JP2024510109A - 妊娠中の対象に使用するためのラクトバチルス・クリスパタス組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)細胞を含み、流産、早期分娩、および早産などの妊娠合併症を最小限にし、且つ/または予防する、妊娠中の対象に使用するための組成物に関する。

Description

本発明は、流産、早期分娩、および早産などの妊娠合併症を最小限にし、および/または予防する、妊娠中の対象に使用するための組成物に関する。
流産、早期分娩、および早産などの妊娠時の合併症は深刻な問題であり、母子の両方に対して長期に亘り影響を及ぼす可能性がある。このような合併症は珍しいものではなく、流産は妊娠例の約25%で発生し、早期分娩は妊娠例の5~10%で発生している。早期分娩は、世界のいずれの場所においても5歳未満の乳幼児の死亡原因の第1位となっており、生存した場合においても、重度のハンディキャップと軽度のハンディキャップの両方の主要原因となる。早期分娩例のおよそ1/3は、先だって早期前期破水が起こる。これらの症例では、早発型新生児敗血症のリスクが高く、早発型新生児敗血症はそれ自体がその後のハンディキャップのリスク因子となる。
乳酸桿菌は、ヒトの腸、口、および腟の細菌叢の一部となっているグラム陽性桿状細菌である。腟内乳酸桿菌は、乳酸を産生し腟を酸性化することを通して、あるいは、過酸化水素Hなどの他の抗菌産物を産生することによって、感染に対する抵抗性において重要な役割を果たしていると考えられている。妊娠中にラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)が高レベルであることは、流産、早期分娩、および早産の頻度の減少と関連していることが示されているが、一方で、ラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)の存在は、早産と関連していることが示されている。
これらの知見は、乳酸桿菌が概して腟内の健康を促進するものであるという広く受け入れられた信仰とともに、女性は、妊娠合併症を予防しその可能性を最小限にするために、ラクトバチルスを腟に再コロニー形成させるべきであることを示唆するものである。腟内の健康をターゲットにした「OTC(over the counter)」ラクトバチルス属菌種含有製品が幅広く存在しており、妊婦による使用が推奨されているが、これらの製品を単独で使用した場合、コロニー形成や有益性のエビデンスはほとんどない。Yang et al., Effect of Oral Probiotic Lactobacillus rhamnosus GR-1 and Lactobacillus reuteri RC-14 on the Vaginal Microbiota, Cytokines and Chemokines in Pregnant
Women Nutrients 2020, 12, 368; doi:10.3390/nu12020368を参照されたい。Yang et al.の表2に、その著者らは、早産がプロバイオティクスコホートでは2例、プラセボ群では0例であったことを報告している。著者らは、ラクトバチルスによるプロバイオティクス治療がPTBに効果があることを証明できなかったと結論付けている(12ページ参照)。
Yang et al.に反して、本発明は、PTBのリスクがあるコホート内で早産を劇的に減少させるものである。さらに、本発明は、驚くべきことに、高力価ラクトバチルス・クリスパタス株を高生存率製剤の形態で投与する場合、生きた治療薬の投与に先立ち競合を低減するための前処置としての抗生物質を使用する必要がないことを教示するものである。健康な腟内マイクロバイオームを促進し望ましくない細菌を減らすために抗生物質を使用することは、妊婦にとって、あるいは無症候性の細菌性腟症(BV)を有する妊婦にとって禁忌であるため、これは重要なことである。細菌性腟症、すなわち腟内マイクロバイオームのディスバイオシスは、PTBを含む産科合併症と関連付けられている。
BVは無症状である場合が多いが、CDCおよびACOGは症候性症例に対してのみ抗生物質による治療を推奨している。
定説では、腟におけるラクトバチルスの最適な治療的コロニー形成には、抗生物質による前処置が必要であると教示されている(Bohbot et al., Efficacy and safety of vaginally administered lyophilized Lactobacillus crispatus IP 174178 in the prevention of bacterial vaginosis recurrence. J Gynecol Obstet Hum Reprod 2018;47:81-86; Haahr T, Freiesleben NC, et al., Effect of clindamycin and a live biotherapeutic on the reproductive outcomes of IVF patients with abnormal vaginal microbiota: protocol for a double-blind, placebo-controlled multicentre trial. BMJ Open. 2020 Oct 13;10(10): e035866;およびHeczko PB, et al. Supplementation of standard antibiotic therapy with oral probiotics for bacterial vaginosis and aerobic vaginitis: A randomised, doubleblind, placebo-controlled trial. BMC Womens Health 2015; 15:115を参照)。
妊娠中の対象における満期産の可能性を高めることを目的とした、改善された治療法の追加が、引き続き必要とされている。
本発明は、妊婦における使用に適した所望の特徴を有する特定のラクトバチルス属菌種の使用に関する。本発明者らの驚くべき発見では、本明細書において開示されたラクトバチルス属組成物を使用することで、支持的な抗生物質治療を先にまたは同時に行う必要なく、妊娠中の対象の生来の腟内微生物叢を補充または置換し、多数の妊娠合併症に対する保護的な結果をもたらすことができる。
第1の態様において、本発明は、妊娠中の女性対象における満期産の可能性を高めることに使用するためのラクトバチルス・クリスパタス細胞を含む組成物であって、前記組成物は腟に局所適用するためのものであり、前記ラクトバチルス・クリスパタス細胞は、グリコーゲンを利用してL-乳酸とD-乳酸の両方を産生するための、プルラナーゼ遺伝子を機能的に発現しており、前記対象は抗生物質、特に腟内細菌を標的とする抗生物質で前処置されていない、組成物を提供する。
図1Aは、妊娠中の対象に本明細書において開示された組成物を投与するための臨床プロトコルの模式図を示している。ラクチン-V療法のために採用された早産リスクが高い女性を、妊娠第14週(T0)、負荷投与の終了時(T1)、維持投与期の間(T2)および終了時(T3)、第28週(T4)、第36週(T5)、並びに出産時(T6)にサンプリングした。 図1Bは、妊娠中の対象に本明細書において開示された組成物を投与するための臨床プロトコルの模式図を示している。ラクチン-V療法のために採用された早産リスクが高い女性を、妊娠第14週(T0)、負荷投与の終了時(T1)、維持投与期の間(T2)および終了時(T3)、第28週(T4)、第36週(T5)、並びに出産時(T6)にサンプリングした。 図2は、本明細書において開示された臨床プロトコルに参加した合計61人の積極的参加者のリスク因子の比率を示す円グラフを示している。 図3は、本明細書において開示された臨床プロトコルに参加した合計61人の積極的参加者の民族起源の比率を示す円グラフを示している。 図4は、本明細書において開示された臨床プロトコルに参加した合計61人の積極的参加者の結果を示している。 図5は、ラクチン-V療法を受けた妊婦のメタ分類学的(metataxonomic)プロファイリングを示している。腟試料は妊娠中の特定の時点における女性から採取し、その細菌組成を、細菌性16S rRNA遺伝子のV1-V2超可変領域のイルミナ製MiSeqベースのアンプリコンシーケンスによって特徴付けした。(A)ラクトバチルス・クリスパタスにマッピングされた、生の、および対数変換したシーケンスリード数の平均値は、負荷期後に有意に増加し、妊娠中は高く維持された(ANOVA、p<0.001、FDR q<0.001)。これは、ラクトバチルス・クリスパタス優勢の腟内微生物叢の蔓延率が、ラクチン-V療法前の35%から、負荷投与後の95%に変化したことに相当する。 (B)対照的に、ラクトバチルス・イナース(L. iners)にマッピングされた、生の、および対数変換したシーケンスリード数の平均値は、負荷投与後に有意に減少した(ANOVA、p<0.001、FDR q<0.001)。T0=妊娠第14週、T1=妊第15週(負荷投与の終了時)、T2=第18週(維持投与期中)および維持投与期の終了時(T3)、第28週(T4)、第36週(T5)、並びに出産時(T6)。
以下の説明は、当業者であれば本発明を製造および使用することができるようにするためのものである。開示された各実施形態に対する種々の変更が当業者には容易に理解されよう。
本発明をより理解し易くするために、まずは特定用語の定義を行う。追加の定義については、発明を実施するための形態の全体を通じて記載を行う。
本明細書で使用される場合、「ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)」および「ラクトバチルス・クリスパタス(L. crispatus)」という語は、同義的に使用されており、ラクトバチルス属の種を指している。この種は、一般的には、16SリボソームRNA遺伝子のポリヌクレオチド配列に基づいて他の乳酸桿菌とは区別される。ラクトバチルス・クリスパタスは、過酸化水素と、L-乳酸およびD-乳酸の両方とを産生することが可能な腟内種である、多くのラクトバチルス属菌種のうちの1つである。「ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)」および「ラクトバチルス・クリスパタス(L. crispatus)」という語は、さらに、ラクトバチルス・クリスパタスの16SリボソームRNA遺伝子の16SリボソームRNA遺伝子配列に対する配列相同性を少なくとも97%有する任意の菌株を指す。
本明細書で使用される場合、「満期産」という語は、妊娠期間のことであって、新生児が37週以後に出生されることを指す。したがって、「満期産の可能性を高める」という語は、「早期分娩(preterm labour)または早産(preterm delivery)を予防する可能性を高める」という語と交換可能である場合があり、ここで、「早期分娩」および「早産」は、妊娠期間のことであって、新生児が37週より前に出生されることを指す。また、対象における流産のリスクを低減することで満期産の可能性を高めることを包含することも意図されており、ここで、「流産」という語は、24週
までの妊娠の自然喪失と定義される。
本明細書で使用される場合、「局所的な」および「局所投与」という語は、同義的に使用され、組成物が、身体上または身体内の特定の場所に適用されることを指し、皮膚または粘膜に適用されることが最も多い。したがって、「局所的な」という語は、組成物が、対象に直接適用されることを指し得る。本発明において、この語は、本明細書において開示された組成物が、妊娠中の対象の腟上皮または子宮頸部上皮に適用されることを指し得る。
本明細書で使用される場合、「処置前」という語は、本発明の文脈では、対象が、本明細書において開示された組成物を前記対象の腟に局所投与される際に、いかなる種類の抗生物質治療も事前に、または同時に、受けていないことを指す。
本明細書で使用される場合、「凍結乾燥された」または「凍結乾燥粉末」という語は、同義的に使用され、物質を凍結した後、水の濃度を生物学的反応も化学的反応も支持することがないレベルに昇華および/または蒸発によって減少させることを介して、粉末が生成される工程を指す。
本明細書で使用される場合、「生存可能な」および「生細胞」という語は、同義的に使用され、成長し繁殖することが可能なラクトバチルス・クリスパタス細胞を指す。本明細書で使用される場合、「力価(potency)」という語は、薬剤単位(medicant unit)(すなわち凍結乾燥粉末)当たりに送達される生菌細胞の数を指す。本明細書において開示された組成物がインビボにおいて効果的であるためには、薬剤単位当たり少なくとも10CFUの力価で微生物細胞が腟上皮細胞にコロニー形成することと、生物学的効果の両方が必要である。
本明細書で使用される場合、「MRS培地」、「De Man、 Rogosa and Sharpe寒天」、および「MRS」という語は、ラクトバチルス・クリスパタス細胞の増殖に有利であるように設計された選択的な培地を指す。このような培地は、当業者に公知であり、市販されている。典型的には、MRS培地は、10gのBacto Proteose Peptone No. 3、10gのBacto Beef Extract、5gのBacto Yeast Extract、20gのBacto Dextrose Extract、1gのTween 80、2gのクエン酸アンモニウム、5gの酢酸ナトリウム、0.1gの硫酸マグネシウム、0.05gの硫酸マンガン、および2gのリン酸二カリウムを含み、試薬グレードのHOで1000mlまでメスアップしたものである。MRS寒天の場合、前記混合物に10gの寒天が添加され得る。この培地は、25℃でpH6.5±0.2に調整されて最適条件とされ得るが、ラクトバチルス・クリスパタス細胞の増殖に有利であるいかなる条件も使用できる。場合によっては、特定のラクトバチルス・クリスパタス株、例えば、ラクトバチルス・クリスパタスSJ-3C株またはラクトバチルス・クリスパタス株CTV-05用に増殖条件を最適化するために、MRS寒天が利用され得る。SJ-3C株は、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(American Type Cell Culture)(10801、ユニバーシティーブールバード、マナッサス、バージニア州、20110-2209)に2009年6月23日に寄託され、寄託番号PTA-10138が授けられた。この寄託は、ブダペスト条約に従って、米国特許法施行規則第1.801~1.809条に記載の通りに、行われた。CTV-05株は、1999年4月20日に、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC)寄託番号202225として、ジャイネロジックス インコーポレイテッド(GyneLogix, Inc.)によって寄託され、2003年2月28日にオセル、インコーポレイテッド(Osel, Inc.)によって取得されたものである。
本明細書で使用される場合、「第一期(first trimester)」、「第1三半期(primary trimester)」、および「初期三半期(initial trimester)」という語は、同義的に使用され、対象の最終月経の初日から始まり、妊娠12週目の最終日まで続く、妊娠期間を指す。「第二期(second trimester)」および「中期三半期(middle trimester)」という語は、同義的に使用され、妊娠13週目の初日から始まり、妊娠27週目の最終日まで続く、妊娠期間を指す。
本明細書で使用される場合、「最終月経」および「LMP」という語は、同義的に使用され、妊娠する前の対象の最終月経の初日を指す。LMPは、新生児の出産の予定日または満期日を算出するためによく用いられている。
本明細書で使用される場合、「第三期(third trimester)」または「終期三半期(final trimester)」という語は、同義的に使用され、妊娠27週目または28週目の初日から始まり、妊娠の最後まで続く、妊娠期間を指す。
本明細書で使用される場合、「総細菌集団」という語は、腟にコロニー形成している、すなわち、「腟内微生物叢」または「腟内マイクロバイオーム」の構成に寄与している、細菌性微生物の総数を指す。これは、多種の微生物(真菌種およびウイルス種を含む)を含んでよく、生菌と非生菌の両方を含む。
本明細書で使用される場合、「短い子宮頸部」という語は、対象が、従来の手段(例えば、超音波)で測定された場合に、25mm以下の子宮頸部長を有することを指し、当該特定の対象において妊娠喪失、早期分娩、および/または早産のリスクを高める。本明細書において定義される短い子宮頸部は、15~25mmの長さ、16~25mmの長さ、17~25mmの長さ、18~25mmの長さ、19~25mmの長さ、20~25mmの長さ、21~25mmの長さ、22~25mmの長さ、23~25mmの長さ、または24~25mmの長さであり得る。
本明細書で使用される場合、「ラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)」および「ラクトバチルス・イナース(L. iners)」という語は、同義的に使用され、ラクトバチルス属のさらなる種を指す。
本明細書で使用される場合、「毎日(daily)」という語は、本明細書において開示された組成物を、対象に毎日投与することを指す。組成物を1日に投与する回数は複数回であってよい。例えば、本明細書において開示された組成物は、1日に1回または2回投与されてよく、好ましくは、組成物は1日1回投与される。前記組成物は、1日の間のいかなる時間に投与されてよいが、投与に最適な時間は就寝時であり、好ましくは横たわって寝る前であると想定される。
本明細書で使用される場合、「ディスバイオシス」または「腟ディスバイオシス」という語は、同義的に使用され、種々様々な細菌によって最適な腟内微生物叢が置き換えられることを指す。
本明細書で使用される場合、「有効量」または「薬剤有効量」という語は、所望の生物学的結果または治療結果を与えるのに十分な薬剤の量を指す。本発明の文脈においては、これらの語は、所望の効果を達成するために、例えば、妊娠中の女性における満期産の可能性を高めるために必要な、ラクトバチルス・クリスパタス細胞の量を指してよい。
本明細書で使用される場合、「負荷投与期(loading period)」という語は、対象が規定の期間(例えば2~7日間)内に本明細書において開示された組成物の反復投与を受け得る、投与開始時期を指す。
本明細書で使用される場合、「プルラナーゼ遺伝子陽性」とは、ラクトバチルス・クリスパタス株が、グリコーゲン脱分枝酵素プルラナーゼを発現しており、当該菌株がグリコーゲンを利用できることを指す(Pan et al., Host and body site-specific adaptation of Lactobacillus crispatus genomes. NAR Genomics and Bioinformatics, 2020: 2(1); Van Der Veer et al., Comparative genomics of human Lactobacillus crispatus isolates reveals genes for glycosylation and glycogen degradation; implications for in vivo dominance of the vaginal microbiotaを参照)。ラクトバチルス・クリスパタス株SJ-3Cのプルラナーゼは、配列番号1に対し少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。ラクトバチルス・クリスパタス株CTV-05のプルラナーゼは、配列番号2に対し少なくとも95%の相同性を有するアミノ酸配列を有し得る。
本明細書で使用される場合、「水分活性」という語と「a」という表記は、試料中の未結合の水の量を指す。水分活性は、所与の温度における純水の蒸気圧で除算された試料中の水の蒸気圧として表される、水の熱力学的尺度である。水分活性およびaは、平衡相対湿度(「ERH」)を100で割ったものと同等であると定義される。ERHは、乾燥粉末が、環境に対し、水分を吸収することも失うこともない平衡状態である。ERHは全成分の組成に影響を受け、特に、遊離水または結合水として存在してよい、含水量が高いものの影響を受ける。遊離水の含量は、乾燥粉末の貯蔵安定性および純度に影響する可能性があり、貯蔵中に活性の望ましくない低下や混入微生物の増殖に繋がることがある。
本明細書で使用される場合、「湿重量」という語は、遠心分離し上清をデカントで捨てた後の細胞ペレットの重量(グラム)を指す。一般的には、細胞回収工程の後、遠心用ボトルを先に秤量し、細胞をスピンダウンし、上清をデカントで捨て、ボトルを再度秤量する。この重量差がペレットの湿重量となる。
腟内微生物叢にラクトバチルスが枯渇していること、またはラクトバチルス・イナースが豊富であることと、早産との間の関連は、腟環境内の炎症経路の活性化を介したものと考えられる。理論に制限されるものではないが、ラクトバチルス・クリスパタスが豊富な腟内微生物叢は、この炎症活性化に対して保護的に働き、妊娠中の対象における満期産率を高めることに寄与し得ると考えられている。
驚くべき本発明の効果として、ラクトバチルス・クリスパタスの腟内投与は、ラクトバチルス・クリスパタスのコロニー形成を支持するためにいかなる抗生物質処置も併用する必要なく、本明細書に記載された有益な効果を奏することができる。
したがって、第1の態様において、本発明は、妊娠中の女性対象における満期産の可能性を高めることに使用するためのラクトバチルス・クリスパタス細胞を含む組成物であって、前記組成物は腟に局所適用するためのものであり、前記ラクトバチルス・クリスパタス細胞は、グリコーゲンを利用してL-乳酸とD-乳酸の両方を産生するための、プルラナーゼ遺伝子を機能的に発現しており、前記対象は抗生物質で前処置されていない、組成物を提供する。本明細書において開示された組成物は、妊娠34週より前の自然早産の可
能性を低減するために使用されてもよい。
本明細書において開示された組成物は、特に、以下の評価基準を満たす妊娠中の対象に向けたものである:
i) 早産の前歴もしくは25mm以下の短い子宮頸部を有する対象;および/または
ii) 腟液試料中に少なくとも50%のラクトバチルス・イナース集団が含まれる対象;および/または
iii) 腟液試料中のラクトバチルス属菌種が50%未満であるディスバイオシスを有する対象;および/または
iv) 腟内細菌を標的とする抗生物質で前処置されていない対象。
本発明で有用なラクトバチルス・クリスパタス株は、一部の腟内ラクトバチルス・クリスパタス株にとって重要な炭素源であるグリコーゲンを利用する能力を与える、プルラナーゼ遺伝子(glgX)を機能的に発現するものである。Glgxは、I型プルラナーゼ脱分枝酵素(LKBG_01742)をコードする。Glgxは、以下のプライマー対を使用した、LBKG_01742の内部断片(982bp の増幅により同定することができる:
AM51:CGGTCCTTATGTTCGTTCGA(配列番号3)、および
AM52:CACCTGGAGTGGTTGGACTT(配列番号4)。
グリコーゲンを利用する能力は、ビオメリュー(Biomerieux)製の炭水化物利用試験キット(https://www.biomerieux-usa.com/sites/subsidiary_us/files/18_api-ref-guide_v7.pdf)、具体的にはカタログ番号50300およびカタログ番号50410のAPI 50 CHキットなどの従来の試験キットにより、表現型的に決定することができる。
ラクトバチルス・クリスパタス細胞はH陽性表現型を有してもよい。H表現型は、持続的な腟でのコロニー形成(Vallor, A. C., et al.,
J Infect Dis. 2001 Dec. 1;184(11):1431-6)と、腟における免疫調節効果(Mitchell, C. et al. Sex Transm Dis Sex Transm Dis. 2015 Jul; 42(7): 358-363 と関連している。加えて、ラクトバチルス属菌種による乳酸、具体的にはL-乳酸とD-乳酸の産生が、病原体の増殖を阻害することが、インビトロにおいて示されている。
本発明のラクトバチルス・クリスパタス細胞はHを産生してよい。ラクトバチルス・クリスパタスによるH産生は、Hを測定するための任意の手段によって定量化することができる。H産生を測定するために使用される方法は、当該技術分野において周知であり、培養法または直接検出法を挙げることができる。培養法は、ラクトバチルス・クリスパタス細胞をテトラメチルベンジジン培地(TMB)上に播種し、嫌気条件下でインキュベートした場合の、形成された青色顔料の強度を定量化することによる、H産生の測定を伴い得る。例えば、ラクトバチルス・クリスパタスを、TMB寒天プレート上で、約48時間、嫌気条件下、37℃でインキュベートしてよい。その後、この寒天プレートが周囲空気に曝される。この周囲空気への暴露によって、産生されたHが寒天中の西洋ワサビペルオキシダーゼと反応してTMBを酸化させ、ラクトバチルス・クリスパタスコロニーが青色に変色する。このようにして、菌株を、非産生株は0、弱い産生株は1、中程度の産生株は2、または強い産生株は3とスコア化する。強くHを産生するラクトバチルス・クリスパタス株は、空気暴露の10分以内に青く変色し、30分間のうちに濃い青色になる(Pendharkar, S. et al. BMC Infect Dis 2013, Jan 13:43. doi: 10.1186/1471-2334-13-43)。あるいは、市販のH検出ストリップ(例えば、ミリポア・シグマから入手可能)を用いて0~100mg/LのHの量を測定する直接検出法を用いてよい。
本発明のラクトバチルス・クリスパタス細胞はL-乳酸とD-乳酸の両方を産生するが、これらの産生は、病原体の増殖を阻害することがインビトロで示されている。本発明のラクトバチルス・クリスパタス細胞は、効果的な増殖条件下において、好ましくは少なくとも約0.75mg/100mlの乳酸、より好ましくは少なくとも約4mg/100mlの乳酸、さらにより好ましくは少なくとも約8.8mg/100mlの乳酸を産生する。シンプルで、直接的であり、自動化に対応した、乳酸濃度を測定するための手順が利用可能であり、以下を参照されたい:乳酸脱水素酵素によって触媒される乳酸の酸化と、形成されたNADHによるホルマザン(MTT)試薬の還元に基づいた、バイオアッセイ・システムズのEnzyChrom(商標)乳酸アッセイキット。565nmで測定される、産生物の色の強度は、試料中の乳酸濃度に比例する。乳酸を測定するための別の手段としては、HPLCの使用がある。
ラクトバチルス・クリスパタス細胞のさらなる特徴として、ラクトバチルス・クリスパタス細胞が、腟上皮細胞(VEC)接着率の値が少なくとも約50%であることが挙げられる。「VEC接着率の値」は、同定された群における全VEC数中の、少なくとも1個のラクトバチルス・クリスパタス細胞が接着しているVECの割合と定義される。本発明において、「接着」および「粘着」という語は同義的に使用されることがある。微生物細胞の腟上皮細胞への接着は、コロニー形成と生物学的効果において重大な意味を持つ。医薬粉末のラクトバチルス・クリスパタス細胞が腟上皮細胞に上手く接着できると、腟上皮細胞へのコロニー形成が成功する。長期の生体内コロニー形成は、本発明の製品および方法の目標であり、「VEC接着率の値」は、インビトロおよびインビボにおいて意義のある数のVECが微生物細胞を受け入れるかどうかの良好な予測となる。許容できるVEC接着値を決定するために使用される方法は、当該技術分野において周知であり、米国特許第6,468,526号および米国特許第6,093,394号に見出すことができる。Kwok, et al., J. Urol. 2006, 176:2050-2054も参照されたい。
本明細書で使用されるラクトバチルス・クリスパタス細胞の他のさらなる特徴として、ラクトバチルス・クリスパタス細胞が、インビボおよびインビトロの両方で、経時的な遺伝的安定性を有することが挙げられる。本発明において、「遺伝的安定性」とは、各世代のラクトバチルス属菌株が母菌株の同一遺伝的プロファイルを実質的に維持する能力を指す。言い換えれば、各世代の遺伝的に安定な菌株は、ある期間に亘って、そのゲノムDNAに大きな変異を獲得することがない。反復配列ポリメラーゼ連鎖反応(Rep PCR)を用いることで、インビトロでの貯蔵またはインビボでの腟上皮細胞へのコロニー形成後の、経時的な、ラクトバチルス属菌株の遺伝的な同一性および安定性を確認することができる。ラクトバチルス属菌株の遺伝的な同一性および安定性を確認するために用いられるRep PCR法は、当該技術分野において周知であり、米国特許第6,093,394号に見出すことができる。Antonio & Hillier, J. Clin. Microbiol. 2003, 41:1881-1887も参照されたい。
上述のように、避けるべき抗生物質は、腟内細菌を標的とする抗生物質であり、その腟内細菌とは、細菌性腟症(BV)と関連したもの、例えば、ガードネレラ・バジナリス(Gardnerella vaginalis)、アトポビウム・バギナエ(Atopobium vaginae)、並びに、プレボテラ属菌種およびモビルンカス属菌種などの他の多種多様な嫌気性細菌、または、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomitis)および腟トリコモナス(Trichomonas vaginalis)などの、性行為感染症と関連したもの、としてよい。本明細書で使用される場合、「腟内細菌を標的とする抗生物質」という語は、これらの細菌、または腟に常在するあらゆる他の細菌を標的とする、あらゆる抗生物質を指す。一般的に、そのような腟細菌感染症は、クリンダマイシン、メトロニダゾール、チニダゾール、および/またはセクニダゾールなどの抗生物質で治療される。本発明の驚くべき利点として、本明細書において開示された組成物は、抗生物質療法またはバクテリオファージ療法などの、望ましくない細菌集団を減少または死滅させることを目的とした追加の治療法の必要なく、妊娠中の対象が満期に達する可能性を高める際に、有効であってよい。
本明細書において開示された使用のための組成物は、正式には原薬と呼ばれる生きた細菌を含む凍結乾燥粉末の組み合わせであってよい。この原薬をさらにマルトデキストリンなどの賦形剤と組み合わせることで、正式には製剤と呼ばれる最終医薬が得られる。したがって、本明細書で使用される場合、「組成物」および「製剤」という語は交換可能である。このような製剤は、別の製剤と比較した場合に、有効期間がより長く、安定性が増強され、輸送と保存に関する制限が少ない、最終剤形を可能にする。当業者であれば、そのような凍結乾燥粉末を調製する適切な方法と、適切な装置、例えば、冷蔵システム、真空システム、制御システム、プロダクトチャンバまたはマニホールド、およびコンデンサを知っているはずである。
本明細書において開示された組成物または粉末は、賦形剤または薬剤的に許容できる担体をさらに含んでよい。したがって、本明細書において開示された粉末は、賦形剤または薬剤的に許容できる担体をさらに含んでよい。本明細書で使用される場合、「賦形剤」および「薬剤的に許容できる担体/賦形剤」という語は、同義的に使用され、製剤の有効成分、すなわちラクトバチルス・クリスパタス細胞と一緒に製剤化される不活性な物質を指す。賦形剤または薬剤的に許容できる担体は、一般には、安定性を増強するために、または、最終剤形における有効成分に対し治療上の増強、例えば、薬剤吸収の促進、粘度の低減、もしくは溶解性の増強、を与えるために、含まれる。好適な賦形剤および/または薬剤的に許容できる担体の例としては、マルトデキストリン、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、デンプン、アルファ化デンプン、微結晶性セルロース、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、コロイダルシリカ、Pharmasperse(登録商標)、マンニトール、トレハロース、キシリトール、アスコルビン酸ナトリウム、ラクトース、スクロース、ポリビニル、ピロリドン、クロスポビドン(crosspovidone)、グリシン、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、シクロデキストリン、並びにこれらの誘導体および混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態において、本明細書において開示された組成物または粉末は、ラクトバチルス・クリスパタス株、例えば、ラクトバチルス・クリスパタスCTV-05またはラクトバチルス・クリスパタスSJ-3Cに加えて、トレハロース、キシリトール、アスコルビン酸ナトリウム、コロイダルシリカ、およびマルトデキストリンをさらに含んでよい。
本明細書において開示された組成物または粉末は、3倍~10倍の賦形剤で希釈してよい。本明細書において開示された組成物または粉末は、賦形剤と、1:1~1:12(w/w)の組成物/粉末:賦形剤比で、組み合わされてよい。本明細書において開示された組成物または粉末は、賦形剤と、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、または1:12(w/w)の組成物/粉末:賦形剤比で、組み合わされてよい。好ましくは、本明細書において開示された組成物または粉末は、賦形剤と、1:1~1:10(w/w)の組成物/粉末:賦形剤比で、組み合わされてよい。より好ましくは、本明細書において開示された組成物または粉末は、賦形剤と、1:1~1:5(w/w)の組成物/粉末:賦形剤比で、組み合わされてよい。さらにより好ましくは、本明細書において開示された組成物または粉末は、賦形剤と、1:1~1:3(w/w)の組成物/粉末:賦形剤比で、組み合わされてよい。
特定の実施形態において、本明細書において開示された組成物/粉末は、マルトデキストリンと、1:1~1:10(w/w)の組成物/粉末:マルトデキストリン比で、組み合わされてよい。本明細書において開示された組成物/粉末は、マルトデキストリンと、1:1~1:5(w/w)の組成物/粉末:マルトデキストリン比で、組み合わされてよい。本明細書において開示された組成物/粉末は、マルトデキストリンと、1:1~1:3(w/w)の組成物/粉末:マルトデキストリン比で、組み合わされてよい。
特定の実施形態において、本明細書において開示された組成物/粉末は、フラクトオリゴ糖と、1:1~1:10(w/w)の組成物/粉末:フラクトオリゴ糖比で、組み合わされてよい。本明細書において開示された組成物/粉末は、フラクトオリゴ糖と、1:1~1:5(w/w)の組成物/粉末:フラクトオリゴ糖比で、組み合わされてよい。本明細書において開示された組成物/粉末は、フラクトオリゴ糖と、1:1~1:3(w/w)の組成物/粉末:フラクトオリゴ糖比で、組み合わされてよい。
特定の実施形態において、本明細書において開示された組成物/粉末は、ガラクトオリゴ糖と、1:1~1:10(w/w)の組成物/粉末:ガラクトオリゴ糖比で、組み合わされてよい。本明細書において開示された組成物/粉末は、ガラクトオリゴ糖と、1:1~1:5(w/w)の組成物/粉末:ガラクトオリゴ糖比で、組み合わされてよい。本明細書において開示された組成物/粉末は、ガラクトオリゴ糖と、1:1~1:3(w/w)の組成物/粉末:ガラクトオリゴ糖比で、組み合わされてよい。
本明細書において開示された使用のための組成物は、20~200メッシュの篩を用いる従来のふるい分け法によって得られる、800~100μmの粒径を有してよい。
本明細書において開示された使用のための組成物は、MRS寒天、ロゴサ、またはこれら2つの組み合わせ上に播種された場合、1回量あたり1×10~1×1010CFUの量の生細胞を生成し、好ましくは1回量当たり5×10~5×10CFUの量の生細胞を生成し得る。好ましい実施形態において、高力価のラクトバチルス・クリスパタス株が使用される。このような菌株は、本明細書において開示された高生存率製剤と組み合わせて、妊娠中の女性が満期に達する可能性を高めること、または同時に、妊娠中の女性における早期分娩もしくは早産を予防する可能性を高めることに関して、臨床的に有意な結果を提供する。
MRS培地の代わりに、所望の機能的特徴を失うことなく、ラクトバチルス・クリスパタス細胞の効果的な増殖をもたらす任意の他の培地も、使用されてよい。好ましくは、このような培地は、同化可能有機炭素(organic carbo)源、同化可能窒素源、および適切な塩、並びに微量金属を含んでよい。
生細胞の含量は、1×10~1×1010、2×10~1×1010、3×10~4×1010、5×10~1×1010、6×10~1×1010、7×10~1×1010、8×10~1×1010、9×10~1×1010、1×10~1×10、2×10~1×10、3×10~1×10、4×10~1×10、5×10~1×10、6×10~1×10、7×10~1×10、8×10~1×10、9×10~1×10、1×10~1×1010、2×10~1×1010、3×10~1×1010、4×10~1×1010、5×10~1×1010、6×10~1×1010、7×10~8×1010、9×10~1×
1010としてよい。好ましくは、生細胞の含量は、1回量当たり5×10~5×10CFUとしてよい。
本明細書において開示された組成物または粉末は、約100mg~600mg、例えば、約100mg、約150mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、または約600mgの用量で包装してよい。本明細書において開示された組成物/粉末は、約150mg~450mgの用量で、または約150mg~約400mgの用量で、または約150mg~約350mgの用量で、包装してよい。好ましくは、本明細書において開示された組成物/粉末は、約150mg~250mgの用量で包装してよく、より好ましくは約200mgの用量で包装してよい。
本明細書において開示された組成物または粉末は、プレフィルド腟用アプリケーターを用いて腟に局所投与されてよい。特定の実施形態において、前記組成物は、2×10/200mgの1回量にプレフィルド腟用アプリケーターに与えられた、ラクトバチルス・クリスパタス株CTV-05の粉末製剤である。別の特定の実施形態において、前記組成物は、2×10/200mgの1回量にプレフィルド腟用アプリケーターに与えられた、ラクトバチルス・クリスパタス株SJ-3Cの粉末製剤である。いくつかの実施形態において、腟用アプリケーターと粉末製剤は別々に提供される。これらの場合、使用者による使用に先立ち、腟用アプリケーターは粉末製剤を充填される。本願の方法は、本明細書において開示された組成物または粉末を送達する際に特に効率的であり、前記ラクトバチルス・クリスパタス株を腟にコロニー形成させ、枯渇したラクトバチルス・クリスパタス集団を補充することを可能にすると考えられる。
本明細書において開示された使用のための組成物は、妊娠を予定している、または第一期もしくは第二期である、対象における使用のためのものとしてよい。
好ましい実施形態では、対象は、第一期早期である。対象は、最終月経(LMP)の10~16週間後としてよい。別の好ましい実施形態において、対象は、第二期早期である。
対象は、LMPの10~16週間後、11~16週間後、12~16週間後、13~16週間後、14~16週間後、15~16週間後、10~11週間後、10~12週間後、10~13週間後、10~14週間後、10~15週間後、11~12週間後、11~13週間後、11~14週間後、11~15週間後、12~13週間後、12~14週間後、12~15週間後、13~14週間後、13~15週間後、または14~15週間後としてよい。
別の実施形態において、組成物は、最終月経の34週間後までの対象への投与用としてよい。したがって、本明細書において開示された組成物は、妊娠第三期の対象への投与に適したものとしてもよい。
本明細書において開示された使用のための組成物は、早産の前歴を有し;および/または25mm以下の短い子宮頸部を有する対象における使用のためのものとしてよい。また、本明細書において開示された使用のための組成物は、流産の前歴を有する、または他の理由により流産のリスクが高まっている対象における使用のためのものとしてもよい。
妊娠中の対象の子宮頸部が短くなるほど、対象が合併症を起こすリスクが高まることが知られている。したがって、これらの特定の対象における本明細書において開示された組成物の使用は、特に有益であると見なされる。子宮頸部の長さは、経腟超音波検査などの
当業者に公知の技術を用いて定量化してよい。
流産、早産、および/または早産の追加のリスク因子としては、早産の前歴および/または早産、LLETZ(変異領域広範囲円形切除)歴、子宮頸部上皮内腫瘍の治療、双子または三つ子を妊娠中(多胎妊娠)、生殖技術の使用(例えば、体外受精)、生殖器異常、尿路感染症、性行為感染症、腟内細菌感染症(例えば、細菌性腟症およびトリコモナス症)、高血圧、異常な腟出血、低体重または過体重/肥満、妊娠間の時間が短いこと、前置胎盤、子宮破裂のリスク、糖尿病および妊娠糖尿病、血液凝固、民族性、年齢、様々な生活習慣因子/環境因子(例えば、喫煙、飲酒、ストレスレベル、環境汚染物質への暴露、および薬物乱用)、並びにこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。上記リスク因子を有する対象における本明細書において開示された組成物の使用も、特に有益であると見なされる。
対象が子宮頸部短縮などの、ある特定の高リスク因子に罹患している場合、対象は、本明細書において開示された組成物を、他の標準的治療、例えば、子宮頸管縫縮術、プロゲステロン療法、または出産前コルチコステロイド療法と組み合わせて、使用してよい。好適な治療法と、それがどのリスク因子に適用するかは、当業者には周知となろう。
本明細書において開示された使用のための組成物は、対象から入手した腟液試料が総細菌集団を含み、総細菌集団の少なくとも50%がラクトバチルス・イナースを含むと判定される場合に使用されてよい。この特定のラクトバチルス属菌種は、子宮頸部の短縮リスクを増加させることが知られており、その結果、子宮頸管を縫合する必要性が生じる可能性があり、早産のリスクが高まる可能性がある。したがって、この特定のラクトバチルス属菌種を特に高レベルで保菌する妊娠中の対象は、本明細書において開示された本発明から特に利益を受けるものと見なされる。
総細菌集団は、当業者に公知の技術、例えば、qPCR技術、マイクロアレイ技術、および次世代シーケンス技術を用いて定量化することができる。全ゲノムDNAが、抽出され、バーコードユニバーサルプライマーを用いて増幅され、イルミナ製(Illumina)Miseqパイロシーケンスプラットフォームを用いたディープシーケンスに供された後、ミシガンリボソームデータベースプロジェクト(Michigan Ribosome Database Project)を用いて解析され得る。
腟液試料は、無菌の綿棒を妊娠中の対象の腟に挿入することで、または、任意の他の好適な手段によって、採取することができる。試料は、後腟円蓋部から採取することができる。
対象は、少なくとも50%のラクトバチルス・イナースを含む総細菌集団を有してよい。例えば、対象は、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%のラクトバチルス・イナースを含む総細菌集団を有してよい。これらの対象における本明細書において開示された組成物を使用することで、ラクトバチルス・イナースのコロニーが、ラクトバチルス・クリスパタスのコロニーと置換されて、より保護的な環境を提供することが可能となると想定され、ひいては妊娠中の対象が満期に到達する可能性を高めることが期待される。
あるいは、本明細書において開示された使用のための組成物は、対象から入手した腟液試料が総細菌集団を含み、総細菌集団の50%未満がラクトバチルス属菌種を含む場合に
使用されてよい。具体的には、対象は、総細菌集団の50%未満が、感染の抵抗、並びにHおよび乳酸などの抗菌産物の産生と関連しているラクトバチルス属菌種である、総細菌集団を有してよい。前記ラクトバチルス属菌種の例としては、ラクトバチルス・クリスパタス、ラクトバチルス・ジェンセニー(L.jensenii)、およびラクトバチルス・ガセリ(L.gasseri)が挙げられるが、これらに限定されない。
対象は、50%未満のラクトバチルス属菌種、例えば、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満のラクトバチルス属菌種を含む、または、ラクトバチルス属菌種を全く含まない総細菌集団を有してよい。対象は、総細菌集団の50%未満、例えば、50%未満、45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、9%未満、8%未満、7%未満、6%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満が、感染の抵抗および抗菌産物の産生と関連したラクトバチルス属菌種である、または、ラクトバチルス属菌種を全く含まない、総細菌集団を有してよい。したがって、本明細書において開示された組成物は、既存の有益なラクトバチルス属菌種を補充すること、または、有益でないラクトバチルス属菌種、例えば、ラクトバチルス・イナースを(部分的または完全に)置換することを意図するものである。
特定の実施形態において、本明細書において開示された使用のための組成物は、ラクチン-V療法前から負荷投与後まで、ラクトバチルス・クリスパタスが優勢な腟内微生物叢の蔓延率を顕著に増加させ、この増加はラクトバチルス・イナースの蔓延率の顕著な減少に対応する。さらに、これらの微生物叢の変化はラクチン-Vの最終投与後も十分に維持される。
本発明における使用に適したラクトバチルス・クリスパタス株は、Hを産生し、プルラナーゼ遺伝子陽性であり、グリコーゲンを利用し、且つL-乳酸とD-乳酸の両方を産生する、任意のラクトバチルス・クリスパタス株であってよい。また、本発明における使用に適したラクトバチルス・クリスパタス株は、以下の特徴(自己凝集、泌尿生殖器病原体、例えば、尿路病原性大腸菌、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureaus)、B群ストレプトコッカス・アガラクチア(Streptococcus agalactiae group B)、およびガードネレラ・バジナリス(Gardnerella vaginalis)の拮抗作用)を示し、培養液中で良好な増殖を示し、乾燥後に良好な生存率を示すものであってもよい。したがって、本発明における使用に適した菌株は、上記の望ましい特徴を確認するための当該技術分野において公知の適切なスクリーニング技術を用いて、天然源から検出・単離されてよい。
好ましい実施形態において、ラクトバチルス・クリスパタスは、1999年4月20日に、アメリカ合衆国培養細胞系統保存機関(ATCC)寄託番号202225として、ジャイネロジックス インコーポレイテッドによって寄託され、2003年2月28日にオセル、インコーポレイテッドによって取得された、ラクトバチルス・クリスパタス株CTV-05であってよい。別の好ましい実施形態において、ラクトバチルス・クリスパタスは、2009年6月23日にATCC寄託番号PTA-10138として、オセル、インコーポレイテッドによって寄託された、ラクトバチルス・クリスパタス株SJ-3Cであってよい。またさらに別の実施形態において、ラクトバチルス・クリスパタス株は、BEI Resources(NIH/NIAID)を通じて入手可能な菌株である、ラクトバチルス・クリスパタス株MV-3A-USおよび/またはMV-1A-USであってよい。適切な場合、例えば、女性が異なるコミュニティ状態タイプ(community state type)(CST)を呈する場合、本発明の機能性を広げるために、相補的に菌株を組み合わせたものが使用されてもよい。本明細書で使用される場合、「コミュニティ状態タイプ」および「CST」という語は、存在している、当業者に周知の、各種の異なる腟内マイクロバイオームを指す。
例えば、所望の特徴を増強することを目的とした、前記菌株の、または本発明における任意の他の好適な菌株の、変異型も、本明細書において開示された本発明の目的に適している。本明細書において、「変異型」という語は、当該菌株のヌクレオチド組成が、自然に発生した変異、または、遺伝子操作もしくはセレクションの結果である変異によって改変されている、ラクトバチルス・クリスパタス株を指す。菌株への変異導入法は当該技術分野において周知であり、前記菌株を少なくとも1回の化学的および/もしくは放射線変異誘発に曝すこと、または、CRISPRもしくは相同組換えなどの遺伝子操作技術を使用することを含んでよい。
ラクトバチルス・クリスパタス株同士を区別するために使用される方法としては、Antonio & Hillier, J. Clin. Microbiol. 2003, 41:1881-1887に記載されているようなRep-PCR、元々は病原菌株を同定するために開発された多座位配列タイピング(MLST)(例えば、Maiden, M. C., et. al 1998, Multilocus sequence typing: a portable approach to the identification of clones within populations of pathogenic microorganisms. Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 95:3140-2145を参照)、全ゲノムシーケンスが挙げられるが、これらに限定はされず、qPCRをラクトバチルス・クリスパタスを定量化するために使用することができる。
本明細書において開示された使用のための組成物は、当該使用のための組成物を以前に投与されたことがある対象への投与用であってよい。本明細書において開示された使用のための組成物は、本明細書において開示された使用のための粉末を以前に投与されたことがある対象への投与用であってよい。
したがって、本発明は、本明細書において開示された組成物の複数回投与を提供するものである。当業者であれば、本明細書において開示された組成物が妊娠中の対象に投与されるべきである正確な回数は、様々な要素、例えば、妊娠期間、総細菌集団の結果、およびリスク因子、に依存すると認識するであろう。ラクトバチルス・イナースが高レベル(総細菌のうち50%を超える蔓延率)であり、および/もしくは、他の有益なラクトバチルス属菌種が低レベルであることが確認された、または、特にリスクが高いと見なされた、対象は、その群にいない他の対象よりも高頻度の、本明細書において開示された組成物の投与によって、利益を得ることができると想定される。
したがって、本発明は、本明細書において開示された組成物が、本明細書において開示された組成物を以前に投与されたことがある対象への投与用である、妊娠中の女性対象における満期産の可能性を高める方法を提供する。
本明細書において開示された使用のための組成物は、2~7日間毎日投与され、その後は週1回または2回投与されるためのものであってよい。
本明細書において開示された使用のための組成物は、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、または7日間の毎日投与用であってよい。あるいは、本明細書において開示された使用のための組成物は、2~7日間、または3~6日間、または4~5日間、または4~7日間の毎日投与用であってよい。本明細書において開示された組成物は、好ましくは2~7日間、さらにより好ましくは5日間または7日間、毎日投与される。
組成物を2~7日間毎日投与した後、対象は当該組成物を週1回または週2回、妊娠の最後までさらに投与されてよい。好ましい実施形態において、組成物は、34週以降は対象に投与されない。さらなる好ましい実施形態において、組成物はさらに6週間、週1回(単回投与)投与される。組成物が週2回対象に投与される予定である場合、2回目の投与は、組成物の1回目の投与の3~4日間後であってよい。特定の実施形態において、対象には、本明細書において開示された組成物または粉末の毎日投与が5回行われる「負荷期」と、その後に、本明細書において開示された組成物または粉末の毎週投与が6回行われる「維持期」とで、合計11回の投与が実施されてよい。
特定の実施形態において、本発明は、早産の素因を有する妊娠中の女性対象における満期産の可能性を高める方法であって、
i) 早産の前歴を有する;または、25mm以下の短い子宮頸部を有する;または、腟液試料中に少なくとも50%のラクトバチルス・イナース集団を有する;または、腟液試料中に50%未満のラクトバチルス属集団が含まれるディスバイオシスを有し;腟内細菌を標的とする抗生物質で前処置されていない、第一期または第二期中の妊娠中女性対象を選択する工程;並びに
ii) ラクトバチルス・クリスパタスを粉末形態で腟粘膜に直接塗布することにより、凍結乾燥ラクトバチルス・クリスパタスの反復投与を経腟的に実施する工程であって;粉末形態が、500μm未満という平均粒径を有し、MRS寒天上に播種された場合に、1回量当たり1×10~1×1010CFUの量の生細胞を生成する、工程;
を含み、
ラクトバチルス・クリスパタス細胞が、Hを産生し;L-乳酸とD-乳酸の両方を産生し;投与が、腟内ラクトバチルス・クリスパタス集団を増加させることで早産の可能性を減少させるのに有効な量である、
方法を提供する。
本明細書で使用される方法の追加の詳細を以下に示すが、さらなる詳細は米国特許第11,083,761号の中に見出される。
腟内細菌の培養
本発明において有用なラクトバチルス・クリスパタス株は、液体培地中または固体培地(例えば、寒天)上、好ましくはMRS寒天上で、増殖させることができる。ラクトバチルス・クリスパタス細胞は、好ましくは、嫌気的条件または微好気的条件下で培養され、培地の温度は、ラクトバチルス・クリスパタス細胞の増殖に適した任意の温度とすることができる。本発明のためのラクトバチルス・クリスパタス株は、嫌気的条件で培養することができ、通常は約37℃で増殖される。本発明のための腟ラクトバチルス・クリスパタス株に有効な培養条件は、当該技術分野において周知である。ラクトバチルス・クリスパタス株培養の具体的な培養条件、培地、および方法、例えば、米国特許第8,329,417号、米国特許第6,093,394号、およびDavis, C. Enumeration of probiotic strains: Review of culture-dependent and alternative techniques to quantify viable bacteria. J Microbiol Methods. 2014; 103:9-17。
培地には、活発に増殖中のラクトバチルス・クリスパタス株の培養液が、適切な増殖期間の後に、本明細書において開示された組成物/粉末を生成するために適した細胞密度(または力価)を生じるのに十分な量で、播種される。本明細書で使用されるラクトバチルス・クリスパタス細胞の適切な増殖期間の非限定例は、世代時間である1~2.5時間である。細胞は、約10CFU/mL~約1010CFU/mLの範囲内の好ましい細胞密度まで増殖させられる。細胞密度を測定するために培養ベースの方法が使用されるが、ラクトバチルス・クリスパタス培養液の連続希釈物がMRS寒天プレート上に播種され、37℃の嫌気条件下で48時間インキュベートされる。プレート上のコロニーがカウントされ、試料中のCFU(コロニー形成単位)の数がCFU/mLまたはCFU/gとして算出される。
細胞が好ましい細胞密度に増殖したら、細胞を培地から取り出すための任意の好適な方法を用いて、細菌細胞を回収することができる。培養細胞を回収するための非限定的且つ例示的な方法として、濾過、遠心分離、および沈降が挙げられる。いくつかの例で、培養細胞の回収は、中空糸濾過(hollow fiber filtration)およびダイアフィルトレーションを介した洗浄を伴うことがある。培養後のラクトバチルス・クリスパタス細胞を回収するための方法は、当該技術分野において周知である。細胞を培地から分離し、および/または、当該バイオマスを洗浄した後、本明細書において開示された組成物/粉末の生成に向けて、細胞を遠心して細胞ペレットを形成させる。
水性保存培地の調製
本明細書に記載の方法より形成された細菌細胞ペレットは、好適な水性保存培地であってよく、ここで、細胞ペレット湿重量(g)の保存培地(mL)に対する重量比は、1:1~1:8(細胞ペレットのグラム数:保存培地のミリリットル数)とすることができる。いくつかの実施形態において、細菌細胞ペレットは、好適な水性保存培地中に再懸濁され、ここで、細胞ペレット湿重量(g)の保存培地(mL)に対する重量比は、1:1~1:7(細胞ペレットのグラム数:保存培地のミリリットル数)、または1:1~1:6、または1:1~1:5、または1:1~1:4、または1:1~1:3、または1:1~1:2、または1:2~1:6、または1:3~1:5(細胞ペレットのグラム数:保存培地のミリリットル数)とすることができる。いくつかの実施形態において、細菌細胞ペレットは、好適な水性保存培地中に再懸濁され、ここで、細胞ペレット湿重量(グラム(grain))の保存培地(mL)に対する重量比は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、または1:8(細胞ペレットのグラム数:保存培地のミリリットル数)とすることができる。いくつかの実施形態において、細菌細胞ペレット、好適な水性保存培地中に再懸濁され、ここで、細胞ペレット湿重量(グラム)の保存培地(mL)に対する重量比は、1:1~1:5(細胞ペレットのグラム数:保存培地のミリリットル数)とすることができる。いくつかの実施形態において、細菌細胞ペレット、好適な水性保存培地中に再懸濁され、ここで、細胞ペレット湿重量(グラム)の保存培地(mL)に対する重量比は、1:1~1:3(細胞ペレットのグラム数:保存培地のミリリットル数)とすることができる。
水性保存培地は、保存工程の間に遭遇する損傷効果を最小限にする成分を含んでいる。本発明の保存培地は、炭水化物、ポリオール、抗酸化剤、緩衝剤、および、所望により、アミノ酸を含む。保存培地中に使用される炭水化物は、凍結乾燥中と、後の保存中に細胞を保護し安定化するための、凍結保護剤として機能する。本発明と共に使用するために適した非限定的且つ例示的な炭水化物として、トレハロース、ブドウ糖、ラクトース、マルトース、スクロース、および/または任意の他の二糖もしくは多糖が挙げられる。いくつかの実施形態において、保存培地は、体積当たりの重量(w/v)で、保存培地に対し約0.5%~約30%の炭水化物、または、保存培地に対し約1w/v%~約25w/v%、もしくは約5w/v%~約20w/v%、もしくは約10w/v%~約15w/v%の炭水化物を含む。いくつかの実施形態において、保存培地は、体積当たりの重量(w/v)で、保存培地に対し約0.5%の炭水化物、または、保存培地に対し約1w/v%、約2w/v%、約5w/v%、約7w/v%、約10w/v%、約15w/v%、約20w/v%、約25w/v%、もしくは約30w/v%の炭水化物を含む。いくつかの実施形態において、保存培地は、保存培地に対し約5w/v%~約20w/v%のトレハロースを含む。本発明のいくつかの他の実施形態において、保存培地は、保存培地に対し約5w/v%~約15w/v%のトレハロースを含む。
保存培地のポリオール(すなわち、多価アルコール)は、凍結乾燥時の脱水のストレスから細胞を保護するのに役立つ凍結保護剤である。本発明と共に使用するために適した非限定的且つ例示的なポリオールとしては、キシリトール、アドニトール、グリセロール、ズルシトール、イノシトール、マンニトール、マルチトール、イソマルト、ラクチトール、エリスリトール、ソルビトール、および/またはアラビトールが挙げられる。いくつかの実施形態において、保存培地は、体積当たりの重量(w/v)で、保存培地に対し約0.1%~約12%のポリオール、または、保存培地に対し約1w/v%~約10w/v%、もしくは約2w/v%~約9w/v%、もしくは約3w/v%~約7w/v%のポリオールを含む。いくつかの実施形態において、保存培地は、体積当たりの重量(w/v)で、保存培地に対し約0.1%のポリオール、または、保存培地に対し約0.5w/v%、約1w/v%、約2w/v%、約3w/v%、約5w/v%、約6w/v%、約7w/v%、約8w/v%、約9w/v%、約10w/v%、約11w/v%、もしくは約12w/v%のポリオールを含む。いくつかの実施形態において、保存培地は、保存培地に対し約2w/v%~約9w/v%のキシリトールを含む。本発明のいくつかの他の実施形態において、保存培地は、保存培地に対し約2w/v%~約7w/v%のキシリトールを含む。
保存培地の抗酸化剤は、保存・保管工程中の微生物細胞への酸化ダメージを遅らせるものである。本発明と共に使用するために適した非限定的且つ例示的な抗酸化剤としては、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミチル、没食子酸プロピル、およびビタミンE(α-トコフェロール)が挙げられる。いくつかの実施形態において、保存培地は、体積当たりの重量(w/v)で、保存培地に対し約0.1%~約5%の抗酸化剤、または、保存培地に対し約0.5%~約3.0%、もしくは約1.0%~約2.0%の抗酸化剤を含む。いくつかの実施形態において、保存培地は、体積当たりの重量(w/v)で、保存培地に対し約0.1%の抗酸化剤、または、保存培地に対し約0.3w/v%、約0.5w/v%、約1.0w/v%、約1.5w/v%、約2.0w/v%、約2.5w/v%、約3.0w/v%、約3.5w/v%、約4.0w/v%、約4.5w/v%、もしくは約5.0w/v%の抗酸化剤を含む。いくつかの実施形態において、保存培地は、保存培地に対し約0.5w/v%~約1.5w/v%のアスコルビン酸ナトリウムを含む。本発明のいくつかの他の実施形態において、保存培地は、保存培地に対し約0.5w/v%~約1.5w/v%のアスコルビン酸ナトリウムを含む。
保存培地中の使用に適した緩衝剤は、細菌細胞の安定性と回収率を増強する。保存培地中の使用に適した緩衝剤は、医薬組成物を使用している細菌、腟上皮細胞、または女性患者に対していかなる毒性作用も発揮しない、生理的な薬剤である。本発明と共に使用するために適した非限定的且つ例示的な緩衝剤として、リン酸ナトリウム、リン酸二ナトリウム、リン酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ヒスチジン、アルギニン、およびクエン酸ナトリウムが挙げられる。いくつかの実施形態において、緩衝剤は、約4.3~約8.0、または約4.6~約7.7、または約5.0~約7.3、または約5.4~約7.0、または約6.0~約6.7のpKaを有することができる。いくつかの他の実施形態において、保存培地は、少なくとも4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、またはそれ以上のpKaを有する緩衝液を含む。いくつかの実施形態において、保存培地は、生理的範囲内のpKaを有する緩衝液を含む。他の実施形態において、保存培地は、約6.7~約7.8のpKaを有する緩衝液を含む。
さらなる実施形態において、保存培地は、約5mM~約70mMの緩衝剤、または約10mM~約65mM、または約15mM~約60mM、または約20mM~約55mM、または約25mM~約50mM、または約30mM~約45mM、または約35mM~約40mMの緩衝剤を含む。いくつかの実施形態において、保存培地は、約5mMの緩衝剤、または約10mM、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、約35mM、約40mM、約45mM、約50mM、約55mM、約60mM、約65mM、もしくは約70mMの緩衝剤を含む。いくつかの実施形態において、保存培地は、約10mM~約50mMのリン酸ナトリウムを含む。本発明のいくつかの他の実施形態において、保存培地は、約10mM~約30mMのリン酸ナトリウムを含む。
いくつかの実施形態において、保存培地は、凍結乾燥工程時の凍結保存に重大な影響を与えることなく、高温においてラクトバチルス・クリスパタス細胞の安定性を増強する働きをするアミノ酸を、所望により含むことができる。いくつかの実施形態において、この所望により存在するアミノ酸は、好適なアミノ酸の塩形態とすることができる。本発明と共に使用するために適した非限定的且つ例示的なアミノ酸および/またはその塩としては、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン、グリシン、アルギニン、ヒスチジン、およびリジンが挙げられる。いくつかの実施形態において、保存培地は、所望により、体積当たりの重量(w/v)で、保存培地に対し約0%~約5%のアミノ酸、または、保存培地に対し約0.5%~約3.0%、もしくは約1.0%~約2.0%のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、保存培地は、所望により、体積当たりの重量(w/v)で、保存培地に対し約0.1%のアミノ酸、または、保存培地に対し約0.3w/v%、約0.5w/v%、約1.0w/v%、約1.5w/v%、約2.0w/v%、約2.5w/v%、約3.0w/v%、約3.5w/v%、約4.0w/v%、約4.5w/v%、もしくは約5.0w/v%のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、所望により保存培地に含まれるアミノ酸は、アミノ酸塩であるグルタミン酸ナトリウム、好ましくはグルタミン酸ナトリウムである。いくつかの実施形態において、保存培地は、所望により、保存培地に対し約0w/v%~約5w/v%のグルタミン酸ナトリウムを含む。本発明のいくつかの他の実施形態において、保存培地は、保存培地に対し約0w/v%~約5w/v%のグルタミン酸ナトリウムを含む。いくつかの実施形態において、保存培地は、所望により、保存培地に対し約1w/v%~約4w/v%のグルタミン酸ナトリウムを含む。本発明のいくつかの他の実施形態において、保存培地は、保存培地に対し約1w/v%~約4w/v%のグルタミン酸ナトリウムを含む。
本発明の保存培地は、体積当たりの重量で、保存培地に対し約5%~20%の炭水化物と、体積当たりの重量で、保存培地に対し約2%~9%のポリオールと、体積当たりの重量で、保存培地に対し約0.5%~1.5%の抗酸化剤と、10mM~50mMの緩衝剤と、を含む。他の実施形態において、本発明と共に使用するために適した保存培地は、体積当たりの重量で、保存培地に対し約5%~15%の炭水化物と、体積当たりの重量で、保存培地に対し約2%~7%のポリオールと、体積当たりの重量で、保存培地に対し約0.5%~1.0%の抗酸化剤と、10mM~30mMの緩衝剤と、を含むことができる。
いくつかの実施形態において、本発明の保存培地は、体積当たりの重量で、保存培地に対し約5%~20%の炭水化物と、体積当たりの重量で、保存培地に対し約2%~9%のポリオールと、体積当たりの重量で、保存培地に対し約0.5%~1.5%の抗酸化剤と、10mM~50mMの緩衝剤と、所望により、体積当たりの重量で、保存培地に対し約0%~5%のアミノ酸と、を含む。他の実施形態において、本発明と共に使用するために適した保存培地は、体積当たりの重量で、保存培地に対し約5%~15%の炭水化物と、体積当たりの重量で、保存培地に対し約2%~7%のポリオールと、体積当たりの重量で、保存培地に対し約0.5%~1.0%の抗酸化剤と、10mM~30mMの緩衝剤と、所望により、体積当たりの重量で、保存培地に対し約0%~5%のアミノ酸と、を含むことができる。
本発明の特に有用な保存培地の一例は、体積当たりの重量で、保存培地に対し約5%~20%の炭水化物としてのトレハロースと、体積当たりの重量で、保存培地に対し約2%~9%のポリオールとしてのキシリトールと、体積当たりの重量で、保存培地に対し約0.5%~1.5%の抗酸化剤としてのアスコルビン酸ナトリウムと、10mM~50mMの緩衝剤としてのリン酸ナトリウムと、を含む。いくつかの実施形態において、本発明の保存培地は、体積当たりの重量で、保存培地に対し約5%~20%の炭水化物としてのトレハロースと、体積当たりの重量で、保存培地に対し約2%~9%のポリオールとしてのキシリトールと、体積当たりの重量で、保存培地に対し約0.5%~1.5%の抗酸化剤としてのアスコルビン酸ナトリウムと、10mM~50mMの緩衝剤としてのリン酸ナトリウムと、所望により、体積当たりの重量で、保存培地に対し約0%~5%のアミノ酸としてのグルタミン酸ナトリウムと、を含む。他の実施形態において、本発明と共に使用するために適した保存培地は、体積当たりの重量で、保存培地に対し約5%~15%のトレハロースと、体積当たりの重量で、保存培地に対し約2%~7%のキシリトールと、体積当たりの重量で、保存培地に対し約0.5%~1.0%のアスコルビン酸ナトリウムと、10mM~30mMのリン酸ナトリウムと、を含む。いくつかの他の実施形態において、本発明と共に使用するために適した保存培地は、体積当たりの重量で、保存培地に対し約5%~15%のトレハロースと、体積当たりの重量で、保存培地に対し約2%~7%のキシリトールと、体積当たりの重量で、保存培地に対し約0.5%~1.0%のアスコルビン酸ナトリウムと、10mM~30mMのリン酸ナトリウムと、所望により、体積当たりの重量で、保存培地に対し約0%~5%のグルタミン酸ナトリウムと、を含む。代表的な保存培地の組成を以下の表1に載せているが、決して限定の意図はない。
Figure 2024510109000002
上記の回収されたラクトバチルス・クリスパタス細胞を培地に添加する前に、細胞をリン酸緩衝生理食塩溶液で洗浄してよい。回収されたラクトバチルス・クリスパタス細胞を本明細書に記載の保存培地に導入して、得られる混合物は細胞-保存培地スラリーと呼ばれる。いくつかの実施形態において、細胞-保存培地スラリーは、10CFU/mL~1011CFU/mLの活性を示すことができる。より好ましい細胞-保存培地スラリーは、少なくとも約1010CFU/mLの活性を示すことができる。当業者であれば、本明細書で開示された基本的な培養工程、回収工程、および懸濁工程の変更形態を理解できるであろうし、したがって、本発明がそのような変更形態を取り込むことを理解されたい。
細胞-保存培地スラリーの乾燥
細胞-保存培地スラリーを、当該技術分野において公知の任意の好適な乾燥法を用いて乾燥させることで、原薬の粉末を得ることができる。典型的に、乾燥の効果は、細菌を休
眠状態に置くことにより、細菌の生存率に負の影響を与える環境要素から細菌を保護することである。休眠を引き起こす標準的な方法は水の除去を通じたものである。一般に、十分な水を除去すると、通常の細胞プロセス(例えば酵素活性)は停止するか、少なくとも大幅に減弱する結果となる。
細胞-保存培地スラリーは、長期貯蔵用に安定性を高めるために細菌調製物を乾燥させるための、当該技術分野において公知の多数の方法のうちのいずれを用いても、乾燥させることができる。乾燥法および保護剤は、Morgan et al. (2006) J. Microbiol. Meth. 66:183-193によるレビューで開示されている。好適な乾燥法としては、空気乾燥、真空乾燥、オーブン乾燥、噴霧乾燥、フラッシュ乾燥、流動層乾燥、制御雰囲気乾燥(controlled atmosphere drying)、および凍結乾燥(lyophilization)(すなわち、凍結乾燥(freeze drying))が挙げられる。いくつかの実施形態において、乾燥プロセスで役立たせ、および/または、乾燥させた製剤に水分が再吸収することを防ぐために、乾燥剤が使用される。いくつかの実施形態において、乾燥は、凍結乾燥器(すなわち、Virtis、SPサイエンティフィック(SP Scientific))を用いて実施される。詳細な凍結乾燥法は当該技術分野の当業者には既知であり、米国特許第6,093,394号;同第8,329,447号;および同第8,642,029号に開示されている。原薬粉末と呼ばれる、得られた乾燥製剤の力価を下記の方法を用いて試験する。乾燥原薬粉末の力価は、10CFU/g~1012CFU/gとすることができる。より好ましい原薬粉末は、少なくとも約1010CFU/gの活性を示すことができる。
残留水の測定
乾燥後の製剤は、当該技術分野において公知の任意の好適な方法を用いて、残留水の存在についての試験を行うことがある。いくつかの例で、乾燥製剤中の残留水は、米国特許第8,329,447号および同第8,642,029号に記載されているように、重力分析で測定することができる。あるいは、粉末中の含水量を測定するための装置を用いて、乾燥中の製剤の含水量をモニターすることができ、例えば、IR-120 Moisture Analyzer(デンバー・インスツルメンツ((Denver Instruments)、デンバー、コロラド州)などである。残留水分は、カール・フィッシャー滴定法などの周知の電量滴定法または容量滴定法を行うことによって、求めることもできる。
ラクトバチルス属粉末中の含水量は、水分活性計、例えば、AquaLab CX-2
Modelシリーズ(デカゴン・インスツルメンツ(Decagon Instruments)、プルマン、ワシントン州)、またはRotronic Modelシリーズ(ロトロニック・インスツルメント(Rotronic Instillment Corp.)、ハンティントン、ニューヨーク州)を用いて、遊離水または水分活性(a)として測定することもできる。水分活性計(AquaLab CX-2、デカゴン・インスツルメンツ)は、チルドミラー式露点技術を用いて、生成物のaを測定する。試料がAquaLabの中に入れられると、チャンバ内部のステンレス鋼ミラーが繰り返し冷却および加熱され、その間、露が形成しては払われる。装置のファンが検知チャンバ内の空気を循環させ、平衡過程を速める。露がミラーに形成する毎に、AquaLabは、温度を測定し、試料のaを算出し、前値との比較のためにこれらの値を保存する。連続的に読み取られたa値が0.001未満の隔たりとなったら、測定プロセスは完了となる。
水のエネルギー準位または水分活性(a)は、得られた乾燥原薬ラクトバチルス属薬剤粉末の全体的な安定性に寄与する。当業者であれば、本発明の薬剤粉末のaなどの、医薬品の水分活性の重要性は理解できるであろう。医薬品の水分活性を低く維持すること
によって、医薬品の有効成分(すなわち、ラクトバチルス・クリスパタス薬剤粉末)の劣化を回避することができる。さらに、本発明のラクトバチルス属薬剤粉末などの医薬品が、水分活性が低いと、薬剤の劣化と無効性の一因となる結晶化、固化、およびクランピングを起こしにくくすることができる。これらは時間依存的な反応であり、速度は水分活性によって影響を受ける。製品製剤に対するaの影響に関する詳細は、USP(米国薬局方)法(United States Pharmacopeial Method)<1112>Microbiological Attributes of Non-sterile Pharmaceutical Products-Application of Water Activity Determinationに見出すことができる。
いくつかの実施形態において、乾燥原薬のラクトバチルス・クリスパタス原薬は、約0.001~約0.220、または約0.005~約0.200、または約0.010~約0.150、または約0.025~約0.100、または約0.050~約0.075の測定aを有し得る。他の実施形態において、乾燥原薬のラクトバチルス属原薬は、約0.001、0.003、0.005、0.007、0.010、0.030、0.050、0.070、0.100、0.150、0.170、0.200、0.220の測定aを有し得る。特定の実施形態において、乾燥原薬のラクトバチルス・クリスパタス原薬は、0.220未満の測定aを有し得る。
力価の測定
本発明のラクトバチルス・クリスパタス製剤の、調製プロセス中の異なる時点の力価を、当該技術分野において公知の任意の好適な方法を用いて試験する。ラクトバチルス・クリスパタス製剤の力価を求めるために使用されるそのような方法としては、培養ベースの方法が挙げられるが、これらに限定されない。ラクトバチルス・クリスパタスの細胞密度を求めるための光散乱法は、発酵プロセスをモニターするために使用され、細菌試料の600nmにおける吸光度を測定することを伴う。
ラクトバチルス・クリスパタス製剤の力価を測定するために使用される好ましい方法は、連続希釈を伴う培養ベースの方法である。試験予定のラクトバチルス・クリスパタス製剤の試料を得て、連続希釈を行う。少量ずつ(すなわち、100μL)の連続希釈物をMRS寒天プレート上に播種する。試料を、37℃で48時間、嫌気的にインキュベートする。適切な期間が過ぎた後、ペトリ皿を透過光の中に置いてプレートを照らす。個々のコロニーを、手動で、またはカメラおよび市販の細菌計数ソフトウェアを用いるコンピュータを用いてカウントし、試料中のCFUの数をCFU/mlまたはCFU/gとして算出する。培養ベースの方法に関するさらなる詳細は、Brugger, S. D., et al. Automated Counting of Bacterial Colony Forming Units on Agar Plates. PLOS ONE 2012; 7(3): e33695に開示されている。
純度および同一性
力価を測定することに加え、本明細書において開示された組成物/粉末は、純度および同一性についての試験を行うことがある。純度は、当該技術分野において周知の方法を用いて、USP法<61> Microbial Enumeration TestsおよびUSP法<62>Tests for Specified Microorganismsに記載のように、求められる。本明細書において開示された組成物/粉末中のラクトバチルス・クリスパタス種の遺伝子的同定は、市販のキット(例えば、PowerSoil DNA Isolation Kit、キアゲン)を用いてゲノムDNAを単離し、特異的プライマーを用いて16SリボソームRNA遺伝子をPCR増幅し、市販のDNAシーケンスサービス(MCLAB)を用いて遺伝子をシーケンシングし、配列を標準
試料と比較することにより行う。本明細書において開示された組成物/粉末中のラクトバチルス・クリスパタス株の同定は、反復配列ポリメラーゼ連鎖反応(Rep PCR)などの当該技術分野において周知の方法を用いて、並びに、米国特許第6,093,3941号;同第8,329,447号;および同第8,642,029号に記載されているように、確認される。
本明細書に記載された全ての刊行物および特許出願は、個々の刊行物または特許出願が参照により援用されると明確且つ個別に示されたかの如く、参照により本明細書に援用される。理解を明確にするため、説明および例示として、上記に本発明を多少詳細に記述したが、本発明の教示に照らし合わせて、添付の特許請求の範囲の要旨から逸脱しない範囲で、特定の変形および変更を行うことができることは、当業者には容易に理解されよう。
以下の実施例は例示のみを目的として提供されており、限定を目的としたものではない。当業者であれば、変化または変更しても本質的に同様の結果を得ることができる種々の重要でないパラメーターの認識は容易であろう。
実施例1:妊娠中の対象に本明細書において開示された組成物を投与する臨床プロトコル
本明細書において開示された使用のための組成物は、下記、並びに図1Aおよび図1Bの臨床プロトコルで使用され得る。
第14週または可能な限り第14週付近で登録された後、対象は、ラクトバチルス・クリスパタスCTV-05(ラクチン-V)の毎日投与が5回行われる「負荷期」と、続いて、毎週投与が6回行われる「維持期」とで、計11回の投与を受けることとなる。対象は、自己投与型腟用アプリケーターを介した組成物の投与を受けることとなる。
実施例2:ラクトバチルス・クリスパタスの組成物の調製
本実施例は、細菌の培養、保存培地への懸濁、乾燥、希釈、およびパッケージングを伴う、粉末形態のラクトバチルス・クリスパタス細胞の乾燥組成物を調製するための通常の戦略を詳述するものである。本明細書に記載される、ラクトバチルス・クリスパタスSJ-3Cの培養および処理のための手順は、本発明と共に使用するために適した任意の微生物、例えばラクトバチルス・クリスパタスCTV-05に適用可能である。
最初のラクトバチルス・クリスパタスSJ-3C(SJ-3C)細胞は、ATCC番号PTA-10138として寄託されたものから得ることができる。ラクトバチルス・クリスパタスCTV-05細胞は、ATCC寄託番号202225として寄託されたものから得ることができる。ラクトバチルス・クリスパタスのMV-3A-US株および/またはMV-1A-US株は、BEI Resources(NIH/NIAID)を通じて得ることができる。これらの細胞のマスターセルバンクおよびワーキングセルバンクを調製した後、乾燥ラクトバチルス・クリスパタス組成物の調製に用いることができる。
SJ-3C細胞をまず改変MRS寒天プレート上に播種し、37℃の嫌気条件下で72時間増殖させる。このプレートから得られた細胞を10mLの改変MRSに摂取し、37℃の嫌気条件下で24時間インキュベートする。その後、この培養物を490mLの増殖培地に移し、37℃で24時間インキュベートしてから、5L Bellco Bioreactor内の4.5Lの培地に移す。この5リットルの培養物を、37℃の嫌気条件下でさらに24時間インキュベートすることで、発酵槽摂取材料として用いる。
発酵は、窒素ガスを散布した改変MRS培地の存在下、pH6.0の発酵槽(100L
発酵槽)内で行う。発酵は、上記摂取材料の添加により開始され、細胞が初期静止期に達し増殖が止まるおよそ15時間後に完了する。この時点で、グルコースは枯渇しており、乳酸産生は停止しており、培養物の600nm吸光度(OD600)は一定である。またこの時点で、細胞を回収する。
細胞を回収し、濃縮し、タンジェンシャルフローメンブレンを用いた無菌閉鎖型ホローファイバー系でのリン酸緩衝生理食塩水へのバッファー交換(ダイアフィルトレーション)により洗浄する。残存乳酸濃度が回収時の開始値の10%に達し、透過物のpHが一定のままとなったら、細胞を上記回収系から無菌的に取り出し、1500×g、2~8℃で20分間の遠心分離により収集する。
細胞ペースト1グラム当たり2.5mLの保存液を用いて、細胞ペレットを保存培地液中に再懸濁する。この保存培地液は、10mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)中に15%トレハロース、6%キシリトール、および1%アスコルビン酸ナトリウムを含有するものであり、これを用いて、回収されたSJ-3Cスラリーのバッチを調製する。得られる保存培地細胞スラリーバッチは、1×1010CFU/mL~5×1010CFU/mLの計算された活性を有する。このスラリーを無菌のLyoguard(商標)トレーに移し、Virtis Genesis Lyophilizerにおいて凍結乾燥した。凍結乾燥前に、細胞スラリーの生存率をプレート計数で求める。細胞ケークを含むLyoguard(商標)トレーを、乾燥剤を含み、窒素ガスでパージし、ヒートシールされた袋の中に入れ、粉砕まで2~8℃に保つ。
SJ-3C原薬を、凍結乾燥した細胞ケークを、固化防止剤としての0.5%コロイダルシリカと共に、コーンミルを用いて粉砕することにより作製する。この原薬粉末を、窒素(N)ガスでパージして、製剤の製造に使用されるまで、乾燥剤と共に、ヒートシールされた袋の中で、2~8℃で保存する。このSJ-3C原薬を、純度、力価(CFU)、同一性、および残留水分について、前述の方法および当業者に公知の方法を用いて試験する。得られた乾燥SJ-3C原薬バッチの理想的な活性としては、5×1010CFU/g~1.0×1011CFU/gであるべきである。乾燥SJ-3C原薬の理想的な水分活性としては、0.220未満であるべきである。純度を試験した場合、得られたSJ-3C原薬は、200CFU/g未満の総好気性微生物数(total aerobic counts)と、20CFU/g未満の総真菌数(total yeasts and molds)を含有し、好ましくない生物は存在しない。得られたSJ-3C原薬の同一性は16SリボソームRNA遺伝子配列によって確認される。
原薬をマルトデキストリンで3~10倍希釈することで、2×10CFU/1回量~5×10CFU/1回量の最終投与量を得てよい。1回量は200mgである。最終製剤として、希釈後原薬の1回量を、医療用粉末アプリケーターの中に入れて包装してよい。
実施例3:ラクチン-Vを投与された妊婦の臨床アウトカム
上記の臨床プロトコルを受けた合計61人の積極的参加者のうち、61人の女性が、出産または流産のいずれかをした。合計61人の積極的参加者のリスク因子および民族性因子の割合を、図2および図3に示す。
61人の女性のうち、48人の女性が新生児を満期出産し、2人の女性は流産し、6人の女性は自発性PTBを起こし、5人の女性は医原性PTBを起こした(図4)。有害事象または重篤有害事象の自発報告はなかったが、このことは、妊娠中の対象におけるラクチン-Vの安全性および忍容性を示している。
34週前のラクチン-V処置コホートにおける自発性PTBの割合は3.3%であり、37週前は9.8%である。これを、ラクチン-Vを投与されなかった同様の集団において2002年~2020年に収集されたデータからの、34週前のPTB率7.0%および37週前のPTB率17.8%と比較する。
したがって、本明細書において開示された例示のデータから明らかであるように、本発明は、驚くべきことに、高生存率製剤での高力価ラクトバチルス・クリスパタス株の使用により、抗生物質療法を併用する必要なく、臨床的に有意な結果、すなわちPTB率の低下、を得ることができることを教示している。
実施例4:ラクチン-Vを投与された妊婦の微生物学的アウトカム
登録された妊婦の腟試料中のラクチン-Vを同定するためのPCRプライマーを特別に開発した。有効性を確認するための予備試験では、ラクチン-Vは、試験の毎週処置期中に患者から採取された7試料中6試料で検出され、ラクチン-Vの投与が中止された後の第三期後期に採取された8試料中4試料で検出された。このことは、大部分の症例でラクチン-Vが少なくとも1週間存在したこと、少なくとも50%の症例で最後の投与から数週間存在したことを示している。
腟内微生物叢のメタ分類学的解析では、ラクトバチルス・クリスパタスの相対的存在量が、ラクチン-Vの投与後に著しく増加し、一方、ラクトバチルス・イナースの存在量は減少したことが示された(図5と図1B)。この効果は、ラクチン-Vの最終投与のかなり後の、出産まで維持された。これは、ラクトバチルス・クリスパタス優勢の腟内微生物叢の蔓延率が、ラクチン-V療法前の35%から、負荷投与後の95%に変化したことに相当する。ラクトバチルス・イナースが子宮頸部短縮およびPTBと関連付けられていることから、これらの結果は、ラクチン-Vが腟内微生物叢のラクトバチルス・クリスパタス優勢を促進することによってPTBを予防できる、有望な機構を示唆するものである。
登録された61人の患者のうち、10人は試験中のある時点で細菌性腟症の微生物学的証拠を示し、これらのうち8人はラクチン-V療法により回復した。
妊娠中のある時点で(培養時に)検出可能なB群連鎖球菌を示した12人の患者のうち、7人は36週までに回復を示し、1人のみ出産時腟スワブ上にB群連鎖球菌が検出された。

Claims (14)

  1. 妊娠中の女性対象において満期産の可能性を高めることにおいて使用するための、ラクトバチルス・クリスパタス(Lactobacillus crispatus)細胞を含む組成物であって、
    前記組成物は腟に局所適用するためのものであり、
    前記ラクトバチルス・クリスパタス細胞は、グリコーゲンを利用してL-乳酸とD-乳酸の両方を産生するための、プルラナーゼ遺伝子を機能的に発現しており、
    前記対象は抗生物質、特に腟内細菌を標的とする抗生物質で前処置されていない、
    組成物。
  2. 前記ラクトバチルス・クリスパタス細胞が過酸化水素を産生する、請求項1に記載の使用のための組成物。
  3. 前記ラクトバチルス・クリスパタス細胞を凍結乾燥粉末として含む、請求項1または2に記載の使用のための組成物。
  4. MRS寒天上に播種された場合に、1回量当たり1×10~1×1010CFU、好ましくは1回量当たり5×10~5×10CFUの量の生細胞を生成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  5. 前記対象が、妊娠を予定している、または、第一期または第二期である、好ましくは第一期の初期である、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  6. 前記対象が早産の前歴を有し;および/または25mm以下の短い子宮頸部を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  7. 前記対象から入手した腟液試料が総細菌集団を含み、前記総細菌集団の少なくとも50%がラクトバチルス・イナース(Lactobacillus iners)を含むと判定される、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  8. 前記対象から入手した腟液試料が総細菌集団を含み、前記総細菌集団の50%未満がラクトバチルス属菌種から構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  9. 前記ラクトバチルス・クリスパタスがATCC寄託番号202225として寄託されたラクトバチルス・クリスパタス株CTV-05である、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  10. 前記ラクトバチルス・クリスパタスがATCC寄託番号PTA-10138として寄託されたラクトバチルス・クリスパタス株SJ-3Cである、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  11. 前記ラクトバチルス・クリスパタスがラクトバチルス・クリスパタス株MV-3A-USおよび/またはMV-1A-USである、請求項1~8のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  12. 請求項1~11のいずれか一項に記載の使用のための粉末を以前に投与したことがある対象への投与用の、請求項1~11のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  13. 最終月経(LMP)後34週間までの前記対象への投与用の、請求項1~12のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
  14. 2~7日間毎日投与され、その後は週1回または2回投与されるための、請求項1~13のいずれか一項に記載の使用のための組成物。
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