持する。発光は、測定中に変更される波長帯域を選択し、光子計数検出器(R928P光電子増倍管)に照らす二番目の発光単色計に向かう。検出器からの信号は、データを処理及び表示可能なシステムコントローラとホストコンピュータに報告される。
TADFエミッタからの燐光スペクトルは、77Kで記録される。基本操作方式は、次の通りである:励起には、パルス光源(パルスキセノンランプ)が使用され、25Hzで作動する。ゲート及び遅延生成器を含む制御モジュールは、励起と感知との間のタイミングを制御するのに使用される。一般的なデータ収集シーケンスは、制御モジュールが感知するパルスランプのフラッシュから始まる。光が励起単色計に入って分散される。単色計からの単色光は、サンプルを励起させる。サンプルは、測定する間、液体窒素で充填されたガラスデュワー容器に配置される。サンプルからの光の発光は、発光単色計を通じて、光子計数光電子増倍管-チューブ検出器に伝達される。制御モジュールは、検出器から信号をインターセプトし、既定のサンプリング時間(サンプルウィンドウ)の長さの間、フラッシュ(初期遅延)以後のゲーティングされた部分の信号のみを収集する。ゲーティング前後に到着する全ての信号は無視される。初期遅延は、0~10000msで変更可能であり、初期蛍光発光及びランプ減衰の影響を排除するように設定され、好ましくは、50msである。サンプルウィンドウは、0.01~10000msで変更可能であり、燐光発光を収集するように設定され、好ましくは、40msである。
μs範囲及びns範囲の時間分解(過渡)フォトルミネセンス(PL)分光法(FS5)
時間分解PL測定は、Edinburgh InstrumentsのFS5蛍光分光計で行われる。HORIBA設定における測定と比べてより良好な集光は、最適化された信号対雑音比(SN比)を可能にし、特に、遅延蛍光特性の過渡PL測定においてFS5システムが有利である。連続光源として、分光計は、150Wキセノンアークランプを含み、特定の波長は、Czerny-Turner単色計によって選択される。しかし、標準測定は、その代わりに、発光波長が310nmである外部VPLED可変パルスLEDを使用して行われる。試料の発光は、敏感なR928P光電子増倍管(photomultiplier tube: PMT)に向かい、200nm~870nmのスペクトル範囲において最大25%のピーク量子効率を有する単一光子を検出することができる。検出器は、300cps(カウント毎秒)未満のダークカウントを提供する温度安定化されたPMTである。
データ収集は、よく確立された時間相関単一光子計数(TCSPC)技術を使用して行われる。FS5には、発光単色計、検出器ユニットとしての温度安定化された光電子増倍管、及び励起ソースとしてのパルスLED(310nm中央波長、910psパルス幅)が装着されている。サンプルがスピンコーティングまたは蒸着されたフィルムである場合、測定する間、それをキュベットに入れ、窒素雰囲気を維持する。
Figure 2024515265000105
Figure 2024515265000106

ここで、nは、1~3である。特定寿命τをそれに相応する振幅Aによって加重することにより、遅延蛍光寿命τDFが次のように決定される:
Figure 2024515265000107
時間相関単一光子計数(TCSPC)
励起状態分布力学は、発光単色計、検出器ユニットとして温度安定化された光電子増倍管、及び励起ソースとしてパルス型LED(310nm中央波長、910psパルス幅)が装着されたEdinburgh Instruments FS5分光蛍光計を使用して決定される。サンプルをキュベットに入れて測定する間に、窒素でフラッシングする。
全体減衰力学
時間及び信号強度で複数の次数(order)の大きさにわたった全体励起状態分布減衰力学は、4個の時間領域(200ns、1μs、20μs及び>80μsのさらに長い測定期間)でTCSPC測定を行って達成される。測定された時間曲線は、その後、次のような方式によって処理される:
1.励起及び差し引き(subtracting)前の平均信号レベルを決定し、バックグラウンド補正が適用される。
2.主信号の初期上昇を基準として取り、時間軸が整列される。
3.重畳された測定時間領域を使用し、曲線が互いに対してスケーリングされる。
4.処理された曲線が1つの曲線に併合される。
データ分析
データ分析は、即時蛍光(PF)(一般的に、ナノ秒程度)及び遅延蛍光(DF)(一般的に、マイクロ秒程度)減衰の単一指数及び二重指数のフィッティングを使用して行われる。遅延蛍光と即時蛍光との割合(n値)は、それぞれのフォトルミネセンス減衰を経時的に積分して計算される:
Figure 2024515265000108

平均励起状態寿命は、PF及びDFのそれぞれの寄与度で加重された即時蛍光及び遅延蛍光の減衰時間の平均を取って計算される。
フォトルミネセンス量子収率測定
フォトルミネセンス量子収率(PLQY)測定のために、Absolute PL量子収率測定C9920-03Gシステム(浜松ホトニクス)が使用されている。量子収率及びCIE座標は、ソフトウェアU6039-05バージョン3.6.0を使用して決定された。
最大発光は、nmで示され、量子収率Φは、%で示され、CIE座標は、x,y値で示される。
PLQYは、次のプロトコルを使用して決定される:
1)品質保証:エタノール中におけるアントラセン(知られた濃度)を基準に使用する。
2)励起波長:有機分子の最大吸収が決定され、該波長を使用し、分子が励起される。
3)測定
量子収率は、窒素雰囲気において、前述のスピンコーティング膜から室温(すなわち、(約)20℃)で測定される。PLQYは、次の方程式を用いて計算される:
Figure 2024515265000109

ここで、n光子は、光子数を示し、Iは、強度を示す。表示「基準」は、発光サンプルがない基準測定を示し、表示「試料」は、発光サンプルがある測定を示す。波長λ及びλは、励起光領域を表示し、波長λ及びλは、サンプル発光領域を表示する。
光電子素子の製造及び特性化
本発明による有機分子を含む光電子素子、特にOLED素子は、真空蒸着方法によっても製造される。層が1以上の化合物を含む場合、1以上の化合物の重量百分率は、%で示される。総重量百分率値は100%であるので、値が指定されていない場合、該化合物の分率は、指定された値と、100%との差と同じである。
完全に最適化されていないOLEDは、標準方法を使用してエレクトロルミネセンススペクトルを測定し、光ダイオードによって検出された光及び電流を使用して計算された、強度及び電流に依存する外部量子効率(%)を測定して特性化される。OLED素子の寿命は、一定電流密度で動作する間、輝度の変化から抽出される。LT50値は、測定輝度が、初期輝度の50%に低減した時間に該当し、同様に、LT80は、測定輝度が、初期輝度の80%に低減した時点に該当し、LT97は、測定輝度が、初期輝度の97%に低減した時点に該当する。
加速寿命測定が行われる(例:増大した電流密度適用)。例えば、500cd/mにおいて、LT80値は、次の式を使用して決定される:
Figure 2024515265000110

ここで、Lは、印加された電流密度における初期輝度を示す。
値は、複数のピクセル(一般的に、2~8個)の平均に該当し、当該ピクセル間の標準偏差が提供される。図面は、1つのOLEDピクセルに対するデータシリーズを示す。
HPLC-MS
有機化合物の純度は、質量分析法(MS)と結合された高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)を使用して評価されうる。そのようなHPLC-MS分析は、単一四重極子MS検出器が装着されたAgilentのHPLC1260 infinity HPLC-MSシステムを使用して行われる。例えば、一般的なHPLC方法は、次の通りである:逆相カラム3.0mm×100mm、粒子サイズ2.7μmのAgilent(Poroshell 120EC-C18、3.0×100mm、2.7μm HPLCカラム)がHPLCに使用される。HPLC-MS測定は、45℃で行われ、一般的な勾配は次の通りである:
Figure 2024515265000111
また、次の溶媒混合物(全ての溶媒は、0.1%(V/V)のホルム酸(ぎ酸)を含む)を使用した:
Figure 2024515265000112

0.5mg/mL濃度の分析物溶液から、注入体積2μLが測定のために使用される。
プローブのイオン化は、APCI(大気圧化学イオン化)ソースにおいて陽(APCI+)イオン化モードまたは陰(APCI-)イオン化モードを使用して行われるか、あるいはAPPI(大気圧光イオン化)ソースを使用して行われる。
実施例1

実施例1は、手順1(収率53%)、手順2(収率62%)及び手順3(収率32%)によって合成され、ここで、3,6-ジフェニルカルバゾールCAS 56525-79-2を中間体E4として使用した。
MS(HPLC-MS)、m/z(保持時間):602.4(6.61分)。
図1は、室温(すなわち、約20℃)で、実施例1(PMMAにおいて10重量%)の発光スペクトルを示す。最大発光(λmax)は521nmである。フォトルミネセンス量子収率(PLQY)は61%であり、半値幅(FWHM)は0.39eVであり、発光寿命は32.2μsである。結果のCIEx座標は、0.30で決定され、CIEy座標は、0.56で決定される。
実施例2

実施例2は、手順1(収率53%)、手順2(収率62%)及び手順3(収率6%)によって合成され、ここで、9-フェニル-9H,9”H-[3,3’]ビカルバゾリルCAS 1060735-14-9を中間体E4として使用した。
MS(HPLC-MS)、m/z(保持時間):691.6(4.10分)。
図2は、室温(すなわち、約20℃)で、実施例2(PMMAにおいて10重量%)の発光スペクトルを示す。最大発光(λmax)は533nmである。フォトルミネセンス量子収率(PLQY)は41%であり、半値幅(FWHM)は0.43eVであり、発光寿命は17.6μsである。結果のCIEx座標は、0.36で決定され、CIEy座標は、0.56で決定される。
実施例3

実施例3は、手順6(収率71%)によって合成され、ここで、3,6-ジフェニルカルバゾールCAS 56525-79-2を中間体E4として使用し、手順7(58%)及び手順8(収率76%)、ここで、2,7-クロロピリミジン-5-カルボニトリルCAS 1753-50-0を中間体E2’として使用した。
MS(HPLC-MS)、m/z(保持時間):524.5(3.39分)。
図3は、室温(すなわち、約20℃)で、実施例3(PMMAにおいて10重量%)の発光スペクトルを示す。最大発光(λmax)は503nmである。フォトルミネセンス量子収率(PLQY)は84%であり、半値幅(FWHM)は0.45eVであり、発光寿命は73.5μsである。結果のCIEx座標は、0.25で決定され、CIEy座標は、0.47で決定される。
実施例4

実施例4は、手順4(収率51%)及び手順5(収率41%)によって合成され、ここで、6-(9H-カルバゾール-9-イル)-9H-3,9”-ビカルバゾールCAS 606129-90-2を中間体E4として使用した。
MS(HPLC-MS)、m/z(保持時間):701.8(4.45分)。
図4は、室温(すなわち、約20℃)で、実施例4(PMMAにおいて10重量%)の発光スペクトルを示す。最大発光(λmax)は511nmである。フォトルミネセンス量子収率(PLQY)は69%であり、半値幅(FWHM)は0.49eVであり、発光寿命は41.0μsである。結果のCIEx座標は、0.28で決定され、CIEy座標は、0.48で決定される。
本発明の有機分子の追加例












Claims (15)

  1. -化学式Iの構造を含む第1化学的部分、及び

    ・・・化学式I
    -化学式IIの構造を含む第2化学的部分を含む、有機分子:

    ・・・化学式II
    ここで、
    前記第1化学的部分は、単結合を通じて前記第2化学的部分に結合され、
    Wは、前記第1化学的部分を前記第2化学的部分に結合する単結合の結合部位であり、
    Lは、直接結合、及び化学式BN-Iの構造からなる連結基から選択され、

    ・・・化学式BN-I
    ここで、破線は、化学式Iに表された結合部位を示し、
    #は、前記第1化学的部分と前記第2化学的部分との結合部位を示し、
    Zは、それぞれの場合に、互いに独立して、直接結合、CR、C=CR、C=O、C=NR、NR、O、SiR、S、S(O)及びS(O)からなる群から選択され、
    及びRは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
    水素、重水素、CN、CF、フェニル、
    -Cアルキル、
    ここで、選択的に1以上の水素原子は、重水素で置換され、
    -Cアルケニル、
    ここで、選択的に1以上の水素原子は、重水素で置換され、
    -Cアルキニル、
    ここで、選択的に1以上の水素原子は、重水素で置換され、
    選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C18アリール、及び
    選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C17ヘテロアリール、
    、R及びRは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
    水素、
    重水素、
    N(R
    OR
    Si(R
    B(OR
    OSO
    CF
    CN、
    F、
    Br、
    I、
    -C40アルキル、
    これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
    ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
    -C40アルコキシ、
    これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
    ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
    -C40チオアルコキシ、
    これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
    ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
    -C40アルケニル、
    これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
    ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
    -C40アルキニル、
    これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
    ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
    選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C60アリール、及び
    選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C57ヘテロアリール、
    は、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
    水素、重水素、N(R、OR、Si(R、B(OR、OSO、CF、CN、F、Br、I、
    -C40アルキル、
    これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
    ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
    -C40アルコキシ、
    これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
    ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
    -C40チオアルコキシ、
    これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
    ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
    -C40アルケニル、
    これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
    ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
    -C40アルキニル、
    これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
    ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
    選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C60アリール、及び
    選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C57ヘテロアリール、
    は、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択され、
    水素、重水素、ハロゲン、OPh、CF、CN、F、
    -Cアルキル、
    ここで、選択的に1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
    -Cアルコキシ、
    ここで、選択的に1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
    -Cチオアルコキシ、
    ここで、選択的に1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
    -Cアルケニル、
    ここで、選択的に1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
    -Cアルキニル、
    ここで、選択的に1以上の水素原子は、互いに独立して、重水素、CN、CFまたはFで置換され、
    選択的に1以上のC-Cアルキル置換基で置換されたC-C18アリール、
    選択的に1以上のC-Cアルキル置換基で置換されたC-C17ヘテロアリール、
    N(C-C18アリール)
    N(C-C17ヘテロアリール)、及び
    N(C-C17ヘテロアリール)(C-C18アリール)、
    ここで、置換基R、R、RまたはRは、互いに独立して、1以上の置換基R、R、RまたはRと共に、単環または多環、脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族環系を選択的に形成する。
  2. 及びRは、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される、請求項1に記載の有機分子:
    水素、重水素、CN、CF、フェニル、C-Cアルキル、
    選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C18アリール、及び
    選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C17ヘテロアリール。
  3. 及びRは、それぞれの場合に、互いに独立して、水素(H)、メチル及びフェニルからなる群から選択される、請求項1または2に記載の有機分子。
  4. 前記第2化学的部分は、化学式IIaの構造を含むか、あるいはそれからなる、請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の有機分子:

    ・・・化学式II
  5. は、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される、請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の有機分子:
    水素、
    重水素、
    Me、
    Pr、
    Bu、
    CN、
    CF
    Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたPh、
    Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリジニル、
    Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたピリミジニル、
    Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたカルバゾリル、
    Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたトリアジニル、及び
    Me、Pr、Bu、CN、CF及びPhからなる群から互いに独立して選択される1以上の置換基で選択的に置換されたN(Ph)
    ここで、2つの隣接した置換基Rは、下記からなる群から選択された環系によって代替され、

    ここで、それぞれの破線は、Rで表された位置に、前記表した環系のうち1つを結合する直接結合を示す。
  6. 前記第2化学的部分は、下記構造のうちいずれか1つの構造を含むか、あるいはそれからなる、請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の有機分子:
    下記構造:







  7. 化学式IVa-1、化学式IVb-1及び化学式IVc-1からなる群から選択された構造を含む、請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の有機分子:

    ・・・化学式IVa-1

    ・・・化学式IVb-1

    ・・・化学式IVc-1
  8. 化学式VIa-1、化学式VIb-1及び化学式VIc-1からなる群から選択された構造を含む、請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載の有機分子:

    ・・・化学式VIa-1

    ・・・化学式VIb-1

    ・・・化学式VIc-1
    ここで、
    は、それぞれの場合に、互いに独立して、下記からなる群から選択される:
    重水素、
    N(R
    OR
    Si(R
    B(OR
    OSO
    CF
    CN、
    F、
    Br、
    I、
    -C40アルキル、
    これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
    ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
    -C40アルコキシ、
    これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
    ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
    -C40チオアルコキシ、
    これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
    ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
    -C40アルケニル、
    これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
    ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
    -C40アルキニル、
    これは、1以上の置換基Rで選択的に置換され、
    ここで、1以上の隣接しないCH基は、RC=CR、C≡C、Si(R、Ge(R、Sn(R、C=O、C=S、C=Se、C=NR、P(=O)(R)、SO、SO、NR、O、SまたはCONRで選択的に置換され、
    選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C60アリール、及び
    選択的に1以上の置換基Rで置換されたC-C57ヘテロアリール。
  9. 請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の有機分子を含む、光電子素子。
  10. 前記光電子素子は、下記からなる群から選択される、請求項9に記載の光電子素子:
    ・有機発光ダイオード(OLED)
    ・発光電気化学電池
    ・OLEDセンサ
    ・有機ダイオード
    ・有機太陽電池
    ・有機トランジスタ
    ・有機電界効果トランジスタ
    ・有機レーザ、及び
    ・ダウンコンバージョン素子。
  11. 前記光電子素子は、発光層(EML)、及び/または前記発光層(EML)に直接隣接した層に、前記有機分子を含むOLEDである、請求項9または10に記載の光電子素子。
  12. 以下を含む、組成物:
    -請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の有機分子、及び
    -前記有機分子と異なるホスト物質H
  13. 前記有機分子と異なる蛍光エミッタFをさらに含み、
    ここで、前記有機分子の分率(重量%)は、前記蛍光エミッタFの分率(重量%)より高く、好ましくは、前記有機分子の分率(重量%)は、前記蛍光エミッタFの分率(重量%)より少なくとも5倍高い、請求項12に記載の組成物。
  14. 請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の有機分子、あるいは請求項12または請求項13に記載の組成物が使用され、特に、真空蒸着法を使用して、あるいは溶液から前記有機分子を処理する段階を含む、光電子素子の製造方法。
  15. (i)請求項9から請求項11のうちいずれか1項に記載の光電子素子を提供する段階と、
    (ii)前記素子に電流を加える段階と、を含む、500nm~560nmの波長を有する光を発生させる方法。
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