JP2024512143A - ガイドワイヤ制御装置カセットおよびその使用方法 - Google Patents
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Abstract
本明細書では、患者の体内でガイドワイヤを位置決めするためのガイドワイヤ制御装置カセットが提供され、ガイドワイヤ制御装置カセットは、内部空間を有するハウジングと、内部空間内に受けられており、入口側、反対側の出口側、およびこれらの間に配設されている側壁を有する並進モジュールであって、入口側と出口側との間に延びている第1のガイドワイヤ経路を備え、第1のガイドワイヤ経路に沿ってガイドワイヤを並進移動させるように構成されている、並進モジュールと、内部空間内に受けられておりかつ側壁に装着されている回転モジュールであって、ガイドワイヤの近位端を受けるための開口部、回転軸を中心にしたガイドワイヤの近位端の回転が可能な回転軸、および開口部から入口側まで外に延びているループ経路である第2のガイドワイヤ経路を備える、回転モジュールと、を含む。
【選択図】図9C
【選択図】図9C
Description
本明細書は、最小侵襲性介入手技に使用される医療デバイスおよび制御方法に関し、より詳細には、遠位先端部を人間の体腔内のその標的部位に適用するためにガイドワイヤおよびカテーテルを使用する、血管内介入のためのロボット制御装置の分野に関する。
体内、例えば人体などの哺乳類の体内の所望の地点に二次シース(例えばカテーテル)を導くのにガイドワイヤが使用され、二次シースはガイドワイヤを覆いこれに沿って送り込まれる。最小侵襲性介入手技の1つの応用として、患者の皮膚および体腔壁を貫く切開部を通して、体腔、すなわち血管内にガイドワイヤを導入し、そこからガイドワイヤの導入端、すなわち遠位端を、この体腔の、または、ガイドワイヤが中に導入される体腔へと分岐しているかもしくはかかる体腔から分岐している体腔の、所望の地点へと導く。
ガイドワイヤ導入システムの1つの問題点は、蛇行する体腔の幾何形状に追従するようにガイドワイヤの遠位端を適合させ、また中にガイドワイヤの遠位端が配置される体腔と接続している交差体腔または分岐体腔内に遠位端を導く能力に、限界のあることである。ガイドワイヤの遠位端を分岐体腔内に導くためには、ガイドワイヤの遠位端を、ガイドワイヤが分岐した体腔の地点に到達したときの体腔との位置関係(alignment)から、ガイドワイヤを体の内側へと更に移動させたときガイドワイヤが分岐体腔に進入しそれに追従することになるような位置関係まで、制御下で移動させねばならない。場合によっては、分岐体腔はその地点がガイドワイヤ遠位端の標的目的地となっており、中に遠位端が存在している体腔と、例えば45度超、場合によっては90度超の大きな角度で交差する。また場合によっては、ガイドワイヤの遠位端を血管の蛇行した急な方向転換部(turns)内へとこの体腔を傷つけることなく導くことが困難な場合もあり得るが、その理由は、それら方向転換部および側壁に隣接した流体の流れによって、ガイドワイヤが血管の側壁に向けて押される傾向があるからである。
このような問題を克服するために、ガイドワイヤ遠位端の向きの制御を容易にする1つの方法として、カテーテルおよびそれらの周囲を覆うガイドワイヤの動きを安定的に制御するためのロボットシステムの開発が挙げられる。例えば、米国特許第10342953B2号にはロボットカテーテルシステムが開示されている。カテーテルシステムは、ハウジングと、ハウジングによって支持されている駆動機構と、を含む。駆動機構は、カテーテルデバイスに係合しこれに動きを与えるように構成されている係合構造を含む。ロボットカテーテルシステムとともに使用されるカセットも提供される。カセットは、ハウジングと、ガイドワイヤに解放可能に係合しこのガイドワイヤをその長手軸線に沿って駆動する、ハウジングによって支持されている第1の軸方向駆動機構と、作業カテーテルに解放可能に係合しこの作業カテーテルをその長手軸線に沿って駆動する、ハウジングによって支持されている第2の軸方向駆動機構と、ガイドワイヤをその長手軸線を中心に回転させる、ハウジングによって支持されている回転駆動機構と、を含む。
上述した課題を克服するために、誘導が容易で安定性に優れるとともに、患者および外科医の放射線曝露を低減しながらも操作者に依存しないより均一な結果が得られる可能性を有する、新規なロボット制御システムが、依然として切実に要望されている。
ここで、一態様では、近位端を有するガイドワイヤを移動させるためのガイドワイヤ制御装置カセットが提供される。ガイドワイヤ制御装置は、内部空間を有するハウジングと、内部空間内に受けられており、入口側、反対側の出口側、およびこれらの間に配設されている側壁を有する並進モジュールであって、入口側と出口側との間に延びている第1のガイドワイヤ経路を備え、第1のガイドワイヤ経路に沿ってガイドワイヤを並進移動させるように構成されている、並進モジュールと、内部空間内に受けられておりかつ側壁に装着されている回転モジュールであって、ガイドワイヤの近位端を受けるための開口部、回転軸を中心にしたガイドワイヤの近位端の回転が可能な回転軸、および開口部から入口側まで外に延びているループ経路である第2のガイドワイヤ経路を備える、回転モジュールと、を備える。
別の態様では、ガイドワイヤを移動させるための方法が提供される。方法は、内部空間を有するカートリッジ、内部空間内に受けられており、入口側、反対側の出口側、およびこれらの間に配設されている側壁を有する並進モジュールであって、入口側と出口側との間に延びている第1のガイドワイヤ経路を備え、第1のガイドワイヤ経路に沿ってガイドワイヤを並進移動させるように構成されている、並進モジュールと、内部空間内に受けられておりかつ側壁に装着されている回転モジュールであって、ガイドワイヤの近位端を受けるための開口部、および長手軸線を中心にしたガイドワイヤの近位端の回転が可能な長手軸線、および開口部から入口側まで外に延びているループ経路である第2のガイドワイヤ経路を備える、回転モジュールとを備える、ガイドワイヤ制御装置を提供することと、ガイドワイヤを第1のガイドワイヤ経路および第2のガイドワイヤ経路に沿って回転モジュールおよび並進モジュールに係合させることと、ガイドワイヤ制御装置の制御信号に応答して、ガイドワイヤを第1のガイドワイヤ経路および第2のガイドワイヤ経路に沿って並進移動または回転移動させることと、を含む。
上に列挙した特徴を詳細に理解できるように、以下の添付の図面と併せて解釈される詳細な説明を参照する。
本明細書に記載される例は一般に、血管内手技のためのシステムおよび方法に関する。より詳細には、本明細書に記載するいくつかの例は、血管内手技のためのロボットシステム、およびそのようなロボットシステムを動作させる方法を可能にする。いくつかの例では、多軸カテーテルシステムは、対応する1つのカセットを各々有する複数の駆動ユニットを含み得る。複数の駆動ユニットは全体として、いくつかのカテーテルとガイドワイヤとを前進および回転させることができる。このようなシステムでは、カテーテルまたはガイドワイヤの前進および回転を、任意の他のカテーテルまたはガイドワイヤの前進または回転から独立して行うことができる。カテーテルまたはガイドワイヤの前進および/または回転を実施できるカセットが含まれる例も存在する。
本明細書に記載する例は様々な利益を達成し得る。ロボットシステムは、血管内手技を行う外科医が、血管内挿入デバイス(例えば、カテーテルおよび/またはガイドワイヤ)の誘導を精確に制御することを可能にする。血管内手技では血管内挿入デバイスの回転によって、血管内挿入デバイスを、血管内手技を受ける体の中の蛇行した血管系を通して導くことが可能になる。更に、血管内挿入デバイスを回転させるように構成されている回転アセンブリは、(例えば、血管内挿入デバイスを前進させている間を含め)血管内挿入デバイスへの機械的な連結を維持することができ、このことにより血管内挿入デバイスの回転方向を維持することができる。
以下では図を参照して様々な特徴を説明する。図示される例は、必ずしも示される全ての態様または利点を有するものではない。特定の例に関連して記載される態様または利点は、必ずしもその例に限定されるものではなく、任意の他の例において実施可能であり、このことは、そのように図示されていない、またはそのように明示的に記載されていない場合にも当てはまる。更に、本明細書に記載する方法は特定の動作順序で記載される場合があるが、他の例に係る他の方法が、より多いまたはより少ない動作での様々な他の順序(例えば、様々な動作の異なる連続または並列実行が挙げられる)で実施されてもよい。様々な図が図の互いに対する方向を決定するための3次元座標軸を伴って図示されているが、このような軸については以下で明示的に記載しない場合がある。3次元座標軸は、それぞれの軸に沿った正の移動方向の方向性を示す。より具体的には、3次元座標軸は正のX(+X)方向、正のY(+Y)方向、および正のZ(+Z)方向を示す。
図1は、いくつかの例に係る、簡略化された多軸カテーテルシステム10の斜視図を示す。多軸カテーテルシステム10は、フレーム12と、トラック14と、カセットプラットフォーム22、24、26、28と、駆動ユニット32、34、36、38と、を含む。動作中、多軸カテーテルシステム10は、遠位カセット42と、第1の中間カセット44と、第2の中間カセット46と、近位カセット48と、を利用する。カセット42~48は、単回使用のカセット(例えば、1回の血管内手技に使用可能)であってもよい。図示されている多軸カテーテルシステム10は、2つの中間カセット用のカセットプラットフォームおよび駆動ユニットを利用する。他の例では、より少ないまたはより多い(例えば、1つ、3つ、4つ、等)中間カセット用のカセットプラットフォームおよび駆動ユニットを利用し得る。
フレーム12は、多軸カテーテルシステム10の様々な他の構成要素が機械的に連結され支持される支持構造である。図示されていないが、フレーム12の周囲に一緒にケーシングまたはシュラウドを含めることができる。トラック14はフレーム12の下にありこれに機械的に連結されている。トラック14は、図1ではX方向である、フレーム12の長手軸線に沿って延びている。トラック14は、トラック14に機械的に連結されこれに沿って移動可能な構成要素の、長手軸線と平行な方向(例えばX方向)への並進を可能にする。
遠位カセットプラットフォーム22はフレーム12と一体であるように図示されており、他の例では、遠位カセットプラットフォーム22はフレーム12に、ブラケットおよび/または他の枠体によってなど、他の方法で機械的に連結され得る。遠位駆動ユニット32は遠位カセットプラットフォーム22の下にあり、遠位カセットプラットフォーム22および/またはフレーム12に機械的に連結されている。遠位カセットプラットフォーム22および遠位駆動ユニット32は、(例えば、フレーム12への機械的連結によって)フレーム12に対して不動の位置にある。動作中、遠位カセット42は遠位カセットプラットフォーム22上に配設され、遠位カセットプラットフォーム22および/または遠位駆動ユニット32に機械的に取り付けられ得る。
第1の中間カセットプラットフォーム24および/または第1の中間駆動ユニット34は、トラック14に機械的に連結されこれに沿って移動可能である。第1の中間駆動ユニット34は第1の中間カセットプラットフォーム24の下にあり、これに機械的に連結されている。第1の中間カセットプラットフォーム24および第1の中間駆動ユニット34は、トラック14の長手方向と平行な方向(例えばX方向)に沿って並進するように構成され、そのように並進させることが可能である。動作中、第1の中間カセット44は第1の中間カセットプラットフォーム24上に配設され、第1の中間カセットプラットフォーム24および/または第1の中間駆動ユニット34に機械的に取り付けられ得る。
第2の中間カセットプラットフォーム26および/または第2の中間駆動ユニット36は、トラック14に機械的に連結されこれに沿って移動可能である。第2の中間駆動ユニット36は第2の中間カセットプラットフォーム26の下にあり、これに機械的に連結されている。第2の中間カセットプラットフォーム26および第2の中間駆動ユニット36は、トラック14の長手方向と平行な方向(例えばX方向)に沿って並進するように構成され、そのように並進させることが可能である。動作中、第2の中間カセット46は第2の中間カセットプラットフォーム26上に配設され、第2の中間カセットプラットフォーム26および/または第2の中間駆動ユニット36に機械的に取り付けられ得る。
近位カセットプラットフォーム28および/または近位駆動ユニット38は、トラック14に機械的に連結されこれに沿って移動可能である。近位駆動ユニット38は近位カセットプラットフォーム28の下にあり、これに機械的に連結されている。近位カセットプラットフォーム28および近位駆動ユニット38は、トラック14の長手方向と平行な方向(例えばX方向)に沿って並進するように構成され、そのように並進させることが可能である。動作中、近位カセット48は近位カセットプラットフォーム28上に配設され、近位カセットプラットフォーム28および/または近位駆動ユニット38に機械的に取り付けられ得る。以下では、近位カセットプラットフォーム28およびその構成要素について詳細に説明する。
図示されているように、第1の中間カセットプラットフォーム24(対応する第1の中間駆動ユニット34を有する)は、遠位カセットプラットフォーム22(対応する遠位駆動ユニット32を有する)と第2の中間カセットプラットフォーム26(対応する第2の中間駆動ユニット36を有する)との間に配設され、この間をトラック14に沿って移動可能である。同様に、第2の中間カセットプラットフォーム26(対応する第2の中間駆動ユニット36を有する)は、第1の中間カセットプラットフォーム24(対応する第1の中間駆動ユニット34を有する)と近位カセットプラットフォーム28(対応する近位駆動ユニット38を有する)との間に配設され、この間をトラック14に沿って移動可能である。更に、近位カセットプラットフォーム28(対応する近位駆動ユニット38を有する)は、第2の中間カセットプラットフォーム26(対応する第2の中間駆動ユニット36を有する)に対して近位位置に配設され、そのような相対的近位位置内でトラック14に沿って移動可能である。
動作中、各カセット42、44、46はそれぞれの駆動ユニット32、34、36と連携して、それぞれのカテーテルを前進させる(例えば、それぞれのカテーテルを体の中へと送り込むまたはカテーテルを体から取り出す)ように構成されている。所与のカセット42、44、46によって前進される所与のカテーテルは、次のより近位に配置されるカセット44、46、48によって固定されているYコネクタに機械的に連結される近位端を有する。例えば、遠位カセット42によって前進されるカテーテルは、第1の中間カセット44によって固定されているYコネクタに機械的に連結される近位端を有し、第1の中間カセット44によって前進されるカテーテルは、第2の中間カセット46によって固定されているYコネクタに機械的に連結される近位端を有し、第2の中間カセット46によって前進されるカテーテルは、近位カセット48によって固定されているYコネクタに機械的に連結される近位端を有する。したがって、カセットによってカテーテルを前進させた結果、次のより近位に配置されるカセットならびに対応するカセットプラットフォームおよび駆動ユニットの並進が生じ得る。多軸カテーテルシステム10は、カセットによって固定される近位端を有するカテーテルを前進させたときにカセット(ならびに対応するカセットプラットフォームおよび駆動ユニット)を協働して並進させることのできる1つまたは複数の並進アセンブリを更に含むことができ、これによりカテーテルの張力およびカテーテルの座屈を軽減または防止することができる。更に、近位カセット48はガイドワイヤを前進させるように構成されている。
更に、各カセット44、46、48は、そのカセット44、46、48によって固定されているYコネクタに機械的に連結される近位端を有するそれぞれのカテーテルを回転させるように構成されている。更に、近位カセット48はガイドワイヤを回転させるように構成されている。
図1の多軸カテーテルシステム10では、各カテーテルおよびガイドワイヤを、他の各カテーテルおよびガイドワイヤから独立して前進させることができる。更に、各カテーテルおよびガイドワイヤは、他の各カテーテルおよびガイドワイヤから独立して回転させることができる。そのような動作の詳細およびそのような動作を実施するための構成要素の詳細について、以下に様々な例との関連で説明する。
更に、各カセット44、46、48は、そのカセット44、46、48によって固定されているYコネクタに機械的に連結される近位端を有するそれぞれのカテーテルを回転させるように構成されている。更に、近位カセット48はガイドワイヤを回転させるように構成されている。
図1の多軸カテーテルシステム10では、各カテーテルおよびガイドワイヤを、他の各カテーテルおよびガイドワイヤから独立して前進させることができる。更に、各カテーテルおよびガイドワイヤは、他の各カテーテルおよびガイドワイヤから独立して回転させることができる。そのような動作の詳細およびそのような動作を実施するための構成要素の詳細について、以下に様々な例との関連で説明する。
図2は、いくつかの例に係る、多軸カテーテルシステム100の斜視図を示す。図2の多軸カテーテルシステム100には、図1の簡略化された多軸カテーテルシステム10の更なる詳細が図示されている。多軸カテーテルシステム100は、同様に、フレーム112と、(隠れている)トラックと、カセットプラットフォーム122、124、126、128と、駆動ユニット132、134、136、138(例えば、それぞれのカセットプラットフォーム122~128に取り付けられたそれぞれのハウジング内に収容されている)と、を含む。ここで、遠位駆動ユニット132は図1の遠位駆動ユニット32に対応しており、第1の中間駆動ユニット134は図1の第1の中間駆動ユニット34に対応しており、第2の中間駆動ユニット136は図1の第2の中間駆動ユニット36に対応しており、近位駆動ユニット48は図1の近位駆動ユニット48に対応している。図2はまた、対応するカセットプラットフォーム122、124、126、128および/または駆動ユニット132、134、136、138に機械的に取り付けられた、カセット142、144、146、148も示す。カセット142~148は、単回使用のカセット(例えば、1回の血管内手技に使用可能)であってもよい。当業者であれば、図2のこれらの構成要素と図1に示されている上記した構成要素との対応関係を、容易に理解するであろう。図2には、カセット144~148をトラックに沿って遠位位置まで並進させた状態が示されている。
図2には、カテーテル152、154、156と、ガイドワイヤ158と、Yコネクタ162、164、166と、が更に示されている。第2の駆動ユニット134上に支持されこれにより駆動される第2のカテーテル154は、第1の駆動ユニット132上に支持されこれにより駆動される第1のカテーテル152の穴を通って前進される。第3の駆動ユニット136上に支持されこれにより駆動される第3のカテーテル156は、第2の駆動ユニット135上に支持されこれにより駆動される第2のカテーテル154の穴を通って前進される。第4の駆動ユニット138上に支持されこれにより駆動されるガイドワイヤ158は、第3の駆動ユニット136上に支持されこれにより駆動される第3のカテーテル156の穴を通って前進される。ここで、第1のカテーテル152の内径(例えば、穴の直径)は第2のカテーテル154の外径よりも大きく、第2のカテーテル154の内径(例えば、穴の直径)は第3カテーテル156の外径よりも大きく、第3のカテーテル156の内径(例えば、穴の直径)はガイドワイヤ158の外径よりも大きい。場合によっては、第1のカテーテル152をガイドカテーテルと呼ぶ場合があり、第2のカテーテル154を中間カテーテルと呼ぶ場合があり、第3のカテーテル156をマイクロカテーテルと呼ぶ場合がある。
第1のカテーテル152はその近位端に雌型ルアーロックコネクタを有し、これがYコネクタ162の雄型ルアーロックコネクタに機械的に連結される。Yコネクタ162は第1の中間カセット144によって固定される。第2のカテーテル154は近位端に雌型ルアーロックコネクタを有し、これがYコネクタ164の雄型ルアーロックコネクタに機械的に連結される。Yコネクタ164は第2の中間カセット146によって固定される。第3のカテーテル156は近位端に雌型ルアーロックコネクタを有し、これがYコネクタ166の雄型ルアーロックコネクタに機械的に連結される。Yコネクタ166は近位カセット148によって固定される。カテーテルの雌型ルアーロックコネクタは、直接接続によってまたは介在する構成要素によって、Yコネクタの雄型ルアーロックコネクタに機械的に連結され得る。後ほどいくつかの例を記載する。
遠位カセット142(遠位駆動ユニット132と連携している)は第1のカテーテル152を前進させるように構成されており、第1の中間カセット144(第1の中間駆動ユニット134と連携している)は第1のカテーテル152を回転させるように構成されている。第1の中間カセット144(第1の中間駆動ユニット134と連携している)は第2のカテーテル154を前進させるように構成されており、第2の中間カセット146(第2の中間駆動ユニット136と連携している)は第2のカテーテル154を回転させるように構成されている。第2の中間カセット146(第2の中間駆動ユニット136と連携している)は第3のカテーテル156を前進させるように構成されており、近位カセット148(近位駆動ユニット138と連携している)は第3のカテーテル156を回転させるように構成されている。近位カセット148(近位駆動ユニット138と連携している)はガイドワイヤ158を前進および回転させるように構成されている。
図3A、図3B、図3C、および図3Dは、いくつかの例に係る、近位駆動ユニット138の斜視図、側面図、上面図、および底面図である。図4A、図4B、図4C、および図4Dは、いくつかの例に係る、中間駆動ユニット(例えば、第1の中間駆動ユニット134および第2の中間駆動ユニット136)の斜視図、側面図、上面図、および底面図である。図5A、図5B、図5C、および図5Dは、いくつかの例に係る、遠位駆動ユニット132の斜視図、側面図、上面図、および底面図である。図3A~図3Dから図5A~図5Dに示されている駆動ユニットには、いくつかの共通の構成要素が含まれている。冗長な記載を回避するために、図中の構成要素には、所与の構成要素が近位駆動ユニット138、中間駆動ユニット134、136、または遠位駆動ユニット132のうちのどれに含まれているかをそれぞれ示すための、「-8」、「-4」、または「-2」が付されている。ただし、そのような構成要素についての記載が、付された「-8」、「-4」、または「-2」に言及することなく行われる場合がある。異なる構成要素に対応する、異なるサイズのカテーテルまたはガイドワイヤに対応する、等の目的で、異なる駆動ユニット間で、そのような構成要素に対して、異なる向きを含む様々な変更を行うことが、当業者には明らかであろう。
近位駆動ユニット138、中間駆動ユニット134、136、および遠位駆動ユニット132の各駆動ユニットは、支持プレート202を含む。支持プレート202はそれぞれの駆動ユニットの構成要素を機械的に支持し、そこに機械的に連結されている。支持プレート202は、異なる構成要素および/または異なるサイズの構成要素に対応するために、異なる駆動ユニット間で、サイズ、もしくはレイアウト、または両方を変更することができる。
各駆動ユニットは、1対のフック204と、動作中にそれぞれのカセットプラットフォームに近接することになる、支持プレート202の側面に装着された留め具リブ206と、を含む。フック204は部分円筒である内側表面を各々有し、この円筒は、円筒の長手方向の中心から延びる半径によって画定される。フック204は、フック204の内側表面を画定する部分円筒の長手方向の中心が、例えば(「B」側面図に示すように)y方向に沿って整列するように装着される。留め具リブ206は、留め具リブ206のリブ208がフック204の開口部に面して対置されるように支持プレート202上に装着されている。リブ208は、傾斜した上側平坦表面と、下側平坦表面と、を有する。後でより明らかになるように、フック204および留め具リブ206はカセットを固定するように構成されている。カセットを設置するとき、カセットのそれぞれのタブがフック204に係合し、続いてカセットのばね付勢された留め具が留め具リブ206に係合する。ばね付勢された留め具は、リブ208の傾斜した上側平坦表面に最初に接触する逆に傾斜した平坦表面を有し、これによりカセットの留め具の変位が引き起こされる。留め具がリブ208を通過すると、留め具がばねによって戻されてリブ208に押し付けられて固定され、以てカセットが固定される。
各駆動ユニットは複数の駆動アセンブリを含む。図6は、いくつかの例に係る、駆動アセンブリ220の分解斜視図を示す。図6の駆動アセンブリ220は駆動ユニットにおける駆動アセンブリとして使用されるが、駆動ユニットにおいて、異なる駆動アセンブリが実装されても、および/または、図示されている駆動アセンブリ220に対する変更が実施されてもよい。駆動アセンブリ220に関して様々なタイプのシャフトおよび歯車を以下で説明するが、駆動アセンブリの異なる構成または向きを実現するために、他のタイプのシャフトおよび歯車が実装され得る。
駆動アセンブリ220は回転アクチュエータ222を含む。回転アクチュエータ222は、駆動シャフト224(例えば、シャフトの回転軸と直交するD形状の断面を有するシャフト)を含む。回転アクチュエータ222は、駆動シャフト224を回転させるように構成されている。いくつかの例では、回転アクチュエータ222は電気モータなどのモータである。場合によっては、回転アクチュエータ222はサーボモータであり得る。回転アクチュエータ222はブラケット226に機械的に取り付けられ装着され、ブラケット226は(他の図に示すように)支持プレート202に機械的に取り付けられ装着される。駆動シャフト224にはねじ歯車228が機械的に取り付けられている。
駆動アセンブリ220は、横方向シャフト230(例えば、シャフトの回転軸と直交するD形状の断面を有するシャフト)を更に含む。歯車232(例えば、凹状の外向きの面を有する平歯車)が横方向シャフト230に機械的に取り付けられ、これを取り囲んでいる。ボールベアリング234が横方向シャフト230をブラケット226に機械的に連結している。ボールベアリング236によって、横方向シャフト230が支持プレート202の開口部を通して支持プレート202に機械的に連結されている。ボールベアリング234、236は、歯車232の両側で横方向シャフト230上に配設されている。
ねじ歯車228は歯車232に係合する。回転アクチュエータ222は駆動シャフト224を回転させるように構成されており、このことによりねじ歯車228が駆動軸を中心に回転する。ねじ歯車228の回転によって、駆動軸に対して横方向の横方向軸線を中心にした歯車232の回転が引き起こされる。歯車232の回転によって、横方向シャフト230の横方向軸線を中心にした回転が引き起こされる。
駆動アセンブリ220は連結アセンブリ240も含む。連結アセンブリ240は、端部の開口した中空シリンダ242と、雄型コネクタ244と、ばね246と、ピン248と、を含む。シリンダ242(例えば、シリンダ242の閉じた端部)は、横方向シャフト230が(ボールベアリング234によって)ブラケット226に機械的に連結されているところとは反対側の横方向シャフト230の端部上に配設されている。シリンダ242の長手中心軸線は横方向軸線と共線である。雄型コネクタ244は中実のシリンダを含む。中実のシリンダは(底部)円形表面から延びるピストン250を有し、また反対側のもう1つの(頂部)円形表面から延びる連結突起252を有する。突起252のうちの1つまたは複数は、横方向軸線から外れたまたはずらされた位置において、横方向軸線と平行な方向に延びている。この結果、ピストン250の回転によって、ピストン250の長手軸線を概ね中心とする円形経路内での突起上での移動が引き起こされる。ばね246およびピストン250はシリンダ242の中空領域内に配設されている。ピストン250は、横方向軸線に対して垂直な方向にピストン250を貫通している細長い開口部254を有し、細長い開口部254は、横方向軸線に沿った方向に細長くなっている。シリンダ242は側壁を貫通する開口部256を有する。ばね246およびピストン250がシリンダ242内に位置付けられた状態で、ピン248が、横方向軸線と垂直な方向に沿って、シリンダ242の開口部256およびピストン250の細長い開口部254を通して挿入される。ピン248はこのことによりばね246およびピストン250をシリンダ242内に固定する。
細長い開口部254は、横方向軸線に沿った方向に細長くなっていることにより、ピストン250、ひいては雄型コネクタ244を横方向軸線に沿って並進させること、すなわち横方向軸線の方向に移動させることを可能にする。ピン248が細長い開口部254を通して挿入されることにより、そのような並進移動が、細長い開口部254の長さが許容する範囲内に制限される。他の力がない場合、ばね246はピストン250に対して横方向シャフト230から離れる方向の力を及ぼし、雄型コネクタ244を横方向シャフト230から許容されるところまで到達させる。雄型コネクタ244の許容される並進によって、雄型コネクタ244をカセットの雌型コネクタと連結するときに、様々な公差に対応することが可能になる。
横方向シャフト230が横方向軸線を中心にして回転すると、横方向シャフト230とシリンダ242との間の機械的接続に起因して、シリンダ242も同様に回転する。ピン248が横方向軸線に対して垂直な方向に挿入されることにより、シリンダ242の回転がピストン250に、ひいては雄型コネクタ244に伝達される。突起252が軸外に位置することにより、機械的に1つに連結されると、雄型コネクタ244の回転がカセットの雌型コネクタに伝達される。
図3A~図3Dから図5A~図5Dを再び参照すると、近位駆動ユニット138、中間駆動ユニット134、136、および遠位駆動ユニット132の各駆動ユニットは、前進駆動アセンブリ220aと挟持駆動アセンブリ220bとを含む。図3A~図3Dおよび図4A~図4Dを参照すると、近位駆動ユニット138および中間駆動ユニット134、136は、カテーテル回転駆動アセンブリ220cを各々含む。図3A~図3Dを参照すると、近位駆動ユニット138は、ガイドワイヤ回転駆動アセンブリ220dを含む。図3A~図3Dから図5A~図5Dでは駆動アセンブリ220a、220b、220c、220dは明示的に特定されていないが、駆動アセンブリ220a、220b、220c、220dのいくつかの構成要素が特定されており、図6の対応する参照番号には「a」、「b」、「c」、または「d」が付されている。付加された「a」、「b」、「c」、または「d」はそれぞれ、駆動アセンブリ220a、220b、220c、220dに対応している。示されているように、駆動アセンブリ220a、220b、220c、220dの各々について、回転アクチュエータ222が機械的に取り付けられている対応するブラケット226が、対応する支持プレート202の底面に機械的に取り付けられ装着されている。それぞれの横方向シャフト230は支持プレート202を貫通している開口部を通って延びており、雄型コネクタ244は支持プレート202の頂面から離れる方に延びている。
近位駆動ユニット138、中間駆動ユニット134、136、および遠位駆動ユニット132の各駆動ユニットは、エンコーダ262とエンコーダカプラ264とを含む。エンコーダ262は支持プレート202を貫通している開口部を通して装着され、シャフトを含む。エンコーダカプラ264はエンコーダ262のシャフトに機械的に取り付けられている。エンコーダカプラ264は、支持プレート202の頂面から離れる方に延びている。エンコーダ262は、エンコーダカプラ264を通して回転されるエンコーダ262のシャフトの回転位置を検出するように構成されている。後で更に詳細に記載するように、エンコーダ262は、血管内挿入デバイス(例えば、カテーテルまたはガイドワイヤ)を対応するカセットによって前進させた長さおよび方向を制御装置が判定できるように、シャフトの回転位置を検出する。エンコーダ262は、血管内挿入デバイスの前進を制御するためのフィードバックとして使用され得る。
各駆動ユニットは図には示されていない他の構成要素も含み得る。例えば、各駆動ユニットは、回転アクチュエータ222の動作を可能にするための電気構成要素(例えば、制御装置、回路基板、ワイヤ、およびコネクタ)を含み得る。各駆動ユニットはカセットが駆動ユニットに固定された時点を感知するためのセンサを含むことができ、その結果例えば、駆動ユニットにカセットが固定されていないことをセンサが感知している間、制御装置は、あらゆる回転アクチュエータ222の動作を阻止することができる。任意の固定されたカセットに力を加えるためにばね付勢された解除装置を含めることができ、このばね付勢された解除装置は、駆動ユニットからのカセットの取り外し中に、カセットの連結解除を補助することができる。
図2に示す多軸カテーテルシステム100の文脈では、駆動ユニットの支持プレート202の頂面は、それぞれのカセットプラットフォーム122、124、126、128の底面に機械的に取り付けられている。遠位駆動ユニット132の支持プレート202-2の頂面は、遠位カセットプラットフォーム122の底面に機械的に取り付けられている。第1の中間駆動ユニット134の支持プレート202(例えば支持プレート202-4)の頂面は、第1の中間カセットプラットフォーム124の底面に機械的に取り付けられている。第2の中間駆動ユニット136の支持プレート202(例えば支持プレート202-4)の頂面は、第2の中間カセットプラットフォーム126の底面に機械的に取り付けられている。近位駆動ユニット138の支持プレート202-8の頂面は、近位カセットプラットフォーム128の底面に機械的に取り付けられている。各駆動ユニットおよびそれぞれのカセットプラットフォームについて、フック204、留め具リブ206、駆動アセンブリ220の雄型コネクタ244、および駆動ユニットのエンコーダカプラ264は、カセットプラットフォームを通って延びてカセットと連結する。
図7Aは、いくつかの例に係る、近位カセット148の斜視図である。図7Bおよび図7Cは、いくつかの例に係る、部分的に分解された図7Aの近位カセット148のそれぞれの斜視図である。図7D、図7E、図7F、および図7Gは、図7Cの部分的に分解された近位カセット148の、それぞれ背面図、正面図、上面図、および底面図である。図7A~図7Gに示されているカセットには、いくつかの共通の構成要素が含まれている。冗長な記載を回避するために、図中の構成要素には、所与の構成要素が近位カセット148、中間カセット、または遠位カセット142のうちのどれに含まれているかをそれぞれ示すための、「-8」、「-4」、または「-2」が付されている。ただし、そのような構成要素についての記載が、付された「-8」、「-4」、または「-2」に言及することなく行われる場合がある。異なる構成要素に対応する、異なるサイズのカテーテルまたはガイドワイヤに対応する、等の目的で、異なるカセット間で、そのような構成要素に対して、異なる向きを含む様々な変更を行うことが、当業者には明らかであろう。
近位カセット148、中間カセット144、146、および遠位カセット142の各カセットは、ベース302と、ハウジング304と、蓋306と、を含む。ベース302、ハウジング304、および蓋306は、様々な構成要素を機械的に支持し、これらの構成要素を機械的に支持するための構造的完全性を有する、成形プラスチックなどの任意の適切な材料とすることができる。ハウジング304はベース302に固定的に機械的に取り付けられており、蓋306はハウジング304にヒンジ止めで取り付けられている。ハウジング304を貫通してチャネル308が延びている。ハウジング304を貫通しているチャネル308は、それぞれの血管内挿入デバイスが前進する方向に(例えば、図2を参照した場合のX方向に)延びている。チャネル308は、その中に血管内挿入デバイス、すなわちガイドワイヤまたはカテーテルを通すように構成されている。例えば、遠位カセット142の場合、最大3つのカテーテルが入れ子状に重ねられ、中央のガイドウェアがチャネル308を通って延び、最も外側のカテーテルの外側表面のみがチャネル308の壁に露出する。蓋306は、蓋306がハウジング304上で閉じられるとチャネル308内に突出して、その中での血管内挿入デバイスの動作においてその垂直方向の移動を制限するように構成されている、近位制限部310および遠位制限部312を含む。
各カセットはタブ314と留め具アセンブリとを含む。タブ314はベース302から突出しており、対応するカセットが適切な駆動ユニットに固定されたときにフック204に係合するように構成されている。図10は、いくつかの例に係る、留め具アセンブリの分解斜視図を示す。留め具アセンブリは、留め具322と、ばね324と、両側のボタン326と、を含む。留め具322は一般に、リブ328とフランジ330とを有するブロックである。リブ328は、傾斜した下側平坦表面(例えば、それぞれのリブ208の傾斜した平坦表面に対して逆に傾斜している)と、上側平坦表面と、を有する。リブ328は、駆動ユニットに固定されると、適切な駆動ユニットの留め具リブ206に面する向きとなる。各フランジ330はそれを貫通する細長い開口部332を有する。留め具322は、ベース302を貫通する開口部334内に少なくとも一部が配設されている。それぞれのねじ336は留め具322のフランジ330の細長い開口部332を通過して、開口部334内に少なくとも一部が配設されている留め具322を固定する。細長い開口部332は留め具322が横方向に並進することを可能にする。ばね324は、リブ328とは反対側でベース302の壁340と留め具322との間に配設されている。ばね324は、壁340および留め具322に対向する力を及ぼすような配置および構成となっている。
ボタン326の各々は、それぞれのボタン326から突出している斜面を有するタブ342を有する。斜面を有するタブ342から制限部344が突出している。組み立てられるとベース302およびハウジング304は開口部を有する壁を有し、この開口部を通って、対応する斜面を有するタブ342が、留め具322に向かって延びる。制限部344は、ベース302およびハウジング304のこれらの壁と連携して、ボタン326の移動を制限する。
組み立て済みでありかつ他の力がない場合、ばね324が留め具322に力を及ぼすことによって、留め具322が開口部334で壁340から遠位に配置される。カセットが駆動ユニットに固定されると、タブ314が最初にフック204と係合され、留め具アセンブリが留め具リブ206まで下げられる。リブ208、328のそれぞれの傾斜表面は接触し、カセットを下げるにつれて、留め具322は壁340に向かってより近位に変位され、リブ328がリブ208を通過することが可能になる。リブ328が通過するとばね324は留め具322をより遠位に変位させ、この結果リブ208、328は互いに係合する。このことにより、カセットが駆動ユニットに固定される。駆動ユニットからカセットを取り外すためには、ボタン326をカセットの内側に向けて押下し、このことによって、留め具322を、斜面を有するタブ342によって、壁340に向けてより近位へと変位させる。このことによりリブ328がリブ208を通過することが可能になり、このことによりカセットの取り外しが可能になる。
各カセットは挟持および前進アセンブリを含む。図11Aおよび図11Bは、いくつかの例に係る、挟持および前進アセンブリのそれぞれの部分の分解斜視図を示す。挟持および前進アセンブリは、前進ローラ352、354と、前進平歯車356、358と、前進シャフト360、362と、を含む。前進ローラ352、354のローラ表面は互いに対向している。動作中、血管内挿入デバイスは、前進ローラ352、354のローラ表面の間に配設される。ハウジング304のチャネル308は、チャネル308を形成する壁の開口部をそれぞれ有し、このことにより、前進ローラ352、354のローラ表面がチャネル308内で血管内挿入デバイスに接触し、血管内挿入デバイスを前進させることが可能になる。
図示した例では、前進シャフト360は前進平歯車356と一体であり、前進シャフト362は前進平歯車358と一体である。他の例では、前進シャフト360、362の一方または両方は、それぞれの前進平歯車356、358とは別体の構成要素とすることができる。前進平歯車356は前進シャフト360上に配設されこれを取り囲んでおり、前進平歯車358は前進シャフト362上に配設されこれを取り囲んでいる。前進ローラ352は前進シャフト360上に配設されこれを取り囲んでおり、前進ローラ354は前進シャフト362上に配設されこれを取り囲んでいる。前進シャフト360、362の各々は1つまたは複数の平坦な表面を有することができ(例えば、前進シャフト360、362の回転軸と直交するD形状の断面を有し)、それぞれの前進ローラ352、354はそこにおいて前進シャフト360、362上に配設される。同様に、前進ローラ352、354の各々は、対応する前進シャフト360、362の回転に伴って前進ローラ352、354が確実に回転するのを助けるために、対応する前進シャフト360、362の断面に対応する断面を有する開口部を有し得る。
雌型コネクタ364が前進シャフト360上に配設され、そこに機械的に取り付けられている。前進シャフト360は1つまたは複数の平坦な表面を有することができ(例えば、前進シャフト360の回転軸と直交するD形状の断面を有し)、雌型コネクタ364はそこにおいて前進シャフト360上に配設される。同様に、雌型コネクタ364は、雌型コネクタ364の回転に伴って前進シャフト360が確実に回転するのを助けるために、前進シャフト360の断面に対応する断面を有する開口部を有し得る。雌型コネクタ364はカセットのベース302を通って露出し、および/または延びている。
ボールベアリング366が前進シャフト360をカセットのベース302に機械的に連結し、ボールベアリング368が前進シャフト360をカセットのハウジング304に機械的に連結する。ボールベアリング366、368は、カセット内に固定されている間の前進シャフト360の自由な回転を可能にする。
挟持および前進アセンブリは、図示した例では、下側支持フレーム370と、中間支持フレーム372と、上側支持フレーム374と、を含む、挟持支持フレームを含む。下側支持フレーム370は中間支持フレーム372の下面に機械的に取り付けられており、上側支持フレーム374は中間支持フレーム372の上面に機械的に取り付けられている。ボールベアリング376が前進シャフト362を下側支持フレーム370に機械的に連結し、ボールベアリング378が前進シャフト362を上側支持フレーム374に機械的に連結する。ボールベアリング376、378は、挟持支持フレームの下側支持フレーム370と上側支持フレーム374との間に固定されている間の、前進シャフト362の自由な回転を可能にする。
挟持支持フレームには(例えば中間支持フレーム372には)、ラック380が機械的に取り付けられている。ラック380は、前進シャフト362の回転軸に対して垂直な方向で、挟持支持フレームから離れる方へと側方に延びている。ラック380にはピニオン382が係合する。ピニオン382は挟持シャフト384上に配設されこれを取り囲んでいる。図示した例では、挟持シャフト384はピニオン382と一体である。他の例では、挟持シャフト384はピニオン382とは別体の構成要素であり得る。雌型コネクタ386が挟持シャフト384上に配設され、そこに機械的に取り付けられている。挟持シャフト384は1つまたは複数の平坦な表面を有することができ(例えば、挟持シャフト384の回転軸と直交するD形状の断面を有し)、雌型コネクタ386はそこにおいて挟持シャフト384上に配設される。同様に、雌型コネクタ386は、雌型コネクタ386の回転に伴って挟持シャフト384が確実に回転するのを助けるために、挟持シャフト384の断面に対応する断面を有する開口部を有し得る。雌型コネクタ386はカセットのベース302を通って露出し、および/または延びている。
ボールベアリング388が挟持シャフト384をカセットのベース302に機械的に連結し、ボールベアリング390が挟持シャフト384をカセットのハウジング304に機械的に連結する。ボールベアリング388、390は、カセット内に固定されている間の挟持シャフト384の自由な回転を可能にする。
カセットがそれぞれの駆動ユニットに固定されると、雌型コネクタ364は、駆動ユニットの前進駆動アセンブリ220aの雄型コネクタ244aに係合し、雌型コネクタ386は、駆動ユニットの挟持駆動アセンブリ220bの雄型コネクタ244bに係合する。この例示の構成では、前進シャフト360の長手軸線(例えば、これを中心にして前進シャフト360が回転する)は、前進駆動アセンブリ220aの横方向軸線と方向が一致しており、挟持シャフト384の長手軸線(例えば、これを中心にして挟持シャフト384が回転する)は、挟持駆動アセンブリ220bの横方向軸線と方向が一致している。
挟持駆動アセンブリ220bの横方向シャフト230bの回転によって(例えば、雄型コネクタ244bおよび雌型コネクタ386を介して)、挟持シャフト384の回転が引き起こされる。挟持シャフト384の回転によりピニオン382の回転が引き起こされ、このことにより、ラック380が延びる方向に沿ったラック380が側方への並進が引き起こされる。ラック380の側方への並進は挟持支持フレームの側方への並進を引き起こし、以て前進シャフト362および前進ローラ354の側方への並進が引き起こされる。ハウジング304および/もしくはベース302の壁および/または表面、ならびに/またはカセット内の他の構成要素によって、ラック380が挟持支持フレームから延びる方向に対して垂直な任意の方向への、挟持支持フレームの大幅な側方および垂直方向の移動を制限することができる。更に、ハウジング304および/もしくはベース302の壁、スロット、トラック、および/もしくは表面、ならびに/またはカセット内の他の構成要素によって、ラック380が挟持支持フレームから延びる方向への挟持支持フレームの側方移動の量を制限して、挟持支持フレームの過剰移動の防止を助けることができる。
とりわけ、挟持支持フレーム、ラック380、およびピニオン382の構成は、前進ローラ354および前進シャフト362が少なくとも2つの位置をとることを可能にする。前進ローラ354および前進シャフト362の解放位置では、前進ローラ354は前進ローラ352から遠位にある。解放位置では、血管内挿入デバイスは前進ローラ352、354の間から解放される。前進ローラ354が解放位置にあるとき、前進ローラ352、354によって血管内挿入デバイスに力が加えられることはない。更に、解放位置では、前進平歯車358は前進平歯車356から係脱されてもよい。前進ローラ354および前進シャフト362の挟持位置では、前進ローラ354は前進ローラ352に近接している。挟持位置では、血管内挿入デバイスは前進ローラ352、354によって挟持され、以て機械的に連結され固定される。前進ローラ352、354は、血管内挿入デバイスを挟持するために、血管内挿入デバイスに互いに反対方向の力を及ぼすことができる。挟持位置では、前進平歯車358は前進平歯車356に係合する。
挟持位置では、挟持および前進アセンブリは血管内挿入デバイスを前進させることができる。前進駆動アセンブリ220aの横方向シャフト230aの回転によって(例えば、雄型コネクタ244aおよび雌型コネクタ364を介して)、前進シャフト360の回転が引き起こされる。前進シャフト360の回転によって前進平歯車356の回転が引き起こされ、このことにより、前進平歯車358および前進シャフト362の逆回転方向への回転が引き起こされる。前進シャフト360、362の逆回転によって、前進ローラ352、354の逆回転が引き起こされる。前進ローラ352、354はこの挟持位置において血管内挿入デバイスを挟持するので、前進ローラ352、354の回転によって血管内挿入デバイスが、(例えば、対応するカテーテルを体の中に送り込むために、または、カテーテルを体から取り出すために)前進される。
各カセットはフォロアアセンブリを含む。図12は、いくつかの例に係る、フォロワアセンブリの分解斜視図を示す。フォロワアセンブリは、フォロワローラ402、404と、フォロワ平歯車406、408と、フォロワシャフト410、412と、傘歯車414、416と、シャフト418と、エンコーダカプラ420と、を含む。フォロワローラ402、404のローラ表面は互いに対向している。動作中、血管内挿入デバイスは、フォロワローラ402、404のローラ表面の間に配設される。ハウジング304のチャネル308は、チャネル308を形成する壁の開口部を有し、このことにより、フォロワローラ402、404のローラ表面が血管内挿入デバイスに接触することが可能になる。
図示した例では、フォロワシャフト410はフォロワ平歯車406と一体であり、フォロワシャフト412はフォロワ平歯車408と一体である。他の例では、フォロワシャフト410、412の一方または両方は、それぞれのフォロワ平歯車406、408とは別体の構成要素とすることができる。フォロワ平歯車406はフォロワシャフト410上に配設されこれを取り囲んでおり、フォロワ平歯車408はフォロワシャフト412上に配設されこれを取り囲んでいる。フォロワローラ402はフォロワシャフト410上に配設されこれを取り囲んでおり、フォロワローラ404はフォロワシャフト412上に配設されこれを取り囲んでいる。フォロワシャフト410、412の各々は1つまたは複数の平坦な表面を有することができ(例えば、フォロワシャフト410、412の回転軸と直交するD形状の断面を有し)、それぞれのフォロワローラ402、404はそこにおいてフォロワシャフト410、412上に配設される。同様に、フォロワローラ402、404の各々は、対応するフォロワシャフト410、412の回転に伴ってフォロワローラ402、404が確実に回転するのを助けるために、対応するフォロワシャフト410、412の断面に対応する断面を有する開口部を有し得る。傘歯車414は、フォロワ平歯車406および/またはフォロワシャフト410に機械的に取り付けられている。図示されているように、傘歯車414はフォロワ平歯車406と一体であるが、他の例では、傘歯車414は、フォロワ平歯車406とは別体の構成要素であってもよい。ブラケット422、424によって、組み立てられたフォロワシャフト410、フォロワローラ402、フォロワ平歯車406、および傘歯車414が、カセットのベース302および/またはハウジング304に機械的に連結される。ボールベアリング426がフォロワシャフト410をブラケット422に機械的に連結し、ボールベアリング428が傘歯車414をブラケット424に機械的に連結する。ボールベアリング426、428は、カセット内に固定されている間、組み立てられたフォロワシャフト410、フォロワローラ402、フォロワ平歯車406、および傘歯車414の自由な回転を可能にする。
図示した例では、シャフト418は傘歯車416と一体である。他の例では、シャフト418は傘歯車416とは別体の構成要素であり得る。傘歯車416はシャフト418の端部上に配設されている。傘歯車416は傘歯車414と係合される。エンコーダカプラ420はシャフト418上に配設され、そこに機械的に取り付けられている。シャフト418は1つまたは複数の平坦な表面を有することができ(例えば、シャフト418の回転軸と直交するD形状の断面を有し)、エンコーダカプラ420はそこにおいてシャフト418上に配設される。同様に、エンコーダカプラ420は、エンコーダカプラ420の回転に伴ってシャフト418が確実に回転するのを助けるために、シャフト418の断面に対応する断面を有する開口部を有し得る。エンコーダカプラ420は露出しているおよび/またはカセットのベース302を通して延びている。ボールベアリング430がシャフト418をカセットのベース302に機械的に連結している。ボールベアリング430は、カセット内に固定されている間のシャフト418の自由な回転を可能にする。
フレーム436は、組み立てられたフォロワシャフト412、フォロワローラ404、およびフォロワ平歯車408を機械的に連結する。ボールベアリング438、440によって、フォロワシャフト412がフレーム436に機械的に連結される。ボールベアリング438、440は、カセット内に固定されている間、組み立てられたフォロワシャフト412、フォロワローラ404、およびフォロワ平歯車408の自由な回転を可能にする。フレーム436はブラケット442に機械的に連結されている。ブラケット442は、カセットの蓋306の底面に機械的に取り付けられている。フレーム436はブラケット442内で垂直方向に移動可能である。フレーム436は、フレーム436から側方へと互いに反対方向に突出している、両側にあるタブ444(図12ではその一方が隠れている)を含み、ブラケット442は、それぞれの側面を貫通している細長い開口部446を有する。フレーム436の各タブ444は、ブラケット442の対応する細長い開口部446に挿入され、このことにより、フレーム436がブラケット442に機械的に連結される。細長い開口部446は、細長い開口部446内でのタブ444の垂直方向の移動を可能にし、このことにより、ブラケット442に対するフレーム436の垂直方向の移動が可能になる。フレーム436の頂面とブラケット442の下面との間には、ばね448が垂直に配設されている。別の力がない場合、フレーム436はばね448によって、ブラケット442に対して遠位位置に置かれる。
カセットが対応する駆動ユニットに固定されると、エンコーダカプラ420は駆動ユニットのエンコーダカプラ264に係合する。カセットの蓋306を持ち上げるかまたは取り外し、血管内挿入デバイスをカセットのチャネル308に設置することによって、フォロワローラ402、404の間に血管内挿入デバイスを設置することができる。蓋306を持ち上げるかまたは取り外すと、フォロワローラ404、フォロワシャフト412、フォロワ平歯車408、フレーム436、およびブラケット442が変位されて、フォロワローラ404の表面とフォロワローラ402との接触がチャネル308によって解消され、血管内挿入デバイスをフォロワローラ402、404の間のチャネル308内に設置することが可能になる。その後、蓋306を再設置するかまたは閉じることにより、フォロワローラ404、フォロワシャフト412、フォロワ平歯車408、フレーム436、およびブラケット442が移動し、フォロワローラ404の表面がチャネル308から内向きに移動される。このとき、血管内挿入デバイスはフォロワローラ402、404の間に配設されている。ばね448は、フォロワローラ402、404に、血管内挿入デバイスの垂直方向の移動を制限するような互いに反対方向の力を血管内挿入デバイスに及ぼす。フォロワローラ402、404によって血管内挿入デバイスに及ぼされる互いに反対方向の力は、血管内挿入デバイスの垂直方向の移動を制限するのに、および血管内挿入デバイスの前進に伴ってフォロワローラ402、404を回転させるのに、十分に大きい大きさであり、かつ、フォロワローラ402、404の間での血管内挿入デバイスの回転を可能にするのに、十分に小さい大きさである。通常、蓋306が再設置されるかまたは閉じられると、フォロワ平歯車408はフォロワ平歯車406に係合する。
動作中、血管内挿入デバイスがカセットの挟持および前進アセンブリによって前進されるにつれ、血管内挿入デバイスの前進によって、フォロワローラ402、404の対向する方向への回転が引き起こされる。フォロワローラ402、404の回転により、フォロワシャフト410、412の、および対応して、フォロワ平歯車406、408の回転が引き起こされる。フォロワローラ402、404およびフォロワシャフト410、412の回転は、フォロワ平歯車408がフォロワ平歯車406と係合する結果、協働的に動作し得る。フォロワシャフト410および/またはフォロワ平歯車406の回転によって、フォロワシャフト410の回転の中心となる回転軸を中心にした傘歯車414の回転が引き起こされる。傘歯車414の回転によって傘歯車416およびシャフト418の回転が引き起こされる。傘歯車416およびシャフト418の回転は、傘歯車414、フォロワシャフト410、フォロワ平歯車406、およびフォロワローラ402の回転軸に対して横方向の回転軸を中心にしたものである。エンコーダ262のシャフトは、シャフト418の回転によって(例えば、エンコーダカプラ264、420を介して)回転される。エンコーダ262のシャフトの回転をエンコーダ262によって検出し、これを制御装置(例えばプロセッサ)が使用することで、血管内挿入デバイスの長さ、方向、および/または前進速度を推定することができる。この場合、フォロアアセンブリおよびエンコーダ262は、血管内挿入デバイスを前進させるためのフィードバック制御のために実装され得る。
中間カセット144、146および遠位カセット142の各々は、カテーテル回転アセンブリを含む。図13は、いくつかの例に係る、カテーテル回転アセンブリの分解斜視図を示す。カテーテル回転アセンブリには、Yコネクタハウジングと、傘歯車452と、回転シャフト454と、が含まれる。Yコネクタハウジングはベース456と蓋458とを含む。ベース456は、カセットのハウジング304に機械的に取り付けられている。蓋458はベース456にヒンジによって取り付けられている。ベース456と蓋458は、蓋458がベース456上で閉じられたときに、ベース456と蓋458との間にYコネクタを固定するように構成されている。
図示した例では、回転シャフト454は傘歯車452と一体である。他の例では、回転シャフト454は傘歯車452とは別体の構成要素であり得る。傘歯車452は回転シャフト454の端部上に配設されている。雌型コネクタ460が回転シャフト454上に配設され、そこに機械的に取り付けられている。回転シャフト454は1つまたは複数の平坦な表面を有することができ(例えば、回転シャフト454の回転軸と直交するD形状の断面を有し)、雌型コネクタ460はそこにおいて回転シャフト454上に配設される。同様に、雌型コネクタ460は、雌型コネクタ460の回転に伴って回転シャフト454が確実に回転するのを助けるために、回転シャフト454の断面に対応する断面を有する開口部を有し得る。雌型コネクタ460はカセットのベース302を通って露出し、および/または延びている。ボールベアリング462が回転シャフト454をカセットのベース302に機械的に連結している。ボールベアリング462は、カセット内に固定されている間の回転シャフト454の自由な回転を可能にする。
カセットが対応する駆動ユニットに固定されると、雌型コネクタ460は、駆動ユニットのカテーテル回転駆動アセンブリ220cの雄型コネクタ244cに係合する。この例示の構成では、回転シャフト454の長手軸線(例えば、これを中心にして回転シャフト454が回転する)は、カテーテル回転駆動アセンブリ220cの横方向軸線と方向が一致している。
カテーテル回転駆動アセンブリ220cの横方向シャフト230cの回転によって(例えば、雄型コネクタ244cおよび雌型コネクタ460を介して)、回転シャフト454の回転が引き起こされる。回転シャフト454の回転によって傘歯車452の回転が引き起こされる。動作中、傘歯車452は(ベース456を貫通する開口部464を通して)、Yコネクタハウジングによって固定されたYコネクタに取り付けられているカテーテルに機械的に連結された、別の傘歯車と係合される。傘歯車452の回転によってカテーテルに機械的に連結された傘歯車の回転が引き起こされ、このことによってカテーテルの回転が引き起こされるが、これについては後で更に詳細に記載する。カテーテルに機械的に連結された傘歯車の回転は、回転シャフト454の回転の中心となる軸線を横切る軸線を中心にして行われる。
近位カセット148はガイドワイヤ回転アセンブリを含む。図14は、いくつかの例に係る、ガイドワイヤ回転アセンブリの分解斜視図を示す。ガイドワイヤ回転アセンブリは、駆動傘歯車482と回転シャフト484とを含む。図示した例では、回転シャフト484は駆動傘歯車482と一体である。他の例では、回転シャフト484は駆動傘歯車482とは別体の構成要素であり得る。雌型コネクタ486が回転シャフト484上に配設され、そこに機械的に取り付けられている。回転シャフト484は1つまたは複数の平坦な表面を有することができ(例えば、回転シャフト484の回転軸と直交するD形状の断面を有し)、雌型コネクタ486はそこにおいて回転シャフト484上に配設される。同様に、雌型コネクタ486は、雌型コネクタ486の回転に伴って回転シャフト484が確実に回転するのを助けるために、回転シャフト484の断面に対応する断面を有する開口部を有し得る。雌型コネクタ486はカセットのベース302を通って露出し、および/または延びている。ボールベアリング488が回転シャフト484をカセットのベース302に機械的に連結し、ボールベアリング490が回転シャフト484をカセットのハウジング304に機械的に連結する。ボールベアリング488、490は、カセット内に固定されている間の回転シャフト484の自由な回転を可能にする。
ガイドワイヤ回転アセンブリは、駆動傘歯車482と噛み合う従動傘歯車492と、第1の平歯車494および第2の平歯車496と、ブラケット498と、を更に含む。ブラケット498は、近位カセット148のベース302に機械的に取り付けられている。ブラケット498は突起500、502を有する。第1の平歯車494は突起500に機械的に連結されこれを中心にして回転可能であり、第2の平歯車496は突起502に機械的に連結されこれを中心にして回転可能である。第1の平歯車494は第2の平歯車496と係合されている(噛み合っている)。第1の傘歯車492は、第1の平歯車494に機械的に取り付けられている。第1の傘歯車492および第1の平歯車494のそれぞれの回転軸は共線である。
ガイドワイヤ回転アセンブリは、キャップ512と、キャップ平歯車514と、コレット516と、ガイドワイヤコネクタ518と、クランプブラケット520と、を含む。キャップ平歯車514はキャップ512の端部に機械的に取り付けられている。図示した例では、キャップ平歯車514はキャップ512と一体であるが、他の例では、キャップ平歯車514とキャップ512は別体の構成要素であり得る。キャップ512はねじ山を有する雌型コネクタ(図14では隠れている)を含む。ガイドワイヤコネクタ518はねじ山を有する雄型コネクタ522を含む。組み立てられると、キャップ512のねじ山を有する雌型コネクタは、ガイドワイヤコネクタ518のねじ山を有する雄型コネクタ522に係合する。ガイドワイヤコネクタ518は、ねじ山を有する雄型コネクタ522の内側に、テーパした壁を有する凹部を有する。ガイドワイヤコネクタ518のテーパした壁は、コレット516の角度のついた表面と概ね一致している。組み立てられると、コレット516はガイドワイヤコネクタ518の凹部に挿入され、このときキャップ512のねじ山を有する雌型コネクタは、ガイドワイヤコネクタ518のねじ山を有する雄型コネクタ522に係合される。ねじ山の係合によってキャップ512がガイドワイヤコネクタ518上で回転すると、コレット516が圧縮される。コレット516およびキャップ512を貫通している開口部にガイドワイヤを通すことができ、その場合、コレット516が圧縮されることにより、ガイドワイヤがクランプされ固定されることになる。
クランプブラケット520は、近位カセット148のハウジング304に機械的に取り付けられている。クランプブラケット520は、ガイドワイヤコネクタ518の回転を可能にしながらガイドワイヤコネクタ518を保持するように構成されている。ガイドワイヤコネクタ518は、ガイドワイヤコネクタ518の外周に沿ってリブ524を有する。クランプブラケット520は制限部526を有する。クランプブラケット520がガイドワイヤコネクタ518を保持するとき、制限部526は側方でガイドワイヤコネクタ518のリブ524間に配設され、このことによりガイドワイヤコネクタ518の側方への大きな移動を制限することができる。クランプブラケット520は、ガイドワイヤコネクタ518の長手軸線を中心にしたガイドワイヤコネクタ518の回転を許容する。キャップ512がガイドワイヤコネクタ518上に配設されている状態でクランプブラケット520がガイドワイヤコネクタ518を保持すると、平歯車514は平歯車496に係合する。
近位カセット148が近位駆動ユニット138に固定されると、雌型コネクタ486は、近位駆動ユニット138のガイドワイヤ回転駆動アセンブリ220dの雄型コネクタ244dに係合する。この例示の構成では、回転シャフト484の長手軸線(例えば、これを中心にして回転シャフト484が回転する)は、ガイドワイヤ回転駆動アセンブリ220dの横方向軸線と方向が一致している。
ガイドワイヤ回転駆動アセンブリ220dの横方向シャフト230dの回転によって(例えば、雄型コネクタ244dおよび雌型コネクタ486を介して)、回転シャフト484の回転が引き起こされる。回転シャフト484の回転は駆動傘歯車482の回転を引き起こし、これにより、ガイドワイヤ回転駆動アセンブリ220dの横方向軸線に対して横方向である軸線を中心にした、従動傘歯車492の回転が引き起こされる。従動傘歯車492の回転は、第1の平歯車494の同じ方向への回転を引き起こす。第1の平歯車494の回転によって、対向する方向、言い換えれば反対方向への、第2の平歯車496の回転が引き起こされる。第2の平歯車496の回転はキャップ平歯車514の対向する方向への回転を引き起こし、このことによって、コレット516がその中に延びるガイドワイヤ上にクランプされているとき、ガイドワイヤの回転が引き起こされる。
図15、図16、および図17は、カテーテルとYコネクタとを含む構成図を示す。図15において、Yコネクタ602はルアーロックの雌型コネクタを含む。ルアーロックの雌型コネクタは、雌型コネクタの外側シースと一体のコネクタ傘歯車604を有する。カテーテル606はカテーテル606の近位端に、タブと、ルアーロックの雄型コネクタとを有する。カテーテル606の雄型コネクタは動作中、Yコネクタ602の雌型コネクタと係合される。雌型コネクタのシース上のコネクタ傘歯車604の回転によって、カテーテル606の回転が引き起こされる。
図16において、Yコネクタ608はルアーロックの雌型コネクタを含む。カテーテル606はカテーテル606の近位端に、タブと、ルアーロックの雄型コネクタとを有する。中間コネクタ610は、ルアーロックの雌型コネクタおよび雄型コネクタを有する。中間コネクタ610は、中間コネクタ610の外側シースと一体の中間コネクタ傘歯車612を有する。動作中、カテーテル606の雄型コネクタは中間コネクタ610の雌型コネクタと係合し、中間コネクタ610の雄型コネクタはYコネクタ608の雌型コネクタと係合する。中間コネクタ610上の中間コネクタ傘歯車612の回転によってカテーテル606の回転が引き起こされる。
図17において、Yコネクタ608はルアーロックの雌型コネクタを含む。カテーテル614はカテーテル614の近位端に、タブと、ルアーロックの雄型コネクタとを有する。カテーテル614の雄型コネクタは、雄型コネクタの外側シースと一体のルアー傘歯車616を有する。カテーテル614の雄型コネクタは動作中、Yコネクタ608の雌型コネクタと係合される。雄型コネクタのシース上のルアー傘歯車616の回転は、カテーテル614の回転を引き起こす。
再び図13を参照すると、Yコネクタハウジング(ベース456および蓋458を含む)は、図15~図17のYコネクタ602、608を含め、Yコネクタを収容し固定するように構成され得る。Yコネクタハウジングは、YコネクタハウジングがYコネクタ602、608を固定するときに、Yコネクタ602、608および/またはカテーテル606、614に機械的に連結された傘歯車604、612、616が、開口部464を通してカテーテル回転アセンブリのYコネクタ傘歯車452に係合するように構成されている。この結果、(回転シャフト454の回転による)Yコネクタ傘歯車452の回転によって、回転シャフト454の回転軸に対して横方向の軸を中心にした傘歯車604、612、616の回転が引き起こされ、このことにより更にカテーテル606、614の回転が引き起こされる。
図18および図19は、いくつかの例に係る、カテーテルの回転および前進をそれぞれ描いた概略図である。図18および図19は、第1のカセット702と第2のカセット704とを示す。第1のカセット702はより近位に配置され、第2のカセット704はより遠位に配置される。第1のカセット702および第2のカセット704はそれぞれ、遠位カセット142および第1の中間カセット144であり得る。第1のカセット702および第2のカセット704はそれぞれ、第1の中間カセット144および第2の中間カセット146であり得る。第1のカセット702および第2のカセット704はそれぞれ、第2の中間カセット146および近位カセット148であり得る。
第1のカセット702は、傘歯車604を有するYコネクタ602を固定するYコネクタハウジング(ベース456と蓋458とを含む)を含んで示されている。カテーテル606はYコネクタ602と係合される。Yコネクタハウジングは任意のYコネクタと傘歯車の構成を固定でき、他の例では任意のカテーテルを実装可能である。傘歯車604は、第1のカセット702のカテーテル回転アセンブリの傘歯車452と係合される。カテーテル606は、第2のカセット704のチャネル308(例えば、前進ローラ352、354の間)を通って延びている。
動作中、第2のカセット704の挟持および前進アセンブリは、カテーテル606を第2のカセット704のチャネル308内に、移動しないように、または側方に前進するように、固定することができる。カテーテル606を回転させる場合、第2のカセット704の挟持および前進アセンブリは回転させるためにカテーテル606を解放する。カテーテル606の移動(例えば、回転、前進、および移動なし)に関係なく、カテーテル606を回転させるように構成されている第1のカセット702のカテーテル回転アセンブリは、(例えば、カテーテル606に機械的に連結されている傘歯車604に傘歯車452が係合することによって)カテーテル606との機械的な連結を維持することができる。
まず、第1のカセット702および第2のカセット704が、カテーテル606が移動中ではなく、第2のカセット704の挟持および前進アセンブリによってカテーテル606が第2のカセット704の前進ローラ352、354の間に固定されることになる、それぞれの位置にあると仮定する。カテーテル606を回転させるべく、第2のカセット704の挟持および前進アセンブリはカテーテル606を解放する。第2のカセット704の前進ローラ354は側方に並進され、その場合、対向する前進ローラ352、354が、カテーテル606に互いに反対方向の力を加える(例えば、これを挟持する)ことはない。図11Aおよび図11Bを参照すると、ピニオン382は挟持駆動アセンブリ220bによって(例えば、雄型コネクタ244bおよび雌型コネクタ386を介して)回転され、ピニオン382の回転によってラック380の並進が引き起こされ、その結果、挟持支持フレーム(下側支持フレーム370と、中間支持フレーム372と、上側支持フレーム374と、を含む)および前進ローラ354が、前進ローラ352から離れる方向に(例えば-Y方向に)並進される。図18を参照すると、前進ローラ354は、前進ローラ352から離れる方向712へと、解放位置まで並進される。
挟持および前進アセンブリがカテーテル606を解放した状態で、第1のカセット702のカテーテル回転アセンブリは、カテーテル606を回転させることができる。カテーテル606を回転させるために、第1のカセット702の傘歯車452は、軸線716を中心にして回転714される。第1のカセット702の傘歯車452の回転714によって、横方向軸線を中心にした傘歯車604の回転が引き起こされ、このことにより、カテーテル606の回転718が引き起こされる。図13を参照すると、傘歯車452は、カテーテル回転駆動アセンブリ220cによって(例えば、雄型コネクタ244cおよび雌型コネクタ460を介して)回転される。軸線716は、回転シャフト454および傘歯車452の回転の中心となる、回転シャフト454の長手軸線に相当する。
カテーテル606を前進させるために、図19を参照すると、第2のカセット704の挟持および前進アセンブリは、カテーテル606を挟持する。第2のカセット704の前進ローラ354は側方に並進され、その場合、対向する前進ローラ352、354が、カテーテル606に互いに反対方向の力を加える(例えば、これを挟持する)。図11Aおよび図11Bを参照すると、ピニオン382は挟持駆動アセンブリ220bによって(例えば、雄型コネクタ244bおよび雌型コネクタ386を介して)回転され、ピニオン382の回転によってラック380の並進が引き起こされ、その結果、挟持支持フレーム(下側支持フレーム370と、中間支持フレーム372と、上側支持フレーム374と、を含む)および前進ローラ354が、前進ローラ352に向かう方向に(例えば+Y方向に)並進される。図19を参照すると、前進ローラ354は、前進ローラ352に向かって方向720へと挟持位置まで並進される。
カテーテル606が挟持および前進アセンブリによって挟持された状態で、第2のカセット704の挟持および前進アセンブリは、カテーテル606を前進させる(例えば、体の中に送り込むまたは体から回収する)ことができる。カテーテル606を前進させるために、第2のカセット704の前進シャフト360は、(例えば、雄型コネクタ244aおよび雌型コネクタ364を介して)前進駆動アセンブリ220aによって回転されて、前進ローラ352を回転722させる。更に、第2のカセット704の前進シャフト360の回転により、前進平歯車356の回転が同様に引き起こされる。挟持位置では、前進平歯車356は前進平歯車358に係合する。この結果、前進平歯車356の回転によって前進平歯車358の逆回転が引き起こされ、このことにより、前進ローラ354の逆回転724が引き起こされる。図19に示す前進ローラ352、354の回転722、724によって、カテーテル606を体の中に送り込むことができる。図示されたそれぞれの回転722、724とは反対方向の前進ローラ352、354の回転によって、カテーテルを体から回収することできる。
第2のカセット704の挟持および前進アセンブリがカテーテル606を前進させると、第1のカセット702はカテーテル606の前進に追従する。図19に示すように、第1のカセット702は(例えば、カテーテル606が体の中に送り込まれるとき)、側方並進方向726に従う。第1のカセット702は(例えば、カテーテル606が体から回収されるとき)、方向726とは反対の側方並進方向に従うことができる。第1のカセット702の追従は、後記するもののような独立した並進アセンブリによって行うことができる。第1のカセット702の追従によって、カテーテル606を挟持する第2のカセット704の前進ローラ352、354と、第1のカセット702のYコネクタハウジングによって固定されたYコネクタ602との間で、カテーテル606に張力をほとんどまたは全く生じさせないことが可能になる。このような張力の不在が、図19では、カテーテル606に弛み728が存在することで示されている。
図18および図19に図示されているように、第1のカセット702のカテーテル回転アセンブリは、カテーテル606の移動に関係なく、コネクタ傘歯車604との係合または機械的な連結を、(例えば、傘歯車452がコネクタ傘歯車604と係合することによって)維持することができる。この場合、カテーテル回転アセンブリは、動作中のカテーテル606の移動に関係なく、カテーテル606への機械的な連結を維持することができる。図19において、カテーテル回転アセンブリはカテーテル606を回転させるようには動作しておらず、カテーテル606を前進させている間、傘歯車452は傘歯車604と係合したままである。また、図18および図19に図示されているように、第2のカセット704の挟持および前進アセンブリは、第2のカセット704のチャネル308を通るカテーテル606の回転が可能になるように、カテーテル606から解放されるか、または機械的に連結解除された状態になる。
図8Aおよび図8Bは、いくつかの例に係る、ガイドワイヤ732のそれぞれ回転および前進を描いた概略図である。図8Aおよび図8Bは近位カセット148を示す。近位カセット148は、ガイドワイヤコネクタ518とキャップ512とを含んで示されている。ガイドワイヤ732は、既に記載したように、ガイドワイヤコネクタ518、キャップ512、およびコレット516(図示せず)によって固定される。キャップ512上のキャップ平歯車514は平歯車496と係合される。ガイドワイヤ732は、ガイドワイヤコネクタ518およびキャップ512から、近位カセット148のチャネル308(例えば、前進ローラ352、354の間)を通って延びている。キャップ512からハウジング304まで(例えば、ハウジング304を通ってチャネル308まで)延びるガイドワイヤ732の長さは、ガイドワイヤ732のループバックと呼ばれる場合がある。
動作中、近位カセット148の挟持および前進アセンブリは、ガイドワイヤ732を近位カセット148のチャネル308内に、移動しないように、または側方に前進するように、固定することができる。ガイドワイヤ732を回転させる場合、近位カセット148の挟持および前進アセンブリは回転させるためにガイドワイヤ732を解放する。ガイドワイヤ732の移動(例えば、回転、前進、および移動なし)に関係なく、近位カセット148のガイドワイヤ回転アセンブリは、(例えば、コレット516、ガイドワイヤコネクタ518、およびキャップ512によって)ガイドワイヤ732への機械的な連結を維持することができる。
まず、近位カセット148が、ガイドワイヤ732が移動中ではなく、近位カセット148の挟持および前進アセンブリによってガイドワイヤ732が近位カセット148の前進ローラ352、354の間に固定されることになる位置にあると仮定する。ガイドワイヤ732を回転させるべく、挟持および前進アセンブリはガイドワイヤ732を解放する。近位カセット148の前進ローラ354は方向734へと解放位置まで側方に並進され、その場合、図18に関して上記したように、対向する前進ローラ352、354が、ガイドワイヤ732に互いに反対方向の力を加える(例えば、これを挟持する)ことはない。
近位カセット148の挟持および前進アセンブリがガイドワイヤ732を解放した状態で、近位カセット148のカテーテル回転アセンブリは、ガイドワイヤ732を回転させることができる。ガイドワイヤ732を回転させるために、近位カセット148の平歯車496は、軸線738を中心にして回転736される。平歯車496の回転736によって、キャップ平歯車514の、ならびにひいてはキャップ512、ガイドワイヤコネクタ518、およびコレット516の、回転736とは反対方向への回転が引き起こされ、このことによりガイドワイヤ732の回転740が引き起こされる。図14を参照すると、平歯車496は、ガイドワイヤ回転駆動アセンブリ220dによって(例えば、雄型コネクタ244dおよび雌型コネクタ486を介して)回転される。
ガイドワイヤ732を前進させるために、図21を参照すると、近位カセット148の挟持および前進アセンブリは、ガイドワイヤ732を挟持する。前進ローラ354は側方に並進され、その場合、図19を参照して記載したように、対向する前進ローラ352、354が、ガイドワイヤ732に互いに反対方向の力を加える(例えば、これを挟持する)。前進ローラ354は、前進ローラ352に向かって方向742へと挟持位置まで並進される。
ガイドワイヤ732が挟持および前進アセンブリによって挟持された状態で、挟持および前進アセンブリはガイドワイヤ732を前進させる(例えば、体の中に送り込むまたは体から回収する)ことができる。ガイドワイヤ732を前進させるために、近位カセット148の前進シャフト360は、(例えば、雄型コネクタ244aおよび雌型コネクタ364を介して)前進駆動アセンブリ220aによって回転されて、前進ローラ352を回転744させる。更に、前進シャフト360の回転により、前進平歯車356の回転が同様に引き起こされる。挟持位置では、前進平歯車356は前進平歯車358に係合する。この結果、前進平歯車356の回転によって前進平歯車358の逆回転が引き起こされ、このことにより、前進ローラ354の逆回転746が引き起こされる。図21に示す前進ローラ352、354の回転744、746によって、ガイドワイヤ732を体の中に送り込むことができる。図示されたそれぞれの回転744、746とは反対方向の前進ローラ352、354の回転によって、カテーテルを体から回収することできる。
近位カセット148の挟持および前進アセンブリがガイドワイヤ732を前進させると、ガイドワイヤ732のループバックが変化し得る。図21に示すように、ループバックの長さは、ガイドワイヤ732を側方並進方向748へと前進させるにつれて(例えば、ガイドワイヤ732が体の中に送り込まれるとき)、短くなり得る。同様に、ループバックの長さは、ガイドワイヤ732を方向748とは反対方向の側方並進方向へと前進させるにつれて(例えば、ガイドワイヤ732が体から回収されるとき)、長くなり得る。
図8Aおよび図8Bに図示されているように、近位カセット148のガイドワイヤ回転アセンブリは、ガイドワイヤ732の移動に関係なく、ガイドワイヤ732との係合または機械的な連結を、(例えば、ガイドワイヤコネクタ518、コレット516、およびキャップ512がガイドワイヤ732を固定することによって)維持することができる。この場合、ガイドワイヤ回転アセンブリは、動作中のガイドワイヤ732の移動に関係なく、ガイドワイヤ732への機械的な連結を維持することができる。図21では、カテーテル回転アセンブリはガイドワイヤ732を回転させるようには動作しておらず、ガイドワイヤコネクタ518、コレット516、およびキャップ512はガイドワイヤ732を固定したままであり、平歯車514、496は係合したままであり、一方でガイドワイヤ732は前進されている。また、図20および図21に図示されているように、近位カセット148の挟持および前進アセンブリは、近位カセット148のチャネル308を通るガイドワイヤ732の回転が可能になるように、ガイドワイヤ732から解放されるか、または機械的に連結解除された状態になる。
図9A~図9Cは、いくつかの例に係る、トラックに機械的に連結された並進アセンブリの分解斜視図を示す。第1の中間駆動ユニット134、第2の中間駆動ユニット136、および近位駆動ユニット138の各々は、そこに機械的に連結されたそれぞれの並進アセンブリを含む。並進アセンブリによって、それぞれの駆動ユニット134~138をトラックに沿って(例えばX方向に)並進させることが可能になる。駆動ユニットについて、異なる並進アセンブリが実装されても、および/または、図示されている並進アセンブリに対する変更が実施されてもよい。並進アセンブリに関して様々なタイプのシャフトおよび歯車を以下で説明するが、並進アセンブリの異なる構成を実現するために、他のタイプのシャフトおよび歯車が実装され得る。
並進アセンブリは回転アクチュエータ802を含む。回転アクチュエータ802は、駆動シャフト804(例えば、シャフトの回転軸と直交するD形状の断面を有するシャフト)を含む。回転アクチュエータ802は、駆動シャフト804を回転させるように構成されている。いくつかの例では、回転アクチュエータ802は電気モータなどのモータである。回転アクチュエータ802はブラケット806上に機械的に取り付けられ装着されている。駆動シャフト804にはねじ歯車808が機械的に取り付けられている。
並進アセンブリは、横方向シャフト810(例えば、シャフトの回転軸に対して垂直なD形状の断面を有するシャフト)を更に含む。歯車812(例えば、凹状の外面を有する平歯車)およびピニオン814の各々が横方向シャフト810に機械的に取り付けられ、これを取り囲んでいる。ねじ歯車808は歯車812に係合する。回転アクチュエータ802は駆動シャフト804を回転させるように構成されており、このことによりねじ歯車808が駆動軸を中心に回転する。ねじ歯車808の回転によって、駆動軸に対して横方向の横方向軸線を中心にした歯車812の回転が引き起こされる。歯車812の回転によって、横方向軸線を中心にした横方向シャフト810の回転が引き起こされ、このことによって更に、横方向軸線を中心にしたピニオン814の回転が引き起こされる。並進アセンブリはスライダ816も含み得る。スライダ816は一般に、図22Bに示すように、C形状の断面を有する。スライダ816はブラケット806に機械的に取り付けられている。
トラックはガイド818とラック820とを含む。図9Aおよび図9Bには図示されていないが、ガイド818およびラック820はフレーム112に機械的に連結され、これによって支持されている。ガイド818は頂面にある溝と底面にある溝とを有する。スライダ816は、並進アセンブリが機械的に支持されるように、および、ガイド818に沿った並進アセンブリの並進が可能になるように、ガイド818の溝と係合する。ピニオン814はラック820に係合する。ラック820と係合することによるピニオン814の回転は、並進アセンブリの並進を引き起こす。
並進アセンブリはそれぞれの駆動ユニットに機械的に連結されている。図9Aおよび図9Bでは、ブラケット806には装着プレート822が機械的に取り付けられている。装着プレート822はスペーサ824に機械的に取り付けられており、スペーサ824は対応する駆動ユニットの支持プレート202に機械的に取り付けられている。
並進アセンブリは連接導管826も含み得る。図示した例では、連接導管826の端部はブラケット828に機械的に取り付けられており、ブラケット828はブラケット806に機械的に取り付けられている。連接導管826のもう一方の端部は、フレーム112(図示せず)に機械的に連結されている。連接導管826は、並進アセンブリおよび駆動ユニット内の様々な電気構成要素に電力および/または制御信号を伝達するワイヤおよびケーブルを運ぶことができる。フレーム112に機械的に連結されている連接導管826の端部は不動の位置に留まることができ、一方、ブラケット828に機械的に取り付けられている連接導管826の端部は、並進アセンブリの並進に伴って移動可能であり得る。連接導管826は、連接導管826によって運ばれるワイヤまたはケーブルのよじれまたは絡まりを軽減し得る。
図9Cは、いくつかの例に係る、図9Aおよび図9Bの並進アセンブリがそのハウジング内に組み込まれた近位カセットの図を概略的に示す。ここでは近位カセット830はハウジング832を備える。図11Aに示すような挟持および前進アセンブリ834、図14に示すようなガイドワイヤ回転アセンブリ834、およびガイドワイヤ838は、全体がハウジング832内に受け入れられている。
様々な例を詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって規定される範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および改変を行うことができることを理解されたい。
Claims (8)
- 近位端を有するガイドワイヤを移動させるためのガイドワイヤ制御装置カセットであって、
内部空間を有するハウジングと、
前記内部空間内に受けられており、入口側、反対側の出口側、およびこれらの間に配設されている側壁を有する並進モジュールであって、前記入口側と前記出口側との間に延びている第1のガイドワイヤ経路を備え、前記第1のガイドワイヤ経路に沿って前記ガイドワイヤを並進移動させるように構成されている、並進モジュールと、
前記内部空間内に受けられておりかつ前記側壁に装着されている回転モジュールであって、前記ガイドワイヤの前記近位端を受けるための開口部、回転軸を中心にした前記ガイドワイヤの前記近位端の回転が可能な前記回転軸、および前記開口部から前記入口側まで外に延びているループ経路である第2のガイドワイヤ経路を備える、回転モジュールと、
を備える、ガイドワイヤ制御装置カセット。 - 前記並進モジュールは少なくとも1対のローラを備え、各ローラは前記第1のガイドワイヤ経路に沿って互いに対向するように配設されており、各ローラは外周面を有し、前記外周面の少なくとも一部が前記1対のローラ間に延びているシースをグリップする、請求項1に記載のガイドワイヤ制御装置カセット。
- 前記回転モジュールは、前記回転軸に沿って配設されており、凹部内に受けられたコレットを有し、前記ガイドワイヤの前記近位端を受けるための開口部を有する、ガイドワイヤコネクタを更に備える、請求項1に記載のガイドワイヤ制御装置カセット。
- 前記回転モジュールは、前記ガイドワイヤ制御装置の近位端に配設されている第1の歯車アセンブリと、前記回転軸の垂直方向に沿って前記第1の歯車アセンブリに係合されている第2の歯車アセンブリと、を更に備える、請求項3に記載のガイドワイヤ制御装置カセット。
- 前記第2の歯車アセンブリは、前記回転軸の前記垂直方向に沿って延びている回転シャフトを有する、請求項4に記載のガイドワイヤ制御装置カセット。
- ガイドワイヤを移動させるための方法であって、
内部空間を有するカートリッジと、
前記内部空間内に受けられており、入口側、反対側の出口側、およびこれらの間に配設されている側壁を有する並進モジュールであって、前記入口側と前記出口側との間に延びている第1のガイドワイヤ経路を備え、前記第1のガイドワイヤ経路に沿って前記ガイドワイヤを並進移動させるように構成されている、並進モジュールと、
前記内部空間内に受けられておりかつ前記側壁に装着されている回転モジュールであって、前記ガイドワイヤの前記近位端を受けるための開口部、および長手軸線を中心にした前記ガイドワイヤの前記近位端の回転が可能な前記長手軸線、および前記開口部から前記入口側まで外に延びているループ経路である第2のガイドワイヤ経路を備える、回転モジュールとを備える、ガイドワイヤ制御装置を提供することと、
前記ガイドワイヤを前記第1のガイドワイヤ経路および前記第2のガイドワイヤ経路に沿って前記回転モジュールおよび前記並進モジュールに係合させることと、
前記ガイドワイヤ制御装置の制御信号に応答して、前記ガイドワイヤを前記第1のガイドワイヤ経路および前記第2のガイドワイヤ経路に沿って並進移動または回転移動させることとを含む、方法。 - 前記並進モジュールは少なくとも1対のローラを備え、各ローラは前記第1のガイドワイヤ経路に沿って互いに対向するように配設されており、各ローラは外周面を有し、前記外周面の少なくとも一部が前記1対のローラ間に延びているシースをグリップする、請求項6に記載の方法。
- 前記ガイドワイヤは前記第2のガイドワイヤ経路に沿ってループを形成するように係合される、請求項6に記載の方法。
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20231128 |