JP2024512146A - 平版印刷版原版および使用方法 - Google Patents

平版印刷版原版および使用方法 Download PDF

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Abstract

IR感受性平版印刷版原版は、赤外線感受性画像記録層に特有のIR放射感受性組成物を使用して安定なプリントアウト画像を提供する。このIR放射感受性組成物は、(1)電子供与剤を含むフリーラジカル開始剤組成物;(2)フリーラジカル重合性組成物;および(3)芳香族末端基間に共役炭素鎖を有する構造(I)によって表される変色性化合物を含む。化合物はまた、-SO2-R3基(式中、R3はアルキル、アリールまたはヘテロアリール基を表す)を有する。IR画像形成後、これらの原版は、新鮮なものと暗貯蔵後の両方で望ましいプリントアウト画像を示す。これらの原版はオフプレスまたはオンプレスで現像することができる。

Description

本発明は、赤外線(赤外放射)を使用して画像形成され、画像形成平版印刷版を提供することができる赤外線感受性平版印刷版原版に関する。このような原版は、画像様露光済み赤外線感受性画像記録層の露光領域と非露光領域との間で安定なプリントアウト画像を提供する特有の赤外線感受性組成物を含む。本発明はまた、優れたプリントアウト画像を有する平版印刷版を提供するためにこれらの原版を使用する方法に関する。
平版印刷では、画像領域として知られている平版インク受容領域が、アルミニウム含有基板などの平面基板の親水性表面上に生成される。印刷版表面を水で湿らせ、平版印刷インクを塗布すると、親水性領域は水を保持し、平版印刷インクを跳ね返し、平版インク受容画像領域は平版印刷インクを受容し、水を跳ね返す。平版印刷インクは、おそらく印刷機でブランケットローラーを使用して、画像が複製される材料の表面に転写される。
平版印刷版を調製するのに有用なネガ型平版印刷版原版は、典型的には基板の親水性表面上に配置されたネガ型放射感受性画像記録層を含む。このような画像記録層は、適切なポリマーバインダー材料に分散させることができる放射感受性成分を含む。原版を適切な放射に画像様露光して画像記録層に露光領域および非露光領域を形成した後、非露光領域を適切な手段によって除去し、基板の下にある親水性表面をあらわにする。除去されない画像記録層の露光領域は平版インク受容性であり、現像工程によってあらわにされる親水性基板表面は水および水溶液、例えば湿し水を受容し、平版印刷インクを跳ね返す。
近年、平版印刷業界では、画像記録層の非露光領域を除去するために、平版印刷インクもしくは湿し水、またはその両方を使用してオンプレス(機上)現像(「DOP」)を行うことによって、平版印刷版の製造を簡素化することが大いに望まれている。
したがって、オンプレス現像可能な平版印刷版原版が、少ない環境への影響ならびに処理化学薬品、処理装置床面積、操作および維持費の節約を含む、従来処理の(「オフプレス」処理または現像の)平版印刷版原版に対する多くの利益のために、ここ数十年、印刷業界でますます注目されている。レーザー画像形成後、オンプレス現像可能な原版は、非印刷領域の原版上の画像形成コーティングを除去する事前湿潤化学工程なしで、印刷機に直接運ばれ得る。
したがって、このような画像形成された平版印刷版原版は、露光領域と非露光領域で異なる色を有することが非常に望ましい。露光領域と非露光領域の色の違いまたは「コントラスト」は、典型的には、「プリントアウト」または「プリントアウト画像」と呼ばれる。強いプリントアウトは、印刷版原版を印刷機ユニットに適切に取り付けることができるように、画像形成された印刷版原版の操作者の視覚的評価および識別を容易にする。
オンプレス現像可能な印刷版原版のプリントアウトを強化するために、多くの手法が取られてきた。これらは全て、ある種の弱点を有することが観察されている。
例えば、酸発生剤および酸感受性色前駆体、例えばラクトン系ロイコ染料を含む画像形成組成物を有する印刷版原版上のプリントアウトは、赤外線画像形成およびオンプレス現像用に設計された画像形成組成物における酸発生の効率が限られているため、十分に強くないことが多い。さらに、赤外線画像形成中に生成されたプロトンの濃度は、しばしば化学平衡または他の画像形成後化学反応を通して画像形成後に低下する。結果として、プロトン誘導色変化に基づくプリントアウトは、画像形成後にしばしば退色する。
同時係属中で本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願公開第2021/0078350号明細書(Viehmannら)は、より低い酸濃度で無色形態から着色形態に切り替わるより高感受性の発色化合物を赤外線感受性画像形成組成物に組み込むことによって、プリントアウトを増加させる努力を記載している。特殊な添加剤により背景色形成を抑制して、良好なコントラストを安定化させる。達成される初期プリントアウトは極めて高いが、記載された化学を使用して得られたプリントアウトおよびプリントアウト安定性を改善する必要性が依然として存在する。
プリントアウトを生成するための異なる手法は、熱不安定性基を含み、赤外線または熱に曝露すると熱不安定性基を失い、可視スペクトル領域に吸収スペクトルを有する様々な色の化合物を形成することができる赤外線(IR)分解性染料の使用に基づく。この手法に基づく例は、米国特許第8,148,042号明細書(Callantら)および同第8,178,282号明細書(Callantら)ならびに米国特許出願公開第2010/0274023号明細書(Callantら)に記載されている。このようなIR分解性染料は、典型的には、画像形成組成物中に比較的大量に、または少量で存在するべきであり、十分なプリントアウトを生成するためには高い露光赤外放射エネルギーが必要とされる。
さらに、このような化学で使用されるいくつかのIR分解性染料は、分解時にガス状材料を生成し、このガス状材料は、適切なフリーラジカル開始剤の存在下でのフリーラジカル重合性化合物の架橋に基づくネガ型組成物にとってしばしば有害であり、その結果、印刷操作中の画像耐久性が低下する。さらに、高エネルギーレベルの露光赤外線から生成された熱パルスは、しばしばアブレーションまたは部分的アブレーションと一般に呼ばれるプロセスにより画像形成組成物の物理的完全性を損傷し得る。アブレーションまたは部分的アブレーションは、典型的には、乏しい画像耐久性をもたらす。例えば、米国特許第8,148,042号明細書(上記)では、画像形成組成物中にIR分解性染料を含む記載される印刷版原版PPP34およびPPP35が、0.43および0.60のシアンプリントアウト(ΔOD)を生成するために275 mJ/cm2の画像形成エネルギーを必要とした。このような画像形成組成物が、任意の種類の現像後に赤外線露光領域の十分な耐久性を有する印刷版を形成するのに有用であるという教示はない。
米国特許第8,148,042号明細書(上記)に教示されるIR分解性染料が、重合性組成物中に直接組み込まれた場合、120 mJ/cm2以下などのより実用的な露光エネルギー下で強力なプリントアウトを形成することができないことは、米国特許出願公開第2020/0147950号明細書(Billiet)で実証されており、ここでは、PPP03で使用されるIR01と組み合わせてIR分解性染料IR02を使用したPPP04が、PPP03に対して非常に小さいプリントアウト利益をもたらした(120 mJ/cm2でのΔE値2.99対2.12)。BillietのパラメータΔEは、以下に記載されるΔEパラメータ(または値)と同様である。
重合性画像形成組成物を有するネガ型印刷版原版に対するIR分解性染料の非有効性ならびに望ましくない効果を回避するために、国際公開第2019/219560号パンフレット(Billietら)は、IR画像形成組成物を含む画像形成層の上に塗布される保護オーバーコート中にIR分解性染料を配置することを教示している。しかしながら、平版印刷版原版中の保護層の存在は、製造中に余分な工程を必要とし、存在する場合、その除去が現像速度を低下させる。さらに、これは、印刷版原版がオンプレスで現像される場合、ポリマー材料またはその他の材料を湿し水に放出し、平版印刷動作の誤動作を引き起こす可能性がある。さらに、このようなIR感受性画像形成組成物に適した赤外線の典型的な露光量で生成されるプリントアウトは、依然として所望されるよりもはるかに少ない。
米国特許出願公開第2019/0329545号明細書(Shibamotoら)は、励起状態で、赤外線に曝露すると電子供与型開始剤から電子を受容して、電子供与型開始剤からフリーラジカルの第一波を形成することができ、さらに、IR分解性染料からフリーラジカルの第二波を、単独でのさらなる分解を通して、または電子受容型開始剤とのさらなる反応を通して形成することができるある特定のIR分解性染料の使用を教示している。この参考文献は、実証された露光条件下でのIR分解性染料を含有するこのような画像形成組成物の色形成能力を示唆している。この刊行物は、その中でIR分解性であると考えられるある特定の赤外線染料を記載しているが、実施例のいずれも、米国特許第8,148,042号明細書(上記)および米国特許出願公開第2010/0274023号明細書(上記)のいずれかに教示されるいずれのIR分解性染料も使用しなかった。他方、米国特許出願公開第2019/0329545号明細書(上記)の教示は、IR分解性赤外線染料として、米国特許第8,632,941号明細書(Balbinotら)に教示されたものを考慮している。
米国特許出願公開第2020/0117086号明細書(Nogoshiら)は、ある特定のIR分解性染料とある特定の発色剤の組み合わせを記載している。特定の発色剤が存在しない場合、本教示の特定のIR分解性染料は、その比較実施例1および2によって示されるように十分なプリントアウトを有さない。
米国特許第8,084,182号明細書(Munnellyら)は、IR感受性重合性組成物内のある特定のIR分解性染料の使用を教示している。その実施例1~3において、Munnellyらは、伝統的な酸感受性染料前駆体と組み合わせて使用される、組み合わせられたアルコキシカルボニルアミノ基を含有するIR分解性染料を含有する画像形成組成物において、300 mJ/cm2の高露光量で良好なプリントアウト(13.8~17.4のΔE値)を示した。しかしながら、酸感受性染料前駆体が存在しないと、Munnellyらの実施例4は、はるかに低いプリントアウトを示した(6.6のΔE値)。アルコキシカルボニルアミノ基を含有しない、米国特許第8,148,042号明細書(上記)の教示からの比較IR分解性染料の使用も、酸感受性染料前駆体の存在下でさえ、300 mJ/cm2の画像形成エネルギーで低いプリントアウトを提供した(4.6のΔE値)。さらに、Munnellyらは、200部の短い印刷部数しか実証しておらず、Munnellyらの原版から得られる印刷版が、典型的な印刷部数で200部を超える印刷を典型的に必要とする業界の顧客を満足させるのに十分な印刷中の画像耐久性を有するかどうかは明らかではない。
例外的な印刷部数耐久性を有するオンプレス現像可能な平版印刷版に十分なプリントアウトを提供することに関する既知の文献に記載される全ての努力にもかかわらず、高速画像形成速度、良好なオンプレス現像性、良好な平版印刷耐久性および良好な貯蔵寿命などの必要とされる必須の特性を有するだけでなく、高い生産性のために必要とされるようなより低い露光エネルギーを使用して十分で安定したプリントアウトを示し、したがって、プレス自動化に使用される典型的なカメラおよびその他の読み取り装置と互換性があるオンプレス現像可能な平版印刷版原版を提供する継続的な必要性がある。
国際公開第2020/262689号 欧州特許第3793829号明細書
本発明は、
基板と、
基板上に配置され、以下の成分(1)、(2)および(3):
(1)赤外線に露光するとフリーラジカルを生成することができ、電子供与剤を含むフリーラジカル開始剤組成物;
(2)フリーラジカル重合性組成物;および
(3)以下の構造(I)によって表される変色性化合物
(式中、
Ar1およびAr2は独立して、置換もしくは非置換芳香環を完成させるため、または置換もしくは非置換複素芳香環を完成させるために必要な原子を表し;
Rは、水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換ヘテロアリール基であり;
R1およびR2は独立して、置換または非置換アルキル基であり;
R3は、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換ヘテロアリール基であり;
Yは、酸素原子、硫黄原子、または>C(R4R5)によって表されるジアルキルメチレン基を表し、R4およびR5は独立して、1~4個の炭素を有する置換または非置換アルキル基であり;
A1およびA2は独立して、置換もしくは非置換アルキル基を表す、または一緒になって、置換もしくは非置換の5員もしくは6員非芳香族炭素環式環を形成するのに必要な2個もしくは3個の炭素原子を表し;
Zaは、構造(I)による変色性化合物の残りの電荷を平衡させるための1つまたは複数の対イオンを表す)
を含む赤外線感受性画像記録層と
を含む平版印刷版原版を提供する。
本発明はまた、平版印刷版を提供する方法であって、
A)本明細書に記載される本発明のいずれかの実施形態に記載の平版印刷版原版を赤外線に画像様露光して、赤外線感受性画像記録層に露光領域および非露光領域を得る工程と、
B)基板から赤外線感受性画像記録層の非露光領域を除去する工程と
を含む方法を提供する。
本発明は、比較的低エネルギーの画像形成赤外線に露光される領域の赤外線感受性画像記録層で生成されるプリントアウト画像を提供する。このようなプリントアウト画像は、暗貯蔵中に安定であるだけでなく、良好なシアンΔOD値によって示される適切な色相も有し、したがって、プレス自動化で使用され、617 nm付近にピーク発光を有する光源を備えたカメラおよびその他の読み取り装置によってより読み取り可能である。さらに、多くの実施形態では、望ましいプリントアウト画像を提供するために使用される画像形成化学が、画像形成速度にも、オンプレス現像性にも、平版印刷画像耐久性にも悪影響を及ぼさない。本発明のさらなる詳細およびそれによって得られる結果は、以下の通り提供される。
定義
本明細書で使用する場合、「赤外線吸収剤」という用語は、電磁スペクトルの近赤外線(近IR)および赤外線(IR)領域の電磁放射を吸収する化合物または材料を指し、典型的には、近IRおよびIR領域で最大吸収を有する化合物または材料を指す。
本明細書で使用する場合、「近赤外線領域」および「赤外線領域」という用語は、少なくとも750nm以上の波長を有する放射を指す。ほとんどの例では、これらの用語が、少なくとも800nmおよび1400nm以下の電磁スペクトルの領域を指すために使用される。
本発明の目的のために、プリントアウト画像の強度は、一般的に、EN ISO 11664-4「Colorimetry--Part 4:CIE 1976 L*a*b*Colour space.」および他の既知の参考文献に従って、CIE 2°観察者および発光体としてD50を使用して、45/0幾何学(非偏光)での反射測定から測定された放射露光領域の色と放射非露光領域の色との間のCIE 1976 L*a*b*色空間におけるユークリッド距離である、ΔEパラメータまたは値によって示される。色測定はTechkon SpectroDensなどの市販の機器を使用して行うことができる。CIE 1976 L*a*b色空間では、色は3つの数値の色値:色の明度(または輝度)についてのL*、色の緑-赤成分についてのa*、および色値の青-黄色成分についてのb*として表される。
本発明の目的のために、可視スペクトル領域は、400nm~700nmの波長を有する電磁放射のスペクトル領域を指す。
特に指示しない限り、「重量%」という用語は、組成物、配合物または層の全固形分に基づく成分または材料の量を指す。特に指示しない限り、百分率は、乾燥層または配合物もしくは組成物の全固形分のいずれについても同じであり得る。
本明細書で使用する場合、「オンプレス現像可能」および「オンプレス現像性」という用語は、画像形成原版を適切な印刷機に取り付け、湿し水、平版印刷インク、または湿し水と平版印刷インクの組み合わせを使用して最初の数枚の印刷物の間に現像を行うことによって、赤外線露光(画像形成)後に本発明による原版を現像する能力を指す。
使用
本発明による平版印刷版原版は、画像様露光後に望ましいプリントアウト画像を示す平版印刷版を提供するのに有用である。これらの平版印刷版は、プレス操作中の平版印刷に有用である。平版印刷版は、本発明によるオンプレスまたはオフプレス処理を使用して調製することができる。平版印刷版原版は、以下のように記載される構造および成分で調製される。
平版印刷版原版
本発明による原版は、赤外線感受性画像記録組成物(以下に記載される)を適切な基板(以下に記載される)に適切に適用してネガ型である赤外線感受性画像記録層を形成することによって形成することができる。一般に、赤外線感受性画像記録組成物(および得られた赤外線感受性画像記録層)は、成分(1)赤外線に露光するとフリーラジカルを生成することができ、電子供与剤も含むフリーラジカル開始剤組成物;成分(2)フリーラジカル重合性組成物;および成分(3)以下に記載される構造(I)によって表される変色性化合物を含む。これらの成分(1)、(2)および(3)の全てが以下に詳細に定義され、これらの成分は本発明の利点を達成するのに必要な唯一の必須成分である。
いくつかの実施形態では、赤外線感受性画像記録組成物(および得られた赤外線感受性画像記録層)が、(3)変色性化合物とは異なる成分(4)赤外線吸収材料(またはその2つ以上の混合物);ならびに成分(1)、(2)、(3)および(4)の全てとは異なる成分(5)酸感受性染料前駆体(またはその2つ以上の混合物);ならびに成分(1)、(2)、(3)および(4)の全てとは異なる成分(6)非フリーラジカル重合性ポリマー材料(またはその2つ以上の混合物);またはこれらの成分(4)~(6)の全てをさらに含むことができ、これらの全ては以下に記載される。いくつかの非常に有用な実施形態では、赤外線感受性画像記録層が、所望のプリントアウト画像ならびに最良の全体的な画像形成および印刷特性を有する所望の平版印刷版原版を提供するために、上述の成分(1)~(6)の全てから本質的になる。
一般的に、各原版にはただ1つの赤外線感受性画像記録層が存在する。この層は一般的に原版の最外層であるが、いくつかの実施形態では、赤外線感受性画像記録層の上に(または直ぐ上に接触して)配置された、以下に記載される、最外水溶性親水性保護層(トップコートまたは酸素バリア層としても知られている)が存在することができる。
基板:
本発明による原版を調製するために使用される基板は、一般的に親水性画像形成側表面、または少なくとも適用された赤外線感受性画像記録層より親水性の表面を有する。基板は、一般的に平版印刷版原版を調製するために従来使用されている原料アルミニウムまたは適切なアルミニウム合金で構成され得るアルミニウム含有支持体を含む。
アルミニウム含有基板は、物理的(機械的)粒状化、電気化学的粒状化、または化学的粒状化、引き続いて1回または複数回の陽極酸化処理によるある種の粗化を含む、当技術分野で既知の技術を用いて処理することができる。各陽極酸化処理は、典型的には、リン酸または硫酸および従来条件のいずれかを使用して行われ、アルミニウム含有支持体上に所望の親水性酸化アルミニウム(または陽極酸化物)層を形成する。単一の酸化アルミニウム(陽極酸化物)層が存在してもよいし、またはそれぞれが様々な深さおよび形状の細孔開口部を有する複数の細孔を有する複数の酸化アルミニウム層(例えば、内側酸化アルミニウム層および内側酸化アルミニウム層上に配置された外側酸化アルミニウム層)が存在してもよい。したがって、このようなプロセスは、赤外線感受性画像記録層の下に陽極酸化物層または酸化アルミニウム層を提供する。基板内に異なる酸化アルミニウム層(内側酸化アルミニウム層上に配置された外側酸化アルミニウム層など)を提供するために2つの連続的な陽極酸化処理を提供することについての教示は、例えば、米国特許出願公開第2018/0250925号明細書に記載されている。
アルミニウム支持体の硫酸陽極酸化によって、一般的に少なくとも1g/m2および5g/m2以下、より典型的には少なくとも1.5g/m2および4g/m2以下の表面上のアルミニウム(陽極)酸化物重量(被覆度)が得られる。リン酸陽極酸化によって、一般的に少なくとも0.5g/m2および5g/m2以下、より典型的には少なくとも1g/m2および3g/m2以下の表面上のアルミニウム(陽極)酸化物重量が得られる。
陽極酸化アルミニウム含有基板を、アルカリ性または酸性細孔拡大溶液で処理して、柱状細孔を含有する陽極酸化物層を提供することができる。いくつかの実施形態では、処理アルミニウム含有基板が、粒状化し、陽極酸化し、後処理したアルミニウム含有支持体の直ぐ上に配置された親水性層を含むことができ、このような親水性層がカルボン酸側鎖を有する非架橋親水性ポリマーを含むことができる。
あるいは、陽極酸化アルミニウム含有支持体は、親水性材料の水溶液を使用する後処理などの既知の陽極後処理プロセスを使用して、陽極酸化物の細孔を封止するためもしくはその表面を親水化するため、またはその両方のためにさらに処理することができる。親水性層(親水性ポリマーコーティングなど)を提供するためのこの種の代表的な親水性材料には、それだけに限らないが、ポリ(ビニルホスホン酸)(PVPA)、ビニルホスホン酸コポリマー、ポリ[(メタ)アクリル酸]もしくはそのアルカリ金属塩、または(メタ)アクリル酸コポリマーもしくはそのアルカリ金属塩、リン酸塩とフッ化物塩の混合物、またはケイ酸ナトリウムが含まれる。このような親水性コーティングは、最外酸化アルミニウム層(複数の酸化アルミニウム層が存在する場合、外側酸化アルミニウム層など)上に配置することができる。後処理プロセス材料はまた、不飽和二重結合を含み、処理表面と上にある赤外線露光領域との間の接着を増強することができる。このような不飽和二重結合は低分子量材料で提供することができる、またはポリマーの側鎖内に存在することができる。
この目的に特に有用な親水性層またはコーティング材料は、1つまたは複数のエチレン性不飽和重合性基、その少なくとも1つがリン原子に直接結合している1つまたは複数の-OM基(式中、Mは水素、ナトリウム、カリウムまたはアルミニウム原子を表す)、および2000g/mol未満の分子量を有する化合物;ならびにその少なくとも1つが少なくとも(a)アミド単位を含む反復単位、および(b)リン原子に直接結合している-OM’基(式中、M’は水素、ナトリウム、カリウム、またはアルミニウム原子を表す)を含む反復単位を含む親水性コポリマーである、1つまたは複数の親水性ポリマーを含む。この親水性層は、少なくとも0.0002 g/m2および0.1 g/m2以下の乾燥被覆度で最外酸化アルミニウム層の上に配置することができる。
基板を、赤外線感受性画像記録層配合物および場合により、親水性保護層配合物で適切にコーティングされたシート材料の連続ロール(または連続ウェブ)として形成し、引き続いて、4つの直角の角を有する形状または形態(よって、典型的には正方形または長方形の形状または形態)を有する個々の平版印刷版原版を提供するサイズに切り込むまたは切断する(またはその両方を行う)ことができる。
赤外線感受性画像記録層:
本発明による赤外線感受性記録層組成物(およびそれから調製された赤外線感受性画像記録層)は、その用語が平版分野で知られているように「ネガ型」に設計されている。さらに、赤外線感受性画像記録層は、露光後に平版印刷版原版にオンプレス現像性を提供するために、例えば湿し水、平版印刷インク、またはこれら2つの組み合わせを使用したオンプレス現像を可能にするために、成分のある特定の組み合わせで設計することができる。
本発明は、赤外線に露光するとフリーラジカルを生成することができる成分(1)フリーラジカル開始剤組成物を利用する。このような成分(1)開始剤組成物は、1つもしくは複数の有機ハロゲン化合物(例えばトリハロアルキル化合物);ハロメチルトリアジン;ビス(トリハロメチル)トリアジン;または1つもしくは複数のオニウム塩、例えばヨードニウム塩、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、およびアンモニウム塩を含むことができ、これらの多くは当技術分野で公知である。オニウム塩以外の代表的な化合物は、例えば、米国特許出願公開第2005/0170282号明細書(Innoら、米国第282号)の[0040]~[0041]および米国特許第6,309,792号明細書(Hauckら)、ならびに日本特許公開第2002/107916号明細書および国際公開第2019/179995号パンフレットに記載されている。
成分(1)フリーラジカル開始剤組成物は、ヨードニウムカチオンもしくはスルホニウムカチオン、またはその両方を含むことができる。有用なオニウム塩は、引用された米国公開第282号の[0043]~[0044]に記載されている。有用なオニウム塩は、分子内の少なくとも1個のオニウムカチオンと、適切なアニオンとを含む。オニウム塩の例としては、ジアリールヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム、ジフェニルヨードニウム、ジフェニルジアゾニウム化合物、およびこれらの化合物のベンゼン環に1つまたは複数の置換基を導入することによって得られるその誘導体が挙げられる。適切な置換基には、それだけに限らないが、アルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アシル、アシルオキシ、クロロ、ブロモ、フルオロおよびニトロ基が含まれる。オニウム塩に有用なオニウムカチオンには、例えば2つの置換または非置換フェニル基を有するジアリールヨードニウムカチオンなどのヨードニウムカチオンが含まれる。
オニウム塩中のアニオンの例としては、それだけに限らないが、米国特許第7,524,614号明細書(Taoら)に記載される、ハロゲンアニオン、ClO4 、PF6 、BF4 、SbF6 、CH3SO3 、CF3SO3 、C6H5SO3 、CH3C6H4SO3 、HOC6H4SO3 、ClC6H4SO3 、およびホウ素アニオンが挙げられる。代表的な有用なヨードニウム塩は、米国特許第7,524,614号明細書(上記)、第6~7段に記載されており、ヨードニウムカチオンは、様々な列挙される一価置換基「X」および「Y」、またはそれぞれのフェニル基を有する縮合炭素環もしくは複素環を含有することができる。
有用なオニウム塩は、共有結合を通して結合された分子中に少なくとも2個のオニウムイオンを有する多価オニウム塩であることができる。多価オニウム塩の中では、分子中に少なくとも2個のオニウムイオンを有するものが有用であり、分子中にスルホニウムまたはヨードニウムカチオンを有するものが有用である。
さらに、日本特許公開第2002-082429号明細書[または米国特許出願公開第2002-0051934号明細書(Ippeiら)]の明細書の[0048]~[0049]段落に記載されるオニウム塩、または米国特許第7,524,614号明細書(上記)、第6段および第7段に記載されるヨードニウムボレート錯体も使用することができる。代表的なヨードニウムボレート塩は、米国特許第7,524,614号明細書(上記)の第8段に列挙されている。
いくつかの実施形態では、オニウム塩の組み合わせ、例えば、米国特許出願公開第2017/0217149号明細書(Hayashiら)に化合物Aと化合物Bとして記載されている化合物の組み合わせを、成分(1)フリーラジカル開始剤組成物の一部として使用することができる。
本発明の実施において使用される成分(1)フリーラジカル開始剤組成物は、以下に記載される(2)フリーラジカル重合性化合物の重合のためのフリーラジカルの生成に関与するだけでなく、以下に記載される(3)変色性化合物の変色反応を促進する1つまたは複数の電子供与剤を含むべきである。例えば、特に有用な電子供与化合物には、ホウ酸塩化合物およびAg/AgCl電極に対して1.1未満の酸化電位(Vox)を有する他の有機化合物が含まれる。
本発明の実施において電子供与剤として作用することができる代表的な化合物には、窒素原子、酸素原子または硫黄原子が芳香族基または複素芳香族基に直接結合している部分構造を有する化合物が含まれる。[0053]~[0054]のA-1~A-25を含む、日本特許公開第2005-062482号明細書の[0055]~[0056]には、いくつかの潜在的に有用な電子供与化合物が記載されている。本明細書で提供される教示を使用する当業者であれば、日常的な実験を利用して、どの化合物が本発明による許容される電子供与化合物であるかを決定することができるだろう。
電子供与剤として使用することができる有用な化合物には、以下の構造(III)によって表される有機ホウ酸塩
[B(R10R11R12R13n Mn+
構造(III)
(式中、R10、R11、R12およびR13は独立して、例えば1つもしくは複数のフルオロ、クロロおよびブロモ基で置換されていてもよい1~12個の炭素原子を有する、置換もしくは非置換アルキル基;または芳香環中に6~10個の炭素原子を有し、1つもしくは複数のフルオロ、クロロ、ブロモ、アルキル、アルコキシ、アルコキシカルボニルおよびアシルオキシ基で置換されていてもよい置換もしくは非置換アリール基であり、置換または非置換の6員芳香族(フェニル)基が最も有用である)
である有機ホウ酸塩が含まれる。ほとんどの実施形態では、R10、R11、R12およびR13のうちの少なくとも3つが、同じまたは異なる、上に定義される置換または非置換アリール基であり、最良の実施形態では、R10、R11、R12およびR13の全てが、同じ置換または非置換フェニル基であり、例えば、これらの基の全てが同じ置換フェニル基である。
構造(III)中、nは1以上の整数であり;Mn+はn価のカチオン、例えばそれだけに限らないが、一価アルカリ金属カチオン、アンモニウムカチオン、モノマーおよびポリマーオニウムカチオン、例えばヨードニウム、スルホニウムもしくはジアゾニウムカチオン、またはカチオン電荷を有するシアニン染料を含むカチオン電荷を有する任意の他の無機もしくは有機分子である。いくつかの実施形態では、Mn+が、上記のように、1つまたは複数の分子またはジアリールヨードニウムアニオンなどのヨードニウムアニオンの1つまたは複数の分子を表すことができる。
本発明で有用な1つまたは複数の電子供与剤は、赤外線感受性画像記録層の総被覆度(固体)に基づいて、少なくとも0.5重量%または少なくとも1重量%、および10重量%以下または20重量%以下の量で赤外線感受性画像記録層中に存在し得る。
成分(1)フリーラジカル開始剤組成物は、オンプレス現像可能な平版印刷版原版を調製する当業者に容易に明らかであろう量(モルまたは重量比)で赤外線感受性画像記録層中に存在することができ、最小および最大総量は、一般に、赤外線感受性画像記録層の総被覆度(固体)に基づいて、電子供与剤を含む全成分の少なくとも1重量%および20重量%以下である。
成分(1)フリーラジカル開始剤組成物は複数の成分を有することができるので、当業者の知識および以下に示される実施例を含む本明細書で提供される代表的な教示に基づいて、赤外線感受性画像記録層における成分(1)フリーラジカル開始剤組成物の様々な成分の有用な量または乾燥被覆度は当業者には容易に明らかになるだろう。有用な成分(1)フリーラジカル開始剤組成物材料は、本発明で使用するために適切なモルまたは重量比で容易に得られ、混合することができる。
赤外線感受性画像記録層の別の必須の特徴は、その各々が赤外線露光中にフリーラジカル開始を使用して重合することができる、1つまたは複数のフリーラジカル重合性基を含有する、1つまたは複数のフリーラジカル重合性成分を含む成分(2)フリーラジカル重合性組成物である。いくつかの実施形態では、各分子中に同じまたは異なる数のフリーラジカル重合性基を有する、少なくとも2つのフリーラジカル重合性成分が存在する。よって、有用なフリーラジカル重合性成分は、1つまたは複数の重合性エチレン性不飽和基(例えば、2つ以上のこのような基)を有する1つまたは複数のフリーラジカル重合性モノマーまたはオリゴマーを含有することができる。同様に、このようなフリーラジカル重合性基を有する架橋性ポリマーを使用することもできる。ウレタンアクリレートおよびメタクリレート、エポキシドアクリレートおよびメタクリレート、ポリエステルアクリレートおよびメタクリレート、ポリエーテルアクリレートおよびメタクリレート、ならびに不飽和ポリエステル樹脂などのオリゴマーまたはプレポリマーを使用することができる。いくつかのフリーラジカル重合性成分はカルボキシル基を含む。
1つまたは複数のフリーラジカル重合性成分が、赤外線感受性画像記録層中の他の成分の「ポリマーバインダー」として機能する架橋性ポリマーマトリックスを提供するのに十分に大きい分子量を有する、または十分な重合性基を有することが可能である。このような実施形態では、別個の(6)非フリーラジカル重合性ポリマー材料(下記)に置き換えることができる。
有用なフリーラジカル重合性成分には、尿素ウレタン(メタ)アクリレートまたは複数の(2つ以上の)重合性基を有するウレタン(メタ)アクリレートが含まれる。2~最大15個のアクリレート基を有するウレタンアクリレートは、DESMODUR(登録商標)N100(Bayer Corp.、ミルフォード、コネチカット州)などのトリイソシアネートまたはヘキサン-1,6-ジイソシアネートなどのジイソシアネートをヒドロキシエチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートまたはジペンタエリスリトールペンタアクリレートと反応させることによって調製することができる。このようなウレタンまたは尿素(メタ)アクリレート化合物は、1分子当たりの(メタ)アクリレート基の数が15個以上と多い。15個のアクリレート基を有する市販のウレタンアクリレートには、Shin-Nakamura Chemical Co.Ltd.製のU-15HAおよびUA-53Hが含まれる。
有用なフリーラジカル重合性化合物には、Kowa Americanから入手可能なNK Ester A-DPH(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、およびSartomer Company,Inc.から入手可能なSartomer SR399(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート)、Sartomer 355(ジ-トリメチロールプロパンテトラアクリレート)、Sartomer SR295(ペンタエリスリトールテトラアクリレート)、Sartomer SR415[エトキシ化(20)トリメチロールプロパントリアクリレート]、Sartomer SR494(エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート)などの多官能アルコールから誘導される非ウレタンおよび非尿素(メタ)アクリレートが含まれる。これらの非ウレタンおよび非尿素(メタ)アクリレートはまた、1分子当たり多数の(メタ)アクリレート基を有することができる。
多数の他のフリーラジカル重合性成分が当技術分野で公知である。例えば、有用なフリーラジカル重合性成分は、欧州特許第1,182,033号明細書(Fujimakiら)、[0067]段落で始まる、ならびに米国特許第6,309,792号明細書(Hauckら)、第6,569,603号明細書(Furukawa)および第6,893,797号明細書(Munnellyら)にも記載されている。他の有用なフリーラジカル重合性成分には、米国特許出願公開第2009/0142695号明細書(Baumannら)に記載されているものが含まれる。
成分(2)フリーラジカル重合性組成物の1つまたは複数の成分は、一般的に、全て赤外線感受性画像記録層の総被覆度(固体)に基づいて、少なくとも10重量%または少なくとも20重量%、および50重量%以下または70重量%以下の総量で存在することができる。
赤外線感受性画像記録組成物および画像記録層の第3の必須成分は、それぞれが以下の構造(I):
(式中、Ar1およびAr2は独立して、置換もしくは非置換芳香環を完成させるため、または置換もしくは非置換複素芳香環を完成させるために必要な原子を表す)
によって表される、成分(3)変色性化合物、またはその2つ以上の混合物である。ベンゼン(ベンゾ)またはナフタレン(ナフト)環の完成などのために、Ar1およびAr2の一方または両方について置換または非置換芳香環を完成させるために、適切な数の炭素原子が必要である。さらに、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリダジニル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピリミジン-5-イル、またはピリミジン-6-イル、ピラジン、トリアジン、ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、オキサゾール、イミダゾール、チアゾール、またはトリアゾール環の完成などのために、Ar1およびAr2の一方または両方について置換または非置換複素芳香環を完成させるために、適切な数の炭素および1個または複数のヘテロ原子が必要である。
本発明の多くの有用な実施形態では、Ar1およびAr2が、置換または非置換芳香環、例えば置換または非置換ベンゼン(ベンゾ)環を完成するのに必要な同じ原子である。さらに、Ar1およびAr2の芳香環の一方または両方は、例えば、1つまたは複数の場合により置換されたアルキル基、アルコキシ基、ハロ基、シアノ基、-COOR’基、-SO3R’基、または-SO2R’基(式中、R’は置換または非置換アルキル基を表し、記載される基のそれぞれについて同じであっても異なっていてもよい)で置換されていてもよい。Ar1およびAr2の一方または両方が、フルオロ原子などの同じまたは異なるハロ基の1つまたは2つで置換されている場合が特に有用である。
さらに、構造(I)中、Yは、酸素原子、硫黄原子または>C(R4R5)によって表されるジアルキルメチレン基を表し、R4およびR5は独立して、1~4個の炭素を有する置換または非置換アルキル基である。本発明の多くの有用な実施形態では、Yの各表示が、同じもしくは異なるジアルキルメチレン基、または同じジアルキルメチレン基でさえあり、R4およびR5が、1個または2個の炭素原子を有する同じ非置換アルキル基である。当業者であれば、多くの可能なジアルキルメチレン基を含む、Yが可能な基の間で変化する多数の化合物を作製することができるであろう。
また、構造(I)中、Rは、水素、1~12個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換ヘテロアリール基である。特定の実施形態では、Rが、水素または1もしくは8個の炭素原子を有する非置換アルキル基である。
構造(I)中、R1およびR2は独立して、それぞれ1~12個の炭素原子を有する、置換または非置換アルキル基であり、多くの実施形態では、このようなアルキル基の一方または両方が、炭素鎖を中断する、または同様にエステル基の場合、アルキル鎖を終結させるエーテル結合またはエステル結合を含む。
R3は、1~12個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アルキル基、炭素環式環中6個もしくは10個の炭素原子を有する芳香環中6個もしくは10個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アリール基、または芳香環中5~10個の炭素およびヘテロ原子を有する置換もしくは非置換ヘテロアリール基である。例えば、R3は、水素原子の1個または複数がフルオロまたはクロロ原子などのハロゲン原子で置き換えられている、1~12個の炭素原子を有するハロアルキル基であり得る。
A1およびA2は独立して、置換もしくは非置換アルキル基を表す、または一緒になって、シクロヘキシレン部分もしくはシクロペンチレン部分などの置換もしくは非置換の5員もしくは6員非芳香族炭素環式環を形成するのに必要な2個もしくは3個の炭素原子を表す。
最後に、構造(I)中、Zaは、構造(I)による変色性化合物の残りの電荷を平衡させるための1つまたは複数の対イオンを表す。構造(I)による変色性化合物の残りが正に帯電している場合、Zaはアニオンを表す。例えば、米国特許第7,524,614号明細書(上記)に記載される、ハロゲンアニオン、ClO4 、PF6 、BF4 、SbF6 、CH3SO3 、CF3SO3 、C6H5SO3 、CH3C6H4SO3 、HOC6H4SO3 、ClC6H4SO3 、およびホウ素含有アニオンなどの多くの有用なアニオンが知られている。有用なホウ素含有アニオンには、電子供与剤について上に記載されるテトラアリールボレートアニオン(テトラフェニルボレートなど)が含まれる。いくつかの実施形態では、Zaが、(1)フリーラジカル開始剤組成物中の電子供与剤によって供給され得る。構造(I)による変色性化合物の残りが負に帯電している場合、Zaはカチオンを表す。有用なカチオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、第三級および第四級アンモニウムイオン、ならびにヨードニウムイオン、スルホニウムイオン、またはホスホニウムイオンなどのオニウムイオンが当技術分野で公知である。Zaはまた、上記の成分(1)フリーラジカル開始剤組成物中のオニウム化合物によっても供給され得る。
成分(3)変色性化合物は、単独でまたはその2つ以上の混合物で、一般に、赤外線感受性画像記録層の総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%または少なくとも1重量%、および10重量%以下または15重量%以下の量で赤外線感受性画像記録層中に存在することができる。
必須ではないが、赤外線感受性画像記録層は、上記の成分(3)変色性化合物とは異なる成分(4)赤外線吸収材料(1つまたはその2つ以上の混合物)を含むこともできる。(4)赤外線吸収剤は、所望の赤外線感受性を提供する、もしくは赤外線を熱に変換する、またはその両方を行う。有用な赤外線吸収剤は、顔料または赤外線吸収性染料であり得る。適切な染料は、米国特許第5,208,135号明細書(Patelら)、同第6,153,356号明細書(Uranoら)、同第6,309,792号明細書(Hauckら)、同第6,569,603号明細書(Furukawa)、同第6,797,449号明細書(Nakamuraら)、同第7,018,775号明細書(Tao)、同第7,368,215号明細書(Munnellyら)、同第8,632,941号明細書(Balbinotら)、および米国特許出願公開第2007/056457号明細書(Iwaiら)に記載されるものである。赤外線感受性画像記録層中の少なくとも1つの(4)赤外線吸収剤は、米国特許出願公開第2011/003123号明細書(Simpsonら)に記載されるように、適切なカチオン性シアニン発色団およびテトラフェニルボレートアニオンなどのテトラアリールボレートアニオンを含むシアニン染料であり得る。
成分(4)赤外線吸収剤の総量は、赤外線感受性画像記録層の総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%または少なくとも1重量%、および15重量%以下または30重量%以下であり得る。
赤外線感受性画像記録層の別の任意成分は、成分(5)酸感受性染料前駆体(単独またはその2つ以上の組み合わせ)である。有用な成分(5)酸感受性染料前駆体は、中性形態で無色またはほぼ無色であり、プロトン化されると着色形態に切り替わる化合物である。欧州特許第3,418,332号明細書(Inasakiら、米国特許出願公開第2018/0356730号明細書に対応する)の[0081]~[0082]および欧州特許第2,018,365号明細書(Nguyenら、米国特許第7,910,768号明細書に対応する)の[0083]~[0084]に記載されるものを含む多くのロイコ染料がこの目的のために知られている。これらの成分(5)酸感受性染料前駆体は、上に定義される成分(1)、(2)、(3)および(4)の全てとは異なる。
いくつかの実施形態では、成分(5)酸感受性染料前駆体の少なくとも1つがラクトン部分構造を含む。有用な成分(5)酸感受性染料前駆体は、以下の構造(C1)および構造(C2):
(式中、R11~R19は独立して、水素、非置換もしくは置換アルキル基、または非置換もしくは置換アリール基である)
のうちの1つまたは複数によって表され得る。このような置換または非置換アルキル基は1~20個の炭素原子を有することができ、1つまたは複数の置換基には、それだけに限らないが、ハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシおよびフェノキシ基が含まれ得る。有用な置換または非置換アリール基は炭素環式芳香環または複素環式芳香環であり得、このような基は2つ以上の縮合環を有し得る。アリール環に有用な置換基には、アルキル基について上記のものが含まれ得る。しかしながら、熟練した化学者であれば、構造(C1)および(C2)についてのこの教示を指針として使用して、他の有用な成分(5)酸感受性染料前駆体を設計することができるだろう。
上記のように、このような成分(5)酸感受性染料前駆体は、赤外線感受性画像記録層の総被覆度(固体)に基づいて、少なくとも0.5重量%および10重量%以下の量で存在することができる。
赤外線感受性画像記録層が、その各々が、存在すれば、ポリマー材料をフリーラジカル重合可能にするようないかなる官能基も有さない、成分(6)非フリーラジカル重合性ポリマー材料(またはポリマーバインダー)または2つ以上の混合物をさらに含むことも任意選択である。したがって、このような成分(6)非フリーラジカル重合性ポリマー材料は、上記の成分(1)、(2)、(3)および(4)の全てとは異なる。
有用な成分(6)非フリーラジカル重合性ポリマー材料は、一般的にゲル浸透クロマトグラフィー(ポリスチレン標準)によって測定される、少なくとも2000または少なくとも20000、および300000以下または500000以下の重量平均分子量(Mw)を有することができる。
このような成分(6)非フリーラジカル重合性ポリマー材料は、米国特許第6,899,994号明細書(Huangら)に記載されるようなポリアルキレンオキシドセグメントを含む側鎖を有する繰り返し単位を含むポリマーを含むポリマーバインダー材料から選択することができる。他の有用なポリマーバインダーは、国際公開第2015-156065号パンフレット(Kamiyaら)に記載されるポリアルキレンオキシドセグメントを含む異なる側鎖を有する2つ以上のタイプの繰り返し単位を含む。このようなポリマーバインダーのいくつかは、米国特許第7,261,998号明細書(Hayashiら)に記載されるペンダントシアノ基を有する繰り返し単位をさらに含むことができる。
このような成分(6)ポリマー非フリーラジカル重合性材料はまた、複数の(少なくとも2つの)ウレタン部分を含む骨格、ならびにポリアルキレンオキシドセグメントを含むペンダント基を有することができる。
いくつかの有用な成分(6)非フリーラジカル重合性ポリマー材料は、粒子形態、すなわち、離散粒子(非凝集粒子)の形態で存在することができる。このような離散粒子は、少なくとも10nmおよび1500nm以下の平均粒径を有することができ、一般的に赤外線感受性画像記録層内に均一に分布する。平均粒径は、電子走査型顕微鏡画像における粒子の測定および設定された測定数の平均化を含む、種々の既知の方法およびナノ粒子測定装置を使用して決定することができる。
成分(6)非フリーラジカル重合性ポリマー材料は、赤外線感受性画像記録層の総被覆度(固体)に基づいて、少なくとも10重量%または少なくとも20重量%、および50重量%以下または70重量%以下の量で存在することができる。
赤外線感受性画像記録層はまた、場合により米国特許第9,366,962号明細書(Hayakawaら)、同第8,383,319号明細書(Huangら)および同第8,105,751号明細書(Endoら)に記載されるように、少なくとも2μmまたは少なくとも4μm、および20μm以下の平均粒径を有する架橋ポリマー粒子を含むことができる。このような架橋ポリマー粒子は、存在する場合、赤外線感受性画像記録層および親水性保護層の一方のみまたは両方に存在することができる(下記)。
赤外線感受性画像記録層はまた、慣用的な量の、分散剤、保湿剤、殺生物剤、可塑剤、被覆性もしくは他の特性のための界面活性剤、粘度上昇剤、pH調整剤、乾燥剤、消泡剤、現像助剤、レオロジー改質剤、または平版コーティング分野で一般的に使用されている任意の他の追加物などの種々の他の任意の追加物も含むことができる。赤外線感受性画像記録層はまた、米国特許第7,429,445号明細書(Munnellyら)に記載される、一般的に250超の分子量を有するホスフェート(メタ)アクリレートを含むことができる。
赤外線感受性画像記録層の有用な乾燥被覆度(典型的には、最小限の水および有機溶媒を含む全固体)を以下に記載する。
親水性保護層:
本発明のいくつかの実施形態では、赤外線感受性画像記録層が、層が上に配置されていない最外層である。原版を、単一の赤外線感受性画像記録層上に直接配置された親水性保護層(親水性オーバーコート、酸素バリア層、またはトップコートとしても知られる)(これらの2つの層の間に中間層がない)を用いて設計することが可能である。
このような親水性保護層は、親水性保護層の総乾燥重量に基づいて、少なくとも60重量%および100重量%以下の量の1つまたは複数の膜形成水溶性ポリマーバインダーを含むことができる。このような膜形成水溶性(または親水性)ポリマーバインダーには、けん化度が少なくとも30%、または少なくとも90%、または99.9%以下の修飾または未修飾ポリ(ビニルアルコール)が含まれ得る。
1つまたは複数の酸修飾ポリ(ビニルアルコール)を、膜形成水溶性(または親水性)ポリマーバインダーとして使用することができる。例えば、少なくとも1つのポリ(ビニルアルコール)は、カルボン酸、スルホン酸、硫酸エステル、ホスホン酸、またはリン酸エステル基などの酸またはエステル基で修飾され得る。有用な修飾ポリ(ビニルアルコール)材料には、スルホン酸修飾ポリ(ビニルアルコール)、カルボン酸修飾ポリ(ビニルアルコール)および第四級アンモニウム塩修飾ポリ(ビニルアルコール)、グリコール修飾ポリ(ビニルアルコール)またはこれらの組み合わせが含まれる。
存在する場合、親水性保護層は、親水性保護層配合物として提供され、乾燥されて、少なくとも0.1g/m2および4g/m2未満の乾燥被覆度を有する。いくつかの実施形態では、乾燥コーティング被覆度が0.1g/m2と低くおよび1.5g/m2以下、または少なくとも0.1g/m2および0.9g/m2以下である。
親水性保護層は、米国特許出願公開第2013/0323643号明細書(Balbinotら)に記載されるように、1つまたは複数の膜形成水溶性(または親水性)ポリマーバインダー内に、一般的に均一に分散した有機ワックス粒子を場合により含むことができる。
平版印刷版原版の調製:
本発明による平版印刷版原版は以下の通り提供することができる。必須成分(1)、(2)および(3)、ならびに任意の成分(4)、(5)、(6)ならびに他の任意の追加物を含む赤外線感受性画像記録層配合物を、スピンコーティング、ナイフコーティング、グラビアコーティング、ダイコーティング、スロットコーティング、バーコーティング、ワイヤロッドコーティング、ローラーコーティングまたは押し出しホッパーコーティングなどの任意の適切な装置および手順を使用して、通常は連続ウェブの形態で、適切なアルミニウム含有基板の親水性表面に適用することができる。いったん赤外線感受性画像記録層配合物を適切な湿潤被覆度で適用したら、これを適切な方法で乾燥して、乾燥被覆度を得て、それによって赤外線感受性連続ウェブまたは赤外線感受性連続物品を得る。赤外線感受性画像記録層の成分および追加物は、画像形成時に、この層が、平版印刷インクおよび湿し水のいずれかまたは組み合わせを使用してオンプレスで容易に除去されるように設計することができる。
赤外線感受性画像記録層配合物を適用する前に、基板は、電気化学的に粒状化され、陽極酸化されて、アルミニウム含有支持体の外側表面上に適切な親水性陽極(酸化アルミニウム)層を提供し、陽極酸化表面は、通常、親水性ポリマー溶液で後処理することができる。
製造方法は、典型的には、水を含むまたは含まない適切な有機溶媒またはその混合物[メチルエチルケトン(2-ブタノン)、メタノール、エタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、2-メトキシプロパノール、イソ-プロピルアルコール、アセトン、γ-ブチロラクトン、n-プロパノール、テトラヒドロフラン、ならびにこれらの混合物など]中に赤外線感受性画像記録層に必要とされる種々の成分を混合し、得られた赤外線感受性画像記録層配合物を連続基板ウェブに適用し、適切な乾燥条件下で蒸発によって溶媒を除去することを含む。
適切な乾燥後、基板上の赤外線感受性画像記録層の乾燥被覆度は、少なくとも0.1g/m2または少なくとも0.4g/m2、および2g/m2以下または4g/m2以下であり得るが、所望であれば他の乾燥被覆度量を使用することができる。
いくつかの実施形態では、適切な水系親水性保護層配合物(上記)を、既知のコーティングおよび乾燥条件、装置および手順を使用して、乾燥した赤外線感受性画像記録層に適用することができる。
画像形成(露光)条件
使用中、本発明の赤外線感受性平版印刷版原版を、赤外線感受性画像記録層中に存在する赤外線吸収剤に応じて、赤外線放射源に露光することができる。平版印刷版原版を、少なくとも750nmおよび1400nm以下、または少なくとも800nmおよび1250nm以下の範囲内の有意な赤外線を放出する1つまたは複数の赤外線放射レーザーで画像形成して、赤外線感受性画像記録層に露光領域と非露光領域を作り出すことができる。赤外線放射発生レーザー(またはこのようなレーザーの配列)からの画像形成または露光赤外線を使用して画像形成を行うことができる。所望であれば同時に複数の赤外線(または近IR)波長の画像形成放射を使用して画像形成を行うこともできる。
米国特許出願公開第2019/0022995号明細書(Igarashiら)に記載されるように、レーザー画像形成の環境内のオゾンを低減または除去するための手段を含むことが望ましい場合がある。
赤外線放射画像形成源が使用される場合、画像形成強度が、赤外線感受性画像記録層の感度に応じて、少なくとも30mJ/cm2および500mJ/cm2以下、典型的には少なくとも50mJ/cm2および300mJ/cm2以下となり得る。
処理(現像)および印刷
上記の画像様露光後、赤外線感受性画像記録層に露光領域および非露光領域を有する露光済み赤外線感受性平版印刷版原版をオフプレスまたはオンプレスで処理して、非露光領域(およびこのような領域上の任意の親水性保護層)を除去することができる。この処理後および平版印刷中、あらわにされた親水性基板表面はインクを跳ね返し、残りの露光領域は平版印刷インクを受容する。
オフプレス現像および印刷:
処理は、同じまたは異なる処理溶液(現像剤)の1回または複数回の連続適用(処理または現像工程)において、任意の適切な現像剤を使用してオフプレスで行うことができる。このような1回または複数回の連続処理は、赤外線感受性画像記録層の非露光領域を除去して基板の最外親水性表面をあらわにするのに十分であるが、有意な量の硬化された露光領域を除去するのに十分長くはない時間、行うことができる。
任意の予熱に続いて、または予熱の代わりに、あらわになった原版を洗浄して(すすいで)、存在する親水性オーバーコートを除去することができる。
有用な現像剤は、通常の水または配合された水溶液であり得、1つまたは複数の界面活性剤、有機溶媒、アルカリ剤、および表面保護剤を含むことができる。有用な有機溶媒には、フェノールとエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドの反応生成物[エチレングリコールフェニルエーテル(フェノキシエタノール)など]、ベンジルアルコール、エチレングリコールおよびプロピレングリコールと6個以下の炭素原子を有する酸のエステル、ならびにエチレングリコール、ジエチレングリコールおよびプロピレングリコールと6個以下の炭素原子を有するアルキル基のエーテルが含まれる。
いくつかの例では、水性処理溶液をオフプレスで使用して、非露光領域を除去することによって画像形成原版を現像することと、画像形成し、現像(処理)した原版印刷面全体にわたって保護層またはコーティングを提供することの両方ができる。水溶液は、平版印刷版上の平版画像を保護(または「ゴム引き」)することができるゴムのように幾分振る舞う。
オフプレス処理および任意の乾燥の後、平版印刷版を、追加の溶液または液体と接触することなく印刷機に取り付けることができる。
適切な方法で平版印刷インクおよび湿し水を平版印刷版の印刷面に適用することによって、印刷を行うことができる。平版インクは、赤外線感受性画像記録層の残りの(露光)領域によって取り込まれ、適切な受容材料(布、紙、金属、ガラスまたはプラスチックなど)に転写されてその上に画像の所望の刷りを提供する。所望であれば、中間「ブランケット」ローラーを使用して平版インクを平版印刷版から受容材料(例えば、用紙)に転写することができる。
オンプレス現像および印刷:
あるいは、本発明のネガ型平版印刷版原版は、平版印刷インク、湿し水、または平版印刷インクと湿し水の組み合わせを使用してオンプレス現像可能である。このような実施形態では、画像形成(露光)赤外線感受性平版印刷版原版が印刷機に取り付けられて、印刷操作が開始される。赤外線感受性画像記録層の非露光領域は、最初の印刷物が作成される際に、適切な湿し水、平版印刷インク、または両者の組み合わせによって除去される。水性湿し水の典型的な成分には、pH緩衝剤、減感剤、界面活性剤および湿潤剤、保湿剤、低沸点溶媒、殺生物剤、消泡剤および金属イオン封鎖剤が含まれる。湿し水の代表的な例としてはVarn Litho Etch 142W+Varn PAR(アルコールサブ)(Varn International、Addison、ILから入手可能)がある。
枚葉印刷機を使用する典型的な印刷機の運転開始では、最初に湿しローラーを係合し、取り付けられた画像形成原版に湿し水を供給して、少なくとも非露光領域で露光済み赤外線感受性画像記録層を膨潤させる。数回転後、インクローラーを係合し、平版印刷版の印刷面全体を覆うように平版印刷インクを供給する。典型的には、インクローラー係合後5~20回転以内に、印刷シートを供給して、形成されたインク-湿し水エマルジョンを使用して、平版印刷版から赤外線感受性画像記録層の非露光領域、ならびに存在する場合はブランケットシリンダー上の材料を除去する。
本発明は、少なくとも以下の実施形態およびその組み合わせを提供する:
1.基板と、
前記基板上に配置され、以下の成分(1)、(2)および(3):
(1)赤外線に露光するとフリーラジカルを生成することができ、電子供与剤を含むフリーラジカル開始剤組成物;
(2)フリーラジカル重合性組成物;および
(3)以下の構造(I)によって表される変色性化合物
(式中、
Ar1およびAr2は独立して、置換もしくは非置換芳香環を完成させるため、または置換もしくは非置換複素芳香環を完成させるために必要な原子を表し;
Rは、水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換ヘテロアリール基であり;
R1およびR2は独立して、置換または非置換アルキル基であり;
R3は、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換ヘテロアリール基であり;
Yは、酸素原子、硫黄原子、または>C(R4R5)によって表されるジアルキルメチレン基を表し、R4およびR5は独立して、1~4個の炭素を有する置換または非置換アルキル基であり;
A1およびA2は独立して、置換もしくは非置換アルキル基を表す、または一緒になって、置換もしくは非置換の5員もしくは6員非芳香族炭素環式環を形成するのに必要な2個もしくは3個の炭素原子を表し;
Zaは、構造(I)による変色性化合物の残りの電荷を平衡させるための1つまたは複数の対イオンを表す)
を含む赤外線感受性画像記録層と
を含む平版印刷版原版。
2.R3がトリフルオロメチル基である、実施形態1に記載の平版印刷版原版。
3.Ar1およびAr2が、置換または非置換芳香環を完成させるのに必要な同じ数の炭素原子である、実施形態1または2に記載の平版印刷版原版。
4.Ar1およびAr2の原子によって完成された芳香環の一方または両方が、1つまたは同じであっても異なっていてもよい2つのハロ基で置換されている、実施形態1から3のいずれかに記載の平版印刷版原版。
5.A1およびA2が一緒になって、非置換の5員非芳香族炭素環式環を完成させるのに必要な2個の炭素原子を表す、実施形態1から4のいずれかに記載の平版印刷版原版。
6.Zaがテトラアリールボレートアニオンを含む、実施形態1から5のいずれかに記載の平版印刷版原版。
7.電子供与剤が、以下の構造(II)によって表される有機ホウ酸塩
(B(R10R11R12R13)n Mn+
構造(II)
(式中、R10、R11、R12およびR13は独立して、置換もしくは非置換アルキル基または置換もしくは非置換アリール基であり、R10、R11、R12およびR13のうちの少なくとも3つは同じまたは異なる置換または非置換アリール基であり、nは1以上の整数であり、Mn+はn価のカチオンである)
である、実施形態1から6のいずれかに記載の平版印刷版原版。
8.R10、R11、R12およびR13の全てが同じまたは異なる置換または非置換アリール基である、実施形態7に記載の平版印刷版原版。
9.R10、R11、R12およびR13の全てが同じ置換または非置換フェニル基である、実施形態7または8に記載の平版印刷版原版。
10.R1およびR2が独立して、1つまたは複数のエーテル結合またはエステル結合によって中断された炭素原子の鎖を含む、実施形態1から9のいずれかに記載の平版印刷版原版。
11.赤外線感受性画像記録層が、(3)変色性化合物とは異なる成分(4)赤外線吸収材料をさらに含む、実施形態1から10のいずれかに記載の平版印刷版原版。
12.(1)フリーラジカル開始剤組成物がオニウム塩を含む、実施形態1から11のいずれかに記載の平版印刷版原版。
13.(1)フリーラジカル開始剤組成物がヨードニウムカチオンを含む、実施形態1から12のいずれかに記載の平版印刷版原版。
14.ヨードニウムカチオンがジアリールヨードニウムカチオンである、実施形態12または13に記載の平版印刷版原版。
15.赤外線感受性画像記録層が、上に定義される(1)、(2)、(3)および(4)成分の全てとは異なる成分(5)酸感受性染料前駆体をさらに含む、実施形態1から14のいずれかに記載の平版印刷版原版。
16.赤外線感受性画像記録層が、上に定義される(1)、(2)、(3)および(4)成分の全てとは異なる成分(6)非フリーラジカル重合性ポリマー材料をさらに含む、実施形態1から15のいずれかに記載の平版印刷版原版。
17.(6)非フリーラジカル重合性ポリマー材料が粒子形態で存在する、実施形態16に記載の平版印刷版原版。
18.赤外線露光後、赤外線感受性画像記録層が、平版インク、湿し水、または平版インクと湿し水との組み合わせを使用してオンプレスで現像可能である、実施形態1から17のいずれかに記載の平版印刷版原版。
19.(3)構造(I)によって表される変色性化合物が、赤外線感受性画像記録層の総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%および15重量%以下の被覆度量で赤外線感受性画像記録層中に存在する、実施形態1から18のいずれかに記載の平版印刷版原版。
20.赤外線感受性画像記録層が最外層である、実施形態1から19のいずれかに記載の平版印刷版原版。
21.(2)フリーラジカル重合性組成物が少なくとも2つのフリーラジカル重合性成分を含む、実施形態1から20のいずれかに記載の平版印刷版原版。
22.基板が、少なくとも1つの酸化アルミニウム層と、少なくとも1つの酸化アルミニウム層上に配置された親水性ポリマーコーティングとを含むアルミニウム含有基板を含む、実施形態1から21のいずれかに記載の平版印刷版原版。
23.基板が、少なくとも内側酸化アルミニウム層と、内側酸化アルミニウム層上に配置された外側酸化アルミニウム層と、外側酸化アルミニウム層上に配置された親水性ポリマーコーティングとを含むアルミニウム含有基板を含む、実施形態1から22のいずれかに記載の平版印刷版原版。
24.平版印刷版を提供する方法であって、
A)実施形態1から23のいずれかに記載の平版印刷版原版を赤外線に画像様露光して、赤外線感受性画像記録層に露光領域および非露光領域を得る工程と、
B)基板から赤外線感受性画像記録層の非露光領域を除去する工程と
を含む方法。
25.平版印刷インク、湿し水、または平版印刷インクと湿し水の組み合わせを使用して、オンプレスで基板から赤外線感受性画像記録層の非露光領域を除去する工程を含む、実施形態24に記載の方法。
26.画像様露光が、1つまたは複数の赤外線発光レーザーを使用して行われる、実施形態24または25に記載の方法。
以下の実施例は、本発明の実施をさらに説明するために提供するものであって、何ら限定的であることを意図していない。
アルミニウム含有基板を、以下の方法で平版印刷版原版のために調製した:
厚さ0.28 mmのHydro 1052アルミニウム合金ストリップまたはウェブ(Norsk Hydro ASA、ノルウェーから入手可能)をアルミニウム含有「板」ストックまたは支持体として使用した。プレエッチング工程とポストエッチング工程の両方を、既知の条件下、アルカリ溶液中で行った。エッチングされたアルミニウム支持体の粗面化(または粒状化)を23℃の塩酸溶液中で電気化学的手段によって行って、アルミニウム含有支持体の表面の算術平均粗さ(Ra)0.5μmを得た。その後、アルミニウム含有支持体を2つの個々の陽極酸化処理に供した。電解質としてリン酸を使用して第1の陽極酸化プロセスを行って、平均微細孔径(Do)19 nmおよび平均乾燥厚さ(To)60 nmを有する外側酸化アルミニウム層を形成した。次いで、電解質としてリン酸を使用して第2の陽極酸化プロセスを行って、平均微細孔径(Di)70 nmおよび平均乾燥厚さ(Ti)500 nmを有する内側酸化アルミニウム層を形成した。これらの2つの陽極酸化工程を、平版印刷版原版を製造するために使用される典型的な製造ラインにおいて連続プロセスで行った。このようにして調製されたアルミニウム含有支持体を、本発明において有用な基板について0.03g/m2の乾燥厚さを与えるようにポリアクリル酸の水溶液でコーティングした。
次いで、以下に記載される発明原版および比較原版の各々について、バーコーターを使用して、以下の表I、II、およびIIIに示される成分および量を有する赤外線感受性組成物配合物を個別にコーティングすることによって、ネガ型赤外線感受性画像記録層を記載されるアルミニウム含有基板上に形成して、50℃で60秒間の乾燥後に乾燥コーティング重量0.9g/m2を得た。表Iに記載の原料を以下の表IIに特定し、様々な成分の量を表IIIに示す。これらの材料は、化学薬品の1つまたは複数の商業的供給源から得ることができるか、または既知の合成方法および出発材料を使用して調製することができる。
発明平版印刷版原版および比較平版印刷版原版の各々を、「オンプレス現像性」(DOP)、「画像形成速度」、「プリントアウト画像」(PO)、および「暗退色(dark fading)」の4つの試験を使用して評価した。結果を以下の表IVに要約する。
オンプレス現像性:
Trendsetter 3244xを使用して各平版印刷版原版を15~150mJ/cm2で画像様露光することによって、オンプレス現像性を評価した。次いで、各画像様露光平版印刷版原版を、現像(処理)することなくMAN Roland Favorite 04プレス機に取り付けた。湿し水(Varn Supreme 6038)および平版印刷インク(Gans Cyan)を供給し、平版印刷を実施した。オンプレス現像は印刷中に起こり、これを、きれいな背景を得るのに必要な印刷用紙の数を数えることによって評価し、きれいな背景を達成するための印刷用紙の数に基づいて以下の定性的値のうちの1つを与えた。+および0の評価が、この試験パラメータについて許容可能である。
+5枚未満の印刷用紙
0 15~35枚の印刷用紙
-35枚超の印刷用紙
画像形成速度:
平版印刷版原版の各々を上記のように露光し、現像した。画像形成速度を、異なるエネルギーに露光された固体のインク密度の決定によって、1000回刷り後に紙で測定した。インク密度対露光エネルギーの変曲点が画像形成速度の尺度と見なされる。個々の実験の結果として以下の定性値が与えられ、より低い画像形成エネルギーが望ましい。+および0の評価が、このパラメータについて許容可能である。
+画像形成速度<30 mJ/cm2
0 画像形成速度=30~60 mJ/cm2
-画像形成速度>60 mJ/cm2
プリントアウト画像:
平版印刷版原版の各々を、Trendsetter 800 III Quantum TH 1.7(Eastman Kodak Companyから入手可能)を使用して90mJ/cm2で画像様露光して、ネガ型IR感受性画像記録層に露光領域および非露光領域を得た。各画像様露光された平版印刷版原版について、画像様露光の完了から10分以内に、Techkon Spectro Densスペクトル密度計を使用してシアンΔOD値を決定することによって、露光領域と非露光領域の色の違いを測定した。シアンΔODは、露光領域と非露光領域との間でシアンフィルタを通して観察される反射光学密度の差を表す。高いシアンΔOD絶対値を有する平版印刷版原版上の視覚画像は、約617 nmの光を発するダイオード光源を用いて構築されるカメラおよびその他の読み取り装置によってより読み取り可能であると予想される。測定値を以下の通り点数化した。
+0.10≦シアンΔOD
0 0.05≦シアンΔOD<0.10
-シアンΔOD<0.05
暗退色:
各平版印刷版を上記のように画像様露光し、次いで、暗所で24時間保存した。次いで、シアンΔOD測定を上記のように行い、以下の定性的スコアを与えた。
+0.10≦シアンΔOD
0 0.05≦シアンΔOD<0.10
-シアンΔOD<0.05
表IVに示される結果は、本発明の(3)変色性化合物を含有する本発明の赤外線感受性画像形成組成物が4つの試験全てにおいて許容される結果を提供し、特に暗退色試験後のプリントアウト画像を改善したことを示す。

Claims (26)

  1. 基板と、
    前記基板上に配置され、以下の成分(1)、(2)および(3):
    (1)赤外線に露光するとフリーラジカルを生成することができ、電子供与剤を含むフリーラジカル開始剤組成物;
    (2)フリーラジカル重合性組成物;および
    (3)以下の構造(I)によって表される変色性化合物
    (式中、
    Ar1およびAr2は独立して、置換もしくは非置換芳香環を完成させるため、または置換もしくは非置換複素芳香環を完成させるために必要な原子を表し;
    Rは、水素、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換ヘテロアリール基であり;
    R1およびR2は独立して、置換または非置換アルキル基であり;
    R3は、置換もしくは非置換アルキル基、置換もしくは非置換アリール基、または置換もしくは非置換ヘテロアリール基であり;
    Yは、酸素原子、硫黄原子、または>C(R4R5)によって表されるジアルキルメチレン基を表し、R4およびR5は独立して、1~4個の炭素を有する置換または非置換アルキル基であり;
    A1およびA2は独立して、置換もしくは非置換アルキル基を表す、または一緒になって、置換もしくは非置換の5員もしくは6員非芳香族炭素環式環を形成するのに必要な2個もしくは3個の炭素原子を表し;
    Zaは、構造(I)による変色性化合物の残りの電荷を平衡させるための1つまたは複数の対イオンを表す)
    を含む赤外線感受性画像記録層と
    を含む平版印刷版原版。
  2. R3がトリフルオロメチル基である、請求項1に記載の平版印刷版原版。
  3. Ar1およびAr2が、置換または非置換芳香環を完成させるのに必要な同じ数の炭素原子である、請求項1または2に記載の平版印刷版原版。
  4. Ar1およびAr2の原子によって完成された芳香環の一方または両方が、1つまたは同じであっても異なっていてもよい2つのハロ基で置換されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
  5. A1およびA2が一緒になって、非置換の5員非芳香族炭素環式環を完成させるのに必要な2個の炭素原子を表す、請求項1から4のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
  6. Zaがテトラアリールボレートアニオンを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
  7. 前記電子供与剤が、以下の構造(II)によって表される有機ホウ酸塩
    (B(R10R11R12R13)n Mn+
    構造(II)
    (式中、R10、R11、R12およびR13は独立して、置換もしくは非置換アルキル基または置換もしくは非置換アリール基であり、R10、R11、R12およびR13のうちの少なくとも3つは同じまたは異なる置換または非置換アリール基であり、nは1以上の整数であり、Mn+はn価のカチオンである)
    である、請求項1から6のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
  8. R10、R11、R12およびR13の全てが同じまたは異なる置換または非置換アリール基である、請求項7に記載の平版印刷版原版。
  9. R10、R11、R12およびR13の全てが同じ置換または非置換フェニル基である、請求項7または8に記載の平版印刷版原版。
  10. R1およびR2が独立して、1つまたは複数のエーテル結合またはエステル結合によって中断された炭素原子の鎖を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
  11. 前記赤外線感受性画像記録層が、前記(3)変色性化合物とは異なる成分(4)赤外線吸収材料をさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
  12. 前記(1)フリーラジカル開始剤組成物がオニウム塩を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
  13. 前記(1)フリーラジカル開始剤組成物がヨードニウムカチオンを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
  14. 前記ヨードニウムカチオンがジアリールヨードニウムカチオンである、請求項12または13に記載の平版印刷版原版。
  15. 前記赤外線感受性画像記録層が、上に定義される前記(1)、(2)、(3)および(4)成分の全てとは異なる成分(5)酸感受性染料前駆体をさらに含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
  16. 前記赤外線感受性画像記録層が、上に定義される前記(1)、(2)、(3)および(4)成分の全てとは異なる成分(6)非フリーラジカル重合性ポリマー材料をさらに含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
  17. 前記(6)非フリーラジカル重合性ポリマー材料が粒子形態で存在する、請求項16に記載の平版印刷版原版。
  18. 赤外線露光後、前記赤外線感受性画像記録層が、平版インク、湿し水、または平版インクと湿し水との組み合わせを使用してオンプレスで現像可能である、請求項1から17のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
  19. 前記(3)構造(I)によって表される変色性化合物が、前記赤外線感受性画像記録層の総重量に基づいて、少なくとも0.5重量%および15重量%以下の被覆度量で前記赤外線感受性画像記録層中に存在する、請求項1から18のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
  20. 前記赤外線感受性画像記録層が最外層である、請求項1から19のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
  21. 前記(2)フリーラジカル重合性組成物が少なくとも2つのフリーラジカル重合性成分を含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
  22. 前記基板が、少なくとも1つの酸化アルミニウム層と、前記少なくとも1つの酸化アルミニウム層上に配置された親水性ポリマーコーティングとを含むアルミニウム含有基板を含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
  23. 前記基板が、少なくとも内側酸化アルミニウム層と、前記内側酸化アルミニウム層上に配置された外側酸化アルミニウム層と、前記外側酸化アルミニウム層上に配置された親水性ポリマーコーティングとを含むアルミニウム含有基板を含む、請求項1から22のいずれか一項に記載の平版印刷版原版。
  24. 平版印刷版を提供する方法であって、
    A)請求項1から23のいずれか一項に記載の平版印刷版原版を赤外線に画像様露光して、前記赤外線感受性画像記録層に露光領域および非露光領域を得る工程と、
    B)前記基板から前記赤外線感受性画像記録層の前記非露光領域を除去する工程と
    を含む方法。
  25. 平版印刷インク、湿し水、または平版印刷インクと湿し水の組み合わせを使用して、オンプレスで前記基板から前記赤外線感受性画像記録層の前記非露光領域を除去する工程を含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記画像様露光が、1つまたは複数の赤外線発光レーザーを使用して行われる、請求項24または25に記載の方法。
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