JP2024510267A - 線維芽細胞活性化タンパク質を標的とする化合物、およびその使用方法 - Google Patents

線維芽細胞活性化タンパク質を標的とする化合物、およびその使用方法 Download PDF

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Abstract

線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)標的化化合物;がんおよび線維症をイメージングする方法;および線維症、炎症性疾患/障害およびがんを処置する方法。

Description

優先権
本特許出願は、(a)2021年3月16日出願の米国仮特許出願第63/200,593号;(b)2021年3月24日出願の米国仮特許出願第63/165,563号;(c)2021年3月16日出願の米国仮特許出願第63/200,592号;(d)2021年3月24日出願の米国仮特許出願第63/165,550号;(e)2021年3月16日出願の米国仮特許出願第63/161,835号;および(f)2021年3月24日出願の米国仮特許出願第63/165,583号に関するものであり、それらの優先権の利益を主張する。上述の出願の各々の内容の全体が、参照により本明細書において組み込まれている。
腫瘍の生存および増殖は、非限定的に、腫瘍間質の割合(percentage of tumor stroma:TSP)を含めた、腫瘍微小環境(tumor microenvironment:TME)に依存し得る。高いTSPは、低いTSPに比べて、一層乏しい患者の長期生存に関係し得る(それぞれ>50%対≦50%)。TSPは、腫瘍の再発、成長および転移に関する、重要な予後因子ともなり得る。
がん細胞は別にして、腫瘍(およびTSP)は、腫瘍関連線維芽細胞(TAF)またはがん関連線維芽細胞(CAF)、細胞外マトリックス(ECM)タンパク質、T細胞、腫瘍関連マクロファージ(TAM)、骨髄抑制因子細胞、血液およびリンパ系脈管などの浸潤性免疫細胞および炎症細胞を含む。それらの細胞は、成長因子分泌、免疫抑制、転移、耐性などによる腫瘍の成長および発達を助ける。
TAFまたはCAFは、腫瘍間質に存在する主要なタイプの細胞の1つであり、腫瘍成長の促進に対していくつかの重要な役割を果たす。これらの機能には、ECM生成、リモデリングおよびサイトカイン分泌が含まれる。これらによって、腫瘍成長を促進する血管新生、化学耐性が増大するシグナル伝達因子の分泌、免疫細胞に対する物理的遮断を実現するより密度の高い腫瘍間質、および転移を方向づける細胞運動性の増大がもたらされる。一部の例では、このような過程は、線維性疾患における病原性線維芽細胞の挙動と似ている。
一部の例では、CAFの高い頻度で見られるマーカーは、線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAPα)である。FAPαは、線維性疾患、炎症性疾患および/またはがん(例えば、線維症、関節リウマチ、創傷治癒およびがん)などの罹患細胞および組織において、活性化された線維芽細胞の細胞表面において(主に)見出されるセリンプロテアーゼである。上皮性癌の90%超が、免疫組織学的(IHC)染色において、FAPαが発現していることを示す。さらなるFAPαの発現が、原発性神経膠腫細胞培養物およびTAMのサブセットにおいて見出されている。最近、少なくとも28種の様々なタイプのヒトがんにおいて、FAPαの発現が検出されている。しかし、FAPαの発現は、成人組織の大部分では、非常に低いかまたは存在しない。したがって、この発現は、癌腫などの罹患細胞の表面に限定されるので、FAPαは、リガンド標的化による、薬物療法剤を腫瘍に選択的に送達するための受容体として固有に特定されている。
様々ながん、線維性障害および炎症性疾患の処置に、腫瘍細胞を死滅させるための、放射線治療および化学療法および他の治療法を考えることができる。しかし、多くの場合、このような治療法は、生じる恐れがある副(例えば、全身性)作用のために、第1選択治療として使用されない。その結果、罹患細胞および組織を標的であってもよく、標的外作用もしくは全身性作用を最小限にして、または低減して疾患(例えば、がん、線維性疾患および/または炎症性疾患)を処置することができる、標的化された放射線治療剤および/または化学治療剤を使用する治療法などの、標的化治療が必要とされる。
式Xの化合物(例えば、コンジュゲート):
mx-L-B’ (X)
(式中、
Aは、線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAPα)リガンド(すなわち、標的指向性部分)のラジカル(例えば、10,000未満の分子量を有する)であり、
Lは、1つまたは複数のA基をB’に連結(例えば、LをAに連結する第1の共有結合、およびLをB’に連結する第2の共有結合による)する(例えば、二官能基化または三官能基化された)リンカーであり、
B’は、光線力学的治療剤、放射線イメージング剤、放射線治療剤、化学治療剤、抗線維化剤または抗がん剤(例えば、がん細胞またはがん関連線維芽細胞、筋線維芽細胞または他の腫瘍微小環境因子に対して有効な抗がん剤)(例えば、そのラジカル)であり、
mxは、1~6である)
が提供される。
同様に、式Iの化合物(例えば、コンジュゲート):
A-L-B’(I)
(式中、
Aは、FAPαリガンド(すなわち、標的指向性部分)(例えば、そのラジカル)を含み、
Lは、1つまたは複数のA基をB’に連結する(例えば、二官能基化または三官能基化された)リンカーを含み、
B’は、光線力学的治療剤、放射線イメージング剤、放射線治療剤、化学治療剤、抗線維化剤または抗がん剤(例えば、がん細胞またはがん関連線維芽細胞、筋線維芽細胞または他の腫瘍微小環境因子に対して有効な抗がん剤)(例えば、そのラジカル)を含む)
が提供される。
式I’の化合物(例えば、コンジュゲート):
Figure 2024510267000002
(式中、
Aは、FAPαリガンド(すなわち、標的指向性部分)(例えば、10,000未満の分子量を有する)のラジカルであり、
Lは、三価リンカーであり、
B’は、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、同位体に場合により結合したキレート基または同位体に共有結合した基のラジカルであり、前記同位体(または金属)は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適であり、
C’は、アルブミン結合性リガンド、ポリエチレングリコール(PEG)(nは、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカンまたは糖のラジカルである)
が提供される。
同様に、式(II)の化合物(例えば、コンジュゲート):
Figure 2024510267000003
(式中、
Aは、FAPαリガンド(すなわち、標的指向性部分)(例えば、10,000未満の分子量を有する)のラジカルを含み、
Lは、三価リンカーを含み、
B’は、PI3K阻害剤、同位体に場合により結合したキレート基または同位体に共有結合した基のラジカルを含み、前記同位体(または金属)は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適であり、
C’は、アルブミン結合性リガンド、(PEG)(nは、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカンまたは糖のラジカルを含む)が提供される。同様に、式(V)の構造によって表される化合物:
Figure 2024510267000004
(式中、
Lは、少なくとも1個の炭素原子を含むリンカーであり、
pは、0、1、2または3である)が提供される。
式(X)の構造によって表される化合物:
-L-B’ (X)
(式中、
Aは、式X-B:
Figure 2024510267000005
のFAPαリガンドのラジカルであり、
式中、
Tは、置換もしくは無置換メチレン(-CH-)、置換もしくは無置換アミノ(-NH-)、-O-または-S-(例えば、Tの置換基は、C~Cアルキル、ハロアルキルまたはハロである)であり、
Jは、C(R0~3であり、Rはそれぞれ、独立して、Hまたはアルキルであるか、または2つ以上のRが一緒になって、オキソを形成し、
およびRは、-H、-CN、-CHO、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール-、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-PO、-SOF、-CONHおよび5-テトラゾリルからなる群からそれぞれ独立して選択され、
およびRは、-H、-OH、F、Cl、Br、I、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキルおよび-S-C1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
、R、RおよびRは、H、アルキルおよびハロからなる群から独立して選択され、
、R10およびR11は、H、-C1~6アルキル、-C1~6ハロアルキル、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、F、Cl、BrおよびIからなる群から独立して選択され、
Lは、AをB’に連結するリンカーであり、
B’は、治療剤、放射線イメージング剤、放射線治療剤、磁気共鳴イメージング剤、化学治療剤、抗線維化剤または抗がん剤のラジカルであり、
m=1~6である)
もまた、提供される。
ある特定の実施形態では、このような化合物は、C’をさらに含み、Lは、C’を、1つまたは複数のA基およびB’に連結させ、C’は、アルブミン結合性リガンド、(PEG)(nは、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカンまたは糖のラジカルである。
一部の実施形態では、B’は、PI3K阻害剤、同位体に場合により結合したキレート基、または同位体に共有結合した基のラジカルであり、前記同位体(または金属)は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適である。
式(I’)の構造によって表される化合物:
Figure 2024510267000006
(式中、
Aは、式X-BのFAPリガンド(すなわち、標的指向性部分、例えばおよび非限定的に、FAPαリガンド):
Figure 2024510267000007
のラジカルであり、
式中、
Tは、置換もしくは無置換メチレン(-CH-)、置換もしくは無置換アミノ(-NH-)、-O-または-S-(例えば、Tの置換基は、C~Cアルキル、ハロアルキルまたはハロである)であり、
Jは、C(R0~3であり、Rはそれぞれ、独立して、Hまたはアルキルであるか、または2つ以上のRが一緒になって、オキソを形成し、
およびRは、-H、-CN、-CHO、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール-、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-PO、-SOF、-CONHおよび5-テトラゾリルからなる群からそれぞれ独立して選択され、
およびRは、-H、-OH、F、Cl、Br、I、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキルおよび-S-C1~6アルキルからなる群からそれぞれ独立して選択され、
、R、RおよびRは、H、アルキルおよびハロからなる群からそれぞれ独立して選択され、
、R10およびR11は、H、-C1~6アルキル、-C1~6ハロアルキル、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、F、Cl、BrおよびIからなる群からそれぞれ独立して選択され、
Lは、三価リンカーであり、
B’は、同位体に場合により結合したキレート基のラジカルであり、前記同位体(または金属)は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適であり、
C’は、アルブミン結合性リガンド、(PEG)(nは、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカンまたは糖のラジカルである)
もまた、提供される。
化合物のある特定の実施形態では、Aは、
Figure 2024510267000008
であってもよい。
化合物のある特定の実施形態では、Aは、
Figure 2024510267000009
であってもよい。
化合物の少なくとも1つの実施形態では、Aは、
Figure 2024510267000010
を含む。
代替的に、Aは、
Figure 2024510267000011
を含むことができ、式中、Xは1~20である。
ある特定の実施形態では、Aは、
Figure 2024510267000012
を含む。
B’は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合したキレート基のラジカルであってもよい。
B’は、
Figure 2024510267000013
から選択することができ、各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
ある特定の実施形態では、B’は、
Figure 2024510267000014
から選択され、各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
B’は、例えば、PETイメージング、SPECTイメージング、他の放射線イメージング技法、磁気共鳴イメージングまたは放射線治療に好適な同位体に結合したキレート基のラジカルであってもよい。B’は、ある特定の実施形態では、DOTAのラジカルを含むことができる。B’は、同位体がキレートされた(または、金属キレートされた)DOTAのラジカルを含むことができる。B’は、1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸のラジカルを含むことができる。B’は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に共有結合した基のラジカルであってもよい。B’は、
Figure 2024510267000015
から選択される基を含むことができる。
B’は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した
Figure 2024510267000016
を含むことができる。B’は、放射線イメージング同位体、放射線治療同位体または磁気共鳴同位体のラジカルを含むことができる。ある特定の実施形態では、B’は、キレート基、およびキレート基に結合した放射線イメージング同位体、放射線治療同位体または磁気共鳴同位体(または金属)を含む。
ある特定の実施形態では、B’は、放射線イメージング同位体、放射線治療同位体もしくは磁気共鳴同位体、またはキレート基、およびキレート基に結合した同位体(例えば、金属)である放射線イメージング同位体、放射線治療同位体または磁気共鳴同位体のラジカルを含み、同位体は、18F、32P、44Sc、47Sc、52Mn、55Co、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Sr、89Zr、90Y、99mTc、111In、114mIn、117mSn、124I、125I、131I、149Tb、153Sm、152Tb、155Tb、161Tb、169Er、177Lu、186Re、188Re、211At、212Pb、212Bi、213Bi、223Ra、224Ra、225Ab、225Acまたは227Thから選択される。B’の同位体は、111Inであってもよい。B’の同位体は、177Luであってもよい。ある特定の実施形態では、同位体は、11C、13C、13N、15O、60Coおよび123Iからなる群から選択される。
化合物のAは、FAPαに対して、約1nM~約25nMの結合親和性を有することができる。ある特定の実施形態では、Aは、FAPに対して、約1nM~約25nMの結合親和性を有する。
化合物のLは、非放出性リンカーを含むことができる。Lは、放出性リンカーを含むことができる。ある特定の実施形態では、Lは、PEGを含み、n=0~36である。Lは、ペプチドを含むことができる。Lは、ペプチドグリカンを含むことができる。ある特定の実施形態では、Lは、
Figure 2024510267000017
を含む。
Lは、
Figure 2024510267000018
を含むことができる。
C’は、アルブミン結合性リガンドのラジカルであってもよく、以下の構造:
Figure 2024510267000019
を有する。
ある特定の実施形態では、C’は、アルブミン結合性リガンドのラジカルであり、以下の構造:
Figure 2024510267000020
を有する。
C’は、例えば、以下:
Figure 2024510267000021
のうちの1つのラジカルであってもよい。
C’は、一部の実施形態では、ABD035、ABDCon、DARPin、dsFv CA645、ナノボディおよびVNAR(E06)を含む、アルブミン結合性小タンパク質足場のラジカルであってもよい。C’は、PEGであってもよく、nは、0~32の整数である。C’は、ペプチドであってもよい。C’は、ペプチドグリカンであってもよい。C’は、糖であってもよい。
ある特定の実施形態では、C’は、
Figure 2024510267000022
である。
C’は、
Figure 2024510267000023
であってもよい。
ある特定の実施形態では、本化合物は、式(V)の構造:
Figure 2024510267000024
によって表すことができ、
式中、
Lは、少なくとも1個の炭素原子を含むリンカーであり、
pは、0、1、2または3である。
しかし、一部の実施形態では、本化合物は、以下:
Figure 2024510267000025
ではない。
pは、2であってもよい。pは、0であってもよい。
さらに、Lは、
Figure 2024510267000026
を含むことができ、
式中、
mは、1~9の整数であり、
nは、1~32の整数であり、
qは、0~4の整数であり、
sは、0~4の整数である。
ある特定の実施形態では、本化合物は、
Figure 2024510267000027
であり、
式中、tは、0または1であり、uは、2~12の整数である。
一部の実施形態では、本化合物は、
Figure 2024510267000028
であり、
mは1~4の整数である。
一部の実施形態では、本化合物は、式:
Figure 2024510267000029
である。
一部の実施形態では、本化合物は、式:
Figure 2024510267000030
である。
一部の実施形態では、本化合物は、式:
Figure 2024510267000031
である。
一部の実施形態では、本化合物は、式:
Figure 2024510267000032
である。
一部の実施形態では、本化合物は、式:
Figure 2024510267000033
である。
一部の実施形態では、本化合物は、以下の構造:
Figure 2024510267000034
であり、各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
一部の実施形態では、本化合物は、以下の構造:
Figure 2024510267000035
であり、各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
一部の実施形態では、本化合物は、以下の構造:
Figure 2024510267000036
であり、各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
一部の実施形態では、本化合物は、以下の構造:
Figure 2024510267000037
であり、各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
ある特定の実施形態では、本化合物は、以下の構造:
Figure 2024510267000038
であり、
各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージング法に好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
ある特定の実施形態では、本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000039
である。
本化合物は、ある特定の実施形態では、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000040
を有する。
ある特定の実施形態では、本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000041
を有することができる。
ある特定の実施形態では、本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000042
を有することができる。
本明細書の化合物は、以下の構造:
Figure 2024510267000043
を有することができ、各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
ある特定の実施形態では、本明細書の化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000044
を有することができる。
本明細書の化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000045
を有することができる。
本明細書の化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000046
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000047
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000048
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000049
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000050
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000051
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000052
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000053
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000054
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000055
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000056
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000057
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000058
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000059
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000060
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000061
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000062
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000063
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000064
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000065
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000066
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000067
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000068
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000069
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000070
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000071
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000072
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000073
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000074
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000075
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000076
を有することができる。
本化合物は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000077
を有することができる。
本明細書のある種の化合物は、式(X)の構造:
-L-B’ (X)
によって表され、
式中、
Aは、式X-Xの構造:
Figure 2024510267000078
によって表され、
Figure 2024510267000079
は、
Figure 2024510267000080
からなる群から選択される構造を有しており、
n=1~5であり、
n’=1~5であり、
環Cは、任意選択であり、
環B中のX、YおよびZは、O、NおよびSから独立して選択され、ただし、XおよびYの少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
環C中のX’およびY’は、O、NおよびSから独立して選択され、ただし、X’およびY’の少なくとも1つはNであり、
Pは、式(X)のLまたはB’への環C(存在する場合)の結合点であり、-H、-OH、-NH、-COOH、-CONH、-CHO、-N、-CN、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール、-C=C-C(O)アリールおよび-C=C-S(O)アリールからなる群から選択され、
Lは、存在する場合、リンカーであり、
B’は、イメージング剤のラジカル、または治療剤のラジカルであり、
m=1~6である。
本化合物は、C’をさらに含むことができ、Lは、C’を、1つまたは複数のA基およびB’に連結させ、C’は、アルブミン結合性リガンド、(PEG)(nは、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカンまたは糖のラジカルである。
ある特定の実施形態では、B’は、放射線イメージング剤、放射線治療剤または磁気共鳴イメージング剤のラジカルである。
B’は、芳香族であってもよい。ある特定の実施形態では、n=2、n’=1であり、Aは、式(X-Z):
Figure 2024510267000081
によって表される。
ある特定の実施形態では、n=0~4であり、Aは、式X-Yの構造:
Figure 2024510267000082
によって表される。
ある特定の実施形態では、本化合物は、構造:
Figure 2024510267000083
を有する。
ある特定の実施形態では、本化合物は、構造:
Figure 2024510267000084
を有する。
ある特定の実施形態では、本化合物は、構造:
Figure 2024510267000085
を有する。
ある特定の実施形態では、本化合物は、構造:
Figure 2024510267000086
を有する。
化合物のLは、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、アルキル(アルキレン)、ヘテロアルキル(アルキレン)、ヘテロシクロアルキル(アルキレン)、ヘテロアリール、アリール、アルコキシ、チオエーテル、ジスルフィド、カルボン酸、無水物、カーボネート、カルバメート、チオエーテル、糖、ペプチドおよびペプチドグリカンからなる群から独立して選択される。Lは、単一リンカーであってもよい。Lは、2つ以上のリンカー基を含むことができる。ある特定の実施形態では、リンカー基はそれぞれ、PEGであってもよい。
ある特定の実施形態では、本化合物のLは、(L-W-(Lであり、Lは第1のリンカーであり、Lは、第2のリンカーであり、Wは、第3のリンカーであり、p=1~5およびq=1~5である。各Lおよび各Lは、1つまたは複数のリンカー基を独立して含むことができ、リンカー基はそれぞれ、アルキル(アルキレン)、ヘテロアルキル(アルキレン)、ヘテロシクロアルキル(アルキレン)、ヘテロアリール、アリール、アルコキシ、チオエーテル、ジスルフィド、カルボン酸、無水物、カーボネート、カルバメート、チオエーテル、糖、ペプチドおよびペプチドグリカンからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態では、各Lおよび各Lは、1つまたは複数のリンカー基を独立して含むことができ、リンカー基はそれぞれ、PEG、アルキル(アルキレン)、アミド、フェニルおよびトリアゾールからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態では、Wは、アミンコア、芳香族コアまたはアルキレンコアを有する。
化合物のL、L、LまたはLおよびLは、5オングストローム~200オングストロームの長さを有することができる。一部の実施形態では、L、L、LまたはLおよびLは、構造:
Figure 2024510267000087
を有する少なくとも1つのリンカー基を含むことができ、nは、0~10の整数である。
L、L、LまたはLおよびLは、構造:
Figure 2024510267000088
を有する少なくとも1つのリンカー基を含むことができる。他の実施形態では、L、L、LまたはLおよびLは、構造:
Figure 2024510267000089
を有する少なくとも1つのリンカー基を含むことができ、n=1~32である。
ある特定の実施形態(例えば、トリアゾールを含む)では、B’は、色素のラジカルである。色素は、例えば、蛍光であってもよい。B’は、抗がん剤のラジカルであってもよい。B’は、抗線維化剤のラジカルであってもよい。B’は、PI3K阻害剤のラジカルであってもよい。B’は、キレート形成された放射性同位体を含む放射線イメージング剤のラジカルであってもよい。ある特定の実施形態では、放射性同位体は、99mTc、111In,18F、68Ga、124I、125Iおよび131Iからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、放射性同位体は、32P、89Sr、90Y、153Sm、169Er、177Lu、186Re、188Re、149Tb、211At、212Bi、213Biおよび225Acからなる群から選択される。B’は、色素のラジカルであってもよい。B’は、蛍光色素のラジカルであってもよい。B’は、抗がん剤のラジカルであってもよい。B’は、抗線維化剤のラジカルであってもよい。
リガンドもまた設けられる。ある特定の実施形態では、リガンドは、FAPに対するものであり、トリアゾール部分が導入されるイソインドリン足場を含み、このリガンドは、少なくとも約-8.0kcal/molのシュレーディンガーの分子ドッキングスコアを有する。
ある特定の実施形態では、本化合物のAは、X-X’の構造:
Figure 2024510267000090
によって表され、
Figure 2024510267000091
は、式X-Bを有しており、
Pは、式(X)のLまたはB’への結合点であり、-H、-OH、-NH、-COOH、-CONH、-CHO、-N、-CN、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール、-C=C-C(O)アリールおよび-C=C-S(O)アリールからなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、Aは、式X-Yの構造:
Figure 2024510267000092
によって表され、
Figure 2024510267000093
は、式X-Bを有しており、
n=0~4であり、
X、YおよびZは、O、NおよびSからそれぞれ独立して選択され、ただし、XおよびYの少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
X’およびY’は、O、NおよびSからそれぞれ独立して選択され、ただし、X’およびY’の少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
Pは、式(X)のLまたはB’への結合点であり、-H、-OH、-NH、-COOH、-CONH、-CHO、-N、-CN、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール、-C=C-C(O)アリールおよび-C=C-S(O)アリールからなる群から選択される。
Aは、式X-Zの構造:
Figure 2024510267000094
によってさらに表すことができ、
Figure 2024510267000095
は、式X-Bを有しており、
X、YおよびZは、O、NおよびSからそれぞれ独立して選択され、ただし、XおよびYの少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
X’およびY’は、O、NおよびSからそれぞれ独立して選択され、ただし、X’およびY’の少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
Pは、式(X)のLまたはB’への結合点であり、-H、-OH、-NH、-COOH、-CONH、-CHO、-N、-CN、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール、-C=C-C(O)アリールおよび-C=C-S(O)アリールからなる群から選択される。
本明細書において記載されている化合物のいずれかを含む医薬組成物が提供される。このような医薬組成物は、例えば、本明細書の化合物のいずれか1つ、および薬学的に許容される担体を含むことができる。
がんまたは線維症を有する対象における、がんまたは線維症(例えば、肺線維症、腎線維症または肝線維症)をイメージングする方法がさらに提供される。本方法は、それを必要とする対象に、有効量の化合物または該化合物を含む医薬組成物を投与するステップを含む。本方法は、対象をイメージングするステップをさらに含むことができる。ある特定の実施形態では、本方法は、対象におけるがんまたは線維症の画像を生成するステップをさらに含む。
対象における、線維症を処置する方法がさらに提供される。本方法は、それを必要とする対象に、有効量の化合物または該化合物を含む医薬組成物を投与するステップを含む。線維症は、肺線維症、腎線維症および肝線維症から、例えば選択することができる。
炎症性疾患または障害を処置する方法がさらに提供される。本方法は、治療有効量の化合物または該化合物を含む医薬組成物(例えば、本明細書に記載されている)を、それを必要とする対象に投与するステップを含む。
がんを処置する方法も提供される。ある特定の実施形態では、がんを処置する方法は、治療有効量の本明細書の化合物または該化合物を含む医薬組成物を、それを必要とする対象に投与するステップを含む。がんは、肺がん、乳がん、大腸がん、子宮頚がんおよび脳がん(例えば、膠芽腫)からなる群から選択することができる。ある特定の実施形態では、本方法は、化学療法または放射線治療を対象に行うステップ(または、例えば、がんの追加処置を対象に行うステップ)をさらに含む。
さらに、イソインドリン足場を含むリガンドであって、FAPのリガンドの親和性を改善する方法が提供される。ある特定の実施形態では、本方法は、分子モデリングによってリガンドのイソインドリン足場にトリアゾール部分を導入して、より高いシュレーディンガーの分子ドッキングスコアを実現するステップを含む。
様々な線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)の例示される構造および予測構造の抽出例の両方を示す。構造FAP-3000~3017は合成例であり、FAP-3018-FAP-3029は予測である。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 同上。 図2Aは、ある範囲の濃度における、HEK-FAP細胞に由来するローダミン蛍光色素にコンジュゲートされているFAPリガンドを、アルブミン結合剤を含まないDOTAにコンジュゲートされているFAPリガンドで置き換えたもの(FAP-3000)を図示する。 図2Bは、ヨードベンゼンアルブミン結合剤を有するDOTAにコンジュゲートされているFAPリガンドによる同じ置換アッセイを図示する(FAP-3001)。 図2Cは、フルオロベンゼンアルブミン-結合剤を有するNOTAにコンジュゲートされているFAPリガンドによる同じ置換アッセイを図示する(FAP-3002)。 図2Dは、クロロベンゼンアルブミン-結合剤を有するNOTAにコンジュゲートされているFAPリガンドによる同じ置換アッセイを図示する(FAP-3003)。 図2Eは、より短いPEG(4)スペーサーを有するDOTAにコンジュゲートされているFAPリガンドによる同じ置換アッセイを図示する(FAP-3015)。 図2Fは、より長いPEG(12)スペーサーにコンジュゲートされているFAPリガンドによる同じ置換アッセイを図示する(FAP-3016)。 図2Gは、FAPリガンドのモノフルオロアナログによる同じ置換アッセイを図示する(FAP-3017)。 図3Aは、FAP-3000のインジウム-111の放射標識データを示す。 図3Bは、FAP-3000のルテチウム-177の放射標識データを示す。 図3Cは、FAP-3001のインジウム-111の放射標識データ。 図3Dは、FAP-3001のルテチウム-177の放射標識データを示す。 図4Aは、競合的遮断として、100×過剰のFAPリガンドの非存在下または存在下における、ある範囲の濃度にわたる、がん関連線維芽細胞系Hs894に対する、111In-FAP-3000の結合曲線を図示する。 図4Bは、111In-FAP-3001を用いる、同じ結合曲線アッセイを図示する。 図5Aは、HT29腫瘍を有するヌードマウスにおける、単一光子放射断層撮影法/コンピュータ断層撮影(SPECT/CT)を使用する、放射活性は同量であるが、異なる分子数を使用する、111In-FAP-3000の投与検討を図示する。 図5Bは、HT29腫瘍を有するヌードマウスにおける、SPECT/CTを使用する、放射活性は同量であるが、異なる分子数を使用する、111In-FAP-3001の投与検討を図示する。 図6Aは、4T1腫瘍を有するヌードマウスにおける、単一光子放射断層撮影法/コンピュータ断層撮影(SPECT/CT)を使用する、放射活性は同量であるが、異なる分子数を使用する、111In-FAP-3000の投与検討を図示する。 図6Bは、4T1腫瘍を有するヌードマウスにおける、SPECT/CTを使用する、放射活性は同量であるが、異なる分子数を使用する、111In-FAP-3001の投与検討を図示する。放射活性の最高強度は、各画像における白丸によって特定される。 図7Aは、4T1腫瘍を有するBALB/cマウスにおける、SPECT/CTを使用する、111In-FAP-3001の滞留検討を図示する。 図7Bは、KB腫瘍を有するマウスにおける、SPECT/CTを使用する、111In-FAP-3001の滞留検討を図示する。放射活性の最高強度は、各画像における白丸によって特定される。 図8Aは、4T1腫瘍を有するBALB/cマウスにおける、様々な時間点における、177Lu-FAP-3000の生体内分布検討を図示する。 図8Bは、4T1腫瘍を有するBALB/cマウスにおける、様々な時間点における、111In-FAP-3001の生体内分布検討を図示する。標準誤差のバーは、図8Aおよび8Bの両方に示されている。 図9Aは、0日目に注射したBALB/cマウスにおいて4T1腫瘍成長チャートを使用した、2つの異なる用量のLu-177で放射標識された177In-FAP-3001(0.25mCi対0.5mCi)を用いる放射線治療検討を図示する。 図9Bは、マウスの相対的な体重を追跡している。 図9Cは、注射して24時間後の処置マウスのうちの1匹のSPECT/CTスキャンを示しており、放射活性の最高強度は、各画像中に白丸によって特定されている。標準誤差のバーは、図9Aおよび9Bの両方に示されている。 図10Aは、0日目に注射したヌードマウスにおける、KB腫瘍成長チャートを使用する、0.5mCiで放射標識された177In-FAP-3000を用いた放射線治療検討を図示する。 図10Bは、同じ検討の生存曲線を図示する。 図10Cは、同じ検討のマウスの相対的な体重を追跡している。標準誤差のバーは、図10Aおよび10Cの両方に示されている。 図11Aは、0日目に注射したヌードマウスにおける、KB腫瘍成長チャートを使用する、0.5mCiで放射標識された177In-FAP-3001を用いた放射線治療検討を図示する。 図11Bは、同じ検討の生存曲線を図示する。 図11Cは、同じ検討のマウスの相対的な体重を追跡している。標準誤差のバーは、図11Aおよび11Cの両方に示されている。 図12Aは、0日目に注射したヌードマウスにおける、HT29腫瘍成長チャートを使用する、0.25mCiで放射標識された177In-FAP-3001を用いた放射線治療検討を図示する。 図12Bは、同じ検討の生存曲線を図示する。 図12Cは、同じ検討のマウスの相対的な体重を追跡している。 図12Dは、安楽死後に解体した腫瘍の写真を示す。標準誤差のバーは、図12Aおよび12Cの両方に示されている。 図13Aは、ヌードマウスにおいてU87MG腫瘍成長チャートを使用した、0日目に注射した、2つの異なる用量のLu-177で放射標識された177In-FAP-3001(0.25mCi対0.5mCi)を用いる放射線治療検討を図示する。 図13Bは、同じ検討の生存曲線を図示する。 図13Cは、同じ検討のマウスの相対的な体重を追跡している。標準誤差のバーは、図13Aおよび13Cの両方に示されている。 評価のためにH&E染色した、対照および処置(0.5mCi)群における目的の様々な臓器から採取した組織切片の画像を示す。 図15Aは、177In-FAP-3001による放射線治療検討を図示する(0日目に1.5mCiを注射するか、または2つの異なる用量、すなわち0日目および3日目にそれぞれ、1.5mCi+0.60mCiを注射)。 図15Bは、同じ検討の生存曲線を図示する。 図15Cは、同じ検討のマウスの相対的な体重を追跡している。 図15Dは、注射後の様々な時間点における、処置マウスのうちの1匹のSPECT/CTスキャンを示す。標準誤差のバーは、図15Aおよび15Cの両方に示されている。 図16Aは、0日目に注射し、次に、盲検様式で2名の研究者によって測定された、1.5mCiで放射標識された177In-FAP-3001による放射線治療検討を図示する。 図16Bは、同じ検討の生存曲線を図示する。 図16Cは、同じ検討のマウスの相対的な体重を追跡している。標準誤差のバーは、図16Aおよび16Cの両方に示されている。 図17Aは、0日目に注射した、1.5mCiで放射標識された177In-FAP-3001対177In-FAP-3005による放射線治療検討を図示する。 図17Bは、同じ検討の生存曲線を図示する。 図17Cは、同じ検討のマウスの相対的な体重を追跡している。標準誤差のバーは、図17Aおよび17Cの両方に示されている。 図18Aは、異なる用量および注射後の様々な時間点における、177Lu-FAP-3001による放射線治療処置に由来する検視組織の組織病理の要約を示す。 図18Bは、評価のためにH&E染色した、注射後の様々な時間点における、対照および処置(1.5mCi)群における目的の様々な臓器から採取した組織切片の画像を示す。 注射して24時間後の肺線維症モデルにおける、111In-FAP-3001のSPECT/CTスキャンを図示する。上の矢印は肺を図示する。下の矢印は腎臓を図示する。 図20Aおよび20Bは、様々な線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)-ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)(FAP5-PI3K)阻害剤の構造を図示する。 同上。 24時間後のFAP5-PI3K阻害剤の結果を示す。 48時間後のFAP5-PI3K阻害剤の結果を示す。 図23Aおよび23Bは、インキュベートの24時間後(図5A)およびインキュベートの48時間後(図5B)の、FAP5-PI3K阻害剤による、Aktのリン酸化の阻害に関連するグラフ表示データを示す。 着目する所望の化合物が生成したことを確認する、質量分析データをそれぞれ図示する。 着目する所望の化合物が生成したことを確認する、質量分析データをそれぞれ図示する。 公知のFAP阻害剤(FAP阻害剤1)の分子モデル、およびFAP-4001の分子モデルを図示し、ドッキングすると、FAPとFAP-4001との間の相互作用が増大したことを例示する。 様々な化合物の分子モデル、およびドッキングした場合のFAPとの相互作用を図示する。 同上。 同上。 同上。 同上。 様々なFAPトリアゾール足場の例示的な構造を示す。 同上。 リンカーを含まない、様々な化合物の例示的な構造を示す。 PEGリンカーを含む、様々な化合物の例示的な構造を示す。 アルキルリンカーを含む、様々な化合物の例示的な構造を示す。 図32Aおよび図32Bは、HT1080-FAP細胞にFAP-4004(図32A)およびFAP-4003(図32B)を内在化する検討から採取した、パネルiiおよびviに統合した、蛍光画像(パネルIおよびiv)および白色光画像(パネルiiおよびv)を図示する。 図32Cおよび32Dは、本明細書のFAP-4004(図32C)およびFAP-4002(図32D)の結合親和性および特異性に関するグラフ表示データを示す。 図33A~33Cは、FAP標的化リガンドFAP-4002が、密接に関連したジペプチジルペプチダーゼFAP(図33A)、PREP(図33B)およびDPP-IV(図33C)を阻害する能力の解析に関するグラフ表示データを図示する。 図34A~34Cは、本明細書のある種の化合物の生成の確認に関するデータを図示しており、図34Aおよび34Bは、化合物16に関するH核磁気共鳴分光法(H NMR)データを示しており、図34Cは、FAP-4003に関するH NMR(DO)スペクトルデータを示す。 同上。 同上。 PBS、pH7.4における、FAP-4003の1μM溶液の励起(Ex)および発光(Em)スペクトルを図示する。
本開示は、治療剤および/またはイメージング剤(例えば、放射線イメージング剤、放射線治療剤、化学治療剤、抗線維化剤または抗がん剤)の投与後の標的外毒性の傾向を低減する化合物および組成物の調製ならびに使用に関する。用語「標的外毒性」とは、臓器もしくは組織の損傷、または対象を処置する医師にとって望ましくない対象の体重の低下、または対象に及ぼす処置医師にとって潜在的に有害指標となる任意の他の影響(例えば、B細胞無形成、発熱、血圧低下または肺浮腫)を意味する。用語「処置する」、「処置すること」、「処置される」または「処置」(疾患または状態に関係する)は、臨床結果などの有益な結果または所望の結果を得るための手法に関して使用される。このような結果は、以下に限定されないが、以下:疾患に関係する状態の改善、疾患の治癒、疾患の重症度の低下、疾患の進行の遅延、疾患に関係する1つまたは複数の症状の軽減、疾患に罹患しているもののクオリティオブライフの向上、生存期間の延長、および/または予防的(例えば、阻止的)処置のうちの1つまたは複数を含む。がんを参照すると、特に、用語「処置する」、「処置すること」、「処置される」または「処置」は、腫瘍サイズの縮小、腫瘍の完全なまたは部分的な除去(例えば、完全奏功または部分奏功)、疾患の安定化、がんの進行の予防(例えば、無増悪生存期間)、または医師ががんの治療的処置もしくは予防的処置と考えるがんに対する任意の他の効果をさらに意味することができる。
本明細書の化合物は、1つまたは複数のリンカー基(例えば、3つのリンカー基)を含むリンカーに結合されている、線維芽細胞活性化タンパク質(FAP)標的化リガンド(または、そのラジカル)を含むことができ、リンカーは、治療剤またはイメージング剤にさらに結合している。FAPは、プロリン-アミノ酸ペプチド結合を開裂させるII型膜結合型セリンプロテアーゼであり、コラーゲンを生成する、がん関連線維芽細胞(CAF)および筋線維芽細胞に発現することができる。ある特定の実施形態では、本化合物は、がん、または線維性疾患、または炎症性疾患を発現するFAPに治療用化合物を標的化することができる。ある特定の実施形態では、このようなFAP標的リガンド足場の改善は、アルブミン-結合部分と共にさらに使用されて、放射標識された官能基および他の官能基の標的送達を実現することができる。ある特定の実施形態では、FAP標的リガンドとは、リガンドの足場に導入された、トリアゾール部分(またはその誘導体)を含む、高い親和性FAPリガンドのことである。ある特定の実施形態では、FAP標的リガンドとは、リガンドの足場(例えば、イソインドリン環足場)に導入された、トリアゾール部分(またはその誘導体)およびフェニル環を含む、高い親和性FAPリガンドのことである。特に別段の指定がない限り、標的に対するリガンドの親和性に関係する「高い親和性」または「一層高い親和性」は、少なくとも約-8.0kcal/molのシュレーディンガーの分子ドッキングスコアを有するリガンドを意味する。ある特定の実施形態では、高い親和性FAPリガンドは、そこに導入されたトリアゾール部分を含まないリガンドに比べて、FAPに対する親和性が改善されている。
本化合物、組成物および方法をこれより詳細に説明する。本明細書に提示されている原理の理解を促すために、図面に例示されている実施形態を参照し、これを説明するために、特定の言い回しが使用される。それでもやはり、これらの実施形態の記載によって範囲の限定が意図されるわけではないことが理解されよう。対照的に、本開示は、添付の特許請求の範囲によって規定される本出願の趣旨および範囲内に含まれ得る、代替、変形および等価物を包含することが意図されている。これまでに明記した通り、本技術は、1つまたは複数の好ましい実施形態に例示および記載され得るが、本明細書の組成物、化合物および方法は、多数の異なる構成、形態、物質および補助物を含んでもよい。
化合物
式Xの化合物(すなわち、コンジュゲート):
mx-L-B’ (X)
(式中、
Aは、線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAPα)リガンド(すなわち、標的指向性部分)のラジカル(例えば、10,000未満の分子量を有する)であり、
Lは、1つまたは複数のA基をB’に連結(例えば、LをAに連結する第1の共有結合、およびLをB’に連結する第2の共有結合による)する(例えば、二官能基化または三官能基化された)リンカーであり、
B’は、光線力学的治療剤、放射線イメージング剤、放射線治療剤、化学治療剤、抗線維化剤または抗がん剤(例えば、がん細胞またはがん関連線維芽細胞、筋線維芽細胞または他の腫瘍微小環境因子に対して有効な抗がん剤)(例えば、そのラジカル)であり、
mxは、1~6である)
が提供される。
ある特定の実施形態では、mxは1である。ある特定の実施形態では、mxは2である。ある特定の実施形態では、mxは3である。ある特定の実施形態では、mxは4である。ある特定の実施形態では、mxは5である。ある特定の実施形態では、mxは6である。mxは、1~3、2~4または1~5であってもよい。
本開示はまた、式Iの化合物(すなわち、コンジュゲート):
A-L-B’(I)
(式中、
Aは、FAPαリガンド(すなわち、標的指向性部分)(例えば、そのラジカル)を含み、
Lは、1つまたは複数のA基をB’に連結する(例えば、二官能基化または三官能基化された)リンカーを含み、
B’は、光線力学的治療剤、放射線イメージング剤、放射線治療剤、化学治療剤、抗線維化剤または抗がん剤(例えば、がん細胞またはがん関連線維芽細胞、筋線維芽細胞または他の腫瘍微小環境因子に対して有効な抗がん剤)(例えば、そのラジカル)を含む)
に関する。
同様に、式Iの化合物(例えば、コンジュゲート):
A-L-B’ (I)
(式中、
Aは、FAPαリガンド(すなわち、標的指向性部分)(例えば、そのラジカル)を含み、
Lは、1つまたは複数のA基をB’に連結する(例えば、二官能基化または三官能基化された)リンカーを含み、
B’は、PETイメージング、SPECTイメージング、他の放射線イメージング技法または放射線治療に好適な、放射標識された官能基(例えば、そのラジカル)を含む)
が提供される。
同様に、式(X)の構造によって表される化合物:
A-L-B’(X)
(式中、
Aは、式X-B:
Figure 2024510267000096
のFAPαリガンドのラジカルであり、
式中、
Tは、置換もしくは無置換メチレン(-CH-)、置換もしくは無置換アミノ(-NH-)、-O-または-S-(例えば、Tの置換基は、C~Cアルキル、ハロアルキルまたはハロである)であり、
Jは、C(R0~3であり、Rはそれぞれ、独立して、Hまたはアルキルであるか、または2つ以上のRが一緒になって、オキソを形成し、
およびRは、-H、-CN、-CHO、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール-、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-PO、-SOF、-CONHおよび5-テトラゾリルからなる群から独立して選択され、
およびRは、-H、-OH、F、Cl、Br、I、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキルおよび-S-C1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
、R、RおよびRは、H、アルキルおよびハロからなる群からそれぞれ独立して選択され、
、R10およびR11は、H、-C1~6アルキル、-C1~6ハロアルキル、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、F、Cl、BrおよびIからなる群から独立して選択され、
Lは、AをB’に連結するリンカーであり、
B’は、治療剤、放射線イメージング剤、放射線治療剤、化学治療剤、抗線維化剤または抗がん剤である)
が提供される。
一部の実施形態では、式XのAは、式X-X’の構造:
Figure 2024510267000097
によって表され、
Figure 2024510267000098
は、式X-Bを有しており、
Pは、式(X)のLまたはB’への結合点であり、-H、-OH、-NH、-COOH、-CONH、-CHO、-N、-CN、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール、-C=C-C(O)アリールおよび-C=C-S(O)アリールからなる群から選択される。
一部の実施形態では、式XのAは、式X-Xの構造:
Figure 2024510267000099
によって表され、
Figure 2024510267000100
は、式X-Bを有しており、
n=1~5であり、
n’=1~5であり、
環Cは、任意選択であり、
環B中のX、YおよびZは、O、NおよびSから独立して選択され、ただし、XおよびYの少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
環C中のX’およびY’は、O、NおよびSから独立して選択され、ただし、X’およびY’の少なくとも1つはNであり、
Pは、式(X)のLまたはB’への環C(存在する場合)の結合点であり、-H、-OH、-NH、-COOH、-CONH、-CHO、-N、-CN、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール、-C=C-C(O)アリールおよび-C=C-S(O)アリールからなる群から選択される。
一部の実施形態では、
Figure 2024510267000101
は、
Figure 2024510267000102
からなる群から選択される構造を有する。
一部の実施形態では、本化合物は、C’をさらに含み、
Lは、C’を、1つまたは複数のA基およびB’に連結させ、
C’は、アルブミン結合性リガンド、ポリエチレングリコール(PEG)(nは、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカンまたは糖のラジカルである。
同様に、式(I’)の構造によって表される化合物:
Figure 2024510267000103
(式中、
Aは、式X-B:
Figure 2024510267000104
のFAPαリガンド(標的指向性部分)のラジカルであり、
式中、
Tは、置換もしくは無置換メチレン(-CH-)、置換もしくは無置換アミノ(-NH-)、-O-または-S-(例えば、Tの置換基は、C~Cアルキル、ハロアルキルまたはハロである)であり、
Jは、C(R0~3であり、Rはそれぞれ、独立して、Hまたはアルキルであるか、または2つ以上のRが一緒になって、オキソを形成し、
およびRは、-H、-CN、-CHO、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール-、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-PO、-SOF、-CONHおよび5-テトラゾリルからなる群から独立して選択され、
およびRは、-H、-OH、F、Cl、Br、I、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキルおよび-S-C1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
、R、RおよびRは、H、アルキルおよびハロからなる群から独立して選択され、
、R10およびR11は、H、-C1~6アルキル、-C1~6ハロアルキル、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、F、Cl、BrおよびIからなる群からそれぞれ独立して選択され、
Lは、三価リンカーであり、
B’は、同位体に場合により結合したキレート基のラジカルであり、前記同位体(または金属)は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適であり、
C’は、アルブミン結合性リガンド、(PEG)(nは、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカンまたは糖のラジカルである)
が提供される。
一部の実施形態では、B’は、例えば、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、同位体(または金属)に場合により結合したキレート基、または同位体(または金属)に共有結合した基などの治療剤またはイメージング剤のラジカルであり、前記同位体(または金属)は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適である。
一部の実施形態では、B’は、金属に場合により結合したキレート基、または同位体に共有結合した基のラジカルであり、前記金属または同位体は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適である。
式I’の化合物(例えば、コンジュゲート):
Figure 2024510267000105
(式中、
Aは、FAPαリガンド(すなわち、標的指向性部分)(例えば、10,000未満の分子量を有する)のラジカルであり、
Lは、三価リンカーであり、
B’は、例えば、PI3K阻害剤、同位体(または金属)に場合により結合したキレート基、または同位体(または金属)に共有結合した基などの治療剤またはイメージング剤のラジカルであり、前記金属または同位体(または金属)は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適であり、
C’は、アルブミン結合性リガンド、(PEG)(nは、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカン、または糖のラジカルである)
もまた提供される。
本開示はまた、式(II)の化合物(例えば、コンジュゲート):
Figure 2024510267000106
(式中、
Aは、FAPαリガンド(すなわち、標的指向性部分)(例えば、10,000未満の分子量を有する)のラジカルを含み、
Lは、三価リンカーを含み、
B’は、PI3K阻害剤、金属に場合により結合したキレート基または同位体に共有結合した基のラジカルを含み、前記金属または同位体は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適であり、
C’は、アルブミン結合性リガンド、(PEG)(nは、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカン、または糖のラジカルを含む)
に関する。
本開示はまた、式(II)の化合物(すなわち、コンジュゲート):
Figure 2024510267000107
(式中、
Aは、FAPαリガンド(すなわち、標的指向性部分)(例えば、10,000未満の分子量を有する)のラジカルを含み、
Lは、三価リンカーを含み、
B’は、PI3K阻害剤、同位体(または金属)に場合により結合したキレート基または同位体(または金属)に共有結合した基のラジカルを含み、前記同位体(または金属)は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適であり、
C’は、アルブミン結合性リガンドのラジカルを含む)
に関する。
一部の実施形態では、本化合物は、式(I’)の構造:
Figure 2024510267000108
(式中、
Aは、FAPαリガンド(すなわち、標的指向性部分)(例えば、10,000未満の分子量を有する)のラジカルであり、
Figure 2024510267000109
を含み、
Lは、三価リンカーであり、
B’は、PI3K阻害剤、同位体(または金属)に場合により結合したキレート基または同位体(または金属)に共有結合した基のラジカルであり、前記同位体(または金属)は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適であり、
C’は、アルブミン結合性リガンド、(PEG)(nは、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカンまたは糖のラジカルである)
によって表される。
一部の実施形態では、本化合物は、式(I’)の構造:
Figure 2024510267000110
(式中、
Aは、FAPαリガンド(すなわち、標的指向性部分)(例えば、10,000未満の分子量を有する)のラジカルであり、
Figure 2024510267000111
を含み、
Lは、三価リンカーであり、
B’は、同位体(または金属)に場合により結合したキレート基のラジカルであり、前記同位体(または金属)は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適であり、
C’は、アルブミン結合性リガンドのラジカルである)
によって表される。
一部の実施形態では、本化合物は、式(X)の構造:
-L-B’ (X)
(式中、
Aは、式X-Xの構造:
Figure 2024510267000112
によって表され、
Figure 2024510267000113
は、
Figure 2024510267000114
からなる群から選択される構造、および本明細書に記載されている任意の他のFAPリガンド構造を有し、
n=1~5であり、
n’=1~5であり、
環Cは、任意選択であり、
環B中のX、YおよびZは、O、NおよびSからそれぞれ独立して選択され、ただし、XおよびYの少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
環C中のX’およびY’は、O、NおよびSからそれぞれ独立して選択され、ただし、X’およびY’の少なくとも1つはNであり、
Pは、式(X)のLまたはB’への環C(存在する場合)の結合点であり、-H、-OH、-NH、-COOH、-CONH、-CHO、-N、-CN、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール、-C=C-C(O)アリールおよび-C=C-S(O)アリールからなる群から選択され、
Lは、存在する場合、リンカーであり、
B’は、イメージング剤のラジカル、または治療剤のラジカルであり、
m=1~6である)
によって表される。
本化合物は、1個または複数の不斉中心を含有し、したがって、絶対立体化学に関して(R)-または(S)-と定義される、鏡像異性体、ジアステレオマーおよび他の立体異性体を生じることができる。特に明記しない限り、本化合物の立体異性体のすべてが、企図されることが意図される。本化合物が、アルケン二重結合を含有する場合、および特に指定しない限り、これには、EおよびZ幾何異性体(例えば、cisまたはtrans)の両方が含まれることが意図される。同様に、可能な異性体のすべて、ならびにそれらのラセミ形態および光学的に純粋な形態、ならびに互変異性体のすべてが含まれることがやはり意図される。用語「幾何異性体」とは、アルケン二重結合のEまたはZ幾何異性体(例えば、cisまたはtrans)を指す。用語「位置異性体」とは、ベンゼン環の周りのオルト-、メタ-およびパラ-異性体などの中央環の周りの構造異性体を指す。当業者は、本化合物は、1個または複数の水素原子が重水素によって置き換えられ得ることを意味する、「重水素化され得る」ことをさらに認識している。
化合物は、一価コンジュゲート(例えば、1つの結合性リガンド(本明細書の他の場所に記載されており、例えば、1つのFAP結合性リガンド)を含む化合物)であってもよい。化合物は、二価コンジュゲート(例えば、治療剤またはイメージング剤にコンジュゲートされている(例えば、リンカーを介する)(本明細書の他の場所に記載されている)、1つまたは複数の結合性リガンド(本明細書の他の場所に記載されており、例えば、1つまたは複数のFAP結合性リガンド)を含む化合物)であってもよい。化合物は、多価コンジュゲート(例えば、多点リンカーにコンジュゲートされている2つ以上の結合性リガンド(本明細書の他の場所に記載されており、例えば、2つ以上のFAP結合性リガンド)を含む化合物)であってもよい。
結合性リガンド/標的指向性部分(A)
ある特定の実施形態では、式(X)、(I)、(I’)または(II)のAは、標的指向性部分/結合性リガンドである。結合性リガンド(本明細書において、標的リガンドまたは標的指向性部分とも称される)は、特定の細胞、組織、臓器などに局在する生物分子(例えば、ポリペプチド(例えば、酵素))に結合する化合物(または、そのラジカル)であってもよい。結合性リガンドは、FAPリガンド(またはそのラジカル)であってもよい。結合性リガンドは、線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAPα)リガンド(またはそのラジカル)であってもよい。本明細書において使用する場合、「リガンド」とは、化合物の中心原子またはイオン(例えば、薬物)に結合した、分子、イオンまたは原子のことである。「リガンド」はまた、アゴニストでもアンタゴニストでもなく、アゴニスト特性もアンタゴニスト特性も有さない、結合剤を包含する。
ある特定の実施形態では、標的指向性部分は、FAPαを発現する活性化された線維芽細胞に結合し、このような活性化された線維芽細胞は、がんまたは炎症性疾患に関与する。
標的指向性部分は、例えば、約10,000未満、7,500未満、5,000未満、2,500未満、1,000未満、760未満、500未満;約500~約10,000g/mol、約1,000~約7,500g/mol、約750g/mol~約1,500g/mol、約1,000~約5,000g/molまたは約500~約2,500g/molの分子量を有する、FAPαリガンドのラジカルであってもよい。
標的指向性部分は、FAPαを発現する活性化された線維芽細胞に結合することができ、このような活性化された線維芽細胞は、がんまたは炎症性疾患に関与する。
ある特定の実施形態では、Aは、式(I-A1)または(I-A2)によって表される構造:
Figure 2024510267000115
を有し、
式中、
Figure 2024510267000116
は、官能基化されている5~10員のN含有芳香族または非芳香族、単環式または二環式複素環であり、前記複素環は、酸素、窒素および硫黄から選択される1~3個のヘテロ原子を場合によりさらに含み、
式(I-A1)中のZは、結合、置換もしくは無置換アルキレン(例えば、-CH-)、置換もしくは無置換アミノ(例えば、-NH-)、-O-または-S-であり、
Tは、置換もしくは無置換メチレン(-CH-)、置換もしくは無置換アミノ(-NH-)、-O-または-S-であり、
およびRは、-H、-CN、-CHO、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール-、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-PO、-SOFおよび5-テトラゾリルからなる群から独立して選択され、
およびRは、-H、-OH、F、Cl、Br、I、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキルおよび-S-C1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
、R、RおよびRは、H、アルキルおよびハロからなる群から独立して選択され、
式(I-A2)中のQは、-H、-CH、-CHOHおよび-CH(CHからなる群から選択され、
Figure 2024510267000117
は、FAPα結合性リガンドの結合点(例えば、リンカーであるLを介するか、またはイメージング剤/治療剤部分B’)であり、この結合点は、5~10員のN含有芳香族もしくは非芳香族、単環式または二環式複素環の炭素原子、1もしくは2アミン、または官能基化アルキルもしくはシクロアルキルモチーフ、ならびに立体異性体および薬学的に許容されるその塩のいずれかを介することができる。
Aは、式I-Bによって表される構造:
Figure 2024510267000118
を有することができ、
式中、
Tは、置換もしくは無置換メチレン(-CH-)、置換もしくは無置換アミノ(-NH-)、-O-または-S-であり、
およびRは、-H、-CN、-CHO、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール-、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-PO、-SOFおよび5-テトラゾリルからなる群から独立して選択され、
およびRは、-H、-OH、F、Cl、Br、I、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキルおよび-S-C1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
、R、RおよびRは、H、アルキルおよびハロからなる群から独立して選択され、
、R10およびR11は、H、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、F、Cl、BrおよびIからなる群から独立して選択される。
ある特定の実施形態では、Aは、式I-Cによって表される構造:
Figure 2024510267000119
を有し、
式中、
Tは、置換もしくは無置換メチレン(-CH-)、置換もしくは無置換アミノ(-NH-)、-O-または-S-であり、
およびRは、-H、-CN、-CHO、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール-、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-PO、-SOFおよび5-テトラゾリルからなる群から独立して選択され、
およびRは、-H、-OH、F、Cl、Br、I、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキルおよび-S-C1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
、R、RおよびRは、H、アルキルおよびハロからなる群から独立して選択され、
、R10およびR11は、H、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、F、Cl、BrおよびIからなる群から独立して選択される。
Aは、以下の式によって表される構造:
Figure 2024510267000120
を有することができ、
式中、Tは、置換もしくは無置換メチレン(-CH-)、置換もしくは無置換アミノ(-NH-)、-O-または-S-であり、
およびRは、-H、-CN、-CHO、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール-、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-PO、-SOFおよび5-テトラゾリルからなる群から独立して選択され、
およびRは、-H、-OH、F、Cl、Br、I、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキルおよび-S-C1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
、R、RおよびRは、H、アルキルおよびハロからなる群から独立して選択され、
、R10およびR11は、H、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、F、Cl、BrおよびIからなる群からそれぞれ独立して選択される。
ある特定の実施形態では、Aは、式X-Aによって表される構造:
Figure 2024510267000121
を有し、
式中、
Qは、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル(例えば、アリール環構造および非アリール環構造を含む)(例えば、5~10員のN含有芳香族もしくは非芳香族の単環式または二環式複素環であり、前記複素環は、O、NおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合によりさらに含む)であり、
Zは、結合、置換もしくは無置換C~Cアルキレン(例えば、-CH-)、置換もしくは無置換ヘテロアルキル(例えば、長さが1~3個の原子)、アミノ(例えば、NH)、-O-または-S-であり、
Tは、置換もしくは無置換メチレン(-CH-)、置換もしくは無置換アミノ(-NH-)、-O-または-S-(例えば、Tの置換基は、C~Cアルキル、ハロアルキルまたはハロである)であり、
およびRは、-H、-CN、-CHO、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール-、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-PO、-SOF、-CONHおよび5-テトラゾリルからなる群から独立して選択され、
およびRは、-H、-OH、F、Cl、Br、I、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキルおよび-S-C1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
、R、RおよびRは、H、アルキルおよびハロからなる群から独立して選択される。
式(X-A)のある特定の実施形態では、Qは、L(例えば、LまたはL(以下のリンカーの項目を参照されたい))に結合している。Qは、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルであってもよい。ヘテロシクリルは、アリール環構造および非アリール環構造を含むことができる。Qは、Qのヘテロアルキル、アルキルまたはアリールの位置において、Lに結合し得る。Qは、Qのアリールの位置において、Lに結合し得る。Qは、(例えば、Lの)窒素原子を介してLに結合し得る。Qは、(例えば、Lの)トリアゾリルまたはアミドを介してLに結合し得る。ヘテロアリールは、アリール環構造および非アリール環構造を含むことができる。ヘテロアリールまたはヘテロシクリルは、O、NおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含むことができる。ヘテロシクリルは、O、NおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を含むことができる。Qは、5~10員のN含有芳香族もしくは非芳香族単環式または二環式複素環(例えば、アリール環構造および非アリール環構造を場合により含む)であってもよい。Qは、N結合ヘテロシクリル(例えば、アリール環構造および非アリール環構造を場合により含む)であってもよい。Qは、C~C-N結合ヘテロシクリル(例えば、アリール環構造および非アリール環構造を場合により含む)であってもよい。N結合ヘテロシクリルは、N-ヘテロシクロアルキルを介して、Zに結合する。Qは、(例えば、N結合した)イソインドリニル(例えば、Nは、式(X-A)のZに結合している)であってもよい。
上で明記されている通り、式(X-A)のある特定の実施形態では、Zは、結合、置換もしくは無置換C~Cアルキレン、置換もしくは無置換ヘテロアルキレン(例えば、長さが1~3個の原子)、アミノ(例えば、NH)、-O-または-S-である。Zは、結合であってもよい。Zは、置換メチレンであってもよい。Zは、-CH-であってもよい。Zは、置換エチレンであってもよい。Zは、オキソにより置換されているエチレンであってもよい。Zは、-C(CO)CH-であってもよい。Zは、-CHCH-であってもよい。Zは、C~Cヘテロアルキレンであってもよい。
ある特定の実施形態では、Aは、式X-Bによって表される構造:
Figure 2024510267000122
であるか、またはこれを含み、
式中、
Tは、置換もしくは無置換メチレン(-CH-)、置換もしくは無置換アミノ(-NH-)、-O-または-S-(例えば、Tの置換基は、C~Cアルキル、ハロアルキルまたはハロである)であり、
Jは、C(R0~3であり、Rはそれぞれ、独立して、Hまたはアルキルであるか、または2つ以上のRが一緒になって、オキソを形成し、
およびRは、-H、-CN、-CHO、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール-、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-PO、-SOF、-CONHおよび5-テトラゾリルからなる群から独立して選択され、
およびRは、-H、-OH、F、Cl、Br、I、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキルおよび-S-C1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
、R、RおよびRは、H、アルキルおよびハロからなる群から独立して選択され、
、R10およびR11は、H、-C1~6アルキル、-C1~6ハロアルキル、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、F、Cl、BrおよびIからなる群から独立して選択される。
ある特定の実施形態では、Aは、式X-Cによって表される構造:
Figure 2024510267000123
であるか、またはこれを含み、
式中、
Tは、置換もしくは無置換メチレン(-CH-)、置換もしくは無置換アミノ(-NH-)、-O-または-S-(例えば、Tの置換基は、C~Cアルキル、ハロアルキルまたはハロである)であり、
Jは、C(R0~3であり、Rは、独立して、Hまたはアルキルであるか、または2つ以上のRが一緒になって、オキソを形成し、
およびRは、-H、-CN、-CHO、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール-、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-PO、-SOF、-CONHおよび5-テトラゾリルからなる群から独立して選択され、
およびRは、-H、-OH、F、Cl、Br、I、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキルおよび-S-C1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
、R、RおよびRは、H、アルキルおよびハロからなる群から独立して選択され、
、R10およびR11は、H、-C1~6アルキル、-C1~6ハロアルキル、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、F、Cl、BrおよびIからなる群から独立して選択される。
一部の実施形態では、Jは、C(R1~3である。
式(X-B)、(X-C)または(X-D)のJは、化合物のL(例えば、LまたはL(以下のリンカーの項目を参照されたい))に結合し得る。Jは、窒素原子を介してLに結合し得る。Jは、(例えば、Lの)トリアゾリルまたはアミドを介して、Lに結合し得る。Jは、C(Rであってもよく、Rはそれぞれ、独立して、Hもしくはアルキルであるか、またはRの両方が一緒になって、オキソを形成する。Jは、C~Cアルキルであってもよい。Jは、-CH-であってもよい。Jは、-CHCH-であってもよい。Jは、C=Oであってもよい。Jは、結合であってもよい。
式(X-B)または(X-C)のTは、置換もしくは無置換メチレン(例えば、-CH-)、置換もしくは無置換アミノ(例えば、-NH-)、-O-または-S-であってもよい。Tの置換基は、C~Cアルキル、C~Cハロアルキルまたは(メチレンの場合)ハロであってもよい。Tは、(-CH-)であってもよい。Tの置換基は、C~Cアルキル、ハロアルキルまたはハロであってもよい。Tは、無置換であってもよい。
式(X-B)または(X-C)のある特定の実施形態では、RおよびRは、-H、-CN、-CHO、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール-、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-PO、-SOF、-CONHおよび5-テトラゾリルからなる群からそれぞれ独立して選択される。RおよびRはそれぞれ、H、-CN、-CHOおよび-B(OH)からなる群から独立して選択することができる。RおよびRはそれぞれ、H、-CN、-CHOおよび-CONHからなる群から独立して選択することができる。Rは、Hであってもよい。Rは、-CN、-CHO、-B(OH)または-CONHであってもよい。Rは、Hであってもよく、Rは、-CN、-CHO、-B(OH)または-CONHであってもよい。Rは、Hであってもよく、Rは、-CNであってもよい。Rは、Hであってもよく、Rは、-CHOであってもよい。Rは、Hであってもよく、Rは、-B(OH)であってもよい。Rは、Hであってもよく、Rは、-CONHであってもよい。
式(X-B)または(X-C)のRおよびRはそれぞれ、-H、-OH、F、Cl、Br、I、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキルおよび-S-C1~6アルキルからなる群から独立して選択することができる。RおよびRはそれぞれ、独立して、-Hまたは-Fであってもよい。Rは、Hであってもよく、Rは、-Fであってもよい。Rは、Fであってもよく、Rは、-Fであってもよい。
ある特定の実施形態では、RはHであり、Rは-CNであり、RはHであり、Rは-Fである。ある特定の実施形態では、RはHであり、Rは-CNであり、RはFであり、Rは-Fである。さらに、RはHであってもよく、Rは-CHOであってもよく、RはHであってもよく、Rは-Fであってもよい。RはHであってもよく、Rは-CHOであってもよく、RはFであってもよく、Rは-Fであってもよい。RはHであってもよく、Rは-B(OH)であってもよく、RはHであってもよく、Rは-Fであってもよい。RはHであってもよく、Rは-B(OH)であってもよく、RはFであってもよく、Rは-Fであってもよい。RはHであってもよく、Rは-CONHであってもよく、RはHであってもよく、Rは-Fであってもよい。RはHであってもよく、Rは-CONHであってもよく、RはFであってもよく、Rは-Fであってもよい。
、R、RおよびRはそれぞれ、H、アルキルおよびハロからなる群から独立して選択することができる。R、R、RおよびRは、それぞれHであってもよい。
、R10およびR11はそれぞれ、H、-C1~6アルキル、-C1~6ハロアルキル、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、F、Cl、BrおよびIからなる群から独立して選択することができる。R、R10およびR11はそれぞれ、H、-C1~6ハロアルキル、FおよびClからなる群から独立して選択することができる。RおよびR11はHであってもよく、R10は、H、-C1~6ハロアルキル、FまたはClであってもよい。RおよびR11は、Hであってもよく、R10は、H、-CF、FまたはClであってもよい。RおよびR11は、Hであってもよく、R10は、-CFであってもよい。RおよびR11は、Hであってもよく、R10は、Fであってもよい。RおよびR11は、Hであってもよく、R10は、Clであってもよい。R、R10およびR11は、Hであってもよい。
ある特定の実施形態では、Aは、式(X-D)によって表される構造:
Figure 2024510267000124
であるか、またはこれを含み、
式中、
Jは、C(R 0~3であり、R はそれぞれ、Hであるか、または2つ以上のR が一緒になって、オキソを形成し、
は、-CN、-CHOおよび-B(OH)からなる群から選択され、
およびRは、-HおよびFからなる群からそれぞれ独立して選択され、
10は、H、-CF、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択される。
Aは、(例えば、Lの)窒素原子を介して、本明細書の化合物のLに結合し得る。Aは、(例えば、Lの)トリアゾリルまたはアミドを介して、Lに結合し得る。
ある特定の実施形態では、Aは、
Figure 2024510267000125
である。
Aは、
Figure 2024510267000126
からなる群から選択することができる。
本化合物のAはまた、
Figure 2024510267000127
からなる群から選択することができる。
Aは、
Figure 2024510267000128
であってもよい。
Aは、
Figure 2024510267000129
であってもよい。
一部の実施形態では、Aは、
Figure 2024510267000130
であるか、またはこれを含む。
一部の実施形態では、Aは、
Figure 2024510267000131
であるか、またはこれを含む。
一部の実施形態では、Aは、
Figure 2024510267000132
であるか、またはこれを含み、
Xは1~20である。
一部の実施形態では、Aは、
Figure 2024510267000133
であるか、またはこれを含む。
ある特定の実施形態では、本明細書の化合物のA(例えば、FAPα結合性リガンド)は、1nM~約25nMまたは約1nM~25nMなどの約1nM~約25nMの間の範囲のFAP(例えば、FAPα)への結合親和性を有することができる。
ある特定の実施形態では、本化合物のAは、高い親和性FAP結合性リガンドを含む。このような高い親和性FAPリガンドは、ある特定の実施形態では、トリアゾール部分または1つもしくは複数のその誘導体を含むことができる。ある特定の実施形態では、Aは、イソインドリン足場内にトリアゾール部分を含むFAPリガンドである。ある特定の実施形態では、Aは、トリアゾール部分およびフェニル環を含むFAPリガンドである。ある特定の実施形態では、Aは、エチルジアミノアリールトリアゾール部分を含むFAPリガンドである。ある特定の実施形態では、Aは、エチルジアミノアリールトリアゾール部分およびフェニル環を含むFAPリガンドである。ある特定の実施形態では、トリアゾール部分は、一級もしくは二級アミン、または官能基化アルキルまたはシクロアルキルモチーフをさらに含むことができる。
FAPリガンドが、トリアゾール部分(または、その誘導体)(例えば、イソインドリン足場に導入される)を含む場合、FAP標的とのさらなる相互作用がもたらされ得、これによって、シュレーディンガーの分子ドッキング計算においてより高いドッキングスコアをもたらすことができる(例えば、図26を参照されたい)(FAPリガンドに結合したトリアゾール部分および/またはフェニル環を有さない、FAPリガンドとの比較)。
ある特定の実施形態では、トリアゾール部分が導入されたイソインドリン足場を含む、FAPに対するリガンドであって、少なくとも約-8.2kcal/molのシュレーディンガーの分子ドッキングスコアを有する、リガンドが設けられる。
ある特定の実施形態では、Aは、
Figure 2024510267000134
であり、
n=1~5であり、
n’=1~5であり、
環Cは、任意選択であり、
環B中のX、YおよびZは、O、NおよびSから独立して選択され、ただし、XおよびYの少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
環C中のX’およびY’は、O、NおよびSから独立して選択され、ただし、X’およびY’の少なくとも1つはNであり、
Pは、式(X)のリンカー(L)またはB’への環C(存在する場合)の結合点であり、-H、-OH、-NH、-COOH、-CONH、-CHO、-N、-CN、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール、-C=C-C(O)アリールおよび-C=C-S(O)アリールからなる群から選択される。
Figure 2024510267000135
は、本明細書において提供される、任意のFAPリガンド構造であってもよい。ある特定の実施形態では、
Figure 2024510267000136
は、
Figure 2024510267000137
からなる群から選択される構造である。
ある特定の実施形態では、B環およびC環はそれぞれ、官能基化された5~10員のN含有芳香族もしくは非芳香族単環式または二環式複素環であってもよく、複素環は、O、NおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を場合によりさらに含むことができる。ある特定の実施形態では、環Cが存在しない場合、式(X)のLまたはB’への結合点は、5~10員のN含有B環の炭素原子のいずれかを介することができる。さらに、式(X)のLまたはB’への結合点(例えば、P)は、B環またはC環の官能基化アルキルもしくはシクロアルキルモチーフ、または一級もしくは二級アミンとの間であってもよい。
ある特定の実施形態では、高い親和性FAP結合性リガンドは、C’をさらに含む。C’は、Lによって、A基のうちの1つまたは複数、およびB’に連結され得る。C’は、例えば、アルブミン結合性リガンド、(PEG)(nは、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカンまたは糖のラジカルであってもよい。
ある特定の実施形態では、環Bは非芳香族である。ある特定の実施形態では、環Bは芳香族である。
ある特定の実施形態では、Aは、式(X-Z):
Figure 2024510267000138
によって表され、式中、
環Cは、任意選択であり、
環B中のX、YおよびZは、O、NおよびSからそれぞれ独立して選択され、ただし、XおよびYの少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
環C中のX’およびY’は、O、NおよびSからそれぞれ独立して選択され、ただし、X’およびY’の少なくとも1つはNであり、
Pは、式(X)のリンカー(L)またはB’への環C(存在する場合)の結合点であり、-H、-OH、-NH、-COOH、-CONH、-CHO、-N、-CN、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール、-C=C-C(O)アリールおよび-C=C-S(O)アリールからなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、Aは、式X-Y:
Figure 2024510267000139
によって表され、式中、
環Cは、任意選択であり、
n=0~4であり、
環B中のX、YおよびZは、O、NおよびSから独立して選択され、ただし、XおよびYの少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
環C中のX’およびY’は、O、NおよびSから独立して選択され、ただし、X’およびY’の少なくとも1つはNであり、
Pは、式(X)のリンカー(L)またはB’への環C(存在する場合)の結合点であり、-H、-OH、-NH、-COOH、-CONH、-CHO、-N、-CN、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール、-C=C-C(O)アリールおよび-C=C-S(O)アリールからなる群から選択される。
一部の実施形態では、Aは、式X-Zの構造:
Figure 2024510267000140
によって表され、
Figure 2024510267000141
は、式X-B(または、本明細書に記載されている任意の他のFAPリガンド構造)を有し、
X、YおよびZは、O、NおよびSから独立して選択され、ただし、XおよびYの少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
X’およびY’は、O、NおよびSから独立して選択され、ただし、X’およびY’の少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
Pは、式(X)のLまたはB’への結合点であり、-H、-OH、-NH、-COOH、-CONH、-CHO、-N、-CN、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール、-C=C-C(O)アリールおよび-C=C-S(O)アリールからなる群から選択される。
一部の実施形態では、本明細書の化合物のA(例えば、高い親和性FAPリガンド)は、少なくとも約-8.2kcal/molのシュレーディンガーの分子ドッキングスコアを有することができる。ある特定の実施形態では、本明細書の化合物のAは、少なくとも約-11.5kcal/molのシュレーディンガーの分子ドッキングスコアを有することができる。
治療剤および/またはイメージング剤(B’)
上で明記されている通り、本明細書の化合物は、基B’をさらに含む。一部の実施形態では、B’は、治療剤またはイメージング剤(または、上述のどちらかのラジカル)であるか、またはこれらを含む。一部の実施形態では、B’は、抗がん剤のラジカルであるか、またはこれを含む。一部の実施形態では、B’は、色素(例えば、蛍光色素)のラジカルであるか、またはこれを含む。一部の実施形態では、B’は、抗線維化剤のラジカルであるか、またはこれを含む。一部の実施形態では、B’は、PI3K阻害剤のラジカルであるか、またはこれを含む。一部の実施形態では、B’は、キレート形成された放射性同位体(例えば、99mTc、111In,18F、68Ga、124I、125I、131I、32P、89Sr、90Y、153Sm、169Er、177Lu、186Re、188Re、149Tb、211At、212Bi、213Biまたは225Ac)を含む、放射線イメージング剤のラジカルであるか、またはこれを含む。B’は、99mTc、111In,18F、68Ga、124I、125Iおよび131Iからなる群から選択される放射性同位体のラジカルであってもよいし、またはこれを含むことができる。ある特定の実施形態では、B’は、32P、89Sr、90Y、153Sm、169Er、177Lu、186Re、188Re、149Tb、211At、212Bi、213Biおよび225Acからなる群から選択される、放射性同位体のラジカルであるか、またはこれを含む。
ある特定の実施形態では、B’は、PI3K阻害剤、同位体(または金属)に場合により結合したキレート基または同位体(または金属)に共有結合した基のラジカルであるか、またはこれらを含み、前記同位体または金属は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージング;抗がん剤;抗線維化剤;および/または色素(例えば、蛍光色素)に好適である。
一部の実施形態では、B’は、同位体(または金属)に場合により結合したキレート基または同位体(または金属)に共有結合した基のラジカルであり、前記同位体(または金属)は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適である。
一部の実施形態では、B’は、放射線イメージング剤、放射線治療同位体もしくは磁気共鳴同位体のラジカル、またはキレート基、およびキレート基に結合している放射線イメージング剤、放射線治療同位体もしくは磁気共鳴同位体のラジカルであるか、あるいはこれらを含み、同位体は、32P、89Sr、90Y、153Sm、169Er、177Lu、186Re、188Re、149Tb、211At、212Bi、213Biおよび225Acからなる群から選択される。一部の実施形態では、B’は、放射線イメージング剤、放射線治療同位体もしくは磁気共鳴同位体のラジカル、またはキレート基、およびキレート基に結合している放射線イメージング剤、放射線治療同位体もしくは磁気共鳴同位体のラジカルであるか、あるいはこれらを含み、同位体は、18F、32P、44Sc、47Sc、52Mn、55Co、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Sr、89Zr、90Y、99mTc、111In、114mIn、117mSn、124I、125I、131I、149Tb、153Sm、152Tb、155Tb、161Tb、169Er、177Lu、186Re、188Re、211At、212Pb、212Bi、213Bi、223Ra、224Ra、225Ab、225Acまたは227Thから選択される。一部の実施形態では、同位体は、111Inである。一部の実施形態では、同位体は、177Luである。一部の実施形態では、同位体は、11C、13C、13N、15O、60Coおよび123Iからなる群から選択される。
治療剤(または、そのラジカル)は、望ましい生理的応答を生じることができる任意の実体であってもよい。治療剤(またはラジカル)は、抗線維化剤、抗がん剤、化学治療剤、光線力学的治療剤、放射線治療剤などであってもよい。治療剤は、がん細胞または線維症促進性細胞(例えば、がん関連線維芽細胞、筋線維芽細胞など(例えば、他の腫瘍微小環境因子))に対して有効な(例えば、がん細胞もしくは線維症促進性細胞の消滅、破壊、低減(例えば、それらの細胞の量の低減)、またはそれらの細胞の影響の軽減に有効な)化合物(例えば、またはそのラジカル)であってもよい。治療剤(またはそのラジカル)の例は、以下に限定されないが、光線力学的治療剤、放射線治療剤、化学治療剤、抗線維化剤および抗がん剤を含む。本明細書において提供される治療剤は、PI3K阻害剤(または、そのラジカル)であってもよい。図20Aは、様々な例示的なFAP5-PI3K阻害剤の構造を示す。
治療剤は、抗がん剤(または、そのラジカル)であってもよい。治療剤は、抗線維化剤(または、そのラジカル)であってもよい。治療剤は、腫瘍成長因子(TGF)β/Smad阻害剤、Wnt/β-カテニン阻害剤、キナーゼ阻害剤(例えば、血管内皮細胞成長因子受容体(VEGFR)に対するキナーゼ阻害剤、線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)に対するキナーゼ阻害剤、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)に対するキナーゼ阻害剤、焦点接着キナーゼ(FAK)に対するキナーゼ阻害剤またはRho関連タンパク質キナーゼ(ROCK)に対するキナーゼ阻害剤)、Toll様受容体アゴニスト(TLR)、活性化B細胞阻害剤の核内因子カッパ-軽鎖-エンハンサー(NF-κB)、コラーゲン合成の阻害剤およびPI3K阻害剤から選択される化合物(またはそのラジカル)であってもよい。ある特定の実施形態では、B’は、ホスホイノシチド-3-キナーゼ(PI3K)阻害剤(または、そのラジカル)である。
ある特定の実施形態では、B’は、
Figure 2024510267000142
からなる群から選択される。
ある特定の実施形態では、B’は、イメージング剤である。イメージング剤は、検出可能なシグナル(例えば、電磁シグナル(例えば、無線シグナル、蛍光シグナル、ガンマ線)または質量)を発する任意の化合物(またはそのラジカル)であってもよい。イメージング剤の例には、以下に限定されないが、放射線イメージング剤(例えば、PETイメージング剤またはSPECTイメージング剤)、蛍光イメージング剤(例えば、蛍光色素)などが含まれる。イメージング剤は、磁気共鳴(MR)剤であってもよい。一部の実施形態では、B’は、PETイメージング、SPECTイメージング、他の放射線イメージング技法、磁気共鳴イメージングまたは放射線治療に好適な、放射標識された官能基(例えば、そのラジカル)を含む。B’は、放射線イメージング同位体、放射線治療同位体または磁気共鳴同位体のラジカルを含むことができる。
B’は、イメージング剤、放射線イメージング剤、光線力学的治療剤、化学治療剤、抗線維化剤および/または放射線治療剤(例えば、それらのラジカル)を含むことができ、B’は、がん細胞またはがん関連線維芽細胞、筋線維芽細胞または他の腫瘍微小環境因子に対して有効な抗がん剤である。
B’は、PI3K阻害剤のラジカルであってもよい。B’は、同位体(または金属)に場合により結合したキレート基のラジカルであってもよい。B’は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に共有結合したキレート基であってもよい。
B’は、キレート基(例えば、キレート剤(または、そのラジカル))であってもよい。代表的なキレート基は、以下に限定されないが(1つまたは複数のCOH(COOH)のプロトン(H+)が除去されて、COO-を形成するなどの、その遊離塩基を含む)
Figure 2024510267000143
を含み、
各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
B’は、キレート基を含むことができ、これは、以下に限定されないが、DOTA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸)またはその誘導体;TETA(1,4,8,11-テトラアザシクロテトラデカン-1,4,8,11-四酢酸)またはその誘導体;SarAr(1-N-(4-アミノベンジル)-3,6,10,13,16,19-ヘキサアザビシクロ[6.6.6]-エイコサン-1,8-ジアミンまたはその誘導体;NOTA(1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4,7-三酢酸)またはその誘導体;NETA(4-[2-(ビス-カルボキシメチルアミノ)-エチル]-7-カルボキシメチル-[1,4,7]トリアゾナン-1-イル)酢酸またはその誘導体TRAP(1,4,7-トリアザシクロノナン-1,4,7-トリス[メチル(2-カルボキシエチル)ホスフィン酸)またはその誘導体;HBED(N,N0-ビス(2-ヒドロキシベンジル)-エチレンジアミン-N,N0-二酢酸)またはその誘導体;2,3-HOPO(3-ヒドロキシピリジン-2-オン)またはその誘導体;PCTA(3,6,9,15-テトラアザビシクロ[9.3.1]-ペンタデカ-1(15),11,13-トリエン-3,6,9-三酢酸)またはその誘導体;DFO(デスフェリオキサミン)またはその誘導体;DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)またはその誘導体;OCTAPA(N,N0-ビス(6-カルボキシ-2-ピリジルメチル)-エチレンジアミン-N,N0-二酢酸)またはその誘導体;またはH2-MACROPA(N,N’-ビス[(6-カルボキシ-2-ピリジルメチル(pyridipmethyl)]-4,13-ジアザ-18-クラウン-6)またはその誘導体;Hdedpa(1,2-[[カルボキシ)-ピリジン-2-イル]-メチルアミノ]エタンまたはその誘導体;およびβ-1-ジアミノプロピオン酸、アスパラギン酸およびシステインを含むEC20ヘッドが含まれる。
B’は、DOTAのラジカルを含むことができる。ある特定の実施形態では、B’は、同位体-(または金属-)キレート形成したDOTA(1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸)である。
B’は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に共有結合した基のラジカルであってもよいし、またはこれを含むことができる。
B’は、PETイメージング、SPECTイメージング、他の放射線イメージング技法または放射線治療に好適な同位体(または金属)に結合したキレート基であってもよいし、またはこれを含むことができる。
B’は、
Figure 2024510267000144
であってもよい。
B’は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した
Figure 2024510267000145
であってもよい。
B’は、以下のキレート基
Figure 2024510267000146
のうちの1つであってもよく、各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
B’は、磁気共鳴、放射線イメージングまたは放射線治療同位体を含むことができる。一部の実施形態では、B’は、キレート基に結合した、金属(例えば、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な金属)である、キレート基および放射線イメージング同位体、放射線治療同位体または磁気共鳴同位体を含む。一部の実施形態では、同位体は、B’のキレート基に結合した金属原子である。一部の実施形態では、放射線イメージング同位体、放射線治療同位体または磁気共鳴同位体(または放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な金属)は、18F、32P、44Sc、47Sc、52Mn、55Co、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Sr、89Zr、90Y、99mTc、111In、114mIn、117mSn、124I、125I、131I、149Tb、153Sm、152Tb、155Tb、161Tb、169Er、177Lu、186Re、188Re、211At、212Pb、212Bi、213Bi、223Ra、224Ra、225Ab、225Acまたは227Thである。一部の実施形態では、放射線イメージング同位体、放射線治療同位体または磁気共鳴同位体は、11C、13C、13N、15O、60Coまたは123Iである。一部の実施形態では、放射線イメージング同位体、放射線治療同位体または磁気共鳴同位体は、225Ac、32P、89Sr、117mSn、153Sm、169Er、186Re、188Re、149Tb、212Biまたは213Biである。一部の実施形態では、同位体は111Inである。一部の実施形態では、同位体は177Luである。
B’は、放射線イメージング核種を含むことができる。放射線イメージング核種は、任意の好適な放射線イメージング核種であってもよい。放射線イメージング核種は、99mTc、111In,18F、68Ga、124I、125Iおよび131Iからなる群から選択することができる。
B’は、放射線治療用核種を含むことができる。放射線治療用核種は、177Lu、90Yおよび211Atからなる群から選択することができる。
B’は、放射標識された補欠分子族(または、そのラジカル)を含むことができる。放射標識された補欠分子族は、18F、124I、125I、131Iおよび211Atからなる群から選択される放射性同位体を含むことができる。
ある特定の実施形態では、B’(例えば、放射標識された補欠分子族(または、そのラジカル))は、以下の構造:
Figure 2024510267000147
を有し、
式中、
Xはそれぞれ、独立して、18F、124I、125I、131Iおよび2llAtからなる群から選択される放射性同位体であり、
RまたはRはそれぞれ、独立して、H、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであり、
nはそれぞれ、独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19および20からなる群から選択される整数である。
代表的な放射標識された補欠分子族(例えば、B’)は、以下に限定されないが、
Figure 2024510267000148
を含む。
放射線治療用核種の場合、B’がキレート剤である場合、ある特定の実施形態では、B’は、核種とキレートを形成することができる。
B’は、PI3K阻害剤またはそのラジカルであってもよい。
PI3K阻害剤(またはそのラジカル)(例えば、ある化合物、またはPI3K阻害剤(またはそのラジカル)を含むコンジュゲート)は、式IIIの構造:
Figure 2024510267000149
を有することができ、
式中、
Xは、
Figure 2024510267000150
からなる群から選択される。
式(III)のXは、B’のラジカル(例えば、ラジカルは、ヘテロ原子(例えば、XのS、NまたはO)上に存在する)であってもよい。B’は、Xを介して化合物のLに結合し得る(例えば、Xのヒドロキシルラジカル)。
化合物のB’のPI3K阻害剤(またはそのラジカル)(例えば、ある化合物、またはPI-3キナーゼ阻害剤(またはそのラジカル)を含むコンジュゲート)は、構造:
Figure 2024510267000151
を有することができる。
Lは、
Figure 2024510267000152
であってもよく、nは、1~32の整数である。Lは、
Figure 2024510267000153
であってもよく、mは、1~9の整数である。Lは、
Figure 2024510267000154
であってもよく、mは、1~9の整数であり、nは、1~32の整数であり、qは、0~4の整数であり、sは、0~4の整数である。
mは、1であってもよい。mは、2であってもよい。mは、3であってもよい。mは、4であってもよい。mは、5であってもよい。mは、6であってもよい。mは、7であってもよい。mは、8であってもよい。mは、9であってもよい。
nは、1~12であってもよい。nは、1であってもよい。nは、2であってもよい。nは、3であってもよい。nは、4であってもよい。nは、5であってもよい。nは、6であってもよい。nは、7であってもよい。nは、8であってもよい。nは、9であってもよい。nは、10であってもよい。nは、11であってもよい。nは、12であってもよい。nは、13であってもよい。nは、14であってもよい。nは、15であってもよい。nは、16であってもよい。nは、17であってもよい。nは、18であってもよい。nは、19であってもよい。nは、20であってもよい。nは、21であってもよい。nは、22であってもよい。nは、23であってもよい。nは、24であってもよい。nは、25であってもよい。nは、26であってもよい。nは、27であってもよい。nは、28であってもよい。nは、29であってもよい。nは、30であってもよい。nは、31であってもよい。nは、32であってもよい。
qは、0であってもよい。qは、1であってもよい。qは、2であってもよい。qは、3であってもよい。qは、4であってもよい。
sは、0であってもよい。sは、1であってもよい。sは、2であってもよい。sは、3であってもよい。sは、4であってもよい。
リンカー(L)
本化合物のLは、任意の好適なリンカーなどのリンカーである。本明細書において使用する場合、用語「リンカー」とは、A(例えば、結合性リガンド)および/またはB’(例えば、治療剤またはイメージング剤)および/またはC’(例えば、アルブミン結合性リガンド、PEG、ペプチド、ペプチドグリカンまたは糖)との化学結合を形成する、化合物の部分を一般に指す。特に、「リンカー」は、分子の2つ以上の官能性部分を連結して、本明細書において提供される化合物を形成することができる。例示として、リンカーは、C、N、O、S、SiおよびP;C、N、O、SおよびP;またはC、N、OおよびSから選択される原子を含んでもよい。リンカーは、FAPリガンドおよびDOTAキレート剤の基などの化合物の異なる機能的能力を連結することができる。リンカーは、例えば、連続する主鎖中に、約2~約100個の原子の範囲などの、いくつかのリンカー基を含むことができる。
リンカーは、放出性リンカーとなり得る。リンカーは、非放出性リンカーであってもよい。Lは、三価リンカーであってもよい。Lは、生体官能基化されたリンカーであってもよい。例えば、少なくとも式(X)および(I)において、(例えば、二官能基化された)リンカーは、AとB’との化学結合を形成することができる。Lは、1つまたは複数のA基をB’(例えば、LをAに連結する第1の共有結合、およびLをB’に連結する第2の共有結合による)に連結する(例えば、二官能基化された)リンカーであってもよい。
Lは、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、アルキル(アルキレン)、ヘテロアルキル(アルキレン)、ヘテロシクロアルキル(アルキレン)、ヘテロアリール、アリール、アルコキシ、チオエーテル、ジスルフィド、カルボン酸、無水物、カーボネート、カルバメート、チオエーテル、糖、ペプチドおよびペプチドグリカンからなる群から独立して選択される。Lは、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、PEG、アルキル(アルキレン)、ジスルフィド、アミド、カルボン酸、無水物、カーボネート、エステル、カルバメート、チオエーテル、トリアゾール、糖およびペプチドからなる群から独立して選択される。Lは、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、PEG、アルキル(アルキレン)、ジスルフィド、アミド、カルボン酸、カーボネート、エステル、フェニル、トリアゾールおよびカルバメートからなる群から独立して選択される。Lは、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、PEG、アルキル(アルキレン)、ジスルフィド、アミド、カルボン酸、フェニル、トリアゾール、エステルおよびカーボネートからなる群から独立して選択される。Lは、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、PEG、アルキル(アルキレン)、ジスルフィド、アミド、カルボン酸、エステルおよびカーボネートからなる群から独立して選択される。Lは、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、PEG、アルキル(アルキレン)、ジスルフィドおよびアミドからなる群から独立して選択される。Lは、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、アルキル(アルキレン)、ジスルフィドおよびアミドからなる群から独立して選択される。Lは、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、アミド、アルキル(アルキレン)、PEG、フェニルおよびトリアゾールからなる群から独立して選択される。Lは、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、PEG、アルキル(アルキレン)およびアミドからなる群から独立して選択される。Lは、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、アルキル(アルキレン)およびアミドからなる群から独立して選択される。Lは、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、PEGおよびアミドからなる群から独立して選択される。リンカーは、1つまたは複数のトリアゾールリンカー基を含むことができる。リンカーは、1つまたは複数のトジスルフィドリンカー基を含むことができる。リンカーは、1つまたは複数のアミドリンカー基を含むことができる。リンカーは、1つまたは複数のPEGリンカー基を含むことができる。
Lは、非放出性リンカー(例えば、二価で(例えば、共有結合により)B’およびAに結合している)であってもよい。Lは、放出性リンカー(例えば、二価で(例えば、共有結合により)B’およびAに結合している)であってもよい。
ある特定の実施形態では、例えばおよび非限定的に、式(I’)および(II)中に、Lは、3つのリンカー基を含み、リンカー基はそれぞれ、アルキル(アルキレン)、ヘテロアルキル(アルキレン)、ヘテロシクロアルキル(アルキレン)、ヘテロアリール、アリール、アルコキシ、チオエーテル、ジスルフィド、カルボン酸、無水物、カーボネート、カルバメート、チオエーテル、糖およびペプチドからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態では、Lは、3つのリンカー基を含み、リンカー基はそれぞれ、PEG、アルキル(アルキレン)、ジスルフィド、アミド、カルボン酸、無水物、カーボネート、エステル、カルバメート、チオエーテル、トリアゾール、糖およびペプチドからなる群から独立して選択される。Lはまた、3つのリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、PEG、アルキル(アルキレン)、ジスルフィド、アミド、カルボン酸、カーボネート、エステル、フェニル、トリアゾールおよびカルバメートからなる群から独立して選択される。ある特定の実施形態では、Lは、3つのリンカー基を含み、リンカー基はそれぞれ、PEG、アルキル(アルキレン)、ジスルフィド、アミド、カルボン酸、フェニル、トリアゾール、エステルおよびカーボネートからなる群から独立して選択される。Lは、3つのリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、PEG、アルキル(アルキレン)、ジスルフィド、アミド、カルボン酸、エステルおよびカーボネートからなる群から独立して選択される。Lは、3つのリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、PEG、アルキル(アルキレン)、ジスルフィドおよびアミドからなる群から独立して選択される。Lは、3つのリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、アルキル(アルキレン)、ジスルフィドおよびアミドからなる群から独立して選択される。Lは、3つのリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、アミド、アルキル(アルキレン)、PEG、フェニルおよびトリアゾールからなる群から独立して選択される。Lは、3つのリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、PEG、アルキル(アルキレン)およびアミドからなる群から独立して選択される。Lは、3つのリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、アルキル(アルキレン)およびアミドからなる群から独立して選択される。Lは、3つのリンカー基を含み、リンカー基はそれぞれ、PEGおよびアミドからなる群から独立して選択される。
Lは、1つまたは複数の放出性基を含むことができる。
Lは、アミドリンカー基を介して、Aに(例えば、共有結合により)結合することができる。Lは、アミドリンカー基を介して、B’に(例えば、共有結合により)結合することができる。Lは、アミドリンカー基を介して、C’に(例えば、共有結合により)結合することができる。Lは、アミドリンカー基を介して、A、B’および(式(I’)および(II)では)C’に(共有結合などにより)独立して、結合することができる。
Lは、トリアゾールリンカー基を介して、Aに(例えば、共有結合により)結合することができる。Lは、トリアゾールリンカー基を介して、B’に(例えば、共有結合により)結合することができる。Lは、トリアゾールリンカー基を介してAおよびB’に(共有結合などにより)独立して、結合することができる。
Lは、トリアゾールリンカー基を介して、Aに(例えば、共有結合により)結合することができる。Lは、トリアゾールリンカー基を介して、Aに結合することができ、アミドリンカー基を介して、B’に結合することができる。
Lは、カルバメートリンカー基を介して、B’に(例えば、共有結合により)結合することができる。Lは、アミドリンカー基を介して、Aに結合することができ、カルバメートリンカー基を介して、B’に結合することができる。
リンカーは、放出性リンカーとなり得る。リンカーは、非放出性リンカーとなり得る。
リンカーは、還元的に開裂可能なリンカー(例えば、ジスルフィド)であってもよい。リンカーは、酸化的に開裂可能なリンカー(例えば、アミノ-芳香族基)であってもよい。リンカーは、オキシムエステルであってもよいし、またはこれを含むことができる。リンカーは、ヒドラゾンであってもよいし、またはこれを含むことができる。リンカーは、PEG(n=0~36)であってもよいし、またはこれを含むことができる。リンカーは、ペプチドであってもよいし、またはこれを含むことができる。リンカーは、ペプチドグリカンであってもよいし、またはこれを含むことができる。
Lは、(L)-(L)または(L)-(L)-(L)であってもよく、式中、
は、第1のリンカーであり、
は、第2のリンカーであり、
(必要に応じて)、Lは、第3のリンカーである。
、LおよびLは、同じであってもよい。L、LおよびLのうちの2つは、同じであってもよい。L、LおよびLは、異なることができる。Lは、A基(および、L基)に連結することができる。Lは、B’基(ならびに、LおよびL基)に結合することができる。Lは、C’基(および、L基)に結合することができる。
、LおよびLはそれぞれ、独立して、15~200オングストローム(Å)の長さであってもよい。
Lは、(L-W-(Lであってもよく、式中、
は、第1のリンカーであり、
は、第2のリンカーであり、
p=1~5であり、
q=1~5である。
ある特定の実施形態では、各Lおよび各Lは、1つまたは複数のリンカー基を独立して含み、リンカー基はそれぞれ、PEG、アルキル(アルキレン)、アミド、フェニルおよびトリアゾールからなる群から独立して選択される。
W(存在する場合)は、アミンコア、芳香族コアまたはアルキレンコアであってもよい。
およびLはそれぞれ、独立して、5~200Åの長さであってもよい。
Lは、以下の構造:
Figure 2024510267000155
を有することができる。
Lは、
Figure 2024510267000156
であってもよい。
Lは、
Figure 2024510267000157
であってもよい。
Lは、少なくとも1つのリンカー基を含むことができ、リンカー基はそれぞれ、PEG、アルキル、糖およびペプチドからなる群から選択される。リンカーは、PEG(例えば、ペグ化)、アルキル、糖およびペプチドをベースとするデュアルリンカーであってもよい。
Lは、非放出性リンカー(例えば、二価で(例えば、共有結合により)B’およびAに結合している)であってもよい。Lは、放出性リンカー(例えば、二価で(例えば、共有結合により)B’およびAに結合している)であってもよい。
Lは、以下の構造:
Figure 2024510267000158
を有する、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、
式中、nは、0~10である。
Lは、以下の構造:
Figure 2024510267000159
を有する、1つまたは複数のリンカー基(例えば、L、Lおよび/またはL(適用可能な場合))を含むことができ、
式中、nは、0~10である。
Lは、以下の構造:
Figure 2024510267000160
を有する、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、
式中、nは、1~32である。
Lは、以下の構造:
Figure 2024510267000161
を有する、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、
式中、nは、1~32である。
Lは、以下の構造:
Figure 2024510267000162
を有する、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、
式中、
12およびR13はそれぞれ、独立して、HまたはC~Cアルキルであってもよく、
zは、1~8の整数である。
Lは、以下の構造:
Figure 2024510267000163
を有する、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、
式中、
12およびR13はそれぞれ、独立して、HまたはC~Cアルキルであってもよく、
zは、1~8の整数である。
Lは、以下の構造:
Figure 2024510267000164
を有する、1つまたは複数のリンカー基(例えば、Lおよび各L)を含むことができる。
Lは、以下の構造:
Figure 2024510267000165
を有する、1つまたは複数のリンカー基を含むことができる。
Lは、以下の構造:
Figure 2024510267000166
を有する、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、
式中、
16は、HまたはC~Cアルキルであり、
14a、R14b、R15aおよびR15bはそれぞれ、独立して、HまたはC~Cアルキルであってもよい。
Lは、以下の構造:
Figure 2024510267000167
を含むことができる。
Lは、以下の構造:
Figure 2024510267000168
を有する、1つまたは複数のリンカー基を含むことができ、
式中、nは、0~15である。
Lは、還元的に開裂可能なリンカーを含むことができる。Lは、酸化的に開裂可能なリンカーを含むことができる。Lは、オキシムエステルを含むことができる。Lは、ヒドラゾンを含むことができる。Lは、PEGnを含むことができ、n=0~36である。Lは、ペプチドを含むことができる。Lは、ペプチドグリカンを含むことができる。
Lは、
Figure 2024510267000169
であってもよい。
Lは、
Figure 2024510267000170
であってもよい。
C’
本明細書の化合物(例えば、式(I’)または(II)の構造を有する化合物)のある特定の実施形態では、本化合物は、該化合物のリンカーと連結したC’をさらに含む。
C’は、任意の薬物動態拡張剤(pharmacokinetic extender)であってもよい。ある特定の実施形態では、C’は、アルブミン結合性リガンドである。C’は、アルブミン結合ドメイン035を含むアルブミン結合性小タンパク質足場(ABD035)、長さが45個の3ヘリックスバンドルアミノ酸のペプチドであるアルブミン結合ドメインCon(ABDCon)、設計されたアンキリンリピートタンパク質(DARPin)、ジスルフィド安定化Fv断片(dsFv)CA645(抗アルブミン抗体)、ヒト血清アルブミンと複合体を形成する任意のナノボディ(ナノボディ)および可変新抗原受容体(variable new antigen receptor)E06(VNAR(E06))であってもよい。
ある特定の実施形態では、C’は、
Figure 2024510267000171
であるか、またはこれを含む。
ある特定の実施形態では、C’は、
Figure 2024510267000172
であるか、またはこれを含み、
適用可能な場合、
12~19はそれぞれ(適宜)、独立して、-H、-C~Cアルキル、-F、-Cl、-Br、-I、-CN、-CHO、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール-、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-POまたは-SOFであり、
20およびR21はそれぞれ、独立して、-H、-C~Cアルキル、-F、-Cl、-Br、-I、-O-C1~6アルキル、-CN、-CHO、-B(OH)、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-PO、-SOFまたはCFである。
一部の実施形態では、C’は、
Figure 2024510267000173
であるか、またはこれを含む。
一部の実施形態では、C’は、
Figure 2024510267000174
であるか、またはこれを含む。
一部の実施形態では、C’は、
Figure 2024510267000175
であるか、またはこれを含む。
ある特定の実施形態では、本化合物のC’は、(PEG)(nは、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカンまたは糖(例えば、これらのラジカル)を含む。
C’は、(PEG)であってもよく、nは、0~32の整数である。C’は、ペプチドであってもよい。C’は、ペプチドグリカンであってもよい。C’は、糖であってもよい。
一部の実施形態では、C’は、
Figure 2024510267000176
であるか、またはこれを含む。
一部の実施形態では、C’は、
Figure 2024510267000177
であるか、またはこれを含む。
同様に、式(V)の化合物(例えば、コンジュゲート):
Figure 2024510267000178
が提供され、
式中、
Lは、少なくとも1個の炭素原子を含むリンカーであり、
pは、0、1、2または3である。
式(V)の化合物の場合、Lは、リンカーLに関して先に示した実施形態の1つに示されている基であってもよいし、またはこの基を含むことができる。式(V)の化合物に関するある特定の実施形態では、pは、0であってもよい。式(V)の化合物に関するある特定の実施形態では、pは、1であってもよい。式(V)の化合物に関するある特定の実施形態では、pは2であってもよい。式(V)の化合物に関するある特定の実施形態では、pは3であってもよい。
化合物/コンジュゲート
一部の実施形態では、本化合物は、以下:
Figure 2024510267000179
ではない。
A-L-B’は、以下の構造:
Figure 2024510267000180
を有することができ、
式中、
nは、1~5の整数である。
A-L-B’は、以下の構造:
Figure 2024510267000181
Figure 2024510267000182
を有することができ、
式中、
nは、1~5の整数である。
本化合物は、式:
Figure 2024510267000183
を有することができ、
tは、0または1であり、uは、2~12の整数である。
本化合物は、式
Figure 2024510267000184
を有することができ、nは、1~12の整数である。
本化合物は、式
Figure 2024510267000185
を有することができ、mは、1~4の整数である。
本化合物は、式
Figure 2024510267000186
を有することができる。
本化合物は、式
Figure 2024510267000187
を有することができる。
本化合物は、式
Figure 2024510267000188
を有することができる。
本化合物は、式
Figure 2024510267000189
を有することができる。
本化合物は、式
Figure 2024510267000190
を有することができる。
ある特定の実施形態では、本明細書の化合物のA-L-B’は、以下の構造:
Figure 2024510267000191
を有することができる。
A-L-B’は、以下の構造:
Figure 2024510267000192
を有することができる。
A-L-B’は、以下の構造:
Figure 2024510267000193
を有することができる。
A-L-B’は、以下の構造:
Figure 2024510267000194
を有することができる。
A-L-B’は、以下の構造:
Figure 2024510267000195
Figure 2024510267000196
を有することができる。
A-L-B’は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000197
を有することができる。
A-L-B’は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000198
を有することができる。
A-L-B’は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000199
を有することができる。
A-L-B’は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000200
を有することができる。
A-L-B’は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000201
を有することができる。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000202
Figure 2024510267000203
を有することができる。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000204
Figure 2024510267000205
を有することができる。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000206
Figure 2024510267000207
を有することができる。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000208
Figure 2024510267000209
を有することができる。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000210
を有することができる。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000211
を有することができ、
各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000212
を有することができ、
各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000213
を有することができ、
各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000214
を有することができ、
各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000215
を有することができ、
各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した以下の構造:
Figure 2024510267000216
を有することができる。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000217
Figure 2024510267000218
Figure 2024510267000219
を有することができる。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000220
Figure 2024510267000221
Figure 2024510267000222
を有することができる。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000223
Figure 2024510267000224
Figure 2024510267000225
を有することができる。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000226
Figure 2024510267000227
Figure 2024510267000228
を有することができる。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000229
Figure 2024510267000230
Figure 2024510267000231
を有することができる。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000232
を有することができ、
各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000233
を有することができ、
各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000234
を有することができ、
各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000235
を有することができ、
各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
化合物(例えば、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000236
を有することができ、
各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
本化合物は、図1に図示されている化合物のいずれかの構造を有することができ、各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している。
本化合物は、式:
Figure 2024510267000237
を有することができ、
tは、0または1であり、uは、2~12の整数である。
本化合物は、式
Figure 2024510267000238
を有することができ、nは、1~12の整数である。
本化合物は、式
Figure 2024510267000239
を有することができ、mは、1~4の整数である。
本化合物は、式
Figure 2024510267000240
を有することができる。
本化合物は、式
Figure 2024510267000241
を有することができる。
本化合物は、式
Figure 2024510267000242
を有することができる。
本化合物は、式
Figure 2024510267000243
を有することができる。
本化合物は、式
Figure 2024510267000244
を有することができる。
本化合物は、図20Aに説明されている式のいずれかを有することができる。
ある特定の実施形態では、本化合物(すなわち、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000245
を有することができる。
ある特定の実施形態では、本化合物(すなわち、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000246
を有することができる。
ある特定の実施形態では、本化合物(すなわち、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000247
を有することができる。
ある特定の実施形態では、本化合物(すなわち、コンジュゲート)は、以下の構造:
Figure 2024510267000248
を有することができる。
ある特定の実施形態では、本化合物(すなわち、コンジュゲート)は、図28~31中の構造のいずれかを有することができる。
ある特定の実施形態では、本化合物は、以下の構造:
Figure 2024510267000249
のいずれかを有することができる。
医薬組成物、投与経路および投与
ある特定の実施形態では、化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物が提供される。ある特定の実施形態では、本医薬組成物は、複数の化合物および薬学的に許容される担体を含む。
ある特定の実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1種の追加の医薬活性剤をさらに含む。少なくとも1種の追加の医薬活性剤は、虚血-再灌流損傷の処置に有用な薬剤であってもよい。
医薬組成物は、1つまたは複数の化合物と薬学的に許容される担体および、場合により、1種または複数の追加の医薬活性剤を一緒にすることによって調製することができる。
本明細書において使用する場合、「有効量」とは、所望の生物学的作用を実現するのに十分な任意の量を指す。本明細書において提示される教示と組み合わせ、様々な活性化合物、ならびに効力、相対生体利用率、患者体重、有害な副作用の重症度および投与様式などの重み因子のなかから選択することによって、深刻な望ましくない毒性を引き起こさないが、特定の対象を処置するのに依然として効果的な有効な予防的処置レジメンまたは治療的処置レジメンの計画を立てることができる。任意の特定の用途に関する有効量は、処置される疾患または状態、投与される特定の化合物、対象のサイズ、または疾患もしくは状態の重症度などの因子に応じて様々となり得る。当業者は、過度の実験を必要とすることなく、特定の化合物および/または他の治療剤の有効量を経験的に決定することができる。医療的判断のいくつかに応じて、最大用量、すなわち最高安全用量を使用することができる。1日あたりの反復用量を使用して、化合物の適切な全身性レベルを実現することができる。適切な全身性レベルは、例えば、患者のピークの測定値、または薬物の持続的な血漿中レベルによって求めることができる。「用量」および「投与量」は、本明細書において互換的に使用される。
一般に、化合物の1日あたりの経口用量は、ヒト対象の場合、1日あたり、約0.01ミリグラム/kg~1日あたり1,000ミリグラム/kgである。1日あたりの1回または複数の投与における、0.5~50ミリグラム/kgの範囲の経口用量は、治療的結果を生じ得る。投与量は、適切に調節されて、投与様式に応じて、所望の局所または全身薬物レベルを実現することができる。例えば、静脈内投与は、1日あたり1桁から数桁少ない用量での様々となり得る。対象における応答が、このような用量で不十分な場合、さらにより多い用量(または、異なる、一層局所的な送達経路による有効性の高い一層多い用量)を、患者の耐容性が許容する程度まで使用することができる。化合物の適切な全身性レベルを実現するため、1日あたりの反復用量が企図される。
処置における使用に関する化合物の「治療有効量」(または「有効量」)とは、所望の投与レジメンの一部として(ヒトなどの哺乳動物に)投与されると、処置される障害もしくは状態または化粧品目的にとって臨床的に許容される基準に従い、例えば、いかなる医療的処置にも適用可能な妥当な利益/リスク比で、症状を軽減する、状態を改善する、または疾患状態の発生を遅らせる、調製物中の化合物の量を指す。
任意の化合物に関すると、治療有効量は、動物モデルから最初に求めることができる。治療有効用量は、ヒトにおいて試験された化合物、および他の関連する活性剤などの類似の薬理学的活性を示すことが知られている化合物に関するヒトデータから求めることもできる。一層多い用量が、非経口投与に必要とすることがある。適用される用量は、投与される化合物の相対生体利用率および効力に基づいて調節することができる。上記の方法および当分野において周知の他の方法に基づいて、最大効力を実現するための用量の調節は、通常の当業者の能力の範囲内に十分ある。
臨床的使用に関すると、いずれの化合物も、1日あたり、対象の体重の1キログラム(kg)あたり、0.2~2,000ミリグラム(mg)の化合物に等しい量または等価な量で投与され得る。本化合物は、1日あたり、対象の体重1kgあたり、2~2,000mgの化合物に等しい用量または等価な用量で投与され得る。本化合物は、1日あたり、対象の体重1kgあたり、20~2,000mgの化合物に等しい用量または等価な用量で投与され得る。本化合物は、1日あたり、対象の体重1kgあたり、50~2,000mgの化合物に等しい用量または等価な用量で投与され得る。本化合物は、1日あたり、対象の体重1kgあたり、100~2,000mgの化合物に等しい用量または等価な用量で投与され得る。本化合物は、1日あたり、対象の体重1kgあたり、200~2,000mgの化合物に等しい用量または等価な用量で投与され得る。化合物の前駆体またはプロドラッグが、投与されることになる場合、該化合物の上記の量を送達するのに等価な量、すなわち十分な量で投与される。
化合物の製剤は、治療有効量でヒト対象に投与され得る。典型的な用量範囲は、1日あたり体重1kgあたり、約0.01マイクログラム~約2mgである。投与される薬物の投与量は、障害のタイプおよび程度、特定の対象の総合的な健康状態、投与される具体的な化合物、化合物を製剤化するために使用される賦形剤、およびその投与経路などの変数に依存する可能性が高い。常套的な実験を使用して、任意の特定の化合物に関する用量および投与頻度を最適化することができる。
本化合物は、約0.001マイクログラム/kg~約500mg/kg超の範囲の濃度で投与され得る。例えば、濃度は、0.001マイクログラム/kg、0.01マイクログラム/kg、0.05マイクログラム/kg、0.1マイクログラム/kg、0.5マイクログラム/kg、1.0マイクログラム/kg、10.0マイクログラム/kg、50.0マイクログラム/kg、100.0マイクログラム/kg、500マイクログラム/kg、1.0mg/kg、5.0mg/kg、10.0mg/kg、15.0mg/kg、20.0mg/kg、25.0mg/kg、30.0mg/kg、35.0mg/kg、40.0mg/kg、45.0mg/kg、50.0mg/kg、60.0mg/kg、70.0mg/kg、80.0mg/kg、90.0mg/kg、100.0mg/kg、150.0mg/kg、200.0mg/kg、250.0mg/kg、300.0mg/kg、350.0mg/kg、400.0mg/kg、450.0mg/kg、約500.0mg/kg超まで、またはそれらのいずれかの増分値であってもよい。これらの値および範囲の間のすべての値ならびに範囲が包含されることが意図されることを理解すべきである。
本化合物は、約0.2ミリグラム/kg/日~約100mg/kg/日超の範囲の投与量で投与することができる。例えば、投与量は、0.2mg/kg/日~100mg/kg/日、0.2mg/kg/日~50mg/kg/日、0.2mg/kg/日~25mg/kg/日、0.2mg/kg/日~10mg/kg/日、0.2mg/kg/日~7.5mg/kg/日、0.2mg/kg/日~5mg/kg/日、0.25mg/kg/日~100mg/kg/日、0.25mg/kg/日~50mg/kg/日、0.25mg/kg/日~25mg/kg/日、0.25mg/kg/日~10mg/kg/日、0.25mg/kg/日~7.5mg/kg/日、0.25mg/kg/日~5mg/kg/日、0.5mg/kg/日~50mg/kg/日、0.5mg/kg/日~25mg/kg/日、0.5mg/kg/日~20mg/kg/日、0.5mg/kg/日~15mg/kg/日、0.5mg/kg/日~10mg/kg/日、0.5mg/kg/日~7.5mg/kg/日、0.5mg/kg/日~5mg/kg/日、0.75mg/kg/日~50mg/kg/日、0.75mg/kg/日~25mg/kg/日、0.75mg/kg/日~20mg/kg/日、0.75mg/kg/日~15mg/kg/日、0.75mg/kg/日~10mg/kg/日、0.75mg/kg/日~7.5mg/kg/日、0.75mg/kg/日~5mg/kg/日、1.0mg/kg/日~50mg/kg/日、1.0mg/kg/日~25mg/kg/日、1.0mg/kg/日~20mg/kg/日、1.0mg/kg/日~15mg/kg/日、1.0mg/kg/日~10mg/kg/日、1.0mg/kg/日~7.5mg/kg/日、1.0mg/kg/日~5mg/kg/日、2mg/kg/日~50mg/kg/日、2mg/kg/日~25mg/kg/日、2mg/kg/日~20mg/kg/日、2mg/kg/日~15mg/kg/日、2mg/kg/日~10mg/kg/日、2mg/kg/日~7.5mg/kg/日、または2mg/kg/日~5mg/kg/日であってもよい。
本化合物は、約0.25ミリグラム/kg/日~約25mg/kg/日の範囲の投与量で投与することができる。例えば、投与量は、0.25mg/kg/日、0.5mg/kg/日、0.75mg/kg/日、1.0mg/kg/日、1.25mg/kg/日、1.5mg/kg/日、1.75mg/kg/日、2.0mg/kg/日、2.25mg/kg/日、2.5mg/kg/日、2.75mg/kg/日、3.0mg/kg/日、3.25mg/kg/日、3.5mg/kg/日、3.75mg/kg/日、4.0mg/kg/日、4.25mg/kg/日、4.5mg/kg/日、4.75mg/kg/日、5mg/kg/日、5.5mg/kg/日、6.0mg/kg/日、6.5mg/kg/日、7.0mg/kg/日、7.5mg/kg/日、8.0mg/kg/日、8.5mg/kg/日、9.0mg/kg/日、9.5mg/kg/日、10mg/kg/日、11mg/kg/日、12mg/kg/日、13mg/kg/日、14mg/kg/日、15mg/kg/日、16mg/kg/日、17mg/kg/日、18mg/kg/日、19mg/kg/日、20mg/kg/日、21mg/kg/日、22mg/kg/日、23mg/kg/日、24mg/kg/日、25mg/kg/日、26mg/kg/日、27mg/kg/日、28mg/kg/日、29mg/kg/日、30mg/kg/日、31mg/kg/日、32mg/kg/日、33mg/kg/日、34mg/kg/日、35mg/kg/日、36mg/kg/日、37mg/kg/日、38mg/kg/日、39mg/kg/日、40mg/kg/日、41mg/kg/日、42mg/kg/日、43mg/kg/日、44mg/kg/日、45mg/kg/日、46mg/kg/日、47mg/kg/日、48mg/kg/日、49mg/kg/日、または50mg/kg/日であってもよい。
本化合物またはその前駆体は、0.01マイクロモル濃度から500マイクロモル濃度以上までの範囲の濃度で投与することができる。例えば、用量は、0.01マイクロモル濃度、0.02マイクロモル濃度、0.05マイクロモル濃度、0.1マイクロモル濃度、0.15マイクロモル濃度、0.2マイクロモル濃度、0.5マイクロモル濃度、0.7マイクロモル濃度、1.0マイクロモル濃度、3.0マイクロモル濃度、5.0マイクロモル濃度、7.0マイクロモル濃度、10.0マイクロモル濃度、15.0マイクロモル濃度、20.0マイクロモル濃度、25.0マイクロモル濃度、30.0マイクロモル濃度、35.0マイクロモル濃度、40.0マイクロモル濃度、45.0マイクロモル濃度、50.0マイクロモル濃度、60.0マイクロモル濃度、70.0マイクロモル濃度、80.0マイクロモル濃度、90.0マイクロモル濃度、100.0マイクロモル濃度、150.0マイクロモル濃度、200.0マイクロモル濃度、250.0マイクロモル濃度、300.0マイクロモル濃度、350.0マイクロモル濃度、400.0マイクロモル濃度、450.0マイクロモル濃度、約500.0マイクロモル超まで、またはそれらのいずれかの増分値であってもよい。これらの値および範囲の間のすべての値ならびに範囲が包含されることが意図されることを理解すべきである。
本化合物またはその前駆体は、0.10マイクログラム/mL~500.0マイクログラム/mLの範囲の濃度で投与することができる。例えば、濃度は、0.10マイクログラム/mL、0.50マイクログラム/mL、1マイクログラム/mL、2.0マイクログラム/mL、5.0マイクログラム/mL、10.0マイクログラム/mL、20マイクログラム/mL、25マイクログラム/mL、30マイクログラム/mL、35マイクログラム/mL、40マイクログラム/mL、45マイクログラム/mL、50マイクログラム/mL、60.0マイクログラム/mL、70.0マイクログラム/mL、80.0マイクログラム/mL、90.0マイクログラム/mL、100.0マイクログラム/mL、150.0マイクログラム/mL、200.0マイクログラム/mL、250.0g/mL、250.0マイクログラム/mL、300.0マイクログラム/mL、350.0マイクログラム/mL、400.0マイクログラム/mL、450.0マイクログラム/mL、約500.0マイクログラム/mL超まで、またはそれらのいずれかの増分値であってもよい。これらの値および範囲の間のすべての値ならびに範囲が包含されることが意図されることを理解すべきである。
製剤は、薬学的に許容される溶液中で投与されることができ、この溶液は、薬学的に許容される濃度の塩、緩衝化剤、保存剤、適合性担体、アジュバント、および場合により他の治療的成分を常套的に含有することができる。治療法に使用するため、化合物を所望の表面に送達する任意の様式によって、有効量の化合物を対象に投与することができる。医薬組成物の投与は、当業者に公知の任意の手段によって行うことができる。投与経路には、以下に限定されないが、静脈内、筋肉内、腹腔内、膀胱内(膀胱)、経口、皮下、直接注射(例えば、腫瘍または膿瘍内)、粘膜(例えば、眼への局所)、吸入および局所が含まれる。
静脈内および他の非経口投与経路の場合、化合物は、凍結乾燥調製物として、リポソームにインターカレートしたまたはカプセル封入した活性化合物の凍結乾燥調製物として、水性懸濁液中の脂質複合体として、または塩の複合体として製剤化することができる。凍結乾燥製剤は、投与の直前に、好適な水溶液中、例えば、滅菌水または生理食塩水中で、一般に再構成される。
経口投与の場合、本化合物は、活性化合物を当分野で周知の薬学的に許容される担体と一緒にすることによって容易に製剤化することができる。このような担体により、処置される対象によって経口摂取するための、錠剤、丸剤、ドラジェ剤、カプセル剤、液体剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁液剤などとして、本化合物を製剤化することが可能になる。経口使用向けの医薬調製物は、得られた混合物を場合により摩砕し、所望の場合、好適な補助剤を添加した後に、顆粒の混合物を加工することによって固体賦形剤として得られ、錠剤またはドラジェ剤のコアを得ることができる。好適な賦形剤は、特に、ラクトース、スクロース、マンニトールまたはソルビトールを含む糖;例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、バレイショデンプン、ゼラチン、トラガカントガム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル-セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース調製物、および/またはポリビニルピロリドン(PVP)などの充填剤である。所望の場合、架橋PVP、寒天もしくはアルギン酸、またはアルギン酸ナトリウムなどのその塩などの崩壊剤を添加することができる。場合により、経口用製剤は、生理食塩水、または内部酸性状態を中和するための緩衝液、例えばEDTA中で製剤化することもできるか、またはいずれの担体も使用せずに投与することができる。
同様に、化合物の経口剤形が企図される。本化合物は、化学修飾され得、その結果、誘導体の経口送達が効果的である。一般に、企図される化学修飾は、化合物自体への少なくとも1つの部分の結合であり、この場合、前記部分は、(a)酸加水分解の阻害、および(b)胃または腸からの血流への摂取を可能にする。同様に、化合物の総合的な安定性の増大、および身体における循環時間の増大が望ましい。このような部分の例には、ポリエチレングリコール、エチレングリコールとプロピレングリコールとのコポリマー、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、PVPおよびポリプロリンが含まれる。Abuchowski and Davis, "Soluble Polymer-Enzyme Adducts," In: Enzymes as Drugs, Hocenberg and Roberts, eds., Wiley-Interscience, New York, N.Y., pp. 367-383 (1981); Newmark et al., J Appl Biochem 4:185-189 (1982)。使用することができる他のポリマーは、ポリ-1,3-ジオキソランおよびポリ-1,3,6-チオキソカンである。医薬品使用の場合、上で示した通り、ポリエチレングリコール部分が好適である。
本明細書の化合物の放出場所は、胃、小腸(例えば、十二指腸、空腸または回腸)または大腸であってもよい。当業者は、利用可能な製剤を有しており、これは、胃には溶解しないが、十二指腸中、または腸のどこかで、物質を放出する。この放出は、本化合物の保護、または腸内などの、胃環境を超えてから化合物を放出することのどちらかによって、胃環境の悪影響を回避することができる。
胃での完全な耐性を確実にするため、少なくともpH5.0に対して非透過性となるコーティングが必須である。腸溶コーティングとして使用される、より一般的な不活性成分の例は、トリメリト酸酢酸セルロース(CAT)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、HPMCP50、HPMCP55、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、Eudragit L30D、Aquateric、酢酸フタル酸セルロース(CAP)、Eudragit L、Eudragit Sおよびシェラックである。これらコーティング剤は、混合フィルムとして使用することができる。
コーティング剤、またはコーティング剤の混合物もまた、錠剤表面に使用することができ、これは、胃に対する保護を意図するものではない。これは、糖コーティング剤、または錠剤の嚥下を容易にするコーティング剤を含むことができる。カプセル剤は、乾燥治療剤(例えば、粉末)の送達の場合、硬質シェル(ゼラチンなど)からなることができ、液状形態の場合、軟質ゼラチンシェルを使用することができる。カシェ剤のシェル材料は、厚いデンプン紙または他の可食紙であってもよい。丸剤、ロゼンジ剤、成形錠剤または粉薬錠剤の場合、モイストマッシング技法を使用することができる。
治療剤は、顆粒剤の形態の微細マルチパーティクル、または約1mmの粒子サイズのペレットとして製剤に含ませることができる。カプセル剤投与のための物質の製剤はまた、粉末の軽度に圧縮したプラグ、またはさらには錠剤であってもよい。治療剤は、圧縮によって調製することができる。
着香剤および着色剤のすべてが含まれてもよい。例えば、本化合物を製剤化し(リポソームまたはマイクロスフィアカプセル封入などによる)、次に、着色剤および着香剤を含有する冷却飲料などの可食製品内にさらに含ませることができる。
不活性物質を用いて、治療剤の体積を希釈するか、または増大させてもよい。これらの希釈剤は、炭水化物、とりわけマンニトール、a-ラクトース、無水ラクトース、セルロース、スクロース、修飾デキストランおよびデンプンを含むことができる。三リン酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよび塩化ナトリウムを含めた、ある特定の無機塩を充填剤として使用することもできる。いくつかの市販の希釈剤は、Fast-Flo、Emdex、STA-Rx1500、EmcompressおよびAvicellである。
崩壊剤は、治療剤の製剤において、固形剤形に含ませることができる。崩壊剤(disintegrate)として使用される物質は、以下に限定されないが、デンプンに基づく市販の崩壊剤であるExplotabを含めたデンプンを含む。デンプングリコール酸ナトリウム、アンバーライト、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ウルトラアミロペクチン(ultramylopectin)、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、オレンジピール、酸性カルボキシメチルセルロース、海綿およびベントナイトのすべてが使用され得る。崩壊剤の別の形態は、不溶性陽イオン交換樹脂である。粉末化ガムは、崩壊剤および結合剤として使用することができ、これらは、寒天、カラヤまたはトラガカントなどの粉末ガムを含むことができる。アルギン酸およびそのナトリウム塩もまた、崩壊剤としてやはり有用である。
結合剤は、治療剤をまとめるために使用されて、硬質錠剤を形成することができ、アカシア、トラガカント、デンプンおよびゼラチンなどの天然生成物に由来する物質を含む。他のものには、メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)が含まれる。PVPおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)はどちらも、アルコール溶液中で使用されて、治療剤を造粒することができる。
抗摩擦剤を治療剤の製剤に含ませて、製剤化プロセスの間の付着を防止することができる。治療剤とダイ壁との間の層として、滑沢剤を使用することができ、これらは、以下に限定されないが、マグネシウム塩およびカルシウム塩を含むステアリン酸、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、流動パラフィン、植物油およびワックスを含むことができる。ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、様々な分子量のポリエチレングリコール、Carbowax4000および6000などの可溶性滑沢剤もまた使用することができる。
製剤化中の薬物の流動特性を改善することができ、圧縮中の再配置を補助することができる流動促進剤を添加することができる。流動促進剤は、デンプン、タルク、焼成シリカおよび水和ケイアルミン酸塩を含むことができる。
水性環境への治療剤の溶出を補助するため、界面活性剤を湿潤剤として添加することができる。界面活性剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルナトリウムスルホスクシネートおよびジオクチルスルホン酸ナトリウムなどの陰イオン性洗剤を含むことができる。使用することができる陽イオン性洗剤は、塩化ベンザルコニウムおよび塩化ベンゼトニウムを含む。界面活性剤として製剤中に含まれ得る、潜在的に非イオン性の洗剤は、ラウロマクロゴール400、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油10、50および60、モノステアリン酸グリセロール、ポリソルベート40、60、65および80、スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロースならびにカルボキシメチルセルロースを含む。これらの界面活性剤は、単独で、または異なる比の混合物としてのどちらかで、本化合物またはその誘導体の製剤中に存在することができる。
経口的に使用され得る医薬調製物は、ゼラチンから作製されたプッシュフィット式カプセル剤、ならびにゼラチンとグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤とから作製された軟質の密封カプセル剤を含む。プッシュフィット式カプセル剤は、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤、および/またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、ならびに場合により安定剤との混合物中に活性成分を含有することができる。軟質カプセル剤では、活性化合物を、脂肪油、流動パラフィンまたは液体ポリエチレングリコールなどの好適な液体中に溶解または懸濁させることができる。さらに、安定剤が添加され得る。経口投与向けに製剤化されたマイクロスフィアも使用することができる。このようなマイクロスフィアは、当分野において十分に定義されている。経口投与向けの製剤はすべて、このような投与に好適な投与量にあるべきである。
口腔投与に関すると、本組成物は、慣用的に製剤化された錠剤またはロゼンジ剤の形態をとることができる。
局所投与の場合、化合物は、当分野において周知の溶液剤、ゲル剤、軟膏剤、クリーム剤、懸濁液剤などとして製剤化することができる。全身用製剤には、注射、例えば皮下、静脈内、筋肉内、鞘内または腹腔内注射によって投与するよう設計されているもの、および経皮、経粘膜、経口または肺投与するよう設計されているものが含まれる。
吸入による投与の場合、化合物は、好適な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の好適なガスの使用と共に、加圧パックまたはネブライザーからのエアロゾルスプレー供給物の形態で都合よく送達され得る。加圧エアロゾルの場合、投与量単位は、計量した量を送達するための弁を設けることにより決定することができる。吸入器または吸送器において使用するための、化合物の粉末ミックス、およびラクトースまたはデンプンなどの好適な粉末基剤を含有する、例えば、ゼラチンのカプセル剤およびカートリッジが製剤化され得る。
同様に、化合物(またはその塩)の肺送達が企図される。化合物は、吸入している間に、哺乳動物の肺に送達され、肺の上皮被覆を通り血流に入る。吸入された分子の別の報告には、Adjei et al., Pharm Res 7:565-569 (1990); Adjei et al., Int J Pharmaceutics 63:135-144 (1990)(リュープロリド酢酸塩);Braquet et al., J Cardiovasc Pharmacol 13(suppl. 5):143-146 (1989)(エンドセリン-1);Hubbard et al., Annal Int Med 3:206-212 (1989)(a1-抗トリプシン);Smith et al., 1989, J Clin Invest 84:1145-1146(a-1-プロテイナーゼ);Oswein et al., 1990, "Aerosolization of Proteins," Proceedings of Symposium on Respiratory Drug Delivery II, Keystone, Colorado, March(組換えヒト成長ホルモン);Debs et al., 1988, J Immunol 140:3482-3488(インターフェロン-ガンマおよび腫瘍壊死因子アルファ)およびPlatzら、米国特許第5,284,656号(顆粒球コロニー刺激因子;参照により本明細書に組み込まれている)が挙げられる。全身作用のための薬物の肺送達の方法および組成物は、Wongらの1995年9月19日に交付された米国特許第5,451,569号に記載されている(これに関するその開示に関しては、参照により本明細書において具体的に組み込まれている)。
以下に限定されないが、ネブライザー、用量計量式吸入器および粉末吸入器を含めた、治療生成物を肺送達するよう設計されている幅広い範囲の機械装置の使用が企図されており、上記のすべてが、当業者によく知られている。
医薬組成物の鼻腔送達も企図されている。鼻腔送達により、肺における治療生成物の堆積を必要とすることなく、鼻に生成物を投与した後に、医薬組成物が血流に直接、入ることが可能となる。鼻腔送達のための製剤は、デキストランまたはシクロデキストランを含むものを含む。
化合物は、これらを全身的に送達することが望ましい場合、注射による、例えばボーラス注射または連続注入による非経口投与向けに製剤化することができる。注射用製剤は、単位剤形で、例えば、アンプルで、または保存剤の添加された反復用量用容器中で供給され得る。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液剤、溶液剤またはエマルション剤などの形態をとることができ、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤などの調剤用作用剤を含有することができる。
非経口投与向け医薬製剤は、水溶性形態の活性化合物の水溶液を含む。さらに、活性化合物の懸濁液剤を、適切な油性注射用懸濁液剤として調製することができる。好適な親油性溶媒またはビヒクルには、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが含まれる。注射用水性懸濁液は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストランなどの懸濁液の粘度を増大させる物質を含むことができる。場合により、懸濁液はまた、非常に高濃度の溶液の調製が可能となるよう、化合物の溶解度を向上させる、好適な安定剤または作用剤を含有することができる。
代替的に、活性化合物は、使用前に、好適なビヒクル、例えば、滅菌発熱物質不含水を用いて構成するための粉末形態にあることができる。
化合物はまた、例えば、カカオ脂または他のグリセリドなどの慣用的な坐剤用基剤を含有する、坐剤または滞留浣腸などの直腸用または膣用組成物中に製剤化され得る。
上記の製剤に加えて、化合物はまた、デポ調製物として製剤化され得る。このような長期間作用型製剤は、好適なポリマー物質または疎水性物質(例えば、許容可能な油中のエマルションとして)、もしくはイオン交換樹脂と共に、またはやや溶解性に乏しい誘導体として、例えば、やや溶解性に乏しい塩として、製剤化され得る。
医薬組成物はまた、好適な固相担体またはゲル相担体または賦形剤を含むことができる。このような担体または賦形剤の例には、以下に限定されないが、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、様々な糖、デンプン、セルロース誘導体、ゼラチンおよびポリエチレングリコールなどのポリマーが含まれる。
好適な液体または固体の医薬調製物の形態は、例えば、吸入用の水性溶液剤または生理食塩水溶液剤である、マイクロカプセル封入される、コヒレートされる(encochleate)、微細金粒子にコーティングされている、リポソームに含有されている、噴霧されている、エアロゾルである、皮膚に埋め込むためにペレットである、または皮膚に擦り込むために鋭利な物体上で乾燥されている。医薬組成物はまた、顆粒剤、散剤、錠剤、コーティング錠剤、(マイクロ)カプセル剤、坐剤、シロップ剤、エマルション剤、懸濁液剤、クリーム剤、滴剤、または活性化合物の持続放出を伴う調製物であって、その調製物中に、崩壊剤、結合剤、コーティング剤、膨潤剤、滑沢剤、着香料、甘味剤または可溶化剤などの賦形剤および添加物および/または補助剤が上記の通りに慣用的に使用されている上記の調製物を含む。本医薬組成物は、様々な薬物送達系に使用するのに好適である。薬物送達の方法の簡単な概説に関しては、Langer R, Science 249:1527-1533 (1990)を参照されたい。
化合物および場合により1種または複数の他の治療剤が、それ自体(無希釈)、または薬学的に許容される塩の形態で投与され得る。塩は、医薬中で使用される場合、薬学的に許容されるべきであるが、非薬学的に許容される塩が、薬学的に許容されるその塩を調製するために都合よく使用されることがある。このような塩には、以下に限定されないが、以下の酸:塩化水素、臭化水素、硫酸、硝酸、リン酸、マレイン酸、酢酸、サリチル酸、p-トルエンスルホン酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、マロン酸、コハク酸、ナフタレン-2-スルホン酸およびベンゼンスルホン酸から調製されるものが含まれる。同様に、このような塩は、カルボン酸基のナトリウム、カリウムまたはカルシウムの塩などの、アルカリ金属塩またはアルカリ土類塩として調製することができる。
好適な緩衝化剤には、酢酸と塩(1~2%w/v);クエン酸と塩(1~3%w/v);ホウ酸と塩(0.5~2.5%w/v);およびリン酸と塩(0.8~2%w/v)が含まれる。好適な保存剤には、塩化ベンザルコニウム(0.003~0.03%w/v);クロロブタノール(0.3~0.9%w/v);パラベン(0.01~0.25%w/v)およびチメロサール(0.004~0.02%w/v)が含まれる。
医薬組成物は、有効量の本明細書に記載されている化合物、および場合により薬学的に許容される担体に含まれる1種または複数の他の治療剤を含有する。用語「薬学的に許容される担体」は、ヒトまたは他の脊椎動物への投与に好適な、1種または複数の適合可能な固体もしくは液体の充填剤、希釈剤または封入用物質を意味する。用語「担体」は、活性成分を一緒にして施用を促す、天然もしくは合成の有機成分または無機成分を表す。医薬組成物の構成成分はまた、所望の医薬有効性を実質的に損なうと思われる相互作用が存在しないよう、化合物と、および相互に混合され得る。
具体的には、以下に限定されないが、化合物を含めた治療剤が、粒子中で供給され得る。「粒子」は、本明細書において使用する場合、本明細書に記載されている化合物または他の治療剤の全部または一部からなることができる、ナノ粒子またはマイクロ粒子(または、一部の例では、より大きな粒子)を意味する。粒子は、以下に限定されないが、腸溶コーティングを含めた、コーティング剤によって取り囲まれたコア中に治療剤を含有することができる。治療剤はまた、粒子全体に分散され得る。治療剤はまた、粒子に吸着され得る。粒子は、ゼロ次放出、一次放出、二次放出、遅延放出、持続放出、即時放出、およびそれらの任意の組合せなどを含む、任意の次数の放出速度になり得る。粒子は、治療剤に加え、以下に限定されないが、可食性物質、非可食性物質、生分解性物質もしくは非生分解性物質、またはそれらの組合せを含めた、調剤および医薬の分野に常套的に使用される物質のいずれかを含むことができる。粒子は、溶液または半固体状態の化合物を含有するマイクロカプセルであってもよい。粒子は、実質的に任意の形状であってもよい。
非生分解性ポリマー物質および生分解性ポリマー物質の両方が、治療剤を送達するための粒子の製造に使用することができる。このようなポリマーは、天然ポリマーまたは合成ポリマーであってもよい。ポリマーは、放出が望まれる期間に基づいて選択される。特に関心の高い生体粘着性ポリマーは、その教示が参照により本明細書に具体的に組み込まれている、Sawhney et al., Macromolecules 26:581-587 (1993)に記載されている、生体内分解性ヒドロゲルを含む。これらには、ポリヒアルロン酸、カゼイン、ゼラチン、グルチン、ポリ無水物、ポリアクリル酸、アルギネート、キトサン、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(ブチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(ヘキシルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸イソデシル)、ポリ(メタクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸フェニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸イソプロピル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)およびポリ(アクリル酸オクタデシル)が含まれる。
治療剤は、制御放出系に含有され得る。用語「制御放出」は、製剤からの薬物放出の様式およびプロファイルが制御されている、任意の薬物含有製剤を指すことが意図される。これは、即時放出製剤および非即時放出製剤を指し、非即時放出製剤は、以下に限定されないが、持続放出製剤および遅延放出製剤を含む。用語「持続放出」(「徐放」とも称される)は、長期間にわたる薬物の段階的な放出を実現し、長期間にわたり、薬物の血中レベルを実質的に一定にすることができる、薬物製剤を指すために、その慣用的な意味で使用される。用語「遅延放出」は、薬物製剤の投与とこれからの薬物の放出との間に遅延時間が存在する、薬物製剤を指すために、その慣用的な意味で使用される。「遅延放出」は、長期間にわたり薬物を徐々に放出することを含むことがあるか、または含まないことがあり、したがって、「持続放出」であることがあるか、または「持続放出」ではないことがある。
慢性状態の処置には、長期の持続放出性インプラントの使用が特に好適となり得る。「長期の」放出は、本明細書において使用する場合、インプラントは、少なくとも7日間、および最大で30~60日間、治療レベルの活性成分を送達するよう構成されて用意されていることを意味する。長期持続放出インプラントは、当業者に周知であり、上記の放出系のいくつかを含む。
処置方法
炎症性疾患または障害を処置する方法も提供される。炎症性疾患または障害を処置する方法は、活性化された線維芽細胞の活性をモジュレートすることによることができる。本明細書において使用する場合、用語「モジュレートする」およびその変化形は、特定の生物活性を変化させること、または改変を誘導することを意味する。モジュレートは、以下には限定されないが、例えば、シグナル伝達カスケードを開始するよう、受容体がシグナル伝達経路を伝達するのを阻害するよう受容体を活性化することによって、生物活性を弱める内在性阻害物質を活性化することによって、または特定の生物学的機能を阻害するタンパク質の活性を阻害することによって、活性を刺激または阻害することを含む。
本方法は、本明細書において提示されているいずれかの式の化合物(例えば、コンジュゲート)を投与するステップを含むことができる。本方法は、本明細書に記載されている医薬組成物のいずれかを投与するステップを含むことができる。本方法は、治療有効量の本明細書において提供されるいずれかの式の化合物(例えば、コンジュゲート)(医薬組成物の一部としてであるか、または他の方法かに関わらない)を投与するステップを含むことができる。
一部の実施形態では、炎症性疾患または障害は、クローン病、ループス、炎症性腸疾患(IBS)、アジソン病、グレーブス病、シェーグレン症候群、セリアック病、橋本甲状腺炎、重症筋無力症、自己免疫脈管炎、反応性関節炎、乾癬性関節炎、悪性貧血、潰瘍性大腸炎、関節リウマチ、1型糖尿病、多発性硬化症または線維性疾患、移植片対宿主病(GVHD)、移植拒絶、脂肪肝疾患、喘息、骨粗鬆症、サルコイドーシス、虚血-再灌流損傷、人工股関節溶解、糸球体腎炎、強皮症、自己免疫心筋炎を伴う乾癬、脊髄損傷、中枢神経系、ウイルス感染、インフルエンザ、コロナウイルス感染、サイトカインストーム症候群、骨損傷、炎症性脳疾患およびアテローム性動脈硬化からなる群から選択される。
がんを処置する方法が提供される。がんを処置する方法は、活性化された線維芽細胞の活性をモジュレートすることによることができる。本方法は、本明細書において提供されるいずれかの式の化合物(例えば、コンジュゲート)および/または本明細書において提供されるいずれかの医薬組成物を投与するステップを含むことができる。本方法は、CAF(例えば、がん患者のCAF)に本明細書において提供されているいずれかの式の化合物(例えば、コンジュゲート)を接触させるステップを含むことができる。一部の実施形態では、がんは、肺がん、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、頭部のがん、頸部のがん、皮膚黒色腫、眼内黒色腫、子宮がん、卵巣がん、子宮内膜がん、平滑筋肉腫、直腸がん、胃がん、結腸がん、乳がん、トリプルネガティブ乳がん、卵管癌、子宮内膜癌、子宮頸癌、膣癌、外陰癌、ホジキン病、食道がん、小腸がん、内分泌系のがん、甲状腺がん、副甲状腺がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、副腎がん、軟部組織肉腫、尿道がん、陰茎がん、前立腺がん、慢性白血病、急性白血病、リンパ球性リンパ腫、胸膜中皮腫、膀胱がん、バーキットリンパ腫、尿管のがん、腎臓のがん、腎細胞癌、腎盂癌、中枢神経系(CNS)の新生物、原発性CNSリンパ腫、脊髄軸椎腫瘍、脳幹神経膠腫、下垂体腺腫、胆管細胞癌、Hurthle細胞甲状腺がんおよび胃食道接合部の腺癌からなる群から選択される。一部の実施形態では、がんは、肺がん、乳がん、大腸がん、子宮頚がんおよび脳がん(例えば、膠芽腫)からなる群から選択される。
線維症を処置する方法も提供される。線維症を処置する方法は、活性化された線維芽細胞の活性をモジュレートすることによることができる。本方法は、(例えば、治療有効量の)本明細書において提供されるいずれかの式の化合物(例えば、コンジュゲート)(例えば、本明細書において提供される医薬組成物の一部として、または他の方法で)を投与するステップを含むことができる。一部の実施形態では、線維症は、肺線維症、腎線維症および肝線維症からなる群から選択される。一部の実施形態では、線維症は特発性肺線維症である。
線維症またはがんを処置する方法は、化学療法または放射線治療を対象に行うステップをさらに含むことができる。ある特定の実施形態では、線維症またはがんを処置する本方法は、(例えば、治療有効量の)本明細書において提供されているいずれかの式の化合物(例えば、コンジュゲート)(例えば、本明細書において提供される医薬組成物の一部として、または他の方法で)を単独で投与するステップを含む。ある特定の実施形態では、線維症またはがんを処置する本方法は、(例えば、治療有効量の)本明細書において提供されるいずれかの式の化合物(例えば、コンジュゲート)(例えば、本明細書において提供される医薬組成物の一部として、または他の方法で)を1種または複数の追加の治療法と組み合わせて対象に投与するステップを含む。このような追加治療法は、非限定的に、免疫療法、DNA損傷応答経路阻害剤、化学療法および/または手術を含むことができる。
がんまたは線維症を有する対象における、がんまたは線維症をイメージングする方法が提供される。ある特定の実施形態では、本方法は、対象に有効量(例えば、治療有効量)の本明細書において提供されているいずれかの化合物の化合物(例えば、コンジュゲート)(例えば、本明細書において提供される医薬組成物の一部として、または他の方法で)を投与するステップを含む。ある特定の実施形態では、本方法は、対象をイメージングするステップをさらに含む。ある特定の実施形態では、本方法は、(例えば、化合物の投与の後に、またはこれと同時に)対象におけるがんまたは線維症の画像を生成するステップをさらに含む。
同様に、光学イメージングのための組成物および方法が提供される。本組成物および方法は、蛍光ガイド手術用であってもよい。本組成物および方法は、放射線イメージング用であってもよい。
本開示はまた、磁気共鳴イメージング(MRI)用の組成物および方法に関する。
上記の方法は、それを必要とする患者に有効量のコンジュゲートA-L-Bを提供するステップであって、Aが、10,000未満の分子量を有する部分などのFAPα標的指向性部分を含み、Lが、少なくともAおよびB’との化学結合を形成することができる、1つまたは複数のリンカーを含み、B’が、光学的色素(例えば、蛍光色素)、光線力学的治療剤、放射線イメージング剤、放射線治療剤、化学治療剤、抗線維化剤、またはがん細胞、がん関連線維芽細胞、筋線維芽細胞および/もしくは他の腫瘍微小環境因子に対して有効な抗がん剤を含む、ステップを含む。
放射線イメージング剤は、磁気共鳴(MR)造影剤であってもよい。MR造影剤は、酸化鉄粒子を含むことができる。酸化鉄粒子は、ナノ粒子であってもよい。酸化鉄粒子は、常磁性粒子、超常磁性粒子(SPIO)または超小型超常磁性粒子(USPIO)であってもよい。
FAPのリガンドの親和性を改善する方法
FAPのリガンドの親和性を改善する方法も提供される。ある特定の実施形態では、FAPのリガンドの親和性(このようなリガンドは、イソインドリン足場を含む)を改善する方法は、トリアゾール部分をイソインドリンまたは分子モデリングによるリガンドの別の足場に導入し、一層高いシュレーディンガーの分子ドッキングスコアを実現し、こうして、FAPのリガンドの親和性が改善される、ステップを含む。ある特定の実施形態では、本方法は、エチルジアミノアリールトリアゾール部分をFAPリガンドに導入するステップを含むことができる。ある特定の実施形態では、本方法は、分子モデリングによってトリアゾール部分およびフェニル環をFAPリガンドに導入して、より高いシュレーディンガーの分子ドッキングスコアを実現するステップを含むことができる。
定義
特に定義されない限り、本明細書において使用される技術用語および科学用語はすべて、化学分野および生物学分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、その内容が特に明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、化合物/組成物が、「1つの」アルキルまたはアリールにより置換されている場合、化合物/組成物は、少なくとも1つのアルキルおよび/または少なくとも1つのアリールにより場合により置換されている。
用語「予防的または治療的」処置は、当分野で認識されており、本開示の1つまたは複数の化合物の患者への投与を含む。この処置は、望ましくない状態(例えば、宿主動物の疾患または他の望ましくない状態)の臨床症状の前に行われる場合、予防的(すなわち、処置は、望ましくない状態の発症から宿主を保護する)である一方、この処置は、望ましくない状態の兆候後に行われる場合、治療的(すなわち、処置は、存在する望ましくない状態もしくはその副作用を低減する、改善するまたは安定化することが意図されている)である。
用語「患者」、「個体」または「対象」とは、特定の処置を必要とする哺乳動物を指す。患者または対象は、霊長類、イヌ科、ネコ科またはウマ科であってもよい。患者または対象は、トリであってもよい。トリは、ニワトリなどの家畜化されたトリであってもよい。トリは、家禽であってもよい。患者または対象は、ヒトであってもよい。
「オキソ」とは、=Oラジカルを指す。
「アルキル」とは、1~15個の炭素原子(例えば、C~C15アルキル)を有するなどの、炭素原子および水素原子だけからなる、直鎖状または分岐状炭化水素鎖ラジカルを一般に指す。本明細書において提供されている「アルキル」という開示は、特に明記しない限り、飽和「アルキル」の独立した列挙を含むことが意図される。アルキルは、1~13個の炭素原子(例えば、C~C13アルキル)を含むことができる。アルキルは、1~8個の炭素原子(例えば、C~Cアルキル)を含むことができる。アルキルは、1~5個の炭素原子(例えば、C~Cアルキル)を含むことができる。アルキルは、1~4個の炭素原子(例えば、C~Cアルキル)を含むことができる。アルキルは、1~3個の炭素原子(例えば、C~Cアルキル)を含むことができる。アルキルは、1~2個の炭素原子(例えば、C~Cアルキル)を含むことができる。アルキルは、1個の炭素原子(例えば、Cアルキル)を含むことができる。アルキルは、5~15個の炭素原子(例えば、C~C15アルキル)を含むことができる。アルキルは、5~8個の炭素原子(例えば、C~Cアルキル)を含むことができる。アルキルは、2~5個の炭素原子(例えば、C~Cアルキル)を含むことができる。アルキルは、3~5個の炭素原子(例えば、C~Cアルキル)を含むことができる。他の実施形態では、アルキル基は、メチル、エチル、1-プロピル(n-プロピル)、1-メチルエチル(イソ-プロピル)、1-ブチル(n-ブチル)、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソ-ブチル)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)、1-ペンチル(n-ペンチル)から選択される。アルキルは、単結合によって分子の残りに結合している。
「アルコキシ」とは、式-O-アルキルの酸素原子を介して結合したラジカルであって、アルキルが上で定義したアルキル鎖である、ラジカルを指す。
「アルキレン」または「アルキレン鎖」とは、1~12個の炭素原子を有するなどの、分子の残りをラジカル基に連結させる直鎖または分岐の二価アルキル基、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、i-プロピレン、n-ブチレンなどを一般に指す。
「アリール」とは、環炭素原子から水素原子を除去することによって、芳香族単環式または多環式炭化水素環系から誘導されるラジカルを指す。芳香族単環式または多環式炭化水素環系は、水素、および5~18個の炭素原子の炭素だけを含有し、この場合、環系中の環の少なくとも1つが完全な不飽和である、すなわち、それは、Huckel理論に従う、環式の非局在化されている(4n+2)π電子系を含有する。アリール基が誘導される環系には、以下に限定されないが、ベンゼン、フルオレン、インダン、インデン、テトラリンおよびナフタレンなどの基が含まれる。
「アラルキル」または「アリール-アルキル」とは、式-R-アリールのラジカルであって、Rが、上で定義されているアルキレン鎖、例えば、メチレン、エチレンなどである、ラジカルを指す。アラルキルラジカルのアルキレン鎖部分は、アルキレン鎖に関して、上で記載されている通り、場合により置換されている。
「カルボシクリル」または「シクロアルキル」は、炭素原子および水素原子だけからなる、安定な非芳香族単環式または多環式炭化水素ラジカルを指し、これは、3~15個の炭素原子を有する、縮合または架橋環系を含む。カルボシクリルは、3~10個の炭素原子を含むことができる。カルボシクリルは、5~7個の炭素原子を含むことができる。カルボシクリルは、単結合によって分子の残りに結合している。カルボシクリルまたはシクロアルキルは飽和である(すなわち、C-C単結合しか含有しない)か、または不飽和(すなわち、1つもしくは複数の二重結合または三重結合を含有する)である。飽和シクロアルキルの例には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが含まれる。不飽和カルボシクリルはまた、「シクロアルケニル」とも称される。単環式シクロアルケニルの例には、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルおよびシクロオクテニルが含まれる。多環式カルボシクリルラジカルには、例えば、アダマンチル、ノルボルニル(すなわち、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル)、ノルボルネニル、デカリニル、7,7-ジメチル-ビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどが含まれる。
「カルボシクリルアルキル」とは、式-R-カルボシクリルのラジカルであって、Rが上で定義したアルキレン鎖である、ラジカルを指す。
「キレート基」または「キレート基」とは、本明細書において使用する場合、キレート基上の2つ以上の結合部位を使用することによって、複数の結合相互作用を伴って中心金属原子に結合し得る多座化学基を指す。キレート基と金属原子の組合せ物が、キレートである。キレート基と金属原子との結合は、非共有結合性相互作用または結合によるものとするとができる。一部の実施形態では、キレート基の金属原子への結合は、複数の配位結合による。キレート基は、以下に限定されないが、DOTA、NOTAおよびEDTAを含む。
「放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な金属」または「放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体」は、以下に限定されないが、18F、32P、44Sc、47Sc、52Mn、55Co、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、86Y、89Sr、89Zr、90Y、99mTc、111In、114mIn、117mSn、124I、125I、131I、149Tb、153Sm、152Tb、155Tb、161Tb、169Er、177Lu、186Re、188Re、211At、212Pb、212Bi、213Bi、223Ra、224Ra、225Ab、225Acおよび227Thが含まれる。一部の実施形態では、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な金属(または同位体)は、177Luである。一部の実施形態では、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な金属(または同位体)は、111Inである。
「ハロ」または「ハロゲン」とは、ブロモ、クロロ、フルオロまたはヨード置換基を指す。
「ハロアルキル」とは、上で定義した1つまたは複数のハロゲンラジカルにより置換されている、上で定義したアルキルラジカル、例えば、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1-フルオロメチル-2-フルオロエチルなどを指す。
用語「ヘテロアルキル」とは、上で定義したアルキル基であって、アルキルの1個または複数の骨格炭素原子がヘテロ原子により置換されている、アルキル基を指す(適切な数の置換基または価数を有する。例えば、-CH-は、-NH-または-O-によって置き換えられることができる)。例えば、置換された炭素原子はそれぞれ、炭素が、窒素、酸素、セレンまたは他の好適なヘテロ原子により置換されているなどの、ヘテロ原子によって独立して、置換されている。一部の例では、置換された炭素原子はそれぞれ、酸素、窒素(例えば、-NH-、-N(アルキル)-もしくは-N(アリール)-、または本明細書において企図されている別の置換基を有する)、または硫黄(例えば、-S-、-S(=O)-または-S(=O)-)に独立して置換されている。ヘテロアルキルは、ヘテロアルキルの炭素原子において、分子の残りに結合している。ヘテロアルキルは、ヘテロアルキルのヘテロ原子において、分子の残りに結合している。ヘテロアルキルは、C~C18ヘテロアルキルである。ヘテロアルキルは、C~C12ヘテロアルキルである。ヘテロアルキルは、C~Cヘテロアルキルである。ヘテロアルキルは、C~Cヘテロアルキルである。ヘテロアルキルは、本明細書において定義されている、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルキルアミノ、アルキルアミノアルキル、アミノアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルアルキルを含むことができる。
「ヘテロアルキレン」とは、分子の1つの部分を分子の別の部分に連結する、上で定義した二価ヘテロアルキル基を指す。
「ヘテロシクリル」は、2~12個の炭素原子、ならびに窒素、酸素および硫黄から選択される1~6個のヘテロ原子を含むことができる、安定な3~18員の非芳香族環ラジカルを指す。本明細書において特に具体的に明記しない限り、ヘテロシクリルラジカルは、単環式環系、二環式環系、三環式環系または四環式環系であり、これらは、場合により、芳香族環系、縮合環系および/または架橋環系を含む。ヘテロシクリルラジカル中のヘテロ原子は、場合により酸化されている。ヘテロシクリルラジカルは、部分飽和または完全飽和である。本明細書において提供されている「ヘテロシクリル」という開示は、特に明記しない限り、芳香族および非芳香族環構造を含む、ヘテロシクリルの独立した列挙を含むことが意図されている。ヘテロシクリルは、環の任意の原子を介して分子の残りに結合している。このようなヘテロシクリルラジカルの例には、以下に限定されないが、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、1,3-ベンゾジオキソリル、1,4-ベンゾジオキサニル、テトラヒドロキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、5,6,7,8-テトラヒドロベンゾ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-シクロヘプタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6,7,8-テトラヒドロピリド[4,5-c]ピリダジニル、インドリニル、イソインドリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2-オキソピペラジニル、2-オキソピペリジニル、2-オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4-ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1-オキソ-チオモルホリニルおよび1,1-ジオキソ-チオモルホリニルが含まれる。
「N-ヘテロシクリル」または「N結合ヘテロシクリル」とは、少なくとも1個の窒素を含有する、上で定義したヘテロシクリルラジカルを指し、ヘテロシクリルラジカルの分子の残りへの結合点は、ヘテロシクリルラジカル中の窒素原子を介する。このようなN-ヘテロシクリルラジカルの例には、以下に限定されないが、1-モルホリニル、1-ピペリジニル、1-ピペラジニル、1-ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニルおよびイミダゾリジニルが含まれる。
「ヘテロアリール」は、2~17個の炭素原子、ならびに窒素、酸素および硫黄から選択される、1~6個のヘテロ原子を含むことができる、3~18員の芳香族環ラジカルから誘導されるラジカルを指す。本明細書において使用する場合、ヘテロアリールラジカルは、単環式環系、二環式環系、三環式環系または四環式環系であり、環系中の環の少なくとも1つが、完全な不飽和である、すなわち、それは、Huckel理論に従う、環式の非局在化されている(4n+2)π電子系を含む。ヘテロアリールは、縮合環系または架橋環系を含む。ヘテロアリールラジカル中のヘテロ原子は、場合により酸化されている。1個または複数の窒素原子は、存在する場合、場合により四級化されている。ヘテロアリールは、環の任意の原子を介して分子の残りに結合している。ヘテロアリールの例には、以下に限定されないが、アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾチエノ[3,2-d]ピリミジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、シクロペンタ[d]ピリミジニル、6,7-ジヒドロ-5H-シクロペンタ[4,5]チエノ[2,3-d]ピリミジニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、5,6-ジヒドロベンゾ[h]シンノリニル、6,7-ジヒドロ-5H-ベンゾ[6,7]シクロヘプタ[1,2-c]ピリダジニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、フロ[3,2-c]ピリジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリミジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリダジニル、5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロシクロオクタ[d]ピリジニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、5,8-メタノ-5,6,7,8-テトラヒドロキナゾリニル、ナフチリジニル、1,6-ナフチリジノニル、オキサジアゾリル、2-オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、5,6,6a,7,8,9,10,10a-オクタヒドロベンゾ[h]キナゾリニル、1-フェニル-1H-ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾロ[3,4-d]ピリミジニル、ピリジニル、ピリド[3,2-d]ピリミジニル、ピリド[3,4-d]ピリミジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、チエノ[3,2-d]ピリミジニル、チエノ[2,3-c]ピリジニル(pridinyl)およびチオフェニル(すなわち、チエニル)が含まれる。
用語「ラジカル」は、本明細書において使用する場合、分子の断片を指し、その断片は、結合形成のための自由価数を有する。一価ラジカルは、別の化学基と1つの結合を形成することができるよう、1つの自由価数を有する。別段の指定がない限り、分子のラジカル(例えば、FAPリガンドのラジカル)は、その分子から1個の水素原子を除去して、水素原子が除去された位置に1つの自由価数を有する一価ラジカルを生成することによって生成する。適切な場合、ラジカルは、二価、三価などであってもよく、2個、3個もしくはそれより多い水素原子または他の基が除去されて、2つ、3つまたはそれより多くの化学基に結合することができるラジカルを生成する。適切な場合、ラジカルの自由価数は、除去される原子がラジカルを形成する分子中の全原子の割合が小さい(原子数の20%以下)限り、水素原子以外(例えば、ハロゲン)が除去されることによって、または2個以上の原子(例えば、ヒドロキシル基)が除去されることによって生成され得る。一部の実施形態では、ラジカルは、葉酸エステル、抗葉酸剤または葉酸アナログからヒドロキシル基の除去によって形成される。
用語「放出性リンカー」は、本明細書において使用する場合、細胞外の生理的条件下で、開裂し得る少なくとも1つの開裂性結合を含むリンカーを指す(例えば、pHに不安定な結合、酸に不安定な結合、酸化的に不安定な結合、または酵素に不安定な結合)。放出性基はまた、光化学的な開裂性基を含む。光化学的な開裂性基の例には、2-(2-ニトロフェニル)-エタン-2-オール基、およびo-ニトロベンジル、デシル、trans-o-シンナモイル、m-ニトロフェニルまたはベンジルスルホニル基を含有するリンカーが含まれる(例えば、Dorman and Prestwich, Trends Biotech. 18:64-77 (2000); and Greene and Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 2nd ed., John Wiley & Sons, New York (1991)を参照されたい)。開裂性結合(単数または複数)は、開裂性リンカーの内部に、および/または開裂性リンカーの一端もしくは両端に存在することができる。結合開裂をもたらすこのような生理的条件には、例えば、生理的pHにおいて、または細胞質のpHよりも低いpHを有するエンドソームなどの細胞小器官に区画化された結果として起こる標準的な化学加水分解反応を含むことを認識すべきである。例示として、本明細書に記載されている二価リンカーは、グルタチオン媒介機構の作用などによって、他の生理的条件下または代謝的条件下で開裂を受け得る。開裂性結合の不安定性は、隣接補助とも呼ばれる、このような結合開裂を支援または促進することが可能な、二価リンカーL内の官能基または断片を含ませることによって調節することができることが理解される。開裂性結合の不安定性はまた、例えば、開裂性ジスルフィド結合に隣接するアルファ分岐部を含ませること、加水分解され得るケイ素-酸素結合を有する部分のケイ素上の置換基の疎水性を増大させること、加水分解され得るケタールまたはアセタールの部分を形成するアルコキシ基をホモロゲーションすることなどの、開裂性結合の位置またはその近傍での置換による変化によって調節することができる。さらに、さらなる官能基または断片が、放出性リンカー(存在する場合)の結合切断後に化合物のさらなる断片化を支援または促進することが可能な、二価リンカーL内に含まれてもよいことが認識される。
本明細書に記載されている組成物および方法に対する他の好適な修正および適応は、当業者に公知の情報を鑑みて、本明細書に含まれる記載から容易に明白であること、および本開示の範囲またはその実施形態のいずれかから逸脱することなく行われ得ることが当業者によって理解されよう。
本明細書に言及されている特許、特許出願公開、学術論文、教書および他の公開物はすべて、本開示が関係する当業者の技量のレベルを示す。このような公開物はすべて、個々の公開物の各々が参照により組み込まれているよう具体的かつ個別に示されているかのごとく同じ程度に、参照により本明細書に組み込まれている。
上の記載において、多数の具体的な詳細は、本開示の完全な理解をもたらすために説明されている。特定の例は、これらの具体的な詳細の一部または全部がなくても実施することができ、本開示は、特定の生物系、特定のがん、または特定の臓器もしくは組織に限定されないことを理解すべきであり、本開示は、当然ながら、様々となり得るが、本明細書に提示されているデータを鑑みると依然として適用可能である。
さらに、本開示の様々な技法および機構は、時として、2つの構成要素の間の関連性または関係性を記載する。結合した、関係した、連結した、関連したなどの語、およびそれらの屈折形態素と類似した用語は、差異が明記されていない限り、または他には文脈から明瞭にされていない場合、互換的に使用される。これらの語および表現は、必ずしも、直接的な関連性を示すわけではないが、媒介構成要素を介する関連性を含む。2つの構成要素の間の関連性は、様々な他の構成要素が、着目すべき2つの構成要素の間に存在してもよいので、必ずしも、直接的な妨げられない関連性を意味するわけではない。したがって、関連性は、特に明記しない限り、直接的な、妨げられない関連性を必ずしも意味するわけではない。
さらに、本開示は、単に説明のために、このように提示されており、本明細書に記載されている原理および実施形態は、本明細書に具体的に記載されるもの以外の構成を有する化合物および/または組成物の構成要素に適用され得ることが理解される。実際に、本開示の組成物および化合物の構成要素は、その所望の用途を促すために調節することができることが明確に企図される。
分子量などの物理特性または化学式などの化学的性質に関する範囲が、本明細書に使用されている場合、本明細書の範囲および特定の実施形態のすべての組合せおよび部分組合せが含まれることが意図されている。
さらに、用語「約」は、数または数値または範囲(例えば、整数、分数および百分率を含む)を指す場合、言及される数または数値範囲は、実験室でのばらつきの範囲内の概数であり(または、統計的実験誤差内)、したがって、数値または範囲は、明記した数または数値範囲の1%~15%の間(例えば、列挙した値の+/-5%~15%)で様々になり得ることを意味し、ただし当業者は、列挙した値に対して等価であると見なす(例えば、同じ機能または結果を有する)ことを条件とする。用語「を含む」(および、「含む(comprise)」または「含む(comprises)」または「有する(having)」または「含む(including)」などの関連用語)は、他のある特定の実施形態では、例えば、本明細書に記載されている任意の化合物、物質の組成、組成物、方法またはプロセスなどの実施形態は、記載されている特徴「からなる」ことができる、またはこれら「から実質的になる」ことができることを除外することを意図するものではない。用語「実質的に」は、値または範囲において、例えば、明記した値、または範囲の明記された境界値の90%以内、95%以内または99%以内のばらつきの程度を許容することができる。
治療の方法が、1つ超の処置、化合物または組成物を対象に行うことを含む場合、投与の順序、時機、数、濃度および分量は、その処置の医療的要件および制限によってしか限定されないことが理解されよう(すなわち、2つの処置が、例えば、同時に、連続的に、逐次に、代替的に、または任意の他のレジメンに準拠して対象に行われ得る)。
さらに、代表的な実施形態の記載に際し、本開示は、方法および/または過程をステップの特定の順序として提示してもよい。本方法または過程は、本明細書において説明されているステップの特定の順序に頼らない程度に、本方法または過程は、記載されているステップの特定の順序に限定されるべきではない。当業者が認識している通り、ステップの他の順序が可能となり得る。したがって、本明細書において開示されるステップの特定の順序は、特許請求の範囲に対する制限として解釈されるべきではない。さらに、本方法および/またはプロセスを対象とする特許請求の範囲は、記載されている順序でそれらのステップを実施することに限定されるべきではなく、当業者は、その順序は様々になり得ること、および依然として、本開示の趣旨および範囲内に留まることを容易に認識することができる。
以下の実施例は、本開示のある特定の具体的な実施形態を例示しており、特許請求されている発明の範囲を限定することを決して意図するものではない。
[実施例1A]
FAP5-カルバメート-PI3K阻害剤(PI3Ki)の合成
Figure 2024510267000250
雰囲気下、クロロギ酸4-ニトロフェニル(20mg、0.1mmol、1.0当量)をジメチルスルホキシド(DMSO)(1mL)に溶解した。次に、ジイソプロピルエチルアミン(diispropylethylamine)(DIPEA)(15.48mg、0.12mmol、1.2当量)、次いで化合物1(58.85mg、0.11mmol、1.1当量)を加えた。この混合物を30分間、維持した。出発原料が完全に消費されるまで、反応を液体クロマトグラフィー-質量分析法(LC-MS)によってモニタリングし、次に、酢酸エチル(EA)(2mL)、および3回水(3×2mL)で洗浄した。生成物を硫酸ナトリウムで乾燥して減圧下で濃縮し、溶離液としてHex/EAを用いてcombiに通して精製した。化合物2が、黄色油状物として42mgで得られた。
雰囲気下、化合物2(6.99mg、0.01mmol、1.0当量)をDMSO(1mL)に溶解し、次に、FAP5遊離アミン(5.16mg、0.01mmol、1.0当量)、次いでDIPEA(1.93mg、0.015mmol、1.5当量)を加えた。この混合物を2時間、維持した。精製後、最終化合物が、白色粉末として1.4mgで得られた。精製条件:逆相C-18カラム、ACN/NHHCO、pH=7、流量8mL/分。
[実施例1B]
様々なFAP5-PI3K阻害剤の比較
12ウェルプレートにおいて、10%ウシ胎児血清(FBS)を含むダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)に、継代番号約8の一次HLFを播種(約100,000細胞/ウェル)し、約80%のコンフルエンスを達成させた。次に、0.4%FBSを含むDMEMにおいて、細胞を24時間、飢餓させて、次いで、10ng/mLのトランスフォーミング成長因子-ベータ1(TGF-β1)によって24時間、刺激した。
刺激後、細胞をFAP5-PI3K阻害剤と共に2時間、インキュベートし、次いで、2ng/mLのTGF-β1を含有する培養培地に置き換え、24時間(図21を参照されたい)および48時間(図22を参照されたい)、インキュベートした。すべてのウェルにビヒクルとして、0.1%DMSOを加えた。
トリプシンを使用して細胞を剥がし、溶解緩衝液で溶解し、ウェスタンブロット解析を行うため、細胞に由来するタンパク質を抽出した。
図23Aおよび図23Bは、インキュベートの24時間時(図23A)およびインキュベートの48時間時(図23B)における、FAP5-PI3K阻害剤によるAktのリン酸化の阻害を比較したものを示している。pAktをtAktに正規化し、ポジティブ対照はTGF-β1だけで処置したか、または処置を行わず、ネガティブ対象は、TGF-β1なしで処置した、および処置を行わなかった。非放出性リンカーを有する化合物のうち、FAP5-カルバメート-PI3kiは、FAP5-エステル-PI3KiおよびFAP5-PI3Ki-NRよりも一貫して良好な性能を発揮した。
[実施例1C]
FAP-3000の合成
Figure 2024510267000251
イソインドリン-4-カルボン酸4-メチル塩酸塩は、PharmaBlock(Hatfield、PA)から購入した。Boc-L-ピログルタミン酸ベンジルエステルは、Accela ChemBio(San Diego、CA)から購入した。4-(p-ヨードフェニル)酪酸は、AstaTech,Inc(Bristol、PA)から購入した。NHS-エステル-PEG-NHFmocおよびプロパルギル-PEG-アミンは、BroadPharmから購入した。DOTA-NHSエステルは、Macrocyclicsから購入した。Fmoc-Lys-OHは、AAPPTec(Louisville、KY)から購入した。4,4-ジフルオロ-L-プロリンアミド塩酸塩およびHATUは、Chem-Impex International(Chicago、IL)から購入した。4-エチニル安息香酸およびモノ-Fmocエチレンジアミン塩酸塩は、AA Blocks LLC(San Diego、CA)から購入した。ジ-tert-ブチルジカーボネートは、Oakwood Chemical(Estill、SC)から購入した。10%炭素担持パラジウムは、Alfa Aesar(Haverhill、MA)から購入した。水素化ホウ素ナトリウム、N-ブロモスクシンイミド、トリフェニルホスフィン、アジ化ナトリウム、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ブロモ酢酸tert-ブチル(tert-butyl-bromoacetate)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、ピリジン、イミダゾール、塩化ホスホリル、ジエチルエーテル(either)、DIPEA、トリフルオロ酢酸(TFA)、テトラヒドロフラン(THF)、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)、メタノール(MeOH)、DMSOおよびすべての他の試薬は、Sigma-Aldrich(St.Louis、MO)から購入した。合成した分子はすべて、Waters(Milford、MA)から購入したXBridge OBD分取カラム(19×150mm、5μm)を用いるフラッシュクロマトグラフィー(CombiFlash RF、Teledyne)またはRP-HPLC(Agilent1200 Instrument)のどちらかを使用して精製した。低分解能質量分析法-液体クロマトグラフィー/質量分析法(LRMS-LC/MS)は、逆相XBridge Shield RP18カラム(3.0×50mm、3.5μm)を備えたAgilent1220 Infinity LCを用いて行った。
鍵中間体フラグメント1およびフラグメント2の合成は、文献中のどこかに報告されている。
手短に述べると、HATU(1当量)を含有する無水DMFおよび無水DIPEA(3当量)に、10分間、4-エチニル安息香酸を溶解した。モノ-Fmocエチレンジアミンを無水DMFおよびDIPEA(1.5当量)に溶解し、次に、反応混合物に加えた。得られた溶液を不活性雰囲気下、2時間、撹拌した。所望の中間体1を氷冷水で沈殿させて、次に、ろ過して真空下で乾燥した。中間体1を無水DMFに溶解し、次に、CuI(0.5当量)およびDIPEA(2.0当量)を加えた。この反応混合物を55℃まで加熱し、5時間、撹拌した。粗生成物を酢酸エチル(EtOAc)により抽出し、氷冷ブラインで洗浄し、次に、フラッシュクロマトグラフィー[A=Hex、B=EtOAc,20分間でB0%からB100%の溶媒グラジエント]によって精製すると、生成物中間体2が得られた。LC/MS(m/z):[M+H]+C4040の計算値684.8;実測値質量685。
中間体2をDCMおよびジエチルアミン(20当量)に溶解し、次に、1時間、撹拌した。LC/MS(m/z):[M+H]+C2530の計算値462.6;実測値質量463。脱保護が完了すると、生成物を回転蒸発により単離し、氷冷ジエチルエーテルで数回、洗浄し、次に、数時間、高真空に置き、この後に、これをさらに精製することなく使用した。NHSエステル-PEG6-NHFmoc(1.1当量)およびDIPEA(3当量)を加え、数時間、撹拌した。粗生成物を洗浄し、次に、フラッシュクロマトグラフィー[A=DCM、B=MeOH、25分間でB0%からB30%の溶媒グラジエント]によって精製し、中間体3が得られた。LC/MS(m/z):[M+H]+C556912の計算値1020.2;実測値質量1021。
中間体3をACNに溶解し、0℃に冷却した。等量のTFAを加え、この反応混合物を室温で1時間、撹拌した。反応の進行をLC/MSによってモニタリングした。LC/MS(m/z):[M+H]506110の計算値920.1;実測値質量921。脱保護が完了すると、TFAを回転蒸発によって除去し、脱保護生成物をさらに精製することなく使用した。フラグメント2を無水DMFおよびDIPEA(3当量)に10分間、溶解した。過剰のDIPEAを含有する無水DMFに先の脱保護生成物を溶解し、次に、反応混合物に加え、不活性雰囲気下、2時間、撹拌した。粗生成物をEtOAcにより抽出し、氷冷ブラインで洗浄し、次に、フラッシュクロマトグラフィー[A=DCM、B=MeOH、25分間でB0%からB30%の溶媒グラジエント]によって精製し、中間体4が得られた。[M+H]62721013の計算値1203.3;実測値質量1204。
中間体4をDCMおよびジエチルアミン(20当量)に溶解し、次に、1時間、撹拌した。LC/MS(m/z):[M+H]+C47H62F2N10O11の計算値981.1;実測値質量982。脱保護が完了すると、生成物を回転蒸発により単離し、氷冷ジエチルエーテルで数回、洗浄し、次に、数時間、高真空に置き、この後に、これをさらに精製することなく使用した。DOTA-NHSエステル(1.2当量)を含む無水DMFおよびDIPEA(3当量)に脱保護生成物を溶解し、不活性雰囲気下で12時間、撹拌した。生成物をRP-HPLC[A=20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)およびB=CH3CN、45分間でB5%からB55%までの溶媒グラジエント]により精製し、最終の所望の生成物FAP-3000を得た(図24を参照されたい)。[M+H]+C63881418の計算値1367.47;実測値質量1368。
[実施例1D]
FAP-3001の合成
Figure 2024510267000252
HATU(1当量)および無水DIPEA(3当量)を含む無水DMFに、1時間、4-(p-ヨードフェニル)酪酸を溶解した。Fmoc-Lys-OtBu HCl(1当量)を無水DMFおよびDIPEA(1.5当量)に溶解し、次に、反応混合物に加えた。得られた溶液を不活性雰囲気下、2時間、撹拌した。生成物をEtOAcにより抽出し、氷冷ブラインで洗浄し、次に、フラッシュクロマトグラフィー[A=DCM、B=MeOH、25分間でB0%からB20%の溶媒グラジエント]によって精製し、中間体5が得られた。LC/MS(m/z):[M+H]3133INの計算値696.6;実測値質量697。
HATU(1当量)および無水DIPEA(3当量)を含む無水DMFに、10分間、中間体5を溶解した。プロパルギル-PEG-アミンを無水DMFおよびDIEPA(1.5当量)に溶解し、次に、反応混合物に加えた。得られた溶液を不活性雰囲気下、3時間、撹拌した。生成物をEtOAcにより抽出し、氷冷ブラインで洗浄し、次に、フラッシュクロマトグラフィー[A=DCM、B=MeOH、25分間でB0%からB20%の溶媒グラジエント]によって精製し、中間体6が得られた。LC/MS(m/z):[M+H]4660IN10の計算値941.9;実測値質量943。反応の進行をLC/MSによってモニタリングした。
中間体6を含む無水DMFに、フラグメント1(1.2当量)を溶解し、次に、CuI(0.5当量)およびDIPEA(2.0当量)を加えた。この反応混合物を55℃まで加熱し、5時間、撹拌した。生成物をEtOAcにより抽出し、氷冷ブラインで洗浄し、次に、フラッシュクロマトグラフィー[A=DCM、B=MeOH、25分間でB0%からB20%の溶媒グラジエント]によって精製し、中間体7が得られた。LC/MS(m/z):[M+H]6078IN12の計算値1216.2;実測値質量1217。
中間体7をACNに溶解し、0℃に冷却した。等量のTFAを加え、この反応混合物を室温で1時間、撹拌した。反応の進行をLC/MSによってモニタリングした。LC/MS(m/z):[M+H]5570IN10の計算値1116.11;実測値質量1117。脱保護が完了すると、TFAを回転蒸発によって除去し、脱保護アミンを有する生成物をさらに精製することなく使用した。フラグメント2を無水DMFおよびDIPEA(3当量)に10分間、溶解した。先の脱保護生成物を無水DMFおよび過剰のDIPEAに溶解し、次に、反応混合物に加え、不活性雰囲気下、2時間、撹拌した。粗生成物をEtOAcにより抽出し、氷冷ブラインで洗浄し、次に、フラッシュクロマトグラフィー[A=DCM、B=MeOH、25分間でB0%からB30%の溶媒グラジエント]によって精製し、中間体8が得られた。LC/MS(m/z):[M+H]6781IN1013の計算値1399.3;実測値質量1400。
中間体8をDCMおよびジエチルアミン(20当量)に溶解し、次に一晩、撹拌した。反応の進行をLC/MSによってモニタリングした。LC/MS(m/z):[M+H]5271IN1010の計算値1177.11;実測質量1178。脱保護が完了すると、アミンを有する生成物を回転蒸発により単離し、氷冷酢酸エチルで数回、洗浄し、氷冷エーテルで1回、洗浄し、次に、数時間、高真空下に置き、この後に、これをさらに精製することなく使用した。DOTA-NHSエステル(1.2当量)を含む無水DMFおよびDIPEA(3当量)に脱保護生成物を溶解し、不活性雰囲気下で12時間、撹拌した。最終の所望の生成物FAP-3001をRP-HPLC[A=20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH5.0)およびB=CHCN、45分間でB5%からB55%までの溶媒グラジエント]により精製し、FAP-3001を得た(図25を参照されたい)。LC/MS(m/z):[M+H]6897IN1418の計算値1563.6;実測値質量1564。
本明細書に提示されている他の構造体は、提示した2つの合成と同様に合成した。
[実施例2]
FAPコンジュゲート結合親和性
250,000個のHEK-FAP細胞をアミンコーティングした24ウェルプレートに播種し、コンフルエンスに到達させた。HEK-FAP細胞を使用し、10nMのFAP-ローダミンを、4℃で、1時間、FAP-標的化コンジュゲートの濃度を向上することによって置き換えた。次に、細胞を3回、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、1%ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)に溶解し、96ウェルのクリアボトムブラックウオールプレートに移送し、Synergy Neo2マイクロプレートリーダーにより分析を行った。試料はすべて、三連で行い、平均値の標準誤差(SEM)のバーを示す(図6Aおよび6Bを参照されたい)。2.67nMのKを使用して、阻害定数を計算した。
[実施例3]
放射標識したFAPコンジュゲート結合親和性
DOTAを有するコンジュゲートの放射標識を以下の通り、行った。コンジュゲートを酢酸アンモニウム(0.5M、pH8.0)に希釈し、最終DOTA濃度を0.5mMに到達させた。111In放射線イメージング剤を生成するため、111In(111InCl)を加えて、示されている通り、最大で4.0MBq/nmolの比活性を得た一方、対応する放射線治療剤の生成に関しては、177Lu(177LuCl)を加え、最大で11.0MBq/nmolの比活性を得た。次に、得られた溶液を10~20分間、90℃まで加熱し、標識化された生成物の放射化学純度を、直線グラジエント(15分間でB5%からB95%まで)の放射線HPLC(20mM酢酸アンモニウム緩衝液(pH7)(A)およびアセトニトリル(B))によって分析した。放射化学純度は、すべての検討において95%を超えることが見出された。放射標識が成功したことを確認した後、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム溶液(5mM、pH7.0)を約0.2mMの最終濃度で加え、放射活性同位体のいかなる未反応微量物も錯体形成させた。
100x過剰のFAP競合リガンドの非存在下、または存在下、111In-FAP-3000または111In-FAP-3001の濃度を向上させながら、がん関連線維芽細胞(Hs894細胞系)を室温で1時間、インキュベートし、PBSで3回、洗浄し、次に、1.0M NaOHに溶解し、ガンマ計数器により分析した(図4Aおよび4Bを参照されたい)。試料はすべて、三連で、SEMバーで行った。
[実施例4]
HT29腫瘍の投与検討
Nu/nuマウスの肩に、5×10個の細胞のHT29ヒト大腸がんを接種した。HT29腫瘍を有するヌードマウスにおいて、In-111で放射標識したFAP-3000またはFAP-3001のどちらか一方の量を増加させて使用して投与検討を行い、MILabs VECTor4+機器を用いてイメージングした。動物をイソフルランで麻酔をかけて、注射後の様々な時間点にスキャンした。MILabs VECTor/CTシステムを使用して、発光スキャンを20~60分間行った。60kVおよび615μAに設定したX線源を用いて、CTスキャンを取得した。U-SPECT IIソフトウェアおよび171の111In γ-エネルギー幅および241keVでSPECT画像を再構築した。POS-EMアルゴリズムは、0.8mmのボクセルグリッド上で16のサブセットおよび4回の反復で使用した。CT画像は、NReconソフトウェアを使用して再構成した。データセットは、PMODソフトウェア(バージョン3.2)を使用して融合およびフィルター処理した。
HT29腫瘍を有するヌードマウスに、尾部静脈への静脈注射により、20nmol、10nmolまたは5nmolのFAP-3000のいずれかによってキレート形成させたIn-111を0.3mCi、投与した。図5Aは、単一光子放射断層撮影法/コンピュータ断層撮影(SPECT/CT)を使用して、FAP-3000の投与を受けたマウスを図示しており、画像は、注射して2時間後、および4時間後に撮影した。
HT29腫瘍を有するヌードマウスに、尾部静脈への静脈注射により、5nmolまたは1nmolのFAP-3001のいずれかによってキレート形成させたIn-111を0.3mCi、投与した。図5Bは、注射後の様々な時間(6時間、24時間、48時間、72時間および96時間)に撮影した、SPECT/CTを使用したこのようなマウスの画像を図示している。
[実施例5]
4T1腫瘍の投与検討
Balb/cJマウスの肩に、滅菌PBS中の1×10個の細胞の4T1細胞を接種した。投与検討は、尾部静脈への静脈注射により、4T1腫瘍を有するBALB/cマウスに、30nmol、20nmolおよび10nmolのFAP-3000または6nmol、4nmolおよび2nmolのFAP-3001のいずれかによってキレート形成させたIn-111を0.3mCi投与することによって行い、SPECT/CT画像は、注射後の様々な間隔で撮影した。図6Aは、111In-FAP-3000の投与を受けたマウスからの画像を示している。図6Bは、111In-FAP-3001の投与を受けたマウスからの画像を示している。
[実施例6]
滞留検討
4T1腫瘍を有するBALB/cマウスとKB腫瘍を有するマウスの両方において、FAP-3001を使用して滞留検討を行った。両方の組のマウスに、0.3mCiのインジウム-111で放射標識したFAP-3001を5nmol注射し、尾部静脈の静脈注射によって注射し、SPECT/CT画像を注射後の様々な間隔で撮影した。図7Aは、4T1腫瘍を有するBALB/cマウスからの画像を示しており、図7Bは、KB腫瘍を有するマウスからの画像を示す。
[実施例7]
FAP生体内分布に及ぼすアルブミン結合剤の効果
生体内分布検討は、4T1腫瘍体積が約200mmに到達すると開始した。マウスは、100μCiのルテチウム-177で放射標識したFAP-3000(177Lu-FAP-3000)、または10μCiのインジウム-111(111In-FAP-3001)で放射標識したFAP-3001を5nmolの1用量を、尾部静脈への静脈注射により注射し(図8Aおよび8Bをそれぞれ参照されたい)、Packard Cobraガンマ計数器で測定した。各所望の時間点は、COによって仮死した、コンジュゲートあたり4~5匹のマウスを含んだ。目的の臓器を直ちに採取し、冷PBS中で洗浄した後、ガンマ計測器での測定を行った。結果は、注射した用量の百分率として、1グラムの組織あたりで正規化した。
[実施例8]
4T1腫瘍における 177 Lu-FAP-3001放射線治療検討
治療は、4T1腫瘍体積が約50mmに到達すると開始した。尾部静脈への静脈注射により、対照マウスには、滅菌PBS中の5%エタノール(EtOH)を注射した一方、処置マウスには、0.25mCiまたは0.50mCiのルテチウム-177のどちらかで放射標識したFAP-3001(177Lu-FAP-3001)5nmolを1用量、注射した。マウスの体重を総毒性の尺度としてモニタリングした。図9Aは、本検討からの腫瘍成長データを示しており、図9Bは、本検討からの相対体重データを示しており、図9Cは、注射して24時間後の処置マウスのうちの1匹のSPECT/CTスキャンを示している。
[実施例9]
KB腫瘍における 177 Lu-FAP-3000放射線治療検討
治療は、KB腫瘍体積が約50mmに到達すると開始した。尾部静脈への静脈注射により、対照マウスには、滅菌PBS中の5%EtOHを注射した一方、処置マウスには、0.50mCiのルテチウム-177で放射標識したFAP-3000(177Lu-FAP-3000)5nmolを1用量、注射した。マウスの体重を総毒性の尺度としてモニタリングした。図10Aは、本検討からの腫瘍成長データ(比較のため、ヌードマウスにおいて、KB腫瘍成長チャートを使用)を示しており、図10Bは、本検討の生存曲線を図示しており、図10Cは、本検討に由来するマウスの相対体重データを示している。
[実施例10]
KB腫瘍における 177 Lu-FAP-3001放射線治療検討
治療は、KB腫瘍体積が約50mmに到達すると開始した。尾部静脈への静脈注射により、対照マウスには、滅菌PBS中の5%EtOHを注射した一方、処置マウスには、0.50mCiのルテチウム-177で放射標識したFAP-3001(177Lu-FAP-3001)5nmolを1用量、注射した。マウスの体重を総毒性の尺度としてモニタリングした。図11Aは、本検討からの腫瘍成長データ(比較のため、ヌードマウスにおいて、KB腫瘍成長チャートを使用)を示しており、図11Bは、本検討の生存曲線を図示しており、図11Cは、本検討に由来するマウスの相対体重データを示している。
[実施例11]
HT29腫瘍における 177 Lu-FAP-3001放射線治療検討
治療は、HT29腫瘍体積が約150mmに到達すると開始した。尾部静脈への静脈注射により、対照マウスには、滅菌PBS中の5%EtOHを注射した一方、処置マウスには、0.25mCiのルテチウム-177で放射標識したFAP-3001(177Lu-FAP-3001)5nmolを1用量、注射した。マウスの体重を総毒性の尺度としてモニタリングした。図12Aは、本検討からの腫瘍成長データ(比較のため、ヌードマウスにおいて、KB腫瘍成長チャートを使用)を示しており、図12Bは、本検討の生存曲線を図示しており、図12Cは、本検討に由来するマウスの相対体重データを示している。図12Dは、安楽死後に解体した腫瘍の写真画像を示す。
[実施例12]
U87MG腫瘍における 177 Lu-FAP-3001放射線治療検討
治療は、U87MG腫瘍体積が約190mmに到達すると開始した。尾部静脈への静脈注射により、対照マウスには、滅菌PBS中の5%EtOHを注射した一方、処置マウスには、0.50mCiのルテチウム-177で放射標識したFAP-3001(177Lu-FAP-3001)5nmolを1用量、注射した。マウスの体重を総毒性の尺度としてモニタリングした。図13Aは、本検討からの腫瘍成長データ(比較のため、ヌードマウスにおいて、KB腫瘍成長チャートを使用)を示しており、図13Bは、本検討の生存曲線を図示しており、図13Cは、本検討に由来するマウスの相対体重データを示している。
[実施例13]
177 Lu-FAP-3001放射線治療の毒物学染色
さらなる毒性学評価を行うため、マウスを対照および処置群(0.5mCi用量)から無作為に選択した。目的の臓器を安楽死直後に採取して洗浄し、48~72時間、10%ホルマリンの緩衝溶液に固定した。次に、放射活性が完全に減衰するまで、臓器を70%エタノール溶液中に維持し、この後、パラフィンに埋包するため、Purdue Universityの組織学実験室に臓器を提出し、切片にして、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)で染色した(図14を参照されたい)。組織切片(マウスあたり臓器あたりn=4~8)の病変は、Purdue University Department of Comparative Pathobiologyの認定病理医によって盲検で検査された。
表1は、このような検討から観察されたデータの要約である(図14も参照されたい)。
Figure 2024510267000253
[実施例14]
4T1-高用量での 177 Lu-FAP-3001放射線治療検討
治療は、4T1腫瘍体積が約200mmに到達すると開始した。尾部静脈への静脈注射により、対照マウスには、滅菌PBS中の5%EtOHを注射した一方、処置マウスには、0日目に、1.50mCiのルテチウム-177で放射標識したFAP-3001(177Lu-FAP-3001)5nmolを1用量、または0日目および3日目に、1.50+0.6mCiのルテチウム-177で放射標識したFAP-3001(177Lu-FAP-3001)5nmolを2用量、注射した。マウスの体重を総毒性の尺度としてモニタリングした。図15Aは、本検討からの腫瘍成長データを示しており、図15Bは、本検討の生存曲線を図示しており、図15Cは、本検討に由来するマウスの相対体重データを示しており、図15Dは、177Lu-FAP-3001の単回用量の投与を受けたマウスのうちの1匹のSPECT/CTスキャンを示す。
[実施例15]
4T1-盲検測定での 177 Lu-FAP-3001放射線治療検討
治療は、4T1腫瘍体積が約100mmに到達すると開始した。0日目に、尾部静脈への静脈注射により、対照マウスには、滅菌PBS中の5%EtOHを注射した一方、処置マウスには、1.50mCiのルテチウム-177で放射標識したFAP-3001(177Lu-FAP-3001)5nmolを1用量、注射した。2名の助手が、盲検様式(すなわち、どのマウスが処置を受け、どのマウスが対照であったか知らなかった)で、1日おきにキャリパーで腫瘍を測定した。マウスの体重を総毒性の尺度としてモニタリングした。図16Aは、本検討7からの腫瘍成長データを示しており、図16Bは、本検討の生存曲線を図示しており、図16Cは、本検討に由来するマウスの相対体重データを示している。
[実施例16]
4T1-盲検測定での 177 Lu-FAP-3001対 177 Lu-FAP-3005の放射線治療検討
治療は、4T1腫瘍体積が約100mmに到達すると開始した。0日目に、尾部静脈への静脈注射により、対照マウスには、滅菌PBS中の5%EtOHを注射した一方、処置マウスには、1.50mCiのルテチウム-177で放射標識したFAP-3001またはFAP-3005(それぞれ、177Lu-FAP-3001または177Lu-FAP-3005)5nmolを1用量、注射した。2名の助手が、盲検様式(すなわち、どのマウスが処置を受け、どのマウスが対照であったか知らなかった)で、1日おきにキャリパーで腫瘍を測定した。マウスの体重を総毒性の尺度としてモニタリングした。図17Aは、本検討7からの腫瘍成長データを示しており、図17Bは、本検討の生存曲線を図示しており、図17Cは、本検討に由来するマウスの相対体重データを示している。
[実施例17]
177 Lu-FAP-3001高用量放射線治療の毒物学染色
さらなる毒性学評価を行うため、注射後の様々な時間点で、マウスを対照および処置マウス(1.5mCi用量)から無作為に選択した。目的の臓器を安楽死直後に採取して洗浄し、48~72時間、10%ホルマリンの緩衝溶液に固定した。次に、放射活性が完全に減衰するまで、臓器を70%エタノール溶液中に維持し、この後、パラフィンに埋包するため、Purdue Universityの組織学実験室に臓器を提出し、切片にして、H&Eで染色した(図14を参照されたい)。組織切片(マウスあたり臓器あたりn=1~4)の病変は、Purdue University Department of Comparative Pathobiologyの認定病理医によって盲検で検査された。表は、結果を要約しており、代表的な組織の切片をそれぞれ、図18Aおよび図18Bに提示する。
[実施例18]
C57/BL6マウスにブレオマイシンを気管内注射することによって疾患を誘発させて14日目に、マウス肺線維症モデルにおける、111In-FAP-3001(0.3mCiで放射標識したもの5nmol)を静脈内注射して24時間後にSPECT/CTスキャンを撮影した。図19を参照されたい。
[実施例19]
高い親和性FAPリガンドおよび分子ドッキング
薬物コンジュゲートの設計は、リンカー結合点の具体的な選択を必要とし、その結果、修飾した薬物の結合親和性は、親薬物の結合親和性と依然として同様のままである。分子ドッキング実験を利用して、既知のFAP阻害剤1における、好適なリンカー結合点を特定した。
Figure 2024510267000254
ヒトFAP[PDB ID:1Z68]の結晶構造をタンパク質データバンク(グローバルなオープンアクセスデジタルデータソース)から検索し、Schrodingerソフトウェアパッケージ(Schrodinger、LLC、New York、New York)に含まれているタンパク質調製ツールボックスを使用してドッキングするためにさらなる用意を行った。タンパク質の構造は、Schrodingerのデフォルトのプロトコルを使用して前処理し、7.4+/-0.5のpH値を使用して、Epikモジュールを使用するヘテロ原子状態を生成した。タンパク質の構造をさらに精密化して、分子内水素結合を最適化し、OPLS4力場を使用して、抑制されたエネルギー最小化を行った。
3種のFAPリガンド(FAP阻害剤1、中間体2’およびFAP-4000(以下の中間体2’およびFAP-4000の構造を参照されたい))の構造をMaestro(Schrodinger、LLC、New York、NY)にアップロードし、LigPrepプログラム(Schrodinger、LLC、New York、NY)を使用して、グリッドドッキングを行うために準備を整えた。リガンドの三次元形状は、OPLS4力場を使用して最適化し、ドッキングに使用した。
Schrodingerソフトウェアパッケージの標準的な誘導フィットドッキング(IFD)プロトコルを使用して、目的のリガンドをFAPの結合ポケットにドッキングした。最初に、結合相互作用に関与すると報告されているFAP中のアミノ酸残基を特定することにより、受容体グリッドボックスを生成した。IFDプロトコルは、グリッドドッキングプロトコルを利用して、各リガンドに対して最大で20個のポーズを生成し、Prime Refinementモジュールを使用してさらに精密化した。リガンドのポーズの5Å以内の残基を精密化し、残基の側鎖を最適化した。最初のドッキング後の結合部位を精密化すると、リガンドは最良の構造から30.0kcal/mol以内、および全体で上位20個の構造内にある構造に再ドッキングした。標準精度のモデルを、グリッド再ドッキングステップに使用した。
図27を参照すると、FAP阻害剤1とFAPとのドッキングポーズでは、Glu204およびTyr541残基が非共有結合性相互作用に関与していることが判明し、Glu204はピロリジン環のN-H基と水素結合を形成し、Tyr541は、阻害剤1である2,3-ジヒドロイソインドール環とパイ-パイ相互作用を形成する。2,3-ジヒドロイソインドール環の影付き領域は、溶媒に曝露された原子を記している(図27)。
次に、FAP阻害剤1を2,3-ジヒドロイソインドール環のC-4位でさらに官能基化した。メチレンアミン(-CHNH)は、FAP阻害剤1の2,3-ジヒドロイソインドール環のC-4位で結合しており、中間体2’となった。中間体2’をFAPタンパク質に対してドッキングした場合、そのFAPタンパク質との相互作用は、2,3-ジヒドロイソインドール環とArg550とのさらなる陽イオン-パイ相互作用を有する親FAP阻害剤1の相互作用と類似した。中間体2’におけるメチレンアミン(-CHNH)は、溶媒に曝露されたままであった。
FAPの深い結合ポケットにおいて、近傍の芳香族アミノ酸残基の存在が観察されたので、これらの芳香族アミノ酸残基との新たな安定した相互作用の形成を促進する疎水性スペーサーを探索した。こうして、中間体2’におけるメチレンアミン基は、溶媒曝露されたメチレンアミン(-CHNH)基を含有するトリアゾール環により置き換え(FAP-4000)、トリアゾール環とPhe350とのパイ-パイ相互作用が生じた。さらに、メチルアミンのN-HはCys545と水素結合を形成し、Arg123は2,3-ジヒドロイソインドール環に隣接するアミド酸素と水素結合を形成した(図27を参照されたい)。分子間相互作用の数の増加により、ドッキングスコアが-8.0kcal/mol(FAP阻害剤1)から-9.4kcal/mol(FAP-4000)に向上した。
FAP-4000のトリアゾール環のC-1位(-CHNH単位)がドッキングポーズにおいて溶媒に曝露していることが判明したので、次に、FAP-4000中のメチレンアミンをアミノエチルベンズアミドに置き換えて、FAP-4001にした。FAP-4001をFAPタンパク質に対してドッキングすると、ドッキングスコアは-11.5kcal/molまでさらに向上した。具体的には、FAP4001中のフェニル環は、Trp623とのパイ-パイ相互作用を形成し、2,3-ジヒドロイソインドール環はArg550とさらなる陽イオン-パイ相互作用を形成した。
次に、FAP-4001中の-NH部分をPEG-アミンリンカーの結合に利用し、リガンド-PEG-アミン薬物コンジュゲートを収容するためのより大きなグリッドボックスを設定することによって、修飾された構造を同じ結合ポケットに再度、ドッキングした(FAP4002)。リガンドとGlu204残基およびTyr541残基との相互作用は、FAP4002とFAPとのドッキングポーズで保存され、ドッキングスコアは、-9.5kcal/molとなった。トリアゾール環は、図27に示されている通り、Phe350とのパイ-パイ相互作用に関与した。
したがって、これらのデータは、親(遊離)薬物の重要な非共有結合性相互作用を妨げることなく、親薬物にスペーサーおよびリンカーを追加すると、コンジュゲート後でさえも、薬物がその結合親和性を維持する一助となることを裏付ける。
[実施例20]
FAP標的化色素化合物の合成
以下のスキーム1に準拠して、FAP標的化色素コンジュゲート(FAP-4003)の合成に、FAP-4002中の遊離アミン官能基を利用した:
Figure 2024510267000255
次に、スキーム2に示されている通り、中間体5’、6’および7’から、FAP標的化蛍光化合物の合成を始めた。
Figure 2024510267000256
選択肢1
Figure 2024510267000257
代替的に選択肢2:
Figure 2024510267000258
手短に述べると、中間体5’は、市販のBoc-L-ピログルタミン酸ベンジルエステル8から合成した。中間体6’は、ジクロロメタン中でのtert-ブチルオキシカルボニル(Boc)保護によって、2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-カルボキン酸メチル塩酸塩9から調製し、化合物10が定量的収率で得られた。次に、化合物10中のメチルエステルを、メタノールおよびテトラヒドロフラン中で加熱することによって、NaBHで還元し、対応するアルコール11が90%収率で得られた。DMF中、室温で、11をNBS/PPhによりブロモ化し、次いで、対応する臭化物12をDMF中、70℃で12時間、NaNにより求核置換すると、鍵アジド中間体6’が、95%収率で得られた。乾燥DMF中、HATU/DIPEAの存在下、モノ-Fmocエチレンジアミン塩酸塩と4-エチニル安息香酸13とのカップリングにより、アルキン中間体7’が得られた。次に、DMF中、55℃で、5時間、中間体6’と中間体7’との古典的なCu(I)触媒によるアジド-アルキン環化付加(CuAAC)反応により、フェニルトリアゾール側鎖(appendage)を有するクリック生成物14が得られ、化合物14をDCM中でトリフルオロ酢酸(TFA)により処理し、次いで、活性化された酸5を加え、次いで、DCM中、ジエチルアミンを使用してFmocを脱保護すると、FAP-4001が得られた(スキーム2、選択肢1を参照されたい)。
ジクロロメタン中で、30分間、同じ化合物14をジエチルアミンで処理し、次いで、得られたアミンをCHCl中、DIPEAの存在下、Fmoc-PEG-NHSエステルとカップリングすると、中間体15が90%収率で生成した(スキーム2、選択肢2を参照されたい)。CHCl中での中間体15’のTFAでの処理、次いでDMF中、HATU/DIPEAの存在下、得られたアミンと鍵となる酸中間体5’とのカップリングにより、FAP標的化リガンド(中間体16)が65%収率で得られた。
これよりスキーム3を参照すると、以下に使用した最終的なFAP標的化蛍光色素を生成するため、化合物16中のFmoc保護基をジクロロメタン中、ジエチルアミンで脱保護すると、遊離アミン17が生成した(化合物17)。遊離アミン17(化合物17)と3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸とのカップリングにより、FAP-4002が得られた。この後に、塩基性条件下、近赤外色素(ClS0456)からの塩化物の置換により、FAP標的化近赤外色素FAP-4003が、65%収率で得られた。
Figure 2024510267000259
[実施例21]
化合物の結合による内在化
FAPへの結合に対する親和性に関して、以下の化合物を分析した:FAP阻害剤1;リンカーを有するFAP標的リガンド(FTL-PEG-NH)(化合物17);化合物17と4-ヒドロキシフェニルプロピオン酸とのコンジュゲート(FAP-4002);化合物17をテトラメチル-ローダミンとのコンジュゲート(FAP-4004);およびFAP-4002とClS0456とのコンジュゲート(FAP-4003)。
Figure 2024510267000260
HT1080-FAP細胞を37℃で1時間、25nMのFAP-4004(図32Aを参照されたい)またはFAP-4003(図32Bを参照されたい)と共にインキュベートし、それぞれ、共焦点顕微鏡および広視野Nikon顕微鏡法によって検査した。各化合物の結合親和性および特異性もまた、100倍過剰の非標識化FAP-4002の存在下または非存在下、濃度向上したFAP-4004(図32Cを参照されたい)またはFAP-4003(図32Dを参照されたい)の存在下、HT1080-FAP細胞またはHT1080細胞のどちらかの、4℃で1時間のインキュベート後の蛍光を測定することによって定量した。
FAP標的化FAP-4002が、密接に関係するジペプチジルペプチダーゼであるFAP、PREPおよびDPP-IVを阻害する能力も評価した。FAP、PREPおよびDPP-IVをFAP標的化FAP-4002と共に室温で10分間、インキュベートした後、蛍光性基質を加えた。反応を30分間、進行させた後に反応を停止し、蛍光の変化を触媒活性の尺度として定量した。アッセイはすべて、三連で行い、SEMバーを示した(図33A~33Cを参照されたい)。
合成例:
以下の実施例は、実施例21~23およびスキーム1~3に記載されている中間体および化合物を合成するために使用した物質および方法をさらに詳細に記載する。合成後、中間体および化合物/生成物はすべて、LC-MSおよび核磁気共鳴分光法(NMR)によって同定した。
[実施例22]
2-(tert-ブチル)4-メチルイソインドリン-2,4-ジカルボキシレート(化合物10)の合成
室温で、2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-カルボン酸メチル塩酸塩9(1.00g、5.64mmol)の撹拌溶液に、20mLのDCMを加えた。次に、この混合物に、(Boc)O(4.9mL、22.59mmol)を1回で、次に、トリエチルアミン(2.9mL、22.59mmol)を滴下して加えた。ここで、撹拌を12時間、継続し、次に、この反応混合物を水(30mL)により希釈して、DCM(2×25mL)に抽出した。
有機層を無水MgSO4で脱水し、ろ過してろ液を減圧下で溶媒蒸発させた。ヘキサン+酢酸エチルおよび移動相を使用するCombiFlashによって、得られた粗製残留物を精製し、化合物10(1.4g、92%)が白色固体として得られた。1H-NMR (CDCl3, 500 MHZ) δ = 7.92 (dd, J1 = 15.0 Hz, J2 = 10.0 Hz, 1H); 7.44-7.32 (m, 1H); 7.33 (m, 1H); 4.94 (d, J = 12.6 Hz, 2H); 4.67 (d, J = 17.0 Hz, 2H); 3.90 (s, 3H); 1.51 (s, 9H) ppm. 13C-NMR (CDCl3, 125 MHZ) δ = 166.41, 154.50, 154.33, 139.93, 138.96, 138.83, 138.56, 129.37, 128.96, 127.61, 127.17, 126.89, 125.55, 125.14, 79.80, 79.73, 53.80, 53.46, 52.05, 51.79, 51.49 28.55 ppm. 4のLCMS: LC/MS (m/z): C15H21NO4 [M+H]の計算値: 278.14, 実測値278.13g/mol.
[実施例23]
tert-ブチル4-(ヒドロキシメチル)イソインドリン-2-カルボキシレート(アルコール11)の合成
雰囲気下、THF(10.0mL)中の化合物10(1.0g、3.61mmol)の撹拌溶液に、室温で臭化ナトリウム(1.37g、36.101mmol)を加えた。この後に、この反応混合物に、5分間、メタノール(10mL)をゆっくりと加えた。反応物を55℃まで温めて、5時間、連続撹拌した。
次に、この反応混合物を0℃まで冷却し、飽和水性塩化アンモニウムによりゆっくりとクエンチし、EtOAc(60mL)に抽出した。有機相を採集し、硫酸ナトリウムにより脱水し、溶媒を蒸留させると、粗製残留物が得られ、これをCombiFlashによって精製すると、アルコール11(700mg、70%)が、粘着性白色固体が得られた。
1H-NMR (CDCl3, 500 MHZ) δ = 7.28-7.25 (m, 2H); 7.19-7.13 (m, 1H); 4.68-4.62 (m, 6H); 1.51 (s, 9H) ppm. 13C-NMR (CDCl3, 125 MHZ) δ = 154.64, 137.60, 137.39, 135.62, 135.32, 143.92, 127.81, 125.90, 125.67, 122.05, 121.60, 79.87, 63.18, 62.80, 52.25, 51.95, 51.05, 50.81, 28.58, 28.54 ppm. 11のLC-MS. LC-MS (m/z): C14H20NO3 [M+H]の計算値: 250.14, 実測値250.14g/mol.
[実施例24]
tert-ブチル4-(ブロモメチル)イソインドリン-2-カルボキシレートの合成(臭化物12)
DMF(10mL)中の化合物11(500mg、2.00mmol)の撹拌溶液に、PPh(790mg、3.01mmol)、次いで新しく再結晶したN-ブロモスクシンイミド(NBS)(532mg、3.01mmol)を加えた。反応混合物をN雰囲気下、室温で4~5時間、撹拌し、次に、水(40mL)により希釈し、酢酸エチル(2×25mL)に抽出した。有機層を水およびブラインにより洗浄し、次に、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。ろ液を減圧下で溶媒蒸発させると、粗製残留物が得られ、これをCombiFlashによって精製すると、臭化物12(450mg、90%)が白色固体として得られた。
1H-NMR (CDCl3, 500 MHZ) δ = 7.28-7.17 (m, 3H); 4.71 (m, 4H); 4.42 (d, J = 8.5 Hz, 2H); 1.52 (s, 9H) ppm. 13C-NMR (CDCl3, 125 MHZ) δ = 154.46, 138.38, 138.03, 136.78, 136.48, 132.44, 132.17, 128.20, 128.13, 127.8, 123.18, 122.90, 79.98, 79.88, 52.4, 52.18, 50.74, 50.63, 28.58, 28.54 ppm. 12のLC-MS: LC-MS: (m/z): C14H19BrNO2[M+H]の計算値: 312.05, 実測値312.05 g/mol.
[実施例25]
tert-ブチル4-(アジドメチル)イソインドリン-2-カルボキシレート(中間体6’)の合成
DMF中の臭化物化合物12(400mg、1.286mmol)の撹拌溶液に、NaN(420mg、6.430mmol)を加え、この混合物を75℃で6時間、連続的に撹拌した。次に、反応混合物を水で希釈して酢酸エチルに抽出し、有機層を水で洗浄して、ブライン処理し、無水硫酸ナトリウムで脱水してろ過した。ろ液を減圧下で溶媒蒸発させて、CombiFlashによって精製すると、白色固体としてアジド中間体6’(300mg、95%)をもたらした。
1H-NMR (CDCl3, 500 MHZ) δ = 7.32-7.25 (m, 2H); 7.22-7.20 (m, 1H); 4.72-4.66 (m, 4H); 4.31 (s, 2H); 1.53 (s, 9H) ppm. 13C-NMR (CDCl3, 125 MHZ) δ = 154.42, 138.28, 137.95, 136.34, 135.95, 130.18, 129.92, 128.08, 127.40, 127.30, 122.96, 122.65, 79.96, 52.59, 52.48, 52.39, 52.15, 51.05, 50.89, 28.56 ppm. 7のLC-MS: LC-MS (m/z): C14H19N4O2[M+H]の計算値: 275.14, 実測値275.14 g/mol.
[実施例26]
(9H-フルオレン-9-イル)メチル(2-(4-エチニルベンズアミド)エチル)カルバメート(中間体7’)の合成
雰囲気下、乾燥DMF(10mL)中の4-エチニル安息香酸化合物13(500mg、3.424mmol)の撹拌溶液に、室温でHATU(1.4gm、3.76mmol)、次いでDIPEA(1.7mL、10.27mmol)を加えた。この混合物を10分間、連続して撹拌し、酸を活性化させた。
次に、この反応混合物に、N-Fmoc-エチレンジアミン(1.0g、3.76mmol)を加え、この混合物をさらに3時間、連続的に撹拌した。この後に、反応混合物を水(50mL)により希釈し、得られた沈殿物をブフナー漏斗に通してろ過すると、白色固体をもたらした。この白色固体を再度、水(2×50mL)により洗浄し、真空下で1時間、乾燥すると、中間体7’(1.2gm、85%)が得られた。
1H-NMR (CD3OD +CDCl3, 500 MHZ) δ = 7.76-7.73 (m, 4H); 7.59 (d, J = 7.5 Hz, 2H); 7.50 (d, J = 8.3 Hz, 1H); 7.35 (t, J = 7.4 Hz, 2H); 7.25 (m, 2H); 4.44 (bs, 2H); 4.33 (d, J = 7.0 Hz, 1H); 4.16 (t, J = 7.0 Hz, 1H); 3.50 (s, 1H); 3.48 (t, J = 6.1Hz, 2H); 3.34(t, J = 6.0 Hz, 2H) ppm. 13C-NMR (CD3OD +CDCl3, 125 MHZ) δ = 168.27, 158.16, 143.81, 141.20, 134.02, 131.83, 127.49, 127.06, 126.85, 125.62, 124.83, 119.65, 83.34, 79.69, 77.92, 66.61, 47.06,40.04 ppm. および7のLC-MS: LC-MS (m/z): C26H23N2O3[M+H]の計算値: 411.16, 実測値411.16 g/mol. HRMS-ESI: C26H23N2O3[M + H]+の計算値: 411.1708, 実測値411.1710.
[実施例27]
tert-ブチル4-((4-(4-((2-((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)エチル)カルバモイル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)イソインドリン-2-カルボキシレートの合成(化合物14)
乾燥DMF(5.0mL)中のアジド中間体6(1.0当量)およびアルキン中間体7(1.2当量)の混合物に、CuI(0.5当量)を加え、次いで、DIPEA(2.0当量)を加えた。この反応混合物を窒素雰囲気下、55℃で1時間、撹拌し、室温に移し、飽和水性塩化アンモニウム(20mL)により希釈して、15分間、激しく撹拌した。反応混合物中で形成した固体残留物をろ過して水(2×20mL)により洗浄し、真空下で1時間、乾燥すると、化合物14が褐色固体として得られた。
化合物14は、一部の場合、精製することなく検討に利用した。移動相としてEtOAC/ヘキサン混合物を使用して、ある量の化合物14をやはり精製すると、化合物14(97%)が白色固体として得られた。
1H-NMR (CDCl3, 500 MHZ) δ = 7.79 (bs, 3H); 7.78-7.70 (m, 2H); 7.68 (d, J = 7.9 Hz, 2H); 7.52 (d, J = 7.3 Hz, 2H); 7.73-7.720 (m, 7H); 7.15-7.13 (m, 1H); 5.50 (s, 2H); 4.67-4.57 (m, 4H); 4.34 (d, J = 6.7 Hz, 2H); 4.12 (t, J = 6.7 Hz, 1H); 3.48 (t, J = 5.7 Hz, 1H); 3.35-3.33 (m, 2H); 2.77 (s, 2H); 2.71 (bs, 1H); 1.46 (s, 9H) ppm. 13C-NMR (CDCl3, 125 MHZ) δ = 173.47, 167.26, 156.65, 154.33, 144.98, 141.27, 138.65, 138.46, 136.59, 135.92, 129.26, 129.03, 128.58, 127.82, 127.67, 127.44, 127.06, 125.61, 125.12, 123.58, 123.26, 119.95, 80.18, 80.08, 70.49, 70.13, 67.14, 66.58, 50.98, 50.80, 47.25, 40.91, 39.06, 36.85, 28.52 ppm. 14のLC-MS: LC-MS (m/z): C40H41N6O5[M+H]の計算値: 685.31, 実測値685.31g/mol. HRMS-ESI: C40H41N6O5[M + H]+の計算値: 685.3138, 実測値685.3139.
[実施例28]
tert-ブチル4-((4-(4-((1-(9H-フルオレン-9-イル)-3,19-ジオキソ-2,7,10,13,16-ペンタオキサ-4,20-ジアザソドコサン-22-イル)カルバモイル)フェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル)メチル)イソインドリン-2-カルボキシレート(中間体15’)の合成
DCM+MeOH混合物(1+0.5mL)中の化合物14(400mg、0.584mmol)の撹拌溶液に、(Et)NH(1.0mL)を加え、2時間、連続的に撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒蒸発させて、得られた粗製残留物を、移動相としてMeOH+CHClを使用するCombiFlashによって精製し、化合物14の遊離アミンを得た(これを確保して、本明細書に記載されている検討に使用した)。
アミン化合物の一部をDCM(1mmolに対して1mL)に溶解し、ここに、窒素雰囲気下、室温で1時間、撹拌しながら、Fmoc-NH(PEG)NHSエステル(1.2当量)およびDIPEA(2.0当量)を加えた。この反応混合物を減圧下で溶媒蒸発させて、得られた粗製残留物を移動相として、DCM+MeOHを使用して、CombiFlashによって精製すると、中間体15’が80%で白色固体として得られた。
1H-NMR (CDCl3, 500 MHZ) δ = 7.86 (m, 4H); 7.74 (d, J = 7.5 Hz, 2H);7.68 (d, J = 3.7 Hz, 1H); 7.57 (m, 3H); 7.37 (t, J = 7.5 Hz, 2H); 7.28 (m, 4H); 7.16 (m, 2H); 5.67 (bs, 1H); 5.51 (d, J = 6.7 Hz, 2H); 4.71 (s, 2H); 4.65 (m, 2H); 4.37 (d, J = 7.2Hz, 1H); 4.19 (t, J = 7.0 Hz, 1H); 3.72-3.34 (m, 22H); 2.44 (s, 2H); 1.51 (s, 9H) ppm. 13C-NMR (CDCl3, 125 MHZ) δ = 173.47, 167.26, 156.65, 154.33, 143.98, 141.27, 138.65, 138.46, 136.59, 135.92, 133.77, 133.19, 129.26, 129.03, 128.58, 127.82, 127.67, 127.44, 127.06, 125.61, 125.12, 123.58, 123.26, 119.95, 80.18, 80.08, 70.49, 70.42, 70.13, 70.06, 67.14, 66.58, 52.11, 51.92, 51.73, 50.90, 50.81, 47.25, 41.59, 40.90, 39.06, 36.85, 28.52 ppm. 15のLC-MS:LC-MS (m/z): C51H62N7O10[M+H]の計算値: 932.45, 実測値932.45g/mol. HRMS-ESI: C51H61N7O10Na [M + Na]+の計算値: 954.4377, 実測値954.4433.
[実施例29]
(9H-フルオレン-9-イル)メチル(1-(4-(1-((2-(2-((3S)-5-((S)-2-シアノ-4,4-ジフルオロピロリジン-1-カルボニル)-2-オキソピロリジン-3-イル)アセチル)イソインドリン-4-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1,6-ジオキソ-9,12,15,18-テトラオキサ-2,5-ジアザエイコサン-20-イル)カルバメート(化合物16)の合成
DCM(1.0mL)中の中間体15(250mg、0.268mmol)の撹拌溶液に、室温でTFA(0.5ml)を加えた。この混合物を30分間、連続的に撹拌し、この後に、溶媒蒸発させて、真空下で乾燥した。個別の丸底フラスコに、酸中間体5(100mg、0.333mmol)、次いで、HATU(151mg、0.399mmol)およびDIPEA(0.170mL、0.999mmol)をDMF(0.5mL)に溶解した。酸官能基を活性化するため、反応混合物を窒素雰囲気下、室温で10分間、撹拌した。
中間体15(220mg、0.268mmol)からインシチュで生成したアミンをDMF(1mL)に溶解し、上の反応混合物に加え、2時間、連続的に撹拌した。次に、この反応混合物を水(15mL)により希釈し、室温で15分間、撹拌した。反応混合物中で形成した黒色懸濁物(turbidity)をろ過して、メタノールとジクロロメタンとの混合物に再溶解した。有機層を溶媒蒸発させて、得られた粗製残留物を逆相分取高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(A=20mm酢酸アンモニウム緩衝液(pH=7)、B=アセトニトリル、B5%から95%までの溶媒グラジエント)により60分間で精製すると、化合物16が白色固体として得られた(175mg、65%)。図34A~34Bは、化合物16が生成したことを裏付けるデータを示しており、図34Cは、FAP-4003の生成を裏付けるH NMR(DO)データを示している。
1H-NMR (CD3OD + CDCl3, 500 MHZ) δ = 8.32 (d, J= 15.0 Hz, 1H), 7.89-7.85 (m, 4H), 7.73 (d, J = 10.0 Hz, 2H); 7.58 (d, J = 5.0 Hz, 2H); 7.35-7.24 (m, 8H); 5.61-5.59 (m, 2H); 5.05 (dd, J1 = 9.1 Hz, J2 = 3.9 Hz, 1H); 4.85 (m, 2H); 4.72 (d, J = 17.2Hz, 2H); 4.45-4.37 (m, 1H); 4.31 (d, J = 6.8 Hz, 2H); 4.15-4.02 (m, 3H); 3.67 (t, J = 6.0 Hz, 2H); 3.55-3.48 (m, 20H); 3.31-3.25 (m, 6H); 3.0-2.74 (m, 5H); 2.60-2.54 (m, 1H); 2.43-2.30 (m, 4H) ppm. 13C-NMR (CD3OD + CDCl3, 125 MHZ) δ = 173.28, 168.36, 156.66, 143.88, 141.19, 127.76, 127.45, 126.83, 125.34, 124.82, 121.72, 119.62, 70.72, 70.19, 69.99, 69.91, 69.62, 66.85, 66.30, 52.80, 52.06, 44.58, 40.44, 39.86, 38.69, 37.60 36.38 ppm. 16のLC-MS: LC-MS (m/z): C58H65F2N10O11 [M+H]の計算値: 1115.47, 実測値1115.47 g/mol. HRMS-ESI: C58H65F2N10O11 [M+H]の計算値: 1115.4802, 実測値1115.4817.
[実施例30]
ナトリウム2-((E)-2-((E)-2-(4-(1-(4-(1-((2-(2-((3S,5S)-5-((S)-2-シアノ-4,4-ジフルオロピロリジン-1-カルボニル)-2-オキソピロリジン-3-イル)アセチル)イソインドリン-4-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)フェニル)-1,6,22-トリオキソ-9,12,15,18-テトラオキサ-2,5,21-トリアザテトラコサン-24-イル)フェノキシ)-3-(2-((E)-3,3-ジメチル-5-スルホネート-1-(4-スルホネートブチル)インドリン-2-イリデン)エチリデン)シクロヘキサ-1-エン-1-イル)ビニル)-3,3-ジメチル-1-(4-スルホネートブチル)-3H-インドール-1-イウム-5-スルホネート(FAP-4003)の合成
DCM+MeOH(1+1mL)中の化合物16(250.0mg、0.2244mmol)の撹拌溶液に、ジエチルアミン(Et)NH(2.0mL)を加え、室温で2時間、連続的に撹拌した。反応混合物を減圧下で溶媒蒸発させて、得られた粗製残留物をEtOAc(10mL)に再溶解した。得られた沈殿物をブフナー漏斗に通してろ過すると、遊離アミン(中間体2)が褐色固体として得られた。2のLC-MS:LC-MS(m/z):C435510の計算値[M+H]:893.40、実測値893.40g/mol。HRMS-ESI:C435510の計算値[M+H]:893.4121、実測値893.4160。以下に記載したFAP標的化色素化合物4の合成にこの物質を使用した。
次に、DMF(1.0mL)中のアミン(中間体2)(50mg、0.056mmol)の撹拌溶液に、3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(14.0mg、0.084mmol)、HATU(38.0mg、0.101mmol)およびDIPEA(42μl、0.252mmol)を添加することによって、4-(1-((2-(2-((3S,5S)-5-((S)-2-シアノ-4,4-ジフルオロピロリジン-1-カルボニル)-2-オキソピロリジン-3-イル)アセチル)イソインドリン-4-イル)メチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-N-(22-(4-ヒドロキシフェニル)-4,20-ジオキソ-7,10,13,16-テトラオキサ-3,19-ジアザドコシル)ベンズアミド(中間体3)を調製し、この混合物に室温で30分間、連続撹拌を施した。次に、この反応混合物を水(5mL)によってクエンチし、得られた粗製残留物をUHPLC(A=20Mm酢酸アンモニウム緩衝液(pH=7)、B=アセトニトリル、60分間でB5%から95%までの溶媒グラジエント)を使用することによって精製すると、中間体3が白色固体として得られた(34mg、60%)。3のLC/MS:LC-MS(m/z):C52631011の計算値[M+H]+:1041.46、実測値:1041.46。HRMS-ESI:C52631011の計算値[M+H]+:1041.4645、実測値1041.4650。
無水DMSO(500μl)中の中間体3(5.0mg、0.00480mmol)の撹拌溶液に、アルゴン雰囲気下、室温でClS0456色素(4.6mg、0.0048mmol)、次いでCsCO(15.0mg、0.0480mmol)を加えた。この混合物をさらに3~4時間、室温で連続して撹拌し、反応の進行をLCMSによってモニタリングした。
次に、この反応混合物を水で希釈し、UHPLC(A=20Mm酢酸アンモニウム緩衝液(pH=7)、B=アセトニトリル 0、60分間でB5%から35%までの溶媒グラジエント)を使用することによって精製すると、中間体5が綿状の緑色固体として得られた(6.0mg、66%)。4のLC-MS: LC/MS (m/z): [M+H] C90H110F2N12O23S4[M+H]の計算値: 1892.66, 実測値: 1892.60, [M+H]/2: 946.0, および[M+H]/3: 630.0 g/mol. 1H-NMR (D2O, 500 MHZ) δ = 8.27 (m, 1H); 7.62 (m, 10H); 7.12 (d, J = 6.2Hz, 5H); 6.97 (dd, J = 14.7 Hz, 7.9 Hz, 2H); 6.64 (dd, J = 14.1 Hz, 8.1 Hz, 2H); 5.86 (dd, J = 14.3 Hz, 3H); 5.40 (d, J = 9.8 Hz, 3H);4.97 (m, 3H); 4.54 (d, J = 7.5 Hz, 3H); 4.46 (s, 1H); 4.35 (s, 1H); 3.97 (m, 1H); 3.85 (s, 6H); 3.50 (s, 6H); 3.26 (m, 20H); 3.09 (m, 3H); 2.77(s, 10H); 2.62 (m, 4H); 2.33 (m,9H); 2.15 (m, 2H); 1.90 (d, J = 0.9 Hz, 7H); 1.68 (s, 10 H); 0.95 (s, 10 H) ppm.
図35は、合成後の、PBS中、pH7.4における、FAP-4003溶液1μM溶液の励起および発光スペクトルを示す。

Claims (119)

  1. 式(X)の構造:
    -L-B’ (X)
    (式中、
    Aは、式X-B:
    Figure 2024510267000261
    の線維芽細胞活性化タンパク質アルファ(FAPα)リガンドのラジカルであり、
    式中、
    Tは、置換もしくは無置換メチレン(-CH-)、置換もしくは無置換アミノ(-NH-)、-O-または-S-(例えば、Tの置換基は、C~Cアルキル、ハロアルキルまたはハロである)であり、
    Jは、C(R0~3であり、Rはそれぞれ、独立して、Hまたはアルキルであるか、または2つ以上のRが一緒になって、オキソを形成し、
    およびRは、-H、-CN、-CHO、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール-、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-PO、-SOF、-CONHおよび5-テトラゾリルからなる群から独立して選択され、
    およびRは、-H、-OH、F、Cl、Br、I、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキルおよび-S-C1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
    、R、RおよびRは、H、アルキルおよびハロからなる群から独立して選択され、
    、R10およびR11は、H、-C1~6アルキル、-C1~6ハロアルキル、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、F、Cl、BrおよびIからなる群から独立して選択され、
    Lは、AをB’に連結するリンカーであり、
    B’は、治療剤、放射線イメージング剤、放射線治療剤、磁気共鳴イメージング剤、化学治療剤、抗線維化剤または抗がん剤のラジカルであり、
    m=1~6である)
    によって表される化合物。
  2. C’をさらに含み、、
    Lが、C’を、1つまたは複数のA基およびB’に連結させ、
    C’が、アルブミン結合性リガンド、ポリエチレングリコール(PEG)(nは、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカンまたは糖のラジカルである、請求項1に記載の化合物。
  3. B’が、ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻害剤、同位体(または金属)に場合により結合したキレート基または同位体(または金属)に共有結合した基のラジカルであり、前記同位体または金属が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適である、請求項1または2に記載の化合物。
  4. 式(I’)の構造によって表される化合物:
    Figure 2024510267000262
    (式中、
    Aは、式X-B:
    Figure 2024510267000263
    のFAPαリガンド(標的指向性部分)のラジカルであり、
    式中、
    Tは、置換もしくは無置換メチレン(-CH-)、置換もしくは無置換アミノ(-NH-)、-O-または-S-(例えば、Tの置換基は、C~Cアルキル、ハロアルキルまたはハロである)であり、
    Jは、C(R0~3であり、Rは、独立して、Hまたはアルキルであるか、または2つ以上のRが一緒になって、オキソを形成し、
    およびRは、-H、-CN、-CHO、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール-、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-PO、-SOF、-CONHおよび5-テトラゾリルからなる群から独立して選択され、
    およびRは、-H、-OH、F、Cl、Br、I、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキルおよび-S-C1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
    、R、RおよびRは、H、アルキルおよびハロからなる群から独立して選択され、
    、R10およびR11は、H、-C1~6アルキル、-C1~6ハロアルキル、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、F、Cl、BrおよびIからなる群から独立して選択され、
    Lは、三価リンカーであり、
    B’は、同位体(または金属)に場合により結合したキレート基のラジカルであり、前記同位体(または金属)は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適であり、
    C’は、アルブミン結合性リガンド、(PEG)(nは、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカンまたは糖のラジカルである)。
  5. 式(X)の構造によって表される化合物:
    -L-B’ (X)
    (式中、
    Aは、式X-Xの構造:
    Figure 2024510267000264
    によって表され、
    Figure 2024510267000265
    は、
    Figure 2024510267000266
    からなる群から選択される構造を有しており、
    n=1~5であり、
    n’=1~5であり、
    環Cは、任意選択であり、
    環B中のX、YおよびZは、O、NおよびSから独立して選択され、ただし、XおよびYの少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
    環C中のX’およびY’は、O、NおよびSから独立して選択され、ただし、X’およびY’の少なくとも1つはNであり、
    Pは、式(X)のLまたはB’への環C(存在する場合)の結合点であり、-H、-OH、-NH、-COOH、-CONH、-CHO、-N、-CN、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール、-C=C-C(O)アリールおよび-C=C-S(O)アリールからなる群から選択され、
    Lは、存在する場合、リンカーであり、
    B’は、イメージング剤のラジカル、または治療剤のラジカルであり、
    m=1~6である)。
  6. Aが、式X-X’の構造:
    Figure 2024510267000267
    によって表され、
    Figure 2024510267000268
    が、式X-Bを有しており、
    Pが、式(X)のLまたはB’への結合点であり、-H、-OH、-NH、-COOH、-CONH、-CHO、-N、-CN、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール、-C=C-C(O)アリールおよび-C=C-S(O)アリールからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  7. Aが、式X-Yの構造:
    Figure 2024510267000269
    によって表され、
    Figure 2024510267000270
    が、式X-Bを有しており、
    n=0~4であり、
    X、YおよびZが、O、NおよびSから独立して選択され、ただし、XおよびYの少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
    X’およびY’が、O、NおよびSから独立して選択され、ただし、X’およびY’の少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
    Pが、式(X)のLまたはB’への結合点であり、-H、-OH、-NH、-COOH、-CONH、-CHO、-N、-CN、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール、-C=C-C(O)アリールおよび-C=C-S(O)アリールからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  8. Aが、式X-Zの構造:
    Figure 2024510267000271
    によって表され、
    Figure 2024510267000272
    が、式X-Bを有しており、
    X、YおよびZが、O、NおよびSから独立して選択され、ただし、XおよびYの少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
    X’およびY’が、O、NおよびSから独立して選択され、ただし、X’およびY’の少なくとも1つはNであるか、またはZはNであり、
    Pが、式(X)のLまたはB’への結合点であり、-H、-OH、-NH、-COOH、-CONH、-CHO、-N、-CN、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール、-C=C-C(O)アリールおよび-C=C-S(O)アリールからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  9. C’をさらに含み、
    Lが、C’を、1つまたは複数のA基およびB’に連結させ、
    C’が、アルブミン結合性リガンド、(PEG)(nは、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカンまたは糖のラジカルである、請求項4に記載の化合物。
  10. B’が、以下:
    ホスホイノシチド3-キナーゼ(PI3K)阻害剤
    同位体(または、金属)に場合により結合したキレート基または同位体(または、金属)に共有結合した基であって、前記同位体または金属が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適である、上記キレート基または共有結合した基
    抗がん剤
    抗線維化剤または色素(例えば、蛍光色素)
    のラジカルである、請求項1、2または4~9に記載の化合物。
  11. 式(I’)の構造によって表される化合物:
    Figure 2024510267000273
    (式中、
    Aは、式X-B:
    Figure 2024510267000274
    のFAPαリガンド(標的指向性部分)のラジカルであり、
    式中、
    Tは、置換もしくは無置換メチレン(-CH-)、置換もしくは無置換アミノ(-NH-)、-O-または-S-(例えば、Tの置換基は、C~Cアルキル、ハロアルキルまたはハロである)であり、
    Jは、C(R0~3であり、Rは、独立して、Hまたはアルキルであるか、または2つ以上のRが一緒になって、オキソを形成し、
    およびRは、-H、-CN、-CHO、-B(OH)、-C(O)アルキル、-C(O)アリール-、-C=C-C(O)アリール、-C=C-S(O)アリール、-COH、-SOH、-SONH、-PO、-SOF、-CONHおよび5-テトラゾリルからなる群から独立して選択され、
    およびRは、-H、-OH、F、Cl、Br、I、-C1~6アルキル、-O-C1~6アルキルおよび-S-C1~6アルキルからなる群から独立して選択され、
    、R、RおよびRは、H、アルキルおよびハロからなる群から独立して選択され、
    、R10およびR11は、H、-C1~6アルキル、-C1~6ハロアルキル、-O-C1~6アルキル、-S-C1~6アルキル、F、Cl、BrおよびIからなる群から独立して選択され、
    Lは、三価リンカーであり、
    B’は、同位体(または金属)に場合により結合したキレート基のラジカルであり、前記同位体(または金属)は、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適であり、
    C’は、アルブミン結合性リガンド、(PEG)(nは、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカンまたは糖のラジカルである)。
  12. Aが、
    Figure 2024510267000275
    である、請求項1、2、4、6~9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  13. Aが、
    Figure 2024510267000276
    である、請求項1、2、4、6~9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  14. Aが、
    Figure 2024510267000277
    を含む、請求項1、2、4、6~9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  15. Aが、
    Figure 2024510267000278
    を含み、
    Xが、1~20である、
    請求項1、2、4、6~9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  16. Aが、
    Figure 2024510267000279
    を含む、請求項1、2、4、6~9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  17. B’が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合したキレート基のラジカルである、請求項1、2、4~9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  18. B’が、以下
    Figure 2024510267000280
    のラジカルであり、B’が、上記から選択され、
    各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1、2、4~9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  19. B’が、以下
    Figure 2024510267000281
    のラジカルであり、B’が、上記から選択され、
    各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1、2、4~9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  20. B’が、放射線イメージング剤、放射線治療剤または磁気共鳴イメージング剤のラジカルである、請求項1、2、4~9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  21. B’が、DOTAのラジカル、同位体(または金属)がキレートしたDOTAのラジカル、または1,4,7,10-テトラアザシクロドデカン-1,4,7,10-四酢酸のラジカルを含む、請求項1、2、4~9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  22. B’が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体に共有結合した基のラジカルであり、前記基が、
    Figure 2024510267000282
    から選択される、請求項1に記載の化合物。
  23. B’が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合した
    Figure 2024510267000283
    を含む、請求項1、2、4~9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  24. B’が、放射線イメージング同位体、放射線治療同位体または磁気共鳴同位体またはキレート基、および前記キレート基に結合した放射線イメージング同位体、放射線治療同位体または磁気共鳴同位体のラジカルである、請求項1、2、4~9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  25. 環Bが芳香族である、請求項5に記載の化合物。
  26. n=2、n’=1であり、Aが、式(X-Z):
    Figure 2024510267000284
    によって表される、請求項5に記載の化合物。
  27. n=0~4であり、Aが、式X-Yの構造:
    Figure 2024510267000285
    によって表される、請求項5に記載の化合物。
  28. Aが、FAPαに対して、約1nM~約25nMの結合親和性を有する、請求項1、2、4~9、11、22または25~27のいずれか一項に記載の化合物。
  29. Lが、非放出性リンカーを含む、請求項1、2、4~9、11、22または25~27のいずれか一項に記載の化合物。
  30. Lが、放出性リンカーを含む、請求項1、2、4~9、11、22または25~27のいずれか一項に記載の化合物。
  31. Lが、PEG(n=0~36)、ペプチドまたはペプチドグリカンを含み、請求項1、2、4~9、11、22または25~27のいずれか一項に記載の化合物。
  32. Lが、
    Figure 2024510267000286
    を含む、請求項1、2、4~9、11、22または25~27のいずれか一項に記載の化合物。
  33. Lが、
    Figure 2024510267000287
    を含む、請求項1、2、4~9、11、22または25~27のいずれか一項に記載の化合物。
  34. Lが、1つまたは複数のリンカー基を含み、リンカー基がそれぞれ、アルキル(アルキレン)、ヘテロアルキル(アルキレン)、ヘテロシクロアルキル(アルキレン)、ヘテロアリール、アリール、アルコキシ、チオエーテル、ジスルフィド、カルボン酸、無水物、カーボネート、カルバメート、チオエーテル、糖、ペプチドおよびペプチドグリカンからなる群から独立して選択される、請求項5に記載の化合物。
  35. Lが、(L-W-(Lであり、Lが第1のリンカーであり、Lが、第2のリンカーであり、Wが、第3のリンカーであり、p=1~5およびq=1~5である、請求項34に記載の化合物。
  36. 各Lおよび各Lが、1つまたは複数のリンカー基を独立して含み、リンカー基がそれぞれ、アルキル(アルキレン)、ヘテロアルキル(アルキレン)、ヘテロシクロアルキル(アルキレン)、ヘテロアリール、アリール、アルコキシ、チオエーテル、ジスルフィド、カルボン酸、無水物、カーボネート、カルバメート、チオエーテル、糖、ペプチドおよびペプチドグリカンからなる群から独立して選択される、請求項35に記載の化合物。
  37. 各Lおよび各Lが、1つまたは複数のリンカー基を独立して含み、リンカー基がそれぞれ、PEG、アルキル(アルキレン)、アミド、フェニルおよびトリアゾールからなる群から独立して選択される、請求項35に記載の化合物。
  38. Wが、アミンコア、芳香族コアまたはアルキレンコアを有する、請求項35、36または37に記載の化合物。
  39. L、L、LまたはLおよびLが、5オングストローム~200オングストロームの長さを有する、請求項35に記載の化合物。
  40. L、L、LまたはLおよびLが、構造:
    Figure 2024510267000288
    を有する少なくとも1つのリンカー基を含み、
    nが、0~10である、請求項35に記載の化合物。
  41. L、L、LまたはLおよびLが、構造:
    Figure 2024510267000289
    を有する少なくとも1つのリンカー基を含む、請求項35に記載の化合物。
  42. L、L、LまたはLおよびLが、構造:
    Figure 2024510267000290
    を有する少なくとも1つのリンカー基を含み、
    n=1~32である、請求項35に記載の化合物。
  43. C’が、アルブミン結合性リガンドのラジカルであり、以下の構造:
    Figure 2024510267000291
    を有する、請求項2、4、9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  44. C’が、アルブミン結合性リガンドのラジカルであり、以下の構造:
    Figure 2024510267000292
    を有する、請求項2、4、9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  45. C’が、
    Figure 2024510267000293
    のラジカルである、請求項2、4、9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  46. C’が、ABD035、ABDCon、DARPin、dsFv CA645、ナノボディおよびVNAR(E06)を含むアルブミン結合性小タンパク質足場のラジカルである、請求項2、4、9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  47. C’が、PEG(nが、0~32の整数である)、ペプチド、ペプチドグリカンまたは糖である、請求項2,4、9または11に記載の化合物。
  48. C’が、
    Figure 2024510267000294
    である、請求項2、4、9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  49. C’が、
    Figure 2024510267000295
    である、請求項2、4、9または11のいずれか一項に記載の化合物。
  50. 式(V)の構造:
    Figure 2024510267000296
    (式中、
    Lは、少なくとも1個の炭素原子を含むリンカーであり、
    pは、0、1、2または3である)
    によって表される、請求項1に記載の化合物。
  51. Figure 2024510267000297
    ではない、請求項50に記載の化合物。
  52. Lが、
    Figure 2024510267000298
    を含み、
    式中、
    mが、1~9の整数であり、
    nが、1~32の整数であり、
    qが、0~4の整数であり、
    sが、0~4の整数である、請求項50または51のいずれか一項に記載の化合物。
  53. Figure 2024510267000299
    (式中、tは、0または1であり、uは、2~12の整数である)
    である、請求項50または51に記載の化合物。
  54. Figure 2024510267000300
    (mは1~4の整数である)
    である、請求項50に記載の化合物。
  55. Figure 2024510267000301
    である、請求項50に記載の化合物。
  56. Figure 2024510267000302
    である、請求項50に記載の化合物。
  57. Figure 2024510267000303
    である、請求項50に記載の化合物。
  58. Figure 2024510267000304
    である、請求項50に記載の化合物。
  59. Figure 2024510267000305
    である、請求項50に記載の化合物。
  60. 以下の構造の化合物:
    Figure 2024510267000306
    であって、
    各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、化合物。
  61. 以下の構造の化合物:
    Figure 2024510267000307
    であって、
    各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、化合物。
  62. 以下の構造の化合物:
    Figure 2024510267000308
    であって、
    各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、化合物。
  63. 以下の構造の化合物:
    Figure 2024510267000309
    であって、
    各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、化合物。
  64. 以下の構造の化合物:
    Figure 2024510267000310
    であって、
    各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、化合物。
  65. 以下の構造:
    Figure 2024510267000311
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  66. 以下の構造:
    Figure 2024510267000312
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  67. 以下の構造:
    Figure 2024510267000313
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  68. 以下の構造:
    Figure 2024510267000314
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  69. 以下の構造:
    Figure 2024510267000315
    であり、各々が、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  70. 以下の構造:
    Figure 2024510267000316
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  71. 以下の構造:
    Figure 2024510267000317
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  72. 以下の構造:
    Figure 2024510267000318
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  73. 以下の構造:
    Figure 2024510267000319
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  74. 以下の構造:
    Figure 2024510267000320
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  75. 以下の構造:
    Figure 2024510267000321
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  76. 以下の構造:
    Figure 2024510267000322
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  77. 以下の構造:
    Figure 2024510267000323
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  78. 以下の構造:
    Figure 2024510267000324
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  79. 以下の構造:
    Figure 2024510267000325
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  80. 以下の構造:
    Figure 2024510267000326
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  81. 以下の構造:
    Figure 2024510267000327
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  82. 以下の構造:
    Figure 2024510267000328
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  83. 以下の構造:
    Figure 2024510267000329
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  84. 以下の構造:
    Figure 2024510267000330
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  85. 以下の構造:
    Figure 2024510267000331
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  86. 以下の構造:
    Figure 2024510267000332
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  87. 以下の構造:
    Figure 2024510267000333
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  88. 以下の構造:
    Figure 2024510267000334
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  89. 以下の構造:
    Figure 2024510267000335
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  90. 以下の構造:
    Figure 2024510267000336
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  91. 以下の構造:
    Figure 2024510267000337
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  92. 以下の構造:
    Figure 2024510267000338
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  93. 以下の構造:
    Figure 2024510267000339
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  94. 以下の構造:
    Figure 2024510267000340
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  95. 以下の構造:
    Figure 2024510267000341
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  96. 以下の構造:
    Figure 2024510267000342
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  97. 以下の構造:
    Figure 2024510267000343
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  98. 以下の構造:
    Figure 2024510267000344
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  99. 以下の構造:
    Figure 2024510267000345
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  100. 以下の構造:
    Figure 2024510267000346
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  101. 以下の構造:
    Figure 2024510267000347
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  102. 以下の構造:
    Figure 2024510267000348
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な同位体(または金属)に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  103. 以下の構造:
    Figure 2024510267000349
    であり、放射線イメージング、放射線治療または磁気共鳴イメージングに好適な金属に場合により結合している、請求項1に記載の化合物。
  104. 構造:
    Figure 2024510267000350
    を有する、請求項1または5に記載の化合物。
  105. 構造:
    Figure 2024510267000351
    を有する、請求項1または5に記載の化合物。
  106. 構造:
    Figure 2024510267000352
    を有する、請求項1または5に記載の化合物。
  107. 構造:
    Figure 2024510267000353
    を有する、請求項1または5に記載の化合物。
  108. 請求項1~107のいずれか一項に記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  109. がんまたは線維症を有する対象における、前記がんまたは前記線維症をイメージングする方法であって、治療有効量の請求項1~107のいずれか一項に記載の化合物または請求項108に記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップ、および前記対象をイメージングするステップを含む、方法。
  110. 前記対象における前記がんまたは前記線維症の画像を生成するステップをさらに含む、請求項109に記載の方法。
  111. 前記線維症が、肺線維症、腎線維症および肝線維症から選択される、請求項109に記載の方法。
  112. それを必要とする対象において線維症を処置する方法であって、治療有効量の請求項1~107のいずれか一項に記載の化合物または請求項108の記載の医薬組成物を前記対象に投与するステップを含む、方法。
  113. 前記線維症が、肺線維症、腎線維症および肝線維症から選択される、請求項112に記載の方法。
  114. 炎症性疾患または障害を処置する方法であって、治療有効量の請求項1~107のいずれか一項に記載の化合物または請求項108に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与するステップを含む、方法。
  115. がんを処置する方法であって、治療有効量の請求項1~107のいずれか一項に記載の化合物または請求項108に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与するステップを含む、方法。
  116. 前記がんが、肺がん、乳がん、大腸がん、子宮頚がんおよび脳がん(例えば、膠芽腫)からなる群から選択される、請求項115に記載の方法。
  117. 化学療法または放射線治療を前記対象に行うステップをさらに含む、請求項115または116に記載の方法。
  118. FAPのリガンドの前記親和性を改善する方法であって、このようなリガンドが、イソインドリン足場を含み、
    前記方法が、トリアゾール部分を分子モデリングにより前記リガンドの前記イソインドリン足場に導入して、一層高いシュレーディンガーの分子ドッキングスコアを実現するステップを含み、これによって、FAPの前記リガンドの前記親和性が改善される、方法。
  119. FAPのリガンドあって、トリアゾール部分が導入されたイソインドリン足場を含み、少なくとも約-8.0kcal/molのシュレーディンガーの分子ドッキングスコアを有する、リガンド。
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