JP2024511477A - 可搬式冷却ユニットおよび可搬式保管ユニット - Google Patents

Abstract

血液、血漿および薬剤のパッケージ、ボトルまたは袋を含む容器３０を輸送中に冷却および絶縁するための可搬式冷却ユニット２０であって、容器を収容し、熱絶縁し、通気性反射層７０、９０、通気性防水層８０、１００、および容器にアクセスするための開口部を備える、熱絶縁エンベロープ４０と、熱絶縁エンベロープおよび容器を冷却し、収容し、２つの透水層１１０、１２０、および容器にアクセスするための開口部を備える、冷却エンベロープ５０と、容器、冷却エンベロープおよび熱絶縁エンベロープを収容し、容器にアクセスするための開口部、および湿気／水がエンベロープを通ることを可能にする通気性透水層１６０を備える、収容エンベロープ６０とを備え、冷却層の２つの透水層が、吸収性・吸湿性材料１４０を含む囲い１３０を画定し、吸収性・吸湿性材料が、水の蒸発によって容器を冷却する、可搬式冷却ユニット。【選択図】 図１

Description

本発明は、血液、血漿および薬剤のパッケージ、ボトルまたは袋を含む容器を輸送中に冷却および絶縁するための可搬式冷却ユニットと、可搬式冷却ユニットおよび容器を含む可搬式保管ユニットとに関する。

患者を治療するために使用される多くの異なる種類の医療製品は、周囲温度を下回るまたは上回る特定の温度において保たれる必要がある。したがって、医療製品は、投与される前に冷却または冷蔵した。例えば、医療製品は、インスリンおよびワクチンなどの薬剤、ならびに輸血用血液または血漿などの血液製剤を含み得る。典型的には、医療製品は、冷蔵または冷凍された冷たい物品を含む電動冷蔵または保冷ボックスによって冷却され、周囲温度から絶縁されて保たれる。

電動冷蔵は、その内部およびその中に保管された内容物を能動的に冷却するので、医療製品の保管に好ましい。しかしながら、電動冷蔵は、冷却効果を生み出すために適切で信頼性の高い電力供給源を必要とするという重大な欠点を有する。遠隔地、辺境地域または低開発地域では、十分で信頼性の高い電力を供給することは、達成可能または実行可能でないことがあり、これは、輸送中に特に当てはまる。したがって、そのような地域では、温度に敏感な医療製品の運搬のために、電動冷蔵がしばしば頼りにならないことがある。

たいてい、保冷ボックスは、一定の電力供給を必要としないので、遠隔地、辺境地域または低開発地域における温度に敏感な医療製品の運搬において使用される。しかしながら、保冷ボックスは、能動的に冷却されないという欠点を有する。したがって、そのような地域に到達するためにしばしば必要とされる長い輸送中、保冷ボックス内に入れられた冷たい物品は、保冷ボックスおよびその保管された内容物の適切な冷却をもはやもたらさないように、温まることがある。さらに、保冷ボックスは、典型的には、電動冷凍庫または冷蔵庫内で冷凍または冷蔵された物品によって冷却される。遠隔地、到達困難地域または辺境地域では、輸送前にそのような物品を冷凍または冷蔵するために必要とされる電力および機器を供給することがしばしば困難である。さらに、保冷ボックスは能動的に冷却されないため、中に保管された医療製品を分配するために保冷ボックスが複数回開かれる場合、保冷ボックス内に保管された内容物が温まることがある。

本発明の目的および態様は、少なくとも従来技術に関するこれらの問題を軽減しようとする。

本発明の第１の態様によれば、血液、血漿および薬剤のパッケージ、ボトルまたは袋を含む容器を輸送中に冷却および絶縁するための可搬式冷却ユニットが提供され、可搬式冷却ユニットは、容器を収容し、熱絶縁するように構成された熱絶縁エンベロープであって、通気性反射層と、通気性防水層と、容器にアクセスするための開口部とを備える、熱絶縁エンベロープと、熱絶縁エンベロープおよび容器を冷却し、収容するように構成された冷却エンベロープであって、２つの透水層と、容器にアクセスするための開口部とを備える、冷却エンベロープと、容器、冷却エンベロープおよび熱絶縁エンベロープを収容するように構成された収容エンベロープであって、容器にアクセスするための開口部と、湿気および／または水がエンベロープを通ることを可能にする通気性透水層とを備える、収容エンベロープとを備え、冷却層の２つの透水層は、吸収性・吸湿性材料を含む囲いを画定するように構成され、さらに、吸収性・吸湿性材料は、水の蒸発によって容器を冷却するように構成される。

可搬式冷却ユニットは、熱絶縁エンベロープと冷却エンベロープと収容エンベロープとの組合せおよび相互作用によって、温度変動中でも、血液製剤および薬剤に好適なその冷却および絶縁を達成する。典型的には、医療製品は、周囲温度が０°～４２°の範囲内にあるとき、１８°～２６°の温度範囲内に保たれる必要がある。「エンベロープ」という用語は、袋、ボックス、包装、コンテナ、ポケット、パウチ、カバー、入れ物、覆い、シェルなどを意味すると理解され、「収容する」という用語は、受容する、受け入れる、保有する、保持する、保管する、囲む、入れる、包むなどを意味すると理解される。

収容エンベロープは、透水層を備え、水および／または湿気がその周辺を通って隣接する冷却エンベロープに向かうことを可能にする。水および／または湿気はまた、冷却エンベロープが吸収性・吸湿性材料を収容する２つの透水層を備えるので、冷却エンベロープを通ることができる。水および／または湿気は、次いで、冷却エンベロープ内の吸収性・吸湿性材料によって吸収され得る。吸収された水および／または湿気は、次いで、時間とともに吸収性・吸湿性材料から蒸発し、冷却エンベロープを冷却することができる。次に、冷却エンベロープは、容器およびその保管された医療製品を冷却することができる。冷却エンベロープおよび容器のこの能動的冷却は、可搬式冷却ユニットの機能に不可欠であり、保管された医療製品を周囲温度の変動から保護するのを支援する。

この可搬式冷却ユニットの能動的冷却作用は、吸収性・吸湿性材料からの水の蒸発によってのみもたらされる。すなわち、冷却作用は、電動冷却システムによってもたらされない。これにより、可搬式冷却ユニットは、真に可搬になり、可搬式冷却ユニットと一緒に電力供給源が運搬される必要がないので、遠隔の、辺境の、または到達困難な場所において使用可能になる。使用中、この可搬式冷却ユニットの能動的冷却作用は、可搬式冷却ユニットの周辺または内部に氷を提供するなど、受動的冷却によって増強され得る。しかしながら、この受動的冷却は、可搬式冷却ユニットの性能を保証するために必要とされない。

冷却エンベロープに隣接して、熱絶縁エンベロープがある。熱絶縁エンベロープは、冷却エンベロープと使用中の容器との間に配置され、冷却エンベロープによって冷却される。熱絶縁エンベロープは、２つの通気性層を備え、したがって、冷却エンベロープから熱絶縁エンベロープを通り、使用中の容器に向かう冷却空気の循環を可能にする。熱絶縁エンベロープは、冷却エンベロープからの冷たい空気がエンベロープを通り抜けることを可能にし、入ってくる熱および光放射を反射する、通気性反射層を備える。さらに、熱絶縁エンベロープは、防水通気性エンベロープを備える。防水通気性エンベロープは、環境からの水および／または湿気、あるいは冷却エンベロープから蒸発した水および／または湿気が防水通気性エンベロープを通って容器に向かうのを阻止するように構成される。熱絶縁エンベロープの層の両方が、使用中に収容された容器を温度変動から保護するための熱シールドとして作用する。

熱絶縁エンベロープ、冷却エンベロープおよび収容エンベロープの層はそれぞれ、個別に、膜、ウェブ、ウェブ膜、またはウェブ部材として説明され得る。すなわち、層は、選択的に透過性であるので、膜として説明され得、例えば、透水層は、水および空気が通ることを可能にするように構成されるが、ほとんどの固体材料は層を通ることができない。

好ましくは、冷却エンベロープは、容器の基部を冷却するように構成された基部セクションと、容器の側壁を冷却するように構成された側壁セクションとを備え、前記基部セクションおよび前記側部セクションはそれぞれ、吸収性・吸湿性材料を収容するための別個の囲いを備える。冷却エンベロープは、基部セクションと側壁セクションとを備えることが好ましいが、それは、このことが、吸収性・吸湿性材料が囲い内で重力下で垂れ下がり、冷却エンベロープのいくつかの部分の周りの冷却効率を低下させるのを防止するためである。さらに、２つのセクションから冷却エンベロープを形成することは、冷却エンベロープが製造および成形され得る容易さを改善する。

好ましくは、冷却層の２つの透水層は、２つの層を互いに付着させることによって囲いを画定するように構成される。「互いに付着させる」という用語は、互いに接着する、接続する、接合する、結び付く、積層する、締結する、固定する、貼り付く、連結する、締め付ける、または結合することを意味すると理解される。同様に、「互いに付着させる」の他の形態、例えば「互いに付着される」についても同じである。さらに、２つの層が互いに付着されるとき、２つの層は、一方に直接付着されるか、または、スペーサ部材もしくは中間層を介して互いに間接的に付着され得ることが理解される。２つの透水層は、縫合、熱溶着、接着の範囲から選択されたものによって互いに付着されることが好ましい。

好ましくは、冷却エンベロープは、少なくとも２つの透水層を備える。

好ましくは、冷却エンベロープの２つの透水層は、囲いが、吸収性・吸湿性材料の一部をそれぞれ収容する複数の、またはいくつかの区画を備えるように、互いに付着される。

好ましくは、囲いの複数の区画は、冷却エンベロープ内に、行の組として、列の組として、またはチェックパターンで配置される。より好ましくは、囲いの複数の区画は、冷却エンベロープとともに、列の組として配置される。

複数の区画が列の組として配置されることは、区画がそれぞれ冷却エンベロープの上部から底部の方向に、および互いに実質的に平行な方向に延在することとして解釈されるべきである。例えば、冷却エンベロープが実質的に円筒形の外形を有するとき、区画はそれぞれ、円筒の平面に垂直かつ円筒の湾曲した側壁と平行な方向に延在する。典型的には、複数の区画が列の組で配置されるとき、複数の区画は、冷却エンベロープの長手方向軸線と平行な方向に延在する。複数の区画が行の組として配置されることは、区画がそれぞれ冷却エンベロープの円周の方向に、および方向、互いに実質的に平行な方向に、延在することとして解釈されるべきである。典型的には、複数の区画が行の組で配置されるとき、複数の区画は、冷却エンベロープの長手方向軸線に垂直な方向に延在する。例えば、冷却エンベロープが実質的に円筒形の外形を有するとき、区画はそれぞれ、実質的に環状またはトロイダルであり、円筒の平面と実質的に平行である。

好ましくは、冷却エンベロープは、容器と相補的であるように成形または構成される。より好ましくは、冷却エンベロープは、使用中、冷却エンベロープの内面の大部分と容器の外面の大部分とが当接するように、容器と相補的であるように成形または構成される。より好ましくは、冷却エンベロープは、２つの透水層間の付着によって成形または構成される。すなわち、２つの透水層を付着させる縫合、熱溶着または接着は、使用中の容器と相補的であるように冷却エンベロープを成形するように構成される。

好ましくは、冷却エンベロープの２つの透水層は織布材料を含む。

好ましくは、冷却エンベロープの吸収性・吸湿性材料は粒状である。好ましくは、冷却エンベロープの吸収性・吸湿性材料はゲルである。より好ましくは、冷却エンベロープの吸収性・吸湿性材料は粒状ゲルである。

好ましくは、冷却エンベロープの開口部は再封可能である。より好ましくは、冷却エンベロープの開口部は、開口部を再封するための引き紐またはファスナを備える。

好ましくは、熱絶縁エンベロープの通気性反射層は、熱を外側に、容器から離れるように反射するように構成される。

好ましくは、通気性反射層は、通気性防水層に積層される。好ましくは、熱絶縁エンベロープの通気性反射層と通気性防水層は、縫合、熱溶着、接着から選択されたものによって互いに付着される。

好ましくは、熱絶縁エンベロープは、冷却エンベロープと相補的であるように成形または構成される。より好ましくは、熱絶縁エンベロープは、使用中、熱絶縁エンベロープの内面の大部分と冷却エンベロープの外面の大部分とが当接するように、冷却エンベロープと相補的であるように成形または構成される。より好ましくは、熱絶縁エンベロープは、通気性反射層と通気性防水層との間の付着によって成形または構成される。すなわち、通気性反射層と通気性防水層とを付着させる縫合、熱溶着または接着は、冷却エンベロープと相補的になるように熱絶縁エンベロープを成形するように構成される。

好ましくは、熱絶縁エンベロープの通気性防水層は、通気性防水層の面を通る空気流を促進するように構成されたチャネルを備える。

好ましくは、熱絶縁エンベロープの通気性防水層は不織布材料を含む。より好ましくは、通気性防水層の不織布材料はポリマである。さらに一層好ましくは、通気性防水層の不織布材料はポリプロピレンである。

好ましくは、熱絶縁エンベロープの通気性反射層は微細多孔箔を含む。

好ましくは、熱絶縁エンベロープは、２つの通気性反射層を備える。より好ましくは、２つの通気性反射層のうちの第１の通気性反射層は、熱を外側に、容器から離れるように反射するように構成され、さらに、２つの通気性反射層のうちの第２の通気性反射層は、熱を内側に、容器に向かって反射するように構成される。内側方向および外側方向は、可搬式冷却ユニット内に含まれるときの容器に対する方向である。

好ましくは、熱絶縁エンベロープの層は、縫合、熱溶着または接着から選択されたものによって互いに付着される。

好ましくは、熱絶縁エンベロープは、その開口部を可逆的に閉じるための機構を備える。より好ましくは、熱絶縁エンベロープの再封可能な開口部は、引き紐またはファスナを備える。

好ましくは、収容エンベロープは、その開口部を閉じるための再封可能な蓋を備える。

好ましくは、収容エンベロープの通気性透水層は不織布材料を含む。

本発明の第２の態様によれば、血液、血漿および薬剤のパッケージ、ボトルまたは袋を輸送中に冷却および絶縁するための可搬式保管ユニットが提供され、前記可搬式保管ユニットは、血液、血漿または薬剤のパッケージ、ボトルまたは袋を保管するための容器であって、容器によって保管された内容物にアクセスするための再封可能な開口部を備える、容器と、本発明の第１の態様による可搬式冷却ユニットとを備え、前記容器は、前記可搬式冷却ユニットによって囲まれ、熱絶縁エンベロープ、冷却エンベロープ、および収容エンベロープの開口部によってアクセス可能である。

本発明の第２の態様に含まれる可搬式冷却ユニットは、本発明の第１の態様の任意選択のまたは好ましい特徴のいずれかを含み得る。

次に、本発明の一実施形態が、単に例として、添付の図面を参照して説明される。

本発明による、可搬式保管ユニットの概略断面図である。 図１の可搬式保管ユニットの収容エンベロープの斜視図である。 図１の可搬式保管ユニットの冷却エンベロープの斜視図である。 図１の可搬式保管ユニットの熱絶縁エンベロープの斜視図である。

図面の図１および図２は、本発明による、可搬式保管ユニット１０を示す。可搬式保管ユニット１０は、容器３０を冷却および絶縁するように構成された可搬式冷却ユニット２０を備え、図３および図４は、可搬式冷却ユニット２０の構成部品を示す。

容器３０は、血液、血漿および薬剤などの医療製品を保管するのに好適であり、当技術分野で知られている。容器３０内に保管された医療製品は、典型的には、プラスチックまたはガラス製のボトル、袋、アンプルなどの中にパッケージングされる。

この実施形態では、容器３０は実質的に円筒形であり、中に保管された医療製品にアクセスするための再封可能な開口部を備える。再封可能な開口部は、実質的に円筒形の容器３０の平坦な端部の一方において配置される。

可搬式冷却ユニット２０は、容器３０を冷却および絶縁するように構成され、この機能を達成するための３つのエンベロープ、すなわち、熱絶縁エンベロープ４０、冷却エンベロープ５０および収容エンベロープ６０を備える。図１から分かるように、熱絶縁エンベロープ４０と冷却エンベロープ５０の両方が、以下に説明されるようなそれらのそれぞれの機能を達成するために複数の層を備える。

可搬式保管ユニット１０において、熱絶縁エンベロープ４０は、容器３０に隣接し、容器３０を取り囲む。すなわち、熱絶縁エンベロープ４０は、容器３０を収容するのに十分に大きく、熱絶縁エンベロープ４０は、容器３０を温める周囲環境からの熱を制限することによって容器３０を絶縁するように構成される。

典型的には、熱絶縁エンベロープ４０は、容器３０と相補的であるように成形および構成される。あるいは、言い換えれば、熱絶縁エンベロープ４０は、典型的には、ある容器３０と相補的であるように設計および製造される。これは、熱絶縁エンベロープ４０と容器３０との相補的な形状および近接性により、熱絶縁エンベロープ４０による容器３０の良好な絶縁を保証するのに役立つ。

この実施形態では、熱絶縁エンベロープ４０は実質的に円筒形であり、円筒形容器３０と相補的であるので、熱絶縁エンベロープ４０の内面の大部分は、容器３０の外面の大部分と係合し、それに当接する。熱絶縁エンベロープ４０はまた、容器３０へのアクセスを可能にするその平坦な端部の一方において開口部を備える。熱絶縁エンベロープ４０が容器３０を完全に画定するか、囲むか、または封入することができるように開口部が閉塞され得ることが好ましいが、それは、このことが容器３０を絶縁するのに有効であるためである。この実施形態では、熱絶縁エンベロープ４０の開口部は開いている。他の実施形態では、熱絶縁エンベロープ４０の開口部は、再封可能であり、開口部が引き紐によって閉塞および開放され得るようなものである。

熱絶縁エンベロープ４０は、容器３０の効果的な絶縁および熱遮蔽を提供するために複数の層を備える。特に、熱絶縁エンベロープ４０は、第１の通気性防水層８０に付着される第１の通気性反射層７０と、第２の通気性防水層１００に付着される第２の通気性反射層９０とを備える。

第１の通気性反射層７０と第２の通気性反射層９０の両方が微細多孔箔である。通気性反射層７０、９０の箔特徴は、熱放射を反射し、容器３０を熱絶縁するのを支援する。特に、第１の通気性反射層７０および第２の通気性反射層９０は、それらが二方向反射熱遮蔽を形成するように配置される。この実施形態では、第１の通気性反射層７０は、熱を外側に、容器３０から離れるように反射するように構成され、第２の通気性反射層９０は、熱を内側に、容器３０に向かって反射するように構成される。通気性反射層７０、９０中の微細多孔は、冷却エンベロープ５０によって冷却された空気が通気性反射層７０、９０を通り、それにより容器３０を冷却することを可能にされるように、通気性反射層７０、９０を通気性にするのに役立つ。

通気性反射層７０、９０はそれぞれ、それらのそれぞれの通気性防水層８０、１００に付着され、この実施形態では、通気性反射層７０、９０は、それらのそれぞれの通気性防水層８０、１００に積層される。次いで、積層された第１の通気性反射層７０および第１の通気性防水層９０は、積層された第２の通気性反射層８０および第２の通気性防水層１００に、縫合、溶着または接着によって付着される。熱絶縁エンベロープの４つの層７０、８０、９０、１００間の付着は、上記で説明されたように、熱絶縁エンベロープ４０を容器３０と相補的であるように成形および構成するために使用される。

第１の通気性防水層８０および第２の通気性防水層１００は、両方とも、不織布ポリプロピレン層から形成される。この不織布ポリプロピレン層は、不織布ポリプロピレンを通気性層として提供するが、通気性反射層７０、９０に積層され得るものとしても提供するので、典型的にはウェブまたはウェブ膜である。防水通気性層８０、１００は、環境からの水および／または湿気、あるいは冷却エンベロープ５０から蒸発した水および／または湿気が防水通気性層を通って容器３０に向かうのを阻止するが、冷たい空気が循環するのを可能にする。さらに、通気性防水層８０、１００はそれぞれ、それらの表面を通る空気流を促進するために、それらの表面内に隆起したまたはエッチングされたチャネルを備える。

可搬式冷却ユニット２０において、冷却エンベロープ５０は、熱絶縁エンベロープ４０に隣接し、熱絶縁エンベロープ４０を取り囲む。すなわち、冷却エンベロープ５０は、熱絶縁エンベロープ４０を収容するのに十分に大きい。冷却エンベロープ５０は、以下で説明されるように、水の蒸発によって、熱絶縁エンベロープ４０と熱絶縁エンベロープ４０内に収容された容器３０とを冷却するように構成される。

典型的には、冷却エンベロープ５０は、熱絶縁エンベロープ４０と相補的であるように成形および構成される。あるいは、言い換えれば、冷却エンベロープ５０は、典型的には、ある熱絶縁エンベロープ４０および容器３０と相補的であるように設計および製造される。これは、冷却エンベロープ５０の内面の大部分が熱絶縁エンベロープ４０の外面の大部分と係合し、それに当接するので、冷却エンベロープ５０によって提供される冷却作用が熱絶縁エンベロープ４０および容器３０に空間的に近接していることを保証するのに役立つ。このようにして、冷却エンベロープ５０によって冷却された空気は、容器３０に近接しており、容器３０を効果的に冷却することができる。

この実施形態では、冷却エンベロープ５０は、円筒形容器３０および円筒形熱絶縁エンベロープ４０と相補的であるように、実質的に円筒形である。円筒形冷却エンベロープ５０は、その平坦な端部の一方において、熱絶縁エンベロープ４０および容器３０の開口部へのアクセスを可能にする開口部をさらに備える。冷却エンベロープ５０が熱絶縁エンベロープ４０および容器３０を完全に画定するか、囲むか、または封入することができるように開口部が閉塞され得ることが好ましいが、それは、このことが容器３０を冷却するのに有効であるためである。この実施形態では、冷却エンベロープ５０の開口部は、再封可能であり、引き紐によって閉塞および開放され得る。

冷却エンベロープ５０は、容器３０の効果的な冷却を提供するために複数の層を備える。特に、冷却エンベロープ５０は、囲い１３０を画定するために第２の透水層１２０に付着された第１の透水層１１０を備え、囲い１３０は、吸収性・吸湿性材料１４０を含む。第２の透水層１２０への第１の透水層１１０の付着は、上記で説明されたように冷却エンベロープ５０を成形し、構成する。第１の透水層１１０と第２の透水層１２０は、冷却エンベロープ５０の形状を構成するために、縫合、溶着または接着によって互いに付着され得る。

この実施形態では、冷却エンベロープ５０は、図３に見られるように、側壁セクション５４に付着された基部セクション５２を備える。基部セクション５２は、円筒形冷却エンベロープ５０の、その開口部とは反対側の端部において配置され、側壁セクション５４は、基部セクション５２と冷却エンベロープ５０の開口部との間に延在する。基部セクション５２と側壁セクション５４の両方が、第１の透水層１１０および第２の透水層１２０を備える。２つのセクション５２、５４は別個であり、これは、囲い１３０ならびにそこに含まれる吸収性・吸湿性材料１４０を２つの区画１５０に分離し、すなわち、１つが基部セクション５２内にあり、もう１つが側壁セクション５４内にある。

この実施形態では、第１の透水層１１０は、図３に見られるように、側壁セクション５４に配置された囲い１３０の一部が、吸収性・吸湿性材料１４０を含む複数の区画１５０をさらに備えるように、複数の位置において第２の透水層１２０に付着される。この実施形態では、側壁セクション５４内の複数の区画１５０は、実質的に円筒形の冷却エンベロープ５０の２つの平面間に長手方向に延在する列の組である。行の組またはチェックパターンなど、複数の区画１５０の他の配置が想定される。複数の区画１５０内の区画はそれぞれ、冷却エンベロープの表面を通る空気流を促進する、区画間に配置された空気チャネルを有する。

第１の透水層１１０と第２の透水層１２０の両方が、ポリエステルと綿布との混合物など、織布透水性材料である。透水層１１０、１２０の透水特徴は、水および／または湿気が、蒸発によって容器を冷却することができるように、層を通って吸収性・吸湿性材料１４０に向かい、そこから離れることを可能にする。

吸収性・吸湿性材料１４０は、水および／または湿気を吸収し、次いで蒸発させ、それにより、それ自体で可搬式冷却ユニット２０および容器３０を冷却することができる、水溶性ポリマなどの粒状またはゲル材料を含む。

可搬式保管ユニット１０および可搬式冷却ユニット２０において、冷却エンベロープ５０は収容エンベロープ６０内に収容される。

収容エンベロープ６０の形状は、典型的には、冷却エンベロープ５０と相補的であるように構成される。あるいは、言い換えれば、収容エンベロープ６０の内面の大部分は、冷却エンベロープ５０の外面の大部分と係合し、それに当接する。この実施形態では、収容エンベロープ６０は、実質的に円筒形であり、冷却エンベロープ５０よりも大きい。収容エンベロープ６０は、円筒の一方の端部において、冷却エンベロープ５０、熱絶縁エンベロープ４０および容器３０にアクセスすることができる開口部をさらに備える。収容エンベロープ６０の開口部は、当技術分野で知られているように、再封可能な蓋１７０によって閉塞され得る。

収容エンベロープ６０は、不織布ポリプロピレンのウェブなど、通気性透水層１６０を備える。収容エンベロープ６０の主な目的は、冷却エンベロープ５０、熱絶縁エンベロープ４０および容器３０の保護ハウジングを提供すると同時に、水および／または湿気が、冷却エンベロープ５０の機能を損なわないように収容エンベロープ６０を通ることを可能にすることである。

容器３０、熱絶縁エンベロープ４０、冷却エンベロープ５０および収容エンベロープ６０はそれぞれ、他の構成要素とは別個および個別である。このようにして、容器３０は、熱絶縁エンベロープ４０の開口部を介して熱絶縁エンベロープ４０に挿入され、そこから取り外され得、熱絶縁エンベロープ４０は、冷却エンベロープ５０の開口部を介して冷却エンベロープ５０に挿入され、そこから取り外され得、冷却エンベロープ５０は、収容エンベロープ６０の開口部を介して収容エンベロープ６０に挿入され、そこから取り外され得る。

Claims (25)

1. 血液、血漿および薬剤のパッケージ、ボトルまたは袋を含む容器を輸送中に冷却および絶縁するための可搬式冷却ユニットであって、
   前記容器を収容し、熱絶縁するように構成された熱絶縁エンベロープであって、通気性反射層と、通気性防水層と、前記容器にアクセスするための開口部とを備える、熱絶縁エンベロープと、
   前記熱絶縁エンベロープおよび前記容器を冷却し、収容するように構成された冷却エンベロープであって、２つの透水層と、前記容器にアクセスするための開口部とを備える、冷却エンベロープと、
   前記容器、前記冷却エンベロープおよび前記熱絶縁エンベロープを収容するように構成された収容エンベロープであって、前記容器にアクセスするための開口部と、湿気および／または水が前記エンベロープを通ることを可能にする通気性透水層とを備える、収容エンベロープと
   を備え、
   前記冷却層の前記２つの透水層が、吸収性・吸湿性材料を含む囲いを画定するように構成され、さらに、前記吸収性・吸湿性材料が、水の蒸発によって前記容器を冷却するように構成される、可搬式冷却ユニット。
2. 前記冷却エンベロープが、前記容器の基部を冷却するように構成された基部セクションと、前記容器の側壁を冷却するように構成された側壁セクションとを備え、前記基部セクションおよび前記側部セクションがそれぞれ、前記吸収性・吸湿性材料を収容するための別個の囲いを備える、請求項１に記載の可搬式冷却ユニット。
3. 前記囲いが、前記吸収性・吸湿性材料の一部をそれぞれ収容する複数の区画を備えるように、前記冷却エンベロープの前記２つの透水層が互いに付着される、請求項１または２に記載の可搬式冷却ユニット。
4. 前記囲いの前記複数の区画が、前記冷却エンベロープ内に、行の組として、列の組として、またはチェックパターンで配置される、請求項３に記載の可搬式冷却ユニット。
5. 前記囲いを画定する前記冷却エンベロープの前記２つの透水層が、縫合、熱溶着、接着から選択されたものによって互いに付着される、請求項１～４のいずれか一項に記載の可搬式冷却ユニット。
6. 前記冷却エンベロープの前記２つの透水層が織布材料を含む、請求項１～５のいずれか一項に記載の可搬式冷却ユニット。
7. 前記冷却エンベロープの前記吸収性・吸湿性材料が粒状である、請求項１～６のいずれか一項に記載の可搬式冷却ユニット。
8. 前記冷却エンベロープの前記吸収性・吸湿性材料がゲルである、請求項１～７のいずれか一項に記載の可搬式冷却ユニット。
9. 前記冷却エンベロープの前記開口部が再封可能である、請求項１～８のいずれか一項に記載の可搬式冷却ユニット。
10. 前記冷却エンベロープの前記再封可能な開口部が、引き紐またはファスナを備える、請求項９に記載の可搬式冷却ユニット。
11. 前記熱絶縁エンベロープの前記通気性反射層が、熱を外側に、前記容器から離れるように反射するように構成される、請求項１～１０のいずれか一項に記載の可搬式冷却ユニット。
12. 前記熱絶縁エンベロープの前記通気性反射層と前記通気性防水層が、縫合、熱溶着、接着から選択されたものによって互いに付着される、請求項１～１１のいずれか一項に記載の可搬式冷却ユニット。
13. 前記熱絶縁エンベロープの前記通気性防水層が、前記通気性防水層の面を通る空気流を促進するように構成されたチャネルを備える、請求項１～１２のいずれか一項に記載の可搬式冷却ユニット。
14. 前記熱絶縁エンベロープの前記通気性防水層が不織布材料を含む、請求項１～１３のいずれか一項に記載の可搬式冷却ユニット。
15. 前記通気性防水層の前記不織布材料がポリプロピレンである、請求項１５に記載の可搬式冷却ユニット。
16. 前記熱絶縁エンベロープの前記通気性反射層が微細多孔箔を含む、請求項１～１５のいずれか一項に記載の可搬式冷却ユニット。
17. 前記熱絶縁エンベロープが２つの通気性反射層を備える、請求項１～１６のいずれか一項に記載の可搬式冷却ユニット。
18. 前記２つの通気性反射層のうちの第１の通気性反射層が、熱を外側に、前記容器から離れるように反射するように構成され、さらに、前記２つの通気性反射層のうちの第２の通気性反射層が、熱を内側に、前記容器に向かって反射するように構成される、請求項１８に記載の可搬式冷却ユニット。
19. 前記熱絶縁エンベロープの前記層が、縫合、熱溶着または接着から選択されたものによって互いに付着される、請求項１８または１９に記載の可搬式冷却ユニット。
20. 前記熱絶縁エンベロープ内の前記開口部が再封可能である、請求項１～１９のいずれか一項に記載の可搬式冷却ユニット。
21. 前記熱絶縁エンベロープの前記再封可能な開口部が、引き紐またはファスナを備える、請求項２１に記載の可搬式冷却ユニット。
22. 前記収容エンベロープが、前記収容エンベロープの前記開口部を閉じるための再封可能な蓋を備える、請求項１～２１のいずれか一項に記載の可搬式冷却ユニット。
23. 前記収容エンベロープの前記通気性透水層が不織布材料を含む、請求項１～２２のいずれか一項に記載の可搬式冷却ユニット。
24. 前記不織布材料がポリプロピレンである、請求項２３に記載の可搬式冷却ユニット。
25. 血液、血漿および薬剤のパッケージ、ボトルまたは袋を輸送中に冷却および絶縁するための可搬式保管ユニットであって、
    血液、血漿または薬剤のパッケージ、ボトルまたは袋を保管するための容器であって、前記容器によって保管された内容物にアクセスするための再封可能な開口部を備える、容器と、
    請求項１～２４のいずれか一項に記載の可搬式冷却ユニットと
    を備え、
    前記容器が、前記可搬式冷却ユニットによって囲まれ、前記熱絶縁エンベロープ、前記冷却エンベロープ、および前記収容エンベロープの前記開口部によってアクセス可能である、
    可搬式保管ユニット。

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