JP2024513977A - 掻痒治療用のカッパ-オピオイド受容体アゴニストインプラント - Google Patents

掻痒治療用のカッパ-オピオイド受容体アゴニストインプラント Download PDF

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ビービ デバーニー キャサリン
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エー.パテル ラジェシュ
スリーダラン サニル
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タイタン ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド
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Abstract

本開示は、個人における掻痒(かゆみ)の治療のための組成物、方法及びキットを提供する。組成物、方法、及びキットは、カッパ-オピオイド受容体アゴニストを含むインプラントを個体に投与するためであり、インプラントはカッパ-オピオイド受容体アゴニスト及び生体適合性ポリマーマトリックスを含む持続放出組成物を含む。このデバイスを移植することにより、カッパ-オピオイド受容体アゴニストの制御された放出が長期間にわたって可能となる。掻痒の治療及び緩和のためにカッパオピオイド受容体アゴニストによる継続的治療を必要とする個体には、インプラントを皮下に埋め込むことができる。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月14日に出願された米国仮特許出願第63/174,958号、及び2021年6月22日に出願された米国仮特許出願第63/213,485号の優先権を主張する。これらの出願の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
技術分野
本開示は、生体適合性ポリマーマトリックス、カッパ-オピオイド受容体アゴニスト(ペプチドであり得る)、及び所望により追加の治療剤を含む、掻痒の長期治療のためのインプラントを提供する。生体適合性ポリマーマトリックスは、均質マトリックスであってもよく、又は、コアポリマー材料及び1つ以上の追加層を含んでもよい。
掻痒、すなわちかゆみを伴う皮膚は、一般的な皮膚疾患であり、多くの局所的又は全身的状態によって引き起こされる。掻痒の軽症例は、保湿クリーム若しくはローション、コルチコステロイドクリームなどの市販薬、又は局所又は経口抗ヒスタミン薬で治療できる。
重症又は慢性の掻痒、又は市販薬ではコントロールできない掻痒は、より集中的な治療を必要とする。重度又は慢性のかゆみの治療には、フルオキセチンや光線療法などの抗うつ薬が使用されている。しかしながら、これらの治療はしばしば緩和をもたらさない。特に、尿毒症性掻痒(慢性腎疾患関連掻痒又はCKD-aP)は、血液透析を受けている患者のほぼ半数で報告されており、しばしば治療に不応性であり、数ヵ月又は数年間続くことがある。
したがって、尿毒症性掻痒などの掻痒の治療には新たな治療法が必要である。
F.M.Hughes,Jrらは、カッパ-オピオイド受容体の強力なアゴニストである短鎖ペプチドについて報告し(Open Med Chem J. 2013;7:16-22)、疼痛管理にペプチドを用いることを提案した。国際特許出願WO2017/210668は、Hughesらに記載された化合物を含むカッパ-オピオイド受容体アゴニストの徐放性組成物に関する。
本開示は、カッパ-オピオイド受容体アゴニストペプチド及びカッパ-オピオイド受容体アゴニストペプチドの誘導体を含む、カッパ-オピオイド受容体アゴニストを用いた掻痒の長期治療を提供し、それらはインプラント内で投与される。
本開示は、カッパ-オピオイド受容体アゴニストペプチドのようなカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含むインプラント(すなわち、移植可能なドラッグデリバリーデバイス)を提供する。本開示はまた、このようなインプラントを用いて掻痒を治療する方法を提供する。
いくつかの実施形態において、インプラントの各層におけるカッパ-オピオイド受容体アゴニストの濃度は、ほぼ一定量又は本質的に一定量のカッパ-オピオイド受容体アゴニストが、一定期間にわたってインプラントから放出されるように設計される。時間の期間は、少なくとも約1ヵ月、少なくとも約2ヵ月、少なくとも約3ヵ月、少なくとも約6ヵ月、少なくとも約9ヵ月、少なくとも約12ヵ月、少なくとも約15ヵ月、少なくとも約18ヵ月、少なくとも約21ヵ月、又は少なくとも約24ヵ月であり得る。
いくつかの実施形態において、本開示は、個体に持続放出組成物を含むインプラントを投与することを含む、個体における掻痒を治療する方法を提供し、ここで、持続放出組成物はカッパ-オピオイド受容体アゴニスト及び生体適合性ポリマーマトリックスを含み、ここで、持続放出組成物は、投与後に、治療有効量のカッパ-オピオイド受容体アゴニストを放出するように構成される。カッパ-オピオイド受容体アゴニストはペプチドを含むことができる。カッパ-オピオイド受容体アゴニストは、式I:
の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体を含むことができ、式中、Rは、
であり;式中、nは1~4の整数であり;Xは、-NR又は-Nであり;R、R、R、及びRの各々は、独立して、水素、C-Cアルキル、C-C置換アルキル、C-Cアルケニル、C-C置換アルケニル、C-Cアルキニル、C-C置換アルキニル、C-Cシクロアルキル、C-C10アリール、C-C10置換アリール、又は-C-CアルキルC-C10アリールであり;Rは、水素、C-Cアルキル、C-C置換アルキル、C-Cアルケニル、C-C置換アルケニル、C-Cアルキニル、C-C置換アルキニル、C-Cシクロアルキル、C-C10アリール、C-C10置換アリール、-C-CアルキルC-C10アリール、又は-NRであり;R、R、R、及びRの各々は、独立して、水素、C-Cアルキル、C-C置換アルキル、C-Cアルケニル、C-C置換アルケニル、C-Cアルキニル、C-C置換アルキニル、C-Cシクロアルキル、C-C10アリール、C-C10置換アリール、又は-C-CアルキルC-C10アリールであり;あるいは代替的に、R及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって複素環を形成し;又は代替的に、R及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって複素環を形成する。
式Iのいくつかの実施形態において、Rは、
である。
式Iのいくつかの実施形態において、Rは、
である。
式Iのいくつかの実施形態において、Rは、
である。
式Iのいくつかの実施形態において、Rは、
である。
式Iのいくつかの実施形態において、Rは、
である。
式Iのいくつかの実施形態において、Rは、
である。
式Iのいくつかの実施形態において、Rは、
であり、及び式(I)の化合物A:
である。
上述の実施形態のいずれかにおいて、生体適合性ポリマーマトリックスは、エチレンビニルアセテート(EVA)コポリマー、架橋ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、アシル置換セルロースアセテート、加水分解アルキレン-ビニルアセテートコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリビニルフッ化物、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルホン、スチレンアクリロニトリルコポリマー、架橋ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(アルキレン)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリ(エステル)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリホスファゼン、クロロスルホン化ポリオレフィン、ポリ-ラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
上述の実施形態のいずれかにおいて、生体適合性ポリマーマトリックスは、エチレンビニルアセテート(EVA)コポリマーを含むことができる。いくつかの実施形態において、EVAコポリマーは、コポリマーの全重量の約20%~約40%の酢酸ビニルを含むことができる。いくつかの実施形態において、EVAコポリマーは、コポリマーの全重量の約33%の酢酸ビニルを含むことができる。
上述の実施形態のいずれかにおいて、カッパ-オピオイド受容体アゴニストは、全重量の約10%~約85%の持続放出組成物、例えば、全重量の約30%~約70%の持続放出組成物を含む。
上述の実施形態のいずれかにおいて、インプラントは、直径約0.5mm~約10mm、長さ約0.5cm~約10cmを有するロッド形状デバイスであり得る。
上述の実施形態のいずれかにおいて、インプラントは、直径約2mm~約3mm、長さ約2cm~約4cmを有するロッド形状デバイスであり得る。
上述の実施形態のいずれかにおいて、インプラントは、1日当たり約0.1mg~約10mgのカッパ-オピオイド受容体アゴニストを放出することができる。
上述の実施形態のいずれかにおいて、インプラントは、皮下に埋め込むことができる。
上述の実施形態のいずれかにおいて、インプラントは、持続放出組成物を含むコアと、コアを取り囲む第1層の生体適合性ポリマーマトリックスを含む第1層とを含むことができる。
第1層を有する前述の実施形態のいずれにかおいて、第1層の生体適合性ポリマーマトリックスは、エチレンビニルアセテート(EVA)コポリマー、架橋ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、アシル置換セルロースアセテート、加水分解アルキレン-ビニルアセテートコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリビニルフッ化物、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルホン、スチレンアクリロニトリルコポリマー、架橋ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(アルキレン)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリ(エステル)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリホスファゼン、クロロスルホン化ポリオレフィン、ポリ-ラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、又はそれらの組み合わせを含むことができる。
第1層を有する前述の実施形態のいずれかにおいて、第1層の生体適合性ポリマーマトリックスは、エチレンビニルアセテート(EVA)コポリマーを含むことができる。第1層の生体適合性ポリマーマトリックスのEVAコポリマーは、コポリマーの全重量の約20%~約40%の酢酸ビニルを含むことができる。第1層の生体適合性ポリマーマトリックスのEVAコポリマーは、コポリマーの全重量の約33%の酢酸ビニルを含むことができる。
前述の実施形態のいずれかにおいて、インプラントは、生体適合性ポリマーマトリックスを含む1つ以上の追加の層をさらに含むことができる。
コア、第1層、及び場合により1つ以上の追加の層を有する前述の実施形態のいずれかにおいて、コア、第1層、及び1つ以上の追加の層(存在する場合)のいずれかが、1つ以上の追加の医薬物質をさらに含む。
前述の実施形態のいずれかにおいて、インプラントは、少なくとも約3ヵ月、少なくとも約6ヵ月、少なくとも約9ヵ月、少なくとも約12ヵ月、少なくとも約15ヵ月、少なくとも約18ヵ月、少なくとも約21ヵ月、又は少なくとも約24ヵ月間、個体内に保持されることができる。
前述の実施形態のいずれかにおいて、血漿中の医薬物質の濃度は、少なくとも約3ヵ月、少なくとも約6ヵ月、少なくとも約9ヵ月、少なくとも約12ヵ月、少なくとも約15ヵ月、少なくとも約18ヵ月、少なくとも約21ヵ月、又は少なくとも約24ヵ月間、ほぼ一定又は本質的に一定であり得る。
前述の実施形態のいずれかにおいて、カッパ-オピオイド受容体アゴニストは式(I)の化合物であり得る。
前述の実施形態のいずれかにおいて、カッパ-オピオイド受容体アゴニストは化合物Aであり得る。
図1は、カッパ-オピオイド受容体アゴニストの50%及びエチレンビニルアセテート(EVA)の50%、ならびにカッパ-オピオイド受容体アゴニストの3%及びコアを取り囲む97%のEVAの殻からなるコアを有するインプラントを有するラットにおけるカッパ-オピオイド受容体アゴニストの血漿レベルを示す。 図2は、5’-グアニジノナルトリンドール(5’-GNTI)の投与後のマウスにおける引っかき事象を示す。破線は、プラセボインプラント又は偽手術を行ったマウス(N=7)における引っかき事象を表し、実線は化合物Aを含むインプラントを用いたマウス(N=5)における引っかき事象を表す。 図3は、化合物A(実線)を含むインプラントから得られたマウスにおける血漿レベルと、化合物A(破線)の皮下注射から得られたマウスにおける血漿レベルとを経時的に示す。 図4は、CR-845のボーラス注射に対して、化合物Aを含有するインプラントの模擬ヒト血漿レベルを示す。 図5は、化合物A含有インプラントを有するマウス対対照マウスにおけるスクラッチイベントの減少を示す。
本開示は、カッパ-オピオイド受容体アゴニストを個体に提供するための組成物(すなわち、インプラント)、方法、及びキットを提供する。
「薬物」と「医薬物質」は同等の用語であり、互換的に使用される。
一態様において、インプラントは、生体適合性ポリマーマトリックス及びカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む持続放出組成物を含み、カッパ-オピオイド受容体アゴニストは、例えば、最大約5%、最大約10%、最大約20%、最大約25%、最大約約30%、最大約40%、最大約50%、最大約60%、最大約70%、最大約80%、又は最大約85%であり、持続放出組成物の残りは生体適合性ポリマーマトリックスを含む。
いくつかの実施形態において、インプラントは、生体適合性ポリマーマトリックス及びカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含むコア、及びコアを囲む1つ以上のさらなる層を含む。いくつかの実施形態において、コアは、ロッド状又は円筒状である。いくつかの実施形態において、コアは、棒状又は円筒状であり、いずれかの端部で丸められ、すなわち、コアの棒状又は円筒状部分とほぼ同じ直径を有する半球、円形半球、円形半球、又は楕円体によってキャップされる。ロッドの末端を覆うインプラントの部分は、本質的に100%ポリマーであってもよく、又はインプラントのコアと同じパーセンテージのポリマー及びカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含むことができ、又は約若しくは少なくとも50%のポリマー及び約若しくは多くとも50%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、約若しくは少なくとも60%のポリマー及び約若しくは多くとも40%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、約若しくは少なくとも70%のポリマー及び約若しくは多くとも30%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、約若しくは少なくとも75%のポリマー及び約若しくは多くとも25%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、約若しくは少なくとも80%のポリマー及び約若しくは多くとも20%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、約若しくは少なくとも850%のポリマー及び約若しくは多くとも15%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、約若しくは少なくとも90%のポリマー及び約若しくは多くとも10%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、約若しくは少なくとも95%のポリマー及び約若しくは多くとも5%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、約若しくは少なくとも96%のポリマー及び約若しくは多くとも4%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、約若しくは少なくとも97%のポリマー及び約若しくは多くとも3%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、約若しくは少なくとも98%のポリマー及び約若しくは多くとも2%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、又は約若しくは少なくとも99%のポリマー及び約若しくは多くとも1%のカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含むことができる。いくつかの実施形態において、コアは、インプラントの長さの大部分を伸長する。いくつかの実施形態において、コアは、それを取り囲む層又は層よりも低い濃度のカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む。いくつかの実施形態において、コアは、それを取り囲む層又は層よりも高い濃度のカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む。いくつかの実施形態において、コアはカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含み、カッパ-オピオイド受容体アゴニストを含まない層によって囲まれる。
インプラントがEVAを含むいくつかの態様において、酢酸ビニル含有量は約33重量%である。インプラントは、一般に、約10%~約85%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、例えば、約10%~約25%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、約20%~約40%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、約25%~約75%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、約30%~約70%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、又は約40%~約60%のカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む。1つの実施形態において、インプラントは、約50%カッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む。
本開示の別の態様は、カッパ-オピオイド受容体アゴニストをそれを必要とする個体に送達するための方法であって、個体に皮下にインプラントを挿入する工程を含み、ここでカッパ-オピオイド受容体アゴニストはインプラントから個体に放出される。いくつかの実施形態において、それを必要とする個体は、掻痒に苦しんでいる。いくつかの実施形態において、それを必要とする個体は、尿毒症性掻痒に苦しんでいる。
いくつかの実施形態において、個体はヒトである。いくつかの実施形態において、個体は、チンパンジー、オランウータン、ゴリラ、及びサルを含む霊長類のような哺乳動物;イヌ、ネコ、及びモルモットを含む家畜又はペット;ラット又はマウスのような実験動物;又はウシ、ヒツジ、又はブタのような農業に使用される動物である。
1つの態様において、インプラントは、少なくとも約1ヵ月、少なくとも約2ヵ月、少なくとも約3ヵ月、少なくとも約6ヵ月、少なくとも約9ヵ月、少なくとも約12ヵ月、少なくとも約15ヵ月、少なくとも約18ヵ月、少なくとも約21ヵ月、又は少なくとも約24ヵ月間、個体内に移植されたままである。
別の態様において、インプラントの各層におけるカッパ-オピオイド受容体アゴニストの濃度は、定常状態レベル又はほぼ一定レベル又は本質的に一定レベルのカッパ-オピオイド受容体アゴニストが個体に放出されるように設計される。別の態様において、インプラントは、個体の血漿中のカッパ-オピオイド受容体アゴニストの定常状態レベル、又はほぼ一定レベル、又は本質的に一定レベルを提供する。
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、コアは、放射線不透過性化合物と混合されたポリマー、例えばエチレン酢酸ビニルを含むことができる。いくつかの実施形態において、放射線不透過性化合物は、硫酸バリウムである。いくつかの実施形態において、放射線不透過性化合物は、亜炭酸ビスマス、三酸化ビスマス又はタングステンである。放射線不透過性化合物を含めることにより、X線又は超音波画像を介してインプラントをインビボで位置決めし、可視化することができる。
一実施形態では、本開示は、本質的に医薬物質を含まないポリマーを含むロッド形状のコアを提供する。このコアは、ポリマー及びカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む単層によって囲まれている。このタイプの一実施形態では、ロッドは、長さ約2~約3cm、例えば、約2.6cm、及び直径約2mm~約3mmであり;単層は、厚さ約0.5mm~約1mmであり、コアは、直径約0.5mm~約2mmである。一実施形態では、コア及び単1層の両方は、同じポリマー、例えばエチレンビニルアセテート(EVA)を含む。いくつかの実施形態において、コアは、ポリマー、例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)を含み、層は、異なるポリマー、例えば、PLGAのような生物侵食性ポリマーを含む。単層は、約10%~約85%のカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む。
一実施形態では、本開示は、本質的に医薬物質を含まないポリマーを含むロッド形状のコアを提供する。このコアは、ポリマー及び医薬物質を含む2つの層によって囲まれており、少なくとも1つの層はカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む。このタイプの一実施形態では、ロッドは、長さ約2~約3cm、例えば、約2.6cm、及び直径約2mm~約5mmであり;各層は、厚さ約0.5~約1mmであり、コアは、直径約0.5mm~約2mmである。一実施形態では、コア層及び両方の層はすべて、同じポリマー、例えばエチレンビニルアセテート(EVA)を含む。いくつかの実施形態において、コアは、ポリマー、例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)を含み、層は、異なるポリマー、例えば、PLGAのような生物侵食性ポリマーを含む。両方の層は、医薬物質を含み、医薬物質は、各層において同じ物質であってもよく、各層において異なる物質であってもよく、例えば、物質は、付加的なカッパオピオイド受容体アゴニスト、ミューオピオイド受容体アゴニスト、ミューオピオイド受容体アンタゴニスト、混合ミューオピオイド受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えば、ブプレノルフィン、デルタ-オピオイド受容体アゴニスト、デルタ-オピオイド受容体アンタゴニスト、抗炎症薬、及びステロイドから独立して選択される。少なくとも1つの層は、独立して、約10%~約85%のカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む。一実施形態では、両方の層は、カッパ-オピオイド受容体アゴニストを含み、最外層は最内層よりも低濃度のカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含み、例えば、最外層は約10%~約90%のカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含み、最内層は約10%~約90%のカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含み、最外層は最内層よりも低い濃度のカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む。
一実施形態では、本開示は、本質的に医薬物質を含まないポリマーを含むロッド形状のコアを提供する。コアは、ポリマー及び医薬物質を含む3つの層によって囲まれ、少なくとも1つの層はカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む。このタイプの一実施形態では、ロッドは、長さ約2~約3cm、例えば、約2.6cm、及び直径約3mm~約7mmであり;各層は、厚さ約0.5mm~約1mmであり、コアは、直径約0.5~約2mmである。一実施形態では、コア及びすべての層は、すべて同じポリマー、例えばエチレンビニルアセテート(EVA)を含む。いくつかの実施形態において、コアは、ポリマー、例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)を含み、層は、異なるポリマー、例えば、PLGAのような生物侵食性ポリマーを含む。全ての層は、各層において同じ物質であってもよく、各層において異なる物質であってもよく、又は、少なくとも1つの層がカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む場合には、第3の層において異なる2つの層において同じ物質であってもよい医薬物質を含む。層中で用いることができる他の医薬物質としては、例えば、付加的なカッパオピオイド受容体アゴニスト、ミューオピオイド受容体アゴニスト、ミューオピオイド受容体アンタゴニスト、混合ミューオピオイド受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えば、ブプレノルフィン、デルタ-オピオイド受容体アゴニスト、デルタ-オピオイド受容体アンタゴニスト、抗炎症薬、及びステロイドから独立して選択される物質が含まれる。これらの層は、約10%~約90%の医薬物質を独立して含むことができる。1つの実施形態において、各層は、同じ医薬物質を含有するが、層は、医薬物質の濃度が異なるため、各層における医薬物質の平均濃度は、コアからの距離が増加するにつれて減少する。したがって、最外層は約10%~約90%の医薬物質を含み、一方、中間層は約10%~約90%の医薬物質を含み、最内層は約10%~約90%の医薬物質を含む。ただし、外層は中層よりも医薬物質の濃度が低く、一方、内層(コアに隣接する)は中間層よりも高濃度の医薬物質を有することを条件とする。1つのそのような実施形態において、3つの層全てにおける医薬物質はカッパ-オピオイド受容体アゴニストである。
一実施形態では、本開示は、本質的に医薬物質を含まないポリマーを含むロッド形状のコアを提供する。コアは、ポリマー及び医薬物質を含む4つの層によって取り囲まれ、少なくとも1つの層はカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む。このタイプの一実施形態では、ロッドは、長さ約2cm~約3cm、例えば、約2.6cm、及び直径約4mm~約9mmであり;各層は、厚さ約0.5mm~約1mmであり、コアは、厚さ約0.5mm~約1mmである。一実施形態では、コア及びすべての層は、すべて同じポリマー、例えばエチレンビニルアセテート(EVA)を含む。いくつかの実施形態において、コアは、ポリマー、例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)を含み、層は、異なるポリマー、例えば、PLGAのような生物侵食性ポリマーを含む。全ての層は、少なくとも1つの層がカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含むことを条件として、医薬物質を含む。層中で用いることができる他の医薬物質としては、例えば、付加的なカッパオピオイド受容体アゴニスト、ミューオピオイド受容体アゴニスト、ミューオピオイド受容体アンタゴニスト、混合ミューオピオイド受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えば、ブプレノルフィン、デルタ-オピオイド受容体アゴニスト、デルタ-オピオイド受容体アンタゴニスト、抗炎症薬、及びステロイドから選択される物質が含まれる。これらの層は、約10%~約90%の医薬物質(単数又は複数)を独立して含むことができる。1つの実施形態において、各層は、同じ医薬物質を含有するが、層は、医薬物質の濃度が異なるため、各層における医薬物質の平均濃度は、コアからの距離が増加するにつれて減少する。したがって、最も外側の層は約10%~約90%の医薬物質を含み、第2の最外層は約10%~約90%の医薬物質を含み、第3の最外層は約10%~約90%の医薬物質を含み、最も内側の層(コアに隣接する)は約10%~約90%の医薬物質を含む。ただし、最外層が第2の最外層における濃度よりも低い医薬物質の濃度を有し、第2の最外層が第3の最外層における濃度よりも低い医薬物質の濃度を有し、第3の最外層は、最内層(コアに隣接する)よりも低い医薬物質の濃度を有しすることを条件とする。そのような一実施形態では、4層全ての医薬物質はカッパ-オピオイド受容体アゴニストである。
一実施形態では、本開示は、本質的に医薬物質を含まないポリマーを含むロッド形状のコアを提供する。コアは、ポリマー及び医薬物質を含む5つの層によって囲まれ、少なくとも1つの層はカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む。このタイプの一実施形態では、ロッドは、長さ約2cm~約3cm、例えば、約2.6cm、及び直径約5mm~約10mmであり;各層は、厚さ約0.5mm~約1mmであり、コアは、厚さ約0.5mm~約1mmである。一実施形態では、コア及びすべての層は、すべて同じポリマー、例えばエチレンビニルアセテート(EVA)を含む。いくつかの実施形態において、コアは、ポリマー、例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)を含み、層は、異なるポリマー、例えば、PLGAのような生物侵食性ポリマーを含む。全ての層は、少なくとも1つの層がカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含むことを条件として、医薬物質を含む。層中で用いることができる他の医薬物質としては、例えば、付加的なカッパオピオイド受容体アゴニスト、ミューオピオイド受容体アゴニスト、ミューオピオイド受容体アンタゴニスト、混合ミューオピオイド受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えば、ブプレノルフィン、デルタ-オピオイド受容体アゴニスト、デルタ-オピオイド受容体アンタゴニスト、抗炎症薬、及びステロイドから独立して選択される物質が含まれる。これらの層は、医薬物質(複数可)の約10%~約90%を独立して含むことができる。1つの実施形態において、各層は、同じ医薬物質を含有するが、層は、医薬物質の濃度が異なるため、各層における医薬物質の平均濃度は、コアからの距離が増加するにつれて減少する。したがって、最も外側の層は約10%~約90%の医薬物質を含み、第2の最外層は約10%~約90%の医薬物質を含み、第3の最外層は約10%~約90%の医薬物質を含み、最も内側の層(コアに隣接する)は約10%~約90%の医薬物質を含む。ただし、最外層が第2の最外層における濃度よりも低い医薬物質の濃度を有し、第2の最外層が第3の最外層における濃度よりも低い医薬物質の濃度を有し、第3の最外層は、第4の最外層よりも低い医薬物質の濃度を有し、第4の最外層は、最内層(コアに隣接する)よりも低い医薬物質の濃度を有することを条件とする。1つのそのような実施形態において、5層全てにおける医薬物質はカッパ-オピオイド受容体アゴニストである。
さらなる実施形態において、開示されたインプラントは、追加の層を含むことができ、各層は、コアからの距離が増加するにつれて、上述の方法と同様の方法で、減少する医薬物質の濃度を有する。
上記の実施形態のいずれかにおいて、1つ以上の層は、非生物侵食性であり得る。上記の実施形態のいずれかにおいて、全ての層は、非生物侵食性であり得る。上記の実施形態のいずれかにおいて、コアは、非生物浸食性であり得る。上記の実施形態のいずれにおいても、コア及び1つ又は複数の層は、非生物侵食性であってもよく、ただし、非生物侵食性材料が生物浸食性層又は生物侵食性コアの外側にないことを条件とする(すなわち、インプラントが生物侵食性層を有する場合、そのインプラントの外側にある追加の層は生物侵食性でなければならず;同等に、インプラントが生物侵食性性でない層を有する場合、任意の生物侵食性層がその層の外側に位置する、すなわち、生物浸食性層は、いずれの非生物侵食性層よりもコアから離れている)。この条件はまた、コアが生物侵食性である場合には、全ての層が生物侵食性であることを必要とする。上記の実施形態のいずれかにおいて、コア及びすべての層は、非生物侵食性であり得る。
上記の実施形態のいずれかにおいて、1つ以上の層は、生物侵食性であり得る。上記の実施形態のいずれかにおいて、すべての層は生物侵食性であり得るが、コアは生物侵食性ではない。上記の実施形態のいずれかにおいて、コア及び1つ以上の層の各々は、生物侵食性である。
上記の実施形態のいずれかにおいて、1つ以上の層は、生物侵食性ポリマーと非生物侵食性ポリマーとの混合物を含むことができる。混合物は、同じ層で押出す前に、一緒にブレンドすることができる。代替的に、混合物は、層を形成する時に、同じ層中に共押出され得る。様々な実施形態では、混合層中の生物侵食性ポリマーと非浸食性ポリマーの比率は、約10%生物侵食性と90%非浸食性、約20%生物侵食性と80%非浸食性、約25%生物侵食性と75%非浸食性、約30%生物侵食性と70%非浸食性、約33%生物侵食性と67%非浸食性、約40%生物侵食性と60%非浸食性、約50%生物侵食性と50%非浸食性、約60%生物侵食性と40%非浸食性、約67%生物侵食性と33%非浸食性、約70%生物侵食性と30%非浸食性、約75%生物侵食性と25%非浸食性、約80%生物侵食性と20%非浸食性、又は約90%生物侵食性と10%非浸食性とすることができる。一実施形態では、生物侵食性ポリマーは、本明細書の他の箇所に記載されている生物侵食性ポリマーのいずれかから選択される。一実施形態では、非侵食性ポリマーは、本明細書の他の箇所に記載されている非侵食性ポリマーのいずれかから選択される。混合層の前述の実施形態のいずれかにおいて、生物侵食性ポリマーはPLGAであり得る。混合層の前述の実施形態のいずれかにおいて、非浸食性ポリマーはEVAであり得る。混合層の前述の実施形態のいずれかにおいて、生物侵食性ポリマーはPLGAであり得、非浸食性ポリマーはEVAであり得る。生物侵食性ポリマーと非生物侵食性ポリマーの混合物を含む層が使用される場合、その混合層の外側の任意の層は、生物侵食性又は混合生物侵食性/非浸食性のいずれかである。
一実施形態では、本開示は、本質的に医薬物質を含まないポリマーを含むロッド形状のコアを提供する。このコアは、少なくとも1つの層がカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む場合には、ポリマー及び医薬物質を含む2つの層によって囲まれている。このタイプの一実施形態では、ロッドは、長さ約2cm~約3cm、例えば、約2.6cm、及び直径約2mm~約5mmであり;各層は、厚さ約0.5mm~約1mmであり、コアは、直径約0.5mm~2mmである。一実施形態では、コア及びすべての層は、すべて同じポリマー、例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)を含む。いくつかの実施形態において、コアは、ポリマー、例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)を含み、層は、異なるポリマー、例えば、PLGAのような生物侵食性ポリマーを含み、各層は、同じ生物侵食性ポリマーを含む。両方の層は、少なくとも1つの層がカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む場合、医薬物質を含む。層中で用いることができる他の医薬物質としては、例えば、付加的なカッパオピオイド受容体アゴニスト、ミューオピオイド受容体アゴニスト、ミューオピオイド受容体アンタゴニスト、混合ミューオピオイド受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えば、ブプレノルフィン、デルタ-オピオイド受容体アゴニスト、デルタ-オピオイド受容体アンタゴニスト、抗炎症薬、及びステロイドから独立して選択される物質が含まれる。一実施形態では、両方の層は同じ医薬物質を含み、最外層は最内層よりも高濃度の医薬物質を含む;例えば、最外層は約10%~約90%の医薬物質を含み、最内層は約10%~約90%の医薬物質を含み、最外層は最内層よりも高濃度の医薬物質を含む。そのような一実施形態において、両方の層の医薬物質はカッパ-オピオイド受容体アゴニストである。場合により、この実施形態は、ポリマー及び医薬物質を含むさらなる層を含むことができ、この場合、最も外側の層は、最も高い濃度の医薬物質を含み、各々より内側の層は、より低いレベルの薬物を含む。この構成は、特定の期間にわたって、個人への薬物放出の初期の高い速度を可能にし、したがって、より高い初期血清又は全身レベルの薬物を可能にし、続いて、時間の経過に伴って放出速度が低下し、その結果、その後の血清又は全身レベルが低下し、それは、時間の経過に伴って、徐々に減少する。最も外側の層もまた最高濃度の薬物を含むいくつかの実施形態において、より内側の層は、ほぼ等濃度の薬物を含むことができるが、最も外側の層よりも全て低い。これにより、ある期間にわたって、最初の高い薬物放出速度、したがって、高い初期血清又は全身レベルの薬物が可能となり、次に、ある期間にわたって、低い、本質的に定常状態レベルの薬物が可能となる。
さらなる実施形態において、開示されたインプラントは、追加の層を含むことができ、各層は、コアからの距離が増加するにつれて、増加する濃度の医薬物質を有する。
一実施形態では、本開示は、本質的に医薬物質を含まないポリマーを含むロッド形状のコアを提供する。このコアは、ポリマー及びカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む単層によって囲まれている。最後に、単層は、カッパ-オピオイド受容体アゴニストであってもよい、本質的に純粋な医薬物質の層によって囲まれている。このタイプの一実施形態では、ロッドは、長さ約2~約3cm、例えば、約2.6cm、及び直径約2mm~約3mmであり;単層は、厚さ約0.5mm~約1mmであり、コアは、直径約0.5mm~約2mmであり、純粋な薬物の層の厚さは、使用される純粋な薬物の量によって決定される。一実施形態では、コアと単層の両方は、同じポリマー、例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)を含む。いくつかの実施形態において、コアは、ポリマー、例えば、エチレンビニルアセテート(EVA)を含み、層は、異なるポリマー、例えば、PLGAのような生物侵食性ポリマーを含む。単層は、約10%~約90%のカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む。純粋な薬物の層は、例えばカッパオピオイド受容体アゴニスト、ミューオピオイド受容体アゴニスト、ミューオピオイド受容体アンタゴニスト、混合ミューオピオイド受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えば、ブプレノルフィン、デルタ-オピオイド受容体アゴニスト、デルタ-オピオイド受容体アンタゴニスト、抗炎症薬、及びステロイドから独立して選択される、約100%の医薬物質を含む。1つの実施形態において、単層と純粋な薬物の層の両方における医薬物質は、カッパ-オピオイド受容体アゴニストである。
さらなる実施形態において、開示されたインプラントは、追加の層を含み得、各層は、コアからの距離が増加するにつれて、増加する濃度の医薬物質を有し、インプラントの外側に本質的に純粋な医薬物質の層を有する。この構成により、特定の期間にわたって、個人への薬物放出の初期の高い速度、したがって、より高い初期血清又は全身レベルの薬物が可能となる。
1つの実施形態において、本開示は、本物質及び生体適合性ポリマーマトリックスを含むカッパ-オピオイド受容体アゴニストを送達するためのインプラントを提供する。薬物はマトリックス内にカプセル封入され、インプラントはイヌ又はネコ又はヒトのような哺乳動物に皮下移植される。医薬物質は、マトリックスの表面に開いた細孔を通して、持続時間にわたってインプラントから連続的に放出される。薬物の最初のバーストの後、薬物は、例えば、少なくとも約0.1mg/日の速度で、一般に約0.1~約5mg/日の範囲で送達される。いくつかの実施形態において、薬物放出速度は、約0.01mg/日、0.02mg/日、0.03mg/日、0.04mg/日、0.05mg/日、又は0.1mg/日である。いくつかの実施形態において、薬物放出速度は、約0.1mg~約0.5mg/日、約0.5mg~約1.0mg/日、約1.0mg~約3.0mg/日、又は約3.0mg~約5.0mg/日である。
インプラントのサイズ及び他の物理的パラメータ、インプラントの位置、及びインプラントの種々の層における薬物の濃度によって決定される薬物放出速度は、個体の疾患、身体状態及び体重又は体表面積に関連して所望の用量を提供するように調整することができる。
カッパ-オピオイド受容体アゴニスト
インプラント、徐放性組成物、又は本明細書に開示される方法のいずれかの実施形態において、カッパ-オピオイド受容体アゴニストは、本明細書に定義される式(I):
の化合物であり得る。
好ましい実施形態において、インプラント、持続放出組成物、又は本明細書に開示される方法のいずれかの実施形態において、カッパ-オピオイド受容体アゴニストは、化合物A:
又は薬学的に許容されるその塩若しくは立体異性体であり得る。
インプラントの製造
いくつかの実施形態において、インプラントは、押出プロセスによって製造することができる。原薬は、粉砕(例えば、ボールミル粉砕、衝撃粉砕)、スプレー乾燥、溶媒沈殿、スクリーニング、又は当技術分野で公知の微粒子を生成する方法の他の方法又は組み合わせによって調製することができる。薬剤は、微粒子としても調製されるポリマーと組み合わせることができる。混合混合物は、例えば、マイクロトルーダスクリュー押出機、モデル番号RCP-025、Randcastle Extrusion Systems、Cedar Grove、NJを介して、又は産業上において公知である他の押出デバイスを介して押出成形することができる。押出の直径、ならびに温度、圧力、及び他のパラメータは、それぞれの薬物に適したように制御することができる。
EVAが生体適合性ポリマーマトリックスとして使用される場合、インプラントは、押し出しプロセスを用いて製造され得、ここで、粉砕EVAはカッパ-オピオイド受容体アゴニストとブレンドされ、融解され、そしてロッド形状の構造に押し出される。ロッドを所望の長さの個々のインプラントに切断し、パッケージ化し、使用前に滅菌する。
移植可能なポリマー、非侵食性マトリックス中に治療化合物をカプセル化するための他の方法は、当業者に周知である。そのような方法には、例えば、溶媒キャスティング(例えば、米国特許第4,883,666号、第5,114,719号及び第5,601,835号を参照のこと)が含まれる。当業者は、そのようなインプラントを調製する適切な方法を、形状、サイズ、カッパ-オピオイド受容体アゴニスト負荷、及び特定のタイプの個体又は臨床的適応に望ましい放出動態に依存して容易に決定することができるであろう。
いくつかの実施形態において、ポリマーを含むコアを、例えば、押出によって形成することができ、次に、浸漬コーティング又はスプレーコーティング方法を介して、ポリマー及び薬物を含む1つ以上の層でコーティングする。溶媒蒸発法を用いて、ポリマー及び薬物を溶媒中で混合することができる。ポリマー、薬物及び溶媒を含む溶液は、次に、浸漬又はスプレーのいずれかによって、コアの表面に塗布することができる。次に、得られた組成物を乾燥工程に付し、その間、溶媒を蒸発させ、高分子材料をその中に分散させて、コア上に薄膜又は層を形成する。この手順は、同じ濃度又は異なる濃度の薬物及びポリマーの種々の溶液を用いて繰り返して、組成物上にさらなる層を堆積させることができる。当技術分野で知られているように、複数の層を含むインプラントは、押出とコーティングの任意の組み合わせによって製造することができる。
押出物は、水平に押し出され、さらなる加工のために回収され得る。押出物は、望ましい長さ、例えば約1~約3cmに切断することができる。次に、押出物を、薬物又は薬物が溶解する任意の溶媒中で洗浄し、次に乾燥し、包装することができる。
カッパ-オピオイド受容体アゴニストの送達に用いることができる連続的薬物放出のための移植可能なポリマーデバイスの例は、例えば米国特許第4,883,666号;第5,114,719号;第5,601,835号;第10,111,830号;及び第10,123,971号;ならびPatelらの米国特許出願公開第2021/0007973号に記載されている。
多数の層を有するインプラントは、当該技術分野で公知の同時押出法、例えば、米国特許第5,063,018号(管腔を有するカテーテルを製造するための)又は米国特許第4,832,589号、第4,379,117号、第3,880,691号、及び第3,337,665号に開示された方法によって製造することができる。フィードブロック共押出を使用するマルチマニホルドgのようなマルチマニホルドダイは、多層材料を製造するための当該技術分野で公知である。
化合物Aのような本明細書に開示されているカッパオピオイド受容体アゴニストは、米国特許第10,111,830号及び第10,123,971号に開示されているもののような不均一なインプラントで投与することができる。このようなインプラントは、コアポリマー材料を含むロッド形状のコアを含み、コアは医薬物質を含まない。コアポリマー材料は、エチレンビニルアセテート(EVA)であってもよい。コアは、約0.5mm~約3.5mmの直径を有することができる。インプラントは、コアを取り囲む第一層医薬物質を含む第一層をさらに含む。必要に応じて、インプラントは、1つ以上の追加の層をさらに含み、1つ以上の追加の層の各々は、独立して選択された追加の医薬物質を含む。第1層は、EVAを含むことができる。1つ以上の追加の層は、EVAを含むことができる。第1層は、化合物Aのような本明細書中に開示されたカッパオピオイド受容体アゴニストを含むことができ、又は1つ以上の追加の層のいずれか1つ以上は、化合物Aのような本明細書中に開示されたカッパオピオイド受容体アゴニストを含むことができる。
化合物Aのような本明細書に開示されているカッパオピオイド受容体アゴニストは、米国特許出願公開第20021/0007973号に開示されているインプラントのような、コア及び多孔性シェルを有するインプラントに投与することができる。このようなインプラントは、第1のポリマー材料及びコア医薬物質を含むコアと、第2のポリマー材料及びポロゲン材料を含むシェルとを含む。ポロゲン材料は、シェルから除去され、シェル内に規定のサイズの細孔を残すことができる。ポロゲン材料は、平均直径が1マイクロメートル~50マイクロメートルの粒子のような、平均直径が1マイクロメートル~300マイクロメートルの粒子を含むことができる。多孔質材料は、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、脂肪酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、リノール酸、生体適合性塩、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸ナトリウム、安息香酸、クエン酸、ポリビニルピロリドン(PVP)から選択され得る。前述の酸の塩、例えばナトリウム又はカリウム塩も使用することができる。
インプラントの物理的パラメータ
いくつかの実施形態において、インプラントは、直径約0.5~約7mmの寸法を含む。いくつかの実施形態において、インプラントは、長さ約0.5~10cmである。いくつかの実施形態において、インプラントは、長さ約1~約3cmである。いくつかの実施形態において、インプラントは、長さ約2cm~約3cmである。いくつかの実施形態において、インプラントは、長さ約2.6cmである。いくつかの実施形態において、インプラントは、直径約1~約4mmである。いくつかの実施形態において、インプラントは、直径約1~約3mmである。いくつかの実施形態において、インプラントは、直径約2~約3mmである。いくつかの実施形態において、インプラントは、直径約2.4mmである。いくつかの実施形態において、インプラントは、直径約1~約2mmである。いくつかの実施形態において、インプラントは、直径約1.5mmである。いくつかの実施形態において、インプラントは、総直径が約2.4mm、総長が約2.6cmの寸法を含む。いくつかの実施形態において、インプラントは、直径約1.5mmである。いくつかの実施形態において、インプラントは、総直径が約1.5mm、総長が約2.6cmの寸法を含む。
いくつかの実施形態において、コア、第1層、及び生体適合性ポリマーマトリックス、又は生体適合性ポリマーマトリックス及び薬物を含む任意の追加の層又は複数の層は、それぞれ独立して直径又は厚さ約0.5~約5mmである。一実施形態では、コア及び層又は複数の層は、それぞれ約0.5~約3.5mmである。いくつかの実施形態において、コア及び層又は複数の層は、それぞれ約0.5~約2mmである。いくつかの実施形態において、コア及び層又は福岡県層は、それぞれ独立して約1~約2mmである。コアの厚さ又は直径は、層又は複数の層の厚さから変化してもよい。複数の層が存在する場合、各層は、他の層と同じ厚さを有してもよく、又は各層は、他の層と異なる厚さを有してもよく、又は一部の層は、他の層と同じ厚さを有してもよく、一方、一部の層は、他の層と異なる厚さを有してもよい。層の「厚さ」とは、層の開始と層の末端との間の、インプラントの中心から測定される距離を意味し、例えば、規則的な環状層を有する円筒状インプラントの場合、中心から2mmで始まり、中心から3.5mmで終わる層は、1.5mmの厚さを有する。
インプラントは、コアと、断面が円筒状又は環状である1つ以上の層とを有するものとして示されてもよいが、コア及び1つ以上の層の断面は、卵形、多角形、星形、不規則又は不均一な厚さであってもよいことが理解される。
いくつかの実施形態において、ポリマー及び薬物を含む様々な層は、異なるポリマー又はそれらの混合物、及び異なる薬物又はそれらの混合物を含み得る。
薬物放出
インプラントからの薬物の放出は、溶解速度及びポリマーマトリックスを通る受動拡散に依存する。したがって、インプラントの表面積が放出速度を決定する。ポリマー材料からの薬物の放出メカニズムは、ポリマー及び薬物の性質にも依存する。薬物はポリマーを通って周囲の組織及び体液に拡散する。放出はまた、浸食性又は生物侵食性ポリマーの場合には、ポリマーの劣化又は浸食を介しても起こり得る。ポリマーの分解又は侵食は、加水分解、酵素分解、又は他のプロセスを介して起こり得る。
薬物放出速度は、個体に挿入する前にインプラントを洗浄することによっても影響を受ける。洗浄されたインプラントは、挿入後、より安定した放出速度を維持する;洗浄されていないインプラントは、インプラント直後に有意に高いバースト放出を示すことがある。局所又は全身の薬物濃度がゼロから治療域を超える可能性のあるレベルに急速に上昇するにつれて、バースト放出は個体にとって有害である可能性がある。初期バーストはまた、薬物デポを不必要に枯渇させ、放出期間を短縮することもある。インプラントは、薬物が溶解する任意の溶媒、例えば、水、エタノール、イソプロパノールなどで洗浄することができる。洗浄後、乾燥させて溶媒を除去してもよい。乾燥後、包装及び滅菌を行ってもよい。
状況によっては、薬物の初期高用量が望ましく、そのような状況では、初期バーストを負荷用量として提供するためにインプラントの洗浄を省略することができる。インプラントのある実施形態において、実質的に純粋な医薬物質の層は、増大した負荷用量(初期用量)のために、インプラントの外側に配置される。
非限定的な例では、押出されたインプラントは、2.6cmのような適切な長さのインプラントに切断することができる。押出物は、必要に応じて、例えば、表面薬物を除去するために、室温で30分間、95%エタノールで洗浄することができる。洗浄したインプラントを乾燥(例えば、室温で30分間空気乾燥し、次に40℃で1時間強制空気乾燥し、次に30℃で24時間真空乾燥)して、残留エタノールを除去することができる。インプラントは、防湿ホイルポーチに入れ、ヒートシールし、次にガンマ線照射(2.9~3.1Mrads)を用いて滅菌することができる。
いくつかの実施形態において、インプラントは、対象又は個体の血漿中の一定期間にわたって、ほぼ一定のレベルの薬物を提供する。1つの実施形態において、薬物のほぼ一定のレベルは、その期間にわたる平均又は平均血漿レベルと比較して、1日、1週間、1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、又は9ヵ月間にわたって、約±30%未満しか変動しない。いくつかの実施形態において、薬物のほぼ一定のレベルは、その期間にわたる平均又は平均血漿レベルと比較して、1日、1週間、1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、又は9ヵ月間にわたって、約±20%未満しか変動しない。いくつかの実施形態において、薬物のほぼ一定のレベルは、その期間にわたる平均又は平均血漿レベルと比較して、1日、1週間、1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、又は9ヵ月間にわたって、約±10%未満しか変動しない。「ほぼ一定の放出速度」は、医薬物質のほぼ一定のレベルが、1日間、1週間、1ヵ月間、3ヵ月間、6ヵ月間、又は9ヵ月間にわたって、インプラントから放出されることを示す。いくつかの実施形態において、ほぼ一定の放出速度は、示された期間にわたって、平均放出又は平均放出の約±30%、±20%、又は±10%以下で変動する。定常状態の血漿レベルを達成するためには、ほぼ一定の放出速度が好ましい。平均放出又は平均放出は、最初のバースト期間を除外するために、移植後最初の1週間の後から計算することができる。
「本質的に一定」とは、延長された時間の約80%の間、血漿中の薬物濃度が、平均血漿レベルの約3、約2、又は好ましくは約1標準偏差内にあることを意味する。血漿レベルの測定は、1時間毎、1日2回、1日2回、週2回、週1回、2週間毎、月1回、又は平均血漿レベルを測定するための任意の他の周期的間隔で行うことができる。例えば、毎週の間隔でサンプリングされた薬物の平均血漿レベルが2.0ng/mlであり、測定の1標準偏差が±0.1ng/mlである場合、測定の約80%について約±0.3ng/ml、約±0.2ng/ml、又は好ましくは約±0.1ng/ml内に収まる血漿レベルは、本質的に一定であると考えられる。「長期間」とは、約3ヵ月~約1年、又はそれより長い、例えば、少なくとも約3ヵ月、約6ヵ月、約9ヵ月、約12ヵ月、約15ヵ月、約18ヵ月、約21ヵ月、又は約24ヵ月以上を意味する。平均血漿レベルは、最初のバースト期間を除外するために、移植後の最初の週以降から計算することができる。
初期バースト又は初期負荷用量が望ましい実施形態(例えば、過剰な薬学的物質がインプラントの表面から洗浄されない実施形態、又はインプラントが純粋な薬物の層によって取り囲まれる実施形態)では、初期バースト又は初期負荷用量が生じる期間は、定常状態の血漿レベル又は定常状態の放出速度、ほぼ一定の血漿レベル又はほぼ一定の放出速度、又は本質的に一定の血漿レベル又は実質的に一定の放出速度の計算から除外される。初期バースト期間又は初期負荷用量期間は、放出速度又は血漿レベルが、定常状態、ほぼ一定、又は本質的に一定の前述の範囲内にある場合に終了する。
本明細書に開示されたインプラントは、小さな親水性ペプチドである化合物Aの放出速度が特に良好であることを示す。親水性物質を含むインプラントが体内の水性間質液と接触すると、内容物が急速に放出されることがあるため、インプラントから親水性物質を送達することは困難である。さらに、ペプチダーゼ及びプロテアーゼによる循環血中の小さなペプチドの急速な分解のために、長期間の治療用ペプチドの投与は困難である。血中におけるペプチド薬物の半減期は比較的短く、しばしば数時間程度である。実施例1に示すように、開示されたインプラントは、移植後2000時間(約83日、又はほぼ3か月)にわたって、ラットにおいて化合物Aの持続的かつ有意な血漿レベルをもたらす制御放出を提供する。現在開示されているように、約3ヶ月間、血中の親水性ペプチド薬物の制御された放出を達成することは、有意な結果である。これらの結果を考慮すると、開示されたインプラントは、長期治療を必要とするかゆみに苦しむ個人に重要な利益を提供することができる。
ドラッグデリバリーの動態
薬物送達は、インプラントの寿命の間、制御された放出を有することができる。コア及び1つ以上の層を含む積層体インプラントが使用される場合、コア及び/又は異なる層におけるカッパ-オピオイド受容体アゴニストの濃度を変化させることによって、経時的に薬物送達の速度を調節することができる。1つの実施形態において、インプラントは、経時的にカッパ-オピオイド受容体アゴニストの一般的に直線的な放出を示す。いくつかの実施形態において、インプラントからのカッパ-オピオイド受容体アゴニスト放出は、インプラントの寿命にわたって、又はインプラントの寿命内の特定の期間にわたって、ほぼ一定であるか、又は本質的に一定である。コア及びカッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む少なくとも1つの層を有するインプラントにおいて、アゴニストは、インプラントから、最外層から最内層まで、層毎に放出される。しかしながら、各層は、その外側の層よりも小さい直径及び表面積を有するであろう。したがって、アゴニスト放出のほぼ一定の、又は本質的に一定の速度を維持するためには、内部により近い層は、外側層よりも高い濃度のカッパ-オピオイド受容体アゴニストを有する必要がある。いくつかの実施形態において、カッパ-オピオイド受容体アゴニストの層毎の濃度は、異なる速度のアゴニスト放出を生成するように設計することができる。例えば、各層が隣接する外層よりも同じ又は低いカッパ-オピオイド受容体アゴニスト濃度を含有する場合、これは、アゴニスト送達の漸減され、かつ、減少し続ける速度をもたらす。カッパ-オピオイド受容体アゴニストの層毎の濃度を調節することによって、インプラントの寿命又はインプラントの寿命中の特定の期間にわたって、アゴニスト送達のゆっくりとした上昇がもたらされ得る。比較的高濃度及び低濃度のカッパ-オピオイド受容体アゴニストの交互の層は、時間の経過とともに上昇及び低下するアゴニスト送達のパルス速度を生成することができる。
1つの実施形態において、血漿中の薬物濃度の所望のレベルを達成するために、1つ以上のインプラントを個体に挿入することができる。薬物送達のレベルは、好ましくは、薬物の治療範囲内であり、毒性を引き起こし得るレベルよりも低い。1つの実施形態において、インプラントは、複数の薬物を含むことができる。1つの実施形態において、複数の薬物は、インプラントに統合され、層ごとに放出されて、インプラントの持続期間を通して各薬物の定常状態レベルを維持する。いくつかの実施形態において、薬物は、薬物送達が波中で起こり得、放出された1つの薬物のより高い用量、その後の経時的な別の薬物のより高い用量が続くように、層毎に様々な濃度で分布される。
インプラントは、血漿中の薬物の定常状態濃度を提供するように設計することができる。インプラントは、血漿中の薬物の結果として生じる濃度が、長期間にわたって本質的に一定のままであるように設計することができる。インプラントは、血漿中の薬物の結果として生じる濃度が、長期間にわたってほぼ一定のままであるように設計することができる。
もう1つの実施形態において、本開示は、カッパオピオイド受容体アゴニスト及び生体適合性ポリマーマトリックスを含む掻痒を治療するためのインプラントを提供し、ここで、該インプラントが哺乳動物に皮下移植される場合、該カッパオピオイド受容体アゴニストは、定常状態速度で該マトリックスの表面に開口する細孔を通して、持続的な期間にわたってインビボで連続的に放出される。
いくつかの実施形態において、インプラントは、1日当たり約0.01mgのカッパ-オピオイド受容体アゴニストを放出するように構成される。いくつかの実施形態において、インプラントは、少なくとも約0.01~約5mg/日、約0.01~約4mg/日、約0.01~約3mg/日、約0.01~約2mg/日、約0.01~約1mg/日、約0.01~約0.5mg/日又は1日当たり約0.01~約0.02mgのカッパ-オピオイド受容体アゴニストを放出するように構成されている。
いくつかの実施形態において、インプラントは、1日当たり約0.05mgのカッパ-オピオイド受容体アゴニストを放出するように構成される。いくつかの実施形態において、インプラントは、1日当たり約0.05~約5mg、1日当たり約0.05~約4mg、1日当たり約0.05~約3mg、1日当たり約0.05~約2mg、1日当たり約0.05~約1mg、1日当たり約0.05~約0.5mg、1日当たり約0.05~約0.25mg、又は1日当たり約0.05~約0.1mgのカッパ-オピオイドを放出するように構成される。
いくつかの実施形態において、インプラントは、1日当たり約0.1mgのカッパ-オピオイド受容体アゴニストを放出するように構成される。いくつかの実施形態において、インプラントは、少なくとも約0.1~約5mg/日、約0.1~約4mg/日、約0.1~約3mg/日、約0.1~約2mg/日、約0.1~約1mg/日、約0.1~約0.5mg/日、約0.1~約0.25mg/日、又は約0.1~約0.2mg/日のカッパ-オピオイド受容体アゴニストを放出するように構成される。
いくつかの実施形態において、カッパ-オピオイド受容体アゴニストのおよその放出速度は、約0.01mg/日、0.02mg/日、0.03mg/日、0.04mg/日、0.05mg/日、0.75mg/日、0.1mg/日、0.2mg/日、0.3mg/日、約0.4mg/日、約0.5mg/日、約0.6mg/日、約0.7mg/日、約0.8mg/日、約0.9mg/日、又は約1.0mg/日である。
皮下に埋め込まれる場合、本明細書に開示されたインプラントは、擬似又はほぼゼロ次放出速度で、長期間、カッパ-オピオイド受容体アゴニストを連続的に放出する。いくつかの実施形態において、移植後にインビボで放出されたカッパ-オピオイド受容体アゴニストの初期バーストは、移植前にインプラントを予め洗浄して表面カッパ-オピオイド受容体アゴニストを除去することによって減少又は最小化される。予備洗浄は、カッパ-オピオイド受容体アゴニストが可溶性である任意の溶液、例えばエタノール中で30分間行うことができる。放出速度は、カッパ-オピオイド受容体アゴニスト負荷率、マトリックスの多孔性、インプラントの構造、又はマトリックスの疎水性を変えることによって、又はインプラントの外側に疎水性コーティングを加えることによって変化させることができる。インプラントは、静脈ライン又はポンプのような外部医療機器を必要とせずにカッパ-オピオイド受容体アゴニストを送達することができる。
例示的なポリマー
いくつかの実施形態において、インプラントは、カッパ-オピオイド受容体アゴニストとブレンドされた単一の生体適合性ポリマーマトリックス材料を含むことができる。いくつかの実施形態において、インプラントは、不均一であってもよく、すなわち、インプラントは、異なる組成を有する複数の層を含んでもよい。例えば、インプラントは、生体適合性ポリマーマトリックス層を含む1つ以上の層に囲まれた、コア生体適合性ポリマーマトリックスを含むコアを含むことができる。コア及び1つ以上の層のうちの少なくとも1つは、カッパ-オピオイド受容体アゴニストをさらに含む。必要に応じて、コア及び1つ以上の層のうちの少なくとも1つは、1つ以上の医薬物質を含むことができる。1つ以上の医薬物質は、カッパ-オピオイド受容体アゴニストとコア又は同一層にあり得るか、又はカッパ-オピオイド受容体アゴニストとは異なる位置にあり得る。すなわち、カッパ-オピオイド受容体アゴニストがコア内にあるか、又は1つ以上の周囲層内にあるかにかかわらず、追加の医薬物質又は物質は、コアのいずれか又は1つ以上の周囲層内に存在し得る。
コア及び層の生体適合性ポリマーマトリックスは、同じであっても異なっていてもよい。コア又は任意の層はまた、2つ以上の生体適合性ポリマーの混合物を含んでもよく;コア及び種々の層は、ポリマーの異なる混合物を含んでもよい。
本明細書中で使用される「ポリマー」又は「ポリマー材料」とは、繰り返しモノマー単位又はコモノマー単位を含む巨大分子を意味する。ポリマーは、生物侵食性であってもよく、又は生物侵食性でなくてもよい。ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマーであってもよく、又は3以上のモノマーを含んでいてもよい。
インプラントを作製するために使用できる例示的なポリマーとしては、アクリル、アガロース、アルギン酸塩及びそれらの組み合わせ、セルロースエーテル、コラーゲン、ポリ(エチレングリコール)及びポリブチレンテレフタレートセグメント(PEG/PBT)を含むコポリマー(PolyActive(商標))、ポリ(乳酸)とグリコール酸のコポリマー、そのポリ(エチレングリコール)とのそのコポリマー、それらの誘導体及び混合物、デキストラン、デキストロース、エラスチン、エポキシド、エチレン酢酸ビニル(EVAコポリマー)、フルオロポリマー、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、無水マレイン酸コポリマー、メチルセルロース及びエチルセルロース、非水溶性酢酸セルロース、非水溶性キトサン、非水溶性ヒドロキシエチルセルロース、非水溶性ヒドロキシプロピルセルロース、ペプチド、PLLA-ポリグリコール酸(PGA)コポリマー(ポリL-乳酸-co-グリコール酸、又はPLGAとしても公知である)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(2-エトキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルアクリレート)、ポリ(2-メトキシエチルメタクリレート)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルギン酸)、ポリ(アミノ酸)、ポリ(無水物)、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(ベンジルグルタミン酸)、ポリ(ベータ-ヒドロキシ酪酸)、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)(PLA)、ポリ(D,L-ラクチド-co-カプロラクトン)(PLA/PCL)、及びポリ(グリコリド-co-カプロラクトン)(PGA/PCL)、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLA/PGA)、ポリ(エーテルウレタン尿素)、ポリ(グルタミン酸エチル-co-グルタミン酸)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(エチレン-co-ビニルアルコール)、ポリ(グルタミン酸)、ポリ(グルタミン酸-co-グルタミン酸エチル)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド-co-トリメチレンカーボネート)(PGA/PTMC)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(イミノカーボネート)、ポリ(ロイシン)、ポリ(ロイシン-co-ヒドロキシエチルグルタミン)、ポリ(L-ラクチド-co-D,L-ラクチド)(PLLA/PLA)、ポリ(L-ラクチド-co-グリコリド)(PLLA/PGA)、ポリ(リジン)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサアミド)、ポリ(オキサエステル)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ピロール)、ポリ(tert-ブチルオキシ-カルボニルメチルグルタメート)、ポリ(テトラメチレングリコール)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(尿素)、ポリ(ウレタン)、ポリ(ウレタン-尿素)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアルコール-co-酢酸ビニル)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ[(97.5%ジメチルトリメチレンカーボネート)-co-(2.5%トリメチレンカーボネート)]、ポリアクリル酸、ポリアルキレンオキシド、ポリアミド、ポリカプロラクトン(PCL)ポリ-(ヒドロキシ酪酸-co-ヒドロキシ吉草酸)コポリマー(PHBV)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリカプロラクトンco-ブチルアクリレート、ポリデプシペプチド、ポリジオキサノン(PDS)、ポリエステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリグリコール酸ならびにそのコポリマー及び混合物(ポリ(L-ラクチド)(PLLA)、ポリグリコール酸[ポリグリコリド(PGA)]、ポリヒドロキシ酪酸(PHBT)及びポリヒドロキシ酪酸のコポリマー、ポリイミノカーボネート、ポリ乳酸、ポリメタクリル酸、ポリオレフィン、ポリホスファゼンポリマー、ポリプロピレンフマレート、ヒアルロン酸などの多糖類、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEテフロン(登録商標))、ポリウレタン、シリコーン、チロシン由来ポリアリレート、チロシン-誘導ポリカーボネート、チロシン誘導ポリイミノカーボネート、チロシン誘導ポリホスホネート、ウレタン、及びそれらの組み合わせ、誘導体及び混合物が挙げられる。
インプラントを作製するために使用できる例示的な侵食性又は生物侵食性ポリマーには、ポリアミド、脂肪族ポリカーボネート、ポリアルキルシアノアクリレート、ポリアルキレンシュウ酸塩、ポリ無水物、ポリカルボン酸、ポリエステル、ポリイミド、ポリ(イミノカーボネート)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ-D,L-乳酸(DL-PLA)、ポリジオキサノン、ポリ(グリコール酸)、ポリ-L-乳酸(L-PLA)、ポリ-L-乳酸-コグリコール酸(PLGA)、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ならびにこれらの誘導体及び混合物の侵食性又は生物侵食性形態が含まれる。ポリマーはまた、セルロースエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリエチレン-co-テトラフルオロエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン、ポリプロピレン、ポリスルホン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、シリコーン、ならびにそれらの誘導体及び組合せからなる群から選択される材料から形成され得る。
インプラントに使用するポリマーのさらなる代表例としては、限定されないが、ABS樹脂、アクリルポリマー及びコポリマー、アクリロニトリル-スチレンコポリマー、アルキド樹脂、カルボキシメチルセルロース、及びエチレン-酢酸ビニルコポリマー、セロファン、セルロースブチレート、セルロースアセテートブチレート、酢酸セルロース、セルロースエーテル、ニトロセルロース、プロピオン酸セルロース、ビニルモノマー同士及びオレフィンとの共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、エポキシ樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体(通称:EVOH、商品名:EVAL)、ポリ(セバシン酸グリセリル)、ポリ(グリコール酸-co-トリメチレンカーボネート)、ポリ(ヒドロキシ酪酸-co-吉草酸)、ポリ(ヒドロキシ吉草酸)、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)、ポリ(フマル酸プロピレン)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリアクリロニトリル、ナイロン66及びポリカプロラクタムなどのポリアミド、ポリカーボネート、ポリシアノアクリレート、ポリジオキサノン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリイミド、ポリイソブチレン及びエチレン-アルファオレフィンコポリマー、ポリオキシメチレン、ポリリン酸エステルウレタン、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族化合物、例えば、ポリスチレン、ポリビニルエステル、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルエーテル、例えば、ポリビニルメチルエーテル、ポリハロゲン化ビニリデン、商品名Solef(商標)又はKynar(商標)のフッ化ビニリデンベースのホモポリマー又はコポリマー、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)又はポリ(ビニリデン-co-ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF-co-HFP)及びポリ塩化ビニリデン、レーヨン、レーヨン-三酢酸、シリコーン、ポリ塩化ビニルなどのハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)のコポリマー、又はそれらの組み合わせが挙げられる。
いくつかの実施形態において、ポリマーは、ポリ(乳酸)とグリコール酸のtoto、ポリ(無水物)、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(D,L-ラクチド)、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(グリコリド)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(L-ラクチド-co-グリコリド)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(オキサアミド)、ポリ(オキサエステル)、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(リン酸エステル)、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(チロシン誘導カーボネート)、ポリ(チロシン誘導イミノカーボネート)、ポリ(チロシン誘導)アリレート)、これらのポリマーとポリ(エチレングリコール)(PEG)のコポリマー、又はそれらの組み合わせであり得る。
本発明のインプラントに有用な非生侵食性ポリマーの例としては、ポリ(エチレン-co-ビニルアセテート)(EVA)、ポリビニルアルコール、及びポリカーボネート系ポリウレタンなどのポリウレタンが挙げられる。
インプラントに好ましいポリマーは、エチルビニルアセテート(EVA)である。
インプラントがEVAを含むいくつかの実施形態において、又はインプラントがコア及びEVAを含む1つ以上の追加層を含むいくつかの実施形態において、酢酸ビニル含有量は、約2~約40重量%、約10~約35重量%、約30~約35重量%、又は約33重量%であり得る。
インプラントの第1層のEVA-カッパ-オピオイド受容体アゴニストブレンドは、一般に約10%~約85%、例えば、約10%、20、30、40、50、55、60、65、70、75、80、又は85%カッパ-オピオイド受容体アゴニスト、例えば、約25%~約50%カッパ-オピオイド受容体アゴニスト、又は約50%~約75%カッパ-オピオイド受容体アゴニストを含む。1つの実施形態において、インプラントの第1層のEVA-カッパ-オピオイド受容体アゴニストブレンドは、約50%カッパ-オピオイド受容体アゴニスト及び約50%EVAを含む。いくつかの実施形態において、インプラントの第1層のEVA-カッパ-オピオイド受容体アゴニストブレンドは、約66.7%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト及び約33.3%のEVAを含む。いくつかの実施形態において、インプラントの第1層のEVA-カッパ-オピオイド受容体アゴニストブレンドは、約75%のカッパ-オピオイド受容体アゴニスト及び約25%のEVAを含む。様々な実施形態において、カッパ-オピオイド受容体アゴニスト放出の持続時間は、約3ヵ月~約1年、又はそれより長い、例えば、少なくとも約3、6、9、又は12ヵ月である。
インプラントのコア又は任意の層は、単一タイプのポリマー又は2つ以上のポリマーの混合物を含むことができる。2つのポリマーの混合物は、薬物の放出速度を調節し得る。有効な治療量の薬物が、適度に長い期間インプラントから放出されることが望ましい。Yangらの米国特許第6,258,121号は、放出速度の異なる2つのポリマーをブレンドし、それらを単1層に組み込むことによって放出速度を変更する方法を開示した;この技術はまた、インプラント時の薬物のバースト放出を減少させることができる。
適宜、カッパ-オピオイド受容体アゴニストを通さないコーティングをインプラントの少なくとも一部の上に置き、放出速度をさらに調節する。適宜、インプラントはカッパ-オピオイド受容体アゴニストを不透過性のコーティングを有しない。
例示的な追加の医薬物質
本明細書中で使用される場合、「薬物」又は「医薬物質」は、生体に対して治療的価値を有する任意の生物学的に活性な物質又は他の物質である。カッパ-オピオイド受容体アゴニストを含むインプラントには、さらなる医薬物質を含めることができる。これらの追加の医薬物質には、付加的なカッパオピオイド受容体アゴニスト、muオピオイド受容体アゴニスト、muオピオイド受容体アンタゴニスト、混合muオピオイド受容体アゴニスト/アンタゴニスト、例えばブプレノルフィン、三角オピオイド受容体アゴニスト、三角オピオイド受容体アンタゴニスト、抗炎症薬、及びステロイドが含まれる。
いくつかの実施形態において、追加の医薬物質又は物質は、ブプレノルフィン及びフェンタニルからなる群から独立して選択される。
インプラントの挿入及び除去
本開示の1つの方法において、インプラントは、皮下移植によって投与され、好ましくは、皮膚と筋層との間の間隙に配置される。様々な実施形態では、インプラントは、上腕、肩甲骨領域、背部、脚及び腹部からなる群から選択される部位に皮下移植される。移植前に、個体を、例えばイソフルラン又は当該技術分野で公知の他の麻酔剤で軽く麻酔することができ、及び/又は移植部位に局所麻酔、経皮麻酔、又は皮下麻酔剤を適用することができる。皮膚を通して小さな切開を行い、トロカールを皮下に挿入した後、1つのインプラントを装填する。スタイレットを挿入してインプラントを所定の位置に保持し、トロカールを慎重に取り外し、インプラントを皮下空間に残すことができる。各部位は閉鎖し、後で検査することができる。皮膚刺激、炎症、感染又は他の部位特異的有害作用などの合併症は、必要に応じて、例えば抗生物質を用いてモニタリング及び治療することができる。
様々な実施形態では、インプラントは、約3ヶ月間まで体内に残すことができ、例えば、約1ヶ月から約2ヶ月間、約2ヶ月から約3ヶ月間、又は約1ヶ月から約3ヶ月間、体内に残すことができる。様々な実施形態では、インプラントは、約6ヶ月まで体内に残すことができ、例えば、約1ヶ月から約6ヶ月間、約3ヶ月から約6ヶ月間、又は約5ヶ月から約6ヶ月間、体内に残すことができる。様々な実施形態では、インプラントは、約1年間まで体内に残すことができ、例えば、約6ヶ月から約1年間、又は約9ヶ月から約1年間、体内に残すことができる。体内への薬物の持続的放出の期間は、約3ヵ月~約1年、又はより長く、例えば、少なくとも約3ヵ月~約6ヵ月、少なくとも約6ヵ月~約9ヵ月、少なくとも約9ヵ月~約1年、少なくとも約12ヵ月~約18ヵ月、少なくとも約15ヵ月~約24ヵ月、少なくとも約18ヵ月~約24ヵ月、少なくとも約21ヵ月~約24ヵ月、又は約24ヵ月であり得る。いくつかの実施形態において、インプラントは、1年間まで体内に残すことができる。インプラントは、治療期間の終わりに、ピンセットを用いて、例えば3mmの切開を通して、身体から取り出すことができる。
第2のインプラントは、例えば、第1のインプラントから放出された薬物によって引き起こされるあらゆる有害作用を打ち消すために、医薬物質を送達するために使用され得る。
単一の薬物の送達を調節するために、又はいくつかの薬物を送達するために、複数のインプラントを単一の個体に挿入することができる。
使用説明書
本明細書に開示されている1つ以上のインプラントを用いて掻痒を治療することができる。本明細書に開示されている1つ以上のインプラントを用いて、慢性掻痒、すなわち、6週間を超えて持続する掻痒を治療することができる。本明細書に開示されている1つ以上のインプラントを用いて、尿毒症性掻痒を治療することができる。本明細書に開示されているような1つ以上のインプラントは、慢性肝疾患に関連する掻痒、麻痺性無痛症、湿疹、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、熱傷、又は瘢痕化などの原因から生じる掻痒を治療するために使用することができる。
さらなる実施形態において、本開示は、掻痒の治療に使用するカッパオピオイド受容体アゴニストを含むインプラントを包含する。さらなる実施形態において、本開示は、尿毒症性掻痒の治療に使用するカッパオピオイド受容体アゴニストを含むインプラントを包含する。さらなる実施形態において、本開示は、慢性肝疾患に関連する掻痒、麻痺性脊痛、湿疹、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、熱傷、又は瘢痕化などの原因に起因する掻痒の治療に使用するカッパオピオイド受容体アゴニストを含むインプラントを包含する。
さらなる実施形態において、本開示は、かゆみの治療のためのインプラントの製造のためのカッパオピオイド受容体アゴニスト及び本明細書に開示されるポリマーの使用を包含する。さらなる実施形態において、本開示は、尿毒症性掻痒の治療のためのインプラントの製造のためのカッパオピオイド受容体アゴニスト及び本明細書に開示されているポリマーの使用を包含する。さらなる実施形態において、本開示は、慢性肝疾患に関連する掻痒、神経痛麻痺、湿疹、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、乾癬、熱傷、又は瘢痕化などの原因に起因する掻痒の治療のためのインプラントの製造のための、カッパオピオイド受容体アゴニスト及び本明細書中に開示されるポリマーの使用を包含する。
実施例1
化合物Aをラットに移植した場合の血漿中濃度
50%の化合物A(塩として)及び50%のエチレンビニルアセテートからなるコア、及び3%の化合物A及び97%のエチレンビニルアセテートからなるシェルを有する10個の共押出インプラントを調製した。インプラントの長さは26mm×直径1.5mm、重量は48mgであり、17.5mgの化合物Aを含んでいた。押出後、インプラントを洗浄し、乾燥し、包装し、25KGyのEビーム照射により滅菌した。
インプラントをラットに移植し(ラット当たり1インプラント)、血漿レベルを測定した。結果を図1に示す。インプラント表面上の薬物からの最初のピーク後、ラット血漿レベルは約1.4~約4ng/mlの範囲内で約2,000時間(約83日)持続した。
実施例2
マウスプロトタイプEVAインプラントを用いた慢性送達によるマウスかゆみモデルにおける化合物Aの延長効果
化合物Aインプラントを、雄C57BL/6マウスにおける試験のためにエチレン-酢酸ビニル(EVA)マトリックス中に処方した。マウスのサイズが小さいため、限られた量の薬物(10mg)を含む試験埋植プロトタイプ(25mm×1.5mm)をこのマウスモデル研究に使用した。マウスインプラントは、50%の化合物A(塩として)及び50%のエチレンビニルアセテートからなるコア、及び3%の化合物A及び97%のエチレンビニルアセテートからなるシェルを有した。押出後、インプラントプロトタイプを洗浄し、乾燥し、包装し、25KGyのEビーム照射により滅菌した。
各マウスに1つの化合物Aインプラントを移植した後、薬物含有インプラント(N=5)で処置したマウス及びプラセボインプラント又は偽手術(N=7)で処置しなかった対照マウスに、移植後1、14及び28日目に5’-グアニジノナルトリンドール(5’GNTI)を負荷した。スクラッチイベントをモニターした。図2に示された結果は、マウス当たり1インプラントの用量での化合物Aプロトタイプインプラントが、インプラント後14日まで持続するかゆみ抑制を与え、引っかき行動は動物については28日までに対照レベルに戻ることを示した。
実施例3
急性皮下注射及びEVAマウスプロトタイプインプラントからの化合物Aマウス血漿濃度の薬物動態評価
雄C57BL/6マウスを、生理食塩水中の化合物A(0.3mg/kg薬物を投与し、10mL/kgの注射容量を用いて)の皮下急性注射後、又は各マウスに1つの化合物Aインプラントを移植した後、薬物動態分析のためにサンプリングした。使用したインプラントは実施例2に記載したとおりであった。
図3に示された結果は、移植後最初の14日間にわたって、化合物Aマウスプロトタイプインプラントが、急性0.3mg/kg皮下注射による治療的抗掻痒活性について推定されたレベルを十分に上回る化合物Aの血漿濃度を提供したことを示す。
実施例4
模擬血漿中濃度
模擬血漿レベルは、化合物Aを含有するインプラント、及びカッパオピオイド受容体アゴニストであるCR-845の静脈内ボーラス投与について計算した。CR-845は一般にジフェリケファリンとして知られており、Korsuva(登録商標)のブランド名で販売されている。
図4は、75%カッパオピオイド受容体占有に必要なジフェリケファリン(320pg/mL)の血漿レベル(点線)と比較して、化合物A(0.5mg/日(丸印)又は0.1mg/日(丸印))、及びCR-845について、0.08mg IVボーラス(破線)としての移植後1週間にわたるヒト血漿レベルのシミュレーションを示す。マウスの皮下データをシミュレーションに用いて、ヒトに対するアロメトリックスケール(第13.7因子)により分布及び排泄の薬物動態パラメータを定義した。
実施例5
化合物A含有インプラントは84日間にわたるマウスの引っかきイベントを減少させる
雄C57BL/6マウス(8~14週齢、N=7~8)に、各々1つの化合物A含有インプラント(26×2.6mm、50%負荷、60mg化合物A/インプラント)を移植した。対照は、無処置マウス又はプラセボ(EVAのみ)移植片を移植したマウス(N=5~7)であった。移植後28、56及び84日目に、マウスを、身づくろい及び運動に対するストレス効果を最小限にするために、掻痒物質5’-GNTIでのチャレンジの少なくとも2時間前に、光サイクルの間、行動室に移した。5’GNTI(0.1mg/kg)を頭/頸部のすぐ尾部に皮下注射し、マウスを直ちに網目状の壁と明るい色のメラミン床を備えた観察室(25×25cm)に置き、掻痒誘発後90分まで上からビデオを記録し、次に、取り出し、ハウジングコロニー内の自宅ケージに戻した。その後、観察の最初の30分間、ビデオ記録を、耳の後方の前足引っかきブート、又は動物の側腹/背中の後足引っかきブートのいずれかに分類した引っかき行動の量について分析した。
図5は、化合物A含有インプラントを有するマウス対対照マウスにおけるスクラッチイベントの減少を示す。(28日目のD28C=対照マウス、28日目のD28A=化合物Aを埋植したマウス、56日目のD56C=対照マウス、56日目のD56A=化合物Aを埋植したマウス、84日目のD84C=対照マウス、84日目のD84A=化合物Aを埋植したマウス)。
上述の開示された組成物、製造物品、インプラント、方法、キット、及び他の開示は、理解を明確にする目的で、例示及び例示として、ある程度詳細に記載されてきたが、当業者には、開示の精神及び範囲から逸脱することなく、ある種の変更及び修正を実施することができることは明らかであろう。したがって、明細書は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
本明細書に引用されるすべての刊行物、特許及び特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。

Claims (38)

  1. 個人における掻痒を治療する方法であって、
    持続放出組成物を含むインプラントを個体に投与することを含み、ここで、持続放出組成物はカッパ-オピオイド受容体アゴニスト及び生体適合性ポリマーマトリックスを含み、
    持続放出組成物は、投与後に、カッパ-オピオイド受容体アゴニストの治療有効量を放出するように構成される方法。
  2. カッパ-オピオイド受容体アゴニストがペプチドを含む、請求項1に記載の方法。
  3. カッパ-オピオイド受容体アゴニストが式I:
    の化合物、又はその薬学的に許容される塩若しくは立体異性体を含み、
    式中、Rは、
    であり、
    式中、nは1~4の整数であり;
    Xは、-NR又は-Nであり;
    、R、R、及びRの各々は、独立して、水素、C-Cアルキル、C-C置換アルキル、C-Cアルケニル、C-C置換アルケニル、C-Cアルキニル、C-C置換アルキニル、C-Cシクロアルキル、C-C10アリール、C-C10置換アリール、又は-C-CアルキルC-C10アリールであり;
    は、水素、C-Cアルキル、C-C置換アルキル、C-Cアルケニル、C-C置換アルケニル、C-Cアルキニル、C-C置換アルキニル、C-Cシクロアルキル、C-C10アリール、C-C10置換アリール、-C-CアルキルC-C10アリール、又は-NRであり;
    、R、R、及びRの各々は、独立して、水素、C-Cアルキル、C-C置換アルキル、C-Cアルケニル、C-C置換アルケニル、C-Cアルキニル、C-C置換アルキニル、C-Cシクロアルキル、C-C10アリール、C-C10置換アリール、又は-C-CアルキルC-C10アリールであり;あるいは
    代替的に、R及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって複素環を形成し;又は
    代替的に、R及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって複素環を形成する、請求項2に記載の方法。
  4. Rが、
    である、請求項3に記載の方法。
  5. Rが、
    である、請求項3に記載の方法。
  6. Rが、
    である、請求項3に記載の方法。
  7. Rが、
    である、請求項3に記載の方法。
  8. Rが、
    である、請求項3に記載の方法。
  9. Rが、
    である、請求項3に記載の方法。
  10. Rが、
    である、請求項3に記載の方法。
  11. 生体適合性ポリマーマトリックスが、エチレンビニルアセテート(EVA)コポリマー、架橋ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、アシル置換セルロースアセテート、加水分解アルキレン-ビニルアセテートコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリビニルフッ化物、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルホン、スチレンアクリロニトリルコポリマー、架橋ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(アルキレン)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリ(エステル)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリホスファゼン、クロロスルホン化ポリオレフィン、ポリ-ラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 生体適合性ポリマーマトリックスが、エチレンビニルアセテート(EVA)コポリマーを含む、請求項1~10のいずれ1項に記載の方法。
  13. EVAコポリマーが、コポリマーの全重量の約20%~約40%の酢酸ビニルを含む、請求項12に記載の方法。
  14. EVAコポリマーが、コポリマーの全重量の約33%の酢酸ビニルを含む、請求項12に記載の方法。
  15. カッパ-オピオイド受容体アゴニストが、全重量の約10%~約85%の徐放性組成物を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
  16. カッパ-オピオイド受容体アゴニストが、全重量の約30%の徐放性組成物を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の方法。
  17. インプラントが、直径約0.5mm~約10mm、長さ約0.5cm~約10cmを有するロッド形状デバイスである、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. インプラントが、直径約2mm~約3mm、長さ約2cm~約4cmを有するロッド形状デバイスである、請求項1~16のいずれか1項に記載の方法。
  19. インプラントが、1日当たり約0.1mg~約10mgのカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、1日当たり約0.1mg~約0.5mgのカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、1日当たり約0.5mg~約1.0mgのカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、1日当たり約1.0mg~約3.0mgのカッパ-オピオイド受容体アゴニスト、又は1日当たり約3.0mg~約5.0mgのカッパ-オピオイド受容体アゴニストを放出する、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. インプラントが皮下投与される、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. インプラントが、徐放性組成物を含むコアと、コアを取り囲む第1層の生体適合性ポリマーマトリックスを含む第1層とを含む、請求項1~20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 第1層の生体適合性ポリマーマトリックスが、エチレンビニルアセテート(EVA)コポリマー、架橋ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、アシル置換セルロースアセテート、加水分解アルキレン-ビニルアセテートコポリマー、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルキルエーテル、ポリビニルフッ化物、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスルホン、スチレンアクリロニトリルコポリマー、架橋ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(アルキレン)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリ(エステル)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリホスファゼン、クロロスルホン化ポリオレフィン、ポリ-ラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PGA)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)(PLGA)、又はそれらの組み合わせを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 第1層の生体適合性ポリマーマトリックスが、エチレンビニルアセテート(EVA)コポリマーを含む、請求項21に記載の方法。
  24. 第1層の生体適合性ポリマーマトリックスのEVAコポリマーが、コポリマーの全重量の約20%~約40%の酢酸ビニルを含む、請求項23に記載の方法。
  25. 第1層の生体適合性ポリマーマトリックスのEVAコポリマーが、コポリマーの全重量の約33%の酢酸ビニルを含む、請求項23に記載の方法。
  26. インプラントが、生体適合性ポリマーマトリックスを含む1つ以上の追加の層をさらに含む、請求項21~25のいずれか1項に記載の方法。
  27. コア、第1層、及び1つ以上の追加の層(存在する場合)のいずれかが、1つ以上の追加の医薬物質をさらに含む、請求項21~26のいずれか1項に記載の方法。
  28. インプラントが、少なくとも約3ヵ月、少なくとも約6ヵ月、少なくとも約9ヵ月、少なくとも約12ヵ月、少なくとも約15ヵ月、少なくとも約18ヵ月、少なくとも約21ヵ月、又は少なくとも約24ヵ月間、個体内に保持される、請求項1~27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 血漿中の医薬物質の濃度が、少なくとも約3ヵ月、少なくとも約6ヵ月、少なくとも約9ヵ月、少なくとも約12ヵ月、少なくとも約15ヵ月、少なくとも約18ヵ月、少なくとも約21ヵ月、又は少なくとも約24ヵ月間、ほぼ一定又は本質的に一定である、請求項28に記載の方法。
  30. 持続放出組成物を含むインプラントであって、持続放出組成物がカッパ-オピオイド受容体アゴニスト及び生体適合性ポリマーマトリックスを含み、
    インプラントが、持続放出組成物を含むコアと、コアを取り囲む第1層の生体適合性ポリマーマトリックスを含む第1層とを含み;
    持続放出組成物が、投与後に、治療有効量のカッパ-オピオイド受容体アゴニストを放出するように構成されている、インプラント。
  31. インプラントが、生体適合性ポリマーマトリックスを含む1つ以上の追加の層をさらに含む、請求項30に記載のインプラント。
  32. コア、第1層、及び1つ以上の追加の層(存在する場合)のいずれかが、1つ以上の追加の医薬物質をさらに含む、請求項30又は請求項31に記載のインプラント。
  33. 掻痒が慢性掻痒である、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
  34. 掻痒が尿毒症性掻痒である、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
  35. 掻痒が皮膚炎から生じる、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
  36. 掻痒がアトピー性皮膚炎から生じる、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
  37. 掻痒が慢性肝疾患から生じる、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
  38. 掻痒が麻痺性鼻痛から生じる、請求項1~29のいずれか1項に記載の方法。
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