JP2024513357A - 濃厚物質搬送システムの安定性監視機能 - Google Patents

濃厚物質搬送システムの安定性監視機能 Download PDF

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Abstract

本発明は、濃厚物質を搬送するための濃厚物質ポンプ(16)と、搬送される濃厚物質を分配するための濃厚物質分配マスト(18)と、濃厚物質分配マスト(18)及び濃厚物質ポンプ(16)が配置される下部構造(30)と、回転機構(19)の位置を示す第1の動作情報と、マストアーム(41)のうちの少なくとも1本の位置を示す第2の動作情報と、支持脚(32)の位置を示す第3の動作情報と、濃厚物質搬送システム(10)の傾斜角度を示す第4の動作情報とを検出するように少なくとも設計される、センサユニット(11)と、少なくとも1つの検出された動作情報に基づいて、濃厚物質搬送システム(10)の安定性パラメータを決定するための処理ユニット(12)とを備える、濃厚物質搬送システム(10)に関する。【選択図】 図1a

Description

本発明は、とりわけ、濃厚物質ポンプと、濃厚物質分配マストと、下部構造と、センサユニットと、処理ユニットとを備える濃厚物質搬送システムに関する。
従来技術から、一般的な濃厚物質又はスラリー搬送システムが知られている。それらの安定性を監視するために、通常、濃厚物質搬送システムの始動前であっても、すなわち実際の搬送プロセスの前に、様々な動作パラメータを測定又は手動で入力することが必要であり、その動作パラメータによって、任意の既存の又は存在しない安定性に関する結論を計画された動作のために引き出すことができる。ここで考慮される動作パラメータは、支持脚の位置、シャーシの傾斜の存在、旋回ギヤの位置、及び旋回ギヤに接続された第1のマストアームの0°又は90°の想定される傾斜である。最大安定性の動的監視も知られており、第1のマストアームのマストアーム接合部に加えられる力もさらに含まれる。しかしながら、このような監視は、それぞれの一般的な動作状態に依存するため、特定の濃厚物質を搬送するための安定性に関する記述も搬送プロセス中にのみ行うことができる。
したがって、上述の問題を背景として、本発明の目的は、改良された濃厚物質搬送システムを提供することである。
本発明による達成は、独立請求項の特徴にある。有利な改良は、従属請求項の主題である。
本発明によれば、濃厚物質を搬送するための濃厚物質ポンプと、搬送される濃厚物質を分配するための濃厚物質分配マストであって、濃厚物質分配マストは、鉛直軸線を中心に回転可能な旋回ギヤと、少なくとも2本のマストアームを備えるマストアセンブリとを有する、濃厚物質分配マストと、濃厚物質分配マスト及び濃厚物質ポンプが配置される下部構造であって、下部構造は、少なくとも1つの水平方向及び鉛直方向に変位可能な支持脚によって下部構造を支持するための支持構造体を備える、下部構造と、動作情報の項目をそれぞれ取り込むための複数のセンサを有するセンサユニットであって、センサユニットは、旋回ギヤの位置を示す第1の動作情報の項目と、マストアームの少なくとも1本の位置を示す第2の動作情報の項目と、支持脚の位置を示す第3の動作情報の項目と、濃厚物質搬送システムの傾斜角度を示す第4の動作情報の項目とを取り込むように少なくとも構成される、センサユニットと、取り込まれた動作情報の項目に応じて、濃厚物質搬送システムの安定性パラメータを決定するための処理ユニットと、を有する濃厚物質搬送システムが開示される。
本発明による濃厚物質搬送システムは、例えば、トラック搭載型のコンクリートポンプである。
本発明は、リアルタイムで可能な安定性の動的かつ状況依存的な監視を伴う、濃厚物質搬送システムの特に有利な設計実施形態である。旋回ギヤの位置、マストアームの少なくとも1本の位置、支持脚の位置、及び濃厚物質搬送システムの傾斜角度を表す動作情報の項目の組み合わせを考慮して、安定性パラメータを決定することにより、このようにして具現化された濃厚物質搬送システムの安定性に関する記述を、簡単な手段かつ信頼できる方法で行うことができる。例えば、典型的には2300kg/mであると仮定される搬送される濃厚物質の密度などの、濃厚物質搬送システムの様々な他の動作パラメータが近似値によって一定であると仮定されたとしても、ここでは、変動を受ける圧力センサシステムをマストアセンブリ内又は支持脚内に必要とせずに、濃厚物質搬送システムの安定性監視における特に高いレベルの精度、一貫性、及び柔軟性を達成することができる。
さらに、変動を受ける信号の複雑なフィルタリングが必要とされないので、リアルタイムで実行することができる、動的で低レイテンシの安定性監視を伴う濃厚物質搬送システムが設けられる。実際に搬送されている濃厚物質の重量は安定性の決定に含まれないため、現在の安定性の決定はさらに、実際に行われている濃厚物質の搬送プロセスとは無関係であり、したがって、問題のある安定性が予想される場合には、早期のプロアクティブな応対を既に行うことができる。このようにして、特にコアポンプ及びS字管の移動に起因する、濃厚物質搬送システムの濃厚物質ポンプの動作に関連付けられる、濃厚物質搬送システム内で搬送される濃厚物質の質量分布の変動も補償することができ、これは信頼性に寄与し、安定性監視の使いやすさにも寄与する。同様に、安定性の所定の最大上限の周期的な逸脱が、とりわけ、濃厚物質ポンプの動作の周期的な変動によって引き起こされるが、原則として許容され得、関連する濃厚物質搬送システムのオン及びオフの切り替えを回避することができる。
まず、いくつかの用語を以下に説明する。
濃厚物質は、搬送の困難な媒体の総称である。濃厚物質は、例えば、粗粒子状の成分を有する物質、腐食性の成分を有する物質などであり得る。濃厚物質はバルク材料であってもよい。一実施形態では、濃厚物質は生コンクリートである。生コンクリートは、30mmを超えるサイズまでの粒子を含むことができ、結合し、空隙内に堆積物を形成し、したがって搬送が困難である。例示的な濃厚物質には、800kg/mから2300kg/mまでの密度を有するコンクリート、又は2300kg/mを超える密度を有する重コンクリートが含まれる。
濃厚物質ポンプは、2つ、例えば正確には2つの搬送シリンダを有するコアポンプを備えることができる。この場合、第1の搬送シリンダから第2の搬送シリンダへの切り替えと、第2の搬送シリンダから第1の搬送シリンダへの切り替えとが交互に行われる。搬送シリンダ間でS字管を周期的に切り替えることができる。さらに、各移行部を橋渡しするように補助シリンダを構成することができる。
旋回ギヤは、鉛直軸線、例えば旋回ギヤの中心軸線を中心に、例えば360度回転可能である。旋回ギヤは、油圧若しくは空気圧シリンダ、又は電気機械式アクチュエータ、或いは複数の、さらには異なる種類のアクチュエータの組み合わせなどの少なくとも1つのアクチュエータを備えることができ、それによって前記旋回ギヤは下部構造に対してその位置を回転的に変更することができる。この目的のために、旋回ギヤは、典型的には、油圧モータと、遊星ギヤボックスを有するピニオンとを備える。
マストアセンブリは、少なくとも2本のマストアームを備えるが、3本、4本、又は5本のマストアームを備えてもよい。典型的には、マストアセンブリは、3~7本のマストアームを備える。ここで、第1のマストアームは、その近位端において旋回ギヤに接続され、その遠位端において、隣接するマストアームの近位端に接続される。他のマストアームは連続しており、それらの近位端で隣接するマストアームの遠位端にそれぞれ接続されている。マストアセンブリの遠位端は、ここでは、連続する最後のマストアームの遠位端に対応し、さらに、その遠位端にさらなる接続部を有さない。連続する最後のマストアームの遠位端は、可能な荷重取付け点を画定する。
ここで、マストアセンブリ内のマストアームは、少なくとも例えば、他のマストアームとは少なくとも独立して一次元でのみ移動することができるように、それぞれマストジョイントによって互いに接続される。各マストアームには、ここでは、マストアームの近位端にマストジョイントが割り当てられている。
第1のマストアームは、そのマストジョイントによって、旋回ギヤがその鉛直軸線を中心に回転するとき、第1のマストアーム、及び実施形態ではマストアセンブリ全体もこの軸線を中心に回転するように旋回ギヤに接続される。例えば、マストアームは、前記マストアームが例えば旋回ギヤとは独立して鉛直方向にのみ移動することができ、例えば前記マストアームのマストジョイントによって回転することができるように、旋回ギヤに締結される。マストアームが伸縮機能を有し、その長手方向軸線に沿って伸縮式に連続的に伸長又は縮小することができることも考えられる。例えば、マストアームは、マストアームの少なくとも遠位端が3つの空間方向(x、y、z方向)のうちの少なくとも1方向に移動可能であるように調整可能である。
代替的又は追加的に、マストアームは、その長手方向軸線を中心に回転可能であり得る。例えば、マストアームは、油圧若しくは空気圧シリンダ、又は電気機械式アクチュエータ、或いは複数の、さらには異なる種類のアクチュエータの組み合わせなど、そのマストジョイント用の少なくとも1つのアクチュエータを備え、それによって前記マストアームは、少なくとも別のマストアーム、特に近位端に接続されたマストアームに対してその位置を変更することができる。アクチュエータは、例えば、マストアームを水平軸線を中心に回転的に枢動させるように構成することができ、マストアームは、例えば、そのマストアーム接合部を通って延び、及び/又は前記マストアームを並進的に1つ、2つ、又はすべての空間方向に移動させるように構成することができる。
代替的又は追加的に、マストアームは、それにより前記マストアームが、例えば、伸縮式に、伸長、縮小、又は回転することができるさらなるアクチュエータを有することができる。
下部構造は、例えばシャーシなどの基本構造であり、その上に、濃厚物質分配マスト及び濃厚物質ポンプが配置される。例えば、濃厚物質分配マスト及び/又は濃厚物質ポンプは、下部構造に締結される。下部構造は、固定式(例えば、プラットフォームとして)又は可動式(例えば、車両として)に構成することができる。濃厚物質分配マスト及び濃厚物質ポンプが下部構造に配置される結果として、濃厚物質搬送システム全体は、ユニットとして特にコンパクトに、例えばトラック搭載型コンクリートポンプの形態で構成されることができる。
濃厚物質搬送システムは、本発明による方法を実行又は制御するための手段を備える。これらの手段は、特にセンサユニット及び処理ユニットを備えるが、濃厚物質搬送システムの制御ユニットを備えてもよく、それぞれ別個のハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素として、又は様々な組み合わせで統合されたハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素として構成されてもよい。この手段は、例えば、コンピュータプログラムのプログラム命令を有する少なくとも1つのメモリと、少なくとも1つのメモリからのプログラム命令を実行するように設計された少なくとも1つのプロセッサとを備える。
センサユニットは、少なくとも1つの動作情報の項目を、特に自動的に、かつユーザ入力とは独立して取り込むように設計される。動作情報の項目は、指定された時間間隔で繰り返し取り込まれたと考えられる。例えば、動作情報の項目の取得は、この動作情報の項目の特徴である測定変数を測定することによって行うことができる。センサユニットは、ここでは、同じ種類又は異なる種類の1つ又は複数のセンサを備えることができる。例示的なセンサは、角度測定センサ(例えば、旋回ギヤの位置を取り込むために)、力及び圧力センサ(例えば、マストアームのマストジョイントのシリンダ力又はマストアームのアクチュエータに作用する力を取り込むために)、位置センサ(例えば、GPS、GLONASS又はGalileoなどの衛星ベースの位置システムのセンサ)、位置センサ(例えば、傾斜角度を取り込むためのスピリット、空気レベル、又は傾斜センサ)、電気センサ(例えば、誘導センサ)、距離を取り込むための距離センサとしての光学センサ(例えば、搬送される濃厚物質の種類を取り込むための光バリア、レーザセンサ又は2Dスキャナ)、又は音響センサ(例えば、搬送される濃厚物質の密度を取り込むための超音波センサ、又は振動センサ)である。同様に、センサユニットの複数のセンサの相互作用によって動作情報の項目を取り込むこともできる。このようにして、例えば、角度測定センサ及び位置センサの測定値を組み合わせることによって、マストアームの位置を好適に取り込むことができる。
代替的又は追加的に、センサユニットはまた、1つ又は複数の(例えば、無線)通信手段を備えることができ、それによって(例えば、外部から)取り込まれた又は定義された動作情報の項目をセンサユニットで受信することができる。
処理ユニットは、濃厚物質搬送システムの安定性パラメータを決定するように構成されると理解されるべきである。これは、少なくとも取り込まれた動作情報の項目に依存するように行われるべきである。この目的のために、処理ユニットは、例えば、センサユニットによって、情報の項目にアクセスすることができる。安定性パラメータの決定は、安定性パラメータが、質量又は空間的範囲などの、一定であると仮定される濃厚物質搬送システムの構成要素の定義された特性に基づいて、取り込まれた動作情報の項目に応じて計算されることを意味すると理解されるべきである。さらに、支持脚の相互位置決め、構成要素の風表面の影響、ならびに定義された安全性又は限界値などの他の特性も、プロセスにおいて考慮に入れることができる。
下部構造は、少なくとも1つの水平方向及び/又は鉛直方向に変位可能な支持脚によって下部構造を支持するための支持構造体を備える。濃厚物質搬送システムの支持脚は、濃厚物質搬送システムの安定性を高めるのに役立つ支持構造体の構成要素を表す。安定性に対する支持構造体の影響は、特にここでは支持脚の個々の配置及びセットアップに依存する。この目的のために、支持脚は、支持プレートによって地面に支持されることができる。4本の支持脚が、通常、支持構造体用に設けられる。
支持構造体の安定性、したがって濃厚物質搬送システム全体の安定性は、接触面の傾斜縁部からの、濃厚物質搬送システムに作用するすべての力を考慮に入れた作用線の間隔が大きいほど高くなる。しかしながら、安定性に関する信頼できる記述は、少なくとも濃厚物質搬送システムに作用する重量力を考慮に入れた作用線に基づいて既になされてもよい。作用線に実際に作用する力がより多く考慮されるほど、この記述をより正確に行うことができる。したがって、濃厚物質搬送システムの安定性は、接触面の傾斜縁部からの作用線の間隔を表す安定性パラメータによって特に好適に特徴付けることができる。安定性パラメータは、規定された、又は動的に決定可能な安定性範囲内に位置し、この範囲内では、各傾斜縁部からの作用線の距離は0以上であり、この場合には安全マージンが依然として考慮されることが好ましい。支持構造の安定性、したがって濃厚物質搬送システムの安定性は、安定性範囲内に確保される。安定性範囲の上限は、最大安定性パラメータによって定義される。最大安定性パラメータは、傾斜縁部のうちの1つからの作用線の間隔が0であるときに存在する。したがって、傾斜縁部の少なくとも1つからの作用線の間隔は、安定性パラメータが増加すると減少する。上限を超えると、距離は0未満であり、濃厚物質搬送システムの安定性はもはや保証されない。濃厚物質搬送システムの各動作状況に対する安定範囲は、例えば、一定であると仮定される濃厚物質搬送システムの考慮されるべき構成要素の特性を考慮に入れて指定される、又は決定可能であることが考えられる。例えば、支持構造体の各可能な配置について、例えば、支持脚の決定されたセットアップによって、この目的のために接触面を画定又は決定することができる。
傾斜縁部のうちの1つからの作用線の間隔及び作用線の向きは、それぞれ少なくとも濃厚物質搬送システムの重量力に依存し、例えば処理ユニットによって計算することができる。作用線の向きは、鉛直方向成分及び水平方向成分を有してもよく、作用方向及び/又は複数の力の値に依存してもよい。例えば、ここで考慮されるべき1つ又は複数の力は、ユーザ(例えば、適切なユーザインターフェースによる)によって定義することができ、又は選択することができる。例えば、濃厚物質搬送システムの重量力のみが考慮される場合、作用線は、全体的な重心を通る鉛直線に対応する。この場合の作用線の向きは、鉛直線の向きと同一である。作用線の向きが、濃厚物質搬送システムの側面に作用する風力などの水平成分を有する力にさらに依存する場合、作用線の向きは少なくとも1つの水平成分も含み、作用線の向きは鉛直線と等しくない。作用線の向きは、処理ユニットが、好ましくは、1つ又は複数の特定の条件、例えば、濃厚物質搬送システムの動作において一般的な風力より上の1つ又は複数の特定の条件の発生時にのみ、例えば定義された方向にそれぞれの定義された量だけ徐々に向きを適合させることができるように、1つ又は複数の追加の力に依存することが考えられる。また、作用線の向きは、作用の方向及び/又は力を示し、センサユニットによって取り込まれる1つ又は複数の、好ましくはすべての動作情報の項目の値に依存することも考えられる。
例えば、安定性の範囲は、最小値を有する距離マージンとして説明することができ、最小値を超えると、もはや支持構造体の安定性を提供しない。このようにして、構成要素の任意の移動は、例えば、濃厚物質分配マストのマストアームの遠位方向への偏向を減少させることができ、又は、例えば、距離マージンのマストアームの近位方向への偏向を増加させることができる。距離マージンが使い果たされた場合、最大安定性パラメータが存在し、安定性範囲の上限に達している。考慮中の構成要素の動作が、距離マージンが増加すると予想されるように行われる場合、そのような動作は、任意選択的に減速して行うことができる。
動作情報の項目は、多数の可能な特性のうちの一特性又は動作パラメータ及び濃厚物質搬送システムの動作パラメータ又は濃厚物質搬送システムの個々の構成要素を示し、その特性又はその動作パラメータを表す。したがって、構成要素に動作情報の項目を割り当てることができることが可能であるべきである。そのような特性又はそのような動作パラメータは、例えば、測定変数によって特徴付けることができる。これらは、搬送プロセスの開始前でさえ又は開始後にのみ明らかになる特性及び動作パラメータであり得る。例えば、動作情報の項目の取得は、この動作情報の項目の特徴である測定変数を測定することによって行うことができる。同様に、センサユニットによって取り込まれた動作情報の項目は、例えば、1つ又は複数の測定変数が順に入力された上流側の計算の結果とすることができる。そのような上流側の計算は、濃厚物質搬送システムの対応して指定されたユニット内で現場で直接実行されることが考えられるが、例えばサーバ装置などの外部で実行されてもよく、したがって計算された動作情報の項目は、その後、例えば通信インターフェースでセンサユニットから受信することができる。
第1の動作情報の項目は、旋回ギヤの位置を示す。この特性の考慮は、マストアセンブリの重心を決定するために関連する。同様に、支持構造体の非対称な位置合わせ又は傾斜した地面での動作、したがって接触面の非対称性を、結果として安定性パラメータの決定に含めることができる。
マストアームの少なくとも1本の位置は、第2の動作情報の項目において考慮される。これは、絶対位置、すなわち位置及び/又は向き、そうでなければ相対位置とすることができる。位置は、例えば、傾斜センサによって鉛直方向に対するマストアームの傾斜角度の形態で取り込むことができる。相対位置は、マストアームの近位端に接続された別のマストアームと比較して、マストアームの位置によって特徴付けることができる。旋回ギヤに接続された第1のマストアームの場合、これは旋回ギヤの鉛直軸線に対する位置であり得る。マストアームの寸法及び関連して設定されるマストアーム又は旋回ギヤの位置は既知であるため、マストアームの位置は、相対位置、例えば傾斜角度を取り込むことによって既に明確に決定することができる。
第3の動作情報の項目は、支持構造体の支持脚の位置を示す。支持脚のセットアップの助けを借りて、接触面を特に容易に増加させることができ、少なくとも1つの傾斜縁部に関して安定領域を増加させることができる。したがって、少なくとも1本の支持脚の位置は、安定性パラメータの決定に特に関連する。特に、格納状態のゼロ位置と比較した、それぞれ現在の動作状態におけるセットアップ面の水平間隔及び支持脚の水平間隔の方向がここで決定される。さらに、鉛直間隔もここで確認し、考慮することができる。脚位置センサは、GPSセンサとして設計されることも考えられる。
第4の動作情報の項目は、濃厚物質搬送システムの傾斜角度を示す。傾斜角度は、鉛直方向に対する、例えばその下部構造の、濃厚物質搬送システムの角度である。例えば、濃厚物質搬送システムの傾斜角度は、旋回ギヤの回転軸線と鉛直方向との間の角度に対応する。濃厚物質搬送システムが傾斜面上で動作する場合、すなわち傾斜している場合、安定性を維持する鉛直力は、濃厚物質搬送システムの重量力よりも著しく低くなり得、傾斜縁部からの作用線の間隔が変化し得る。したがって、安定性パラメータを決定する際に、濃厚物質搬送システムの傾斜角度を含めることは特に重要である。
さらなる例示的な動作情報の項目は、充填された及び/又は充填されていないコンベヤラインを有するすべてのマストアームの重量、すべてのマストアームの重心の位置、追加の負荷の重量、追加の重量取付け点の位置、マストアームに作用する風力、すべてのマストアームの風面の重心の位置、下部構造の重量、下部構造の重心の位置、格納状態及び/又は拡張状態における支持脚のセットアップ面の位置、及び/又は脚力を示す。
一実施形態によれば、センサユニットは、マストアームのうちの1本の位置を示す動作情報の項目をすべてのマストアームについて取り込むように構成される。
マストアセンブリのすべてのマストアームの位置が取り込まれる場合、業界では基本的に保守的である極端な値を仮定する必要はない。これにより、現在の安定性を状況に適合させ、安定性パラメータの決定の結果としてはるかに正確に決定することができる。
代替で、センサユニットは、マストアームの総数よりも少ない数のマストアームについてのみ、マストアームのうちの1本の位置を示す動作情報の項目を取り込むように構成することができる。例えば、センサユニットは、マストアームのうちの1本についてのみ、マストアームの位置を示す動作情報の項目のみを記録することができると規定することができる。
これは、安定性パラメータを決定する際の精度に関するペナルティを表す。しかしながら、センサユニットのそのような実施形態は、より少ない動作情報の項目を取り込む必要があるようにし、それにより、決定が著しく容易になり、計算集約度が低くなり、全体として複雑さが少なくなる。使用されるセンサの数も最小限に抑えることができる。
好ましくは、処理ユニットは、第2の取り込まれた動作情報の項目に応じて、濃厚物質搬送システムのマストアセンブリの重心の現在位置を計算し、マストアセンブリの重心の計算された現在位置に応じて安定性パラメータを決定するように構成される。
マストアセンブリの重心は、マストアセンブリの理論的な重心を意味すると理解されるべきである。マストアセンブリの理論的な重心を計算するために、第2の取り込まれた動作情報の項目、すなわち少なくとも1本のマストアームの位置を示す動作情報の項目が使用される。さらに、個々のマストアームの重量及びマストアセンブリの総重量も考慮される。いずれの場合も、搬送される濃厚物質の数量の重量をここに含めることができる。この場合に考慮される量は、それぞれのマストアームに割り当てられるマストアセンブリにわたって延在する搬送ラインのセクションに位置する搬送される濃厚物質の量に対応するべきである。対応する動作情報の項目は、センサユニットによって取り込まれ得るか、又は定義され得る。マストアセンブリの重心
Figure 2024513357000002

の位置の例示的な計算は、次式に従って行うことができる。
Figure 2024513357000003

ここで、
Figure 2024513357000004

は、考慮されるn本の数のマストアームを有するマストアセンブリの第iのマストアームのそれぞれの質量を説明し、
Figure 2024513357000005

は、マストアセンブリ全体の質量を説明する。次に、第iのマストアーム
Figure 2024513357000006

の重心の位置は、以下によって計算することができる。
Figure 2024513357000007

ここで、
Figure 2024513357000008

は、第jのマストアームの長さを説明し、
Figure 2024513357000009

又は
Figure 2024513357000010

は、それぞれ第i又は第jのマストアームの傾斜角度を記述する。
Figure 2024513357000011

及び
Figure 2024513357000012

は、第iのマストアームのローカル座標系における第iのマストアームの重心の座標を表す。マストアセンブリ全体の質量m、ならびに個々のマストアームの質量
Figure 2024513357000013

及び長さ
Figure 2024513357000014

は、それぞれ、マストアセンブリの、一定であると仮定される特性とすることができるが、質量の1つ又は複数は、特に、例えばセンサユニットによって状況的に取り込むこともできる。例えば、質量の場合、コンベヤラインの対応するセクションに位置する、又は搬送中にコンベヤラインの対応するセクションに位置すると少なくとも仮定することができる、搬送される濃厚物質の量の質量もそれぞれ考慮される。
マストアセンブリの重心のこのような考慮は、安定性パラメータの信頼できる決定を可能にする。
さらに好ましくは、処理ユニットは、マストアセンブリのすべてのマストアームの位置を示す動作情報の項目に応じて、マストアセンブリの重心の現在位置を計算するように構成される。
この場合、上記の計算例では、考慮されるマストアームの数nは、マストアセンブリのマストアームの総数に対応する。これにより、マストアセンブリの重心の特に正確な計算、したがって安定性パラメータの特に正確な決定も可能になる。
別の実施形態では、マストアームについて、このマストアームの位置を示す動作情報の項目をセンサユニットによって取り込むことができない場合、それぞれのマストアームの水平傾斜を表すこのマストアームの位置を示すそのような動作情報の項目は、マストアセンブリの重心の現在の位置を計算するときに考慮される。
水平傾斜を有するマストアームは0°の傾斜角度を有するので、安定性パラメータに対するマストアームの影響は、安定性パラメータを最大に増加させると仮定される。したがって、マストアームに利用可能な現在取り込まれている動作情報の項目がない場合、このマストアームの位置の最悪の場合の仮定が使用される。したがって、安定性を悪化させるそれぞれのマストアームのより大きな影響が実際には一般的であると考えられ、その結果、追加の安全性が設置される。
例示的な一実施形態によれば、センサユニットは、搬送される濃厚物質の種類を示すさらなる動作情報の項目を取り込むように構成され、処理ユニットは、さらに取り込まれた動作情報の項目に応じてマストアセンブリの重心の現在位置を計算するように、及び/又はさらに取り込まれた動作情報の項目に応じて安定性パラメータを決定するように構成される。
とりわけ、そのような動作情報の項目を取り込むために、センサユニットは、例えば、通信インターフェース及び/又はユーザインターフェースを備えることができる。通信インターフェースは、外部から取り込まれ、例えば、ユーザ入力を介してユーザ端末でユーザによって提供され、搬送される濃厚物質の種類を特徴付ける動作情報の項目が、当業者に知られている方法で受信される、1つ又は複数の(例えば、無線)通信手段を備えることができる。動作情報の項目を取り込むためのユーザインターフェースを備える場合、前記ユーザインターフェースは、少なくとも1つのボタン、キーパッド、キーボード、マウス、ディスプレイユニット(例えば、ディスプレイ)、マイクロフォン、タッチセンサ式ディスプレイユニット(例えば、タッチスクリーン)、カメラ、及び/又はタッチセンサ式表面(例えば、タッチパッド)として構成することができる。例えば、動作情報の項目の取り込みは、ユーザインターフェースで対応するユーザ入力を取り込むことによって行われる。しかしながら、濃厚物質の種類は、適切なセンサ又はセンサユニットのセンサの組み合わせによって、例えば光学センサによって取り込まれることも考えられる。
濃厚物質の種類は、例えば、搬送される濃厚物質の材料組成、密度及び/又は粘度を意味すると理解されるべきである。ここで搬送される濃厚物質の種類を取り込むことにより、濃厚物質の搬送中に、濃厚物質搬送システム内、特にコンベヤライン内のその質量分布について結論を引き出すことができる。結果として、マストアセンブリの重心の現在位置の計算、及び/又は特定の搬送プロセスに適合する、実際に行われている濃厚物質の搬送プロセスとは無関係に、安定性パラメータの決定を、個別に、したがって特に正確に行うことができる。
一実施形態によれば、処理ユニットは、取り込まれた動作情報の項目から濃厚物質搬送システムの全体的な重心の現在位置を計算し、全体的な重心の計算された現在位置に応じて安定性パラメータを決定するように構成される。
この目的のために、処理ユニットは、実際に、1つ、いくつか、又はすべての構成要素の重量及び重心位置などの、濃厚物質搬送システムの多数の特性を考慮に入れなければならない。それにもかかわらず、安定性パラメータの特に信頼できる決定をこのように行うことができる。
さらに、処理ユニットは、接触面の複数の傾斜縁部から濃厚物質搬送システムに作用する少なくとも1つの力の作用線のそれぞれの間隔を計算し、計算された距離に応じて安定性パラメータを決定するように構成することができ、濃厚物質搬送システムに作用する少なくとも1つの力は、濃厚物質搬送システムの全体的な重心の現在の位置で作用する濃厚物質搬送システムの重量力を含む。
傾斜縁部の各々からの大きな間隔では、小さな間隔よりも小さな安定性パラメータがここで決定される。傾斜縁部のうちの1つからの間隔が0未満である場合、安定性パラメータは安定性範囲を超え、濃厚物質搬送システムの安定性はもはや提供されない。間隔の距離マージンとして説明することができる濃厚物質搬送システムの安定範囲は、例えば、作用線に最も近い傾斜縁部のさらに遠位に変位した配置の結果として増加することができる。このような配置の変位は、作用線からさらに離れた1つ又は複数の支持脚の遠位方向に変位した位置決めによって達成することができる。
支持構造体の安定性、したがって濃厚物質搬送システム全体の安定性は、個の表面の傾斜縁部からの作用線の間隔が大きいほど高くなる。
これは、安定性パラメータを決定するための信頼できる可能性を表し、濃厚物質搬送システムの安定性に関する信頼できる記述を可能にする。
好ましくは、濃厚物質搬送システムは、濃厚物質搬送システムの決定された安定性パラメータが濃厚物質搬送システムの最大安定性パラメータよりも大きい場合に第1の制御信号を出力し、濃厚物質搬送システムの決定された安定性パラメータが濃厚物質搬送システムの最大安定性パラメータ以下である場合に第2の制御信号を出力する制御ユニットを備える。
制御ユニットは、有線又は無線信号出力などの制御信号を出力する対応する手段を含む。上述の方法での制御信号の出力の結果として、制御ユニットは、濃厚物質搬送システムの少なくとも1つの構成要素を制御し、構成要素の動作パラメータに作用することができる。第2の制御信号を出力することにより、正しい動作が継続されるが、一方で、第1の制御信号を出力することにより、濃厚物質搬送システムの正しい動作を中断するようになることが考えられる。さらなる制御信号を出力することにより、例えば、濃厚物質搬送システムの1つ又は複数の構成要素の動作を、正しい動作と比較して低速で行わせることができる。
例えば、制御ユニットは、決定された濃厚物質搬送システムの安定性パラメータが最大安定性パラメータよりも大きい場合、マストアセンブリの動作範囲を現在許容されている動作範囲に制限するように構成することができ、その目的のために、制御ユニットは対応する手段を備える。
濃厚物質搬送システムなどの1つ又は複数の構成要素の動作範囲を制限することは、それぞれの構成要素の動作パラメータが制限され、構成要素の動作が制限された動作パラメータに従って行われることを意味すると理解される。これは、それぞれの動作パラメータが、決定された安定性パラメータに応じて、構成要素の依然として許容可能な作用範囲又は依然として許容可能な作用強度に制限され得ることを意味する。特に、許容動作範囲外での構成要素の動作が防止される。限定すると、作用範囲又は作用強度は、原則として、例えば正しい動作中に構成要素にそれぞれ提供される最大作用範囲、及び基本的に提供される最大作用強度よりも小さい。例えば、制御ユニットは、マストアセンブリの動作範囲の現在許容されている上限を決定することができ、マストアセンブリが決定された上限の下回ってのみ偏向されるように、濃厚物質搬送システムの動作を行うことができる。したがって、この場合、例えば、マストアセンブリのマストアームの開き角度又はアクチュエータ力が、対応して決定された限界を超えることを防止することができる。この目的のために、それぞれのアクチュエータは、例えば、制御ユニットによって出力される、それに適した制御信号を受信することができる。したがって、例えば、制御ユニットは、アクチュエータによってマストアームの偏向を制限することができる。さらに、マストアセンブリの動作範囲を制限することは、旋回ギヤの回転角度範囲の追加の又は代替の制限としても理解されるべきである。
同じ種類の少なくとも2つ、好ましくは3つの動作情報の項目が好適に取り込まれる。動作情報の2つの項目は、同一種類と見なされるべきであり、これらは、複数の構成要素に対してそれぞれ取り込まれる。例えば、少なくとも2本の支持脚を有する濃厚物質搬送システムの一実施形態では、濃厚物質搬送システムの第1の支持脚の脚位置を表す動作情報の項目と、第2の支持脚の脚位置を表すさらなる動作情報の項目とは、したがって、濃厚物質搬送システムが2本以上の支持脚を備える場合、同じ種類のものである。
好ましくは、センサユニットは、濃厚物質搬送システムの延長部を示すさらなる動作情報の項目を取り込むようにさらに適合される。
濃厚物質搬送システムがその支持構造体、例えば支持構造体の支持脚によって支持されるとき、延長部が存在する。さらに、検討中の延長部は、例えばその高さによってさらに特徴付けることができる。後者は、例えば、事前定義可能なゼロ位置に対する支持脚のセットアップ面の鉛直間隔のサイズによって定義することができる。代替的に、又は追加的に、下部構造などの濃厚物質搬送システムの別の構成要素の鉛直間隔も使用することができる。同様に、取り込まれた鉛直脚力の定義された閾値を超えることによって延長部を確立することもできる。濃厚物質搬送システムがトラック搭載型コンクリートポンプとして構成される場合、延長部は、車両の車軸のばね移動を測定することによっても特徴付けることができる。延長部の存在は、全体的な重心の位置に影響を及ぼし、したがって、濃厚物質搬送システムの安定性に影響を及ぼす。延長部を取り込むことにより、とりわけ、考慮される濃厚物質搬送システムの質量成分が地上で飛び立たず、該当する場合には釣り合い錘として考慮されなくてもよいことが保証され得る。したがって、安定性パラメータの決定において延長部を考慮に入れることにより、安定性のさらに正確な決定が可能になる。
任意選択で、センサユニットは、支持脚の水平又は鉛直脚力を示すさらなる動作情報の項目を取り込むようにさらに構成される。
水平又は鉛直脚力は、支持脚に作用する水平又は鉛直力を意味すると理解されるべきである。通常、センサユニットは、この目的のために、支持脚ごとに1つ又は複数の脚力センサを備える。同様に、センサユニットは、1つ又は複数のさらなる動作情報の項目又は測定変数に依存する計算によって支持脚の水平又は鉛直脚力を示す動作情報の項目を取り込むように構成することができ、その目的のために、前記センサユニットは、例えば、濃厚物質搬送システムの対応して指定されたユニット、例えば処理ユニットの機能にアクセスすることができる。
例えば、支持脚の鉛直脚力を示す動作情報の項目は、支持脚の位置を示す第3の動作情報の項目、及び全体の重心を示す動作情報の項目に応じて計算することができる。この目的のために、y軸が旋回ギヤの回転軸線に平行に延び、x軸及びz軸がそれぞれ互いに及びy軸に鉛直である座標系を考慮に入れることができる。全体的な重心及び鉛直方向の重力ベクトルによって、y方向の合力Ftotal,yを計算することができ、これはn本の支持脚に作用する力Fによって相殺される。さらに、負荷トルクMLoadは、座標方向z及びxからMtotal,z及びMtotal,xに分けることができる。近似によって、n本の支持脚の脚位置Pを考慮すると、連立方程式は以下を適用する。
Figure 2024513357000015
4本以上の支持脚が設けられる場合、明確な解決策は不可能である。次いで、連立方程式を単純化するために追加の仮定を行うことができる。例えば、支持脚は、異なるばね定数Cを有するばねであると仮定することができる。y方向の変位をdy、x軸及びz軸を中心とした回転をdφ及びdφとすると、結果は次のようになる。
Figure 2024513357000016
負の値が脚力のこの計算をもたらす場合、これは問題の支持脚が持ち上げられているという徴候である。次いで、この支持脚を考慮せずに連立方程式を解くことができる。このようにして、支持脚の鉛直脚力を示す動作情報の項目を、さらなる動作情報の項目を考慮に入れて計算によって取り込むことができる。
上記の特徴は、安定性パラメータのさらに正確で信頼性の高い決定を可能にする。
好ましくは、マストアセンブリの旋回ギヤ及び第1のマストアームの両方、ならびにそれぞれ2本のマストアームは、多関節ジョイントによって互いに接続され、マストアームの位置は、マストアームの近位端における多関節ジョイントの開き角度を決定することによって連続的に検出可能である。例えば、開き角度は、多関節ジョイントを介して接続されたマストアームの傾斜角度を比較することによって確認することができる。さらに、制御ユニットは、マストアームの枢動能力を制限することによって、マストアセンブリの動作範囲を現在許容されている開き角度に制限するように構成することができる。さらに、すべての多関節ジョイントが互いに平行な関節軸を有することが考えられる。さらに、それぞれの多関節ジョイントは、120度、好ましくは150度、特に好ましくは180度の最大開き角度を有することができる。しかしながら、180度~235度、270度まで、又は360度までの開き角度も考えられる。
これは、マストアーム間、又はマストアームと旋回ギヤとの間のそれぞれの接続の、特に容易に実装可能で機能的な実施形態を表し、それにもかかわらず、濃厚物質分配マストのための広い作用範囲が維持される。さらに、そのような実施形態では、センサユニットは、対応する傾斜角度を確認することによって、マストアームの位置を特に容易に記録することができる。マストアームの位置を取り込むための複雑で広範なセンサシステムの使用を回避することができる。
さらに、センサユニットは、マストアームの関節トルクを示すさらなる動作情報の項目を取り込むように構成することができる。
マストアームの関節トルクは、そのマストジョイントに作用するトルクである。これは、とりわけ、マストアセンブリの総重量、風荷重、現在搬送されている濃厚物質の重量、又はマストピーク荷重に対応するマストアセンブリの第1のマストアームの遠位端に作用する重量にも依存するトルクを表す。関節トルクは、例えば、関節トルクに対するそれぞれの関節角度の測定値などの1つ又は複数の他の測定値と併せて、それぞれのマストアームのアクチュエータに作用するシリンダ力又はマストアームのアクチュエータに作用するシリンダ圧力を測定することによって結論付けることができる。例えば、マストアームの関節トルクは、それぞれのマストアームのマストジョイントのシリンダ力及び関節角度から伝達関数によって計算することができる。
さらに、処理ユニットは、すべてのマストアームの関節トルクを示す取り込まれた動作情報の項目に基づいて負荷トルクを計算し、計算された負荷トルクに応じて安定性パラメータを決定するように構成することができる。
このようにして、処理ユニットは、例えば、それぞれのマストアームのシリンダ圧力及び傾斜角度を考慮しながら、リアルタイムで安定性パラメータの特に正確な決定を実行することができる。それにもかかわらず、この場合のセンサユニットは、すべてのマストアームのシリンダ力及び傾斜角度を示す動作情報の項目を取り込むように構成されなければならず、例えば、この目的に適した複数のセンサを備えるように構成されなければならない。
さらなる実施形態では、処理ユニットは、現在許容可能な理論的最大負荷トルクを示す動作情報の項目に応じて安定性パラメータを決定するように構成される。これはまた、いわゆるポンプ予測、すなわち所与のマスト位置でポンピングも実行できるかどうかの判定を可能にする。
一実施形態によれば、濃厚物質ポンプは、ダブルピストンコアポンプと、濃厚物質ポンプの出口に配置され、マストアセンブリにわたって延在する搬送ラインに接続可能な端部を有する切り替え可能なS字管とを備え、センサユニットは、コアポンプの圧送速度を示す別の動作情報の項目、又はS字管のスイッチング速度を示す別の動作情報の項目を取り込むように規定される。
S字管は、搬送シリンダが交互に、濃厚物質ポンプの出口に接続される可動管部である。管部及び補助シリンダは、濃厚物質ポンプに解放可能に接続されたアセンブリの要素とすることができる。これにより、濃厚物質ポンプの保守及び洗浄を容易にすることができる。
ポンプパルスの形態の濃厚物質の搬送の一定でない速度に関連付けられる、ポンピング速度及びスイッチング速度はそれぞれ、典型的には不均一である。これは、次に、濃厚物質搬送システムの搬送ライン内、すなわち、濃厚物質ポンプとマストアセンブリの遠位端との間の空間領域内で搬送される濃厚物質の質量分布及び加速の変動をもたらす。したがって、安定性パラメータを決定するときに、この動的に変化する質量分布を考慮に入れることができる。ポンプ速度の代わりにポンプ周波数も考慮することができ、スイッチング速度の代わりにスイッチング周波数も考慮することができる。典型的には、ポンプ周波数及びスイッチング周波数の値は、この例では同じである。
さらに、本発明によれば、濃厚物質を搬送するための濃厚物質ポンプと、搬送される濃厚物質ポンプを分配するための濃厚物質分配マストであって、濃厚物質分配マストは、鉛直軸線を中心として回転可能な旋回ギヤと、少なくとも2本のマストアームを備えるマストアセンブリとを有する、濃厚物質分配マストと、濃厚物質分配マスト及び濃厚物質ポンプが配置される下部構造であって、下部構造は、水平及び鉛直に変位可能な少なくとも1本の支持脚によって下部構造を支持するための支持構造体を備える、下部構造と、を有し、及び動作情報の項目をそれぞれ取り込むための複数のセンサを有するセンサユニットを有し、ならびに処理ユニットを有する濃厚物質搬送システムを動作させるための方法であって、方法は、旋回ギヤの位置を示す第1の動作情報の項目を取り込むステップと、マストアームのうちの少なくとも1本の位置を示す第2の動作情報の項目を取り込むステップと、支持脚の位置を示す第3の動作情報の項目を取り込むステップと、濃厚物質搬送システムの傾斜角度を示す第4の動作情報の項目を取り込むステップと、取り込まれた動作情報の項目に応じて、処理ユニットによって、濃厚物質搬送システムの安定性パラメータを決定するステップと、を含む方法が開示される。
一実施形態では、方法は、濃厚物質搬送システムの決定された安定性パラメータが濃厚物質搬送システムの最大安定性パラメータよりも大きい場合に、濃厚物質搬送システムの制御ユニットによって第1の制御信号を出力するステップと、濃厚物質搬送システムの決定された安定性パラメータが濃厚物質搬送システムの最大安定性パラメータ以下である場合に、制御ユニットによって第2の制御信号を出力するステップと、をさらに含む。
追加で、第1の制御信号の出力は、マストアセンブリの動作範囲を現在許容されている動作範囲に制限することを含むことができる。
本方法のさらに有利な発展のさらなる説明のために、濃厚物質搬送システムの上述の改良を参照する。
本発明はまた、コンピュータプログラムがプロセッサ上で実行されるときに、プロセッサに本発明による方法を実行及び/又は制御させるためのプログラム命令を有するコンピュータプログラムを含む。本発明によるコンピュータプログラムは、例えば、コンピュータ可読データキャリアに格納される。
上述の実施形態及び構成は、例示としてのみ理解されるべきであり、決して本発明を限定することを意図するものではない。
本発明は、添付の図面を参照して、有利な実施形態によって以下により詳細に説明される。
本発明による濃厚物質搬送システムの例示的な実施形態の概略図を示す。 本発明による濃厚物質搬送システムの例示的な実施形態のさらなる概略図を示す。 本発明による方法の例示的な実施形態の概略フローチャートを示す。
図1a及び図1bには、濃厚物質搬送システム10の様々な図が示されている。図1aは、側面図を示し、図1bは、濃厚物質搬送システム10の要素のサブセットのみが再現される、濃厚物質搬送システム10の背面図を示す。濃厚物質搬送システム10は、濃厚物質を搬送するための濃厚物質ポンプ16と、搬送される濃厚物質を分配するための濃厚物質分配マスト18とを備え、濃厚物質分配マスト18は、鉛直軸線(点線で示される)を中心に回転可能な旋回ギヤ19と、マストアーム41を有するマストアセンブリ40とを有する。さらに、マストアセンブリ40にわたって延在し、濃厚物質ポンプ16の出口に配置される濃厚物質ポンプ16のS字管の端部に接続される搬送ライン17も示される。
さらに、濃厚物質搬送システム10は、その上に濃厚物質分配マスト18及び濃厚物質ポンプ16が配置される下部構造30を備える。下部構造30は、下部構造30を支持するため4本の支持脚32を有する支持構造体31を有する。下部構造30は、例として、車両33上に配置されているものとして示されている。
さらに、センサユニット11及び処理ユニット12が設けられる。センサユニット11は、第1、第2、第3及び第4の動作情報の項目を取り込むように構成される。追加の動作情報の項目のオプションの取り込みも同様に示されている。この目的のために、センサユニット11は、例えば有線又は無線信号線を介して、センサ111、112、113、114、115によってそれぞれ取り込まれた動作情報の項目にアクセスすることができる。図1bは、複数のセンサ111、112、113、114、115の可能な配置を再現している。
角度センサ111は、旋回ギヤ19の位置を示す第1の動作情報の項目を取り込むように構成される。取り込まれる位置は、現在、下部構造30に対する旋回ギヤ19の相対回転であるところである。
位置センサ112は、マストアーム41の位置を表す第2の動作情報の項目を取り込むセンサである。図1aに示す例示的な実施形態では、センサ112は、この目的のためマストアームの傾斜角度によってマストアームの位置を取り込む。マストアームの旋回ギヤ19への接続は、前記マストアームの近位端における多関節ジョイントによる締結として構成される。マストアームの移動のために、濃厚物質分配マスト18は、作動シリンダとして現在構成される少なくとも1つの適切なアクチュエータをさらに備える。図1bの例示的な実施形態には、さらなるマストアームの位置を表す動作情報の項目を記録するさらなる位置センサ112がさらに示されている。したがって、これらは、第2の動作情報の項目と同じ種類の動作情報の項目である。
脚位置センサ113は、支持脚32のうちの1本の位置を示す第3の動作情報の項目を取り込むために設けられる。このプロセスでは、現在の動作状態におけるそれぞれの支持脚32のセットアップ面の水平方向の間隔は、格納状態におけるそのゼロ位置と比較して、センサ113によって確認される。図1aにはそのような脚位置センサ113が1つだけ示され、図1bにはそのような脚位置センサ113が2つだけ示されているが、センサユニット11は、好適には、支持脚32の各々に対してそれぞれ対応するセンサを備え、その結果、第3の動作情報の項目と同じ種類の複数の動作情報の項目がセンサユニット11によって取り込まれる。
水準器(空気レベル)として構成される位置センサ114は、鉛直方向に対する濃厚物質搬送システム10の傾斜角度を特徴付ける第4の動作情報の項目を取り込む。
任意選択のセンサ115は、光学センサとして構成され、第5の動作情報の項目として、濃厚物質搬送システム10の延長部を取り込むように構成される。ここで、例としての延長部は、支持脚32のセットアップ面のそれぞれの鉛直間隔として、それらのゼロ位置と比較して確認される。
しかしながら、センサユニット11は、さらなる動作情報の項目、例えば、マストアーム41の円筒力又は支持脚32の脚力を取り込むためのユーザ入力又は圧力センサによって搬送される濃厚物質の種類を示す動作情報の項目を取り込むためのユーザインターフェースを取り込むための追加のセンサをさらに有することができる。結果として、センサユニット11はまた、対応する動作情報の項目を取り込むためにセットアップされていると理解されるべきである。
処理ユニット12は、取り込まれた動作情報の項目に応じて、濃厚物質搬送システム10の安定性パラメータを決定するように構成される。安定性パラメータは、支持構造体31の、したがって濃厚物質搬送システム10の現在の安定性を特徴付ける。これは、例えば、濃厚物質搬送プロセスの前又はその間に、定義可能な動作状況に対して行うこともできる。この例では、ここで考慮される動作情報の項目は、上述したように、第1、第2、第3、第4、及び第5の動作情報の項目、ならびに第2の動作情報の項目と同じ種類の4つのさらなる動作情報の項目(したがって、各マストアーム41に対して1つ)、及び第3の動作情報の項目と同じ種類の3つのさらなる動作情報の項目(したがって、各支持脚32に対して1つ)である。この目的のために、濃厚物質搬送システム10には、それに必要なハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素を有するセンサユニット11及び処理ユニット12の対応する設計の実施形態が提供される。したがって、例えば、処理ユニット12は、濃厚物質搬送システム10のすべての構成要素のそれぞれの重量及び/又はそれぞれの空間的範囲に関する情報の項目を含む、メモリに格納されたデータにアクセスすることができる。本例では、処理ユニット12は、濃厚物質搬送システム10の全体的な重心の現在位置の計算によって、濃厚物質搬送システム10の安定性パラメータを決定する。
さらに、本例では、濃厚物質搬送システム10の任意選択の制御ユニット13は、処理ユニット12によって決定された安定性パラメータに応じて、制御信号によって濃厚物質搬送システム10の1つ又は複数の構成要素を作動させるようにさらに構成される。したがって、制御ユニット13は、処理ユニット12によって決定された安定性パラメータが、濃厚物質搬送システム10の最大安定性パラメータよりも大きい場合、第1の制御信号を出力するように構成される。この場合、制御ユニット13は、次に、マストアセンブリ40の動作範囲を現在許容されている動作範囲に制限する。さらに、制御ユニット13は、決定された安定性パラメータが最大安定性パラメータ以下である場合、第2の制御信号を出力するようにさらに構成される。
図2は、本発明による方法100の例示的な実施形態のフローチャートを示す。
プロセスステップ101、102、103及び104ならびに任意選択のプロセスステップ105において、動作情報の項目は、例えばセンサユニット11のセンサ111、112、113、114及び115など、濃厚物質搬送システム10のセンサユニット11によってそれぞれ取り込まれる。ステップ101、102、103、104及び105は、連続的に、又は少なくとも部分的に並行して実行することができる。ステップ101では、旋回ギヤ19の位置を示す第1の動作情報の項目が取り込まれる。ステップ102では、マストアーム41の少なくとも1本の位置を示す第2の動作情報の項目が取り込まれる。ステップ103では、支持脚32の位置を示す第3の動作情報の項目が取り込まれる。ステップ104では、濃厚物質搬送システム10の傾斜角度を示す第4の動作情報の項目が取り込まれる。任意選択のステップ105では、濃厚物質搬送システム10の延長部を示す第5の動作情報の項目が取り込まれる。
ステップ101、102、103、104及び105において取り込まれた動作情報の項目に応じて、ステップ106では、濃厚物質搬送システム10の安定性パラメータが処理ユニット12によって決定される。この目的のために、処理ユニット12は、例として、すべてのマストアーム41の重量及び空間的拡張を考慮に入れながら、取り込まれた動作情報の項目から、濃厚物質搬送システム10の全体的な重心の現在位置を計算する。さらに、支持脚32の相互位置、構造的構成要素の風表面、他の構成要素の重量(例えば、下部構造の)、ならびに定義された安全マージン又は限界値もここで考慮に入れることができる。
任意選択で、この後にステップ107及び108の一方が続く。
処理ユニット12によって決定された濃厚物質搬送システム10の安定性パラメータが、濃厚物質搬送システム10の最大安定性パラメータよりも大きい場合、ステップ107において、濃厚物質搬送システム10の制御ユニットは、第1の制御信号を出力する。そのような制御信号によって、制御ユニットは、濃厚物質搬送システム10の少なくとも1つの構成要素を作動させ、したがって構成要素の動作パラメータに作用する。これは、例えば、マストアセンブリ40の動作範囲を現在許容されている動作範囲に制限する形態のさらなるステップ109を含むことができる。
反対の場合、すなわち、処理ユニット12による濃厚物質搬送システム10の安定性パラメータが濃厚物質搬送システム10の最大安定性パラメータ以下であるという判定では、制御ユニットは、ステップ108において第2の制御信号を出力することができる。例えば、制御ユニットは、このようにして、濃厚物質ポンプ16のコアポンプのポンピング速度及び/又は濃厚物質ポンプ16のS字管のスイッチング速度が増大又は低減されるように、濃厚物質ポンプ16を作動させることができる。
本明細書に記載された本発明の実施形態ならびにこれに関してそれぞれ列挙された任意の特徴及び特性はまた、互いにすべての組み合わせで開示されていると理解されるべきである。特に、実施形態によって含まれる特徴の説明は、現在、明示的に反対のことが述べられていない限り、その特徴が実施形態の機能にとって重要又は不可欠であるように理解されるべきでもない。

Claims (24)

  1. 濃厚物質搬送システム(10)であって、
    濃厚物質を搬送するための濃厚物質ポンプ(16)と、
    搬送される前記濃厚物質を分配するための濃厚物質分配マスト(18)であって、前記濃厚物質分配マスト(18)が、鉛直軸線を中心に回転可能な旋回ギヤ(19)と、少なくとも2本のマストアーム(41)を備えるマストアセンブリ(40)とを有する、濃厚物質分配マスト(18)と、
    前記濃厚物質分配マスト(18)及び前記濃厚物質ポンプ(16)が配置される下部構造(30)であって、前記下部構造(30)が、水平方向及び鉛直方向に変位可能な少なくとも1本の支持脚(32)によって前記下部構造(30)を支持するための支持構造体(31)を備える、下部構造(30)と、
    動作情報の項目をそれぞれ取り込むための複数のセンサ(111、112、113、114、115)を有するセンサユニット(11)であって、前記センサユニット(11)が、前記旋回ギヤ(19)の位置を示す第1の動作情報の項目と、前記複数のマストアーム(41)のうちの少なくとも1本の位置を示す第2の動作情報の項目と、前記支持脚(32)の位置を示す第3の動作情報の項目と、前記濃厚物質搬送システム(10)の傾斜角度を示す第4の動作情報の項目とを取り込むように少なくとも構成される、センサユニット(11)と、
    前記取り込まれた複数の動作情報の項目に応じて、前記濃厚物質搬送システム(10)の安定性パラメータを決定するための処理ユニット(12)と、
    を備える、濃厚物質搬送システム(10)。
  2. 前記センサユニット(11)が、すべてのマストアーム(41)について、前記複数のマストアーム(41)のうちの1本の位置を示す動作情報の項目を取り込むようにさらに構成される、請求項1に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  3. 前記センサユニット(11)が、マストアーム(41)の総数より少ない数のマストアーム(41)についてのみ、前記複数のマストアーム(41)のうちの1本の位置を示す動作情報の項目を取り込むようにさらに構成される、請求項1に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  4. 前記センサユニット(11)が、前記複数のマストアーム(41)のうちの1本についてのみ、前記マストアーム(41)の位置を示す動作情報の項目を取り込むようにさらに構成される、請求項3に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  5. 前記処理ユニット(12)が、前記取り込まれた第2の動作情報の項目に応じて、前記濃厚物質搬送システム(10)のマストアセンブリの重心の現在位置を計算し、前記マストアセンブリの重心の前記計算された現在位置に応じて、前記安定性パラメータを決定するようにさらに構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  6. 前記処理ユニット(12)が、前記マストアセンブリ(40)のすべてのマストアーム(41)の位置を示す動作情報の項目に応じて、前記マストアセンブリの重心の前記現在位置を計算するようにさらに構成される、請求項5に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  7. マストアーム(41)について、前記マストアーム(41)の位置を示す動作情報の項目が、前記センサユニット(11)によって取り込むことができない場合、前記それぞれのマストアーム(41)の水平傾斜を表す前記マストアーム(41)の前記位置を示す動作情報の項目が、前記マストアセンブリの重心の前記現在位置を計算するときに考慮される、請求項6に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  8. 前記センサユニット(11)が、搬送される濃厚物質の種類を示すさらなる動作情報の項目を取り込むように構成され、前記処理ユニット(12)が、前記さらに取り込まれた動作情報の項目に応じて前記マストアセンブリの重心の前記現在位置を計算し、かつ/又は、前記さらに取り込まれた動作情報の項目に応じて前記安定性パラメータを決定するように構成される、請求項5~7のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  9. 前記処理ユニット(12)が、前記取り込まれた複数の動作情報の項目から前記濃厚物質搬送システム(10)の全体的な重心の現在位置を計算し、全体的な重心の前記計算された現在位置に応じて前記安定性パラメータを決定するようにさらに構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  10. 前記処理ユニット(12)が、接触面の複数の傾斜縁部から前記濃厚物質搬送システムに作用する少なくとも1つの力の作用線のそれぞれの間隔を計算し、前記計算された距離に応じて前記安定性パラメータを決定するようにさらに構成され、前記濃厚物質搬送システム(10)に作用する前記少なくとも1つの力が、前記濃厚物質搬送システム(10)の全体的な重心の前記現在位置で作用する前記濃厚物質搬送システム(10)の重量力を含む、請求項9に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  11. 前記濃厚物質搬送システム(10)の前記決定された安定性パラメータが前記濃厚物質搬送システム(10)の最大安定性パラメータよりも大きい場合、第1の制御信号を出力し、前記濃厚物質搬送システム(10)の前記決定された安定性パラメータが前記濃厚物質搬送システム(10)の前記最大安定性パラメータ以下である場合、第2の制御信号を出力する制御ユニット(13)をさらに備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  12. 前記制御ユニット(13)は、前記濃厚物質搬送システム(10)の前記決定された安定性パラメータが前記最大安定性パラメータよりも大きい場合、前記マストアセンブリ(40)の動作範囲を現在許容されている動作範囲に制限するようにさらに構成される、請求項11に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  13. 同じ種類の少なくとも2つ、好ましくは3つの動作情報の項目が取り込まれる、請求項1~12のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  14. 前記センサユニット(11)が、前記濃厚物質搬送システム(10)の延長部を示すさらなる動作情報の項目を取り込むようにさらに構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  15. 前記センサユニット(11)が、前記支持脚(32)の水平又は鉛直脚力を示すさらなる動作情報の項目を取り込むようにさらに構成される、請求項1~14のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  16. 前記旋回ギヤ(19)と前記マストアセンブリ(40)の第1のマストアーム(41)との両方、ならびに前記マストアーム(41)のそれぞれの2本が、それぞれ多関節ジョイントによって互いに接続され、マストアーム(41)の位置が、前記マストアーム(41)の近位端における前記多関節ジョイントの開き角度を決定することによって連続的に検出可能である、請求項1~15のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  17. 前記センサユニット(11)が、マストアーム(41)の関節トルクを示すさらなる動作情報の項目を取り込むようにさらに構成される、請求項1~16のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  18. 前記処理ユニット(12)が、すべてのマストアーム(41)の前記関節トルクを示す取り込まれた複数の動作情報の項目に基づいて負荷トルクを計算し、前記計算された負荷トルクに応じて前記安定性パラメータを決定するように構成される、請求項17に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  19. 前記処理ユニット(12)が、現在許容されている理論的に最大の負荷トルクを示す動作情報の項目に応じて前記安定性パラメータを決定するように構成される、請求項1~18のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  20. 前記濃厚物質ポンプ(16)が、ダブルピストンコアポンプと、前記濃厚物質ポンプの出口に配置された端部であり、前記マストアセンブリにわたって延在する搬送ライン(17)に接続可能な前記端部を有する切り替え可能なS字管とを備え、前記センサユニット(11)が、前記コアポンプのポンピング速度を示す別の動作情報の項目、又は前記S字管のスイッチング速度を示すさらなる動作情報の項目を取り込むように構成される、請求項1~19のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  21. 前記下部構造(30)が、車両(33)上に配置される、請求項1~20のいずれか一項に記載の濃厚物質搬送システム(10)。
  22. 濃厚物質搬送システム(10)を動作させるための方法(100)であって、前記濃厚物質搬送システム(10)は、濃厚物質を搬送するための濃厚物質ポンプ(16)と、搬送される前記濃厚物質を分配するための濃厚物質分配マスト(18)と、前記濃厚物質分配マスト(18)及び前記濃厚物質ポンプ(16)が配置される下部構造(30)と、動作情報の項目をそれぞれ取り込むための複数のセンサ(111、112、113、114、115)を有するセンサユニット(11)と、処理ユニット(12)とを備え、前記濃厚物質分配マスト(18)が、鉛直軸線を中心に回転可能な旋回ギヤ(19)と、少なくとも2本のマストアーム(41)を備えるマストアセンブリ(40)とを有し、前記下部構造(30)が、水平方向及び鉛直方向に変位可能な少なくとも1本の支持脚(32)によって前記下部構造(30)を支持するための支持構造体(31)を備え、前記方法が、
    前記旋回ギヤ(19)の位置を示す第1の動作情報の項目を取り込むステップ(101)と、
    前記複数のマストアーム(41)のうちの少なくとも1本の位置を示す第2の動作情報の項目を取り込むステップ(102)と、
    前記支持脚(32)の位置を示す第3の動作情報の項目を取り込むステップ(103)と、
    前記濃厚物質搬送システム(10)の傾斜角度を示す第4の動作情報の項目を取り込むステップ(104)と、
    前記取り込まれた複数の動作情報の項目に応じて前記濃厚物質搬送システム(10)の安定性パラメータを前記処理ユニット(12)によって決定するステップ(106)と、
    を含む、方法(100)。
  23. 前記濃厚物質搬送システム(10)の前記決定された安定性パラメータが前記濃厚物質搬送システム(10)の最大安定性パラメータよりも大きい場合、前記濃厚物質搬送システム(10)の制御ユニット(13)によって、第1の制御信号を出力するステップ(107)と、
    前記濃厚物質搬送システム(10)の前記決定された安定性パラメータが前記濃厚物質搬送システム(10)の前記最大安定性パラメータ以下である場合、前記制御ユニット(13)によって第2の制御信号を出力するステップ(108)と、
    をさらに含む、請求項22に記載の方法(100)。
  24. 前記第1の制御信号を出力するステップ(107)が、
    前記マストアセンブリ(40)の動作範囲を現在許容されている動作範囲に制限するステップ(109)を含む、請求項23に記載の方法(100)。
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