JP2024507628A - 免疫グロブリン軽鎖抗体およびその使用 - Google Patents

免疫グロブリン軽鎖抗体およびその使用 Download PDF

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Abstract

【解決手段】本開示は、免疫グロビン遊離軽鎖(FLC)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合部分、それらをコードするポリヌクレオチドおよびベクター、ならびにそれらを含む医薬組成物を対象とする。本開示のいくつかの態様は、生体試料中のFLCを測定する方法であって、生体試料を、抗FLC抗体と接触させる工程を含む、方法を対象とする。本開示のいくつかの態様は、疾患または疾病を治療する方法であって、抗FLC抗体を、疾患または疾病の治療を必要とする対象に投与する工程を含む、方法を対象とする。【選択図】図2A

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月14日に出願された米国仮特許出願第63/125,281号の利益を主張するものであり、当該出願の全体が引用により本明細書に組み込まれる。
ALアミロイドーシスは、広く過小診断されている疾患の一つであり、心臓、腎臓、または肝臓に軽鎖アミロイド(AL)として沈着し得る免疫グロブリン遊離軽鎖(LC)の折り畳み異常によって引き起こされる。この疾病は、原因となる形質細胞異常症によって引き起こされ、その結果、形質細胞が、大過剰の免疫グロブリン遊離カッパ(κ)軽鎖および/またはラムダ(λ)軽鎖を循環に分泌する。この疾患は、単一のクローン形質細胞集団によって分泌される独特の軽鎖の沈着によって引き起こされる。
しかし、ALの由来については、ほとんど知られていない。したがって、最適な治療薬を設計するために原因となるAL形成メカニズムを明らかにするツールを開発する極めて重要な必要がある。
本明細書に記載されるのは、ヒト軽鎖の特定のエピトープ、および当該エピトープに結合する抗体である。本明細書に記載されるエピトープは、軽鎖アミロイドーシスの病因物質である折り畳み異常を起こした軽鎖に結合してその消失を促進する抗体の生産および/またはスクリーニングが可能であるという点で有利である。軽鎖アミロイドーシスの治療の障害の1つは、様々な患者において、可変領域を標的とする既存の抗軽鎖抗体によって同等に良好に結合しない様々なアミノ酸配列を有する軽鎖が産生され得ることである。本明細書に記載される抗体は、カッパ軽鎖およびラムダ軽鎖の定常領域にあるエピトープを標的とするので、より一貫した臨床結果が可能であり、患者間の結果のばらつきが少ない。また、軽鎖アミロイドーシスの診断試験の一環として、開示される抗体を使用することで結合の普遍性というさらなる利点の提供が可能である。さらに、本明細書に記載される抗体は、折り畳み異常を起こした軽鎖に特異的であり、適切に折り畳まれた軽鎖に対しては反応性がほとんどなく、したがって、抗体レベルを低下させる原因となる、望ましくない免疫学的副作用の可能性を低下させる。
本開示の特定の態様は、ヒトの免疫グロブリン遊離軽鎖に特異的に結合する抗体(FLC:「抗FLC抗体」)を対象とし、ここで、抗FLC抗体は、カッパ軽鎖との結合において参照抗体と交差競合し、参照抗体は、STYSLSSTLT(配列番号1)に示されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる免疫グロブリンカッパ軽鎖上のエピトープに結合する。いくつかの態様では、抗体は、STYSLSSTLT(配列番号1)に示されるアミノ酸配列の全部または一部と重複するエピトープでカッパ軽鎖に結合する。いくつかの態様では、抗体は、STYSLSSTLT(配列番号1)に示されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるカッパ軽鎖上のエピトープに結合する。
本開示の特定の態様は、ヒトの免疫グロブリン遊離軽鎖に特異的に結合する抗体(「抗FLC抗体」)を対象とし、ここで、抗FLC抗体は、ラムダ軽鎖との結合において参照抗体と交差競合し、参照抗体は、NKYAASSYLSL(配列番号2)に示されるアミノ酸配列を含むかまたはそれからなる免疫グロブリンラムダ軽鎖上のエピトープに結合する。いくつかの態様では、抗体は、NKYAASSYLSL(配列番号2)に示されるアミノ酸配列と重複するエピトープでラムダ軽鎖に結合する。いくつかの態様では、抗体は、NKYAASSYLSL(配列番号2)に記載のアミノ酸配列を含むかまたはそれからなるラムダ軽鎖上のエピトープに結合する。
いくつかの態様では、抗体は、免疫グロブリン重鎖に共有結合している免疫グロブリン軽鎖を含む複合体には結合しない。いくつかの態様では、FLCは、免疫グロブリン軽鎖ペプチドの凝集体を含む。いくつかの態様では、免疫グロブリン軽鎖ペプチドの凝集体は、折り畳み異常を起こした1つまたは複数の免疫グロブリン軽鎖ペプチドを含む。
いくつかの態様では、抗体は、軽鎖アミロイド原線維に結合する。いくつかの態様では、アミロイド原線維は、対象から得た生体試料から収集される。いくつかの態様では、生体試料は、血液、血清、血漿、固形組織、およびそれらのいずれかの組合せから選択される。
いくつかの態様では、FLCは、免疫グロブリン軽鎖ペプチドの断片を含む。いくつかの態様では、FLCは、完全長免疫グロブリン軽鎖ペプチドを含む。いくつかの態様では、抗体は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体である。いくつかの態様では、抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体である。いくつかの態様では、抗体は、Fab、Fab’、F(ab’)2、scFv、dsFv、ds-scFv、その二量体、ミニボディ、ダイアボディ、多量体、および二重特異性抗体断片からなる群から選択される抗体の抗原結合部分を含む。いくつかの態様では、抗体は、単鎖抗体である。
いくつかの態様では、抗体は、標識と融合しているか、または標識と結び付けられる。いくつかの態様では、標識は、化学標識、生体標識、蛍光標識、またはそれらのいずれかの組合せを含む。
いくつかの態様では、抗体は、重鎖および軽鎖を含む。いくつかの態様では、抗体は、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様では、重鎖可変領域は、重鎖可変領域の相補性決定領域(variable heavy complementarity determining region:VH-CDR)1、VH-CDR2、およびVH-CDR3を含み、ここで、(a)VH-CDR1は、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含み、(b)VH-CDR1は、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含み、(c)VH-CDR1は、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含み、あるいは(d)(a)~(c)のいずれかの組合せである。いくつかの態様では、重鎖可変領域は、VH-CDR1、VH-CDR2、およびVH-CDR3を含み、ここで、(a)VH-CDR1は、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含み、(b)VH-CDR1は、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含み、(c)VH-CDR1は、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、軽鎖可変領域は、軽鎖可変領域の相補性決定領域(variable light complementarity determining region:VL-CDR)1、VL-CDR2、およびVL-CDR3を含み、ここで、(a)VL-CDR1は、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含み、(b)VL-CDR1は、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含み、(c)VL-CDR1は、配列番号13に示されるアミノ酸配列を含み、あるいは(d)(a)~(c)のいずれかの組合せである。いくつかの態様では、軽鎖可変領域は、VL-CDR1、VL-CDR2、およびVL-CDR3を含み、ここで、(a)VL-CDR1は、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含み、(b)VL-CDR1は、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含み、(c)VL-CDR1は、配列番号13に示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、抗体は、(a)配列番号11に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR1、(b)配列番号12に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR2、(c)配列番号13に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR3、(d)配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR1、(e)配列番号16に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR2、および(f)配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR3を含む。
いくつかの態様では、抗体は、配列番号14に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。いくつかの態様では、抗体は、配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。いくつかの態様では、抗体は、配列番号14に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
本開示のある特定の態様は、本明細書に開示される抗体をコードするポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドのセットを対象とする。本開示のある特定の態様は、本明細書に開示されるポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドのセットを含むベクターまたはベクターのセットを対象とする。いくつかの態様では、ベクターは、1つまたは複数の調節エレメントをさらに含む。
本開示のある特定の態様は、本明細書に開示される抗体、本明細書に開示されるポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドのセット、あるいは本明細書に開示されるベクターまたはベクターのセットを含む宿主細胞を対象とする。
本開示のある特定の態様は、本明細書に開示される抗体、本明細書に開示されるポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドのセット、本明細書に開示されるベクターまたはベクターのセット、あるいは本明細書に開示される宿主細胞と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
本開示のある特定の態様は、FLCに特異的に結合する抗体を作製する方法であって、適切な条件下で本明細書に開示される宿主細胞を培養する工程を含む、方法を対象とする。いくつかの態様では、方法は、抗体を単離する工程をさらに含む。
本開示のある特定の態様は、AL媒介アミロイドーシスを診断する方法であって、対象から得た生体試料を、本明細書に開示される抗体と接触させる工程を含む、方法を対象とする。
本開示のある特定の態様は、対象から得た生体試料中のFLCを測定する方法であって、生体試料を、本明細書に開示される抗体と接触させる工程を含む、方法を対象とする。
いくつかの態様では、対象は、1つまたは複数のアミロイド沈着物を有する。いくつかの態様では、対象は、アミロイド沈着物を特徴とする疾患または疾病に罹患している。いくつかの態様では、生体試料は、血液、血清、血漿、固形組織、およびそれらのいずれかの組合せから選択される。
本開示のある特定の態様は、1つまたは複数のアミロイド沈着物を有する対象を治療する方法であって、本明細書に開示される抗体を治療有効量で対象に投与する工程を含む、方法を対象とする。
本開示のある特定の態様は、アミロイド沈着物を特徴とする疾患または疾病を有する対象を治療する方法であって、本明細書に開示される抗体を治療有効量で対象に投与する工程を含む、方法を対象とする。
いくつかの態様では、対象は、形質細胞障害を有する。いくつかの態様では、対象は、全身性アミロイドーシスを有する。いくつかの態様では、対象は、ALアミロイドーシスを有する。
本開示のある特定の態様は、形質細胞障害の治療を必要とする対象の形質細胞障害を治療する方法であって、本明細書に開示される抗体を治療有効量で対象に投与する工程を含む、方法を対象とする。
いくつかの態様では、形質細胞障害は、形質細胞異常増殖症を含む。いくつかの態様では、形質細胞異常増殖症は、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)、多発性骨髄腫(MM)、形質細胞白血病(PCL)、およびそれらのいずれかの組合せから選択される。
本開示のある特定の態様は、全身性アミロイドーシスの治療を必要とする対象の全身性アミロイドーシスを治療する方法であって、本明細書に開示される抗体を治療有効量で対象に投与する工程を含む、方法を対象とする。いくつかの態様において、全身性アミロイドーシスは、ALアミロイドーシスを含む。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、対象の少なくとも1つのアミロイド沈着物のサイズを、投与前の対象の少なくとも1つのアミロイド沈着物のサイズと比べて縮小させる。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、対象のアミロイド沈着物の数を、投与前の対象のアミロイド沈着物の数と比べて低減させる。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、対象のアミロイド沈着物の形成速度を、投与前の対象のアミロイド沈着物の形成速度と比べて低下させる。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、対象のアミロイド沈着物の形成速度を、投与前の対象のアミロイド沈着物の形成速度と比べて停止させる。
いくつかの態様では、本明細書に開示されるのは、カッパ軽鎖定常領域を対象とする抗体を作製、スクリーニング、または選択する方法であって、抗体産生細胞もしくはその馴化培地、ポリクローナル抗体混合物、またはファージディスプレイライブラリーを、配列番号1の配列を含むポリペプチドと接触させる工程を含む、方法である。ある特定の実施形態では、抗体産生細胞は、ハイブリドーマである。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、長さが50アミノ酸未満である。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、長さが25アミノ酸未満である。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、第1の部分および第2の部分を含み、ここで、第1の部分は、配列番号1の配列からなり、第2の部分は、カッパ軽鎖定常領域とは異種のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号1からなる。ある特定の実施形態では、方法は、配列番号1に結合する抗体を選択する工程をさらに含む。
いくつかの態様では、本明細書に開示されるのは、ラムダ軽鎖定常領域を対象とする抗体を作製、スクリーニング、または選択する方法であって、抗体産生細胞もしくはその馴化培地、抗体混合物、またはファージディスプレイライブラリーを、配列番号2の配列を含むポリペプチドと接触させる工程を含む、方法である。ある特定の実施形態では、抗体産生細胞は、ハイブリドーマである。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、長さが50アミノ酸未満である。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、長さが25アミノ酸未満である。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、第1の部分および第2の部分を含み、ここで、第1の部分は、配列番号2の配列からなり、第2の部分は、ラムダ軽鎖定常領域とは異種のアミノ酸配列を含む。ある特定の実施形態では、ポリペプチドは、配列番号2からなる。ある特定の実施形態では、方法は、配列番号2に結合する抗体を選択する工程をさらに含む。
図1A~図1Bは、完全長FL-LCのκ定常ドメイン(C)領域およびλ定常ドメイン(C)領域の両方に存在する病理特異的エピトープの概略図である。図1Aは、病理特異的Cエピトープが、正常な天然に折り畳まれたFL-LCホモダイマー内に埋め込まれているが、ALアミロイドーシスに露出しているエピトープであることを示す。 図1A~図1Bは、完全長FL-LCのκ定常ドメイン(C)領域およびλ定常ドメイン(C)領域の両方に存在する病理特異的エピトープの概略図である。図1Bは、病理特異的Cエピトープが、FL-LCアミロイド(FL-AL)形成経路の間に折り畳み異常を起こしたアミロイド形成中間体に曝露されることを示し、これは、抗体を使用することで捕捉することができる。 図2A~図2Bは、本明細書に記載されるκ軽鎖アイソタイプウサギポリクローナル抗体(図2A)または市販の汎特異的抗体(図2B)を使用した間接ELISAによる天然および折り畳みをほどいた状態の完全長軽鎖タンパク質の検出を示すグラフである。 図2A~図2Bは、本明細書に記載されるκ軽鎖アイソタイプウサギポリクローナル抗体(図2A)または市販の汎特異的抗体(図2B)を使用した間接ELISAによる天然および折り畳みをほどいた状態の完全長軽鎖タンパク質の検出を示すグラフである。 図3A~図3Bは、骨髄腫形質由来のプールしたカッパ(KLC)軽鎖およびラムダ(LLC)軽鎖を使用した変性ウェスタンブロットによる、折り畳みをほどいた状態の完全長カッパ軽鎖タンパク質の検出を示す。図3Aは、本明細書に開示されるκ軽鎖アイソタイプウサギポリクローナル抗体がラムダ軽鎖ではなくカッパ軽鎖に対して特異性を示すことを示す、ウェスタンブロットである。 図3A~図3Bは、骨髄腫形質由来のプールしたカッパ(KLC)軽鎖およびラムダ(LLC)軽鎖を使用した変性ウェスタンブロットによる、折り畳みをほどいた状態の完全長カッパ軽鎖タンパク質の検出を示す。図3Bは、市販の抗体が指定のアイソタイプに対して特異性を有し、二次抗体のみでは結合を示さないことを示す、ウェスタンブロットである。 図4は、κ軽鎖アイソタイプウサギポリクローナル抗体を使用して検出したシグナルのプロットであり、pH依存性凝集体結合を示す。灰色の棒は、指定のpHでの相対ThT蛍光を示し(n=3、左のy軸)、白丸は、結合と凝集体との間の関係を示すκ軽鎖アイソタイプウサギポリクローナル抗体のELISA読み出しを示し(n=3、右のy軸)、黒丸は、pH依存性の関係を示さない市販の抗κの読み出しを示す(n=3、右のy軸)。 図5のA~Cは、κ軽鎖アイソタイプウサギポリクローナル抗体を使用した免疫金電子顕微鏡による画像であり、カッパ軽鎖凝集体への結合を示す。図5のAは、κ軽鎖アイソタイプウサギポリクローナル抗体を用いてpH4.5で調製した凝集体に対して行ったアッセイの結果を示し、およそ100nmのサイズの大きな凝集体に結合することを示す。図5のBおよびCは、κ軽鎖アイソタイプウサギポリクローナル抗体を用いてpH6で調製した凝集体に対して行ったアッセイの結果を示し、およそ75nmのサイズの大きな凝集体に結合することを示す。 図6A~図6Bは、κ軽鎖アイソタイプウサギポリクローナル抗体がTHP-1単球細胞によってカッパ軽鎖凝集体の取り込みを増強することを示す、散布図である。単球は、抗体なしのもの(図6A)と比較してκ軽鎖アイソタイプウサギポリクローナル抗体の存在下(図6B)ではおよそ3倍も高頻度でpHrodo標識凝集体を貪食した。 図6A~図6Bは、κ軽鎖アイソタイプウサギポリクローナル抗体がTHP-1単球細胞によってカッパ軽鎖凝集体の取り込みを増強することを示す、散布図である。単球は、抗体なしのもの(図6A)と比較してκ軽鎖アイソタイプウサギポリクローナル抗体の存在下(図6B)ではおよそ3倍も高頻度でpHrodo標識凝集体を貪食した。 図7のA~Jは、ラムダALアミロイドーシスを有する患者由来の心臓組織の免疫組織化学染色を示す。コンゴーレッド染色(図7のA~B)、コンゴーレッド蛍光(図7のC~D)、およびDAKO抗ラムダ抗体(図7のE~F)はすべて、アミロイドを共染色し、ラムダ軽鎖心臓アミロイドーシス患者であることを示唆する。DAKO抗カッパ(図7のG~H)は組織の他の領域を染色し、κ軽鎖アイソタイプウサギポリクローナル抗体(図8のI~J)は染色をほとんどまたは全く示さず、ラムダアミロイドと交差反応しないことを示す。 図8のA~Eは、ATTR心臓アミロイド患者由来の心臓組織の免疫組織化学染色を示す。コンゴーレッド染色(図8のA)およびコンゴーレッド蛍光(図8のB)は、アミロイドの存在を示す。アミロイドは、DAKO抗ラムダ抗体(図8のC)、DAKO抗カッパ抗体(図8のD)、またはκ軽鎖アイソタイプウサギポリクローナル抗体(図8のE)に結合されない。 図9は、様々な患者の血漿試料の間接ELISAを使用して、抗C抗体を使用して検出したシグナルの箱ひげ図である。ALアミロイドーシスを有する患者の血漿は、ATTRアミロイドーシスを有する患者などのHFpEF対照と比較してシグナルが増加することを示した。 図10A~図10Dは、LX-96抗カッパモノクローナル抗体重鎖(図10Aおよび図10C)のアミノ酸配列(図10A~図10B)およびLX-96抗カッパモノクローナル抗体軽鎖(図10Bおよび図10D)の核酸配列(図10C~図10D)である。シグナルペプチド配列は、プレーンテキストである。 図10A~図10Dは、LX-96抗カッパモノクローナル抗体重鎖(図10Aおよび図10C)のアミノ酸配列(図10A~図10B)およびLX-96抗カッパモノクローナル抗体軽鎖(図10Bおよび図10D)の核酸配列(図10C~図10D)である。シグナルペプチド配列は、プレーンテキストである。 図10A~図10Dは、LX-96抗カッパモノクローナル抗体重鎖(図10Aおよび図10C)のアミノ酸配列(図10A~図10B)およびLX-96抗カッパモノクローナル抗体軽鎖(図10Bおよび図10D)の核酸配列(図10C~図10D)である。シグナルペプチド配列は、プレーンテキストである。 図10A~図10Dは、LX-96抗カッパモノクローナル抗体重鎖(図10Aおよび図10C)のアミノ酸配列(図10A~図10B)およびLX-96抗カッパモノクローナル抗体軽鎖(図10Bおよび図10D)の核酸配列(図10C~図10D)である。シグナルペプチド配列は、プレーンテキストである。 図11A~図11Cは、天然または折り畳み異常を起こした形態のカッパ軽鎖を検出するためにLX-96(図11A)または市販の対照抗体(図11B)を使用した間接ELISAの結果を示す線グラフである。様々な濃度の天然または折り畳み異常を起こしたAL09がLX-96(図11A)または市販の対照(図11B)に結合し、適切なHRP結合二次抗体を使用して、TMB化学反応を使用して検出を行った。 図11A~図11Cは、天然または折り畳み異常を起こした形態のカッパ軽鎖を検出するためにLX-96(図11A)または市販の対照抗体(図11B)を使用した間接ELISAの結果を示す線グラフである。様々な濃度の天然または折り畳み異常を起こしたAL09がLX-96(図11A)または市販の対照(図11B)に結合し、適切なHRP結合二次抗体を使用して、TMB化学反応を使用して検出を行った。 図11A~図11Cは、天然または折り畳み異常を起こした形態のカッパ軽鎖を検出するためにLX-96(図11A)または市販の対照抗体(図11B)を使用した間接ELISAの結果を示す線グラフである。図11Cは、天然または折り畳み異常を起こした形態の別のカッパ軽鎖変異体AL12を検出するためにLX-96への結合を示す。 図12は、LX-96への結合において競合物質として折り畳み異常を起こしたまたは天然のAL09を使用した競合ELISAの結果のグラフ表示である。結合は、パーセンテージで示し、ここで100%とは、LX-96と吸着したAL09との間の最大結合を表す(競合なし)。競合物質である折り畳み異常を起こしたAL09の濃度を増加させると、LX-96との結合において成功裡に競合し(下/黒色)、一方、天然のAL09は、競合を示さなかった(上/灰色)。 図13A~図13Dは、LX-96と折り畳み異常を起こしたカッパ軽鎖変異体(図13A、図13C)または天然のカッパ軽鎖変異体(図13B、図13D)との間の結合相互作用のバイオレイヤー干渉センサーグラムである。標的濃度の範囲におけるLX-96とその標的との結合を、2000秒にわたって波長(nm)の変化によって測定した(300秒結合、1700秒解離)。Octet Systemsソフトウェアを使用して結合曲線および解離曲線を適合し、KD、KD誤差、X2値およびR2値を判断した(表挿入図、図13A~図13D)。 図13A~図13Dは、LX-96と折り畳み異常を起こしたカッパ軽鎖変異体(図13A、図13C)または天然のカッパ軽鎖変異体(図13B、図13D)との間の結合相互作用のバイオレイヤー干渉センサーグラムである。標的濃度の範囲におけるLX-96とその標的との結合を、2000秒にわたって波長(nm)の変化によって測定した(300秒結合、1700秒解離)。Octet Systemsソフトウェアを使用して結合曲線および解離曲線を適合し、KD、KD誤差、X2値およびR2値を判断した(表挿入図、図13A~図13D)。 図13A~図13Dは、LX-96と折り畳み異常を起こしたカッパ軽鎖変異体(図13A、図13C)または天然のカッパ軽鎖変異体(図13B、図13D)との間の結合相互作用のバイオレイヤー干渉センサーグラムである。標的濃度の範囲におけるLX-96とその標的との結合を、2000秒にわたって波長(nm)の変化によって測定した(300秒結合、1700秒解離)。Octet Systemsソフトウェアを使用して結合曲線および解離曲線を適合し、KD、KD誤差、X2値およびR2値を判断した(表挿入図、図13A~図13D)。 図13A~図13Dは、LX-96と折り畳み異常を起こしたカッパ軽鎖変異体(図13A、図13C)または天然のカッパ軽鎖変異体(図13B、図13D)との間の結合相互作用のバイオレイヤー干渉センサーグラムである。標的濃度の範囲におけるLX-96とその標的との結合を、2000秒にわたって波長(nm)の変化によって測定した(300秒結合、1700秒解離)。Octet Systemsソフトウェアを使用して結合曲線および解離曲線を適合し、KD、KD誤差、X2値およびR2値を判断した(表挿入図、図13A~図13D)。 図14のA~Bは、市販の対照抗体(図14のA)またはLX-96(図14のB)を使用した、折り畳み異常を起こした種、天然の種、またはアミロイド種の天然のウェスタンブロットの画像である。ウェスタンブロットは、天然のSDS-PAGEから移し、適切な二次抗体を用いてLicorシステムを使用して検出することによって調製した。天然(N)のAL09または折り畳み異常を起こした(M)AL09の単量体種は、約25kDaの帯状として現れ、一方、凝集体または大きなMW種(250kDa以上)は、アミロイド(A)および天然レーンにおいて塗抹状として現れる。 図15のA~Eは、カッパALアミロイドーシスの生検で確認した場合の免疫組織化学染色の画像である。肝臓の場合(図15のA~B)および2つの心臓の場合(図15のC~E)を、非特異的抗カッパ抗体(図15のAおよびC)またはLX-96(図15のB、D、およびE)のいずれかを使用して染色した(暗い領域)。スケールバーは100μmを示す。 図16のA~Iは、病理学的対照組織としてアミロイドーシスの生検で確認した場合の免疫組織化学染色の画像である。ATTR心臓組織(図16のA~D)、AL-ラムダ心臓組織(図16のE~H)、またはIAPP膵臓組織(図16のI)を、コンゴーレッド(図16のAおよびE:暗染色)、非特異的抗ラムダ抗体(図16のBおよびF)、非特異的抗カッパ抗体(図16のCおよびG)、またはLX-96(図16のD、H、およびI)のいずれかを使用して染色した。陽性抗体染色は黒色として現れる。LX-96はこれらの組織のいずれにおいても染色を示さなかった。スケールバーは100μmを示す。 図17は、インビトロでのLX-96によるAL09の凝集体の阻害についてのグラフ表示である。様々な化学量論以下の濃度のLX-96の存在下でのFITC標識AL09の凝集体をエンドポイントで測定した。凝集体は、可溶性物質のFITC蛍光から正規化によって導かれ、パーセンテージで示され、便宜上(as a guide for the eye)傾向線が付されている。 図18のA~Fは、明視野(図18のA、C、およびE)およびpHrodo(図18のB、D、およびF)チャネルを用いた代表的な視野のRAW細胞の明視野画像および蛍光画像である。LX-96の存在下(図18のE~F)、アイソタイプ抗体の存在化(図18のC~D)、または対照として抗体の非存在下(図18のA、B)で、pHrodo標識AL09を用いて細胞を3時間インキュベートした。PHrodo蛍光シグナル(白色)は、食作用による取り込みによってAL09アミロイドを内在化させた細胞を表す。図18のGは、細胞1つ当たりの平均pHrodo蛍光によって定量化した場合の取り込みを示す棒グラフである。p値は、スチューデントのt検定を使用して計算した。 図19は、カッパ軽鎖アミロイド凝集体を移植し(アミロイドーマ;点線)、尾静脈注射によって単回容量10mg/kgの蛍光標識LX-96抗体を注入したマウスの蛍光画像である。白色シグナルは、注入から60分以内にアミロイドーマにLX-96が増加して蓄積していることを示す。 図20Aは、pHrodo標識カッパ軽鎖アミロイドを移植したマウスの蛍光画像であり、LX-96またはアイソタイプ抗体対照の尾静脈による単回10mg/kgの注入から3時間後である。シグナル(白色)の増加は、食作用の増加を表す。 図20Bは、移植前にアミロイドと抗体を同時混合(同時移植)する様式、皮下注射(SubQ)する様式、尾静脈注射する様式の3つの抗体投与様式を使用して食作用を定量化したグラフ表示である。 図21Aは、蛍光標識アミロイドーマ(上)、または10mg/kgのLX-96を予め混合した標識アミロイドーマ(下)を移植したマウスの蛍光画像である。3日間にわたって画像を撮影した。白色シグナルは、アミロイドのサイズを推定するものである。 図21Bは、蛍光シグナル総和によって定量化したアミロイドの相対サイズを表で表す。 図21Cは、未処理のアミロイドーマと比較して、LX-96を投与した場合にアミロイドのサイズの縮小速度が増強(3倍)したことを示すグラフである。 図22は、アイソタイプ対照またはLX-96のいずれかで処置したマウスから、注入から24時間後に切除したアミロイドーマ組織の免疫組織化学染色である。代表的な視野を示す。マクロファージマーカー(F4/80)または好中球マーカー(MPO)を使用して組織を染色した。陽性染色を黒色で示す。
本開示のある特定の態様は、ヒトの免疫グロブリン遊離軽鎖に特異的に結合する抗体(FLC:「抗FLC抗体」)を対象とする。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、カッパ軽鎖に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、カッパ軽鎖との結合において参照抗体と交差競合し、ここで、参照抗体は、STYSLSSTLT(配列番号1)に示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリンカッパ軽鎖上のエピトープに結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、STYSLSSTLT(配列番号1)に示されるアミノ酸配列の全部または一部と重複するエピトープでカッパ軽鎖に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、STYSLSSTLT(配列番号1)に示されるアミノ酸配列を含むカッパ軽鎖上のエピトープに結合する。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、ラムダ軽鎖に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、ラムダ軽鎖との結合において参照抗体と交差競合し、ここで、参照抗体は、NKYAASSYLSL(配列番号2)に示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリンラムダ軽鎖上のエピトープに結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、NKYAASSYLSL(配列番号2)に示されるアミノ酸配列の全部または一部と重複するエピトープでラムダ軽鎖に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、NKYAASSYLSL(配列番号2)に示されるアミノ酸配列を含むラムダ軽鎖上のエピトープに結合する。
I.用語
本開示をより容易に理解できるようにするために、まず特定の用語を定義する。本出願で使用する場合、以下の用語のそれぞれは、本明細書で明示的にそうではないことが記載されない限り、以下に記載の意味を有するものとする。さらなる定義は、本出願全体にわたって記載する。
「a」または「an」の実体という用語は、1つまたは複数のその実体を指すことに留意されたい。例えば、「ヌクレオチド配列(a nucleotide sequence)」は,1つまたは複数のヌクレオチド配列を表すと理解される。したがって、「a」(または「an」)、「1つまたは複数」、および「少なくとも1つ」という用語は、本明細書において互換的に使用されることができる。
さらに、本明細書で使用される場合、「および/または」は、他の特徴を伴うまたは伴わない、2つの特定の特徴または構成要素のそれぞれの特定の開示として解釈されるべきである。このため、本明細書において「Aおよび/またはB」などの語句で使用される「および/または」という用語は、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(単独)、および「B」(単独)を含むことが意図される。同様に、「A、B、および/またはC」などの語句で使用される「および/または」という用語は、以下の態様、すなわち、A、B、およびC、A、B、またはC、AまたはC、AまたはB、BまたはC、AおよびC、AおよびB、BおよびC、A(単独)、B(単独)、ならびにC(単独)のそれぞれを包含することが意図される。
本明細書において、「約」という用語は、およそ、おおよそ、付近またはその領域内を意味するのに使用される。「約」という用語が、数値範囲と共に使用される場合、記載された数値の上下の境界を拡張することにより、その範囲を変更する。概して、本明細書において「約」という用語は、記載された値の上下の数値を、10%上下(より高いまたはより低い)の変動で変更するのに使用される。
本明細書において態様が「を含む(comprising)」という語とともに記載されるときは如何なる場合も、「からなる」および/または「から本質的になる」という用語で記載される類似の態様も提供されることを理解されたい。
他に定義されていない限り、本明細書で使用されるすべての技術的および科学的用語は、本開示が関連する当該技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。例えば、the Concise Dictionary of Biomedicine and Molecular Biology、Juo、Pei-Show、第2版、2002年、CRC Press; The Dictionary of Cell and Molecular Biology、第3版、1999年、Academic Press;ならびにthe Oxford Dictionary Of Biochemistry And Molecular Biology、Revised、2000年、Oxford University Pressは、本開示において使用される用語の多くについて一般的な辞書を当業者に提供する。
単位、接頭辞、および記号は、それらの国際単位系(SI)で認められた形式で示される。数値範囲は、範囲を定義する数字を含む。別段の指定がない限り、ヌクレオチド配列は、5’から3’の方向で左から右に記載される。アミノ酸配列は、アミノからカルボキシの方向で左から右に記載される。本明細書で提供される見出しは、本開示の様々な態様を限定するものではなく、こうした態様は、参照によって全体として本明細書に組み込まれ得るものである。したがって、以下に定義される用語は、その全体が参照によってより完全に本明細書に定義される。
本明細書に記載される場合、アミノ酸配列または核酸配列に関する異種性とは、異種配列が比較されるアミノ酸配列または核酸配列と比較して異なる源または由来の配列を指す。
本明細書で使用される場合、「抗体」(Ab)には、限定はしないが、抗原に特異的に結合し、ジスルフィド結合によって相互接続した少なくとも2本の重(H)鎖および2本の軽(L)鎖を含む糖タンパク質免疫グロブリンまたはその抗原結合部分が含まれる。各H鎖は、重鎖可変領域(本明細書ではVと略す)および重鎖定常領域を含む。重鎖定常領域は、3つの定常ドメイン、CH1、CH2およびCH3を含む。各軽鎖は、軽鎖可変領域(本明細書ではVと略す)および軽鎖定常領域を含む。軽鎖定常領域は、1つの定常ドメイン、Cを含む。VおよびV領域はさらに、より保存された、フレームワーク領域(FR)と称する領域が分散した相補性決定領域(CDR)と称する超可変領域に細区分することができる。各VおよびVは、アミノ末端からカルボキシ末端まで以下の順番、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4で配置された3つのCDRおよび4つのFRを含む。重鎖および軽鎖の可変領域は、抗原と相互作用する結合ドメインを含む。抗体の定常領域は、免疫グロブリンが、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)および古典的な補体系の第1成分(C1q)を含む宿主組織または要素との結合を媒介することができる。「抗体」という用語は、モノクローナル抗体を含み、そのインタクト抗体および機能性(抗原結合)抗体断片を含み、これには、断片抗原結合(Fab)断片、F(ab’)断片、Fab’断片、Fv断片、組換えIgG(rIgG)断片、単鎖可変断片(sFvまたはscFv)を含む単鎖抗体断片、および単一ドメイン抗体(例えば、sdAb、sdFv、ナノボディー)断片を含む。
「相補性決定領域」および「CDR」という用語は、「超可変領域」または「HVR」と同義であり、抗原特異性および/または結合親和性を付与する、抗体可変領域内のアミノ酸の非隣接配列を指すことが、当技術分野で公知である。一般に、各重鎖可変領域中に3つのCDR(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)が存在し、各軽鎖可変領域中に3つのCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)が存在する。「フレームワーク領域」および「FR」は、重鎖および軽鎖の可変領域の非CDR部分を指すことが、当技術分野で公知である。一般に、各完全長重鎖可変領域中に4つのFR(FR-H1、FR-H2、FR-H3、およびFR-H4)が存在し、各完全長軽鎖可変領域中に4つのFR(FR-L1、FR-L2、FR-L3、およびFR-L4)が存在する。所与のCDRまたはFRの正確なアミノ酸配列の境界は、Kabatら(1991年)、「Sequences of Proteins of Immunological Interest」、第5版 Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD(「Kabat」番号付けスキーム)、Al-Lazikaniら、(1997年)JMB 273巻、927~948頁(「Chothia」番号付けスキーム)、MacCallumら、J. Mol. Biol. 262巻:732~745頁(1996年)、「Antibody-antigen interactions: Contact analysis and binding site topography」、J. Mol. Biol. 262巻、732~745頁(「Contact」番号付けスキーム)、Lefranc MPら、「IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V-like domains」、Dev Comp Immunol、2003年1月;27巻(1号):55~77頁(「IMGT」番号付けスキーム)、ならびにHonegger AおよびPluckthun A、「Yet another numbering scheme for immunoglobulin variable domains: an automatic modeling and analysis tool」、J Mol Biol、2001年6月8日、309巻(3号)、657~70頁、(「Aho」番号付けスキーム)、ならびにWhitelegg NRおよびRees AR、「WAM: an improved algorithm for modelling antibodies on the WEB,」Protein Eng. 2000年12月、13(12)、819~24頁(「AbM」番号付けスキーム)によって記載されるものを含む、複数の周知のスキームのいずれかを使用して容易に決定されることができる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載される抗体のCDRは、Kabat、Chothia、IMGT、Aho、AbM、またはそれらの組合せから選択される方法によって定義され得る。
「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、抗体と抗原との結合に関与する、抗体重鎖または軽鎖のドメインを指す。天然の抗体の重鎖および軽鎖(それぞれ、V及びV)の可変ドメインは一般的に、同様の構造を有し、各ドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)および3つのCDRを含む(例えば、Kindtら、Kuby Immunology、第6版、W.H.Freeman and Co.、91頁(2007年)を参照されたい。)単一のVドメインまたはVドメインは、抗原結合特異性を付与するのに十分であってもよい。さらに、抗原に結合する抗体のVドメインまたはVドメインを使用して、それぞれ、相補的VドメインまたはVドメインのライブラリーをスクリーニングして、特定の抗原を結合する抗体が単離されてもよい(例えば、Portolanoら、J.Immunol. 150:880~887頁(1993年)、Clarksonら、Nature 352:624~628頁(1991年)を参照されたい)。
本明細書で使用される場合、「中間体」軽鎖は、成熟した軽鎖免疫グロブリンではない軽鎖免疫グロブリンポリペプチドを指す。いくつかの態様では、中間体軽鎖は、折り畳みをほどいた軽鎖ポリペプチドである。いくつかの態様では、中間体軽鎖は、折り畳み異常を起こした軽鎖ポリペプチドである。
免疫グロブリンは、IgA、分泌性IgA、IgG、およびIgMを含むがこれらに限定されない公知のアイソタイプのいずれかに由来するものであってもよい。IgGサブクラスも当業者に周知であり、ヒトIgG1、IgG2、IgG3、およびIgG4を含むがこれらに限定されない。「アイソタイプ」は、重鎖定常領域遺伝子によってコードされる抗体クラスまたはサブクラス(例えば、IgMまたはIgG1)を指す。「抗体」という用語は、例として、天然に存在する抗体および天然に存在しない抗体の両方、モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体、キメラ抗体およびヒト化抗体、ヒト抗体または非ヒト抗体、完全合成抗体、ならびに単鎖抗体が挙げられる。非ヒト抗体は、ヒトにおけるその免疫原性を低減させるために、組換え法によってヒト化されることができる。明確に述べられない場合、また、文脈に別段の指示がない限り、「抗体」という用語は、前述の免疫グロブリンのいずれかの抗原結合断片または抗原結合部分も含み、一価および二価の断片または部分、ならびに単鎖抗体も含む。
「ヒト化」抗体は、すべてまたは実質的にすべてのCDRアミノ酸残基が非ヒトCDRに由来し、かつ、すべてまたは実質的にすべてのFRアミノ酸残基がヒトFRに由来する抗体である。ヒト化抗体は、任意選択で、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部を含んでもよい。非ヒト抗体の「ヒト化形態」は、典型的には、親非ヒト抗体の特異性および親和性を保ちつつ、ヒトに対する免疫原性を低減させるためにヒト化された、非ヒト抗体の変異体を指す。いくつかの実施形態では、ヒト化抗体中のいくつかのFR残基が、例えば、抗体の特異性または親和性を回復または改良するために、非ヒト抗体(例えば、CDR残基が由来する抗体)の対応残基で置換される。
「単離された抗体」は、異なる抗原特異性を有する他の抗体を実質的に含まない抗体を指す。しかし、抗原に特異的に結合する、単離された抗体は、異なる種に由来する抗原などの他の抗原に対する交差反応性を有し得る。さらに、単離された抗体は、他の細胞材料および/または化学物質も実質的に含まないものであってもよい。
「モノクローナル抗体」(「mAb」)という用語は、単一の分子組成物の抗体分子の天然に存在しない調製物、すなわち、一次配列が本質的に同一であり、特定のエピトープに単一の結合特異性および親和性を示す、抗体分子を指す。mAbは、単離された抗体の一例である。mAbは、ハイブリドーマ、組換え、遺伝子導入または当業者に公知の他の技術によって産生できる。
「ポリクローナル抗体」(「pAb」)という用語は、1つを超える分子組成物の抗体分子の天然に存在しない調製物、すなわち、一次配列が同一である必要がなく、特定のエピトープに異なる結合特異性および親和性を示し得る、抗体分子を指す。
「ヒト抗体」は、フレームワーク領域およびCDR領域の両方がヒト生殖細胞系列の免疫グロブリン配列に由来する、可変領域を有する抗体を指す。更に、その抗体が定常領域を含んでいる場合、その定常領域もまた、ヒト生殖細胞系列の免疫グロブリン配列に由来する。本開示のヒト抗体は、ヒト生殖細胞系列の免疫グロブリン配列によってコードされていないアミノ酸残基(例えば、インビトロでの無作為または部位特異的突然変異によって導入される変異、あるいはインビボでの体細胞変異によって導入される変異)を含んでもよい。しかし、「ヒト抗体」という用語は、本明細書で使用される場合、マウスなどの別の哺乳動物種の生殖細胞系列に由来するCDR配列がヒトフレームワーク配列上に移植されている抗体を含むことを意図するわけではない。「ヒト」抗体という用語および「完全ヒト」抗体という用語は、同義的に使用される。
「ヒト化抗体」は、非ヒト抗体のCDRドメイン外のアミノ酸の一部、大部分またはすべてがヒト免疫グロブリン由来の対応アミノ酸で置き換えられる抗体を指す。抗体のヒト化形態の一態様では、CDRドメイン外のアミノ酸の一部、大部分またはすべてがヒト免疫グロブリンからのアミノ酸で置き換えられ、一方、1つまたは複数のCDR領域内の一部、大部分またはすべてのアミノ酸は変更されない。このようなアミノ酸の小さな付加、欠失、挿入、置換または修飾は、抗体が特定の抗原に結合する能力を消失しない限り、許容される。「ヒト化」抗体は、元の抗体に類似する抗原特異性を保持する。
「キメラ抗体」は、可変領域がマウス抗体由来であり、定常領域がヒト抗体由来である抗体のような、可変領域がある種由来であり、定常領域が別の種由来である抗体を指す。
「抗原」は、抗体によって結合できる、あるいは免疫応答を誘発する、いずれかの分子、例えば、ペプチドを指す。「エピトープ」は、本明細書で使用される場合、抗体によって結合できる、あるいは免疫応答を誘発する、ポリペプチドの一部分を指す。当業者であれば、事実上すべてのタンパク質またはペプチドを含むあらゆる巨大分子が抗原として機能できることを容易に理解するであろう。抗原および/またはエピトープは、内因的に発現することができる、すなわち、ゲノムDNAによって発現することができるか、あるいは外因性DNAから組換え的に発現することができる。抗原および/またはエピトープは、癌細胞などのある特定の組織に特異的であるか、あるいは広範に発現することができる。さらに、より大きな分子の断片は、抗原として作用することができる。一態様では、抗原は、腫瘍抗原である。エピトープは、より長いポリペプチド内(例えば、タンパク質内)に存在するか、あるいはエピトープは、より長いポリペプチドの断片として存在することができる。いくつかの態様では、エピトープは、主要組織適合遺伝子複合体と複合化する(MHC、本明細書では、HLA分子、例えば、HLAクラス1分子と複合化するとも称される)。ある特定の実施形態では、エピトープには、ある特定の非タンパク質分子(例えば、糖、脂質、リン酸など)、またはタンパク質分子のアミノ酸を修飾する非タンパク質分子が挙げられる。
「抗抗原」抗体とは、抗原に特異的に結合する抗体を指す。例えば、抗FLC抗体は、FLCに特異的に結合する。
抗体の「抗原結合部分」(「抗原結合断片」とも呼ばれる)は、抗体全体が結合する抗原に特異的に結合する能力を保持している抗体の1つまたは複数の断片を指す。
参照ポリペプチド配列に対するパーセント(%)配列同一性は、最大のパーセント配列同一性を得るように配列を整列させて必要ならギャップを導入した後の、かつ、いかなる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとしたときの、参照ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基の百分率比である。パーセントアミノ酸配列同一性を決定する目的のアラインメントは、利用可能なコンピュータソフトウェアを使用することにより様々な方法で達成することができる。比較される配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要なアルゴリズムを含む、配列のアラインメントをとるための適切なパラメーターを決定することができる。しかし、本明細書における目的のためには、%アミノ酸配列同一性の値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN-2を使用して作成される。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムは、ジェネンテック社によって著作され、ソースコードは米国著作権庁、ワシントンD.C.,20559に使用者用書類とともに提出され、米国著作権登録番号TXU510087で登録されている。ALIGN-2プログラムは、ジェネンテック社(カリフォルニア州、南サンフランシスコ)から公的に入手可能であり、あるいはそのソースコードからコンパイルしてもよい。ALIGN-2プログラムは、デジタルUNIXのV4.0Dを含むUNIXオペレーティングシステムでの使用のためにコンパイルされる。すべての配列比較パラメーターは、ALIGN-2プログラムによって設定され、変動しない。
アミノ酸配列比較にALIGN-2が用いられる状況では、所与のアミノ酸配列Aの、所与のアミノ酸配列Bとの、またはそれに対する%アミノ酸配列同一性(あるいは、所与のアミノ酸配列Bと、またはそれに対して特定の%アミノ酸配列同一性を有するまたは含む所与のアミノ酸配列Aと言うこともできる)は次のように計算される:分率X/Yの100倍ここで、Xは配列アラインメントプログラムALIGN-2により、AとBのそのプログラムのアラインメントにおいて同一であるとして一致したスコアのアミノ酸残基の数であり、YはBの全アミノ酸残基数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと異なる場合、AのBに対する%アミノ酸配列同一性は、BのAに対する%アミノ酸配列同一性とは異なることは理解されるであろう。特に断らない限り、本明細書で使用されるすべての%アミノ酸配列同一性の値は、ALIGN-2コンピュータプログラムを使用して、直前の段落で説明したように得られる。
「アミロイドーシス」は、本明細書で使用される場合、心臓、腎臓、または肝臓に軽鎖アミロイド(AL)として沈着し得る免疫グロブリン遊離軽鎖(LC)の折り畳み異常を特徴とする疾患または状態を指す。この疾病は、原因となる形質細胞異常症によって引き起こされ、その結果、形質細胞が、大過剰の免疫グロブリン遊離カッパ(κ)軽鎖および/またはラムダ(λ)軽鎖を循環に分泌する。本明細書で使用される場合、「原発性アミロイドーシス」または「ALアミロイドーシス」は、最も一般的な種類の全身性アミロイドーシスを指し、西欧世界において、発生率は年間人口100万人当たり9~14人である。
「形質細胞異常増殖症」は、本明細書で使用される場合、単一の異常な形質細胞クローン(最終分化B細胞)の無秩序な増殖を伴い、正常量より多くの軽鎖タンパク質を産生する、増殖性形質細胞障害を指す。形質細胞異常増殖症は、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)で見られるような良性、または多発性骨髄腫(MM)および形質細胞白血病(PCL)で見られるような悪性のいずれかに分類される。関連する異常症の種類に関わらず、分泌されたこれらの軽鎖によって、折り畳み異常事象が起こり得、それにより、心臓、腎臓、および神経系を含む重要な器官で凝集し、アミロイドとして蓄積する傾向がある。このような浸潤によって、ネフローゼ症候群、肝腫大、末梢神経障害、拘束型心筋症が起こり得、最終的には死をもたらす可能性がある。
「投与すること(dministering)」とは、当業者に公知の種々の方法および送達システムのいずれかを使用した、対象への薬剤の物理的導入を指す。本明細書に開示される製剤の例示的投与経路として、静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、脊髄、または、例えば注射もしくは注入によるその他の非経口投与経路が挙げられる。「非経口投与」という語句は、本明細書で使用される場合、経腸および局所投与以外の、通常、注射による投与様式を意味し、これらに限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、リンパ内、病巣内、関節内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、硬膜外および胸骨内注射および注入ならびにインビボエレクトロポレーションが挙げられる。いくつかの態様では、製剤は、非経口ではない経路によって、例えば、経口投与される。その他の非経口ではない経路として、局所投与経路、表皮投与経路、または粘膜投与経路、例えば、鼻腔内、経膣、直腸性、舌下または局所経路が挙げられる。また、投与は、例えば、1回、複数回、および/または1回または複数回の長期にわたって行われることもできる。
本明細書で使用される場合、「治療する(treat)」、「治療(treatment)」または「治療すること(treating)」は、例えば、疾患または疾病の重症度の低下、疾患または疾病の継続期間の低下、疾患または疾病と結び付けられる1つまたは複数の症状の改善または排除、あるいは疾患または疾病を有する対象への有益な効果の提供をもたらす、生理学的疾患状態への意図的な介入を指す。治療は、必ずしも原因となる疾患または疾病を治癒する必要はない。
薬物または治療剤の「治療有効量」、「有効用量」、「有効量」、または「治療有効用量」は、単独で、または別の治療剤と組み合わせて使用される場合、疾患の発症から対象を保護するか、または疾患症状の重症度の低下、疾患症状のない期間の頻度および継続期間の増加、あるいは疾患の苦痛による機能障害または能力障害の予防によって明らかにされる、疾患の短縮を促進する薬剤の量である。疾患の短縮を促進する治療剤の能力は、例えば、臨床治験中のヒト対象において、ヒトにおける有効性を予測する動物モデル系において、またはインビトロアッセイにおける薬剤の活性のアッセイによってなど、当業者に公知の種々の方法を使用して評価することができる。
「免疫療法」という用語は、免疫応答を誘導、増強、抑制、または修飾することを含む方法による、疾患に罹患している対象、または疾患に罹る危険性を有する対象、または疾患の再発を患う対象の治療を指す。免疫療法の例としては、対象における免疫応答を刺激する抗体またはその抗原結合部分を投与することが挙げられるが、これに限定されない。
本開示の様々な態様を以下の小節においてさらに詳細に説明する。
II.本開示の組成物
本開示のある特定の態様は、ヒトの免疫グロブリン遊離軽鎖に特異的に結合する抗体(FLC:「抗FLC抗体」)を対象とする。免疫グロブリンは、その性質上、非常に可変性のあるアミノ酸配列を有する。さらに、アミロイドーシスにおいて典型的なAL沈着物は、折り畳み異常を起こした免疫グロブリン遊離軽鎖(LC)の凝集体を含む。その結果、FLCを標的とするには、多くの可変配列内で定常を認識する能力を必要とする。この不均一性を克服するために、本明細書に記載される抗体は、免疫グロブリン軽鎖配列の定常領域にあるエピトープを認識するように特異的に設計される。
ある特定の態様では、抗FLC抗体は、免疫グロブリン軽鎖の抗原特異性に関わらず、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドに結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチド上のエピトープに結合し、ここで、エピトープは、免疫グロブリン軽鎖の定常領域内に位置する。いくつかの態様では、エピトープは、免疫グロブリン軽鎖が免疫グロブリン重鎖との複合体の状態である場合に立体構造的に接触不可能な免疫グロブリン軽鎖の定常領域部分内に位置する。いくつかの態様では、エピトープは、免疫グロブリン軽鎖が免疫グロブリン重鎖との複合体の状態である場合に表面露出されない免疫グロブリン軽鎖の定常領域部分内に位置する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、免疫グロブリン軽鎖の定常領域内に位置するエピトープに特異的に結合し、ここで、抗FLC抗体は、免疫グロブリン軽鎖が免疫グロブリン重鎖との複合体の状態でない場合のみにエピトープに結合する。
ある特定の態様では、抗FLC抗体は、免疫グロブリン重鎖と結び付けられていない免疫グロブリン軽鎖に特異的に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、免疫グロブリン重鎖に共有結合している免疫グロブリン軽鎖を含む複合体には結合しない。
本明細書に開示される抗FLC抗体は、いずれかの構成を有する、いずれかの由来の免疫グロブリン遊離軽鎖に結合することができる。いくつかの態様では、本明細書に開示される抗FLC抗体は、軽鎖定常領域の全部または一部を含むいずれかの免疫グロブリン軽鎖に結合する。いくつかの態様では、FLCは、完全長免疫グロブリン軽鎖ペプチドを含む。いくつかの態様では、FLCは、免疫グロブリン軽鎖ペプチドの断片を含む。いくつかの態様では、免疫グロブリン軽鎖ペプチドの断片は、軽鎖定常領域の全部または一部を含む。いくつかの態様では、FLCは、免疫グロブリン軽鎖ペプチドの凝集体を含む。いくつかの態様では、凝集体は、完全長免疫グロブリン軽鎖ペプチドを含む。いくつかの態様では、凝集体は、免疫グロブリン軽鎖ペプチドの断片を含む。いくつかの態様では、凝集体は、完全長免疫グロブリン軽鎖ペプチドおよび免疫グロブリン軽鎖ペプチドの断片の両方を含む。いくつかの態様では、免疫グロブリン軽鎖ペプチドの凝集体は、折り畳み異常を起こした1つまたは複数の免疫グロブリン軽鎖ペプチドを含む。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、1つまたは複数の軽鎖アミロイド原線維に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、インビボで軽鎖アミロイド原線維に結合することができる。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、天然に折り畳まれた軽鎖に結合するのに比べてより効率的に軽鎖原線維に選択的に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、天然に折り畳まれた軽鎖に結合するのに比べて少なくとも1.5倍、少なくとも2.0倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3.0倍、少なくとも3.5倍、少なくとも4.0倍、少なくとも4.5倍、少なくとも5倍、少なくとも6倍、少なくとも7倍、少なくとも8倍、少なくとも9倍、または少なくとも10倍より効率的に軽鎖原線維に選択的に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、天然に折り畳まれた軽鎖に結合するのに比べてより効率的に軽鎖原線維に選択的に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、天然に折り畳まれた軽鎖に結合するのに比べて少なくとも2.0倍より効率的に軽鎖原線維に選択的に結合する。いくつかの態様では、アミロイド原線維は、対象から得た生体試料から収集される。いくつかの態様では、生体試料は、血液、血清、血漿、固形組織、およびそれらのいずれかの組合せから選択される。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、軽鎖原線維の形成を阻害することができる。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、溶液中で、折り畳み異常を起こした軽鎖中間体による軽鎖原線維の形成を阻害する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、インビボで、折り畳み異常を起こした軽鎖中間体からの軽鎖原線維の形成を阻害する。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、軽鎖原線維の形成を減少させることができる。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、溶液中で、折り畳み異常を起こした軽鎖中間体による軽鎖原線維の形成を減少させる。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、インビボで、折り畳み異常を起こした軽鎖中間体による軽鎖原線維の形成を減少させる。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、抗FLC抗体がない以外は同様の条件下での軽鎖原線維の形成と比べて、軽鎖原線維形成を少なくとも約1.5倍、少なくとも約2.0倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3.0倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4.0倍、少なくとも約4.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、または少なくとも約10倍減少させる。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、インビボで免疫応答を誘導することができる。いくつかの態様では、対象における免疫グロブリン軽鎖、例えばアミロイド原線維における免疫グロブリン軽鎖への抗FLC抗体の結合によって、対象における免疫応答を誘導および/または亢進させる。いくつかの態様では、免疫応答は、細胞性免疫応答である。いくつかの態様では、免疫応答は、対象における免疫グロブリン軽鎖の凝集体、例えばアミロイド原線維を消失、除去、および/または解離させることを含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、抗FLC抗体が投与されていない対象における免疫応答と比べて、免疫応答を少なくとも約1.5倍、少なくとも約2.0倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3.0倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4.0倍、少なくとも約4.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、または少なくとも約10倍亢進させる。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、対象において免疫グロブリン軽鎖の凝集体、例えばアミロイド原線維に対する免疫応答を誘導し、ここで、対象は、抗FLC抗体の非存在下では、免疫グロブリン軽鎖の凝集体、例えばアミロイド原線維に対する免疫応答を有していなかったものとする。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、対象における軽鎖免疫グロブリンの凝集体、例えばアミロイド原線維をオプソニン化(opsinizing)することができる。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、対象における軽鎖免疫グロブリンの凝集体、例えばアミロイド原線維の除去を誘導することができる。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、ポリクローナル抗体である。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、モノクローナル抗体である。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、キメラ抗体である。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、ヒト化抗体である。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、ヒト抗体である。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、抗体の抗原結合部分を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、Fabを含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、Fab’を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、F(ab’)2を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、scFvを含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、dsFvを含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、ds-scFvを含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、二量体を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、ミニボディを含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、ダイアボディを含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、上記のいずれかの多量体を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、二重特異性抗体断片を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、単鎖抗体である。
免疫グロブリン軽鎖は、ヒトゲノム中の2つの遺伝子座、すなわち、カッパ軽鎖をコードする免疫グロブリンカッパ遺伝子座、およびラムダ軽鎖をコードする免疫グロブリンラムダ遺伝子座から発現する。各Bリンパ球は、カッパ遺伝子座またはラムダ遺伝子座のいずれかから、軽鎖の1つのクラスのみを発現する。結果として、ヒト血清は、カッパ軽鎖およびラムダ軽鎖抗体の混合物を含む。表1に、カッパ軽鎖(UniProt P0DOX7;配列番号5)およびラムダ軽鎖(UniProt P0DOX8;配列番号7)の標準アミノ酸配列を示す。
上記のように、免疫グロブリン軽鎖はそれぞれ、可変ドメインおよび定常ドメインを含む。カッパ軽鎖可変ドメインは、配列番号5のアミノ酸残基1から108まで延び、カッパ軽鎖定常領域は、配列番号5のアミノ酸残基109から214まで延びる(配列番号6として捕捉される)。ラムダ軽鎖可変ドメインは、配列番号7のアミノ酸残基1から112まで延び、ラムダ軽鎖定常領域は、配列番号7のアミノ酸残基112から216まで延びる(配列番号8として捕捉される)。
II.A.抗カッパ軽鎖抗体
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、カッパ軽鎖ポリペプチドに特異的に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、折り畳み異常を起こしたカッパ軽鎖ポリペプチドに特異的に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、折り畳み異常を起こしたカッパ軽鎖ポリペプチドに結合し、天然カッパ軽鎖ポリペプチドには結合しない。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、折り畳みをほどいたカッパ軽鎖ポリペプチドに特異的に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、折り畳みをほどいたカッパ軽鎖ポリペプチドに結合し、天然に折り畳まれたカッパ軽鎖ポリペプチドには結合しない。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、カッパ軽鎖の定常領域に存在するエピトープに結合する。いくつかの態様では、エピトープは、折り畳み異常を起こしたカッパ軽鎖ポリペプチドの表面に提示される。いくつかの態様では、エピトープは、折り畳みをほどいたカッパ軽鎖ポリペプチドの表面に提示される。いくつかの態様では、エピトープは、天然に折り畳まれたカッパ軽鎖ポリペプチドの表面に提示されない。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、カッパ軽鎖ポリペプチドとの結合において参照抗体と交差競合し、ここで、参照抗体は、STYSLSSTLT(配列番号1)に示されるアミノ酸配列を含むエピトープの1つまたは複数のアミノ酸に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、STYSLSSTLT(配列番号1)に示されるアミノ酸配列の全部または一部と重複するエピトープでカッパ軽鎖に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、STYSLSSTLT(配列番号1)に示されるアミノ酸配列を含むカッパ軽鎖上のエピトープに結合する。ある特定の実施形態では、参照抗体は、配列番号14の重鎖可変領域アミノ酸配列および配列番号10の軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、エピトープは、配列番号1に示されるアミノ酸のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または10を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、Tyr173、Ser174、Leu175、Ser176、Ser177、Thr178、Leu179、Thr180、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するThr172を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するTyr173を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer174を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するLeu175、Ser176を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer177を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するThr178を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するLeu179を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するThr180を含む。
いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、Tyr173、Ser174、Leu175、Ser176、Ser177、Thr178、Leu179、およびThr180のうちの少なくとも2つを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、Tyr173、Ser174、Leu175、Ser176、Ser177、Thr178、Leu179、およびThr180のうちの少なくとも3つを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、Tyr173、Ser174、Leu175、Ser176、Ser177、Thr178、Leu179、およびThr180のうちの少なくとも4つを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、Tyr173、Ser174、Leu175、Ser176、Ser177、Thr178、Leu179、およびThr180のうちの少なくとも5つを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、Tyr173、Ser174、Leu175、Ser176、Ser177、Thr178、Leu179、およびThr180のうちの少なくとも6つを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、Tyr173、Ser174、Leu175、Ser176、Ser177、Thr178、Leu179、およびThr180のうちの少なくとも7つを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、Tyr173、Ser174、Leu175、Ser176、Ser177、Thr178、Leu179、およびThr180のうちの少なくとも8つを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、Tyr173、Ser174、Leu175、Ser176、Ser177、Thr178、Leu179、およびThr180のうちの少なくとも9つを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、Tyr173、Ser174、Leu175、Ser176、Ser177、Thr178、Leu179、およびThr180を含む。
いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171およびThr172を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、およびTyr173を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、Tyr173、およびSer174を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、Tyr173、Ser174、およびLeu175を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、Tyr173、Ser174、Leu175、およびSer176を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、Tyr173、Ser174、Leu175、Ser176、およびSer177を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、Tyr173、Ser174、Leu175、Ser176、Ser177、およびThr178を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer171、Thr172、Tyr173、Ser174、Leu175、Ser176、Ser177、Thr178、およびLeu179を含む。
いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するLeu179およびThr180を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するThr178、Leu179、およびThr180を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer177、Thr178、Leu179、およびThr180を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer176、Ser177、Thr178、Leu179、およびThr180を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するLeu175、Ser176、Ser177、Thr178、Leu179、およびThr180を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するSer174、Leu175、Ser176、Ser177、Thr178、Leu179、およびThr180を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するTyr173、Ser174、Leu175、Ser176、Ser177、Thr178、Leu179、およびThr180を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号5に対応するThr172、Tyr173、Ser174、Leu175、Ser176、Ser177、Thr178、Leu179、およびThr180を含む。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、カッパ軽鎖ポリペプチドに特異的に結合し、(i)重鎖および(ii)軽鎖を含み、ここで、重鎖は、可変領域および定常領域を含み、重鎖可変領域は、重鎖可変領域の相補性決定領域(variable heavy complementarity determining region:VH-CDR)1、VH-CDR2、およびVH-CDR3を含み、軽鎖可変領域は、可変軽鎖(VL)CDR1、VL-CDR2、およびVL-CDR3を含む。いくつかの態様では、VL-CDR1は、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、VL-CDR2は、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、VL-CDR3は、配列番号13に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、VH-CDR1は、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、VH-CDR2は、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、VH-CDR3は、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、(i)重鎖および(ii)軽鎖を含み、ここで、重鎖は、可変領域および定常領域を含み、重鎖可変領域は、VH-CDR1、VH-CDR2、およびVH-CDR3を含み、軽鎖可変領域は、可変軽鎖(VL)CDR1、VL-CDR2、およびVL-CDR3を含み、VH-CDR1は、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含み、VH-CDR2は、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含み、VH-CDR3は、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、VL-CDR1は、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含み、VL-CDR2は、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含み、VL-CDR3は、配列番号13に示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、(i)重鎖および(ii)軽鎖を含み、ここで、重鎖は、可変領域および定常領域を含み、重鎖可変領域は、VH-CDR1、VH-CDR2、およびVH-CDR3を含み、軽鎖可変領域は、可変軽鎖(VL)CDR1、VL-CDR2、およびVL-CDR3を含み、VL-CDR1は、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含み、VL-CDR2は、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含み、VL-CDR3は、配列番号13に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、VH-CDR1は、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含み、VH-CDR2は、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含み、VH-CDR3は、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含む。
ある特定の態様では、抗FLC抗体は、(i)重鎖および(ii)軽鎖を含み、ここで、重鎖は、可変領域および定常領域を含み、重鎖可変領域は、VH-CDR1、VH-CDR2、およびVH-CDR3を含み、軽鎖可変領域は、可変軽鎖(VL)CDR1、VL-CDR2、およびVL-CDR3を含み、VL-CDR1は、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含み、VL-CDR2は、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含み、VL-CDR3は、配列番号13に示されるアミノ酸配列を含み、VH-CDR1は、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含み、VH-CDR2は、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含み、VH-CDR3は、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含む。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号14に示されるアミノ酸配列と少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含み、ここで、重鎖可変領域は、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR2、および配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR3を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号14に示されるアミノ酸配列と少なくとも約90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含み、ここで、重鎖可変領域は、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR2、および配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR3を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号14に示されるアミノ酸配列と少なくとも約95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含み、ここで、重鎖可変領域は、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR2、および配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR3を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号14に示されるアミノ酸配列と少なくとも約96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含み、ここで、重鎖可変領域は、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR2、および配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR3を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号14に示されるアミノ酸配列と少なくとも約97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含み、ここで、重鎖可変領域は、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR2、および配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR3を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号14に示されるアミノ酸配列と少なくとも約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含み、ここで、重鎖可変領域は、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR2、および配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR3を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号14に示されるアミノ酸配列と少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含み、ここで、重鎖可変領域は、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR1、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR2、および配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR3を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号14に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含み、ここで、軽鎖可変領域は、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR2、および配列番号13に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも約90%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含み、ここで、軽鎖可変領域は、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR2、および配列番号13に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも約95%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含み、ここで、軽鎖可変領域は、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR2、および配列番号13に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも約96%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含み、ここで、軽鎖可変領域は、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR2、および配列番号13に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも約97%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含み、ここで、軽鎖可変領域は、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR2、および配列番号13に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも約98%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含み、ここで、軽鎖可変領域は、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR2、および配列番号13に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも約99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含み、ここで、軽鎖可変領域は、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR1、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR2、および配列番号13に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR3を含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号14に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、配列番号18に示されるアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号19に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。ある特定の実施形態では、抗体は、重鎖および軽鎖の分泌リーダー配列を欠いている。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、カッパ軽鎖ポリペプチドとの結合において参照抗体と競合し、ここで、参照抗体は、(i)重鎖および(ii)軽鎖を含み、重鎖は、可変領域および定常領域を含み、重鎖可変領域は、VH-CDR1、VH-CDR2、およびVH-CDR3を含み、軽鎖可変領域は、可変軽鎖(VL)CDR1、VL-CDR2、およびVL-CDR3を含み、VL-CDR1は、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含み、VL-CDR2は、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含み、VL-CDR3は、配列番号13に示されるアミノ酸配列を含み、VH-CDR1は、配列番号14に示されるアミノ酸配列を含み、VH-CDR2は、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含み、VH-CDR3は、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様では、参照抗体は、配列番号14に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される抗カッパ軽鎖抗体は、抗体標的に対する解離定数(K)が約1μM、100nM、50nM、40nM、30nM、20nM、15nM、10nM、5nM、2nM、1nM、0.5nM、0.1nM、0.05nM、0.01nM以下(例えば10-8M以下、例えば10-8Mから10-13Mまで、例えば10-9Mから10-13Mまで)で、折り畳み異常を起こしたカッパ軽鎖に結合する。いくつかの実施態様では、本明細書で提供される抗体は、抗体標的に対する解離定数(K)が約100nM、50nM、40nM、30nM、20nM、15nM、10nM、5nM、2nM、1nM、0.5nM、0.1nM、0.05nM、0.01nM、または0.001nM以上(例えば10-8M以下、例えば10-8Mから10-13Mまで、例えば10-9Mから10-13Mまで)である。抗体は、100pMと100nMとの間、100pMと50nMとの間、100pMと10nMとの間、500pMと100nMとの間、500pMと50nMとの間、500pMと10nMとの間、1nMと100nMとの間、1nMと50nMとの間、1nMと10nMとの間のKで結合することができる。Kは、本明細書に記載されるようにバイオレイヤー干渉法を含む適切なアッセイによって測定されることができる。
ある特定の実施形態では、抗カッパ軽鎖抗体は、500ピコモルと25ナノモルとの間のKでAL09アミロイドに結合する。ある特定の実施形態では、抗カッパ軽鎖抗体は、500ピコモルと10ナノモルとの間のKでAL09アミロイドに結合する。ある特定の実施形態では、抗カッパ軽鎖抗体は、1ピコモルと10ナノモルとの間のKでAL09アミロイドに結合する。
II.B.抗ラムダ軽鎖抗体
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、ラムダ軽鎖に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、ラムダ軽鎖との結合において参照抗体と交差競合し、参照抗体は、示されるアミノ酸配列を含む免疫グロブリンラムダ軽鎖上のエピトープに結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、NKYAASSYLSL(配列番号2)に示されるアミノ酸配列の全部または一部と重複するエピトープでラムダ軽鎖に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、NKYAASSYLSL(配列番号2)に示されるアミノ酸配列を含むラムダ軽鎖上のエピトープに結合する。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、ラムダ軽鎖ポリペプチドに特異的に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、ラムダ軽鎖の定常領域に存在するエピトープに結合する。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、ラムダ軽鎖ポリペプチドとの結合において参照抗体と交差競合し、ここで、参照抗体は、NKYAASSYLSL(配列番号2)に示されるアミノ酸配列を含むエピトープの1つまたは複数のアミノ酸に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、NKYAASSYLSL(配列番号2)に示されるアミノ酸配列の全部または一部と重複するエピトープでラムダ軽鎖に結合する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、NKYAASSYLSL(配列番号2)に示されるアミノ酸配列を含むラムダ軽鎖上のエピトープに結合する。
いくつかの態様では、エピトープは、配列番号2に示されるアミノ酸のうちの少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、または10を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、Tyr176、Ala177、Ala178、Ser179、Ser180、Tyr181、Leu182、Ser183、Leu184、またはそれらのいずれかの組合せを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するLys175を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するTyr176を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAla177を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAla178を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するSer179を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するSer180を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するTyr181を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するLeu182を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するSer183を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するLeu184を含む。
いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、Tyr176、Ala177、Ala178、Ser179、Ser180、Tyr181、Leu182、Ser183、およびLeu184のうちの少なくとも2つを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、Tyr176、Ala177、Ala178、Ser179、Ser180、Tyr181、Leu182、Ser183、およびLeu184のうちの少なくとも3つを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、Tyr176、Ala177、Ala178、Ser179、Ser180、Tyr181、Leu182、Ser183、およびLeu184のうちの少なくとも4つを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、Tyr176、Ala177、Ala178、Ser179、Ser180、Tyr181、Leu182、Ser183、およびLeu184のうちの少なくとも5つを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、Tyr176、Ala177、Ala178、Ser179、Ser180、Tyr181、Leu182、Ser183、およびLeu184のうちの少なくとも6つを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、Tyr176、Ala177、Ala178、Ser179、Ser180、Tyr181、Leu182、Ser183、およびLeu184のうちの少なくとも7つを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、Tyr176、Ala177、Ala178、Ser179、Ser180、Tyr181、Leu182、Ser183、およびLeu184のうちの少なくとも8つを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、Tyr176、Ala177、Ala178、Ser179、Ser180、Tyr181、Leu182、Ser183、およびLeu184のうちの少なくとも9つを含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、Tyr176、Ala177、Ala178、Ser179、Ser180、Tyr181、Leu182、Ser183、およびLeu184を含む。
いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174およびLys175を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、およびTyr176を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、Tyr176、およびAla177を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、Tyr176、Ala177、およびAla178を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、Tyr176、Ala177、Ala178、およびSer179を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、Tyr176、Ala177、Ala178、Ser179、およびSer180を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、Tyr176、Ala177、Ala178、Ser179、Ser180、およびTyr181を含む。いくつかの態様では、エピトープは、Asn174、Lys175、Tyr176、Ala177、Ala178、Ser179、Ser180、Tyr181、およびLeu182を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAsn174、Lys175、Tyr176、Ala177、Ala178、Ser179、Ser180、Tyr181、Leu182、およびSer183を含む。
いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するSer183およびLeu184を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するLeu182、Ser183、およびLeu184を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するTyr181、Leu182、Ser183、およびLeu184を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するSer180、Tyr181、Leu182、Ser183、およびLeu184を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するSer179、Ser180、Tyr181、Leu182、Ser183、およびLeu184を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAla178、Ser179、Ser180、Tyr181、Leu182、Ser183、およびLeu184を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するAla177、Ala178、Ser179、Ser180、Tyr181、Leu182、Ser183、およびLeu184を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するTyr176、Ala177、Ala178、Ser179、Ser180、Tyr181、Leu182、Ser183、およびLeu184を含む。いくつかの態様では、エピトープは、配列番号7に対応するLys175、Tyr176、Ala177、Ala178、Ser179、Ser180、Tyr181、Leu182、Ser183、およびLeu184を含む。
II.C.核酸分子
本開示のある特定の態様は、本明細書に記載される抗FLC抗体をコードする核酸分子を対象とする。核酸は、全細胞内に存在する場合もあり、細胞溶解物中に存在する場合もあり、部分的に精製された形態または実質的に純粋な形態で存在する場合もある。核酸は、アルカリ/SDS処理、CsClバンド法、カラムクロマトグラフィー、制限酵素、アガロースゲル電気泳動、および当該技術分野で周知の他の技法を含む標準的な技法により、他の細胞構成要素または他の混在物、例えば、他の細胞内核酸(例えば、他の染色体DNA、例えば、天然で単離されたDNAと連結している染色体DNA)または細胞内タンパク質から離れるように精製される場合、「単離」されているか、または「実質的に純粋な状態にされ」ている。F.Ausubelら編集(1987年)Current Protocols in Molecular Biology、Greene Publishing and Wiley Interscience、New Yorkを参照されたい。本明細書に記載される核酸は、例えば、DNAまたはRNAであってもよく、イントロン配列を含む場合も、含まない場合もある。いくつかの態様では、核酸は、cDNA分子である。
本明細書に記載される核酸は、標準的な分子生物学的技法を使用して得ることができる。ハイブリドーマ(例えば、さらに以下で記載されるように、ヒト免疫グロブリン遺伝子を有する遺伝子改変マウスから調製されるハイブリドーマ)によって発現する抗体では、ハイブリドーマによって作製された抗体の軽鎖および重鎖をコードするcDNAは、標準的なPCR増幅法またはcDNAクローニング技法によって得ることができる。免疫グロブリン遺伝子ライブラリーから得た(例えば、ファージディスプレイ技法を使用して)抗体では、抗体をコードする核酸は、ライブラリーから回収することができる。
本明細書に開示される抗FLC抗体を作製する方法は、シグナルペプチドを有する重鎖および軽鎖をコードするヌクレオチド配列を含む細胞株において重鎖および軽鎖を発現させる工程を含んでもよい。これらのヌクレオチド配列を含む宿主細胞は、本明細書に包含される。
VHおよびVLセグメントをコードするDNA断片が得られた後、標準的な組換えDNA技法によってこれらのDNA断片をさらに操作して、例えば、可変領域遺伝子を完全長抗体鎖遺伝子、Fab断片遺伝子、またはscFv遺伝子に変換することができる。これらの操作において、VLまたはVHをコードするDNA断片は、抗体の定常領域または可動性リンカーなどの別のタンパク質をコードする別のDNA断片と操作可能に連結する。この文脈で使用される場合、「操作可能に連結」という用語は、2つのDNA断片が、該2つのDNA断片によってコードされるアミノ酸配列がフレーム内のままであるように連結していることを意味することを意図する。
VH領域をコードする単離されたDNAは、VHをコードするDNAを、重鎖定常領域(ヒンジ、CH1、CH2および/またはCH3)をコードする別のDNA分子と操作可能に連結することによって、完全長重鎖遺伝子に変換することができる。ヒト重鎖定常領域の遺伝子配列は、当技術分野において公知であり(例えば、Kabat,E.A.ら(1991年)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH Publication No.91~3242を参照されたい)、これらの領域を包含するDNA断片は、標準的なPCR増幅によって得ることができる。重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgE、IgM、またはIgD定常領域、例えば、IgG1領域であってもよい。Fab断片重鎖遺伝子では、VHをコードするDNAを、重鎖CH1定常領域のみをコードする他のDNA分子に操作可能に連結することができる。
VL領域をコードする単離されたDNAは、VHをコードするDNAを、軽鎖定常領域CLをコードする別のDNA分子に操作可能に連結することによって、完全長軽鎖遺伝子(ならびにFab軽鎖遺伝子)に変換することができる。ヒト軽鎖定常領域の遺伝子配列は、当技術分野において公知であり(例えば、Kabat,E.A.ら(1991年)Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、U.S.Department of Health and Human Services、NIH Publication No.91~3242を参照されたい)、これらの領域を包含するDNA断片は、標準的なPCR増幅によって得ることができる。軽鎖定常領域は、カッパまたはラムダ定常領域であってもよい。
ScFv遺伝子を作製するために、VHおよびVLをコードするDNA断片は、可動性リンカーをコードする、例えばアミノ酸配列(Gly-Ser)をコードする別の断片に操作可能に連結することによって、VHおよびVL配列は、VLおよびVH領域が可動性リンカーによって連結され、連続する一本鎖タンパク質として発現することができる(例えば、Birdら(1988年)Science 242:423~426頁;Hustonら(1988年)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:5879~5883頁;McCaffertyら(1990年)Nature 348:552~554頁を参照されたい)。
II.D.ベクター
本開示のある特定の態様は、本明細書に開示される核酸分子を含むベクターを対象とする。いくつかの態様では、ベクターは、ウイルスベクターである。いくつかの態様では、ベクターは、ウイルス粒子またはウイルスである。いくつかの態様では、ベクターは、哺乳動物ベクターである。いくつかの態様では、ベクターは、細菌ベクターである。
ある特定の態様では、ベクターは、レトロウイルスベクターである。いくつかの態様では、ベクターは、アデノウイルスベクター、レンチウイルス、センダイウイルス、バキュロウイルスベクター、エプスタインバーウイルスベクター、パポバウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、単純ヘルペスウイルスベクター、およびアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターからなる群から選択される。特定の態様では、ベクターは、AAVベクターである。いくつかの態様では、ベクターは、レンチウイルスである。特定の態様では、ベクターは、AAVベクターである。いくつかの態様では、ベクターは、センダイウイルスである。いくつかの態様では、ベクターは、ハイブリッドベクターである。本開示で使用することができるハイブリッドベクターの例は、Huang and Kamihira、Biotechnol. Adv. 31(2):208-23(2103)に見出すことができ、当該文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの態様では、ベクターは、1つまたは複数の調節エレメントをさらに含む。本明細書に開示されるベクターにおいて有用な調節エレメントとして、プロモーター、エンハンサー、ポリA配列、miRNA結合配列、イントロン配列、スプライスアクセプター部位、およびそれらのいずれかの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの態様では、ベクターは、組織特異的プロモーターを含む。いくつかの態様では、ベクターは、組織特異的エンハンサーを含む。
II.E.医薬組成物
本開示のある特定の態様は、本明細書に開示される抗FLC抗体と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。本開示のいくつかの態様は、本明細書に開示される抗FLC抗体をコードする核酸分子と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。本開示のいくつかの態様は、本明細書に開示されるベクターまたはベクターのセットと、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む医薬組成物を対象とする。
いくつかの態様では、本開示の組成物は、増量剤をさらに含む。増量剤は、NaCl、マンニトール、グリシン、アラニン、およびそれらのいずれかの組合せからなる群から選択されることができる。他の態様では、本開示の組成物は、安定化剤を含む。安定化剤は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、アルギニン、またはそれらのいずれかの組合せからなる群から選択されることができる。他の態様では、本開示の組成物は、界面活性剤を含む。界面活性剤は、ポリソルベート80(PS80)、ポリソルベート20(PS20)、およびそれらのいずれかの組合せからなる群から選択されることができる。ある特定の態様では、組成物は、キレート剤をさらに含む。キレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、およびそれらのいずれかの組合せからなる群から選択されることができる。医薬組成物は、0.9%NaClまたは5%グルコースなどの適切な等張緩衝液で可溶化された、本明細書に記載される抗体を含んでもよく、他の界面活性剤、pH緩衝剤、または抗酸化剤を含んでもよい。
一態様では、組成物は、NaCl、マンニトール、ペンテト酸(DTPA)、スクロース、PS80、およびそれらのいずれかの組合せをさらに含む。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容可能な担体」として、生理学的に適合性である、あらゆる溶媒、分散媒体、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などが挙げられる。いくつかの態様では、担体は、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、脊髄または表皮投与に適する(例えば、注射または注入による)。投与経路によって、活性化合物、すなわち、抗体は、化合物を不活性化する可能性がある酸や他の自然条件の作用から化合物を保護するために、物質でコーティングされてもよい。
本明細書に記載される医薬化合物は、1つまたは複数の薬学的に許容可能な塩を含んでもよい。「薬学的に許容可能な塩」は、親化合物の所望の生物学的活性を保持し、かつ、いずれの望ましくない毒物学的影響も与えない塩を指す(例えば、Berge,S.M.ら(1977年)J.Pharm.Sci.66:1~19頁を参照されたい)。かかる塩の例として、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩として、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜リン酸などの非毒性無機酸由来の酸付加塩、ならびに、脂肪族モノカルボン酸およびジカルボン酸、フェニル置換アルカン酸、ヒドロキシアルカン酸、芳香族酸、脂肪族および芳香族スルホン酸などの非毒性有機酸由来の酸付加塩が挙げられる。塩基付加塩として、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属由来の塩基付加塩、ならびに、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、N-メチルグルカミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、プロカインなどの非毒性有機アミン由来の塩基付加塩が挙げられる。
本明細書に記載される医薬組成物はまた、薬学的に許容可能な抗酸化剤を含んでもよい。薬学的に許容可能な抗酸化剤の例として、(1)アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウムなどの水溶性抗酸化剤、(2)パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ-トコフェロールなどの油溶性抗酸化剤、および(3)クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などの金属キレート剤が挙げられる。
本明細書に記載される医薬組成物に用いることができる適切な水性担体および非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの適切な混合物、例えば、オリーブ油などの植物性油、およびオレイン酸エチルなどの注入可能な有機エステル類が挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散液の場合に必要とされる粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって維持されてもよい。
これらの組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などのアジュバントを含んでもよい。微生物の発生の予防は、上記の滅菌操作を行うことや、様々な抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含有させることの両方によって確保することができる。糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物内に含有させることも望ましい場合がある。加えて、注射用医薬剤形の長期吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの、吸収を遅延させる薬剤を含有させることによって実現されてもよい。
薬学的に許容可能な担体として、滅菌水溶液または滅菌分散液、および滅菌注射用溶液または分散液の即時調製用の滅菌粉末が挙げられる。薬学的に活性な物質に対してこのような媒体および薬剤を使用することは、当該技術分野では公知である。いかなる従来の媒体または薬剤も、活性化合物と適合しない場合を除き、本明細書中に記載される医薬組成物においてその使用が企図されている。医薬組成物は、防腐剤を含んでもよく、または防腐剤を含まなくてもよい。補足的活性化合物が組成物に組み込まれてもよい。
治療用組成物は、典型的には、滅菌され、そして製造および保管の条件下で安定的でなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、リポソーム、または高薬物濃度に適した他の秩序構造物として製剤化されてもよい。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)およびそれらの適切な混合物を含む溶媒または分散媒であってもよい。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用することによって、分散液の場合には必要とされる粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって維持されてもよい。多くの場合において、組成物は、例えば、糖類、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール類、または塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物を含んでもよい。注射用組成物の長期吸収は、例えば、モノステアリン酸塩やゼラチンなどの、吸収を遅延させる薬剤を組成物に含有させることによって実現されてもよい。
滅菌注射用溶液は、適切な溶媒で必要とされる量の活性化合物を、必要に応じて、上記に列記される成分の1つまたはその組合せと組み合わせ、次いで滅菌精密ろ過を行うことによって調製されてもよい。概して、分散液は、活性化合物を、基礎的な分散媒や本明細書で列記される物質から必要とされる他の成分を含む滅菌ビヒクルに組み入れることによって調製される。滅菌注射用溶液を調製するための滅菌粉末の場合、調製方法のいくつかは、真空乾燥法および凍結乾燥法(freeze-drying)(凍結乾燥法(lyophilization))であり、それら方法によって、事前に滅菌ろ過されたその溶液から、活性成分といずれのさらなる所望の成分からなる粉末が得られる。
単一剤形を作製するために担体物質と混合されることができる活性成分の量は、治療される対象や特定の投与様式に応じて変化する。単一剤形を作製するために担体物質と混合されることができる活性成分の量は概して、治療効果を生じさせる組成物の量である。概して、100パーセントのうち、当該量は、約0.01パーセントから約99パーセントの活性成分の範囲に及び、または薬学的に許容可能な担体と組み合わされて、約0.1パーセントから約70パーセント、または約1パーセントから約30パーセントの活性成分の範囲に及ぶ。
本明細書に記載される組成物は、1つまたは複数の経路を介して投与するために製剤化されてもよい。いくつかの態様では、医薬組成物は、例えば注射または注入による、静脈内、筋肉内、皮内、腹腔内、皮下、脊髄、または他の非経口投与のために製剤化される。「非経口投与」という語句は、本明細書で使用される場合、経腸および局所投与以外の、通常、注射による投与様式を意味し、限定されないが、静脈内、筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、関節内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、硬膜外および胸骨内注射および注入が挙げられる。
いくつかの態様では、医薬組成物は、局所投与経路、表皮投与経路、または粘膜投与経路などの非経口経路、例えば、鼻腔内、経口、膣内、直腸内、舌下または局所投与のために製剤化される。
抗FLC抗体は、インプラント、経皮パッチ、およびマイクロ封入送達系を含む徐放性製剤など、この化合物を急速な放出から保護する担体とともに調製されてもよい。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの生分解性、生物適合性ポリマーが使用されてもよい。このような製剤の多くの調製方法は、特許が付与されているか、または一般的に当業者に公知である。例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems、J.R. Robinson(編)、Marcel Dekker,Inc.、New York、1978年を参照されたい。
いくつかの態様では、本明細書に記載される抗FLC抗体は、インビボで適切な分布を確実にするために製剤化される。例えば、血液脳関門(BBB)は、親水性が高い化合物の多くを排除する。本明細書に記載される治療用化合物が確実にBBBを通過するように(望ましい場合は)、例えば、リポソームで製剤化されてもよい。リポソームを製造する方法については、例えば、米国特許第4,522,811号、同第5,374,548号、および同第5,399,331号を参照されたい。リポソームは、特定の細胞または臓器に選択的に輸送され、そうして標的化薬物送達を増強する1つまたは複数の部分を含んでもよい(例えば、V.V.Ranade(1989年)J.Clin.Pharmacol.29:685を参照されたい)。例示的な標的化部分としては、葉酸またはビオチン(例えば、Lowらの米国特許第5,416,016号を参照されたい)、マンノシド(Umezawaら(1988年)Biochem.Biophys.Res.Commun.153:1038)、抗体(P.G.Bloemanら(1995年)FEBS Lett.357:140、M.Owaisら(1995年)Antimicrob.Agents Chemother.39:180)、界面活性剤タンパク質A受容体(Briscoeら(1995年)Am.J.Physiol.1233:134)、pl20(Schreierら(1994年)J.Biol.Chem.269:9090)が挙げられる。K.Keinanen、M.L.Laukkanen(1994年)FEBS Lett.346:123、J.J.Killion、I.J.Fidler(1994年)Immunomethods 4:273も参照されたい。
III.使用方法
本明細書で使用される抗FLC抗体は、いずれの目的にも使用することができる。本開示のある特定の態様は、試料中のFLCを測定する方法を対象とする。本開示の他の態様は、疾患または疾病の治療を必要とする対象の疾患または状態を治療する方法を対象とする。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、特定の使用のために、例えば本明細書に記載されるように改変および/または製剤化される。
III.A.測定方法
本開示のある特定の態様は、軽鎖免疫グロブリンを測定する方法を対象とする。本明細書に開示される抗体は、いずれかの免疫グロブリン軽鎖またはその凝集体を測定するために使用することができる。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、インビボで免疫グロブリン軽鎖またはその凝集体を測定するために使用される。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、対象から収集された生体試料中の免疫グロブリン軽鎖またはその凝集体を測定するために使用される。いくつかの態様では、生体試料は、血漿試料、血液試料、組織試料(例えば、組織生検)、尿試料、またはそれらのいずれかの組合せである。
いくつかの態様では、方法は、軽鎖原線維を測定する工程を含む。したがって、本明細書に記載の抗体は、免疫グロブリン軽鎖沈着物、例えば、アミロイド原線維沈着物の形成を特徴とする疾患または状態を有する対象を特定するために使用することができる。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、アミロイドーシスを有するとして対象を特定(例えば、診断)するために使用される。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、全身性アミロイドーシスを有するとして対象を特定するために使用される。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、ALアミロイドーシスを有するとして対象を特定するために使用される。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、形質細胞異常増殖症を有するとして対象を特定するために使用される。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)を有するとして対象を特定するために使用される。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、多発性骨髄腫(MM)を有するとして対象を特定するために使用される。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、形質細胞白血病(PCL)を有するとして対象を特定するために使用される。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、1つまたは複数の標識を含む。当該技術分野で公知のいずれかの標識を使用して、抗FLCが検出および/または可視化される能力を増加させることができる。いくつかの態様では、標識は、化学標識を含む。いくつかの態様では、標識は、酵素標識を含む。いくつかの態様では、標識は、特定の酵素の存在下で検出可能な基質を含む。いくつかの態様では、標識は、蛍光標識である。
本開示のある特定の態様は、本明細書に開示される抗FLC抗体を使用して、インビボで軽鎖免疫グロブリンを測定する方法を対象とする。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、検出可能なプローブを含む。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、造影剤と結合する抗体である。いくつかの態様では、方法は、診断用医療画像方法、例えば、PET/CT、SPECT、MRI、またはそれらのいずれかの組合せである。
III.B.治療方法
本開示のある特定の態様は、疾患または疾病の治療を必要とする対象の疾患または疾病を治療する方法であって、本明細書に開示される抗FLC抗体を投与する工程を含む、方法を対象とする。いくつかの態様では、疾患または疾病は、アミロイドーシスを含む。いくつかの態様では、疾患または疾病は、全身性アミロイドーシスを含む。いくつかの態様では、疾患または疾病は、ALアミロイドーシスを含む。いくつかの態様では、疾患または疾病は、形質細胞異常増殖症を含む。いくつかの態様では、疾患または疾病は、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)を含む。いくつかの態様では、疾患または疾病は、多発性骨髄腫(MM)を含む。いくつかの態様では、疾患または疾病は、形質細胞白血病(PCL)を含む。
本開示のある特定の態様は、必要とする対象における免疫グロブリン軽鎖の凝集体、例えばアミロイド原線維を減少および/または消失させる方法であって、本明細書に開示される抗FLC抗体を投与する工程を含む、方法を対象とする。いくつかの態様では、対象は、心臓に1つまたは複数の免疫グロブリン軽鎖の凝集体、例えばアミロイド原線維を有する。いくつかの態様では、対象は、腎臓に1つまたは複数の免疫グロブリン軽鎖の凝集体、例えばアミロイド原線維を有する。いくつかの態様では、対象は、神経系の組織に1つまたは複数の免疫グロブリン軽鎖の凝集体、例えばアミロイド原線維を有する。いくつかの態様では、対象は、脳に1つまたは複数の免疫グロブリン軽鎖の凝集体、例えばアミロイド原線維を有する。
本開示のある特定の態様は、ネフローゼ症候群の治療を必要とする対象のネフローゼ症候群を治療する方法であって、本明細書に開示される抗FLC抗体を対象に投与する工程を含み、ここで、ネフローゼ症候群は、1つまたは複数の免疫グロブリン軽鎖の沈着物、例えば、1つまたは複数のアミロイド原線維の沈着物を含む、方法を対象とする。本開示のある特定の態様は、肝腫大の治療を必要とする対象の肝腫大を治療する方法であって、本明細書に開示される抗FLC抗体を対象に投与する工程を含み、ここで、肝腫大は、1つまたは複数の免疫グロブリン軽鎖の沈着物、例えば、1つまたは複数のアミロイド原線維の沈着物を含む、方法を対象とする。本開示のある特定の態様は、末梢神経障害の治療を必要とする対象の末梢神経障害を治療する方法であって、本明細書に開示される抗FLC抗体を対象に投与する工程を含み、ここで、末梢神経障害は、1つまたは複数の免疫グロブリン軽鎖の沈着物、例えば、1つまたは複数のアミロイド原線維の沈着物を含む、方法を対象とする。本開示のある特定の態様は、拘束型心筋症の治療を必要とする対象の拘束型心筋症を治療する方法であって、本明細書に開示される抗FLC抗体を対象に投与する工程を含み、ここで、拘束型心筋症は、1つまたは複数の免疫グロブリン軽鎖の沈着物、例えば、1つまたは複数のアミロイド原線維の沈着物を含む、方法を対象とする。
いくつかの態様では、抗FLC抗体を対象に投与する工程によって、対象における1つまたは複数の免疫グロブリン軽鎖の凝集体、例えばアミロイド原線維の減少および/または消失をもたらす。いくつかの態様では、対象における免疫グロブリン軽鎖の凝集体、例えばアミロイド原線維のサイズは、抗FLC抗体の投与後に縮小する。いくつかの態様では、対象における免疫グロブリン軽鎖の凝集体、例えばアミロイド原線維のサイズは、抗FLC抗体の投与後に少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%縮小する。いくつかの態様では、免疫グロブリン軽鎖の凝集体、例えばアミロイド原線維は、抗FLC抗体の投与後に対象から完全に解離されるか、あるいは他の方法により消失される。
いくつかの態様では、抗FLC抗体を対象に投与する工程によって、対象における1つまたは複数の免疫グロブリン軽鎖の凝集体、例えばアミロイド原線維の形成の減少または遅延をもたらす。いくつかの態様では、対象における免疫グロブリン軽鎖の凝集体の形成速度、例えばアミロイド原線維の形成速度は、抗FLC抗体の投与後に低下する。いくつかの態様では、対象における免疫グロブリン軽鎖の凝集体、例えばアミロイド原線維のサイズは、抗FLC抗体の投与後に少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%縮小する。いくつかの態様では、対象における免疫グロブリン軽鎖の凝集体の形成速度、例えばアミロイド原線維の形成速度は、抗FLC抗体の投与後に停止し、例えば、免疫グロブリン軽鎖の凝集体は、さらに形成されない。
いくつかの態様では、抗FLC抗体は、投与後に対象における免疫応答を誘導する。いくつかの態様では、抗FLC抗体は、対象における免疫グロブリン軽鎖、例えば免疫グロブリン軽鎖の凝集体、例えばアミロイド原線維をオプソニン化する。いくつかの態様では、免疫応答は、マクロファージを誘導することを含む。いくつかの態様では、免疫応答は、マクロファージを動員することを含む。いくつかの態様では、免疫応答は、対象における免疫グロブリン軽鎖、例えば免疫グロブリン軽鎖の凝集体、例えばアミロイド原線維の食作用を増加させることを含む。いくつかの態様では、免疫応答は、抗FLC抗体の投与前の免疫応答と比べて、少なくとも約1.5倍、少なくとも約2倍、少なくとも約2.5倍、少なくとも約3倍、少なくとも約3.5倍、少なくとも約4倍、少なくとも約4.5倍、少なくとも約5倍、少なくとも約6倍、少なくとも約7倍、少なくとも約8倍、少なくとも約9倍、少なくとも約10倍亢進する。
IV.抗体産生
本明細書に記載される抗FLC抗体は、Kohler and Milstein,Nature 256:495(1975)で説明されている標準的な体細胞ハイブリダイゼーション法などの様々な公知の手法を使用して産生されることができる。体細胞ハイブリダイゼーション操作が好ましいが、基本的には、モノクローナル抗体を産生するための他の技法、例えば、Bリンパ球のウイルス形質転換または発癌性形質転換、ヒト抗体遺伝子のライブラリーを使用したファージディスプレイ法も用いられることができる。
ハイブリドーマを調製するための動物系の一例として、マウス系がある。マウスにおけるハイブリドーマの産生は、非常に確立された操作である。免疫化した融合用脾臓細胞を単離するための免疫化プロトコールや技法は、当該技術分野において公知である。融合パートナー(例えば、マウスの骨髄細胞)や融合操作も公知である。
本明細書に記載されるキメラまたはヒト化抗FLC抗体は、上記のように調製されたマウスモノクローナル抗体の配列に基づき調製されることができる。重鎖および軽鎖免疫グロブリンをコードするDNAは、標準的な分子生物学的技法を使用して関心対象のマウスハイブリドーマから得て、非マウス(例えば、ヒト)の免疫グロブリン配列を含むように操作することができる。例えば、キメラ抗体を作製するために、当該技術分野において公知の方法を使用して、マウス可変領域をヒト定常領域に連結させることができる(例えば、Cabillyらの米国特許第4,816,567号)。ヒト化抗体を作製するために、当該技術分野において公知の方法を使用して、マウスCDR領域をヒトフレームワークに挿入することができる(例えば、Winterの米国特許第5,225,539号、ならびに、Queenらの米国特許第5,530,101号、同第5,585,089号、同第5,693,762号、および同第6,180,370号を参照されたい)。
いくつかの態様では、本明細書に記載される抗FLC抗体は、ヒトモノクローナル抗体である。FLCを対象とするこのようなヒトモノクローナル抗体は、マウス系よりはむしろヒト免疫系部分を有する、遺伝子改変マウスまたは人工染色体導入マウスを用いて産生することができる。これらの遺伝子改変マウスおよび人工染色体導入マウスは、本明細書においてそれぞれHuMAbマウス(例えば、HuMAbマウス(登録商標)(Medarex,Inc.))およびKMマウスと称されるマウスを含み、本明細書において総称して「ヒトIgマウス」という。
いくつかの態様では、本明細書に記載される抗FLC抗体は、ヒト重鎖導入遺伝子およびヒト軽鎖導入人工染色体を有するマウスなど、導入遺伝子および導入染色体にヒト免疫グロブリン配列を有するマウスを使用して産生される。かかるマウスは、本明細書において「KMマウス」と称され、イシダらの国際公開公報第WO02/43478号で詳細に説明されている。
またさらに、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現する代替的な遺伝子改変動物系が当該技術分野において利用可能であり、これを使用して、本明細書に記載される抗FLC抗体を産生することができる。例えば、Xenomouse(Abgenix,Inc.)と称される代替的な遺伝子改変系を使用することができ、かかるマウスは、例えば、Kucherlapatiらの米国特許第5,939,598号、同第6,075,181号、同第6,114,598号、同第6、150,584号、および同第6,162,963号で説明されている。
さらに、ヒト免疫グロブリン遺伝子を発現する代替的な人工染色体導入動物系が当該技術分野において利用可能であり、これを使用して、本明細書に記載される抗FLC抗体を産生することができる。例えば、ヒト重鎖導入人工染色体およびヒト軽鎖導入人工染色体の両方を有するマウスは、「TCマウス」と称され、これを使用することができる。かかるマウスは、Tomizukaら(2000)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:722-727で説明されている。さらに、ヒト重鎖導入染色体および軽鎖導入染色体を有するウシが当技術分野で説明されており(Kuroiwaら(2002)Nature Biotechnology 20:889-894)、これを使用して、本明細書に記載される抗FLC抗体を産生することができる。
当該技術分野で説明されている、ヒト抗体、例えばヒト抗FLC抗体を産生するためのさらなるマウス系としては、(i)キメラ抗体(ヒトV/マウスC)がマウスにおいて産生されるように、内因性マウス重鎖可変領域および軽鎖可変領域が相同組換えによって、内因性マウス定常領域に操作可能に連結したヒト重鎖可変領域および軽鎖可変領域に置き換えられ、その後続いて、標準的な組換えDNA技法を使用して完全ヒト抗体に変換される、VELOCIMMUNE(登録商標)マウス(Regeneron Pharmaceuticals,Inc.)、ならびに(ii)マウスが単一の再配列されたヒト共通軽鎖可変領域ではなく、再配列されていないヒト重鎖可変領域を含む、MEMO(登録商標)マウス(Merus Biopharmaceuticals,Inc.)が挙げられる。かかるマウス、および抗体を産生するためのその使用は、例えば、WO2009/15777、US2010/0069614、WO2011/072204、WO2011/097603、WO2011/163311、WO2011/163314、WO2012/148873、US2012/0070861、およびUS2012/0073004で説明されている。
本明細書に記載されるヒトモノクローナル抗FLC抗体はまた、ヒト免疫グロブリン遺伝子のライブラリーをスクリーニングするためのファージディスプレイ方法を使用して調製することができる。ヒト抗体を単離するためのこのようなファージディスプレイ方法は、当該技術分野において確立されている。例えば、Ladnerらの米国特許第5,223,409号、同第5,403,484号、および同第5,571,698号、Dowerらの米国特許第5,427,908号および同第5,580,717号、McCaffertyらの米国特許第5,969,108号および同第6,172,197号、ならびにGriffithsらの米国特許第5,885,793号、同第6,521,404号、同第6,544,731号、同第6,555,313号、同第6,582,915号、および同第6,593,081号を参照されたい。
本明細書に記載されるヒトモノクローナル抗FLC抗体はまた、ヒト抗体の応答が免疫化によって産生することができるように、ヒト免疫細胞を再構成されたSCIDマウスを使用して調製することができる。このようなマウスは、例えば、Wilsonらの米国特許第5,476,996号および同第5,698,767号に記載されている。
本明細書に記載される抗体をコードする核酸を使用して、適した細胞に感染させるか、トランスフェクトさせるか、形質転換させるか、あるいは別の方法で核酸遺伝子を導入させることができ、したがって、商業用途または治療用途のために抗体を産生することが可能である。大規模細胞培養からの抗体を産生するための標準的な細胞株および方法は、当該技術分野において公知である。例えば、Liら、「Cell culture processes for monoclonal antibody production.」Mabs.2010年9月~10月;2(5):466~477頁を参照されたい。ある特定の実施態様では、細胞は、真核細胞である。ある特定の実施態様では、真核細胞は、哺乳動物細胞である。ある特定の実施態様では、哺乳動物細胞は、抗体を産生するのに有用な細胞株であり、これは、チャイニーズハムスター卵巣(CVHO)細胞、NS0マウス骨髄腫細胞、またはPER.C6(登録商標)細胞である。ある特定の実施態様では、抗体をコードする核酸は、抗体を産生するのに有用な細胞のゲノム遺伝子座に組み込まれる。ある特定の実施態様では、本明細書に記載されるのは、抗体を作製する方法であって、抗体の産生および分泌を可能とするのに十分なインビトロでの条件下で、抗体をコードする核酸を含む細胞を培養する工程を含む、方法である。
ある特定の実施態様では、本明細書に記載されるのは、(a)ゲノム位置に組み込まれた、本明細書に記載される抗体をコードする核酸を含む哺乳動物細胞株と、(b)凍結保護剤とを含む、マスターセルバンクである。ある特定の実施態様では、凍結保護剤は、グリセロールまたはDMSOを含む。ある特定の実施態様では、マスターセルバンクは、(a)ゲノム位置に組み込まれた、本明細書に記載される抗体をコードする核酸を含むCHO細胞株と、(b)凍結保護剤とを含む。ある特定の実施態様では、凍結保護剤は、グリセロールまたはDMSOを含む。ある特定の実施態様では、マスターセルバンクは、液体窒素によって凍結に耐えることが可能な適切なバイアルまたは容器に含まれる。
また、本明細書に記載されるのは、本明細書に記載される抗体を作製する方法である。かかる方法は、抗体をコードする核酸を含む細胞または細胞株を、該抗体の発現および分泌を可能とするのに十分な条件下で細胞培養培地でインキュベートする工程と、さらに細胞培養培地から抗体を収集する工程とを含む。収集する工程はさらに、生細胞、細胞片、非抗体タンパク質、またはポリペプチド、望ましくない塩、緩衝剤、および培地成分を除去するために1回または複数回の精製工程を含むことができる。ある特定の実施態様では、さらなる精製工程(複数可)としては、遠心分離、超遠心分離、タンパク質A、タンパク質G、タンパク質A/G、もしくはタンパク質Lによる精製、および/またはイオン交換クロマトグラフィーが挙げられる。
以下の例示的な実施例は、本明細書に記載される組成物および方法の実施形態を表し、いずれにしても限定することを意味するものではない。
実施例1:抗体の産生
天然のLC構造内に埋め込まれたエピトープであって、κ(STYSLSSTLT(配列番号1))軽鎖タンパク質およびλ(NKYAASSYLSL(配列番号2))軽鎖タンパク質の両方において同一の構造折り畳みに寄与するものを選択した。配列はすべてのAL患者に存在しているので、軽鎖の定常ドメイン上でエピトープを選択し、したがって、可変ドメインに対して設計された抗体と比較して、患者間でより少ない変動性で結合する。抗原は両方とも、免疫グロブリンドメインの2層βサンドイッチモチーフの内側鎖を含み、天然に折り畳まれた二量体および単量体中に85%以上埋め込まれている(図1A)。抗原は、ジスルフィド結合の形成に関与することはなく、EMBOSS explorer(Kolaskarら,1990)によって評価されるように有意な抗原性を有する。これらの抗原は、天然の構造に埋め込まれているので、これらの抗原に対して産生された抗体は、天然に折り畳まれた軽鎖に結合すべきではない。
次いで、天然に折り畳まれた正常な免疫グロブリン軽鎖には手を加えることなく、病理学的に折り畳み異常を起こした状態のALタンパク質のみを場合によっては標的とすることができる抗体を産生するように、適切なペプチド配列(GKGGSTYSLSSTLTGGKG(配列番号3)およびGKGGNKYAASSYLSLGGKG(配列番号4))を設計した。これらの抗体は、抗κ抗体および抗λ抗体と称される。
FL-LCタンパク質発現系を使用して、変性形態および天然形態のκFL-LCに対する抗κ抗体の特異性を試験した。間接ELISAアッセイにより、抗κ抗体が折り畳みをほどいた形態のκFL-LCタンパク質に対して特異的であることが示された(図2A)。しかし、市販の汎特異的抗体は、折り畳まれたLCタンパク質と折り畳みをほどいたLCタンパク質との間の差異を検出することができなかった(図2B)。抗κ抗体はまた、変性SDS-PAGEウェスタンブロットを使用して、抗κ抗体(図3A)および市販の抗体(図3B)を用いて特異性を確認した。
次いで、折り畳み異常を起こしたκ軽鎖の凝集体にインビトロで結合する抗κ抗体の能力を、チオフラビンT(ThT)蛍光アッセイを使用して試験した。κ軽鎖の凝集体のpH依存性を測定した。PH2.5とpH5との間で凝集傾向の増加が示された(図4)。次いで、産生した凝集体を使用して、抗κ抗体および市販の汎特異的抗体の両方を用いてELISAを行った。産生した凝集体の量(ThT)と、抗κ抗体の結合との間に相関が認められたが、市販の抗体では認められなかった(図5)。これらの結果は、凝集体に対して免疫金電子顕微鏡法(IGEM)を実施することによって確認した。簡潔に述べると、200メッシュの銅グリッドを、pH4.5またはpH6のいずれかで凝集体でコーティングし、ブロッキングし、抗κ抗体でプローブした。金と結合する抗ウサギ二次抗体を使用して、6nmの電子不透明な金粒子を可視化させた(EMによって黒点)。抗κ抗体と凝集体との結合は、両pHで認められた(図5のA~C)。
実施例2:インビトロでのAL凝集体の除去
インビトロでAL凝集体の免疫除去を促進する抗κ抗体の能力を、食作用アッセイによって試験した。アッセイは、THP-1単球細胞と、低pHで蛍光を発するpH感受性ローダミン(pHrodo)色素で標識した軽鎖凝集体とを使用して行った。凝集体を抗κ抗体とともに(図6B)または抗κ抗体なしで(図6A)インキュベートし、単球細胞を添加した。細胞内のpHrodo蛍光の存在は、標識した凝集体の取り込みおよびエンドリソソームにおける内在化を示す。PHrodoの取り込みを、蛍光強度をゲーティングする標準的なフローサイトメトリー法によって評価した。抗κ抗体の存在下では、単球細胞内への取り込みが3倍に増加したことが認められ、免疫複合体の除去が有効であることが示された(図6A~図6B)。
抗κ抗体の特異性についても、ヒトの心臓組織を使用して免疫組織化学法によって検証した。その結果、抗κ抗体がラムダ軽鎖アミロイド(図7のA~J)や、心臓アミロイドを形成する別のタンパク質であるATTRアミロイド(図8のA~E)に結合しないことを示す。
実施例3:インビボでの抗κ抗体の免疫反応性
インビボでのAL種に対する抗κ抗体の免疫反応性を評価するために、AL-CMを有する患者由来の血漿を使用して間接ELISAアッセイを行った。抗κ抗体によって、患者のALアイソタイプにかかわらず、AL-CMを有する患者と、抗骨髄腫化学療法での治療を以前受けたことがある患者や非AL心臓アミロイドーシスを有する患者(例えば、ATTR-CM)との判別が首尾よく行われた(図9)。
実施例4:抗κモノクローナル抗体の産生
本実施例では、抗κモノクローナル抗体の設計および生成について説明する。折り畳み異常を起こした免疫グロブリン軽鎖に対する抗体を産生するために、本発明者らは、抗原として、2つの内部β鎖を選択し、実施例1に記載したように、一方はカッパ軽鎖の定常ドメイン(STYSLSSTLT;配列番号1)に配列番号5の残基171~180、他方はラムダ軽鎖の定常ドメイン(NKYAASSYLSL;配列番号2)、配列番号7の残基174~184を選択した。
これらのエピトープにさらなる残基を付加して、抗原性ペプチド(アセチル-CGKGGSTYSLSSTLTGGKG-アミド;配列番号3、およびアセチル-CGGNKYAASSYLSLGG-アミド;配列番号9)を産生した。次いで、これらのペプチドを、マレイミド化学を用いて、N末端Cys残基の側鎖を介してキーホールリンペットヘモシアニンの表面に共有結合させた。天然に折り畳まれた正常な免疫グロブリン軽鎖には手を加えることなく、病理学的に折り畳み異常を起こした状態の軽鎖タンパク質のみを場合によっては標的とすることができる抗体を産生するように、ペプチド複合体を免疫原として使用した。マウスハイブリドーマ技法によってモノクローナル抗体を産生した。
ハイブリドーマ技法によって、マウスκ抗原ペプチド(配列番号1)を使用して産生したいくつかのモノクローナル抗体の内、折り畳み異常に特異的に結合する最適な特性を有した抗体(本明細書ではLX-96と称する)を産生する1つのハイブリドーマクローンを特定した。このハイブリドーマ細胞は、抗体の重鎖(図10C)および軽鎖(図10D)をコードするDNA配列を含み、注釈を付けた図10A~10Bのアミノ酸配列を有する。定常ドメインの分析によって、抗体がIgG1/κサブクラスのものであることが示唆され、可変ドメインの配列分析によって、固有のCDR配列が明らかになっている(表3および表4)。これらの6つのCDR配列により、LX-96に、天然の構造を避け、折り畳み異常を起こした形態のκ軽鎖や凝集した形態のκ軽鎖に結合する特性がもたらされる。
実施例5:抗κモノクローナル抗体の特徴付け
非天然の折り畳み異常を起こしたカッパ軽鎖/折り畳みをほどいたカッパ軽鎖のみに対するLX-96の結合特異性を検証するために、本発明者らは、T7 SHuffle細胞(ニュー・イングランド・バイオラボ)から発現して精製した、AL疾患関連のカッパ軽鎖変異体(AL09またはAL12)を使用して、免疫化学アッセイを行った。本発明者らは、間接ELISAを使用して、6Mのグアニジン塩酸でAL09またはAL12をほどき、続いてジチオスレイトールで還元し、ヨードアセトアミドでアルキル化することによって産生した、LX-96が折り畳み異常を起こした/折り畳みをほどいたカッパ軽鎖の両方の変異体に対しては強い結合親和性を有するが、天然に折り畳まれたカッパ軽鎖に対しては強い結合親和性を有さないことを示している(図11Aおよび図11C)。この結合活性は、天然のAL09と、折り畳み異常を起こした/折り畳みをほどいたAL09とを識別できない市販の抗カッパ軽鎖抗体(Agilent DAKO)と対照的である(図11B)。折り畳み異常を起こしたカッパ軽鎖対天然のカッパ軽鎖に対するLX-96の相対結合親和性の尺度を得るために、競合ELISAを行った。折り畳み異常を起こしたAL09を、96ウェルプレートでコーティングし、1次抗体結合中に、LX-96および競合剤からなる混合物を添加した。折り畳み異常を起こしたAL09は、LX-96との結合において、30nMの阻害定数(IC50)で効果的に競合し(図12)、強い結合親和性を示した。一方、天然に折り畳まれたカッパ軽鎖は、結合において測定可能な競合を示さず、LX-96が折り畳み異常を起こした軽鎖には特異的に結合するが、天然に折り畳まれた軽鎖には結合しないことを示した。
実施例6:バイオレイヤー干渉法を使用した結合親和性(K)の定量化
本発明者らは、バイオレイヤー干渉法(BLI)を使用してLX-96の一価結合親和性を定量化した。LX-96を抗マウスIgG Fc捕捉(AMC)バイオセンサーにかけ、様々な濃度の折り畳み異常を起こしたAL09(0~200nM)または天然のAL09(0~3000nM)の溶液を染み込ませた。本発明者らは、センサーグラムから、折り畳み異常を起こしたAL09とLX-96とが速やかに結合し、続いてゆっくりと解離していく工程を認めた(図13A)。これは、抗体と標的との間で非常にしっかりと結合する相互作用が存在することを示唆している。Octet Systems Softwareを使用して、結合および解離のセンサーグラムをフィッティングし、折り畳み異常を起こしたAL09に対するLX-96の結合親和性を測定したところ、1.119±0.01nMであったが(図13A)、アッセイした濃度では、天然のAL09に対しては測定可能な結合は検出されなかった(図13B)。本発明者らは、異なる疾患を引き起こすκ軽鎖変異体(AL12)に対してアッセイを繰り返し、折り畳み異常を起こした形態についてはKが7.5±0.1nMであること(図13C)、そして天然の形態については意味のある結合が存在しないこと(図13D)を決定付けた。このことは、LX-96が同様の1桁台のナノモル親和性で折り畳み異常を起こした形態の異なるカッパ軽鎖変異体に特異的に結合することができることを裏付けている。
LX-96が折り畳み異常を起こしたカッパ軽鎖/折り畳みをほどいたカッパ軽鎖に特異的に結合することをさらに検証するために、天然の状態、折り畳み異常を起こした/折り畳みをほどいた状態、アミロイド状態のAL09を使用してネイティブウェスタンブロットを行った(図14のA~B)。折り畳み異常を起こした/折り畳みをほどいた状態のAL09は、6Mのグアニジン塩酸でAL09をほどき、続いてジチオスレイトールで還元し、ヨードアセトアミドでアルキル化することによって産生し、アミロイド状態のAL09は、AL09を5日間にわたって、pH7、57℃、500rpmでインキュベートすることによって産生した。チオフラビンT(ThT)蛍光を使用してアミロイドの存在を確認した。ウェスタンブロットは、LX-96およびDAKO製カッパウサギポリクローナル抗体(市販の対照)について、5μg/mLの一次抗体濃度で調製した。二次抗体(Licor製ヤギ抗マウス680LT抗体およびヤギ抗ウサギ680LT)を、製造業者の指示書に従って1:10,000に希釈した。ウェスタンブロット分析により、市販のカッパ軽鎖抗体はすべての形態(天然形態、折り畳み異常を起こした/折り畳みをほどいた形態、およびアミロイド形態)のAL09を認識するが、LX-96は折り畳み異常を起こした/折り畳みをほどいた形態、およびアミロイド形態のみを認識し、天然のAL09を認識しないことが示されている。アミロイドが形成される条件下では、天然形態のAL09は、市販の抗体対照によって検出した場合、依然として少量存在している。しかし、これらの種も、LX-96によって認識されないので、アミロイド特異性をさらに示すものであった。
実施例7:LX-96はヒト組織におけるカッパALアミロイド原線維を特異的に認識する
本発明者らは、検証したアミロイドーシスの事例から得た心臓組織、肝臓組織、および膵臓組織の免疫組織化学分析によって、LX-96の反応性を評価した。生検で確認したカッパALアミロイドーシスの場合、本発明者らは、非特異的抗カッパ抗体対照を使用して組織におけるカッパ軽鎖の存在を検証し、心臓カッパALアミロイドーシスの両場合(図15のDおよびE)や肝臓カッパALアミロイドーシスの場合(図15のB)、カッパALアミロイド沈着物に対するLX-96のオンターゲット染色を確認した。
次いで、本発明者らは、3つの病理学的対照組織においてLX-96の交差反応性を評価した。これらの場合、組織内のアミロイド分布は、色素コンゴーレッドを使用して染色して確認するか、あるいは市販の抗体を用いて確認した(図16のA~I)。ATTR心臓アミロイドーシスの場合、本発明者らは、アミロイドの陽性コンゴーレッド染色を認め(図16のA)、そして市販の抗ラムダおよび抗カッパ軽鎖抗体が非特異的で、アミロイドでないものに結合することを認めた(図16のBおよびC)。一方、心臓組織については、LX-96は染色を示さなかった(図16のD)。ラムダAL心臓アミロイドの沈着物に対する交差反応性を評価するために、本発明者らはまず、コンゴーレッドおよび抗ラムダ抗体を用いて組織の共染色を検証した(図16のE~F)。市販の抗カッパ抗体は、この組織に対して非特異的で、アミロイドでないものに結合することを示したが(図16のG)、LX-96は、交差反応性を示さなかった(図16のH)。さらに、生検で確認したIAPP(膵島アミロイドポリペプチド)アミロイドーシスの場合、交差反応性は認められなかった(図16のI)。要するに、LX-96は様々な組織においてエクスビボでカッパ軽鎖アミロイド沈着物に特異的に結合する能力を有し、天然タンパク質または他の非特異的アミロイド形態に対してオフターゲット相互作用を有さないという証拠が、この免疫組織化学分析によってもたらされている。
実施例8:LX-96結合によるAL09凝集体の細胞未使用の阻害。
次に、本発明者らは、アミロイドが形成される条件下で、インビトロでAL09凝集体におけるLX-96の結合効果を評価した。最終濃度15μMのFITC標識AL09(表示重量%:2%)の溶液を低pH(4.0)で処理し、600rpmで撹拌し、14時間にわたって凝集を誘導した。凝集体は、高速遠心分離して、不溶性である凝集物質をペレット化した後、AL09の可溶性画分をFITC蛍光によって間接的に測定した。本発明者らは、凝集プロセス開始時点にAL09に化学量論以下の濃度(0~4μM)のLX-96を導入し、終了時点でAL09の可溶性画分を測定した。LX-96は、化学量論以下の濃度でAL09の凝集を阻害することができ、推定IC50値は、1μM未満であった(図17)。
実施例9:LX-96は、マウス単球においてカッパ軽鎖アミロイドの抗体媒介性の食作用による取り込みを誘導する
最後に、本発明者らは、LX-96がインビトロでAL09凝集体の免疫除去を促進する能力を調べようと試みた。したがって、本発明者らは、RAW264.7(ATCC)マウス単球細胞と、pH感受性ローダミン(pHrodo)色素で標識したAL09アミロイド凝集体とを使用して、食作用アッセイを行った。この色素は、食作用によってリソソームに入ると、pHが低下する故に蛍光が増加する。前述の方法(57℃、500rpm、5日間)によって産生したAL09アミロイド凝集体を標識し、アイソタイプ対照であるLX-96でプレインキュベートするか、あるいは抗体なしでプレインキュベートするかのいずれかを行い、3時間にわたって、37℃、CO5%で、AL09終濃度100μg/ML、抗体終濃度20μg/mLとなるようにRAW264.7細胞に添加した。明視野およびpHrodo蛍光チャネルを使用して細胞を画像化し、標識AL09アミロイド凝集体の食作用による取り込みを可視化した。視覚評価によると、pHrodo陽性細胞の数が増加したことから実証されるように、アイソタイプ対照または抗体なし対照と比較すると、LX-96は、AL09凝集体を内在化させるRAW細胞の数を大幅に増加させた(図18B、図18D、および図18F)。細胞1つ当たりの平均pHrodo蛍光によって取り込みを定量化することで、アイソタイプ対照(p=0.0236)と抗体なし対照(p=0.0102)の両方に比べて、LX-96Aは、L09の食作用による取り込みを大幅に増加させることが確認され、免疫複合体の除去を大幅に増加させることが示された(図18G)。
実施例10:マウスアミロイドーマモデルにおけるLX-96依存性食作用除去
次に、本発明者らは、NU/NUマウスを使用して、LX-96がアミロイドーママウスモデルにおける免疫応答を誘導する能力を評価した。本発明者らは最初に、共局在アッセイを使用してLX-96分布を追跡した(図19)。100μgのAL09アミロイドとマトリゲルを混合し、マウスの脇腹に皮下注入し、アミロイドーマを形成した。蛍光標識LX-96を単回用量10mg/kgで尾静脈注射によって注入し、IVIS(登録商標)Spectrum In Vivo Imaging Systemを使用してマウスを数時間にわたって撮像した。本発明者らは、注入から60分以内にアミロイドーマにLX-96が共局在していることを認めたが、これは、血流を通してLX-96が細胞外アミロイド沈着物に到達することができることを示唆していた。次いで、本発明者らは、食作用取り込みアッセイを使用して、LX-96がマウスの免疫応答を増強させることができるか否かを評価した。前述のように、100μgのpHrodo標識AL09アミロイドを移植し、LX-96(またはアイソタイプ抗体対照)を10mg/kg単回用量で尾静脈注射によってマウスに投与した。3時間後にPHrodo蛍光を測定した。アイソタイプ抗体を注射してもPHrodo(食作用の指標)シグナルは変化しなかったが、LX-96を注射したマウスでは、食作用シグナルが大きく増加した(図20A)。本発明者らは、2つの他の抗体送達様式、すなわち、移植前にアミロイドーマを同時混合(同時移植)する様式と、アミロイドーマに直接皮下注射(subQ)する様式とを使用してアッセイを繰り返したところ、3つの送達方法すべてにおいて、食作用において約2倍の増加という同様の増強が認められた(図20B)。次に、本発明者らは、同動物において2つの同等サイズの蛍光標識アミロイドーマを移植することによって、LX-96の存在下または非存在下でのアミロイドの減少速度を測定した(図21A)。このアッセイでは、1つのアミロイドーマは、未処理とし、隣接するインプラントは、10mg/kgのLX-96と予め混合した。アミロイドーマの減少を測定し、蛍光イメージングによって3日間にわたって定量化した(図21B)。両アミロイドーマのサイズは縮小したものの、LX-96の存在下では縮小速度が大幅に増加し(3倍)、抗体の非存在下では、3日間で比較すると1日以内にアミロイド縮小の80%を達成していた(図21C)。さらに、本発明者らは、アミロイドーマ(LX-96またはアイソタイプ対照のいずれかを予め混合したもの)を切除し、切除した組織を、マクロファージまたは好中球マーカーを使用した免疫組織化学によって染色することによってLX-96の作用機序を確認した(図22)。この染色結果から、LX-96は、その部位におけるマクロファージや好中球の動員を増強させることでアミロイドーマの食作用の除去を増強させることが示唆されている。要するに、これらのインビボでの知見から、LX-96は、動物モデルにおいて沈着したアミロイドの食作用の除去を増強させることができることが示唆されている。
特定の実施態様についての前述の説明は、他者が、当該技術分野の技能内の知識を適用することによって、過度の実験を必要とすることなく、本開示の一般的な概念から逸脱することなく、かかる特定の態様の様々な用途を容易に修正および/または適合させることができるように、本開示の一般的な性質を完全に明らかにするものである。したがって、かかる適合や修正は、本明細書で提示された教示や指針に基づき、開示された態様の同等物の意味および範囲内であることが意図されている。本明細書における表現または用語は、説明を目的とするものであり、限定を目的としておらず、したがって、本明細書における用語または表現は、当業技術者によって、当該教示や指針に照らして解釈されるべきであると理解されるべきである。
本開示の他の態様は、本明細書で開示される本開示の明細書および実践を考慮することで、当業者には明らかであろう。明細書および実施例は例示に過ぎず、本開示の真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲によって示されることが意図されている。
本明細書に開示される刊行物、特許および特許出願はすべて、あたかも個々の刊行物、特許または特許出願がそれぞれ参照により援用されるように具体的かつ個々に示されるのと同じ程度にまで、参照により本明細書に援用される。

Claims (74)

  1. ヒトの免疫グロブリン遊離軽鎖(FLC)に特異的に結合する抗体であって、抗FLC抗体は、カッパ軽鎖との結合において参照抗体と交差競合し、前記参照抗体は、STYSLSSTLT(配列番号1)に示される免疫グロブリンカッパ軽鎖上のエピトープに結合し、任意選択で、前記参照抗体は、配列番号14の重鎖可変領域アミノ酸配列および配列番号10の軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む、抗体。
  2. STYSLSSTLT(配列番号1)に示されるアミノ酸配列の全部または一部と重複するエピトープでカッパ軽鎖に結合する、請求項1に記載の抗体。
  3. STYSLSSTLT(配列番号1)に示されるカッパ軽鎖アミノ酸配列上のエピトープに結合する、請求項1または2に記載の抗体。
  4. ヒトの免疫グロブリン遊離軽鎖(FLC)に特異的に結合する抗体であって、抗FLC抗体は、ラムダ軽鎖との結合において参照抗体と交差競合し、前記参照抗体は、NKYAASSYLSL(配列番号2)に示される免疫グロブリンラムダ軽鎖上のエピトープに結合する、抗体。
  5. NKYAASSYLSL(配列番号2)に示されるアミノ酸配列と重複するエピトープでラムダ軽鎖に結合する、請求項4に記載の抗体。
  6. NKYAASSYLSL(配列番号2)に示されるラムダ軽鎖上のエピトープに結合する、請求項4または5に記載の抗体。
  7. 免疫グロブリン重鎖に共有結合している免疫グロブリン軽鎖を含む複合体には結合しない、請求項1から6のいずれか一項に記載の抗体。
  8. 免疫グロブリン軽鎖ペプチドの凝集体に結合する、請求項1から7のいずれか一項に記載の抗体。
  9. 前記免疫グロブリン軽鎖ペプチドの凝集体は、1つまたは複数の折り畳み異常を起こした免疫グロブリン軽鎖ペプチドを含む、請求項8に記載の抗体。
  10. 軽鎖アミロイド原線維に結合する、請求項1から9のいずれか一項に記載の抗体。
  11. 前記アミロイド原線維は、対象から得た生体試料から収集される、請求項10に記載の抗体。
  12. 前記生体試料は、血液、血清、血漿、固形組織、およびそれらのいずれかの組合せから選択される、請求項11に記載の抗体。
  13. 前記FLCは、免疫グロブリン軽鎖ペプチドの断片を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の抗体。
  14. 前記FLCは、全長免疫グロブリン軽鎖ペプチドを含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の抗体。
  15. ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体である、請求項1から14のいずれか一項に記載の抗体。
  16. キメラ抗体、ヒト化抗体、またはヒト抗体である、請求項1から15のいずれか一項に記載の抗体。
  17. Fab、Fab’、F(ab’)、scFv、dsFv、ds-scFv、その二量体、ミニボディ、ダイアボディ、多量体、および二重特異性抗体断片からなる群から選択される抗体の抗原結合部分を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の抗体。
  18. 単鎖抗体である、請求項1から17のいずれか一項に記載の抗体。
  19. 標識と融合しているか、または標識と結び付けられている、請求項1から18に記載の抗体。
  20. 前記標識は、化学標識、生体標識、蛍光標識、またはそれらのいずれかの組合せを含む、請求項19に記載の抗体。
  21. 重鎖および軽鎖を含む、請求項1から20のいずれか一項に記載の抗体。
  22. 重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の抗体。
  23. 前記重鎖可変領域は、重鎖可変領域の相補性決定領域(variable heavy complementarity determining region:VH-CDR)1、VH-CDR2、およびVH-CDR3を含み、
    (a)前記VH-CDR1は、配列番号15に示されるアミノ酸配列を含み、
    (b)前記VH-CDR2は、配列番号16に示されるアミノ酸配列を含み、および/または
    (c)前記VH-CDR3は、配列番号17に示されるアミノ酸配列を含む、請求項22に記載の抗体。
  24. 前記軽鎖可変領域は、軽鎖可変領域の相補性決定領域(variable light complementarity determining region:VL-CDR)1、VL-CDR2、およびVL-CDR3を含み、
    (a)前記VL-CDR1は、配列番号11に示されるアミノ酸配列を含み、
    (b)前記VL-CDR1は、配列番号12に示されるアミノ酸配列を含み、および/または
    (c)前記VL-CDR1は、配列番号13に示されるアミノ酸配列を含む、請求項22に記載の抗体。
  25. (a)配列番号11に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR1、
    (b)配列番号12に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR2、
    (c)配列番号13に示されるアミノ酸配列を含むVL-CDR3、
    (d)配列番号15に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR1、
    (e)配列番号16に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR2、および
    (f)配列番号17に示されるアミノ酸配列を含むVH-CDR3
    を含む、請求項1から24のいずれか一項に記載の抗体。
  26. 配列番号14に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域を含む、請求項1から25のいずれか一項に記載の抗体。
  27. 前記重鎖可変領域は、配列番号14に示されるアミノ酸配列を含む、請求項26に記載の抗体。
  28. 配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%、95%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1から27のいずれか一項に記載の抗体。
  29. 前記軽鎖可変領域は、配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む、請求項28に記載の抗体。
  30. 配列番号14に示されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および配列番号10に示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、請求項1から29のいずれか一項に記載の抗体。
  31. 500ピコモルと25ナノモルとの間のKでAL09アミロイドに結合する、請求項1から30のいずれか一項に記載の抗体。
  32. 500ピコモルと10ナノモルとの間のKでAL09アミロイドに結合する、請求項1から30のいずれか一項に記載の抗体。
  33. 1ピコモルと10ナノモルとの間のKでAL09アミロイドに結合する、請求項1から30のいずれか一項に記載の抗体。
  34. 請求項1から33のいずれか一項に記載の抗体をコードする、ポリヌクレオチドまたは複数のポリヌクレオチド。
  35. 請求項34に記載のポリヌクレオチドまたは複数のポリヌクレオチドを含む、ベクターまたは複数のベクター。
  36. 1つまたは複数の調節エレメントをさらに含む、請求項35に記載のベクター。
  37. 請求項1から33のいずれか一項に記載の抗体、請求項34に記載のポリヌクレオチドまたは複数のポリヌクレオチド、あるいは請求項35または36に記載のベクターまたは複数のベクターを含む、宿主細胞。
  38. 請求項1から33のいずれか一項に記載の抗体、請求項34に記載のポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチドのセット、請求項35または36に記載のベクターまたはベクターのセット、あるいは請求項37に記載の宿主細胞と、薬学的に許容可能な賦形剤とを含む、医薬組成物。
  39. FLCに特異的に結合する抗体を作製する方法であって、適切な条件下で請求項37に記載の宿主細胞を培養する工程を含む、方法。
  40. 前記抗体を単離する工程をさらに含む、請求項39に記載の方法。
  41. AL媒介アミロイドーシスを診断する方法であって、対象から得た生体試料を請求項1から33のいずれか一項に記載の抗体と接触させる工程を含む、方法。
  42. 対象から得た生体試料中のFLCを測定する方法であって、前記生体試料を請求項1から33のいずれか一項に記載の抗体と接触させる工程を含む、方法。
  43. 前記対象は、1つまたは複数のアミロイド沈着物を有する、請求項41または42に記載の方法。
  44. 前記対象は、アミロイド沈着物を特徴とする疾患または疾病に罹患している、請求項41から43のいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記生体試料は、血液、血清、血漿、固形組織、およびそれらのいずれかの組合せから選択される、請求項41から44のいずれか一項に記載の方法。
  46. 1つまたは複数のアミロイド沈着物を有する対象を治療する方法であって、請求項1から33のいずれか一項に記載の抗体、または請求項38に記載の医薬組成物を治療有効量で前記対象に投与する工程を含み、それによって1つまたは複数のアミロイド沈着物を有する前記対象を治療する、方法。
  47. アミロイド沈着物を特徴とする疾患または疾病を有する対象を治療する方法であって、請求項1から33のいずれか一項に記載の抗体、または請求項38に記載の医薬組成物を治療有効量で前記対象に投与する工程を含み、それによって前記アミロイド沈着物を特徴とする疾患または疾病を有する前記対象を治療する、方法。
  48. 前記対象は、形質細胞障害を有する、請求項41から47のいずれか一項に記載の方法。
  49. 前記対象は、全身性アミロイドーシスを有する、請求項41から47のいずれか一項に記載の方法。
  50. 前記対象は、ALアミロイドーシスを有する、請求項41から47のいずれか一項に記載の方法。
  51. 形質細胞障害の治療を必要とする対象の形質細胞障害を治療する方法であって、請求項1から33のいずれか一項に記載の抗体、または請求項38に記載の医薬組成物を治療有効量で前記対象に投与する工程を含み、それによって前記対象の前記形質細胞障害を治療する、方法。
  52. 前記形質細胞障害は、形質細胞異常増殖症を含む、請求項51のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記形質細胞異常増殖症は、意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)、多発性骨髄腫(MM)、形質細胞白血病(PCL)、およびそれらのいずれかの組合せから選択される、請求項52に記載の方法。
  54. 全身性アミロイドーシスの治療を必要とする対象の全身性アミロイドーシスを治療する方法であって、請求項1から33のいずれか一項に記載の抗体、または請求項38に記載の医薬組成物を治療有効量で前記対象に投与する工程を含み、それによって治療を必要とする前記対象の前記全身性アミロイドーシスを治療する、方法。
  55. 前記全身性アミロイドーシスは、ALアミロイドーシスを含む、請求項54に記載の方法。
  56. 前記抗FLC抗体は、前記対象の少なくとも1つのアミロイド沈着物のサイズを、前記投与前の前記対象の前記少なくとも1つのアミロイド沈着物のサイズと比べて縮小させる、請求項46から55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記抗FLC抗体は、前記対象のアミロイド沈着物の数を、前記投与前の前記対象の前記アミロイド沈着物の数と比べて低減させる、請求項46から55のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記抗FLC抗体は、前記対象のアミロイド沈着物の形成速度を、前記投与前の前記対象の前記アミロイド沈着物の形成速度と比べて低下させる、請求項46から57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記抗FLC抗体は、前記対象のアミロイド沈着物の形成速度を、前記投与前の前記対象の前記アミロイド沈着物の形成速度と比べて停止させる、請求項46から58のいずれか一項に記載の方法。
  60. アミロイド沈着物の食作用の増加を必要とする対象のアミロイド沈着物の食作用を増加させる方法であって、請求項1から33のいずれか一項に記載の抗体、または請求項38に記載の医薬組成物を治療有効量で前記対象に投与する工程を含み、それによって前記対象の前記アミロイド沈着物の食作用を増加させる、方法。
  61. カッパ軽鎖定常領域を対象とする抗体を作製する方法であって、抗体産生細胞もしくはその馴化培地、ポリクローナル抗体混合物、またはファージディスプレイライブラリを、配列番号1の配列を含むポリペプチドと接触させる工程を含む、方法。
  62. 前記抗体産生細胞は、ハイブリドーマである、請求項61に記載の方法。
  63. 前記ポリペプチドは、長さが50アミノ酸未満である、請求項61に記載の方法。
  64. 前記ポリペプチドは、長さが25アミノ酸未満である、請求項61に記載の方法。
  65. 前記ポリペプチドは、第1の部分および第2の部分を含み、前記第1の部分は、配列番号1の配列からなり、前記第2の部分は、カッパ軽鎖定常領域とは異種のアミノ酸配列を含む、請求項61に記載の方法。
  66. 前記ポリペプチドは、配列番号1からなる、請求項61に記載の方法。
  67. 配列番号1に結合する抗体を選択する工程をさらに含む、請求項61に記載の方法。
  68. ラムダ軽鎖定常領域を対象とする抗体を作製する方法であって、抗体産生細胞もしくはその馴化培地、ポリクローナル抗体混合物、またはファージディスプレイライブラリを、配列番号2の配列を含むポリペプチドと接触させる工程を含む、方法。
  69. 前記抗体産生細胞は、ハイブリドーマである、請求項68に記載の方法。
  70. 前記ポリペプチドは、長さが50アミノ酸未満である、請求項68に記載の方法。
  71. 前記ポリペプチドは、長さが25アミノ酸未満である、請求項68に記載の方法。
  72. 前記ポリペプチドは、第1の部分および第2の部分を含み、前記第1の部分は、配列番号2の配列からなり、前記第2の部分は、ラムダ軽鎖定常領域とは異種のアミノ酸配列を含む、請求項68に記載の方法。
  73. 前記ポリペプチドは、配列番号2からなる、請求項68に記載の方法。
  74. 配列番号2に結合する抗体を選択する工程をさらに含む、請求項68に記載の方法。
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