JP2024514177A - 細胞培養食品ならびに関連する細胞、組成物、方法、及び系 - Google Patents

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Abstract

本明細書では、少なくとも10μg/mlの濃度の1種以上の脂質の存在下で、脂質取り込み、細胞生存率、及び/または細胞分化を増加させるために水生動物の細胞を培養するための培養培地、方法、及び系、ならびにそれにより得ることができる及び得られた細胞、関連する細胞バイオマス、及び食品が提供される。また、本明細書では、少なくとも10μg/mlの濃度の1種以上の脂質の存在下で、脂質取り込み、細胞生存率、及び/または細胞分化を増加させるために陸生動物の細胞を培養するための培養培地、方法、及び系、ならびにそれにより得ることができる及び得られた細胞、関連する細胞バイオマス、及び食品も提供される。【選択図】なし

Description

関連出願
本出願は、2021年4月13日に出願された米国仮特許出願第63/174,444号に対する優先権を主張するものであり、この仮出願は、その全体が参照により組み込まれる。
細胞培養食品は、代替食品の一部であり、畜産及び農業に関連する公衆衛生、環境、及び動物福祉の問題に対処する手段として世界中の多くの企業による開発の焦点となっている。公衆衛生上の懸念には、牛肉などの陸生動物の肉の飽和脂肪酸含有量が比較的高く、オメガ-3多価不飽和脂肪酸含有量が本質的にゼロであることがある。飽和脂肪が多くオメガ-3系が少ない食事は、LDLコレステロールレベルの上昇及び心疾患のリスク増加に関係している。
動物を含まない代替食品の生成に対する関心及び取り組みの高まりにもかかわらず、細胞培養及び組織培養由来の食品、特に脂肪酸及び栄養素が強化された細胞培養食品を生成するための最適化された配合及び方法の開発には依然として課題が残っている。
本開示は、所望の脂肪酸プロファイルを有し得る、水生動物細胞培養食品、ならびに関連する細胞、組成物、細胞及び細胞培養食品を生成するための方法及び系に関する。複数の実施形態では、本明細書に開示される方法は、培養中の細胞増殖の改善、及び細胞バイオマスにおける所望の脂肪酸の導入の増進を提供する。
第1の態様によれば、水生動物の細胞中の一価不飽和脂肪酸の含有量を増加させるための培養培地、方法、及び系、ならびにそれにより得ることができる及び/または得られた水生動物の細胞が記載される。
本培養培地は、一価不飽和脂肪酸が典型的には約0.1μg/ml~約1000μg/ml、好ましくは約0.1μg/ml~約500μg/ml、約1μg/ml~約100μg/ml、または約5μg/ml~約50μg/mlの濃度で補充された水生動物細胞用の細胞基礎培地を含む。
本方法は、本開示に従って、水生動物の細胞による一価不飽和脂肪酸の取り込みを可能にする期間及び条件下で、一価不飽和脂肪酸が典型的には約0.1μg/ml~約1000μg/mlの濃度で補充された水生動物細胞用の培養培地中で水生動物の細胞を培養することを含む。
本系は、水生動物細胞用の培養培地を、本明細書に記載の水生動物の細胞中の一価不飽和脂肪酸の含有量を増加させるための方法において、同時に、組み合わせて、または逐次的に使用するために、一価不飽和脂肪酸及び/または水生動物の細胞と組み合わせて含む。
第2の態様によれば、水生動物の細胞中の多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロールの含有量を増加させるための培養培地、方法、及び系、ならびにそれにより得ることができる及び/または得られた水生動物の細胞が記載される。
本培養培地は、多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロールが補充された水生動物細胞用の細胞基礎培地を、有効量のネルボン酸と組み合わせて含む。いくつかの実施形態では、補充された各脂質、例えば、多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロールは、約10μg/ml以上の濃度で存在する。
本方法は、少なくとも10μg/mlの多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロールが補充された、本明細書に記載の水生動物細胞用の培養培地中で水生動物の細胞を培養することを含み、ここで、培養培地は、有効量のネルボン酸が更に補充されており、培養は、本開示に従って、水生動物の細胞による多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロールの取り込みを可能にする期間及び条件下で実施される。
本系は、水生動物細胞用の基礎細胞培養培地を、本明細書に記載の水生動物の細胞中の多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロールの含有量を増加させるための方法において、同時に、組み合わせて、または逐次的に使用するために、多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロール、ネルボン酸、及び/または水生動物の細胞と組み合わせて含む。
好ましい実施形態では、多価不飽和脂肪酸は、オメガ-3多価不飽和脂肪酸などの不飽和脂肪酸であるかまたはそれを含む。第3の態様によれば、水生動物の細胞中の脂質の含有量を増加させるための培養培地、方法、及び系、ならびにそれにより得ることができる及び/または得られた水生動物の細胞が記載される。
本培養培地は、少なくとも10μg/mlの脂質が補充された水生動物細胞用の細胞基礎培地を含むことができ、脂質が多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロールであるかまたはそれらを含む場合、培養培地は、水生動物の細胞による多価不飽和脂肪酸及び/またはステロールの取り入れ(upload)を可能にするのに有効な量のネルボン酸を更に含む。
本方法は、少なくとも10μg/mlの脂質が補充された本明細書に記載の水生動物細胞用の培養培地中で水生動物の細胞を培養することを含み、培養は、水生動物の細胞による脂質の取り込みを可能にする期間及び条件下で実施される。本方法では、脂質が多価不飽和脂肪酸及び/またはステロールであるかまたはそれらを含む場合、培養培地は有効量のネルボン酸を更に含む。
本系は、水生動物細胞用の培養培地を、本明細書に記載の水生動物の細胞中の脂質の含有量を増加させるための方法において、同時に、組み合わせて、または逐次的に使用するために、1種以上の脂質及び/または水生動物の細胞と組み合わせて含む。実施形態では、1種以上の脂質が1種以上の多価不飽和脂肪酸及び/またはステロールであるかまたはそれらを含む場合、本系は、多価不飽和脂肪酸及び/またはステロールを水生動物の細胞中に取り入れさせるのに有効な量のネルボン酸を更に含む。
好ましい実施形態では、脂質は、オメガ-3多価不飽和脂肪酸などの不飽和脂肪酸であるかまたはそれを含む。
第4の態様によれば、水生動物の筋芽細胞及び/または線維芽細胞中の脂質含有量を増加させるための方法及び系ならびに関連する培養培地、ならびにそれにより得ることができる及び/または得られた水生動物の筋芽細胞及び/または線維芽細胞が記載される。
本方法は、少なくとも10μg/mlの脂質を含む(脂質が多価不飽和脂肪酸及び/またはステロールであるかまたはそれを含む場合、有効量のネルボン酸を更に含む)培養培地中で筋芽細胞及び/または線維芽細胞を培養することを含み、培養は、水生動物の筋芽細胞及び/または線維芽細胞による脂質の取り込みを可能にする期間及び条件下で実施される。好ましい実施形態では、脂質は、オメガ-3多価不飽和脂肪酸などの不飽和脂肪酸であるかまたはそれを含む。
本系は、本明細書に記載の水生動物の筋芽細胞及び/または線維芽細胞中の脂質含有量を増加させるための方法において、同時に、組み合わせて、または逐次的に使用するために、水生動物細胞用の培養培地、脂質、及び/または水生動物の筋芽細胞及び/または線維芽細胞から選択される細胞を含む。脂質が多価不飽和脂肪酸及び/またはステロールであるかまたはそれらを含む場合、本系は有効量のネルボン酸を更に含む。
培養培地は、脂質が補充された基礎培地を含み、脂質が筋芽細胞及び/または線維芽細胞の脂質含有量を増加させるのに有効な量のネルボン酸であるかまたはそれを含む場合。
第5の態様によれば、水生動物の細胞中の多価不飽和脂肪酸含有量を増加させるための方法及び系ならびに関連する培養培地、ならびにそれにより得ることができる水生動物の細胞が記載される。
本方法は、多価不飽和脂肪酸と有効量のネルボン酸とを含む培養培地中で水生動物の細胞を培養することを含む。
本系は、ネルボン酸及び多価不飽和脂肪酸を、本明細書に記載の水生動物の細胞中の多価不飽和脂肪酸含有量を増加させるための方法において、同時に、組み合わせて、または逐次的に使用するために、任意選択で培養培地及び/または水生動物の細胞と組み合わせて含む。
本培養培地は、基礎培地、多価不飽和脂肪酸、及び水生動物の細胞における多価不飽和脂肪酸の取り込みを増加させるのに有効な量のネルボン酸を含む。
第6の態様によれば、水生動物の細胞中のオメガ-3含有量を増加させるための方法及び系ならびに関連する培養培地、ならびにそれにより得ることができる水生動物の細胞が記載される。
本方法は、オメガ-3と有効量のネルボン酸とを含む培養培地中で水生動物の細胞を培養することを含む。
本系は、ネルボン酸及びオメガ-3脂肪酸を、本明細書に記載の水生動物の細胞中のオメガ-3脂肪酸含有量を増加させるための方法において、同時に、組み合わせて、または逐次的に使用するために、任意選択で培養培地及び/または水生動物の細胞と組み合わせて含む。
本培養培地は、基礎培地、オメガ-3脂肪酸、及び水生動物の細胞におけるオメガ-3脂肪酸の摂取を増加させるのに有効な量のネルボン酸を含む。
第7の態様によれば、多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロールの存在下で水生動物の細胞の生存率を増加させるための方法及び系ならびに関連する培養培地、ならびにそれにより得ることができる水生動物の細胞が記載される。
本方法は、多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロールと有効量のネルボン酸とを含む培養培地中で水生動物の細胞を培養することを含む。
本系は、ネルボン酸を、本明細書に記載の水生動物の細胞中のオメガ-3脂肪酸含有量を増加させるための方法において、同時に、組み合わせて、または逐次的に使用するために、多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロールと組み合わせて、任意選択で培養培地及び/または水生動物の細胞と組み合わせて含む。
本培養培地は、基礎培地、多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロールならびに本明細書に記載される水生動物の細胞の細胞生存率を増加させるのに有効な量のネルボン酸を含む。
第8の態様によれば、水生動物の前脂肪細胞が記載され、この前脂肪細胞は、細胞の0.1重量%~1重量%の量で所望の脂質を含む。典型的には、細胞の総脂質含有量は約2.0重量%超である。好ましい実施形態では、本明細書に記載の前脂肪細胞の脂質含有量は、約50%のSFA、25%のPUFA(好ましくはオメガ3を含む)、及び25%のMUFAを含有し得る。前脂肪細胞または脂肪細胞のSFAが低く、細胞が総脂肪に対するパーセンテージとして比較的高いパーセンテージの不飽和脂肪酸を含有することが好ましい。例えば、SFA含有量は、約30%以下、約20%以下、約10%以下、または約5%以下であり得る。
第9の態様によれば、水生動物の筋芽細胞またはミオサイト、及び前記細胞を含む関連するバイオマスが記載され、筋芽細胞は少なくとも約0.5重量%の量で所望の脂肪酸を含む。典型的には、細胞の総脂質含有量は約2.0重量%超である。筋芽細胞またはミオサイトのSFAが低く、細胞が総脂肪に対するパーセンテージとして比較的高いパーセンテージの不飽和脂肪酸を含有することが好ましい。例えば、SFA含有量は、約30%以下、約20%以下、約10%以下、または約5%以下であり得る。
第10の態様によれば、水生動物の線維芽細胞、及び前記細胞を含む関連するバイオマスが記載され、線維芽細胞は少なくとも約0.5重量%の量で所望の脂肪酸を含む。典型的には、細胞の総脂質含有量は約2.0重量%超である。線維芽細胞のSFAが低く、細胞が総脂肪に対するパーセンテージとして比較的高いパーセンテージの不飽和脂肪酸を含有することが好ましい。例えば、SFA含有量は、約30%以下、約20%以下、約10%以下、または約5%以下であり得る。
第11の態様によれば、本明細書に記載の水生動物細胞のいずれか1種を単独で、または異なる細胞タイプの任意の可能な組み合わせで含む、水生動物バイオマスが記載される。
第12の態様によれば、本明細書に記載の水生動物細胞のいずれか1種を単独で、もしくは異なる細胞タイプの任意の可能な組み合わせで含み、及び/または本明細書に記載の水生動物バイオマスのいずれか1種を含む、水生動物細胞培養食品が記載される。本水生動物細胞培養食品は、1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の細胞タイプ、例えば、ミオサイト、線維芽細胞、脂肪細胞、内皮細胞、及びそれらの任意の組み合わせを含有し得る。他の実施形態では、本水生動物細胞培養食品は、1種、2種、3種、4種、またはそれ以上の細胞タイプ、例えば、ミオサイト、筋芽細胞、線維芽細胞、脂肪細胞、内皮細胞、上皮細胞、前脂肪細胞、ケラチノサイト、胚由来細胞、人工多能性幹細胞、間葉系幹細胞、及びそれらの任意の組み合わせを含有し得る。より好ましい実施形態では、本水生動物細胞培養食品は、脂肪細胞を含まない。最も好ましい実施形態では、本食品は、細胞培養魚類製品である。
第13の態様によれば、本明細書に記載の水生動物細胞のいずれか1種を含む水生動物細胞培養食品が記載され、本水生動物細胞は、少なくとも0.2重量%、好ましくは約2.0重量%超、例えば約2.0重量%~約90重量%の脂質含有量を有する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の細胞培養食品は、約2.0重量%超の脂質(例えば、脂肪酸)含有量を有する、本明細書に記載の魚類細胞、特に白身魚類細胞を含む。いくつかの実施形態では、脂質(例えば、脂肪酸)含有量は、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、約10%~約90%、約20%~約90%、約30%~約90%、約40%~約90%、約50%~約90%、約60%~約90%、約70%~約90%である。好ましい実施形態では、本食品は、脂肪細胞を含まない。最も好ましい実施形態では、本食品は、細胞培養魚類製品である。
第14の態様によれば、少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、または少なくとも約90重量%のオメガ-3脂肪酸含有量を有する本明細書に記載の細胞のいずれか1種を含む、水生動物系食品が記載される。好ましい実施形態では、本食品は、脂肪細胞を含まない。
第15の態様によれば、水生動物細胞及び/または細胞バイオマスの脂質取り込み及び/または細胞生存率を増加させるための組成物が記載される。本組成物は、ネルボン酸を好適なビヒクルとともに含む。特に、ネルボン酸は、約1μg/ml以上、例えば、約1μg/ml~約10μg/ml、約1μg/ml、約2μg/ml、約3μg/ml、約4μg/ml、約5μg/ml、約6μg/ml、約7μg/ml、約8μg/ml、約9μg/ml、及び約10μg/mlの濃度で存在し得る。
ネルボン酸は、約10μg/ml~約50μg/ml、例えば、約10μg/ml、約11μg/ml、約12μg/ml、約13μg/ml、約14μg/ml、約15μg/ml、約16μg/ml、約17μg/ml、約18μg/ml、約19μg/ml、約20μg/ml、約21μg/ml、約22μg/ml、約23μg/ml、約24μg/ml、約25μg/ml、約26μg/ml、約27μg/ml、約28μg/ml、約29μg/ml、約30μg/ml、約31μg/ml、約32μg/ml、約33μg/ml、約34μg/ml、約35μg/ml、約36μg/ml、約37μg/ml、約38μg/ml、約39μg/ml、約40μg/ml、約41μg/ml、約42μg/ml、約43μg/ml、約44μg/ml、約45μg/ml、約46μg/ml、約47μg/ml、約48μg/ml、約49μg/ml、または約50μg/mlの濃度で存在し得る。
第16の態様によれば、水生動物細胞に脂質を取り入れさせるための方法及び系、ならびに関連する培養培地、それにより得ることができる細胞、細胞バイオマス、及び細胞培養食品が記載される。
本方法は、バクセン酸の存在下で、水生動物細胞によるバクセン酸の取り込みをもたらす期間及び条件下で水生動物細胞を培養することを含む。
本系は、本明細書に記載の水生動物細胞に脂質を取り入れさせるための方法において組み合わせて使用するために、バクセン酸を水生動物細胞及び/または培養培地と組み合わせて含む。
本培養培地は、基礎培地と、水生動物細胞による脂質の取り入れをもたらすのに有効な量のバクセン酸とを含む。
本明細書に記載の培養培地、方法、及び系、ならびに関連する組成物、細胞、細胞バイオマス、及び細胞培養食品は、種々の実施形態において、魚類の筋芽細胞、線維芽細胞、及び前脂肪細胞などの水生動物の細胞への脂質導入の増加を実現し、これら細胞は、約0.1%~約90%、好ましくは約2.5%~約90%、例えば約2.5%~約20%の制御可能な脂肪含有量を有し得る。
本明細書に記載の培養培地、方法、及び系、ならびに関連する組成物、細胞、細胞バイオマス、及び細胞培養食品は、種々の実施形態において、水生動物の細胞及び関連する食品中の脂質含有量を、1種以上の所望の脂質、例えば多価不飽和脂肪酸、より詳細にはオメガ-3脂肪酸、DHA、及びEPA、ならびに当業者が特定可能な更なる脂肪酸を選択することで制御することを可能にする。
本明細書に記載の培養培地、方法、及び系、ならびに関連する組成物、細胞、細胞バイオマス、及び細胞培養食品は、種々の実施形態において、水生動物の細胞による多価不飽和脂肪酸の取り込みの増進を可能にし、そのため結果として、脂質含有量が高く、オメガ-3脂肪酸などの脂肪酸のレベルが増加した細胞培養食品が生産される。
本明細書に記載される組成物、方法、及び系、ならびに関連する細胞、細胞バイオマス、及び細胞培養食品は、種々の実施形態において、細胞生存率の改善を実現し、例えば、脂肪酸の組成及びレベルが制御された細胞培養魚類製品のより迅速な生産を可能にする。
本明細書に記載の組成物、方法、及び系、ならびに関連する細胞、細胞バイオマス、及び細胞培養食品は、種々の実施形態において、水生動物の細胞を含む細胞培養食品、特に細胞培養魚類製品、例えば、脂肪細胞を使用せずに適切なレベルの脂質を含有するもの(例えば、約2.0重量%~約90重量%の脂質含有量、好ましくは2.0重量%超~約90重量%の脂質含有量を有する白身魚類細胞を含む細胞培養食品を参照されたい)の生成を実現する。
本明細書に記載の培養培地、方法、及び系、ならびに関連する組成物、細胞、細胞バイオマス、及び細胞培養食品は、複数の実施形態において、水生動物の細胞の生存率、分化、及び/または脂質取り込みの増加を可能にする。
本明細書に記載の培養培地、方法、及び系、ならびに関連する組成物、細胞、細胞バイオマス、及び細胞培養食品は、デキサメタゾン、ビオチン、T3、パントテナート、IBMX、及び/またはインスリンの存在を必要としない(したがって含まれていなくてもよい)培養培地を用いて実施され得る。好ましくは、培養培地は、デキサメタゾン、ビオチン、T3、パントテナート、IBMX、及びインスリンのうちの少なくとも1つ、好ましくは全てを含まない。
本明細書に記載の培養培地、方法、及び系、ならびに本明細書に記載の関連する組成物、細胞、細胞バイオマス、及び細胞培養食品は、細胞及び関連する細胞培養食品における細胞生存率、制御された増殖及び脂質含有量が望まれる、種々の用途と関連して使用され得る。例えば、本明細書に記載の組成物、方法、及び系、ならびに本明細書に記載の関連する細胞、細胞バイオマス、及び細胞培養食品は、脂質含有量が制御された食品などの細胞培養食品を生産するために使用され得る。したがって、例示的な用途分野には、食品製造、食品加工及び商品化が含まれる。更なる例示的な用途としては、基礎生物学研究、応用生物学、生物工学、バイオエネルギー、医学研究、治療学、及び当業者が本開示を読めば特定可能な更なる分野を含むいくつかの分野における、本明細書に記載の培養培地、組成物、方法、及び系、ならびに関連する細胞及び細胞バイオマス細胞培養食品の使用が挙げられる。
例えば、前述では水生動物の細胞について言及したが、培地、方法、及び系は、概して陸生動物の細胞を培養し、それから培養細胞食品を調製するのに適している。培養陸生動物細胞の脂肪酸プロファイルは、オメガ-3脂肪酸含有量の増加、飽和脂肪酸含有量の減少、またはその両方を示し得る。
本開示の1つ以上の実施形態の詳細は、添付図面及び以下の説明に記載される。他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
本明細書の一部に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本開示の1つ以上の実施形態を図示しており、発明を実施するための形態及び実施例のセクションと併せて、本開示の原理及び実施態様を説明する役割を果たす。本開示の例示的な実施形態は、発明を実施するための形態及び添付図面からより完全に理解されるであろう。
いくつかの実施形態におけるハクレン前脂肪細胞への脂肪酸混合物の導入を示している顕微鏡写真を示す。コイ前脂肪細胞を、対照培地または1%脂肪酸混合物を含有する血清低減培地もしくは無血清培地中で培養した。LMはMillipore SigmaのLipid Mixture1000倍を示し、FBSはウシ胎児血清を示す。明視野画像は、特徴的な細胞円形化とともに2日目及び7日目の脂質蓄積を示している。 脂肪酸混合物を導入したハクレン前脂肪細胞の免疫蛍光染色の結果を図示する。ハクレン前脂肪細胞を、対照培地または脂質混合物の存在下にて血清を含まない脂質導入培地中で7日間培養した。細胞を固定し、核(ヘキスト)、細胞骨格タンパク質F-アクチン(ファロイジン)、及び脂肪滴(BODIPY)について染色した。蛍光画像により、処理条件では脂質導入が示されており、対照条件では示されていない。 図2Aに示した蛍光染色データを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。 いくつかの実施形態におけるクロマグロ前脂肪細胞への脂肪酸混合物の導入を示す。クロマグロ前脂肪細胞を、対照培地または1%脂肪酸混合物を含有する血清低減培地もしくは無血清培地中で培養した。明視野画像は、特徴的な細胞円形化とともに1日目及び6日目の脂質蓄積を示している。脂肪滴の存在は、細胞内のBODIPY(緑色)の染色によって確認され、この染色は、対照と比較した場合、脂質処理条件下で顕著に増強される。 図3Aに示した蛍光染色データを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。 いくつかの実施形態におけるハクレン前脂肪細胞への単一脂肪酸の導入を示す。ハクレン前脂肪細胞を、個々の脂肪酸(DHA、EPA、リノール酸、またはパルミトレイン酸)の増加した濃度の存在下、血清低減培地で6日間培養した。明視野画像は、特徴的な細胞円形化とともに濃度依存性の脂質蓄積を示している。パルミトレイン酸の細胞数減少により、ある程度の濃度関連性毒性が観察される。 単一脂肪酸を導入したハクレン前脂肪細胞の免疫蛍光染色の結果を示す。ハクレン前脂肪細胞を、個々の脂肪酸(DHA、EPA、リノール酸、またはパルミトレイン酸)の増加した濃度の存在下、血清低減培地で6日間培養した。脂肪滴のBODIPY染色により、DHA、EPA、及びリノール酸の濃度に応じて導入が増加する一方で、パルミトレイン酸のピークは50μg/ml超での毒性に起因して低濃度で達することが確認される。 図5Aに示した蛍光染色データを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。 いくつかの実施形態におけるブリ属魚線維芽細胞への脂肪酸混合物の導入を示す。ブリ属魚線維芽細胞を、対照培地または1%脂肪酸混合物を含む血清低減培地中で最大7日間培養した。明視野顕微鏡画像は、2日目の脂肪滴蓄積と、7日目まで導入が維持されたことを示している。対照培養では脂質蓄積は一切示されない。 脂肪酸混合物を導入したブリ属魚線維芽細胞の免疫蛍光染色の結果を示す。ブリ属魚線維芽細胞を、対照培地または1%脂肪酸混合物を含む血清低減培地中で7日間培養した。脂肪滴のBODIPYによる染色により、脂質混合物含有培地で処理した細胞における脂質の蓄積が確認されるが、対照培地では確認されない。 図7Aに示した蛍光染色データを、総細胞体積に対する脂質導入の対照と比較した増加倍数として定量化し、表にしたものである。 いくつかの実施形態におけるブリ属魚筋芽細胞への脂肪酸混合物の導入を示す。ブリ属魚筋芽細胞を、対照培地または1%脂肪酸混合物を含有する血清低減培地中で培養した。明視野画像は、脂質混合物の存在下で培養した細胞については2日目に細胞へ脂質が導入されこれが7日目まで維持されているが、対照培地ではそうではないことを示している。脂肪滴のBODIPYによる免疫蛍光染色により、7日目の処理細胞における脂質の導入及び保持が確認される。 図8Aに示した蛍光染色データを、総細胞体積に対する脂質導入の対照と比較した増加倍数として定量化し、表にしたものである。 いくつかの実施形態におけるマヒマヒ筋芽細胞への脂肪酸混合物の導入を示す。マヒマヒ筋芽細胞を、対照培地または1%脂肪酸混合物を含有する血清低減培地中で培養した。明視野画像は、脂肪酸混合物の存在下での4日目までの細胞への脂質導入を示している。BODIPYによる細胞の蛍光染色により、脂質混合物で処理した細胞における脂質の蓄積が確認されるが、対照細胞では確認されない。 図9Aに示した蛍光染色データを、総細胞体積に対する脂質導入の対照と比較した増加倍数として定量化し、表にしたものである。 いくつかの実施形態におけるクロマグロ筋芽細胞への脂肪酸混合物の導入を示す。クロマグロ筋芽細胞を、対照培地または1%脂肪酸混合物を含有する血清低減培地中で培養した。明視野画像は、脂肪酸混合物の存在下で3日目までに細胞に導入され、6日目に保持が維持されていることを示している。BODIPYによる細胞の蛍光染色により、脂質混合物で処理した細胞における脂質の蓄積が確認されるが、対照細胞では確認されない。 図10Aに示した蛍光染色データを、総細胞体積に対する脂質導入の対照と比較した増加倍数として定量化し、表にしたものである。 いくつかの実施形態におけるブリ属魚筋芽細胞への個々の飽和脂肪酸の導入を示す。ブリ属魚筋芽細胞を、個々の飽和脂肪酸(ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、またはステアリン酸)の増加した濃度の存在下、血清低減培地で6日間培養した。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。最も高い脂質導入はラウリン酸で観察され、ラウリン酸は試験した全ての濃度で蓄積を示し、高濃度では円形化及び細胞サイズが増大する。ある程度の脂質保持がミリスチン酸、パルミチン酸、及びステアリン酸で観察されるが、50μg/ml超でのみ観察される。 図11Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。 いくつかの実施形態におけるブリ属魚筋芽細胞への個々の一価不飽和脂肪酸の導入を示す。ブリ属魚筋芽細胞を、個々の飽和脂肪酸(パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、またはネルボン酸)の増加した濃度の存在下、血清低減培地で6日間培養した。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。パルミトレイン酸、オレイン酸、及びバクセン酸については、全ての濃度での導入が観察され、脂質濃度が増加すると細胞の円形化及び蓄積が増大した。ネルボン酸では脂質導入は観察されなかった。 図12Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。 いくつかの実施形態におけるブリ属魚筋芽細胞への個々の多価不飽和脂肪酸の導入を示す。ブリ属魚筋芽細胞を、個々の飽和脂肪酸(EPA、DHA、リノレン酸、またはリノール酸)の増加した濃度の存在下、血清低減培地で6日間培養した。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。リノレン酸については、全ての濃度での導入が観察され、脂質濃度が増加すると細胞の円形化及び蓄積が増大した。EPA、DHA、及びリノール酸の脂質保持は、50μg/mlからのみ観察され、総導入容量が限られていた。DHAは、細胞数がより少ないことから明らかなように、試験した最高濃度においてある程度の毒性作用を示した。 図13Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。 いくつかの実施形態におけるコイ前脂肪細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図14Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大40パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるクロマグロ前脂肪細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図15Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大65パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態における無血清培地中で培養し脂質導入したクロマグロ前脂肪細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図16Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大60パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるキハダマグロ線維芽細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図17Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大45パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるクロマグロ線維芽細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図18Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大35パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるブルーギル線維芽細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図19Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大35パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるモザンビークテラピア脳由来細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図20Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大25パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるニワトリ胚線維芽細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図21Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大35パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるウサギ皮膚線維芽細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図22Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大35パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるアカフエダイ筋芽細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図23Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大20パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるマヒマヒ筋芽細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図24Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大55パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるクロマグロ筋芽細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図25Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大40パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態における無血清培地中で培養し脂質導入したクロマグロ筋芽細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図26Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大30パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるウシ筋衛星細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図27Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大15パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるタイセイヨウサケ腎臓上皮細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図28Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大15パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるニジマス鰓上皮細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図29Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大45パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるイヌ腎臓上皮細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図30Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大35パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるブタ腎臓上皮細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図31Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大50パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるツマジロクサヨトウ上皮細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図32Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大20パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 いくつかの実施形態におけるウズラ神経網膜細胞への複合脂肪酸混合物の用量依存性導入を示す。BODIPYで染色した細胞の蛍光画像により、濃度に応じた脂肪酸の蓄積が確認される。 図33Aに示したデータを総細胞体積に対する脂質導入のパーセントとして定量化し、表にしたものである。脂質導入の増加は、対照よりも最大30パーセンテージポイント高い範囲に及ぶ。 対照培地及び血清低減培地におけるブリ属魚筋芽細胞を示す。対照培地または血清低減培地中で6日間培養したブリ属魚筋芽細胞は、明視野イメージングまたは蛍光イメージングで脂質導入を示さない。BODIPYによる染色では、いずれの条件においても脂質蓄積が示されなかった。 脂肪酸を添加していない対照培地におけるブリ属魚筋芽細胞を示す。対照培地中で6日間培養したブリ属魚筋芽細胞は、明視野イメージングまたは蛍光イメージングで脂質導入を示さない。細胞は、核についてはヘキスト、ミトコンドリアの健全性についてはMitotracker、F-アクチン細胞骨格タンパク質についてはファロイジンで染色されたが、BODIPYによる染色では脂質蓄積は示されなかった。 化学的に定義された脂肪酸の組み合わせによるブリ属魚筋芽細胞の導入を示す。脂肪滴の広範なBODIPY染色により示されるように、培地16、22、及び25で最も高い脂質含有量が観察された。脂質導入を生じさせなかった対照条件と比較して、同等の細胞数及び生存率が示された。 定義された脂肪酸の組み合わせへの曝露後の細胞数の定量化を表すプロットを示す。対照培地(培地28及び29)または定義された脂肪酸の組み合わせを含む培地(培地1~27)で増殖したブリ属魚筋芽細胞を定量化した。細胞表現型に対する作用を評価するために、各組み合わせの蛍光強度を定量化した。培地16、22、及び25は、対照と同等の細胞数及び健全性を示し、かつ脂質含有量が顕著に高かった。脂質含有量の増加は試験した大半の脂肪酸の組み合わせで観察され、3つの最も高い組み合わせの全てが、試験した最も高いレベルのネルボン酸を含有していた。 定義された脂肪酸の組み合わせへの曝露後の脂質導入の定量化を表すプロットを示す。対照培地(培地28及び29)または定義された脂肪酸の組み合わせを含む培地(培地1~27)で増殖したブリ属魚筋芽細胞を、脂肪滴についてBODIPYで染色した。細胞表現型に対する作用を評価するために、各組み合わせの蛍光強度を定量化した。培地16、22、及び25は、対照と同等の細胞数及び健全性を示し、かつ脂質含有量が顕著に高かった。脂質含有量の増加は試験した大半の脂肪酸の組み合わせで観察され、3つの最も高い組み合わせの全てが、試験した最も高いレベルのネルボン酸を含有していた。 定義された脂肪酸の組み合わせへの曝露後の細胞健全性の定量化を表すプロットを示す。対照培地(培地28及び29)または定義された脂肪酸の組み合わせを含む培地(培地1~27)で増殖したブリ属魚筋芽細胞を、ミトコンドリア健全性についてMitotrackerで染色した。細胞表現型に対する作用を評価するために、各組み合わせの蛍光強度を定量化した。培地16、22、及び25は、対照と同等の細胞数及び健全性を示し、かつ脂質含有量が顕著に高かった。脂質含有量の増加は試験した大半の脂肪酸の組み合わせで観察され、3つの最も高い組み合わせの全てが、試験した最も高いレベルのネルボン酸を含有していた。 毒性脂肪酸(FA)の存在下でのクロマグロ筋芽細胞に対するネルボン酸(NA)の保護効果を示す。ネルボン酸の存在下にある場合、毒性濃度50μg/mLのDHAで細胞数の70倍の増加が観察される。 同上。 毒性脂肪酸の存在下でのイヌ腎臓細胞に対するネルボン酸の保護効果を示す。ネルボン酸の存在下にある場合、毒性濃度50μg/mLのDHAで細胞数の5.5倍の増加が観察される。 同上。 毒性脂肪酸の存在下でのウサギ皮膚線維芽細胞に対するネルボン酸の保護効果を示す。ネルボン酸の存在下にある場合、毒性濃度50μg/mLのDHAで細胞数の42倍の増加が観察される。 同上。
本明細書では、組成物、方法、及び系、ならびに関連する細胞、細胞バイオマス、及び細胞培養食品が提供され、これらは、複数の実施形態では細胞バイオマスにおける増殖の改善及び脂質導入の増進を可能にする。
細胞及び細胞バイオマスは、本明細書で動物界の生物として定義される任意の動物に由来する細胞を含み得る。細胞培養食品は、ヒト属の任意のメンバーを除く任意の動物に由来する細胞を含み得る。本明細書で使用される「水生動物」という用語は、生涯の大半または全てを水中で生息する脊椎動物または無脊椎動物のいずれかの動物を示す。したがって、水生動物とは、鰓と呼ばれる専門器官を介してまたは皮膚から直接、空気を吐き出すかまたは水中溶解酸素を取り込む動物を示す。当業者には理解されるように、水生動物は淡水(淡水動物)または塩水(海生動物)に生息し得る。
例示的な水生動物には、魚類(指のある四肢を持たない、鰓を有する水生頭蓋動物)及び甲殻動物(殻を有し、軟体動物門、甲殻綱(節足動物門)、または棘皮動物門に属する水生無脊椎動物)が含まれる。
特に、本開示の意味における水生動物には、軟骨魚類、硬骨魚類、条鰭類、総鰭類などの魚類、ならびに魚介類、例えば、種々の種の軟体類(例えば、ハマグリ類、カキ類、及びイガイ類などの二枚貝軟体類、ならびにタコ及びイカなどの頭足類)、甲殻類(例えば、エビ、カニ類、及びロブスター)、ならびに棘皮動物(例えば、ナマコ類及びウニ類)が含まれる。そのような動物は、異なる形態及び機能を有する様々な細胞、例えば、筋芽細胞、ミオサイト、線維芽細胞、脂肪細胞、前脂肪細胞、内皮細胞、幹細胞、骨芽細胞、骨細胞、ケラチノサイト、ニューロン、及び当業者が特定可能な他の細胞から構成されている。
例示的な水生動物には、バサ、ヒラメ、メルルーサ、スカップ、スメルト、ニジマス、ホンビノスガイ、ワタリガニ、ピーキートゥクラブ(peekytoe crab)、アサヒガニ、コウイカ、イースタンオイスター、マガキ、カタクチイワシ、ニシン、キンムツ、モイ、オレンジラフィー、タイセイヨウパーチ、ビクトリア湖パーチ(Lake Victoria perch)、イエローパーチ、ヨーロッパガキ、ドーバーソール、チョウザメ、アマダイ、カマスサワラ、ブリ属魚、ウニ、タイセイヨウサバ、イワシ、ブラックシーバス、ヨーロピアンシーバス、ハイブリッドストライプバス(hybrid striped bass)、ブリーム、タラ、ドラム、ハドック、ホキ、スケトウダラ、岩礁魚、カラフトマス、フエダイ、テラピア、ターボット、ウォールアイ、レイクホワイトフィッシュ、オオカミウオ、ホンビノスガイ、バカガイ、ザルガイ、ジョナクラブ、ズワイガニ、ザリガニ、イタヤガイ、コウライエビ、ギンダラ、タイセイヨウサケ、ギンザケ、ガンギエイ、アメリカイチョウガニ、タラバガニ、ムラサキイガイ、ミドリイガイ、アカエビ、アブラソコムツ、マスノスケ、シロザケ、アメリカシャド、アルプスイワナ、コイ、ナマズ、マトウダイ、ハタ、オヒョウ、カスザメ、コバンアジ、アワビ、マキガイ、ストーンクラブ、アメリカンロブスター、イセエビ、タコ、ブラックタイガーエビ、淡水エビ、ガルフシュリンプ、バナメイエビ、イカ、バラマンディ、カスク、ツノザメ、キングクリップ、マヒマヒ、アカマンボウ、アオザメ、メカジキ、ビンナガマグロ、キハダマグロ、アメリカナミガイ、コシオリエビ、マゼランツキヒガイ、ミカヅキコモンエビ、カマス、チリアンシーバス、スギ、ニベ、ウナギ、ニシクロカジキ、ボラ、ベニザケ、クロマグロ、エビ、カニ類、ロブスター、ならびに棘皮動物(例えば、ナマコ類及びウニ類)が含まれる。いくつかの好ましい水生動物としては、ブリ属魚(例えば、Seriola lalandi)、マヒマヒ(Coryphaena hippurus)、アカフエダイ(Lutjanus Campechanus)、クロマグロ(例えば、Thunnus orientalis及びThunnus thynnus)、キハダマグロ(Thunnus albacares)、タラ(例えば、Gadus morhua、Gadus Macrocephalus、Gadus ogac)、ヒラメ、オヒョウ、ニシン、サバ(mackeral)、コバンアジ、サケ、シーバス、マジェランアイナメ(Dissostichus eleginoides)、イカ、ハマグリ類、ロブスター、カニ類、ホタテガイ類、エビ、ウナギ、バス(例えば、Micropterus salmoides)、ブルーギル(Lepomis macrochirus)、及びコイ(例えば、Hypophthalmichthys molitrix)が挙げられる。
例えば、鰭のある魚種は、鰭のある海水魚種または鰭のある淡水魚種であり得る。例示的な鰭のある海水魚種としては、マヒマヒ、クロマグロ、スケトウダラ、ビンナガマグロ、アメリカシャド、カタクチイワシ、アルプスイワナ、タイセイヨウサバ、タイセイヨウパーチ、タイセイヨウサケ、カマス、バラマンディ、バス、ブラックシーバス、ニシクロカジキ、ブリーム、チリアンシーバス、マスノスケ、シロザケ、スギ、タラ、ギンザケ、ニベ、ドラム、カスク、ツノザメ、マトウダイ、ドーバーソール、ウナギ、アブラソコムツ、ヨーロピアンシーバス、ヒラメ、ハタ、ガルフシュリンプ、ハドック、メルルーサ、オヒョウ、ニシン、ホキ、キングクリップ、キンムツ、サバ、アオザメ、モイ、カスザメ、ボラ、アカマンボウ、オレンジラフィー、バナメイエビ、マジェランアイナメ(Dissostichus eleginoides)、カラフトマス、コバンアジ、ニジマス、アカフエダイ(Lutjanus Campechanus)、岩礁魚、ギンダラ、サケ、イワシ、スカップ、シーバス、ガンギエイ、スメルト、フエダイ、ベニザケ、チョウザメ、メカジキ、アマダイ、ターボット、カマスサワラ、オオカミウオ、キハダマグロ、及びブリ属魚からなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な鰭のある淡水魚としては、アルプスイワナ、バラマンディ、バサ、バス、ブルーギル(Lepomis Macrochirus)、ブリーム、コイ、ナマズ、ニベ、ドラム、ツノザメ、ボウフィン、ウナギ、淡水エビ、ハイブリッドストライプバス、ビクトリア湖パーチ、レイクホワイトフィッシュ、ボラ、ニジマス、サケ、スメルト、チョウザメ、テラピア、ウォールアイ、及びイエローパーチからなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な甲殻類種としては、エビ、カニ類、ザリガニ、及びロブスター類、例えば、アメリカンロブスター、ブラックタイガーエビ、ワタリガニ、コウライエビ、カニ類、ザリガニ、アメリカイチョウガニ、ジョナクラブ、タラバガニ、ロブスター、ピーキートゥクラブ、アカエビ、ミカヅキコモンエビ、エビ、ズワイガニ、アサヒガニ、イセエビ、ストーンクラブ、及びコシオリエビからなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な棘皮動物種としては、ナマコ類及びウニ類からなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な頭足類種としては、タコ及びイカからなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な軟体類種としては、ハマグリ類、カキ類、イガイ類、アワビ、イタヤガイ、ムラサキイガイ、ザルガイ、マキガイ、コウイカ、イースタンオイスター、ホンビノスガイ、マガキ、ヨーロッパガキ、アメリカナミガイ、ミドリイガイ、ホタテガイ類、及びバカガイからなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される「陸生動物」という用語は、生涯の大半または全てを水の外で生息する脊椎動物または無脊椎動物のいずれかの動物を示す。陸生動物は、空気から酸素を消費し、その空気は肺での呼吸、気管への空気の侵入、または当業者に公知である他の機構によって得られる。陸生動物には、多くの哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、及び昆虫、とりわけ当業者に公知であるものが含まれる。
例示的な陸生動物としては、ヨトウムシ、コオロギ、バッタ、カエル、ヒキガエル、イモリ、サンショウウオ、アリゲーター、クロコダイル、ヘビ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ゲームヘン、ウズラ、ウマ、サイ、バク、ウシ、ブタ、キリン、ラクダ、ヒツジ、シカ、ヤギ、ウサギ、イヌ、及びカバが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な陸生昆虫種としては、ヨトウムシ、コオロギ、及びバッタからなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な陸生両生類種としては、カエル、ヒキガエル、イモリ、及びサンショウウオからなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な陸生爬虫類種としては、アリゲーター、クロコダイル、及びヘビからなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な陸生鳥類種としては、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ゲームヘン、及びウズラからなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
例示的な陸生哺乳動物種としては、ウマ、サイ、バク、ウシ、ブタ、キリン、ラクダ、ヒツジ、シカ、ヤギ、ウサギ、イヌ、及びカバからからなる群から選択されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
水生か陸生かにかかわらず、全ての動物は、異なる形態及び機能を有する様々な細胞、例えば、筋芽細胞、ミオサイト、線維芽細胞、脂肪細胞、前脂肪細胞、内皮細胞、上皮細胞、胚性幹細胞、成体幹細胞、人工多能性幹細胞、骨芽細胞、骨細胞、ケラチノサイト、ニューロン、及び当業者が特定可能な他の細胞から構成されている。
本明細書で使用される動物細胞は、2種、3種、4種、またはそれ以上の水生動物種及び/または陸生動物種など、2種以上の動物種に由来し得る。
「筋芽細胞」という用語は、筋細胞とも呼ばれるミオサイトの前駆体を指す専門用語である。当業者には理解されるように、筋芽細胞は筋形成を通じて筋細胞に分化する。筋芽細胞は、それらが分化する筋細胞のタイプに応じて、骨格筋筋芽細胞、平滑筋筋芽細胞、及び心筋筋芽細胞に分類され得る。水生動物及び陸生動物の例示的な筋芽細胞には、骨格筋筋芽細胞及び平滑筋筋芽細胞が含まれる。
「線維芽細胞」という用語は、動物の結合組織にあり、コラーゲンなどの細胞外マトリックスの成分を合成する細胞のタイプを指す専門用語である。線維芽細胞は、動物組織の構造的フレームワークを生成し、創傷治癒において極めて重要な役割を果たす。線維芽細胞は、動物の結合組織で最も多い細胞である。線維芽細胞は、2つ以上の核小体を有する楕円形の斑状の核を取り囲んでいる、分岐状の細胞質を有する。活性線維芽細胞は、粗面小胞体が豊富であることによって認識され得る。不活性線維芽細胞は、線維細胞とも呼ばれ、より小さく紡錘形であり、粗面小胞体の量が低減している。線維芽細胞は、広い空間に広がる必要がある場合にはばらばらに散在するが、密集している場合には、並列するクラスター中に局所的に整列していることが多い。例示的な線維芽細胞としては、筋及び他の組織(脳、心臓、または皮膚など)に由来する線維芽細胞が挙げられる。
「脂肪細胞」という用語は、リポサイトとしても知られる脂肪性細胞を指す専門用語である。脂肪細胞は、主に脂肪組織を構成する細胞であり、エネルギーを脂肪として蓄えることに特化している。脂肪細胞は、脂肪生成を通じて脂肪細胞を生じさせる間葉系幹細胞に由来し得る。細胞培養では、脂肪細胞は骨芽細胞、ミオサイト、及び他の細胞タイプも形成し得る。脂肪組織には白色脂肪組織(WAT)及び褐色脂肪組織(BAT)という2種類があり、これらはそれぞれ白色脂肪及び褐色脂肪としても知られており、2種類の脂肪性細胞で構成されている。脂肪細胞は、脂肪組織に存在する前脂肪細胞、または脂肪組織に遊走する骨髄由来の前駆細胞のいずれかより生じ得る。本明細書で使用される細胞は、典型的には、白色脂肪組織に由来する脂肪細胞を含む。
「前脂肪細胞」という用語は、刺激されて脂肪細胞を形成することができる成熟分化脂肪細胞の前駆体を示す専門用語である。前脂肪細胞は、動物の皮下脂肪組織または内臓脂肪組織から単離され得る。
前脂肪細胞は、未分化前脂肪細胞の最適な増殖に必要な全ての増殖因子及びサプリメントを含有する前脂肪細胞増殖培地で増殖させることができる。例えば、前脂肪細胞は、内皮細胞増殖サプリメント、上皮増殖因子、ヒドロコルチゾン、及び/またはヘパリンを含有する前脂肪細胞増殖培地中で増殖させることができる。
前脂肪細胞からの脂肪細胞の形成には、間葉系幹細胞が前脂肪細胞にコミットし前脂肪細胞が脂肪細胞に分化する、脂肪生成と称される厳密に調節された細胞分化プロセスを必要とする。「分化する」または「分化」という用語は、多分化能性遺伝子発現が細胞タイプ特異的遺伝子発現に変化する、発現パターンの変化のプロセスを指す。ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPARγ)及びCCAATエンハンサー結合タンパク質(C/EBP)などの転写因子は、脂肪生成の主な調節因子である。当業者には理解されるように、分化脂肪細胞の特徴は、増殖停止、形態学的変化、脂肪生成遺伝子の高発現、及びアディポカイン、例えば、アディポネクチン、レプチン、レジスチン(マウス中。ヒトでは見られない)及びTNF-アルファの産生である。
本開示の実施形態では、組成方法及び系、ならびに制御可能な細胞脂質含有量及び脂質取り込みを有する、及び/または設定された脂質含有量及び脂質取り込みに関連する改善された細胞分化及び/または細胞生存率を有する、関連する細胞、細胞バイオマス、及び細胞培養食品が記載される。
「脂質」という用語は、少なくとも6個の炭素原子の直鎖状または環状脂肪族鎖と、炭素原子のうちの1個に結合した少なくとも1個の酸素原子または窒素原子とを含有し、20℃でエーテルまたはエタノール中での溶解度が少なくとも20重量%であり、水中での溶解度が1重量%以下である、あらゆる有機化合物を指す専門用語である。当業者には理解されるように、脂質には、脂肪酸、グリセロ脂質、グリセロリン脂質、スフィンゴ脂質、ステロール、プレノール、サッカロ脂質、及びポリケチドが含まれる。
「脂肪酸」は、カルボン酸部分で終結する飽和または不飽和の脂肪族炭化水素鎖からなる疎水性分子である。「飽和脂肪酸」(SFA)は二重結合を含有しない。SFAは鎖長に応じて分類することができ、典型的には4~22個の炭素原子を含有する。例えば、例示的なSFAとしては、炭素12個のラウリン酸、炭素14個のミリスチン酸、炭素16個のパルミチン酸、炭素18個のステアリン酸、及び炭素10個のカプリン酸を挙げることができる。更に、例示的な飽和脂肪酸は当該技術分野で周知である。「不飽和脂肪酸」(UFA)は、脂肪酸鎖に1つ以上の二重結合を含有する。不飽和脂肪酸は、鎖に含まれる二重結合の数に基づいて分類することができる。UFAには、炭素鎖に沿った種々の位置に様々な数の二重結合を有する脂肪酸が含まれる。例えば、不飽和脂肪酸は、二重結合を1つ含有する場合は一価不飽和(MUFA)、二重結合を2つ以上含有する場合は多価不飽和(PUFA)である。
PUFAには、1つのクラスとして、必須脂肪酸などの栄養上重要な化合物が多く含まれている。多価不飽和脂肪酸は、炭素骨格の長さに基づいて、炭素原子が16または20個の短鎖多価不飽和脂肪酸(SC-PUFA)及び炭素原子が18個を超える長鎖多価不飽和脂肪酸(LC-PUFA)などの群に分類することができる。多価不飽和脂肪酸は、化学構造に基づいて、オメガ3、オメガ-6、及びオメガ-9などのメチレン中断型ポリエン、共役脂肪酸、ならびに他のPUFAに分類することもできる。
特に、オメガ-3脂肪酸は、化学構造中の末端メチル基から3原子離れたところに二重結合が存在することを特徴とする多価不飽和脂肪酸(PUFA)である。3つの主要なオメガ-3脂肪酸は、α-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、及びドコサヘキサエン酸(DHA)である。
不飽和脂肪酸には、炭素12~22個の様々な炭素鎖長を有する脂肪酸が含まれ得る。多価不飽和脂肪酸には、炭素18個のリノール酸またはα-リノレン酸、炭素20個のEPA、または炭素22個のDHAなど、様々な炭素鎖長を有する脂肪酸が含まれ得る。一価不飽和脂肪酸(MUFA)には、炭素16個のパルミトレイン酸、炭素18個のバクセン酸、炭素18個のオレイン酸、及び炭素24個のネルボン酸など、様々な炭素鎖長を有する脂肪酸が含まれ得る。
例示的な不飽和脂肪酸としては、α-リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸、セルボン酸、リノール酸、リノールエライジン酸、パルミトレイン酸、バクセン酸、オレイン酸、ネルボン酸、及び当業者が特定可能な他のものが挙げられる。更なる例示的なSFA、MUFA、及びPUFAは当該技術分野で周知であり、本明細書に開示されている(例えば、実施例5の表7を参照されたい)。
ステロールは、当該技術分野で周知であり、A環の3位にヒドロキシル基を有するステロイドである。したがって、ステロールは、当業者には理解されるように、A環の位置で置換されたステロイドの縮合四環コア構造を含む。ステロイドには、エストロゲンなどの炭素18個の(C18)ステロイド、アンドロゲン(例えば、テストステロン及びアンドロステロン)などのC19ステロイド、プロゲストゲン、グルココルチコイド、及びミネラルコルチコイドなどのC21、ならびにコア構造のB環の切断を特徴とする、種々の形態のビタミンDを含むセコステロイドが含まれ得る。例示的なステロールには、膜脂質の重要な成分であるコレステロール及びその誘導体の他に、グリセロリン脂質及びスフィンゴミエリン、フィトステロール(例えば、β-シトステロール、スチグマステロール、及びブラシカステロール)、エルゴステロール、ならびに当業者が特定可能な更なるステロールが含まれる。
リン脂質は、当該技術分野で周知であり、例えば、ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトールなどが含まれる。リン脂質はレシチンに存在し、レシチンから抽出することができる。
グリセロ脂質は、当該技術分野で周知であり、一置換、二置換、及び三置換グリセロールから構成される。したがって、グリセロ脂質には、モノグリセリド、ジグリセリド、及びトリグリセリドが含まれ得る。特に、トリグリセリドは、グリセロールの脂肪酸トリエステルであって、グリセロールの3つのヒドロキシル基が、典型的には異なる脂肪酸によってそれぞれエステル化されているものである。トリグリセリドは、当業者には理解されるように、3つの脂肪酸分子に結合したグリセロールからなるトリエステルである。当業者には理解されるように、トリグリセリドは飽和型及び不飽和型に分類することができる。
本開示の実施形態では、水生動物の細胞を培養するための培養培地、方法、及び系、ならびにそれにより得ることができる及び/または得られた水生動物の細胞が記載される。本開示の実施形態では、陸生動物の細胞を培養するための培養培地、方法、及び系、ならびにそれにより得ることができる及び/または得られた陸生動物の細胞が記載される。本開示の実施形態では、水生動物または陸生動物の細胞を培養するための培養培地、方法、及び系、ならびにそれにより得ることができる及び/または得られた水生動物または陸生動物の細胞が記載される。
本明細書で使用される場合、「培地」という用語は、細胞が生存する、活力を維持する、または増殖することができる有機原料、無機原料、及び/または生体原料を含む、液体、固体、またはゲル状態の組成物を指す。培地は、典型的には基礎培地を含む。
本明細書で使用される「基礎培地」という用語は、当業者には理解されるように、細胞の生存及び増殖に不可欠な成分、例えば、アミノ酸、グルコース、ならびにカルシウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、及びリン酸などのイオンを含む培養培地を示す。
基礎培地の例は、Basal Media Formulation(www.sigmaaldrich.com/life-science/cell-culture/learning-center/media-formulations/basal.html)である。当業者によって更なる例が特定可能であり得る。
例示的な生体原料としては血清が挙げられる。培地は化学的に定義され得る。例えば、Sigma Aldrichから入手可能なLipid Mixture 1(www.sigmaaldrich.com/catalog/product/sigma/l0288?lang=en&region=US)には、細胞培養水に溶解した、非動物由来の脂肪酸(2μg/mlのアラキドン酸、ならびに各10μg/mlのリノール酸、リノレン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、及びステアリン酸)、0.22mg/mlのニュージーランド羊毛由来コレステロール、2.2mg/mlのTween(登録商標)-80、70μg/mlの酢酸トコフェロール、ならびに100mg/mlのプルロニック(登録商標)F-68が含まれている。
本開示の意味における培地は、ウシ胎児血清(FBS)またはタラ肝油脂肪酸を含む生体原料を有し得る。例えば、Sigma Aldrichから入手可能なLipid Mixture(1000倍)(www.sigmaaldrich.com/catalog/product/sigma/l5146?lang=en&region=US)には、4.5g/Lのコレステロール、10g/Lのタラ肝油脂肪酸(メチルエステル)、25g/Lのモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、及び2.0g/Lの酢酸D-α-トコフェロールが含まれている。
本開示の実施形態は、培養培地中の脂質が水生動物の細胞に対して異なる程度の毒性を有しており、MUFAは非毒性である一方、PUFA、SFA、及び/またはステロールは対照培地と比較して細胞の生存率及び/または増殖を低減させたことから毒性であるという驚くべき発見に基づいている。
細胞培養中の毒性を検出する1つの方法は、所望の培養期間後に、試験条件(例えば、1種もしくはいくつかの脂質及びまたは他の対象となる成分を含有する培養)下で細胞で覆われた面積のパーセンテージを対照と比較して検出することである。これは、任意の好適な方法を使用して、例えば、培養細胞が付着した培養容器の画像、例えば顕微鏡写真を得て、ImageJなどの好適な画像処理及び分析プログラムを使用して培養細胞によって覆われた面積を算出することによって、達成することができる。一例では、細胞への脂質の導入を試験する場合、試験脂質を含有する培養物中の細胞被覆表面が対照培養物中の細胞被覆表面の約61~79%である場合は、脂質はわずかに毒性があるとみなされ、細胞被覆表面が対照培養物中の細胞被覆表面の60%以下である場合は、脂質は毒性であるとみなされる。
本開示の実施形態は、所望の脂質(例えば、PUFA、SFA、及び/またはステロール)を含む水生動物細胞用の培養培地に有効量のネルボン酸を添加すると、細胞に対する脂質毒性の関連レベルを低減させながら、更には最小限に抑えながら、細胞による所望の脂質の取り込みが可能になるという驚くべき発見に基づいている。
「ネルボン酸」は当該技術分野で公知であり、式C24H46O2及びIUPAC名(Z)-テトラコス-15-エン酸を有するリグノセリン酸の一価不飽和類似体である。当業者には理解されるように、ネルボン酸は、セラコレート(selacholeate)、ネルボン酸(nervonsaeure)、cis-15-テトラコセン酸、24:1 cis、デルタ15、または24:1オメガ9としても知られている。ネルボン酸は、スフィンゴ糖脂質の脂質であるセレブロシドである。ネルボン酸は脂肪酸鎖に1つの二重結合を有しており、残りの炭素原子は全て単結合である。
実施形態では、本開示は、水生動物の細胞、例えば、筋芽細胞、ミオサイト、前脂肪細胞、脂肪細胞、及び/または線維芽細胞などを培養するための培養培地に関する。培地は、基礎培地(好ましくは無血清)であり、PUFA、SFA、ステロール、あるいはPUFA、SFA、及び/またはステロールの任意の組み合わせなどの1種以上の脂質が補充されている。そのような培地は、例えば増殖を通じて培養中の細胞集団を拡大させるために、及び/または細胞分化を誘導するために使用することができる。有利には、1種以上の脂質が補充された培地を使用して、培養細胞の脂質含有量を変化させることができる。例えば、本明細書に記載及び例示されるように、パルミチン酸、バクセン酸、オレイン酸、アルファ-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、ドコサペンタエン酸(DPA)及び前述の任意の組み合わせなどの所望の脂肪酸の相対量は、これらの脂肪酸が補充された培地で培養された細胞中で、天然に(すなわち、単離された水生動物の成分として;単離された陸生動物の成分として)存在する同じ細胞または脂質サプリメントを含まない培地中で培養された同じ細胞と比較して増加し得る。各所望の脂質は、典型的には少なくとも約0.01μg/mlの濃度で培地中に存在する。例では、各所望の脂質は、約0.01μg/ml~約1000μg/ml、約0.01μg/ml~約100μg/ml、約0.1μg/ml~約100μg/ml、約1.0μg/ml~約100μg/ml、約10μg/ml~約200μg/ml、約10μg/ml~約150μg/ml、及び好ましくは約10μg/ml~約100μg/ml、または約10μg/ml~約50μg/mlの濃度で培地中に存在する。本明細書に記載されるように、一部の脂質(例えば、脂肪酸)は、高濃度では水生動物由来の培養細胞に対して毒性である。当業者は、対象となる脂質の毒性レベルを識別し、その脂質の濃度を調整して、所望の程度の細胞の脂質取り込み、増殖、及び/または生存を実現することができるであろう。当業者は、対象となる脂質、対象となる細胞タイプ、及び/または対象となる細胞動物種の毒性レベルを識別し、その脂質の濃度を調整して、所望の程度の細胞の脂質取り込み、増殖、及び/または生存を実現することができるであろう。
本明細書に開示される培地、方法、及び系は、所望の脂質含有量を有する細胞を作り出すために、例えば、風味、芳香、有効期間、及び/または栄養素含有量などの所望の特質を増進するために使用することができる。例えば、本明細書に開示される培地、方法、及び系を使用して、同一種の野生捕獲動物(すなわち、野生捕獲動物と同じタイプの細胞、フィレなど)の総脂肪含有量と同じまたは同様の総脂肪含有量を含むが、総脂肪に対するパーセンテージとして及び/または食品の重量を基準として飽和脂肪がより少ない、本明細書に開示される細胞及び魚介類製品などの水生動物食品を作製することができる。一態様では、本明細書に開示される培地、方法、及び系を使用して、同一種の捕獲動物及び/または養殖動物(すなわち、捕獲動物または養殖動物と同じタイプの細胞、フィレなど)の総脂肪含有量と同じまたは同様の総脂肪含有量を含むが、総脂肪に対するパーセンテージとして及び/または食品の重量を基準として飽和脂肪がより少ない、本明細書に開示される細胞及び陸生動物食物などの陸生動物食品を作製することができる。例では、本開示は、特定の健康上の利益をもたらすことができる食品に関し、これには、同一種の野生捕獲魚介類と比較して、例えばオレイン酸及び/またはオメガ-3脂肪酸の量が増加していること(重量基準及び/または総脂肪に対するパーセンテージとして)により、不飽和脂肪酸含有量が高くかつ飽和脂肪酸含有量が低い食品が含まれる。例では、本開示は、特定の健康上の利益をもたらすことができる食品に関し、これには、同一種の野生捕獲動物及び/または養殖動物と比較して、例えばオレイン酸及び/またはオメガ-3脂肪酸の量が増加していること(重量基準及び/または総脂肪に対するパーセンテージとして)により、不飽和脂肪酸含有量が高くかつ飽和脂肪酸含有量が低い食品が含まれる。そのような食品は、心血管疾患のリスク低減を含めた特定の健康上の利益と関連している。別の例では、本開示は、同一種の野生捕獲魚介類と比較して、ホスファチジルセリン含有量(重量基準及び/または総脂肪に対するパーセンテージとして)を有する食品に関する。別の例では、本開示は、同一種の野生捕獲動物及び/または養殖動物と比較して、ホスファチジルセリン含有量(重量基準及び/または総脂肪に対するパーセンテージとして)を有する食品に関する。そのような食品は、認知機能障害または認知症のリスク低減に関連している。
他の例では、本明細書に開示される培地、方法、及び系を使用して、所望の感覚特質を有する本明細書に開示される細胞及び魚介類製品などの水生動物食品を作製することができる。他の例では、本明細書に開示される培地、方法、及び系を使用して、所望の感覚特質を有する本明細書に開示される細胞及び陸生動物食品などの陸生動物食品を作製することができる。例えば、心地よい芳香は脂肪酸の含有量、特に遊離脂肪酸及びPUFAの含有量に関連している。したがって、遊離脂肪酸及びPUFAの含有量を、本明細書に開示される培地及び方法を使用して調整して、所望の芳香プロファイルを実現することができる。同様に、例えばオメガ-3脂肪酸の含有量を変化させることにより魚介類製品の魚らしさを増減させるなど、脂質含有量を変動させて所望の風味プロファイルを実現することができる。口当たり及び食感、調理性/しっとり感、ならびに外観などの他の感覚特質も、細胞の脂質含有量を調整することにより調節することができる。例えば、魚介類の感覚特質及び脂質組成に関する、Rosa et al.,Nutrients 2020,12,3453;doi:10.3390/nu12113454を参照されたい。同様の考慮事項が陸生動物食品にも適用される。
本明細書に記載及び例示されるように、驚くべきことに、脂質(例えば、脂肪酸)が補充された培地にネルボン酸を含めることにより、そうでなければ培養細胞に対して毒性となる濃度におけるものも含めて、培養水生動物細胞による脂質の取り込みが促進されることが発見された。これは驚くべき発見であった。それは一つには、水生動物細胞は、ネルボン酸が補充されているが他の脂肪酸が補充されていない培地で培養された場合、実質的にネルボン酸を取り込まなかったからである。本明細書に記載及び例示されるように、ネルボン酸は、試験したMUFAのうち、試験MUFAが補充された培地中で培養された水生動物細胞によって実質的に取り込まれなかった唯一のMUFAであった。いかなる特定の理論にも縛られることを望むものではないが、ネルボン酸は他の脂肪酸の取り込みを促進し、魚類細胞などの培養水生動物細胞における脂肪酸毒性を低減または遮断すると考えられる。
したがって、好ましい態様では、培地は、培養水生動物細胞による脂質(例えば、PUFA、MUFA、SFA、及び/またはステロール)の取り込みを増加させるのに有効な量の、及び/または水生動物の培養細胞に対するPUFA、MUFA、SFA、及び/またはステロールの毒性作用を低減させるのに有効な量の、例えば、培養物中の細胞の生存率及び/または増殖を改善するのに十分な量のネルボン酸を更に含む。典型的には、ネルボン酸は、少なくとも約1μg/mlの濃度で培地中に含まれ、好ましくは約1μg/ml~約1000μg/ml、約1μg/ml~約200μg/ml、約1μg/ml~約150μg/ml、及び好ましくは約1μg/ml~約100μg/ml、約1μg/ml~約50μg/ml、約10μg/ml~約50μg/ml、約50μg/ml~約100μg/ml、または約50μg/ml~約75μg/mlで含まれる。更なる態様では、本明細書に記載の培地(例えば、必ずしも限定されないが、有効量のネルボン酸及び/または1種以上の他の脂質(例えば、PUFA、MUFA、SFA、ステロール、及びそれらの組み合わせ)が補充された培地)は更に、抗酸化剤が補充される。水生動物細胞、例えば魚類の筋芽細胞、ミオサイト、前脂肪細胞、脂肪細胞、線維芽細胞などをそのような培地で培養する場合に、細胞は脂質及び抗酸化剤を取り込むことができる。これにより、細胞、特に本明細書に開示される方法を使用して生成されるPUFA及びMUFAなどの不飽和脂肪酸が豊富な細胞の食品品質の損失の一因となり得る、培養細胞中の脂質酸化を低減させることができる。本明細書に記載の方法に従って培養された細胞中の脂質の酸化は、風味プロファイルの変化、魚臭さ、有効期間の短縮、及び栄養価の低減の一因となり得る。したがって、これらの態様では、培地は、培養細胞中の脂質酸化を低減させるまたは防止するのに有効な量の抗酸化剤、及び培養細胞を含有する生成物を含有する。培養物中の抗酸化剤の有効量は、選択した特定の抗酸化剤に応じて、典型的には約10ng/ml~約1000mg/mlの量であり、任意の所望の脂質について好適な方法を使用して決定することができる。例えば、脂質酸化生成物であるマロンジアルデヒド(MDA)を、好適な方法を使用して細胞中で評価して、チオバルビツール酸反応性物質(TBARS;細胞1mgあたりのMDA(μg))として表すことができる。例えば、Secci,G.and Parisi,G.Italian Journal of Animal Science 15(1):124-136(2016)を参照されたい。
本明細書に記載の培地での使用に適した抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、ミトキノール、クレアチン、ピノストロビン、カタラーゼ、N-アセチルシステイン、チアゾリジン、リポ酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、バイカレイン、没食子酸エピカテキン、ルチン、ミリセチン、アピゲニン、サウチノン、プロピオニル-L-カルニチン、トコフェロール(アルファ-トコフェロール、ベータ-トコフェロール、ガンマ-トコフェロール、及びデルタ-トコフェロールを含む)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、tert-ブチルヒドロキノン(TBHQ)、フェノール類、カロテノイド、アノキソマー、チオジプロピオン酸ジラウリル、レスベラトロール、エトキシキン(ethyoxyquin)、没食子酸プロピル、2,4,5-トリヒドロキシブチロフェノン(THBP)、ケルセチン、カルノソール、チモール、カテキン、モリン、プロアントシアニジンダイマーB2、藻類抽出物、植物抽出物(例えば、ローズマリー抽出物、ブドウ種子抽出物、緑茶抽出物、ジンシン(ginsing)抽出物、ブルーベリー抽出物、クコの実抽出物)など、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。アルファ-トコフェロールなどのトコフェロールは、概して好ましい抗酸化剤である。
したがって、本明細書に記載される実施形態では、水生動物細胞用の培養培地は、1種以上の脂質がそれぞれ少なくとも約0.01μg/mlの量で補充された基礎培地を含み、1種以上の脂質が多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロールであるかまたはそれらを含む場合、培地は、少なくとも約1μg/mlの濃度のネルボン酸を更に含む。好ましくは、各脂質サプリメントは、約0.1μg/ml~約1000μg/ml、好ましくは約0.1μg/ml~約500μg/ml、約1μg/ml~約100μg/ml、または約5μg/ml~約50μg/mlの濃度で培地中に存在する。好ましくは、培養培地中の脂質の総濃度は約1mg/ml以下であり、例えば、培養培地中の脂質の総濃度は約0.5mg/ml以下または約0.1mg/ml以下であり得る。
いくつかの実施形態では、培養培地は、脂質導入培養物中の総脂肪酸の総濃度1mg/mlで個々の脂肪酸または脂肪酸の混合物を含有し得る。以下の表1は、脂質導入培養培地に含めることができる脂肪酸のタイプ及び範囲の例示的なリストを示す。
Figure 2024514177000001
Figure 2024514177000002
いくつかの実施形態では、少なくとも10μg/ml以上の濃度、特に10μg/ml~1000μg/mlの濃度でのMUFAの取り入れを可能にする培養培地方法及び系が記載される。
いくつかの実施形態では、脂質導入培地に含まれる脂質は、100ng/ml~1mg/mlという天然に存在する魚類細胞に対して非毒性の濃度で提供される一価不飽和脂肪酸(MUFA)である。
本明細書に記載の培養培地方法及び系で使用することができる例示的なMUFAには、ミリストレイン酸(C14:1 ω-5)、パルミトレイン酸(C16:1 ω-7)、サピエン酸(C16:1 ω-10)、バクセン酸(C18:1 ω-7)、大半のリン脂質に見られるC18:1 ω9c、オレイン酸(C18:1 ω-9)、ペトロセリン酸(C18:1 ω-12)、パウリン酸(C20:1 ω-7)、ゴンド酸(C20:1 ω-11)、エルカ酸(C22:1 ω-9c)、ブラシジン酸(C22:1 ω-9t)、ネルボン酸(C24:1 ω-9)、及びそれらの任意の所望の組み合わせが含まれる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の培養培地方法及び系で使用することができるMUFAは、パルミトレイン酸などのMUFAを50~100μg/mlの濃度で含み、バクセン酸などのMUFAは50~75μg/mlの濃度で提供され、オレイン酸などのMUFAは75~100μg/mlの濃度で提供され、ネルボン酸などのMUFAは50~75μg/mlの濃度で提供される。
いくつかの実施形態では、脂質導入培地に含まれる脂質は、多価不飽和脂肪酸(PUFA)であり、これは、PUFA単独では天然に存在する魚類細胞に対して毒性であるがネルボン酸と組み合わせた場合に非毒性となる濃度で提供される。これらの実施形態では、PUFAは、少なくとも10μg/ml以上の濃度、特に10μg/ml~1000μg/mlの濃度で含まれる。
本明細書に記載の培養培地方法及び系に関連して使用することができる例示的なPUFAには、ヘキサデカトリエン酸(HTA)(C16:3 ω-3)、リノール酸(C18:2 ω-6)、アルファリノレン酸(C18:3 ω-3)、ガンマリノレン酸(C18:3 ω-6)、ステアリドン酸(C18;4 ω-4)、エイコサジエン酸(C20:2 ω-6)、エイコサトリエン酸(ETE)(C20:3 ω-3)、ジホノム-ガンマ-リノレン酸(C20:3 ω-6)、ミード酸(C20:3 ω-9)、アラキドン酸(C20:4 ω-6)、エイコサペンタエン酸(EPA)(C20:5 ω-3、C20:5 ω-6)、ヘンエイコサペンタエン酸(HPA)(C21:5 ω-3)、ドコサテトラエン酸(C22:4ドコサテトラエン酸-6)、DPA(C22:5ドコサテトラエン酸-3)、ドカサヘキサエン酸(DHA)(C22:6ドカサヘキサエン酸(DHA)-3)、テトラコサペンタエン酸(C24:5 ω-3)、及びテトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(C24:6テトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(C24:6 ω-3))、ならびにそれらの任意の組み合わせが含まれる。
いくつかの実施形態では、PUFAは、本明細書に記載の培養培地方法及び系と関連して、100ng/ml~1mg/mlの濃度で提供される。いくつかの実施形態では、PUFAは、本明細書に記載の培養培地方法及び系と関連して提供することができ、例えば、リノール酸は50~75μg/mlの濃度で提供され、アルファリノレン酸などのPUFAは、50~100μg/mlの濃度で提供され、エイコサペンタエン酸(EPA)などのPUFAは10~75μg/mlの濃度で提供され、ドカサヘキサエン酸(DHA)などのPUFAは10~25μg/mlの濃度で提供される。
いくつかの実施形態では、脂質導入培地に含まれる脂質は、SFAであって、SFA単独では天然に存在する魚類細胞に対して毒性である濃度、特に少なくとも10μg/ml以上の濃度、より詳細には10μg/ml~1000μg/mlの濃度で提供されるが、ネルボン酸と組み合わせた場合に非毒性となるSFAである。
本明細書に記載の培養培地方法及び系に関連して使用することができる例示的なSFAには、カプリン酸(C10:0)、ウンデシル酸(C11:0)、ラウリン酸(C12:0)、トリデシル酸(C13:0)、ミリスチン酸(C14:0)、ペンタデシル酸(C15:0)、パルミチン酸(C16:0)、マルガリン酸(C17:0)、ステアリン酸(C18:0)、ノナデシル酸(C19:0)、アラキジン酸(C20:0)、ヘンイコシル酸(C21:0)、ベヘン酸(C22:0)、トリコシル酸(C23:0)、リグノセリン酸(C24:0)及びそれらの任意の所望の組み合わせが含まれる。
本明細書に記載の培養培地方法及び系のいくつかの実施形態では、SFAは、100ng/ml~1mg/mlの濃度で提供され得る。いくつかの実施形態では、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びステアリン酸などのSFAは、好ましくは25~75μg/mlの濃度で提供され、パルミチン酸などのSFAは、25~50μg/mlの濃度で提供される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の培養培地方法及び系は、少なくとも10μg/mlの量の1種以上の脂質(例えば、単独または任意の組み合わせの本明細書に記載の脂質のいずれか1種)の存在下で実施して、水生動物の1種以上の細胞タイプの脂質導入、生存率の増加、及び/または細胞分化を実現するために使用することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の培養培地方法及び系は、少なくとも10μg/mlの量の1種以上の脂質(例えば、単独または任意の組み合わせの本明細書に記載の脂質のいずれか1種)の存在下で実施して、陸生動物の1種以上の細胞タイプの脂質導入、生存率の増加、及び/または細胞分化を実現するために使用することができる。
特に、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の培養培地方法及び系は、細胞分化及び細胞の脂質含有量の制御に対して同時に機能する分化及び脂質導入培地を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の培養培地方法及び系は、25μg/ml~1000μg/ml、好ましくは25μg/ml~100μg/mlの濃度で1種以上の脂肪酸を含む細胞培養培地を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の培養培地方法及び系は、10μg/ml~1000μg/ml、好ましくは10μg/ml~100μg/mlの濃度でネルボン酸を含む細胞培養培地を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の培養培地方法及び系は、10μg/ml~1000μg/ml、好ましくは10μg/ml~100μg/mlの濃度で一価不飽和脂肪酸を含む細胞培養培地を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の培養培地方法及び系は、リノール酸、アルファリノレン酸、バクセン酸、及びパルミトレイン酸を各々10μg/ml~50μg/mlの濃度で含む細胞培養培地を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の培養培地方法及び系は、リノール酸、アルファリノレン酸、バクセン酸、及びパルミトレイン酸を各々10μg/ml未満の濃度で含む細胞培養培地を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の培養培地方法及び系は、10μg/ml~50μg/mlの濃度でオメガ-s多価不飽和脂肪酸を含む細胞培養培地を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の培養培地方法及び系は、基礎培地と4~10%の濃度の血清とを含む細胞培養培地を含み得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法及び系は、有効量のネルボン酸の存在下にて、毒性脂肪酸の存在下で細胞バイオマスを培養することによって水生動物の細胞バイオマス中の細胞の生存率を増加させるために実施され得る。これらの実施形態では、ネルボン酸は、典型的には10~1000μg/ml、好ましくは10~100μg/ml、好ましくは50~75μg/mlの濃度で提供される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の培養培地は、本開示の意味において、水生動物の細胞に取り入れられる制御可能な脂質のセットを提供するように構成される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の培養培地は、陸生動物の細胞に取り入れられる制御可能な脂質のセットを提供するように構成される。
いくつかの実施形態では、細胞は、血清の存在下にて培地中で培養される。「血清」という用語は、本明細書で使用される場合、血液を凝固させた後に収集される全血の液体画分を指す。血塊は、例えば遠心分離によって除去することができ、得られた上清が血清と呼称される。血清は、0%~4%、または必要に応じてそれ以上の濃度で提供され得る。水生動物に由来する細胞の培養に適した血清は周知であり、ウシ胎児血清(FBS)などのウシ血清が含まれる。
同様の血清が陸生動物に由来する細胞の培養に適していることは、周知である。
いくつかの実施形態では、細胞は、無血清である培地中で培養される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の細胞は、血清を含まない分化培地及び/または脂質導入培地中で培養される。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の培養培地方法及び系は、本開示の実施形態による水生動物に由来する細胞の生存及び増殖に使用される細胞培養培地を含むことができ、典型的には、基礎培地と、細胞の起源の種に応じて任意選択で4~10%の血清とを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の培養培地方法及び系は、本開示の実施形態による陸生動物に由来する細胞の生存及び増殖に使用される細胞培養培地を含むことができ、典型的には、基礎培地と、細胞の起源の種に応じて任意選択で4~10%の血清とを含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の細胞への脂質の取り入れに使用される脂質導入培地は、典型的には、細胞に取り入れられる1種以上の脂質と組み合わせて、0~4%の血清を含む基礎培地を含む。いくつかの実施形態では、培地は少なくとも10μg/mlの濃度で所望の脂質を含有し、細胞は培地中で約6日間または7日間培養される。必要に応じて、培地は、より低い濃度の脂質(例えば、1~2μg/mlの各所望の脂質)を含有することができ、細胞は、所望の程度の脂質導入を実現するように一定期間培地中で培養され、実施形態では、これは6日または7日よりも長い。当業者には理解されるように、典型的には、培地中の脂質は、単一脂肪酸、あるいは飽和、一価不飽和、及び/または多価不飽和脂肪酸を含む脂肪酸混合物などの脂肪酸を含む。
本開示はまた、典型的には0~4%の血清を含む基礎培地を含む、本開示の実施形態による細胞分化に使用される分化培地に関する。特定の実施形態では、デキサメタゾン、ビオチン、T3、パントテナート、IBMX、及びインスリンは、典型的には筋芽細胞及び前脂肪細胞などの未分化細胞に所望の脂質を導入するために培地中で使用されるため、分化培地には補充されない。14日間の分化プロトコル期間にわたり限られた脂質導入を示した以前のプロトコルと比較して、デキサメタゾン、ビオチン、T3、パントテナート、IBMX、及びインスリンを含まない分化及び脂質導入培地は、大型の脂肪滴を貯蔵するために細長状から円状に形態学的に変化し、細胞サイズが増大した魚類細胞を生成することができる。
例えば、実施例1に示すように、複合脂肪酸混合物の存在下かつデキサメタゾン、ビオチン、T3、パントテナート、IBMX、及びインスリンの非存在下における、血清低減培地または無血清培地中での前脂肪細胞から脂肪細胞への分化により、培養コイ前脂肪細胞における脂肪酸の取り込み及び貯蔵がもたらされた(実施例1及び図1)。特に、脂肪酸の存在下でのコイ前脂肪細胞は、2日間で形態学的変化を実現し、これが7日間の培養期間の全体にわたって維持された。
実施形態では、本開示の方法及び系で使用される細胞は、所望の水生種または所望の水生種に由来する細胞株から単離された初代細胞であり得る。実施形態では、本開示の方法及び系で使用される細胞は、所望の陸生動物種または所望の陸生動物種に由来する細胞株から単離された初代細胞であり得る。好ましくは、細胞は遺伝子組換えされていない。いくつかの実施形態では、水生動物細胞は、任意の好適な方法を使用して、任意の所望の水生動物、特に任意の魚類、軟体類、及び甲殻類から採取され得る。同様に、いくつかの実施形態では、陸生動物細胞は、任意の好適な方法を使用して、任意の哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、または昆虫などの任意の所望の陸生動物から採取され得る。当業者には理解されるように、組織の酵素的及び機械的解離などの多くの方法が当該技術分野で周知である。例えば、魚類から前脂肪細胞を単離する方法に関する詳細な情報は、当業者には理解されるように、Vegusdal et al 2003,“An in vitro method for studying the proliferation and differentiation of Atlantic salmon preadipocytes”に見出すことができる。魚類に由来する他の細胞タイプ、または任意の他の動物に由来する任意の細胞タイプの単離に関する情報は、当業者であれば容易に入手できるであろう。
本明細書で使用される採取細胞は、当業者には理解されるように、接着性の2D組織培養または3D細胞浮遊培養中で増殖させることができる。
本明細書に記載される実施形態では、本明細書で使用される水生動物由来採取細胞は、当業者には理解されるように、次いで、増殖、分化、及び/または脂質導入のために培地中で培養される。
本明細書に記載される実施形態では、本明細書で使用される陸生動物由来採取細胞は、当業者には理解されるように、次いで、増殖、分化、及び/または脂質導入のために培地中で培養される。
本開示の実施形態には、本明細書に記載の方法及び系のいずれか1つを用いて得られた細胞も含まれる。
特に、本明細書に記載の脂質導入用培地での培養後に得られた細胞は、対応する生存種から直接採取された細胞と比較して増加した所望の脂質量を含む。脂質導入培地で培養された細胞中の所望の脂質量は、培養時間、培地に添加される脂質の濃度、ならびに細胞の生存率及び増殖の関数である。本明細書に記載されるように、培地にネルボン酸を含めることにより水生動物の脂質の取り込みが増進される。典型的には、細胞は、対応する水生動物種の細胞と比較して、総脂肪1gあたりのgとして測定して少なくとも約2倍の量の所望の脂質を含有することになる。典型的には、細胞は、対応する動物種の細胞と比較して、総脂肪1gあたりのgとして測定して少なくとも約2倍の量の所望の脂質を含有することになる。例えば、本開示によるオメガ-3脂肪酸(例えば、EPA、DPA、及び/またはDHA)を含有する脂質導入培地中で培養された所望の魚種に由来する筋芽細胞、ミオサイト、前脂肪細胞、脂肪細胞、または線維芽細胞は、同一種の野生捕獲魚類の対応する細胞または肉と比較して、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約10倍、または約100倍の量のオメガ-3脂肪酸を含有し得る。
実施形態では、細胞は、対応する種の野生捕獲動物または養殖動物で天然に見られるパーセンテージよりも、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、または85パーセンテージポイント高い、総脂肪1gあたりのgを基準とした所望の脂質のパーセンテージを含有し得る。(明確にするために述べると、パーセンテージポイントの数が高いとは、所望の脂質によって占められる総脂肪に対するパーセンテージが、パーセンテージポイントの数だけ高いことを意味する。)例として、所望の脂質が占める総脂肪に対するパーセンテージが、野生捕獲魚類では25%であり、培養魚類細胞において所望の脂質が占める総脂肪に対するパーセンテージが30%である場合、培養細胞は5パーセンテージポイント多い所望の脂質を含有している。更なる例として、養殖の去勢ウシ、雄ウシ、雌ウシ、または若雌ウシにおいて所望の脂質が占める総脂肪に対するパーセンテージが0%であり、培養ウシ細胞において所望の脂質が占める総脂肪に対するパーセンテージが5%である場合、同様に培養細胞は5パーセンテージポイント多い所望の脂質を含有している。
更に、フィレ、切り身、臓器、または丸ごとの野生捕獲動物もしくは養殖動物からなるものではない他の食品に類似させることを目的とした食品の場合、培養細胞と、丸ごとの動物の死骸とではなく動物のフィレ、切り身、臓器などとの間で比較が行われる。
細胞、肉、及び他の食品の脂肪酸含有量を判定するための好適な方法は、当該技術分野で周知である。例えば、脂肪酸は加水分解法により抽出され得る。次いで、脂肪はエーテル中に抽出され、メチル化され、脂肪酸メチルエステル(FAME)が形成される。次いで、FAMEをガスクロマトグラフィー(GC)によって定量的に分析することができ、ピークは定量化した各脂肪酸を示す。好都合なことに、細胞、体液、組織などから脂質を抽出するための脂質抽出キットが市販されている。そのようなキットまたは他の好適な方法を使用して魚類または細胞から抽出された脂質は、次いで、GC、HPL、質量分析法、及びリピドミクスなどの任意の好適な方法を使用して分析及び定量化され得る。そのようなキットまたは他の好適な方法を使用して陸生動物または細胞から抽出された脂質は、次いで、GC、HPL、質量分析法、及びリピドミクスなどの任意の好適な方法を使用して分析及び定量化され得る。
以下の表2A及び2Bは、魚類、甲殻類、及び軟体類を含む天然に存在する水生動物の代表的な脂肪酸プロファイルのリストを示す。以下の表2C及び2Dは、家禽、狩猟鳥獣、及び養殖家畜を含む天然に存在する陸生動物の代表的な脂肪酸プロファイルのリストを示す。データは、フィレ100gあたりの脂肪酸含有量(g)(g/フィレ(g))として示される。最も高い代表的な脂肪酸としては、水生動物では16:0(パルミチン酸)、18:1(バクセン酸またはオレイン酸)、ならびにオメガ-3脂肪酸(EPA、DHA、及びDPA)が挙げられるが、一方陸生動物ではオメガ-3はほぼゼロである。
Figure 2024514177000003
Figure 2024514177000004
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Figure 2024514177000006
Figure 2024514177000007
Figure 2024514177000008
Figure 2024514177000009
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いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法及び系は、個々の脂肪酸及び/または脂肪酸の混合物を含む培養培地中で細胞を培養することにより、水生動物の細胞中の脂肪酸含有量を増加させた。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法及び系は、個々の脂肪酸及び/または脂肪酸の混合物を含む培養培地中で細胞を培養することにより、陸生動物の細胞中の脂肪酸含有量を増加させた。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法及び系を使用して得られる水生動物の細胞は、表2A及び2Bに列挙された天然に存在する水生動物の脂肪酸含有量よりも高い1つ以上の脂肪酸含有量を有する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法及び系を使用して得られる陸生動物の細胞は、表2C及び2Dに列挙された天然に存在する陸生動物の脂肪酸含有量よりも高い1つ以上の脂肪酸含有量を有する。
例えば、本明細書に記載の方法及び系を使用して得られるヒラメの細胞は、フィレ100gあたり0.217gより高いパルミチン酸(C16:0)含有量を有し得、本明細書で得られるオヒョウの細胞は、フィレ100gあたり0.174gより高いパルミチン酸(C16:0)含有量を有し得、本明細書で得られるニシンの細胞は、フィレ100gあたり0.172gより高いパルミチン酸(C16:0)含有量を有し得、本明細書で得られるサバの細胞は、フィレ100gあたり0.183gより高いパルミチン酸(C16:0)含有量を有し得る(表2A及び2Bを参照されたい)。
同様に、本明細書で得られるヒラメの細胞は、フィレ100gあたり0.275gより高いバクセン酸またはオレイン酸(C18:1)含有量を有し得、本明細書で得られるオヒョウの細胞は、フィレ100gあたり0.229gより高いバクセン酸またはオレイン酸(C18:1)含有量を有し得、本明細書で得られるニシンの細胞は、フィレ100gあたり0.193gより高いバクセン酸またはオレイン酸(C18:1)含有量を有し得、本明細書で得られるサバの細胞は、フィレ100gあたり0.191gより高いバクセン酸またはオレイン酸(C18:1)含有量を有し得る(表2A及び2Bを参照されたい)。
同様に、本明細書で得られるヒラメの細胞は、フィレ100gあたり0.105gより高いエイコサペンタエン酸(EPA)(C20:5 n-3)含有量を有し得、本明細書で得られるオヒョウの細胞は、フィレ100gあたり0.066gより高いEPA含有量を有し得、本明細書で得られるニシンの細胞は、フィレ100gあたり0.090gより高いEPA含有量を有し得、本明細書で得られるサバの細胞は、フィレ100gあたり0.075gより高いEPA含有量を有し得る(表2A及び2Bを参照されたい)。
同様に、本明細書で得られるヒラメの細胞は、フィレ100gあたり0.022gより高いDPA(C22:5 n-3)含有量を有し得、本明細書で得られるオヒョウの細胞は、フィレ100gあたり0.016gより高いDPA含有量を有し得、本明細書で得られるニシンの細胞は、フィレ100gあたり0.007gより高いDPA含有量を有し得、本明細書で得られるサバの細胞は、フィレ100gあたり0.018gより高いDPA含有量を有し得る(表2A及び2Bを参照されたい)。
同様に、本明細書で得られるヒラメの細胞は、フィレ100gあたり0.083gより高いDHA(C22:6 n-3)含有量を有し得、本明細書で得られるオヒョウの細胞は、フィレ100gあたり0.128gより高いDHA含有量を有し得、本明細書で得られるニシンの細胞は、フィレ100gあたり0.110gより高いDHA含有量を有し得、本明細書で得られるサバの細胞は、フィレ100gあたり0.121gより高いDHA含有量を有し得る(表2A及び2Bを参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本明細書で得られる水生動物の細胞は、天然に存在する水生動物のものよりも高い総オメガ-3多価不飽和脂肪酸(総n-3)含有量を有し得る。例えば、本明細書で得られるヒラメまたはオヒョウの細胞は、フィレ100gあたり0.210gより高い総オメガ-3多価不飽和脂肪酸含有量を有し得、本明細書で得られるニシンの細胞は、フィレ100gあたり0.207gより高い総オメガ-3多価不飽和脂肪酸含有量を有し得、本明細書で得られるサバの細胞は、フィレ100gあたり0.214gより高い総オメガ-3多価不飽和脂肪酸含有量を有し得る(表2A及び2Bを参照されたい)。
いくつかの実施形態では、本明細書で得られる陸生動物の細胞は、天然に存在する陸生動物のものよりも高い総オメガ-3多価不飽和脂肪酸(総n-3)含有量を有し得る。
特定の脂質含有量を有するヒラメ、オヒョウ、ニシン、及びサバの細胞の記載された実施形態は、本質的に例示的であり、限定的ではなく、本開示が他の種に由来する細胞の対応するまたは類似の実施形態を包含することを理解されたい。
表2A及び2Bに列挙された全ての天然に存在する種では、脂肪酸の相当な割合が飽和脂肪であり、含有量は少なくとも15%であったが、一方で本明細書で得られる脂質導入細胞には、不飽和脂肪または一価不飽和脂肪のみを導入することができる。各脂肪酸の最大濃度は、表2A及び2Bのほとんど全ての天然に存在する水生動物において約30%に制限されているが、他方、本明細書で得られる細胞は30%を超える単一脂肪酸を脂肪含有量として含み得る。
これらの実施形態のいくつかでは、前脂肪細胞を培養するための培養培地、方法、及び系が本明細書に記載される。
特に、脂肪細胞の培養に関連して本明細書に記載される実施形態では、培養培地は、脂質含有量を制御し、前脂肪細胞の生存率、分化、及び/または脂質取り込みを増加させるのに有効な量で、25~1000μg/mlの脂質及び0~4%の血清が補充された基礎培地を含み得る。
いくつかの実施形態では、本開示の前脂肪細胞用の培養培地に含まれる脂質は、1種以上のMUFA、1種以上のPUFA、1種以上のSFA、及び/または1種以上のステロールを単独でまたは任意の組み合わせで含む。好ましい実施形態では、本開示の脂肪細胞は、制御された量のPUFAを含み、より好ましくはオメガ-3脂肪酸及び/または脂溶性ビタミンを含む。
前脂肪細胞に関連して本明細書に記載される例示的な実施形態では、水生動物の前脂肪細胞を培養する方法は、1種以上の脂肪酸を有効濃度で含む本開示による前脂肪細胞培養培地中で前脂肪細胞を培養し、前脂肪細胞による脂質の取り込みをもたらすことを含む。典型的には、これらの実施形態では、脂質は、25μg/ml~最大1000μg/ml、好ましくは25μg/ml~最大100μg/mlの濃度で提供され得る。特に、それらの実施形態のいくつかでは、選択された脂肪酸濃度は、潜在的毒性を示す細胞集密度の低減を示さずに、魚類細胞中で観察される脂肪滴を有する円状形態を誘導することができる(実施例2を参照されたい)。
同様に、陸生動物の前脂肪細胞は、同様の方法及び同様の培地の使用によって培養することができる。
いくつかの実施形態では、本開示の培養培地、方法、及び系を用いて得ることができる水生動物の前脂肪細胞は、脂質を0.1%~90%の量で含む。好ましい実施形態では、本明細書に記載の前脂肪細胞の脂肪酸は、約50%のSFA、25%のPUFA(好ましくはオメガ3を含む)、及び25%のMUFAを含有する。
いくつかの実施形態では、本開示の培養培地、方法、及び系は、脂質と有効量のネルボン酸とを含む培養培地中で水生動物細胞の細胞を培養することにより、水生動物の細胞の脂質含有量及び/または細胞生存率を増加させるために使用され得る。
特に、好ましい実施形態では、方法及び系ならびに関連する組成物、特に培養培地は、水生動物の筋芽細胞及び/または線維芽細胞の脂質含有量を制御するために、及び/または生存率を増加させるために使用され得る。
特に、好ましい実施形態では、方法及び系ならびに関連する組成物、特に培養培地は、陸生動物の筋芽細胞及び/または線維芽細胞の脂質含有量を制御するために、及び/または生存率を増加させるために使用され得る。
それらの実施形態のいくつかでは、ネルボン酸は、飽和脂肪酸または多価不飽和脂肪酸、例えばDHA及びEPAと組み合わせることができ、これらは、個別に使用した場合には低い脂質蓄積及びある程度の毒性を示すが、ネルボン酸と組み合わせて使用した場合には多くの細胞数及び高い脂質蓄積を示す(実施例6~7を参照されたい)。
したがって、いくつかの実施形態では、ネルボン酸は、他の脂肪酸と組み合わせた場合、脂質取り込み及び脂質蓄積の増加を引き起こし得る。したがって、ネルボン酸の使用は、培養水生動物細胞に対してある程度の毒性を有する脂肪酸を含めた脂肪酸の脂質導入を増進するまたは脂質導入を可能にすることができるのみならず、水生動物細胞培養製品、例えば、魚類製品、魚介類製品、及び当業者が特定可能な更なる製品に更なる栄養品質を付与することができる。
したがって、いくつかの実施形態では、ネルボン酸は、他の脂肪酸と組み合わせた場合、脂質取り込み及び脂質蓄積の増加を引き起こし得る。したがって、ネルボン酸の使用は、脂肪酸の脂質導入を増進するまたは脂質導入を可能にすることができるのみならず、陸生動物細胞培養製品に更なる栄養品質を付与することができる。
いくつかの実施形態では、ネルボン酸は、10~1000μg/ml、好ましくは10~100μg/ml、好ましくは50μg/mlの濃度で提供される。
いくつかの実施形態では、ネルボン酸含有培養培地を含む、培養培地、方法、系、及び組成物は、所望の脂肪酸(例えば、オメガ-3脂肪酸)を総脂肪に対して少なくとも約1%の量で含む水生動物の筋芽細胞及び/または線維芽細胞を提供し得る。いくつかの実施形態では、ネルボン酸含有培養培地を含む、培養培地、方法、系、及び組成物は、所望の脂肪酸(例えば、オメガ-3脂肪酸)を総脂肪に対して少なくとも約1%の量で含む陸生動物の筋芽細胞及び/または線維芽細胞を提供し得る。いくつかの実施形態では、ネルボン酸含有培養培地を含む、培養培地、方法、系、及び組成物は、所望の脂肪酸(例えば、オメガ-3脂肪酸)を総脂肪に対して少なくとも約1%の量で含む水生動物の筋芽細胞及び/または線維芽細胞を提供し得る。例えば、本開示による所望の脂肪酸と有効量のネルボン酸とを含有する脂質導入培地中で培養された所望の魚種に由来する筋芽細胞、ミオサイト、前脂肪細胞、脂肪細胞、または線維芽細胞は、同一種の野生捕獲魚類の対応する細胞または肉と比較して、約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約10倍、または約100倍の量の所望の脂肪酸を含有し得る。
いくつかの実施形態では、ネルボン酸含有培養培地を含む、培養培地、方法、系、及び組成物は、所望の脂肪酸(例えば、オメガ-3脂肪酸)を総脂肪に対して少なくとも約1%の量で含む陸生動物の筋芽細胞及び/または線維芽細胞を提供し得る。
いくつかの実施形態では、本開示の方法及び系は、水生動物の線維芽細胞及び前記細胞を含む関連するバイオマスを提供し、線維芽細胞は脂質を少なくとも1%~90%の量で含む。いくつかの実施形態では、本開示の方法及び系は、陸生動物の線維芽細胞及び前記細胞を含む関連するバイオマスを提供し、線維芽細胞は脂質を少なくとも1%~90%の量で含む。
いくつかの実施形態では、本開示の方法及び系は、水生動物の筋芽細胞及び前記細胞を含む関連するバイオマスを提供し、筋芽細胞は脂質を少なくとも1%の量で含む。いくつかの実施形態では、本開示の方法及び系は、陸生動物の筋芽細胞及び前記細胞を含む関連するバイオマスを提供し、筋芽細胞は脂質を少なくとも1%の量で含む。
いくつかの実施形態では、本開示を読めば当業者には理解されるように、ネルボン酸は、水生動物の筋芽細胞、線維芽細胞、及び更なる細胞の生存率を増加させるために更に使用され得る。
したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法及び系は、有効量のネルボン酸の存在下で細胞バイオマスを培養することにより、水生動物の細胞バイオマス中の細胞の生存率を増加させることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される培養培地、方法、及び系は、多価不飽和脂肪酸と有効量のネルボン酸とを含む培養培地中で細胞を培養することにより、水生動物の細胞中の多価不飽和脂肪酸含有量を増加させる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される培養培地、方法、及び系は、多価不飽和脂肪酸と有効量のネルボン酸とを含む培養培地中で細胞を培養することにより、陸生動物の細胞中の多価不飽和脂肪酸含有量を増加させる。
いくつかの実施形態では、一価不飽和脂肪酸の濃度は、同一種の野生捕獲動物(例えば、魚類)に存在する量と比較して、少なくとも約1%~約300%以上増加する。例えば、パルミトレイン酸、オレイン酸、及びバクセン酸などの一価不飽和脂肪酸の濃度は、表2A及び2Bに示されるものなどの天然に存在する量のいずれか1つを超える量を含むように増加させることができる。いくつかの実施形態では、一価不飽和脂肪酸の濃度は、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に存在する量(例えば、表2C及び2Dに示されるもの)と比較して、少なくとも約1%~約300%以上増加する。
いくつかの実施形態では、多価不飽和脂肪酸の濃度は、同一種の野生捕獲動物(例えば、魚類)に存在する量と比較して、少なくとも約1%~約300%以上増加する。例えば、多価不飽和リノレン酸及びオメガ-3多価不飽和脂肪酸の濃度は、表2A及び2Bに示されるものなどの天然に存在する量のいずれか1つを超える量を含むように増加させることができる。いくつかの実施形態では、多価不飽和脂肪酸の濃度は、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に存在する量(例えば、表2C及び2Dに示されるもの)と比較して、少なくとも約1%~約300%以上増加する。
いくつかの実施形態では、飽和脂肪酸の濃度は、同一種の野生捕獲動物(例えば、魚類)に存在する量と比較して、少なくとも約1%~約300%以上増加する。例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、及び/またはステアリン酸の濃度は、表2A及び2Bに示されるものなどの天然に存在する量のいずれか1つを超えて増加させることができる。いくつかの実施形態では、飽和脂肪酸の濃度は、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に存在する量(例えば、表2C及び2Dに示されるもの)と比較して、少なくとも約1%~約300%以上増加する。
いくつかの実施形態では、水生動物細胞にバクセン酸を取り入れさせるための培養培地、方法、及び系が記載される。本方法は、バクセン酸の存在下で、水生動物細胞によるバクセン酸の取り込みをもたらす期間及び条件下で水生動物細胞を培養することを含む。
いくつかの実施形態では、陸生動物細胞にバクセン酸を取り入れさせるための培養培地、方法、及び系が記載される。本方法は、バクセン酸の存在下で、水生動物細胞によるバクセン酸の取り込みをもたらす期間及び条件下で陸生動物細胞を培養することを含む。
「バクセン酸」という用語もまた専門用語であり、C18:1として知られる化合物を指しており、トランス立体異性体((11E)-11-オクタデセノイド(octadecenoid)酸)及びシス立体異性体((11Z)-11-オクタデセン酸)として存在する。バクセン酸は固体として存在し、水に不溶であり比較的中性であると考えられている。バクセン酸は、第一胃内の微生物によるリノール酸及びα-リノレン酸のバイオ水素化を通じて生成され得、乳製品及び反芻動物の肉製品などの食品に天然に見られる。
いくつかの実施形態では、本明細書で得られる細胞は、表2A及び2Bに示されるものなどの天然に存在する量に対して、DHA及びEPAなどのオメガ-3多価不飽和脂肪酸の濃度が増加した魚類の前脂肪細胞を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で得られる細胞は、表2A及び2Bに示されるものなどの天然に存在する量に対して、DHA及びEPAなどのオメガ-3多価不飽和脂肪酸の濃度が増加した魚類の筋芽細胞及び/または線維芽細胞を含む。
いくつかの実施形態では、オメガ-3多価不飽和脂肪酸の濃度は、同一種の野生捕獲動物(例えば、魚類)に存在する量(例えば、表2A及び2Bに示される量)と比較して、少なくとも約1%~約300%以上増加する。
いくつかの実施形態では、本明細書で得られる細胞は、表2C及び2Dに示されるものなどの天然に存在する量に対して、DHA及びEPAなどのオメガ-3多価不飽和脂肪酸の濃度が増加した陸生動物の前脂肪細胞を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で得られる細胞は、表2C及び2Dに示されるものなどの天然に存在する量に対して、DHA及びEPAなどのオメガ-3多価不飽和脂肪酸の濃度が増加した陸生動物の筋芽細胞及び/または線維芽細胞を含む。
いくつかの実施形態では、オメガ-3多価不飽和脂肪酸の濃度は、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に存在する量(例えば、表2C及び2Dに示される量)と比較して、少なくとも約1%~約300%以上増加する。
いくつかの実施形態では、本明細書で得られる陸生動物細胞は、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物の対応する細胞タイプに存在する量と比較して、オメガ-3多価不飽和脂肪酸の濃度が増加した筋芽細胞、線維芽細胞、及び/または前脂肪細胞を含む。オメガ-3多価不飽和脂肪酸の濃度の増加は、少なくとも約1パーセンテージポイント以上、例えば、2パーセンテージポイント、3パーセンテージポイント、4パーセンテージポイント、5パーセンテージポイント、6パーセンテージポイント、7パーセンテージポイント、8パーセンテージポイント、9パーセンテージポイント、10パーセンテージポイント、11パーセンテージポイント、12パーセンテージポイント、13パーセンテージポイント、14パーセンテージポイント、15パーセンテージポイント、16パーセンテージポイント、17パーセンテージポイント、18パーセンテージポイント、19パーセンテージポイント、20パーセンテージポイント、21パーセンテージポイント、22パーセンテージポイント、23パーセンテージポイント、24パーセンテージポイント、25パーセンテージポイント、26パーセンテージポイント、27パーセンテージポイント、28パーセンテージポイント、29パーセンテージポイント、30パーセンテージポイント、31パーセンテージポイント、32パーセンテージポイント、33パーセンテージポイント、34パーセンテージポイント、35パーセンテージポイント、36パーセンテージポイント、37パーセンテージポイント、38パーセンテージポイント、39パーセンテージポイント、40パーセンテージポイント、41パーセンテージポイント、42パーセンテージポイント、43パーセンテージポイント、44パーセンテージポイント、45パーセンテージポイント、46パーセンテージポイント、47パーセンテージポイント、48パーセンテージポイント、49パーセンテージポイント、50パーセンテージポイント、51パーセンテージポイント、52パーセンテージポイント、53パーセンテージポイント、54パーセンテージポイント、55パーセンテージポイント、56パーセンテージポイント、57パーセンテージポイント、58パーセンテージポイント、59パーセンテージポイント、60パーセンテージポイント、61パーセンテージポイント、62パーセンテージポイント、63パーセンテージポイント、64パーセンテージポイント、65パーセンテージポイント、66パーセンテージポイント、67パーセンテージポイント、68パーセンテージポイント、69パーセンテージポイント、70パーセンテージポイント、71パーセンテージポイント、72パーセンテージポイント、73パーセンテージポイント、74パーセンテージポイント、75パーセンテージポイント、76パーセンテージポイント、77パーセンテージポイント、78パーセンテージポイント、79パーセンテージポイント、80パーセンテージポイント、81パーセンテージポイント、82パーセンテージポイント、83パーセンテージポイント、84パーセンテージポイント、85パーセンテージポイント、86パーセンテージポイント、87パーセンテージポイント、88パーセンテージポイント、89パーセンテージポイント、90パーセンテージポイント、またはそれ以上であり得る。増加は、表2C及び2Dに記載の量との比較に基づき得る。
一般に、本明細書に開示される培地、方法、及び系によって得られない陸生動物細胞は、オメガ-3多価不飽和脂肪酸を本質的に含まない。したがって、オメガ-3多価不飽和脂肪酸の1パーセンテージポイント以上の増加は、既に存在する脂肪酸の濃度を変えずにオメガ-3多価不飽和脂肪酸を添加することにより、実現することができる。
いくつかの実施形態では、本明細書で得られる陸生動物細胞は、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物の対応する細胞タイプに存在する量と比較して、一価不飽和脂肪酸の濃度が増加した筋芽細胞、線維芽細胞、及び/または前脂肪細胞を含む。一価不飽和脂肪酸の濃度の増加は、少なくとも約1パーセンテージポイント以上、例えば、2パーセンテージポイント、3パーセンテージポイント、4パーセンテージポイント、5パーセンテージポイント、6パーセンテージポイント、7パーセンテージポイント、8パーセンテージポイント、9パーセンテージポイント、10パーセンテージポイント、11パーセンテージポイント、12パーセンテージポイント、13パーセンテージポイント、14パーセンテージポイント、15パーセンテージポイント、16パーセンテージポイント、17パーセンテージポイント、18パーセンテージポイント、19パーセンテージポイント、20パーセンテージポイント、21パーセンテージポイント、22パーセンテージポイント、23パーセンテージポイント、24パーセンテージポイント、25パーセンテージポイント、26パーセンテージポイント、27パーセンテージポイント、28パーセンテージポイント、29パーセンテージポイント、30パーセンテージポイント、31パーセンテージポイント、32パーセンテージポイント、33パーセンテージポイント、34パーセンテージポイント、35パーセンテージポイント、36パーセンテージポイント、37パーセンテージポイント、38パーセンテージポイント、39パーセンテージポイント、40パーセンテージポイント、41パーセンテージポイント、42パーセンテージポイント、43パーセンテージポイント、44パーセンテージポイント、45パーセンテージポイント、46パーセンテージポイント、47パーセンテージポイント、48パーセンテージポイント、49パーセンテージポイント、50パーセンテージポイント、51パーセンテージポイント、52パーセンテージポイント、53パーセンテージポイント、54パーセンテージポイント、55パーセンテージポイント、56パーセンテージポイント、57パーセンテージポイント、58パーセンテージポイント、59パーセンテージポイント、60パーセンテージポイント、61パーセンテージポイント、62パーセンテージポイント、63パーセンテージポイント、64パーセンテージポイント、65パーセンテージポイント、66パーセンテージポイント、67パーセンテージポイント、68パーセンテージポイント、69パーセンテージポイント、70パーセンテージポイント、71パーセンテージポイント、72パーセンテージポイント、73パーセンテージポイント、74パーセンテージポイント、75パーセンテージポイント、76パーセンテージポイント、77パーセンテージポイント、78パーセンテージポイント、79パーセンテージポイント、80パーセンテージポイント、81パーセンテージポイント、82パーセンテージポイント、83パーセンテージポイント、84パーセンテージポイント、85パーセンテージポイント、86パーセンテージポイント、87パーセンテージポイント、88パーセンテージポイント、89パーセンテージポイント、90パーセンテージポイント、またはそれ以上であり得る。増加は、表2C及び2Dに記載の量との比較に基づき得る。
いくつかの実施形態では、本明細書で得られる陸生動物細胞は、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物の対応する細胞タイプに存在する量と比較して、不飽和脂肪酸の濃度が増加した筋芽細胞、線維芽細胞、及び/または前脂肪細胞を含む。不飽和脂肪酸の濃度の増加は、少なくとも約1パーセンテージポイント以上、例えば、2パーセンテージポイント、3パーセンテージポイント、4パーセンテージポイント、5パーセンテージポイント、6パーセンテージポイント、7パーセンテージポイント、8パーセンテージポイント、9パーセンテージポイント、10パーセンテージポイント、11パーセンテージポイント、12パーセンテージポイント、13パーセンテージポイント、14パーセンテージポイント、15パーセンテージポイント、16パーセンテージポイント、17パーセンテージポイント、18パーセンテージポイント、19パーセンテージポイント、20パーセンテージポイント、21パーセンテージポイント、22パーセンテージポイント、23パーセンテージポイント、24パーセンテージポイント、25パーセンテージポイント、26パーセンテージポイント、27パーセンテージポイント、28パーセンテージポイント、29パーセンテージポイント、30パーセンテージポイント、31パーセンテージポイント、32パーセンテージポイント、33パーセンテージポイント、34パーセンテージポイント、35パーセンテージポイント、36パーセンテージポイント、37パーセンテージポイント、38パーセンテージポイント、39パーセンテージポイント、40パーセンテージポイント、41パーセンテージポイント、42パーセンテージポイント、43パーセンテージポイント、44パーセンテージポイント、45パーセンテージポイント、46パーセンテージポイント、47パーセンテージポイント、48パーセンテージポイント、49パーセンテージポイント、50パーセンテージポイント、51パーセンテージポイント、52パーセンテージポイント、53パーセンテージポイント、54パーセンテージポイント、55パーセンテージポイント、56パーセンテージポイント、57パーセンテージポイント、58パーセンテージポイント、59パーセンテージポイント、60パーセンテージポイント、61パーセンテージポイント、62パーセンテージポイント、63パーセンテージポイント、64パーセンテージポイント、65パーセンテージポイント、66パーセンテージポイント、67パーセンテージポイント、68パーセンテージポイント、69パーセンテージポイント、70パーセンテージポイント、71パーセンテージポイント、72パーセンテージポイント、73パーセンテージポイント、74パーセンテージポイント、75パーセンテージポイント、76パーセンテージポイント、77パーセンテージポイント、78パーセンテージポイント、79パーセンテージポイント、80パーセンテージポイント、81パーセンテージポイント、82パーセンテージポイント、83パーセンテージポイント、84パーセンテージポイント、85パーセンテージポイント、86パーセンテージポイント、87パーセンテージポイント、88パーセンテージポイント、89パーセンテージポイント、90パーセンテージポイント、またはそれ以上であり得る。増加は、表2C及び2Dに記載の量との比較に基づき得る。
いくつかの実施形態では、本明細書で得られる陸生動物細胞は、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物の対応する細胞タイプに存在する量と比較して、飽和脂肪酸の濃度が減少した筋芽細胞、線維芽細胞、及び/または前脂肪細胞を含む。飽和脂肪酸の濃度の減少は、少なくとも約1パーセンテージポイント以上、例えば、2パーセンテージポイント、3パーセンテージポイント、4パーセンテージポイント、5パーセンテージポイント、6パーセンテージポイント、7パーセンテージポイント、8パーセンテージポイント、9パーセンテージポイント、10パーセンテージポイント、11パーセンテージポイント、12パーセンテージポイント、13パーセンテージポイント、14パーセンテージポイント、15パーセンテージポイント、16パーセンテージポイント、17パーセンテージポイント、18パーセンテージポイント、19パーセンテージポイント、20パーセンテージポイント、21パーセンテージポイント、22パーセンテージポイント、23パーセンテージポイント、24パーセンテージポイント、25パーセンテージポイント、26パーセンテージポイント、27パーセンテージポイント、28パーセンテージポイント、29パーセンテージポイント、30パーセンテージポイント、31パーセンテージポイント、32パーセンテージポイント、33パーセンテージポイント、34パーセンテージポイント、35パーセンテージポイント、36パーセンテージポイント、37パーセンテージポイント、38パーセンテージポイント、39パーセンテージポイント、40パーセンテージポイント、41パーセンテージポイント、42パーセンテージポイント、43パーセンテージポイント、44パーセンテージポイント、45パーセンテージポイント、46パーセンテージポイント、47パーセンテージポイント、48パーセンテージポイント、49パーセンテージポイント、50パーセンテージポイント、51パーセンテージポイント、52パーセンテージポイント、53パーセンテージポイント、54パーセンテージポイント、55パーセンテージポイント、またはそれ以上であり得る。減少は、表2C及び2Dに記載の量との比較に基づき得る。
いくつかの実施形態では、本明細書で得られる陸生動物細胞は、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物の対応する細胞タイプに存在する量と比較して、オメガ-3多価不飽和脂肪酸の濃度が最大90パーセンテージポイント以上増加し、かつ飽和脂肪酸の濃度が最大55パーセンテージポイント以上減少した筋芽細胞、線維芽細胞、及び/または前脂肪細胞を含む。
上記の陸生動物細胞を含む食品は、同一組成の食品(陸生動物の細胞が同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に由来するものを除く)よりも、少なくとも1パーセンテージポイント高いオメガ-3 PUFA含有量、及び/または少なくとも1パーセンテージポイント低いUFA含有量を有し得る。
本明細書に記載の方法及び系では、脂質導入細胞(例えば、水生動物細胞、陸生動物細胞)は、沈殿またはタンジェンシャルフロー濾過などの細胞分離技術によって採取され得る。次いで、当業者には理解されるように、押出成形及びバイオプリンティングを含む種々の方法を使用して採取細胞を細胞培養食品にアセンブリして、キューブ、ストリップ、またはフィレを形成することができる。キューブ、ストリップ、またはフィレは、筋芽細胞、脂肪細胞、線維芽細胞、またはこれらの細胞タイプの組み合わせ、及び任意選択により好適なマトリックスから構成される。
本明細書に記載の培地、方法、及び系を使用して得られる細胞は、例えば、同一種の丸ごとの動物及び/または野生で捕獲したもしくは養殖の魚類、魚介類、牛肉、豚肉、もしくは家禽肉の切り身と実質的に類似した外見、感触、及び風味の製品を含めた、様々な細胞培養食品を作り出すために使用することができる。そのような食品を調製するための好適な方法は当該技術分野で公知であり、方法には、所望のタイプの細胞(例えば、ミオサイト、脂肪細胞、線維芽細胞)と、任意選択で植物細胞、真菌細胞、他の非動物細胞、植物タンパク質、真菌タンパク質、他の非動物性タンパク質、及び/または好適なマトリックスとを組み合わせて、例えば、魚類のフィレ、ステーキ、またはその他の牛肉の切り身、豚肉の切り身、家禽肉の切り身などに類似した製品を作り出すことが含まれる。そのような製品は均質であり得る(例えば、異なるタイプ及び種の細胞、異なる供給源に由来するタンパク質、及び/または製品全体にわたり均一に分布したマトリックス材料を有する)、または不均質であり得る(例えば、製品の一部分(複数可)に優先的に配置される異なるタイプの細胞、例えば層状構造を有する)。
一般に、細胞培養食品は、本開示に従って培養された細胞を含有する水生または陸生動物食品である。
実施形態では、細胞培養食品は、本開示に従って培養された細胞を含有する魚類食品である。例えば、細胞培養食品は、水生動物細胞、好ましくは魚類細胞を含有し得る。例えば、細胞培養食品は、魚類細胞と任意選択で好適なマトリックスとから本質的になるか、またはそれらからなることができ、魚類細胞は、例えば本開示に従って細胞を培養することにより1種以上の所望の脂質が導入された、筋芽細胞、ミオサイト、線維芽細胞、前脂肪細胞、脂肪細胞、ケラチノサイト、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。したがって、食品は、同一種の野生捕獲魚類と比較して、より少量の飽和脂肪(総脂肪1gあたりの飽和脂肪のg)を有し得る。食品は、同一種の野生捕獲魚類と比較して、より多量の不飽和脂肪(例えば、総脂肪1gあたりのPUFA及び/またはMUFAのg)を有し得る。実施形態では、食品は、同一種の野生捕獲魚類と比較して、より多量のオメガ-3脂肪酸(総脂肪1gあたりのオメガ-3のg)、例えばDHA、EPA、ALA、及びそれらの組み合わせを有し得、更に、同一種の野生捕獲魚類と比較して、より多量のネルボン酸を含み得る。任意選択で、そのような実施形態の食品はまた、同一種の野生捕獲魚類と比較して、より多量のパルミトレイン酸、バクセン酸、オレイン酸、リノール酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステリック酸(steric acid)、及びそれらの任意の組み合わせを有する。実施形態では、食品は、単一の動物種に由来するかまたはそれらから得られる水生動物細胞と、任意選択で好適なマトリックスとから本質的になるかまたはそれらからなる。好ましい食品は、コイ、ブリ属魚、マヒマヒ、クロマグロ、キハダマグロ、アカフエダイ、タラ、マジェランアイナメなどを含む、本明細書に開示される水生種に由来する細胞から本質的になるかまたはそれらからなる。
特に、細胞培養魚類食品は、従来の方法で調達された魚類よりも高いレベルの総脂質を含有している。得られた魚類製品は、従来の方法で調達された魚類よりも高いレベルのオメガ-3系脂肪酸などの多価不飽和脂肪酸を含有している。
より具体的な例では、細胞培養魚類食品は、同一種の野生捕獲魚類と比較して、より少ないC16:00及び/またはC18:00脂肪酸を(総脂肪に対するパーセンテージとしてまたは製品の重量に基づいて)含有している。任意選択で、または加えて、細胞培養魚類食品は、同一種の野生捕獲魚類と比較して、より多くのC18:01脂肪酸及び/またはオメガ-3脂肪酸、例えばALA、EPA、及び/またはDHAを(総脂肪に対するパーセンテージとしてまたは製品の重量に基づいて)含有している。本明細書に記載の実施形態には、本明細書に記載の方法を実施するための系も含まれる。特に、いくつかの実施形態では、系は、1種以上のMUFAを、基礎培養培地、及び/または水生細胞バイオマス内に含まれる可能性がある本開示の意味における水生動物の1種以上の細胞タイプと組み合わせて含み得る。いくつかの実施形態では、系は、1種以上のMUFAを、水生細胞バイオマス内に含まれる可能性がある本開示の意味における水生動物の1種以上の細胞タイプと組み合わせて含む、本開示の培養培地を含み得る。
いくつかの実施形態では、系は、1種以上のPUFA、SFA、及び/またはステロールを、基礎培養培地、及び/または水生細胞バイオマス内に含まれる可能性がある本開示の意味における水生動物の1種以上の細胞タイプと組み合わせて含み得る。いくつかの実施形態では、系は、1種以上のPUFA、SFA、及び/またはステロールを、水生細胞バイオマス内に含まれる可能性がある本開示の意味における水生動物の1種以上の細胞タイプと組み合わせて含む、本開示の培養培地を含み得る。
いくつかの実施形態では、系は、1種以上のPUFA、SFA、及び/またはステロールを、ネルボン酸と組み合わせて、かつ更に基礎培養培地、及び/または水生動物の1種以上の細胞タイプと組み合わせて含み得る。
いくつかの実施形態では、系は、1種以上のPUFAを、ネルボン酸と組み合わせて、かつ更に基礎培養培地、及び/または水生細胞バイオマス内に含まれる可能性がある本開示の意味における水生動物の1種以上の細胞タイプと組み合わせて含み得る。いくつかの実施形態では、系は、1種以上のPUFAを、ネルボン酸、及び/または水生細胞バイオマス内に含まれる可能性がある本開示の意味における水生動物の1種以上の細胞タイプと組み合わせて含む、本開示の培養培地を含み得る。いくつかの実施形態では、系は、1種以上のPUFA及びネルボン酸を、水生細胞バイオマス内に含まれる可能性がある本開示の意味における水生動物の1種以上の細胞タイプと組み合わせて含む、本開示の培養培地を含み得る。
いくつかの実施形態では、系は、オメガ-3を、ネルボン酸と組み合わせて、かつ更に基礎培養培地、及び/または水生細胞バイオマス内に含まれる可能性がある本開示の意味における水生動物の1種以上の細胞タイプと組み合わせて含み得る。いくつかの実施形態では、系は、オメガ-3を、ネルボン酸、及び/または水生細胞バイオマス内に含まれる可能性がある本開示の意味における水生動物の1種以上の細胞タイプと組み合わせて含む、本開示の培養培地を含み得る。いくつかの実施形態では、系は、オメガ-3及びネルボン酸を、水生細胞バイオマス内に含まれる可能性がある本開示の意味における水生動物の1種以上の細胞タイプと組み合わせて含む、本開示の培養培地を含み得る。
いくつかの実施形態では、系は、1種以上の脂質を、基礎培養培地、及び/または水生細胞バイオマス内に含まれる可能性がある本開示の意味における水生動物の1種以上の細胞タイプと組み合わせて含み得る。脂質が1種以上のPUFA、SFA、及び/またはステロールを含むかまたはそれらからなる実施形態では、系はネルボン酸を更に含む。いくつかの実施形態では、系は、本明細書に記載の1種以上の脂質を、水生細胞バイオマス内に含まれる可能性がある本開示の意味における水生動物の1種以上の細胞タイプと組み合わせて含む、本開示の培養培地を含み得る。脂質が1種以上のPUFA、SFA、及び/またはステロールを含むかまたはそれらからなる実施形態では、培養培地及び/または系は、ネルボン酸を更に含む。
前述の考察では、細胞培養食品用の細胞を培養するための培地、方法、及び系に焦点を当ててきたが、培地、方法、及び系は、任意の目的で細胞を培養するために使用することができる。例えば、本明細書に記載の培地、方法、及び系は、体外受精及び真核細胞の細胞培養を必要とする製薬用途(例えば、抗体ならびに治療用ペプチド及びタンパク質の生成、CAR-T細胞の生成、ならびに幹細胞培養、IPSC、ならびに初代幹細胞)を含むがこれらに限定されない、多種多様なライフサイエンス用途に適している。細胞は、とりわけ、ヒト、チャイニーズハムスター、アフリカミドリザル、イヌ、イラクサキンウワバ(Trichoplusia ni)、またはツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)などの種に由来し得る。
特定のライフサイエンス用途に対する培地、方法、及び系の適合性は、従来の培地、方法、及び系における関連する細胞タイプの性能を、本明細書に記載され特許請求される培地、方法、及び系におけるそれらの性能と比較することによって評価される。例示的な細胞タイプ及び用途を以下の表3に示す。
Figure 2024514177000011
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される系は、キットオブパーツの形態で提供され得る。キットオブパーツでは、培養培地、ネルボン酸、及び/またはバクセン酸は、互いとの、また脂質及び/または細胞との種々の組み合わせで提供され得る。キットオブパーツでは、構成要素を独立してキットに含めることができ、場合によっては好適なビヒクル担体または助剤とともに組成物に含めることができる。
追加の構成要素も含めることができ、参照標準物質及び当業者が本開示を読めば特定可能な更なる構成要素が含まれる。
いくつかの実施形態では、キットは、魚類の筋芽細胞及び/または線維芽細胞ならびにネルボン酸を含み得る。キットオブパーツは、オメガ-3多価不飽和脂肪酸などの本明細書に記載される1種以上の他の脂肪酸を更に含む。
いくつかの実施形態では、キットは、魚類の前脂肪細胞及び本明細書に記載される1種以上の脂肪酸を含む。いくつかの実施形態では、キットは、1種以上の陸生動物に由来する前脂肪細胞、及び本明細書に記載される1種以上の脂肪酸を含む。当業者には理解されるように、キットオブパーツは、本明細書に記載される、前脂肪細胞に1種以上の脂肪酸を導入するために必要な基礎培地、培養培地、分化培地、及び/または脂質導入培地を更に含む。
本明細書に記載される実施形態では、キットの構成要素は、本明細書に開示される方法を実施するのに好適な説明書及び他の必要な試薬とともに提供され得る。キットには通常、別個の容器に入った組成物が含まれる。説明書、例えば、書面もしくは音声による説明、紙でのもしくは電子的サポート(例えば、テープ、CD-ROM、フラッシュドライブ)、またはアッセイを実行するための説明書のPDF、HTML、もしくは他の電子コピーを含むユニフォームリソースロケータ(URL)の表示によるものは、通常、キットに含まれている。キットはまた、使用される特定の方法に応じて、他のパッケージ化された試薬及び材料(例えば、洗浄緩衝液など)を含有し得る。
本明細書に記載の組成物、方法、及び系に関する更なる詳細は、これより、実験セクションを参照しながら、単なる例証としての以下の実施例の詳細な開示から、より明らかになるであろう。
本明細書に記載される細胞培養食品、及び関連する細胞、組成物、方法、及び系は、以下の実施例で更に説明されるが、これらは例証として提供され、限定することを意図するものではない。
材料及び方法
細胞株及び培養条件
表4に示すように、細胞株は商業ベンダーから入手したか、または出願人が開発した。培養条件は表5に示すとおりである。
Figure 2024514177000012
Figure 2024514177000013
Figure 2024514177000014
Figure 2024514177000015
試薬
脂肪酸ストック溶液
粉末脂肪酸または濃縮脂肪酸溶液のいずれかを使用して、50mg/mlの脂肪酸ストック溶液を調製した。粉末脂肪酸を200プルーフエタノール(100%変性ではない)に50mg/mLの濃度で溶解させた。濃縮脂肪酸溶液を200プルーフエタノールを使用して最終濃度50mg/mLまで希釈した。
BSAコンジュゲート脂肪酸ストック溶液
BSAコンジュゲート脂肪酸の10mg/mlストック溶液の1mLアリコートを以下のように調製した。
- 800μlの7.5%BSAを1.5mlチューブに添加し、温度に達するまで37℃の水浴に入れる。
- 50mg/mlのFAストックを37℃の水浴に入れ、加温する。
- 一度に25μlのFAストックを、FAが溶解するまでBSAチューブに添加し、次いで最大200μlを添加するまで繰り返す。
- 全てのFAをBSAチューブに添加し、溶液を完全に溶解させた後、37℃の水浴中で1時間インキュベートする。
- 0.2μmフィルタで濾過し、シリンジで1.5mLチューブに入れる
- -20℃で保管する(48時間以内に使用しない場合に推奨)
細胞培地
ATCC及びSigmaから入手した細胞株(EACC、ECACC)用培地を、添付のプロダクトシートの指示のとおりに調製した。CO2非依存性培地ベースを表6に示すように調製した。自社の培地配合物は自社の方法に従って調製した。
Figure 2024514177000016
BCAタンパク質アッセイ
Pierce BCAタンパク質アッセイキットを、ThermoScientific(San Diego,California、カタログ番号23225及び23227、文書パート番号2161296、発行番号MAN0011430v.B.0)から入手し、キットに付属のプロトコルに従ってアッセイを実施した。
リピドミクス分析
リピドミクス分析用の細胞及び脂肪酸の収集
6ウェルプレートで増殖させた細胞から培地を手作業で除去した。1mlのPBSを各ウェルに添加して穏やかに洗浄し、次いで手作業で除去した。次いで、プレートを斜めに保持したまま、0.5mlの10%メタノールを各ウェルに添加した。ウェルを左から右、または右から左へと移動しながら、試料を左上部から開始してこすり取り、底部までこすり取った。残存細胞をウェル底部へとこすり取り、次いで収集した。
次いで、ラベルを付した琥珀色ガラスの2mlバイアルに試料をピペットで移した。次いで、追加の0.5mlの10%メタノールを各ウェルに添加し、残存試料を収集して、同じバイアル中に収集した。
試料をピペッティングして細胞を完全に溶解させ、上で参照したPierce BCAタンパク質アッセイに従ってBCA分析用に画分を取り出し、次いで急速冷凍させ、リピドミクス分析まで-80℃で保存した。
リピドミクス分析プロトコル
脂質導入細胞及び対照細胞の脂肪酸含有量を、Quehenberger et al.and Lofgren et al.(Quehenberger O,Armando AM,Dennis EA.High sensitivity quantitative lipidomics analysis of fatty acids in biological samples by gas chromatography-mass spectrometry.Biochim Biophys Acta.2011 Nov;1811(11):648-56.doi:10.1016/j.bbalip.2011.07.006.Epub 2011 Jul 20.PMID:21787881;PMCID:PMC3205314)(Lofgren,L.,Forsberg,GB.& Stahlman,M.The BUME method:a new rapid and simple chloroform-free method for total lipid extraction of animal tissue.Sci Rep 6,27688(2016).https://doi.org/10.1038/srep27688)に記載されている方法を使用して決定した。
簡潔に述べると、細胞を1mLの10%メタノール中でホモジナイズし、200μLのホモジネートを改変BUMEで抽出した。抽出物を乾燥させ、1:1のMeOH:KOH溶液を使用して37℃で1時間鹸化した。脂肪酸を酸性化メタノールとイソオクタンとの二相溶液で抽出し、PFBBを使用して誘導体化し、Agilent 7683オートサンプラーを備えたAgilent 6890NガスクロマトグラフでGC-MSにより分析した。脂肪酸を15m ZB-1カラム(Phenomenex)を使用して分離し、SIM同定を使用してモニタリングした。MassHunterソフトウェアを使用して分析を実施した。
実施例1:魚類の脂肪由来細胞への複合脂肪酸混合物の導入
本実施例では、飽和及び不飽和脂肪酸で構成される複合脂肪酸混合物(オメガ-3系を含む)の脂肪組織由来細胞(前脂肪細胞)への導入を、ハクレン(Hypophthalmichthys molitrix)及びクロマグロ(Thunnus orientalis)について実証した。
コイ細胞由来
ハクレン(合計4~6ポンド)を前脂肪細胞の単離用に調達した。酵素及び機械的解離により、細胞をハクレンの内臓脂肪組織から採取した。典型的には、24gの組織を処理し、1ウェルあたり1gの組織から細胞を播種した。細胞を増殖培地で培養し、脂質導入を継代数16まで試験した。
クロマグロ細胞由来
タイヘイヨウクロマグロ(12~100ポンド)は地域限定で捕獲された野生のものであり、視覚的に及びゲノムシーケンシングにより同定した。前脂肪細胞を皮下脂肪から採取した。典型的には、6~24gの組織を酵素及び機械的解離を介して処理し、1ウェルあたり0.5~1gの組織として播種した。
前脂肪細胞の分化/脂質導入
文献[参照:Todorcevic et al 2010]に見られる魚類脂肪細胞の分化プロトコルを、当初、ハクレン前脂肪細胞の脂質貯蔵能を有する脂肪細胞への分化を試験するために使用した。組織培養ポリスチレン上に細胞を1cmあたり5~7000細胞で2日間播種し、次いで「脂肪生成培地」(分化培地)で2日間処理し、その後0.2%Sigma Lipid Mix(2日ごとに補充)を含む試験培地で14日間脂質を導入した。文献に見られる分化培地は次のように構成されていた:デキサメタゾン、ビオチン、T3、パントテナート、IBMX、インスリン、及び脂質混合物が補充された基礎培地。
次いで、以下のプロトコルを使用して、細胞をオイルレッドO及びヘキストで染色した。細胞を1×PBSで洗浄し、室温で10分間、4%PFA中で固定した。細胞をPBSで2回洗浄し、60%イソプロパノールとともに20秒間インキュベートした。次いで、細胞をオイルレッドOとともに10分間インキュベートした。オイルレッドOを除去したら、細胞を60%イソプロパノールで洗浄して過剰なオイルレッドOを除去し、次いで新たな60%イソプロパノールとともに30秒間インキュベートした。次いで、細胞を蒸留水で20秒間洗浄し、ヘキストで15分間染色した。最後に蒸留水で洗浄して、細胞をイメージングした。
組織培養ポリスチレン上に、コイ前脂肪細胞を1cmあたり5000細胞の密度で播種した。細胞を、脂肪酸混合物を含まない対照培地または脂肪酸混合物(Sigma Lipid Mix、1%)を含む異なる血清レベル(4、2、0%)の試験培地の存在下で培養した。細胞形態を、特徴的な円形化及び脂質導入について明視野顕微鏡で6日間にわたり観察した。
本実施例で使用する脂肪酸混合物は、Millipore Sigmaから購入した市販品、カタログ番号L5146であり、エタノール中の4.5g/Lのコレステロール、10g/Lのタラ肝油脂肪酸(メチルエステル)、25g/Lのモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、及び2g/Lの酢酸D-α-トコフェロールで構成されている。本実施例で使用する血清はウシ胎児血液から生成され、細胞培養で使用するために処理されている。当業者には理解されるように、血清はロットごとに変動し得る未定義の混合物である。
組織培養ポリスチレン上に、クロマグロ前脂肪細胞を1cmあたり10,000細胞の密度で播種した。細胞を、脂肪酸混合物を含まない対照培地または脂肪酸混合物(Sigma Lipid Mix、1%)を含む異なる血清レベル(4、2、または0%)の試験培地の存在下で培養した。細胞形態を、特徴的な円形化及び脂質導入について明視野顕微鏡で6日間にわたり観察した。
細胞の免疫蛍光染色を、細胞核についてはヘキストによって、細胞骨格についてはファロイジンによって、脂肪滴についてはBODIPYによって実施した。
培地を吸引し、細胞を1×PBSで洗浄した。PBSを吸引し、次いで細胞を室温で10分間、4%PFAで固定した。PFAを除去し、次いで1×PBSで穏やかに洗浄した。次いで、細胞を0.1% Triton(登録商標)-X-100で5分間透過処理し、次いで5%ニワトリ血清を含む0.1% TBS/T中で1時間ブロッキングした。次いで、FBSを含まない基礎培地中で、細胞をファロイジン、BODIPY、及びヘキストとともに1時間インキュベートした。細胞をPBS中でイメージングした。ファロイジンを使用しない場合は、固定後、細胞をBODIPY及びヘキストとともに1時間インキュベートした後、染色した。
結果
淡水産コイまたは海産クロマグロに由来する前脂肪細胞を単離し、in vitroで拡大させた。増殖細胞は細長状の細胞形態を示し、経時的に細胞数が増加した。コイを用いた最初の試験では、インスリンまたはcAMP刺激を組み込んだ前脂肪細胞の脂質導入に以前に使用された方法が効果的ではないことが実証された。既存の方法では、この分化プロトコルの14日間にわたる脂質導入が限られていたことが示された。少数の細胞はいくらかの脂質を貯蔵していたが(オイルレッドO染色により同定)、本実施例に従うプロセスで示されるように全ての細胞が形態学的に円状となり大型の脂肪滴を貯蔵することはなかった。
ここでは、複合脂肪酸混合物の存在下における血清低減培地または無血清培地により、コイ前脂肪細胞による脂肪酸の取り込み及び貯蔵が可能となった(図1)。細胞単層が連続して存在することにより、生存率が維持されていることが示された。成熟脂肪細胞の特徴として、細胞サイズの増大及び脂肪滴の存在に伴い、細胞形態は細長状から円状へと変化した。7日間にわたり形態学的変化を示さなかった対照培養と比較して、脂肪酸の存在下でのコイ前脂肪細胞は、2日間で形態学的変化を実現し、これが7日間の培養期間の全体にわたり維持された。このことは、脂肪酸の蓄積が細胞密度及び培養時間よりもむしろ脂肪酸の添加により直接的に関係していることを示唆している。コイ前脂肪細胞の形態学的変化が脂肪滴蓄積によって引き起こされたことを確認するために、免疫蛍光法を実施した(図2A~2B)。脂肪酸混合物の存在下で培養したコイ前脂肪細胞は、脂肪滴及び細胞骨格タンパク質F-アクチンの両方に陽性であったのに対し、対照条件で培養した細胞は細胞骨格タンパク質F-アクチンを発現したが、脂質蓄積については陰性であった。
クロマグロ由来の前脂肪細胞は、コイ由来の前脂肪細胞と同様に、脂肪酸混合物の存在下で脂質を蓄積した(図3A~3B)。関連する形態学的変化には、細胞の円形化及び脂肪滴の蓄積が含まれた。コイ及びマグロは両方とも、明らかに淡水環境または海水環境に由来するが、水産業において食品として商業的に使用されている。重要なことは、どちらの種に由来する細胞も、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸との混合物(オメガ-3系を含む)を含有する複合脂肪酸混合物から脂質を蓄積したことである。コイ及びマグロは分類学的に近縁ではないが、どちらも硬骨魚類の上綱である硬骨魚綱にあり、このことにより前脂肪細胞の挙動に共通性がもたらされる可能性がある。
実施例2:魚類の脂肪由来細胞への単一脂肪酸の導入
本実施例では、魚類の脂肪組織由来細胞について、化学構造が様々である個々の脂肪酸の導入を実証した。飽和脂肪酸と比べてオメガ-3などの特定の脂肪酸を蓄積することにより、細胞中の栄養組成及び最終的な3D魚介類製品の調整が可能になる。
個々の脂肪酸を取り込む能力について、実施例1に記載の淡水産コイ由来の前脂肪細胞を評価した。組織培養ポリスチレン上に、細胞を1cmあたり5~7000細胞の密度で播種した。細胞を、脂肪酸を含まない対照培地または血清の非存在下にて個々の脂肪酸を25、50、75、もしくは100μg/mlで含む試験培地の存在下で培養した。試験した個々の脂肪酸には、飽和脂肪酸(パルミトレイン酸)及び不飽和脂肪酸(リノール酸)を含めた。細胞形態を、特徴的な円形化及び脂質導入について明視野顕微鏡で6日間にわたり観察した。実施例1と同様に、細胞の免疫蛍光染色を、細胞核についてはDAPIによって、細胞骨格についてはファロイジンによって、脂肪滴についてはBODIPYによって実施した。
結果
コイの前脂肪細胞は、使用した脂肪酸の濃度及びタイプに応じて、様々な程度の形態学的変化及び脂質蓄積を示した。脂肪酸の複合混合物を用いた実施例1と同様に、十分な濃度の単一脂肪酸は、円状形態を誘導し、これは6日間にわたり維持された(図4)。使用した最低濃度25μg/mlでは毒性は観察されなかったが、最大100μg/mlのより高い濃度ではパルミトレイン酸は細胞集密度の低減を示し、潜在的に毒性であることが示された。
脂質蓄積に相関する形態学的変化の確認を、脂肪滴のBODIPY染色により観察した(図5A~5B)。脂肪滴は、試験した最低濃度である25μg/mlの条件で観察され、毒性が観察されない場合、より高い濃度では頻度が増加する傾向があった。注目すべきことに、栄養上重要なオメガ-3多価不飽和脂肪酸であるDHAとEPAは両方とも、コイ前脂肪細胞へと容易に導入することができた。魚類初代前脂肪細胞の培養に関する文献に記載されているものと比較したところ、分化プロセスには、個々の脂肪酸または脂肪酸の組み合わせではなく、典型的にはSigma脂質混合物が使用されている。一価不飽和脂肪酸であるパルミトレイン酸は、細胞数が低減したにもかかわらず、50μg/mlで効果的な導入を示した。パルミトレイン酸を含めた一価不飽和酸を相当量含有するコイの脂肪酸の天然に存在する比率を考慮すると、様々な脂肪酸の導入効率は驚異的である(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4325063/及びhttps://www.agriculturejournals.cz/publicFiles/84796.pdf)。これらのデータは、in vitro増殖細胞のin vivo増殖細胞と比べた脂質蓄積のプロセス依存性及び配合依存性の作用を示唆している。
実施例3:魚類の結合組織由来細胞への複合脂肪酸混合物の導入
本実施例では、飽和及び不飽和脂肪酸で構成される複合脂肪酸混合物(オメガ-3系を含む)の結合組織細胞(線維芽細胞)への導入を、ブリ属魚(Seriola lalandi)について実証した。
酵素的及び機械的解離により、ブリ属魚の線維芽細胞を筋組織から単離した。細胞は、筋芽細胞で行われたように、筋に融合または分化することはなかった。細胞を10%FBSの存在下で2D組織培養中で数継代にわたり拡大させ、増殖速度が安定した細胞培養物を生産した。安定化細胞培養物を脂質導入実験に使用した。
組織培養ポリスチレン上に、線維芽細胞を1cm2あたり5000細胞の密度で播種した。細胞を、脂肪酸混合物を含まない対照培地または4%血清の存在下にて脂肪酸混合物(Sigma Lipid Mix、1%)を含む試験培地の存在下で培養した。細胞形態を、特徴的な円形化及び脂質導入について明視野顕微鏡で7日間にわたり観察した。
細胞の免疫蛍光染色を、実施例1に記載したように、細胞核についてはヘキストによって、細胞骨格についてはファロイジンによって、脂肪滴についてはBODIPYによって実施した。
結果
対照線維芽細胞培養物は、7日間の培養期間の全体にわたり細長状細胞を有する典型的な形態を示した(図6)。7日目のコンフルエントな単層では、細胞がより密に密集するため、細胞サイズの減少が示される。対照的に、脂肪酸混合物で処理した線維芽細胞は、2日目という早期から培養期間全体にわたり、脂肪滴の出現を伴う円状形態を示す。脂質の免疫蛍光染色により、脂肪酸混合物による処理後の線維芽細胞における脂質の蓄積を確認した(図7A~7B)。本実施例とは対照的に、以前の脂質導入試験では、線維芽細胞を脂肪酸の貯蔵機構として評価していなかった。一方、本実施例で例示される本開示の実施形態によるアプローチは、脂質を細胞に導入する独自の方法、及び脂肪組織由来細胞なしで細胞培養魚介類製品に脂肪酸を組み込む方法を示す。
実施例4:魚類の筋由来細胞への複合脂肪酸混合物の導入
本実施例では、飽和及び不飽和脂肪酸で構成される複合脂肪酸混合物(オメガ-3系を含む)の筋前駆細胞(筋芽細胞)への導入を、ブリ属魚(Seriola lalandi)、マヒマヒ(Coryphaena hippurus)、及びタイヘイヨウクロマグロ(Thunnus orientalis)について実証した。
酵素的及び機械的/または手作業による解離により、ブリ属魚、マヒマヒ、またはクロマグロの筋芽細胞を筋組織から単離した。細胞を10%FBSの存在下で2D組織培養中で数継代にわたり拡大させ、増殖速度が安定した細胞培養物を生産した。細胞の筋形成能を、分化試験及び低血清条件に切り替えた際の細長状多核細胞の形成により確認した。筋機能を確認した安定化細胞培養物を脂質導入実験に使用した。
組織培養ポリスチレン上に、筋芽細胞を1cm2あたり5000~10,000細胞の密度で播種した。細胞を、脂肪酸混合物を含まない対照培地または4%血清の存在下にて脂肪酸混合物(Sigma Lipid Mix、1%)を含む試験培地の存在下で培養した。細胞形態を、特徴的な円形化及び脂質導入について明視野顕微鏡で最大7日間観察した。培地を新たな脂質と隔日で交換した。
細胞の免疫蛍光染色を、実施例1に記載したように、細胞核についてはヘキストによって、脂肪滴についてはBODIPYによって6日目または7日目に実施した。
結果
複合脂肪酸混合物の導入を、ブリ属魚、マヒマヒ、及びクロマグロという3つの異なる魚種の筋芽細胞に対して実施した。脂質導入を評価する前に、分化実験により筋形成能を確認した。試験した他の細胞タイプと同様に、培地への脂質添加後の1日目に形態学的変化が観察可能であり、数日間維持され得た(図8A、8B、9A、9B、10A、及び10B)。培養期間にわたり、細胞は円形化及び拡張を続け、脂肪滴で満たされた。大型脂肪滴は、明視野顕微鏡を使用して6日目までに観察可能であり、BODIPYで染色することにより脂肪滴として確認可能であった。興味深いことに、マヒマヒ及びクロマグロの筋芽細胞の両方で筋管へのある程度の自発的分化が観察され、その後、多核性または細長状のミオサイト様形態を有する細胞へ導入された。
これらの試験により、筋細胞表現型への分化の有無にかかわらず、幅広い種の筋由来細胞の脂質導入に対する能力が確認される。多核細胞に導入する能力は、脂肪酸の導入が筋分化の種々の段階で起こり、細胞培養魚介類製品の成熟筋線維に組み込まれる可能性があることを示唆している。試験した3種は全て異なる綱にあり、最も近い関係は条鰭類が含まれる条鰭亜綱の目内であり、このことは、筋由来魚類細胞の脂質導入に対する広範な適用可能性を示している。
実施例5:魚類の筋由来細胞への単一脂肪酸の導入
本実施例では、魚類の筋由来細胞について、化学構造が様々である個々の脂肪酸の導入を実証した。飽和脂肪酸と比べてオメガ-3などの特定の脂肪酸を蓄積することにより、細胞中の栄養組成及び最終的な3D魚介類製品の調整が可能になる。
個々の脂肪酸を取り込む能力について、実施例4に記載のブリ属魚由来の筋芽細胞を評価した。組織培養ポリスチレン上に、細胞を1cmあたり6000細胞の密度で播種した。細胞を、脂肪酸を含まない対照培地、または4%血清の存在下にてBSAにコンジュゲートした個々の脂肪酸を25、50、75、もしくは100μg/mlで含む試験培地の存在下で培養した。試験した個々の脂肪酸には、炭素鎖長及び炭素鎖に沿った二重結合の位置が異なる、表7に示す飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、及び不飽和脂肪酸を含めた。細胞形態を、特徴的な円形化及び脂質導入について明視野顕微鏡で6日間にわたり観察した。実施例1と同様に、細胞の免疫蛍光染色を、細胞核についてはDAPIによって、細胞骨格についてはファロイジンによって、脂肪滴についてはBODIPYによって実施した。
Figure 2024514177000017
結果
脂肪酸の蓄積量及びその後の細胞の栄養組成を、脂肪酸の化学的性質、濃度、及び時間により制御した。ブリ属魚の栄養組成に関する文献検索を実施し、飽和、不飽和、及び一価不飽和脂肪酸の各々で上位4つをまとめ、本実施例用に選択した。主要なタイプの脂肪酸をそれぞれ、ブリ属魚筋芽細胞に導入して最大6日間維持することが可能であり、これをBODIPY免疫蛍光染色により確認した(図11A、11B、12A、12B、13A、及び13B)。血清の存在下で追加の脂質なしで培養した陰性対照培養物は、脂質蓄積を示さなかった(図34)。
飽和脂肪酸であるラウリン酸は、試験した全ての濃度で顕著な蓄積を示したが、一方で、残りのSFA、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びステアリン酸は、蓄積が限られており、最高濃度の100μg/mlにおいてでさえ小範囲での取り込みに過ぎなかった。試験したMUFAの大部分は濃度依存性の脂質蓄積を示し、試験した最低濃度においてでさえ顕著な脂質蓄積を示した。MUFA導入の例外はネルボン酸であり、試験した濃度のいずれにおいても脂質蓄積は示されなかった。PUFAもまた、特にリノレン酸に関して、濃度により引き起こされる脂質蓄積を示した。注目すべきことに、関連する栄養性脂肪酸であるDHAは、全ての濃度で導入が限られていることと、25μg/ml超での細胞形態の変化及び細胞数の減少から明らかとなる毒性とを示した。
これらのデータは、試験した炭素18個の脂肪酸であるステアリン酸、バクセン酸、オレイン酸、リノール酸、及びリノレン酸の各々がそれぞれ異なる濃度依存性の導入結果を有していたため、炭素長が脂肪酸導入の重要な介在要素ではないことを示唆している。炭素長12~22の脂肪酸は、様々な化学物質にわたって首尾よく導入された。
cis-バクセン酸は、大半の魚類の主要成分ではないにもかかわらず、魚類細胞に極めて容易に取り込まれた。この脂肪酸は細菌脂質の一般的な脂肪酸であり、通常、大半の植物及び動物の組織に存在する。通常存在し得る脂肪酸を超える相当量の脂肪酸を取り込む魚類細胞の能力は、脂質導入を介して細胞及び/または細胞培養魚介類製品の栄養プロファイルを変化させるための標的脂肪酸導入の使用を支持するものである。
実施例6:魚類の筋由来細胞への化学的に定義された脂肪酸混合物の導入
本実施例では、魚類の筋由来細胞について、様々な化学構造及び濃度の脂肪酸の混合物を用いて、化学的に定義された脂肪酸混合物の導入を実証した。
飽和脂肪酸と比べてオメガ-3などの特定の脂肪酸を蓄積することにより、細胞中の栄養組成及び最終的な3D魚介類製品の調整が可能になる。脂質蓄積の寄与物質として同定されていない脂肪酸は、個別に使用した場合、個々の脂肪酸の脂肪酸蓄積を超えた脂肪酸蓄積を可能にする、脂質蓄積を増進するまたは細胞健全性を改善する相乗能力を示した。
定義された化学組成から脂肪酸を取り込む能力について、実施例4に記載のブリ属魚由来の筋芽細胞を評価した。組織培養ポリスチレン上に、細胞を1cmあたり6000細胞の密度で播種した。細胞を、脂肪酸を含まない対照培地、または4%血清の存在下にてBSAにコンジュゲートした脂肪酸を含む試験培地の存在下で2日間または6日間培養した。各個々の脂肪酸について、0、10、25、または50μg/mlの濃度で使用した。タグチL-27計画法を用いた実験計画法を使用して、脂肪酸の組み合わせを決定した(表8)。試験した脂肪酸には、炭素鎖長及び炭素鎖に沿った二重結合の位置が異なる、表7、実施例5に示す一価不飽和脂肪酸及び多価不飽和脂肪酸を含めた。SFA、特にパルミチン酸及びステアリン酸を含有する既存の魚類細胞とは対照的に、実験計画にはSFAを含めなかった。
2日目または6日目に細胞を固定し、染色してイメージングした。細胞をNucBlue、BODIPY、及びMitotrackerで1.5時間処理し、ライブイメージングを実施した。次いで、細胞を4%PFA中で15分間固定し、次いでPBS中に5%ヤギ血清、1%BSA、及び0.2%フィッシュゼラチンを含有するブロッキング緩衝液中にて4℃で一晩ブロッキングした。ブロッキング緩衝液(ファロイジン 1:800)中で、細胞をファロイジンとともに室温で1時間インキュベートした。イメージング前に、プレートをPBSで2回洗浄した。JMP統計ソフトウェアを使用して、細胞数、脂肪酸蓄積、及び細胞健全性に対する各脂肪酸の作用を定量化した。
Figure 2024514177000018
結果
前述の実施例4及び5と同様、脂肪酸を添加しない対照条件では脂肪酸蓄積は検出されなかった(図35)。BODIPY染色によって示されるように、試験した全ての脂肪酸はある程度の脂質蓄積をもたらし、条件16、22、及び25で最高レベルに達した(図36、表9)。脂肪酸蓄積が最も高い組み合わせのそれぞれに共通する要因は、50μg/mlのネルボン酸の存在であった。実施例5に示すように、ネルボン酸自体は個別に使用した場合には導入されないことを示す以前の結果に基づけば、ネルボン酸の存在下での脂肪酸の高い蓄積は驚くべきことであった。重要なことは、脂質蓄積が高い混合物のそれぞれに、少なくとも1種の不飽和オメガ-3脂肪酸が存在していたことである。実施例4に示すように、各個々の脂肪酸の脂質蓄積は25μg/mlで最小であったが、同じ脂肪酸を低濃度で組み合わせて使用した場合、総脂肪滴蓄積については導入が顕著であることが観察された。注目すべきことに、組み合わせ22及び25は、試験したあらゆる個々の濃度で観察された導入が非常に低い脂肪酸のレベルを使用しているが、他方でこの組み合わせは比較的高い脂質蓄積をもたらした。更に、総脂質導入が最も高い組み合わせはまた、より多い細胞数を示し、他の条件と比較して細胞生存率が維持されていることが示された(図37)。脂質蓄積の統計分析により、ネルボン酸が脂質蓄積及び細胞数の増加における重要な因子であることが同定された。表9に示すように、脂肪酸蓄積が高い全ての組み合わせには、50μg/mlのネルボン酸が含まれていた。個別に使用した場合にDHAの低い脂質蓄積及びある程度の毒性を示した実施例5で試験した個々の脂肪酸と比較して、ネルボン酸と組み合わせて使用した場合、多くの細胞数及び高い脂質蓄積が示される。
魚類中の飽和脂肪酸含有量は、総脂質含有量のおよそ40%であり得る。西洋食ではSFA摂取量も極めて多いため、本発明の製品中のSFA含有量の量を制限することにより、消費者にとってより高品質の栄養価がもたらされることになる。
高い脂質導入を促進した組み合わせの関連する成分の1つは、ネルボン酸の存在であった。ネルボン酸は、筋ならびに中枢及び末梢神経系の成分である脂肪酸であるセレブロシドにおいて重要である。ネルボン酸は、脳スフィンゴ脂質に見られる主要な脂肪酸のうちの1つでもある。ネルボン酸は母乳中に見られ、妊娠中及び授乳中の女性に推奨されている。また、ネルボン酸は神経保護効果も有し得、一般にエネルギーサプリメント中に見られる。細胞への脂質導入の増進におけるネルボン酸の使用は、発明者の知る限りではまだ知られていない。ネルボン酸の使用により、通常であれば毒性である脂肪酸の脂質導入が可能になり得るのみならず、魚介類製品に更なる栄養品質を付与することができる。
Figure 2024514177000019
実施例7:脂肪酸混合物及び単一脂肪酸の哺乳動物細胞への導入
本実施例では、飽和及び不飽和脂肪酸で構成される複合脂肪酸混合物(オメガ-3系を含む)、ならびにオメガ-3系などの多価不飽和脂肪酸を含む単一脂肪酸の筋前駆細胞(筋芽細胞)及び線維芽細胞への導入を、哺乳動物細胞について実証した。
ウシ、ブタ、ヤギ、子ヒツジ、またはシカの筋芽細胞または線維芽細胞を、酵素的及び機械的/または手作業による解離により筋組織から単離する。細胞を2D組織培養または3D細胞浮遊培養で拡大させる。
細胞を、脂肪酸を含まない対照培地、または個々の脂肪酸を1、5、10、15、25、50、75、もしくは100μg/mlで含む、血清を低減させていないもしくは低減させた試験培地の存在下で培養する。脂肪酸はBSAにコンジュゲートしているか、またはコンジュゲートしていない。個々の脂肪酸には、炭素鎖長及び炭素鎖に沿った二重結合の位置が異なる、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、及び多価不飽和脂肪酸を含める。
脂肪酸を添加しない対照条件では脂肪滴蓄積は検出されない。試験した全ての脂肪酸は、ある程度の脂質蓄積をもたらすが、この各個々の脂肪酸の脂質蓄積はごくわずかである。しかしながら、低濃度の同じ脂肪酸を種々の組み合わせで使用した場合、総脂質蓄積については脂質導入が顕著であることが観察される。
ネルボン酸は、唯一の脂肪酸として増殖培地に添加した場合、細胞増殖を増加させる。他の脂肪酸と組み合わせると、ネルボン酸は脂質取り込み及び脂質蓄積の増加を引き起こす。オメガ-3多価不飽和脂肪酸、DHA、及びEPAは、単独で試験した場合は十分に取り込まれない。この混合物にネルボン酸を添加した場合、細胞は、増殖を加速させて、これらの多価不飽和脂肪酸をより高いレベルで取り込みかつ貯蔵することができる。
実施例8:脂肪酸混合物及び単一脂肪酸の鳥類種由来細胞への導入
本実施例では、飽和及び不飽和脂肪酸で構成される複合脂肪酸混合物(オメガ-3系を含む)、ならびにオメガ-3系などの多価不飽和脂肪酸を含む単一脂肪酸の筋前駆細胞(筋芽細胞)及び線維芽細胞への導入を、哺乳動物細胞について実証した。
ニワトリ、アヒル、ガチョウ、またはシチメンチョウの筋芽細胞または線維芽細胞を、酵素的及び機械的/または手作業による解離により筋組織から単離する。細胞を2D組織培養または細胞浮遊培養で拡大させる。
細胞を、脂肪酸を含まない対照培地、または個々の脂肪酸を1、5、10、15、25、50、75、もしくは100μg/mlで含む、血清を低減させていないもしくは低減させた試験培地の存在下で培養する。脂肪酸はBSAにコンジュゲートしているか、またはコンジュゲートしていない。個々の脂肪酸には、炭素鎖長及び炭素鎖に沿った二重結合の位置が異なる、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、及び多価不飽和脂肪酸を含める。
脂肪酸を添加しない対照条件では脂質蓄積は検出されない。試験した全ての脂肪酸は、ある程度の脂質蓄積をもたらすが、この各個々の脂肪酸の脂質蓄積はごくわずかである。しかしながら、低濃度の同じ脂肪酸を種々の組み合わせで使用した場合、総脂質蓄積については脂質導入が顕著であることが観察される。
ネルボン酸は、唯一の脂肪酸として増殖培地に添加した場合、細胞増殖を増加させる。他の脂肪酸と組み合わせると、ネルボン酸は脂質取り込み及び脂質蓄積の増加を引き起こす。オメガ-3多価不飽和脂肪酸、DHA、及びEPAは、単独で試験した場合は十分に取り込まれない。この混合物にネルボン酸を添加した場合、細胞は、増殖を加速させて、これらの多価不飽和脂肪酸をより高いレベルで取り込みかつ貯蔵することができる。
実施例9:脂質による魚類製品の強化
魚類筋芽細胞、前脂肪細胞、または線維芽細胞を、2D組織培養または細胞浮遊培養で増殖させる。増殖培地に、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、及び多価不飽和脂肪酸で構成される複合脂肪酸混合物(オメガ-3系を含む)、またはオメガ-3系などの多価不飽和脂肪酸を含む単一脂肪酸を補充する。脂質導入細胞を、沈殿またはタンジェンシャルフロー濾過などの細胞分離技術によって採取する。押出成形及びバイオプリンティングを含む種々の方法を使用して採取細胞をアセンブリし、キューブ、ストリップ、またはフィレを形成する。キューブ、ストリップ、またはフィレは、筋芽細胞もしくは脂肪細胞もしくは線維芽細胞、またはこれらの細胞タイプの組み合わせから構成される。得られた魚類食品は、従来の方法で調達された魚類よりも高いレベルの総脂質を含有している。得られた魚類製品は、従来の方法で調達された魚類よりも高いレベルのオメガ-3脂肪酸などの多価不飽和脂肪酸を含有している。
別の実施形態では、魚類筋芽細胞、前脂肪細胞、または線維芽細胞を、2D組織培養または細胞浮遊培養で増殖させ、次いで遠心分離により採取する。次いで、飽和脂肪酸、一価不飽和脂肪酸、及び多価不飽和脂肪酸で構成される複合脂肪酸混合物(オメガ-3系を含む)、またはオメガ-3系などの多価不飽和脂肪酸を含む単一脂肪酸を補充した分化培地と細胞を混合する。
実施例10:複数の種の脂肪、筋、及び結合組織由来細胞への複合FA混合物の用量依存性導入
本実施例では、飽和及び不飽和脂肪酸で構成される複合脂肪酸混合物(オメガ-3系を含む)の複数の陸生種及び水生種(以下の表10)の筋、脂肪、及び結合組織由来細胞への導入を実証した。
ハクレン及びクロマグロ由来の前脂肪細胞を、上記の実施例1に記載したように調製した。クロマグロ線維芽細胞をクロマグロ筋芽細胞と同様に調製した。ブリ属魚線維芽細胞を上記の実施例3に記載したように調製した。マヒマヒ筋芽細胞を上記の実施例4に記載したように調製した。残りの細胞はATCCまたは商業的供給源から入手し、供給業者から提供された情報に従って培養した(上記の表4~5)。
細胞培養及び脂質導入
細胞をポリスチレン6ウェルプレート上に播種した。筋芽細胞を1cmあたり5000~10,000細胞の密度で播種した。前脂肪細胞を1cmあたり5~7000細胞の密度で播種した。
次いで、細胞を、脂肪酸混合物を含まない対照培地の存在下で、または対照(10%FBS)培地もしくは血清低減(4%FBS)培地の存在下にて脂肪酸混合物(Sigma Lipid Mix、1%)を含む試験培地の存在下で培養した。全ての細胞タイプ及び種について、培地を新たな脂質と隔日で交換した。
細胞形態及び免疫蛍光染色
細胞形態を、特徴的な円形化及び脂質導入について明視野顕微鏡で最大7日間の期間にわたり観察した。細胞の免疫蛍光染色を、実施例1に記載したように、細胞核についてはヘキストによって、脂肪滴についてはBODIPYによって6日目または7日目に実施した。
結果
各試料の免疫蛍光画像及び対応する脂質定量化データを図14A~図33B(以下の表10)に示す。脂質導入の定量化により、全ての種について対照レベル及び天然に存在するレベルと比較して導入が増加していることが示される。脂肪含有量が典型的には1%未満の線維芽細胞及び筋芽細胞では、3日間で70パーセンテージポイントを超える増加が観察される。前の実施例で示したように、持続時間がより長いと、更に細胞体積の90%まで上昇する可能性があることが示されている。驚くべきことに、本明細書に記載の方法を使用して、筋、脳、皮膚、及び胚組織由来の細胞タイプなど、通常は天然では脂肪を蓄積しない多くの細胞タイプに、前脂肪細胞と同様に効果的に脂肪を導入することができた。
Figure 2024514177000020
実施例11:脂質導入細胞のリピドミクス分析
本実施例では、陸生種と水生種の両方に由来する様々な細胞タイプについて実現可能な脂質プロファイルの範囲を実証するために、上記の収集及び脂質分析プロトコルを使用して、対照細胞及び脂質導入細胞の脂肪酸含有量を決定した。クロマグロ筋芽細胞、クロマグロ前脂肪細胞、コイ前脂肪細胞、アカフエダイ筋由来細胞、キハダマグロ心臓線維芽細胞、ブルーギル線維芽細胞、テラピア脳由来細胞、サケ腎臓細胞、マヒマヒ筋芽細胞、ニワトリ胚線維芽細胞、ブタ腎臓細胞、及びイヌ腎臓細胞を含む、7つの異なる細胞タイプにわたる水生及び陸生の両方の11種に由来する12種のユニークな細胞株を、脂質を導入し脂肪酸カスタムプロファイルを作り出す能力について評価した。細胞を培養し、上記のプロトコルを使用して脂質を導入した。脂質導入は以下の表11に示す様々な条件の濃度を使用して実施した。条件3~6は、他の種に由来する細胞について、既存の食品のプロファイルに対するプロファイルの調整を示すために選択した。条件2及び7~13は、脂質導入を使用して実現し得る総飽和脂肪酸(SFA)またはオメガ-3の範囲を示すために選択した。
Figure 2024514177000021
結果
試験した試料の脂肪酸組成を以下の表12~23に示す。データは、試験した各条件の総脂肪酸に対する相対パーセント濃度、及び対象種の天然での濃度として表している。示している脂肪酸に加えて、17:1ヘプタデセン酸を測定したがどの試料中でも検出されず、22:3は少数の試料中で少数画分として検出されたため、どちらの脂肪酸についてもデータは示していない。各々の種のデータを以下の表に次のように示す:クロマグロ筋芽細胞(表12A、B、C)、クロマグロ前脂肪細胞(表13A、B、C)、コイ前脂肪細胞(表14A、B、C)、アカフエダイ筋由来細胞(表15A、B、C)、キハダマグロ心臓線維芽細胞(表16A、B、C)、ブルーギル線維芽細胞(表17A、B、C)、テラピア脳由来細胞(表18A、B、C)、サケ腎臓細胞(表19A、B、C)、マヒマヒ筋芽細胞(表20A、B、C)、ニワトリ胚線維芽細胞(表21A、B、C)、ブタ腎臓細胞(表22A、B、C)、及びイヌ腎臓細胞(表23A、B、C)。対照及び天然に存在するものと比較した脂肪酸組成の変化を全ての種で観察した。全ての種の未導入対照細胞からのパーセンテージポイントの変化を、飽和脂肪酸(SFA)及びオメガ-3脂肪酸について、それぞれ表24A、B及び25A、Bに示す。注目すべきことに、飽和脂肪酸は55パーセンテージポイントを超えて大幅に減少し、オメガ-3脂肪酸は70パーセンテージポイントを超えて大幅に増加した。オメガ-3が典型的には0~10%未満の陸生動物の場合、健康的な脂肪の存在及びその顕著な増加は、天然では見られない独特の組成変化を生じさせる驚異的な能力を表している。
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実施例12:FA毒性に対するネルボン酸の効果
水生動物脂肪由来細胞及び筋由来細胞に対して毒性であることが既に示された脂肪酸(それぞれ実施例2、実施例5、及び実施例6)の濃度効果を、単独及びネルボン酸と組み合わせて評価した。EPA、DHA、ステアリン酸、パルミチン酸、及びネルボン酸を、0、10、25、及び50ug/mLの濃度で試験した。また、EPA、DHA、ステアリン酸、及びパルミチン酸の各濃度を、10、25、及び50ug/mlのネルボン酸と組み合わせて試験した。
標準的な継代プロトコルに従って、細胞株を4×96ウェルプレートに播種した。細胞をおよそ80%コンフルエンスまで増殖させ、次いで0/4%FBSと適切な脂質組成物とを含有する脂質導入培地に6ウェル/条件で移した。ネルボン酸の添加によるあらゆる保護効果を評価するために、細胞を24~48時間モニタリングした。
陸生細胞株の細胞をIncuCyteでワンタイムスキャン用にイメージングし、画像を収集して、IncuCyteソフトウェアを使用してコンフルエンスを定量化した。イメージング後、発光シグナルが細胞数に比例する市販のATPアッセイ(CellTiter-Glo 2.0、Promega)により細胞生存率を決定した。
水生種の細胞をIncuCyteに入れ、6時間ごとに最長48時間スキャンした。イメージングが完了したら、発光シグナルが細胞数に比例する市販のATPアッセイ(CellTiter-Glo 2.0、Promega)により細胞生存率を決定した。
結果
別の脂肪酸の導入にネルボン酸を添加すると、2つの異なる現象が観察された。第1に、毒性濃度のDHAの存在下で、ネルボン酸は生存率に有益な効果をもたらし、その結果、細胞数の指標である細胞ATPが増加した。図38~40は、様々な種について、DHAとの組み合わせにおいて、他の脂肪酸と比べてネルボン酸が細胞を毒性からレスキューすることができることを示している。改善の程度は、クロマグロ筋芽細胞、イヌ腎臓細胞、及びウサギ皮膚線維芽細胞の細胞でそれぞれ70倍、5.5倍、及び42倍の増加であった。注目すべきことに、これは細胞数の顕著な増加を示した全ての組み合わせがDHAとネルボン酸の両方を有する実施例6でも観察された。上記の実施例は、細胞数が多く更に脂質取り込み及び脂質蓄積が増加している脂肪酸が豊富な肉細胞を得るために、種々のタイプの脂肪酸を単独でまたは他のものと組み合わせて導入する実施形態を作製及び使用する方法、ならびに本開示の関連する組成物、方法、及び系の完全な開示及び説明を当業者に与えるために提供されるものであり、本発明者らが本発明者らの開示とみなすものの範囲を限定することを意図するものではない。当業者であれば、本明細書に開示されている例示される細胞、組成物、方法、及び系の特徴を、種々の実施形態及び特許請求の範囲に従って別の細胞、組成物、方法、及び系に適合させる方法を認識するであろう。
本明細書で言及する全ての特許及び刊行物は、本開示が属する技術分野の当業者の技能レベルを示す。
背景技術、発明の概要、発明を実施するための形態、及び実施例で引用される各文書(特許、特許出願、雑誌論文、抄録、実験マニュアル、書籍、または他の開示物を含む)の全開示は、参照により本明細書に組み込まれる。本開示中に引用される全ての参照文献は、あたかも各参照文献が個別にその全体が参照により組み込まれているのと同程度に、参照により組み込まれる。但し、引用文献と本開示との間に何らかの矛盾が生じた場合には、本開示が優先される。
本明細書で用いられる用語及び表現は、限定するためではなく説明するための用語として使用されており、そのような用語及び表現の使用には、示され説明される特徴またはその一部のいかなる等価物も排除する意図が存在するわけではなく、特許請求された本開示の範囲内で種々の修正が可能であると認識される。したがって、本開示は実施形態、例示的実施形態、及び任意選択の特徴によって具体的に開示されているが、本明細書に開示されている概念の修正及び変形が当業者によって行われてもよいこと、またそのような修正及び変形が、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲内にあると考えられることを理解されたい。
本明細書で使用される術語が特定の実施形態を説明することのみを目的としており、限定するようには意図されていないことも理解されたい。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、及び「the」は、別途内容が明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。「複数」という用語は、別途内容が明確に指示しない限り、2つ以上の指示対象を含む。別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
マーカッシュ群または他の群化が本明細書で使用される場合、群の全ての個々のメンバー、ならびに群の全ての組み合わせ及び可能な副次的組み合わせが個別に本開示に含まれることが意図される。別途記載されない限り、本明細書に記載または例示される構成要素または材料のあらゆる組み合わせを使用して本開示を実践することができる。当業者は、具体的に例示したもの以外の方法、系要素、及び材料を、過度の実験を行うことなく本開示の実践に用いることができることを理解するであろう。任意のそのような方法、デバイス要素、及び材料の当該技術分野で公知の全ての機能的等価物は、本開示に含まれることが意図される。本明細書で範囲が与えられている場合(例えば、温度範囲、頻度範囲、時間範囲、または組成範囲)は常に、全ての中間範囲及び全ての副次的範囲、ならびに与えられた範囲に含まれる全ての個々の値が本開示に含まれることが意図される。本明細書に開示される範囲または群の任意の1つ以上の個々のメンバーは、本開示の特許請求の範囲から除外される場合がある。本明細書に例証的に記載される本開示は、本明細書に具体的に開示されていない任意の要素(複数可)、制限(複数可)がなくても、適切に実践可能である。
本開示の多くの実施形態について説明してきた。本明細書に提供される特定の実施形態は、本開示の有用な実施形態の例であり、本開示が、本説明に記載される遺伝子回路、遺伝的分子成分、及び方法ステップの多数の変形を使用して実行可能であることは、当業者には明らかであろう。当業者には明らかであるように、本発明の方法及び系に有用な方法及び系は、多数の任意選択の構成ならびに処理要素及びステップを含み得る。
特に、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、種々の修正がなされ得ることが理解されよう。したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲内である。
参照文献
Anne Vegusdal,Hilde Sundvold,Tor Gjoen,and Bente Ruyter.An in vitro Method for Studying the Proliferation and Differentiation of Atlantic Salmon Preadipocytes.2003.Lipids,Vol.38,no 3,289-296.

Claims (384)

  1. 動物の培養細胞であって、前記培養細胞が、
    a)より少ない飽和脂肪(SFA)含有量(総脂肪1gあたりの飽和脂肪のg)、及び/または
    b)より多い不飽和脂肪(UFA)含有量(総脂肪1gあたりの多価不飽和脂肪酸(PUFA)及び/または一価不飽和脂肪(MUFA)のg)を有し、
    a)及びb)の各々が、前記培養細胞と同一種の野生捕獲動物または養殖動物と比較してのものである、前記動物の培養細胞。
  2. 前記細胞が、前記動物の筋芽細胞、ミオサイト、前脂肪細胞、脂肪細胞、線維芽細胞、ケラチノサイト、上皮細胞、内皮細胞、胚由来細胞、人工多能性幹細胞、間葉系幹細胞、及びそれらの組み合わせのうちの1種以上を含む、請求項1に記載の動物の培養細胞。
  3. 前記細胞が、1種以上の多価不飽和脂肪酸、1種以上の飽和脂肪酸、及び/または1種以上のステロールを含む脂肪細胞を、前記細胞の0.01重量%~1重量%の量で含む、請求項1または2に記載の動物の培養細胞。
  4. 前記細胞が、1種以上の多価不飽和脂肪酸、1種以上の飽和脂肪酸、1種以上の一価不飽和脂肪酸、及び/または1種以上のステロールを含む線維芽細胞を、前記細胞の少なくとも1重量%の量で含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の動物の培養細胞。
  5. 前記細胞が、1種以上の多価不飽和脂肪酸、1種以上の飽和脂肪酸、1種以上の一価不飽和脂肪酸、及び/または1種以上のステロールを含む筋芽細胞を、前記細胞の少なくとも1重量%の量で含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の動物の培養細胞。
  6. 前記動物が、水生動物である、請求項1~5のいずれか1項に記載の動物の培養細胞。
  7. 前記水生動物が、魚類及び/または甲殻動物を含む、請求項6に記載の水生動物の培養細胞。
  8. 前記水生動物が、軟骨魚類、硬骨魚類、条鰭類、総鰭類、軟体類、イガイ類、頭足類、甲殻類、及び棘皮動物のうちの1種以上を含む、請求項6~7のいずれか1項に記載の水生動物の培養細胞。
  9. 前記水生動物が、バサ、ヒラメ、メルルーサ、スカップ、スメルト、ニジマス、ホンビノスガイ、ワタリガニ、ピーキートゥクラブ(peekytoe crab)、アサヒガニ、コウイカ、イースタンオイスター、マガキ、カタクチイワシ、ニシン、キンムツ、モイ、オレンジラフィー、タイセイヨウパーチ、ビクトリア湖パーチ(Lake Victoria perch)、イエローパーチ、ヨーロッパガキ、ドーバーソール、チョウザメ、アマダイ、カマスサワラ、ブリ属魚、ウニ、タイセイヨウサバ、イワシ、ブラックシーバス、ヨーロピアンシーバス、ハイブリッドストライプバス(hybrid striped bass)、ブリーム、タラ、ドラム、ハドック、ホキ、スケトウダラ、岩礁魚、カラフトマス、フエダイ、テラピア、ターボット、ウォールアイ、レイクホワイトフィッシュ、オオカミウオ、ホンビノスガイ、バカガイ、ザルガイ、ジョナクラブ、ズワイガニ、ザリガニ、イタヤガイ、コウライエビ、ギンダラ、タイセイヨウサケ、ギンザケ、ガンギエイ、アメリカイチョウガニ、タラバガニ、ムラサキイガイ、ミドリイガイ、アカエビ、アブラソコムツ、マスノスケ、シロザケ、アメリカシャド、アルプスイワナ、コイ、ナマズ、マトウダイ、ハタ、オヒョウ、カスザメ、コバンアジ、アワビ、マキガイ、ストーンクラブ、アメリカンロブスター、イセエビ、タコ、ブラックタイガーエビ、淡水エビ、ガルフシュリンプ、バナメイエビ、イカ、バラマンディ、カスク、ツノザメ、キングクリップ、マヒマヒ、アカマンボウ、アオザメ、メカジキ、ビンナガマグロ、キハダマグロ、アメリカナミガイ、コシオリエビ、マゼランツキヒガイ、ミカヅキコモンエビ、カマス、チリアンシーバス、スギ、ニベ、ウナギ、ニシクロカジキ、ボラ、ベニザケ、クロマグロ、エビ、カニ類、ロブスター、及び棘皮動物のうちの1種以上を含む、請求項6~8のいずれか1項に記載の水生動物の培養細胞。
  10. 前記水生動物が、Thunnus orientalis、Lutjanus campechanus、Coryphaena hippurus、Seriola lalandi、Micropterus salmoides、Thunnus albacares、Lepomis macrochirus、Hypophthalmichthys molitrix、Salmo salar、Oncorhynchus mykiss、及びOreochromis massambicusのうちの1種以上を含む、請求項6~8のいずれか1項に記載の水生動物の培養細胞。
  11. 前記水生動物が、魚介類、ハマグリ類、カキ類、タコ、イカ、エビ、カニ類、ロブスター、ナマコ類、及びウニ類のうちの1種以上を含む、請求項6~8のいずれか1項に記載の水生動物の培養細胞。
  12. 前記動物が、陸生動物である、請求項1~5のいずれか1項に記載の動物の培養細胞。
  13. 前記陸生動物が、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、または昆虫である、請求項12に記載の陸生動物の培養細胞。
  14. 前記陸生動物が、ヨトウムシ、コオロギ、バッタ、カエル、ヒキガエル、イモリ、サンショウウオ、アリゲーター、クロコダイル、ヘビ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ゲームヘン、ウズラ、ウマ、サイ、バク、ウシ、ブタ、キリン、ラクダ、ヒツジ、シカ、ヤギ、ウサギ、イヌ、またはカバである、請求項12または13に記載の陸生動物の培養細胞。
  15. 前記陸生動物が、ヨトウムシ、コオロギ、及びバッタからなる群から選択される、請求項12~14のいずれか1項に記載の陸生動物の培養細胞。
  16. 前記陸生動物が、カエル、ヒキガエル、イモリ、及びサンショウウオからなる群から選択される、請求項12~14のいずれか1項に記載の陸生動物の培養細胞。
  17. 前記陸生動物が、アリゲーター、クロコダイル、及びヘビからなる群から選択される、請求項12~14のいずれか1項に記載の陸生動物の培養細胞。
  18. 前記陸生動物が、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ゲームヘン、及びウズラからなる群から選択される、請求項12~14のいずれか1項に記載の陸生動物の培養細胞。
  19. 前記陸生動物が、ウマ、サイ、バク、ウシ、ブタ、キリン、ラクダ、ヒツジ、シカ、ヤギ、ウサギ、イヌ、及びカバからなる群から選択される、請求項12~14のいずれか1項に記載の陸生動物の培養細胞。
  20. 前記細胞が、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に由来する同じタイプの細胞よりも少なくとも1パーセンテージポイント高いオメガ-3 PUFA含有量を有する、請求項12~19のいずれか1項に記載の陸生動物の培養細胞。
  21. 前記細胞が、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に由来する同じタイプの細胞よりも、少なくとも1パーセンテージポイント低いSFA含有量、及び/または少なくとも1パーセンテージポイント高いMUFA含有量を有する、請求項12~20のいずれか1項に記載の陸生動物の培養細胞。
  22. 請求項1~21のいずれか1項に記載の1種以上の培養細胞を含む、バイオマス。
  23. 請求項1~21のいずれか1項に記載の1種以上の培養細胞及び/または請求項22に記載のバイオマス、ならびに任意選択で好適なマトリックスを含む、食品。
  24. 前記培養細胞と同一種の野生捕獲動物または養殖動物と比較して、より多いネルボン酸含有量を更に含む、請求項23に記載の食品。
  25. 前記食品が、2種以上の細胞タイプの均質混合物である、請求項23または24に記載の食品。
  26. 前記食品が、陸生動物の細胞を含み、同一組成の食品(前記陸生動物の前記細胞が同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に由来するものを除く)よりも、少なくとも1パーセンテージポイント高いオメガ-3 PUFA含有量を有する、請求項23~25のいずれか1項に記載の食品。
  27. 前記食品が、陸生動物の細胞を含み、同一組成の食品(前記陸生動物の前記細胞が同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に由来するものを除く)よりも、少なくとも1パーセンテージポイント低いSFA含有量を有する、請求項23~26のいずれか1項に記載の食品。
  28. 前記食品が、水生動物の細胞を含み、同一組成の食品(前記水生動物の前記細胞が同一種の野生捕獲水生動物に由来するものを除く)よりも、少なくとも1パーセンテージポイント高いオメガ-3 PUFA含有量を有する、請求項23~25のいずれか1項に記載の食品。
  29. 前記食品が、水生動物の細胞を含み、同一組成の食品(前記水生動物の前記細胞が同一種の野生捕獲水生動物に由来するものを除く)よりも、少なくとも1パーセンテージポイント低いSFA含有量を有する、請求項23~25及び28のいずれか1項に記載の食品。
  30. 少なくとも0.1μg/mlの1種以上の一価不飽和脂肪酸が補充された動物の細胞用の細胞基礎培地を含む、培養培地。
  31. 前記動物が、水生動物である、請求項30に記載の培養培地。
  32. 前記動物が、陸生動物である、請求項30に記載の培養培地。
  33. 前記一価不飽和脂肪酸が、炭素12~22個を含む炭素鎖長を有する一価不飽和脂肪酸のうちの1種以上を含む、請求項30~32のいずれか1項に記載の培養培地。
  34. 前記一価不飽和脂肪酸が、ミリストレイン酸(C14:1 ω-5)、パルミトレイン酸C16:1 ω-7、サピエン酸C16:1 ω-10、バクセン酸(C18:1 ω-7)、大半のリン脂質に見られるC18:1 ω9c、オレイン酸(C18:1 ω-9)、ペトロセリン酸(C18:1 ω-12)、パウリン酸(C20:1 ω-7)、ゴンド酸(C20:1 ω-11)、エルカ酸(C22:1 ω-9c)、ブラシジン酸(C22:1 ω-9t)、及び/またはネルボン酸(C24:1 ω-9)を含む、請求項30~33のいずれか1項に記載の培養培地。
  35. 前記一価不飽和脂肪酸が、パルミトレイン酸、バクセン酸、オレイン酸、及び/またはネルボン酸を含む、請求項30~34のいずれか1項に記載の培養培地。
  36. 前記一価不飽和脂肪酸が、0.1μg/ml~1000μg/mlの濃度である、請求項30~35のいずれか1項に記載の培養培地。
  37. 前記一価不飽和脂肪酸が、1~100μg/mlまたは50~100μg/mlの濃度である、請求項30~36のいずれか1項に記載の培養培地。
  38. 前記一価不飽和脂肪酸が、50~75μg/mlの濃度である、請求項30~37のいずれか1項に記載の培養培地。
  39. 前記一価不飽和脂肪酸が、75~100μg/mlの濃度である、請求項30~38のいずれか1項に記載の培養培地。
  40. 前記一価不飽和脂肪酸が、1~100μg/mlもしくは50~100μg/mlの濃度のパルミトレイン酸、1~100μg/mlもしくは50~75μg/mlの濃度のバクセン酸、1~100μg/mlもしくは75~100μg/mlの濃度のオレイン酸、及び/または1~100μg/mlもしくは50~75μg/mlの濃度のMUFA(例えばネルボン酸)を含む、請求項30~39のいずれか1項に記載の培養培地。
  41. 前記培養培地が、最大4%の血清を更に含む、請求項30~40のいずれか1項に記載の培養培地。
  42. 前記培養培地が、デキサメタゾン、ビオチン、T3、パントテナート、IBMX、及び/またはインスリンなどのあらゆる追加の成分を含まない、請求項30~41のいずれか1項に記載の培養培地。
  43. 細胞を培養するための方法であって、少なくとも0.1μg/mlの1種以上の一価不飽和脂肪酸を含む培養培地中で、動物の前記細胞を、前記動物の前記細胞による前記一価不飽和脂肪酸の取り込みを可能にする期間及び条件下で培養することを含む、前記方法。
  44. 前記動物が、水生動物である、請求項43に記載の方法。
  45. 前記動物が、陸生動物である、請求項43に記載の方法。
  46. 前記一価不飽和脂肪酸が、炭素12~22個を含む炭素鎖長を有する一価不飽和脂肪酸のうちの1種以上を含む、請求項43~45のいずれか1項に記載の方法。
  47. 前記一価不飽和脂肪酸が、ミリストレイン酸(C14:1 ω-5)、パルミトレイン酸C16:1 ω-7、サピエン酸C16:1 ω-10、バクセン酸(C18:1 ω-7)、大半のリン脂質に見られるC18:1 ω9c、オレイン酸(C18:1 ω-9)、ペトロセリン酸(C18:1 ω-12)、パウリン酸(C20:1 ω-7)、ゴンド酸(C20:1 ω-11)、エルカ酸(C22:1 ω-9c)、ブラシジン酸(C22:1 ω-9t)、及び/またはネルボン酸(C24:1 ω-9)を含む、請求項43~46のいずれか1項に記載の方法。
  48. 前記一価不飽和脂肪酸が、パルミトレイン酸、バクセン酸、オレイン酸、及び/またはネルボン酸を含む、請求項43~47のいずれか1項に記載の方法。
  49. 前記一価不飽和脂肪酸が、0.1μg/ml~1000μg/mlまたは10μg/ml~1000μg/mlの濃度である、請求項43~48のいずれか1項に記載の方法。
  50. 前記一価不飽和脂肪酸が、1~100μg/mlまたは50~100μg/mlの濃度である、請求項43~49のいずれか1項に記載の方法。
  51. 前記一価不飽和脂肪酸が、50~75μg/mlの濃度である、請求項43~50のいずれか1項に記載の方法。
  52. 前記一価不飽和脂肪酸が、75~100μg/mlの濃度である、請求項43~50のいずれか1項に記載の方法。
  53. 前記一価不飽和脂肪酸が、1~100μg/mlもしくは50~100μg/mlの濃度のパルミトレイン酸、1~100μg/mlもしくは50~75μg/mlの濃度のバクセン酸、1~100μg/mlもしくは75~100μg/mlの濃度のオレイン酸、及び/または1~100μg/mlもしくは50~75μg/mlの濃度のMUFA(例えばネルボン酸)を含む、請求項43~52のいずれか1項に記載の方法。
  54. 前記培養培地が、請求項1~13のいずれか1項に記載の培養培地である、請求項43~53のいずれか1項に記載の方法。
  55. 動物の細胞であって、前記細胞が、請求項43~54のいずれか1項に記載の方法によって得ることができる及び/または得られた、前記動物の細胞。
  56. 前記細胞が、前記水生動物または前記陸生動物の筋芽細胞、ミオサイト、前脂肪細胞、脂肪細胞、線維芽細胞、ケラチノサイト、上皮細胞、内皮細胞、胚由来細胞、人工多能性幹細胞、及び間葉系幹細胞のうちの1種以上を含む、請求項55に記載の細胞。
  57. 前記細胞が、一価不飽和脂肪酸を含む脂肪細胞を前記細胞の0.1重量%~1重量%の量で含む、請求項55~56のいずれか1項に記載の細胞。
  58. 前記細胞が、一価不飽和脂肪酸を含む線維芽細胞を前記細胞の少なくとも1重量%の量で含む、請求項55~57のいずれか1項に記載の細胞。
  59. 前記細胞が、一価不飽和脂肪酸を含む筋芽細胞を前記細胞の少なくとも1重量%の量で含む、請求項55~58のいずれか1項に記載の細胞。
  60. 前記動物が、水生動物である、請求項55~59のいずれか1項に記載の細胞。
  61. 前記水生動物が、魚類及び/または甲殻動物である、請求項60に記載の細胞。
  62. 前記水生動物が、軟骨魚類、硬骨魚類、条鰭類、総鰭類、軟体類、イガイ類、頭足類、甲殻類、及び棘皮動物のうちの1種以上を含む、請求項60~61のいずれか1項に記載の細胞。
  63. 前記水生動物が、バサ、ヒラメ、メルルーサ、スカップ、スメルト、ニジマス、ホンビノスガイ、ワタリガニ、ピーキートゥクラブ、アサヒガニ、コウイカ、イースタンオイスター、マガキ、カタクチイワシ、ニシン、キンムツ、モイ、オレンジラフィー、タイセイヨウパーチ、ビクトリア湖パーチ、イエローパーチ、ヨーロッパガキ、ドーバーソール、チョウザメ、アマダイ、カマスサワラ、ブリ属魚、ウニ、タイセイヨウサバ、イワシ、ブラックシーバス、ヨーロピアンシーバス、ハイブリッドストライプバス、ブリーム、タラ、ドラム、ハドック、ホキ、スケトウダラ、岩礁魚、カラフトマス、フエダイ、テラピア、ターボット、ウォールアイ、レイクホワイトフィッシュ、オオカミウオ、ホンビノスガイ、バカガイ、ザルガイ、ジョナクラブ、ズワイガニ、ザリガニ、イタヤガイ、コウライエビ、ギンダラ、タイセイヨウサケ、ギンザケ、ガンギエイ、アメリカイチョウガニ、タラバガニ、ムラサキイガイ、ミドリイガイ、アカエビ、アブラソコムツ、マスノスケ、シロザケ、アメリカシャド、アルプスイワナ、コイ、ナマズ、マトウダイ、ハタ、オヒョウ、カスザメ、コバンアジ、アワビ、マキガイ、ストーンクラブ、アメリカンロブスター、イセエビ、タコ、ブラックタイガーエビ、淡水エビ、ガルフシュリンプ、バナメイエビ、イカ、バラマンディ、カスク、ツノザメ、キングクリップ、マヒマヒ、アカマンボウ、アオザメ、メカジキ、ビンナガマグロ、キハダマグロ、アメリカナミガイ、コシオリエビ、マゼランツキヒガイ、ミカヅキコモンエビ、カマス、チリアンシーバス、スギ、ニベ、ウナギ、ニシクロカジキ、ボラ、ベニザケ、クロマグロ、エビ、カニ類、ロブスター、及び棘皮動物のうちの1種以上を含む、請求項60~62のいずれか1項に記載の細胞。
  64. 前記水生動物が、Thunnus orientalis、Lutjanus campechanus、Coryphaena hippurus、Seriola lalandi、Micropterus salmoides、Thunnus albacares、Lepomis macrochirus、Hypophthalmichthys molitrix、Salmo salar、Oncorhynchus mykiss、及びOreochromis massambicusのうちの1種以上を含む、請求項60~63のいずれか1項に記載の細胞。
  65. 前記水生動物が、魚介類、ハマグリ類、カキ類、タコ、イカ、エビ、カニ類、ロブスター、ナマコ類、及びウニ類のうちの1種以上を含む、請求項60~64のいずれか1項に記載の細胞。
  66. 前記動物が、陸生動物である、請求項55~59のいずれか1項に記載の細胞。
  67. 前記陸生動物が、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、または昆虫である、請求項66に記載の細胞。
  68. 前記陸生動物が、ヨトウムシ、コオロギ、バッタ、カエル、ヒキガエル、イモリ、サンショウウオ、アリゲーター、クロコダイル、ヘビ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ゲームヘン、ウズラ、ウマ、サイ、バク、ウシ、ブタ、キリン、ラクダ、ヒツジ、シカ、ヤギ、ウサギ、イヌ、またはカバである、請求項66または67に記載の細胞。
  69. 前記陸生動物が、ヨトウムシ、コオロギ、及びバッタからなる群から選択される、請求項66~68のいずれか1項に記載の細胞。
  70. 前記陸生動物が、カエル、ヒキガエル、イモリ、及びサンショウウオからなる群から選択される、請求項66~68のいずれか1項に記載の細胞。
  71. 前記陸生動物が、アリゲーター、クロコダイル、及びヘビからなる群から選択される、請求項66~68のいずれか1項に記載の細胞。
  72. 前記陸生動物が、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ゲームヘン、及びウズラからなる群から選択される、請求項66~68のいずれか1項に記載の細胞。
  73. 前記陸生動物が、ウマ、サイ、バク、ウシ、ブタ、キリン、ラクダ、ヒツジ、シカ、ヤギ、ウサギ、イヌ、及びカバからなる群から選択される、請求項66~68のいずれか1項に記載の細胞。
  74. 請求項55~73のいずれか1項に記載の細胞を含む、バイオマス。
  75. 請求項55~73のいずれか1項に記載の細胞のうちの1種以上及び/または請求項74に記載のバイオマスを含む、食品。
  76. 前記細胞が、少なくとも0.2重量%の一価不飽和脂肪酸含有量を有する、請求項76に記載の食品。
  77. 前記細胞が、0.2重量%~90重量%の一価不飽和脂肪酸含有量を有する、請求項76または77に記載の食品。
  78. 前記細胞が、魚類細胞、特に白身魚類細胞を含み、前記細胞が0.2重量%~90重量%の一価不飽和脂肪酸含有量を含む、請求項76~78のいずれか1項に記載の食品。
  79. 前記細胞が、魚類細胞、特に白身魚類細胞を含み、前記細胞が1重量%~90重量%の一価不飽和脂肪酸含有量を含む、請求項76~79のいずれか1項に記載の食品。
  80. 前記食品が、10%から及び20%の一価不飽和脂肪酸含有量を有する、請求項76~80のいずれか1項に記載の食品。
  81. 前記食品が、脂肪細胞を含まない、請求項76~81のいずれか1項に記載の食品。
  82. 前記食品が、細胞培養魚類製品である、請求項76~82のいずれか1項に記載の食品。
  83. 動物の細胞を培養するための系であって、
    1種以上の一価不飽和脂肪酸を、
    請求項43~54のいずれか1項に記載の細胞中の1種以上の一価不飽和脂肪酸の含有量を増加させるための方法において、同時に、組み合わせて、または逐次的に使用するために、動物の細胞用の培養培地及び/または動物の細胞と組み合わせて含む、前記系。
  84. 前記一価不飽和脂肪酸が、炭素12~22個を含む炭素鎖長を有する一価不飽和脂肪酸のうちの1種以上を含む、請求項84に記載の系。
  85. 前記一価不飽和脂肪酸が、ミリストレイン酸(C14:1 ω-5)、パルミトレイン酸C16:1 ω-7、サピエン酸C16:1 ω-10、バクセン酸(C18:1 ω-7)、大半のリン脂質に見られるC18:1 ω9c、オレイン酸(C18:1 ω-9)、ペトロセリン酸(C18:1 ω-12)、パウリン酸(C20:1 ω-7)、ゴンド酸(C20:1 ω-11)、エルカ酸(C22:1 ω-9c)、ブラシジン酸(C22:1 ω-9t)、及び/またはネルボン酸(C24:1 ω-9)を含む、請求項84または85に記載の系。
  86. 前記一価不飽和脂肪酸が、パルミトレイン酸、バクセン酸、オレイン酸、及び/またはネルボン酸を含む、請求項84~86のいずれか1項に記載の系。
  87. 前記一価不飽和脂肪酸が、0.1μg/ml~1000μg/mlの量である、請求項84~87のいずれか1項に記載の系。
  88. 前記一価不飽和脂肪酸が、1~100μg/mlまたは50~100μg/mlの量である、請求項84~88のいずれか1項に記載の系。
  89. 前記一価不飽和脂肪酸が、50~75μg/mlの量である、請求項84~89のいずれか1項に記載の系。
  90. 前記一価不飽和脂肪酸が、75~100μg/mlの量である、請求項84~89のいずれか1項に記載の系。
  91. 前記一価不飽和脂肪酸が、1~100μg/mlもしくは50~100μg/mlの量のパルミトレイン酸、1~100μg/mlもしくは50~75μg/mlの量のバクセン酸、1~100μg/mlもしくは75~100μg/mlの量のオレイン酸、及び/または50~75μg/mlの量のネルボン酸を含む、請求項84~91のいずれか1項に記載の系。
  92. 前記培養培地が、請求項30~42のいずれか1項に記載の培養培地である、請求項84~92のいずれか1項に記載の系。
  93. 動物の前記細胞が、前記動物の筋芽細胞、ミオサイト、前脂肪細胞、脂肪細胞、線維芽細胞、ケラチノサイト、上皮細胞、内皮細胞、胚由来細胞、人工多能性幹細胞、及び間葉系幹細胞のうちの1種以上を含む、請求項84~93のいずれか1項に記載の系。
  94. 前記動物が、水生動物である、請求項84~94のいずれか1項に記載の系。
  95. 前記水生動物が、魚類及び/または甲殻動物を含む、請求項95に記載の系。
  96. 前記水生動物が、軟骨魚類、硬骨魚類、条鰭類、総鰭類、軟体類、イガイ類、頭足類、甲殻類、及び棘皮動物のうちの1種以上を含む、請求項95~96のいずれか1項に記載の系。
  97. 前記水生動物が、バサ、ヒラメ、メルルーサ、スカップ、スメルト、ニジマス、ホンビノスガイ、ワタリガニ、ピーキートゥクラブ、アサヒガニ、コウイカ、イースタンオイスター、マガキ、カタクチイワシ、ニシン、キンムツ、モイ、オレンジラフィー、タイセイヨウパーチ、ビクトリア湖パーチ、イエローパーチ、ヨーロッパガキ、ドーバーソール、チョウザメ、アマダイ、カマスサワラ、ブリ属魚、ウニ、タイセイヨウサバ、イワシ、ブラックシーバス、ヨーロピアンシーバス、ハイブリッドストライプバス、ブリーム、タラ、ドラム、ハドック、ホキ、スケトウダラ、岩礁魚、カラフトマス、フエダイ、テラピア、ターボット、ウォールアイ、レイクホワイトフィッシュ、オオカミウオ、ホンビノスガイ、バカガイ、ザルガイ、ジョナクラブ、ズワイガニ、ザリガニ、イタヤガイ、コウライエビ、ギンダラ、タイセイヨウサケ、ギンザケ、ガンギエイ、アメリカイチョウガニ、タラバガニ、ムラサキイガイ、ミドリイガイ、アカエビ、アブラソコムツ、マスノスケ、シロザケ、アメリカシャド、アルプスイワナ、コイ、ナマズ、マトウダイ、ハタ、オヒョウ、カスザメ、コバンアジ、アワビ、マキガイ、ストーンクラブ、アメリカンロブスター、イセエビ、タコ、ブラックタイガーエビ、淡水エビ、ガルフシュリンプ、バナメイエビ、イカ、バラマンディ、カスク、ツノザメ、キングクリップ、マヒマヒ、アカマンボウ、アオザメ、メカジキ、ビンナガマグロ、キハダマグロ、アメリカナミガイ、コシオリエビ、マゼランツキヒガイ、ミカヅキコモンエビ、カマス、チリアンシーバス、スギ、ニベ、ウナギ、ニシクロカジキ、ボラ、ベニザケ、クロマグロ、エビ、カニ類、ロブスター、及び棘皮動物のうちの1種以上を含む、請求項95~97のいずれか1項に記載の系。
  98. 前記水生動物が、Thunnus orientalis、Lutjanus campechanus、Coryphaena hippurus、Seriola lalandi、Micropterus salmoides、Thunnus albacares、Lepomis macrochirus、Hypophthalmichthys molitrix、Salmo salar、Oncorhynchus mykiss、及びOreochromis massambicusのうちの1種以上を含む、請求項95~97のいずれか1項に記載の系。
  99. 前記水生動物が、魚介類、ハマグリ類、カキ類、タコ、イカ、エビ、カニ類、ロブスター、ナマコ類、及びウニ類のうちの1種以上を含む、請求項95~97のいずれか1項に記載の系。
  100. 前記動物が、陸生動物である、請求項84~94のいずれか1項に記載の系。
  101. 前記陸生動物が、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、または昆虫である、請求項101に記載の系。
  102. 前記陸生動物が、ヨトウムシ、コオロギ、バッタ、カエル、ヒキガエル、イモリ、サンショウウオ、アリゲーター、クロコダイル、ヘビ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ゲームヘン、ウズラ、ウマ、サイ、バク、ウシ、ブタ、キリン、ラクダ、ヒツジ、シカ、ヤギ、ウサギ、イヌ、またはカバである、請求項101または102に記載の系。
  103. 前記陸生動物が、ヨトウムシ、コオロギ、及びバッタからなる群から選択される、請求項101~103のいずれか1項に記載の系。
  104. 前記陸生動物が、カエル、ヒキガエル、イモリ、及びサンショウウオからなる群から選択される、請求項101~103のいずれか1項に記載の系。
  105. 前記陸生動物が、アリゲーター、クロコダイル、及びヘビからなる群から選択される、請求項101~103のいずれか1項に記載の系。
  106. 前記陸生動物が、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ゲームヘン、及びウズラからなる群から選択される、請求項101~103のいずれか1項に記載の系。
  107. 前記陸生動物が、ウマ、サイ、バク、ウシ、ブタ、キリン、ラクダ、ヒツジ、シカ、ヤギ、ウサギ、イヌ、及びカバからなる群から選択される、請求項101~103のいずれか1項に記載の系。
  108. 前記細胞が、請求項55~73のいずれか1項に記載の細胞のうちの1種以上を含むバイオマス内にある、請求項84~108のいずれか1項に記載の系。
  109. 前記培養培地が、基礎培地であり、任意選択で最大4%の血清を更に含む、請求項84~109のいずれか1項に記載の系。
  110. 前記培養培地が、デキサメタゾン、ビオチン、T3、パントテナート、IBMX、及び/またはインスリンなどのあらゆる追加の成分を含まない、請求項84~110のいずれか1項に記載の系。
  111. 動物の細胞用の培養培地であって、
    前記培養培地が、少なくとも0.1μg/mlまたは少なくとも10μg/mlの1種以上の多価不飽和脂肪酸、1種以上の飽和脂肪酸、及び/または1種以上のステロールが補充された動物の細胞用の細胞基礎培地を含み、
    前記培養培地が、少なくとも1μg/mlまたは少なくとも10μg/mlの濃度でネルボン酸を更に含む、前記動物の細胞用の培養培地。
  112. 前記多価不飽和脂肪酸が、炭素12~24個を含む炭素鎖長を有する1種以上の多価不飽和脂肪酸を含む、請求項112に記載の培養培地。
  113. 前記多価不飽和脂肪酸が、ヘキサデカトリエン酸(HTA)(C16:3 ω-3)、リノール酸(C18:2 ω-6)、アルファリノレン酸(C18:3 ω-3)、ガンマリノレン酸(C18:3 ω-6)、ステアリドン酸(C18;4 ω-4)、エイコサジエン酸(C20:2 ω-6)、エイコサトリエン酸(ETE)(C20:3 ω-3)、ジホノム-ガンマ-リノレン酸(C20:3 ω-6)、ミード酸(C20:3 ω-9)、アラキドン酸(C20:4 ω-6)、エイコサペンタエン酸(EPA)(C20:5 ω-3、C20:5 ω-6)、ヘンエイコサペンタエン酸(HPA)(C21:5 ω-3)、ドコサテトラエン酸(C22:4ドコサテトラエン酸-6)、DPA(C22:5ドコサテトラエン酸-3)、ドカサヘキサエン酸(Docasahexaenoic acid)(DHA)(C22:6ドカサヘキサエン酸(DHA)-3)、テトラコサペンタエン酸(C24:5 ω-3)、及びテトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(C24:6テトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(C24:6 ω-3))のうちの少なくとも1つを含む、請求項112または113に記載の培養培地。
  114. 前記多価不飽和脂肪酸が、0.1μg/ml~1000μg/mlの濃度である、請求項112~114のいずれか1項に記載の培養培地。
  115. 前記多価不飽和脂肪酸が、1~100μg/mlまたは10~100μg/mlの濃度である、請求項112~115のいずれか1項に記載の培養培地。
  116. 前記多価不飽和脂肪酸が、50~75μg/mlの濃度である、請求項112~116のいずれか1項に記載の培養培地。
  117. 前記多価不飽和脂肪酸が、75~100μg/mlの濃度である、請求項112~116のいずれか1項に記載の培養培地。
  118. 前記多価不飽和脂肪酸が、10~25μg/mlの濃度である、請求項112~116のいずれか1項に記載の培養培地。
  119. 前記多価不飽和脂肪酸が、10~75μg/mlの濃度である、請求項112~116のいずれか1項に記載の培養培地。
  120. 前記多価不飽和脂肪酸が、リノール酸を1~100μg/mlまたは50~75μg/mlの濃度で含む、請求項112~116のいずれか1項に記載の培養培地。
  121. 前記多価不飽和脂肪酸が、アルファリノレン酸を1~100μg/mlまたは50~100μg/mlの濃度で含む、請求項112~116のいずれか1項に記載の培養培地。
  122. 前記多価不飽和脂肪酸が、エイコサペンタエン酸(EPA)を1~100μg/mlまたは10~75μg/mlの濃度で含む、請求項112~116のいずれか1項に記載の培養培地。
  123. 前記多価不飽和脂肪酸が、ドカサヘキサエン酸(DHA)を1~100μg/mlまたは10~25μg/mlの濃度で含む、請求項112~116のいずれか1項に記載の培養培地。
  124. 前記多価不飽和脂肪酸が、アルファ-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、及び/またはドコサヘキサエン酸(DHA)を含む、請求項112~124のいずれか1項に記載の培養培地。
  125. 前記飽和脂肪酸が、炭素10~24個を含む炭素鎖長を有する1種以上の飽和脂肪酸を含む、請求項112~125のいずれか1項に記載の培養培地。
  126. 前記飽和脂肪酸が、カプリン酸(C10:0)、ウンデシル酸(C11:0)、ラウリン酸(C12:0)、トリデシル酸(C13:0)、ミリスチン酸(C14:0)、ペンタデシル酸(C15:0)、パルミチン酸(C16:0)、マルガリン酸(C17:0)、ステアリン酸(C18:0)、ノナデシル酸(C19:0)、アラキジン酸(C20:0)、ヘンイコシル酸(C21:0)、ベヘン酸(C22:0)、トリコシル酸(C23:0)、及びリグノセリン酸(C24:0)のうちの1つ以上を含む、請求項112~126のいずれか1項に記載の培養培地。
  127. 前記飽和脂肪酸が、0.1μg/ml~1000μg/mlの濃度である、請求項112~127のいずれか1項に記載の培養培地。
  128. 前記飽和脂肪酸が、1~100μg/mlまたは10~100μg/mlの濃度である、請求項112~128のいずれか1項に記載の培養培地。
  129. 前記飽和脂肪酸が、50~75μg/mlの濃度である、請求項112~129のいずれか1項に記載の培養培地。
  130. 前記飽和脂肪酸が、75~100μg/mlの濃度である、請求項112~129のいずれか1項に記載の培養培地。
  131. 前記飽和脂肪酸が、10~25μg/mlの濃度である、請求項112~129のいずれか1項に記載の培養培地。
  132. 前記飽和脂肪酸が、10~75μg/mlの濃度である、請求項112~129のいずれか1項に記載の培養培地。
  133. 前記飽和脂肪酸が、25~75μg/mlの濃度である、請求項112~129または133のいずれか1項に記載の培養培地。
  134. 前記飽和脂肪酸が、25~50μg/mlの濃度である、請求項112~129または133~134のいずれか1項に記載の培養培地。
  135. 前記ステロールが、グリセロリン脂質、スフィンゴミエリン;フィトステロール、例えば、β-シトステロール、スチグマステロール、及びブラシカステロール;種々の形態のビタミンDを含むエルゴステロール及びセコステロイドのうちの少なくとも1つを含む、請求項112~135のいずれか1項に記載の培養培地。
  136. 前記ネルボン酸が、0.1~1000μg/mlまたは10~1000μg/mlの濃度である、請求項112~136のいずれか1項に記載の培養培地。
  137. 前記ネルボン酸が、1~100μg/mlまたは10~100μg/mlの濃度である、請求項112~137のいずれか1項に記載の培養培地。
  138. 前記ネルボン酸が、50~75μg/mlの濃度である、請求項112~138のいずれか1項に記載の培養培地。
  139. 前記培養培地が、最大4%の血清を更に含む、請求項112~139のいずれか1項に記載の培養培地。
  140. 前記培養培地が、デキサメタゾン、ビオチン、T3、パントテナート、IBMX、及び/またはインスリンなどのあらゆる追加の成分を含まない、請求項112~140のいずれか1項に記載の培養培地。
  141. 動物の細胞を培養するための方法であって、
    少なくとも0.1μg/mlまたは10μg/mlの1種以上の多価不飽和脂肪酸、1種以上の飽和脂肪酸、及び/または1種以上のステロールを含み、かつネルボン酸を少なくとも1μg/mlまたは10μg/mlの濃度で更に含む培養培地中の動物の前記細胞を培養することを含み、
    前記培養することが、前記動物の前記細胞による一価不飽和脂肪酸の取り込みを可能にする期間及び条件下で実施される、前記方法。
  142. 前記多価不飽和脂肪酸が、炭素12~24個を含む炭素鎖長を有する多価不飽和脂肪酸のうちの1種以上を含む、請求項142に記載の方法。
  143. 前記多価不飽和脂肪酸が、ヘキサデカトリエン酸(HTA)(C16:3 ω-3)、リノール酸(C18:2 ω-6)、アルファリノレン酸(C18:3 ω-3)、ガンマリノレン酸(C18:3 ω-6)、ステアリドン酸(C18;4 ω-4)、エイコサジエン酸(C20:2 ω-6)、エイコサトリエン酸(ETE)(C20:3 ω-3)、ジホノム-ガンマ-リノレン酸(C20:3 ω-6)、ミード酸(C20:3 ω-9)、アラキドン酸(C20:4 ω-6)、エイコサペンタエン酸(EPA)(C20:5 ω-3、C20:5 ω-6)、ヘンエイコサペンタエン酸(HPA)(C21:5 ω-3)、ドコサテトラエン酸(C22:4ドコサテトラエン酸-6)、DPA(C22:5ドコサテトラエン酸-3)、ドカサヘキサエン酸(DHA)(C22:6ドカサヘキサエン酸(DHA)-3)、テトラコサペンタエン酸(C24:5 ω-3)、及びテトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(C24:6テトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(C24:6 ω-3))を含む、請求項142または143に記載の方法。
  144. 前記多価不飽和脂肪酸が、0.1μg/ml~1000μg/mlの濃度である、請求項142~144のいずれか1項に記載の方法。
  145. 前記多価不飽和脂肪酸が、1~100μg/mlまたは10~100μg/mlの濃度である、請求項142~145のいずれか1項に記載の方法。
  146. 前記多価不飽和脂肪酸が、50~75μg/mlの濃度である、請求項142~146のいずれか1項に記載の方法。
  147. 前記多価不飽和脂肪酸が、75~100μg/mlの濃度である、請求項142~146のいずれか1項に記載の方法。
  148. 前記多価不飽和脂肪酸が、10~25μg/mlの濃度である、請求項142~146のいずれか1項に記載の方法。
  149. 前記多価不飽和脂肪酸が、10~75μg/mlの濃度である、請求項142~146のいずれか1項に記載の方法。
  150. 前記多価不飽和脂肪酸が、リノール酸を1~100μg/mlまたは50~75μg/mlの濃度で含む、請求項142~147のいずれか1項に記載の方法。
  151. 前記多価不飽和脂肪酸が、アルファリノレン酸を1~100μg/mlまたは50~100μg/mlの濃度で含む、請求項142~146のいずれか1項に記載の方法。
  152. 前記多価不飽和脂肪酸が、エイコサペンタエン酸(EPA)を1~100μg/mlまたは10~75μg/mlの濃度で含む、請求項142~146または151のいずれか1項に記載の方法。
  153. 前記多価不飽和脂肪酸が、ドカサヘキサエン酸(DHA)を1~100μg/mlまたは10~25μg/mlの濃度で含む、請求項142~146または150のいずれか1項に記載の方法。
  154. 前記多価不飽和脂肪酸が、アルファ-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含む、請求項142~154のいずれか1項に記載の方法。
  155. 前記飽和脂肪酸が、炭素10~24個を含む炭素鎖長を有する飽和脂肪酸のうちの1種以上を含む、請求項142~155のいずれか1項に記載の方法。
  156. 前記飽和脂肪酸が、カプリン酸(C10:0)、ウンデシル酸(C11:0)、ラウリン酸(C12:0)、トリデシル酸(C13:0)、ミリスチン酸(C14:0)、ペンタデシル酸(C15:0)、パルミチン酸(C16:0)、マルガリン酸(C17:0)、ステアリン酸(C18:0)、ノナデシル酸(C19:0)、アラキジン酸(C20:0)、ヘンイコシル酸(C21:0)、ベヘン酸(C22:0)、トリコシル酸(C23:0)、及びリグノセリン酸(C24:0)のうちの1つ以上を含む、請求項142~156のいずれか1項に記載の方法。
  157. 前記飽和脂肪酸が、0.1μg/ml~1000μg/mlの濃度である、請求項142~157のいずれか1項に記載の方法。
  158. 前記飽和脂肪酸が、1~100μg/mlまたは10~100μg/mlの濃度である、請求項142~158のいずれか1項に記載の方法。
  159. 前記飽和脂肪酸が、50~75μg/mlの濃度である、請求項142~159のいずれか1項に記載の方法。
  160. 前記飽和脂肪酸が、75~100μg/mlの濃度である、請求項142~159のいずれか1項に記載の方法。
  161. 前記飽和脂肪酸が、10~25μg/mlの濃度である、請求項142~159のいずれか1項に記載の方法。
  162. 前記飽和脂肪酸が、10~75μg/mlの濃度である、請求項142~159のいずれか1項に記載の方法。
  163. 前記飽和脂肪酸が、25~75μg/mlの濃度である、請求項142~159または163のいずれか1項に記載の方法。
  164. 前記飽和脂肪酸が、25~50μg/mlの濃度である、請求項142~159または163~164のいずれか1項に記載の方法。
  165. 前記ステロールが、グリセロリン脂質及びスフィンゴミエリン;フィトステロール、例えば、β-シトステロール、スチグマステロール、及びブラシカステロール;種々の形態のビタミンDを含むエルゴステロール及びセコステロイドのうちの少なくとも1つを含む、請求項142~165のいずれか1項に記載の方法。
  166. 前記ネルボン酸が、1~100μg/mlまたは10~1000μg/mlの濃度である、請求項142~166のいずれか1項に記載の方法。
  167. 前記ネルボン酸が、1~100μg/mlまたは10~100μg/mlの濃度である、請求項142~166のいずれか1項に記載の方法。
  168. 前記ネルボン酸が、50~75μg/mlの濃度である、請求項142~168のいずれか1項に記載の方法。
  169. 前記培養培地が、請求項30~42のいずれか1項に記載の培養培地である、請求項142~169のいずれか1項に記載の方法。
  170. 動物の細胞であって、前記細胞が、請求項142~170のいずれか1項に記載の方法によって得ることができる及び/または得られた、前記動物の細胞。
  171. 前記細胞が、前記動物の筋芽細胞、ミオサイト、前脂肪細胞、脂肪細胞、線維芽細胞、ケラチノサイト、上皮細胞、内皮細胞、胚由来細胞、人工多能性幹細胞、及び間葉系幹細胞のうちの1種以上を含む、請求項171に記載の動物の細胞。
  172. 前記細胞が、1種以上の多価不飽和脂肪酸、1種以上の飽和脂肪酸、及び/または1種以上のステロールを含む脂肪細胞を、前記細胞の0.1重量%~1重量%の量で含む、請求項171または172に記載の動物の細胞。
  173. 前記細胞が、1種以上の多価不飽和脂肪酸、1種以上の飽和脂肪酸、及び/または1種以上のステロールを含む線維芽細胞を、前記細胞の少なくとも1重量%の量で含む、請求項171~173のいずれか1項に記載の動物の細胞。
  174. 前記細胞が、1種以上の多価不飽和脂肪酸、1種以上の飽和脂肪酸、及び/または1種以上のステロールを含む筋芽細胞を、前記細胞の少なくとも1重量%の量で含む、請求項171~174のいずれか1項に記載の動物の細胞。
  175. 前記動物が、水生動物である、請求項171~175のいずれか1項に記載の動物の細胞。
  176. 前記水生動物が、魚類及び/または甲殻動物を含む、請求項176に記載の水生動物の細胞。
  177. 前記水生動物が、軟骨魚類、硬骨魚類、条鰭類、総鰭類、軟体類、イガイ類、頭足類、甲殻類、及び棘皮動物のうちの1種以上を含む、請求項176~177のいずれか1項に記載の水生動物の細胞。
  178. 前記水生動物が、バサ、ヒラメ、メルルーサ、スカップ、スメルト、ニジマス、ホンビノスガイ、ワタリガニ、ピーキートゥクラブ、アサヒガニ、コウイカ、イースタンオイスター、マガキ、カタクチイワシ、ニシン、キンムツ、モイ、オレンジラフィー、タイセイヨウパーチ、ビクトリア湖パーチ、イエローパーチ、ヨーロッパガキ、ドーバーソール、チョウザメ、アマダイ、カマスサワラ、ブリ属魚、ウニ、タイセイヨウサバ、イワシ、ブラックシーバス、ヨーロピアンシーバス、ハイブリッドストライプバス、ブリーム、タラ、ドラム、ハドック、ホキ、スケトウダラ、岩礁魚、カラフトマス、フエダイ、テラピア、ターボット、ウォールアイ、レイクホワイトフィッシュ、オオカミウオ、ホンビノスガイ、バカガイ、ザルガイ、ジョナクラブ、ズワイガニ、ザリガニ、イタヤガイ、コウライエビ、ギンダラ、タイセイヨウサケ、ギンザケ、ガンギエイ、アメリカイチョウガニ、タラバガニ、ムラサキイガイ、ミドリイガイ、アカエビ、アブラソコムツ、マスノスケ、シロザケ、アメリカシャド、アルプスイワナ、コイ、ナマズ、マトウダイ、ハタ、オヒョウ、カスザメ、コバンアジ、アワビ、マキガイ、ストーンクラブ、アメリカンロブスター、イセエビ、タコ、ブラックタイガーエビ、淡水エビ、ガルフシュリンプ、バナメイエビ、イカ、バラマンディ、カスク、ツノザメ、キングクリップ、マヒマヒ、アカマンボウ、アオザメ、メカジキ、ビンナガマグロ、キハダマグロ、アメリカナミガイ、コシオリエビ、マゼランツキヒガイ、ミカヅキコモンエビ、カマス、チリアンシーバス、スギ、ニベ、ウナギ、ニシクロカジキ、ボラ、ベニザケ、クロマグロ、エビ、カニ類、ロブスター、及び棘皮動物のうちの1種以上を含む、請求項176~178のいずれか1項に記載の水生動物の細胞。
  179. 前記水生動物が、Thunnus orientalis、Lutjanus campechanus、Coryphaena hippurus、Seriola lalandi、Micropterus salmoides、Thunnus albacares、Lepomis macrochirus、Hypophthalmichthys molitrix、Salmo salar、Oncorhynchus mykiss、及びOreochromis massambicusのうちの1種以上を含む、請求項176~178のいずれか1項に記載の水生動物の細胞。
  180. 前記水生動物が、魚介類、ハマグリ類、カキ類、タコ、イカ、エビ、カニ類、ロブスター、ナマコ類、及びウニ類のうちの1種以上を含む、請求項176~178のいずれか1項に記載の水生動物の細胞。
  181. 前記動物が、陸生動物である、請求項171~175のいずれか1項に記載の動物の細胞。
  182. 前記陸生動物が、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、または昆虫である、請求項182に記載の陸生動物の細胞。
  183. 前記陸生動物が、ヨトウムシ、コオロギ、バッタ、カエル、ヒキガエル、イモリ、サンショウウオ、アリゲーター、クロコダイル、ヘビ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ゲームヘン、ウズラ、ウマ、サイ、バク、ウシ、ブタ、キリン、ラクダ、ヒツジ、シカ、ヤギ、ウサギ、イヌ、またはカバである、請求項182または183に記載の陸生動物の細胞。
  184. 前記陸生動物が、ヨトウムシ、コオロギ、及びバッタからなる群から選択される、請求項182~184のいずれか1項に記載の陸生動物の細胞。
  185. 前記陸生動物が、カエル、ヒキガエル、イモリ、及びサンショウウオからなる群から選択される、請求項182~184のいずれか1項に記載の陸生動物の細胞。
  186. 前記陸生動物が、アリゲーター、クロコダイル、及びヘビからなる群から選択される、請求項182~184のいずれか1項に記載の陸生動物の細胞。
  187. 前記陸生動物が、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ゲームヘン、及びウズラからなる群から選択される、請求項182~184のいずれか1項に記載の陸生動物の細胞。
  188. 前記陸生動物が、ウマ、サイ、バク、ウシ、ブタ、キリン、ラクダ、ヒツジ、シカ、ヤギ、ウサギ、イヌ、及びカバからなる群から選択される、請求項182~184のいずれか1項に記載の陸生動物の細胞。
  189. 前記細胞が、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に由来する同じタイプの細胞よりも少なくとも1パーセンテージポイント高いオメガ-3 PUFA含有量を有する、請求項182~189のいずれか1項に記載の陸生動物の細胞。
  190. 前記細胞が、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に由来する同じタイプの細胞よりも少なくとも1パーセンテージポイント低いUFA含有量を有する、請求項182~190のいずれか1項に記載の陸生動物の細胞。
  191. 請求項171~191のいずれか1項に記載の1種以上の細胞を含む、バイオマス。
  192. 請求項171~191のいずれか1項に記載の動物の細胞のうちの1種以上及び/または請求項192に記載のバイオマスを含む、食品。
  193. 動物の前記細胞が、少なくとも0.2重量%の多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロール含有量を有する、請求項193に記載の食品。
  194. 動物の前記細胞が、0.2重量%~50重量%の多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロール含有量を有する、請求項193または194に記載の食品。
  195. 動物の前記細胞が、魚類細胞、特に白身魚類細胞を含み、前記細胞が、0.2重量%~2重量%の多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロール含有量を含む、請求項193~195のいずれか1項に記載の食品。
  196. 動物の前記細胞が、魚類細胞、特に白身魚類細胞を含み、前記細胞が、1重量%~2重量%の多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロール含有量を含む、請求項193~196のいずれか1項に記載の食品。
  197. 前記食品が、10%~20%の多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸、及び/またはステロール含有量を有する、請求項193~197のいずれか1項に記載の食品。
  198. 前記食品が、脂肪細胞を含まない、請求項193~198のいずれか1項に記載の食品。
  199. 前記食品が、細胞培養魚類製品である、請求項193~199のいずれか1項に記載の食品。
  200. 動物の細胞を培養するための系であって、
    1種以上の多価不飽和脂肪酸、1種以上の飽和脂肪酸、及び/または1種以上のステロールを、請求項107~135のいずれか1項に記載の動物の細胞中の一価不飽和脂肪酸の含有量を増加させるための方法において、同時に、組み合わせて、または逐次的に使用するために、ネルボン酸、動物の前記細胞用の培養培地、及び/または動物の細胞と組み合わせて含む、前記系。
  201. 前記多価不飽和脂肪酸が、炭素12~24個を含む炭素鎖長を有する多価不飽和脂肪酸のうちの1種以上を含む、請求項201に記載の系。
  202. 前記多価不飽和脂肪酸が、ヘキサデカトリエン酸(HTA)(C16:3 ω-3)、リノール酸(C18:2 ω-6)、アルファリノレン酸(C18:3 ω-3)、ガンマリノレン酸(C18:3 ω-6)、ステアリドン酸(C18;4 ω-4)、エイコサジエン酸(C20:2 ω-6)、エイコサトリエン酸(ETE)(C20:3 ω-3)、ジホノム-ガンマ-リノレン酸(C20:3 ω-6)、ミード酸(C20:3 ω-9)、アラキドン酸(C20:4 ω-6)、エイコサペンタエン酸(EPA)(C20:5 ω-3、C20:5 ω-6)、ヘンエイコサペンタエン酸(HPA)(C21:5 ω-3)、ドコサテトラエン酸(C22:4ドコサテトラエン酸-6)、DPA(C22:5ドコサテトラエン酸-3)、ドカサヘキサエン酸(DHA)(C22:6ドカサヘキサエン酸(DHA)-3)、テトラコサペンタエン酸(C24:5 ω-3)、及びテトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(C24:6テトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(C24:6 ω-3))を含む、請求項201または202に記載の系。
  203. 前記多価不飽和脂肪酸が、0.1μg/ml~1000μg/mlの量である、請求項201~203のいずれか1項に記載の系。
  204. 前記多価不飽和脂肪酸が、1~100μg/mlまたは10~100μg/mlの量である、請求項201~204のいずれか1項に記載の系。
  205. 前記多価不飽和脂肪酸が、50~75μg/mlの量である、請求項201~205のいずれか1項に記載の系。
  206. 前記多価不飽和脂肪酸が、75~100μg/mlの量である、請求項201~205のいずれか1項に記載の系。
  207. 前記多価不飽和脂肪酸が、10~25μg/mlの量である、請求項201~205のいずれか1項に記載の系。
  208. 前記多価不飽和脂肪酸が、10~75μg/mlの量である、請求項201~205のいずれか1項に記載の系。
  209. 前記多価不飽和脂肪酸が、リノール酸を1~100μg/mlまたは50~75μg/mlの量で含む、請求項201~206のいずれか1項に記載の系。
  210. 前記多価不飽和脂肪酸が、アルファリノレン酸を1~100μg/mlまたは50~100μg/mlの量で含む、請求項201~205のいずれか1項に記載の系。
  211. 前記多価不飽和脂肪酸が、エイコサペンタエン酸(EPA)を1~100μg/mlまたは10~75μg/mlの濃度で含む、請求項201~205または209のいずれか1項に記載の系。
  212. 前記多価不飽和脂肪酸が、ドカサヘキサエン酸(DHA)を1~100μg/mlまたは10~25μg/mlの濃度で含む、請求項201~205または209のいずれか1項に記載の系。
  213. 前記多価不飽和脂肪酸が、アルファ-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、及び/またはドコサヘキサエン酸(DHA)を含む、請求項201~213のいずれか1項に記載の系。
  214. 前記飽和脂肪酸が、炭素10~24個を含む炭素鎖長を有する1種以上の飽和脂肪酸を含む、請求項201~214のいずれか1項に記載の系。
  215. 前記飽和脂肪酸が、カプリン酸(C10:0)、ウンデシル酸(C11:0)、ラウリン酸(C12:0)、トリデシル酸(C13:0)、ミリスチン酸(C14:0)、ペンタデシル酸(C15:0)、パルミチン酸(C16:0)、マルガリン酸(C17:0)、ステアリン酸(C18:0)、ノナデシル酸(C19:0)、アラキジン酸(C20:0)、ヘンイコシル酸(C21:0)、ベヘン酸(C22:0)、トリコシル酸(C23:0)、及びリグノセリン酸(C24:0)のうちの1つ以上を含む、請求項201~215のいずれか1項に記載の系。
  216. 前記飽和脂肪酸が、0.1μg/ml~1000μg/mlの量である、請求項201~216のいずれか1項に記載の系。
  217. 前記飽和脂肪酸が、1~100μg/mlまたは10~100μg/mlの量である、請求項201~217のいずれか1項に記載の系。
  218. 前記飽和脂肪酸が、50~75μg/mlの量である、請求項201~218のいずれか1項に記載の系。
  219. 前記飽和脂肪酸が、75~100μg/mlの量である、請求項201~218のいずれか1項に記載の系。
  220. 前記飽和脂肪酸が、10~25μg/mlの量である、請求項201~218のいずれか1項に記載の系。
  221. 前記飽和脂肪酸が、10~75μg/mlの量である、請求項201~218のいずれか1項に記載の系。
  222. 前記飽和脂肪酸が、25~75μg/mlの量である、請求項201~218のいずれか1項に記載の系。
  223. 前記飽和脂肪酸が、25~50μg/mlの量である、請求項201~218または222~223のいずれか1項に記載の系。
  224. 前記ステロールが、グリセロリン脂質及びスフィンゴミエリン;フィトステロール、例えば、β-シトステロール、スチグマステロール、及びブラシカステロール;種々の形態のビタミンDを含むエルゴステロール及びセコステロイドのうちの少なくとも1つを含む、請求項201~224のいずれか1項に記載の系。
  225. 前記ネルボン酸が、1~100μg/mlまたは10~1000μg/mlの濃度である、請求項201~225のいずれか1項に記載の系。
  226. 前記ネルボン酸が、10~100μg/mlの量である、請求項201~226のいずれか1項に記載の系。
  227. 前記ネルボン酸が、50~75μg/mlの量である、請求項201~227のいずれか1項に記載の系。
  228. 前記培養培地が、請求項77~106のいずれか1項に記載の培養培地である、請求項201~228のいずれか1項に記載の系。
  229. 動物の前記細胞が、前記動物の筋芽細胞、ミオサイト、前脂肪細胞、脂肪細胞、線維芽細胞、ケラチノサイト、上皮細胞、内皮細胞、胚由来細胞、人工多能性幹細胞、及び間葉系幹細胞のうちの1種以上を含む、請求項201~229のいずれか1項に記載の系。
  230. 前記動物が、水生動物である、請求項201~230のいずれか1項に記載の系。
  231. 前記水生動物が、魚類及び/または甲殻動物を含む、請求項231に記載の系。
  232. 前記水生動物が、軟骨魚類、硬骨魚類、条鰭類、総鰭類、軟体類、イガイ類、頭足類、甲殻類、及び棘皮動物のうちの1種以上を含む、請求項231~232のいずれか1項に記載の系。
  233. 前記水生動物が、バサ、ヒラメ、メルルーサ、スカップ、スメルト、ニジマス、ホンビノスガイ、ワタリガニ、ピーキートゥクラブ、アサヒガニ、コウイカ、イースタンオイスター、マガキ、カタクチイワシ、ニシン、キンムツ、モイ、オレンジラフィー、タイセイヨウパーチ、ビクトリア湖パーチ、イエローパーチ、ヨーロッパガキ、ドーバーソール、チョウザメ、アマダイ、カマスサワラ、ブリ属魚、ウニ、タイセイヨウサバ、イワシ、ブラックシーバス、ヨーロピアンシーバス、ハイブリッドストライプバス、ブリーム、タラ、ドラム、ハドック、ホキ、スケトウダラ、岩礁魚、カラフトマス、フエダイ、テラピア、ターボット、ウォールアイ、レイクホワイトフィッシュ、オオカミウオ、ホンビノスガイ、バカガイ、ザルガイ、ジョナクラブ、ズワイガニ、ザリガニ、イタヤガイ、コウライエビ、ギンダラ、タイセイヨウサケ、ギンザケ、ガンギエイ、アメリカイチョウガニ、タラバガニ、ムラサキイガイ、ミドリイガイ、アカエビ、アブラソコムツ、マスノスケ、シロザケ、アメリカシャド、アルプスイワナ、コイ、ナマズ、マトウダイ、ハタ、オヒョウ、カスザメ、コバンアジ、アワビ、マキガイ、ストーンクラブ、アメリカンロブスター、イセエビ、タコ、ブラックタイガーエビ、淡水エビ、ガルフシュリンプ、バナメイエビ、イカ、バラマンディ、カスク、ツノザメ、キングクリップ、マヒマヒ、アカマンボウ、アオザメ、メカジキ、ビンナガマグロ、キハダマグロ、アメリカナミガイ、コシオリエビ、マゼランツキヒガイ、ミカヅキコモンエビ、カマス、チリアンシーバス、スギ、ニベ、ウナギ、ニシクロカジキ、ボラ、ベニザケ、クロマグロ、エビ、カニ類、ロブスター、及び棘皮動物のうちの1種以上を含む、請求項231~233のいずれか1項に記載の系。
  234. 前記水生動物が、Thunnus orientalis、Lutjanus campechanus、Coryphaena hippurus、Seriola lalandi、Micropterus salmoides、Thunnus albacares、Lepomis macrochirus、Hypophthalmichthys molitrix、Salmo salar、Oncorhynchus mykiss、及びOreochromis massambicusのうちの1種以上を含む、請求項231~234のいずれか1項に記載の系。
  235. 前記水生動物が、魚介類、ハマグリ類、カキ類、タコ、イカ、エビ、カニ類、ロブスター、ナマコ類、及びウニ類のうちの1種以上を含む、請求項231~234のいずれか1項に記載の系。
  236. 前記動物が、陸生動物である、請求項201~230のいずれか1項に記載の系。
  237. 前記陸生動物が、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、または昆虫である、請求項237に記載の系。
  238. 前記陸生動物が、ヨトウムシ、コオロギ、バッタ、カエル、ヒキガエル、イモリ、サンショウウオ、アリゲーター、クロコダイル、ヘビ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ゲームヘン、ウズラ、ウマ、サイ、バク、ウシ、ブタ、キリン、ラクダ、ヒツジ、シカ、ヤギ、ウサギ、イヌ、またはカバである、請求項237または238に記載の系。
  239. 前記陸生動物が、ヨトウムシ、コオロギ、及びバッタからなる群から選択される、請求項237~239のいずれか1項に記載の系。
  240. 前記陸生動物が、カエル、ヒキガエル、イモリ、及びサンショウウオからなる群から選択される、請求項237~239のいずれか1項に記載の系。
  241. 前記陸生動物が、アリゲーター、クロコダイル、及びヘビからなる群から選択される、請求項237~239のいずれか1項に記載の系。
  242. 前記陸生動物が、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ゲームヘン、及びウズラからなる群から選択される、請求項237~239のいずれか1項に記載の系。
  243. 前記陸生動物が、ウマ、サイ、バク、ウシ、ブタ、キリン、ラクダ、ヒツジ、シカ、ヤギ、ウサギ、イヌ、及びカバからなる群から選択される、請求項237~239のいずれか1項に記載の系。
  244. 前記陸生動物の前記細胞が、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に由来する同じタイプの細胞よりも少なくとも1パーセンテージポイント高いオメガ-3 PUFA含有量を有する、請求項237~244のいずれか1項に記載の系。
  245. 前記陸生動物の前記細胞が、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に由来する同じタイプの細胞よりも少なくとも1パーセンテージポイント低いUFA含有量を有する、請求項237~245のいずれか1項に記載の系。
  246. 前記細胞が、請求項171~191のいずれか1項に記載の細胞のうちの1種以上を含むバイオマス内にある、請求項201~246のいずれか1項に記載の系。
  247. 前記培養培地が、基礎培地であり、任意選択で最大4%の血清を更に含む、請求項201~247のいずれか1項に記載の系。
  248. 前記培養培地が、デキサメタゾン、ビオチン、T3、パントテナート、IBMX、及び/またはインスリンなどのあらゆる追加の成分を含まない、請求項201~248のいずれか1項に記載の系。
  249. 前記1種以上の多価不飽和脂肪酸、前記1種以上の飽和脂肪酸、及び/または前記1種以上のステロールが、1種以上の多価不飽和脂肪酸を含む、請求項112~249のいずれか1項に記載の培養培地、方法、細胞、食品、及び系。
  250. 前記1種以上の多価不飽和脂肪酸、前記1種以上の飽和脂肪酸、及び/または前記1種以上のステロールが、1種以上の多価不飽和脂肪酸からなる、請求項112~250のいずれか1項に記載の培養培地、方法、細胞、食品、及び系。
  251. 前記1種以上の多価不飽和脂肪酸、前記1種以上の飽和脂肪酸、及び/または前記1種以上のステロールが、オメガ-3脂肪酸を含む、請求項112~251のいずれか1項に記載の培養培地、方法、細胞、食品、及び系。
  252. 前記1種以上の多価不飽和脂肪酸、前記1種以上の飽和脂肪酸、及び/または前記1種以上のステロールが、オメガ-3からなる、請求項112~252のいずれか1項に記載の培養培地、方法、細胞、食品、及び系。
  253. 動物の細胞用の培養培地であって、
    少なくとも0.1μg/mlまたは10μg/mlの脂質が補充された動物の細胞用の細胞基礎培地を含み、
    前記脂質が1種以上の多価不飽和脂肪酸、1種以上の飽和脂肪酸、及び/または1種以上のステロールを含む場合、
    前記培養培地がネルボン酸を少なくとも0.1μg/mlまたは10μg/mlの濃度で更に含む、前記培養培地。
  254. 前記脂質が、1~1000μg/mlまたは10μg/ml~1000μg/mlの濃度である、請求項254に記載の培養培地。
  255. 前記脂質が、1~100μg/mlまたは10~100μg/mlの濃度である、請求項254または255に記載の培養培地。
  256. 前記脂質が、50~75μg/mlの濃度である、請求項254~256のいずれか1項に記載の培養培地。
  257. 前記脂質が、75~100μg/mlの濃度である、請求項254~256のいずれか1項に記載の培養培地。
  258. 前記脂質が、10~25μg/mlの濃度である、請求項254~256のいずれか1項に記載の培養培地。
  259. 前記脂質が、10~75μg/mlの濃度である、請求項254~256のいずれか1項に記載の培養培地。
  260. 前記脂質が、100ng/ml~1mg/mlの濃度である、請求項254に記載の培養培地。
  261. 前記脂質が、炭素12~22個を含む炭素鎖長を有する1種以上の一価不飽和脂肪酸を含む、請求項254~261のいずれか1項に記載の培養培地。
  262. 前記一価不飽和脂肪酸が、ミリストレイン酸(C14:1 ω-5)、パルミトレイン酸C16:1 ω-7、サピエン酸C16:1 ω-10、バクセン酸(C18:1 ω-7)、大半のリン脂質に見られるC18:1 ω9c、オレイン酸(C18:1 ω-9)、ペトロセリン酸(C18:1 ω-12)、パウリン酸(C20:1 ω-7)、ゴンド酸(C20:1 ω-11)、エルカ酸(C22:1 ω-9c)、ブラシジン酸(C22:1 ω-9t)、及び/またはネルボン酸(C24:1 ω-9)を含む、請求項262に記載の培養培地。
  263. 前記脂質が、パルミトレイン酸、バクセン酸、オレイン酸、及び/またはネルボン酸を含む、請求項262または263に記載の培養培地。
  264. 前記脂質が、50~100μg/mlの濃度のパルミトレイン酸、50~75μg/mlの濃度のバクセン酸、75~100μg/mlの濃度のオレイン酸、及び/または50~75μg/mlの濃度のネルボン酸を含む、請求項262~264のいずれか1項に記載の培養培地。
  265. 前記脂質が、炭素12~24個を含む炭素鎖長を有する1種以上の多価不飽和脂肪酸を含む、請求項254~265のいずれか1項に記載の培養培地。
  266. 前記多価不飽和脂肪酸が、ヘキサデカトリエン酸(HTA)(C16:3 ω-3)、リノール酸(C18:2 ω-6)、アルファリノレン酸(C18:3 ω-3)、ガンマリノレン酸(C18:3 ω-6)、ステアリドン酸(C18;4 ω-4)、エイコサジエン酸(C20:2 ω-6)、エイコサトリエン酸(ETE)(C20:3 ω-3)、ジホノム-ガンマ-リノレン酸(C20:3 ω-6)、ミード酸(C20:3 ω-9)、アラキドン酸(C20:4 ω-6)、エイコサペンタエン酸(EPA)(C20:5 ω-3、C20:5 ω-6)、ヘンエイコサペンタエン酸(HPA)(C21:5 ω-3)、ドコサテトラエン酸(C22:4ドコサテトラエン酸-6)、DPA(C22:5ドコサテトラエン酸-3)、ドカサヘキサエン酸(DHA)(C22:6ドカサヘキサエン酸(DHA)-3)、テトラコサペンタエン酸(C24:5 ω-3)、及びテトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(C24:6テトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(C24:6 ω-3))のうちの少なくとも1つを含む、請求項266に記載の培養培地。
  267. 前記多価不飽和脂肪酸が、エイコサペンタエン酸(EPA)を1~100μg/mlまたは10~75μg/mlの濃度で含む、請求項266または267に記載の培養培地。
  268. 前記多価不飽和脂肪酸が、ドカサヘキサエン酸(DHA)を1~100μg/mlまたは10~25μg/mlの濃度で含む、請求項266~268のいずれか1項に記載の培養培地。
  269. 前記多価不飽和脂肪酸が、リノール酸を1~100μg/mlまたは50~75μg/mlの濃度で含む、請求項266~269のいずれか1項に記載の培養培地。
  270. 前記多価不飽和脂肪酸が、アルファリノレン酸を1~100μg/mlまたは50~100μg/mlの濃度で含む、請求項266~270のいずれか1項に記載の培養培地。
  271. 前記多価不飽和脂肪酸が、アルファ-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含む、請求項266~271のいずれか1項に記載の培養培地。
  272. 前記脂質が、炭素10~24個を含む炭素鎖長を有する1種以上の飽和脂肪酸を含む、請求項254~272のいずれか1項に記載の培養培地。
  273. 前記飽和脂肪酸が、カプリン酸(C10:0)、ウンデシル酸(C11:0)、ラウリン酸(C12:0)、トリデシル酸(C13:0)、ミリスチン酸(C14:0)、ペンタデシル酸(C15:0)、パルミチン酸(C16:0)、マルガリン酸(C17:0)、ステアリン酸(C18:0)、ノナデシル酸(C19:0)、アラキジン酸(C20:0)、ヘンイコシル酸(C21:0)、ベヘン酸(C22:0)、トリコシル酸(C23:0)、及びリグノセリン酸(C24:0)のうちの1つ以上を含む、請求項273に記載の培養培地。
  274. 前記ステロールが、グリセロリン脂質及びスフィンゴミエリン;フィトステロール、例えば、β-シトステロール、スチグマステロール、及びブラシカステロール;種々の形態のビタミンDを含むエルゴステロール及びセコステロイドのうちの少なくとも1つを含む、請求項254~274のいずれか1項に記載の培養培地。
  275. 前記ネルボン酸が、0.1~1000μg/mlの濃度である、請求項254~275のいずれか1項に記載の培養培地。
  276. 前記ネルボン酸が、1~100μg/mlまたは10~100μg/mlの濃度である、請求項254~276のいずれか1項に記載の培養培地。
  277. 前記ネルボン酸が、50~75μg/mlの濃度である、請求項254~277のいずれか1項に記載の培養培地。
  278. 前記培養培地が、最大4%の血清を更に含む、請求項254~278のいずれか1項に記載の培養培地。
  279. 前記培養培地が、デキサメタゾン、ビオチン、T3、パントテナート、IBMX、及び/またはインスリンなどのあらゆる追加の成分を含まない、請求項254~279のいずれか1項に記載の培養培地。
  280. 動物の細胞を培養するための方法であって、
    少なくとも0.1μg/mlまたは10μg/mlの脂質を含む培養培地中の動物の前記細胞を培養することを含み、
    前記培養が、前記動物の前記細胞による前記脂質の脂肪酸の取り込みを可能にする期間及び条件下で実施され、
    前記脂質が1種以上の多価不飽和脂肪酸、1種以上の飽和脂肪酸、及び/または1種以上のステロールを含む場合、前記培養培地がネルボン酸を少なくとも0.1μg/mlまたは10μg/mlの濃度で更に含む、前記方法。
  281. 前記脂質が、0.1μg/ml~1000μg/mlの濃度である、請求項281に記載の方法。
  282. 前記脂質が、1~100μg/mlまたは10~100μg/mlの濃度である、請求項281または282に記載の方法。
  283. 前記脂質が、50~75μg/mlの濃度である、請求項281~283のいずれか1項に記載の方法。
  284. 前記脂質が、75~100μg/mlの濃度である、請求項281~283のいずれか1項に記載の方法。
  285. 前記脂質が、10~25μg/mlの濃度である、請求項281~283のいずれか1項に記載の方法。
  286. 前記脂質が、10~75μg/mlの濃度である、請求項281~283のいずれか1項に記載の方法。
  287. 前記脂質が、炭素12~22個を含む炭素鎖長を有する1種以上の一価不飽和脂肪酸を含む、請求項281~287のいずれか1項に記載の方法。
  288. 前記一価不飽和脂肪酸が、ミリストレイン酸(C14:1 ω-5)、パルミトレイン酸C16:1 ω-7、サピエン酸C16:1 ω-10、バクセン酸(C18:1 ω-7)、大半のリン脂質に見られるC18:1 ω9c、オレイン酸(C18:1 ω-9)、ペトロセリン酸(C18:1 ω-12)、パウリン酸(C20:1 ω-7)、ゴンド酸(C20:1 ω-11)、エルカ酸(C22:1 ω-9c)、ブラシジン酸(C22:1 ω-9t)、及び/またはネルボン酸(C24:1 ω-9)を含む、請求項288に記載の方法。
  289. 前記脂質が、パルミトレイン酸、バクセン酸、オレイン酸、及び/またはネルボン酸を含む、請求項281~289のいずれか1項に記載の方法。
  290. 前記脂質が、1~100μg/mlもしくは50~100μg/mlの濃度のパルミトレイン酸、1~100μg/mlもしくは50~75μg/mlの濃度のバクセン酸、1~100μg/mlもしくは75~100μg/mlの濃度のオレイン酸、及び/または1~100μg/mlもしくは50~75μg/mlの濃度のネルボン酸を含む、請求項281~285または288~290のいずれか1項に記載の方法。
  291. 前記脂質が、炭素12~24個を含む炭素鎖長を有する1種以上の多価不飽和脂肪酸を含む、請求項281~291のいずれか1項に記載の方法。
  292. 前記多価不飽和脂肪酸が、ヘキサデカトリエン酸(HTA)(C16:3 ω-3)、リノール酸(C18:2 ω-6)、アルファリノレン酸(C18:3 ω-3)、ガンマリノレン酸(C18:3 ω-6)、ステアリドン酸(C18;4 ω-4)、エイコサジエン酸(C20:2 ω-6)、エイコサトリエン酸(ETE)(C20:3 ω-3)、ジホノム-ガンマ-リノレン酸(C20:3 ω-6)、ミード酸(C20:3 ω-9)、アラキドン酸(C20:4 ω-6)、エイコサペンタエン酸(EPA)(C20:5 ω-3、C20:5 ω-6)、ヘンエイコサペンタエン酸(HPA)(C21:5 ω-3)、ドコサテトラエン酸(C22:4ドコサテトラエン酸-6)、DPA(C22:5ドコサテトラエン酸-3)、ドカサヘキサエン酸(DHA)(C22:6ドカサヘキサエン酸(DHA)-3)、テトラコサペンタエン酸(C24:5 ω-3)、及びテトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(C24:6テトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(C24:6 ω-3))を含む、請求項292に記載の方法。
  293. 前記多価不飽和脂肪酸が、エイコサペンタエン酸(EPA)を1~100μg/mlまたは10~75μg/mlの濃度で含む、請求項292または293に記載の方法。
  294. 前記多価不飽和脂肪酸が、ドカサヘキサエン酸(DHA)を1~100μg/mlまたは10~25μg/mlの濃度で含む、請求項292~294のいずれか1項に記載の方法。
  295. 前記多価不飽和脂肪酸が、リノール酸を1~100μg/mlまたは50~75μg/mlの濃度で含む、請求項292~295のいずれか1項に記載の方法。
  296. 前記多価不飽和脂肪酸が、アルファ-リノレン酸を1~100μg/mlまたは50~100μg/mlの濃度で含む、請求項292~296のいずれか1項に記載の方法。
  297. 前記多価不飽和脂肪酸が、アルファ-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含む、請求項292~297のいずれか1項に記載の方法。
  298. 前記脂質が、炭素10~24個を含む炭素鎖長を有する1種以上の飽和脂肪酸を含む、請求項281~298のいずれか1項に記載の方法。
  299. 前記飽和脂肪酸が、カプリン酸(C10:0)、ウンデシル酸(C11:0)、ラウリン酸(C12:0)、トリデシル酸(C13:0)、ミリスチン酸(C14:0)、ペンタデシル酸(C15:0)、パルミチン酸(C16:0)、マルガリン酸(C17:0)、ステアリン酸(C18:0)、ノナデシル酸(C19:0)、アラキジン酸(C20:0)、ヘンイコシル酸(C21:0)、ベヘン酸(C22:0)、トリコシル酸(C23:0)、及びリグノセリン酸(C24:0)のうちの1つ以上を含む、請求項299に記載の方法。
  300. 前記ステロールが、グリセロリン脂質及びスフィンゴミエリン;フィトステロール、例えば、β-シトステロール、スチグマステロール、及びブラシカステロール;種々の形態のビタミンDを含むエルゴステロール及びセコステロイドのうちの少なくとも1つを含む、請求項299または300に記載の方法。
  301. 前記ネルボン酸が、0.1~1000μg/mlの濃度である、請求項281~301のいずれか1項に記載の方法。
  302. 前記ネルボン酸が、1~100μg/mlまたは10~100μg/mlの濃度である、請求項281~302のいずれか1項に記載の方法。
  303. 前記ネルボン酸が、50~75μg/mlの濃度である、請求項281~303のいずれか1項に記載の方法。
  304. 前記培養培地が、請求項219~245のいずれか1項に記載の培養培地である、請求項281~304のいずれか1項に記載の方法。
  305. 動物の細胞であって、前記細胞が、請求項281~305のいずれか1項に記載の方法によって得ることができる及び/または得られた、前記動物の細胞。
  306. 前記細胞が、前記動物の筋芽細胞、ミオサイト、前脂肪細胞、脂肪細胞、線維芽細胞、ケラチノサイト、上皮細胞、内皮細胞、胚由来細胞、人工多能性幹細胞、及び間葉系幹細胞のうちの1種以上を含む、請求項306に記載の動物の細胞。
  307. 前記細胞が、1種以上の多価不飽和脂肪酸、1種以上の飽和脂肪酸、及び/または1種以上のステロールを含む脂肪細胞を、前記細胞の0.1重量%~1重量%の量で含む、請求項306または307に記載の動物の細胞。
  308. 前記細胞が、1種以上の多価不飽和脂肪酸、1種以上の飽和脂肪酸、及び/または1種以上のステロールを含む線維芽細胞を、前記細胞の少なくとも1重量%の量で含む、請求項306~308のいずれか1項に記載の動物の細胞。
  309. 前記細胞が、1種以上の多価不飽和脂肪酸、1種以上の飽和脂肪酸、及び/または1種以上のステロールを含む筋芽細胞を、前記細胞の少なくとも1重量%の量で含む、請求項306~309のいずれか1項に記載の動物の細胞。
  310. 前記動物が、水生動物である、請求項306~310のいずれか1項に記載の動物の細胞。
  311. 前記水生動物が、魚類及び/または甲殻動物を含む、請求項311に記載の水生動物の細胞。
  312. 前記水生動物が、軟骨魚類、硬骨魚類、条鰭類、総鰭類、軟体類、イガイ類、頭足類、甲殻類、及び棘皮動物のうちの1種以上を含む、請求項311~312のいずれか1項に記載の水生動物の細胞。
  313. 前記水生動物が、バサ、ヒラメ、メルルーサ、スカップ、スメルト、ニジマス、ホンビノスガイ、ワタリガニ、ピーキートゥクラブ、アサヒガニ、コウイカ、イースタンオイスター、マガキ、カタクチイワシ、ニシン、キンムツ、モイ、オレンジラフィー、タイセイヨウパーチ、ビクトリア湖パーチ、イエローパーチ、ヨーロッパガキ、ドーバーソール、チョウザメ、アマダイ、カマスサワラ、ブリ属魚、ウニ、タイセイヨウサバ、イワシ、ブラックシーバス、ヨーロピアンシーバス、ハイブリッドストライプバス、ブリーム、タラ、ドラム、ハドック、ホキ、スケトウダラ、岩礁魚、カラフトマス、フエダイ、テラピア、ターボット、ウォールアイ、レイクホワイトフィッシュ、オオカミウオ、ホンビノスガイ、バカガイ、ザルガイ、ジョナクラブ、ズワイガニ、ザリガニ、イタヤガイ、コウライエビ、ギンダラ、タイセイヨウサケ、ギンザケ、ガンギエイ、アメリカイチョウガニ、タラバガニ、ムラサキイガイ、ミドリイガイ、アカエビ、アブラソコムツ、マスノスケ、シロザケ、アメリカシャド、アルプスイワナ、コイ、ナマズ、マトウダイ、ハタ、オヒョウ、カスザメ、コバンアジ、アワビ、マキガイ、ストーンクラブ、アメリカンロブスター、イセエビ、タコ、ブラックタイガーエビ、淡水エビ、ガルフシュリンプ、バナメイエビ、イカ、バラマンディ、カスク、ツノザメ、キングクリップ、マヒマヒ、アカマンボウ、アオザメ、メカジキ、ビンナガマグロ、キハダマグロ、アメリカナミガイ、コシオリエビ、マゼランツキヒガイ、ミカヅキコモンエビ、カマス、チリアンシーバス、スギ、ニベ、ウナギ、ニシクロカジキ、ボラ、ベニザケ、クロマグロ、エビ、カニ類、ロブスター、及び棘皮動物のうちの1種以上を含む、請求項311~313のいずれか1項に記載の水生動物の細胞。
  314. 前記水生動物が、Thunnus orientalis、Lutjanus campechanus、Coryphaena hippurus、Seriola lalandi、Micropterus salmoides、Thunnus albacares、Lepomis macrochirus、Hypophthalmichthys molitrix、Salmo salar、Oncorhynchus mykiss、及びOreochromis massambicusのうちの1種以上を含む、請求項311~314のいずれか1項に記載の水生動物の細胞。
  315. 前記水生動物が、魚介類、ハマグリ類、カキ類、タコ、イカ、エビ、カニ類、ロブスター、ナマコ類、及びウニ類のうちの1種以上を含む、請求項311~314のいずれか1項に記載の水生動物の細胞。
  316. 前記動物が、陸生動物である、請求項306~310のいずれか1項に記載の動物の細胞。
  317. 前記陸生動物が、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、または昆虫である、請求項317に記載の陸生動物の細胞。
  318. 前記陸生動物が、ヨトウムシ、コオロギ、バッタ、カエル、ヒキガエル、イモリ、サンショウウオ、アリゲーター、クロコダイル、ヘビ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ゲームヘン、ウズラ、ウマ、サイ、バク、ウシ、ブタ、キリン、ラクダ、ヒツジ、シカ、ヤギ、ウサギ、イヌ、またはカバである、請求項317または318に記載の陸生動物の細胞。
  319. 前記陸生動物が、ヨトウムシ、コオロギ、及びバッタからなる群から選択される、請求項317~319のいずれか1項に記載の陸生動物の細胞。
  320. 前記陸生動物が、カエル、ヒキガエル、イモリ、及びサンショウウオからなる群から選択される、請求項317~319のいずれか1項に記載の陸生動物の細胞。
  321. 前記陸生動物が、アリゲーター、クロコダイル、及びヘビからなる群から選択される、請求項317~319のいずれか1項に記載の陸生動物の細胞。
  322. 前記陸生動物が、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ゲームヘン、及びウズラからなる群から選択される、請求項317~319のいずれか1項に記載の陸生動物の細胞。
  323. 前記陸生動物が、ウマ、サイ、バク、ウシ、ブタ、キリン、ラクダ、ヒツジ、シカ、ヤギ、ウサギ、イヌ、及びカバからなる群から選択される、請求項317~319のいずれか1項に記載の陸生動物の細胞。
  324. 前記細胞が、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に由来する同じタイプの細胞よりも少なくとも1パーセンテージポイント高いオメガ-3 PUFA含有量を有する、請求項317~324のいずれか1項に記載の陸生動物の細胞。
  325. 前記細胞が、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に由来する同じタイプの細胞よりも少なくとも1パーセンテージポイント低いUFA含有量を有する、請求項317~325のいずれか1項に記載の陸生動物の細胞。
  326. 請求項306~326のいずれか1項に記載の1種以上の細胞を含む、バイオマス。
  327. 請求項306~326のいずれか1項に記載の動物の細胞のうちの1種以上及び/または請求項327に記載のバイオマスを含む、食品。
  328. 動物の前記細胞が、少なくとも0.2重量%の脂質含有量を有する、請求項328に記載の食品。
  329. 動物の前記細胞が、0.2重量%~90重量%の脂質含有量を有する、請求項328または329に記載の食品。
  330. 動物の前記細胞が、0.2重量%~2重量%の脂質含有量を含む魚類細胞を含む、請求項328~330のいずれか1項に記載の食品。
  331. 動物の前記細胞が、1重量%~2重量%の脂質含有量を含む魚類細胞を含む、請求項328~331のいずれか1項に記載の食品。
  332. 前記食品が、10%から20%の脂質含有量を有する、請求項328~330のいずれか1項に記載の食品。
  333. 前記食品が、脂肪細胞を含まない、請求項328~333のいずれか1項に記載の食品。
  334. 前記食品が、細胞培養魚類製品である、請求項328~334のいずれか1項に記載の食品。
  335. 動物の細胞を培養するための系であって、
    脂質を、請求項281~305のいずれか1項に記載の動物の細胞中の一価不飽和脂肪酸の含有量を増加させるための方法において、同時に、組み合わせて、または逐次的に使用するために、動物の前記細胞用の培養培地及び/または動物の細胞と組み合わせて含み、
    前記脂質が1種以上の多価不飽和脂肪酸、1種以上の飽和脂肪酸、及び/または1種以上のステロールを含む場合、ネルボン酸を更に含む、前記系。
  336. 前記脂質が、0.1μg/ml~1000μg/mlの量である、請求項336に記載の系。
  337. 前記脂質が、1~100μg/mlまたは10~100μg/mlの量である、請求項336または337に記載の系。
  338. 前記脂質が、50~75μg/mlの量である、請求項336~338のいずれか1項に記載の系。
  339. 前記脂質が、75~100μg/mlの量である、請求項336~338のいずれか1項に記載の系。
  340. 前記脂質が、10~25μg/mlの量である、請求項336~338のいずれか1項に記載の系。
  341. 前記脂質が、10~75μg/mlの量である、請求項336~338のいずれか1項に記載の系。
  342. 前記脂質が、炭素12~22個を含む炭素鎖長を有する1種以上の一価不飽和脂肪酸を含む、請求項336~342のいずれか1項に記載の系。
  343. 前記一価不飽和脂肪酸が、ミリストレイン酸(C14:1 ω-5)、パルミトレイン酸C16:1 ω-7、サピエン酸C16:1 ω-10、バクセン酸(C18:1 ω-7)、大半のリン脂質に見られるC18:1 ω9c、オレイン酸(C18:1 ω-9)、ペトロセリン酸(C18:1 ω-12)、パウリン酸(C20:1 ω-7)、ゴンド酸(C20:1 ω-11)、エルカ酸(C22:1 ω-9c)、ブラシジン酸(C22:1 ω-9t)、及び/またはネルボン酸(C24:1 ω-9)を含む、請求項343に記載の系。
  344. 前記一価不飽和脂肪酸が、パルミトレイン酸、バクセン酸、オレイン酸、及び/またはネルボン酸を含む、請求項343または344に記載の系。
  345. 前記一価不飽和脂肪酸が、1~100μg/mlもしくは50~100μg/mlの濃度のパルミトレイン酸、1~100μg/mlもしくは50~75μg/mlの量のバクセン酸、1~100μg/mlもしくは75~100μg/mlの量のオレイン酸、及び/または1~100μg/mlもしくは50~75μg/mlの量のネルボン酸を含む、請求項343~345のいずれか1項に記載の系。
  346. 前記脂質が、炭素12~24個を含む炭素鎖長を有する1種以上の多価不飽和脂肪酸を含む、請求項336~346のいずれか1項に記載の系。
  347. 前記多価不飽和脂肪酸が、ヘキサデカトリエン酸(HTA)(C16:3 ω-3)、リノール酸(C18:2 ω-6)、アルファリノレン酸(C18:3 ω-3)、ガンマリノレン酸(C18:3 ω-6)、ステアリドン酸(C18;4 ω-4)、エイコサジエン酸(C20:2 ω-6)、エイコサトリエン酸(ETE)(C20:3 ω-3)、ジホノム-ガンマ-リノレン酸(C20:3 ω-6)、ミード酸(C20:3 ω-9)、アラキドン酸(C20:4 ω-6)、エイコサペンタエン酸(EPA)(C20:5 ω-3、C20:5 ω-6)、ヘンエイコサペンタエン酸(HPA)(C21:5 ω-3)、ドコサテトラエン酸(C22:4ドコサテトラエン酸-6)、DPA(C22:5ドコサテトラエン酸-3)、ドカサヘキサエン酸(DHA)(C22:6ドカサヘキサエン酸(DHA)-3)、テトラコサペンタエン酸(C24:5 ω-3)、及びテトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(C24:6テトラコサヘキサエン酸(ニシン酸)(C24:6 ω-3))のうちの少なくとも1つを含む、請求項347に記載の系。
  348. 前記多価不飽和脂肪酸が、エイコサペンタエン酸(EPA)を1~100μg/mlまたは10~75μg/mlの量で含む、請求項347または348に記載の系。
  349. 前記多価不飽和脂肪酸が、ドカサヘキサエン酸(DHA)を1~100μg/mlまたは10~25μg/mlの量で含む、請求項347~349のいずれか1項に記載の系。
  350. 前記多価不飽和脂肪酸が、リノール酸を1~100μg/mlまたは50~75μg/mlの量で含む、請求項347~350のいずれか1項に記載の系。
  351. 前記多価不飽和脂肪酸が、アルファリノレン酸を1~100μg/mlまたは50~100μg/mlの量で含む、請求項347~351のいずれか1項に記載の系。
  352. 前記多価不飽和脂肪酸が、アルファ-リノレン酸(ALA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、及びドコサヘキサエン酸(DHA)を含む、請求項347~352のいずれか1項に記載の系。
  353. 前記脂質が、炭素10~24個を含む炭素鎖長を有する1種以上の飽和脂肪酸を含む、請求項336~353のいずれか1項に記載の系。
  354. 前記飽和脂肪酸が、カプリン酸(C10:0)、ウンデシル酸(C11:0)、ラウリン酸(C12:0)、トリデシル酸(C13:0)、ミリスチン酸(C14:0)、ペンタデシル酸(C15:0)、パルミチン酸(C16:0)、マルガリン酸(C17:0)、ステアリン酸(C18:0)、ノナデシル酸(C19:0)、アラキジン酸(C20:0)、ヘンイコシル酸(C21:0)、ベヘン酸(C22:0)、トリコシル酸(C23:0)、及びリグノセリン酸(C24:0)のうちの1つ以上を含む、請求項354に記載の系。
  355. 前記ステロールが、グリセロリン脂質及びスフィンゴミエリン;フィトステロール、例えば、β-シトステロール、スチグマステロール、及びブラシカステロール;種々の形態のビタミンDを含むエルゴステロール及びセコステロイドのうちの少なくとも1つを含む、請求項336~355のいずれかに記載の系。
  356. 前記ネルボン酸が、10~1000μg/mlの濃度である、請求項336~356のいずれか1項に記載の系。
  357. 前記ネルボン酸が、0.1~100μg/mlの濃度である、請求項336~356のいずれか1項に記載の系。
  358. 前記ネルボン酸が、1~100μg/mlまたは50~75μg/mlの濃度である、請求項336~356及び358のいずれか1項に記載の系。
  359. 前記培養培地が、請求項254~280のいずれか1項に記載の培養培地である、請求項336~359のいずれか1項に記載の系。
  360. 前記培養培地が、請求項108~141のいずれか1項に記載の培養培地である、請求項336~359のいずれか1項に記載の系。
  361. 動物の前記細胞が、前記動物の筋芽細胞、ミオサイト、前脂肪細胞、脂肪細胞、線維芽細胞、ケラチノサイト、上皮細胞、内皮細胞、胚由来細胞、人工多能性幹細胞、及び間葉系幹細胞のうちの1種以上を含む、請求項336~361のいずれか1項に記載の系。
  362. 前記動物が、水生動物である、請求項336~362のいずれか1項に記載の系。
  363. 前記水生動物が、魚類及び/または甲殻動物を含む、請求項363に記載の系。
  364. 前記水生動物が、軟骨魚類、硬骨魚類、条鰭類、総鰭類、軟体類、イガイ類、頭足類、甲殻類、及び棘皮動物のうちの1種以上を含む、請求項363~364のいずれか1項に記載の系。
  365. 前記水生動物が、バサ、ヒラメ、メルルーサ、スカップ、スメルト、ニジマス、ホンビノスガイ、ワタリガニ、ピーキートゥクラブ、アサヒガニ、コウイカ、イースタンオイスター、マガキ、カタクチイワシ、ニシン、キンムツ、モイ、オレンジラフィー、タイセイヨウパーチ、ビクトリア湖パーチ、イエローパーチ、ヨーロッパガキ、ドーバーソール、チョウザメ、アマダイ、カマスサワラ、ブリ属魚、ウニ、タイセイヨウサバ、イワシ、ブラックシーバス、ヨーロピアンシーバス、ハイブリッドストライプバス、ブリーム、タラ、ドラム、ハドック、ホキ、スケトウダラ、岩礁魚、カラフトマス、フエダイ、テラピア、ターボット、ウォールアイ、レイクホワイトフィッシュ、オオカミウオ、ホンビノスガイ、バカガイ、ザルガイ、ジョナクラブ、ズワイガニ、ザリガニ、イタヤガイ、コウライエビ、ギンダラ、タイセイヨウサケ、ギンザケ、ガンギエイ、アメリカイチョウガニ、タラバガニ、ムラサキイガイ、ミドリイガイ、アカエビ、アブラソコムツ、マスノスケ、シロザケ、アメリカシャド、アルプスイワナ、コイ、ナマズ、マトウダイ、ハタ、オヒョウ、カスザメ、コバンアジ、アワビ、マキガイ、ストーンクラブ、アメリカンロブスター、イセエビ、タコ、ブラックタイガーエビ、淡水エビ、ガルフシュリンプ、バナメイエビ、イカ、バラマンディ、カスク、ツノザメ、キングクリップ、マヒマヒ、アカマンボウ、アオザメ、メカジキ、ビンナガマグロ、キハダマグロ、アメリカナミガイ、コシオリエビ、マゼランツキヒガイ、ミカヅキコモンエビ、カマス、チリアンシーバス、スギ、ニベ、ウナギ、ニシクロカジキ、ボラ、ベニザケ、クロマグロ、エビ、カニ類、ロブスター、及び棘皮動物のうちの1種以上を含む、請求項363~365のいずれか1項に記載の系。
  366. 前記水生動物が、Thunnus orientalis、Lutjanus campechanus、Coryphaena hippurus、Seriola lalandi、Micropterus salmoides、Thunnus albacares、Lepomis macrochirus、Hypophthalmichthys molitrix、Salmo salar、Oncorhynchus mykiss、及びOreochromis massambicusのうちの1種以上を含む、請求項363~365のいずれか1項に記載の系。
  367. 前記水生動物が、魚介類、ハマグリ類、カキ類、タコ、イカ、エビ、カニ類、ロブスター、ナマコ類、及びウニ類のうちの1種以上を含む、請求項363~364のいずれか1項に記載の系。
  368. 前記動物が、陸生動物である、請求項336~362のいずれか1項に記載の系。
  369. 前記陸生動物が、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、または昆虫である、請求項369に記載の系。
  370. 前記陸生動物が、ヨトウムシ、コオロギ、バッタ、カエル、ヒキガエル、イモリ、サンショウウオ、アリゲーター、クロコダイル、ヘビ、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ゲームヘン、ウズラ、ウマ、サイ、バク、ウシ、ブタ、キリン、ラクダ、ヒツジ、シカ、ヤギ、ウサギ、イヌ、またはカバである、請求項369または370に記載の系。
  371. 前記陸生動物が、ヨトウムシ、コオロギ、及びバッタからなる群から選択される、請求項369~371のいずれか1項に記載の系。
  372. 前記陸生動物が、カエル、ヒキガエル、イモリ、及びサンショウウオからなる群から選択される、請求項369~371のいずれか1項に記載の系。
  373. 前記陸生動物が、アリゲーター、クロコダイル、及びヘビからなる群から選択される、請求項369~371のいずれか1項に記載の系。
  374. 前記陸生動物が、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウ、キジ、ゲームヘン、及びウズラからなる群から選択される、請求項369~371のいずれか1項に記載の系。
  375. 前記陸生動物が、ウマ、サイ、バク、ウシ、ブタ、キリン、ラクダ、ヒツジ、シカ、ヤギ、ウサギ、イヌ、及びカバからなる群から選択される、請求項369~371のいずれか1項に記載の系。
  376. 前記陸生動物の前記細胞が、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に由来する同じタイプの細胞よりも少なくとも1パーセンテージポイント高いオメガ-3 PUFA含有量を有する、請求項369~376のいずれか1項に記載の系。
  377. 前記細胞が、同一種の野生捕獲陸生動物または養殖陸生動物に由来する同じタイプの細胞よりも少なくとも1パーセンテージポイント低いUFA含有量を有する、請求項369~377のいずれか1項に記載の系。
  378. 前記細胞が、請求項271~291のいずれか1項に記載の細胞のうちの1種以上を含むバイオマス内にある、請求項336~378のいずれか1項に記載の系。
  379. 前記培養培地が、基礎培地であり、任意選択で最大4%の血清を更に含む、請求項336~379のいずれか1項に記載の系。
  380. 前記培養培地が、デキサメタゾン、ビオチン、T3、パントテナート、IBMX、及び/またはインスリンなどのあらゆる追加の成分を含まない、請求項336~380のいずれか1項に記載の系。
  381. 前記細胞が、脂肪細胞、線維芽細胞、及び/または筋芽細胞を含む、請求項1~21のいずれか1項に記載の培養細胞、請求項22に記載のバイオマス、または請求項23~29のいずれか1項に記載の食品。
  382. 動物の前記細胞が、少なくとも0.2重量%の脂質含有量を有する、請求項1~21もしくは382のいずれか1項に記載の培養細胞、請求項22もしくは382に記載のバイオマス、または請求項23~29もしくは382のいずれか1項に記載の食品。
  383. 動物の前記細胞が、0.2重量%~50重量%の脂質含有量を有する、請求項1~21もしくは382~383のいずれか1項に記載の培養細胞、請求項22もしくは382~383に記載のバイオマス、または請求項23~29もしくは382~383のいずれか1項に記載の食品。
  384. 動物の前記細胞が、50重量%~90重量%の脂質含有量を有する、請求項1~21もしくは382~383のいずれか1項に記載の培養細胞、請求項22もしくは382~383に記載のバイオマス、または請求項23~29もしくは382~383のいずれか1項に記載の食品。
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