JP2024511856A - 近赤外線吸収複合樹脂粒子 - Google Patents

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Abstract

一般式Iによる近赤外線吸収剤と、(ポリ(アミノ酸)、ポリホスファゼン、多糖誘導体、ポリ(エステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(シアノ-アクリレート)、及びそれらのコポリマーからなる群から選択される樹脂と、を含む複合樹脂粒子。複合樹脂粒子は、光温熱療法(PTT)、光線力学的療法(PDT)、化学光線力学的ナノ治療法、及び蛍光医用イメージングを含む光線療法などの光医療用途に適する。(一般式I)【化1】TIFF2024511856000016.tif47166【選択図】なし

Description

本発明は、光温熱療法(PTT)、光線力学的療法(PDT)、化学光線力学的療法(chemo-photodynamic therapy)、及び蛍光医用イメージングを含む光線療法などの光医療用途向けに、生体適合性の有機ナノ粒子及び有機マイクロ粒子を設計することに関する。
光温熱療法、光線力学的療法、蛍光イメージング、及び光音響イメージングを含めて、さまざまな疾患の非侵襲的治療及び医療診断における近赤外線(NIR)レーザー技術の重要性は増すばかりである。こうした技術のいくつかはNIR吸収ナノ粒子(無機ナノ粒子が使用されることが多い)に依存するものであり、こうしたNIR吸収ナノ粒子は、金ナノ物質、炭素ナノ物質(炭素ナノチューブを含む)、金属硫化物、金属酸化物、及びさまざまなアップコンバージョンナノ粒子などである。無機光熱変換ナノ粒子の使用については広く概説されている(非特許文献1、非特許文献2)。こうしたナノ粒子は、優れたNIR応答を与えるものであるが、非生分解性である上、生物蓄積のリスクがあり、体内での存続時間が長いことから、その長期毒性が生じる可能性が潜在的に高まり得るものである。したがって、生体適合性の有機NIR吸収剤に基づくナノ粒子があれば、非常に好ましいであろう。
光医療用途での報告が十分な古典的有機NIR吸収剤はいくつか存在するが、シアニン染料は、そのモル吸光係数の高さから、特に好ましいクラスのNIR吸収剤である。NIRレーザー光のモル吸光が高いことは、必要なNIR吸収剤の量を低減できるという利点を有しており、インビトロ及びインビボでの深部疾患(腫瘍など)のイメージング及び治療への応用を可能にするものである。最もよく知られており、かつFDAに認可もされているシアニン染料の1つはインドシアニングリーンである。
NIR吸収剤(インドシアニングリーンなど)は、ナノ粒子中に統合して、その体内存続時間を長くし、水性体液中に分散可能にし、光退色を阻止し、その腫瘍標的化能力を向上させる必要がある。
ナノ粒子中へのNIR吸収剤の統合は、さらに他の追加利点も有する。いくつかのクラスのNIR吸収剤のスペクトル特性はその環境に非常に依存性であり、凝集現象に起因して、例えば、pH及びイオン強度に応じて変化し得ることが知られている。したがって、NIR吸収剤をナノ粒子中に物理的に統合することで、そうした吸収剤のスペクトル特性及び光物理が外部環境に依存しないようになる。その結果、生理学的環境中での応答が簡単に予想できるようになる。レーザー応答の調整は、単に、ナノ粒子中のNIR吸収剤の濃度を合わせることによって実施され、これによって、骨の折れるNIR吸収剤合成をその都度行わなくてよくなる。
ナノ粒子の設計については、先行技術分野においていくつか提唱されており、最近ではいくつか概説もされている(非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6)。提唱されたナノ粒子設計では、骨の折れる合成プロトコールが必要になることが多く、これによって、異なる用途向けにナノ粒子を容易に調整することが難しくなる。したがって、単純かつ拡張可能な産業技術を介して利用可能な近赤外線応答性ナノ粒子が必要とされている。こうした単純かつ拡張可能な産業技術の1つは溶媒蒸発である。
一方で、シアニン染料(インドシアニングリーンなど)は、それを生体適合性ナノ粒子
中に物理的に統合する上で、容易に拡張可能な産業技術(溶媒蒸発など)と相性が悪いことが多い。溶媒蒸発手法において現在使用される溶媒へのインドシアニングリーンの溶解性は皆無であるか、または非常に限られたものである。インドシアニングリーン染料は、水に部分的に溶解し、水中で分解するものであることから、完全に封入して、水とのいかなる接触も回避する必要がある。この要件があることから、完全に封入されたインドシアニングリーンナノ粒子及びインドシアニングリーンマイクロ粒子を調製するために手法を利用できる可能性はさらに限られたものとなる。
それ故に、NIR吸収剤の完全封入が求められることなく産業的溶媒蒸発技術を使用して、モル吸光係数が高い有機NIR吸収剤を生体適合性ナノ粒子中に統合することが求められている。
Raza et al.,Journal of Materials Research and Technology,8(1),1497-1509(2019) Wang et al.,International Journal of Nanomedicine,15,1903-1914(2020) Zhu et al.Biomater.Sci,6,746-765(2018) Zhu et al.,Current Medicinal Chemistry,26,1389-1405(2019) Hg.Et al.,Chemical reviews,115,11012-11042(2015) Shao et al.,RSC Nanoscience & Nanotechnology,40,125-157(2016)
本発明の目的の1つは、容易に拡張可能な産業技術を介して生体適合性ポリマーと統合して請求項1に記載の複合樹脂粒子へと変換することが可能な特定クラスのNIR吸収剤を提供することである。
本発明のさらに別の態様は、請求項4に記載の特定の非イオン性NIR吸収剤を含む生体適合性ポリマーのナノカプセルまたはマイクロカプセルを提供することである。
本発明の別の態様は、請求項1に記載の複合樹脂粒子の水性分散液を提供することである。水性分散液は、請求項8に記載のものである。
別の態様によれば、本発明は、特定のクラスのNIR吸収剤を、請求項14に記載の生体適合性ポリマーと統合する拡張可能な産業的方法を含む。
本発明の他の特徴、要素、ステップ、特性、及び利点については、本発明の好ましい実施形態に関する下記の詳細な説明から、より明らかになるであろう。本発明の特定の実施形態は、従属請求項にも定義される。
本発明の目的は、NIR吸収剤及び生体適合性樹脂を含む複合樹脂粒子によって実現される。NIR吸収剤は、一般式I(以下を参照のこと)による化合物である。
A.複合樹脂粒子
A.1.NIR吸収剤
本発明の複合樹脂粒子中に存在するNIR吸収剤は、一般式I
Figure 2024511856000002
によるものであり、
式中、
A及びA’は、独立して、炭素原子を介してポリメチン発色団と共有結合で結合した置換または非置換のヘテロ環式基を表し、
及びRは、水素、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアルキニル基、置換または非置換のアラルキル基、置換または非置換のアルカリル基、及び置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基からなる群から独立して選択され、
及びRは、5~8員環の形成に必要な原子を表し得、
及びRは、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアルキニル基、置換または非置換のアラルキル基、置換または非置換のアルカリル基、及び置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基からなる群から独立して選択される。
好ましい実施形態では、当該NIR吸収剤は、一般式II:
Figure 2024511856000003
による化合物であり、
式中、
及びRは、水素、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアルキニル基、置換または非置換のアラルキル基、置換または非置換のアルカリル基、及び置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基からなる群から独立して選択され、
及びRは、5~8員環の形成に必要な原子を表し得、
及びRは、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置
換または非置換のアルキニル基、置換または非置換のアラルキル基、置換または非置換のアルカリル基、及び置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基からなる群から独立して選択され、
及びRは、独立して、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアルキニル基、置換または非置換のアラルキル基、置換または非置換のアルカリル基、及び置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基を表し、
Qは、置換または非置換の5員ヘテロ環または6員ヘテロ環の形成に必要な原子を表す。
別の好ましい実施形態では、R及びRは、置換または非置換の5員環または6員環の形成に必要な原子を表し、6員環が最も好ましい。
別の好ましい実施形態では、R及びRは、独立して、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアルキニル基、及び置換または非置換のアラルキル基を表し、置換または非置換のアルキル基が最も好ましい。
別の好ましい実施形態では、A及びA’は、置換または非置換のインドリニン(indolinine)、置換または非置換のナフチノリニン(naphtinolinine)、置換または非置換のナフトスチリル基、置換または非置換のベンズイミダゾール、置換または非置換のベンゾチアゾール、置換または非置換のベンゾオキサゾール、置換または非置換のピリジン、及び置換または非置換のキノロンからなる群から独立して選択される。インドリニン、ナフチンドリニン(naphtindolinine)、及びナフトスチリルが特に好ましい。
さらに別の好ましい実施形態では、R、R、R、及びRのうちの少なくとも1つ、より好ましくは、少なくとも2つは、置換または非置換の分岐アルキル基を表す。
分岐アルキル基はアルキル基として定義され、このアルキル基においては、アルキル鎖の非末端炭素原子が、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アルカリル基、及びアリール基またはヘテロアリール基からなる群から選択される少なくとも第2の基による置換を受けている。最も好ましくは、当該分岐アルキル基は、アルキル基によって置換されている。
表1には、本発明によるNIR吸収剤の典型的な例が与えられているが、それらに限定されない。
Figure 2024511856000004
Figure 2024511856000005
Figure 2024511856000006
Figure 2024511856000007
Figure 2024511856000008
Figure 2024511856000009
NIR吸収剤は、好ましくは、700~1200nm、より好ましくは、750~1150nm、最も好ましくは、780~1100nmに吸収極大を有する。
本発明の好ましい実施形態では、NIR吸収剤は、非イオン性である。こうしたNIR吸収剤は非イオン性特性を有することから、溶媒蒸発技術で使用される溶媒への溶解性が高い。それ故に、樹脂粒子中のNIR吸収剤の濃度を高めることができる。非イオン性NIR吸収剤は、水への溶解性が低くもある。水への溶解性が低いが故に、樹脂による複合樹脂粒子中への完全封入は不要である。
複合樹脂粒子が水性媒体中に分散している場合、分散液中のNIR吸収剤含量は、好ましくは、分散液中の総固形分に対して0.05wt.%~15w%であり、より好ましくは、0.1w%~10w%であり、最も好ましくは、0.25w%~5w%である。
A.2.生体適合性樹脂
本発明による複合樹脂粒子中に存在する生体適合性樹脂は、好ましくは、実質的に水と混ざらない溶媒に可溶性である。実質的に水と混ざらない溶媒は、1:1の比で水と混合した場合に室温で2相系を形成する溶媒として定義される。水と混ざらない溶媒としては、エステル及びケトンが特に好ましい。
生分解性及び生体適合性の樹脂は、Biodegradable Polymers,
PBM Series,Volume 2(Citus Books 2003,ISSN 1479-1285)において論じられている樹脂から選択され得る。本発明による樹脂は、(ポリ(アミノ酸)、ポリホスファゼン、多糖誘導体、ポリ(エステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(シアノ-アクリレート)、及びそれらのコポリマーからなる群から選択され、ポリ(アミノ酸)及びポリ(エステル)が、より好ましい。
ポリ(エステル)は、好ましくは、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(乳酸)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリ(L-乳酸-co-グリコール酸)、ポリ(D,L-ラクチド)、ならびにそれらの任意の誘導体及び/または組み合わせである。
A.3.医薬活性化合物
複合樹脂粒子は、オンデマンド薬物放出にも適しており、薬物は、適切なNIR光源(NIRレーザーなど)によって粒子を加熱した際に放出される。したがって、このオンデマンド薬物放出が達成されるように医薬化合物を含めることが有用である。
PTTまたはPDTは、がん細胞を完全には破壊できないこともあり、光温熱治療後に残存細胞の生存を招き得る。したがって、化学療法を増強するための抗がん剤を含めることが有用である。薬物は、複合粒子へのNIR光の適用時に生成される熱に起因して放出されることになり、これによって、共同的な化学光温熱療法がもたらされる。抗がん剤は、好ましくは、複合樹脂粒子の調製(B節を参照のこと)に使用される水と混ざらない溶媒に可溶性であるべきである。
本発明の粒子中に含めるのに適した抗がん剤は細胞増殖抑制剤である。がんの治療のための細胞増殖抑制剤は、アルキル化剤、アントラサイクリン、細胞骨格破壊剤、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、キナーゼ阻害剤、ヌクレオチド類似体、ペプチド抗生物質、白金ベースの薬剤、レチノイド、及びビンカアルカロイド、ならびに誘導体からなる群から選択され得る。アルキル化剤は、二官能性または単官能性であり得る。典型的な二官能性アルキル化剤は、シクロホスファミド、メクロレタミン、クロラムブシル、及びメルファランである。典型的な単官能性アルキル化剤は、ダカルバジン、ニトロソ尿素、及びテモゾロミドである。典型的なアントラサイクリンは、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、ミトキサントロン、及びバルルビシンである。典型的な細胞骨格破壊剤は、パクリタキセル、ドセタキセル、アブラキサン、及びタキソテールである。典型的なヒストンデアセチラーゼ阻害剤は、ボリノスタット及びロミデプシンである。典型的なトポイソメラーゼI阻害剤は、イリノテカン及びトポテカンである。典型的なトポイソメラーゼII阻害剤は、エトポシド、テニポシド、及びタフルポシド(tafluposide)である。典型的なキナーゼ阻害剤は、ボルテゾミブ、エルロチニブ、ゲフィチニブ、イマチニブ、ベムラフェニブ、及びビスモデギブである。典型的なヌクレオチド類似体は、アザチオプリン、カペシタビン、シタラビン、ドキシフルリジン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、メトトレキサート、及びチオグアニンである。典型的なレチノイドは、トレチノイン、アリトレチノイン、及びベキサロテンである。典型的なビンカアルカロイドは、ビンブラスチン、ビンクリスチン、及びビンデシンである。
B.複合樹脂粒子及び複合粒子分散液の調製
本発明による複合樹脂粒子は、(ポリ(アミノ酸)、ポリホスファゼン、多糖誘導体、ポリ(エステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(シアノ-アクリレート)、及びそれらのコポリマー、ポリ(アミノ酸)、ならびにポリ(エステル)からなる群から選択される、水と混ざらない溶媒に好ましくは可溶性である生体適合性樹脂と、少なくとも1つの
本発明によるNIR赤外線染料(A.1節を参照のこと)と、の混合物である。
本発明による樹脂は、樹脂を水中自己分散性にする官能基で官能化することができるが、但し、この官能化は、樹脂が完全に水溶性にならないものに限られる。樹脂を自己分散性にする典型的な官能基は、ポリ(エチレンオキシド)、カルボン酸またはその塩、スルホン酸またはその塩、ホスホン酸またはその塩、リン酸モノエステルまたはその塩、硫酸モノエステルまたはその塩、アンモニウム基、スルホニウム基、及びホスホニウム基からなる群から選択される。
ヒトまたは動物の体内において本発明の複合樹脂粒子にステルス特性を付与するには、ポリ(エチレングリコール)官能基を含めることが特に有用である。こうしたステルス特性は、細網内皮系による急速な取り込みを回避し、必要部位にのみ保持されるようにする上で必要とされる。
好ましい実施形態では、本発明による樹脂は、樹脂を自己分散性にする官能基で官能化されない。
複合樹脂粒子の水性分散液の調製においては分散剤を使用することが特に好ましい。これによって、特殊樹脂の設計を必要とせずに表面特性を調整することが可能になる。樹脂粒子の調製においては標準的な生体適合性樹脂が使用され得る。分散剤は、界面活性剤または安定化ポリマーであり得る。界面活性剤は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、または双性イオン性であり得る。非イオン性エトキシ化ブロックコポリマー界面活性剤が好ましい。EO-PPO-EOトリブロックコポリマーがさらにより好ましい。ブロックコポリマーは本発明の粒子にステルス特性を与えるだけでなく、粒径を小さくもする。安定化ポリマーとしては、ヒドロキシル官能化ポリマーが特に好ましく、好ましくは、多糖及びポリ(ビニルアルコール)もしくはポリ(ビニルアルコール)コポリマー、またはその誘導体から選択される。
好ましい実施形態では、本発明による複合樹脂粒子の粒度は、0.03μm~3μmであり、より好ましくは、0.05μm~1μmであり、最も好ましくは、0.07μm~0.5μmである。本発明による複合樹脂粒子の粒度は0.25μm未満であることが特に好ましい。
本発明による複合樹脂粒子分散液の特に好ましい調製方法は、
1.本発明による樹脂及び本発明によるNIR吸収剤を、水と混ざらない溶媒に溶解するステップと、
2.分散剤を水に溶解するステップと、
3.樹脂及びNIR吸収剤の溶液を、分散剤の水溶液中に乳化させるステップと、
4.水と混ざらない溶媒を蒸発させるステップと、
を含む。
分離手法(遠心分離、凍結乾燥など)を介して複合粒子を単離することによって、必要に応じて乾燥状態で複合樹脂粒子を得ることができる。
追加の機能性化合物(医薬的な活性剤など)を複合樹脂粒子中に統合する必要がある場合、この化合物は、好ましくは、水と混ざらない溶媒に溶解するものである。本発明による溶媒蒸発技術は、活性医薬成分(抗がん剤など)を含める上で特に好ましい。
追加の機能性化合物(活性医薬成分など)を含む本発明による複合樹脂粒子の分散液の特に好ましい調製方法は、
1.本発明による樹脂、本発明によるNIR吸収剤、及び機能性化合物を、実質的に水と混ざらない溶媒に溶解するステップと、
2.分散剤を水に溶解するステップと、
3.樹脂、NIR吸収剤、及び機能性化合物の溶液を、分散剤の水溶液中に乳化させるステップと、
4.実質的に水と混ざらない溶媒を蒸発させるステップと、
を含む。
上記の方法と同じ方法で複合樹脂粒子を得ることができる。
C.応用分野
本発明による複合樹脂粒子は、ヒト及び/または動物の体内の罹患臓器のイメージングに適する。NIR光を強く吸収することから、本発明による複合樹脂粒子は、拡散光トモグラフィー及び光音響イメージングにも適する。
適切なNIRレーザーが照射されると、本発明の複合粒子中のNIR吸収剤は、吸収した光子エネルギーを熱に変換することで、周囲の健康な組織への侵襲を最小限に留めながらがん細胞を直接的に除去できることから、当該粒子は、腫瘍光線療法治療(PTT)に非常に適する。
本発明の複合樹脂粒子は、光線力学的療法(PDT)にも有用であり、PDTにおいては、細胞傷害性活性酸素種(ROS)(一重項酸素など)への酸素分子の変換に適した波長の光でNIR吸収剤が励起され、次いで、こうして生じたROSは、酸化ストレスを介してがん細胞に損傷を与え、結果的に細胞死を誘導する。
D.実施例
D.1.材料:
・Mowiol4 88は、Kurarayによって供給されるポリ(ビニルアルコール)である。
・Synperonic PE/F68-FLは、Croda Chemicals International Ltdによって供給されるPEO-PPO-ブロックコポリマー界面活性剤である。
・Natureworksポリラクチド樹脂4060Dは、Evans Chemeticsによって供給されるポリ(ラクチド)である。
・Resomer RG503Hは、Evonik Industriesによって供給されるポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)である。
・NIR-7はNIR吸収剤であり、下記のように調製する:
Figure 2024511856000010
-ウレウム(ureum)(I)の合成
146gのn.-ブチルイソシアネートを85mlのトルエンに溶解した。温度を50℃未満に保ちながら、166gの2-ヘプチルアミンを2時間にわたって添加した。反応を50℃で30分間継続した。溶媒及び過剰のn.-ブチルイソシアネートを減圧下で除去し、粗ウレウムを、追加精製せずに第2のステップに使用した。
-バルビツレート(II)の合成
206gの酢酸を300gのウレウム(I)に添加した。混合物を60℃に加熱した。ウレウム(I)の酢酸溶液を147gのマロン酸に60℃で添加した。この溶液を292gの無水酢酸に添加した。反応混合物を穏やかに90℃に加熱し、反応を90℃で2時間半継続した。反応物を50℃に冷却し、78gのメタノールを添加した。混合物を45分間還流した。混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物を311gのメチルt.ブチルエーテルに再溶解し、2010gの5w%塩化ナトリウム溶液で3回抽出した。溶媒を減圧下で除去した。35mlのトルエンを添加し、その後に減圧下で除去することを4回実施した。粗バルビツール酸誘導体(II)を、追加精製せずに使用した。
-中間体(III)の合成
84gのシクロペンタノンを240gのバルビツール酸誘導体(II)に添加した。5gの酢酸アンモニウムを添加した後、101gのメタノールを添加した。反応混合物を加熱して還流し、還流しながら反応を4時間半継続した。反応混合物を室温に冷却し、圧力を50mbarにして95℃で溶媒を除去した。5mlのトルエンを添加し、50mbar、100℃で蒸発させることを4回実施した。反応混合物を室温に冷却し、92gのトルエンを添加した。26gのシリカゲルを含む55gのトルエンを添加し、混合物をろ過した。シリカゲルをトルエンでフラッシングした。プールしたトルエン画分を、26gのシリカゲルを含む55gのトルエンで2回処理し、ろ過し、その後にトルエンでシリカゲルをフラッシングした。すべてのトルエン画分をプールした後、溶媒を減圧下で蒸発させた。287g(収率:97%)の粗中間体(III)を単離した。
-中間体(V)の合成:
0.685kgの中間体(III)を0.334kgの酢酸エチルに溶解した。溶液を10℃に冷却し、18.9gの酢酸を添加した。温度を20℃に上昇させながら、0.273kgのN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタールを10分間にわたって添加した。反応を室温で30分間継続した。反応混合物を45℃に加熱し、0.604kgのジメチルホルムアミドジメチルアセタールを15分間にわたって添加した後、反応混合物を65℃に加熱した。反応を65℃で25分間継続した。反応混合物を47℃に冷却した後、1.06kgのメチルt.-ブチルエーテル及び1.61kgのn.-ヘキサンを添加した。反応混合物を7℃に冷却した。結晶化した中間体Vをろ過によって単離し、160gの酢酸エチル及び60gのメチルt.-ブチルエーテルで洗浄した後、160gの酢酸エチル及び60gのn.-ヘキサンで3回洗浄し、400gのヘプタンで1回洗浄した。単離した中間体(V)を乾燥させた。335g(収率:37%)の中間体(V)を単離した。
-中間体(VI)の合成:
中間体(VI)は、WO2013037672に開示されるように調製することができる。
-NIR-7の合成:
621gの中間体(VI)を3.2lの酢酸メチルに溶解した。反応混合物を40℃に加熱した。372gの中間体(V)を添加し、反応を50℃で2時間半継続した。反応混合物を20℃に冷却した。結晶化したNIR-7をろ過によって単離し、284mlの酢酸メチル、2.84lの酢酸エチル、及び530mlのメチルt.-ブチルエーテルで洗浄した。粗NIR-7を2.9Lの水で処理し、ろ過によって単離し、1.5lの水、142mlの酢酸メチル、280mlの酢酸エチル、及び800mlのメチルt.-ブチルエーテルで洗浄し、乾燥させた。597g(収率:87%)のNIR-7を単離した。
・NIR-24はNIR吸収剤であり、下記のように調製する:
Figure 2024511856000011
出発NIR染料(I)は、Nagao et al.(Dyes and Pigments,73(3),344-352(2006)によって開示されるように調製することができる。
-NIR-24の合成
30gのNIR出発物質(I)を100mlのアセトニトリルに添加した。6.24gのN,N’-ジメチルバルビツール酸を添加し、その後に5.5ml(4.0g)のトリエチルアミンを添加した。反応を室温で3時間継続した。ろ過によって粗NIR-24を単離し、還流しながらメタノールで処理した。温かいメタノール溶液をろ過することによってNIR-24を単離し、乾燥させた。19.7g(収率:35%)のNIR-24を単離した。
・NIR-25はNIR吸収剤であり、下記のように調製する:
Figure 2024511856000012
-中間体(I)の合成:
中間体(I)は、WO2010120058に開示されるように調製することができる。
-中間体(II)の合成:
292gのN,N’-ジシクロヘキシルバルビツール酸を1.5リットルのトリクロロエタンに溶解した。156mlのシクロヘキサノン、12ml(0.12mol)のピペリジン、及び15mlの酢酸を添加し、反応混合物を加熱して還流した。ディーン・スタークトラップを使用して共沸蒸留によって水を除去した。反応を24時間継続した。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で除去した。残留物を1リットルのトリクロロエタンに再溶解した。未溶解の残留物をろ過によって除去した。100mlのピペリジンを添加し、媒体から中間体(II)を結晶化させた。中間体(II)をろ過によって単離し、乾燥させた。302g(収率:67%)を単離した。
-NIR-25の合成:
301.6gの中間体(II)及び533gの中間体(I)を1.05lのN,N’-ジメチルイミダゾロンに溶解した。186mlの無水酢酸及び366mlのトリエチルアミンを添加し、反応混合物を100℃に加熱した。反応を100℃で30分間継続した。反応混合物を室温に冷却し、NIR-25を反応混合物から結晶化させた。粗NIR-25をろ過によって単離し、1.3lのアセトンで処理した後、1.3lのメチルt.ブチルエーテルで処理した。単離したNIR-25をジクロロメタン及びメタノールの1/1混合物に再溶解した。残留不純物をろ過によって除去した。6.6lのメチルt.ブチル
エーテルを添加し、NIR-25を媒体から結晶化させた。NIR-25をろ過によって単離し、乾燥させた。136g(収率:28%)のNIR-25を単離した。
D.2.方法
Zetasizer(商標)Nano-S(Malvern Instruments,Goffin Meyvis)を使用してカプセルの粒度を測定した。
Agilent8433分光光度計でUV-VISスペクトルを測定して1100nmまでのスペクトルを得た。より深色性のNIR吸収剤については、Shimadzu UV2600分光光度計で測定した。試料を水で希釈することによって、λmaxでの試料の吸収を1に調整した。
D.3.実施例1
この実施例は、本発明によるPLAベースのサブミクロン粒子分散液の調製を例示するものである。
-COMPOSITE-RES-1の調製
4.651gのNatureworksポリラクチド樹脂4060Dを51.86gの酢酸エチルに溶解することによって第1の溶液を調製した。117mgのNIR-7を2mlのジクロロメタン中に含む溶液を添加し、溶液をさらに30分間撹拌した。
2.33gのMowiol 4 88を93gの水に溶解することによって第2の溶液を調製した。
Ultra Turrax T25(IKA)を使用して18000rpmで撹拌しながら、15分間にわたって第1の溶液を第2の溶液に添加した。添加完了後、温度を32℃未満に保ちながら、18000rpmでの撹拌をさらに10分間継続した。
950mbarから85mbarへと圧力を徐々に下げながら、溶媒(酢酸エチル及びジクロロメタン)を35℃、減圧下で除去した。必要に応じて水で希釈することによって分散液の重量を100gに調整した。
測定平均粒度は282nmであった。分散液は、1036nmに吸収極大を有していた。
D.4.実施例2
この実施例は、本発明によるPLGAベースの複合樹脂粒子分散液の調製を例示するものである。
-COMPOSITE-RES-2の調製
4.651gのResomer RG503Hを61.86gの酢酸エチルに溶解することによって第1の溶液を調製した。116mgのNIR-7を2mlのジクロロメタン中に含む溶液を添加し、溶液をさらに30分間撹拌した。
4.651gのSynperonic PE/F68-FLを90.58gの水に溶解することによって第2の溶液を調製した。
Ultra Turrax T25(IKA)を使用して13000rpmで撹拌しながら、15分間にわたって第1の溶液を第2の溶液に添加した。添加完了後、温度を32℃未満に保ちながら、13000rpmでの撹拌をさらに10分間継続した。
950mbarから85mbarへと圧力を徐々に下げながら、溶媒(酢酸エチル及びジクロロメタン)を35℃、減圧下で除去した。必要に応じて水で希釈することによって分散液の重量を100gに調整した。
測定平均粒度は167nmであった。分散液は、1036nmに吸収極大を有していた。
-COMPOSITE-RES-3の調製
4.651gのRESOMER RG503H及び0.116gのNIR24を92gの塩化メチレンに溶解することによって第1の溶液を調製した。
2.33gのMowiol4 88を93gの水に溶解することによって第2の溶液を調製した。
Ultra Turrax T25(IKA)を使用して10000rpmで撹拌しながら、15分間にわたって第1の溶液を第2の溶液に添加した。添加完了後、温度を21℃に保ちながら、10000rpmでの撹拌をさらに10分間継続した。
950mbarから85mbarへと圧力を徐々に下げながら、減圧下、35℃で溶媒を除去した。必要に応じて水で希釈することによって分散液の重量を100gに調整した。
光学顕微鏡を使用して粒度を測定した。平均粒度は2ミクロンであった。分散液は、772nmに吸収極大を有していた。
-COMPOSITE-RES-4の調製:
4.651gのRESOMER RG503H及び0.116gのNIR25を92g塩化メチレンに溶解することによって第1の溶液を調製した。
2.33gのMowiol4 88を93gの水に溶解することによって第2の溶液を調製した。
Ultra Turrax T25(IKA)を使用して10000rpmで撹拌しながら、15分間にわたって第1の溶液を第2の溶液に添加した。添加完了後、温度を21℃に保ちながら、10000rpmでの撹拌をさらに10分間継続した。
950mbarから85mbarへと圧力を徐々に下げながら、減圧下、35℃で溶媒を除去した。必要に応じて水で希釈することによって分散液の重量を100gに調整した。
光学顕微鏡を使用して粒度を測定した。平均粒度は2ミクロンであった。分散液は、810nmに吸収極大を有していた。
D.5.実施例3:
この実施例は、本発明によるNIR応答性サブミクロン粒子を含む分散液のNIR応答を例示するものである。
本発明によるNIRナノ粒子の希釈分散液の厚さ1mmのコーティングを、3種類のレーザー(それぞれ920nm、1064nm、及び1150nmの光を発する)を備えた
Coherentレーザーコンビネーションでのレーザー照射に曝露した。厚さ1mmの異なるコーティングがレーザー曝露下でどの程度まで蒸発するかを評価した。試料のコーティングは、Priplak(Antalisによって供給されるポリ(プロピレン)基材)上に施した。表2には、結果のまとめが示される。
Figure 2024511856000013
表2から、本発明によるNIR応答性ナノ粒子が高いレーザー応答性を示すことが明らかである。

Claims (15)

  1. 一般式I
    Figure 2024511856000014
    によるNIR吸収剤と、ポリ(アミノ酸)、ポリホスファゼン、多糖誘導体、ポリ(エステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(シアノ-アクリレート)、及びそれらのコポリマーからなる群から選択される樹脂と、を含む複合樹脂粒子であって、
    式中、
    A及びA’が、独立して、炭素原子を介して前記ポリメチン発色団と共有結合で結合した置換または非置換のヘテロ環式基を表し、
    及びRが、水素、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアルキニル基、置換または非置換のアラルキル基、置換または非置換のアルカリル基、及び置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基からなる群から独立して選択され、
    及びRが、5~8員環の形成に必要な原子を表し得、
    及びRが、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアルキニル基、置換または非置換のアラルキル基、置換または非置換のアルカリル基、及び置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基からなる群から独立して選択される、前記複合樹脂粒子。
  2. 前記ポリ(エステル)が、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(乳酸)、ポリ(L-乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸-co-グリコール酸)、ポリ(L-乳酸-co-グリコール酸)、ポリ(D,L-ラクチド)、ならびにそれらの任意の誘導体及び/または組み合わせ、からなる群から選択される、請求項1に記載の複合樹脂粒子。
  3. 前記近赤外線吸収剤が、一般式II
    Figure 2024511856000015
    によるものであり、
    式中、
    及びRが、水素、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアルキニル基、置換または非置換のアラルキル基、置換または非置換のアルカリル基、及び置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基からなる群から独立して選択され、
    及びRが、5~8員環の形成に必要な原子を表し得、
    及びRが、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアルキニル基、置換または非置換のアラルキル基、置換または非置換のアルカリル基、及び置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基からなる群から独立して選択され、
    及びRが、独立して、置換または非置換のアルキル基、置換または非置換のアルケニル基、置換または非置換のアルキニル基、置換または非置換のアラルキル基、置換または非置換のアルカリル基、及び置換または非置換のアリール基またはヘテロアリール基を表し、
    Qが、置換または非置換の5員ヘテロ環または6員ヘテロ環の形成に必要な原子を表す、先行請求項のいずれかに記載の複合樹脂粒子。
  4. 前記NIR吸収剤が、非イオン性である、先行請求項のいずれかに記載の複合樹脂粒子。
  5. 本発明による前記複合樹脂粒子の平均粒度が0.03μm~3μmである、先行請求項のいずれかに記載の複合樹脂粒子。
  6. 医薬活性化合物をさらに含む、先行請求項のいずれかに記載の複合樹脂粒子。
  7. 前記医薬活性化合物が、アルキル化剤、アントラサイクリン、細胞骨格破壊剤、エポチロン、ヒストンデアセチラーゼ阻害剤、トポイソメラーゼI阻害剤、トポイソメラーゼII阻害剤、キナーゼ阻害剤、ヌクレオチド類似体、ペプチド抗生物質、白金ベースの薬剤、レチノイド、及びビンカアルカロイド、ならびに誘導体からなる群から選択される細胞増殖抑制剤である、請求項6に記載の複合樹脂粒子。
  8. 請求項1~7に記載の複合樹脂粒子と、安定化ポリマーまたは界面活性剤と、を含む水性分散液。
  9. 前記界面活性剤が、非イオン性エトキシ化ブロックコポリマー界面活性剤である、請求項8に記載の水性分散液。
  10. 前記安定化ポリマーが、多糖、ポリ(ビニルアルコール)、もしくはポリ(ビニルアルコール)コポリマー、またはその誘導体である、請求項8に記載の水性分散液。
  11. 請求項8~10に記載の分散液と、医薬担体または医薬品添加物と、を含む医薬組成物。
  12. がん治療における使用のための、請求項8~10に記載の分散液を含む医薬組成物。
  13. 医用イメージング法における使用のための、請求項8~10に記載の分散液を含む医薬組成物。
  14. a)(ポリ(アミノ酸)、ポリホスファゼン、多糖誘導体、ポリ(エステル)、ポリ(オルトエステル)、ポリ(シアノ-アクリレート)、及びそれらのコポリマーからなる群
    から選択される樹脂と、一般式によるNIR吸収剤とを、実質的に水と混ざらない溶媒に溶解するステップと、
    b)分散剤を、水に溶解するステップと、
    c)ステップa)で得られる、前記樹脂及び前記近赤外線吸収剤の前記溶液を、ステップb)で得られる、前記分散剤の前記水溶液中に、乳化させるステップと、
    d)前記実質的に水と混ざらない溶媒を、蒸発させるステップと、
    を含む、請求項8~10に記載の水性分散液の調製方法。
  15. ステップa)において、前記実質的に水と混ざらない溶媒に医薬活性化合物が添加される、請求項14に記載の水性分散液の調製方法。
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